【閲覧注意】黒アン短編SS書く

  • 1125/02/12(水) 23:18:50

    書き溜めてるネタが2つあるからとりあえず1つずつ投下する
    細かいとこ適当な部分あると思うので何でも許せる人だけ読んで

    ①風邪を引いた黒名をアンリちゃんが看病する話
     ブルーロックは気密性の高い施設だが、それでも冬場の冷え込みには耐え難いものがあった。暖房はついているものの、トレーニングで汗をかいた体が冷え、体調を崩す選手がちらほら出始めている。そしてそれは黒名も例外ではなかった。

    「……ん、ん……だるい、だるい……」

     自分の部屋のベッドに横になりながら、黒名は喉の奥を唸らせた。体が重く、関節がじんじんと痛む。熱があるのは間違いなかった。

    (昨日から調子悪い気はしてたけど……ここまで悪化したのはメニュー変えずに無理したせいかもな)

     体調管理もトレーニングのうちだというのに、うっかり風邪をひいてしまった。

    「まぁ寝てりゃ治る、治る……」

     そう呟いて目を閉じようとしたその時——コンコン、と部屋の扉が軽く叩かれる音がした。

    「蘭ちゃん、いる?」

     聞き慣れた声に、黒名は目を開けた。

    「え……アンリ姉?」

     扉が静かに開き、帝襟アンリが中に入ってきた。彼女は両手で小さなお盆を持ち、片腕に小さな袋を下げている。

    「風邪をひいたって聞いたから、様子を見に来たの」
    「誰から聞いた……?」
    「選手たちの日々の体調確認も仕事のうちなのよ。潔くんも心配してたわよ、蘭ちゃんは部屋で一人で寝てるけど朝から苦しそうだったから熱が上がってないか心配だ、って」
    「……潔のやつ……」

  • 2125/02/12(水) 23:20:06

    >>1

     黒名は頭の奥がズキズキと痛むのを感じながら、ゆっくりと体を起こした。しかし、その瞬間────


    「──っとと……」


     体がぐらりと傾く。思っていた以上に体力が落ちていたらしい。倒れそうになった黒名を、アンリがすかさず支えた。


    「ほら、無理しないで横になってて」

    「……だ、大丈夫、だいじょうぶ……俺は平気、平気……」

    「全然大丈夫じゃないでしょ。こんなフラフラになっちゃって」


     アンリは小さくため息をつくと、ベッドサイドにあった小さな机の上にお盆と袋を置いた。


    「はい、おかゆとスポーツドリンク。それから、解熱剤も」

    「おお、至れり尽くせり……。でもいいのか、仕事中に抜けてきて」

    「言っておくけど、これもマネージャーの仕事のうちだからね」


     アンリはクスッと微笑みながら、おかゆの蓋を開ける。湯気がふわりと立ちのぼり、優しい香りが部屋に広がった。


    「どう、食べられそう?」

    「んー……多分、少しなら……」


     黒名はスプーンを手に取り、おかゆを一口すくって口に運ぶ。じんわりとした温かさが喉を通り、少しだけ体が楽になる気がした。


    「……うん、うまい」

    「それはよかった」


     満足げに頷くアンリを見て、熱に浮かされた頭の奥に懐かしい面影が浮かんだような気がした。


    (そういえば……昔もこんなこと、あったような……)

  • 3125/02/12(水) 23:21:13

    >>2

     幼い頃に風邪をひいて寝込んだ時、アンリが看病してくれたことがあった。あの時も、こうしておかゆを作ってくれた気がする。


    「……アンリ姉」

    「なに?」

    「俺が小さい頃も、こんな感じだったよな」

    「ふふ、覚えてた?」


     アンリはどこか懐かしそうに微笑んだ。


    「蘭ちゃん、昔から無茶するから。よく風邪をひいて、そのたびに私が看病してたのよね」

    「……そっか、そっか……」


     黒名はおかゆをもう一口食べると、ふっと力が抜けたように目を閉じた。


    「……なんか、眠くなってきた……」

    「じゃあ、ちゃんと寝なさい。しっかり休めば、すぐ良くなるから」


     アンリの優しい声が聞こえた直後、自分の頭に何かがそっと触れるのを感じた。たとえ目を閉じていても、従姉に頭を撫でられる時のくすぐったいようなホッとするような感覚ならよく覚えている。


    (……苦しいけど……たまには、こういうのも悪くない……)


     そんなことをぼんやりと思いながら、黒名はいつの間にか優しい夢の中に落ちていった。

  • 4125/02/12(水) 23:21:41

    1つ目終わり

  • 5125/02/12(水) 23:23:27

    2つ目は明日の午前中に投下する

    その他見たいネタあれば書き込んでもらえたら拾うかもしれない
    ネタが尽きてきたら安価もするかも

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/12(水) 23:24:11

    黒アンが沁みる……

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 02:06:25

    今日は黒アン祭か!?
    ありがとうスレ主

  • 8125/02/13(木) 07:12:07

    ②試合前夜の黒アン

     ブルーロック内にはいつもどこかピリついた空気が漂っているが、大一番を控えた試合の前日ともなればその緊張感はさらに増す。
     選手たちは各々コンディションを整え、戦術を頭に叩き込みながら最後の準備に追われていた。そんな中──黒名蘭世は、一人トレーニングルームの隅でストレッチをしていた。

    (……明日か)

     膝を抱えながら、黒名はぼんやりと天井を見上げる。ここまでの試合を振り返りつつ次の試合の展開をイメージしていたが、いつも通りの自分でいられるかどうかわずかに不安がよぎった。

    (……俺はやれる。やるしかない)

     そう自分に言い聞かせたところで、背後から聞き慣れた声がした。

    「蘭ちゃん、こんなところにいたのね」

     振り返ると、帝襟アンリが立っていた。彼女は片手に資料の入ったファイルを抱え、少しだけ眉をひそめている。

    「アンリ姉……」
    「ずっと考え込んでたみたいだけど、大丈夫?」
    「……うん、まあ……」

     黒名が軽く首を回しながら答えると、アンリは小さく息をついた。

    「……やっぱり緊張してる?」
    「緊張、っていうか……。まあ、いつも通りやれれば問題ない、ない。でも、それが一番難しい」
    「ふふ、それもそうね」

     アンリは穏やかに微笑みながら、黒名の隣に腰を下ろした。

  • 9125/02/13(木) 07:14:21

    >>8

    「でも、蘭ちゃんは大丈夫よ」

    「……なんでそう思う?」

    「だって、蘭ちゃんは昔からそうだったから」


     アンリはふと遠くを見るような目をした。


    「小さい頃、初めて大きな大会に出た時もそうだったわよね。『大丈夫、大丈夫』って言いながら、本当はすごく緊張してた」

    「……そんなこと、あったっけ」

    「ええ。だけど、試合が始まったら、ちゃんと自分のプレーをしてた」


     その言葉を聞いて、黒名は少しだけ苦笑する。


    「……アンリ姉と会うと昔の話ばっかしてる気がする」

    「だって、昔も今も蘭ちゃんは変わってないもの」


     アンリはファイルを膝の上に置き、黒名の方をじっと見つめた。


    「蘭ちゃんは、自分の力を信じればいいのよ。焦らなくても、いつも通りのプレーをすれば、きっと結果はついてくるから」

    「……信じる、か」


     黒名はしばらく黙ったあと、小さく息を吐いた。


    「ま、アンリ姉がそう言うなら、そうなんだろうな」

    「ふふ、何よそれ」


     二人は短く笑い合った。

  • 10125/02/13(木) 07:14:36

    >>9


     ふと、アンリが立ち上がる。


    「そろそろ戻るわね。選手たちのサポートもあるし」

    「……うん」


     黒名もゆっくりと立ち上がる。そして、ふと思い立ったように口を開いた。


    「アンリ姉」

    「何?」


     アンリが振り返ると、黒名は少しだけ視線を逸らしながら、ぼそりと呟いた。


    「……明日……俺のこと、ちゃんと見てて」

    「もちろんよ。蘭ちゃんのプレー、しっかり見届けるわ」


     そう言って、アンリは優しく微笑む。それを見た黒名は、ほんの少しだけ肩の力が抜けるのを感じた。


    「……やるしかない、ない」


     自分に言い聞かせるようにそう呟くと、黒名はゆっくりとトレーニングルームを後にした。

  • 11125/02/13(木) 07:15:42

    2つ目のネタ終わり

    昨晩も言ったけど何か見たいネタあれば書いてくれたら拾うかも

  • 12125/02/13(木) 08:58:57

    ③黒アンが従姉弟だということが潔にバレる話
    ※話の性質上黒アンが血縁関係を周囲に隠そうとしてるという公式設定を一部破ることになるので苦手な人は読まないでおいてください

     昼休み、昼食を摂り終えた潔は水を飲みながら廊下を歩いていた。頭の中で午前の練習を思い返し反省点を考えながら、次のメニューに向けて軽く体を休めようとしていた時……。

    (ん? 黒名……?)

     視線の先に、黒名の姿を見つけた。
     ただそこにいるだけなら特に気にすることはない。問題は、黒名の立ち位置だった。
     廊下の突き当たりにある備品庫の前。わざわざ人目につきにくい場所で、誰かと話している。そして、その相手は……帝襟アンリだった。

    (なんであの二人がそんなところで……?)

     潔は訝しみながら、思わず足を止める。

    「蘭ちゃん、また練習場にタオル置き忘れてたわよ」
    「あー、あとで取りに行こうと思ってたのに……。別に無くても困らないし、いちいち持ってこなくていい、いい」
    「ダメよ、汗かいたらちゃんと拭かないと体冷やして風邪ひいちゃうんだから。これ、ちゃんと午後の練習にも持って行ってよね」
    「はいはい……」

     アンリからタオルを受け取った黒名は面倒くさそうな、それでいてどこか気恥ずかしそうな表情を浮かべている。

    (……え?)

     そんな二人の会話を耳にした潔の脳内に衝撃が走った。

     ら、蘭ちゃん!?
     帝襟さん、今黒名のこと蘭ちゃんって呼んだ!!?

  • 13125/02/13(木) 08:59:45

    >>12

     アンリが選手に対してこんなに親しげな態度を取る姿なんて、今まで見たことがない。いつもマネージャーとしての立場を崩さず、程よい距離感を保ったまま、選手全員に敬語で接していたはずだ。

     なのに、今のやりとりはどう見ても親しい関係のものだった。しかも、人目につかない場所で密かに話している。


    (えっ、黒名と帝襟さんって……まさか……付き合ってるのか!?)


     瞬間、潔の思考は爆発しそうになった。

     黒名蘭世と帝襟アンリ。選手とブルーロック運営の人間。男子高校生と成人女性。絶対にありえないとは言い切れないが、それでもこれは大問題では!?


    (やばいやばいやばい! これ絶対やばいだろ!!)


     ここではっきりさせなくては、黒名のためにもならない。それにもし二人の関係が明るみに出ることになったらブルーロック存続にまで関わる大問題にも発展しかねない。

     潔は迷いなく二人の元へ駆け寄り、声をかけることにした。


    「お、おい黒名!!」


     突然の呼びかけに、黒名とアンリが同時に振り向く。


    「ん?」

    「潔くん?」


     潔は息をつく間もなくずばりと切り込んだ。


    「お前、帝襟さんとどういう関係なんだよ!?」

  • 14125/02/13(木) 09:00:44

    >>13

     黒名とアンリは一瞬きょとんとした表情を浮かべた。


    「……は?」

    「どういう関係、って……?」

    「いや、さっきの会話! どう考えてもおかしいだろ!? 『蘭ちゃん』とか呼ばれてたし! しかもこんな人目につかない場所で……もしかして二人って……つ、付き合ってんの!?」


     潔の問いに、一瞬の沈黙。

     ……そして次の瞬間────


    「いや……違う、違う」


     黒名はため息をつきながら、腕を組んだ。


    「は? 違うって、じゃあ一体……」

    「俺たちは従姉弟」

    「えっ?」

    「だから、付き合ってるとかじゃなくてただの親戚関係」

    「そ、そういうことです」


     アンリも苦笑しながら頷く。

     潔の思考が一瞬フリーズする。


    「え、い、従姉弟!?」


    「うん。だから子どもの頃からこんな感じ」


    「……ええええええっ!?」


     潔の驚愕の声が廊下に響き渡りそうになった瞬間——

  • 15125/02/13(木) 09:02:18

    >>14

    「シッ!」


     黒名が素早く潔の口を押さえた。


    「潔、声がデカい、デカい。誰かに聞かれたらどうする、どうする」

    「……え?」


     黒名は周囲を確認すると、声を潜めて言った。


    「俺とアンリ姉が従姉弟だってバレたら、ややこしいことになる」

    「ややこしいって?」


     潔も思わず声を落とすと、アンリが申し訳なさそうに言った。


    「ブルーロックは完全実力主義の場です。でも、もし私と蘭ちゃんが親戚だって知られたら、誤解する人も出てくるかもしれませんから」

    「誤解……?」

    「例えば、蘭ちゃんがコネでブルーロックに入ったんじゃないか、とか……」

    「!!」


     潔はハッと息をのんだ。

     確かに、ブルーロックは実力が全ての競争環境だ。なのに、運営側の人間と血縁関係があると知れたら、一部の人間が疑いの目を向ける可能性は十分にある。


    (黒名がコネで選ばれた……? そんなの、ありえないだろ)


     潔は黒名と何度も試合をしている。黒名蘭世がブルーロックにふさわしい実力を持っていることは、誰よりも理解していた。だが、それを知らない第三者が聞いたらどう思うか……?

  • 16125/02/13(木) 09:02:38

    >>15

    「だから、隠してたんだ」


     黒名は潔の顔を見て、真剣な表情で続けた。


    「コネだなんて誰も疑いようがないくらい、俺の実力を世界に証明できる日が来るまで────このこと、他の奴らには言わないでくれ」


     潔はしばらく考え込んだあと、小さく息をついた。


    「……分かった。俺からは絶対誰にも言わない」


    「助かる、助かる」


     黒名が軽く肩をすくめると、アンリも安堵したように微笑んだ。


    「ありがとうございます、潔くん」


    「いや、でも……マジでびっくりしたわ」


     潔は額を押さえながら、ため息をつく。


    「二人とも親しげに話してたから、ほんと焦った……!」

    「ふふ、潔くんらしいですね」


     アンリがクスッと笑うと、黒名も「まぁ、仕方ない、仕方ない」と呟いた。

     こうして潔の誤解は解け、二人と秘密を共有することになったのだった。

  • 17125/02/13(木) 09:04:38

    今更だけどこれテレグラフでまとめたほうが読みやすいかな…

  • 18125/02/13(木) 09:07:41

    短くまとめようという意識で地の文の描写を削ぎ落としてるんだけどそのせいで黒名たちに声かけるまでの潔の葛藤とかまで少なくなってるから解釈違いだったらごめん
    長編の枠で書いてたら潔は数日迷ってから黒名におそるおそる声かけに行って帝襟さんは悪い人じゃないと思うけどお前まだ高一だし大人と付き合ってるなんて心配で…とかちゃんと言ってたと思う

  • 19二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 09:10:08

    黒アン供給たすかる…
    削ぎ落としたって言ってるけど簡潔で読みやすくていいと思う
    潔も確かに数日悩んでから黒名を心配して声かけそうではあるけどその場で迷わず声かけに行くエゴイストっぷりもありそうだからどっちの描写でも個人的には納得できるな

  • 20二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 09:16:43

    >>12

    >※話の性質上黒アンが血縁関係を周囲に隠そうとしてるという公式設定を一部破ることになるので苦手な人は読まないでおいてください


    公式設定じゃない定期

  • 21二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 13:14:41

    黒アンに巻き込まれる潔良いな…

  • 22二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 15:57:02

    黒アンうめぇ

  • 23125/02/13(木) 17:38:43

    【カス嘘注意】【CP注意】黒アン語ろうよ|あにまん掲示板黒アンについてを自由に書き込んでくださいbbs.animanch.com

    ↑このスレの18で書かれてた

    「3期のあでぃしょなるたいむでいつもの三つ編みした黒アンが仲良くツイストパン食べてるのを見かけた絵心が「共食いか?」って呟く回とか欲しい」

    を元に作った話

    (本文で描写できなかったんだけど

    この話撫でてくる絵心は二人の親戚関係を薄々察してるけど隠してるってことは何か事情があるんだろうなと思って詮索せずにいるという設定で書いてます)


     選手たちの夕食や入浴が済み、就寝時間まで残りわずかとなった頃。自身の業務を終えそろそろモニタールームから自室へ戻ろうかと考えていたアンリの耳にコンコン、と軽いノックの音が届いた。


    「どうぞ」


     スタッフが来たのだろうと思い返事をすると、扉が遠慮がちにゆっくりと開かれる。


    「帝襟さん、いる?」


     室内の様子を窺うようにそっと顔を出したのは、黒名だった。

     「帝襟さん」とかしこまった呼び方をしているあたり、他のスタッフがいる可能性を危惧していたようだ。アンリが「蘭ちゃん、どうしたの?」といつもの調子で声をかけると、肩の力が抜けた様子で「よかった、アンリ姉だけか」と呟いていた。


    「こんな時間に来るなんて、何かトラブルでもあった?」

    「違う、違う。ちょっと用があって……これ」


     黒名は片手に提げた袋を軽く持ち上げる。

     その中には、ツイストパンが二つ。

  • 24125/02/13(木) 17:40:13

    >>23

    「今日の夕飯に出たやつ。チョコ味のやつ、アンリ姉も昔から好きだろ」

    「えっ、わざわざ持ってきてくれたの? ありがとう! でもこれ蘭ちゃんの分じゃ……?」

    「大丈夫、大丈夫。二つあるし」


     黒名は気にした様子もなく言いながら、アンリの机に紙袋を置いた。その時────


    「ああ、アンリちゃん。やっぱりまだ残ってたんだ」


     低い声が響き、再び扉が開く。

     そこに立っていたのは、絵心甚八だった。


    「今、時間ある? 急ぎで確認したいことができちゃったんだけど」

    「あ、はい。大丈夫です」


     そう言いながらも、アンリはちらりと机の上の紙袋に視線をやる。

     せっかく蘭ちゃんが持ってきてくれたのに、後で食べることになりそう……そう思ったその時、黒名がすっと立ち上がった。


    「じゃあ俺、もう行きます」


     何気ない様子でそう言いながら、黒名は紙袋を絵心の方へ押しやる。


    「これ、差し入れです。帝襟さんと食べてください」


     最初から二人に渡すつもりだったという風を装っているのが絵心の目にはバレバレだった。

     絵心はそれを無言で見つめたあと、ふっと息をつく。


    「あー、さっき焼きそば食べたばっかで腹減ってないんだよね」

  • 25125/02/13(木) 17:40:59

    >>24

     黒名の目が一瞬泳ぐ。

     つまり、自分はここに残れということか?

     そんな黒名の戸惑いをよそに、絵心は椅子を引きながら続けた。


    「一つはアンリちゃんにあげるから、残りはお前が食べていきなよ」

    「……はぁ」


     黒名はしぶしぶアンリの隣に腰を下ろし、袋の中からツイストパンを取り出す。

     アンリも絵心に促されて、一緒に食べることにした。


    「さて、それじゃ本題に入るか」


     絵心が口を開くと、すぐに運営に関する話が始まる。

     どうもサッカー協会からの要望で予定にない練習試合の日程を急遽組むことになったらしく、直近のトレーニングのスケジュールや選手たちの成長分析を踏まえてチームの振り分けや当日までの練習メニューの変更などを検討する羽目になったのだそうだ。

     真剣に議論する二人を横目に、黒名は大人しくツイストパンをかじる。絵心たちの話し合いに口を出すことはできないが、運営側の人間と接する機会が少ない黒名にとっては黙って聞いているだけでも興味深い話のようで、もぐもぐと口を動かしながらも二人に向かって注ぐ視線は真剣だった。

     そんな黒名の隣に座るアンリもまた、無茶なスケジュール調整に頭を悩ませながらときどきパンを口に運んでいる。


     三つ編みの黒名蘭世と、編み込みをしたアンリ。

     そして、彼らが口にする三つ編みのような形のツイストパン。

     ふと、絵心が呟いた。


    「……まるで共食いだな」


     小さな独り言は、議論に集中している二人の耳には届かないようだった。

  • 26125/02/13(木) 17:44:08

    今日は世間では平日だけどスレ主は休日なので黒アン量産したり昼にパン屋でツイストパン買って食べたりして元気に気ぶっています
    あなたは黒アンに気ぶっていますか
    気ぶっていない人は今からでも遅くないです
    よろしくお願いします

    ここまで投下した話あとでテレグラフにまとめるから待ってて

  • 27二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 17:49:02

    最初はたった一人の思いつきから軽い気持ちで書き込んだカス嘘が多くの人を巻き込んで雪だるま式に大きくなり一人の人間を気ぶらせ昼食のメニューと休日の過ごし方を変えてしまった事実をあにまん民は重く受け止めなくてはならない
    それはそれとして共食い黒アンかわいい
    ええもん見させてもらってありがとう

  • 28二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 17:49:06

    >>26

    大変気ぶっております

    スレ主ありがとうありがとう...

  • 29125/02/13(木) 17:54:42

    >>23

    注意書き誤字ってた

    ×「この話撫でてくる絵心は」

    ◯「この話に出てくる絵心は」


    黒アン気ぶり民見にきてくれてありがとう!

    自分の頭の中だけに留めておけなくなった黒アンをちゃんと見てもらえる場があるって幸せだな

    あにまん以外の場では話せないけど強く生きて行こう…

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