【SSスレ】ここだけ救護騎士団の子育て奮闘記 Part27

  • 1二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:31:22

    トリニティ付近に捨てられて衰弱していた赤ん坊を拾ってしまったセリナ
    周辺状況のきな臭さから救護騎士団で世話をすることを決める団長
    以降救護騎士団の出動時、背中に赤ん坊がおんぶされている姿が目撃されるように
    ---------------------
    という概念をSSにするスレ。27スレ目。

    本編(ちゃんと1連の話)は5スレ目で終わり
    既に番外編(スピンオフや、本編の幕間のお話)
    番外編の方が長い。とても長い。
    どこまで行こうというのだろう。

    もはや物語の整合とかキャラの成長とか気にせず書きたいものを書くスレ。

    見たい概念や概要を書いてくれたら
    俺がSSにしていく、そういうスレです。

    お前らが考えて、俺が書く
    書きたい人、書ける人は供給してくれると俺が喜ぶ。

    スレが落ちるその日まで可能な限り毎日
    救護騎士団とトリニティの子守りのお話や
    子供と接するブルアカキャラのお話を書いていく。

  • 2二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:31:38
  • 3二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:31:59

    前回までのあらすじ
    1~5スレ目:子育て奮闘記(日記形式)本編
    出来る限りちゃんと続き物意識してるのはここまで。

    これ以降全部蛇足編
    6スレ目:ゲヘナ旅行編。
    7スレ目:ミレニアム邂逅編と便利屋も出て来た気がする
    ラビット小隊もここで書いた気がする…
    8スレ目:アビドス邂逅編と親子逆転編開始。
    9スレ目:シャーレでヒマリとかC&Cとかワカモとか色々があった
    10スレ目:サクラコ様おいたわし編と、夏祭り編開始
    11スレ目:夏祭り編おわり、セイアちゃん単独編と、山海経編開始
    12スレ目:山海経編終わり、アズサとスズランの珍道中?編開始
    13スレ目:強いて言うならアリウス自治区探訪編?開始
    14~16スレ目:ミレニアム冒険編
    16スレ目:トリニティハロウィン。
    17スレ目:門主様来訪編。あと文化祭編開始。
    18スレ目~25スレ目:文化祭(アイドルイベント追走)編
    20スレ目:ちょこっとアリウス編
    22スレ目:お正月ネタ
    25スレ目:文化祭編やっと完結。
    26スレ目:リオ邂逅編。あと美食編開始。

    27スレ目:いまここ。どこまでいくの?

  • 4二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:32:22

    今回の新スレのスレ落ち対策話はヒナ。
    裏でダイスを振ったらヒナが出たのでヒナ回。

    ヒナの睡眠不足は深刻な問題なのでゆっくり休んで頂いた。

  • 5二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:32:40

    救護騎士団の思い出:風紀委員長とおやすみの日
    空崎ヒナ
    ――――――――――――――――――――――
    今日はシャーレの当番の日。
    この日ばかりは、風紀委員長の仕事を投げ出して
    先生の所でただの生徒として過ごす、私の楽しみの日。

    知ってか知らずか、マコトが仕事を押し付けてくるので
    前日のうちに全て片付けて、準備を整えているうちに朝がやってきた。

    電車の中で少し仮眠を取ろうと思ったら
    ハイジャックが起きたのを片付けて、なんとかたどり着いたシャーレ。

    寝不足の目で潜ったシャーレの執務室の扉の向こうでは
    先にやってきていたトリニティのセリナさんと先生そしてスズランの目がこちらを見て
    なんだか少し怪訝な色へと変わってしまう。

    ハイジャック犯をヴァルキューレに引き渡したり
    事情聴取を受けているうちに、もう30分の遅刻。
    責められても仕方がないのだろう。

    「ごめんなさい、少し遅れたわ。
     連絡したとは思うけど、電車でトラブルがあったのよ。」

    "大変だったね。"

    「大した事ではないわ。それより私の仕事は?」

    遅れた申し訳なさも手伝って、早速仕事を始めようとする私に
    先生とセリナさんが何かを確認するように目を見合わせる。

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:33:00

    「ヒナさん、昨日はよく眠れましたか?」

    「いいえ、少し夜更かしをしてしまったけれどそれがどうかしたかしら。」

    "ちゃんと寝た?"

    「そうね、少しは寝られたわ。」

    確か、部屋を出る前、着替えてから30分ほどだっただろうか。
    アコに書類を確認してもらうまでの間、コーヒーが冷める程度には眠ったはずだ。
    意図の分からない質問に首を傾げていると
    私の足元にはスズランがいて、私の顔を見上げていた。

    「あなたまで難しい顔をしているのね。
     ……遅刻に関しては、本当に悪かったと思っているわ。」

    無言でぴょんと私の胸に飛び込んで来たスズランを抱き留めると
    私の謝罪も無視して、私の目の下を優しくなぞる。
    全く意図が分からないその行動に困って先生を見て見ると
    いつの間にか先生達も私の傍に立っていて、静かな声で私に告げる。

    "そうだね今日のヒナの仕事は、スズランに任せようかな。"

    「きゅうご!ひなきゅうごね!」

    救護、彼女達がよく使う言葉だがその意味はよく分からない。
    通常通りの言葉であれば「怪我や病気の治療」だが
    彼女達にとっては紛争の解決や、問題の解決まで含んでいるようで
    何度一緒に仕事をしても、その言葉の広義さには慣れはしない。

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:33:11

    「スズランのお世話をすればいいのかしら。
     私には危険な任務の方が向いていると思うけれど。」

    "ううん。今ヒナに必要なのは救護だから。"

    先生まで使い始めた救護という不明瞭な言葉に私が首を傾げると
    私の腕を抜け出したスズランが今度は手を引いて歩き出す。

    どこに連れて行くのかと思えば、執務室の隣
    先生の休憩室になっているその部屋の中。
    先生が扉を開けると、私をその中へと引っ張り込むスズラン。

    「ひなちゃ、こっち、こっちー」

    「焦らなくても、ついて来ているわ。
     どこに行けばいいの?」

    「ここ!」

    スズランが指さしたのは先生の仮眠用ベッドの上。
    どうすればいいのか分からずに淵に座ってみると
    スズランが私のブーツを引っ張って、なんとか脱がせようとする。
    ベルトを外すと、すぽりと抜けたそれをもう片方。

    「できた!」

    ベッドの隣に靴を揃えて、ふんすと両手を腰に当てるスズラン。
    何かを待つかのように入り口の扉に目をやると
    ひょこりと顔を覗かせた先生の手には、優しい色の洋服が乗せられていた。

  • 8二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:33:28

    "少し大きいかもしれないけどこれを使って。"

    「先生、今日は当番の仕事をするつもりで来たのだけど…」

    "うん、立派な仕事だよ。じゃあスズランお願いね。"

    「あい!」

    どう見たってパジャマ、事務作業をするには確かに楽だが
    何かが起きた時に対応できないその服装。
    それを受け取り、ベッドの上へと飛び上がったスズランは
    パチリ、パチリと洋服のボタンを外そうとする。

    何が何だかわかりはしないが、先生の前で行われるそれに
    慌てて服を押さえる頃には、先生は扉の方で手を振っていた。

    "ちゃんと、仕事をお願いね。ヒナ"

    「先生、まだ私は何をすればいいのか分からないのだけど…」

    仕事が何かも言い渡されず、そのまま背中を向けられ
    追いかけようにもスズランの手がそれを塞ぐ。
    ボタンを外して、スカートのベルトを外して
    「自分でできるわ」という私の言葉も無視をして服を脱がせてまた着せる。

    先生の指示は"ヒナの仕事は、スズランに任せようかな。"
    その指示に従ってされるがままにしていると、私の服装は予想通りにパジャマ姿。
    少し長い袖と裾、それをクルクル折り畳み、きっと着替えさせ終えたのだろう。
    ふふん、と自慢げな顔をするスズラン。

  • 9二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:33:52

    「着替えは出来たけれど、この服で何をすれば…」

    「ひなー、ぱじゃまねー、ねんねのおよふくよー」

    知らないの?という顔をするスズラン。
    こうやるのよ、というように、私の肩引っ張って
    ベッドへと横たわらせた後、掛け布団を引っ張ってスズランも一緒に横になる。

    「ねんねよー」

    「あの、私は仕事を…」

    「ねんねよー。」

    起き上がろうとしてみても、押さえつけるように翼を乗せるスズラン。
    ポカポカとした体温と、柔らかな翼、
    それに寝不足に寝不足も相まって私の判断力は奪われてゆく。
    だんだんと瞼が重たくなってゆく感触。

    「いっしょねんねしよねー」

    「分かった、分かったから大丈夫よ。」

    「ねんねんーころりーよー」

    あまり上手ではない子守歌。
    リズムも音程も微妙にずれたその歌なのに
    私はなんだか心地よくて、意識が暗闇に沈んでいく。
    暗闇に落ち切るその瞬間に私は気づいた。

  • 10二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:34:09

    先生は、私にスズランのお世話を任せたのではなくて
    スズランに私のお世話を任せたのだと。

    ――――――――――――――――――

    どのくらい眠っていたのだろう。
    ぼんやりとした頭で、夢の内容を反芻する。
    大きな鳥の卵になって、温められていた夢を見た。

    なんだかそれが心地よくて、いつまでも卵でいたかった。
    でも目覚めてしまった私はヒナ。空崎ヒナ。
    いつまでも卵でいるわけにはいかない。

    「ここは……」

    見慣れない天井、古ぼけた風紀委員会の宿舎でも
    3年間住んでもなお見慣れていない自分の部屋の天井でもない。
    足りない情報量と頭に回らない血流に私は周囲を確認する。

    「ひなちゃ、おきたねー。」

    私の隣で「くぁあ」とあくびをする小さな女の子。
    私の頭に手を伸ばし頭をポンポンと優しく撫でる。

    「まだ、寝ていたい。」

    「んー、ねんねいいこー」

    「うん…もう少し寝る…」

  • 11二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:34:24

    いつのまにか体を丸めていた私の体の下には柔らかな翼
    体の上にも柔らかな翼、そしてその上には掛け布団
    見慣れない羽毛の翼に包まれて、もう一度卵に戻ろうとする。

    まるで親鳥に甘えるように、翼の中、布団の中に頭を埋めると
    翼が包み込むように、私を優しく引き寄せた。

    「……羽毛?」

    ゲヘナには羽毛のある翼の生えた生徒なんてそういない。
    そして、私と親しい間柄にある人でこんな翼を持つ人はいない。

    眠る前にロールバックされていく記憶。

    私は何をしていたのだろうか。
    今日は当番の日で、寝不足のままシャーレに来て。
    小さな女の子にベッドに押し込まれ寝かしつけられて。
    じゃあこの女の子は誰だろう、スズランだ。
    まるで親鳥のように、優しく私の頭を撫でている手は誰だろう、スズランだ。

    あまり大きな方ではない自覚はあるが
    それでも私よりもずいぶんと小さいその女の子に包まれて
    まるで彼女よりも小さな女の子のように、翼に包まれているのだろうか。

    急激に覚醒していく私の頭。
    卵から返ってきた私の自意識は、私の顔を熱くする。

    「ひなー?ひなちゃだいじょぶー?」

  • 12二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:34:45

    そんな私を気遣うように、スズランの声がする。
    布団の中で慌てふためく私を心配して撫でていた手でぽすぽす叩く。

    そうだ、寝たふりをしよう。
    バクバクと跳ねる心臓をなんとか撫でつけて
    気付かないうちに速くなっていた呼吸の速度をゆっくりにする。

    「大丈夫よ。ええ大丈夫。
     もう少し眠ってもいいかしら。」

    「ねるー?」

    うーん、とスズランが唸る。
    私がもう眠たくない事に気付いているかのように
    おかしいな、不思議だな、と首を傾げる音がベットを伝って聞こえていた。

    "スズラン、どうしたの大丈夫?"

    「ヒナさんがどうかなさいましたか?」

    「ひなねー、おきたー。おきたけどねえ…」

    そんな心配するようなスズランの声が聞こえたのだろう。
    先生とセリナさんまでもが休憩室へと入ってきて
    出るに出られなくなってしまった私。

    かといってこのままでは、この姿を見られるかもしれない。
    先生に小さな子に甘えている姿を見られるというのは
    巡行ミサイルの直撃を受けるよりもダメージが大きいのは想像に難くない。

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 04:35:01

    どうするか、と考えて見てもどうにもしがたいこの状況。
    せめて解決策の一つでも見つからないかと
    そっと布団の中から顔を出すと、そこには3つの顔がある。

    ひとつは不思議そうなスズランの顔。
    もう一つはセリナさんの心配そうな顔。
    最後の一つは、先生の不安そうな顔だったのだが
    私と目が合うと、穏やかでとても優しい笑顔に変わる。

    "よかった、ゆっくり休めたみたいだね。"

    今でも十分赤い顔が、もっと赤くなっていくのを感じる。
    そんな顔を隠すために私がもう一度布団の中に丸まると
    もう一度スズランの手が私の頭を撫でる。

    その手に被せられるようにさらに追加された
    スズランよりもずいぶんと大きくて優しい手。
    私はその手から逃れるようにもっと小さく丸まった。

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 07:23:51

    スズランの羽毛にはヒナも撃沈してしまったか

  • 15二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 07:52:03

    ヒナ可愛いね…ゆっくりお休み…
    というか先生も一緒に寝なさい、どうせ徹夜してるでしょ!

  • 16二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 08:22:27

    どこまでも行こう!

  • 17二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 09:53:50

    子供は親の真似をする、つまりスズランはミネママに羽根で抱きしめてもらってセリナにポンポンしてもらってハナエに子守唄歌ってもらってる、愛ですね、愛

  • 18二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 10:28:46

    羽毛+人肌+愛情の布団は最高の癒し

  • 19二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 11:33:05

    スズランはセラピストになれそう

  • 20二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 11:59:04

    なんで俺のところにはスズランちゃんがいないの…

  • 21二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 14:02:20

    トリニティでやったら行列出来そうだなこの添い寝

  • 22二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 16:49:19

    お疲れの生徒達と先生はスズランと一緒にお昼寝しようか

  • 23二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 19:14:13

    スズランちゃんナギサ様にも同じようにしてあげて

  • 24二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:06:31

    おそらく配布눈_눈にガチャでセナとジュリ、そしてチナツということは……このイベント、スズランちゃんが出てくる可能性が高い……!!(妄想)

  • 25二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:03:53

    あのセナは私服なのだろうか
    ブルアカゲーム内の私服はレアなイメージよ

  • 26二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:36:16

    ママ達の教えは間違ってなかった(感無量

スレッドは2/23 08:36頃に落ちます

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