- 1カルビ22/03/16(水) 19:25:28
「こんなご馳走………最近レースで勝った覚えもないし、何か狙いがあるのかな?」
菊花賞の前、三冠を果たす過程の出来事。本当に、何となく、ふと菊の言葉から菊の節句を思い出した。
桃の節句や端午の節句と違い、ぱっとしない菊の節句。それに感化されたわけではないが、努力を重ねるフジキセキを労うのが半分、もう半分は菊の節句の祝いというミスディレクションの為に、こんな食事を用意した。
怪訝そうな顔で私の部屋の食卓に並んだ、料理の数々を見て、ひとまず座るフジキセキ。私は彼女をニマニマ見ながら、飲み物を注ぐ。
「単なる息抜きだよ。最近フジキセキは根を詰めすぎだからね。他意はないよ」
カボチャは煮崩してから、牛乳で伸ばしてポタージュに。御飯には栗を混ぜ込んで、メインディッシュの鮭はたっぷりのキノコとともにホイル焼き。
最後に渾身の力作、タルトは生地にババロアを流し込んで、桃のコンポートで飾り付け。
旬ということで、予算も思ったほどかからずに豪勢な食卓が出来上がり、その完成度と建前の完璧さに私はほくそ笑む。彼女は決して真意を見抜けないだろう。
「まさか、いくらトレーナーさんでも安易に菊の節句だからなんて、理由を持ち出すわけはないだろうし………ちょっと幻滅しちゃうな」
さあ、もう後には退けない。
なんとかして、今日を菊の節句以外の、何か別の記念日としてこじつけなければ。 - 2カルビ22/03/16(水) 19:26:00
「冗談だよ。でもその顔を見る限り、驚いてくれたようだね」
「とても心臓に悪いからやめてほしいよ………」
私の顔色が変わったからか、あっさりとフジキセキの方から種明かし。恐怖に筋肉痛になりそうな心臓を抑え、深呼吸。その間にフジキセキは料理に舌鼓を打っていて。
「エンターテイナーになるにはまだまだだね。トレーナーさん」
だけれど、表情は小悪魔チックに笑っていて。心臓がまた別の意味で鼓動を速くする。明日には止まりそうなくらいに。
けれど、やられっぱなしではいられない。だから、エンターテイナーの鼻を明かすとしよう。願いを乗せて走るウマ娘達の流れ星に。
「構わないよ──君のトレーナーになれるからね」
彼女の箸が落ちる音がした。 - 3二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 19:27:22
とりあえず生で出されるクオリティじゃない
- 4二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 19:31:12
ウェルダン……お見事……
- 5二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 19:31:46
実はフジキセキと一緒に栗東寮生に料理を振る舞える腕の持ち主なのが確定しているフジトレ
- 6二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 19:32:36
- 7二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 19:35:41
またいちゃついてる………
- 8二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 19:45:52
とりあえずカルビを頼んだら、特上カルビが来た感覚だわ………で、昨日の続きは??
- 9二次元好きの匿名さん22/03/16(水) 21:25:40
レアでお願いしやす