- 1◆VLlUGaOg9c25/02/09(日) 21:13:49
- 2二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 21:14:40
立て乙!
- 3◆VLlUGaOg9c25/02/09(日) 21:14:44
- 4◆VLlUGaOg9c25/02/09(日) 21:15:29
ナレーション
アリウススクワッドを含めたトリニティドリームチームの活躍により、ヒエロムニスを討伐してから暫く、
他の場所でも次々と虚妄のサンクトゥム攻略戦が完了していき、もはや残すは第6サンクトゥム1つとなった。
作戦の総司令部を務める連邦生徒会では、第6サンクトゥム攻略戦に向けて戦力を集結させ…ようとしていた。
カナ(通信)『突然すまない!先生、そろそろだ!相変わらず、変な感じがするけど……
…何か凄いのの気配がする!多分、第6サンクトムの守護者とこれは…サンクタムか?
兎に角、遠くに何かあるんだ!それもいっぱい!』
リン「待って下さい、カナさん。緊急の報告であるのは分かりますが、もう少し具体的に…それとサンクトゥムです」
アユム「ま、待って下さい……!D.Uシラトリ区から、強大なエネルギー反応が確認されました……!!」
リン「なんですって!?ついに、第6サンクトゥムの「守護者」が……?」
ナレーション
しかし、第6サンクトゥム攻略戦は直ぐそこに迫っていた。どうやら、今から移動しても間に合いそうには無い。
「もう少し早く他のサンクトゥムの決着をつけられていれば…っ!」とリンは内心歯噛みしながらも、
今、第6サンクトゥムに居るアリウス分派とヌチャヌチャヘルメット団に通信を繋ごうとした。
モモカ「いやぁ…マジ?アリウス分派のトップやばいね……。
リン先輩、破壊されたサンクトゥムの座標から超高濃度のエネルギー反応が……!」
リン「!?」
ナレーション
第6サンクトゥムへの戦力の集中が間に合わなかったのは不幸中の幸いか?
それまでの苦労を嘲笑うかのように、既に破壊した筈の虚妄のサンクトゥムの反応が再び契機に現われる。
連邦生徒会は、絶望と徒労感に支配されようとしていた……… - 5◆VLlUGaOg9c25/02/09(日) 21:16:35
カナ(通信)『でも、まだ誰も死んでない』
ヒマリ(通信)「ええ、それに全て無駄という訳でもありませんよ?
各サンクトゥムが復活したことで、第6サンクトゥムのエネルギー反応が消滅しました」
リア(通信)『つまり、他サンクトゥムのバックアップシステムだったと考えられるわ』
"ってことは…っ!"
ヒマリ「これで第6サンクトゥムは他と変わらなくなりました。「守護者」が出現したことがその証左です」
ナレーション
他のサンクトゥムと比較しても非常に大きなモノであった、第6サンクトゥムのエネルギー反応。
その脅威度が他のサンクトゥムの復活と引き換えに大きく減少したというのであれば、
まだ現地の戦力だけでも勝算がある。それになにより、他のサンクトゥムの復活が1度切りだと分かった。
であれば再び、今度は第6サンクトゥムも合わせて虚妄のサンクトゥムを攻略すれば全て解決する!
リン「…それであれば話は単純ですね。復活した5つもサンクトゥム、そして第6サンクトゥムの攻略を開始します!」
リン「先生。もう一度、指揮をお願いします!」
- 6◆VLlUGaOg9c25/02/09(日) 22:23:40
ナレーション
1歩1歩の足音が大砲の如き轟音となって大気を震わせ、その度に街が揺さぶられて小さな地震が人々を襲う。
高層ビルと並び立つほどに巨大なソレは、その規格外のサイズだけで自らの強大さを知らしめる。
白き羽毛、ギョロリと彼方を見つめる瞳、嘴から伸びた長い舌……カバとも鳥とも似つかぬ怪物を、
我々はただ見上げることしかかなわないのか?
ルリ「…ねぇ、これアレじゃない?あのカナが持ってたヌイグルミのペ…ぺ…ペララ?」
シズ「いやぁ、あれはペロロ様じゃない。
彼はモモフレンズの中でも極端に市場に出回ったグッズが少ない、伝説のキャラクター……」
第3分隊員B「何か詳しくないですか?」
一般ヘルメット団員「シズさん、モモフレ好きなんですよ」
ナレーション
ああ、人類よ。恐れるが良い、讃えるが良い。
獣と呼ぶには余りに巨大、怪異と呼ぶには余りに強大、天地を揺るがす恐怖の怪獣。
彼はシアターより生まれ出でし厄災、崇高へと至った伝説、キヴォトスに生まれた荒ぶる神。
シズ「…ペロロジラにゃ」
ナレーション
その名をペロロジラ。虚妄のサンクトゥム、第6の守護者である。
- 7◆VLlUGaOg9c25/02/09(日) 22:27:10
ナレーション
というのは冗談であるが、全てが嘘という訳でもない。
まだ誰も銃を交えていない為、ペロロジラの強さも戦法も分からないが、その巨体は誰の目にも見えている。
そう、兎に角大きいのだ。高層ビルと立ち「並んだ」というのは比喩でも何でも無い。それほどにデカいのだ。
第3分隊員B「…あれ、私たちの弾効きます?」
ナレーション
至極単純な話。大きさの差は質量の差であり、リーチの差でもあり、攻撃範囲の差でもある。
ペロロジラと比べれば、生徒たちは大人の前の玩具の兵隊。玩具の豆鉄砲の弾が当たったところで一体何になる?
そう疑いたくなるほどに、両者のサイズの差は大きな壁として立ち塞がった。
シズ「そんなの、撃ってみれば分かるにゃっ!」
ズダダッ!(銃撃音)
シズ「にゃははははっ!アリウスの戦士たちと一緒に、ペロロジラと戦えるなんて最高過ぎるにゃ!!」
ルリ「…モモフレファンとしてはそれでいいの?」
- 8◆VLlUGaOg9c25/02/09(日) 22:31:11
ナレーション
アリウスの生徒たちは色々とツッコミたいことがあったが、シズの戦闘狂気質が今回ばかりは頼もしかった。
その強さを身を以て知っているアリウス分派からすれば、これほど信用出来る前線は他にない。
お互いの関係性から信頼とまではいかないが、肉壁にした時の罪悪感が少なく済むので気が楽だった。
ヌチャヌチャヘルメット団「「「「うぉぉぉぉーーっ!!シズさんに続けー!」」」」
ナレーション
何より、シズが動けば他のヘルメット団も恐れることなく、自分から戦いに行ってくれるのだ。
戦略的にはどうかと思うが、指揮官が誰よりも前で命を賭けてくれるというのは兵にとって良い奮起材料になる。
ルリ「総員戦闘配備!私たちも遅れてはダメ、アリウス分派の強さを見せつけてやりましょう!」
アリウス分派「「「「了解!」」」」
ナレーション
そして、ヘルメット団が奮起して立ち向かって行けば、負けてなるものかとアリウスが奮起する。
士気向上のスパイラル。今回の戦場は勝ちすぎの心配もしなくて良いのだから、思う存分暴れれば良い。
結果として、アリウス分派・ヌチャヌチャヘルメット団連合は最高の状態で初戦を迎えることに成功した。 - 9二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 22:36:02
立て乙!
- 10二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 22:38:39
待ってた立て乙!
- 11二次元好きの匿名さん25/02/09(日) 23:23:40
ペロロジラ…相変わらず、凄い目だ。
- 12◆VLlUGaOg9c25/02/10(月) 06:46:15
ズガーン!ズガーン!(爆発音)
第3分隊員C「ビーム!?こいつ、目からビーム撃ちやがりましたっ!」
ルリ「今更、ビームぐらいで驚くような相手!?アイツ、小さい分身まで出したのよ!」
シズ「アイツじゃなくて、ペロロジラ!そして小さい子はペロロミニオンだにゃ!」
リア(通信)『名称、データに登録しておくわ』
ナレーション
元が架空のキャラクターだからか?それとも「崇高」に至った存在だからか?
ペロロジラは中々に無法な存在だった。
小さな眷属ペロロミニオンの召喚、目から怪光線、内閣総辞職ビーム…もとい目から薙ぎ払いビーム。
もはや何が出てきても可笑しくないビックリ箱。やりたい放題も良いところである。
ルリ「適当なコードネームで良いでしょ!?呼び名なんて!」
シズ「は?」
ルリ「…ペロロジラ!ペロロミニオン!もう覚えたから間違えない!!」
ナレーション
何時もの飄々とした姿からは信じられない低い声とともに、振り返りもせずに向けられた銃口。
激戦の中で気が高ぶっていたとはいえ、ルリの失言はファンをガチギレさせるには充分だったらしい。
ルリは大急ぎで己の辞書に「ペロロジラ」と「ペロロミニオン」の名を刻まねばならなかった。
- 13二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 09:28:36
まさかのモモフレガチ勢だった
- 14二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:01:44
ホスト規制と時間短縮のせいでろくに保守もできない
- 15二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 20:50:26
このレスは削除されています
- 16二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 23:24:29
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- 17◆VLlUGaOg9c25/02/11(火) 00:23:14
ルリ(でも、本当にどうすれば…?さっきから、銃が効いてる気がしない。それに……)
ナレーション
ルリの視線の先には、前線で戦うシズたちの姿があった。
戦闘が長引いた所為だろう。ペロロジラの攻撃とペロロミニオンの数の暴力に晒され続けた前線は既にボロボロ、
戦闘開始時からずっと前線に居るのはシズだけで、他の面子は交代で撤退と出撃を何度も繰り返しながら、
治りきっていない身体で無理を押して銃を握っている。
ズダダッ!(銃撃音)
シズ「にゃっは!にゃははははっ!最ッ光!こんなに楽しい戦いはアリウス分派襲撃以来にゃ!!」
ナレーション
口にしている台詞は不穏だが、シズは自陣の最高戦力として本当に良くやっている。
しかし、シズも戦闘狂故に撤退を良しとしないだけで、割れたヘルメットの穴から血塗れの顔が見えていた。
今にも崩壊しそうな前線が本当に崩壊すれば、後衛に敵の猛攻を受け止める力は無い。ルリにはよく分かった。
ルリ(何か…っ!後、一手。一手だけでも、ペロロジラを追い詰める「何か」を考えないと……っ!)
ナレーション
必死に頭を回すけれど、焦燥感ばかりが募って何も良い考えが浮かばない。
悔しさで自分の唇を噛み切りながら、うわごとのように「後一手…」と呟くルリの耳に…
ブロロローッ!(排気音)
ナレーション
トラックのエンジン音が聞こえてきた。
- 18二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 08:26:39
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- 19二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:09:49
最光?
- 20二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 17:55:45
発光
- 21◆VLlUGaOg9c25/02/11(火) 19:12:21
- 22二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 21:28:21
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- 23二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 21:30:57
み、見つけたあ!
ここ数日検索しても出てこなかったから半ば諦めてたんでマジで嬉しいです - 24◆VLlUGaOg9c25/02/11(火) 21:35:54
ルリ「トラック…?まさか、逃げ遅れた民間人が!?」
リア(通信)『…いいえ、彼女たちは民間人では無いわ。けれど何故……』
アリウス分派の生徒(通信)『こちら避難所、すいません!通信遅れました!先程こちらからフウカ先生が……』
ナレーション
ルリは焦りから慌てて通信機に手に掛けるが、その前にリアから連絡が入る。
リア側でトラックの身元は判別出来ているらしいが、その反応は芳しくない。
かと思えば、避難所の方から慌てた様子で通信が入る。一体何事なのか…その答えは直ぐに分かった。
ハルナ(通信)『こちら、助っ人ですわ』
ハルナ(通信)『美食の文化は世界の平穏があって初めて生まれるモノ。
あらゆる美食の敵は即ち、私たちの敵でもあります。
ですので、美食研究会部長.黒館ハルナ以下5名。義によって助太刀致しますわ!』
フウカ(通信)『言いたいことはあるけど……まぁ、いいわ。それより、ルリちゃんたち聞こえる!?
急で悪いけど助っ人連れてきたわ!色々滅茶苦茶な女だけど、腕だけはあるからこき使って!』
ルリ「ふ、フウカ先生!?何で、避難所は!?」
フウカ(通信)『可愛い生徒で後輩で友だちが、命賭けて誰かの為に戦ってる。それ以上に理由が必要!?』
ナレーション
ゲヘナ屈指の苦労人にして常識人であるフウカだが、彼女もま自由を愛する1人のゲヘナ生。
自分が納得出来る相応の理由さえあれば、暴れることに何の不満も躊躇もありはしない。
だからこそ、給食部のトラックに乗って彼女たちはやって来た。
- 25二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 00:07:43
フウカ先生!
- 26二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 00:09:35
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- 27二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 08:05:23
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- 28二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 08:39:07
フウカ先生、原作4章でも最初はハルナにマジかコイツみたいな目を向けてたから、フウカ側がここまでノリノリなの本当珍しい。
- 29二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 13:45:52
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 21:21:55
個々のフウカイケメン
- 31◆VLlUGaOg9c25/02/12(水) 21:51:56
シズ「んんっ!?もしかして、お前、ゲヘナの美食バカじゃないかにゃ?」
ハルナ(通信)『そういう貴方はヘルメット団の戦闘狂…っ!?
…あの、フウカさん?ここは手が足りているようですし、私たちは遊撃の方に…』
フウカ(通信)『今、何か言った?』
ハルナ(通信)『何でもありませんわ』
ナレーション
表面上は穏やかなフウカの笑みを前にして、歴戦の美食テロリストであるハルナでさえも意見を翻した。
シズも戦いとなれば強い上に異様にしつこくて厄介な手合いなのだが、ハルナの本能は「フウカに従え」と囁いた。
単純に頻繁に顔を合せるフウカに嫌われるのが嫌なのもあるが、普段温厚な人ほど本気で怒る姿は恐ろしい。
ハルナはフウカを怒らせ過ぎないよう、これから暫くはご機嫌取りに専念しようと心に決めた。
リア(通信)『ちょっと待ってちょうだい。遊撃というのは良いアイディアかもしれないわ。
こちらで愛清フウカと美食研究会の反応も追っているのだけれど、機動力が凄まじい。
実は給食部はカモフラージュで本業は戦車乗りだったりするのかしら?』
フウカ(通信)『本業給食部だし、乗ってるのは買い出し用の安い軽トラよ!
でも、走れっていうなら、戦場だろうが地獄だろうが駆け回ってあげるわ!』
ナレーション
リアが疑うのも無理はない。それほどまでに、フウカの運転技術は常人のそれを隔絶していた。
ちょっとした喧嘩で銃火器を持ち出すいキヴォトスの中でも、ゲヘナ学園の治安は特に悪い。
そんなゲヘナの自治区の中を護衛も武装も無い軽トラで駆け回り、各地を回って買い出しを行う。
日常的に繰り返された、カーチェイス染みた運転の経験はフウカの実力として蓄積されていった。
つまり、給食部の愛清フウカはキヴォトス有数の料理人であると同時に…キヴォトス屈指のドライバーでもあった。
- 32◆VLlUGaOg9c25/02/13(木) 06:44:12
リア(通信)『それじゃあ、改めて作戦を説明するわ』
ナレーション
通信機越しに聞こえるリアの声に、ペロ路地等と相対する生徒たちに緊張が走る。
足りない一手は揃った。物資は潤沢、士気も上々、先生やリアが立案する作戦なら信頼も出来る。
それでも、ペロロジラの強さを知る彼女たちの心から完全に不安や緊張が晴れることは無い。
リア(通信)『まず、愛清フウカと美食研究会のチームにはペロロジラの周囲を走り回りながら、
ペロロジラやペロロミニオンに攻撃を加えて戦闘を妨害してちょうだい』
フウカ(通信)『動き回る囮ってわけね。了解』
リア(通信)『勿論、私からもアヴァンギャルドローンⅡを通じて遊撃を支援するわ。
武装や物資の運搬、障害物の破壊、ルートマップの作成は任せてちょうだい』
ナレーション
けれども、それは必要な分だけの緊張だ。過度に恐れることは無い。
頼もしい仲間は自分たちの隣にも、遠く離れた場所にも、自分たちのホームにも居る。
シズ「にゃははっ、異論無し!美食バカとその仲間なら、敵でも味方だでも歓迎だにゃ~!」
ハルナ(通信)『相変わらず、癪に障る笑いを…っ!そちらこそ、血塗れのようですが勝手に倒れないで下さいね!』
ナレーション
1部不安な面子も居るけれど、こうして軽口を叩き合っているだけ互いを認め合えているのだから問題ない。
決して、1人では無い。たったそれだけで勇気が湧いてくる。
だから、アリウスもヘルメット団も前を向いた。銃を握る手に力を込めて、銃口を敵へと向け直した。
リア(通信)『さぁ、反撃開始よ!』 - 33二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 08:37:52
いけー!
- 34二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 13:50:26
このレスは削除されています
- 35二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 20:16:44
ひゃっはー
- 36二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:10:18
改めて大決戦だ
- 37◆VLlUGaOg9c25/02/13(木) 23:20:13
ナレーション
前提として、この場に居アリウス分派やヘルメット団の生徒たちの殆どは精兵であって精鋭では無い。
兵士として、或いは不良として、他の一般生徒たちに比べれば随分荒事慣れしてはいるものの、
スクワッドやシズのような1部の精鋭には遠く及ばない。
ズダダッ!(銃撃音) ズガンッ!ズガンッ!(銃撃音)
ルリ「前衛組は下がって交代!後衛は撤退を援護するよ!シズも一旦下がって!」
アリウス分派・ヘルメット団「「「「了解!」」」」
ナレーション
しかし、だからこそ、彼女たちは仲間と肩を並べる。未熟を自覚して、互いを支え合うことで強大な軍勢となる。
決して弱兵等ではない。何人もの力を結集して偉業を叶える、気高き名無しの英傑たちだ。
シズ「えぇ~っ!?楽しくなってきたところだったんだけどにゃ~」
ペロロジラ「ぺェ~ロ~ッ!?」
ズドォン!(爆発音)
アカリ「ほっかほかの榴弾ですよ!」
ナレーション
そんな彼女たちを認め、共に戦うのはキヴォトスでも有数の反英雄たち。
善悪に囚われず、自らの思いに1直線だからこそ、誰よりも純粋に今を見つめられる不良生徒。
互いを鼓舞して恐怖を振り払い、傷つき倒れる仲間を庇ながら、決して諦めず敵を見据える少女たちを前にして、
シズは部下たちとアリウスが益々好きになり、美食研究会も彼女たちのことが好きになり始めていた。
- 38二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 07:24:46
戦場の絆か
- 39二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 12:34:26
アヴァンギャルドローンⅡとは一体…
- 40◆VLlUGaOg9c25/02/14(金) 18:24:44
- 41二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:58:53
戦闘民族…
- 42◆VLlUGaOg9c25/02/15(土) 00:20:57
ナレーション
ペロロジラは強大な敵だ。
足を踏みならせば大地が揺れ、瞳から放たれる光線はビル群を薙ぎ倒す。怪獣と呼ぶに相応しい、動く災害。
いかに頑丈で力強いキヴォトスの生徒であっても、立ち向かうのは難しい。常識を嘲笑う、特異の怪物である。
しかし、強いだけだ。無敵では無い。
ペロロジラ「ペーローッ!」
リア(通信)『エネルギー収束!ビームが来るわ!』
ルリ「させないっ!」
ハルナ「させませんわ!」
ズガンッ! ズガンッ!(銃撃音)
ペロロジラ「ペロォッ!?」
ナレーション
光を束ね始めたペロロジラの瞳を潰すように、別方向から弾丸が放たれる。
片や天才・月雪リア作のライフルを持つルリ、片やゲヘナ屈指のテロ集団を率いるハルナ。
どちらも一撃も非常に強力な者であり、流石のペロロジラも瞳に集めた力を暴発させる。ペロロジラは目を回した。
ルリ・シズ「「今だ(にゃ)ぁーっ!!」」
ナレーション
その少しの隙を逃すほど、少女たちは甘くはなかった。
- 43二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 08:12:46
やったか!?
- 44二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 12:28:47
ここまでやれば生きてはいまい
- 45二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 20:50:55
おいフラグを立てるんじゃない
- 46◆VLlUGaOg9c25/02/15(土) 22:59:03
ナレーション
少女たちの一斉攻撃によって、複製である身体は光とともに空に溶け、銀幕の怪獣ペロロジラは崩れ落ちた。
彼…或いは彼女は噂話が実像を得た存在、本物のペロロジラとは似て非なるモノかもしれない。
シズ「ああっ!ペロロジラァ…」
リア(通信)『凄く寂しそうだけど、1番楽しそうに撃ってたわよね?』
ルリ「シッ!好きにさせてやりなさい。…よく分からないけど、ファンの心は複雑なんでしょう」
ナレーション
しかし、今日この日、彼女たちの前ペロロジラに現われた。その事実は確かな本物だ。
この戦場で尤もモモフレンズを愛するシズは、消えていく怪獣を惜しんで悲痛の声を上げた。
寂しかった。例え複製であろうとも、彼女にとって、最高の戦いをくれた『ペロロジラ』は彼/彼女だから。
シズ「私、忘れないにゃ。ずっとずっと、ペロロジラと戦ったことを忘れないにゃ!」
ジュンコ「な、泣くほど?」
ハルナ「私にとっての美食が、彼女にとってのモモフレンズだった。ということでしょう」
ナレーション
ジュンコが若干呆れるのに見向きもせず、シズは泣きながらペロロジラへの思いを叫ぶ。
ペロロジラ「ぺ~ロ~っ!」
シズ「ペロロジラァーーっ!」
ナレーション
そんなシズの思いを知ってか知らずが?ペロロジラは応えるように鳴声を上げて消えていった。
- 47◆VLlUGaOg9c25/02/15(土) 23:01:48
- 48二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 02:01:57
ですよね
- 49二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 10:08:37
ジズちゃんすごく感動的なラストになってるけど
戦闘力的に自分が一番シバいてそうなんだよなぁ… - 50二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 16:10:54
ちゃんと勝っててよかった
- 51◆VLlUGaOg9c25/02/16(日) 22:06:35
アユム「虚妄のサンクトゥム、全ての消滅を確認……!」
連邦生徒会モブ「や、やった…!」
連邦生徒会モブB「大袈裟かも知れないけど、たった今、世界は救われたんだ!」
ナレーション
キヴォトス各地での生徒たちの活躍におり、管制室では全ての戦場での勝利が確認された。
正体不明の敵の正体は未だ分からないまま、守護者との戦いによる爪痕も大きい。
けれど、それでも彼女たちは勝った。今一時の栄光だったとしても、確かに勝利してキヴォトスを護って見せた。
モモカ「でも。6つ目のサンクトゥムのエネルギーがどんどん大きくなっているんだけど……」
ナレーション
…そう、勝利した筈だった。
連邦生徒会モブ「い、一体どういうことっ!?」
連邦生徒会モブC「わ、私たち勝ったんじゃあ…!」
連邦生徒会モブB「この背中に氷を当てられたかのようなゾッとする気配っ!?
これは、まさか、私の第六感が警鐘を鳴らしているとでもいうの!?」
ナレーション
勝利して消える筈のエネルギー反応が、逆に増えているという異常事態。
それは勝利に沸いていた管制室の生徒たちの精神テンションをドン底に落とすには、充分な情報だ。
ヒマリ(通信)『これは…全てのサンクトゥムからエネルギーが集中していますね。
全てのサンクトゥムの力が1つに集まり――最後のサンクトゥムが形成されています』
ナレーション
もはや最悪に近しくなった管制室に、無慈悲な現実が告げられた。
- 52二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 01:21:40
勝利の余韻が…
- 53◆VLlUGaOg9c25/02/17(月) 06:49:48
- 54二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 12:11:00
なるほど納得
- 55二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 20:06:01
ちょっと味気なかったからねぇ
- 56◆VLlUGaOg9c25/02/17(月) 23:06:36
"なら、また勝てば良い"
ナレーション
絶望感に満たされた管制室の空気を打ち破るように、先生が告げる。
そう、勝てば良い。自分たちは各自治区の治安を守りながら、見事6つの虚妄のサンクトゥム攻略戦を制したのだ。
最終サンクトゥムと言えば聞こえは良いが、所詮は砕け散った欠片を集めたパッチワーク。勝てない相手じゃない。
連邦生徒会モブB「けどよぉ、先生?現地の生徒はアリウスもヘルメット団もボロボロですよ?
万全の状態なら兎も角、今の彼女たちには防衛戦だってキツいんじゃあないですか?」
連邦生徒会モブ「確かに、今から各地の戦力を向かわせても、大急ぎでヘリを回したって、
到着までしばらく掛かります。現地勢力での防衛戦は大きな課題になる!」
ナレーション
…と、楽観的になれれば士気の向上も望めたのだが、最終サンクトゥム攻略戦には大きな課題が残っていた。
第6サンクトゥムの守護者・ペロロジラとの決戦。噂話の怪物との戦いは熾烈を極めた。
精兵揃いのアリウスやヌチャヌチャヘルメット団は消耗しており、再び守護者との戦いに投入するのは難しい。
一応、遊撃担当であるフウカと美食研究会は比較的消耗が少ないが………それでも、たった5人では心許ない。
ヒマリ(通信)『切札なら、ありますよ。それもとっておきのものが』
- 57二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 07:33:53
さすヒマ
- 58二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 12:40:47
こんな事もあろうかとってやつだな
- 59二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 17:24:21
ビックリどっきりメカか?
違うか - 60◆VLlUGaOg9c25/02/18(火) 22:42:40
リン「切札…ですか?」
連邦生徒会モブC「き、きっと、凄いのですよ、リン先輩!みんなもそう思うよね!?」
連邦生徒会モブB「ああ、何しろ、あの科学と技術の学園ミレニアムで全知と謳われる大天才明星ヒマリ!
その彼女が「切札」とまで呼ぶ代物だ!きっと、あのエジソンの電気が世界を照らしたように、
この陰鬱とした管制室を一変に照らしてくれるに違いないわ!」
ナレーション
切札。そのたった二文字に管制室は大いに湧いた。
何しろ、あのミレニアムで「全知」と謳われるほどの大天才が「切札」と呼ぶほどの代物だ。
説明を聞く前でも、それがいかに凄まじい代物か?想像をかきたてることは容易だった。
リン「みなさん、落ち着いて下さい。まずは情報の確認を…」
"それで…結局、その切札はどんなものなんだい?"
ナレーション
しかし、実物を知らないことには、どんな切札も使えない。使いようが無い。
リンは何とか部下たちを落ち着かせて、先生がヒマリに促すことで話を続けさせた。
ヒマリ(通信)『そうですね。簡単に言えば――「物質の巨大化」です』
連邦生徒会モブB「「物質の巨大化」だってぇ!?現代科学の域を超えた魔法のような現象じゃあないですか!?
いや、だけど、私たちの前には既に前例が…虚妄のサンクトゥムが現われている。ってことは、
連中のエネルギーを使えば、そんな「魔法のような科学」が実現できるというのっ!?」
チヒロ(通信)『…驚いた。単なるリアクションだけで、私たちの言いたいことを全部言ってくれるなんて』
ナレーション
……まぁ、説明の殆どは、連邦生徒会に所属する1生徒のリアクションに取って代わられたのだが。
- 61二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 07:18:58
愉快な子だなぁ
- 62二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 12:34:30
しかし理解力が高い
- 63二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 21:33:25
例の奴がやっと来たぜ
- 64◆VLlUGaOg9c25/02/19(水) 22:10:16
- 65◆VLlUGaOg9c25/02/20(木) 06:44:38
エイミ(通信)『えーっと、つまり、あの巨大怪獣?と戦う為に、何かを「巨大化」するってこと?』
チヒロ(通信)『そう。理論上だと、この「虚妄のサンクトゥム」がキヴォトスで活性化している間の3分間、
「巨大化」が維持される」
ナレーション
エイミの要約した質問に、チヒロが返答を返したことで管制室の生徒たちにも分かり易く伝わっていた。
チヒロ本人は「本当はこんな実証実験もしてないような技術を使いたく無いんだけどね…」と溜息を吐いているが、
「全知」のヒマリを筆頭にミレニアムでも有数の才女たちが頭脳を結集して築き上げた「理論」は信頼がおける。
エイミ(通信)『3分…思ったより短いね』
リア(通信)『けれど、物質の巨大化は有用よ。
ただ障害物として使うだけでも有効だし、質量の大きさは威力の増加に繋がるわ』
ナレーション
エイミが3分という制約に落胆を見せるが、リアの言う通り、
3分という時間制限があるとはいえ、本当に物質の巨大化が叶うなら、それは非常に大きな武器になるだろう。
まず現場の生徒たち全員が隠れられる障害物があれば、その後ろは広大な安全地帯として活用できる。
武器兵器を巨大化して攻撃するにしても、リアの言葉通り質量の増大はそのまま威力の向上に繋がる。
戦車や飛行機等の乗り込めるモノを巨大化すれば、それだけで移動要塞の完成だ。3分でも充分な活躍が見込める。
リア(通信)『巨大化させるモノなら任せてちょうだい。
丁度、新兵器「機動戦姫アヴァンギャルド・サニー」の調整が…』
???(通信)『はっはっはっはっはっ!』
ナレーション
突如として、通信越しに管制室に木霊した謎の生徒の高笑いが、リアの言葉をかき消してしまった。
- 66二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 10:21:12
アヴァンギャルドなものの出番はなかったか
- 67二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 16:42:09
自分のアヴァンギャルドを抑えられないリアちゃん
- 68二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 18:28:37
来るのかアイツらが
- 69◆VLlUGaOg9c25/02/20(木) 23:38:46
幕間
《トリニティ総合学園 虚妄のサンクトゥム緊急対策本部》
リア「アヴァンギャルド・サニーが…」
ナレーション
一方、トリニティの作戦本部ではリアが目に見えて落ち込んでいた。
ミレニアムにどんな顔をして戻ればいいか、どんな功績をお詫びにして帰れば良いか?何も分からず途方に暮れた、
そんな罪人である自分の手を引いて、新しい居場所に連れて行ってくれて、ここに居て良いんだと言ってくれた。
半ば強引なやり方ではあったが、リアはカナの強引なお節介に確かに救われていたのだ。
だから、功績を上げて恩を返そうと、恩人にもミレニアムにも胸を張れるように頑張っていたのに……
リア「アヴァンギャルド・サニー…」
ナレーション
なのに、いよいよという場面で活躍の場を横から分捕られた。折角準備を積み上げたのにハシゴを外された。
それはリアにとって大きショックであり、深い悲しみであり、苦しい不運であった。
ナギサ「あのー…リアさん?落ち込んでいるところ申し訳ないのですが、アヴァンギャルド・サニーとは一体…?
私は何も報告を受けていないのですが?」
ミカ「私もセイアちゃんもOK出したのに、ナギちゃん知らなかったの?
セイア「…驚いたな。てっきり、ナギサは知っているものかと…」
ナレーション
ティーパーティーの方はティーパーティーで、なんか大変そうであった。 - 70二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 07:07:28
リア…かわいそうに…
- 71二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 12:14:56
アヴァンギャルドはまた今度ね
- 72二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 19:06:59
説明はないけどアヴァンギャルってるんだろうな
- 73二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 23:43:35
ナギサ様…
- 74◆VLlUGaOg9c25/02/22(土) 00:12:01
ナレーション
トリニティでカナが「気にするな、何時か使うかもしれない」とリアを慰めていたのと同じ頃、
第6サンクトゥム改め、最終サンクトゥムの作戦予定地域には、あるテロリストの高笑いが響いていた。
カイテンレッド「無限回転寿司戦隊・カイテンジャー!再び!参上!」
ナレーション
突如として通信に割り込んだ彼女たちの名は無限回転寿司戦隊・カイテンジャー。
かつてキヴォトスのテレビ界で活躍したヒーロー「無限回転寿司戦隊・カイテンジャー」…の格好をした不良。
正義のヒーローを騙りながら破壊と混乱を招き、独自の論理を持振り翳すテロリスト。
…まぁ要するに、美食研究会と同じく、キヴォトスでは稀に良く見かけるタイプの凶悪犯罪者である。
カイテンブラック「巨大化に最適な存在!そう、我々がいるではないか!」
カイテンイエロー「ふん。まったく、そういうことなら仕方ない。全力を尽くしてやろう」
カイテンピンク「これはやるしかないね」
ナレーション
これは美食研究会にも言えることだが、彼女たちには独自の論理があるからこそ、我欲や悪徳よりも己に従う。
それは普段は周囲のことなど気に掛けない我儘さであるが、どんな状況でも躊躇わない原動力でもあるのだ。
だからこそ、上手く彼女たちの中の理屈が噛み合えば、独善ではない本当の正義の為に立ち向かえる。
カイテンレッド「よし!それでは、あの台詞を頼むぞ先生!」
先生(通信)"行くよ!!無限回転寿司戦隊・カイテンFX Mk.∞!!
クラーケン――!!!オケランヴァ―――!!!"
ナレーション
そうして、先生の号令とともに、無限回転寿司戦隊・カイテンジャーは正義の為に立ち上がった。
- 75二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 08:29:16
カイテンジャー!
- 76二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 14:27:47
こういう時は頼もしいぜ
- 77二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:15:31
カイテンFXの出番だ
- 78◆VLlUGaOg9c25/02/23(日) 00:13:24
ナレーション
何処からともなく現われたマシンが合体し、人形決戦兵器カイテンFX Mk.∞が戦場に降り立つ。
専用BGMとともに、本家大元の「無限回転寿司戦隊・カイテンジャー」の世界からやってきた夢のマシン。
カイテンFX Mk.∞の登場に先生の少年ハートはテンションマックスだ。彼は特撮や人型ロボが好きだった。
モモカ(通信)『いや、在野のテロリストはダメでしょ。
カナさんの推薦があったヌチャヌチャヘルメット団でさえ結構頑張って見逃してるのにさ』
アユム(通信)『で、ですが、あんなに楽しそうな先生に水を差して止めるのは……』
リン(通信)『……はぁ。仕方ありません。彼女たちは臨時のシャーレ部員………ということにしておきましょう』
ナレーション
とはいえ、先生が余りに夢中なので黙認されたが、本来統治機構側の連邦生徒会からは大変不評だ。
あくまで屋とわれの傭兵として戦い、依頼が無ければ犯罪や諍いを起こさないヌチャヌチャヘルメット団と違い、
カイテンジャーは普段から積極的に街を荒らして回っている根っからテロリストである。
オマケに突然割り込んできただけで、ヌチャヌチャヘルメット団のように誰かから推薦を受けたわけでもない。
実力や装備は的確でも、自分たちの切札を預ける相手としては不服極まりなくて当然だった。
ヒマリ(通信)『では、いきますしょう♪えい!』
ナレーション
そして、どこかの超天才病弱美少女はおもいろい玩具を見つけた良い笑顔で巨大化を実行したことで、
カイテンFX Mk.∞は最終サンクトゥムの守護者……蘇ったペロロジラと並び立つ。
心底楽しそうな子どもの笑みでペロロジラを銃撃するシズVSペロロジラVSカイテンFX Mk.∞。
三つ巴の決戦が、今始まろうとしていた。 - 79二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 08:26:09
シズちゃんはブレないなぁ
- 80二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:37:09
巨大ロボは心が躍るよね
- 81二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 21:42:49
カイテンFX出撃だ!
- 82◆VLlUGaOg9c25/02/23(日) 22:57:31
ルリ「私たちの苦労は一体……」
第3分隊員B「ま、まぁ、1回しか使えない切札らしいですから…」
シズ「にゃはっ!にゃははははっ!!」
ヘルメット団員「リーダー、嬉しすぎて壊れちゃった…」
ナレーション
現場に残っていた第6サンクトゥム担当の生徒たちが若干おかしくなるほど、カイテンFX Mk.∞は強かった。
まず比較することすらバカらしい圧倒的なサイズ差が無い。どころか、若干カイテンFX Mk.∞の方が大きく、
ただ殴るだけでもペロロジラを仰け反らせるほどのパワーがある。
加えて、機械仕掛けの鋼の身体は非常に強靱で、シールドや剣といった武装まで持ち合わせていおり、
傍から見れば「もう、アイツだけでいいんじゃないかな?」と思うほどに活躍していた。
???(通信)『あーあー、聞こえるか?』
ナレーション
そんな時、通信越しに連絡が入ってきた。相手は勿論、オペレーターのリア。ではなく………
ルリ「えっ、あ、もしかして、カナっ!?」
カナ(通信)『良かった、聞こえてるな。リアが精神的ショックからちょっと「救護」されたから、
これから私がオペレーターを引き継ぐことことになった。アリウス分派のホスト、神子柴カナだ』
ナレーション
救護騎士団長の手によりオペレーターが出来ない身体となったリアに代わり、通信装置を手にしたカナだった。
- 83◆VLlUGaOg9c25/02/23(日) 23:31:24
- 84二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:20:11
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:02:22
実際何もしなくても勝てるからなここ
- 86二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 19:55:00
リオ…もといリアちゃんそんなにショックだったのか
- 87◆VLlUGaOg9c25/02/24(月) 21:10:26
代理モブ「ショックは受けましたが、それはそれとして切り替えてオペレートに戻ることは出来ました。
…まぁ、その前に「救護」されていなければ、の話ですが」
ルリ「精神的ショックっ!?対策本部で一体何があったの!?」
カナ(通信)『なんか、リアも「巨大化」用の切札用意してたみたいだ』
ルリ「???…良く分かんないから、今は置いておくわ。それで、要件は?」
ナレーション
ずっと現場に居たルリたちには何が何だか分からなかったが、兎に角、通信に集中することにした。
正直、このまま目の前の謎のロボに任せておけば良い気がしていたが、
それでいいならトップが交代してまでオペレートを続行することは無い。何か、理由がある筈だと考えた。
カナ(通信)『ああ、守護者は多分あのカイテン…カイテン…カイテン何とかでどうにかなる。
けど、多分、カイテンジャーは街への被害とか考慮しないし、
守護者倒した後に上がったテンションそのままで暴れる……かも?』
ルリ「……なんで、そんなのに切札任せたの?」
カナ(通信)『いや、なんか先生が凄いノリノリだったから…』
ナレーション
ルリは「はぁーっ」と深く溜息を吐くと、短く一言、「了解」とだけ返事を返した。
色々言いたいことはあるが、大恩人である先生が発端となれば文句も言い辛らかったし、
なにより、今はトリニティは自分たちの新しい母校。荒らされるわけにはいかなかった。
- 88二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 00:17:17
周辺被害への備えか
- 89二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 06:55:09
まぁ、カイテンジャーにその辺りの配慮が出来るかというと……テロリストだし、信用は無いよね。
- 90二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 12:38:50
そして今やってる戦隊も同じくらいめちゃくちゃである
- 91二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:18:57
とりあえずペロロジラはやっちまえー!
- 92◆VLlUGaOg9c25/02/25(火) 22:31:00
カイテンレッド「はっはっはっはっはっ!良い戦いだった!それでは、諸君また来週!」
ズダダッ!(銃撃音)
カイテンピンク「痛った!また来週って言ってるでしょ!?」
シズ「にゃははははっ!これで終わりなんて勿体ないにも程があるにゃ!」
ヘルメット団員「もう帰りましょうよ、リーダー!」
ルリ「放っておきなさい。どうせ、アイツなら戻ってくるわよ」
ナレーション
カイテンFX Mk.∞から出てきたカイテンジャーを笑いながら追いかけ回すシズを尻目に、ルリは大きく脱力した。
結局、ペロロジラとカイテンFX Mk.∞が上手いこと共倒れしてくれたお陰でルリたちの出番は無かったが、
死力を尽くした決戦の直後に、ペロロジラだけでなく味方の筈のカイテンジャーを警戒するのは気苦労が大きく、
ルリは1発も銃を撃っていないのに連戦したかのような疲労感に襲われてしまっていた。
ルリ「もう、これで終わりよね?今すぐ寮の部屋で寝たい気分なんだけど…」
カナ(通信)『ああ。こっちの対策本部でも連邦生徒会の管制室でも、最後のサンクトゥムの消滅を確認出来た。
………この戦いは私たちの………キヴォトスの勝ちだ!」
ナレーション
通信越しに勝利を確かめて、ルリたちはようやく力を抜いて座り込むことが出来た。
- 93◆VLlUGaOg9c25/02/25(火) 22:33:20
- 94二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 00:29:41
まあ仕方ない
- 95二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 08:43:01
まぁ、どっちにしろ相手がペロロジラだから攻撃パターンとかあまり変わらないしね。
- 96二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 15:25:22
シズちゃんは楽しそうだなぁ
- 97◆VLlUGaOg9c25/02/26(水) 23:20:50
《トリニティ総合学園 虚妄のサンクトゥム緊急対策本部》
…っ!変な感じがしない!戻った!
ナギサ「…本当ですね。空が…」
セイア「晴れたね。見事な快晴だ」
ナレーション
カナは空が赤く覆われたことで長らく失われていた感覚が戻ったことで若干元気になり、
そんなカナを見たナギサたちが窓へと視線を向ける。空は――美しい青空だった。
ミカ「本当。何にも無かったら、いいピクニック日和だったのにね――っ!?」
ナレーション
随分と久し振りに感じられる澄んだ空を前にミカも機嫌良く笑った。その次の瞬間、カナと2人振り返った。
???「……流石だね。ここまで来れるなんて、ちょっとビックリかも」
ナレーション
あの少女が居た。かつて連邦生徒会の会議室に降り立ち、拳の一振りでサオリをぶっ飛ばした、あの少女だ。
ミカに良く似た少女は、まるで本当のミカのように笑みを貼り付けて、表面上は何でも無いように振る舞っている。
連邦生徒会会議室での襲撃戦とも呼べる戦いを知るトリニティ生たちは身体を強ばらせ、
精一杯の虚勢を張りながら少女を睨みつけるが、お構いなしに少女は空いた席に腰を下ろした。
???「そんなに怖い顔しないでよ?そりゃあ、私たちは敵同士だけどさ………幼馴染みでしょ?ナギちゃん」
ナレーション
魔女のように、少女は笑った。
- 98二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 08:35:02
来おった…っ
- 99二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 14:25:09
待ってはくれないか
- 100二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:51:44
クロコと違って戦意高いのヤバいな
- 101◆VLlUGaOg9c25/02/27(木) 22:56:42
ナレーション
これで会うのは未だ2度目だが、本当に少女はミカに良く似ていた。いや、似過ぎてた。
無駄に上手い作り笑いも、ホストらしく洗練された礼法も、やけに砕けた一般生徒みたいな喋り方も、
感情のコントロールが下手なところも、迫撃砲より頼も…恐ろしい馬鹿力も、「ナギちゃん」という呼び方も。
余りにもナギサが良く知る「聖園ミカ」に似過ぎていて、少しでも気を抜けば気を許してしまいそうになる。
それがどうしようもなく怖くなって、ナギサは恐怖を流し込むように紅茶を口にした。
ナギサ「…本当にミカさんのようなことを言うんですね」
ナレーション
飲んだばかりの紅茶の味がもうしない。努めて冷静に返したつもりだけど、自分が何を話したか分からない。
トリニティ総合学園に入学して以来、ナギサは今が1番自分の振る舞いに自信が無かった。
???「ん?ああ、そっか。まだ言ってなかったっけ?」
ミカ?「私の名前はミカ。トリニティ総合学園パテル分派のホストでナギちゃんの幼馴染みの…聖園ミカだよ★」
ナレーション
…あまりに似ている上に、自身を「ナギちゃん」と呼んだことから、ナギサも予想はしていた。
予想はしていたが、それでも、荒唐無稽な現実を前にして頭が理解を拒む。
ナギサ「ナギサ「ありえません……っ!貴女がミカさんならどうして…どうして…っ!」
ナレーション
たしかにミカは愚かだ。やれば出来る癖に全然執務やりたがらないし、その癖して暴力だけは無駄に強いし、
時々鬱陶しく感じるぐらい五月蠅いし、たまに感情に任せてとんでもないこと言い出す。正直、結構バカだ。
でも、誰かのために泣けるし、誰かのために怒れるし、誰かのために手を伸ばせる。優しい自慢の幼馴染みだ。
ナギサ「どうして、サオリさんやミカさんを傷つけたんですかっ!?」
- 102◆VLlUGaOg9c25/02/28(金) 06:44:36
- 103二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 13:19:18
このミカは別時空だからなぁ
一体何があったのか - 104二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 16:40:41
このミカは一体何をしたんだろ
- 105二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 23:14:43
保守
- 106◆VLlUGaOg9c25/03/01(土) 00:05:33
ミカ?「あははっ!本当にナギちゃんは純粋だね」
ナレーション
それはミカを名乗る少女がティーパーティーとして身につけた虚飾か?それとも本心からの嘲笑か?
ナギサの怒りに堪えた様子も無く、少女はただクスクスとおかしそうに笑う。
その姿すらミカにそっくりで、それがナギサには無性に腹立たしく感じられた。
ミカ?「――違う。違うよ、ナギちゃん。これが「私」の…「聖園ミカ」の本質なの」
セイア「ふむ……。もしや、ベアトリーチェが研究していたという「崇高」というやつかな?」
ミカ?「ベアトリーチェ………?…ああ、思い出したよ。アリウスの生徒会長でしょ?
碌でもない人なのは分かるけど、正直、ああゆう悪い大人はいっぱい裁いたから印象薄いんだよね」
セイア(ベアトリーチェがアリウスの生徒会長だと認識していながら、大した反応を見せない。
連邦生徒会でサオリやカナに反応して見せた辺り、アリウスと因縁があるものだと予想していたが……)
ナレーション
フォックスアイが怪しく光る。セイアは少女の言葉に隠された情報を逃さなかった。
アリウスだけではなく、アリウスへと最初に手を伸ばしたミカにとってもベアトリーチェは因縁の相手だ。
にも拘わらず、さっきまで忘れていたと言わんばかりの軽い反応。まるで、どうでも良い相手のようだ。
ミカ?「その「崇高」?は良く分からないけど、色彩もアリウスも関係無いよ。これは全部、私の本質。
私の役割は、すべての命(悪)を「裁き(ころす)」こと―――聖園ミカが、この世界に生まれた理由なの」
- 107二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 08:13:30
うわ~…
- 108二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 13:02:00
目敏いぜフォックスアイ
しかし随分違う感じだな? - 109二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:16:19
セクシーフォックス
- 110◆VLlUGaOg9c25/03/01(土) 23:19:21
ナレーション
少女が確信ととに語る「本質」は悪魔のように純粋で、或いは天使のように独善的だ。
ある意味それは、天真爛漫にして慈悲深く、感情的で好き嫌いが激しい、聖園ミカらしい1面なのかもしれない。
悪か。なら、サオリを狙ったのも納得だ。
アリウスの歴史は怨みと戦争、戦争と圧政、悪の裏側で生きる為に重ねてきた罪の歴史だからな。
………実際、1歩間違えたらベアトリーチェに命じられるままトリニティを襲撃してたかもしれない。
ナレーション
アリウスが辿ってきた歴史と、辿るかもしれなかった歴史。その中で積み上げてきた罪と悲劇の数々。
それらを良く知っているカナは得心しつつも、その頭には1つの疑問を浮かべさせていた。
でも、なら何で私は裁かなかったんだ?
ナレーション
少女の理屈は可笑しい。何故なら、サオリが…アリウスが圧政の支配から逃れたのは最近のことだ。
それ以前のアリウス分校は閉鎖的で、任務などの理由で許可が下りなければ、自治区の外にすら出られなかった。
カナの知る限り、ベアトリーチェ時代の任務でトリニティを襲うようなこともしていない。
つまり、ミカがサオリのことを…サオリの罪だけを知っている筈がない。
ナギサか?セイアか?ミカか?それとも、ミネやサクラコか?
そのぐらいの偉い人じゃないと、戦術的に襲撃する価値がない。けど、そんな事件は起きなかった。
マエストロ(回想)『『この方舟の理を超えていること』。即ち、物語のジャンルを打ち壊し、世界の理を書き換える。
例えるならば、そう……『第三者による加筆』を可能とする存在だろう』
この世界では、私たちはトリニティに何もしなかった。
- 111二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 08:14:58
やっぱ本編近似ミカ…?
- 112二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 14:11:31
保守
- 113二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:20:15
保守
- 114二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:07:05
実際はこんなきれいなおべべじゃないんだろうなぁ感
- 115◆VLlUGaOg9c25/03/02(日) 23:26:03
ナレーション
色彩に詳しい有識者ことマエストロの言葉と連邦生徒会襲撃の際に見せた不可解な行動。
その2つの情報を知っていて、尚且つ、兵士としての戦術論と個人としての優しさを併せ持つからこそ気がつけた。
………いや、その可能性に辿り着くことが出来た。色彩という常識外があるからこそ、現実に叶いうる1つの仮説。
ミカ?「わーお……。いや、ほんとにビックリ。最初に気付くなら、ハナコちゃん辺りだと思ってんだけど……」
ナギサ「ちょっと待って下さい。それは、つまり……」
セイア「…まり、君はミカが何時か至るかも知れない、或いは至るかも知れなかった可能性。
こことは違う世界に生まれた「聖園ミカ」ということか」
ミカ「え?私、あんなのになるの?」
ナレーション
大真面目に誰かに話せば、「ファンタジーやメルヘンじゃないんだから」と笑われてしまうような話だ。
非現実的で非科学的、荒唐無稽にも程がある。……けれど、それは虚妄のサンクトゥムも同じだ。
それにティーパーティーの仲良し4人組は納得すら感じていた。不思議など、すんなりと現実を受け入れていた。
なにしろ、容姿だけならまだしも、細かな癖や声色まで「聖園ミカ」にそっくりそのまま瓜二つだ。
もう1人の本人以外に何と説明すればいい?生き別れの双子でも、ここまでそっくりにはならないだろう。
ミカ?「え~!流石に「あんなの」は酷くない?そりゃあ、私たち敵同士だけどさ~。
…これでも、ナギちゃんたちのことは大事な友だちだと思ってるんだよ?」
ミカ「あんなことしておいて、よく言うね。ちょっと、都合良すぎじゃない?」
ミカ?「あははっ!確かに!…でも、許して欲しいなんて言わないし、謝ったりもしないよ。
例え、あのサオリが私の知るサオリじゃなくても、私の本質(いし)は変わらない」
ミカ?「この世界を定められた未来へと導く―――その役割を私が担当しただけだよ」
- 116二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 08:20:31
止まらないか
- 117二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 12:51:09
戦わなきゃダメかやっぱ
- 118二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 19:13:20
ミカテラーは髪色とかも変わってそう
- 119◆VLlUGaOg9c25/03/03(月) 21:44:04
- 120二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 05:46:10
保守
- 121◆VLlUGaOg9c25/03/04(火) 07:00:20
ナレーション
少女は本気だろう。それは彼女の過去の行いが証明しているし、そうでなくとも目が本気の色をしている。
それほどまでに役割とやらが大切なのか?或いは自分では止まれないところまで進んでしまったのか?
細かい事情は分からないが、兎に角、少女は・・・もう1人の聖園ミカは本当にキヴォトスを滅ぼすつもりでいる。
ミカ?「まぁ、そういう訳だからさ。ちょっとの間、キヴォトスから出て行ってくれない?
私も出来たらナギちゃんたちに銃向けたくないし、結末は決まってるんだから最後くらい好きに遊んでてよ」
ナギサ「そんな提案、私が頷くと思いますか?」
ミカ?「・・・まぁ、そうだよね。ナギちゃんはそんな楽な生き方出来ない・・・か」
ナレーション
分かっていたとでも言うような軽い口振りだが、付き合いの深いナギサやセイアには本気で残念そうに見えた。
すべての命(悪)を裁き(ころす)のも、ナギサたちに銃を向けたくないのも、どちらも本気で嘘は無いのだろう。
世界を滅ぼそうとする恐怖の大王にしては随分と甘い考えだが・・・・・・それが却って、ミカらしかった。
ミカ?「じゃあ、しょうがないね。諦めがつくまで、頑張ってみなよ」
ナレーション
そういうと、連邦生徒会での襲撃の際と同じように、少女の背後に黒いナニカが出現する。
ナギサ「ちょっと待ちなさい!まだ話は終って・・・・・・ミカァッ!!」
ナレーション
ナギサの叫びも虚しく、少女は黒いナニカへと身を投げて消えていった。
- 122二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 13:40:46
交渉決裂…というかそもそもする気がないのか
当然と言えば当然だが - 123二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:30:31
興奮すると呼び捨てになるナギちゃん好き
- 124◆VLlUGaOg9c25/03/04(火) 23:22:46
ナレーション
少女を逃がしてしまったのも束の間、休む間もなくガタッ!と音を立てて、
淑女らしからぬ慌てた様子で、1人のティーパーティーの生徒が飛び上がるように立ち上がった。
ティーパーティーモブ「た、大変ですナギサ様!先程、管制室・・・連邦生徒会より緊急連絡が入りまして・・・・・・」
ナギサ「・・・何ですか?」
ティーパーティーモブ「また、キヴォトス全土で超高度エネルギー反応が観測されたと・・・」
ナレーション
誰もが言葉を失った。多くの生徒たちが、魂を無力感が支配して、全身から力が抜けていくのを感じた。
超高濃度エネルギー反応・・・・・・虚妄のサンクトゥムが復活すれば、当然、また守護者を倒さなければならない。
しかし、先程までの戦いで既にトリニティ・・・・・・いや、キヴォトスは大きな消耗を強いられた。
なのに、また同じことを・・・・・・それも何時終るかも分からないまま戦い続けるのは、無理難題に等しい。
空・・・
ナギサ「カナさん?」
ナレーション
そんな中、カナは思い出したように顔を上げて、窓から頭を突き出した。
やっぱりだ。調印式前も思ったけど、空の上・・・よく分からないぐらいずっとずっと高いところに何かある。
セイア「そういえば、そんなことも言っていたね。ふむ、空の上・・・・・・か。可能性としてはあり得るかもしれない」
ミカ「え?何?何の話?」
ナギサ「簡単な話ですよ、ミカさん。虚妄のサンクトゥム戦前の会議で、カナさんは何と言っていました?」
カナ(回想)『1連の事件に「意思」を感じる…気がする』
ミカ「あ、あーっ!そっか!そこに居るたんだ!」 - 125二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 08:25:21
いよいよか
- 126二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 13:40:35
原作より戦力は増えてるはずなのに不安だ
- 127二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 20:15:18
ウトナピシュティムの本船に乗る人数は本編より多そう
- 128◆VLlUGaOg9c25/03/05(水) 22:20:19
先生(通信)『”・・・流石だよ、カナ。ちょうど今、私たちも同じ結論に達したところなんだ”』
リン(通信)『先程、再度出現した反応のエネルギーの流れを辿ったところ、
上空75.000メートルに全てのエネルギーの出発点を特定しました』
モモカ(通信)『いやぁ、上空75.000メートルもビックリだけど、何となくで特定出来る人が居るなんてねぇ・・・』
いや、流石に細かい数字までは分からなかったぞ?ずっと上の方になんかあるな~ぐらいだ。
ナレーション
推測とはいえ、藁にも縋りたい緊急時には貴重な情報だ。
という訳で、連邦生徒会の管制室へと連絡をかけてみると、既に連邦生徒会とシャーレも同じ結論に達しており、
より具体的な高さの数字まで判明していた。のは良いのだが・・・・・・・・・問題は行き方である。
リア「・・・・・・分かったのは良いけれど、上空75.000メートルとなると流石に難しいわね・・・」
ナギサ「リアさんっ!?何故ここに?自力で脱出を?」
ナレーション
現われたのは、救護騎士団から自力での脱出を果たした女、月雪リア。
既にアリウス随一・・・いや、トリニティでも有数の技術者として腕が知られるようになった彼女だが、
虚妄のサンクトゥムが復活するまでの短い間に、上空75.000メートル先への移動手段を調達することは難しい。
リア「・・・一応、攻撃だけならば可能よ。エリドゥに特製の防衛ミサイルが配備されている・・・・・・
・・・って前に街で会った人が教えてくれたわ。よく分からないけど、何のことかしらね?」
ナレーション
一瞬、立場を忘れて素を出しかけながら、リアは今用意出来る唯一の策を出す。
とはいえ、失敗の公算が高いのだろう。リアの表情は何時になく自信が無さそうに見えた。
・・・・・・・・・もしかしたら、ミネにやられたダメージが未だ残っているのかもしれない。 - 129二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 07:34:25
街の人すごすぎて草
- 130二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 15:16:48
自力で脱出はもうホラーの文なのよ
- 131◆VLlUGaOg9c25/03/06(木) 22:08:14
ヒビキ「あと2,000m・・・・・・1,000m・・・・・・500m・・・・・・」
ウタハ「・・・・・・ダメだね。通り過ぎてしまった」
コトリ「ああっ!また!?」
ナレーション
リアの懸念は的中・・・いや、現実はそれすら遙かに上回った。
迎撃されたとか、威力が足りないとか、そういう次元の話では無い。そもそも当たらないのだ。
確かに反応はそこにある。それは連邦生徒会だけではなく、ミレニアムも科学調査によって確かめた。
ウタハ「はぁ・・・・・これが最後の手段だったのだけど・・・・・・まるで幻影を相手にしているみたいだね」
ナレーション
なのに、当たらない。ミサイルは必ず目標地点に到達して、そして、すりぬけてしまう。
ウタハの言う通り、幻を相手にして撃っているかのように手応えが無い。
ユウカ(通信)『あの巡航ミサイル、ミレニアムの技術力を上回る性能に見えたのに・・・これでもダメだなんて・・・・・・』
ヒマリ「どうやら、アレに対しては、物理的な干渉が出来ないみたいですね」
ユウカ(通信)『というか、会長はあんなもの一体何処で・・・・・・』
ウタハ(通信)『物理的な干渉を受けないのだとすれば、私たちエンジニア部にはどうすることもできないね」
チヒロ(通信)「こっちもかな。あれはエリドゥで見つけた最後の切札だった』
ナレーション
もう、お手上げだった。ただでさえ上空75.000メートルは届かせるだけでも大変な距離。
だというのに、相手は謎の力で物理的に干渉出来ないときた。じっくりと調査や研究を時間も残されていない。
キヴォトス有数の頭脳が結集したミレニアムの才媛たちは、もうどうしたら良いのか教えて欲しい気分だった。
- 132二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 07:17:09
やっぱだめだったか
- 133二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 12:11:28
ままならないね
- 134二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 20:38:20
やっぱり乗り込まねばならんか
- 135◆VLlUGaOg9c25/03/08(土) 00:29:19
ナレーション
案の定、ヒマリが「やっぱり、あの女は役に立たない」だ何だとリオを扱き下ろしているのを聞き流しながら、
他の生徒たちも如何したものか?と頭を抱えていた。のだが、誰1人も全く浮かばないという訳でも無かった。
・・・・・・いや、まだ切れるカードが・・・
先生(通信)『”カナ”』
ナレーション
ゲマトリア。彼等彼女等が持つ知識と技術ならば、ベアトリーチェが齎したもう1枚のカードの力ならば、
或いは不可能を可能に出来るかもしれない。届くはずのない上空75.000メートルに届くかも知れない。
それに気が付いたからこそ、先生はカナが懐からカードを取り出すのを制止した。
先生(通信)『”・・・大丈夫。まだ確かなことは分からないけど、1つだけ宛てがある。
正直、頼りたくはない相手だけど・・・・・・・・・全く話が出来ない相手でもないからね。"』
ヒマリ(通信)『それは、例の研究ノートの・・・ですが、あれの執筆者は確か・・・
・・・いえ、この状況です。手段を選べる贅沢はありませんね。それに詳しいのも確かでしょう』
ナレーション
ゲマトリアの案件には厳しい箝口令が敷かれている。先生が生徒を関わらせたがらないからだ。
それは彼の大人たちの悪辣さが故であり、持つ力の大きさと異質さが故であり、目的の不透明さが故でもある。
しかし、神秘や色彩といった不可思議・・・・・・特異現象に詳しいのは確かだ。でなければ、カードは作れない。
ヒマリ(通信)『・・ですが、心配なのは事実です。先生、お願いします。トキを護衛に連れて行ってください』
ナレーション
だから、ヒマリは先生の案に賛成しつつも、側に信頼する後輩を付けたかった。
- 136二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 09:02:12
トキちゃん出動
- 137二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 14:59:41
良かった、カナちゃん思い切って使っちゃうかと
- 138◆VLlUGaOg9c25/03/08(土) 19:06:31
- 139二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 00:16:02
含みのある言い方
- 140◆VLlUGaOg9c25/03/09(日) 00:39:40
ナレーション
結論から言うと、一縷の望みを掛けた黒服との交渉は成功した。
ゲマトリアにとって色彩は元から敵であり、キヴォトスを滅ぼされて困るのは同じ。目的は一致している。
それに何より、黒服やマエストロは先生およびアリウスを高く評価する。ある種のファンと呼べる人種である。
出し惜しみもせず、拍子抜けなほどあっさりと望む情報・・・・・・アビドスに眠る超古代兵器の存在を教えてくれた。
その名を「ウトナピシュティムの本船」。黒服曰く、超古代の文明により生み出された宇宙戦艦である。
"宇宙戦艦ウトナピシュティムの本船・・・それなら、アトラ・シハースに対抗出来るんだね?"
黒服「ええ。私も実物を見たことはありませんので断言は出来ませんが、可能性があるとすればそれでしょう」
ナレーション
その存在は知らずとも、カイザーが「宝」を求めてアビドスを手に入れようとしていたことは知っている。
超古代兵器の宇宙戦艦。だなんて次図等だけ見ればSFも良いところだが、そんなのは今更の話だし、
PMCなんてものまで抱える欲深で傲慢なカイザーが求める宝と考えれば、お似合いの兵器だ。
先生は人殺しや支配の為の兵器に興味は無い。今大切なのは、それがあれば生徒たちを助けられるかどうかだ。
黒服「・・・時に先生。神子柴カナさん・・・・・・アリウス分派のみなさんはお元気でしょうか?」
"黒服。今回のことについては私も感謝している。だけど、もし私の生徒に何かするつもりなら・・・・・・"
黒服「誤解ですよ、先生。私は彼女たちが紡ぎ上げた物語には敬意を表していますが、彼女たち自身への興味は薄い。
確かに、ベアトリーチェがあれほど執着していたロイヤルブラッドは少し興味深くありますが・・・・・・
・・・先生やアリウスを敵に回すリスクと天秤に掛けるほどではありません」
"なら、何のつもりだ"
黒服「クックック・・・そう怖い顔をしないで下さい。私は純粋にお願いしたいだけですよ。
ベアトリーチェが神子柴カナに与えた力・・・・・・カードを余り使わないでいただきたいのです」
- 141二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 09:10:53
黒服も何かは知ってるのか
- 142二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 13:44:49
雰囲気は怪しいのに言ってることが親戚のおじさんみたいだ
- 143二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 19:52:49
一応同僚だからか
ますます不安だ、何が起こるんだカナちゃんカード - 144◆VLlUGaOg9c25/03/09(日) 22:16:51
ナレーション
先生は訝しんだ。生徒を付け狙うゲマトリアの連中が嫌いだというのもあるが、黒服の言葉は可笑しいからだ。
カナが持つカードはベアトリーチェ・・・・・・つまりはゲマトリアが齎したモノ。都合が悪いなら用意しなければ良い。
彼等にどれだけ仲間意識があるかは分からないが、使われて困るような物なら、
黒服たちはカナの手にカードが渡ることを簡単には許さないだろう。お得意の交渉でもして、止めようとする筈だ。
黒服「私たちゲマトリアは集団としての意識はありますが、明確な上下関係がある組織ではありません。
ですので、ベアトリーチェが何をしようと私に止める権限は無いのですが・・・・・・心配ぐらいはします」
ナレーション
「仲間ですからね」と、黒服は何処まで本気かも分からないような怪しい笑みを浮かべて見せる。
先生からすれば胡散臭さしか感じられないが、そこを問い詰めたところで納得する回答は返ってこないだろう。
これは言葉ではなく、信頼の問題だからだ。
"・・・あのカードに何があるの?"
黒服「マエストロがアリウスに説明に行ったというので、先生にも伝わっているかと存じますが、
あのカードを使用しても先生の生徒に危害が及ぶことはありません。そこは本当です。信じていただきたい。
しかし、何の対価も支払わずに奇跡を齎す。あれはそんな都合の良い願望器ではない」
黒服「であれば、答えはただ一つ。それは「黒服」」
ナレーション
黒服の言葉を遮るように、、1人の女の声が聞こえてきた。
以前にアリウスの古聖堂の時のように、何処からともなく、魔法のようにベアトリーチェが現われたのだった。
- 145二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 07:34:21
まさか本人が来るとは
- 146二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 14:43:30
普通に出てくるベアトリーチェ
ちょっと新鮮 - 147二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 22:52:56
ヌルッと来たな
- 148◆VLlUGaOg9c25/03/10(月) 22:55:50
黒服「宜しいのですか?あのカードの対価を知らずに使えば、全てを知った時に苦しむのは神子柴カナ本人です。
私には全く分からない感情ではありませんが・・・・・・それは貴女にとっても本意では無いでしょう?」
ナレーション
突如として現われた同胞に驚くような素振りも見せず、黒服が投げかけた言葉は先生の目を見開かせた。
先程、黒服は自分の口でこう言った。「あのカードを使用しても先生の生徒に危害が及ぶことはありません」と、
にも拘わらず、カードを使えば先生の可愛い生徒の1人・・・カナが苦しむという。矛盾に満ちた言葉だ。
一体どういう意味か?先生は問いただそうとして・・・・ベアトリーチェの多眼が全て、物憂げに目を瞑るのが見えた。
ベアトリーチェ「…そうはなりません。長らく会わない時間が続けば、何れ、あれらの中の記憶から私は薄れる」
黒服「ですが、完全に消えることはありません。記憶を忘れることはあれど、失うことは有り得ませんよ」
ベアトリーチェ「ええ、そうでしょう。ですが時が経ち、記憶の中の私が薄れれば、同時に価値も薄まる。
数年もすれば、あれらの中で私はどうでもいい存在へと変わるでしょう」
ナレーション
話を聞く限り、ベアトリーチェは2度とアリウスの前に現われるつもりが無いようなことを言っている。
カナが憎しみを呑み込んで赦し、正当な罰を受けさせる為に手を伸ばした。
その場面を知る先生としては、そんな逃げるような真似をされるのは面白くない。
ゲマトリアのような大人を生徒に近づけたくないが、生徒の意思は尊重したい。複雑な先生心が、そこにはあった。
ベアトリーチェ「・・・あれらにも言いましたが、私は借りを返す為にカードを用意しました。
あのカードを使うことで、あれら・・・アリウスに危害を及ぼすようなことはありえません」
黒服「ええ。そこは疑っていません。貴方は本当に随分と変わられた、昔よりずっと魅力的になりました。
だからこそ、私は麗しい同胞が失われることを案じているのですよ。ベアトリーチェ」
- 149二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:39:02
まさか対価を払うのはベアトリーチェの方なのか?
でも確か味方を移動させるのは対価なしでできるんだよな - 150二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 05:01:12
あー、子供の名義だけど支払いは親がする家族カードって感じかぁ
- 151二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 12:43:04
どうしてそんなことを…
- 152◆VLlUGaOg9c25/03/11(火) 20:59:07
結局、ベアトリーチェは黒服の心配を聞き入れなかった。・・・・・・・・・と、一概には言い切れないのだろうか?
実際、黒服の言葉を受け取りはしたのだ。それでも尚、彼女は己の決断を曲げなかった。
独裁者としての気質が故か、思うところがあってのことか?彼女は独善的なまでに自身の答えを信じていた。
先生は何も言えなかった。知らなかったからだ。ずっと、彼等彼女等に敵としてしか向き会わなかったから。
"(・・・もし、何か一つだけでも違ったら・・・・・・アイツがまだ生徒だった頃に出会っていたなら・・・・・・"
???「・・・んせい・・・・・・先生・・・・・・先生!」
"んっ!あ、ああ、ごめん、トキ。ぼーっとしてたよ"
ナレーション
気が付けば、黒服から仕入れた情報を生徒たちに送るべくメールを書いていた先生の手は止まっていた。
トキに意識を引き戻されて、改めて先生がシッテムの箱を視界に入れてみると、そこには何も書かれていない。
考え事に夢中で、先生は自分の仕事すら暫くの間忘れていたらしい。・・・・・・と、思っていた。
"やっばっ!急いでメール書かないと・・・"
トキ「それでしたら、もう先生はメールを送っていました」
"え?あれ?そうだっけ?"
ナレーション
トキが言うにはメールを送り終えた後だというが、先生には丸で実感が無かった。
シャーレの過酷な業務の中で無意識の内に身についた、哀しき労働者の本能がそうさせたのである。
しかし、何を書いて誰に送ったのか?さっぱり覚えていない。心が他の方向を向いていた、何よりの証拠であった。
- 153二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 00:30:27
社畜…
- 154二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 07:33:31
違う方向で辛い習性
- 155二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 12:55:28
送れてるならセーフ
- 156二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 22:30:01
このレスは削除されています
- 157二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 22:43:27
このレスは削除されています
- 158◆VLlUGaOg9c25/03/12(水) 22:45:44
"じゃあ、後は帰るだけ・・・だよね?"
トキ「はい。先生の調子が悪いようでしたら、迎えのヘリを要請しますが・・・」
"大丈夫大丈夫。別に体調が悪いなんてことは無いからね"
ナレーション
"今月は今日で未だ3徹目だしね"。と、それはそれで心配になるようなことを言いながら笑って見せる先生。
しかし、それを真に受けて「じゃあ、大丈夫ですね」と安心出来るほど。トキは鈍い訳では無かった。
"・・・・・・あの、トキ?急にどうしたのかな・・・?"
トキ「いえ。今の私は先生の護衛なので、もっと近くに居ようかと」
"もう交渉終ったのにっ!?"
ナレーション
頑固者が中々弱音を言ってくれないことを、トキは本来の主のお陰で良く知っていた。
だから、トキは近づいた。1人ででも背負おうとしてしまう先生が本当に1人にならないように。
せめて、身体の距離だけでも、単に陣営が同じというだけでも、どこか主に似た大馬鹿の側に居ようと思った。
トキ「はい。私はC&Cが誇るパーフェクトメイドですので、ご主人様を1人にはしてあげないのです」
"えぇ・・・トキってリオの専属メイドじゃなかったっけ?"
トキ「おや、知らないのですか?ご主人様とポテトチップスは幾らあってもいいんですよ?"
"なんか違う気がするけど・・・まぁ、トキが楽しいなら別に良いかな”
ナレーション
きっと、それがトキが信じる「忠義の形」なのだ。
- 159二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 01:21:12
このレスは削除されています
- 160二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 08:19:43
サンキュートキ
ポテチあげちゃう - 161二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 16:04:26
貯め込みがちなのは描写されてるからねぇ
- 162◆VLlUGaOg9c25/03/13(木) 20:39:23
- 163二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:45:41
わかる
- 164二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 07:48:57
しかし先生の葛藤を見返すと先生はあくまでも「先生」だから救えるのは生徒だけって事なのかもなぁ…と思ってしまう
いや、このスレのベアおばを救えたのは多分カナちゃんだから出来た事なんだとは思うけどね - 165◆VLlUGaOg9c25/03/14(金) 07:54:23
ナレーション
先生が黒服と交渉して得た情報を元に、アビドス高校が確保した古代兵器ウトナピシュティムの本船。
その実物の視察の為にトリニティを含めた各学園の代表生徒たちと、
本来は虚妄のサンクトゥムの大元であったエネルギー反応の調査の為に結成された調査団が集まっていた。
まるでテーマパークに来たみたいだ。テンション上がるな!
ナギサ「遊びに来た訳では無いのですが・・・・・・確かに、想定していたよりもしっかりした造りですね。
てっきり経年劣化でボロボロになっているものだと思っていましたが・・・・・・」
ナレーション
カナたちの言うように、戦艦を名乗るだけあってウトナピシュティムの本船は立派だ。
まるで馬鹿でかい鋼のスコップ・・・いや、フグのような、縦に大きいずんぐりむっくりした機体は非常に大きい。
一見して戦艦という感じは余りしないが、見上げるほどの巨体はそれだけで心を震わせる威容を放っていた。
リア「話には聞いていたけど、規模が大きいわね」
ウイ「そ、そうですね・・・・・・(うう・・・帰りたい・・・)」
ナレーション
未知の技術で造られた宇宙戦艦というロマンの塊のような品を前にして、
普段はクールなリアも技術者魂を刺激されて好奇心を抑えきれず、僅かに口角が緩んでいる。
・・・のだが、それとは対照的にウイのテンションは低い。断れない仕事でなければ、今にも帰ってしまいそうだ、
SF小説で良く聞くワードに好奇心がそそられていない訳で無いのだが、興味よりも人見知りが勝っているらしい。 - 166二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 13:20:56
デカいメカって浪漫あるよね
- 167二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 16:34:54
合同作戦だからね
人いっぱいなのはしゃーない - 168二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:12:32
保守
- 169◆VLlUGaOg9c25/03/14(金) 23:20:23
情報部モブ(なんでトリニティの連中と・・・・・っ!)
サンクトゥム分派モブ(なんでゲヘナの連中となんか・・・っ!)
新素材開発部モブ(うう・・・なんか睨み合ってて怖い・・・あっち行ってくれないかな?)
ナレーション
ウイが帰りたがるのも無理は無い。調査員たちの雰囲気は余り良いと言えなかった。
実際、ウイ以外にも何人か生徒たちは居心地悪そうにしており、睨み合いになるケースも少なく無かった。
セイア「ふむ・・・・・・余り調査が好調なようには見えないが、大丈夫なのかい?」
ミノリ「確かに、今回のように数多くの組織から人員を召集している現場では衝突も少なくない。
しかし、先生が上手く仲裁役をやってくれているからな。乱闘を起こさずに作業が出来そうだ」
ルミ「それに人材は充分に足りているし、予算もたっぷり貰っているからね。
大仕事には違い無いけど、そこまで時間は掛からないんじゃないかな?むしろ問題は・・・・・・」
リン「誰が船に乗るか?ですか」
ナレーション
しかし、ウイを含めた1部の生徒たちには申し訳ないが、多少の空気の悪さは問題ではない。
ミノリの言う通り、先生が間に入って緩衝材の仕事をしてくれているし、ルミの言うように人手も予算も潤沢だ。
何より、この場に集まっているのは仮にも学園の代表として選抜された優秀な生徒たち。手腕は保証されている。
なので実のところ調査の方は余り心配は要らないのだが・・・・・・問題は乗組員の方だった。
ミノリ「動かすだけでも専任のオペレーターが10人単位は必要、というのがシステム解析班の目算だ。
私もそれは正しいと思う。・・・・・・が、幾ら巨大でも何十人も無限に搭乗出来る訳ではない」
ルミ「飛んで行った先で何が起こるかも分からないし、考えて選抜しないとダメだよ」
セイア「なら、それは私たちの仕事だね」
- 170二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 08:38:30
精鋭チームの選定か…
- 171二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 13:49:34
多少のバチバチはまぁ…しゃーないか
- 172◆VLlUGaOg9c25/03/15(土) 20:30:30
リン「それでは、ウトナピシュティムの本船の船員選抜会議を始めたいと思います」
チェリノ「何をケチなことを!あれだけ大きい船なのだから乗りたい者はみんな乗せてやれば良いだろう!」
キサキ「いや、あれは乗りたいから乗るものではないじゃろ・・・・・・」
ナレーション
そういう訳で、ウトナピシュティムの本船の船員を選抜する緊急会議が開かれたが・・・・・・これまた空気が良くない。
今回の1連の事件に関する案件はシャーレと連邦生徒会の名の下、複数の学園の連合作戦になっている。
のだが、連邦生徒会の信用は会長の疾走から失墜の一途を辿っており、先生は調査組の仲裁に回っている。
はっきり言って、緩衝材が出来る立場の人員が居ないのである。
リン「それに山海経の調査隊長のルミさんによれば、無限に人員を収容することは出来ないとのことです」
ユウカ「でも、具体的に何人まで乗れるかはわからないの?」
リン「そこは未だ調査中ですが、恐らくはオペレーターだけでも10人規模は必要だろうとのことです」
ナレーション
しかし、彼女たちはキヴォトス各地から召集された、学園の名を背負う生徒会の役員たち。
このキヴォトスの危機という非常時に、他の学園に態々突っかかるような真似はしない・・・筈だ。
実際、和気藹々とはいかずとも、目の前の課題に向けて足を引っ張ること無く意見を出し合うことが出来ていた。
リン「まずはどのような役職が必要となるかを話し合い、それを元に適任となる人材を選出したいと思います」
ナレーション
そうリンが司会として本題を口にした直ぐ後のこと、突如として、会議場に新たな客人が訪れた。
- 173二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 02:49:31
着実に前には進んでいってる…かな
- 174二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 12:00:44
誰だ?
- 175◆VLlUGaOg9c25/03/16(日) 21:12:14
ケイ「お話の途中、失礼します」
アリス「パンパカパーン!宇宙勇者のアリスとケイが現われた!」
ナレーション
客人の名はアリスとケイ、ミレニアムが誇る勇者と従者である。
とはいえ、彼女たちの身分は生徒会でも何でもない一般生徒。
本来であれば会議に出るような立場では無いし、そもそも出たところでやることも無い。筈なのだが・・・・・・・・・
ユウカ「ちょ、ちょっと、アリスちゃんにケイちゃんっ!?なんでここに居るの!?」
アリス「えっと・・・・宇宙戦艦が発見されたと聞いたので、エンジニア部のみなさんと来たのですが、ケイが・・・・」
ケイ「あの船・・・ウトナピシュティムの本船でしたか。あれについて、少しお願いしたいことがあります」
ナレーション
ケイの言葉に、セミナーとカナ経由で多少は事情を把握しているティーパーティーの首脳陣は真剣に耳を傾ける。
アリスの出身は未だ謎の多い「廃墟」であり、その出自は無名の司祭なる古代の人々が作り上げた王女(兵器)。
その従者であるケイもまた無名の司祭の「オーパーツ」を稼働させる鍵としての業を背負う存在だ。
そんな諸々の事情を知る身からすれば、ケイの証言は無視出来ない手掛かりになりえる。
マコト「キキキ・・・ミレニアムは性との教育が成ってないんじゃないか?うん?」
ナレーション
・・・まぁ、アリスの1件については事が事なので箝口令が敷かれており、この場の殆どの生徒は何も知らないのだが。
- 176◆VLlUGaOg9c25/03/16(日) 21:15:45
- 177二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 23:13:31
古の存在が直々に
- 178二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 04:55:47
マコト達が知らんのはまぁ、しゃーないわな
- 179二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 10:07:40
勇者が宇宙勇者にレベルアップだ
- 180二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 16:05:49
えっちなのは駄目!しけー!されてしまう
- 181◆VLlUGaOg9c25/03/17(月) 22:25:34
アリス「む!そんなことありません!ユウカは何時ももがっ!」
ケイ「申し訳ありません、王女。ややこしくなるので少し静かにしていて下さい」
ナレーション
鬼の首でもとったかのような嫌みったらしい笑みのマコトにアリスは反論しようとするが、その口をケイが塞ぐ。
ケイにとってアリスは唯一無二の王女であり、主ではあるのだが、未だ幼い部分が目立つ子どもでもある。
本当に時間が無い上に大事な話をしなければならない今だけは、頼むから大人しくして欲しかった。
・・・尤も、人生経験という意味ではケイも大して変わらない。どころか、アリス以下ではあるのだが。
ケイ「・・・失礼しました。ですが、本当に重要な話なのです。
それは、私とアリスの出生を知るセミナーならば分かるでしょう」
ユウカ「それは・・・っ!」
ナレーション
一斉に生徒たちの視線がユウカとノアへと向くが、ユウカは苦々しい表情を浮かべて口を開くことを躊躇っていた。
当たり前だ。紆余曲折あったとはえ、今はアリスもケイも可愛い後輩。それがユウカにとっての真実だ。が、
アリスとケイがキヴォトスを滅ぼしうる力を持った存在なのも、未だに謎の多い存在であることも事実である。
絶対にユウカはこんな表現はしないだろうが、謂わば、アリスとケイは生きた古代兵器のようなモノだ。
そんな秘密を他校の生徒にペラペラ喋って、また2人を危険視する人が現われたら・・・ユウカは不安だった。
ノア「・・・ユウカちゃん」
ナレーション
ユウカの頼れる親友ノアも、流石に今回ばかりは心配そうに視線を向けることしか叶わない。
この状況でアリスの秘密を守るのは殆ど不可能に近いが、それでも、軽々しく明かせる秘密ではない。
それはノアも重々承知していた。
- 182二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 05:28:26
難しい…
- 183二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 13:17:29
うっかりする姉としっかり者の妹感
- 184二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 21:37:22
このレスは削除されています
- 185二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 22:21:58
頼むリア、来てくれ!!
- 186◆VLlUGaOg9c25/03/18(火) 23:17:27
アリス「私の名はアリス!役職は光属性の全体アタッカー・・・そして宇宙勇者です!」
ケイ「王女っ!?一体何を・・・」
ナレーション
沈黙を破ったのは、ケイから口止めをされていたはずのアリスだった。
何を思ったのか突如名乗り始めた主にケイは思わず声を上げ、他の生徒たちも意識を傾ける。
しかし、そんな注目の視線を丸で気にすること無く、アリスは何時も通り元気の良い声で喋り続けた。
アリス「アリスはミレニアムの廃墟で長い間眠っていました。
そんなアリスを起こしてくれたのはゲーム開発部の仲間たちと・・・先生」
アリス「それからモモイに「アリス」という名前を貰って、エンジニア部のみなさんに「光の剣」を貰って、
ゲーム開発部のパーティーに加わわって、そして、アリスが魔王として生まれたことを知りました」
ナレーション
アリスの口から語られたのは、アリス自身の人生の記録。短くて長い、未だ未完の勇者伝説。
名も無き神々の王女という「魔王」として生まれた1人の少女が、自らの意思で「勇者」になった物語。
といえば聞こえは良いかもしれないが、ようは隠し通してきた全ての秘密を詳らかに明かし始めたのである。
これには流石のユウカたちもビックリして、ただ呆けたように口を開いたままアリスの話を聞くしかなかった。
アリス「アリスは伝説の勇者の血筋じゃなくて、大昔の人が作った魔王「名も無き神々の王女」でした。
暴走してモモイを撃っちゃいましたし、リオ会長には・・・・・・辛い決断をさせちゃいました」
アリス「でも、それでも、仲間たちは・・・・先生は・・・勇者に成っていいと言ってくれました。
アリスの未来は、なりたいジョブは、アリスが決めていいっておしえてくれました」
ナレーション
アリスはギュッとケイの手を握る。その手はじっとりと濡れていて、少し震えていることにケイは気が付いた。
アリス「だから、アリスはここに居ます。ケイと一緒に、勇者アリスとして魔王の力で世界を救いに来ました!」
- 187二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 07:30:55
これは勇者ですわ
- 188二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 10:58:32
強い
- 189二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 16:10:41
やっぱりアリスは勇者なんだよ
- 190◆VLlUGaOg9c25/03/19(水) 23:30:25
ナレーション
余りにも真っ直ぐで、良くも悪くも謀略慣れしたナギサやセイアでさえ全く嘘を感じられない純真な言葉だった。
事実、嘘は無いのだろう。もしも何も無いならセミナーはさっさと悪戯者の小娘たちをあしらっていた筈だ。
けれど、セミナーの少女たちは驚いたように目を見開きながら、複雑そうに表情を歪めている。
だから、詳しい事情を知らない他校の生徒たちもアリスの話が本当のことだと信じることが出来た。
マコト「・・・セミナーの、こいつの話は・・・」
ユウカ「・・・・・・本当、です。私も詳しくは知りませんが、リオ会長はキヴォトスを滅ぼしうる存在だと・・・」
ナレーション
確かめるようなマコトの重苦しい言葉に、ユウカはとうとう観念して知っていることを話した。
マコト「そうか・・・」
ナレーション
マコトは珍しく静かに溜息を一つ吐くだけで、後は「どうしたものか」と右肘をついて頭を抱えるだけだ。
マコトは本心ではアリスを排除したかった。兵器という単語が、雷帝が残した玩具を思い出して嫌だった。
マコトは度し難いアホだが、それでもゲヘナの生徒会長だ。ゲヘナの混沌に満ちた日常を守る義務がある。
利用出来ないなら、キヴォトスを滅ぼすような兵器なら、壊すべきだ。壊すべき。なのだが・・・・・・・・・
マコト「・・・」
ナレーション
アリスの真っ直ぐで純真な姿が、可愛がっている後輩のイブキにまで重なってしまう。マコトは嫌になった。
いや、マコトだけではない。ここに居る生徒たちは各学園の生徒会の上層部。つまり、2、3年の上級生ばかり。
他校生とはいえ、素直で真っ直ぐな、純真で可愛らしい後輩を殺したい訳が無かった。
マコト「・・・もし、天童アリスが人を殺めたらどうする?」
- 191二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 04:35:22
リオと同じ懸念か
- 192◆VLlUGaOg9c25/03/20(木) 10:52:51
- 193二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 15:17:33
マコトはそういう意味ではまだ謎が多い
- 194二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 23:00:05
あぁ雷帝の兵器を想起しちゃうのか…
- 195◆VLlUGaOg9c25/03/20(木) 23:23:38
ナレーション
周囲がざわついた。流石に生徒会長を務める生徒たちは1部(ミカ・チェリノ等)を除いて平静を装えていたが、
配下の生徒たちの動揺だけでも、会議の場を震わせるには充分なほどの喧騒であった。
それだけ、1人1人が頑丈で死が遠いキヴォトス人にとって、殺すという言葉は強烈な力を持っていたからだ。
ミカ「ちょっと、幾らゲヘナが野蛮だからってそれは・・・「ミカ」」
すまない。ちょっと、黙っていて欲しい。
ナレーション
真剣なカナの静止を受けて、ミカが不満気ながらも席についたと同時に、周囲のざわつきも小さくなる。
恐らく、この場で尤も死を良く知っていて、尤も死に近づいた経験さえあるカナの言葉には「重み」があった。
マコト「私はゲヘナを背負って立つ議長として、いずれキヴォトスを支配する身として、
混沌に満ちた日常を守らねばならん。それを壊すのであれば、貴様が何者であろう裁かねばならん」
ナギサ「・・・そうですね。支配云々の妄言は兎も角、学園を背負う者としての責務が私たちにはある。
アリスさん、貴女が勇者だというのなら・・・・・・・・・私たちを安心させてくれませんか?」
ナレーション
厳格に鋭い視線を投げかけるマコトと優しく問いかけるナギサ。意図したものではないが、まるで飴と鞭だった。
しかし、優しい笑みを浮かべているナギサも、他の生徒会長たちも、学園を背負う女王であるのは同じこと。
学園を守る為に必要ならば、彼女たちは容赦なく権力の大剣を振うだろう。それはアリスとケイにもよく分かった。
アリス「ア、アリスは・・・」
ナレーション
これには流石の勇者も覚悟が揺らいでしまう。
怖かった、当たり前だ。誰だって、死にたくは無い。けれども、アリスはそれでも勇者なのだ。勇気ある者なのだ。
揺らいだ決意を結び直すべく、アリスはごくりと唾を飲んで、小さく1歩前へと進んだ。。
- 196◆VLlUGaOg9c25/03/20(木) 23:26:07
- 197二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 08:42:00
アリスはどうするのか、何を言うのか
- 198二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 16:21:09
皆の動向が面白い
- 199◆VLlUGaOg9c25/03/21(金) 22:42:22
- 200二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:49:24
たておつです