- 1文字書き いちか25/02/20(木) 16:38:13
元スレ
【閲覧注意】ここだけアスラン(♀)、ただし|あにまん掲示板bbs.animanch.comこのスレはこちらのアスラン♀のいるハーレム世界線の世界観を引き継いだ三次創作で、元スレでSSを書き足りなかった字書きであるスレ主がまったりお話を投下していくものとなります。
わちゃわちゃきゃっきゃしたりイチャイチャしたり時々シリアスしたり、急に湿度ジットリになったり激重になったりします。
- 2文字書き いちか25/02/20(木) 16:41:32
1スレ目
【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空|あにまん掲示板元スレhttps://bbs.animanch.com/board/3913535/このスレはこちらのアスラン♀のいるハーレム世界線の世界線を引き継いだ三次創作で、元スレでSSを書き足りなかったスレ主…bbs.animanch.com2スレ目
【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.2|あにまん掲示板元スレhttps://bbs.animanch.com/board/3913535/このスレはこちらのアスラン♀のいるハーレム世界線の世界観を引き継いだ三次創作で、元スレでSSを書き足りなかったスレ主…bbs.animanch.com3スレ目
【閲覧注意】アスラン♀ in ハーレム時空 Vol.3|あにまん掲示板元スレhttps://bbs.animanch.com/board/3913535/このスレはこちらのアスラン♀のいるハーレム世界線の世界観を引き継いだ三次創作で、元スレでSSを書き足りなかったスレ主…bbs.animanch.comハーレムは元から女の子のアスランに加えてラクス、フレイ、カガリによるキラの精神安定を確保する完璧な布陣(何やらそれ大丈夫なのかという子も居ますがスルーの方向でお願いします)
タイトルにあるようにアスランがエピソードの中心になりがち、スレ主の趣味と独断でキラアス♀描写多め、他は余り期待し過ぎないように願います。
なお、元スレ主≭スレ主ですご注意ください。
という事で、なんだかんだで4スレ目まで来てしまいました。
どうぞスレ主が気の済むまでの間、この世界線にどうぞ気長にお付き合い下さい。
皆様何卒宜しくお願いします。
また、感想的なコメントなどは随時歓迎。こんなの見たい的なシチュ等もまだまだゆるく募集しております。
勿論こちらの都合もあり総てにお応えは出来ないものもありますので、その辺りは寛容の精神でお願いしますね。
なお、スレ主のモチベ維持の為、これ好き!と思ったらハートだけは是非遠慮なく押してって下さい(切実)
- 3文字書き いちか25/02/20(木) 16:42:22
登場人物(元スレエピローグ時点での状態+スレ主設定)
キラ・ヤマト
このハーレムの主。
夜のコーディネイターレベルは1D100=75(1ほど一般男性寄り100ほど人間の皮を被った人外)
戦後精神を病んで以降、中々けしからん状況になっている。
並列で4人の女の子それぞれに対しかなりグラヴィティな恋愛感情を向けていて、恐らく独占欲は強め
のんびりほわほわしているように見えて愛情だけは超重い旦那様(やっぱり4分割なんて出来なかったんや…だからたぶん4倍…)。
何だかんだで気付いたら完成していたラクス作のハーレムをすっかり受け入れている模様。
現カノ、前カノ、双子の片割れ、幼馴染…って内訳だけを書くと、中々にアレな感じ。 - 4文字書き いちか25/02/20(木) 16:43:19
ラクス・クライン
誰が呼んだか魔王様。正妻の座だけは譲れない。
戦後病んだキラの為にハーレムを作るべく彼が大事にしている女の子たちを集めたある意味震源地。
フレイとは軍師と参謀のような関係で何かと息がぴったり揃いがち。
アスランを妹のように思っており、若干シスコンの気配があったりなかったり…? - 5文字書き いちか25/02/20(木) 16:43:41
フレイ・アルスター
本編と違い死を免れた少女。嫁その2。
キラとはキッパリと決別し、親戚の伝手を頼りに地元へ帰ろうとしていたところを引き入れられる。
どういう訳だかラクスとはいいコンビで、馬が合うのかいつも二人で何かを画策 ( ) している事が多い。
天然やボケ多いせいか、いつもツッコミに回りがち。
キツめの口調の割に何かと絆され易く、気付けばついつい誰かの世話を焼いている。 - 6文字書き いちか25/02/20(木) 16:44:08
カガリ・ユラ・アスハ
言わずと知れたキラの双子の片割れ。嫁その3。
現オーブ代表にしてハーレムのインモラル係数を一人で計測不能の限界値まで押し上げる張本人。
唯一、隠れ家に住み着かず通い妻をしているので不在な事も多い。
一応の常識枠、何かと暴走しがちなラクスとフレイに頭を悩ませている。
性的なものに疎い部分は既に克服済み (?)
実は地味に設定が盛られてエグい事になっているのは内緒。 - 7文字書き いちか25/02/20(木) 16:44:33
アスラン・ザラ
キラの幼馴染で元ザフト。嫁その4。
戦後、放って置いたら死にそう感を漂わせていた事もあって、最終的にラクスによってハーレムへと引き込まれた。
戦いを知らない頃のキラを唯一知る存在であり最大の理解者で、支えるべき彼に依存している重い女でもある。
諸事象から自身に無頓着で女の子らしい服装などを拒絶していた(徐々に緩和中ではある)。
普段の男っぽい口調からは想像しづらいが、中身はかなりの照れ屋で純情。
またキラと命の取り合いをしたというトラウマポイントがある。
尚、未だに女同士の下世話な話には付いていけない事が多い。 - 8二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 16:55:31
たて乙です
- 9二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 17:14:43
おつです~
- 10二次元好きの匿名さん25/02/20(木) 18:36:06
下世話な話について行けるのはいつの日かな?
- 11文字書き いちか25/02/20(木) 18:43:59
- 12文字書き いちか25/02/21(金) 01:18:20
さて、スレも改まりましたのでネタのストックの消化も進めて行きたいと思います
それと衝動的に思い付いた温泉回を優先したので、ウェディングフォトの撮影帰り風景のSS補完も宙ぶらりんになってましたね…
ぼちぼち進めていきます
ちなみにアスランはどの程度の下世話耐性かと言うと、某叡智なトリビアスレくらいのヤツがスッと出て来る女同士の会話に混ざれないで真っ赤になっているのを揶揄われ、姉に微笑ましく見られてるくらいですかね
一応何を思ったかキラからは強烈なのを色々吹き込まないで欲しいという要望がされており(楽しみが減るとか何とかで)結果、揶揄う程度に留めているとか居ないとか… - 13二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 08:22:38
キラも一緒にいたらエグいのをぶっ込めるのかな?
- 14二次元好きの匿名さん25/02/21(金) 16:33:49
保守
- 15文字書き いちか25/02/21(金) 16:50:22
「おはよー、目が覚めた?」
目を覚ますと、暢気にこちらを覗き込むキラと目が合った。
部屋の中はまだ薄暗く、彼の姿以外に誰も居ない。
寝惚けた頭で暫くそれを眺めながら、ふと何故こんなところにいるのだろうと思う。
サイドボードに置かれた淡い灯りと背中に当たるマットレスの感触から、寝ていたのは彼の部屋のベッドである事は確実だ。
確か記憶では居間の方にいた筈なのだが、それが何故か寝かされていて、キラが寝起きの私を見詰めているという状況になっていた。
「……キラ?」
纏らない頭でぼんやりとその顔を見詰め思わず呟くと、彼は返事代わりに私へキスをしてからにっこりと微笑んだ。
そこでやっと寝起きの頭がハッキリしだして来て、慌てて起き上がる。
「ふふっ、やっぱり寝惚けてる顔も可愛いんだよなぁ」
何やら寝起きの私よりも寝惚けた事を抜かしているので、照れ臭さもあってつい軽く手刀を見舞ってしまっていた。
だが彼の方はそんな私を前に余裕のある笑みをニコニコと浮かべるばかりで、毎度ながら釈然としない。
……それはともかく、どうしてこんな事になっているのか。
その経緯は恐らく目の前に居る彼が知っているだろうという事は間違いなく、色々考えるよりも聞き出した方が早そうだった。
「確か私は居間に居たと思っていたんだが?」
思考がだいぶ明瞭になって来たところで私は単刀直入にそうキラへ訊ねた。
目を覚ます直前の記憶を遡るが辿れるのは、前の晩に工学系の論文が掲載されていた雑誌を読み耽っていて少し寝不足気味だったところに引き受けていたハロのメンテをしていて、それが一息ついたのでソファに腰掛けた辺りまでだ。
恐らく人目もなく細かい作業が終わった事もあって、そのままうたた寝をしてしまったのだろうという事だけは想像が出来た。
だがそれは夕方頃の話で、今は時計を見る限り夜半を少し過ぎた辺り。一体どれだけ眠りこけていたというのか。
自らの緊張感のなさに呆れ気味になっていると、キラからはその推測を肯定するような事実が告げられた。
「うん、ソファで爆睡してたからそのまま部屋まで連れて来ちゃっただけだよ。夜は君が来る予定だったしね」
「……お前が?ここまで?」
流石に思わず訊き返してしまう。
「そんなの僕以外に誰かいるのさ?」
聞き捨てならないとばかりに憮然として前のめりで訴えられた。 - 16文字書き いちか25/02/21(金) 17:18:36
真夜中・前編
今回はネタのストックの方から
長くはならないはずなので最低でも前後編、長めに見ても前中後編くらいで終わる予定(そう、あくまでも予定)
幼馴染らしい遣り取りと恋人の雰囲気の間を行ったり来たりする感じのを狙ったお話になります
…まぁ、狙い通りになってるかは別として
下手な事を教えると内容によってはイチャついてる時に支障が出るのが理由らしいので…どうなのでしょう
どうも知識が半端で耳年増という程でもなく無知という訳でもない塩梅だった為、変に自制が利いてるせいか苦労してるとか居ないとか…?
- 17文字書き いちか25/02/22(土) 02:30:02
アスランの朝が弱いというか、寝起きが悪いというか、そういうのは設定そのまま持ち込んでいるのですが
自分がそういう性質ではない為、中々程度が解らないというか…どの程度頭が回らないのかがイマイチ理解出来なくて
書きながら思考ってどの程度アレなのかなぁと、毎度考えているのですよね…
正直、寝惚けてキラを抱き枕にするくらいは一度遣ってみたいのですが - 18二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 11:42:07
保守
- 19文字書き いちか25/02/22(土) 16:04:04
ただ昼間ならともかく、夜には表向きの活動等の為に外へ出ていた大人たちが戻って来ているのだ。
それにそもそも私は彼との体格差なんて大差がない上、自分で言うのもどうかとも思うが他の3人と比べたら上背があるし鍛えている分確実に体重があるだろうと言い切れる。…なので彼女たちならまだしも、私の事を普通に運べるのかと疑問視されるのも道理なのだ。
以前、スタジオ貸し切って写真を撮影した時にもだいぶ見栄を張って抱き上げてくれたりもしたが、あれは持ち上げられるタイミングに合わせたのもあったから出来ただけだと思っている。
そもそも意識のない人間は本来の重さ以上に重量を感じるのもあり、尚更重い筈なのだから。
だからそれを抱えて来たとなると…。
そんな事を考えていると、少し不機嫌そうな声で彼が呟く。
「だいたい君の無防備な寝顔なんて僕以外の男には見せたくもないし、服の上からだって触れさせたくなかったんだよ」
この部屋に運ばれていたのはどうやら彼の独占欲からの意地が理由だったようだ。
「それこそ起こせばよかっただけの話だろう?」
「だってよく眠ってたし、起こすくらいなら寝かせたままにしたくって…」
やせ我慢も大概だと思うのだが、どうせ少しくらい小言を言った程度では反省もしないのだろうな。
そう思うのだが、それでもつい言ってしまうのはもう癖のようなものだからどうしようもない。
「…まったく、お前が意地を張るのは勝手だが、それで腰痛めても責任は取れないからな」
そう呆れる私へキラが嘯いてみせた。
「そんなに重くなかったってば」
「嘘つけ」
咎めるようにそう言って額を小突くと、彼は小突かれた場所を撫でながら嘘は言ってないんだけどなぁと尚も不服そうにブツブツ呟いていた。
そういう、変に意地を張るところは昔から相変わらずだなと呆れながら、私はそっと溜め息を吐く。
それからせめて着替えくらいはしようと収納を開けたところでふと、キラが思い出したようにこちらを見て口を開いた。
「ねぇ、そう言えばお腹空いてない?」
「あぁ…それはまぁ確かに」
曖昧に返事をして着替えを引っ張り出す。
「折角目も覚めた事だし、何か食べた方がいいんじゃない?」
勿論夕食を抜いた状態なのでそれは当たり前の話なのだが、時間も時間という事もあって今から食べようと思えるかと言われると少し考えてしまう。 - 20文字書き いちか25/02/22(土) 16:23:35
真夜中・中編です
たぶん次でちゃんと終わるはず(予定は未定)
今回、裏で1スレ目でカガリが後で説明する、と言っていた事情の部分を書いていました
本来有り得ないインモラルな関係という事もあって、重いというかしっとり通り越してジットリした内容になってます
(人に由っては受け付けないかも)
アニメキャラの体重設定はファンタジーですが(特に20年くらい前だと)
現実的な数字で170cmくらいある女の子の体重を考えると結構あるのですよね…筋肉質寄りだと試算したら最低でも60kgくらいはある計算だったので(それでもまだ軽い方)
それと、お姫様抱っこは抱き上げられる方も協力しないと持ち上がらない、とは他のスレで見ました
しかも持ち上げられる側としては凄く怖いんだとか何とか(下手すると落とされかねないので) - 21二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:51:07
お姫様抱っこは力ないと確かに辛い
- 22二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 00:37:27
- 23二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 10:37:42
保守
- 24二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 18:13:31
待機
- 25文字書き いちか25/02/23(日) 21:28:00
「いや、食事するような時間でもないし、もういっそ寝直してしまった方がいい気がする」
「なにそれ。僕には食べないのは良くないって言う癖に、そうやって普通に食事抜こうとするよね君って」
「…そこは流石に時間帯を考えてくれないか」
尤もな言い分ではあるのだが深夜ではあるし、その辺りは多少大目に見て貰いたいところだ。
とは言え何となく空腹感を覚えたまま、もう少ししたらでいいかと思いながら気付くと数時間どころじゃなく経っていたくらいなら隠れ家に来る以前には散々やっていた事はあるので、多少耳が痛い話ではあるのだけれど。
「どうせラクスのことだから、温め直せば食べられるようにしてあるんだろうが…」
私の事となると途端に構いたがりになる自称姉の顔を思い返しながら言うと、彼もこちらの顔を見てクスクス笑いをした。
「たぶんね」
その後、正直私としてはこのまま寝直してもいいくらいだったのだが、キラはお腹が空いていて食欲があるなら何か食べた方がいいと言って譲らず、結局キッチンの方へと一緒に移動する事になってしまった。
テーブルの付近だけ明るくすると、案の定卓上には覆いを掛けられた夕食が置かれていて
「……キラ、半分食べるか?」
「それもいいけど、僕は君が作ってくれるココアの方がいいなぁ」
こんな時間にしっかり食べる気も起きないのもあって夕食を温め直すついでに何気なく訊いてみると、甘えるような調子でそう答えられた。
それも態々私に強請るとなれば少し手間の掛かる、先に砂糖とココアをしっかり練ってから温めたミルクを入れる丁寧な遣り方で作ったものだろう。
「仕方ないな…」
以前はおやつの時間に強請られてよく作ってあげていた事を思い出し、嘆息しつつも了承する。
そうして温め直した夕食とキラの要望で作ったココアを運んで来ると、彼は既に席に付いて待っていて自分の隣の椅子を勧めて来た。
同居するようになって以降、敢えて自分から彼の隣の席を狙ってた事なんてないので、いつもは大体彼の向かいなのだが…。
「ほら隣、今は空いてるんだから隣に来てよ」
「まぁ…そうだな」
押しの強さに負けておずおずと隣に座ると、肩が当たるほど椅子を近くに寄せて来た。
近い、こんなにくっ付く必要はあるのかと思うほどに。
「ほら、折角温めたのが冷めちゃうよ?」 - 26文字書き いちか25/02/23(日) 21:28:35
いつもなら言われる側の癖に言うようになったものだと思ったが、余りにも近くて落ち着かない。
子供の頃だっていつもこれくらいくっ付いていた筈なのだが、今となっては何をしていても意識をしてしまって気が散るというか、そもそもこんな風に見られながら食事なんて……。
気不味くて、フォークを手に取ったものの食べづらい。
どうしようかとあぐねていると、不意にキラが悪戯っぽく微笑いながらこちらを見た。
「ね、何なら僕が食べさせてあげようか?」
「い、いい、自分で食べられるから…っ」
耳まで真っ赤になってしまったのもあって、慌てて誤魔化すように目を逸らす。
そうしてやっと夕食に手を付け始めたのを見て、彼がココアの入ったカップを手にくすくす笑っていた。
「なぁんだ、食べさせてあげるのもアリかなって思ったのに」
ちょっと残念そうにそう言ってから、またふふっと笑みを零す。
今の関係になってこうやって二人きりも少しは慣れて来たように思っていたのだけれど、未だにこの有様で振り回されているというのを自覚するしかない。
そうして私は決まりが悪いまま、食べ切るまで彼に食事する様子を眺められる事になってしまったのだった。 - 27文字書き いちか25/02/23(日) 21:40:58
真夜中・後編
1000文字を400字近く超えつつ何とか着地させました…
本当は、二人きりだしもうちょっと…と思ったら誰かが顔から蒸気出そうになったので、今日のところは引き下がってあげました
見守ってる側としてもそろそろ慣れて欲しい今日この頃です… - 28二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:16:18
保守
- 29二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:19:03
保守
- 30文字書き いちか25/02/24(月) 17:59:32
- 31二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 01:02:33
保守
- 32二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 07:49:35
- 33文字書き いちか25/02/25(火) 13:53:45
お察しの方もいらっしゃるかと思われますが、火曜日という事でこれから外出してきます
お話は一応ざっくり書けているのですが、今晩中は難しいかもしれません - 34二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 21:10:30
保守
- 35二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 03:20:07
過激でも全然オッケーですぜ?なスレ民もおりますw
- 36二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 09:42:28
保守
- 37文字書き いちか25/02/26(水) 15:14:12
「そう言えば、以前に私があの場に居る理由を話すと…そんな事を言っていたと思ったんだが、憶えているか?」
今の暮らしにすっかり慣れたある日、カガリから直々にアスハの私邸に呼び出され、外遊に護衛として付いて来て欲しいと頼まれていた。
私の身分はいつも通り表向きには護衛兼秘書、そういう体になっているらしい。
久し振りに隠れ家を離れて彼女と二人きりでの活動になる。
どこか申し訳なさそうに頼んでくる彼女に戦後、私の身を心配して影ながらあちこちに手を回してくれた等の恩もあり、敢えて断る理由もなかったので二つ返事でそれを了承した。
その後、彼女は仕事の話はここまでだと人払いをすると、ふと思い出したように以前の口約束の話をし始めた。
「…確かに言っていたような記憶はある。でもあれはその場を遣り過ごす方便じゃなかったのか?」
「そんなつもりもなかったし、何だかんだでずっと話す機会を逃していたからな。珍しく二人きりになった事だし、話すには丁度いいかと思ったんだ」
そう言って彼女は愛おしそうに自分の薬指の指輪を眺めたあと、その経緯を話しだす。
「”最初”はお前のとそう大差なかったんだけどな。……ただあれは殆ど事故のようなものだった」
時期としてはまだ現在のような状態には程遠い状態だった頃、隠れ家へ呼ばれた際に何か自分にも手伝える事はないかと訊ねたところからそれは始まったのだと、カガリは当時を思い出すように少し目を伏せた。
3人の関係のことは前以って聞いていた事だったが、その段階では実のきょうだいということもあり、彼女に対して関係を持つことへの言及自体は特になかったのだという。
そしてその時に彼女が聞かされたのは、キラが回復傾向ではあるものの夜毎悪夢に魘されていること、言葉でよりも直に見て貰った方が現状がわかるだろうと言われた事くらいだったらしい。
「……それは」
ラクスの事を疑うつもりはないが、意図的なものを感じてしまい複雑な気分になる。
私の時はそうなる事が前提として既にあったのと、鎌を掛けられて散々煽られたせいもあると思うが。
「当時は今みたいな元気も殆どなかったからな、その日も精々しがみ付かれて抱き枕にされるくらいで済むはずだったんだ。実際、別の日に魘されていたキラは必死にしがみ付いては来てたけど、それ以上の事はなかったし…」
「だった、って…つまり」 - 38文字書き いちか25/02/26(水) 15:33:38
という事で、沼の深み・前編
踏み入ってはならない場所へと踏み込んだ、或いは足を踏み外したカガリの話
SSの補完の方よりこちらの方が進みが良かったので、お先に出させて頂きます
読んで頂ければ解るのですが、時系列としては運命直前くらいです
そう、この外遊が第一話のアレなので…
それもこれもカガリが忙しいからなので、仕方がない話なのですけどね - 39二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:40:58
待機
- 40文字書き いちか25/02/27(木) 05:14:07
いつもの進捗
カガリの話の残りを書いてます
二つに分ければ収まるかと思ったのですが、無理そうなので前中後の3部構成になる気がします
次の投下は今晩辺りを目標にしていますが、予定は未定…
カガリの事情の方ですが、実はこのスレでのお話を書くに当たって設定を改めて詰め直してあります
なので、元スレで書いたSSと少し齟齬が出てるかもしれませんね - 41二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 08:16:01
キャラが動いて所々変わるなんてままあるから大丈夫
- 42二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 15:19:15
保守
- 43文字書き いちか25/02/27(木) 20:04:17
「そう、その偶々に何度目かでぶち当たったんだ。流石に参ってはいてもやっぱり男の腕力だよな、私の抵抗なんて高が知れてた」
まるで何でもない事のようにさらりと言ってはいるが、たぶん私の時よりも酷い事になっていたのではないだろうか。
少なくとも私の時はそうなるという前提で話があり、こちらもそれを理解した上でのことだったのだから。
「…ラクスたちは解っていたのか?」
「いや、きょうだいだし安心して少しは悪夢を見ないで済むんじゃないか、それくらいだったよ。…出来れば計画に賛同して前向きに協力して欲しいとは前以って言われてはいたけれどな」
かなり衝撃的な事を言っているにも拘らず、カガリはまるで風が通り過ぎたかのように涼しい顔でティーカップのお茶に口をつけた。
それを聞かされている方の心情としては何とも言えず、話の先を促すしか出来ない。
「…それで、その後は?」
「ショックもあったが、キラ自身がまともな精神状態ではなかったこともあるし、只の事故…そういうことにしようとしたんだ。でも……泣きそうな顔をされて困ってしまってな」
それを聞きながら私は、あの日縋るように抱かれた後に我に返って愕然としたまま見詰めてくる彼の顔を思い出していた。
本意ではなく私を傷付けたという事実に傷付いた眸を。
ラクスに煽り倒された後、どうせこちらからの想いが一方通行でも構わないと彼へ差し出した身体の痛みより、思わず首をもたげてきた自己嫌悪に耐えかねて背中を向けるほどに。
「あれは中々卑怯だよな。私としては無責任に言い訳を重ねられた方がまだマシだったのに」
苦笑いを浮かべてカガリが言う。
「おまけに、ずっときょうだいと思おうとしていたけど出来なかったとか抜かしたんだぞ、あいつ。ちょっと惚れっぽ過ぎないか?」
「…そうだな。気が多いのとあの優柔不断さには付き合いの長い私も流石に呆れた。私で4人目とはどういうことだ、って」
私たちに惹かれて止まず、一人に絞る事が出来ないばかりか結局その総てに手を出したとか…。呆れてものも言えないし、この状況を報告する破目になった時のカリダさんたちが卒倒しそうになったのも納得しかない。よく受け入れて貰えたと今でも思う。
「そんな事言っているが、まったく呆れているようには見えないぞ?アスラン」
「それは君もだろ、カガリ」 - 44文字書き いちか25/02/27(木) 20:13:48
沼の深み・中編
案の定、二分割は無理でしたw
今回の話の注目点は、実は二人の中の良さというか気心の知れてる感ですね
互いへの遠慮のなさとか、同じ男へ同じ感情向けてる同士というか戦友感みたいなものを空気として出したい…そんな感じで書いてました
同性とは言えラクス相手ではこの距離感は出せないですからね、姉ですし
彼氏とは言え幼馴染でもあるキラは一応異性なので、普段は抑えてるところもありますから - 45二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:35:22
砂糖の塊が入ったみたいに甘いねー
- 46二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 09:10:01
保守
- 47文字書き いちか25/02/28(金) 18:02:07
一応お話としてはシリアス方面だったはずですが、何やら少し惚気混じりになって来たような気がしなくもないのはどうしてなのか…
ともあれ進捗です
お話は次で終わる予定ですが、若干雲行きが…
筆の進みは悪くはないのですけど、今日中の投下はだいぶ難しいところですね
道を外れてる自覚があるからこそのインモラル係数ぶっちぎり、と言わしめているここの世界線のカガリですが
本編では、きょうだいと判る以前に異性としてナシと思われていたとはよく言われてますよね
ただそれだと話が始まらないので、その辺の設定をだいぶ弄って方向修正させて貰ってます
ハーレムである以上はそうである前提になっていますしね - 48二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 01:02:38
保守
- 49文字書き いちか25/03/01(土) 09:11:34
この世界線では、ある意味カガリが一番本編から程遠い設定を抱えているので、設定との折り合いの付け所で中々苦労している人物でもあります(元から女の子なアスランはイチから作ったも同然なのは言うまでもないですが)
それこそラクスやフレイはハーレムに設定にちゃんと織り込めれば、後は割とどうとでもなるので
結構潔癖で真面目な人物でもあるので、どうやって彼女をそういう方向へ堕とすかがやっぱり肝になってました(色んな意味でアレですから)
なので、だいぶこの世界観へと落とし込むのに力技を使わせて貰うことになりましたね…
進捗ですけども、出来たら今晩くらいには投下したい所存
インモラルな話題は後編の部分に集中していてちょっと言葉選びが大変という事もあってか進みが良くないですが
お待ち頂ければ幸いです - 50二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 17:07:34
気長に待ってます
- 51二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 00:09:47
保守
- 52二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 09:18:13
楽しみ保守
- 53文字書き いちか25/03/02(日) 15:45:58
他愛なく指摘し合って目を合わせ、どちらともなくクスクスと笑いだす。
そして一頻り笑い合った後、ふとカガリは自嘲するように笑い目を伏せた。
「本当に、こんなのどうかしてると今でも思ってる。……でも、もう自分でもどうにもならないんだ」
元々距離感は妙なほど近かった記憶があるが、隠れ家に居る時の彼女のキラへの態度は以前と同じようでいて明らかに変わったと感じる部分が多かった。
人前でこそ控えているものの、私たち5人だけの時なら出迎えと見送りにキスをせがむのも珍しくなく、その様子は間違いなく恋人へのそれにしか見えないものだ。
曲がった事が嫌いな彼女がどうして、とは思っていた。
ハーレム云々だけならまだしも、その相手は他ならぬ自身の血の繋がった双子のきょうだいであるキラだ。
潔癖そうな彼女が、何故態々道を踏み外すような真似を受け入れたのかと。
気にはなっていが…それでも敢えて聞くつもりもなかった事だったし、まして口約束とも思っていなかった。
「初めの内は…それでキラが少しでも精神的に落ち着いてくれるならと、そんなつもりだった」
彼女はその一件の後、結局彼を放って置くことも出来ず一時的なことだとして受け入れる事にしたのだという。
心の拠り所は一つでも多い方が良いだろう、として。
「事故のようなものとは言え、既に済んでしまった事だからな。だからもう、いつ引き返しても同じ事だと」
私やラクスたちと違い、カガリにはどうしても付き纏ってくる問題がある。
当人たちが理解しつつも関係を続けている以上、敢えて目を逸らしているだけの話でしかないだけで。
「でもそうしている内に、あいつに執着し出している自分に気が付いた。……まだ引き返せるそう思っていたのに、自覚した時にはもうとっくに手遅れだった」
彼女の口から吶々と語られるのは悔い事のような言葉だというのに、その声音には欠片も迷いも悔いも混じっているようには聞こえない。
ただ…一時的なこと、時期が来れば身を引くつもりだったと言う彼女の左手薬指にあるのは、私たちの中では結婚指輪ということになっている物だ。
それを敢えて自ら身に着けているという事はつまり、もうそんなつもりもないのだという事なのだろう。
「気の迷いや勘違いかもしれない、そう考えた事もあったし思おうともしたんだ……でも出来なかった」 - 54文字書き いちか25/03/02(日) 15:46:47
カガリはそうして静かに自らを振り返り僅かに苦笑したようだったけれど、それはどこか諦めたような…それでいて、これでいいと納得もしているような複雑な表情だった。
「まったく…男として、ないと思っていたはずだったんだけどな」
彼女はそうあっけらかんと続けると、大きな溜め息を吐いた。
「…カガリがそれでいいと思っているなら、私からは敢えて言うことはないんだろう」
私は温くなってしまった紅茶にようやく口をつける。
「いつになったら飲むのかと思っていた。猫舌でもあるまいし」
「そういう空気にしておいて、よく言うなカガリも」
そうして軽口を言い合い、釣り込まれるように私たちは小さく笑い合った。 - 55文字書き いちか25/03/02(日) 16:11:10
沼の深み・後編、これにて終了となります
スレ主としてはもうちょっと際どいところまで踏み込むつもりだったんですが、遠回しなワードを選んでいる辺り無意識にやっぱりブレーキかけてしまっているようです
NGに引っ掛からないように慎重になってたのでさもありなん…
カガリもハーレムの住人なので当然ながら身体の関係はありますし、元々性的なものに疎い部分は一応あったのですが開き直って以降は寧ろアスランより積極的です(もっと押せ押せのが2人居ますので大した事ありませんが)
詰まるところ、駄目な事だと知りつつも状況が状況だけにと身体を許していたら心まで絡め取られていた、というのが彼女の事情という事になります
とは言え、あんまり真面目に書くと苦手なドロドロ展開になるので、背徳感よりも恋人的イチャイチャ感を前面にだしてますけどね… - 56二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 22:21:40
ドロドロよりラブラブな方がいいですよね
- 57二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 02:58:25
ドロドロ何て最初にちょろっと有って後はラブラブで良いんだよ(個人の感想です)
- 58二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 07:01:39
保守
- 59二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 12:29:07
待機
- 60文字書き いちか25/03/03(月) 18:55:07
着替えを済ませ私たちが撮影スタジオから出て来る頃には外は既に日が少し傾きかけていていた。
思えば何だか嵐のような一日だったなと思いながら着慣れた服に戻ったことで少し安心していると、撮影前の一件を思い出したらしいフレイが息を吐きながら口を開く。
「一時はどうなる事かと思ったわ。それにしても爆発を心配して来てみたら、どういう訳だかキラが泣かせてたとか」
あの後、撮影の為のメイクや衣装を整えた3人が出て来て目にしたのは泣き腫らし目許周りの化粧が落ちてしまった私と、それを慰めているキラの姿。
そこで何があったかを問うよりも先にラクスが血相を変えて重いドレスの裾をものともせず駆け寄ってくるのを見てキラが案の定だと弱った顔をし、これから撮影なのにと動揺するフレイをカガリが宥め始めるという状況になった上、そこへ更に撮影所のスタッフまで加わった結果……その場がちょっとした騒ぎになった。
「…いや、だからそれはキラのせいじゃ…」
事実、勝手に泣き出したのは私の方で、原因は彼ですらなかった訳なのだから、責められるべきところではないのだ。
……正直、本来ならあんな場所でするような話ではなかったのだろうとも思う。
今となっては後の祭りではあるのだが。
そんな事を思ってフォローの為に割って入ると、撮影中は幸せそのものの笑顔で微笑んでいたラクスが真顔でこちらへ振り向いて、未だに腹に据えかねているのか憮然とした様子で口を開いた。
「結果的に泣かせているのだから、キラのせいでいいのです!」
大体の経緯を説明をしたはずなのに相変わらずで、キラへの説教を再開しかねない有様だ。
キラはキラで困った顔をしたまま乾いた声で笑うばかり。
ずっとこんな堂々巡りで何やら頭が痛い。
どうしてそういう事になるのか私には当然解らないし、ここまで来ると宥め方も判らない。
困り果てて一人頭を抱えていると、カガリが彼女の溜飲を下げようと話しの間に入って来た。
「そういう話になると手厳しいな相変わらず。…まぁ気持ちはわからんでもないが」
毎度の事ながらカガリはラクスやフレイが何かと暴走気味になる為ブレーキ役に回ろうと苦心はしてくれている。
ただ、当の二人の勢いがあり過ぎて肝心のブレーキの効きが悪いのは相変わらずなのだが。 - 61文字書き いちか25/03/03(月) 19:00:14
そんなこんなで、暫く放置していたSS補完の方ですね…
凄い久し振りに書いた気がしましたw
ウェディングフォトの撮影帰り風景・前編になります - 62二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 00:50:41
わくわく待機
- 63文字書き いちか25/03/04(火) 08:39:47
いつも保守有難うございます
それでは進捗という名の雑談をば
例によって火曜日なので外出予定です
帰宅もいつも通りくらいなので、続きは今日中は難しいですね
このスレに於いてはお話を一人称視点で書いていますが、自分でもその時の筆のノリというか好不調が文面に割とよく出るタイプだとは思っていて、その辺は読み手の皆様にも結構気取られてそうだなぁと思っていたりもします
そんな訳で読み返すと書き直したい、って思う事もしばしばです - 64二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 16:09:06
保守
- 65二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 00:14:20
待機
- 66文字書き いちか25/03/05(水) 09:05:34
保守兼ねた雑談
毎日の日課のようにしているゲームでキャラ同士の遣り取りを読んでいたら、ふと思い付いたものがありまして…
柄じゃないって絶対言いそうなんですがね
走り書きくらいの短文ですが…これは絵もセットにした方が良いように思うので、スレのお話書きの合間にちょっと頑張って書いてみたいと思います
まぁ、まずは補完SSの続きですけどね
投下目標は今晩中くらい…終わるかな(遠い目) - 67二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 15:17:58
納得できるまでついて行きますよ
- 68二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 00:11:21
保守
- 69二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 08:17:50
保守
- 70文字書き いちか25/03/06(木) 15:31:14
お待たせしております
書いていて校正の為に読み返すと文章のニュアンスが気になって手直しが大量に入る→予定より大幅増…割とあります
単語や慣用句など、これだと思うピンと来るものが出て来なくて進まない…日常茶飯事です
そんな訳で、煮詰まっているというほどではないのですが、現在コレジャナイ感と格闘して時間掛かってしまってます
鋭意執筆中ではあるので、もう少しお待ち頂ければと - 71二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:03:03
待機
- 72二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 03:49:43
納得できるまで待ってます
- 73二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 09:58:15
保守
- 74二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 16:16:53
待機
- 75二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 16:24:51
てきとうにネタを投げたスレがここまで続いていたなんて・・・
「どうしてこんな所まで来てしまったんだろう?」 - 76文字書き いちか25/03/07(金) 18:11:02
ハッ、元スレ主の気配を察知!?
お陰様でそのネタと当方の妄想力だけでこんなところまで来てしまいました
反応有難うございます
どうか今暫く生温かく見守って頂ければ幸いです… - 77二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 00:58:12
保守
- 78二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 08:03:22
保守
- 79文字書き いちか25/03/08(土) 14:38:24
「お陰でお化粧直さなければならなくなったし…詳しい話はしてくれないし」
と、ここにも愚痴を零す不服そうな人物がもう一人。
フレイはラクスほどではないものの撮影現場で一人取り乱していたのだから、これもまた仕方がないと言うべきだろうか。
「それについては、追々でって事でフレイも納得してよ」
キラはと宥めるようにフレイへそう言う。
彼は先ほどからずっとラクスの剣幕にタジタジになりながらも、言い訳も反論もせず言われっ放しに徹しているようだった。
そうしてその内諦めたのか、ラクスは溜め息を吐くと私の方をちらりと見る。
「キラもアスランもどうしても言いたくないようなので、これ以上の追求は諦めるしかないのですけれど」
どうやら不承不承ではあるが、ラクスも何とか矛を収めてくれそうな雰囲気になって来たようだ。
「ごめんね、本当にこればっかりはアスランが言う気になるまで触れないでおいて欲しいんだ」
「すまない……」
あれから3年が経とうとしているが打ち明けるにも未だに私の中で踏ん切りが付かないことでもあり、キラに吐き出すのでやっとだった話だ。
そんな後ろめたさもあり目を伏せると、やれやれとでも言いたげにフレイが溜め息を吐いた。
「いつもの”二人の中で完結してる”って事ね。しょうがないわね、その内話しなさいよ?」
と呆れて肩を竦めて彼女が言ったところで、どうやらこの話はここまでという事になったらしい。
「それはそうと、お写真はいつ頃仕上がるというお話しでしたのカガリさん?」
そうして今日撮影した写真の話に話題が移って行った。
「二週間ほどだそうだ。ところで、オプションの額装付き特大パネルとフォトブックは一体誰が言い出したんだ?」
撮影所のスタッフとブライダルフォトプランに関しての打ち合わせをしていたらしいカガリが、思っていた疑問を呈した。
「あぁそれ…」
「わたくしですわ」
例によって今回の件の張本人へ視線を向けるフレイと、それを受けてどこか自慢げに胸を張るラクス。
「…うん、知ってた。最初からノリノリで話進めてたからね…」
勿論、記念なのだからと盛れるものは徹底して盛った結果だというくらいなら、細かいところを聞いていなくても簡単に想像出来る。
キラも呆れつつも微笑ましいものを見るような眸で彼女を見ており、ニコニコと微笑んでいた。 - 80文字書き いちか25/03/08(土) 14:44:06
お待たせしました
撮影帰り風景・中編になります
やっぱり複数人いるシーンは描写が粗くなるなぁと思いつつ
前後編くらいで終わると思っていたのですが、案の定増量…というか、段々と自制が利かなくなってコンパクトに書けなくなって来たような気がしなくもないですね
スレ主は元々ダラダラと長いものを書いている人でしたので尚更です - 81二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 19:44:56
人が増えると増えるのは仕方ないよね
- 82二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 00:19:57
増えてもガン見するのでお気になさらずb
- 83二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 06:41:26
保守
- 84二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:07:13
保守
- 85文字書き いちか25/03/09(日) 14:16:57
「それにしてもスタジオ貸切って撮影に正味3時間くらい?結構疲れたわね」
着慣れないドレスや踵の高い靴、知らない人たちの多い場所に居たせいか終わった今頃になって疲労感が出て来たのは私だけではなかったらしい。
そんな彼女の発言にラクスが両手をポンと打つと、良い事を思い付いたとばかりに口を開いた。
「それでは、こちらを出ましたらどこかのカフェで休憩してから帰りましょうか」
「あぁそれ賛成。撮影し始めたら何か僕だけ出ずっぱりで休憩どころじゃなかったし」
同意するとばかりに小さく手を揚げてキラが言う。
普段余り疲れなど見せる方ではないが、慣れないことに振り回されたという意味では彼がこの中で一番疲れていてもおかしくなかった。
それこそ両手に花どころかその2倍……本来だったら2人だけで済むところを労力も4倍なので休憩もそこそこだったのは仕方がない。
「私たちをかわるがわるお姫様抱っこしたり忙しかったからな、お前」
撮影名目とはいえ人前で始終堂々と恋人同士の距離感で居られたことが楽しそうに見えていたカガリが、今はきょうだいの距離でキラへ言う。
確かに撮影用の教会を模したスタジオの中、指示されるまま様々なポーズや構図で写真を撮られたが、私たちが花嫁姿で入れ替わり立ち代りだったのに対し、多少の休憩こそ挟んではいたがキラはずっと出ずっぱりだったのだから無理もない。
そんなこんなで最初こそ余裕そうではあったし私たちを前に笑顔こそ絶やさなかったが、次第に口数が減って来ていたように思う。
「でもまぁ私たち4人を纏めて貰ったんなら流石にそれくらい甘んじてくれないと困るわ、キラ」
少し意地の悪い笑みを浮かべつつフレイが上目遣い気味に彼を見詰めながらキラへ揶揄うように告げていた。
正直、花嫁4人に囲まれる花婿というシチュエーションの撮影に、どんな想像をスタッフにされたか判らないのだ。
やけに距離が近いとしても、彼が全員と付き合っているとまでは流石に感知されてはいないだろうとは思いたい…。
それにこのフォトスタジオもブライダル専門で取り扱っているとはいえ、こんな案件は初めてだっただろう。…寧ろそう何件もあって堪るかとは思わないこともないが。
そんな事を考えていると、不意に肩を叩かれて我に返る。
「ほらアスランも、何か言って差し上げてくださいまし」 - 86文字書き いちか25/03/09(日) 14:18:42
ラクスに急に話を振られて何て言ったら良いのか解らず、私は取り敢えず彼の労を労うことにした。
「…あ、その…キラ、お疲れ様」
撮影中のことだけではなく色んな意味で。
今日一日でだいぶ気を遣わせているし。
ただまぁ、フレイの言うように惚れた女を選び切れずに全員纏めて傍に置こうとしている分のデメリットは、諦めて享受して欲しいと思わなくもないけれど。
「何か一番美味しいところを持って行かれた気がするわ」
一瞬呆気に取られたフレイが思わず呟く。
割と苦し紛れに言ったのだが今のところ誰も言っていなかったのもあって、そう言えばと思われたらしい。
「正直、今更だと思うけどな?」
そんな様子にカガリが小さく笑って言うと、キラの背中を押しながら先を歩き始める。
それに釣られるようにして立ち止まっていた私たちも歩きだした。
「正論過ぎてぐうの音も出ませんわ」
少し不服そうにラクスは零したが、すぐに気を取り直したのか彼の腕に自分の腕を絡めて微笑んだ。
こうして街路樹がサワサワと揺れる道を賑やかに、私たちは帰途についたのだった。
―― 後日、かなり大きな額装のパネルと凝った装丁のフォトブックなどが届いて一悶着あるのだが、それはまた別のお話になる。 - 87文字書き いちか25/03/09(日) 14:39:23
〆方で少し悩んでましたが、何とか着地
撮影帰り風景・後編です
人数が多くてわちゃわちゃしている話は書いていて楽しかったのですが、補完しだすと途端に描写の焦点をどこにするかで悩みになるのがツライところでした
ちなみにオプション全部盛りした結果の額装された一枚はB全判くらいの大きさの莫迦でっかいブツで、飾るスペースこそあるにしろ後々隠れ家に住むのが彼らだけになるまで目立つところに飾れない代物になるのは確定しています
何しろ花婿に侍るようにして囲む花嫁4人という構図のものなので、事情が解っている人物以外には到底見せられる物じゃないですからね…
尚、フォトブックも似たようなもんで徹頭徹尾イチャイチャ具合がぱない写真ばかりなので、身内であるヤマト夫妻以外にはたぶん見せられない代物となってますw - 88二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:02:03
オーブの地下にでも安置するかw
- 89二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 02:06:50
期待機
- 90二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 07:59:29
保守
- 91二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 13:13:14
保守
- 92文字書き いちか25/03/10(月) 16:39:44
連合に追従するオーブ軍を追うように出航したAAの艦内、暇を持て余していたのか何を思ったのか解らないが私の髪を弄らせて欲しいとラクスに拝み倒され、余りの圧に渋々ながら彼女からされるがままに身を任せる事になってしまった。
以前と比べ大幅に改装された艦内のクルーたちの休憩の為に設けられたレクリエーションルームの片隅で特に何かを話すでもなく、鼻歌混じりでご機嫌な彼女は手に持っている櫛で髪を梳かし分けると頭の上の方で束ね始める。
私は未だに鏡に移り込んだ姿を抵抗なく見られるまでに克服出来ていないのもあって、彼女からどんな事をされているのかは音や髪を触られる感覚と気配で察するしかない。
「…えっと、ラクス?」
何となく嫌な予感がして問い掛けると、呼ばれた意味を察したのか後ろの方から窘めるような自称姉の声が帰って来る。
「わたくしにお任せだと言いましたでしょう?」
「……いや、ラクスその髪型はちょっと…」
言い掛けてその逆らえない圧につい口ごもってしまったが、どんな髪型にされつつあるのかを察してしまったのだ。
「大丈夫、完璧に仕上げてあげますから。後でキラにもお見せしましょう?」
キラにまで見せると言われて慌てて思わず振り返りかけたけれど、頭を動かさないでと間髪を入れずに制止されてしまい、結局困惑したまま完成を待つ事になってしまった。
「出来ましたわアスラン!鏡を見られそうなら渡しますけど、ご覧になります?」
実にうきうきとした声で問いかけて来るラクスの声に嫌な予感はほぼ確信になっていた。
「…いや、いい」
「それは残念ですわ。とても良く出来ていますのに…」
残念そうに言いつつも、強制してくる様子もなく楽しげに出来栄えを確認するように私の前へと周りこんで来ると改心の出来栄えだとばかりにニコニコと微笑んだ。
「…気が済んだだろうラクス。これ、もう解いていいか?」
「駄目ですわ!今日は是非このままで過ごして下さいな」
「ちょ、それは…っ」
そうして二人でそんな遣り取りをしていると、部屋の入り口が開いてドヤドヤと複数人が入って来た足音がした。
けれども誰が入って来たのかの確認の為にも振り向きたいが、今の姿を見られた反応が怖くてちょっと振り向ける気がしない状況だった。
どうしたらいいのか解らずその場で固まっていると、足音と気配はこちらに気付いたのか声を掛けて来る。 - 93文字書き いちか25/03/10(月) 16:52:47
突発ネタではありますが、髪結い・前編です
日課で遣っているゲームにキャラ同士の掛け合いによるミニエピソードみたいなものがあるのですが、そのテキストを読んでいて思い付いたのがこちらの話になります
時系列は…いつものわちゃわちゃきゃっきゃしている辺りからだいぶ進んで、運命本編中になってますね
この話を思い付いたと書いた際のレスで絵もと言っていましたが、それはオチである後編の方に回すことにします
先に出してしまうとたぶん面白みが減ると思うのでね - 94二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 00:14:15
保守
- 95二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 05:23:26
保守
- 96二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 11:23:49
保守
- 97二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 17:51:07
保守
- 98二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 01:03:36
保守
- 99文字書き いちか25/03/12(水) 05:32:36
本当にいつも保守有難うございます
取り敢えず進捗をば
続きは大体書けているのですが…まだ描けてないんですよねオチの部分とも言える絵の方がw
いつもと趣向を変えたせいで遅れているのは否定出来ません
どんな髪型にされているかがずっとボカされているところが今回のオチに直結しているので…
まぁオチは薄っすら察した人も居そうですけどね、嫌な予感などと書いてありますし - 100二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 11:14:43
保守
- 101二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 18:16:49
保守
- 102二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:39:09
うきうきと妹アスランの髪を弄る姉ラクスのやり取りが大変可愛くて好き
- 103文字書き いちか25/03/13(木) 05:26:18
「あら、あんたたち何をしてたの?」
「姿が見えないから探しに来たんだが……二人ともどうした?」
どうやら部屋に入って来たのはフレイとカガリだったらしい。
聞き慣れた声にほんの少し安心すると同時に少し焦る。
他のクルーだったらと気不味いどころではなかったのだが、反応が怖くて迂闊に振り返れない為これはこれで困ってしまう状況だった。
何しろラクスに弄られたことで髪形はかなり不本意なものになっているのだから。
「丁度いいところに来ましたわ、お二人とも。こちらに来てご覧になって下さいませ」
「…い、いや見なくていいから……」
出来る事なら穴があったら入りたいくらいの心境になっている私のことなどお構いなしのようで、ラクスが楽しそうに二人へ呼びかけるので慌てて制止をしようと口を開いたが、時既に遅しだった。
「何、イメチェン?」
「そういう髪型も偶にはいいんじゃないか?」
などと二人からも概ね好評という事もあって、ラクスはだいぶ気を良くしてドヤ顔をしたまま上機嫌である。
「似合わないだろ、お世辞は良いから…」
ひたすら恥ずかしくて顔を背けるようにして俯く。
「並の男すら投げ飛ばすくらいの勇ましいイメージからはかけ離れてるけど、何も似合わないとまでは思ってないわよ。…意外と悪くないんじゃないかしら」
フレイにまで楽しそうに揶揄われる始末で、一層居た堪れなくなって来た。
「ほら、お二人もこう仰ってますし今日はそのままの髪型でお過ごしになって下さいな」
そのまま小躍りし始めそうなラクスの様子に堪えかねて思わず立ち上がった時、再び部屋の扉が開いて私は反射的にそちらを見たまま固まってしまった。
本当に、こういう事は重なるものだとつくづく思う。
入り口できょとんとした顔でこちらの方を見ているのは、あろう事かキラだったのだ。
「あれ、皆して集まってどうしたの?」
「…っ、き、キラこれは……っ」
幸いな事に私がそのまま立ち尽くしていたのは少しの間だったらしい。
けれど、我に返って焦ってそのままの勢いで束ねた髪を解こうとしたところをラクスに腕を掴まれた。
「ラクス、ちょっと放せって…っ」
「もう、今日はそのままでと言いましたでしょう?」 - 104文字書き いちか25/03/13(木) 05:32:13
叱るような声で言う彼女をこの状況では止められないのを理解してか、カガリたちがどうしたものかという顔をして見ている。
そんな中キラは、恥ずかしさでどうにかなりそうな思考のまま目を合わせたまま動けなくなっている私の方を暫く見詰めていたかと思うと、にっこりと笑みを浮かべた。
「アスランのそんな髪型、小さい頃振りじゃない?いつの間にかしなくなったんでどうしたんだろうって思ってたけど。ねぇそういうのって確か、ツインテールって…」
そこから先は正直余り良く憶えていない。ただ、気が付いたら自分用に割り当てられた部屋のベッドに突っ伏していた。
本来ならあの後はブリッジに行って状況の確認をしに行かなければならなかったのだが、この状態を見せなければならないのと色々盛大にやらかした感があってすごぶる気不味い。
後が煩いので髪も解くに解けないし…。
……どうすればいいんだろうな、これは。 - 105文字書き いちか25/03/13(木) 05:41:16
他人の髪の毛を面白半分で弄る時の定番の髪型と言えば、ツインテールかおさげだと思われます
そんな訳で、髪結い・後編です
オチ用として凄い久し振りにギャグ寄りのデフォルメした絵を描きました
…いつにましてらくがき感が半端ないですけど
ちなみに、このネタはゲームのテキスト読んでて思い付いたと書きましtが、ツインテールの女の子たちがわちゃわちゃきゃっきゃしてる会話だったんですよね - 106二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 11:24:31
キラは恥ずかしさのぶん殴られて撃沈してるのかな?
- 107二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 17:36:27
保守
- 108二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:16:30
保守
- 109文字書き いちか25/03/14(金) 06:06:01
- 110二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 10:10:34
じゃあ自分は投げられてる方と思っておこうかなw
- 111二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 14:35:17
保守
- 112二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 22:29:53
保守
- 113二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 01:49:26
- 114二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 06:26:27
保守
- 115二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 12:00:45
保守
- 116二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 19:02:37
保守
- 117二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 00:13:01
保守
- 118二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 07:19:32
保守
- 119文字書き いちか25/03/16(日) 07:47:45
流石にブリッジには顔を出さない訳には行かないので、最低人数としてはそこにいるクルー一同はこの姿を拝む事になるような気はします(最低人数で回せるように改造されていましたし5人くらいでしたっけか)
当人が訊くなとばかりのオーラを出してそうなので、気安くどうしたのかと訊ける空気じゃないでしょうがw
その日彼女がいる間は笑ってはいけない25時くらいのピリついた空気になってそうです
昨日はちょっとゴタ付いてたのでちょっと書くのをお休みしていました
進捗ですが、メモ書きと補完の方同時進行で書いていてどちらが先かはスレ主の気分次第と言った状況です
気が乗れば一気に書けるのですが、花粉症でちょっとぐずぐずしているので…ちょっと不明
- 120二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 13:13:58
ムウさんが聞くくらいかな?
- 121二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:00:21
保存
- 122二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 01:05:53
保守
- 123文字書き いちか25/03/17(月) 04:31:14
仮住まいであるアスハの別邸を離れオーブ国外へと脱出する旨をラクスから知らされた後、AAに乗り込み用意されていたオーブ軍の白を基調にした軍服に袖を通しながら、因果なものだなと私は一人ごちた。
三隻同盟の頃、思いを共にするキラやラクス、カガリと合流したのが僅か2年ほど前の話だなんてまるで嘘のようだ。
今でこそオーブに身を置き直接的な戦いからは遠ざかってはいたが……巻き込まれた形とは言えBTWにて父上の思想に共鳴する者を見、その後にラクスを狙っただろう暗殺部隊を送り込まれた辺りから私たちを取り巻く状況が一変した。
それだけ阿る氏族の長が増えたという事なのか、オーブが連合に批准する方向へと舵を切ったからだ。
少なくともこれがカガリの望むものとはかけ離れた決定だろうというくらいは、付き合いの短い私にでも理解出来た。
そして結局、平和を望むほど実現の為には平穏から掛け離れた場所に居なければならないという現実を思い知る。
「制服や軍服って何だかんだで身が引き締まるわね」
背後で足音と冗談めかしたフレイの声がし、背中をポンと叩かれた。
「……フレイ、君は本来ならここまで付いて来る義理はないんじゃないのか?」
振り向くとそこには同じようにオーブの軍服を身に纏ったフレイの姿。
私が残って別邸を引き払う際の最終確認をした後で遅れて来たのもあって、もう既に身支度は済んでいて様子を見に来たらしかった。
彼女もまた、かつては望むと望まざるとに拘らず戦いの渦中に巻き込まれた一人だった筈だ。
ただ、私とは違い矢面に立たされるような立場にはなく、身を潜めようと思えばどうにか出来たはずだった。
「流石に戦いはもううんざり、それは今でも変わってないわよ。でも、私だってそれが出来るような状況でもないのが解らない程でもないわ。それに帰って来るまで待たされるつもりも、キラから離れるつもりもないんだから、こうするしかないでしょ?」
そう、覚悟を決めたような眸で鮮やかに微笑んだ。
「……そうか。それで、出掛けて行く前にキラは何て?」
彼女の返事に頷いて、ふと気になっていた事を問い掛けながら更衣室を出て一緒にブリッジへ向かう。
ラクスももう準備を終えてマリューさ…、いやラミアス艦長と進路や行き先の打ち合わせに入っているらしい。 - 124文字書き いちか25/03/17(月) 04:55:58
- 125二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 10:23:27
そっかー残念、マリューさん辺りに引っ叩かれるムウさんが見たかったw
- 126文字書き いちか25/03/17(月) 16:08:21
「あぁそれ?旦那様は意地でもカガリを連れ戻すってもうお冠よ。ラクスの命が狙われたってだけでも別人みたいな顔してたっていうのに、依りによって結婚式だなんて……」
内容が内容の為か、フレイの声は心なし小さい。
忙しい合間を縫うように一週間に一度くらいは顔を見せに来るカガリからの連絡がプツリと途絶えて一月近く、国内ニュースには電撃的に氏族同士の婚礼という文字が躍り、ここで私たちは何かがおかしいという違和感を目に見える形で突きつけられた。
それに加えて畳み掛けるように急変するオーブ情勢…。
「政治的意図しか見えないのが幸いなんだろうが、こんな事自体キラからしたら我慢ならないだろうな」
「国家元首を攫ったお尋ね者になっちゃうわね、私たち」
内容だけに中々とんでもない発言なのだが、彼女はどこか楽しそうに笑っている。
はっきり言って他人事のようだ。
「だからって、カガリが利用されるのを黙って見ているのも癪過ぎる。こんなの、どう考えてもお飾りの人形より扱いが酷いだろう」
それも政から引き離されるだけではない、指輪を返して来たという事…それはかつてのプラントの婚姻統制を受け入れ諦念していた私の姿そのもののようだった。
「完全に音信不通だったものね…。世間から隔離するつもりだったのかしら」
「それで、フリーダムの整備が済んだと思ったら即飛んで行ったという訳…か」
ラクスの暗殺未遂の一件が遭ってから隠れ家として使っていたアスハの私邸ではなく、本島に近い別邸に移動していた私たちの許へカガリの乳母であったマーナさんが訪れてから自体は一気に動き出した。
反対勢力の妨害を受けないようにする為か、日取りもギリギリでの公開という念の入りように辟易さえする。
カガリの指輪が届けられたということ、愛する国の為という自己犠牲で結婚を受け入れさせられたこと、これらが現在のオーブの動きと点と線で繋がったのだ。
多少強引にでも連れ攫わなければ、彼女の心は今以上に踏み躙られいずれ壊されてしまう事になる…。
「裏で実権を握ってたセイラン家に力と与えない為に結婚を成立させる訳にはいかないから、って言うのは唯の建前よね。どう考えても嫉妬メインで動いてるわ、あの様子じゃ」
怖いわぁとまるで他人事のように茶化しているが、一時期あの重たいキラの愛情を一身に受け止めていた人間の言う台詞とは思えない。 - 127文字書き いちか25/03/17(月) 16:11:29
もしかしたら、向ける対象が4人分になったせいで悪化したとかあるのだろうか。
「……あの莫迦の独占欲は、直に味わってみないと怖さがわからないぞフレイ」
カガリを守るためとは言え止むを得ずミネルバに乗艦し、その間に遭った事や議長の事、帰ってから説明をした後でどうなったか、まだ記憶に新しい。
「そう言えば妬かれた記憶がないわ、私」
フレイは、大事にされてるのも考え物ね、と更に笑う。
「あれはない方がいい、普通に……な」
夜中に魘された彼に衝動的に襲われる方がマシなくらいには。
息つく間も与えて貰えないほどの勢いで抱かれ、思考も何もかもが溶けてドロドロのぐちゃぐちゃになるまでわからせられた。
……普段の少ししつこいくらいのものが可愛く思えるほどに。
「という事は、カガリもそれ味わうことになるのかしら」
耳まで赤くなりつつも眉根を顰めて答えた私の顔を見て大体を察したらしい彼女は、これから帰艦して来るフリーダムに乗せられているだろうカガリの心配をするように呟いた。
「出来ればカガリを慰める方を優先して欲しいものだがな…」
「そうね。…そろそろブリッジだわ、暫く真面目にしなくちゃ」
実質身内しか居ないとはいえ、艦内業務はしっかりこなさなければならない。
私たちは、表情を引き締めると艦橋に足を踏み込んだ。
フリーダムが帰艦したという報せが入るのはそれから間もなくの事だった。 - 128文字書き いちか25/03/17(月) 16:25:56
フリーダム花嫁強奪事件の裏・後編です
やっぱり人数少ないと文章量が減りますね…
この辺りはくどくどと書くほどの部分でもないから、というのもありますけど
彼の嫉妬の片鱗は色んなところにチラホラ見えてますが、議長に(ザフトに戻らないかと)口説かれたと聞いた直後のが後にも先にも一番酷い感じになる気がします
とは言え、本編のアスランと違いキラの傍にというのが一番の望みである為、戻るという気はそもそもなかったのですがね… - 129二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 23:22:11
保守
- 130二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 06:17:21
保守
- 131二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 14:00:07
保守
- 132二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 22:15:43
待機
- 133二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 02:32:55
保守
- 134文字書き いちか25/03/19(水) 05:25:22
「お菓子をくれなきゃイタズラするぞー」
ハロウィン当日、マルキオ導師の孤児院から帰って来てから姿が見えないなと思っていたキラが、おどけた口調でそう言いながら一体いつの間に用意したのか頭からシーツ一枚被っただけの(そう、目や顔を描いたりなどもしていなかった)おばけの仮装と思われる姿で姿を現した。
どうやら単に引っ張り出して来たシーツをそのまま被っているだけなところを見るに、事前に準備をしていた訳でもないようだ。
……これからお菓子を強請る前振りか何かだと思えば特に不思議でもないが。
私たち4人はその声に一斉に振り返りその姿を確認するが、一瞬微妙な空気が流れる。
「出たわ、布を頭から被るだけのお菓子貰う気はあるのに仮装する気がない典型みたいなのが」
ぽかんとした後、フレイが呆れ顔で真っ先に口を開いてそう言った。
「取り敢えず、孤児院であれだけ子供たちと遊んでたのに、帰って来てこれをするだけの余力があるところは褒めるべきだろうな」
それでも寧ろ感心したように頷くカガリの言葉には概ね同意らしい。
「ま、どん底の頃を考えたら全然マシである事だけは否定しないわ」
私は口伝てにしかその頃の状況は聞いていないが、ラクス共々だいぶ苦労したとは聞いている。
何かと彼を甘やかし気味なのも、別に恋人だからというだけではないという事だ。
彼女たちから言わせれば、こうして能動的に何かをしている光景が見られるようになっただけでも尽くした甲斐はあったというところなのだろうから。
「もうキラったら、小さい子たちの真似なんてしなくてもお菓子ならご用意いたしますのに」
まるで可愛い悪戯を見付けたかのように鈴を転がしたような声で笑うラクスが微笑ましげに言う。
「…小さい頃もこいつは面倒臭がって毎年シーツ被ってただけだったんだ。シーツに顔を描いてただけ今よりマシだったが」
そうして子供時代のキラがしていたハロウィンの仮装姿を思い出し小さく笑った私の話に、ラクスが興味を持ったようだった。
「なら、アスランはちゃんと仮装していたのですか?」
子供の頃の話をうっかり言ってしまったのはどうも藪蛇だったらしい。
「それは……」
思わず口ごもる。
別段言いづらいような話ではないと思うのだが、こんな些細な思い出にすらまるで古傷が疼くような痛みを感じた。 - 135文字書き いちか25/03/19(水) 05:38:12
そんなこんなありましたがSS補完話のハロウィン回、ゆるっと投下していきます
ハロウィン・1です
この昼間の部分だけでも元々3レス分(4000文字近く)あるので、そこから地の文が入るので恐らくかなり長くなりますね
正直、このスレだけで足りるか大分心配…しかも、その後には夜の話も控えてますからね
今のところお話のネタだけは尽きてませんから、最終的にこのスレは何処までナンバリングが続くのやら…(遠い目) - 136二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 11:31:23
安心して下さい満足するまでついて行きますから
- 137二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 17:15:48
保守
- 138二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 23:25:00
保守
- 139二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 07:17:14
保守
- 140文字書き いちか25/03/20(木) 11:05:12
保守有難うございます
続きは投下出来る程度の文章量は書けているのですが、もうちょっと詰めたいところがあるので補足というか解説的な雑談でお茶を濁して時間稼ぎをしようという悪足掻きでもさせて貰いますか
この話題は出した事があるかは記憶にないですが、ここの世界線でのアスランは女の子なので係わり方が本編とは変更された人物が多々います
中でも顕著なのが双子なのは言うまでもありません
幼馴染という部分はともかく、二人は恋人と親友という立ち位置を交換させているので、自ずと彼女相手の立ち回りも逆転した格好になっています(ちゃんと書けているかはともかく)
あと、キラに関しては少し押しが強めになるよう意識してますね…自己評価低めの奥手かつ恥ずかしがり屋さんで放って置くとどんどん隅に逃げるようなタイプですし - 141二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 16:28:07
保守
- 142二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:14:04
保守
- 143二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 04:19:05
保守
- 144二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 09:30:45
- 145二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 16:17:00
保守
- 146二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 00:30:40
保守
- 147二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 06:09:26
保守
- 148二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 13:14:58
保守
- 149二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 20:37:32
保守
- 150二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 00:50:45
待機
- 151文字書き いちか25/03/23(日) 02:05:40
少しずつ折り合いをつける努力はしているつもりだが、それは未だに幻覚痛のように喪った痛みを突き付けてくる。
それでも今はまだこうして痛みを訴える傷も、いつかは穏やかに笑って見ることが出来るのだろうか。
そんな事を思いつつも、答えに少し困っているとキラの声が割って入って来て代わりに口を開いた。
「アスランはね、妖精とか天使のコスチューム着て僕と一緒に近所練り歩いてたよ」
勿論、可愛かったと言い添えるのも忘れない。
そうして、頭から被っていたシーツをもぞもぞと脱ぎだす。
「あらもう脱ぐの?」
彼が早々に布おばけ状態をやめるのを見たフレイは特に残念そうでもない反応だ。
「一応ノリというか、お約束だから被って出て来ただけだしね」
そうしてくるくるとシーツを丸めつつ答えた彼にカガリが少し呆気にとられたようだ。
「本当にやる気がないな」
「……まぁ、キラだからな」
私も苦笑したまま呆れた様子のカガリの言葉を敢えてフォローなしで肯定する。
雰囲気として一応やってみただけでしかないのもあって、こちらとしても反応しづらかったので仕方がない。
「それより、みんなは仮装とかしないの?子供に混じってするような歳でもないのはわかるんだけど」
仮装の話題が出たからか、何気なくキラが私たちの方へそう問い掛けて来た。
「あぁそれねー、どうしようかしら」
本当にそう思っているのか居ないのか、そんな事を言うフレイの言葉は何処となく思わせぶりに聞こえる。
「ふふっ、まずは一休みでお茶にしましょうか。キラにもお菓子をあげないとですし」
「そうね、甘党のおばけだものね」
この二人は本当に気が合うようで、くすくす笑いながら言葉を交わすとそれぞれてんでにお茶の準備の為に動き出していた。
やはりケトルで一からお湯を沸かすのは紅茶派としては譲れないらしい。
「キラはカフェオレでいいな?」
そんな様子を見ながら私は自分の飲むにコーヒーを用意するついでにキラへ問い掛ける。
「うん。お砂糖2つにして」
確認するように訊いた言葉に彼は屈託なく微笑むと、角砂糖の数を指定してきた。
でもふと見ると、この遣り取りに3人が甚く感心したように何やら言い合っている。
何か特別な事をしていた訳でもないどころか私から言えばいつも通りの事でしかないので、その辺りがよく解らない。 - 152文字書き いちか25/03/23(日) 02:06:12
まるで考えている事を言い当てているように見えるかもしれないが、彼の方で敢えて他に飲みたいものがあれば何か言う筈だから、こちらから言わせれば要はついでで淹れられるもので構わないかと訊ねたに過ぎないのだ。
「……1個にしとけ。お前お菓子食べるんじゃないのか」
彼の為に別個に分けていたお菓子も、この後一緒に食べようと冷蔵庫には前日から用意してあるお菓子もある。
幾ら彼が甘いもの好きだからとは言え、流石に少し気になってしまって釘を刺すとケトルの様子を見にキラの傍を離れた。
まぁ、食欲があるのは結構な事なのだが。
それにしても……ラクスたちはさっきから3人で何を話しているのか。
少し気にはなるが、他人の話に耳を欹てるなんて流石に趣味ではないし、第一そういうのはどうかと思うので様子をチラリと見るだけだ。
ただ、その光景に何故だか漠然とした胸騒ぎのようなものも感じたのだけれど。
そうしてお茶の支度をしている間に、どうやらお湯が湧いたようでケトルがカタカタと音を立てながら湯気を噴きだしていた。
私は火を止める寸前に、ラクスに声を掛ける。
「…ラクス、お湯が湧いてる。紅茶淹れるんじゃないのか?」
「あら本当ですわ」
彼女は準備していたティーポットを手におっとりと微笑んだのだった。 - 153文字書き いちか25/03/23(日) 02:23:39
ハロウィン・2です
常駐先の方の為に書いていたものが変な感じに詰まってたせいか、こちらの方まで引っ張られて筆が止まってました
1と2で元のSS1レス分というか一纏りになってたので、そちらに準じた感じになってます
この頃のギクシャク感というか意識し出すと固まってしまう感じは凄く久し振りに感じますね(今でも迫られるとテンパリますが)
これは時系列としては割と早い時期なので無理もないのですけれど
ラクスやフレイは自分から押せ押せで来ますしね
- 154二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 06:36:55
いずれは普通に馴染んでいくのが良いよね
- 155二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 14:37:24
待機
- 156二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 19:20:09
保守
- 157二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 23:52:30
保守
- 158文字書き いちか25/03/24(月) 07:01:37
さて、保守代わりに進捗的なものを
この後はSS補完のハロウィン話の続きを出す予定ではありますが、裏作業でネタ用のメモ書きの書き起こしもしているので進行具合がちょっと読めないところです
まぁ、無理せずやっていきますね… - 159二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 12:05:55
待ってます
- 160二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:46:37
保守
- 161二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 01:30:34
待機
- 162二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 09:29:27
保守
- 163文字書き いちか25/03/25(火) 14:06:57
本日は火曜日ですので、例によって外出して来ます
ザックリとは書けているのですが、詰めとしてはもう少しですね
恐らくこのハロウィン関係のSSが元スレでは一番ハーレムという環境らしい話ではあったので、その辺を何とか…とは思いつつ仕上げられたらとは思いつつ…
とは言え、投下は明日以降になりそうですが - 164二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 21:32:31
待機