- 1◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:11:48トレーナーさんに叱られてみたい|あにまん掲示板みたいなSSもどきを書いたら、誰か読んでくれるのでしょうか?掲示板を利用するのは初めてだから、粗相があるかもしれないけれど。bbs.animanch.com
昨日こんなスレを立て、お世話になった者です。
今日も読んでくれたり絡んでくれたらうれしいです!
- 2◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:13:05
彼のことだからきっと、今日も無理をしているに違いない。
そう思って手をかけたトレーナー室のドアは固く閉ざされていて、私の思い違いを嫌でも突きつけられた。
「……?」
もう一段あると思っていた階段がなかった時、私はきっと今と同じような反応をするのだと思う。
鉛色のドアハンドルは氷のように冷たく、ぴくりとも動かないそれからはもはや拒絶の情さえ感じた。
念のため、かちゃり、かちゃりと引っ張ってみてもやはり動かない。
そんな私の姿はひどく滑稽に見えたことだろう。日曜日の昼から憂鬱な気分になる。
「……ばかみたい、ね。私」
いるだろうと思い込んで。偶には私の方から歩み寄ってみようって。
でもそれは結局、私の独りよがり。
やっぱり、慣れないことはするものじゃない。 - 3◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:14:01
今日は休養日だったけれど、いつも――彼と朝練をする日――と同じくらいの時間にアラームをセットした。
あんまり料理は得意ではないけれど、サンドイッチだけは人並みに作っていると思ったから、それにした。
きっとろくに野菜なんかとっていないだろうから、いつもよりトマトやレタスを多めに入れておいた。
私なりに考えて、何かしてあげたいと思ったけれど、扉の向こうに彼はいない。
だから、今私の手に提げられている小さめのバスケットは、私の昼食へとなり下がってしまった。
「はぁ………………」
溜息を一つついて、気づく。
私はなぜ、残念がっているのだろう、と。
「…………よかった。トレーナーさん、きちんと休んでいるのね」
先ほどのため息をごまかすように、そう呟いてみる。
誰に言い訳するわけでもない。だってこれは、私の本心のはずだから。
だからきっと、ささくれを逆なでしたような胸の痛みはきっと、私の気のせいなのだから。
「……」
けれどなんだか、なぜだかモヤモヤが晴れない。
だってこれは、喜ぶべきことのはず。
彼は今日という休日を正しく過ごしている。
いつぞやみたいにトレーナー室で寝落ちでもしていたら、今日という今日は叱らなければと思っていた。
「これで、よかった………から」 - 4◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:14:51
そう。
きっと、そうに違いない。
第一、私は彼のお母さんでもお嫁さんでもないのだから。
未成年に生活をたしなめられる成人男性なんて、あんまりにも情けないはずだから。
……
…………
きっと、そうに違いにないのだから。
「……何がよかったの?」
「……なぜ日曜日に、ここにいるの?」
「それはこちらの台詞だろう……?」
平常心で返すことができたことに一番驚いているは、他ならない私。
悩んでいる私の後を勝手につけてくるのは彼の得意技だけど、まさかこんなところでもされるとは思っていなかった。
「……そんなじっとりした視線を送らないでくれよ……」
「なぜ日曜日に、ここにいるの?」
「……明日のトレーニングについて、詰めておきたくて……ん!少し、ほんの少しだけね!?今来たとこだし、もうすぐ帰ろうと思っていたんだ……!」
問い詰めるような私の視線に耐えられなくなったのか、彼は後半、早口でまくしたてた。
……ふふっ。
まったくもう、よくわからない人。 - 5◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:15:34
「……なぜ、施錠していたの?」
「ちょっとお手洗いに行ってて……!中には[[rb:大切なアヤベ > ・・・・・・]]の情報があるし、他の人に見られるわけにはいけないから……!!」
「……!」
「だから!別に――
本当に、よく、分からない人……
自分がどんなことを口走っているか、理解しているのかしら……?
まあ、焦ってしまうと彼の言語野がトップロードさんみたいにしっちゃかめっちゃかになることは私が一番分かっているから、勘違いはしないのだけれど……
――無理してたとかじゃなくて、そう!ほんの散歩っていうか…………ん?アヤベ、なんでそんなに上機嫌なの?」
「……へっ?」
そんな、間の抜けた声はどこから――
「っ……!別に、何てことない。言い訳をするトレーナーさんがあんまり面白かったから。」
「えっ」
「それだけ、それだけよ。」
そっかぁ、なんて子どもみたいな声を上げる彼の姿に思わず口角が上がりそうになるけれど、表情筋に力を入れて堪える。
きっと私の顔は今、トマトのように真っ赤だから、これ以上の醜態を彼に晒すわけにはいかない。
それに、さっきから腰のあたりでぱさぱさと主張を始めた尻尾も、何とかして収めなければいけない。
まったく本当に、よくわからない人。
なぜ私はこんな人の一挙手一投足に反応してしまうか、本当に分からない。
- 6◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:16:45
「……さ、鍵を開けて、中に入れて」
「……え?」
この人はなぜ、こんなにも不思議そうな顔をしているのだろう?まるで私が可笑しなことを口走ったみたいな、そんな顔を。
「……ほら、早く。体冷えちゃうわよ……それに、まだまだ仕事、続けるんでしょう?」
「……そんな、ことは」
「……恨むなら、その程度のブラフを簡単に見抜けるよう私をトレーニングしたあなたを恨んで。」
「はい……」
ああ、まったく。本当は、叱らなくちゃいけないのに。
無理して私のために働いてくれる彼をきちんと、止めなくてはいけないのに。
「サンドイッチ持ってきたから、一緒に食べましょう?」
「はい……」
「どうせ、ろくな食事をとっていないんでしょう?」
「……はい」
なぜこんなにも胸が温かく、うれしくなってしまうのだろう。
「本当に、もう――」
よく、分からない人。 - 7◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:17:20
以上です。
後々、別のところにも投稿する予定です。 - 8二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 15:21:48
良き・・・。
- 9二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 15:22:12
双方矢印大き目で好き
- 10◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:28:56
- 11二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 15:30:56
めちゃくちゃよき…
- 12◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:39:50
- 13二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 15:46:48
やっぱりスレ主さんのクール系めっちゃ好きだわ
アヤベさん、笑顔隠してるつもりでも尻尾と顔でバレバレや
あと散々な言われようのナリタトップロードさん… - 14◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 15:56:15
- 15二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 16:22:15
すき
- 16二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 16:22:49
飯と本体でトレーナーのハートをさらに挟んだわけだ。あったかふわふわとはこの事ね(意味不明)
昨日のうちの一人だけどこんなに早く読めてウレシイ…ウレシイ……乙 - 17二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 16:25:14
とんでもないSS書きに会っちまった…
- 18◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 16:33:36
ありがとうございます!
- 19◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 16:34:31
- 20◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 16:34:54
光栄です!ありがとうございます!
- 21二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 16:35:35
応援スレに他薦しておいたよん
(あちら側でのレス不要。支援の御礼レスなどは書かぬように) - 22◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 16:53:53
- 23二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 21:04:41
情景が浮かんでくる良いSSでした、ありがとう
- 24◆5vud0Mk5ki5B25/02/09(日) 22:31:51