- 1二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 22:59:43
- 2二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:01:13
オリキャラ・CP・夢要素等はアリ?
- 3二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:04:08
あり、なんでもOK
- 4二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:06:33
長さとかはどんくらい?
ここに直接書いてOK? - 5二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:11:11
「…きて、おきて。」
目が覚めると、そこは草原だった。
どうやら自分は木に寄っかかって寝ていたらしい。
目の前に猫ポケモン──ニャオハがいた。
…なんか大きくないか?オレの身長くらいある気がする。
慌てて起き上がり、目をこする。
手が黒い。肉球のようなものもある気がする。
呆気に取られていると、ニャオハが話しかけてきた。
「こんなとこで寝てたら危ないよ、ニャビー君。
この近くにはダンジョンがあるんだ。」 - 6二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:24:54
- 7二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:33:05
質問させてください。
人間キャラはあり?
既存のキャラのカプは避けた方が良い?
例えば主人公と〇〇のカプとか - 8二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:33:55
- 9二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:52:04
とりあえず10まで埋めよっか
- 10二次元好きの匿名さん25/02/16(日) 23:58:27
- 11二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 00:49:22
「ニャオハ、ここは一体どこなんだ?」
木陰で待っていた彼女に尋ねるとニャオハはアハハと笑い出した。
「君はここで寝ていたんでしょ?それなのに場所が分からないなんておかしな事を言うね。もしかして道に迷って途方に暮れてお昼寝していたとか?」
ニャオハの指摘は最もだったが、俺にとっては純粋な疑問だった。なぜ自分が草原の木にもたれかかって寝ていたのか思い出せない。
待てよ......と俺は頭を抱える。思い出せないのはなぜ自分がここにいたのかという理由だけではない。自分が今まで何をしてきたのか、果てには自分の名前さえも全て思い出せないのだ。
唯一覚えているのは自分が男であること、そして元は人間であったこと。その二つだけだ。
「どうしたのニャビー。頭を抱えているけど体調が悪いの?」
心配したニャオハが俺に近づき頬を舐めてくる。
- 12二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 07:43:54
ほ
- 13二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 08:09:25
良いスレになるのを祈ろう、みんなで
- 14二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 12:06:16
- 15二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 12:13:34
頬を舐めたニャオハの舌が頭が体が燃えていく。
その火が広がり私も草原も燃える。燃える。何も知らない私を心配してくれた子が燃えている。
惚ける他ない俺にニャオハはどうにか言葉を紡ぎ出す。
「い ず ゔ み」
近くに湖があったではないか。
急がなくては。ニャオハが燃え尽きる前に。
走り出すと肉体が驚くほどに速く動く。急を要するからなのかニャビーとしての俺の力なのかは分からない。
今はそんなことどうでもいい。速くもっと速く。進め進み続けろ。
湖の中に飛び込む。ニャオハと私から火が少しずつ消えていく。 ニャオハは気を失っているが無事なようである。
そこで初めて落ち着くと安心と自己嫌悪が襲ってくる。
湖に映る自分は酷い顔をしていた。
- 16二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 12:18:32
- 17二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 12:52:25
- 18二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 12:55:33
- 19二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 13:34:23
「ただいま〜。」
「お邪魔します。」
「おかえりなさい。その子は新しいお友達かい?」
そう言って出迎えたお父さんはまさかのメタモンだった。
確かに俺のポケモンも大体片親メタモンだったが,改めて見ると驚く。
「ううん。お腹空いていたみたいだから連れてきたの。」
「そうかい。偉いねぇ。」ニャオハは頭を撫でられて気持ち良さそうだ。
「君ゆっくりしていきなさい。何か分からないことがあればいつでも聞くといい。」
俺は少し考えて気になっていたことを聞くことにした。
「では早速なんですが,ダンジョンに行ったことがあるって本当ですか?」
メタモンは少し困った顔をしながら
「ダンジョンに行きたいのかい?内部の地図ならあるけどね,おすすめはしないよ。鍛錬目的なら私がしてあげるさ。」と言う。
「いえ。お宝が気になって。」
メタモンは呆れた顔をして言う。
「何度もそれ目的で行く色々な子を助けたおかげではっきり言えるがね,ないよそんなもの。これを見て貰えば分かるようにダンジョンは全部探索し尽くしているのさ。」
地図を広げメタモンが説明する。
「危険な奴らが他のポケモンを襲うためにそういう噂を度々流すんだ。本当に困ったものだよ。」
「そうですか。」
分かっていたことだが,俺は少しガッカリした。
「まぁそうガッカリしないで。意識をよく向ければどこにでも面白いことはあるものさ。」
「ほらお食べ。」
様々な種類のきのみが目の前に置かれる。
「いただきます。」「いただきま〜す!」「頂きます。」
- 20二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 15:27:14
「オ,オレは大丈夫です。でもこ,この子が。」
「問題ない。我が子は丈夫だ。この程度すぐに治る。」
「起きろ。母は我が子をそんなに弱く育てた覚えはないぞ。」マスカーニャがニャオハの頬を叩く。
「ふぇ?」ニャオハがゆっくりと目を開き,顔をしかめる。
「っ!痛っ。」感覚があることに安堵してしまう自分の浅ましさに腹が立つ。傷つけたことに変わりはないのに。
マスカーニャは俺の方に向き直りこう言う。
「それで?何があったか説明願おうか。我が子と住処の周りを燃やされて黙っていられる程私はお人よしではない。」
俺はニャオハが俺の頬を舐めて燃えたこと,慌てて湖に行き飛び込んだことを伝えた。
「ふむ。我が子が頬を舐めただけで燃えたと。ニャビーの毛は燃えやすいとはいえ,他に原因がありそうなものだが。」
「何か心あたりはあるか?」
心当たりはある。俺はニンゲンだ。
自分はニンゲンだなんて言ったって,頭のおかしい奴だと思われるだけかもしれない。でも今言うべきだと思った。
「俺はニンゲンなんです。」
マスカーニャは少し考える素振りをした後に聞いた。
「そのニンゲンとやらは何だ?特殊個体の名称か何かか?」
俺はニンゲンや自分の状況について説明した。
「そうか。」マスカーニャはそれ以上何も聞かなかった。
腹が鳴る。こんな時ですら腹が減る自分が情け無い。
「腹が減ったか?なら私の巣へと来い。ご馳走してやろう。」ありがたい提案だ。だが,また周りを,親切にしてくれたポケモンを燃やしてしまうことが恐ろしく動けない。怖い。湖から出たくない。出てはいけない。
「何をしている?疲れて動けないのか。」
マスカーニャは俺とニャオハを軽々と両脇に抱える。
「離してください!燃えてしまう!燃やしてしまう‼︎」
俺はほとんど絶叫に近い形で叫び暴れた。口から炎が出る。またやってしまった。熱い。怖い。もう嫌だ。
「安心しろ。何処かの誰かのせいで消火させられたからな。今の私は水タイプだ。」そう言ってマスカーニャは俺の炎を冷たい水で消してくれる。
俺は力を使い果たしたのか気を失った。
- 21二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 15:45:37
- 22二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 16:40:35
面倒だからまとめちゃうか。
「おい起きろ。着いたぞ。」マスカーニャが俺達の頬を叩く。
「おかえ…どうしたんだい⁉︎ハネコがボロボロじゃないか!」メタモンがひどく驚いた顔をしている。子供がボロボロになっていたら当然の反応だろう。
今すぐに逃げ出したくなったが,それに気づいたマスカーニャが私を改めてしっかり持ったため未遂に終わった。
「ただいま。飯を用意してくれ。話は飯を食いながらしよう。」マスカーニャは有無を言わせない口調でそう言う。
「分かったよ。その抱えている子も含めしっかり説明してね。」メタモンは渋々と言った様子で木の実を持ってくる。
「ありがとう。まず,こいつ…そういえば貴様名は?」
「確か…カズトです。」正直記憶が曖昧だけどそんな気がする。
「そうか。」
「結論から言うとカズトが自分を舐めたハネコを燃やした。それで」そこまで言うとメタモンは俺に飛びかかろうとしてきた。 身構えた俺の前でドンという音がした。
「待て。話を聞き終えてからにしろ。」マスカーニャがメタモンの前に立ちはだかり俺を守っている。悪いのは俺なのについ安堵の息を漏らしてしまった。醜い。
メタモンはそれを見てさらに怒ったようだが,マスカーニャに気圧されて離れた。
「落ちついたか?」メタモンはこちらを睨みながら頷いた。
「どこまで話したか…,カズトがハネコ燃やしたとこまでだな。それで舐めただけで燃えるわけもないと思って話を聞いたらこいつはニンゲンというものらしい。」そう言って俺が説明したことをマスカーニャは話した。ニンゲンという話が聞こえた時,メタモンの後ろにいたニャビーが少しこちらを見た気がした。
- 23二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 17:11:10
ここは様々な人々とポケモンが混じり合い暮らすイッシュ地方。
プラズマ団の脅威も去りすっかり平和に戻ったこの地方では、新たな刺激を求める若者達が増え日々白熱するポケモンバトルを繰り広げていた。
そして全てのポケモントレーナーが憧れるポケモンバトルの最高機関、ポケモンリーグ。
強者だけが入ることを許される孤高の城。その応接間では今、メガネをかけたゴースト少女ことシキミが机に肘をつきため息をついていた。
「はああ......どうすればいいんでしょう。新しい四天王なんて早々決められるものじゃないですよお」
シキミの隣のひとりがけソファに腰掛けていた筋骨隆々の男、レンブも腕を組み険しい表情をしていた。
「全くその通りだが、致し方あるまい。今は我が師であるアデクが代理で四天王を務めているが、師は既に引退した身。いつまでも頼る訳にはいかん」
「はあぁ......ギーマさんってば私達に何も言わずに四天王辞めちゃうなんて酷いですよお......せめて小説のネタになる過激なエピソードの一つや二つ語ってくれてから去ってほしかったです......」
二人が頭を悩ませている題材は、突然四天王を辞退したギーマの後任者を探すことだった。 - 24二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 17:18:15
ギーマはある日突然失踪し、リーグ内を大混乱に陥れた。姿を消した一週間後にリーグのスタッフに彼から連絡が入り、その内容は一身上の都合により四天王を辞任するとのただ一言。
「とにかく早急に後釜を決めねばならん。カトレア、紅茶ばかり飲んでいないでアイデアを出せ」
レンブは右隣の3人がけソファにゆったり座っているカトレアに促した。たっぷりとした金髪を超能力でフワフワ浮かせているカトレアは今まで議論に参加せず一人優雅なティータイムを過ごしていた。カトレアはレンブに言われるとゆっくりティーカップを置き、頬に手を当て少し考えているようだった。
「そうねえ......ワタクシとしてはあの方がいいと思うわ」
二人はカトレアの言葉の続きを待った。
- 25二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 17:21:11
「俺はヨウスケ俺もニンゲンなんだ…記憶ないけど。」
マスカーニャの話が終わった時ニャビーがメタモンの後ろからおずおずと話す。
それを聞いたメタモンはもう何が何やら分からない様子でただ呆けて息を漏らすことしか出来なかった。
「ヨウスケとカズト,ニンゲンと名乗るニャビーが2匹か…そういえば,タツナ貴様はソウスケに何もされなかったのか?」マスカーニャはそう聞く。確かに俺と同じようにヨウスケがニャオハを燃やしても不思議ではない。
「ううん。なーんにも。」
タツナと呼ばれたニャオハが答える。
「同じニンゲンでも上手くニャビーの肉体をコントロール出来る奴とそうでない奴がいるわけか。」マスカーニャは考え込みながらメタモンの方をチラッと見た。
メタモンはまだ呆けている。
「いつまで呆けている。」マスカーニャがメタモンの頬を叩く。
「だってもう何が何やら…」メタモンは少し落ち着いたものの頭を抱えている。
「私にも分からん。だが,呆けていても何にもならん。ニンゲンについて何か知っていそうな奴はいないのか?貴様の人脈が頼りだ。」
メタモンは少し考えてから,「うーん,多分異界の存在に一番詳しいのは空間神のパルキア様だと思うけど…あの方は他の世界にいることも多いからなぁ…。」
「なら明日の朝にでも巣に案内してくれ。一緒に行こう。」
「うん。じゃあ今日はもう寝ようか。」メタモンはそう言い,こちらに向き返った。
「カズトくん。私は君を許す気はない。だが,君だけの所為ではないと思うから,ひとまずは手を出さない。しかし,忘れるな。君は私の子を傷つけたんだ。」
その日はあまり眠れなかった。
- 26二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 17:27:34
- 27二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 17:58:32
「アクロマさんなんてどうかしら」
「アクロマ?誰だそれは」
カトレアから出された名にレンブは首を傾げた。すると隣のシキミが声をあげた。
「あ、私知ってまーす!ホドモエのPWTで話題のトレーナー!この前のホドモエトーナメントのテレビ中継で見ましたよ、白衣に眼鏡で背の高い男の人!」
PWTはジムリーダーのヤーコンが始めたイッシュを代表する一大バトルイベントで、世界各地から最強を誇るトレーナーのみが参加する。小説家として流行に敏感なシキミはそういう事に詳しかった。
「ワタクシはシキミさんがテレビで見てるのを一度横目で拝見しただけだけれど、あの方の無駄のない的確なバトル、ワタクシの好みでしてよ」
「ふむ......カトレアが他人を褒めるのは珍しい。そのアクロマという男について詳細なことを知りたい」
カトレアは欠伸を一つした後眠たそうな顔で答えた。
「調べ物ならシキミさんがうってつけね。アタクシはそろそろ部屋に戻ってお昼寝するわ」
そう言った後すぐにカトレアの体がフワリと浮き、そのまま応接間の扉が勝手に開いたと思うと、空中を浮遊したままするりと部屋を出ていった。
「シキミ、すまんが頼まれてくれるか?明日はリーグも閉場で我々も休暇だ。私も他に良き候補を探す」
シキミは立ち上がると腰に手を当て飛び切りの笑顔を浮かべた。
「取材なら任せてください!ミステリアスな最強トレーナー......凄く小説のネタになりそう!」
- 28二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 23:27:09
「しかし下手なものを呼べば危険なのも事実か。」
レンブは苦い顔をしつつも同意する。
「何か起きれば小説のネタにはなるけど,それは確かによろしくはないですね。他の地方では悪い組織がジムリーダーになってその後の対応に苦労した話もあります。」
シキミも同様のようだ。
「決まりね。アタクシはそろそろ部屋に戻ってお昼寝するわ。」カトレアは部屋をふわふわと浮きながら出ていった。
「明日私がアデクさんの家に行ってみよう。」
「アデクさんがやってくれると良いんですけどね。」
二人も部屋を出て行った。
- 29二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 23:30:48
あれ、もしかして2つリレーがある?
ポケモンになったやつと四天王探しで - 30二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 23:33:42
- 31二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 00:50:35
3つあった方が御三家っぽくて良いな
書くか
皆が知っていて皆が持っているもの。
私だけが分からなくて私だけが持っていないもの。
…相棒。
なんで私だけいないんだ。おかしいじゃないか。不公平じゃないか。何度も何度も何度もそう思った。
だから沢山のポケモンをゲットした。だから沢山のポケモンを調査した。なんでそこまで相棒を私は求めているのだろう。
皆と同じことが知りたかったから?いや違う。皆と同じように共に誰かと歩きたかったから。時計を見るとそろそろ日付が変わる頃であった。
今日も相棒は見つからなかった。別の研究成果だけが増えていく。
自分の印刷した資料達に囲まれているとふと何をしても無駄じゃないかという考えが浮かぶ。いや無駄なことなど一つもない。無駄にして良いことなど一つもあってはならない。そうだ。すべては繋がっていく。明日へと,相棒の待つ未来へと。
- 32二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 08:02:37
コテハンかレスの最初にどのストーリーか書いたほうが良くね
- 33二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 13:50:33
- 34二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 19:23:29
【ポケモンになったやつ】
翌朝、誰かの大声でカズトは目を覚ました。
何やら外で騒ぎが起きているようだ。巣から出てみると、もう1匹のニャビー、ヨウスケが他のポケモン…ドーブル、ゴース、タンドンと揉めているようだった。
ニャオハ一家は出かけているのか、誰もいない。
ドーブルが言う。「大人しく来い!泣く子も黙る“おにび組”の金を持ち逃げしたっていうニャビーはお前だな?このおにび組幹部会計担当、フデヨシ様の目を誤魔化そうったってそうはいかねえぞ!」
ゴースとタンドンはやんややんやと囃し立て、ヨウスケはすっかり困惑している様子で自分の無実を訴え続けていた。───と、ゴースとカズトの目が合ってしまった。
「「あ」」
「フデヨシさん!もう1匹ニャビーがいます!」
ゴースが叫んだ。
- 35二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 03:31:33
[ポケモンになったやつ]
フデヨシはこちらを睨みつけ
「まぁだいやがったか‼︎スミヨシ!そいつも連れてこい‼︎」と叫んだ。
「あいあい‼︎」返事をしたタンドンが一瞬にしてカズトを捕まえた。
「⁉︎」「はぁ⁉︎」
タンドンの肉体がカズトや周りと共に燃え始める。
「効くかよ!そん…タンドンはそう言いかけて気づく。
「ヤベェ‼︎!草原が燃えつきちまう‼︎」そう。舐めたニャオハとともに草原を燃やすカズトの炎である。タンドンとともに燃えたその炎の広がりは凄まじいものとなった。草が 花が 何もかもが等しく燃えていく。またか。またやってしまうのか。その恐怖がカズトのを刺激し,より炎は強く激しく燃えていく。
「全く,どんな寝相をしているんだ貴様ら。」
聞き覚えのある少し低いテノールがあちこちから聞こえてきた。聞こえた方向から冷たい水が溢れ出す。
「明日からは抱っこして寝るぞ。」一切この状況に動じないその声にカズトの恐怖が薄れ炎が弱まっていく。同時に沢山のマスカーニャがカズト達の前に現れ,1体がカズトとヨウスケを抱き抱え残りが火を消していく。
「悪いな。うちの客が迷惑をかけた。」マスカーニャがそう言うと足元に草がおいしげる。
それを聞き,呆気に取られていたフデヨシがハッとしたように「そうでい!ワシらの金を持ち逃げして草原を燃やすとはふてぇ野郎じゃあねぇか‼︎」とどうにか強気を装う。
「金?」沢山のマスカーニャが一つに集まりながら怪訝な顔をする。
「とぼけんじゃねぇ‼︎金だよ! き!ん!テメェに聞いても拉致が開かねぇ!やったのはニャビーなんだ‼︎」落ち着いてきたのかフデヨシが次第に語気を強める。
「そうなのか?」マスカーニャはうるさそうに抱き抱えたカズトとヨウスケに聞く。
「「知らないです。」」当然二人が知るはずもない。
「おい貴様ら。何故こいつらだと思った?ニャビーなどいくらでもいるだろう。」
「へん!見慣れねぇニャビーがキョロキョロしてりゃ怪しむのは当然のことよ‼︎」フデヨシ達は口を揃えてそう言った。
「馬鹿というやつは救えないな。」マスカーニャは呆れた目をしながらフデヨシ達を蹴り飛ばした。
「何しやがる‼︎」
「貴様らがやっていたことを分かりやすく実演しただけだ。」マスカーニャの言う意味が分かったのかフデヨシ達は急にしおらしくなり,「悪かったよ。」とだけ漏らした。