- 1スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:28:10
- 2スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:28:49
(これは…[来る]な)
紅茶を啜り、目を閉じる彼女。
その横で、姉ーードリームジャーニーは息を深く吸い込み、 - 3スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:29:11
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
- 4スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:29:43
- 5スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:30:02
最早慣れた様子で何も言わず、紅茶を啜り続けるオルフェーヴル。
しかし。 - 6スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:30:21
「…と、今までの私なら取り乱していただろうね」
- 7スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:31:10
「んぐッ!?」
スッ…という効果音が出ていそうなほどに冷静さを取り戻し澄まし顔となった姉の変わり様に、思わずえっほえっほとむせ返る。
「ああ、ごめんよオル。驚かせてしまったようだね」
「と、突然落ち着くでない…っ」
そうして姉に背中をトントンと叩かれ、ようやく落ち着いたオルフェーヴルは問う。
「…で、何故今回はそんなにも平気そうなのだ?」
「よく聞いてくれたね、オル」
それを聞いたドリームジャーニーは、待ってましたと言わんばかりにふふふ、と含み笑いを始める。
「勿体ぶらずに教えよ」
自信満々な姉の態度を訝しみつつ、さらに問うオルフェーヴル。
「実はね、遠征支援委員会の活動の一貫として、トレーナーさんにはある物のテスターになってもらったんだ」
「ある物?」
「これさ」
そう言ってドリームジャーニーが取り出したのは、彼女がいつも使っている携帯端末。
オルフェーヴルが覗き込むと、そのディスプレイに、何かが表示されるーー - 8スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:31:35
『ええと、キミはオルフェーヴルだね。始めまして、でいいのかな』
- 9スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:31:58
軽くお辞儀し、挨拶するそれは、ドリームジャーニーそっくりのウマ娘の3Dモデル。
しかし、その細部は違う。
彼女らの知り合いであるゴールドシップが身につけているようなヘッドギアめいたものや、サイバーチックなスーツを身につけているのだ。 - 10スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:32:18
「驚いたかい?オル」
「姉上、これは…?」
驚きを隠せない様子で、ディスプレイと姉を交互に見比べるオルフェーヴル。
「これはね、色んな筋の協力を得て開発した遠征支援プログラム…その名も」 - 11スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:32:37
「[ジャーニーチャンエグゼ]だ」
- 12スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:32:58
目をまん丸に見開いたまま、フリーズするオルフェーヴル。
そしてしばらくして、口を開いた。 - 13スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:33:35
「……ロックマーー」
「オル?」
「!!」
カウンター気味に放たれたプレッシャーに、身体が麻痺したかの如き感覚に襲われるオルフェーヴル。
「……で、このジャーニーチャンエグゼ?がどうだというのだ」
ごほん、と気を取り直し尋ねる彼女。 - 14スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:34:06
ジャーニーは語る。
「これは擬似的な人格を備えた新世代型AIでね。スケジューリングや移動法の提案など、効率的な活動支援を行ってくれるネットナビなんだ」
(今ネットナビと認めたな…)
「彼女はトレーナーさんのスマホの中にも入っていてね。彼が今どうしているか、なども共有してくれるんだ」 - 15スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:34:43
「それは、かんーー」
「オル」
「うむ」
「だから今後、私が取り乱すことはないと思ってもらっても過言ではないよ」
「そ、そうか…」
しかし、オルフェーヴルは考えるーー
(これは…一悶着起きそうだ)
とーー - 16スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 02:37:38
というわけで突然思いついたままに立てました、
『ロックマンエグゼ』に登場するネットナビ的なものをトレーナーに(テスターという名目で)渡したドリームジャーニー中心のギャグSSスレとなります。
話そのものは短く終わらせるつもりでございますのでどうかお付き合いくださいませ - 17スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 07:11:31
夜。
ホテルの一室にて、スマホを取り出すスーツの男性が一人。
現在出張中の、ドリームジャーニーの担当トレーナー(通称:ジャニトレ)である。
「えーと…ジャーニーチャン…だっけ」
『何でしょうか、ジャニトレさん』
画面が起動し、下からぴょこんとフェードインするように映し出されるのは、件のAIーージャーニーチャンエグゼ(以下、J.EXEと呼称)。
「いや、明日の予定を教えて欲しいなって」
『明日ですか…ちょっと待っててくださいね』
そう言ってJ.EXEは目を瞑り、ヘッドギアを光らせる。
そしてしばらくしてから目を開け、喋り出す。
『11時より他のトレーナーさん達との合同会議、16時よりVRウマレーターの追加システムについての講義となっています』 - 18スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 07:12:11
「そっか、ありがとうジャーニーチャン……って」
そこまで言うと、苦笑いを見せるジャニトレ。
『どうかしましたか?』
不思議そうに首を傾げるJ.EXE。
そんな彼女へ、ジャニトレは言う。
「この呼び方、ちょっと照れくさくて…」
『ふふふ、そうですか』
その言葉に、微笑みと共に返すJ.EXE。
「さて、僕はもう寝るよ。9時には起こしてね」
『わかりました、おやすみなさい』
「おやすみ」
そんな会話ののち、ジャニトレは眠りについたーー - 19スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 07:13:07
朝はここまで、続きは夕方頃にでも…
- 20二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 10:14:42
期待
あと>>4がツボった
- 21二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 15:48:34
楽しみ
- 22スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 16:18:27
そして翌日の夕暮れ頃。
トレセン学園、学生寮の一室ではーー
「ハッ!」
「ふん、甘いぞ姉上」
3×3のマス目状のエリア内で繰り広げられる攻防ーーオルフェーヴルとドリームジャーニーの姉妹は、何やらゲームの対戦中であった。 - 23スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 16:18:46
「中々やるね、オル。けど、これはどうかな?」
近接攻撃をカウンター付きの防御技で返されたドリームジャーニー。
しかし彼女は冷静に次の手を選ぶ。
そうして互いに選択が終わり、次のターンへと移行した瞬間。
二つのシルエットが重なり、ドリームジャーニーの操作キャラの姿が変わったーーかと思えば、オルフェーヴルの操作キャラが立つ位置以外のマスに穴が空く。 - 24スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 16:20:42
二門の大砲を持つその姿を目にしたオルフェーヴルは、焦りを覚えた。
(ナパームカオス、それにデスマッチ2だと…まさか!)
そして、次の瞬間。無数の隕石が1マスとなった彼女側のエリアに降り注ぐ!
そして同時に繰り出される、対魔の太陽銃!
オルフェーヴルの操作キャラのHPはみるみるうちに減ってゆき、そしてーー
「くっ…」
電子音と共に爆散した。 - 25スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 16:21:03
「私の勝ちだね、オル」
「流石姉上だ、まさか対人戦であのコンボを決めるとは」
「オルの方こそ、あの時のシラハドリの差し込み方は見事だったよ」
「うむ。だが対戦バランスはやはり[6]の方が良いな」
「ふふ…ならそうだ。また今度、実家からあれを引っ張り出してこようか」
「あれ…か。と、いうことは…」
「ああ。周辺機器ありのレギュレーションだ」
「ほう…良いのか?余のカーネルフォースが火を噴くぞ」
「望むところだよ」
ゲーム機を置き、談笑する二人。
そんな中、ジャーニーのスマホから着信音が鳴り響く。 - 26スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 16:21:26
「姉上、オート電話だぞ」
オルフェーヴルが言い終わると同時に、ディスプレイにJ.EXEが現れる。
「どうしたんだい?」
ジャーニーが尋ねると、
『ジャニトレさんからメッセージを預かったので、連絡しようかと』
と返す。
「ありがとう。早速聞かせておくれ」
『では、読み上げますね』 - 27スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 16:21:48
『[ジャーニーが渡してくれたこのAI、すごく重宝しているよ。バスに乗り損ねて走って行くことになった時も最短ルートを教えてくれたおかげで遅刻せずに済んだんだ。本当にありがとう]…だそうです』
「ふふ…それはよかった」
『私も、喜んでいただけて嬉しい限りです』
メッセージに上機嫌な二人(?)の姿。
それを眺めていたオルフェーヴルはーー
(似た顔に似た声が二人は……やはり慣れぬ)
と、思うのであったーー - 28スレ主◆FOrlrXcMrw25/02/22(土) 16:22:15
夕方の更新はここまでです!
次は深夜〜朝になります。