- 1二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 22:42:06
「天の御座にこう頻繁に訪れるのは君くらいだ。…あの水没地区の時から変わらないな」
「───」
「まぁ、疎んでる訳ではない。役割が無い…という事はないが、特筆して何かやるべきという義務がある訳ではないからな。私は唯ここに在る者なり」
────────────────────
「巡礼者の完成により、世界の果てに神性が満ちていった。そこには壊れ、崩れ、廃れた地平が広がっていたが、同時に我らを拒むモノも無く好機でもあった。なぜ私達を追っていた者達まで消えたのかは分からず終いだが、今になっては些末事だ」
「…時折思う事がある、私がここに居る事に意味はあるのか─と。汝らの答は私の"再臨"だった。こうして我が意志は再び世に表象され、打ち捨てられていた神域の塔を楔とし、ここにいる」
「だが、多くの無が広がり、新たな創世を果たしたこの世には"救済"も"審判"も未だその刻を迎えてすらいない、実行者の三人は私に非存在のヴェールを被せ形而上の高次元と調和させる事だろう。──ならば、この私の思考に意味はあるのか?」
「──…」
「汝らが求めるのが私の微かな実在ではなく、確かな遍在であるというのなら、それこそが絶対的存在を超える存在証明の路と言うのなら……無限に融けていた私の意志は、なぜ再び有限に落とされた?そこに価値が無ければ──」
「………」
「…あぁ、すまない。まるで泣き言のようになってしまった、別に悲観している訳では……ないのだがな、この塔は確かに今の世のあらゆる権利の実行を有しており、私がその制御を掌握している。これは彼らにとって私が他の何より重要で絶対である事実に他ならないと言うのに私h「!!!」
「おい「───」待て、落ち着け「───!」ちょっ…汝は神の言葉を「───!!!」」
「…いや、もういい。全く…君は本当に変わらないな、その少し知性に乏しい所は──…いや、それも君の責ではないな、最初のセフィラ、絶対の神が自ずから生み落とした神性に、見合った器を与えられなかった。私が
弱くみすぼらしかったからだ。もっと聡明に、明瞭に、明確に世界を見たかったろう?誕生の呪いを超え神という祝福に飛び立つとは私の言だったか、これでは呪いの重ねがけだよ。もし失敗してたら、笑い話にもならなかった」
「……"────"」
「……そうか」
──────────────────── - 2二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 22:42:37
- 3125/02/07(金) 22:43:01
こんな感じで生徒や学園とは違う部隊、組織、存在のこういうちょっとしっとりしたお話はありませんか?
- 4二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 22:44:27
めっちゃいい…もしかしてデカケテきてる?
- 5二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 22:46:25
カイザー理事が左遷される時に慕われていた部下に見送られるのなら思いついたが
- 6125/02/07(金) 22:47:05
- 7二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 22:52:08
- 8二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 23:03:13
まぁ神も決して超越した精神の持ち主じゃないからね…
創造主も旧約では憤怒と嫉妬を抱えてた - 9二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 23:05:16
- 10125/02/07(金) 23:08:01
- 11二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 23:22:22
- 12125/02/07(金) 23:25:56
- 13二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 23:36:17
- 14二次元好きの匿名さん25/02/07(金) 23:37:11
俺頑張ったよスレ主…
- 15125/02/07(金) 23:45:37
ありがとう!
確かに悪徳だし、人格はお世辞にも良いとは言えなかったが、同時に多くの人の上に立って食わせていたんだよね…
悪振りながら然り気無く激励を送る理事のニヒルな矜持に見送りモブが慕った一面が垣間見えた気がした
- 16二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 00:22:55
基本的に敵対するキャラの普段は見れないだろうこういうセンチな一幕は良いものだ…
- 17二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 00:27:30
「(読み聞かせ、随分と好評ですね…かくいう我も癖になってしまっている)」
「(…巡礼の旅であまりあの方に御見えできない…是非あの方にもお聞かせをしたi)」
「………だ…」
「……──」
「(…ケテル?)」
─────────────────────
「………………」
「!お姉様…!ここにいるとは珍しいですね。えへへ…」
「………ッ────」
「…お姉様?」
「!………アイン」
「お姉様…どうかなさいましたか?」
「…いえ、どうも致しませんとも。そう、新しいお話を用立てました。出来れば三人揃った場で語りましょうか」
「良いんですか!ありがとうございます!えへへ…さっそく二人を呼んできます」
「えぇ、待っています」
──────────────────────
- 18二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 00:29:02
「………」
『──ならば、この私の思考に意味はあるのか?』
『なぜ再び有限に落とされた?そこに価値が無ければ──』
『別に悲観している訳では……ないのだがな』
『……"────"』
『……そうか』
「ケテル…貴方は知恵を…それ以上を望まないのですね…心を、精神を、思いをつくして…あの方を愛すると」
「(我は…きっと望んでしまった。だからあの方の魂を有限に再び堕ろしてしまった。求める救いも、願いも無いのに…大義を被った俗欲で、あの方を悩ませてしまっている)」
「(…それでも、その不徳を受け入れるのなら、我の不義を許されるのなら──その名の示す運命を、為すべきことを為さなければならない)」
「(淵源を離れ、唯ひたすら世界の果てへ──この使命こそ愛に尽くす道…無償で無差別、それこそが神の愛(アガペー)。あの方の…愛。この心情はただ内に在れば良い、見返りなんて要らない)」
「(主は偉大にして、強大である。慰めなど冒涜だ。ならば我も、我の路を往くのみ)」
「(……もし、あの方が呟いた懸念が、戯れではなく、本当に苦しみだとしたら、その時は……)」
『だが──それからも君は私の元に飛び付いてくるのだろうな──』
『──「ケテル」よ──』
「その役割は──我ではないのです」
- 19125/02/08(土) 00:37:35
- 20二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 00:46:21
部下もアロハ服着てエンジョイしに来てたんだろうか…ワカモにドッカンされるが
- 21二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 00:56:49
「「所有せずとも確かな幸せを探す集い」の我々がこのお酒を飲んでいいのか…という話がありますよね?」
「うん」「そうそう」「ぶっちゃけ所有に該当しそうな…」
「廃棄弁当やお酒はその場ですぐ食べないと腐ったり食べられなくなってしまいます。そうなれば価値はなくなり、捨てる…つまり、所有できなくなってしまいます。このお酒は投げ売りされていたものですので、「相手側が手放す」ものと言えるでしょう。…つまるところ、今すぐに消費しないといけないものです。…手に入れてすぐ消費する場合、「所有」とは言えないでしょう?…つまり、今この場で消費してビンを捨ててしまえば持っていないということです!」
「なるほど…」「たしかに…」「さすがリーダー!」
「さあ、みんなで飲みましょう!」
「ヒャー!」「ゴーゴー!」「がぶ飲みだ~!」
(その後、廃墟で酔いつぶれて寝ていたデカルト達が発見された…) - 22二次元好きの匿名さん25/02/08(土) 01:41:25
弁当の時といい意図的に享受を図る為のマッチポンプとかが無ければまぁ慎ましやかな欲求の解消として筋は通ってるのよねぇ彼ら