- 1二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 17:24:15
「綺麗な彗星…」
夜空を見上げる、一組の男女がいた。
「けど、変ね」
ーーしかしそのうちの一人、アドマイヤベガはすぐに眉間へ皺を寄せ、訝しむ。
「目視できる大きさの彗星の接近なんて、どこも報じて無かったはず…」
「そうなのか?」
彼女の担当トレーナーが返す。
「ええ…」
悩む様子のアドマイヤベガ。
そんな彼女の肩に、トレーナーは優しく手を添える。
そして空を指差しーー
「でも…綺麗な星だ。蒼白くて…まるで…」
「ちょっと」
トレーナーの言葉を遮るアドマイヤベガ。
「そういうのは…いいから」
それ以上、トレーナーは何も言わなかった。
二人の視線は、共に空を駆ける彗星を見つめていた。
しかし、彼女らはまだ知らない。
この彗星こそ、大いなる「試練」の幕開けであることをーー - 2二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 17:24:35
- 3スレ主25/02/06(木) 17:26:40
このスレは
ウマ娘プリティーダービー×ロックマンエグゼStream
のクロスSSスレとなります。
(以前立てていたものをSSスレとして改めて立て直したものです)
途中で安価もする予定ですので、どうぞよろしくお願いします。 - 4スレ主25/02/06(木) 17:30:31
#0 -序章-
「ここは…?」
一人のウマ娘が、ぽつりと呟く。
彼女の瞳の中には、広大な宇宙が映し出されている。
ウマ娘ーーアドマイヤベガはその中に一人、浮かんでいた。
「…綺麗」
上下左右、どこを見渡しても星々が映る光景は、さながら全天球型のプラネタリウム。
彼女はしばし、この奇妙ながらも神秘を含んだ光景に目を奪われていた。
「……い!」
ーーそんな時である。彼女の耳が、小さく聞こえる声を拾ったのは。
声の方向に体を向けるアドマイヤベガ。
その視線の先にはーー見知った顔。
「おーい!おーい!アヤベ!」
宇宙を泳ぐーーという表現が相応しいだろうか。
必死に手足を動かし、彼女の名を呼びながら近づくその人物はーー彼女の担当トレーナーである。 - 5スレ主25/02/06(木) 17:30:42
「あなた…何でこんなところに?」
「君のほうこそ」
疑問を投げかけあう両者。
「僕は…寮で寝ていて気づいたらここに。アヤベは?」
「私も同じよ…でも」
そこまで言うとーー彼女はおもむろにトレーナーの手を握り始める。
「ア、アヤベ!?」
驚く彼をよそに、アドマイヤベガは続けた。
「夢にしては、感覚がハッキリしすぎてる」
「それじゃあ、これは現実なのか…?」
そうトレーナー(以下、アヤトレと呼称)が呟いた、次の瞬間。
『聞こえるかーー人間とウマ娘よ』
空間全体を震わせる程の威厳に満ちた、何者かの声が響き渡った。
「…誰だ!?」
アヤトレは辺りを見渡しつつ、問う。
『我が名はーー』
そして徐々に、二人の目の前には巨大なシルエットが構成されてゆく。
それは2本の角を生やした、白銀の巨神。
『我が名はーーデューオ』
- 6二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 17:31:19
何処かに在る(Be somewhere)光とどく場所
風を突き抜けて あしあとを辿る - 7スレ主25/02/06(木) 17:31:28
「デュー…オ?」
その名をゆっくりと反復するアヤトレ。
続いて、アドマイヤベガが問いかける。
「デューオ…私たちをここに呼び出したのは…あなた?」
『そうだ』
「何のために?」
『お前達が審判を下されるべき存在かをーー見定めるためだ』
「審判だって?」
「一体、何の話?」
話の内容が飲み込みきれず、唾を飲んで推し黙る二人。そんな彼女らに、デューオはただ淡々と告げる。
『お前達の星ーー即ち地球を、抹殺すべきか否かの審判だ』
「「なっ…!?」」
地球抹殺。その言葉に、二人の背筋は凍りついた。
「何の権利があってそんな事を!」
声を荒げるアヤトレ。
『この宇宙にーー害を為す存在を消し去ることが我が使命だからだ』
しかしデューオは、歯牙にもかけず言い放つ。
そして反論を挟む余地もなく続けた。
『お前達に、[デューオの紋章]を与える。これより一年以内に、同じ紋章を持つ者を二人一組で一つとし、16揃えよ。さすれば、審判は回避される』
『これはお前達人類と、ウマ娘達への試練である』
瞬間、デューオが眩い紫光を放つ。
「アヤベ!」
アヤトレは担当を被さるように抱きしめ、庇う。
そして放たれた光は、二人を呑み込んでーー - 8スレ主25/02/06(木) 17:33:00
- 9スレ主25/02/06(木) 17:33:47
アドマイヤベガが目を覚ます数時間前。
多数のモニターを備えた研究室内にてーー
「っと…もうこんな時間か。そろそろ眠らなければな…」
エメラルドグリーンの髪を靡かせ、椅子の上で伸びをする彼女の名は、シュガーライツ。
かつてトレセン学園に所属し、己が夢に青春を捧げていたウマ娘だ。
しかし脚の故障により引退を余儀なくされ、その後遺症により現在は主に電動車椅子を用いての生活を送っている。
そんな彼女は、第二の人生としてロボット工学を選び、少し前には[ST-2]、通称サティと呼ばれるフルダイブ方式を採用した義体を開発。
トレセン学園生達の協力もありーー[もう一度走りたい]と言う夢を叶えたこともあった。
そうしてその後、彼女はサティの更なる技術的発展のため、研究を続けていた。
「さて、その前に…何か飲むとするかーー」
そう言って、彼女が車椅子を進めた時。 - 10スレ主25/02/06(木) 17:36:22
「っ、と!」
ガン、という鈍い音が、室内に響いた。
同時に、デスク上部の棚にあった物がいくつか床に散らばる。
「しまった、手元が狂ったか…やれやれ、寝不足が過ぎたようだな」
独りごち、落ちた物を拾い集めるシュガーライツ。
そんな中、ふと彼女の手が止まる。
「…これは」
その原因はーー視線の先にある、埃を被った写真立て。
そこに写るは、一組の男女。
一人は、学園生時代の彼女自身。
そしてもう一人はーー当時の担当トレーナー。
「…」
懐かしさと、哀愁を秘めた目でそれを見つめるシュガーライツ。
ーーその時であった。
『…えるか』
ノイズ混じりの声とともに、見知らぬ映像が後方のモニターに映し出されたのは。
「何だ…?』
シュガーライツは目を凝らし、それを見つめる。
砂嵐だった映像は、次第にはっきりとした形を描きーー
『聞こえるか、この星の者よ』
黒を基調としたアーマーを身に纏う、謎の人物を映し出したーー
『私の名はカーネル。デューオの意思を伝える者…』 - 11スレ主25/02/06(木) 17:40:08
#0 終わり
…というわけで続きはまた後日となります。
16人中2人(内1人はアヤベさん)は決定してるので、残り14名を随時安価していきたいと思います。
・チーム競技場基準でそれぞれの適正から3名ずつ
にするつもりです。
というわけで早速安価を
>>15が二人目の紋章の所有者です
- 12二次元好きの匿名さん25/02/06(木) 17:42:06
エアシャカールで
- 13スレ主25/02/06(木) 23:48:28
仕事終わりの保守
オチ周りは思いつきました - 14二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 00:51:29
kasoku
- 15二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 00:51:41
- 16スレ主25/02/07(金) 01:01:44
- 17二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 01:03:47
のんびり待ってるからマイペースでやってくださいよ!
- 18スレ主25/02/07(金) 03:37:06
「みんな、元気にしているだろうか…」
バスに揺られつつ、芦毛のウマ娘が呟いた。
「きっと元気だよ、それに…」
少し不安げな彼女の頭を優しく撫でつつ、隣の青年は笑いかける。
「オグリの顔を見れば、もっと元気になるさ」
「…そうか、そうだな…!」
彼の言葉で一転して笑顔になり、尻尾を大きく振るの彼女の名はーーオグリキャップ。
言わずと知れた、『アイドルウマ娘』にしてーー『芦毛の怪物』とも呼ばれる実力者である。
そんな彼女とその担当トレーナーは今、とある場所へと向かっている最中であった。
そこはーーオグリキャップにとって大切な場所。彼女のルーツであるその地の名はーー - 19スレ主25/02/07(金) 03:37:49
#1 『カサマツの星』
- 20スレ主25/02/07(金) 03:38:37
というわけで第一話、オグリキャップ編開始でございます。
続きはまた後ほど…