- 1二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:51:14
- 2二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:52:04
許嫁バリちゃん!!?!!?!?
- 3二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:52:17
- 4二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:53:15
- 5二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:54:12
- 6二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:54:22
ほも!
- 7二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:56:23
- 8125/02/10(月) 13:59:28
なら消しときますか
- 9二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 13:59:50
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:04:04
んでどうすんのよこれ
- 11二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:05:28
互いに自信を持てなかった二人が二人三脚で歩んでいくうちに胸を張れる一流になる王道ストーリーだぞ
- 12二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:21:38
これと決めた時のシオンは怖い!人生の墓場まで善意の一直線!
- 13二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:26:39
そこに至ってる時点でバリトレもアクセル全開フルスロットルだから問題ない
寧ろバリちゃんがたじたじになる - 14二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:26:40
このレスは削除されています
- 15二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:28:05
- 16二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:28:49
バリトレはその時から首ったけってことだね
- 17二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:36:25
もう助からないな
- 18二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:44:06
バリトレはなんなら出力できてないだけで矢印クソデカだからな
- 19二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 14:47:15
- 20二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 15:21:29
いいね、そういうのもっとちょうだい?
- 21二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 15:52:34
シオン──ウインバリアシオンは小さい頃からバレエを習っていた。俺の親父がシオンのお父さんと仲が良く、親同士の付き合いがあったため、ときおり彼女のバレエを見せてもらっていたこともある。それはとても綺麗で、俺の目を奪うには十分だった。
『お兄ちゃん! 今日もシオンのダンス見てくれる?』
『うん。父さん達が戻ってくるまでなら大丈夫だよ』
『えへへ……! じゃあ見ててね! 今日はね、これ習ったの!』
俺にはバレエのことは正直わからなかった。
でも、シオンが輝いていることは俺にも分かる。
(……綺麗だ……)
『──っと! どぉ!? 上手だった!?』
『うん。すごい綺麗だったよ。えっと……』
どう褒めようかと言葉を探す。少しでも彼女の好きなことを知ろうと、かじっただけだが、調べた言葉を思い出す。
確か、これはバレエ用語だったはずだ。
『シオンは、俺にバレエを見せてくれる【プリンシパル】だね』
『! そう! プリンシパル! シオンはね……【プリンシパル】になりたいの!』
彼女の瞳が輝いた。キラキラと、憧れを目にした輝きだった。
思えば、あの日からだったのか。それとも、俺よりも出会う前からバレエの主役【プリンシパル】に憧れていたのか。
恐らく後者だろうが、それでもいい。なんだっていい。
彼女が【プリンシパル】として輝ければ──
スレ主さんスマン……勝手に書かせてもらってる…… - 22二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 16:51:29
同室が中等部2年目で気恥ずかしそうに左手薬指に婚約指輪をつけるようになったのに気づいたシュヴァち
- 23二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 17:12:27
無事に脳が破壊されました
- 24二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 17:24:40
日経賞あたりの話がより重くなるな…
- 25二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 19:43:44
仮にシオンが中等部でトレセンに入学してたとして、シュヴァルはまだ小学生とかなんかな
まぁ寮の同室の子が婚約指輪してたら脳バグるか…… - 26二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 21:59:26
- 27二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 22:24:30
- 28二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 22:27:33
- 29二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 22:30:37
シオン父のかつてのライバルの子がトレーナーというのは女々か?
- 30二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 22:51:03
- 31二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 23:18:03
トレーナーは自分の父にはあんまり影響受けなかったけどバレエを見る素地みたいのは出来ててシオンがぶっ刺さった説?
- 32二次元好きの匿名さん25/02/10(月) 23:50:48
人が一生懸命、何かに打ち込んで頑張る姿は格好いいからね……ひたすら努力するシオンに惹かれるのも無理はないよね……
- 33二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 09:10:42
- 34二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 16:57:21
- 35二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 21:48:57
(自分イマイチ勝手が分からんので一応聞くんすけど、この世界線のSS書きたい欲があるんで、ネタ拝借してもいいっすか。既に19と21でSSもどき勝手に書いちゃったけど)
- 36二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 07:23:36
ほ
- 37二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 10:35:50
(保守られてたので2個ほどキャラスト1話をベースに、勝手ながら)
「……ダメだ……全然表現できない……。やっぱり、センスないのかな……」
いつからか、シオンがバレエの練習を楽しんでいる姿はどこにもなく、ただ苦しんでいることが増えた。
「ごめんね、兄さん。わざわざ付き合わせちゃって……こんな、下手なバレエ見てもらって……」
「そんなことない。とっても素敵だよ」
「……ありがとう。でも、これじゃあダメなんす……。目指してるプリンシパルには……父さんみたいには……なれないんだ……」
シオンは自分を表現をするのが苦手だった。
コンテンポラリーダンス、いわば創作ダンスが大の苦手だった。
セオリーや法則性があるもの、大体の手本があるものなら、それを完璧にこなすことは出来た。
けれど、オリジナリティを必要とされたり、クリエイティブな面を求められると壁にぶつかってしまう。
「……バレエ……辞めようかな……」
「! っ……」
胸が苦しい。彼女の悲しむ顔が、見ていられない。
あの頃はあんなに純粋な笑顔で踊っていたのに。
笑って、憧れのプリンシパルを追いかけていたのに。
俺は必死に考えた。俺の願望の押し付けに近いが、彼女には諦めてほしくない。たとえ舞台が違えど、シオンが主役になれる可能性がある場所を──
「……シオン。気分転換、になるかは分からないけど……」
──レース、見に行ってみないか? - 38二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 10:51:27
「……すごい……。すごい、すごい! めちゃくちゃ熱いっす! これがレース……!!」
「すごいよな。みんな、自分の夢や理想を目指して走ってるんだ。俺はウマ娘じゃないから走れないけど……俺にも、夢があるんだ」
「兄さんの、夢……。ね、ねぇ! 兄さんの夢ってなに? あたし、知りたい!」
キラキラと輝く目で俺を見るシオン。
……これだ。この純粋で、眩しいシオンを見たかったんだ。
「ウマ娘のトレーナーになる。人が夢を叶える手伝いをしたい」
本当は、少し違うのかもしれない。
トレーナーとなってウマ娘の夢を叶える為に支えてやりたい。頑張る子を支え、大舞台であるG1レースを勝たせてやりたい。そして、その子と喜びを分かち合いたい。
そのウマ娘がシオンだったら、どんなに幸せなことだろうか。
俺はただ、シオンの夢を叶えてあげたかった。
他の誰でもないシオンが──ウインバリアシオンが【プリンシパル】になる。
彼女の夢が、俺の夢だったんだ。
「……走りたい……。走りたい……! あたしも、レースで1着をとって、舞台の真ん中に立ちたい!」
「! シオン……!」
「──決めた。兄さんの夢、あたしの夢にしたい! 兄さんのためにも頑張りたい! そして、たくさん見せてあげたい! 兄さんに……あたしが【プリンシパル】として輝くところ!」
彼女の夢が、俺の夢だった。
そして、俺の夢が彼女の夢になった。
素敵なことだと、当時の俺は思っていた。
これが、彼女を苦しめる呪いになることを知らずに。
(日経賞のことがあるんで不穏な終わり方させてます。一旦はコレで……) - 39二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 13:45:20
(自己満足なSSだけど、あと3つだけ投げさせてくれ……!)
「ごめん、兄さん……。あたし……今度の日経賞を最後に……引退したい」
──違う。そんな顔をさせたかったんじゃない。
「ごめんなさい……あの日、兄さんの夢を、あたしの夢にしたいって言ったのに……。でも、もう……」
俺の夢は、彼女の重荷になってしまっていた。
「……気づいたんだ。昔、あたしのバレエの練習見ててくれた頃のこと、覚えてる?」
「もちろん覚えてる。小さい頃から見せてくれた、とっても綺麗な──」
「そのバレエ……あたし、どうしたんだっけ……」
言葉を失った。
今でも思い出す。諦めようとした、あの辛そうな表情を。
俺はそれをまた見ている。
俺は間違えたのか? 今度は他の誰でもない、俺自身がシオンを追い詰めたのか?
「……ヴィルシーナさんを、見たんすよ。ジェンティルさんと併走してて……どんどん離されて行くのを見て、あたしとオルフェーヴルみたいだって。でもヴィルシーナさんは諦めないで加速して……差をどんどん縮めて行って……あたしだけ、置いていかれて……」
──もう、頑張らないでくれ。
「……最低っすよね。頑張る人に向けていい感情じゃない……それは、貴方にも思ったんです。トレーナーさん」
「え……?」
「あたしのために遅くまで仕事してること知ってるんす。だからこそ……こんなあたしなんか、貴方に相応しくない」
どうして……。
「引退したら、契約解除して──」
どうして俺は──
「婚約も……破棄しましょう」
こうなった今ですら、手を差し伸べられないんだ。 - 40二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 13:50:11
その日が来るまで、俺は全力で出来る限りのサポートを尽くした。
今だってシオンに考え直してくれないかと思っている。だが、俺の独りよがりでこれ以上シオンを苦しめるわけにはいかない。
『引退したら、契約解除して……婚約も破棄しましょう』
彼女の言葉が何度も何度も繰り返される。
受け入れるほかない。
彼女をここまで苦しめた俺なんかが、シオンを幸せになんか出来るはずがない。
シオンに相応しくないのは、俺の方だ。
「……。」「…………。」
「それじゃ、行ってきますね」
「あぁ」
日経賞、当日。彼女は至って冷静だった。
彼女の言葉は一人のウマ娘として発せられた。
いつも感じていた、あの子の情緒はどこか遠く感じ──
「これで、最後。……最後、なんで。あたしの全力を、このレースにぶつけます……!」
「あぁ……! がんばれ!」
「……はい。今日まで……ありがとうございました!」
俺のことを、一人のトレーナーとしか見ていないような話し方をしていた。
──あぁ。本当に、終わるんだ。俺と、シオンの関係も。
そう、受け入れ始めていた。それなのに──
「今まで……本当に、ありがとう……──さん」
どうして、俺を諦めさせてくれないんだ。 - 41二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 13:58:22
諦められない理由は、目の前にあった。
彼女のもがくように勝利を掴んだ姿が──
やはり、あまりにも美しかった。
俺にとって彼女は夢であり、主役だった。
諦めたくない。諦めさせたくない。
「……お疲れさまでした。トレーナーさん。最後だっていうのに1着獲っちゃいました……。歓声だって、今までで一番で……」
どうすれば引き止められる──!?
あんな走りを、あんな輝きを見て……諦められるわけないだろ……!!
「あいつが居ない方が……って、嫌だなぁ……。こんなときにまでオルフェーヴルのこと……。兄さんとは、これで最後なのに……」
ハッとした。俺にとっての輝きはシオンだ。
では、シオンにとっての輝きは、憧れはなんだ。
「……? トレーナーさん……?」
「最後に1度だけ、オルフェーヴルと走ってほしい」
「……え? で、でも……もうずっと、今日で終わるつもりで──兄さんとの関係も……終わることを覚悟、して……」
より辛い思いをさせるかもしれない。今度こそ、完全に心が折れるかもしれない。
土壇場になってから頼み込み、引き止めるなんて最悪だ。だけど……なりふり構っていられない。
俺は彼女のトレーナーで、それ以上に──
一生のパートナーになるんだ。
「……ごめん。でも、頼む。──── - 42二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 14:05:17
好き勝手書いてしまったけど、ひとまずここで終わるぞ!
ほとんど育成シナリオの素材の味まんまだけど、それだけ本家が完成してるからってことで堪忍してくれ……!
あと、このトレーナーのセリフめちゃくちゃ好きなんだけど、やっぱり初見育成の時にも思ったけど年頃の女の子に言っちゃいけないと思うんだコレ。 - 43二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 14:31:40
ありがとう…
- 44二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 18:00:22
ひとまずここで終わるぞ! って言った手前、この世界線のクリスマスとか温泉旅行とか書かないのもな……という気持ちになってきた。(なってきただけ)
- 45二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 18:02:51
君の望むままに筆を取るんだ
- 46二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 22:22:51
>>39で婚約を破棄した時に付けていた指輪を外してたんだけど、クリスマスに改めて自分で準備した指輪をシオンに渡すバリトレとかもいいかも
- 47二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 00:33:02
「……クリスマス、だな。そういえば」
「! 言われてみれば。最近はそれどころじゃなかったっすね……」
「……デートも、あまりしてこなかったよな……。甲斐性なくてごめん」
「で、デー、ト!? で、でも仕方ないっす! レースにトレーニング……あと親公認と言えど、立場もあるっすから……! でも……そうっすね……あたし達……婚約、してるんすよね」
シオンはソワソワし始めた。先ほど偶然出会ったファンからの声援。脚部の回復。以前より深まった俺達の絆。それらを思い出しているようだ。
「叫びたい?」と尋ねると、照れながら自分の癖になっている、この衝動を噛み締めていた。
俺はシオンに、小さな声なら大丈夫と助言し、気持ちの吐露を促した。それに彼女は応えるように、小さな声で有マ記念に向けての決意を呟く。あはは……と小さく笑う彼女は、ふと思い出したように俺を見る。
「もういっこ、言いたいことあるんすけど……その……一応耳、塞いでてもらっても、いいすか……?」
「? うん。どうぞ」
俺は隣にいるシオンを横目に見ていた。……そう、目を瞑るのを忘れていた。シオンの呟いた言葉を、彼女の唇の動きから読み取ってしまった。
(『──さんと出会えて、あたしは、幸せだ』)
それに倣って、俺も一言。ウマ娘の聴力で聞かれないよう、心の中で呟いた。
──生まれてきてくれて、ありがとう。 - 48二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 00:34:28
このレスは削除されています
- 49二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 00:36:08
- 50二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 00:42:47
「温泉旅行……あ! もしかして、これっすか?」
聖蹄祭が終わりを迎えようとしている夕方。トレーナー室で、俺はシオンに温泉旅行へ行こうと誘った。
年始に福引をまわした際に引いた戦利品。しかし、券には有効期限がある。活用する他ないだろう。
俺は少し勇気を持って、言葉を発しようとする。
彼女に、少しでも意識してほしいから。
「気が早いかもしれないけど……婚前旅行、ってことで……どうかな」
「こっ……こここっ、こ、こっ──婚前旅行ッ!?」
動揺しすぎてニワトリみたいになってしまったシオン。見る見るうちに顔も赤くなっていき、窓から射し込む夕日も相まって、りんごと同じように見える。
「ふふっ。そんなにドキドキしてくれるのか。嬉しいよ」
「だ、だって! その……い、言っておくっすけど!! あ、あたしは兄さんのこと大好きなんすからね……!? じゃないと結婚しないっす! い、いくら尊敬する父さんが認めた相手でも、あたしだって、結婚相手は選びたいっす!」
「……それもそうだな。けど、神のイタズラか、はたまた気まぐれか……俺達は出会った」
「……そして、婚約相手として選ばれた。……兄さん」
「どうしたの? シオン」
聖蹄祭の余韻を感じさせるような音楽が、俺達二人だけのトレーナー室にも薄っすらと聞こえてきた。
「……あたしと生涯をかけた『パ・ド・ドゥ』……踊ってください」
あの日、握ってあげられなかった、小さな手。
差し伸べられた手を、俺は今度こそ掴んだ。 - 51二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 00:58:45
「温泉饅頭、美味しかったな」
「ね。甘みもあって……幸せの味……」
旅館の部屋に戻ってきた。俺とシオンが同じ部屋に居るのは、本来であれば避けるべきだろうが、今の俺達はトレーナーとウマ娘ではない。
普段の立場から解放され、幼い頃のようにシオンが俺に抱き着いて甘えてくれている。
「……へへっ……兄さんの匂いだ……」
「温泉の匂いじゃない?」
「もぉ……野暮なこと言わないでほしいっす」
シオンは俺の鼻を優しく摘みながら釘を刺す。そのシオンの手を見て、思い出した。
「あ。そういえばシオン。指輪は無くしてない?」
「……ぁ……。……ごめんなさい……あの時から外したままだった……」
「いや、いいんだよ。大変だったもんな」
トレーニング中やレース本番など、紛失する恐れがある時は外して、専用ケースに入れていたが、あの日以来、シオンは指輪を外していた。
そして対照的に、俺は未練がましく着けたままだ。
「い、今は着けてないっすけど、ちゃんと大切に持ってるんす! ほ、本当で──」
「シオン。……これを」
「……え? 兄さ──え……?」
「知り合いの金細工師に頼み込んで、新しく作ってもらったんだ。ちょっと気が早いけど……また今度、次は俺達2人の指輪を作ってもらおう」
「あ……あぁ……! ッ〜……!! あ、あたし……あたし……っ……!!」
「俺の主役【プリンシパル】はきみだ、シオン。今度は俺の口から言わせてくれ。──」
──結婚しよう。俺と、生涯の『パ・ド・ドゥ』を踊ってくれないか。 - 52二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 01:07:02
- 53二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 07:24:30
ブラボー!おお・・・ブラボー!!
- 54二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 07:47:18
山田くん!SSニキに座布団5枚!
- 55二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 09:14:15
兄さんがあの日、教えてくれた夢。『ウマ娘のトレーナーになり、夢を叶える手伝いをしたい』。
兄さんの優しい人柄が表れてるなぁって思った。
純粋に、兄さんともっと一緒に居たかった。少し年の離れた男の子に憧れに近い、恋心のようなものを抱くことは、まぁよくある話だ。
レースを見た日から数日後。兄さんに支えられるウマ娘は誰か。その誰かを想像した時、あたしは胸が痛んだ。
──嫌だ。兄さんの隣はあたしだ。兄さんを奪うな。
あの時……小学生の高学年くらいの頃から既に、あたしの中には、どす黒い感情が生まれていたのかもしれない。
トレセン学園に中等部で入学。そして2年目を迎えた年の1月。本当に突然。運命の悪戯なのか、神の気まぐれなのか。実家に帰った際、父さん達がこんな事を言いだした。
『卒業したら、彼と結婚するといい。彼なら、私も母さんも、心配せずシオンを任せられる』
全く、気が早すぎるよ。あたし、まだ中等部だよ?
でも、嬉しかった。父さんたちも、兄さんの事を良く思ってくれていた。認めてくれていた。そのことが嬉しかった。
でも……
「……シオンは、なんで俺を選んでくれたんだ?」
婚約なんかしなくても、あたしは兄さんを選ぶ。
だって── - 56二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 09:16:41
(シオン視点のものを一個も書いてないと思って勤務開始前に投げときます)
(このホームの台詞いいよね) - 57二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 16:51:31
めっちゃわかります
- 58二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:29:31
バレンタインデー。大切な人に想いを伝える日。その動機づけやキッカケ作りにはもってこいの日。せっかくなので少し違うものを用意してみた。が……もしイマイチだったら嫌なので、お口直しにいつもの手作りのアップルパイも作っていた。兄さんのことだから、美味しく食べてくれると思うけど……。
「失礼します。お疲れさま、兄さん」
「やあ、シオン。今日もお疲れ様」
机の上に紙袋が置いてあり、誰かから貰ったのだろうと気になって聞いてみた。どうやら貰ったわけではなく、あたしへのバレンタインプレゼントなんだとか。
『男から贈っちゃいけないルールなんてないし』
昔からそうだった。兄さんはあたしにはない視点とか発想で毎回驚かされる。
「あの時言ってた、りんご1個を丸ごと包んだパイ。買えたんだ。シオンと一緒に食べたい」
「! 覚えててくれてたんすね! 是非ぜひ! 一緒に食べたいっす!」
それはもう、幸せの詰まった時間だった。りんごの話。あたし達の昔話。それから、どうでもいい話を、お互いに用意したバレンタインプレゼントを味わいながら。
「どうだった? 俺のバレンタインプレゼント」
「すごく美味しかったっす! やっぱり、りんごは至高の食べ物っす……!」
「ふふっ、そっか。でも、本当の贈り物は別にあったんだ」
「あっ、そ、そうなんすか?」
「うん。……この時間だよ」
「え……? ──ぁ……」
彼はあたしを抱きしめて──
「どうでもいい話をしたり、こうやってシオンと一緒に居られる時間。それが一番『昔から』俺が欲しかったもの。『シオンが居なきゃ叶わない夢』なんだ」
──なんだ、それ。そんなの……そんなの──
「……貴方って人は……ズルいっすよ……本当に……」
知らなかった。気付かなかった。あの時から既に、あたしは貴方の【プリンシパル】だったなんて。 - 59二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 21:30:33
(怒られるまで、止められるまで止まれねぇぞ!いいのか!?多分良くはないよね!!)
(明日バレンタインですね。シオンからのチョコが楽しみです) - 60二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 03:55:41
昼休みに彼とトレーナー室で過ごしたが、放課後は出掛けようと誘われたので、二人で街へ繰り出す。
世間はバレンタインの雰囲気で浮ついており、あたし達もその一部だった。
「シオン。どこか行きたい場所あるんじゃない? 例えば……りんごピューレのショコラが美味しいお店とか」
「……もしかして分かってて誘いました?」
「好きそうだなって思って調べておいた」
あたしを喜ばせるために生きてるのかと勘違いしてしまうからやめてほしい。それに、そのお店あたしが誘おうと思ってたのに……。
何でもかんでも彼の思惑通りなのは少し面白くないので、ほんの少しだけ悪態をついてやる。
「兄さんは本当、あたしのこと大好きっすねぇ」
「そりゃ……まぁ……好きだからこうして……デートに……誘った……」
歯切れの悪い返答をする彼は、少し顔を逸しながら頬を赤らめていた。そんな反応をされると思ってもいなかった為、あたしまで恥ずかしくなってきた。
「いや……うん……そう、すよね……。あたしも……嬉しい、っす。……デートのお誘い……」
幼い頃や『トレーナー』の彼は、頼りになるお兄さんだったのに、今あたしの隣を歩いている彼はただの『あたしの婚約者』になっていた。
なら、あたしも『担当ウマ娘』ではなく、ただの『彼の婚約者』になろう。 - 61二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 04:04:30
軽い気持ちで19を書き込んでから調子に乗って、ここまで書いてしまった……
実質上スレの乗っ取りな気がするけど、スレが生きてる間に書けたら投下させて頂きたく思う。
でもいつでも俺を止めてくれ。やり過ぎって言われたら流石に辞めますんで……。 - 62二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 08:46:33
ええんやで
- 63二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 12:55:50
街デートからトレーナー室に帰ってきた。今日は本当に幸せな時間を過ごせた。
けど、シオンはまだ落ち着かないようだった。
ソワソワしているのでどうしたのかを聞こうとすると──
「こ、これ! う、受け取って欲しいっす!!」
そう言ってシオンは紙袋から可愛らしくリボンで結ばれている箱を取り出し、俺に差し出す。
「えっ……? でも、その紙袋……授業で作った友達に渡す用のクッキーって……」
「う……す、すみません……ちょっと、日和っちゃって……。ほ、本当はコッチを渡すつもりだったんす!」
彼女の遠慮と葛藤が俺にも伝わった。でも、なによりシオンが勇気を出してくれたことが嬉しかった。
「……ありがとう。喜んで受け取るよ。……開けるね?」
「は、はいっ。どうぞ、っす……」
シオンが意を決して渡してくれた物だ。
俺もそれに相応しい覚悟を持ってリボンを解いた。
自分の実力や風格に自信の持てないシオンが精一杯がんばって、作った誓いのチョコ。シオンの悩み、もどかしさ、そして誓いが込められていた。
「貴方あてのチョコは正直、なんて呼べばいいのか分かんないんすけど……頼りにさせてもらってますチョコ、で! ……いずれ、貴方に見合うようになる、誓いを込めて。それで今は……お願いします」
──あぁ。よかった。
俺は心から安心した。
──俺は『ウインバリアシオンのトレーナー』としても、彼女と共に成長できていたんだな。 - 64二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 13:03:56
みなさん、シオンのバレンタインの特別チョコは貰いましたか……?
俺は暫くこの世界線の話ばかり考えていたので脳が焼け、書かずにはいられませんでした。
シオンはトレーナー室で渡すだろうという解釈は合ってたので少しだけ誇らしかったです。
というかなんだよ『見合うようになる誓い』って……マジで台パンしながら悶えたわホンマ可愛いっすよねこの子いい加減にしてほしい(オタク特有の謎ギレ) - 65二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 19:57:13
(時系列ごっちゃになるけど、掘り下げてないところを掘ってみようの回)
無事、トレセン学園に中等部で入学できた。けど、中央のトレーナーになるには、かなりのハードルなんだとか。確か兄さんは、3年制のトレーナー専門学校をあと1年で卒業って言っていた。今はもう成人してるのかな。
この1年間は兄さん無しで、一人で頑張らないといけない。
不安もあるけど、トレーナーとして再会する兄さんを驚かせるために頑張ろう。
お互い同じ舞台に上がるための、少し寂しい、辛抱の時期。
だからかな。暫く会わない間に、兄さんへの想いが一層強くなったのは。
「もう無理〜!」「し、シオンちゃん早ぁ〜」
「へへっ。毎日トレーニングしてるっすからね」
「これでスカウト断ってるんでしょ? 本格化が来てないならデビューの時期遅らせればいいんじゃないかな?」
「そ、それは、えっとー……ちょっと訳ありで……あはは……」
クラスの子たちから囃し立てられても、毎日欠かさずトレーニングに励む。父さんがそうだったように。そして、今も努力を続けている兄さんの前で胸を張れるように。
「……っし! もう一本!」
──驚かせてみせる……! 待っててね、兄さん! - 66二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 21:56:27
入学シーズンということもあり、新入生らしき子達が学園内を散策する姿がチラホラ……。そして俺は早々に自分のトレーナー室に向かう。新人の俺にすら丸々1部屋用意されてるのは流石にビビったが、それほどトレーナーというのは期待されているのだろう。
まずは備品等の整理……をすべきなんだろうが、俺は真っ先にスマホの通知を確認する。
「……ふふっ。早いなぁ。今日、休みだよな? 全く、どこで聞いたのやら」
俺のスマホに連絡を寄越した人物が、このトレーナー室に訪れるようだ。興奮気味に送られ、誤字のあるメッセージに笑みを零しながら、彼女を待つことにした。
「ふふっ! 驚いてくれるかな……!」
返信に彼の居るトレーナー室の所在が書かれてあった。
ついこの間入学したばかりの子達が校内を探検している。……本当にでっかいなぁ、この学園。歴史の深みにも思わずビビってしまった。
でも、あたしも──あたし達も、その歴史の1ページになる。
彼と──貴方となら、きっとなれる。
ノックの後、トレーナー室の扉が開かれる。
「やぁ。……待たせた、かな」
中央トレセン学園のトレーナーであることを示すバッジが、真新しく輝いている。
「うぅん。信じてたっす。兄さん」
彼女の髪飾りの羽がふわりと揺れ、りんごのように真っ赤な髪が心を奪う。
俺/あたし達の舞台が始まる────。 - 67二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 22:15:04
延々と書き続けてたけど蛇足にならないよう、ここで俺は本当に止まるぜ!!!! 一応、広げた風呂敷は畳めた……か?
建てたスレ主でもない奴の辻SSに付き合ってもらって本当にありがとうございました。見守ってくださった方々、特にスレ主とダイス神には頭が上がらないっす……!
反省はしてます、後悔はしてません。
自分の出力幅では書かれない、違うこの世界のお話も見てみたいけど仕方ないね!!
少し早いけどウマ娘4周年おめでとう!
どうか最後まで彼女達と共に走れますように。 - 68二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 07:56:04
朝からいいもの見れた。ありがとう。
- 69二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 08:05:02
ありがとうございました!
- 70二次元好きの匿名さん25/02/15(土) 17:48:20
(ちょっと厚かましいっすけど、スレ主さんさえ問題なければ自分が普段からpixivでSS書いてるんで、そこにも書かせて頂いても大丈夫ですか? アカンかったら、このスレだけに留めておきます!!)
- 71二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 02:08:17
良いものが見れたので保守
- 72二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 02:26:03
(他の方が書く、この世界線のトレバリも見たいな〜)チラチラ
ここで初めてSS書いてて思ったのが、自分の癖なのかも知れないけど文字数制限より行数制限の方に苦労しました。
でも練習にはなりました……。いかに分かりやすく、かつ読みやすい文章にするか、とか……。
ギッチリ書くと目が泳ぐ泳ぐ…… - 73二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 11:37:38
スレ主に気づいてほしいな
- 74二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 11:58:09
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- 75二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 21:21:19
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- 76二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 21:40:18
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- 77二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 21:46:13
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