(SS注意)チアネイチャに膝枕される話

  • 1二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:20:52

    「────あっ、起きた、おいっすー?」

     目を開ければ、澄み渡るような青空。
     そして、それを背景に、一人の少女が手をひらひらとさせながら問いかけて来る。
     ツリ目がちの優しげな瞳、柔らかそうな赤毛のポニーテール、カバーの外された耳。
     担当ウマ娘のナイスネイチャは、チア衣装を身に纏って、俺を上から覗き込んでいた。

    「……おっ、おいっす」

     状況もわからぬまま、俺はとりあえずオウム返しで挨拶をする。
     それを聞いたネイチャは耳をぴょこんと動かして、きょとんとした顔になった。
     直後、彼女はぷっと吹き出して、肩を震わせながら、楽しそうに表情を崩す。

    「ぷっ、ふふ……っ! いっ、いや、アタシから言ったけども……ふふ、やばっ、ちょっとツボったかも……!」

     どうやら、ネイチャの琴線に触れる返しだった模様。
     頭の裏に微かな揺れを感じながら、笑いを堪える彼女を眺めていると────いや、待ってほしい。
     何故、ネイチャの身体の動きを感じることが出来るのか。
     何故、空を見上げている俺の頭上に、ネイチャの顔があるのか。
     何故、頭の裏がハリのある柔らかな感触と、じんわりとした優しい温もりに包まれているのか。

     その答えは────俺がネイチャに、膝枕されている状態だったからだった。

    「なっ……ごっ、ごめん、すぐに起き」
    「あーはいはい、気にしない気にしない、ほれ、そのままネイチャさんの膝でお寝んねしときー?」

     慌てて起き上がろうとするが、その行動はそっと添えられたネイチャの手によって阻止された。
     ヒトとウマ娘の力の差は歴然であり、彼女がちょっと抑えるだけで、俺は身を起こすことすら出来なくなってしまう。
     彼女は慈しむような微笑みを浮かべながら、俺の頭を、撫でるように触れた。

  • 2二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:21:48

    「……いちおー聞きますけど、今日のこと、覚えてますよねー?」
    「えっと、商店街の草野球に助っ人として参加して、何とか勝てたことまでは、とりあえず」

     二度目となる、商店街の草野球への参加。
     前回同様、ネイチャもチア衣装で応援に駆けつけてくれて、俺もそれに何とか応えることが出来た。

    「そーそー、前回はサヨナラを決めてたけど、今回は猛打賞じゃん、いやーやりますなあー」

     誇らしげに語るネイチャ────の目は、笑っていなかった。
     彼女は頭を撫でていた手を耳へと動かすと、摘まんで、ぎゅっと引っ張る。
     微かな傷みとともに、呟くような小さい声が、流し込まれた。

    「…………お休み中の猛特訓の成果が出て、良かったですねー?」

     ジトっとした目つきで見下ろしてくるネイチャに、俺は思わず顔を背けてしまう。
     いつも応援してくれている商店街のためにも、今回は休みの日に、自主トレを行っていたのだ。
     彼女に心配をかけないように隠れて行ったつもりなのだが、どうにもバレていたようである。

    「もう、無理しない、頑張り過ぎないってアレほど言ったよね?」
    「……ごめん、もう少し良いトコロを見せたくてさ」
    「まあ確かに、見入っちゃうくらいには格好良かったけどさ…………ごめん、今の無しで」
    「アッハイ」
    「とっ、とにかく! 睡眠時間を削ってまでの練習はダメだかんねっ! 心配したんだからっ!」
    「……あー、もしかして、終わった後に寝ちゃって」
    「皆が解散するなか、一人だけベンチから帰ってこないんだもん……なんかあったと、思っちゃうじゃん」
    「…………ごめん」

  • 3二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:22:09

     心配そうな顔のネイチャを見て、罪悪感に打ちのめされていると、朧気ながら記憶が戻ってきた。
     試合が最終回になって、最後の打者を自陣のピッチャーが打ち取ってゲームセット。
     ベンチで商店街の皆の喜びを分かち合って、しばらくすると肩の力が抜けて、そのまま寝入ってしまったのだろう。
     周りを見てみれば、ここは会場近くの河原であった。
     
    「それで、おっちゃん達ったらアタシにアンタを押し付けてさー?」
    「……それは、商店街の人にも迷惑と心配をかけちゃったな」
    「………………アタシは、迷惑じゃない、デスケド」
    「うん? 何か言った?」
    「うにゃ!? にゃっ、にゃんでもないからっ!」
    「そう? それなら良いけど」
    「……それに、皆感謝してたよ、今日のMVPはトレーナーさんだーって」
    「ちょっと言い過ぎじゃあ」
    「まーまーご謙遜しなんさんなー……多分、今日の打ち上げでしこたまお酒薦められるだろうから、アタシから離れないよーに」
    「…………はい」

     俺のネイチャからの警告に対して、絞り出すような返事をする。
     お正月の手伝いをした時の打ち上げで、薦められるがままに吞んでしまい、潰れてしまったのだ。
     頭痛が響く頭で、商店街の人達と共に彼女から説教を食らった思い出が蘇ってくる。

    「…………まっ、打ち上げまではまだ時間あるし、もう少しゆっくりしていきましょー?」

     やがて、ネイチャは笑みを浮かべて、ゆっくりと頭を再び撫で始めた。
     さらりさらりと触れる柔い手のひらは、とても暖かくて心地良く、安らぎを感じさせる。
     起き上がらなくてはという気持ちは何処へやら、気が付けば彼女の膝へと、完全に身を任せてしまっていた。

  • 4二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:22:23

    「あっ、ここタンコブ出来てる、痛くない?」
    「……フライの処理ミスった時の空気の方が痛かったから別に」
    「あはは、まあ、ファインプレーやら打撃で挽回したんだからさ…………ほら、今日は風強いしさ」
    「…………っ」

     フォローを入れるネイチャの言葉とともに、びゅうっと強い風が吹き抜ける。
     確かに、今日は一日中、風がこんな感じで俺が守備でエラーをした一因にもなった。
     草木が揺れて、土煙が巻き起こり、衣服がはためく。

     それは────彼女の服に関しても、例外ではない。

     チア衣装の上に羽織っているジャージはばさばさと音を立てて翻っている。
     必然的に下に着込んでいるノースリーブの服が晒されて、僅かに汗ばんだ腋が見え隠れしていた。
     また、その妙に短い丈を下から覗き込んでいるような状態であり、何とも、視線に困ってしまう。
     これはいけない、そう思った俺は反射的に、身体ごと視線を逸らした。

    「ひゃっ!? トッ、トレーナーさん、こっ、これはさすがにっ!?」

     何故か、内側に。
     目の前には、きゅっと引き締まったお腹とちょこんと可愛らしい小さな臍。
     甘ったるい匂いと僅かな汗の匂いが鼻腔をくすぐり、瑞々しい肌の太腿が頬に吸い付いて来る。
     ちらりと視線を上へと向ければ、真っ赤な顔をしたネイチャが潤んだ目をぐるぐると回していた。
     さあっと、血の気が引く。
     完全にやらかしてしまったことを自覚し、慌てて、身体を起こそうとする、のだけれど。

  • 5二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:22:39

    「…………いいよ」

     ふわりと覆いかぶさるように、柔らかな重みがのしかかってくる。
     ネイチャは姿勢を前に傾けて、その身を押し付けるように、起きようとする俺の身体を抑え込んだ。
     必然的に、彼女のお腹が眼前に迫る形となり、その匂いも温もりも、より強く、より濃いモノへとなる。

    「恥ずかしくて、恥ずかしくて、どうにかなっちゃいそうだけど…………アンタだったら、いいよ」

     二の腕の辺りに、ネイチャの弾力のある膨らみが触れている。
     その奥からは、トクントクンと小さく、早い心臓の鼓動が、伝わって来ていた。
     熱のこもっていくお互いの体温、これはダメだと思い、声をかけようとするのだが。

    「ネイ────」
    「んん……っ! トッ、トレーナーさん、息が、くすぐったい、からぁ」
    「……」

     甘い声を漏らすネイチャを前にして、口を噤まざるを得なかった。
     結局、何の行動も出来ずに、ただ、お腹を見続けることしか出来ない。
     その小さなの窪みに、目を奪われ続けることしか、出来なかった。

    「……トレーナーさんって、アタシのおヘソ、好きだよね?」
    「なっ!」

     いつの間にか耳元へと近づいていた彼女の唇から、とんでもない言葉が飛び出してくる。
     俺はその言葉を聞いて、思わず背筋が凍り付いてしまう。
     それは、全くの事実であったから。
     くすりと、どこか愉しげな微笑みが、頭上から落ちて来る。

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:22:52

    「バレバレだよー? 女の子は、そーゆー視線には鋭いんだからさ?」
    「……」
    「ふふ、まっ、トレーナーさんも健康的な男性ですし? いいんじゃね? 他の娘にはダメだけどさ」
    「…………」
    「そうだ、今日頑張ったご褒美、なんだけど────顔を、埋めてみるのは、どう?」
    「…………っ!?」

     顔を、埋める?
     ネイチャのお腹に、お臍に、顔を、埋める?
     あまりにも望外で、あまりにも魅力的過ぎる提案に、思考の全てが停止してしまう。
     頭の中が真っ白になっている最中、最後の一押しをするかのように、熱い吐息混じりで囁き声が聞こえて来た。

    「……ごーごー、トレーナーさん♪」

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:23:10

    お わ り
    チアネイチャのフィギュアが参考資料に欲しい

  • 8二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:25:49

    エッチなことしたんですね?

  • 9二次元好きの匿名さん25/02/13(木) 23:59:25

    こいつら屋外でなにやってんだもっとやれ

  • 10二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:01:15

    もう十分やらしい雰囲気なんで商店街気ぶり隊の出番はないな
    あ、打ち上げの予約1時間後ろ倒しでオニャシャス

  • 11二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:22:51

    ナイスネイチャそれはトレーナーの腕力及ばぬ上位者であり世話焼きな彼女であり愛する男を愛しむ母であり——

    ——スケベである

    単に太ももとネイπの二面で挟むだけならばそれはネイチャサンドと言えばいいのだろうけどまるごとバナナよろしく3面目のお腹—臍でも包む場合はなんと言えばいいのだろうネイ籠包?

  • 12二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:31:03

    >俺のネイチャからの警告に対して、


    俺のだとっ!?

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 00:53:32

    ハレンチ!ハレンチです!

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:00:48

    こ、この格好で膝枕してお腹側に顔を!?!?

  • 15二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:12:39

    ネイチャは安定した「妻」感があるよな

  • 16二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 01:12:41

    >>14

    しかも一日中草野球の応援したあとのしっとり汗ばんだ体やぞ

  • 17125/02/14(金) 07:41:49

    感想ありがとうございます

    >>8

    膝枕されているだけだから・・・

    >>9

    ネイチャさんは常在戦場だから仕方ないね

    >>10

    ネイチャさんがいちゃつくほど打ち上げは豪華になっていくシステム

    >>11

    ネイチャ巻き・・・

    >>12

    仄かな独占欲の表れなんやろなあ(ただの誤字です)

    >>13

    膝枕は健全だから・・・

    >>14

    相変わらずの良き腹筋だあ

    >>15

    貫禄がすごいですよね

    >>16

    それでもすごい良い匂いがしそう

  • 18二次元好きの匿名さん25/02/14(金) 17:04:45

    やっぱりネイチャは安心感があるわ

  • 19125/02/14(金) 22:48:50

    >>18

    どんなシチュでも合う感じがします

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