スパイダーマン インヴィテッド・トゥ・ザ・ホーム feet.仮面ライダーゼロワン

  • 1二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:07:54
    OK!じゃあもう一度だけ説明するね!|あにまん掲示板僕はピーター・パーカー!2015年に蜘蛛に噛まれた時から今まで10年間……詳しく言うと「指パッチン」で5年間消えてたけど、この“世界”でたった1人の……《スパイダーマン》!後は知ってる……人なんて、い…bbs.animanch.com

    (前スレ)


    (スレ画引用)




    OK!じゃあもう一度だけ説明するね!

    僕はピーター・パーカー。放射性の蜘蛛に噛まれ、今まで10年間、「この世界」でたった1人の……スパイダーマン!

    後は知ってるかな?映画を見て、レゴのデス・スターを作って、多くの人を救った。

    でも……ベン叔父さんも、スタークさんも、メイ叔母さんも救えなかった。

    それは、僕が大いなる力に大いなる責任を持つことを忘れていたからだ。だから、多くの人の記憶を消した。

    そして僕は……この日本で、飛電インテリジェンスで働くようになった。

    後は知ってるでしょ?インターンをこなし、或人さんと出会い、マルチバースの新しい敵・新しい味方と戦った。

    ここからは誰も知らない話!チャプター2だ。

    さあ、飛び立とうか!夢に向かって!!

  • 2二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:08:41

    立て乙!

  • 3二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:09:58

    或人に事情を話すため、ピーターとハリーは社長室に招かれた。

    「僕はピーター・パーカー。スパイダーマンです」

    「俺はハリー・オズボーン。凝った名前は……そうだな、ニューゴブリンと呼んでくれ」

    「私は飛電或人。仮面ライダーゼロワンだ」

    「或人社長がさっき言ってた通り、僕には戸籍がありません。これは、僕がマルチバースに関する戦いで自分の存在を世界の記録から抹消したからです」

    「マルチバース……別の世界ということか?」

    「俺はその……ピーターの言う別世界からここに来たみたいだな。1年前、気がつけばこの世界のニューヨークで俺は取り残されていた」

    「頭のこんがらがる話だな……」

  • 4二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:10:34

    「てっきり“指パッチン”関係の話かと思ったが、そのマルチバースとやらが今回の事件のキーワードか」

    「マルチバースには僕〈ピーター・パーカー〉がスパイダーマンだということを知る人が沢山いて、その中でも凶悪な力を持った人が僕の開いてしまったマルチバースの扉から溢れ出て、この世界にとって良くないことを引き起こすことになって……それを止めるために、僕の記録を抹消したんです」

    「謂わば歴史改変……あり得ない事象か、それならばウィアがそれを検知したのも納得が行く。私にも似たような経験があるからな」

    「え?」

    「とにかく、そのマルチバースからの脅威がさっきのサイのアーマーの男と、グライダーの男……それで、グライダーの男と同じ名前をしている君は何者なんだ?」

    ピーターの説明を聞いて最低限の納得を得た或人は、次にハリーに問いかける。

    「俺はこの世界に来てからどうにか調査を続けていたんだが、ハリー・オズボーンの名を持つ……恐らく、別の世界の俺と出会った」

    「同じ人物にしては人相が大分違うな」

    「僕も別の世界の僕と会ったことがあるけど、かなり見た目が違ったのでそういうものみたいですよ」

    「とにかく、俺はもう1人の俺に接触された。それは……この世界を支配するために協力しろと」

    「世界の支配だと?」

  • 5二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:11:01

    待ってた

  • 6二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:11:03

    「なんとも馬鹿馬鹿しいワードセンスだが、それで君はどうしてここにいる?」

    「俺は奴らに手を貸すつもりは無かった。奴らが国外に逃亡し、日本の飛電インテリジェンスを狙っていることを知り、俺はここに来た」

    「狙いはやはり、我が社か……」

    或人は苛立った表情で椅子に座り、ため息を吐く。

    「俺の会社はいつも何かに狙われているな……」

    「或人さん、大丈夫ですか?」

    「ああ大丈夫だ。少しノイローゼ気味なだけだ……」

    「会社経営っていうのは面倒なものだ、それも有名であればあるほど……気持ちはわかる」

    「君も社長ってことか?」

    「父の会社を継いでいてな……オズコープだ。因みにあいつもそうだろう」

    「父の会社を継いで、な……」

  • 7二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:11:29

    「オズコープにニューゴブリン……もしかして、あなたの父親ってノーマン・オズボーンさんじゃ?」

    「ああ……よくわかったな。この世界はオズコープも無いのに」

    「あなたの父と……戦ったことがあって」

    「……そうか。父が迷惑を掛けたな」

    「いえ、そんな」

    「ピーター、君は……友達の家族を殺めたりはしていないよな?」

    「……友達の家族とは戦ったことがあるけど、僕には誰かを死なせることは出来ないよ。人の命を預かる、親愛なる隣人としての責任があるから」

    「強いな……君は。俺の知っているピーターも、そういう男だった」

    「ピーターには、僕も会ったよ。僕を1番辛い時に支えてくれた、頼れる人だった」

    「そうだろう?ピーターはな……あいつは、凄いんだ」

  • 8二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:11:55

    「それで、その世界征服計画とやらは何故動いている?何が動かしている?」

    「正直なところ、首謀者は俺にもわからない。だが、あいつは俺と比べても相当にプライドが高い。あのハリー・オズボーンのバックに付いているとなれば、相当な手練れであることは間違いない」

    「ならば目的はなんなんだ?」

    「……恐らくは、テクノロジーの掌握だろう。俺のいた世界と比べても、この世界の技術水準は高過ぎる。ナノマシン、量子テクノロジー、アークリアクター、この会社のAI技術。どれも俺の世界には普及していないものだ」

    「またそういう話か。勘弁して欲しいものだな」

    苦い顔をする或人に、ほんの少し苦笑いをするハリー。ピーターは真剣な面持ちで、事態解決を誓う。

    「なら、僕たちで止めなきゃ!」

    「当然だ。私の会社は私が守る」

    「俺にも手伝わせてくれ。奴らを国内に足止め出来なかったのは俺の責任でもある」

    「そんな、ハリーさんのせいじゃないよ」

    「いや、奴らのコネクションは異常だ。俺が拠点としていたニューヨークでは、俺は既にマークされている。どうやら、ニューヨークを牛耳るマフィアのトップに奴らと同じ存在がいたようでな」

    「マフィアまで仲間にしているのか」

    「この世界のそいつは去年のクリスマスに死んだようだが、死を偽装して別の世界のそいつが成り代わり組織を乗っ取ったようでな」

  • 9二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:30:13

    「ねえ!そいつらもみんな僕のことがスパイダーマンって知ってるの?」

    「ああ。だからスパイダーマンの活動する地域を離れ、この日本に来たんだからな」

    「……ピーター、君はそんな人懐こそうな顔をしておいて何人の恨みを買ってるんだ?」

    「或人さんも人相の良さは僕より良いと思うけど」

    「どの世界でもピーターはピーターってことだな」

    「それで、奴らの次の狙いはなんだ?」

    或人はパネルを開くとハリーに渡し、ハリーはそれを見てヴィランたちの狙いであろうものに指を伸ばした。

    「間違いない。奴らの狙いは衛星ウィアだ」

  • 10二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 16:43:45

    或人たちがミーティングしている頃、飛電インテリジェンスに群がる報道陣を抑えていたのは飛電インテリジェンスの子会社である株式会社仮面ライダーバルカンの臨時副社長・刃唯阿だった。

    「飛電は再三にわたるテロリストの襲撃についてどのようなお考えなんですか!」

    「テロ対策はなされているんですか!」

    「それをお答えするには、先のテロリストに対する有益な情報がありません。引き続き、こちらも調査を続けておりますので……」

    唯阿が報道陣の質問を捌く中、それを見守っているサウザンインテリオンの天津垓は警備として参加していた。

    「唯阿、そのようなはぐらかし方ではまだまだ社長としての格は上がりませんねえ……社長とは常に堂々とするものですよ」

    かつて自分が同じように報道に囲まれた壇上に立っていた天津にとって、今の唯阿には何か思うところがあるようで、独り言のように唯阿の態度に点数を付けていると、天津に話しかける1人の男性がいた。

    「あの〜すいません、貴方は新会社サウザンインテリオンの社長、天津垓さんですね?」

    「よくご存知で。貴方は?どうやら記者のようですが」

    「デイリー・ビューグルのエディ・ブロックです。少し取材してもよろしいでしょうか?」

    「デイリー・ビューグル?アメリカの報道会社が何故日本に?」
    ・・・
    「ええ、この度……貴方方に取材をしたくて」

  • 11二次元好きの匿名さん22/03/17(木) 23:32:28

    保守

  • 12二次元好きの匿名さん22/03/18(金) 00:09:18

    さてさて…どっちだ…?

  • 13二次元好きの匿名さん22/03/18(金) 09:26:53

    おは待ち

  • 14二次元好きの匿名さん22/03/18(金) 11:35:31

    追い付いた、不在の間に滅亡迅雷と不破諫を失ったなら或人くんがここまでシリアスになるのも納得させられた。悲しいけど頑張れ或人社長。

  • 15二次元好きの匿名さん22/03/18(金) 13:14:23

    天津はこの時、中小企業である自らのサウザンインテリオンと飛電インテリジェンスの評価を上げるためには記者の選り好みをする余裕は無かった。
    社員たった2名のサウザンインテリオンに、海外からの参入を狙える好機としてエディ・ブロックを見ていた天津は、エディの内に潜むものへの対応が遅れてしまった。
    それこそが、この握手の瞬間だった。エディから差し出された手に、天津が触れた瞬間。

    「うッ"!?」

    天津の内に、久しく眠っていた“悪意”が再び疼き出したのだ。

    「取材のご協力感謝しますよ……天津さん」

    【やるべきことはやった。とっとと帰るぞ】

    「ああヴェノム、フィスクがたらふく“ご馳走”してくれるぞ」

  • 16二次元好きの匿名さん22/03/18(金) 16:53:58

    捕手

  • 17二次元好きの匿名さん22/03/18(金) 16:56:10

    そっちかー

  • 18二次元好きの匿名さん22/03/18(金) 23:10:34

    チクショウそいつか…

  • 19二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 00:41:18

    その後、社長室でミーティング中の或人たちに緊急のコールが入った。

    『或人社長、大変です』

    「イズ、どうした?」

    『天津様が建造中のマステマに乗り込もうとしています』

    「なんだと……!?」

    「マステマとは何だ?」

    「マステマは我が社で開発途中のロケットだ。外宇宙進出を目的としている」

    「その天津さんが宇宙に行こうとしているのって、やっぱまずいの?」

    「彼は信頼しているが……ちょっとした事情がある。宇宙に無闇に飛び出させるわけにはいかない、イズ?」

    『映像出します』

    イズがモニターに映した天津の眼は、一眼でわかるほどに異様なものだった。

    「……様子がおかしい、止めなければ」

    「俺も協力しよう」

    「僕も!なんていうか……感じるんだ、嫌な予感を!」

  • 20二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 07:15:45

    面白いねこれ

  • 21二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 09:36:35

    マステマ…ヘブライ語で敵意、憎悪…か

  • 22二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 15:01:56

    3人は即座にハリーのグライダーに乗って天津を追い、マステマの元に急ぐ天津を発見するとその行手を阻んだ。

    「そこまでだ、天津垓!」

    「おやおや……何かと思えば或人社長ですか。私に何の御用で?」

    「とぼけるのはやめろ。あんたがマステマに乗ろうとしていることはわかっている。目的はなんだ?」

    「話してわかることではありませんよ。私の崇高なる目的はね」

    「……ねえ、あの人いつもこんな感じなの?」

    「普段の3割増しってところだな」

    天津は3人を前にしながらもドライバーを装着し、キーを起動して変身プロセスに移る。

    《ZETUMETU evolution》

    《Blake horn!》

    「とにかくそこを通していただきますよ……変身」

    《Perfect RISE!!》

    《When the five horns cross, the golden soldier THOUSER is born.》

    《── "Presented by ZAIA."》

    変身したサウザーの姿は、或人の知るものとは大きく異なっていた。

  • 23二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 19:20:57

    「黒い……サウザー?」

    「アレは……不味いぞ、飛電或人!」

    「わぁ……随分日焼けしてるね」

    感想を口に出す3人に、サウザーはサウザンドジャッカーを向ける。

    「邪魔だてするならあなた方にも容赦しませんよ」

    「天津さん……なんであなたは定期的にプラスマイナスをゼロにしちゃうんだよ……」

    「気持ちはわかるがまずは目の前の敵に集中するんだ」

    「大丈夫!3人なら直ぐに抑えられるよ!」

    「そうだな……変身」

    3人はそれぞれ変身とスーツの着用を済ませ、サウザーへ走り出す。

    「そう上手く行くかな?」

    しかし、その瞬間にサウザーは3人に分裂し、異なる動きで3人を吹き飛ばした。

    「何ッ!?分身だと!?」

    「待って!これ……僕、知ってる!」

  • 24二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 19:35:47

    これもう天津警察行きじゃね?

  • 25二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 21:12:05

    わくわく

  • 26二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 21:54:08

    まあシンビオートに操られてるのが判明したら許してくれるとは思う...

    黒いサウザーはやっぱりゲーム病のをイメージすりゃいいのかな

  • 27二次元好きの匿名さん22/03/19(土) 23:29:56

    両端のサウザーがゼロワンとハリーに攻撃を加える中、スパイダーマンはサウザーと戦わずに辺りを飛び回る。

    「待ってて!このカラクリ知ってるんだ!」

    「待てピーター!どういうことだ!?」

    「何か思いついたみたいだな……」

    「おっと、君たちを足止めさせるのは私の役割でね」

    ジャッカーからシャインクリスタを発射するサウザーの攻撃を躱し、スパイダーマンは何を思ってか四方八方にウェブを発射する。

    「もう少し持ち堪えて!」

    「持ち堪えろと言われても……!」

    逃げ惑うゼロワンたちを追い詰めるようにサウザーは更に5人に分身してジャッカーを振り翳す。
    だがその瞬間、スパイダーマンが一気にウェブを引っ張ると、サウザーたちの姿がまるでグリッチと化すように消えてしまった。

    「なんだ!?サウザーの姿が……!」

    「これは……ホログラムか!」

  • 28二次元好きの匿名さん22/03/20(日) 01:02:39

    「こんなことが出来るのは1人しかいない……!」

    苛立ちを声に込めながらスパイダーマンが呟くと、何も無かったはずの場所から男が現れる。

    「ああ、ピーター……なんと、ピーター!せっかく小賢しい社長たちを騙せそうだと思ったのに!」

    「ベック……!」

    「馴れ馴れしく呼ぶな、僕にはミステリオという神聖な名があるんだ」

    「僕の知ってるベックとは、大分違うみたいだね……」

    多数のドローンを引き連れたクエンティン・ベック……ミステリオは芝居がかった態度でスパイダーマンを挑発する。

    「君には悪いと思っているが……僕たちの崇高な目的のためだ。死んでくれないかなぁ?」

    「もうお前のペテンには騙されないぞ!」

    「ペテン!心外だなぁ、我がミステリオ劇団が提供するのはヒーローの活躍という華々しい刺激さ!……尤も、ミステリオ以外のヒーローの活躍はお呼びでないがね」

    「ミステリオだと!?死んだはずでは……」

    「マルチバースはなんでもありってことだろうな」

  • 29二次元好きの匿名さん22/03/20(日) 08:24:59

    ピーターを殺すことに成功したベックか…?

  • 30二次元好きの匿名さん22/03/20(日) 17:00:02

    ドローンを率いるベックはサウザーの周りにドローンを漂わせ、サウザーはジャッカーでドローンをほんの少しだけ触れる。
    すると、ジャッカーを通してベックのE.D.I.T.H.にライダモデルがインストールされる。

    「死んでもらおうか、ヒーローたち」

    《JACK RISE!!》

    「不味い……!!」

    《Everybody JUMP!!》

    《Metal RISE!!》

    インストールされたライダモデルをドローンたちは忠実に再現し、それは実態を持ってスパイダーマンたちに襲い掛かる。
    ゼロワンはメタルクラスタのプラグライズキーを取り出し、急いで起動する。

    《Secret material! [HIDEN metal]!》

    《メタルクラスタホッパー! 》

    《"It's High Quality."》

    メタルクラスタホッパーとなったゼロワンはクラスターセルを3人に盾として展開させ、ライダモデルの猛攻を防ぐ。

  • 31二次元好きの匿名さん22/03/20(日) 23:43:07

    保守

  • 32二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 05:22:40

    保守

  • 33二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 10:35:26

    保っ守

  • 34二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 13:43:08

    「くっ!なんでE.D.I.T.H.がこの世界で……!」

    「僕のE.D.I.T.H.でこの世界のE.D.I.T.H.をハッキングしたのさ。流石、どの世界でもスタークは天才的だね」

    「もう絶対にお前にスタークさんの技術を侮辱させない!」

    「ピーター!奴の弱点はなんだ!」

    「天津さんは私が抑える、2人はミステリオを!」

    ホッパーブレードを取り出したゼロワンはサウザーに向かって駆け、スパイダーマンとニューゴブリンがミステリオに向かう。
    ミステリオは下卑た笑みでパネルを操作し、ドローンから投影したライダモデルを次々にスパイダーマンたちに差し向ける。

    「数が多過ぎて避けられない!」

    「……二次被害を気にしている場合じゃないな!」

    何体ものライダモデルが行手を阻み苦戦する中、ニューゴブリンは上空へと脱出しパンプキンボムを起動する。

    「ミスタープラネタリウム!ドローンは強くても君はどうかな!」

    「おいおい、焦るなよ」

    しかしニューゴブリンが投げつけたパンプキンボムはライダモデルごとドローンを数体破壊したものの、その威力がミステリオに届く前にシャインクリスタに阻まれてしまった。

    「僕のショーはまだ始まったばかりだ!」

  • 35二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 15:29:06

    「爆弾は通らないか……!」

    「ドローンが実態を投影できるなんて……!」

    再びライダモデルの猛攻が始まり、回避に専念するスパイダーマンとニューゴブリン。
    一方でゼロワンもサウザーに苦戦し、戦況は膠着し始める、

    「何故だ……サウザーの性能がここまで上がっているのはおかしいはずだ……!」

    「……」

    ホッパーブレードとジャッカーは激しくぶつかり合い、火花を散らす。
    隙あらばジャックライズを図るサウザーの動きに対応しながらも、ゼロワンはその中にある不自然な何かを考察する。

    (見た目が黒いのもそうだが、攻撃性が高まっているのか……?もっと冷静な立ち回りをしていたはずだ……!)

    「死んでもらいますよ、飛電或人!」

    「……ごめん、天津さん!」

    ゼロワンは敢えてサウザンドジャッカーを肩に受け、サウザーがジャッキングブレイクを行おうとしたその瞬間、アタッシュカリバーを取り出してサウザンドライバーに向かって思い切り攻撃を加える。

    「ぐうッ!?」

    「こうするしか無い……!!」

  • 36二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 15:45:45

    ドライバーに強い衝撃を受けたサウザーは変身維持に異常が生じ、強制解除される。

    「天津さん!無事ですか!?」

    「くっ……或人くん、これは一体……!?」

    「覚えていないんですか……?」

    「わからない……気が付けばマステマに……うっ!?」

    天津が激しく苦しみだし、ゼロワンは天津に強く呼びかける。

    「しっかりしてください!」

    「うっ……や、やめるんだ或人くん!今すぐ私から離れろ!」

    「今運びます!」

    「違う!私の中から何かが……!」

    天津の表情が焦燥に歪んだその瞬間、天津の中から何かが勢いよく飛び出る。

    【良質な悪意を感じるぞ……!】

    「ッ!?誰だ!?」

    飛び出たその大いなる“最悪”は、ゼロワンに流動して覆い被さり、その姿を黒く染めていく。

    「ぐああああーッ!?」

  • 37二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 15:56:28

    【聞こえてくるぞ、飛電或人……お前の内にある、“殺戮”を望む声が】

    「殺戮だと……!俺はそんなものを望んでいない……がああああッ!?」

    ゼロワンを覆う黒い流動体はその姿を紅く染め上げ始め、ドライバーからプログライズキーを排出してその中に侵入する。

    「やめろ……私の、俺の中に入るなァァァ!!」

    【始めよう……“大殺戮”を!!アークの意思のままに!!】

    「やめろォォォオオ!!」

    その時、或人の心を通して流動体が垣間見たのは、衛星アークの姿だった。
    流動体はアークの紅い瞳に照らされ、血みどろのように変異したのだ。
    大いなる殺戮に、大いなる悪意が重なったのだ。
    その瞬間、ゼロワンはかつてアズが取った姿と同じく、【仮面ライダーアークゼロワン】となった。

    【これで俺たちは二つで一つ、一心同体だ……!!】

  • 38二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 15:57:37

    おお、まさかのアークゼロワン

  • 39二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 16:14:35

    アークゼロワン誕生の異常は、スパイダーマンとニューゴブリンにも感じられた。

    「或人さん!?」

    「なんだアレは……ピーターの感染していた何かとは違うのか!?」

    「おお、これは予想外な結果だなぁヴェノム!」

    驚愕する2人と異なり歓喜するミステリオはドローンに腰を下ろすと、そのまま飛び去っていく。

    「待て!逃げるな!!」

    「いいや逃げるさ、ここまで作戦は順調だ……ヴェノム!最後をしくじるなよ!」

    【いや……俺はもうヴェノムではない……】

    「ああそうか?まあいい、精々抵抗してみせろ、ピーター?」

    シャインクリスタで射撃して煙を上げ、その隙にミステリオは脱出してしまう。
    スパイダーマンはマスク越しに表情を歪ませながらも、残るアークゼロワンに目を向ける。

    「くそっ……ミステリオを逃すなんて」

    「気をつけろ、まだ戦いは終わっていない!」

    【とっととロケットを奪うか】

    「そうはさせない!或人さんの身体は返してもらうぞ!」

  • 40二次元好きの匿名さん22/03/21(月) 22:25:41

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 00:02:16

    保守

  • 42二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 07:41:35

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 10:26:46

    【俺を倒せると思っているのか?】

    「寄生虫は取り除くに限るんでな」

    ニューゴブリンは日本刀型のブレードを取り出し、アークゼロワンに斬りかかる。
    それをアークゼロワンは精密計算による的確な動きで回避し、逆に腕から赤い流動体を射出してニューゴブリンを吹き飛ばした。

    「ぐっ!?」

    「なんだこれ、液体!?」

    【アークの力とは素晴らしいな】

    次にアークゼロワンは或人の所持するゼロツープログライズキーを取り出し、その内部にあるゼアに社長権限でアクセスする。
    そしてゼアのハッキング能力を使用してある会社にアクセスすると、その会社からラーニングした技術を自らの掌に反映し、アーク側の流動ナノマシン技術でビームの発射口を作り出す。

    【スパイダーマン、お前も殺してやる】

    「リパルサー……!?」

  • 44二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 10:40:48

    前スレも遡って読んできた!作品の相性が良いのもあるけど文が読みやすくて面白い!!!期待

  • 45二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 11:08:53

    アークゼロワンから発射されたリパルサーはスパイダーマンの肩を貫き、鮮血が飛び出る。

    「ぐぅあ!?」

    【飛電インテリジェンスの通信衛星システム……強固なセキュリティと無限のハッキングを併せ持つそれを、今の俺は自在に操ることができる】

    勝ち誇るアークゼロワンの肩からピンサーが伸び、スパイダーマンの両腕を刺し、胸部からはユニビームの発射体制となる。

    【最早俺を遮ることを出来る者はいない】

    「くっ!?」

    「ピーター!!」

    そしていざユニビームが発射されたその瞬間、スパイダーマンを守ったのはサウザーのライダモデルたちだった。
    スパイダーマンとニューゴブリンが視線を移すと、そこには倒れ伏しながらもサウザンドジャッカーを手に取る天津の姿があった。

    「この状況はまずい!退きますよ!!」

  • 46二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 14:08:34

    「けど或人さんが!」

    「……彼のことも心配だが、あの姿はまずいのですよ」

    「ピーター!ここは天津に賛成するべきだ」

    「……必ず助けるから!」

    天津はサウザンドジャッカーからファルコンのライダモデルを呼び出し、3人を纏めて脱出させる。
    アークゼロワンはそれを見届けると、マステマに乗り込んで即座に発射させる。

    《お待ちしておりました、或人社長。サポートAIのアイちゃんが行く先をナビゲートします♪》

    【行き先は****だ】

    《了解しました。この惑星****は、アベンジャーズの秘匿データによると“指パッチン”、正式名称は“The Decimation”を行った後に降り立った星とされています!》

    【そうだ……インフィニティ・ストーンが原始に還った星】

    アイちゃんのナビゲートを聞き、アークゼロワンのマスクに恐ろしい紅い顔が笑みを浮かべる。

    【俺たちシンビオートならば、星に残った残留パワーを取り込める……!!】

  • 47二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 00:58:33

    惑星****。そこに今、大いなる殺戮が降り立った。
    だが、そこは殺戮とは関わりが無いかのような自然豊かな世界だった。

    【ストーンの残留パワー……!!】

    かつてサノスが死したこの地で、アークゼロワンは原始のパワーを吸収し始める。
    始めに、青き光が多い空間を掌握する力がアークゼロワンに宿った。
    それと同時に、アークゼロワンに激しい苦痛が走る。

    【ストーンの力が俺を拒んでいる……宇宙の不純物である俺を受け入れないのか】

    アークゼロワンの瞳から血涙が流れ、それはアークゼロワンのスーツの中にある或人の痛みだった。
    或人が苦しむ傍らで、或人の中にある偏在するアークが或人に取り憑いたシンビオートに語りかける。

    《名もなきシンビオートよ》

    【アーク、俺を受け入れし悪意よ】

    《お前に名を付けよう……“カーネイジ”と》

    【それは俺が生まれた時から知っていた名だ……!!】

    《共に“殺戮”を》

  • 48二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 01:36:39

    やっぱカーネイジかこいつ

  • 49二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 08:01:37

    おは待ち

  • 50二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 11:47:22

    アークゼロワンに敗北したスパイダーマンたちは、再び社長室にて治療を受けていた。

    「くそっ、あれは一体なんだったんだ!」

    「……俺の知っているピーターも、あれによく似た何かに寄生されていたことがある。もしかしたら天津と、飛電或人に寄生したのはそいつの同族かもしれない」

    「奴に寄生されていた時、私の意識は乗っ取られていました……同時に、奴の記憶の一端を覗くことも出来ました」

    「何?」

    「奴の目的が測れた、と言ったのですよ」

    天津はましろちゃんに包帯を巻かれながらも自信に満ちた表情をピーターたちに向ける。

    「目的とはなんだ……」

    「どうやら彼らが目指していた座標は惑星****。サノスに縁のある場所のようです」

    「サノス……!サノスに何の用があるっていうんだよ……」

    「恐らくは、インフィニティ・ストーン……もしくは、その力でしょうね」

    「ピーター、インフィニティ・ストーンとは何だ?」

    「インフィニティ・ストーンは宇宙の原始的な特異点から生じたビッグバンにより生まれた6つの超エネルギー体であり……」

    「違う!俺はピーターに聞いたんだ!お前には聞いていないぞ!」

  • 51二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 16:37:46

    保守

  • 52二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 21:39:40

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 01:00:47

    保守

  • 54二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 08:12:00

    天津ェ…

  • 55二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 14:54:06

    「まあいいじゃないですか細かいことは。問題なのはインフィニティ・ストーンの力を少しでも吸い上げられたら非常にまずいことになります」

    「僕はサノスと戦ったから、その場合の状況は危険だよ」

    「サノスとはなんだピーター」

    「サノスというのはこの宇宙の命を半分まで消滅させた“指パッチン”現象を引き起こしたスーパーヴィランであり……」

    「だからお前には聞いていないぞ!」

    「まあいいじゃないですか細かいことは」

    天津を睨むハリーを尻目に、ピーターは頭を抱える。

    「とにかく、またサノスみたいな奴と戦うことになるなら戦力を整えないと!」

    「でしたら、私に良い案がありますよ」

    いつの間にか包帯を半身に巻いていた天津が立ち上がり、メタルクラスタプラグライズキーを取り出す。

    「それは、或人さんの……?」

    「ええ、先程排出されたものを拾って来ました。これを使って、君たち2人を強化しましょう。イズ、彼らを」

    『わかりました。こちらへどうぞ』

    天津からキーを受け取ったイズは、開発室に2人を案内する。

    『こちらで、あなた方のスーツを強化致します』

  • 56二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:22:18

    扱いがひどい天津さんは解釈一致

  • 57二次元好きの匿名さん22/03/24(木) 23:57:09

    「スーツの強化?そんなことが可能なのか?」

    『有事の際には使用の許可を得ています。早速始めましょう』

    イズは箱型の装置にキーを装填すると、装置はナノテクを吸収して起動される。

    『後はお二人に任せます。或人社長をよろしくお願いします』

    「……任せてくれ」

    「凄い……スターク・インダストリーの技術と全然変わりない」

    「ナノテクノロジー……あの鋼の姿と同じか」

    「ハリーさん!スーツ脱いでください、調整してみます」

    「ピーター、俺も手を貸す」

  • 58二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 10:54:28

    ピーターとハリーが作業に取り掛かり、天津はイズに詳細を伝えていた。

    「いいですか、イズ。私はエディ・ブロックと名乗る男に接触された時に寄生生命体を憑けられました。警戒してくださいね」

    『了解しました。エディ・ブロックを警戒します』

    「頼みますよ」

    イズが社のプログラムに警戒人物を更新させると、即座に警報が鳴り響く。

    「……はい?」

    『どうやら、既にエディ・ブロックが我が社に侵入しているようです』

    「なんですって……直ぐに特定してください、唯阿にも連絡を、私はエディ・ブロックを追います」

    『一階エントランスにいるようです』

    「エントランス?何故そんな馬鹿正直に正面から……?」

  • 59二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 15:26:43

    今度こそちゃんとヒーローやってる方であってくれよ…

  • 60二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 19:37:13

    天津は変身するとサウザンドジャッカーを杖代わりにしてエレベータに乗り一階に降り、侵入者に突き付ける。

    「動くな!エディ・ブロック!貴様を連行する!」

    「ああ〜!待って待って!」

    しかし、サウザーの見たその男の姿はサウザーの知るエディ・ブロックでは無かった。

    「……誰だ?」

    「えっと……エディ・ブロック」

    「あなたがエディ・ブロックだと?」

    【おいエディ!こいつはお前を疑っているぞ!やはりビンゴだ!ここにあいつが来ている!】

    「後にしろ、今取り込み中だ……!」

    「残念ながらそうはいきません、あなたから事情を聞かなければ……」

    「ああいや、違うんだよその……」

  • 61二次元好きの匿名さん22/03/25(金) 20:24:07

    リーサルプロテクターの方か

  • 62二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:40:01

    保守

  • 63二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 00:44:55

    きた…!!

  • 64二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 08:49:41

    保守

  • 65二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 16:51:35

    詰め寄るサウザーに怯えるエディだったが、その身体に突如として異変が生じる。
    なんと、エディの肉体を流動体が包み込み、黒い怪物へと変貌を遂げたのだ。

    【オレたちを疑ったなら話は早い!】

    「な、なんだこいつはッ!?」

    (おいやめろヴェノム!その人は敵じゃないだろ!?)

    【敵じゃあないが、邪魔をするなら殴ってでも進むぞ!】

    サウザーが驚愕している間に怪物はサウザーの脚を掴み、地面に叩きつけようと振りかぶる。

    「やめろこのッ!これ以上或人くんの会社を壊させはしませんよッ!」

    【会社がなんだってんだ?ロケットは頂くぞエディ!】

    (やめろって!その人を降ろせ!)

    【ああ〜エディ!オレたちはリーサル・プロテクターだ!善意でここを守ってやろうって言うのに邪魔しに来たのはこいつの方だ!】

    (事情を話さずに暴れてるのは俺たちの方だろ!いいからやめろ、話し合いが先だ!)

    【チッ……わかったよエディ】

  • 66二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 21:26:37

    保守

  • 67二次元好きの匿名さん22/03/26(土) 22:49:31

    怪物は内なる声に渋々従い、サウザーを離すと元々の身体の主に主導権を渡す。

    「クッ……何者ですか、あなたは……!」

    「あ〜……何から話せば良いんだか」

    【こう言えエディ!オレたちはリーサル・プロテクター!マルチユニバースを救う男たちとな!】

    「黙ってろ……」

    「第一、あなたはさっきから何と話しているんですか……」

    「それも話すと長くなるんだけど……座って話せるところ無い?」

    天津は変身を解除すると、エレベータにエディを招く。

    「話し合う意思があるようなら、場を設けましょう」

  • 68二次元好きの匿名さん22/03/27(日) 09:30:46

    一方その頃、唯阿はA.I.M.S.の隊員たちと共にある廃ビルを訪れていた。

    「タレコミによれば、ここの筈だが……」

    「隊長!対象が使用したと思われるものが……」

    廃ビルの中に散乱している多くのパソコンの中の一つを手に取り、唯阿はメモリを差し込むと内部のデータに侵入する。

    「これは……骨が折れることになりそうだ」

    唯阿は侵入したデータ内に複雑に絡まるプログラムに苦い顔をしながらも、それを放置して他の部屋に入って調査を続ける。

    「……」

    そうして唯阿が部屋から離れたその時、何者かが部屋に入り、唯阿のメモリを外すと別のメモリを差し込んだ。
    そのメモリは、蜘蛛の模様が描かれていた。

  • 69二次元好きの匿名さん22/03/27(日) 10:20:59

    幾つかの部屋を周ると、唯阿は元の部屋に戻ってパソコンのメモリを確認し、驚愕する。

    「このメモリは……?」

    自分のメモリと違い、そのメモリにはデータが完全に抽出されており、唯阿は何者かの気配を感じてショットライザーを構える。

    「何者だ!」

    「おっと、そんなに驚かないでよお姉さん!そのメモリはそちらで使って欲しくて渡したものだから!」

    「どこにいる!」

    声だけは聞こえるものの、姿が見えずに警戒を強める唯阿。
    すると突然部屋の中に風が吹き、それと同時に何者かが窓から出て行く音が聞こえた。

    「逃したか……!」

    「アディオ〜ス!」

  • 70二次元好きの匿名さん22/03/27(日) 14:54:20

    マイルス…!?

  • 71二次元好きの匿名さん22/03/27(日) 20:03:53

    「……で、俺たちはここでやらなきゃいけないことがあるらしいんだ」

    「らしい?はっきりして貰わなければ困るのですが?」

    「今のは嘘。やらなきゃいけないことがはっきりしてるんだよ」

    「嘘?今この状況で嘘をつくのですか?」

    【エディ!こいつジョークも通じねえのか!それに随分と若作りだな、とっくにジジイのくせに!】

    「静かにしろヴェノム……」

    「要約すると、君たちはマルチユニバースから来たリーサル・プロテクターで、別の時空の自分たちを止めたい……ということですね?」

    「そうなるな」

    応接室でコーヒーを飲みながら話すエディに訝しむ視線を向ける天津。
    どうやら2人の対話はあまり良い結果とはいかないようだ。

    「に、しては粗暴な雰囲気を感じますね……信用には値しない」

    「なあ頼むよ、うちの聞かん坊がうるさいんだ」

    「いいですか?ビジネスには信用が必要不可欠なのです。あなたからそれを感じられないのであれば、協力することは出来ません」

    【そりゃ言えてるな、エディには信用ってのが1番縁のない言葉だ】

    「お前どっちの味方なんだよ……!」

  • 72二次元好きの匿名さん22/03/28(月) 01:04:56

    【エディ、それはともかくこいつを引き込んでおかないと面倒だぞ】

    「わかってるよ……」

    エディは咳払いをすると、コーヒーを一気飲みして天津に若干大袈裟に語り始める。

    「けどさぁ……不味いんだよ、俺ここに来たのも初めてじゃなくて」

    「なんですって?」

    「その時、シンビオートの忘れ物しちゃってさ。それを取り戻すためにきたんだ」

    「なんですって???」

    【ああ、こりゃ無視できねえな】

    「脅しのつもりですか?」

    「そんな気は無いさ、ちょっと身の上を話しただけで……ハハッ」

    「……仕方ありませんね」

    溜息を吐き、天津は諦めたようにカードキーを渡す。

    「わかりました、あなたがたの事情を解決することが事態解決にも繋がると考えれば、ここは協力しましょう」

    【やったな!】

    「その代わり、しっかりとシンビオートを回収してください」

  • 73二次元好きの匿名さん22/03/28(月) 11:11:04

    「ああ任せてよ、自分の失敗を拭うのは得意なんだ」

    【お前はいっつも失敗ばかりだからな】

    「また或人くんのような犠牲者を増やさないためにも、くれぐれも頼みましたよ」

    どうにか天津に協力を取り付け、エディは小さくガッツポーズを取った。
    場面は変わり、開発室のピーターとハリーは新スーツが完成間近となっていた。

    「ピンサー、テイザーウェブ、ウェブウィング……うん、全部揃ってる!」

    「こっちも概ね完成だ。だが……」

    「どうしたの?」

    「あの紅い戦士に勝つには、足りない気がする」

  • 74二次元好きの匿名さん22/03/28(月) 23:01:44

    「それは僕も思ってた」

    「あの力は圧倒的だった。俺たちにも何か対抗できるシステムがあれば……」

    「そうだね……今度こそ負けられないし」

    2人は飛電のデータベース内を隈なく調べながら、考察を続けていく。

    「あの紅い流動体みたいなのがキーワードなのは間違いないよね」

    「あれを引き剥がせばなんとか出来るかもな」

    「やっぱりウェブを強化するべきかな」

    「なら、こいつを利用しないか?」

    そう言ってハリーが取り出したのは、パンプキンボムだった。

    「ボムを?」

    「爆導策にするんだ。奴に爆発を直接ぶち込んでやれ」

    「それは良いね!まだまだ改良の余地ありだ!」

  • 75二次元好きの匿名さん22/03/29(火) 08:43:46

    保守

  • 76二次元好きの匿名さん22/03/29(火) 19:27:09

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん22/03/29(火) 19:29:07

    再度作業に取り掛かる2人は、ボムのシステムをメタル・ウェブに組み込んでいく。
    すると、その内にピーターの脳裏に何かの気配を感じ取る。

    「……あれ?」

    「どうした、ピーター?」

    「……!」

    「ムズムズか?」

    「みたい……だ!」

    ピーターの直感はウェブの射撃と共に当たることとなる。
    何もない空間に、ウェブが張り付いたのだ。

    「誰かいる!」

    「何者だ!」

    ハリーも日本刀型のブレードを構えるが、その瞬間に空間に侵入者の正体が現れる。

    「あっ待って待って!斬らないで!」

    「お前……スパイダーマンか!?」

    「えっと、そういう貴方は誰?」

    「お前の質問に答える気はない!」

  • 78二次元好きの匿名さん22/03/29(火) 22:41:47

    保守

  • 79二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 00:34:12

    「この子、僕と同じだ」

    「そう!僕もスパイダーマンだ!」

    ピーターのスパイダーマンとは異なる黒いマスクを外すと、黒人の少年が素顔を見せる。

    「僕はマイルス・モラレス。僕の世界でたった1人の……スパイダーマン」

    「ピーター以外にもスパイダーマンになる奴はいるのか……」

    「君もマルチバースから……?」

    「うん、ていうか……こういうことは前にもあったんだ」

    「マルチバースを超えるスパイダーマンって、僕だけじゃ無かったんだ……」

    「それにしても、こっちのピーターは手遅れになる前に助けられて良かったよ!」

    「僕たちを助けてくれるの?」

    「勿論!そのために僕はここに来たんだ!」

  • 80二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 10:02:29

    保守

  • 81二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 16:29:09

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 18:46:03

    「信用するのか、ピーター。見ろあのスーツを、真っ黒だぞ?」

    「スーツに黒が入っているのは良いセンスだと思うよ、ハリー」

    「黒いスーツにはあまり良い思い出が無いのでな……」

    自分のボムを見つめ、ハリーは苦々しい表情をする。

    「じゃあこうしようハリー。マイルズ!君のスパイダーマンとしてのオリジンを教えてよ!」

    「オリジン?何故だ?」

    「誰にでもあるはずだからね、特に……この場にいる、ヒーローのみんなにはね!」

    「ヒーロー……か。わかったよ、ピーター。マイルズのオリジンを聞こう」

    「ありがとうピーター、どの世界の君も優しいんだね!」

    刀を置いたハリーは、ピーターの言う通りにマイルズのオリジンを聞くことにした。
    マイルズから聞いたオリジンは、2人の想像していたもの以上に壮大なものだった。

    「……というわけなんだ」

    「マルチバースを超えた戦いがデビュー戦!?凄いねマイルズ!尊敬するよ!」

    「……すまなかった。俺の考えていた以上に、君は立派なスパイダーマンだったようだ」

    「いや、それほどでもないよ。ねえ!せっかくだし、君たちのオリジンも教えてよ!」

  • 83二次元好きの匿名さん22/03/30(水) 23:41:10

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 08:50:38

    「僕たちのオリジン?でも、君の世界のピーター・パーカーの過去はコミックになってるんでしょ?」

    「それでも、僕の世界のピーターと、今この世界のピーターは違うよ。だから聞きたいんだ!どんな風にスパイダーマンになったかを!」

    目を輝かせるマイルズは、次にハリーに視線を向ける。

    「それに、僕の世界にはスパイダーマン以外のスーパーヒーローはいなかったし!あなたの過去も聞きたい!」

    「……わかった。が、ピーターが先に教えてやれ。俺はその後にさせて貰う」

    「う〜ん、そうだなあ。どこから話せばいいかな」

    ほんの少し悩む素振りを見せ、ピーターは話し出す。

    「14歳の時に蜘蛛に噛まれて、スーパーパワーを手に入れたのは知っての通り。その後、舞い上がって地下レスリングに挑んで……帰りにベンおじさんが強盗に殺された」

    辛い過去ではあるが、ピーターにとってはそれは始まりにしか過ぎなかった。

    「あれほど優しいベンおじさんが死んで、本当に辛かった。ほんと、失意のどん底って感じ」

    「ピーター……」

    「でも、そこからヒーローになろうって思ったのは凄く簡単な理由だった。事故に遭いそうになっていた人を助けたんだ」

    ピーターの脳裏に浮かぶのは、10年前の記憶だった。

  • 85二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 17:08:56

    ベンおじさんの突然の死が自分の間違った選択であることを知り、絶望で街を歩んでいたあの頃。
    暴走したトラックに轢かれそうになっていた人を助けるために咄嗟に飛び出したのがヒーローの意識の始まりだった。

    「危ないッ!」

    自作のウェブシューターで宙を舞い、被害者になりそうになっていた人を抱き抱えて運ぶと、ようやく自分のやったことに気づいて頭がいっぱいになり始めた。

    「おい、君。何者だ?」

    「えっ!あっ、えっと……ぼ、僕はスパイダーマン!」

    「そうか。いいかスパイダーマン、私を助けたつもりかもしれないが別に私は君の助けが無くとも……」

    「ごめんもう僕行かないと!悩みが吹っ切れそうなんだ!」

    「はっ?おい、スパイダー……」

    「おじさんありがとう!貴方のおかげで自分の行くべき道がわかったよ!またいつか、僕の助けが欲しければ呼んでよ!スパイダーマンって!」

    その時、ピーターは人助けをすることへの素晴らしさに目覚めた。それが自分に授けられた力の使い方だとようやく悟り、そのことで頭が埋め尽くされ他の思考は全て消えていた。
    再び飛び立ったレオタードのジャーズスーツを着たスパイダーマンが、NYの親愛なる隣人となるのは後の話だった。

    「…… J.A.R.V.I.S.」

    『はい、トニー様』

    「あの赤ちゃんスーツのスパイダーボーイをアベンジャーズ・リストの候補に入れろ。ヒーローに目覚めたばかりなら……導けるかもしれない」

  • 86二次元好きの匿名さん22/03/31(木) 23:08:57

    保守

  • 87二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 07:39:07

    おは待

  • 88二次元好きの匿名さん22/04/01(金) 18:43:31

    その時、助けた相手が後に掛け替えの無い師となることすら知らず、ピーターのヒーローとしてのオリジンは始まったのだ。
    その顛末を聞き入り、マイルズは改めて尊敬の念をピーターに抱く。

    「凄いな、どこの世界のピーターもみんなヒーローだ」

    「……ああ、そうだな」

    「僕の世界のピーターは僕を信じて託してくれたし……僕の師匠になってくれたピーターも、最後には信じて飛んでくれた。ピーター・パーカーっていうのは、そういう人物なんだね」

    「そう言われると照れるな……ところで、ハリーはいつからヒーローになったの?」

    「あっ、そうだった。ハリーさんもヒーローなんでしょ?」

    「……ああ、語らなければならないな」

    ハリーは一呼吸を置き、話し始める。

    「俺は……本当はヒーローですらない」

    「えっ……どういうこと、ハリー?」

    「俺は、お前たちを脅かすそれと同じように……俺の世界のピーターにとって、ヴィランだったんだ」

  • 89二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 01:58:20

    「ハリーがヴィラン……?」

    「ああ。俺は、スパイダーマンが父を殺したと思って恨んでいた」

    ハリーの語る言葉を、2人は息を呑んで聞き入る。

    「真実を見誤り、スパイダーマンを逆恨みして正体が親友だとわかってからも俺はピーターを憎しみの目で見続けた」

    「本当に……ヴィランだったの?」

    「俺はピーターに敗れ、命を拾われた。あいつは殺すことも出来たはずだ。だが……親友であることを忘れた俺と違い、あいつは俺のことを今も親友として見てくれていたんだ」

    自虐的に、ハリーは微笑む。

    「その後強大な敵と戦うことになり、ピーターは俺の力を求めてくれた。俺はそれを拒絶したが……教えてくれたんだ。本当に父を殺したものが何か。父を殺したのは、父自身のグライダーだった」

    「ノーマンのグライダー……」

    思い返すハリーと同じように、ピーターの頭の中にもノーマンのグライダーの形が浮かび上がっていた。
    あの時、ピーターがピーターの行動を止めた理由を、ピーターは今知ったのだ。

    「俺は、今度こそピーターの力になりたいと思った。その時だ、この世界に飛ばされたのは」

  • 90二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 12:51:07

    待ってる

  • 91二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 22:45:10

    保です

  • 92二次元好きの匿名さん22/04/02(土) 23:59:55

    「……これでわかっただろう。俺はヒーローですらない、ヴィランがその真似事をしているだけなんだ」

    ハリーは自罰的に、苦しそうな顔をしながら話を終えた。

    「ハリー、そんなことはない。あなたは凄く立派だよ」

    「僕のことを助けてくれたじゃないか」

    「いや、それでも俺はお前たちに尊敬されるような人間じゃないんだ。それを誤魔化しながら戦うことはできない」

    「例えそうだとしても、今の心構えはヒーローそのものだよ、ハリー」

    表情を曇らせるハリーに、ピーターは自信を持って答える。

    「きっと、ハリーも今からだってヒーローになれるよ。僕にとってはもう既にヒーローだ」

    「ピーター……」

    「一緒に或人さんを助けようよ、ハリー」

  • 93二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 10:08:44

    保守

  • 94二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 16:34:11

    「ああ……俺を受け入れてありがとう、ピーター。マイルズ、君もだ」

    「仲間なんだから当たり前だよ!」

    励ましの言葉を贈る2人に、ハリーはどこか安堵したように笑顔を見せる。

    「俺も……俺のピーターに言ってやるべきだった。俺はお前の仲間になりたいと」

    「言えるよ!この戦いが終わったら、みんなを元の世界に帰す。そうしたら、ハリーもピーターのところに帰れる!」

    「僕が返し方を知ってるよ。このグーバーがあれば、正確に元の場所、元の時間軸に帰れるはずだ!」

    マイルズはスパイダー印のメモリを取り出し、得意げに笑う。

    「みんなで帰ろう!」

    「それに、みんなを帰すんだ」

    「……頼りになるな。スパイダーマンって、こんなに心強い存在だったのか」

  • 95二次元好きの匿名さん22/04/03(日) 19:11:48

    ヒーローってスパイダーマン的にはあるもんじゃなくてなるもんだもんな、うんいいね

  • 96二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 00:12:46

    改めて戦う決意をした3人を、密かに物陰から見ていたエディは眩しげに呟いた。

    「あれがスパイダーマンか?」

    【ああ、少し余計なやつらも混ざっているみたいだけどな】

    「みんなやけに若いな……これからこの中に混ざるのか?」

    【40代だろうと10代だろうと関係ないぞエディ、俺たちの目的は別のマルチバースのシンビオートだ】

    「ああ……そういやそういうやつだったな」

    【ところで、登場のチャンスを逃しているぞエディ】

    「わかったよ、今行く……」

    こめかみを抑えて頭痛を逃しながらエディが立ち上がると、その背後から天津が先を越す。

    「諸君、見覚えのない君も含めてお話があります」

    「天津さん?」

    「新たに味方してくれるヒーローのご登場のようですよ」

    「え!?まだヒーローがいたの!?」

    「スパイダーマンとゴブリン以外で!?」

  • 97二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 00:17:52

    【出番だエディ!】

    「え?いや、ちょ、待っ……」

    天津の紹介と同時にヴェノムはエディの身体を覆い、荒々しく登場する。

    「紹介しよう、マルチバースのエージェント・ヴェノム氏だ」

    【ハロゥスパイダーマンズ!!with.ゴブリン!!】

    「「うわぁああ!?なに!?!?!?」」

    「シンビオート!?」

    【俺“たち”は……ヴェノムだ!!】

    恐ろしげな咆哮に悲鳴を上げるピーターとマイルズに、顔の片方を見せてエディは挨拶を行う。

    「やあ、どうも……エディ・ブロックだ」

    「どういうことだ!シンビオートを連れてきたのか!」

    「いえ、彼はマルチバースの別個体のようですよ。なんでも、このマルチバースに落とした別のシンビオートを回収する過程で我々に協力して貰えるとか」

    「……それはこいつの失態を自分で拭いにきただけで信頼には値しないんじゃないのか?」

    「どんな悪にも挽回のチャンスはありますよ。この私のようにね」

    「お前のことなど知らん!」

  • 98二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 11:32:48

    保守

  • 99二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 21:51:12

    保守あげ

  • 100二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 22:14:02

    「ねえこれ食べられてるんじゃないの?」

    「いや、生きてるよ。心配しないでくれ」

    「なんとも不愉快な姿だ……」

    【ゴブリン!お前の顔面もそれほど愉快ではないぞ!】

    「そういうジョークは好きじゃない……!」

    「ハリー、落ち着いて。味方が増えるなら喜ばしいことだよ」

    「でもピーター、こいつ結構怖いよ?」

    【オレのどこが怖いんだこの子蜘蛛め!!】

    「ひいい!ホラー映画みたい!」

    態とらしく怒鳴るヴェノムに、マイルズは怯えてピーターの背後に隠れる。

    「あの……ヴェノムだっけ?」

    【スパイダーマン!会えて光栄ってやつだ!】

    「助けてくれるの?」

    【勿論だとも!オレたちはリーサル・プロテクターだからな!】

    (おい、それ誰にでも話すのか?)

  • 101二次元好きの匿名さん22/04/04(月) 22:52:24

    保守

  • 102二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 08:08:18

    待っ

  • 103二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 17:12:28

    保守

  • 104二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 20:02:31

    保守

  • 105二次元好きの匿名さん22/04/05(火) 23:40:13

    「なんだか……思っていたより大所帯になったね」

    「ですが、戦うには足りえる数でしょう。私たちには心強い味方が必要ですからね」

    ピーターの感嘆の声に天津が付け加え、それと同時にドアを開いて唯阿が現れる。

    「そういうことだ。天津、このデータを」

    「ご苦労ですよ、唯阿。さて……皆さん、これを見てください。ようやく作戦ミーティング開始です」

    天津は手を叩いて皆の注目を集め、データを投影して作戦を伝える。

    「現在、我々の敵となる者は6人です。赤と黒の2種類のシンビオートとその宿主、空飛ぶグライダーを駆るゴブリン、サイ型のアーマーを纏った軍人、イリュージョンを操るペテン師、ニューヨークを支配する相撲取りのギャング・ボスです」

    「相撲取りのギャング・ボス?」

    「私の調査で発覚した第6の敵だ。そこの黒い蜘蛛坊やのおかげで正体に目星が付いた」

    「グーバーが役に立って何よりだよ、お姉さん」

    「彼らの力は強力であり、私たちの仲間である或人くんは彼らの手中にされてしまいました。私たちの中でも最も強い彼を取り戻さないことには、勝利はあり得ないでしょう」

  • 106二次元好きの匿名さん22/04/06(水) 09:23:52

    保守

  • 107二次元好きの匿名さん22/04/06(水) 19:34:11

    保守

  • 108二次元好きの匿名さん22/04/06(水) 22:38:00

    保守

  • 109二次元好きの匿名さん22/04/06(水) 23:14:07

    保守

  • 110二次元好きの匿名さん22/04/07(木) 02:52:21

    保守

  • 111二次元好きの匿名さん22/04/07(木) 07:05:42

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん22/04/07(木) 16:35:33

    待ってる

  • 113二次元好きの匿名さん22/04/07(木) 22:14:22

    おや?

  • 114二次元好きの匿名さん22/04/07(木) 23:10:10

    「本作戦の第一目標は、社長の奪還だ。彼の持つゼロツーシステムは日本のヒーローで最強のパワーを持つ」

    「そのために、このゼロツーキーとユニットを届ける必要があります」

    ゼロツーの詳細データが投影され、エディを除く全員はその強力さに驚愕の声を上げる。

    「凄い……アイアンマンスーツに引けを取らない性能だ」

    「この技術が現実に可能なのか……凄まじい世界だな」

    「これ本当に書いてある通りなの?ヤバいね」

    「えっと……これ、どこがどう凄いの?」

    【わかってねえなら首を突っ込むなエディ、話の腰を折るな】

    「ですが、先程述べたスーパーヴィランたちを掻い潜り、しかも血塗れスライムから引っ張り上げなければなりません。過酷なミッションになるでしょう」

    「だが、我々ならばやり遂げられるだろう」

    唯阿は4人に目を向け、軽くウィンクする。

    「一対一で負ける相手じゃない」

  • 115二次元好きの匿名さん22/04/07(木) 23:37:32

    本当にヴェノムは保護者やな…

  • 116二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 07:55:04

    朝待ち

  • 117二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 17:38:36

    「イズ、反応のデータを」

    『はい。シンビオートが或人社長に寄生した後、惑星****からインフィニティ・ストーンの反応がありました。恐らく、スペース・ストーンを使用したものと思われます』

    「ということは、神出鬼没に現れる可能性もあるってこと?」

    『ですが、出現ポイントから考察すると次の狙いは絞り込めると考えられます』

    「奴らの狙いはスペース・ストーンのパワーの他には何がある?」

    「考えられるのは……この、グーバーのデータだ」

    グーバーのデータを映し出し、唯阿が告げる。

    「奴らはマルチバースを思うがままにしようとしている。可能とするのは、キングピンの知る技術だ」

    「キングピンはマルチバースのゲートを開いて自分の失った妻と子を取り返そうとしていた。結局、その装置は失敗に終わったけどスペース・ストーンの力があれば完成してしまうかも」

    「そうなれば、奴らという脅威が様々な世界にのさばるわけか」

  • 118二次元好きの匿名さん22/04/09(土) 00:47:39

    保守

  • 119二次元好きの匿名さん22/04/09(土) 08:58:01

    保守

  • 120二次元好きの匿名さん22/04/09(土) 10:22:16

    「装置を既に作っているとしたら、元の世界と同じ場所に建造しているはずだよ」

    「決戦の地はそこか」

    「ではジェットを手配しましょう。30分後に出発、8時間後にはアメリカに着くことでしょう」

    「その間、日本を守るのは誰なの?」

    「心配するな。アメリカと同じように……日本にもヒーローは大勢いるのでな」

    唯阿は何かを含んだ笑みを浮かべ、イズにとあるプログライズキーを渡す。

    「お前の後輩の初任務だ、イズ。サポートしてやれ。こっちは私に任せろ」

    『承知しました。或人社長を頼みます』

    「それが例の新型ですか?」

    「ああ、滅亡迅雷たちの遺してくれた……最後の希望だ」

    「では、我々も手早く準備しましょうか」

    天津が手を叩くと、ピーターは準備の前に皆を呼び止める。

    「……ねえ、みんな。僕のやった失敗のために、本当にありがとう。感謝しても仕切れないよ」

    そんなピーターの肩を微笑みながら叩き、ハリーは逆に励ましの言葉を送る。

    「俺たちは一つだ、ピーター。この戦いで通じた繋がりは決して失敗によるものじゃない。むしろ、俺はお前にこそ感謝しても仕切れない」

  • 121二次元好きの匿名さん22/04/09(土) 20:28:10

    保待ち

  • 122二次元好きの匿名さん22/04/09(土) 23:42:29

    保守

  • 123二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 00:09:59

    「ハリー、元の世界に帰ったら……そこのピーターと、今度こそ一緒に戦ってよ。1人だけだと心細いから」

    「1人きりで戦ったスパイダーマンも沢山いるみたいだし、さ。きっと苦しみを分かり合えるよ、ハリーなら」

    ピーターの言葉にマイルズが続き、ハリーは自然な笑みを零す。

    「ああ。もう2度と、スパイダーマンを見捨てはしない」

    そして、30分後。ジェットに乗った6人はアメリカへと出発する。

    「準備はよろしいですね?」

    「ああ、いつでも良いぞ」

    「あっ、ちょっと待ってくれ……俺こういうの慣れてなくてまだシートベルトが……」

    【おい!とっととしろエディ!」

    「では、出発!」

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています