- 1二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:49:09
「覚えてるのかって? 一応ね。ええと、先生は私が何をしたか知ってるよね?」
「うん。ミレニアムを襲った時に反撃して来たんだ、生徒会長が」
「凄く印象に残ってるよ……あの人は」
「他の生徒会の人を抱えながら、ミレニアムは私が守るって……そう叫んで来たんだ」
「とても眩しかったな。今思い出すと、羨ましい」
「あの時の私は、自分にそんな資格は無いって思ってたからさ。でも……私も、自分の学校を守るんだって戦いを挑む側になりたかったかな」
「戦いの様子? 凄かったよ。足を、腕を、頭を割っても、機械と自分の体を繋げて動き続けたんだ。アバ、なんだっけ。兎に角沢山兵器が出て来て、一寸手こずった」
「最期は……そう、なんだか駄々を捏ねる子供に見えたよ」
「ごめんね、こんな話を聞かせて……ごめんね、ありがとう、先生」 - 2二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:50:07
- 3二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:50:31
可哀想なのは抜けない
- 4二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:50:54
リオお前やっぱ勇者だよ……
- 5二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:51:06
プレ先世界ってテラー化する以前に怪奇現象まみれになってたけどなあ
- 6二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:51:24
可哀想だけどどこまでもリオらしいというか…
最後どうにもならなくても必死にワガママ言う子供みたいになっても抵抗する意思は潰えなかったって思うと… - 7二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:51:56
なんでこの普通のクロコが直接滅ぼしたみたいな認識になってるんだろう
- 8二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:52:26
意思はないけど記憶はあるんちゃう多分
- 9二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 11:59:04
ミレニアムがシロコテラーに襲撃されたのを知って急いで帰ってきたリオだけど間に合わず皆を守るべく奮闘していたアリスが目の前で完全破壊されてしまうんだ
- 10二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:07:25
クロコが全部滅ぼしたとかいうアビドス最強厨御用達のネタ
実際は先生不在で日数経過したせいで特異現象捜査部がリオと合流しないまま全滅してリオも責任感じて解決しようと単身向かってバッドエンドとかやろまあ - 11二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:10:10
苦しい…
私は生徒が残酷な最期を遂げたと聞くと息ができなくなる先生なんだ… - 12二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:14:07
・ホシノテラー
・セトの憤怒
・異常現象
・シロコテラー
・プレナパテス
向こうの滅亡要素って何でこんな多層構造になってるんですかね - 13二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:15:02
まあクロコは最強でしょ王女除いたら
- 14二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:17:33
(D.U.のある路地裏、シャーレの帰りにふと立ち寄るシロコ✴︎テラー)
(見覚えがあるような、無いようなドローンを見かける)
(取り敢えず持って帰ろうとするシロコ✴︎テラー)
シロコ✴︎テラー(ん……重い、仕方ない。直そう)
(持ってた工具箱から道具を取り出し修理を始めるシロコ✴︎テラー)
シロコ✴︎テラー(思ったより凄い、これ。かなりの高機能、これは掘り出し物を見つけた)
『──そこに誰かいるのかしら』
シロコ✴︎テラー(ん? このドローンからかな、声が聞こえる)
『ごめんなさい、カメラ機能がまだ復旧していなくて。もう少し待って貰えるかしら』
シロコ✴︎テラー(どうしよう。これ欲しいんだけど)
(修理から内部構造の把握に移りつつあるシロコ✴︎テラー、幾つものドローンに囲まれる)
『貴方は確か……』
シロコ✴︎テラー「ええと……これ、落ちてたんだ」
『不良達と交戦したのは知ってるわ、だからそれを回収したいの』
シロコ✴︎テラー「……これ、落ちてた。私拾った、貰っていくね」
『ちょっと待ってちょうだい。私が持ち主よ、返して』
シロコ✴︎テラー「あなた、ドローンじゃない。それに応急処置したのは私、私にも貰う権利がある」
『……分かったわ、ついてきてちょうだい』
(移動を始めるドローン達、ついていくシロコ✴︎テラー) - 15二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:24:12
半分ぐらいアビドス由来なのちょっと厄ネタすぎない?
- 16二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 12:42:48
(ドローン達に案内され、何処かのアジトに辿り着くシロコ✴︎テラー)
(その奥、ドローン達の主人がいる部屋に入る)
シロコ✴︎テラー「……誰、だっけ?」
リオ「そう、貴方は私に覚えが有るのね。それよりも、私のAMASに応急処置をしてくれた事に感謝を。ついでに欲しいと言うけど、理由を教えて貰えるかしら」
シロコ✴︎テラー「バラす。使えそうな部品はうちで使ったり、売ったりして生活費や学校のお金に使う。そのドローンはとても性能が高いし、そのままうちの学校に寄付してもいい」
リオ「……貴方の学校、アビドスね。ドローンを高く評価してくれた事に関しては、ありがとうと返すわ。でもこれはミレニアムの物よ」
シロコ✴︎テラー「ミレニアム……あ。貴方が、調月リオ。そう……で、そのドローンはくれるの?」
リオ「どうあってもドローンが欲しいのね、渡すのは無理よ。だけどまあ、設計図を見せるなら……お礼としてなら、構わないわ」
シロコ✴︎テラー「……部品は?」
リオ「それも欲しいの?」
シロコ✴︎テラー「設計は大体わかった、一番欲しいのは部品」
リオ「……それは本体を譲るのと変わらないわ」
シロコ✴︎テラー「じゃあ全部じゃなくて良い、一部で良いから」
リオ「……まあ、それなら。あと、ってちょっと待って。何をしているの?」
シロコ✴︎テラー「ゴミ山に部品があるかもと思って」
リオ「待って、譲る部品はこちらで選ぶから待ってちょうだい」
シロコ✴︎テラー「ところで、このゴミの山は? ペットボトルと弁当箱だらけだけど……掃除してないの?」
リオ「片付いてるわ」
シロコ✴︎テラー「これは片付いていると言わない。ん……じゃあゴミを片付けるから代わりに、この自立型戦闘ドローンを一機ちょうだい」
リオ「不要よ、後掃除の報酬を吹っかけないで」
シロコ✴︎テラー「ケチだね」
リオ「それはミレニアムの物よ、簡単に部外者へ渡せないわ」
シロコ✴︎テラー「……ミレニアム校章がくっ付いてるね、まあこれぐらいどうにでも出来る。なんならアビドス校章に変えるくらい造作も無い」
リオ「……貴方、機械弄りが得意なの?」
シロコ✴︎テラー「ん、専門家」
- 17二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 13:39:44
リオ「ドローンをバラす、と言ったわね。バラしてどうする気だったの?」
シロコ✴︎テラー「色々。自分の家をもっと良い環境にしたり、砂漠探索にも丁度良さそう。アビドスは万年人手不足だからね、ドローンは一機でも多く欲しいからバラして量産するのもあり」
リオ「……ミレニアムの技術を盗むつもりかしら、悪いけどそれはちょっと待って、それは工具よ。そっちは実験器具だから変に弄らないで」
シロコ✴︎テラー「ん……そういう台詞は自分で片付けられるようになってから言って、それにゴミじゃ無いのは見れば分かる。ペットボトルと弁当箱のゴミはこっちで片付けるから」
リオ「ちょっとまっ」
(響くリオの腹の音)
シロコ✴︎テラー「……夕飯時だからね、ついでに夕飯も作るよ。食べたいの、何かある」
リオ「……半額の唐揚げ弁当を買ってきてくれるかしら、それとゴミを出す時は」
シロコ✴︎テラー「ああ、隠れ住んでるものね。分かった、バレないようにする」
(そう言って大量のゴミ袋を持って出ていくシロコ✴︎テラー、そして買い物袋を手にドローン達に案内されて戻って来る)
リオ「弁当は」
シロコ✴︎テラー「少し待って」
(暫くすると揚げたての唐揚げとご飯やサラダに味噌汁の定食一式を持って来るシロコ✴︎テラー)
リオ「……半額弁当良いのに」
シロコ✴︎テラー「ご飯はきちんと食べるべき、その方が合理的」
リオ「合理、的?」
シロコ✴︎テラー「合理的。食事はしっかり摂って運動した方が頭の動きがいい、半額弁当を食べるよりもずっと合理的」
リオ「……頂くわ」
シロコ✴︎テラー「ん」
(その後、リオから設計図と戦闘用AMAS一機分の部品を貰いつつシロコ✴︎テラーは帰った)
- 18二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 19:20:38
「やあ、また来たよ」
「……どうやってこの場所を」
「先生に聞いた」
言いながら買い物袋を持って入るシロコ✴︎テラー、リオは涼しい顔のまま冷や汗を浮かべつつ。
「確かに先生が来ると聞いて教えたけど、何の用かしら」
「半額弁当を食べてるだろうから夕飯作りに来た、後アビドスに落ちてる部品じゃ再現出来ないからもうちょっと部品を貰いに来た」
「……あの、AMASは一応ミレニアムで出来た物なのだけど。確かに設計図や部品の提供はしたけど」
「だから唐揚げ定食を作るけど、代わりに」
「待ちなさい、それとこれとは」
部屋に落ちてるゴミ袋をどかしながらシロコ✴︎テラーは部屋の中を進んでいく。
「ところでAMASだけど、これだけドローンがあるのにゴミ捨て用は作らないの?」
「……不要よ、これで十分片付いているわ」
「ん……これは片付けたと言わない。何なら作ろうか?」
「……作れるの?」
「うん。AMASの作り方は大体わかった、空のペットボトルだけを回収して洗って中で圧縮しておく機能を付ければいい。部品をくれれば私が作るよ」
モニターの前で無表情かつ無言で立ちシロコ✴︎テラーを見るリオ、やがてモニターの方へ向き直ると。
「設計図や開発はこちらで出来るわ、空のペットボトルだけを対象に回収、洗浄、圧縮する機能を持たせたAMASね。合理的とは思えないけど」
「あればこんなにゴミ袋の山を作らずに済む、ずっと合理的」
「合理的……そう、かしら」
「ゴミが沢山あると動きづらい、生活環境が悪くなる。自分で出来ないなら、出来る機械を作るのは合理的」
「……そうね、確かに合理的ね。早速作ってみるわ」
シロコ✴︎テラーは買い物袋を持って別の部屋へ向かい、唐揚げ定食を作ってリオと食事するのだった。 - 19二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 19:35:06
リオはそういうことする
そういう所が好き。 - 20二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 19:36:54
ホシノ・テラーとセトの憤怒がぶつかった時点でとんでもねえことなったっぽいかんね……
ただ一方でほぼ同タイミングだったろう先生の寝たきりから二ヶ月半経っても報道が生きてる程度には社会も保たれてたようだから、可能性としては確かに存在する話だと思うよこれ
- 21二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 22:40:59
「出来たわ、ペットボトル専用収集AMAS」
「こっちも出来たよ」
モニター前のキーボードを只管叩き続け、画面に注視していたリオはシロコ✴︎テラーの声に反応して振り返ると。
「……何をしているの?」
「ん……空の弁当箱を回収して圧縮する掃除用ドローン、材料はそこらの機械から貰った」
シロコ✴︎テラーが指差す先、バラバラに解体されたAMASが。
「ちょっと待ってちょうだい!? それAMASじゃない、勝手にバラさないでくれる!?」
「大丈夫、私好みになるけど残ったドローンはこっちで組み直すから」
「待って!? 勝手な事はやめてちょうだい! 大体組み直すって、タイヤはどう代用する気!?」
「ん……ジャンプの為に噴射機が付いてるから、それで低空飛行させて移動させる。その為に軽量化させたり小型化させる、大丈夫。構造は把握してる、何なら前の状態よりも性能を上げられる」
「ちょっと待ってちょうだい!?」
シロコ✴︎テラーの手を止めようとするリオ、だが当人は気にせず持参した荷物の中から色んな部品を取り出して作業を開始。
「それは?」
「アビドスで拾ったドローンの部品、これで出力を上げる」
「大丈夫なの?」
「問題無い、機械弄りは得意。既にAMASの改造案は幾つかある、前よりも機能が上がるはず」
「……信じられないわ、これ以上の機能をどうやって」
疑問を口にしながらシロコ✴︎テラーの作業を眺めるリオ、シロコ✴︎テラーは迷いの無い手付きでドローンを組み上げていく。
- 22二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 22:44:28
「これで以前より性能が上がるのかしら、低下してるようにしか」
「以前のAMASは少し機動力が低めだったから、装甲を削って高機動にする」
「それは悪手よ、性能が下がるわ」
リオの言葉にシロコ✴︎テラーは首を横に振り。
「素早く動くほうが合理的、装甲は傷付けば減る物。だったら薄くして動きを早くするべき、その方が合理的」
「待って、それは非合理よ。幾ら素早くしても脆くなるなら本末転倒だわ、装甲はある程度厚くするべきよ」
「ん……なら当たらないように動くドローンにすればいい、その為に浮遊させて狙いづらくさせる」
「……そうは言うけれど、出来るの?」
「ドローン弄りは得意分野、任せて」
そう断言するシロコ✴︎テラー、リオはそのまま彼女の言葉を飲み黙って見守り続ける。やがて出来上がったのは元の形より大きさが半分に、そして飛行タイプのドローンだ。
「アームは無いの?」
「ゴテゴテと別機能を持たせるのは非合理、軽量化も兼ねて銃撃と高速移動に特化させた」
「確かに、これは私の基準とは違う合理的な設計ね」
「私もドローンは持ってる、機能は少なくて良い。そのドローンを使う側が幅を広げれば良いからね」
「……使う側が、幅を広げる」
リオはシロコ✴︎テラーの言葉に考え込む。
「それに元々の設計が非常に優れてる、リオの作ったドローンが凄いからこう言う改造案が試せた。ミレニアムの生徒会長は凄いね」
「そ、そう。ありがとう、そう言って褒められるとは思ってなかったわ」
「どうして? 生徒会長なら、もっと沢山褒められるはず」
「いいえ、私を褒める人は殆どいないわ」
「……ん。じゃあ私が褒める、調月リオは凄い人。とても優れた生徒会長だよ、ミレニアムの生徒達も自慢に思っている筈」
シロコ✴︎テラーの称賛にリオは何処かくらい表情を見せる。
- 23二次元好きの匿名さん25/02/11(火) 22:53:53
「そんな事は、無いわ……私を嫌う生徒の方が多いわ、好いてる生徒なんて。いる筈が」
「私は好きだよ、リオ」
「え?」
「これだけのドローンを作れて、操れる。ミレニアムを守る為ならどんな相手にも立ち向かえる凄い生徒会長、だから自信を持って良い。貴方はミレニアムの誇りだと思うよ」
「そう、かしら……」
俯くリオに、シロコ✴︎テラーは。
「私はそう思ったよ、私には……学校を守る為に立ち上がる事さえ、出来なかった」
「……そう、ね。ありがとう、面と向かって言ってくれて。初めて、生徒会長として褒めて貰えた気がする」
「そんな事ない筈、貴方はもっと自慢されて良い」
「そう、かしら……そうだと、良いわ」
出来上がったドローン達に改めて目を向けるリオ、近付いて調子を確かめる。
「問題なく動いているわね、少しテストしてみるわ」
「結構自信がある、何度も言うけど改造元の出来が良い」
「そうね」
自慢げなシロコ✴︎テラーの言葉に、リオは少し微笑んで返した。