白草四音の日記 2

  • 125/02/09(日) 10:12:47
  • 225/02/09(日) 10:13:07

    ^月¥日

    プロデューサーに昨日の着替えのことを聞いた。
    「そんなわけないでしょう」と真顔で言われた。
    ボクを部屋に届けたあとメモを書いて、着替えは撫子にお願いしたらしい。
    ...『プロデューサーじゃなかった』って安心していいのに『プロデューサーじゃなかったんだ』って残念がってるボクはどうしようもない。
    ......昨日あれだけ恥ずかしがってたのに。

  • 325/02/09(日) 10:13:37

    ^月%日

    改めて、だけど
    N.I.Aが終わった。
    優勝、というこれ以上ないくらい良い結果で。
    だから、他にもたくさん考えること、思い出すことがある。
    あるハズだ。
    あるハズ、なのに。
    考えるのは_____燐羽のこと。

    初めて、尊敬出来たアイドル。
    初めて、ボクと対等に関わってくれたアイドル。
    出会いは最悪だった。
    でも、気がつけばレッスンを見てもらっていて仲良くなって、軽口を話せるようになっていた。
    友達、と思えるようになっていた。

    ____引退、しちゃう。

    だから?

    だからなの?

    だからボクは燐羽のことばかり考えているの?

    本当にそれだけ?

    『寂しい』だけじゃ説明出来ないこの気持ちは、なに?

    名前もわからないこの衝動は、なに?

  • 425/02/09(日) 10:14:16

    ^月○日

    燐羽の様子がやっぱりおかしい。
    どうしても思う。
    引退しちゃうんじゃないか、って。
    嫌だ。
    ボクは燐羽とまだ一緒にいたい。
    プロデューサーと燐羽とボクの3人でずっといたい。
    でもこんなこと言えるわけない。
    だって燐羽を困らせる。
    ボクはどうしたらいいの?
    プロデューサーに相談したら「大丈夫ですよ」と優しく笑っていた。
    燐羽はきっと葛藤している。
    自分の気持ちに整理をつけている。
    解釈をして、でも納得出来なくて、悩んで、でも飲み込んで、よく吟味して、吐き出して。
    ____また、繰り返す。
    きっとそうして名前をつけている最中だから、って。

  • 525/02/09(日) 10:16:29

    ^月+日

    ...姉さまがプロデューサーを『弟』と呼んでいた。
    矛盾、してる。
    だってプロデューサーは姉さまより年上だ。
    年上の弟も、年下の姉も。
    存在が矛盾してる。
    プロデューサーは「どうかしている」と何度も言ってた。
    姉さまは「姉だと言え」と迫っていた。
    姉さまだけが、おかしい。
    プロデューサーが勢いに負けて苦しそうに姉さまと呼んで「屈辱だ」と心底悔しそうに逃げていった。
    ...その不満そうな顔が可愛いな、と思ってしまった。
    そのあとボクに気づいた姉さまが言ってくれた。
    「しばらくこっちにいることにした」
    「だから」
    「ゆっくりでいい、話そう」
    「お前の話を聞きたい」って。
    すごく嬉しかった。
    だって、まるで姉さまが歩幅を合わせるようにボクに近づいてきてくれた気がしたから。

    早速さっき姉さまと話した。
    ボクがプロデューサーと出会った時のこと。
    プロデューサーに曲をもらった時のこと。
    プロデューサーの、良いところ。
    尊敬出来るボクの友達のこと。
    その子が引退しちゃうこと。
    引退しちゃう、だけでは説明出来ない何かがずっとあること。
    それを話すと姉さまはボクのことを「欲張りだな」と笑っていた。
    どういうことなのか聞いても教えてくれなかった。
    だから話題を変えた。

  • 625/02/09(日) 10:17:29

    _____FINALEのことを。
    ボクのライブはどうだった?と聞くと成長した、と言われた。
    ファンのことなんて考えていないようなパフォーマンスをしていたのに、変わっていた。
    ファンにただ見せるのではなく、自分の世界をファンに魅せていた。
    盛り上げるのではなく、引き摺り込む。
    そんなパフォーマンスだった。
    そう言ってくれた。
    ____すごく嬉しくて、言葉が出なかった。
    何だか気恥ずかしくなってまた、話題を変えた。
    お昼の話だけどボクはどっちになるんだろう。
    プロデューサーの姉?
    それとも妹?って。
    「好きな方を選べ」と言われた。
    .........選べるんだ。
    プロデューサーに姉さまと呼ばれるのもいいし、プロデューサーを兄さまと呼ぶのも、いい。
    ...選べない。
    だって、どっちも魅力的だ。

    こんな変な会話、姉さまと初めてした。
    ちょっと変わった形だけど、姉妹らしい関係になれた気がする。
    ...プロデューサーのおかげ、だ。

  • 725/02/09(日) 10:17:51

    ^月<日

    プロデューサーが忙しそうにしていた。
    ...ボクがN.I.Aで優勝して、レッスンを見てほしいとお願いする子がたくさんいるから。

    ___嫉妬、してる。
    プロデューサーがボク以外の子と話す、なんて。
    ボク以外を優先してることも。
    だから一人でレッスンをした。
    ......プロデューサーも燐羽もいないレッスン室は冷たくて寂しくて広く感じた。

  • 825/02/09(日) 10:18:19

    ^月「日

    そういえば忘れてた。
    FINALEが終わったあと、プロデューサーと姉さまが話してた内容を聞きそびれてた。
    だから聞いてきた。
    姉さまは教えてくれなかったし、プロデューサーもやっぱり教えてくれなかった。
    まだ話せませんって言っていた。
    ボクの目を見ながら真剣な顔で「いつか話します」って。
    ___だから待つことにした。
    きっとプロデューサーにとって大切なことなんだと思うから。

  • 925/02/09(日) 10:18:51

    ^月〒日

    今日は撫子のレッスンを見た。
    撫子もN.I.Aで良い結果を残せたしアイドルとして徐々に成長している。
    特に、ファンとの接し方なんて上手になった。
    ボクや燐羽と接するみたいな自然体で、それでいて自分のキャラを確立した。
    少し傲慢だけど可愛げのあるアイドル。
    ファンからはそう思われてるに違いない。
    だけど、Bランクになる日も近いと思う。

    あとプロデューサーからそろそろボクも忙しくなると聞かされた。
    『ファムファタール』のリリースのためにMV撮影だったりフル尺の収録だったり、ジャケット撮影があるらしい。
    きっと大変だ。
    でも、楽しみ。

  • 1025/02/09(日) 10:19:35

    ^月^日

    ___嬉しい。

    燐羽が、引退をやめるって。
    アイドルを続けるって。
    ボクとユニットを組みたい、って。
    ボクと同じステージに立ちたい、って。
    そう、言ってくれた。

    「大事な話がある」と言われた時は『引退のことだ』って思った。
    だから聞くのがすごく怖かった。
    だけど嬉しいことをたくさん話してくれた。
    ボクになら燐羽のファンを託せると思ってくれていたなんて。
    ボクのライブを見て『アイドルを続けたい』って思ってくれたなんて。
    引退をやめてくれる、なんて。
    夢、みたいだ。
    そのあとたくさん話をした。
    やっぱりプロデューサーに曲を作って欲しいし恥ずかしいけど____衣装だって。
    あの人にスリーサイズ言わないといけない、と赤い顔で言っていた。
    言いたい?それとも聞かれたい?と意地悪をしたら「わからない」ってまた赤い顔をしていた。
    燐羽はかわいいと思う。
    明日一緒にプロデューサーに報告しよう、と約束した。

  • 1125/02/09(日) 10:20:16

    ^月☆〜日

    プロデューサーに報告した。
    ユニットの結成を祝福してくれてユニットの曲も作ってくれる、と言っていた。
    ...また私が作るんですか?って揶揄いながら。
    ......わかってやってると思う。
    ああいうのズルいと思う。
    燐羽も同じことを思ったみたいで帰りにさっきのあれどう思う?って聞かれたし。
    でもプロデューサーはやっぱり素知らぬ顔で忙しくなりますよ、と楽しそうにしていた。
    ......そういうのがズルい、って言ってるんだけどな。

    あとユニットの話をしていて思ったことがある。
    燐羽の持ち歌も作って欲しい、って。
    プロデューサーに持ち歌を作ってもらったボクにはわかる。
    嬉しくて、勇気を貰えて、幸せで、プロデューサーがずっとそばにいてくれるような気持ちになる、あの感覚。
    ____それはきっと燐羽も同じだ。

  • 1225/02/09(日) 10:20:39

    ^月☆¥日

    燐羽がプロデューサーと二人きりでレッスンをしてた。
    ...ズルい。
    頼んだのはボクだけど。
    見張ってて欲しいってお願いしたけど。
    それでもズルい。

    ...でも、プロデューサーと一緒にいるのが燐羽なら許せる。
    これからも仕事が入っちゃった時はお願いしよう。

  • 1325/02/09(日) 10:25:58

    ^月☆+日

    今日はレッスンをプロデューサーに見てもらった。
    動きはやっぱり良くなっているし声も出そうと思った声が出せてる。
    でもFINALEの時のような感覚がない。
    ___声も、身体も、表情も、ボクのすべてがひとりでに動きだしたあの感覚。

    それが、ない。

  • 1425/02/09(日) 10:28:37

    ^月☆〒日

    今日は撮影の仕事をしてきた。
    『ファム・ファタール』のジャケット撮影。
    一緒の現場だったアイドルの子のピアスがすごかった。開けてる数もそうだしどれも似合っててカッコよくてオシャレだなって思った。
    帰りにプロデューサーとそんなことを話したら「開けてみたいんですか?」って聞かれた。
    そうかもしれない。
    けど少し怖いかも。
    そんなことを言うと笑いながら「じゃあ一緒に開けますか」って。
    そのままピアッサーを買いに行って二人でピアスを選んだ。
    何の特徴もない黒のシンプルなピアス。
    ...片耳に二人で同じ場所に開けて、同じものをつけようって話した。
    お揃いってすごく、いい。
    だって、独占欲が満たされる。

  • 1525/02/09(日) 10:29:57

    それで学園に戻ってきてからピアスを開けた。
    ボクがプロデューサーの耳に開けて、プロデューサーがボクの耳に開けた。
    ボクもプロデューサーも初めてのピアス。
    ...あの人の初めてを奪った。
    ...あの人に初めてを奪われた。
    大きな何かがあったわけじゃない、本当に些細な初めて。
    お互いの身体にちくりとした痛みと一緒に傷をつけたことに、ボクの理性は溶けるぐらい刺激された。

    生まれて初めて感じる___背徳感。



    ...今、日記をこうして書いてるけど耳がまだヒリヒリしてる。
    ___きっとプロデューサーも。
    ______同じ余韻の中にいる。
    ___そのことにどうしようもなく興奮、する。
    ...ずっと、気分が昂ってる。
    ......今日のボクはヘンだ。
    なんていうか、その...えっちな気が、する。

    ...プロデューサーの、せいだ。

  • 1625/02/09(日) 10:43:22

    ^月¥%日

    燐羽にピアスのことを聞かれた。
    「プロデューサーとお揃いだけれど」って。
    ボクのは髪で隠れて見えないのに、と思ってたら何度も触っていたらしい。
    よかったわね、と言ってくれた。
    ...恥ずかしい。
    でも仕方がない。
    プロデューサーに耳を触られた時の感触がずっとある。
    それをまた感じたくて自分でつい触ってしまう。
    でもボクの手じゃプロデューサーの手と全然違くて、満足できない。
    なのにやっぱりプロデューサーの手を思い出したくてまた触りたくなる。
    ...プロデューサーの手は大きくて、あったかい。
    指だって長くてスッとしていて綺麗だ。
    でも骨ばっていて堅い。
    _______『男』を感じる。
    ...プロデューサーはそんな手をしている。
    最近はあの人がペンを持っているだけでチラチラと見てしまっている。
    また触って欲しい、触りたい。
    そう思って、身体に熱が籠る。

    ...今日はもう寝よう。

  • 1725/02/09(日) 10:44:57

    あれから結局、気がついたら触ってた...。
    でも、また耳を触っていて思った。
    ____燐羽の耳にも開けたい。
    見せつけるような跡を燐羽の身体に残したい。



    ああ、ようやく気づいた。
    ボクはプロデューサーのことが好きだけど___燐羽のことも好きなんだ。
    姉さまが言ってた『欲張り』の意味がわかった。

    名前もわからなかった衝動の正体がわかった。



    ______燐羽もボクのモノにしたいんだ。



    それが、ボクの衝動。

  • 1825/02/09(日) 10:45:38

    ^月¥+日

    プロデューサーがまた頭を抱えていた。
    ......姉さまのことで。
    顔を合わすたびに「姉だと言え」と言われているらしい。
    貴女の家庭は『姉だと言え』が『おはよう』の代わりなんですか?と聞かれた。
    ......プロデューサーは疲れてるんだと思う。
    でも、ちょっと気持ちが抑えきれなくて気づいたらボクも「姉だと言え」と言ってしまっていた。
    しまった、という顔をして渋々プロデューサーが「姉サマ」ってボクのことを呼んでくれた。
    ......あれは、その、すごくよかった。
    「姉さま」じゃなくて「姉サマ」なのがすごくいい。
    文章に起こしてみても意味がわからないけれどプロデューサーの言い方はそんな感じだった。

    ...また、呼ばれたいな。

  • 1925/02/09(日) 10:46:58

    ^月¥<日

    撫子が最近ヘンだ。
    なんていうか、浮かれている。
    話を聞いた限りでは最近の成長に調子に乗りはじめたわけでもない。
    誤魔化されたけれど楽しみなことが出来そう、らしい。
    出来た、ではなく出来そう...?
    よくわからないけれど撫子が嬉しそうでよかった。
    でも、レッスン中に笑い声が洩れているのは少し怖い。
    本当に不意に思い出したかのように洩らすのだ。
    アレはどうにかして欲しい。
    ヘンだ。

  • 2025/02/09(日) 10:48:10

    ^月¥「日

    燐羽とデートをした。
    といってもご飯を食べたりアクセサリーを見てたぐらいだけど。
    まあ、仕事の帰りだったしあまり遊べなかった。
    だからまたしようね、と約束した。
    それに、嬉しいこともあった。
    燐羽がボクとお揃いのピアスを開けたいって言ってくれた。
    ...言い方は少し意地悪だったけど。
    すごく嬉しくてすぐに「ボクもしたい」と言いかけたけど、もう少しだけプロデューサーとピアスを開けた時の余韻に浸っていたくて「少しだけ待って欲しい」と言ってしまった。
    ......こればっかりは仕方がない。
    だから許して欲しいな。

  • 2125/02/09(日) 10:48:36

    ^月¥^日

    プロデューサーが黒井さんに詰められていた。
    ユニットを組むなんて、と。
    多分、黒井社長に正式に報告したんだと思う。
    ...まあ、黒井社長の言い分はわかる。
    学園の方針として、黒井社長は"ソロ"を重視している。
    アイドル自身で完結する絶対的な能力を求めている。
    極月のアイドルは距離を置くことが前提のような風潮があるしアイドルも個人主義な子が多い。
    ......だからそもそも極月にプロデューサーという存在がいることそのものがおかしい。
    まあ、それに関しては黒井社長があの人をそれだけ評価している、ということだろう。
    たしか前にあの人のことを信念を忘れさせた男だ、と言っていたハズだ。
    実際すごく腕のいいプロデューサーだ。
    ボクが一番理解している。
    ともかく、この学園に在籍しているアイドルの脳内に"ユニットの結成"が思い浮かぶような空気感はない。
    独りで頂点を目指す、それが黒井さんの方針だし極月のアイドルの在り方だ。
    でも、プロデューサーはいつもみたいに笑いながら「そう言うと思っていました」と言っていた。
    「過去極月に唯一存在した、特異点」
    そんなユニットになりますよ、と悪い顔をしながらまた笑って、黒井社長は呆れてた。
    そうだった。
    お前はそういう奴だった。
    お前も、私の手には負えない猛獣だった、と笑ってユニットの件を渋々納得していた。

  • 2225/02/09(日) 10:55:01

    ^月%〜日

    今日は『ファム・ファタール』の初めての収録があった。
    スタッフの人は褒めてくれたけどボクが納得する出来じゃない。
    不満そうなボクを見て「楽しいですね」とプロデューサーは笑っていた。
    ......意地悪だと思う。

  • 2325/02/09(日) 10:55:29

    ^月%☆日

    プロデューサーがボクにご褒美をあげたいって言ってくれた。
    もう少ししたらまた忙しくなってしまうけどN.I.Aが終わって忙しかったのがようやく落ち着いてきてようやく言えた、らしい。
    何がいいか考えておいてください、と言われた。
    可能な限り叶えます、って。

    ...悩む。
    ご褒美を貰えること自体がまずすごく嬉しいけれど、悩む。
    日記を書いているうちに思い浮かぶと思っていたけど、多すぎて決まらない。

    明日は休養日だし、明日一日ゆっくり考えよう。

  • 2425/02/09(日) 10:56:42

    書き溜め分終わりました。
    また近いうちにきます。

  • 25二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 12:24:14

    立て乙!
    待ってました

  • 26二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 13:44:21

    待ってました!
    ありがとうございます♪

  • 27二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 19:53:22

    この日記を読んで四音が好きになった

  • 28二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 23:50:08

    一応ほ

  • 29二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 23:53:32

    スレ主にダッシュ提供しとくわ、辞書登録なり何なりと
    ―――

  • 30二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 05:44:51

    保守

  • 3125/02/10(月) 11:05:09

    今日の夜投下します。

  • 3225/02/10(月) 19:09:52

    ☆〜月☆日

    ...ご褒美だけど本当にどうしよう?
    モノも嬉しいけれどデートも捨てがたい。
    ...それに名前で呼んでもらうのだって。
    プロデューサーはボクのことを"白草さん"呼びだ。
    ...だから、"四音"って呼んで欲しい。
    でも、こっちがいいって考えてもこの前のピアスみたいなお揃いのモノもいいなって考え始めちゃう。
    そうなると、今度は前に約束した水族館のこととかも考える。
    ...本当に悩む。
    ......全部、は無理だよね。
    ...嫌われたく、ないし。
    真っ先に思い浮かんだことなんて絶対に無理だ。
    ......恋人に、なって欲しいなんて言えない。
    ちゃんと告白したいから"ご褒美"にはしたく、ない。
    ...それに、燐羽のこともだって。
    おかしいってわかってるけど、プロデューサーも燐羽もボクの恋人になって欲しいんだ。
    告白したところで、プロデューサーがそれをどう思うか...。
    まあ、それは燐羽にも言えることだけど。
    ____ボクの恋は本当に前途多難だ。

  • 3325/02/10(月) 19:10:15

    うん、決めた。
    日記を書き終わってからも考えたけど、これにしよう。
    "プロデューサーにまた耳を触ってもらう"
    だって、ボクの身体が求めてる。
    ボクの理性もそうだそうだと言っている。
    絶対に言う。
    絶対、だ。
    絶対に。
    日和らない。
    照れない。
    恥ずかしがらない。



    ...うん、無理だ。



    恥ずかしいに決まってる。

  • 3425/02/10(月) 19:11:02

    ☆〜月¥日

    .........まともにレッスン出来なかった。
    ...朝の打ち合わせの時に言うんじゃなかった。
    おかげで今日一日まともにプロデューサーの顔を見れなかった。
    プロデューサーもボクが恥ずかしがる度に「もう1回ですか?」って笑いながら聞くのやめて欲しい。
    プロデューサーは女慣れしてると思う、絶対に。
    ......いや、まあ。
    結局、その度に触って貰ったけれど。
    ...うん。
    仕方が、ない。

    でも、嫌がられ、なかった。
    朝の打ち合わせでお願いした時もそうだけど、嫌がられなかった。
    "この前のご褒美だけど、また耳を触って欲しい"そう言われて「いいですよ」だ。
    ......その反応もそれはそれでおかしい。
    そうだ。
    その反応はどうなんだ。
    もっと他に何かあると思う。
    『本当に?』とか『流石にそれは』とか『えっ』とか色々ある。
    間違っても第一声が「いいですよ」なのはどうなんだ。
    ......まあ、それはこの際おいておく。

  • 3525/02/10(月) 19:11:53

    問題なのは、アレがもうボクの身体に癖付いてしまったことだ。
    揶揄われて最初は断っても結局ボクはお願いしてたせいだ。
    だって、断って返ってくるのが「そうですか」なのが悪い。
    ......あんなの、欲しくなるに決まってる。
    「やっぱり、お願いします」って顔を赤くさせて本当に小さい声でしどろもどろになりながらお願いしてしまったのは絶対にボクのせいじゃない。
    ......まあ、一番悪いのはプロデューサーの触り方だ。
    優しかった。
    ____だから、物足りない。
    『もっと』と求めてしまうような触り方。
    その触り方のまま、耳たぶも縁も耳の裏まで触られた。
    プロデューサーの顔が近いのも悪い。
    顔を伏せて垂れた前髪からあの人の顔を覗くので精一杯だった。
    いちいち「ここはどうですか」って聞いてくるのもどうなんだ。
    答えられるわけがない。
    ......それにどうせ気づいてる。
    耳の縁の内側が弱いって。
    だって、あそこを触る時間が長かった。
    ...親指でゆっくりなぞるな。
    ......ボクも甘い声を出すんじゃない。
    それを聞いて「また次もしましょうか?」とか言うな。
    すぐに頷くボクもボクだ。

    ...ズルい。
    本当にあの人は、ズルい。



    ...明日もまたレッスンだ。
    ......頑張ろう。

  • 3625/02/10(月) 19:12:20

    ☆〜月%日

    今日のレッスンは調子が良かった。
    ...案の定プロデューサーの顔はあまり見れなかったけど。
    そのことに触れないプロデューサーの気遣いが少しだけありがたかった。
    ......でも、昨日のことがなかったことみたいになっている気がして寂しい。
    ...いや、それは本題じゃない。
    レッスンの話だ。
    少しだけだけどFINALEの時のような感覚が一瞬だけあった。
    ボクの意思も感情の揺らぎも必要とせず、流れるように動いていた瞬間が。
    プロデューサーも視ていてわかったのか「今の動きよかったですよ」と褒めてくれた。
    今までのレッスンでボクはFINALEのパフォーマンスを追いかけていた。
    あの時自分の限界以上のパフォーマンスを発揮できたのだから、それを常に出来るようにというのがここ最近の方針だった。
    だけど、あの時の自分を思い出したところで、なれるのはあの時の自分。
    でもあの瞬間、確かにFINALEを超えていた。
    レッスンが終わってからプロデューサーは「何故でしょう」と怪訝そうな表情をしていた。

    ......言わなかったけど。
    言わなかったけどボクは一つだけ心当たりがある。
    昨日、たくさん耳を触ってもらった。
    そんなの言えるわけない。
    だって、暗に昨日のことを揶揄ってるって思った。
    それにもし、本当に疑問に思ってたとしたら『耳を触って貰ったからでは?』なんて余計言えない。
    言えるわけない。

    ......結局またボクだけが恥ずかしがってる。

  • 3725/02/10(月) 19:12:49

    ^月○日

    プロデューサーが言ってた。
    ユニットのみの大会の優勝を取りに行く、と。
    『SATELITE』だ。
    決勝、と言うものが存在せず大会期間中運営が指定した会場で出場ユニットが連日ライブを行い、ファン投票でそのまま順位が決定する大会だ。
    ただ燐羽がその直前の別の大会で優勝するのが前提の方針らしい。
    『Striking Tlent Stage』通称S.T.S。
    燐羽はその大会でソロ曲と共に復帰する。
    こちらもファン投票の要素がある大会で『引退しないで』の声が多い燐羽には有利な舞台だ。
    トップアイドルも才能溢れる新星もやってくる大きな大会だけど燐羽ならきっと大丈夫だ。
    プロデューサーもそう言っていたし。
    ____それに燐羽のソロ曲だ。
    嬉しい。
    し、ファンの人たちはもっと嬉しいハズだ。
    まあ、ボク個人の方針としてはSATELITEに向けて備えよう、ということでまとまった。
    今冬の半ばにある大きな大会だ。
    相応しいパフォーマンスが出来るよう、レッスンを頑張ろう。

  • 3825/02/10(月) 19:13:09

    あとSATELITEでは告知せず極月のユニットが出る、としかわからないようにすると言っていた。
    ...それって出来るの?と思ったけど大会として認められているからいいらしい。
    「極月にユニットはいません」
    「そして、今後貴女達以外のユニットが極月に生まれることはない」
    「極月のユニットは貴女たちにしかできない」
    「それをこの学園の生徒に思い知らせる」
    「また、今までユニット向けの大会に極月の名はなかった」
    「極月に敵はいない」
    「他のユニットのファンを根こそぎ貰います」
    そんなことを言っていた。
    ...物凄く悪い顔で。
    たまにするあの顔、プロデューサーがして良い顔じゃないと思う。

    あと大会の開催時期の関係上、燐羽のソロ曲の制作を優先するからボクのレッスンを見る機会が減るかも、と言っていた。
    ...寂しいけど我慢出来る。
    それに燐羽のソロ曲だ。
    きっと良い曲になる。

  • 3925/02/10(月) 19:13:36

    ☆〜月+日

    早速今日燐羽がプロデューサーと楽曲制作をしたらしい。
    ボクは一人でレッスンをしていたから撫子から聞いただけど、撫子がすごい楽しそうだった。
    てっきりこの前の『楽しみなことが出来そう』の事かと思ったけど違うらしい。
    思いがけないところから別の楽しみなことが増えたらしい。
    ...やっぱりよくわからなったけど撫子が楽しそうで良かった。
    でも、結局何なんだろう。
    聞いても教えてくれなかった。

  • 4025/02/10(月) 19:13:54

    ☆〜月<日

    今日はMVの打ち合わせをした。
    こういうイメージが良いとかこういう演出が欲しいみたいなのはプロデューサーと相談したモノを事前に送っておいたからそのすり合わせだ。
    N.I.Aでアレだけのパフォーマンスをしたボクの世界観を可能な限り映像に落とし込みたい、とスタッフの人たちが張り切ってくれていて、仮MVを作ってくれていた。
    凄く力を入れてくれていて嬉しかった。
    しかも、仮とはいえ完成度が高かった。
    ボクが登場する予定のシーンは代役を立ててまで撮影してくれていたし。

    良いMVにしたいな。

  • 4125/02/10(月) 19:15:38

    ☆〜月☆¥日

    ...燐羽。
    ...ズルい。
    それはズルい。
    ズルすぎる。
    ...プロデューサーの部屋に行ってる、なんて。
    情報源は撫子だ。
    うっかりと洩らしたのを聞き逃さなかった。
    誤魔化してももう遅い。
    "この前増えた別の楽しみなこと"はこれらしい。
    嫉妬するボクが見れる、と。
    ...良い性格してると思う。
    まあ、それはいい。
    燐羽の件だ。
    詳しく聞いた。
    ...うん、まあ、納得はした。
    プロデューサーの部屋に機材があって、その場で直接曲作りのやりとりが出来るから、には納得した。
    けど、ズルいものはズルい。
    ...いいなあ、ボクも行きたい。
    だけど、行く理由もないのに言えないし。
    ......ご褒美、そっちの方が良かった?
    でも、耳を触られるの好き、だし。

    ...考えてたらまた触って欲しくなった。
    明日のレッスン終わりにお願いしようかな。
    この前、またしてくれるって言ってたし多分触ってくれるハズだ。

  • 4225/02/10(月) 19:16:14

    ☆〜月☆%日

    ...アレじゃお願いじゃなくておねだりだ。
    恥ずかしかった...。
    それに関しては、もう今更感はあるけれど。

    ...ボクの弱いところをあまり触られなかった。
    だから「ここを触って」とおねだりしてしまった。
    最初はまだお願いの体を保ってたのに、いざして貰ったら焦らされた。
    あんなの反則だ。
    わかってやってる、絶対に。
    絶対だ。
    そうじゃないとおかしい。
    ...もしかして『一番星』にもやってた?
    だから女慣れしてる?
    そういうこと?

    ...そんな気がしてきた。

  • 4325/02/10(月) 19:17:06

    ☆〜月☆○日

    ...今日は燐羽のソロ曲の振り付けの相談に付き合った。
    ......それとプロデューサーの部屋に行ってたことの文句みたいなのを言った。
    だってズルい。
    羨ましい。
    ...まあ、ユニットの曲を作るときは行けるかもで機嫌を直すボクもちょっとどうかと思うけど。
    その時は燐羽と一緒にプロデューサーの部屋に行かせて欲しいとお願いしに行く約束もしたし、楽しみだ。
    ...話が逸れた。
    燐羽のソロ曲だ。
    楽曲制作自体は順調らしくてもう形になりつつあるらしい。
    それで次は振り付けをひとまず形にしたい、って。
    ...でも「教えるの苦手なのね」と苦笑いで言われた。
    ......それは、だって。
    仕方がない。
    ボクは感覚派だ。
    FINALEのライブ以降は特にだ。
    感情のままに振る舞う感覚は気持ちがいい。
    ボクの感情の揺らぎがそのまま全身に伝わるのは動いていて楽しい。
    でも燐羽からは勉強になる、と言ってもらえた。
    感情に身を任せる、というのが自分にはない視点だったから、って。
    燐羽は理論派みたい。
    ...理論派?
    なんか、違う。
    言葉が合っていない気がする。

  • 4425/02/10(月) 19:17:33

    理性派...?
    うん、理性派って感じだ。
    頭で考えた結論の様なモノを持ち前のセンスで実行する、そういう感じだ。

    ともかく、今日は一緒に振り付けを考えて過ごしてた。
    ...一瞬だけまたFINALEのような感覚があった。
    ......本当に『プロデューサーに耳を触られること』が理由な気がしてきた。



    あと『一番星』はあの人に耳を触られたことなんてないらしい。
    さっき返信が来てた。
    『あなたたち、そんなことをしているの?』と言われて何だか誤解を招いた気もするけど、気にしないことにした。

  • 4525/02/10(月) 19:17:55

    ☆〜月☆<日

    あれからすっかりレッスン終わりに耳を触って貰うのが日課になった。
    おかげで毎日調子が良い。
    ...未だに恥ずかしいけれど。
    プロデューサーも耳を触ると調子が良くなることに気づいたのか、お願いしなくても触りに来る。
    さっきなんて撫子の前で触られた。
    ...いや、触られているのを見られた、だ。
    ......プロデューサーに耳を触られて、甘い声を出しているのを見られた。
    赤い顔で『失礼致しました』と言われた。
    ......絶対、勘違いしてる。
    絶対、変なこと考えた。

    案の定撫子からのメッセージが止まらなくて通知の数がすごいことになってる。

    ...明日が怖い。

  • 4625/02/10(月) 19:18:25

    ☆〜月☆「日

    ...撫子に怒られた。
    ...まあ、うん。
    でもまさか付き合ってないことに怒られるとは思ってなかった。
    付き合ってるのかと聞かれたので正直に付き合ってないと答えた。
    怒られた。
    ずっと前から応援していてようやく付き合ったと思ったのに、と。
    「完ッ全に付き合ってる距離感でしたのに!」と言われた。
    ...ボク、撫子に応援されてたんだ。
    全然知らなかった。
    あの人のことが好きなのいつバレたんだろう。
    ......というかアレって傍から見たら付き合ってるように見えるんだ。
    ...まあ、不健全なことをしてる自覚はある。
    それに『白草四音はプロデューサーが好き』というのは結構前からそう少なくない生徒たちの間で共通認識になってるらしい。
    ...恥ずかしい。
    ......本当に全然知らなかった。
    そのあとは撫子とレッスンをしながらプロデューサーのことを話してた。
    プロデューサーの誑しぶりを話すと卒倒された。
    あの人は女の敵と言われても仕方がない、と言ったりして盛り上がった。
    そんな一日を過ごしてた。

    ...プロデューサーはボクのことどう思ってるんだろう。
    ......女として意識してもらいたい、な。

  • 4725/02/10(月) 19:19:20

    ☆〜月☆〒日

    今日は収録に行ってきた。
    昨日の撫子の件で意識してしまってプロデューサーと話すのに苦労したけれど。
    ...でも、収録は上手くいった。
    声の抜け感やニュアンスの含ませ方をいつもより表現出来て凄く調子が良かった。
    普段のレッスンでもああやって歌いたい。
    スタッフの人にもプロデューサーにも褒めて貰えて嬉しかった。
    プロデューサーは帰ってきてからも褒めてくれた。
    ...なのに耳を触ってくれなかったから結局おねだりするハメになった。

    ...もうこれがないとボクは満足出来ない身体になってしまった。

  • 4825/02/10(月) 19:21:40

    ☆〜月☆^日

    撫子からリゾート施設のチケットを貰った。
    藍井系列でリゾートを作っていたのがそろそろ完成するらしい。
    プロデューサーとデートして来てください、と渡された。
    ...気を遣い過ぎだと思う。
    本当は正式なオープンを待ってから渡すつもりだったが、あんな距離感しているのに付き合ってないのはもう看過できない。
    リゾートの方に早く行かせなければ、ということらしい。
    帰ったらたくさん話を聞かせてもらう、と言われた。
    ......人の恋愛関係に対する撫子のその情熱はどこから来るんだろう。
    前もそうだったけど、人が変わったようになる。
    "最初に言っていた楽しみなことが出来そう"はこのリゾートのことだったらしい。
    ボクとプロデューサーをデートに行かせて話を聞くつもりだった、と教えてくれた。
    ...良い性格してる。
    でも素直に嬉しい。
    そうやってボクのことを応援してくれる、なんて。

    ...デート。
    ...楽しみ、だな。
    スパもあるみたいだし気分転換になる。
    頑張って誘おう。

  • 4925/02/10(月) 19:22:05

    ☆〜月¥〜日

    今日は燐羽のソロ曲の振り付けを見てた。
    前見た時よりも綺麗で身体全体で音を拾ってた。
    曲調は激しいわけじゃないのにヒットを散りばめているからか、たしかな存在感がある。
    どこの音をどう拾うか、が今日の話題でボクならどうする?と聞かれた。
    サビで力強く吹かれているホルンの伸びにウェーブで合わせたい、とか。
    儚さを感じる部分と前向きな印象を感じる部分があるからやっぱりそこのニュアンスは変えたい、とか。
    ダンスのキレもその前向きさの部分で輝くと思うけれど、流れるような動きの方が曲に合ってる気がする、とか
    踊るより舞う、に感覚が近いかも。
    そんな話をしてた。
    燐羽はその場ですぐに「こう?」と言ってやって出来るのだからすごい。
    燐羽の尊敬できるところがまた一つ増えた。
    帰り際に今日もありがとう、と言ってくれた。
    ...本当に出会った時とは随分違う関係になったな、と懐かしくなった。

    うん、良い一日だった。

  • 5025/02/10(月) 19:22:34

    ☆〜月¥¥日

    ___嬉しい。
    ____嬉しい、嬉しい。
    プロデューサーがボクのことを好き、って。
    恋人になって欲しいって。
    ...まあ、今じゃないけど。
    __でも、嬉しい。
    「その時改めて告白させてください」とすごく照れた様子で言ってくれた。
    だって恋人に内定?したような感じだ。

    ダメだ、嬉し過ぎて頭が回らない。
    ちゃんと日記に残したいのに。

    発端は姉さまだ。
    姉さまがノックもせずに活動室に入ってきたのが発端だ。

    ......でも、その時ボクはまた耳を触られていた。

  • 5125/02/10(月) 19:23:45

    だから本当に恥ずかしかった。
    姉さまはボクたちを見てすぐに「ようやく付き合ったのか」とプロデューサーに言ってた。
    でもプロデューサーは「その話は」と慌てて姉さまを止めてた。
    なんだまだなのか、と心底呆れた表情でため息をつかれてた。
    プロデューサーは赤い顔で「要件は何ですか」と誤魔化して、「来月帰国することにした」と姉さまから聞かされた。
    姉さまのファンを随分待たせたし、ボクともたくさん話せた。
    だから一旦帰る。
    でも、ユニットのライブに合わせてまた来てくれるらしい。
    それに燐羽とも仲良くなったみたいだし。
    向こうに行っても話そう、と約束してくれた。
    帰り際、プロデューサーに意気地なしめ、とそれだけ言って出て行った。
    ...かなり微妙な空気になったけれど、プロデューサーから初めて名前を呼ばれた。
    四音さん、って。

    その瞬間、期待した。

    言葉に出来ないぐらい、期待した。

    「貴女のことを、女性として愛しています」
    「私の恋人に、なってくれませんか?」

    期待していたことを言われて、でも想像以上で。

    ____嬉しい。
    ボクのことを女として、見てくれてたこと。
    同じ気持ちだったこと。
    愛を向けてくれていること。
    告白、されたこと。

    全部、嬉しかった。

  • 5225/02/10(月) 19:24:28

    ___なのに、声が出なくて。
    ____ただ、頷くことしか出来なくて。
    プロデューサーに「それはいいってことですか?」と聞かれてようやく「ボクも好きです」と言えた。
    ...まあ、そのあとにプロデューサーとアイドルの関係だから今はなれませんね、と言われたけど。
    ......それは、そうだけど。
    ...もう告白したならなっていいと思う。
    本当はボクが高等部を卒業してから気持ちを伝えるつもりだった。
    なのに姉さまがほぼプロデューサーの気持ちを言ってるようなことを口走ったから伝えるしかなくなった、と言っていた。
    でも流されて告白したと思われたくない、と心配してた。
    そんなこと思ってないし思わない、と伝えると安心して喜んでくれた。
    プロデューサーの顔を見れば、勇気をだして告白してくれたことぐらいわかる。
    軽はずみに告白したんじゃないことぐらい、わかる。
    あと、姉さまがプロデューサーと話してたことも聞けた。
    姉さまはプロデューサーと会った時に少しだけ険悪だったけど、ボクにしか興味はないと言うプロデューサーを見て、ボク達がもう付き合ってると思い込んでたみたい。
    それをFINALEの時に姉さまから聞かれて否定したら「なら早く付き合え、アイツもどうせ拒まん」とそれからずっと急かされていたらしい。
    『告白したくても、プロデューサーとアイドルだからまだ出来ない』と決めていたのに結局言ってしまった、とヘコんでいたけど。
    ボクとの今の関係も大切に思ってくれていたのが伝わって嬉しかった。
    ...姉さまがプロデューサーを『弟』呼びしていた理由はこれか、とも思ったけど。

  • 5325/02/10(月) 19:26:04

    それに、嬉しいこともまだある。
    ___『燐羽のことも幸せにして欲しい』ことも受け入れてくれた。
    燐羽もボクのモノにしたい、というと欲張りですねと笑って「貴女がそれでいいのなら」「願ってもいません」とプロデューサーは燐羽のことも悪く思ってなさそうだった。
    ...あとは燐羽の気持ち次第だけど、見てたらわかる。
    燐羽がプロデューサーのことをまだ好きなことくらい。
    だから、燐羽がボクのことを好きかどうかだ。
    ...好きでいてくれたら嬉しい、な。
    でもしばらくは、この焦ったくなってしまったプロデューサーとの距離感を楽しみたい。
    デートの約束も出来たし、来月のオープンが楽しみだ。



    プロデューサー、大好き。

  • 5425/02/10(月) 19:26:30

    ☆〜月¥%日

    プロデューサーの顔が見れない。
    何でもうあの人は普段通りの顔が出来てるんだ。
    ...告白してきたのは昨日なのに。
    その昨日は顔が真っ赤だったのに。
    それにまた耳を触られた。
    「触りたいです」はズルい。
    ...そんなの、断れない。
    ボクの弱いところばかり触ってくるし。
    ...絶対いつか仕返ししようと決めた。
    あとかわいいとか言わないで欲しい。
    嬉しいけど。
    ...嬉しい、けど。
    声を抑えてるのに耐えられない。
    ......焦ったくなった距離感は昨日だけ?

    今日のアレは絶対健全じゃなかった。
    恋人しかやっちゃダメだと思う。
    ...プロデューサーとアイドルの関係だから恋人らしいことはまだしないんじゃなかったの?

    ...それにボクは我慢なんてできない。

    手を繋いだり、抱きしめたりして欲しい。



    ...キス、とかも。

  • 5525/02/10(月) 19:26:53

    ☆〜月¥○日

    今日はまた燐羽のソロ曲の練習に付き合った。
    燐羽にプロデューサーとのことを話そうと思ったけど言えなかった。
    だって、今日の燐羽は真剣だった。
    それにボクが怖気付いた。
    燐羽のプロデューサーへの恋心を壊してしまうかもとか嫌われたら、とか。
    ...とにかく色々考えてしまって言えなかった。
    ......頑張ろうと思う。

    うん、話を戻そう。
    振り付けに関してはほぼ、これでいくというものに仕上がったみたいで、満足そうにしていた。
    明日プロデューサーにも見て貰うと言っていたし、多分もう完成なのかも。
    それに衣装の方も順調らしい。
    ...そういえば燐羽は結局スリーサイズを自分から言ったのかな。
    ふと前に燐羽に意地悪した時のことを思い出したから聞いてみたら「内緒」と赤い顔で言われた。
    ...多分、燐羽の方からだと思う。
    燐羽はそういうタイプだ。
    そういう、女の子だ。

  • 5625/02/10(月) 19:27:39

    ☆〜月¥+日

    プロデューサーが忙しそうにしていた。
    相変わらず他のアイドルに人気だし、燐羽の楽曲制作も続けてる。
    ボクのソロ曲のリリースに関係してるモノもすべてプロデューサーが管理してくれている。
    いつ、休んでいるの?
    そう聞いたら忙しい方が落ち着く、と言われた。
    ......重症だ。
    スパが必要なのはボクじゃない、プロデューサーの方だ。
    早くリゾートのスパに連れて行かないと。

    そんなことを考えていたら耳を触られた。
    ...久々に。
    「この時間が好きです」と言われた。
    ......ズルい。
    その言葉は今までで一番ズルいかもしれない。
    久しぶりの刺激に自分でも驚くぐらい敏感に反応して『もっとして』と求めるような甘い声を出してしまった。
    ...女の、声を出してた。

  • 5725/02/10(月) 19:28:07

    声を抑えようとしても「声、聞かせてください」
    快楽を逃がそうとしても「それ、ダメです」
    俯いても「顔見たいです」
    恥ずかしがって強い言葉を言っても「かわいいです」
    ...そうやって責められた。

    気づけばボクはプロデューサーのことを呼びながら「好き」としか言えなくなっていて。
    ____プロデューサーに愛を囁かれていた。
    あんなの、無理だ。
    ...どうしようもなく女を刺激される。
    ...キスしたい。
    でも、言い出す直前に「満足しました」と言われてしまった。
    最近忙しくて触れなかったから、癒されました。
    そう言って燐羽のソロ曲作業に戻って行った。
    ...お預けされた。
    切ない。
    身体がプロデューサーを求めてる。
    あんなの、生殺しだ。
    それに、今まで手加減されてた。
    ......もう、これからもアレじゃないと満足できない。



    あれからずっと体が昂ったままだ。
    ...寝られるわけが、ない。

  • 5825/02/10(月) 19:41:39

    ☆〜月¥<日

    昨日のせいでずっと頭が浮ついてる。
    今日はプロデューサーが燐羽と一緒で良かった。
    だって、会話なんて出来るわけない。
    燐羽の方も順調そうだし問題はなさそう。
    ...まさか、燐羽の耳も触ってるなんてことないよね?

    そんなことを考えて悶々としてた。

    それと相変わらずレッスンの動きは調子がよかった。
    もう、確定だ。
    ...プロデューサーに耳を触られるとボクは調子が良くなる。
    ...どうなんだ、それは。

  • 5925/02/10(月) 19:42:32

    ☆〜月¥^日

    どうやら燐羽の曲がひとまず完成したらしい。
    この後も修正作業はあるけど、ユニットの楽曲制作に取りかかるつもりだと聞かされた。
    ボクと燐羽の意見も汲みながらプロデューサーが前から考えていた曲にする、と。
    ユニット、ということもありライブ中ポジションを入れ替えてのパフォーマンスもしたいからそのつもりで、と言われた。

    その場で燐羽と相談した。
    ボクとしてはダンサブルな感じより少ししっとりとした感じが良い。
    燐羽もソロ曲がそんな感じに仕上がるからユニットの曲もそれで良いかも、と言っていた。

  • 6025/02/10(月) 19:42:55

    早速触りだけでも、と燐羽とやってみた。
    二人で試行錯誤しながらプロデューサーに見て貰って、ステップみたいなはっきりとした感じよりも流れるような感じの方がボクたち二人には良さそうだった。
    プロデューサーはそれを見ていて何か閃いたのか言っていた。
    「ターンでの回転数を増やせませんか?」
    「一度で行う回転を、です」
    そう言われて燐羽とやってみたけど、難しい。
    まず、回転の速度もターンが終わった後に向いてる方向も合わない。
    そもそも目がまわるし、位置がズレる。
    でも、困難な挑戦は楽しい。
    燐羽と二人だけの世界をステージで見せられる。
    ズレの欠片もない息の合ったパフォーマンスをしたい。
    ____やってみたい。

  • 6125/02/10(月) 19:43:16

    ターンは揃わないまま終わったけど『素早く3回のターンを行い、揃える』が当面の課題になったし、燐羽のライブパフォーマンスが形になるまではボクがユニットの振り付けの土台をプロデューサーと一緒に考えることになっている。

    頑張ろう。


    ...それと、燐羽への告白も。

  • 6225/02/10(月) 19:43:37

    ☆〜月%〜日

    プロデューサーに燐羽への告白を相談した。
    ボクから言いたいけど、怖気付いてしまうって。
    正直...上手くいくことを願って勇気を出すこと、としか言えません、と言われた。
    告白をしたことなんてアレが初めてだから本当にわからない、と。
    ...ボクが初めてなんだ。
    ...へぇ、ふぅん。
    ......あんな女慣れしてるのに?
    そう聞くと「私、女性慣れしてると思われてるんですか?」と驚いていた。
    ...普段のアレ、素でやってるんだ。
    それはそれで余計にタチが悪い。

    うん、まあ、結局、ボクが頑張るしかない。
    ...プロデューサーと行く約束だったリゾートだけど、燐羽と行こう。
    そこで告白、する。
    プロデューサーにそう言うと「構いませんよ」「その次は3人で行きましょう」と勇気をくれた。

  • 6325/02/10(月) 19:44:22

    ☆〜月%☆日

    燐羽をデートに誘った。
    ボクは頑張った。
    凄く頑張った。
    でも「デートに行きたい、そこで大事な話をしたい」という誘い方は下手だったと思う。
    もう少し他の言い方があった。
    絶対に、だ。
    聞かせて貰えるのを楽しみに待ってる、と笑ってくれていたけど、やっぱり怖いモノは怖い。
    断られるかも、嫌われるかも、ユニットが解散してしまうかも。
    ...そんな悪い考えがずっと頭に思い浮かんでる。

    でも、言うんだ。
    _____燐羽のことが好き、って。

  • 6425/02/10(月) 19:47:03

    以上です。
    近いうちにまた来ます。

    薄々勘づいていらっしゃるかもしれませんが同時進行で書き溜めを作っているので、燐羽視点もそのうち投稿します。

  • 6525/02/10(月) 19:57:27

    >>21

    ここ、黒井さんと黒井社長が混在しててミスしてました。

    違和感感じてしまった方、申し訳なかったです。

    と思っていたのですが、そもそも10.5話見直したら理事長呼びでした。

    ...脳内補完お願いします。

  • 66二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 22:23:40

    待ってました、投稿お疲れ様です

  • 67二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 03:44:23

    P、燐羽、四音、この3人の絶妙な関係性好き

  • 68二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 09:58:36

    程よいいちゃラブは健康に良いとされている

  • 6925/02/11(火) 14:45:46

    燐羽は☆〜月分がまとまり次第別スレで投稿しようと思います。

    四音なんですが、このスレが落ちるまでに投稿出来るかわからないので、こちらもおそらく別スレになってしまうと思います。

  • 70二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 22:54:51

    保守

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