- 1125/02/17(月) 21:05:17
- 2125/02/17(月) 21:06:24初代スレここだけ病弱コハル|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す季節の変わり目でも風邪で熱を出す筋肉つかないし体力もほとんどないので前線張るのはムリ日焼けで黒くなるんじゃなくて赤くなるくらい肌も弱いそれでも憧れは止められないので正実には入るし…bbs.animanch.com
その2
ここだけ病弱コハルその2|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す季節の変わり目でも風邪で熱を出す筋肉つかないし体力もほとんどないので前線張るのはムリ日焼けで黒くなるんじゃなくて赤くなるくらい肌も弱いそれでも憧れは止められないので正実には入るし…bbs.animanch.comその3
ここだけ病弱コハルその3|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。えっちなことにも興味あ…bbs.animanch.comその4
ここだけ病弱コハルその4|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。えっちなことにも興味あ…bbs.animanch.comその5
ここだけ病弱コハルその5|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。現在ミカと先生の秘密の…bbs.animanch.comその6
ここだけ病弱コハルその6|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。現在ついに水着パーティ…bbs.animanch.comその7
ここだけ病弱コハルその7|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。現在美食研奮闘中。果た…bbs.animanch.comその8
ここだけ病弱コハルその8|あにまん掲示板興奮するとすぐ熱を出す……どころか心臓発作を起こすくらい虚弱で病弱なコハルが主人公のエデン条約編再構成小説スレ体は弱くて脆いけど、原作同様正義感は強いし代わりに学力が上がってる。現在第二次学力試験、果…bbs.animanch.com詳しいことは上記参照
- 3125/02/17(月) 21:07:29
【注意事項】
・原作批判、またはそれに繋がりかねないレスはお控えください。原作シナリオに言いたいことがある場合は別スレたててね!
・所詮二次創作であり落書きです。内容を間に受けないでください。展開に多少の粗があっても大目に見てね! - 4125/02/17(月) 21:11:51
ひぃん工事完了だよー
次回更新まで暫くかかるから、スレ落ち防止のために10まで埋めてもらえると助かるよー
前スレの感想とかだと1が喜ぶよー
初見の人はちんぷんかんぷんだと思うから興味があったら過去スレ追ってみてねー - 5二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 21:16:58
スレたておつですよーん いやぁナギちゃんが道頓堀にダイブするのか楽しみになってまいりました
- 6二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 21:17:46
そういえば温泉開発部員の証言見て思ったんだけど、生徒同士ではヘイローはぼんやりとしか見えておらず、ヘイローで人を判別することはできないみたいな設定無かったっけ?
- 7125/02/17(月) 21:25:39
ひぃん実はその設定が明かされる前から連載開始してるんだよーこの話
過去スレで一回なかったことにしたんだけど……色々支障が出たので開き直ってヘイローは割と見えてる設定にしたんだよー(あまりにもヘイローの種類が多すぎ&微妙に形が違うやつが多くて、よほどの身内でもないと特定が難しいってことにしてるよーキヴォトスの学生って万は超えてるからね人数。その一人一人にヘイローがあるわけでってことで……)
ひぃんごめんねー納得できなかったら申し訳ないけどうちではこれでやらせてもらうよー
- 8二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 21:34:56
十まで埋め
- 9二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 21:35:07
うめうめ
- 10二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 21:35:20
これで10
- 11二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 23:21:59
まぁヘイローに関してはそもそも設定の公表が開発スタッフ変更後の話なんで無理はないです
- 12二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 23:30:53
カスミは白だな!よし!
- 13二次元好きの匿名さん25/02/17(月) 23:39:28
ゲマトリアの技術を使ってゲヘナにヘイトを向けさせるように偽装とは随分と狡猾なやり方だなベアトリーチェ…!
- 14前スレ184 追加分25/02/18(火) 01:06:52
徐ろに路地の壁を引き剥がした少女は、中に隠していた装備を取り出す。通信機を装備し、周波数をいじりつつ、白いコートをその背に羽織る。
「任務完了。……了解しました、マダム。帰投します」
短く報告し、くるりと踵を返す。その先には、街頭の明かりすら差さない、暗闇が広がっている。
――アズサには、連絡するべきだったのではないか。
ふと頭にそうよぎったが、それは私が判断することではないと思いを断ち切る。全ては、私たちを切り捨てたトリニティへの復讐のため。そのためならば、どんな犠牲も容認すると。光射す表側でのうのうと生きる者たちに鉄槌を下すためだと、そう教えられた。
「これはまだ序章にすぎない。いずれ時が来たなら、その時は――我々の痛みを思い出せ、トリニティ」
vanitas vanitatum, et omnia vanitas(全ては虚しい。何処まで行こうとも、全ては虚しいものだ)
白いコートの右肩、括り付けられた腕章には、特徴的な髑髏と共に、短く所属が刻まれていた。――ariusと。
(寝る前に見返してたら一部欠落していたのに気づいたので修正バージョンをここに掲載しておくよーすいませんでした……おやすみなさい) - 15二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 02:22:06
ミネ団長はやく来てくれー! セイアが生きてるって情報を持ってこないと妥協点を探ることさえできないんだー!
ところでコハルの病状を理解しているであろうに行方をくらましてるミネ団長、相当苦しいことになってるよね
雲隠れしてる間も情報何も仕入れてないわけはないだろうし - 16二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 09:20:19
このスレの世界線だと、
ミカは「ナギサがエデン条約に固辞するのも、自分がセイアを殺しちゃったのも、ゲヘナと仲良くしているあの子のせいだ。あの子さえいなければ」みたいな思考に陥ってるのかもしれない。
そう思わなければ考えなしの行動でセイアが死んだ事実に耐えられないから、そう思い込んでしまってるみたいな。 - 17二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 09:36:16
というかこれホストの権威原作より更にヤバくなりそうな
事実関係分かっても正実のホストへの忠誠なんて消し飛ぶよね - 18二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 09:39:31
側から見れば被弾すら危ない子を爆発に巻き込んだとか暗殺疑うよね
- 19二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 09:48:20
>事態は既に、桐藤ナギサの手を離れているということです
ハナコのナギサへの好感度も実態把握してもうマイナスに振り切って戻ることはないんだな感が
あのハナコが呼び捨ては早々ねえぞ
- 20二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 10:37:49
これセーフハウス襲撃が「ナギサに一泡ふかせようとするハナコ」と「ナギサを保護(拉致)しようとするミカ」って構図になりそう
ここまで針のむしろになったナギサ様、都市の闇に消えても氷海の底に飛び込んでもおかしくない - 21二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 10:40:14
……先生、首輪はちゃんとつけてくださいよ?
生徒の自主性に委ねるだけだとそれは先生の権威を利用した暗殺幇助だぜよ? - 22二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 10:55:57
たぶんミカのせいでこうなったと知ってもコハルは許すんだろうね
第4章で正実が動いてくれるか怪しくない?
第3章でのミカの扱いも本編より悪くなりそう - 23二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 11:07:19
最終編の流れが前倒しになるかもしれんね
ミカを赦すコハル けじめをつけに行くミカ それは自業自得だとミカを見捨てられないコハル
どのみち早期のメンタルケアが成されないとこの多弾頭ミサイルがどこに飛んでくかわからないが
- 24二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 11:19:27
楽園の古則にたいする問答が難しくなるなコレ。
本編時空ではみんな健康・平和・幸福って感じられたから「そこが楽園だと思えば楽園だよ」って答えられたけど、ここだとコハルの病弱な宿命は決して幸福とは言い難くて、周囲も「幸福とは何ぞや」と常に問いかけられ続けてるわけだし。
それが水着か下着か、本当にどうでもいいのかな・・・?先生・・・ - 25二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 11:56:03
誰が悪いかっていうとまぁ…ベアが悪いんだがすごい悪い方向に噛み合っちゃってもはやピタゴラスイッチ!
- 26二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 12:01:43
スレ主を信じろ
- 27二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 12:27:34
- 28二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 12:48:43
苦しい現実の中で楽園を築こうと努力してたナギサはどうにも嫌いになれないんだよな
- 29二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 14:00:10
追いついた
続きにワクワクしちゃうね - 30二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 14:04:23
ファフナーになりそうで怖いな
- 31二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 17:17:13
コハルー!起きてくれー!!
お前が倒れてるとハナコとジュンコとレイサと正実メンバー諸々と救護騎士団とその他大勢がやばいことになるぞー!!! - 32二次元好きの匿名さん25/02/18(火) 17:27:53
死なないと約束したお友達のいた場所が大爆発が起こり、その場所には血だまりがあり当の本人はどこにもいない
こんな状況気が狂う決まってる… - 33二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 00:23:09
このレスは削除されています
- 34二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:12:17
☆
- 35二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:20:17
こう、あるよね
集団戦でとりあえず数減らそうと弱いの攻撃したらそれが逆鱗だったとか - 36二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 08:27:08
状況は一段と悪化したがカスミという協力者を得られたのはかなり大きな不幸中の幸いか
カスミも温泉開発部の部員が加害者に仕立て上げられた落とし前はきっちりつけようとするだろう - 37二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 16:13:46
コハルの回復力がどんなものか知らないけど、でもこのまま3次試験までに回復できるんですかね…。
そうじゃなくても、コハルの重体化はどっからか情報漏れちゃうだろコレ…。 - 38二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 17:20:30
まず試験以前に試験対策なんてことしている場合なのかこの状況
- 39二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 17:22:00
過失致死…
- 40二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 22:34:31
本編だと帰ってからもそれでも試験対策してたけど、こっちだともう即カチコミに行くんかな…?
前者だとコハルが勉強に参加できないし。(なんなら試験もあやしいし) - 41二次元好きの匿名さん25/02/19(水) 23:04:01
各勢力の反応・どう行動するのか気になるところだね
- 42二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 06:48:55
この二年生達すっごおい…
- 43二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 15:28:50
保守
- 44二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 15:36:02
- 45125/02/20(木) 19:00:05
ひぃん今週末に書き上げる予定だったけど、身内卓のGMやることになったから時間がないかもしれないよー
なるたけ頑張るけど、今週の投稿は期待しないでほしいよー
展開もなかなかヘビィで文量多くなりそうだしたぶん来週だよー
保守してくれると嬉しいけど、時間短くなったし無理はしないでいいからねー - 46二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 20:42:10
つ、続きが気になりすぎる、、、、!!
- 47二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 21:04:19
あなた様がGMやるシナリオは良い愉悦味わえそうですね!
- 48125/02/20(木) 23:23:05
ひぃん流石に来週まで何もなしは寂しいので急遽突貫で作った閑話を上げるよー
エデン条約編には関わらないけれど、いずれやるかもしれないとあるイベント話の伏線を撒いておくよー
一時間クオリティなのでそんなに期待しないでねーではいくよー! - 49125/02/20(木) 23:23:42
ミレニアム自治区。現行技術では解決不可能とされる、7つの難問――千年難題に立ち向かった研究者たちの集まりから始まり、実験や検証の過程で様々な研究機関が増えていった結果、発足された学園……【ミレニアムサイエンススクール】の治める自治区である。
歴史的には新興校の部類でありながら、キヴォトス全体で見ても比類なき技術力と、それを背景とした資金調達力から、過去災害によって凋落したとある高校を差し置いてトリニティ、ゲヘナと並び三大校と称されるほどに急成長を遂げた、異例の学園。
今となっては学園発足の理由を知らない生徒も増えたが、その理念は変わっておらず、千年難題解消に繋がることを期待して、日々様々な研究開発が行われている。……最も、その過程で多少の"事故"が多発しているようだが、そこはキヴォトスクオリティである。科学の発展に犠牲はつきもの、ということかもしれない。経理担当者は泣いていい。
そんな、キヴォトスの最先端を行く学園の敷地内。複数存在する部室棟のうちの一つ、少しばかり年季の入った建物の中に、その部活は存在していた。 - 50125/02/20(木) 23:24:09
目の前の端末以外は光源のない、狭く暗い場所。閉所恐怖症の人間ならパニックに陥りそうなその場所で、瞬きもせず画面を見つめる人間が一人。
「……」
彼女が見つめる光――端末の画面には、モモトークの会話画面には、電話の発信を意味するアイコンが灯っており……暫くして、『応答なし』という通知として、履歴に残るだけとなった。その履歴には、ほかにもいくつか彼女が発信したメッセージがあったが、いずれも既読はついていなかった。
「ずっと繋がらないまま……大丈夫、なのかな」
心配そうに顔をゆがませて、彼女……花岡ユズは、ロッカーの中、応答のない携帯端末を見続けていた。
「大丈夫、だよね……倒れてたり、とか……ないといいんだけど……」
いいようのない不安感が、ここ暫くユズを包んでいた。 - 51125/02/20(木) 23:24:53
「たっだいまー! あっづぅい……ミドリー、アイスあるー?」
「冷凍庫の中探してみれば? ていうかお姉ちゃん、間違えて私の食べないでよ?」
「大丈夫だって! 愛しの妹のアイスと自分のを取り違えたりなんてしないからさ」
「そう言ってこの前平気で全部食べたくせに。……今が夏だからって、部長会議に行っただけだしそこまで暑くないでしょ? エアコン効いてたんじゃないの?」
「なーんかどっかしらが空調設備を一部吹っ飛ばしたらしくてさー、廊下が蒸し暑くて……」
妹と騒がしいやりとりを繰り広げつつ、私は冷凍庫を開いて中身を物色した。うーん、最近買い出し行ってないから碌なのが……あ、あった!
端に残っていた最後の1個を取り出す。……うん、ミドリの名前は書いてない。誰の名前も書いてない。即ち私のものってことでオッケーだよね? ま、早いもの勝ちってことで!
ルンルン気分で冷凍庫を足で閉め(ミドリが見てると嫌な顔をされるが、ちょうど作業が佳境なのかこちらを見てすらいなかった)、スプーンを取り出してアイスを片手にどっかりと座り込む。暑い日に、冷えた部屋で食べるアイスって贅沢の極みだよね~。
「……お姉ちゃん。余裕ぶっこいてるけど、シナリオの進捗大丈夫なの? 締め切りまでそんなに残ってないけど」
「ゔ。……だ、大丈夫だよ! 今は、こう……しんがーそんぐたいむ? だからさ」
「……それをいうならシンキングタイムじゃないの? まったくもう……」
そんなんでシナリオ書いたら、またあの子を困らせちゃうよ? 最初みたいに誤字脱字のオンパレードだったら余計に疲れさせちゃうんだから。
ミドリの鋭い指摘が私のハートに突き刺さる。効果は抜群だ! ……うぅ、わかってるよ。貴重なファンの期待を裏切ったりしないってば。真面目にやるって……明日になったら。 - 52125/02/20(木) 23:26:09
「そ、そうだ! あの子といえば、ユズは? まだロッカーの中?」
「うん。……あの子と連絡がつかなくなってから、ずっと。ねぇお姉ちゃん、大丈夫かな?」
流れに沿って話をそらした私に、初めて液タブから顔を上げたミドリは、不安そうな顔で私に問いかけた。
「――大丈夫だよ! ほら、最後に話した時言ってたじゃん! 補習がどうのこうのって。今忙しいんだよ、きっと。私たちより疲れやすいみたいだしさ」
「疲れやすいってレベルじゃないと思うけど……」
「まあそれはそうだけど……かといって、あんまり心配しすぎるのも返ってよくないと思うし。今はそっとしておいてあげよう?」
心配が顔に表れているミドリをなんとか宥める。……正直私も心配なんだけどさ。なにせ貴重な私の(私の! 大事なことだから2回言った)作品のファンだし。誤字脱字を訂正してくれるありがたーい外付け赤ペン先生でもあるのだ。その上あの体だから、そりゃあ心配もするよ。
でも、常に周囲から心配され続けてるような子だから、あんまりそういうのは表立ってやらないほうがいいんじゃないかと私は思う。普通に接してあげるのが一番だよ、きっと。
……よし、今までは好きにさせてたけど、そろそろユズを止めなくちゃ。今日まであの調子だとモモトークにへばりついてそうだし、これ以上放置したらあの子のモモトークに通知が100件くらい貯まっちゃう。絶対びっくりしちゃうって。
ケツイが漲ったその時、部室の扉が盛大に開かれた。 - 53二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 23:27:14
やっぱりネットを通じて関係が広がってたぁぁぁぁぁ!
- 54125/02/20(木) 23:27:34
「――パンパカパーン! アリス、ただいま帰還しました!」
「あ、アリスお帰り! 今日の冒険はどうだった?」
「はい! アリスは敵を倒して経験値を積みました! 勇者レベルがアップしました!」
「敵? 敵って、何?」
「廊下でエンカウントした、オソウジロボ? という名の暴走キラーマシンです! 光の剣の錆になってもらいました!」
「暴走キラーマシン……もしかして空調設備に突き刺さってた、エンジニア部謹製試作型お掃除ロボの残骸って……」
……真相を暴いた太もも大魔王が部室にメガトンキックをぶちかましてくるフラグが立った気がするが、たぶんアリスのことだしほどほどの対応で済むはずだ。少なくとも今日中ではないだろうし。……うん、この話はこれ以上深掘りしないでおこう。ユウカの対応は明日以降の私に任せた!
「まあでも、アリスが早めに帰ってきてくれてよかったよ。おかけで今出来てる分のデバッグまでは終わりそう。……ユズー? そろそろ開発作業に戻らないとー!」
呼びかけるが、ロッカーからは返事がない。ただのしかばねのようだ……は流石に酷いか。 - 55125/02/20(木) 23:28:36
「? ユズは最近どうしたのですか?」
「あー、ユズは、その……そういえば、アリスってあの子のこと知ってるんだっけ?」
「いや、知らないと思う。ミレニアムプライスに掛り切りで教える暇もなかったし。ミレニアムの開発コンテストだから他校生に助けを求めるわけにもいかなくて、だからシャーレの先生を呼んだんだから」
「うーん……よし、この際だから教えておくよ。アリス、私たちゲーム開発部には一人協力者がいてね」
「協力者? シャーレの先生ではないのですか?」
「うん。トリニティの生徒さんでね。ユズの作ったTSC(テイルズ・サガ・クロニクル)のプロトタイプを評価してくれた、私やミドリと同じ数少ない一人なの!」
「コハルちゃんって言ってね、正義実現委員会の……」
――この世界線において、彼女たちはまだ交わることはない。少なくとも、エデン条約に関わることはないだろう。
だが、条約を超えた後……学区を超えた祭りの場から、歯車は噛み合い始める。
「アリスは、アリスです! 見習い勇者から見習い実行委員にジョブチェンジしました! おお勇者よ、そなたとの邂逅を待ちわびておった!」
「ゆ、勇者? ……もしかして、モモイの言ってた、アリスちゃん? ――私は下江コハルっていうの。同じ実行委員として、よろしくね」
そんな未来も、あるかもしれない。 - 56二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 23:31:00
あるかもしれないじゃない
あるんだよ!
あってくださいお願いします!! - 57125/02/20(木) 23:33:06
(ネットで繋がってるんじゃないかってレスが出た時ドキッとしたのは内緒)
ひぃん本当はエデン条約編終了後にやる気が残ってれば書くつもりだったイベントストーリー編のフックとして用意してた設定だよー
本文で仄めかす程度にするつもりだったんだけど、この際だから閑話として伏線残すことにしたよー
彼女たちとコハルの邂逅時については、またしかるべき時に。 - 58二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 23:44:27
動けない分の時間が勉強とネットに割かれて知性と交友関係が爆上げされてる
動ける場合も勉強はしろという意見は関知しない - 59二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 08:14:21
☆
- 60二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 08:18:35
疲れやすい(普通のキヴォトス人よりも圧倒的に柔らかい)
- 61二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 17:47:33
今作のコハルは交友関係広めなんだな
想像力が膨らむわ - 62二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 23:55:50
勉強しろよりも無理しないでって意見の方が出そう……
- 63二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 07:44:18
保守ん
- 64二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 17:02:34
このコハルに何かあったら、ゲヘナの一部とトリニティとミレニアムの一部がすっ飛んでくるってこと?
下手な重鎮より価値がある…… - 65二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:45:09
保守
- 66二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 08:09:08
このレスは削除されています
- 67二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 09:37:57
だから先生諸共●して戦争勃発を煽る必要があったんですね(メガトンマダム)
- 68二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 18:11:59
このレスは削除されています
- 69二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 01:22:43
このレスは削除されています
- 70二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 08:45:05
し
- 71二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 15:02:56
ゅ
- 72二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 19:37:07
う
- 73125/02/24(月) 21:43:23
推測を粗方語り終えた後の列車内は、沈黙に包まれていた。
「そんな……ミカ様が……真の裏切り者……?」
「ええ。といっても、状況証拠からの推測ですが。桐藤ナギサが本当に乱心して手を回したのでない限り、今回の爆破を仕込めるのは彼女しかいません」
「そんな、そんなのって……!」
ギュッと、ヒフミちゃんは制服の袖口を握りしめた。
「あ、ありえません! ありえてはいけないんです! だってそれは、それは……! ミカ様が、ナギサ様を裏切っているだなんて……ミカ様は……っ、ミ、ミカ様は、ナギサ様の、幼馴染なんですよ!?」
【ヒフミ……】
「私は、ナギサ様によくお呼ばれして、色々とお話を聞いてきました。その中に、よくミカ様との思い出も……た、確かにナギサ様はミカ様のことで困っていたり、怒っていたりしましたが……それでも、ミカ様のことを本当に心配して、大切に思っていたんです! それなのに、そんなの……そんなのって……」
「……幼馴染だから。それが手心を加える理由にならないのが、政治の世界ですよ。ヒフミちゃん」
私はこれまで見てきたのだ。見せかけの友情を。利用し合うだけの絆を。いざとなったら切り捨てられるだけの関係を。嫌と言うほどに。
【……ハナコ、まだミカが本当にナギサを裏切ったかはわからないよ】
「わかっています、先生。ヒフミちゃん、これはあくまでも推測です。物的証拠がない以上、私としてもこれが真実だと断言はしません。それに、カスミさんの言う通り疑問点がまだ残っています」 - 74125/02/24(月) 21:44:57
「そうだな。特に、うちの部員をたぶらかした"温泉開発部部長"が果たして誰なのか、はっきりしていない。ハナコ嬢の言う通りなら、トリニティにそんな技術も工作員もいないそうだからな。ゲヘナも同様さ。……まあ"アレ"絡みならワンチャンありそうだが、まずこんな大事になる前に確実に議長やヒナが処理してるだろうからな」
トリニティやゲヘナではない、第三者が介在している。間違いなくな。
そう言って、鬼怒川カスミは両手を後頭部に回して枕にし、列車の天井を見上げた。
鬼怒川カスミの言う"アレ"とは、ゲヘナの黒歴史である"アレ"だろう。かつて恐怖政治を敷いた独裁者。ゲヘナの、"雷帝"。相当な技術を有していたと風の噂に聞いているが……最も、それ関連は資料とともに全て破棄されたとも。万魔殿はバカだが、馬鹿ではない。その情報収集力はトリニティ諜報部も舌を巻くレベルだ。それ絡みになった時点でこんなバカ騒ぎを起こさせる前に動いているだろう。そっち関連はあまり考えなくてよさそうだ。
それよりも、もっと確率の高い第三者はいる。少なくとも、その関係者は今目の前に。
チラリと視線を横に向けると、疑惑の少女……アズサちゃんは、先ほどまでカスミに噛みついていた勢いが嘘のように、顔を青くしてしおらしく目を伏せていた。何かに気づいてしまったかのように。
――白洲アズサ。キヴォトスでは珍しい転校生。まるで別の社会で生きてきたかのように極度の世間知らずで、天然。以前何かしらの、徹底的な軍事訓練を受けていたようだ。その制服には、特徴的なエンブレムが入っている。はるか昔、トリニティによって潰された者たちの、骸骨のようなシンボルマーク。 - 75125/02/24(月) 21:45:50
(【アリウス分派】。……まさか生き残りがいるとは思いませんでしたが)
彼女たちが関わっているならば納得だ。トリニティに叩き潰された恨み骨髄といったところ、動機は満載だろう。復讐のために動いているなら辻褄が合う。恐らく、鬼怒川カスミに化けて温泉開発部員を誑かしたのもアリウスだ。何せ数世紀前に潰されてから誰もその動向を知らないのだ。ここはキヴォトス、神秘が満ちる場所。アリウスの生き残りが、誰も知らない地で、未知の技術を手に入れていたとしても不思議はない。アズサちゃんの様子を見る限り、少なくとも兵隊の育成……軍事力には力を入れているようだし。一つの勢力として今存在できているのは間違いない。
(ですが、これはまだ伏せておきましょう)
ここでアリウスについてバラし、アズサを問い詰めるのは簡単だ。だが、恐らく彼女は今回の爆破については何も知らされていない。根拠は、爆破時の反応。温泉開発部員に襲い掛かった時や、鬼怒川カスミに食って掛かった時の彼女に、演技はなかったように思えた。そういうものは今まで散々見てきたから見分けがつく。それに……
(コハルちゃんも、アズサちゃんの背景に気づいているように見えました)
以前、第5の古則についての話の時、コハルちゃんは強引に話を反らしてきた。恐らくあの時点で、彼女もアズサちゃんの正体に気づいていたのだ。その上で、アズサちゃんがただのスパイではないことを信じて、彼女が問い詰められる状況を避けた。きっとアズサちゃんなら、自分から本当の事を話してくれると。
その思いを、私が勝手に踏みにじるわけには行かない。
「……まだピースが足りませんね。ひとまず桐藤ナギサと、疑惑のある聖園ミカ。両者についてはそれぞれ対処を考えるとして……今はコハルちゃんが優先です。トリニティにつき次第、すぐ病院へ連れて行かなければ……」 - 76125/02/24(月) 21:46:29
「……。――ハッハッハ! 案ずるな、もうすぐトリニティに着く。今は地下だが、地上に上がれば救護騎士団へ連絡もつくさ。何せここまでの重傷者に、身内も被害を受けてるんだ。連絡を受ければ直ぐ様向かってくるだろうよ」
重くなった空気を吹き飛ばすかのように、鬼怒川カスミが溌剌とした笑い声をあげた。……そういえばこの女、何故ここまで私たちに協力的なのだろうか。義憤にかられて……なんて素直な挙動はしなさそうだが。
「……ふむ、私が協力的なのが不思議と見えるな、答えは簡単だ。――平和に楽しく温泉開発をしていた我々を、こんな大騒動に巻き込んでくれたんだ。ここは一つ、お礼を返してあげるのが礼儀というものだろう? そのためには、君たちに協力するのが一番手っ取り早い。君たちを利用している、と言い換えてもいいな」
「り、利用って……」
「ハッハッハ! 当然、君たちも我々を遠慮なく利用してくれたまえよ! そこはお互い、上手くやっていこうじゃないか! 今は共通の敵がいるのだからな」
……なるほど、よく回る舌だ。あえてああいう言い方をすることで、ビジネスとしての付き合いを強調し、互いに利用し合う関係なのだとこちらの警戒心をほぐしに行った。……確かに、協力はしてくれるだろうが……協調するとは一言も言っていない。恐らくこちらの方針が、向こうの方針と噛み合わなくなった途端、関係を解消してくるだろう。最悪後ろから刺されかねない。コイツの弁舌に惑わされると不味い……その点をよく理解して使わなければなりませんね。 - 77125/02/24(月) 21:48:13
「…………う……うん……」
その時、通路を挟んで反対側、先生の座っている座席で動きがあった。
【! ハナエ、大丈夫かい?】
「う……? せ、先生……? ここは、一体……」
爆発の衝撃で失神していたハナエちゃんが意識を取り戻したようだ。頭を振りつつ起き上がり、辺りを見渡している。
「列車内……?」
「ハナエちゃん、何も覚えてませんか……? 試験会場が爆破されて……ずっと意識を失ってたんです……」
「試験会場……爆……破……」
朧げだった意識がはっきりしてくるにつれ、ハナエちゃんの目に光が戻り……ハッとした彼女は急に立ち上がった。
「! コハルさん……コハルさんは!? コハルさんは何処ですか!?」
「お、落ち着いてください! コハルちゃんなら……」
ヒフミちゃんが私の隣を指し示す。黒い制服の一部を赤黒く染めた、荒い息を吐きつつ、寝かされているコハルちゃんを。 - 78125/02/24(月) 21:48:41
「――」
【ハナエ、落ち着いて。大丈夫、とは言えないけれど……応急処置も終わってるし、今すぐ命がどうこうにはならないよ。もうすぐ救護騎士団と連絡を取れるようになるから……「私の……」……ん?】
「私の、せいだ……」
ポロポロと、ハナエちゃんの目から雫が落ちる。両手で顔を覆った彼女は、座席に座り込むように崩れ落ちた。
「私、私……あの時、爆発が起きて……コハルさんが、私を突き飛ばして……瓦礫が、コハルさんに……血が……どうして? どうして、私を庇ったりなんか……」
「……そういうことですか」
思わず顔を歪めてしまう。コハルちゃんだけ瓦礫の下で、ハナエちゃんがほとんど無傷だったのはそれが理由か。……如何にも他者を優先しがちな彼女のやりそうなことだ。あまりにも、自己犠牲が過ぎる……!
「庇う必要なんて無かったのに……! 私を盾にすれば良かったのに! どうしてぇ……!」
「ハナエちゃん……」
【……コハルならきっと、ハナエじゃなくても、それこそツルギでも庇ったと思うよ。短いつき合いでしかないけれど……そういう子だから……】
「うううぅぅ……!」
泣き崩れるハナエちゃんの肩に手を乗せて、しかしそれ以上何もできない様子のヒフミちゃん。そこに、淡々とした口調でハナエちゃんにフォローを入れる先生。しかし、その拳は膝上で握りしめられていた。
「――お待たせー! もうすぐでトリニティに着くから、救護騎士団に連絡の準備を……なんか、お取り込み中?」
「メグ、情報ありがとう。それ以上は口を開くな。少なくとも、今はな」 - 79125/02/24(月) 21:50:06
「――そら、着いたぞ諸君! お待ちかねのトリニティ自治区内だ!」
「ありがとうございます。アズサちゃん、先行を。ヒフミちゃんはハナエちゃんを見てあげてください。私はコハルちゃんを」
「……」
「……アズサちゃん?」
「……っ。すまない、ボーッとしていた。先行する」
頭を振って意識を戻したアズサちゃんは、通路を走って抜けていく。その後を追って、私たちも列車の扉へと向かった。
「――待った。様子がおかしい」
列車を降りて、地上へと続く分厚い金属の扉の前。アズサちゃんは覗き窓からチラリと外を覗いた後、私たちに警戒を促した。
「人影がいる。温泉開発部というには数が多い」
「何? ここはトリニティ自治区とはいえ、僻地だぞ? とっくの昔に放棄された廃倉庫だ。ティーパーティーが目をつける要素はない。うちの部員もまだ集まって来れるほど時間は……」
鬼怒川カスミが身をかがめつつ、同じく窓から様子をうかがう。……そして、頭痛を抑えるかのように額に手を当てた。
「……勘弁してくれ。今日は厄日か?――なんでシスターフッドがわざわざこんなところに集まっているんだ」
「シスターフッドが……?」
同じく覗き窓を眺めると、埃を被った資材が置かれた倉庫の中、いたるところに特徴的な人影……ベールを被った、修道女めいた者たちの姿が見える。
【シスターフッド】。このトリニティにおいて、最も謎めいた組織。秘匿と裏側の多い、慈善団体。なるほど彼女たちの情報網ならば、ここに温泉開発部の秘密の地下鉄があると把握していても不思議はない。何せここはトリニティ、彼女たちのホームグラウンドなのだから。だが何故今、この地に部隊を……? - 80125/02/24(月) 21:51:00
「いや、シスターフッドだけではありませんね……あれは……救護騎士団?」
「え!?」
「おいこら、声が大きい!」
私の発言に、思わず反応してしまったヒフミちゃんが大声を出す。鬼怒川カスミが注意するが遅く、思ったより響いたその大声に、向こうの人影もこちらの存在に気づいたようだった。
「この声は――ヒフミさん! ご無事ですか!? 私です、マリーです!」
「え、マリーさん!?」
「……どうやら知り合いのようだな?」
「ええ。……扉を開けてくださいカスミさん。マリーちゃんなら、そう悪いことにはなりません」
「なるほど? ……その言葉、信じるぞ」
ガシュッ! と音がして、重厚な扉が自動的に開閉される。その先、廃倉庫の中には、武装したシスターの集団が音に反応してこちらを見つめていた。その中をかき分けて、二人ほどがこちらに駆け寄ってくる。
「ヒフミさん! ハナコさん! 先生!」
「マリーさん! どうしてここに!?」
「細かい話は後です! コハルさんは……これは、酷い血の匂い……一体どれだけの出血を……! っ、セリナさん!」
駆け寄ってきたマリーちゃんは、私の抱えるコハルちゃんの状態を見て顔を青褪めさせた。獣人らしく、血の匂いで傷の具合を察したらしい。共に駆け寄ってきていた、救護騎士団の人間に声を掛ける。彼女もまた、一目見て状態の悪さを察したのか、後ろの集団に向けて大声を上げた。にわかに場がざわめき始める。 - 81125/02/24(月) 21:52:00
「担架を! 早く!! ――傷の状態を見ます、失礼します」
「一応、出血は止まっています。相当な荒療治でしたが……」
膝を折って、コハルちゃんの状態が見やすいようにする。ありがとうございますと律儀にお礼を言った彼女……救護騎士団団員の鷲見セリナは、コハルさんの制服をめくり、巻かれていた包帯を外す。
「……! これは、焼灼止血ですか。すぐに手当てしないと……あと輸血も……」
「た、担架を持ってきましたー!」
「助かります、ヒナタさん! ハナコさん、コハルちゃんを載せてください」
とても長身なシスターが担架を片手で軽々担いで持ってくる。その怪力は相変わらずのようで。……シスター・ヒナタ、ヒナタちゃんまでここにいるとは。救護騎士団といい、この準備のよさ、まるでこちらの事情が筒抜けだったかのようだ。一体誰がここまでの根回しを? ……否、今は考えるのは後回しだ。
コハルちゃんを担架に乗せると、セリナさんは手際よくコハルちゃんを固定した。
「救急車を用意してあります。他の皆さんも、一応検査しますので乗ってください。違和感や痛みなどはありますか? 特に先生は?」
【私は大丈夫。ハナエがさっきまで意識を失ってたから、そっちはよく見てもらったほうがいいと思う。ハナエ、動けるかい?】
「ハナエちゃんが……!?」
ハナエちゃん、大丈夫ですか? 気持ち悪いとかありますか?
セリナさんがそう聞くが、ハナエちゃんは何も答えられず、ただただ震えるばかりだった。 - 82125/02/24(月) 21:52:48
「ハナエちゃん……? 何があったんですか?」
「……少しばかり、ショックな出来事がありまして、それで……後で聞いてあげてください。ハナエちゃん、動けますね?」
ハナエちゃんが小さく頷いたのを確認して、私はセリナさんに行動を促す。セリナさんも首肯して、マリーちゃんに声をかけた。
「では行きましょう! マリーさん、そっち持ってください」
「わかりました! ……持ちました!」
「せーので持ち上げて運びます! せー、の!」
マリーちゃんとセリナさんに持ち上げられて運ばれていく、コハルちゃんを載せた担架。私たちはそれについていく。倉庫内にはシスターフッドの所属だろう複数台の車両が止まっており、その中に1台、救護騎士団の救急車も停まっていた。赤と白で彩られた装甲をもち、防弾ガラスに換装した、大型の武装救急車だ。
大きめの車内は、運び込まれた担架と私たちが乗ったことであっという間に満員となった。
「移動します、出してください! ヒナタさん、先導をお願いします!」
『りょ、了解です! よ……予定通りエスコートします、ついてきてください!』
他の車両にシスターたちが乗り込み、静かに走り出す。その後を、私たちの乗り込んだ救急車がついて行った。その後ろにも、別のシスターの車両がくっついて走っている。まるで護送だ。 - 83125/02/24(月) 21:53:49
「びょ、病院へ行くにしては物々しい車列にですね……」
「病院には行きません」
「そ、そうなんですか――はい?」
改めてコハルちゃんの処置を行いつつ、なんてことのないように告げてきたセリナさんに、ヒフミちゃんの目が点になる。病院に行かない? この状態のコハルちゃんがいるのに? ……ならどこへ?
「悔しいですが、ミネ団長のいない今、通常の病院ではティーパーティーの謀略を防げない可能性がありますから。……なので、ティーパーティーでも手出しできない場所に、特別に医療設備を用意してもらいました。そこで治療にあたります」
【ティーパーティーでも手出しできない場所?】
「――シスターフッドの本拠地、トリニティ大聖堂地下……ティーパーティーでもそうやすやすと手を出せない、秘匿領域です」
「ぶ、部長……なんか話がさらに大きくなってない?」
「……どうしよう。流れでつい乗ってしまったが……今猛烈にゲヘナに帰りたくなっているんだが」
帰っていいか? 私とメグはケガしてるわけでもないし。
そんなことを宣う鬼怒川カスミの脇腹を抓っておく。ここまで来たからには一蓮托生です、逃がすわけないでしょう。
それにしても、あのシスターフッドがここまで大きく動くとは……間違いなくサクラコさんが絡んでいるが、何故ここまで? ……まさかコハルちゃん、サクラコさんとまで深い仲なんですか? ……あり得るな、コハルちゃんなら。
友人のとんでもない交友関係の広さに、半ば呆れを覚える私だった。 - 84125/02/24(月) 21:57:01
ひぃん思ったより早く卓の準備が終わったんで、余った時間で書き上げられた分だけ更新しとくよー続きはまた後日……
- 85二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 21:58:33
頼れる仲間が続々と増えるよ!
状況が好転しているのかは全くわからんが… - 86二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 22:51:33
シスターフッドの主要人物全員「コハルの友人」でつなげられそうな件
- 87二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 23:09:30
……ある意味ミネ居なくて良かったまであるな
居たら多分キレてた……内心ブチギレてるの多いとは思うけど - 88二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 23:17:16
シスター・フッド、救護騎士団は補習授業部、温泉開発部と合流か
残ったティーパーティー、正義実現委員会、図書委員会、スイーツ部、自警団はどうなってるか気になるところだけど… - 89二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 08:13:56
ほ
- 90二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 08:18:36
正実組が今のコハルの状態知ったらやべえだろうなあ…
- 91二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 08:39:20
- 92二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 16:52:52
ついで乗車して後悔してるメグとカスミが可愛い
- 93二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 22:08:24
分かる…
- 94二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 22:09:05
保守
- 95二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 23:10:40
>>「よ・・・・・・予定通りエスコートします、」
"予定通り"ねぇ
コハルの容体もしくは最低でも試験会場で何かあったことをモニタリングから把握してるはずのナギサ様以外で容体(or何かが起きたこと)を知ってるのは、温泉開発部とトリニティに移動中の自警団with様子のおかしい美食研だけなはず
一体どこまでコハルの容体のことが漏れてるんだか、、、
- 96二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 23:22:39
- 97二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 07:58:59
あー、なるほどウイか…
- 98二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 17:02:10
続き待機!
- 99二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 17:11:39
患者第一に行動するから一周回って冷静かも
- 100二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 01:21:57
ウイもどこまで動いてるのか気になるね
- 101二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 08:00:21
ミネ団長ならいざという時は冷静に行動してくれるとは思うが…
- 102二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 16:25:10
万が一にこのコハルが亡くなったとき、トリニティでもめちゃくちゃ見晴らし良いところに墓建てられるんだろうな。
- 103二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 16:27:14
見張らしは良さそうだけどトリニティの見張らしは悪くなりそうだよね………トリニティ外にも見張らし悪くなる所ありそうだけど
- 104二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 16:33:48
コハルちゃんのヘイローが割れてなお政治に利用するんですか? って凄まじく反発が出そうだ
- 105二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 16:40:09
コハルがいなくなったらトリニティの滅亡不可避っぽさそう…
- 106二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 16:44:31
- 107二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 18:37:49
至極当たり前のことなんだけどハナコの内心が荒みまくってトリカス仕草も制約解除されておる
- 108二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:04:53
朝まで
- 109二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 08:12:44
- 110二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 08:15:09
- 111二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 15:04:03
保守授業部
- 112二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:34:22
守
- 113二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:36:05
このレスは削除されています
- 114二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 09:58:56
わかる
- 115二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 16:21:05
ハッピーエンドになるよね……?
なるかな…… - 116125/03/01(土) 20:18:28
- 117二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:12:21
保守授業部
- 118二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 01:06:11
ハッピーエンドに至るまでの過程が茨の道なんだろうなぁ
- 119二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 08:30:58
- 120二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:38:56
hosyu
- 121二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:40:55
このレスは削除されています
- 122二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:01:01
思ったんだけどここのコハルって便利屋68と知り合いになっててもおかしくないな
(依頼でトリニティに来たところ、コハルが倒れているのを目撃したアルがコハルを介抱して…みたいな) - 123二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 22:05:14
保守授業部
- 124125/03/02(日) 23:24:06
石造りの部屋。言葉尻だけでいかにも暗く、冷たい雰囲気をしているその部屋は、今はそれにそぐわぬ近代的な機器で満たされていた。照明が明るく内部を照らし、暖房がたかれて十分に暖められた中では、ピッ、ピッ、と、規則的な機械音だけが木霊している。その音に合わせて、モニターには特徴的な波形が表示されていた。
他にも様々な機械に取り囲まれ、いくつもの管に繋がれた小柄な少女は、処置が終わった後も意識が戻らぬまま、昏昏と眠り続けている。
そんな彼女を、私は傍で見つめていた。時間が許すまで、ずっと。
「コハルさん……」
――何故貴方が、こんなにも責め苦を受けねばならないのですか。
手の中で握りしめたロザリオが、軋んだ音を立てた。 - 125125/03/02(日) 23:24:57
時は少し前に遡る。
トリニティ大聖堂。トリニティが有するいくつかの聖堂、その中でも最も大きい聖堂であり……トリニティ創立から数えて一二を争うほど歴史の長い派閥、【シスターフッド】の本拠地でもある。
【シスターフッド】。構成員のほとんどが"主"を信仰する修道女で占められた、女子修道会。その活動内容は、生徒たちの懺悔を聞くなどのカウンセリングや、ミサを通しての啓発活動など、如何にもシスターらしい慈善活動を中心としている。だがたかがシスターと侮ることなかれ。トリニティにおいて、ティーパーティーの管轄下にない独自の指揮系統、情報網、そして武力を有しており、数多の派閥の中でも一際強大な発言力を持つ派閥である。最も、政治活動への不参加を明言しており、これまでそれらが公に行使されたことは一度もなかった。……少なくとも、これまでは。
そんな派閥の根城、トリニティでも有数の荘厳さと知名度を誇る建造物、その地下にて、私たちはコハルちゃんの処置が無事に終わるのを待っていた。石造りでできた如何にも年代物な通路は空気が冷え切っており、それを示すかのように、時折ヒフミちゃんが二の腕を擦るのが見える。
実は一度、マリーちゃんやヒナタさんにも、別室で待っていたほうがいいのでは? そちらのほうが暖かいからと勧められたのだが、皆断っていた。コハルちゃんからあまり離れたくなかったのだ。少なくとも私は。補習授業部の皆もきっとそうだ。ついでに温泉開発部の2人も残っていたが……こちらは単に完全アウェーの地で知り合いから離れて孤立したらどうなるかというリスクを嫌っただけだろう。まあ気持ちは分からないでもない。シスターフッドには物騒な噂がいくつかあるし、実態が不透明なところもちらほら……トリニティ内でもそんな評価なのだ。その総本山に、ゲヘナの人間が自分たち2人だけときたなら、それはもう下手に私たちと別れるのは避けるだろう。 - 126125/03/02(日) 23:26:02
シスターの方々が持ってきてくれた、いくつかの簡易ベンチに腰掛けた私たちは、通路の先に消えていったセリナさんをただひたすらに待ち続けた。この先の部屋で、コハルちゃんが処置を受けている。出血を止めはしたが、如何せん強引な手法だったため処置が難航しているのか、ここに運び込まれてから既に2時間が経過していた。
ヒフミちゃんは相変わらず二の腕を擦り続けている。恐らく寒さだけではない、胸中の不安を誤魔化すためにしているのだろう。見かねた先生がコートを貸してくれて、それを羽織ってはいたが……それでも頻度は減らなかった。その隣で、アズサちゃんが目を伏せて床を見つめている。その顔色は、普段に増して白く見えた。向かい側ではマリーちゃんが両手を組んでひたすらに、真摯に祈り続けており、その姿はまさに模範的シスター。ヒナタさんも一緒になって祈っていたのだが、つい先ほど別のシスターの方に呼ばれ、後ろ髪を引かれるような表情で退席していった。残る温泉開発部の2人だが、流石にメグさんも空気を読んだのかこの通路に来てから黙ったままで、鬼怒川カスミも目を閉じて黙り込んでいた。何か思索に耽っているようだ。
そして、先生。この中で一番背が高い人影は、立ったまま、通路の先をじっと見続けている。沈痛な面持ちで、ずっと。
「……先生。お座りになった方が……たち続けるのはしんどいでしょう?」
【ありがとう、ハナコ。でも大丈夫。生徒が苦しんでいるのに、座ってなんて居られないよ】
自嘲気味に微笑んで、先生はまた通路の先を見つめた。
さらに待つことしばし。そろそろ3時間が経とうかというところで、通路の先の扉が開かれた。中から待ち望んだ人が現れる。
「! セリナさん!」
【セリナ!】
その人、救護騎士団のセリナさんはとても疲れた様子だったが、私たちを一目見てにこりと変わらない笑みを浮かべた。 - 127125/03/02(日) 23:26:35
「皆さん、こちらでお待ちになっていたんですね……寒かったでしょうに……」
「あ、あはは……これくらいはなんてことありませんから……それよりも、コハルちゃんは……?」
強がりつつも容態を尋ねるヒフミちゃんに、セリナさんは笑って返事を返した。
「とりあえず、処置は終わりました。重度の火傷だったのと、例の薬剤を抜くために、血液をある程度入れ替えたのもあって時間が掛かりましたが。少なくとも、命の危険はもうありません」
出血量が多かった分、薬剤もある程度抜けていて、反動がなかったのも幸いでしたね。不幸中の幸いですが。
そう占めるセリナの言葉に、誰からともなく深く息を吐いた。張り詰めていた空気が、ようやく緩んだ瞬間だった。
「よ、よかった……ううぅ……よかったです、本当に……」
「――うん。よかった、本当に。……ヒフミ、大丈夫か?」
「大丈夫……うぅ、本当によかった……コハルちゃん……」
足から力が抜けたのか、涙声でヘナヘナと床に崩れ落ちるヒフミちゃんに、やっと顔に血色が戻ってきたような気がするアズサちゃんが声を掛ける。
「ああ、よかった……主よ、感謝致します……セリナさん、本当にありがとうございました」
【私からもお礼を言わせて。ありがとうセリナ、本当に、ありがとう】
「マリーさん……先生も、そんな……頭をあげてください。これが私の使命ですから」
それに、コハルちゃんとは長い間親しくさせてもらっていますし、私が助けられたこともあります。これくらいは当然です。
そう言って、セリナさんはニッコリと笑顔を見せた。本当に……彼女には感謝してもしきれない。 - 128125/03/02(日) 23:27:12
「ありがとうございました、セリナさん。恐らく無理だとは分かっていますが、コハルちゃんに会うことは……?」
「まだ術後間もないですので、流石に……意識も戻っていませんし。しばらくは面会謝絶とさせてください。それに……コハルちゃんを優先していましたが、これから皆さんも検査を受けてもらいますので。特に、先生は」
まあだろうなと思ってはいた。それでも今のコハルちゃんの様子を確認したくて質問したのだが……救護騎士団の次期団長と目される彼女の施術だ、きっと大丈夫だろう。
パンっと、マリーちゃんが注目を集めるために手を叩いた。
「もう朝日が昇ってからしばらく経ちます。皆さん昨晩から休む間もなく動き続けて大変お疲れでしょう。検査をしたあと、しばらくお休みなさってください。ここなら安全ですから。私が保証します」
「そうですね……色々と質問したいことが山程ありますが……」
そっと周囲を見回す。当然だが、皆疲労の色が濃い。今までそれどころではなかったので気にしていなかったが、ようやく落ち着いた今、私自身もかなり疲弊していることに今になって気づいた。……うん、少し休んでから改めて問い質しても問題はないだろう。
「先に休んでからとしましょうか。ではセリナさん、皆さんに検査をお願いできますか」
「簡易検査なので、そうお時間は取りませんから安心してください。皆さん平均的なキヴォトス人ですから、ダメージもそう残っていないでしょうけど、念の為というだけなので。ではコチラへどうぞ」
「あー、もしかしてだが、その検査は私たちも受けるのか?」
「いえ貴方がたは別です」
「あー、うん。わかった。色々とな」
セリナさんに案内されて、私たちは通路から移動した。人気のなくなった地下通路には、ただ静けさだけが残った。 - 129125/03/02(日) 23:29:21
そして時は戻る。
本来面会謝絶のその場所で、コハルさんを見続ける。セリナさんに無理を言って通してもらい、こうして見に来たが……正直、とても痛ましい光景で、目に堪えない。
「……ハナエさんから、本人曰く懺悔として、お話を伺いました。あの時、咄嗟に庇われたのだと……」
意識のない当人に喋り続ける。聞こえていないのは百も承知。それでも、いち早く、彼女に伝えねばならないと思ったから。
「……ハナエさんは酷く憔悴されていましたが……それでも貴方に、ありがとうと。……助ける側なのに助けられなくてごめんなさいとも、言っていましたが……彼女に罪はないと、私は思います。そしてそれは、貴方も同じです。コハルさん」
あなたの献身は、決して間違ってはいないと。……無論、こういった自己犠牲ばかり選ばれても周りが悲しむので、ほどほどにしてほしいという気持ちもあるが。
「……初めて会ったときから、貴方はとても心根の優しい方でした。あの日、シスターフッドの集会で、代理を快く引き受けてくださった時から、ずっと。それから交流を深めていく中で、私の悩みも真摯に考えてくれて。あなたにとっては何でもないことでも、私にとっては心強い支えでした」
何故か周囲に誤解されがちで、おかしな噂すらよく流れる上、身内には畏まられてこれまた上手く交流できない。そんな私に物怖じせず、一人の、普通の人間として扱ってくれたのは、ここ数年で貴方くらいだったのですよ。それが、私にとってどれほどの救いとなったことか。
「そんな優しい、何の罪もない貴方が、ここまで傷つけられるなど――そんなこと、許されていいはずがありません」
ウイさんから事の次第を聞いた時の、私の気持ちがわかりますか? 初めて感じたほど大きな、焦りと、悲しみと、怒りと……貴方に二度と会えないのではないかという、絶望が。
「……安心してください、コハルさん。貴方を傷つけた者、諸悪の根源には、必ずや天罰が下るでしょう。主は貴方の行いを見ていますから。……もしくは……」 - 130125/03/02(日) 23:30:00
グッと、手の中のロザリオを再度握り、私は振り返ることなく声を掛ける。背後で黙ってコハルさんを見つめていたもう1人に。
「――シスターフッドは、以後全面的に協力します」
「……よろしいので? アレだけ渋っていたと言うのに……」
「事ここにきて、もはや中立を保つ意義もなくなりました。あまり血を流したくないのは変わりませんが……それでも、罪なき人が傷つけられる今のトリニティには、根本的な改革が必要です。――例え、幾らかの血が流れるとしても」
「……まあ、私としては助かります。事態の規模からして、これまでの貸し借りの清算だけでは済みませんでしたからね。図書委員会としましては」
コツコツと、硬い足音がこちらに近づいてくる。私の横をすり抜けて、彼女はコハルさんの頬にそっと手を伸ばした。割れ物でも触るかのように、そっと。
「こんなに、冷たくなって……」
もともと体温が低いとは聞いていたが、恐らくまだ心拍が安定していないのか、普段のコハルさんよりも冷たく感じたらしい。労わるように優しく頬を撫ぜた彼女は、ふっとぎこちない笑みを浮かべた。……彼女の人間味のある表情を、今初めて見た気がする。
「今は、ゆっくり休んでください、コハルさん。後のことは心配しなくていいですから。3次試験までには片をつけますので」
優しい声色でそう声をかけた彼女は、ゆっくりと手を離し、私の方を振り返る。その時には、彼女の表情はもう普段の仏頂面に戻っていた。 - 131125/03/02(日) 23:30:26
「補習授業部の方々が起き次第、会議を開きます。特に浦和ハナコさん、彼女の力は必要です。最小限の犠牲で済ますなら、の話ですが」
「温泉開発部の方々も一緒にいらっしゃったと聞きましたが、彼女たちは?」
「……黒幕で犯人です、と言うならこの場で串刺しにして終わりなんですが、そういうわけではないのが面倒ですね……例に漏れず狸の部類なのが事更に面倒です……いっそ思いっきり巻き込んでしまうか……」
何でこんなのばっかり集まるんですかね私の周り。と、ブツブツ呟きながら思索にふける彼女。その横を歩く私。歩幅も思想も別物だったが……一つだけ、一致するものがあった。先ほど抱いた、強い決意。
――この報いは、必ず受けさせる。必ず。 - 132125/03/02(日) 23:36:03
お待たせしました、約束通り更新だよー
コハルを見つめる二人……一体何者なんだ()
とりあえず命の危機は去ったよーよかったね~コメ欄で懸念されてたお薬の反動も出血多量であらかた抜けてたから起きなかったというオチ。なお起きたら普通に死んでいたという。
※この1に医学知識はありません、ふわっとお楽しみくださいふわっと。
次回はちょっと視点を変えて、久々にスイーツ好きな一般トリニティ生たちの登場だよー……なんか、ティーパーティーに用があるんだって。なんでだろうね? - 133二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:37:28
トリニティ内乱編の気配が漂いますね… 一般生徒が壮大に吹き上がるような…
- 134二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:09:06
いやもう、ティーパーティー包囲網完成してるじゃんこれ
ナギサどころの問題じゃないよ、ティーパーティーそのものが壊滅危機だよ - 135二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:21:15
ナギサは情状酌量の余地があるけどミカがヤバいか
それとサオリね、先生に加えてコレだから… - 136二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:25:07
ミカはまともに戦う場合ツルギの参戦を前提にしないと泥仕合になりすぎる
ここから向こう側の情報工作はさてどうなる…… - 137二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 01:34:03
3次試験までには片をつけるとのことだけどどのように仕掛けるつもりだろうねぇ…
- 138二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 07:25:48
このタイミングでスイーツ部か
一体何が飛び出すのやら…… - 139二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 07:39:12
やべーよやべーよブチギレだよ
ミカ本人が出てないからあくまで仮にクーデターは予想してたらだけど
ミカ→正義実現委員会からのクーデターは予想してるが他を想定してない
アリウス→クーデター起これば勝手に戦力が減る、クーデターの規模がでかい程美味
とゆうミカ的にはヤバイ誤算、アリウス的には嬉しい誤算
なのでは?ってなってる - 140二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 09:41:07
最初は「病弱なコハルが最終編で抵抗してる時に生死をさまようくらい必死になってるところが見たい~」で始まったはずなのに
エデン3章の時点ですでに何度も死にかけてる・・・か弱きすぎる命・・・。 - 141二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 09:43:45
某作のヤンデレ依存の対象が先生からコハルに移った感
- 142二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 15:10:13
- 143二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 21:37:36
誤解されがちでよくおかしな噂が流れる人ねぇ
一体誰のことだかさっぱりわからんなぁ(すっとぼけ)
情報回したのはウイで間違いなさそうだけどウイは一体どこからどうやって情報を手に入れたんかな
更新感謝の保守 - 144二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 05:41:17
やっべ…まじやべぇ…
- 145二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 10:34:08
病弱(どころか虚弱)なコハル、ちょっと癖に刺さる。
コハルの体調管理をずっと見続ける救護騎士団の生徒か、死に窮するコハルを見つめ続ける死神になりたい…。 - 146二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 11:16:26
- 147二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 15:34:16
- 148二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 23:37:57
なんそれ
- 149二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 07:45:21
ちょっと気になる…
- 150二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 11:40:49
- 151二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 16:37:35
- 152二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 22:44:51
何それ凄く気になる…
- 153二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 22:47:46
正実がコハルの現状知ったらどうなっちゃうんやろ
- 154二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 22:48:50
- 155二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 23:45:40
政治と関わりの薄かったスイ部がどう動くのか気になる
- 156二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 00:32:34
- 157二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 07:45:44
あり
- 158二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 10:54:23
『今にも倒れそうな瀕死の身体で、必死に誰かのためになろうと頑張ってる』
という意味ではコハルもプレ先も似た者同士だね♡
救いはありませんか? - 159二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 18:23:00
護
- 160二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 18:27:28
ここのコハルはトマトジュース飲んでそう
なんか心臓にいいらしいし - 161二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 18:44:14
- 162二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 20:43:21
- 163二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 21:20:11
- 164125/03/06(木) 21:45:19
>160
そして喉に引っ掛けてむせるまでがワンセット
ひぃんなんか面白そうなネタが出て盛り上がってたからほんへの箸休めに閑話書いたよー
数時間クオリティだからそんなに期待しないでね―
- 165125/03/06(木) 21:46:12
コツ。コツ。
硬い床を叩く靴音。その発生源は、ゆっくりと、しかし静かな足取りでもって、歩みを進めていた。
コツ。コツ。
歩みに合わせて、身につけたドレスのフリルが揺れる。膝上までスリットが入っていたり、ガッツリと開いた胸元から立派な谷間が見えていたりと、何処か扇情的な装い……しかし、全体的に配色が黒いからか、はたまたその人物の雰囲気がそうさせるのか。舞踏会というより、まるで葬儀で着る喪服のようにしか見えなかった。
コツ。コツ。――コツ。
未亡人。そんな言葉が相応しいだろう雰囲気の彼女は、やがてとある部屋の前で歩みを止めた。しばし動きを止め、扉を見つめ……静かに、ドアノブに手をかける。扉は特に抵抗もなく開き、彼女にその全貌を顕にした。
扉の先は、一言で言うなら病室だった。全体的に白い部屋。中央に、大きめのベットが一つ。その脇にはいくつかの機械が据え付けられていたが、どれも液晶に明かりは灯っていない。もう機能を停止して久しいようだ。そしてそれらを覆い隠すためのカーテンは、今は開かれている。まるで、最後の来客を待っていたかのように。
「――ハスミ先輩?」
可愛らしい声が病室に響く。ベッドに座っていた住人が、こちらに目を向けていた。カタツムリが描かれたパジャマに身を包んだ、ピンク髪の小柄な少女。肩にカーディガンを羽織っている。
「……いや、違うみたいね。ごめんなさい。大柄な人だとつい勘違いしちゃって……」
もう、よく見えなくて。
その瞳は、白く濁っていた。 - 166125/03/06(木) 21:47:31
こっちに座って? 立ち話もなんだから。
その言葉に従って、素直に彼女の隣に腰を下ろす。もはや、私自身が目的を果たす必要もないから。単なる時間潰しだ。
「――もう、生きている人は私だけだと思ってた。誰も……もう誰も、返事をしてくれる人はいなかったから。あとは1人、ここで朽ちていくだけなんだなって」
でも、あなたが来た。
そう言って、少女は小さく笑みを浮かべた。その視線は、私を捉えようとしてどこかを彷徨っている。朧げにしか見えていないようだ。
よく見れば、それ以外にも不自然な点はいくつもあった。翼人としては珍しい部類である、頭のも生えた羽根は色が抜け落ちてしまったのか、根元に少し黒を残すばかりで、あとは漂白したかのように真っ白だ。腰の翼も同様で、なんならところどころ羽毛が抜け落ちて地肌を晒してすらいる。息はか細く、声は震え、こうしている間にも息の根が止まってしまいそうだった。今ベットに腰掛けているのも、殆ど気力を振り絞っているらしく、そのうち力尽きるだろう。
一言で表すなら、まさに"今際の際"。次の瞬間には世を去っていてもなんら可笑しくない様子の彼女こそが、この世界最後の生存者だった。私がここに来た目的であり……それはまもなく果たされるだろう。私の手を介すことなく。
「……私は、"色彩"の尖兵。この世界に死をもたらす神。死の神アヌビス。――貴方以外は、皆私が殺した」
「――」
「そして貴方も、ここで死ぬ。私がそうするはずだった。……もう、手をかける必要もないようだけど」 - 167125/03/06(木) 21:48:34
「――そっ、か。…………貴方が、皆を……」
暫くの沈黙。衝撃で息を止めた彼女は、どうにかそのまま息絶えることなく言葉を続けた。
……怒り、憎しみ、嘆き。私が見てきたのは、すべからくそんな反応だった。それを意に介すことなく、私はこの世界の全てを終わらせた。それが、私の運命だから。世界を終わらせることこそが、私の本質。避けられない定め。
「――辛かったね」
だから。そんな言葉をかけられた時、思わず目を見開いてしまうのも仕方のないことだった。
「……辛、かった?」
「うん。声でわかる。貴方、きっと優しい人だもの」
なのに、"色彩"とかいうのに駒にされたんでしょう? それで皆を殺した。……それについては思うところが沢山あるけど、貴方自身も辛かったんだろうなって。
……。何を。何を言っているのだ、こいつは? - 168125/03/06(木) 21:50:09
「私は――私は! 貴方の知人も、友人も、全員殺した! 貴方の先輩も、同級生も、皆! なのに、何で責めないの!?」
「……。――貴方を責めても、誰も帰ってこないから。貴方を吊るし上げればみんな帰ってくるって言うなら、そうするかもしれないけど、そうじゃないでしょう? これが一つ。――二つ。貴方の自由意志による行動なのか判断ができないから。さっき、"色彩"の尖兵って言ったわよね? 申し訳ないけど浅学だから、聞いたことのない単語だったけど、何らかの意思を持っていて、それが世界を滅ぼしたがってるってことは口ぶりでわかる。その尖兵ってことは、あなたの意思が歪められている可能性を否定できない。あなたの意思でないなら、それは色彩の意思。貴方は単なる実行役でしかない。包丁で怪我させられたからといって、包丁そのものを憎む人はあまりいないでしょ? ……3つ。あなたが優しい人だから。こうやって、殺そうとした人間の最期を見届けようとしてる。初手で撃ち殺せばすぐ終わるというのに……そんな慈悲ある人が、皆を手に掛けた。掛けざるを得なかったんだと思ったら、怒りより先に同情が来ちゃった」
……まだ必要? 長台詞に疲れたのか、肩で息をする少女に、私は開いた口が塞がらなかった。
「……狂ってる」
「世界滅ぼした人に正気を疑われるとは思わなかったわね」
クスクスと可笑しそうに笑った彼女は、やがて不思議そうに小首を傾げた。その白濁とした目は、私が居るだろう方向に向けられている。
「でも、よく私が生き残ってることに気づいたわね。ここはキリちゃんの遺したセーフハウス、知る人は殆どいないのに」
「……私はアヌビス。死の神アヌビス。どれだけ隠蔽していても、生者の気配はわかる」
どこに隠れていようとも……それこそ、別空間、別次元に潜んでも、私(死)からは逃れられない。 - 169125/03/06(木) 21:50:58
「そっか。凄いね。……あなたが気づいてくれて、正直よかった。最期の時までひとりぼっちのままなのは、流石に寂しかったから」
これで、安心して逝ける。
少女はそう言って、私にもたれ掛かってきた。もう身を起こす力もないのだろう。その体は、小柄なことを考えてもなお軽かった。まるで、もう魂しか残っていないかのように。
「……少し、眠くなってきちゃった。ねぇ、眠るまで、あなたの話を聞かせてくれない?」
「……私の?」
「うん。貴方がどんなふうに生きてきたのか、冥土の土産にするとでも思って」
もうすぐ死ぬ人間だもの、人に言えないこと、タブーなこと、何でも話せるよ。
そう言って、彼女は微笑んだ。……何故だろうか。態々話す必要もないというのに、自然と口が勝手に開いた。
「私には、昔の記憶がない。だから、私の……"砂狼シロコ"としての人生は、あの日先輩に拾われてから始まった」
ただ寒くて、お腹がすいていた。それが最初の記憶。飢えた獣同然だった私を、拾って人にしてくれた人。ホシノ先輩。ノノミ。3人で生きる内に、いつの間にかできていた後輩。セリカ。アヤネ。あの借金しかない砂漠で得た、かけがえのない、私の宝物。……そして、先生。このキヴォトスで唯一無二の、まともな大人。私の、大切な……。
――全部。全部、私が壊してしまった。 - 170125/03/06(木) 21:52:15
「――先生が意識不明になって。セリカが行方不明になって。ホシノ先輩が全部背負い込んで、おかしくなって、暴走して……ノノミとアヤネを……私が……私が、先輩を……先輩を、殺して……」
「うん」
「みんな、皆。私のせいで、皆苦しんだ。私がいたから……わたしが、アビドスにいたから……なすべきことをやり通せもしない、そんなわたしが……」
ポツリポツリと。言葉の奔流にあわせて、目から涙がこぼれ落ちる。膝が濡れて冷たい。こんなにも暴露するつもりは無かったのに、言葉があふれて止まらなかった。
「わたしさえ、いなければ―ー」
ピトリ。
私の頬を、小さな掌が触れた。生者のものとは思えない、冷たい感触。ぎこちなく、探るように動いて、私の目元を拭った。
「……泣かないで」
最後の力を振り絞ったのだろう。手が離れると同時に、私の膝の上に少女が倒れ込む。白濁とした瞳が上を……ちょうど私の顔を下から覗き込んだ。
「きっとあなたの先輩も、そう言うと思うから」
本当に、優しい人。そんなになっても、涙を流せるなんて……。
そんなことをのたまう。私が、優しい?
「……話聞いてた? 私のせいで、皆死んだ。アビドスの皆。この世界の人たち。貴方の、知人や友人も……」
「聞いてたよ。……いや、もしかしたら聞こえてない部分もあるかも。もう大分耳が聞こえなくなってきたから」
死が目前に迫っている少女。その命の灯火は、もう消えつつある。それでも――その一欠片さえ惜しまないとばかりに、少女は言葉を紡ぎ続けた。 - 171125/03/06(木) 21:53:40
「……自分の恩人を殺して止めて、大切な人も皆いなくなって。周囲は皆敵ばかり、悪いことばかり重なって、挙句の果てには色彩なんてよくわからないものにすら弄られて。それで皆を手に掛けた。それでもなお、後悔し続けて涙を流せる。悪いのは周囲ではなく、自分だと嘆く。そんな人が、優しい人でなくてなんだと言うの?」
「……」
「今はまだ、分からないかもしれない。狂人の戯言だと思うかもしれない。でも、私の全てを賭けてもいい。いつか、いつの日か、きっと。今の貴方を認めてくれる人が出てくる。貴方の罪を、赦してくれる人が現れる。どんなに人生辛くてどん底で、希望なんて見えてこないくらいお先真っ暗でも――いずれ、光は差し込むから」
人生最初から人よりもハードモードで……それでも、間違いなく幸せだった私が言うんだもの。絶対間違いないわよ。
そう言って、彼女は笑った。最早知人も友人もいない、果てはこうして死神と二人きりで最期を迎えるというのに、幸せそうに。
「この世に、赦されない罪なんてないの。シロコさん――優しい貴方なら、いつかきっと、幸せを得られるよ。生きててよかったって、そう思えるくらいに。……そうなるように……祈ってるから……」
そう言って、彼女は目を閉じた。まるで、神に祈りを捧げる聖女のように。
「……そんなの……そんなの、あり得ない」
だって、先生は蘇生不可で。先輩は、私が殺して。ノノミも、アヤネも、セリカも、皆皆失って。なのに借金は減らなくて。何かも投げ捨てて諦めて……その果てに、世界も、こうして滅ぼして。
「勝手なことを言わないで! 貴方に何が――」
叫ぼうとして、口を閉じる。……もうこの場に、言葉が通じる者は私一人しかいなかったから。
「好き勝手、言うだけ言って……勝手に逝かないでよ……」
膝の上の彼女は、もう反応することはなかった。 - 172125/03/06(木) 21:54:26
最早誰もいない、秘密の隠れ家。その横に、真新しい墓が立っている。墓、と言っても、土を盛って石を突き立てただけの、簡素なものだけど。
「……」
こうすることに意味なんてない。そもそも、もうこの世界に生者は私を除いて誰ひとりいない。墓なんて建てたところで、もうお参りする人もいないのだ。無駄な行動。……なのに、自然と手が動いていた。
「……おかしなやつ」
知人も友人も殺されたというのに、殺した相手を優しいなどと形容して。そんなやつの身の上話を聞いたうえ、そいつを庇うなどと。お人好しというか、狂人というか……。
「……」
その手に握ったものを眺める。M1917エンフィールド。ベッドの傍に立てかけられていた、恐らくは彼女の愛銃。黒い布に包まれ保管されていたそれは、あまり撃った形跡こそなかったものの、普段から大切にされていたようで、しっかりと手入れがなされていた。本当なら一緒に墓に入れるべきなのだろうが……
しげしげと全体を眺めた私は、それを自身の背に背負う。言い逃げしていった意趣返しだ、貰っていこう。せいぜいあの世で愛銃が見つからず困り果てるといい。まあ向こうで銃を撃つ機会もないだろうが。
徐ろに墓を見る。適当な石を突き刺しただけの、乱雑な墓。誰が眠っているのかすら分からない、墓とすら言えない何か。……せめて、名前くらいは書いてやるべきだろう。そう思って石に名を刻もうとして気づいた。こいつの名前、聞いてない。
……少し悩んで、ガリガリと石に刻み込んだ。
『優しい人、ここに眠る』
散々人を優しいと言ったからには、そちらも言われる覚悟くらいしているだろう。これでよし。 - 173125/03/06(木) 21:55:00
……もう、この世界でやるべきことは終わった。この世界はすでに滅んだ。もう、人はいない。ならば、行かなければ。他の世界にも、終焉を。それが色彩の望み。――それが、私の運命。
その時、もう誰もいないはずの世界に、命を感じ取った。……これは。
「――先、生?」
あり得ない。だって、あの人は、蘇生不可能だと……もう死んだはず。ううん、死んでいなきゃおかしい。さっきまで確かに、命は一つとしてなかったのだから。彼女が最後だったのだから。
「……行かなきゃ」
だが、最早そんなことはどうでもいい。どうやって生き返ったかなど興味はない。あの人も、終わらせなければ。それが、私の定め。死の神アヌビスとしての、私の本質。……やはり彼女は間違っている。こんな私が、赦されるはずもない。
「待ってて、先生。貴方を――終わらせる」
空間に穴を開け、私はあの人の元へと向かう。……その後の顚末は、ここで言うことではない。強いて言うなら、結局私は、何も成し遂げられない人間だったとだけ。
こんな私が赦される日は、きっといつまでもやって来ない。全ての世界を滅ぼすその瞬間まで、ずっと。 - 174125/03/06(木) 22:00:31
閑話:いつか何処かの今際の際で 終
色彩によって死の神となったシロコ。彼女が赦される日は果たしてくるのか……全ては、最終編にて。
(実はこの話題が出てくるまで最終編の内容なんも考えてなかったなんて言えない)
ひぃん普段の倍くらいキャラエミュに自身がないよ―エアプクロコになってたらごめんねー
あとごめんなさい事前に注意喚起するつもりがすっかり忘れてたよー一応死ネタに入っちゃうと思うから、読んで気分が悪くなった人がいたらすみません……
本編は日曜とかそのあたりになりそうだよーとだけ言っておくよーひぃん内容が重たくて筆も重いよーたぶん次回更新前に次スレ立てると思うよー
……もう10スレ目、だと……!? - 175125/03/06(木) 22:02:57
- 176二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:03:12
コハルが目覚めてくれねぇとおちおち安心できないよー
- 177二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:23:48
泣いた
- 178二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:38:46
並行世界とはいえクロコともが関わっていたのかコハル...
出会って間もないのに早くもクロコの脳内を焼き付けるとは驚きよ - 179二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:49:08
ん?てことは病弱コハルは全ての世界線で確定してる感じか?
いや世界線収束範囲として病弱コハルがいる範囲なのかな - 180二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 01:35:38
病弱なコハルが居るキヴォトスというバースなんだろう
- 181二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 09:42:51
隣の世界線ぐらいだったら多少違えど病弱なコハルが居てもおかしくないと思う
なんかクロコ世界のコハルは急激に亡くなるってよりジワジワジックリコトコト病が進行していってる感じがする
見方によっては周りへのダメージがでかそう、主に
自分は無力ってなりそうで - 182二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 09:44:55
- 183二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 10:17:54
- 184二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 12:09:22
クロコが先生を撃てなかったのには、コハルとのやり取りのせいで迷いが生じたからとかあるのかもね。
- 185二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 12:15:49
生命維持装置に繋がれながらも自分で終わることを選ばなかった姿、アヤネを先に見てるはずのクロコからしたらとてもしんどい……
- 186二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 15:53:30
エデン条約編でめっちゃ刺さるね…
- 187二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:20:31
- 188二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:24:08
悪いのは子供ではなく世界の方、コハルの病弱なんか正にそうよね
- 189二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 07:12:18
そろそろ次スレだな
- 190二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 07:15:47
あるいはもう自分で選ぶことすらできなくないほど手遅れなのか……
- 191二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 09:49:07
病弱だからあり得ないんだろうけど、戦闘中にコハルの使っていた銃が壊れて「やばい!」って時に、
クロコが>>172で持って行った銃をコハルに投げ渡す場面が見てみたい。
- 192二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 19:32:48
次スレ待機~
ハッピーエンドが待ちきれない… - 193二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 00:23:34
待機
- 194二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 00:37:40
シチュエーションやキャラ言動が、設定や他の作中記述からかけ離れていたり脈絡なかったりで
「あのときは狂っていたから」という作品外での思い付きに原因を求めないといけない時点で
シナリオ自体が未熟なものだったとしか言いようがない
ナギサに限らずマコトもそう、悪役として使い捨てにするつもりでなかったならミカもそうだろう
スレきり替わり時だから書いたしスレ違いだからこのままここで議論する気もない、そのためのスレができたらすると思うけど
- 195二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 08:45:44
次スレ待機!
- 196二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:19:44
待機
- 197二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 00:22:23
- 198125/03/10(月) 00:36:06
ひぃん次スレ貼る前に貼られてたよーありがとねー
- 199二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 00:37:18
たておつうめうめ
- 200二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 00:38:32
続き楽しみ!うめ