- 11じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:11:12
- 21じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:11:37
- 3二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:12:39
おかえりミカ主!
- 41じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:12:46
【Part6スレまでのあらすじ】
①主人公はヒフミちゃん、召喚したのはセイバーことアーサー王。聖杯戦争開始から14日を越えるまでに勝利しないとマスターは全員魔力の拒絶反応でデッドエンド。
②ヒフミちゃんの目的はハッピーエンド、サーヴァント含めた参加者全員を犠牲にしない形での聖杯戦争終結。セイバーはその目的を叶えてヒフミを日常に戻すのが願い、お仕事的には聖杯戦争の解決もしたい
③聖杯戦争9日目に時計台で謎の封筒と鍵を発見。それを持ってシスターフッドに訪れたけど交渉結果はあと一歩足らず。セイバー達との話し合いでサクラコちゃんはずっと不安が見え隠れしている様子だったと再確認。
④モモイちゃんとミノリちゃんは病院で検査。ミノリちゃんはバーサーカーのスキルのおかげで元気。モモイちゃんは検査した限りでは発症してないよってセリナちゃんからお達しあり。
⑤ホシノちゃんも一時合流してみんなで集まって会議したらどうやら内通者の疑惑が出た。
⑥その晩に桐藤ナギサが聖杯、そして暴食のセイバーと名乗るサーヴァントに襲われる。同時刻、D.U.、ゲヘナ、ミレニアム、アビドスでも襲撃あり。
⑦一晩経ったところでゲヘナのカスミちゃんが情報を持ってきて助けてってお願いしてきた
→安価の結果、校則違反の品物の裏取引に関する罰則という名目で事態の終息後に普段捕まった時よりちょっとばかし長く拘留される……ぐらいな条件付きで温泉開発部の立場を三校が保障しつつ、無事に情報ゲット!
というわけでこれからUSBの中身を見るところから始めてくじゃんね☆ - 5二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:13:31
立て乙です!
おかえりなさいミカ主!待ってた - 6二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:15:05
お帰りなさい!
- 71じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:21:31
さて、改めまして。
長らくスレも建てれずたくさんご心配をおかけしてしまってごめんなさい。
やっとこさ帰ってきましたじゃんね☆
いや本当に前スレ爆発四散した時はどうした事かと思ったけどなんとか復活してもらえて良かったじゃんね☆
管理人さんありがとうございますじゃんね☆
度々SSが削除されてた件は荒らしてる人と同IPだったからなのか、もしくは多分連投し過ぎたのが問題だったじゃんね……
書き溜めて投稿スタイルに変えて短時間で投下するスタイルはよくなかったので今スレからは変更じゃんね☆
ではでは改めまして。
待ってて下さった方、笛にも遊びに来てくれてた方、声をかけて下さった方。
本当にありがとうございました。
3ヶ月かかっちゃったけど戻って来れたのは皆さんのおかげです。
また完結目指して頑張るのでよかったら一緒に遊んでやって下さいな!……じゃんね☆
ただいまじゃんね☆久しぶりにその名前で呼んでもらえてくすぐったいやら嬉しいやらじゃんね☆
ただいまじゃんね☆おかえりの一言がすっごく嬉しいです!じゃんね☆
ただいまじゃんね☆やっとこさ帰ってきたじゃんね☆またスレでみんなにお話読んでもらいながら一緒に安価で作っていけると思うとワクワクするじゃんね☆
- 8二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:26:09
オカエリナサト
- 91じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:34:09
さて、ここからは二つお知らせじゃんね☆
まず一つ目は笛版に関して。
今後も更新頑張ってたくさんの人にみんなが安価で導いてくれて一緒に作ったお話を読んでもらえるよう週1〜2回は更新する予定じゃんね☆
こっちはなるべく毎日頑張って更新じゃんね☆
それで、これまで更新した分について。
11/22以降に加筆した中にはわりとこの先みんなが物語を遊んでくれる中で有利になりそうな要素を入れてた……んだけどぶっちゃけ100万文字超えちゃって探すの大変だと思うじゃんね☆
1もなるべくフォローとかはするけど気になる点とか1の書き方じゃよく分かんないよ!とか笛で書いてる情報とこっちので加筆じゃ言い訳出来ない《矛盾》があるよー!ってのあったら遠慮なく教えてじゃんね☆
あ、あとナギサ襲撃時にモブちゃんの犠牲者増えたけどまぁなんとかなるじゃんね☆
二つ目じゃんね☆
とりあえずこのあとUSBの中身のメッセージを流すじゃんね☆
……そこしか出来てないじゃんね……
ので、多分大きな安価は明日になるのでこれぐらいの時間がいいなぁとかあったら教えてじゃんね☆
特になかったら多分午前10時とかから始めるじゃんね☆
ただいまじゃんね☆
一万二千年には全然届かないけど3ヶ月はなっがかったじゃんね☆
- 10二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:39:19
さぁて何がでるかな
- 11二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:41:08
ミカ主さんおかえり
止めちゃったのかと思って心配してた……爆破だったんですね - 12二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:44:27
久々の更新楽しみ
安価は内容にもよるけど個人的には12時ぐらいからがいいかな? - 131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:45:21
【観測可能領域との接続を確認……おーるぐりーん】
【皆様】
【ご無沙汰しております】
【サポートシステムが起動しました】
【これより】
【鬼怒川カスミとの取引で入手した情報端末内のデータを再生致します】
【なおこの音声記録は阿慈谷ヒフミを含めた拠点内にいる同盟メンバーが共有して聞いています】
【それでは皆様】
【よき視聴を】
ご機嫌よう、阿慈谷ヒフミさん。
折角の機会を設けて頂きながらこのような形でお話しする事になって私としても大変残念です。このメッセージが貴女に届いているという事は私が直接ミレニアムへ伺う事が出来なかった証左。つまりは、これから行われる作戦において我々が壊滅的な被害を負ったという事実に他ならないのですから。
そのような事態にならないよう、我々もベストを尽くしたいとは思っています。ですが……美食がそうであるように、闘争もまた水物。
たとえ万全を喫して挑んだとしてもその時の状況によって如何様にも様変わりしてしまいます。
包丁を振るわれる殿方は紛れもなく超が付くほどの一流。そうであっても厳しい任務となる、というのが先生も含めた我々全員が共通する認識。
ですからお会い出来なかった時の為に、このメッセージを貴女へ贈ります。
他ならぬ貴女と貴女達であればきっと大丈夫。
そう、あの人もイズミさんも仰っていましたから……私は私の信じる方達を通して貴女を信じてみたいと思います。
では改めて自己紹介を。
私は美食研究会部長、黒館ハルナ。
連邦捜査部シャーレと協力関係にあり、そして本日の夕刻より聖杯戦争への一時介入を行う「聖杯戦争対策部」のメンバーですわ。
- 141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:52:42
聞き慣れない名前に戸惑っていらっしゃるでしょう。
聖杯戦争対策部はその名前の通り、シャーレが立ち上げた特例措置的な部活動。
一週間前にキヴォトスで発生し、貴女が巻き込まれた列車事故に端を発する聖杯戦争という痛ましい《事件》を解決する為の組織です。
部員は各学園からシャーレに招聘された『生徒会関係者以外』でかつ『ある程度自由に動く事が可能』な生徒で構成されています。
要するに私達のような少々《やんちゃ》な学生や、或いは学園という枠組が希薄な子達が対象というわけです。
誰が聞いているか分かりませんから部員全員の名前を、とまではお話できません。ですから、貴女達の方で思い出して頂けますか?
なにせ私達は、時折とはいえ貴女の《近くにいました》から。
さて、次のお話を。
私達の任務としては基本的には聖杯戦争及び各陣営の情報収集、存在が確認されたシャドウサーヴァントへの対処、そして各マスターへのバックアップの三つとなります。
もっとも最後の三つ目に関してはバックアップと言えど実際に対応したのは先生が補填を請け負いたいと連邦生徒会に打診した戦闘での被害、その細々とした事務処理ぐらいでしたが。
さて、ここまで言えば私達の役割とシャーレの聖杯戦争に対するスタンスは御理解頂けますでしょう?
……聖杯戦争におけるマスターを含めた生徒達の保護とキヴォトスの防衛。
それと部員に限っては、先生の保護が私達の目的になるといったところでしょう。
……もっとも、私達が集められた情報はそう多くはありません。
実際に貴女方が召喚したサーヴァントとの交戦は控えていましたし、あくまでもシャドウサーヴァントと呼ばれるマスターが存在せず明確に生徒に対して害意を向ける存在への対処で手一杯でしたから。
さて、楽しいお喋りをいつまでもといきたいところですが私達にも予定が御座いますのであまり悠長にとはいきません。その上で、二点。貴女にお伝えする事があります。
一つ目に、これまで我々が対処していたシャドウサーヴァントの多くはゲヘナ近郊からトリニティにかけて存在が確認された事。
二つ目に、我々はゲヘナに拠点を置くライダー陣営が何かしらシャドウサーヴァントに対して有力な手掛かりを持っている……そう判断して本日夕刻より彼女達の拠点へ交渉へ出向く事になりました。 - 15二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:59:05
何となくだけど便利屋陣営が一番最初にきてもかしくなさそうだなこの流れだと
- 161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:59:12
……はっきりと言えば、我々からしてもライダー陣営の対応は極めて大きな悩みの種でした。
聖杯戦争対策部がこれまで監視してきた陣営の中で最も苛烈かつ大きな行動を繰り返していたのが彼女達便利屋68です。そしてその陣を敷いた場所はよりにもよってあの女のシンパが遺した……
カイゼリン・ブリッツ記念教会。
ある種の政治的なアンタッチャブルというべき場所は確かに、聖杯戦争というキヴォトスの社会と相容れない闘争に巻き込まれた彼女達の良き隠れ蓑にはなるでしょう。
ですが、それでも。
当時のゲヘナを知る彼女が其処を選んだ。
……はっきりと言えば正気に沙汰とは言えません。
にも関わらずあの場所に陣を敷いたならば。
正気ではいられない程の理由が存在するというのが『ゲヘナの三年生である私個人』の見解です。
それらを含めて、私達は今宵あの地に向かう事にしたのです……恐らく、交渉は決裂し銃弾を交える形になるでしょう。それを承知の上で、『彼女達の本当の気持ちに応えたい』という彼の方の意思を私達は尊重したいのです。
……先生がこの部活を立ち上げる際、まず声をかけようとされたのは彼女達だった、という話です。
ですがその時には既にサーヴァントを召喚していたのか残念ながらもう音信不通となっていたようです。今回は……少々手荒な真似をさせて頂きましたが連絡先を入手できました。
お察しの通り、随分と《話せば分かってくださる会社》がありましたのでそちら経由です。
もし皆さんもと仰るのでしたらオクトパスエンジニアリングの第七倉庫管理事務所へ。
きっとまだ《優しい社員さん》がいらっしゃる事でしょうから交渉の必要もないかと思われますわ。
……まあ、とっくに退社か傷病休暇を使って入院されているかもしれませんけど。
最後になりましたが、これはあくまで私一個人からの贈り物になります。シャーレが貴女や貴女達の陣営に与する、そういう話では《ここまでは》ないんです。
ですから、このメッセージ《以外で》もし、この端末に何か別のデータがあった場合。
それは聖杯戦争という異常事態、そしてその参加者である。
───阿慈谷ヒフミという一個人にシャーレが肩入れする。
先生がそう、判断したという事です。
どうかくれぐれも取り扱いと、そして貴女自身を大切になさって下さい。 - 171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 21:08:50
ああ、それと。
こちらのメッセージは古い友人に頼んで届く手筈になっています。
……あの女の案件に後輩を間接的にでも関わらせる事を、あの子には酷く悩ませてしまいました。
彼女も三年生です。
雷帝にまつわる事案への忌避感は強く、叶うなら触れる事なく過ごしたいと考えていた事でしょう。
……それでも彼女は私達の願いに頷いてくれました。
もしこのメッセージを受け取る事態になって、もし彼女やあの子の後輩に……私達ゲヘナ学園の後輩達に会う事があればどうかお伝え願えませんか?
『無理をさせてごめんなさい、けれどありがとう』、そう……黒館ハルナが最後に遺したと。
では、時間ですので。
いずれまたお会いした時には、今度こそ素敵なお菓子とお茶を楽しみにしておりますわ。
阿慈谷ヒフミさん、貴女の願いが叶う事を私達も先生も願っていますよ
では───またいつか
【USB内部に録画映像が】
【一点】
【残されています】
【再生しますか?】
【安価先>>22】
- 18二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:09:57
再生再生超再生
- 19二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:10:54
安価下
- 20二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:11:18
かそく
- 21二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:11:50
再生
- 22二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:12:41
再生で
- 231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 21:18:44
安価へのご協力ありがとうございましたじゃんね☆
……というわけでここから書き溜めなしなので1から書いてきますじゃんね☆
この後の記録映像で何をやるかは、お楽しみにじゃんね☆
とりあえずステータスは設定し終えたじゃんね☆
あとあとみんな知ってると思うけど1は遅筆じゃんね!だからこのあとの更新は安価もないし無理せず明日見るとかのんびり待っててもらえたら嬉しいです!じゃんね☆
ハルナちゃんだったじゃんね☆
ただいまじゃんね☆忘れもしない11/21……1もびっくりしたじゃんね☆帰って来れて良かったじゃんね☆
1もやーっと続きを始められてうきうきじゃんね☆
12時、ありがとじゃんね☆
マリーちゃんの流れも来てるし、と、トキちゃん?どうするじゃんね……?
まあなるようになるじゃんね☆
- 24二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:43:34
- 25二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:51:55
- 261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 22:24:31
【10日目午前/早朝・特殊イベント】
【立ち入り禁止区域『廃墟』・同盟拠点/食堂】
【映像記録を再生します】
【9日目深夜・回想イベント】
【ゲヘナ自治区・近郊エリア西区】
【2時00分・立入禁止区域外縁】
【Recommend BGM……《昏き陽の下に~天覧死合舞台~》】
男がその地に着いた時、日は地の上にのぼった。
主は硫黄と火とを主の所すなわち天から罪深きものの上に降らせて、これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。
しかし男の妻はうしろを顧みたので塩の柱になった
(『Genesis』19:23-26)
地獄があるとすれば正しくこの様を指すだろう。
ゲヘナ自治区はその夜、業火に包まれた。瓦礫の山を作り、その山々を石となす御技。雷鳴降り大地を砕いては裂け目より怨嗟の焔を灯す。
ゲヘナ学園生徒会『万魔殿』、生徒会長『羽沼マコト』の動きは早く、そして正確であった。シャーレと極秘裏に連携を取っていた事で、事前通達によって当事者達を除く人命被害を一切出す事はなかったのだから。
だから、シャーレの先生は───。
23:00。
そう、シャーレも万魔殿も何一つ間違える事なく万全の備えを以て脅威へと挑まんとした。
アリウス分校、『アリウススクワッド』.4名。
ゲヘナ学園、『美食研究会』、4名。
SRT特殊学園『Rabbit小隊』、4名。
そして、連邦捜査部シャーレの要請を受けた『当番生徒』、1名。合計13名による部隊を率いての大規模作戦。目的は、聖杯戦争の参加者である便利屋68との和平交渉。そして万一、連絡時点から《ほぼ確定事項であった》交渉が決裂した場合には、聖杯戦争から便利屋68の4名を確実に《保護》する事もまた目標とされた。
舞台となったのはゲヘナ中央区から外れた近郊にあるカイゼリン・ブリッツ記念教会跡地。立入禁止区域に指定され、今も記念教会跡地を中心とする数km圏内が数年前より誰も足を運ぶことが許されない不毛の廃墟。
- 271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 22:34:17
教会へ実際に足を運んだのはシャーレの先生、空崎ヒナ、黒館ハルナ、錠前サオリ、月雪ミヤコ、空井サキ、鰐淵アカリの7名。
残る対策部メンバーは拠点近くの廃屋で待機。
そしてゲヘナ学園万魔殿戦車長『棗イロハ』が率いる戦車部隊及び同学園風紀委員会よりサーヴァントとの交戦経験のある『銀鏡イオリ』と風紀委員会が近隣の市街地に部隊を展開。
万一に備える形を取っていた。
翌、1:00。
シャーレが有する特別非常事態対応部隊『聖杯戦争対策部』が独自に入手した連絡手段からアポイントメントを取って行われた2時間の談合。
結果は、残念ながら決裂の二文字に終わった。
この時点で両者は交戦を開始。
教会から離脱したシャーレの先生と聖杯戦争対策部は、ライダー陣営が率いる腐臭漂うオートマタの大隊と衝突した。
両者、一歩も引かず。
突入した戦車部隊や風紀委員会の選抜生徒で構成された部隊も混じっての総力戦となる。
そして、時計の短針が2を指した時。
戦場と成り果てた大地へ一筋の雷霆が空より落ちた。 - 28二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:36:02
戦力は集まってるけど今の覚悟ガンギマリライダー陣営にいけるのか?
- 29二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:46:45
お久しぶりです!
- 30二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:48:15
更新途中だがスレ復活おめ!
笛は追ってたけどここでこうして続きが読めるのは感慨深いな - 311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 22:56:22
- 32二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:05:08
あ、そういえばリオとの対談でバベッジが平安京での思い出を思い浮かべてたよね
なるほどこういう形で繋げるとは - 331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 23:28:59
- 34二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:32:19
2部五章を思い出すぜ。あっちと同じようにアルは倒すべき強大な者が何かわかってるようだね
- 351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 23:37:20
この時、地獄の釜が開いたのだという。
D.U.、トリニティ、ミレニアム、アビドスでシャドウサーヴァントと思わしき存在を確認。各地で戦端が開かれた最中。
「───おや、驚いた」
ソレもまたこのゲヘナの地に現れた。
「狩りのつもりで来てみれば、首がこんなに」
雷鳴が吹き荒れる。
「これではただの根切りにしかなりませんね」
暗雲立ち籠め、世界が悲鳴をあげる。
「そこな蛇の怪生か、角なぞ生やした鬼もどきか、例の童女か……いずれも化外、この地に住まうは怪異がばかり。であれば落とす他にありはしない」
つまらなそうに嗤いながらソレは静かに鎧を鳴らした。
「それとも、お前の首をもらうとしましょうか?」
同日、2:15。
「如何か?───シャーレの聖僧よ」
聖杯のライダーの出現を確認。及び、陸八魔アルによるライダーへの令呪使用の宣言が下された。
- 36二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:39:13
うわメンヘラヤバ若ママじゃん
- 371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 23:47:22
というところで今日!そしてひっさびさの更新はおしまいじゃんね☆
1は今から明日の導入を考えてくるじゃんね☆
最後に出てきたのは誰か?
そりゃあランサーと同じ1が考えるキヴォトス出禁組の一騎じゃんね☆ミーカミカミカミカミカ
明日は11時ぐらいから導入始めて12時頃に安価開始でいくじゃんね☆
今日は久しぶりにスレ建てたのにたくさん遊びに来てくれてとっても嬉しかったです。コメントもたくさんありがとうございます、またみなさんに遊んでもらえると思うとすっごく嬉しいです!
また今日からハッピーエンドに向かって1もしっかり頑張りますね!
ではではみなさん、今日は読んでくださってありがとうございました!また明日もよかったら遊びに来てやって下さいな!
それではおやすみなさい……じゃんね☆ - 38二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:49:09
乙でした~
- 391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 00:01:38
ぶっちゃけるとこの録画データはハルナちゃんの言ってたそれ以外に当たるじゃんね☆
サポートシステムちゃんにもう少しそこら辺うまく伝えてもらえばよかった1のミスですじゃんね……
見学メンバーは楽しそうに見てるじゃんね☆
なんならシュロちゃんあたりはゲヘナとミレニアムどっち見ようか悩みまくってたと思うじゃんね☆
覚悟ガンギマリーライダー陣営だったけど横槍入ったじゃんね☆共闘なんてさせる余裕はないじゃんね☆
お久しぶりです!じゃんね☆また帰って来れたじゃんね☆
ありがとじゃんね☆笛も読んでてくれてとっても嬉しいじゃんね☆笛の更新と最新話のツルギちゃんvs聖杯のバーサーカー戦も引き続き頑張るじゃんね☆
あと更新中でも気にせずがんがんコメントしてもらって大丈夫どころかありがたいぐらいだから、お気になさらず!こちらこそありがと!じゃんね☆
ガッツリ描写もしたし今回コメでの言及もあったってことで明記するじゃんね☆
この聖杯戦争でモモイちゃんに召喚されたキャスターは平安京の記憶をがっつり持ってるじゃんね☆
カルデアに召喚されてるバベッジ卿ではないじゃんね☆
1は二部五章前後編どっちも大好きじゃんね☆どっちもぼろくそ泣いたじゃんね☆
アルちゃんについては……《選択し終えた》子じゃんね☆
の、のーこめんと!のーこめんとじゃんね☆
まだ足だけしか映ってないじゃんね☆
こちらこそ、遅い時間まで読んでくださってありがとうございましたじゃんね☆
- 40二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 00:07:12
おつかれさまです
- 41二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 00:54:07
乙です。復活おめでとうございます
結局、Part6削除原因なんだったのか、コレガワカラナイ
聖杯のライダー…オワッタ。色々と厄介すぎて倒しにくいヤツ筆頭。だれか剣魔と神殺しのコンビ呼んできて(小並感) - 421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 01:20:18
- 43二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 02:51:25
笛で追ってましたが復活おめでとうございます
- 44二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 03:11:45
お疲れ様です
落ちるまでの時間が10時間に変わったんで気をつけておいた方がいいかと - 45二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 03:40:01
ハーメルンから来ました
今までは過去スレ見てるだけだったので参加できて嬉しいです、復活おめでとうございます! - 461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 08:40:42
- 471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 11:13:21
【9-10日目深夜・回想イベント】
【ゲヘナ自治区・近郊エリア西区】
【2時15分・立入禁止区域外縁】
【Recommend BGM……《怨嗟の天楼》】
原始、人の信仰の始まりと魔術の成り立ちにあって重要視されたのは《生きること》であったとされる。
飽食の時代である今と違い、明日生きていられるかも分からぬ遥か古代にあって、願望や祈りは等しくプリミティブなものだったのだ。
蛇。外の世界において彼女達は古来より信仰の対象であった。
四肢を持たない長い体は地と水を滑るように這い進み、一噛みで死を齎しながら脱皮を行い古き命を再誕させる。生と死の象徴。
地と水、多産と豊穣を司るとされた蛇の形質は───女神。
牛。彼らもまた古来より信仰の対象とされた。
四肢で大地を踏み締めては耕し、その肉によって恵みを与えながらも時にその荒々しき両角は死をも齎した。新しき王権の象徴。
天と火、闘争と繁栄を司るとされた牛の形質は───男神。
そして両神は、相剋の立場にあった。
『牛と蛇の神話』、外の世界に点在しその実、多くの逸話の土壌となった原初の関係。
古き女神をまつろわす新しき男神。
「では、屠りましょう」
故に、このゲヘナにその者が現れたのは必然という他なかった。
何故ならこの地で召喚され、とぐろを巻くライダーは遥かなアカイアで信仰された原初の女神が一柱。
であるならば、ソレが殺しに来るのはあまりにも自然な事だったのだ。
「誅伐、執行───雷こそが我が《憤怒》なれば」 - 48二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 11:26:22
やっぱりあんただったか。聖杯だろうが何だろうが関係なく元から色々可笑しい奴がきたなぁ
- 491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 11:35:29
火とは厄災であり文化であった。
雷もまた厄災でありながら豊穣を齎す。山海経に伝わる五行思想において《木生火》とされるように雷は火を生む相生の関係にあるとされる。火と雷は密接な関係にあるのだ。ならば、その光景を武者が齎すのは。ゲヘナの地に地獄の釜が開いたのは。
これもまた当然であった。
「ッ!ライダー!令呪を以て我が友に命ずッ!」
「ええッ!怪物の真価を───ッ!」
シャーレとの闘争の中で雷鳴を撒き散らしながら突如として出現した異形の軍勢と未知のサーヴァントというイレギュラー。それを目にして陸八魔アルは憎悪の色を滲ませた。激情と言わんばかりに荒々しく左手の甲を天高く突き立て吼える姿に、隣に立っていたライダーも応える。
「全てを使い切っても構わないッ!あの女を止めなさいッ!」
そしてアルは伸ばされた手を掴まず、それどころか男を自分達から突き離すようにそっと胸を押してから、己が友へこの地に召喚されてから初めて全力を奮えと命じた。
「───牛王反転」
現れた武者のサーヴァントは頭上に立ち込める暗雲より紫電を迸らせると共に己が立つ大地に映る影よりそれを出現させる。
「女神変転───ッ!」
ライダーもまた己が髪を伸ばしながら大地を赤黒く染めあげてその身を変生させる。
「悪逆無道───」
「極限解放ッ!キュベレイィッ!」
そしてこの時、ゲヘナの地に遠き異邦の蛇と丑の神話が再現された。 - 50二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 11:48:35
地味にライダーを“我が友”って言ってるの良いな~(今起きてる怪獣大決戦に目をそらしつつ)
- 511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:14:39
【Recommend BGM……《災いのカミ〜Samurai Remnant ver.〜》】
戦場は混乱と蹂躙の渦に包まれた。指示は通らず、だが先生達から最後に受けた指示で撤退せんとする生徒達の前にあり得ない光景とあり得ない衝撃が叩き込まれた。宜なるかな。
神話の一端に踏み込んだ戦いは最早只人の域にはなく、如何にシャーレの先生であれど《未だ制約が解除されていない今》は舞台に上がる事すら難しい。
「ふふっ……ふふふッ」
幸いだったのは先生が既に撤退の指示を出し終え、多くの生徒がこの場から離脱した事。そしてこの場は立入禁止区域であり、その上で最悪を見越して羽沼マコトが立入禁止区域近くの住民にも作戦前に避難勧告をしていた事であった。
「あァァッハッハッハッ───ッ!」
顔の無き巨躯の丑。
蛇の尾を持つ女神が堕ちし魔獣。
何故なら今顕現した神格は両者共に巨大。ゆうに40mを超える巨体なのだから。
「さて、源の頼光は」
雷が猛る。怪物染みた大きさの牛が魔獣の女神へと変生したライダーへと突進する度に地面を砕き穿ち、馴らしていく。対してライダーもまた、己が髪を振るってはその髪先を巨大な蛇の頭に変じさせては迎え撃つ。
「あっぱれ朝家の守護として」
総力戦は潰滅した。残っているのは小高い山程もある怪物二匹による大試合。足の踏み場に入ろうものなら羽虫のように潰される。
「世に聞えつる良将の」
両者、ただ歩くだけで突風を吹かせ地響きを鳴らす。雷が周囲を火の海に変えて、熱線が周囲を石の骸で飾り立てていく。
「立てし勲をも大江山」
その様を、武者は苦々しげに鼻唄を口遊みながら手勢も連れずに歩きながら見ていた。重装な鎧を身に纏いながらも足取りは軽い。
既に命じていた異形の軍勢がゲヘナ市街地へと侵攻しに行ったのに遅れて武者もまた、市街地へ足を向けた。 - 521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:18:29
- 531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:46:47
立入禁止区域を越えるための柵、その手前。
入り口の前にシャーレの先生は一人立っていた。
白い制式コートは砂埃と泥跳ねで汚れていた。眼鏡にも泥が跳んでいる様子からよほど急いで走り続けたのが見て取れる姿。息もまだ整っていないのか、少しだけ荒れているのが武者には分かる。
分かるが。
「其方こそ、こんなつまらぬ歌を知って如何するというのでしょう。宜しければその頭蓋、割って私が髄ごとつまらぬ記憶は抉り棄てて差し上げましょうか?」
“ははは……ちょっとそれは困るかなぁ。それに、私は先生だからね。こういう物も大事に覚えておかなきゃいけないんだ”
それを悟らせないように努めている。背筋と胸を張り、虚勢染みた笑みを浮かべている。生徒が周りにおらずたった一人。生徒なき今、何の力もないというのに格好つけて見栄を張って、けれど確かにシャーレの先生は英霊の前に立っていた。
武者の己が背、つまりは先生からはまざまざと今も蛇と牛が神話の戦いを再現しているというのに。矮小な人間では立ち入れない隔絶した闘争を目にしているというのに。
「……つまらぬ殿方で」
“よく言われるよ”
シャーレの先生は未だそこに立っている。
武者にとっては何やら得体の知れぬ物を見るような心地であった。
「しかし我が大神使の足にてとうの昔に踏み潰された、とはいきませんでしたか」
“うん、君が呼んだ妖怪達から守ってくれた生徒達がいてね。なんとか撤退の指示を出しながら後方まで他の子達を、さ”
その内面、心情はいまだ底が知れず。
だが武者はこの男が最後に残ってしまった理由には得心がいった。武者の顕現に合わせて雷電と共に招来された数多の化外、異形の軍勢。シャーレとライダー陣営の戦闘に割って入る形となった急襲によって戦場は混乱し、更に追い打ちとなった巨獣《丑王大神使》と魔獣化したライダーの決戦。
あれほどの混乱、戦場に取り残されていてもおかしくはない。
或いは何人かを殿にして自ら撤退を率いるだけでも手一杯だった、そういう話なのだ。だからここで待っている、なんとも泣ける話だと武者は面貌の下で皮肉げに顔を歪めた。 - 541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:52:16
「それは残念」
“おや、そうかい?”
そしてそういう話ならば、後は早い。なにせ、男は一人。何の力もなくこの場にいる。そして《勘違いしている》。
「ええ、そうでしょうとも。聖よ、聖僧よ。だって」
撤退の指示を出して、後方まで下がらせた生徒。
それが今頃どうなっているか。この男が戦場に留まったが故に、《第二の戦場となっているであろう市街地》がどうなったか。決まっている。
「貴方の生徒達は今頃鬼の腹の中なのですからッ!」
すべて、すべて、破壊の限りを尽くされ惨たらしい終わりを迎えた。それだけの話なのだから。
ならば後は、目の前の男を殺すだけ。本当に単純で、わかりやすい話でしかない。だから武者はその手に黒塗りの劔を取って。
「───ごめんなさい、遅れたわ」
重々しき曇天を吹き飛ばし、月明かりを背に受けて先生の隣に一人の少女が舞い降りた。 - 551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:11:44
「先生……平気?」
“ありがとう、ヒナ。問題ないよ”
「……なら良かった」
そっと硝子細工にでも触れるようにして先生の頬に跳ねた泥を指で落としながらヒナははにかんだ。
“もう、終わらせてきてくれたの?”
「ええ、大きいのとかは。残ったのはアコ達が引き受けてくれたわ。マコトもマコトで戦車隊《は》好きにしろって話だったし」
なんて事のないようにヒナは静かに微笑む。会話だけなら宿題を終えたかどうかを確認する父娘か兄妹のよう。けれど言葉の真の意味は別。
この場合の終わらせた、という事はつまり。
「……空崎ヒナ」
ゲヘナ学園最強、空崎ヒナの手によって敵の一団は《一時的》にであっても事実上の全滅となった事を示すのだ。
「あら?知ってるのね、私のこと。でもごめんなさい、私は貴方の事これっぽっちも知らないの」
武者の声にヒナは面倒臭いという態度をありありと見せつけながら振り返る。だが、武者にそんな挑発も侮りを示すポーズすら意味をなさなさかった。
「我が宝具で一緒くたに陸八魔アル諸共潰すつもりでしたが……まさか生き残るだけでなく、戦場の渦中にあったお前が先に市街地まで出向いているとは」
幾ら大味とはいえ、自身が誇る宝具を奇襲という形で使用した上で生き延びられた。ましてや今も大きな外傷はなく、緩やかな自然体な仕草にあっても一切の隙がない。
「足が速いのよ、仕事柄ね」
「……いいでしょう。私としては貴女は駆除の対象ではありません、が」
強敵。ここで殺しておかねば、次の動きに支障が出る。武者はそう判断した。 - 56二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 13:31:00
これ見る限り聖杯のサーヴァントは皆アルターエゴみたく何かしら別の奴が混ざってるみたいだな
- 571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:38:20
「所詮は羽虫。我が安綱で刎ねるには少しばかり安い首ですが、これもまた役目なれば」
空振。武者は剣を抜き放つ。殺意が形となった魔力の余波は待機を揺るがし稲妻を迸らせる。
「先生、あれは殺す気で仕掛けてくる」
“うん……ならこっちも、全力だ”
「……わかった」
対して、ヒナと先生がするのは一つ。
【Recommend BGM……《日常の鞘・戦陣》】
手を取り合って、頷いてから互いのポジションへ。前衛はヒナが。そして後衛にはタブレットを持つ先生が。これが二人の役割にして、二人のベストポジション。両者共に準備は整った。
「我が罪咎の忌み名、憤怒のライダー。我が骸の真名、丑御前。牛頭天王の血を受けし鬼子が一柱也ッ!」
懐かしい、とすらヒナは感じた。これまでも二人きりで戦場に赴く事はあった。ただ、今。
今もなお教会跡地一帯の戦場で、そして市街地で戦っている仲間達から託された物を胸に抱いて戦う。そんな時間は、あの日のようで。
痛みに似た後悔が、押し寄せそうになる。けれど。
「大丈夫。今度は……ううん、もう二度と」
何も言わず、そっと肩に乗る暖かくて大きな掌の感触があれば大丈夫だと先生と自分に言い聞かせる。
「いざ、いざ、いざッ!誅伐を下さんッ!いざ尋常に───勝負ッ!」
「─── 先生に傷一つだってつけさせない」
そして今宵、ライダーと巨獣が矛を交え、市街地でも鬼達との戦闘が行われる中でひっそりと。
憤怒のライダーとの戦闘が開始された。 - 581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:43:13
- 591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:56:45
【9日目夜・特殊戦闘イベント(回想)】
【これより観測を開始します】
【戦闘条件確認……該当あり】
【味方陣営1名】【敵陣営1騎】
【戦闘ターンは3ターン】
【戦闘目標は敵サーヴァントの撃退】
【前衛は空崎ヒナで固定となります】
【ご注意下さい】
【味方生徒の基本データを表示します】
空崎ヒナ
【ステータス(絆ランクボーナス適用)】
最大HP/気絶耐久値:942/240→ 1025/256
支援火力:1d99 →1d124(最低値:74)
【スキル】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
効果 :敵全体に判定値の12倍のダメージ(アクティブ→Lv.5)
スキル名:リロードアンドデストロイ+
効果 :ターン開始時、先手後手の結果を振り直す/振り直したターンの攻撃判定値に+1d43(アクティブ/パッシブ→Lv.10)
スキル名:冷徹な風紀委員会+
効果 :相手が回避選択時に−1d26/攻撃判定値に+1d58(パッシブ→Lv.10)
スキル名:徹頭徹尾
効果 :相手が防御を選択していなかった戦闘ターンに勝利した場合、判定値の5%のダメージを加算(パッシブ→Lv.10)
- 601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:58:19
【続いて】
【敵サーヴァントの霊基データを表示します】
クラス:聖杯のライダー
最大HP/現在HP:666/666
筋力:A(判定値:56)
耐久:B+(判定値:44)
敏捷:C(判定値:31)
魔力:A+(判定値:56)
幸運:C(判定値:37)
【クラス別スキル】
スキル名:対魔力
ランク:B
効果:敵のステータス「魔力」によってダメージ受ける場合、1d40のダメージカット。
スキル名:騎乗
ランク:EX
効果:騎乗状態での攻撃時または「敏捷」選択時、1d50+12のダメージボーナス(回避にも適用可)
スキル名:狂化
ランク:EX
効果:「耐久」「魔力」選択時、1d50+12のダメージボーナス
スキル名:憤怒の権能
ランク:A
効果:不明 - 611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:58:58
- 621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:00:11
- 631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:01:31
【これより】
【1ターン目の行動安価を行います】
【先手/後手を選択後に】
①攻撃
②回避
③防御
【上記の①〜③から行動を選択して下さい】
【先手の場合はクリティカルボーナスを付与】
【後手の場合は防御、もしくは回避を選択できます】
【空崎のアクティブスキルのみ宣言があれば自由に発動します】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
分類:アクティブ
状態:Lv.5
効果 :敵全体に判定値の12倍のダメージ
【安価先>>69】
【また】
【基本的には攻撃か回避、防御となりますが、より詳しく○○しながら殴る等があっても問題ありません】
【その場合は内容によってボーナス等が付与される場合があります】
【それでは皆様】
【よい行動を】
- 64二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:06:09
とりあえず普通に先手で攻撃してみるか?
ちょっと様子みたいし - 65二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:10:50
64が言うようにまずは先手で攻撃をしてみつつボーナス狙いで「狙われにくくするために動きながら攻撃」
- 66二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:15:09
なんかブラフでも言って相手を動揺させたい気持ちはあるけどそれで相手が焦ってヒナを無視してどっか行ったら困るからな
65かな? - 67二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:15:10
先手で①攻撃 かな
向こう武器の刀が有利そうな近接の間合いまで近づけさせないよう弾幕を張る感じでかな? - 68二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:19:44
先手で攻撃が良さそうかな
狙われにくくするために動きつつ弾幕張る感じで
ただこれライダー先生狙う可能性あるのかな? - 69二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:23:53
- 70二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:24:06
先手で①攻撃で 先生と聖杯のライダーの間を遮る様に位置取りしつつ相手の動きを抑える様に弾幕張りながら攻撃
- 711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:30:40
【安価の達成を確認】
【空崎ヒナの攻撃を判定します】
攻撃:dice1d124=7 (7) (最低値:74)
冷徹な風紀委員会+:dice1d58=33 (33)
【続いて】
【憤怒のライダーの動きを観測しました】
【ご確認ください】
【憤怒のライダーの攻撃対象選択】
dice1d2=Error→1
1.空崎ヒナ
2.シャーレの先生
【憤怒のライダーのステータス選択】
①筋力②耐久③敏捷④魔力⑤幸運
⑥回避⑦防御
dice1d7=7 (7)
【聖杯のライダーの戦意pt】
100以上で宝具発動(現在累計0pt)
dice1d100=76 (76) +10先手ボーナス
【敵サーヴァントのスキル使用】
ライダーはスキル使用をdice1d3=2 (2)
1.選択した(使用スキル第dice1d3=1 (1) )
2.選択しなかった
3.選択しなかった
- 721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:38:47
- 731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:40:05
- 74二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:41:16
攻撃対象選択のErrorはシッテムの箱というかアロナの干渉かな、もしくは憤怒の影響か
どちらにせよ先生が攻撃される心配は無さそうかな? - 75二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:42:46
このままいけば宝具を撃たれてもなんとかなりそうかな?
後挑発やブラフで相手を動揺させるのは出来そうかな - 76二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:47:16
3ターン目にイシュ・ボシェテが良さそうなのかな?
後この状況でやっちゃまずいことは何か - 771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:52:08
【>>74】
Q. 攻撃対象選択のErrorはシッテムの箱というかアロナの干渉かな、もしくは憤怒の影響か。どちらにせよ先生が攻撃される心配は無さそうかな?
A.
“(動きが速い、隙を読んで私にも剣を向けたそうにさせてる、けどヒナ相手にそれはちょっと欲張りかな?それに……いつも通りだしね)”
“頼むよ───二人とも”
『もちろん!いつでもお任せ下さい!』
『承諾。先生には指一本触れさせません』
【>>75】
Q.このままいけば宝具を撃たれてもなんとかなりそうかな?後挑発やブラフで相手を動揺させるのは出来そうかな
A.
「(初手はお互い様子見……ギアはここからってところかしら)」
「(例のスキルや宝具……シャドウサーヴァントと違って目の前の相手は恐らく使ってくるだろうから警戒も必要ね)」
「(動揺させれば……動きを限定してダメージを通す、なんてのも可能かしら)」
【>>76】
Q.3ターン目にイシュ・ボシェテが良さそうなのかな?後この状況でやっちゃまずいことは何か
A.「───勝てるならなんだって良いわ」
「(どのみち、こいつはここで叩き潰す……早く便利屋の子達のところに……対策部の子達のところに戻らないと)」
「(ただ、焦りすぎても良くない。コイツは強い……もし私がやっちゃいけない事があるとすれば仕留め損なって、コイツが市街地に行く事)」
- 781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:54:33
【これより】
【1ターン目の行動安価を行います】
【先手/後手を選択後に】
①攻撃→dice1d124=104 (104)
②回避→dice1d124=29 (29)
③防御→dice1d124=91 (91)
【上記の①〜③から行動を選択して下さい】
【先手の場合はクリティカルボーナスを付与】
【後手の場合は防御、もしくは回避を選択できます】
【空崎のアクティブスキルのみ宣言があれば自由に発動します】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
分類:アクティブ
状態:Lv.5
効果 :敵全体に判定値の12倍のダメージ
【安価先>>85】
【また】
【基本的には攻撃か回避、防御となりますが、より詳しく○○しながら殴る等があっても問題ありません】
【その場合は内容によってボーナス等が付与される場合があります】
【それでは皆様】
【よい行動を】
- 79二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:59:53
正直、計算上は大きく防御されない限りイシュ・ボシェテ撃てば一撃圏内ではあるんだよな
更にこのターンで相手が宝具撃ってくる確率は3/4以上あるし
今撃った方が良い可能性もあるけど、どうするべきか……
ただ、ヒナの回答で”ただ、焦りすぎても良くない。”ってのがあるから、それで大丈夫か悩むところ - 80二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:05:11
宝具がどんな感じか分からないからな
堅実に守りを固めて次のターンイシュ・ボシェテで確実に勝つというのもありな気はする - 81二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:13:31
焦りすぎても良くないが気になるなやっぱり
焦ってイシュ・ボシェテ撃ったら宝具で返り討ちなんてなったら目も当てられないし
相手が宝具撃った後にイシュ・ボシェテで確実に仕留めるのがいいのか? - 82二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:21:25
ただ仕留め損なうのが一番の問題っぽいから守り固めるのはターン的によろしく無さそうでもあるんだよなという悩みも
宝具は元のサーヴァントと使用済みの宝具から考えれば普通に攻撃系の宝具な気がするが、カウンター系だったら怖いしな
防御もありだけど、ぶっちゃけダイス値的には今逃すのも惜しく感じるから余計に悩む。
あと不確定性無くすなら、何かしらの挑発で宝具撃たせるって手もありはするかも? - 83二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:25:57
なんか混ざってることで宝具がカウンター系に変わるって可能性はないとは言えないしな
挑発してみてどうなるか - 84二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:46:45
そういやランサー戦の事思い出すけど、カウンター系の宝具は警戒して攻撃しなかった場合、相手は宝具じゃなくて攻撃を選ぶから次のターンに持ち越されるから防御するのはあまり意味ないじゃん
そう考えると、個人的にはイシュ・ボシェテを撃つ、に一票かな
相手の攻撃を誘いつつ、撃つ感じで - 85二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 16:31:01
防御ばかりして私を恐れてるの的な挑発をした上で先手でイシュ・ボシェテ撃つで
- 861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 16:39:50
【安価の達成を確認】
【空崎ヒナの攻撃を判定します】
冷徹な風紀委員会+:dice1d58=46 (46)
【なお】
【1ターン目に先手のクリティカルボーナスが反映されていませんでした】
【申し訳ありません】
【さて、続いて】【2!ターン目!の!……こほん】
【憤怒のライダーの動きを観測しました】
【ご確認ください】
【憤怒のライダーの攻撃対象選択】
dice1d2=Error→1
1.空崎ヒナ、2.シャーレの先生
【憤怒のライダーのステータス選択】
①筋力②敏捷③魔力④幸運⑤回避
dice1d5=1 (1)
【聖杯のライダーの戦意pt】
100以上で宝具発動(現在累計76pt)
dice1d100=51 (51)
【敵サーヴァントのスキル使用】
ライダーはスキル使用をdice1d3=3 (3)
1.選択した(使用スキル第dice1d3=2 (2) )
2.選択しなかった
3.選択しなかった
- 871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 16:59:20
【9日目深夜・特殊戦闘イベント】
【Recommend BGM……〈血風〜Samurai Remnant ver.〜〉】
「立派な鎧ね」
「口を開いたかと思えば胡麻擂りとは……当代の強者と聞いて少しは楽しみに「でも」……なにを」
「それだけ厚く着込んでも踏み込む度胸がないなんて……宝の持ち腐れかしら?」
「……あは……あはははははははははッ!───なるほど」
「構いません。その浅知恵、乗ってさしあげましょう、殺してさしあげましょう」
【2ターン目】
さあ、参りましょう!詣りましょう!屍山血河の向こうへとッ!
【敵サーヴァント:憤怒のライダー】
【行動選択:牛王招力・怒髪天昇(判定値:1000)】
悪いけどそんな悪趣味な場所には
───勝手に一人で行ってもらえるかしら?
【味方陣営:空崎ヒナ】
【行動選択:終幕:イシュ・ボシェテ(判定値:150×1.5×12=2700)】
左様ですか、けれど……嗚呼けれど!どうせこの世は地獄なればッ!彼岸も此岸も違いがありましょうかッ!───矮小十把、塵芥になるがいい!
【戦闘結果】
そう、随分と悲観主義なのね
【味方陣営の優勢!】
【憤怒のライダー:HP506−2700=残りHP0】
【空崎ヒナ:HP1025−370=残りHP655】
【敵サーヴァントのHPが0となった為】
【味方陣営の勝利です!】
【おめでとうございます!】 - 881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 17:06:10
えー……というわけでヒナちゃんが大勝利しましたじゃんね☆
計算したけど霊基四回ぐらい吹き飛ばす勢いの完全にオーバーキルじゃんね☆すっきりじゃんね☆
長い時間お付き合いくださりありがとうございました!とりあえず1はSS書いてくるので……続きは21ぐらいを目処にじゃんね☆
下に先生の指揮なしヒナちゃんのステータス貼っとくじゃんね☆
空崎ヒナ
【ステータス】
最大HP/気絶耐久値:942/240
支援火力:1d99(最低値45)
【スキル】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
分類:アクティブ
効果 :敵全体に判定値の6倍のダメージ
スキル名:リロードアンドデストロイ
分類:アクティブ/パッシブ
効果 :ターン開始時、先手後手の結果を振り直す/振り直したターンの攻撃判定値に+1d21
スキル名:冷徹な風紀委員会
分類:パッシブ
効果 :相手が回避選択時に−1d14
スキル名:徹頭徹尾
分類:パッシブ
効果 :相手が防御を選択していなかった戦闘ターンに勝利した場合、判定値の3%のダメージを加算 - 89二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:08:58
ゲヘナホンキシロモップ強いね強いね
- 90二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:11:32
とりあえず勝って良かった
これ防御してたらどうなってたんだろうな
とりあえず戦闘を見て終わったらヒフミたちでどう動くか話し合いするのかな - 911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 17:32:39
はい、今回の戦闘について、というか『その場合は内容によってボーナス等が付与される場合があります』っていう行動安価についてじゃんね☆
2回とも詳しく書いてくれてすっごい嬉しかったじゃんね☆
……ただ、その分のボーナスを戦闘に入れ込む間もなく勝っちゃったじゃんね☆
SSには安価の内容を盛り込むつもりだけど、けど折角書いてもらったのに……
というわけで本当だったらあくまで回想イベントだから報酬とかなくてライダー二騎のステータスとかだけ開示予定だったんだけど、2回の安価分ボーナスを勝利報酬って形で補填させてほしいじゃんね☆
今考えてるのはいつもの絆pt上昇イベでボーナス🎲2回かはたまたボーナス🎲1回追加&ちょっとした情報の開示か……もしこんなボーナスが良いとかあったらもしよければレスしてやってみてくださいな!
Oh! ゲヘナシロモップ先生からの絆ランクのボーナスをCatch……ウレシイウレシイね
だから本気出して完膚なきまでに叩きのめす
……じゃんね☆
……計算したら901ダメだったじゃんね☆
だから挑発分のボーナスで「狙いが僅かにぶれた」で気絶ギリギリで耐えたって感じになってたと思うじゃんね☆
- 92二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:38:56
ボーナス🎲1回追加&ちょっとした情報の開示かな~これからの為にもどちらも欲しいし
- 93二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:54:02
ちょっとした情報の開示と絆ボーナスかあるいは絆ボーナスの代わりにスレ主がいくつか候補出したなかからダイスで報酬決めるとか?
クリティカルやファンブルがあるかはスレ主次第って感じで
後これから先の戦闘で生徒のHPがゼロになったり即死を喰らった場合ってどういう扱いになるんだろう - 94二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:57:02
そういえば笛版で出てきたプトレマイオスの遺言ってちゃんと伝わってる?
重要情報っぽいけど - 95二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 18:08:50
何かこうしてあーだーこーだ考えながら進んで行く感じ、帰ってきたって感じがする
- 961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 19:25:43
書いてるじゃんね……久々に丑御前ちゃんの戦闘見直したけどなんかこう、ばりばり和風ファンタジーな挙動しておられるじゃんね……
情報の方は……こうなんかこれからの指標というかハッタリ利かしたいというか……みたいな☆
あくまで先取り、ぐらいでもし選ばなくても大丈夫!にしたいじゃんね☆
今回は描写の中で必要そうだからとか演出じゃなくて1の技量不足だし何より折角みんなが有利になるボーナスだからクリティカルとかファンブルはなしじゃんね☆🎲か安価で決めるかなぁ……
ちなみに戦闘イベントで気絶値超えたら強制気絶じゃんね☆ロストは……まあその後の安価での行動というかうまいこと切り抜けられるか、みたいな猶予はもちろんあるじゃんね☆
即死宝具?ありゃ出禁枠……なんだけどSNオマージュで初っ端から出てるじゃんね……参ったじゃんね……
ありがとー!あのアーチャーは遺言残せなかったというかそこの箇所は全削除した筈じゃ?……ってなるぐらいかんっぜんに抜けてたじゃんね☆
Part7用というか今後の指針的な感じで仕込んどいてそのまますっかりだったじゃんね☆
多分この後する会議でアヤネちゃんかホシノちゃん経由で聞く事になるじゃんね☆
1もほんっっと帰ってきた感あって嬉しいじゃんね☆こうやって今日も安価に参加してくれるみんながいてまた遊びに来てくれたからこそ!本当にありがとうございます!じゃんね☆
- 97二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 20:20:43
スカサハの宝具は即死だけじゃなく範囲攻撃でもあるからな
多数対多数で戦闘になって宝具撃たれたら死人が出かねないな
数十人に個別に即死判定ってなったら何人かはアウトになりそうだし
黒服も必要なら躊躇なくやるだろうから - 98二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 20:37:33
改めてみてもスカサハというかケルトの奴らが優秀過ぎる…
- 99二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 20:54:54
このスカサハの宝具はヒフミたちにとっては絶対使われたくないだろうからな
黒服がヒフミの目的を知ってるならこの宝具の存在はヒフミとの交渉や戦闘を優位に進めることができる手札になるだろうし
黒服が交渉に応じないなら今後全ての戦闘で宝具を撃ちまくりますなんて言ったらヒフミは絶対無視できない - 1001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 21:54:33
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
【Recommend BGM……〈血風〜Samurai Remnant ver.〜〉】
雲翳の随、月明かり射す。
照らされるは相対するは共に《最強》を冠する一組であった。
ゲヘナ学園風紀委員会委員長。
ゲヘナの頂点───空崎ヒナ。
紫紺の制服を揺らし手に持つは『終幕:デストロイヤー』。
対するは憤怒のバーサーカー。
魔性鬼神。
否、一切余燼───丑御前。
魔力の縁で紐づけた大袖を宙に漂わせる大鎧纏いし偉丈夫。
身の丈三尺三寸。手に持つ劔は剥き身の黒鉄造。
目釘穴より垂らす朱染めの組紐以外は深い漆で塗られた姿。
「(やっぱり……違う)」
ヒナが武者にまず感じるのは、華がない。
まずそれであった。
風紀委員会内でこれまでサーヴァントとの交戦経験があるのはヒナと二年生の銀鏡イオリだけ。
そしてヒナ自身は聖杯に選ばれたマスターが直接召喚したモノではなく、トリニティの剣先ツルギ同様にあくまでシャドウサーヴァントとのみの経験であった。
ある種、それは仕方ない事だった。
なにせゲヘナやトリニティで目撃される事が多かったランサー陣営もライダー陣営も、キヴォトスで名の通った、それも各学園における最大戦力とぶつかるのだけはどうしても避けておきたかったから。
ヒナにとって、サーヴァントとの本格的な交戦をしたのも今日が初めて。ヒフミ達マスターやその関係者のようにサーヴァントは決して身近な存在ではなかった。
- 101二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 22:17:01
“ヒナが武者にまず感じるのは、華がない。”
まぁこいつごりごり化生の類だしねぇ… - 1021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 22:17:42
だが、確かに感じるのだ。
「(あの二人も、さっき見たライダーっていう人も……こんな風ではなかったわね)」
かつてヒフミと相対した時に姿を見せたセイバーと名乗る騎士、キャスターと呼ばれる機兵。そして今宵、相対したライダー。三者共に、無視できない《輝き》があった。謂わば誇りと言い換える事も出来るだろう。どんな形であれ駆け抜けた生涯と成し遂げ戦い抜いた英霊としての誇りの発露。異なる世界で諸人が焦がれ愛し語り継いだ伝説という栄誉。彼ら英霊を、ただの情報体ではなく英霊足らしめる不可分の要素───誉れ貴き信仰である。
「先手は譲りましょう」
憤怒のライダー、丑御前。そう名乗る武者にはまるで輝かしいモノがなかった。纏う鎧は理知的とは決して言えずとも喋り、思考するだけの理性がある。にも関わらず、ヒナは自分が出会った三騎より、むしろこれまで倒してきたシャドウサーヴァント達に近い、そう感じていた。
「どうぞお好きなように。嬲り、甚振り、凌辱し、屈服させんと引鉄を弾いてくだされば。さぞや愉快な宴となるでしょう、きっと素敵な思い出になるでしょう。だって───せめて冥途の渡し賃はいるでしょう?」
金打つ声に乗せられたの嘲笑。見え透いた挑発にヒナは素っ気なくさらりと返す。
「ええ、なら遠慮なく───殺すわ」
笑みはなく、気負うこともなく。
ただあるがままに、いつものように。
『“それじゃあ───行こうか”』
耳を震わす信頼する大人の声に合わせて、ヒナは空を蹴った。 - 1031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 22:51:22
『“様子見したい、っていうのはお互い様。折角譲ってもらったからね、無理せずまずは”』
先手を譲られたヒナ。ヒナ、そして先生が選んだのは撹乱。
『“彼女の方から角なり槍なり出してもらおうか”』
耳元に聞こえるその声に頭の中で返事を入れながら、ヒナは空を駆けながら引鉄を弾いた。
「これはまぁ、お見事。まるで天狗」
飛行、或いは飛翔。
人体構造上、如何に有翼の生徒であってもごく短時間の滑空ならまだしも自由自在に天を翔けるというのは難しい。ならば、今ライダーを前にしてヒナが行っている動きをなんと評すべきか。
天地を自在に行き来するは三次元機動。残す像すら置き去りにして疾風の如く弾丸を振り撒く嵐にヒナはなっていた。
『“……そろそろ終わりかな。ヒナ、切り返しに合図する”』
絡繰は単純。
ヒナはあくまで地上を走っているだけに過ぎない。ただそれが《速過ぎる》。脅威的な速度で銃弾を撃ち飛ばしながら疾駆するヒナは、自身もまさに弾丸と化すほどに加速していた。
故に可能だった。
加速のベクトル、運動のエネルギー。飛び出す為の踏み込みの際、ほんの少しだけ上方向へ力を向ける。ただそれだけでヒナの細くしなやかな脚が生んだ力は彼女を空へと押し上げる。その艶姿、野砲の如く。後は大きな翼で空気を掴んで角度を付けてやれば、戦闘機のマニューバもかくやという動きが可能。曲射弾道ならぬ曲射機動、というわけだ。
「羽虫のようにぶんぶんと……なんとも品なく五月蠅いこと」
空中戦を仕掛けるヒナに対し、先手を譲った無感情な感嘆の言葉を言うライダーは受け手に回っていた。弾丸を大鎧を展開して受け止めるライダーの周囲に火花が咲き誇る。英霊がその身に秘めた神秘すら破壊せんとする凶暴な咆哮。毎分1200発にも及ぶ絶叫が藤色の神秘を宿しながらライダーへと襲いかかり今まさにその守りを喰い破らんとする。
「……とはいえこれではまるで児戯」
疾風怒濤。
電動鋸を連想させる轟音の嵐。その渦中にあって、武者は大袖を展開したまま静かに刀を持ち上げる。
二刀持ち。構えるは、片手上段の破型。右手を高く、左手を下段に。 - 1041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 23:35:34
『“来るよ、初撃を潰そう”』
言うなれば裁ち鋏、寄らば上下から凶刃に挟まれ敢え無く絶命するのが見て取れる。
「無様な御点前、馳走になりました。それではこれにて、余興は終い」
だが上下に大きく開き道を晒す構えは自ら手を伸ばす戦いにあらず。
『“ヒナ、残しておいて”』
カウンター狙い。そう見るのが常道。
「飯事を愉しむ童に水を差すのは大人気ないですが」
しかし相手は丑御前。神代から人の世に移り行く境目にあり魑魅魍魎が跋扈する極東の地『平安』に生きた武者の影。
「蠅にたかられるのも些か困り物ですから」
であるならば、現代剣術から見える道などある筈もない。
「では───御覚悟を」
然して武者の太刀が閃く。見破るは隙。銃器である以上、どうしても生まれてしまう再装填という無防備な瞬間。須臾に潜む隙を狙い、ライダーは刀の間合いから届くはずのない距離にいるヒナへ向かって刃を放たんとした。
「───そっ」
言うより早く、ヒナは《引鉄を弾いていた》。 - 1051じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 23:56:27
「……ッ!?琵琶を弾いたか空崎ヒナッ!」
咄嗟の反応。
流石の技量、驚くべき反射神経というべきか。
ライダーは今まさに振り下ろさんとした右半身を下げるようにして身を捩り、ヒナが放った《一発》を左下段に構えた太刀で打ち払った。
見て払う、それもヒナほどの実力が放った一撃をだ。
畏るるべき、見事な《切り返し》であった。
「おかしいわね?私の残弾が空になったって勝手に勘違いしたのは」
対しヒナが贈るのは賞賛ではなく冷笑。
先生からの指示を受け取ったヒナが移動しながら掃射する事で弾幕を張る中、たった一発だけ残しておいた残弾。
今まさにライダーが仕掛けんとしていた攻撃を阻止した凶弾であった。
「貴方の勝手、でしょ?違うかしら」
とはいえ、誤解するのも仕方あるまい。
弾幕を張るほどの一切掃射。
その中で撃ち切る直前、最後の一発を前に引鉄から指を離す。
ましてや走りながらともなればその技量たるや言うまでもなく。
派手さこそない妙技。
そしてそれをヒナなら出来ると指示を出して応える信頼関係あってこそのトリックショット。 - 1061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 23:59:37
何より、そもそもだ。
源氏の武者であれば遠間の武器を相手にまず犯さない愚行をライダーはしていた。
上段からの片手打ち。半身にもならぬというのなら正中線を晒す、だけではない。
───腋窩動脈。
脇の下を通る大動脈、即ち人体構造上の急所。
無論、霊核を急所とするサーヴァントが失血死する事はない。だが、そんな場所を晒して矢に撃ち貫かれようものなら肩甲、肩鎖の関節。何より腕を動かす後神経束を諸共に破壊される。故に、愚行なのだ。
「小癪な……ッ!」
大振りを放たんとする悪癖を突かれる形となったライダー。だが、意気揚々と仕置きに熱を上げんとした女の性が再び突かれる。
空崎ヒナはここまで一度も《足を止める事がなかった》。弾幕を張っての撹乱に徹したのだから。
ならば───この数瞬でヒナは何処に行ったか。
言うまでもなし。決定的な死角。それはライダー自らがついさっき作り出していた。
『“手札はもう見せてもらった。それじゃあヒナ”』
戦闘において半身を取らず正面を向く、というのは何も悪いばかりではない。視野を広く、かつ普段通りに確保できるメリットがある。ましてや屋外ならばなおさらの事。なにせ屋外には枠がない。動きへの制限がないのだから。
『“───反撃だ”』
そう、ヒナの射撃を弾く為に意図せずライダーは半身に構えた。それも自身の守りを喰い破らんとするほど強力な弾丸をだ。したがって、その半身は深く構えられた。つまりだ。
「今度は遠慮なく貰うわ───先手」
背を向けてしまった左側面。回り込むようにして近づき狙いを定めた身長142cmという小柄な体躯は、身の丈三尺を超えるライダーの反応すら許す事なく。背中と言う名の死角に今度こそ再装填し終えた49発の殺意を叩き込んだ。 - 107二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:01:56
かっけえぜヒナ
- 1081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 00:10:05
というわけで1ターン目しゅーりょー!先生なにやってるのとか色々言ってた意味深なのは次の最初の方で全部回収してから戦闘シーン進めるじゃんね☆
どこぞのバーサーカーと違って制約なく喋らせられるから書きやすいほうだったじゃんね☆
……殺陣考えるのは相変わらずたいへんじゃんね……
明日は19時半〜20時目掛けて開始じゃんね☆次こそサクッと書いてから約!三ヶ月!振り!(笛版だと約一ヶ月未登場)のヒフミちゃん達を書くじゃんね☆
さて、今日は久々の安価に参加してくださったりすっかり遅い時間なのに読んでくださってありがとうございました。参加してもらえて嬉しかったですし、恥ずかしながらやっぱりホッとしました!みなさん、改めてありがとうございます!
ボーナスに関しても明日にはまとめてまたお知らせします。
ではでは、みなさんおやすみなさい……じゃんね☆
どえらいとんでも宝具じゃんね☆
……頑張ってなるべく再現するぞーってやったら裏目ったじゃんね☆
(弟子の方は)性格万人受け!魔術は原初のルーン!諜報から戦闘までなんでもござれ!宝具は低燃費!しかも単純な回避は許さず幸運か範囲外に逃げないと即死!……強すぎるじゃんね☆きっと型月ファンが10人いたら半分は聖杯戦争で呼びたいサーヴァントに挙げるじゃんね☆
ある意味黒服にとってもそれが切り札でありババでもじゃんね☆
だいぶ古い言い回しになっちゃったけど折角反英雄?反英雄寄りな子だし『華ない』使っちゃったじゃんね☆1個人は丑御前ちゃん好きじゃんね☆……当時は正月ガチャに吸われたのもあって引けなかった悲しい思い出は内緒じゃんね☆
先生&ヒナちゃんは安定に強く!でいくじゃんね☆ちょっとでもかっこよく書けてたら良かったですじゃんね☆
- 109二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:15:31
- 110二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:21:21
- 111二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:27:24
- 112二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:42:31
- 1131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 00:43:44
ありがとじゃんね☆動き回って弾幕しつつみんなが言ってた『とりあえず様子見』な感じで書いたじゃんね☆おかけで結構迷ってた先生の指揮の様子、いけそうじゃんね☆
……その手もあったか!じゃんね☆1はもう宝具撃たない方向になりますようにでお祈りしてたじゃんね☆
ただ1の想定だととんでもない絵面と言うか力技になる気がするからランサーが仲間に引き込んで蓋を開けてみてからみんなの意見待ち、じゃんね☆
あああああああ……らいだー、らいだーですじゃんね……最近バーサーカー戦書いたり頼光さんイメージがどうしてもある関係でやらかしたじゃんね……1はぼけぼけじゃんね……
ありがとうじゃんね☆ヒナ&先生は精神的に安定してるのもあってかなり上手く立ち回る感じじゃんね☆「最強」って敢えて書いたぐらいには信頼できる相手がいる、そんな二人だからこその強さをしっかり書くじゃんね☆
おっしゃる通り戦闘イベントというかこれまでで生徒相手やサーヴァント相手にアサシン師匠が宝具ぶち込んだことはないじゃんね☆
というわけで実際の処理も蓋開けてみないと1も正直ドキドキじゃんね☆
1としては即死効果持ちだしなるべく戦闘起きませんようにって感じだったけど、色々考えて備えたりもし戦うってなった時用にこれなら攻略できるかも!って考えてもらえるのありがたいじゃんね☆みんなありがとじゃんね☆
なんなら夜イベか拠点いる時には「エンジニア部謹製宝具シミュ」って体でちょー簡略戦闘イべ(相手は宝具、こちらは安価1回)みたいなのあっても……いいかもじゃんね☆
合ってますじゃんね……かんぜんに引っ張られたじゃんね……
- 114二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 02:44:37
アサシン陣営を追い詰めすぎたり最後に回したりはしたくないな
最後ってなったら一か八かの奇襲でいきなり宝具をってなってもおかしくないし
追い詰めすぎたらとんでもない手を黒服は使いかねない - 1151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 07:29:17
- 116二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:03:40
どの陣営から説得していくべきか
順番が大事になりそうだな - 117二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:09:22
単純な加入戦力の多さで行ったらライダーあたりになりそうだし、後トキ攻略のためにはハッピーエンドへの答えとそれをなせるという証明が大事になりそうだしそれを考えるとアルちゃんのような選択しきった子を迎えいれるのは大事そう。でも後回しにしすぎると聖杯鯖関係の展開によってはステラしそうなのが怖い所
- 118二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:42:43
トキに関してはトキの願いが『自分が犠牲になって聖杯戦争を終わらせる』という願いである事を鑑みれば、パッピーエンドを為せるという証明よりも、
トキの犠牲になるというやり方では例えキヴォトスを救えても救われないものがある、残される者達の心に傷を残す。って伝えるのが良いんじゃないかな?って気がする
キヴォトスを救えるか救えないかの証明というのを論じるのに応じるのではなく、例え救えるのだとしてもそれでは駄目だと、私たちはそれを認めないって伝えるのが良いんじゃないかな?って
ヒフミ達の目指すハッピーエンドは誰も犠牲にしないハッピーエンドな訳だし
USBのメッセージでもヒマリが
”……そして、かつてこことは違うキヴォトスで起きた結末を否定しようとしている。誰かの命まで賭した行動は必ず平和という結果に至るのだと、あの子はもういない『彼』にも証明しようとしている。”
って言ってたし、
正直残された側の気持ちを伝えるって面ではクロコとかの協力取り付けられればベストかも?とは思ったりはする - 119二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 15:21:14
- 120二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 15:37:23
ライダー陣営を仲間に出来れば色々でかいだろうけど難易度も高そうなのがな
戦闘は避けられない可能性が高いし
ただライダー陣営は令呪を使い切ってるはずだから令呪を使っての強化は出来ないのはアドバンテージになるはず
まあ相手がなんか別の手段見つけてる可能性はあるけど
後ライダー陣営の本拠に行く前に道に迷ったりしないようにすることを考えたらライダー陣営説得はアリスク合流後の方がいい気はする - 1211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 19:59:58
なぁんで祝日に補講あるのかさーっぱり分かんない1じゃんね☆
もうちょいしたら書いてくじゃんね☆明日安価したいから今日は多分日付変わるぐらいまでは粘って頑張る、じゃんね☆
とりあえず1に出来るのはライダー陣営は今回のデータ、ランサー陣営とアーチャー陣営は会議で導線というかきっかけ?みたいの作って選択肢並べる事!なので頑張るじゃんね☆
分かりやすい数は間違いなくライダー陣営じゃんね☆ただ三組とも現役というか進み次第でまだまだ余裕でラスボス候補だから戦力的には大体おんなじぐらいじゃんね☆
論に応じず己の意見をまずはしっかり伝える。うーん、ブルアカ原作のどっかで見た風景じゃんね☆
……ヒマリちゃんのUSBからトキちゃんが『彼』のことを知ってるのに気づいてもらえて嬉しいじゃんね☆
ら、ライダーさんがどの√の記憶というかそもそも記憶があるかどうかは……の、のーこめんとじゃんね☆
ライダー陣営はそりゃもう、つっよいじゃんね☆
あとアルちゃんは確かに令呪の使用宣言を3回したじゃんね☆確か合ってるよね……?って1も不安だったじゃんね☆
- 122二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 20:05:27
最大の問題は未だハッピーエンドの可能性がゼロなことなんだよな
「成功率は限りなく低いが犠牲者ゼロの方法がある」とかならその僅かな可能性を信じたいと説得できるけどそもそも方法が無いんじゃどうしようもない - 1231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:09:09
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
憤怒のライダーが見逃した一発から生まれた死角を狙った空崎ヒナの《攻撃》。放たれた49発の弾丸は、分厚い漆塗りの甲冑による《防御》と衝突した結果、霊基の損耗にして二割半を削り切ることに成功した。
「くッ……羽虫め……ッ」
蹈鞴を踏むライダー。
顔こそ下ろしていないが既にヒナは動いている。
変わらず曲射機動での弾幕を張る撹乱。四方八方、鉛の礫が弾けて飛ぶ。続け様に放たれていく弾丸。ライダーは死角を今度こそ大袖で庇い立てながら、正面から迫る危険を刀で撃ち落としていく。
「よくもまぁ、石子なぞッ……!」
「これがキヴォトス流よ、お上りさん。気に入らないなら止めてみたら如何かしら?」
「戯れた事を……ッ」
先ほどヒナより与えられた鉛玉。7.92mmの刺客はライダーの背、反板を見事に撃ち据えた。残弾一発でライダーが放たんとした返し刀の起こりを外し、崩れた武者の体勢が戻る前に再装填を済ませて死角からの掃射。ライダーはしてやられ、痛打を貰う形と相なった。己が大鎧に罅を入れ、割って入っては中の肉骨に届いた鉛玉。その凄まじき破壊力にライダーは舌を巻く。
「(……ゲヘナ最強、でしたか)」
空崎ヒナ。現キヴォトスで強者に数えられる生徒の一角。現代科学に基づくトレーニングと実戦で鍛え上げられた武練。小柄ながら長い得物を四肢の延長として見事に操る技量。秘められた神秘の質とそれを感覚的に汲み取り己が力に反映させる感受性。闘争に対して冷徹なまでに戦場での己の役割を定め切る強靭な精神。
「(想定よりずっと、という所ですね)」
心技体、いずれも高くまとまるオールラウンダー。そこに桁違いの火力を併せ持つ。完成された闘争のカタチ。一つの自治区において武力の頂点に立つ彼女の実力は、確かにライダーの知る平安の武者達にも届くやもしれぬと思わせるほどであった。
「(……ですが)」 - 1241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:15:34
だが、そこまで。
常であれば不良生徒達を容易に制圧してのけるヒナの射撃であっても守りを抜いて命を断ち切るまでにいかず。
清和源氏の流れを汲むは多田大権現、源満仲。
丑御前の父である鎮守府将軍が手ずから鍛えし具足は彼女がサーヴァントとなった今も確かな守りを発揮していた。
「(それでもこちらの予測の域は出ない)」
故に端から空崎ヒナは眼中になし。
多少強くとも、所詮はたった一人。ライダーにとっては他の学生達と何ら同じ。大河に投げ込んだ小石に過ぎず、大海へ漕ぎ出す事なく沈む程度の砂利なのだから。
「(真に警戒すべきは───)」
であれば危惧する変数は一つ。
「(あの味気ない優男、ただ一人)」
シャーレの先生。
エデン条約での一件を始め、赴任して以来、キヴォトスで起きた大小様々な事件を生徒達と共に解決してきた連邦生徒会の切り札にして鬼札。
ヒナからの攻撃に防戦を熟しつつも、すいと目を細めた視界の端にいる丈夫こそがライダーの獲物でありこの場で最も警戒すべき存在であった。 - 1251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:25:08
【Recommend BGM……〈Glitch Street〉】
ヒナと憤怒のライダーが激突する鉄火場より少し離れた場所。砂と泥、雨と火。そして硝煙に燻られながらもなおも戦場に穏やかな白を射す外套。片手にタブレットを構え、もう片方の手でホログラムディスプレイを開いて操作する長身。連邦捜査部シャーレの先生はただ立ち、二人の戦いの行末を観測していた。
“───アロナ、プラナ”
囁きに似た呟きは徐々に激しさを増す雨音にかき消され戦いの最中にある二人は元より、側に誰もいない今、届かず。だが、確かに先生の声に反応する者がいた。
『解析完了しました!先生、当たりです!』
『報告。個体名《憤怒のライダー》が刀剣を振り下ろそうとした瞬間に周囲に微弱な磁場の形成、空間の振動が確認されました』
幼さのある華やかさに続いて、静謐に満ちた声がする。通信越しだからだろうか。姿は見えず、タブレットから聞こえてくるようであった。
先生が当たりという言葉に顰めるようにして片目を僅かに細めていると、すぐさま華やかな声は抗議の声をあげた。
『あー!プラナちゃん!それ今私が言おうと思ったのにー!あっ!あとあと、先生!彼女から体外に放出される電気自体は 『確認。ですが電場が大変乱れています。探知ではなくあくまで攻撃に用いるつもりと推測』 もー!』
今度は途中から引き取る形でセリフを取られてしまったと怒る声に先生は苦笑しつつ、少女の言葉に合わせて口を開く。
『いいですか?プラナちゃ“ありがとう、プラナ。攻撃への転用した場合の予測を渡すから、計算と入力をよろしく” もー!先生!もー!』
わざと揶揄ったのだと分かって一層強くなる批判と忍び笑いは戦場には似合わぬ穏やかさ。まさに余裕のある立ち振る舞いであった。 - 1261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:34:15
『うぅ……折角、アロナちゃんだいかつやく〜!ってドヤ顔でお知らせしようと思ったのにぃ』
『疑問。アロナ先輩は今も保護プログラムと管制システムの管理で頑張っておられます。大変かつ精密な作業中ですから、報告等は私がお手伝いすべきでは?』
『でへへ、プラナちゃんがほめてくれましたー!……って!?そーじゃなくってー!』
三人揃えば何とやらだがこの場合は二人でも。賑やかな声に先生は操作していたホログラムから手を離してこつりとタブレットを叩いた。
“はいはい、二人とも戦闘中だからね。とにかく、お疲れ様。引き続き観測よろしくね、二人とも”
『ぅっ、了解です!』『……了承。必ず』
ほんの一瞬、これまで正面の激戦から片時も外さなかった視線がタブレットに落ちると共に告げられた言葉。先生が送る目一杯の親愛に、たじろいでから聞こえてきた二人分の返事に頷きを返すと。
“……暫くは等速かな”
視線は既に正面へ、生来の柔和さはあれど精悍さが勝つ顔付きへと変わる。
“(さて……やっぱりあの刀、というかあのライダーっていう子は雷を自由に制御して落とせるってわけか)」
視界に収めた武者の様子をつぶさに観察しながら先生は一人頷く。先ほどの戦闘で先生がしていたのは何もヒナへの指示だけではない。タブレットに戦況と周囲の環境変化を記録していたのだ。これより今後、何が起こり得るのか、先生が予測し得た敵の動きを精査し高い精度で今後ライダーが取るであろう動きを既に把握し終えた。
シャーレの先生は魔術師ではない。この場に魔術に精通した者も道具もない。
だが、魔力も魔術も、そしてサーヴァントもあくまで魔法や人知未到の奇跡ではない。魔力の起こりは分からずとも魔力放出の先触れの検知。つまりは放電が引き起こされる前兆によってライダーやその周囲で起こった熱や磁場の変化を観測する事で何をしようとしていたのか把握したのだ。
───現象の細分化。
魔術と科学は交わり難きと言えど、表裏一体。魔力を計測できずとも、魔力が自然界に働きかけるアクションを受けた環境の変化から《何が起きるか》を読み解くのは出来る。
それが魔術を知らぬシャーレの先生が編み出した対サーヴァント戦での攻略法。 - 1271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:49:16
「(さっき此処に来た時にしてたのも演出とか自然現象じゃない。となると肝心なのは発動待機になる)”
そして懸念するのはヒナの攻撃が成功する前、ライダーが放とうとした一撃。今もまだヒナが優勢に立ち回っているが、攻めに転じた相手がどう動くか。それを想像して唇を噛む。既に先生の頭の中、そして手に持つタブレットで演算した限り、彼はライダーとの戦闘が間合いの取り合いになる事を見抜いていた。
“(けど、話に聞いてた通りサーヴァントっていうのはそういうのが出来るってわけだ。……しかしビームはまだしも落雷かぁ。うーん、いよいよファンタジーって感じ。ちょっと先生、困っちゃうな)”
神秘濃いキヴォトスに来て以来、彼自身もまた神秘とは縁深い身になった。とはいえ自然現象すら手の内で統べる魔術やサーヴァントという存在には先生も呆れ半分に警戒する。少なくともこれまで相手をしてきた手合いの中でも群を抜いてトリッキーかつ強敵なのは間違いなかったからだ。
“(まあでも、とりあえず想定内だし組み直す必要はないか……っと)”
またしても想定内。けれど、ライダーが空崎ヒナを見限るようにして侮ったのとは別。現に今も、油断も慢心もなく彼は静かに指示を出す。
“ヒナ、七秒。右側面が薄い”
返事はなくとも《届いている》のを知ってか、すぐに先生の思考は次へと移る。その顔に浮かぶのは不適な笑み。
“おっと……そろそろ気づいたのか私が煩わしくなってきたね?”
両手に持った剣で打ち払い続けるライダーの動きに生まれる隙。大袖がカバーしきれなかった脇楯に奔る衝撃に小さな苦悶の声をライダーがあげては、睨むように翡翠の視線が先生を見た。
“(しかし動きが速いね。隙を読んで私にも剣を向けたそうにしてる、けど」)
空崎ヒナは無論強い。ゲヘナ最強の名は伊達ではない。 - 1281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:50:53
“動くよ、ヒナ。三十秒。変則的なのはこっちで知らせる、太刀筋に気をつけて”
だが、そうであっても今、無法なほどに優勢にあるのはライダーが警戒する彼あってこそ。ヒナの動きを十全かつ最適な選択肢を選べれるように囁く先生の指示。どんな方法か、通信機材もなしにヒナへライダーの動きや過程で生まれる須臾の隙を確実に伝えていた。それに腹を据えかね、刃を差し向けんとする、が。
「(ヒナ相手にそれはちょっと欲張りかな?それに……いつも通りだしね)”
再度言おう、ゲヘナの秩序を一手に担うゲヘナ学園風紀委員会の頂点は伊達ではない。気もそぞろにしてしまえば、すぐさま霊核目掛けて弾丸を放ち仕留めに来るのだ。そう易々とヒナの攻めを切り抜けて先生に手を伸ばすのは不可能。そして、先生の守りはもう一つ。否、二つ。
“頼むよ───二人とも”
『もちろん!いつでもお任せ下さい!』
『承諾。先生には指一本触れさせません』
返事は力強く。守りは固く。余裕はたっぷりと。この場でただ一人の大人は詰め終えた戦術を並べながらヒナを見守る。
“さぁて、待ってる生徒がいるからね”
未だ状況は悪い。市街地は多少の落ち着きを見せただろうが、三人のいる場所より数キロ先では未だ巨獣と魔獣が取っ組み合いをしている。何よりあの場所で待っている生徒がいる。
“もう一踏ん張り───カッコつけさせてもらうよ”
だから彼は精一杯の虚勢と見栄を張りながら、大人として格好つけてそう小さく言い切った。 - 1291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 21:13:21
【Recommend BGM……〈苦闘なるとも〉】
引鉄を弾くのは最早日常であった。馬鹿騒ぎとやんちゃをしては自由な青春を謳歌する学生達のやり過ぎを実力行使で注意する。なんていうのはヒナにとっていつもの日々。戦闘らしい戦闘だって訓練で一から状況を設定をしてか、はたまた先生と熟すシャーレの任務だけ。空が赤く染まった一件以来、またいつも通り忙しくとも穏やかな日々ばかりを過ごしてきた。そんなヒナの額に玉のような雫が一筋流れた。
「……固い身持ちね」
足を止めず、けれど口を開く。
「私も人の事は言えないのだけれど、もう少し愛想良くしてみたら?」
無論、愛想という名の隙を晒そうものならヒナの愛銃が火を噴いて目の前の武者の霊核を撃ち抜くのは間違いない。だが軽口染みた嫌味を言う程度にはヒナも嫌気がさしていた。
「御冗談を。生憎、私の操は安くありませぬ故。香りも立たぬ貴女のような貧相な生娘に渡すなどとてもとても」
対して憤怒のライダーは足を止めて未だ守りを固めていた。空恐ろしく感じるほどの閃きで迫る弾丸を膾斬りにして捌いている。
「……そっ、まあいいわ」
時間にして僅か数分。先手を貰い受けてから今まで、ライダーは攻勢に移らないでいる。無論、ヒナの掃射によって隙と起こりを潰されているのは間違いない。だが、それも時間の問題だとヒナは先生の指示だけでなく刻まれた経験からくる直感の警鐘からも感じていた。
「まあ、まあ!なんと賢いことでしょう。挑ましに気にした様子もないだなんて。嗚呼本当に……冷めた目をした事ですね、空崎ヒナ」
ライダーは嗤っていた。武者の様子にヒナは内心で舌打ちをする。体勢と息を整えられる前に攻めて押し切りたかった、と。けれど現実は上手くはいかず、武者の大鎧と大太刀にばちりと光が散った。
「とはいえ意固地が過ぎても如何なもの。小蝿と言えど、こうも羽搏かれては五月蝿くて敵いません。ですので、ここは一つ」
臨戦。ヒナの中で警戒をまた一つ上げる。これまでのあくまで小競り合い。これより先は。
「目障りな小汚い翅を落としてしまいましょう」
───死地に至る。 - 1301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 21:30:40
「(初手はお互い様子見……ギアはここからってところかしら)」
二刀をゆるりと下げる武者。構えは両下段。未だ続くヒナの弾幕を前にして大袖だけでは守りが届かず、甲冑の全身に細かな疵を受けていく。漆は割れ、奥の鋼が見え始める。裂けた鋼鉄の隙間にヒナの放った弾丸が捩じ込まれるのは。
「それでは───源氏の兵法、とくと御覧じろ」
あり得ぬ未来と伏した。
早駆け。踏込みは大地を割る。構えは下段のままヒナを刃筋に捉えんと追い迫った。
「(疾いわね……ッ!)」
六尺六寸の巨躯に纏った大鎧。得物は五尺に届くだろう大太刀。見目は鈍重そうだというのに、今なお曲射機動で戦場を駆けるヒナに勝るとも劣らぬ足を見せつける。
「(そう簡単には、ってわけ?面倒な。おまけに例のスキルや宝具……シャドウサーヴァントと違って目の前の相手は恐らく使ってくるだろうから警戒も必要ね。特にちょうど)」
両雄疾駆。爪先で地面を蹴り上げながら宙を駆けていく。淑やかな花紫と鈍た濃色。色合いこそ近く、けれど交わる事なき二色の閃光となった二人。開け放たれた燃ゆる火と雨に濡れる嘗ての街並みを競うように破壊しながら戦場を広げていく。
「(あの刀。あんな物、百鬼夜行でだってあまり見ない骨董品だろうに……見てるだけ嫌になるぐらい冷たい)」
憤怒のライダーが持つは由緒正しき魔縁切り。ヒナは知らぬ其の銘は安綱。六胴切りの名物にして平安の世を乱した魔性の首を刎ねた童子切。
“ッ!四秒ッ!回避は難しい、下がって”
追うライダー、追われるヒナ。先の一戦とは立場を変えてのドッグファイト。
ヒナの身長142cmに届くほどの抜身の刃はすぐにでもヒナを射程に捉えた。 - 1311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 22:12:40
「御覚悟」
「結構よ」
けれど迫るというのなら、躱わすまで。地面に擦れるか否かを滑り走るヒナの爪先がほんの僅かに地を叩いた。ピッチアップ。加速の勢いを跳躍のベクトルへ変換。───クルビット。
即ち高速戦闘中の後方宙返り。追うライダーの頭上で羽を広げる事で減速をしつつ回る事で半歩通り過ぎた武者の背中を取る。
「隙だらけね」
言うより早く指先は引鉄を爪弾いている。大翼による姿勢制御は狙いを安定させ確実にライダーの反板へと吸い込まれる。
「───聞こえませんでしたか?」
紫電一閃。憤怒のライダーは後の先を取る。
振り抜き様の応刀。幾度も背中を取らんとする兇手なぞ、魔性のやる事。ならば源氏に備えがない筈もなし。魔力を噴いての推力偏向。転じて下段に佩いた太刀を脇構えから抜き打つは左一文字。
渾身の一撃、けれど五尺の大太刀と言えど刃は届かず。故に、驚嘆すべきはその後。
「───御覚悟、と言った筈」
太刀筋、閃く。
振り切られた斬撃の軌跡その物がヒナへと向かって奔った。稲妻こそ纏わせていない物の、紛れもなく魔力放出の余技。魔力が根ざす異邦の世界で用いられた戦技であった。受ける、なぞは宙にいるヒナには不可能。なにせ踏み締める地面に足が付いていない。選択肢は。
「ぐッ……っ、ぃ……ッ!」
先生の読み通り、迎撃。神秘の宿った弾丸を雷光と見間違うばかりの速さで迫る斬撃にぶつける。神秘と魔力。両者のぶつかり合いはヒナの眼前で起こり、双方が宿したチカラの衝突によって爆風が生まれる。 - 1321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 23:13:12
「……今ッ!」
瞬間、羽を畳んでヒナは爆風の勢いに自ら呑まれて後ろへと投げ飛ばされた。魔剣の一合に回避は許されず、ましてや地面にいないのならば尚更。故に神秘をぶつけた余波で生まれる衝撃に身を任せて太刀筋から《下がる》事で逃れた。
“ヒナッ!三手目、跳んでッ!”
だが、まだ一合。雨が降る中、それでも衝突の余韻である砂埃がヒナの目の前に撒かれた向こう。砂の帳幕を斬り伏せるようにして現れた武者が来る。
「一太刀、馳走……如何でしたでしょう?」
白兵戦。体勢の立て直しなぞ許さずにライダーは剣を振るう。左逆袈裟、被せて右一文字、開いて左袈裟。二刀を巧みに操り振るうは禍々しき連撃。一呼吸の間に三本の太刀筋をライダーは描いた。
魔剣の間合いは五尺で足りず。先と同じように剣戟に合わせて放たれた魔力は、距離なぞ関係ないとヒナへと襲い掛かる。まともに喰らわば太刀傷どころか骨をも断って輪切りとなる剣勢。如何に頑強なヒナであっても無傷ではいられない。
「そうね」
ならばの応戦。言うが早いかヒナは愛銃を振り抜いた。真っ当な射撃で止められぬ魔力の刃。受け止めたならば傷では済まない。
だが、ヒナに秘策あり。要するは鍔迫り合いと同じであった。刀同士をぶつけ合えば鋭き刃は脆く欠け、刃肉豊かな重ねの厚い刀身なぞとぶつかれば華奢な刀は容易く折られてしまう。では如何するか、知れた事。払い技或いは受け外し。
「物足りないかしら───ッ!」
即ち、パリィ。この場に限れば、長年神秘を注ぎ込まれた愛銃であれば弾く事が可能なのだ。重ねて三合の太刀筋に怯む事なく、なぞるようにして銃身で払っていく。
けれど魔力が形を成したとは言え、ライダーほどの猛者の膂力で放った斬撃。ヒナほどの実力者であっても初めての対剣士、それも極上の強者が放った連撃となれば受けるとならば。
“次は気にせず。読み違えるなら五手目の次だ”
「くッ……めんどくさいッ!」
動きながら捌いてでとはいかない。必然的に足を止めてしまう。
- 1331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 00:19:16
「それはそれは、誠に残念」
無論、三つの太刀を捌けばすぐさま次の行動にヒナも打って出る。だがトップスピードに乗るには、どうしてもタイムラグが生まれるのだ。ましてや今は銃身重量にして11.6kgの長砲を振るったばかり。
つまりそれは、隠しようのない隙。そして此処に居るのは源氏武者の系譜。一瞬の隙なぞ、鴨でしかない。
「───でしたら御代わりをば」
脇構え、破型。両刀を掻き抱き振るうは一文字二連。一刀でするそれが太刀筋を隠す物ならばこちらは真逆。真正面から流して放つ一文字は返しを許さぬ必殺の二撃であった。放たれた斬撃は先と同じく魔力で模られて、ヒナへ向かって跳んだ。
何よりその横幅、五尺を遥かに越えて。魔力の斬撃はヒナの視界を塗り潰すように長く延ばされていた。右にも左にも逃げ場はない。
万策尽きし剣が峰。あの丑御前の太刀を三度も流した大金星を持って三途の渡賃に彼岸へ立つ他、選択肢はなし。
そう、此処にいたのが空崎ヒナでなかったならば選択肢はないのだ。
「それはもう見たわ」
受け流し。
巨戟の薙ぎ払いが如く飛来する魔力の斬撃へヒナが出した回答は先程と同じくパリィ。
だが違うのは向きと手。
コッキングハンドルを逆手で持ち、斬撃と十字に向かうように銃身を立てる。そのまま斬撃を流す一点を軸に銃身ごと身体を地面に押し付ける。
「もう……やってもやっても終わらない」
斬撃が通り過ぎてみれば残ったのは服に着いた泥を叩くヒナの姿。そう、横が駄目なら下だと瞬く隙に受け流した斬撃の下に潜り込んだのだ。
切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれとはよく言ったもの。ヒナにしてみれば太刀の下なぞ恐れるに足らず。何せ彼女は悪魔が通うゲヘナの猛者。太刀の下にある地獄程度、乗り越えられない筈がなかったのだ。
- 1341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 00:25:22
というところで今日はギブアップじゃんね……
2ターンで終わったし楽勝じゃんね☆とか思って色々調べ物したりながら書いてたらこんな時間になった挙句に終わんなかったじゃんね……ツルギちゃんのも書き上がってないのに……
明日こそ!もう残りは挑発シーンやって宝具ブッパだけだから明日こそは終わらせて次のシーン行くじゃんね!
あ、明日は最初にボーナス関係の安価してからSS乗っけるじゃんね☆
明日は19時に安価するじゃんね☆
今日は遅くなるわ終わらないわでごめんなさい……明日も頑張るので良かったら遊びに来てやって下さいな!
ではではみなさん、今日もありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
そこじゃんね!!!もういい加減メス入れるべき、じゃないと方向が定まらない……というわけでPart6スレになかったテコ入れを笛版でしてたじゃんね☆こっちには会議シーンで反映させる感じにするじゃんね☆
- 135二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 00:47:12
おつかれさまです
マーリンの話とかで出てる情報的にもハッピーエンドへの道は他の陣営説得後に見つけるものなのかな?と思ってた
方法はわからないけどそれでも!って感じに他の陣営を説得していくのかな?と
テコ入れがあるって事は先に見つける必要がある感じなのか - 136二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 02:05:04
- 137二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 02:32:15
正直次の行動でアサシン陣営行くのは現時点で知っちゃいけない情報というか同盟が決裂に至る情報知っちゃうリスクがあるから怖いんだよな
おそらくマーリンがきっと一番最後まで分かっちゃいけないって言ってた三つ目の秘密に関連する事だとは思うけど
たしか前スレでもリオとキャスターの会話でもそんな感じの会話もあったし
あと、一応前スレの187のコメント返信で
”上にも書いたけどあくまで🎲結果で……だし黒服のとこで話聞いてもすぐには空中分解はしないじゃんね☆それは約束するじゃんね☆”
とは言われてるけど、逆に言えば黒服に会いに行った場合ダイス次第では同盟が空中分解するってリスクはあるんだよな
- 138二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 02:46:49
- 139二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 07:08:21
- 140二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 11:59:06
このレスは削除されています
- 141二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 12:17:34
いっそ黒服とヒフミの間で契約結べればな
聖杯戦争中の間アサシンと黒服、ヒフミとセイバーは共闘するって内容の
この契約内容なら仮に同盟が空中分解してもアサシン陣営は味方のままだし
契約を結ぶことが出来れば黒服は絶対契約は守るはず
まあ契約には対価が必要だけど対価はミレニアムが黒服の願いを可能な限りで叶えるという条件なら悪くはないだろうから
他のマスターにも可能な限りで願いを叶えるって条件を用意するわけだから黒服だけそれはなしってのは不平等だろうし - 142二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 17:22:09
正直黒服と契約は怖さの方が若干勝るな
というかアサシンの宝具への対策に関しては上の方でも案あったりするし、やりようによっては割とどうにかなりそうな気もするし - 143二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 17:59:10
黒服と契約結ぶなら一字一句配慮して契約を結ぶ必要があるのは間違いない
絶対油断しちゃいけない相手だし
ただ少なくとも黒服と会う場合ヒフミだけで会う事態にはならないはず
少なくともセイバーがいるわけだから契約やら取引するならセイバーにも手伝ってもらえるから
それに黒服もマスターである以上願いを知る必要があるのは確かだし
取引するかは別にして一度じっくり話し合う必要はあるはず
ランサー陣営説得するためにはもう一度サクラコに会う必要があるわけだからそのついでに会うこともできると思うし - 144二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 18:08:35
空中分解に関してはよほどのことがなきゃ回避は難しいのかな?
それともフラグ立てなきゃ起きないイベントなのか - 145二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 18:39:11
いーまかえってきたから、えっちらおっちら書いてるじゃんね☆
とりあえずボーナスの安価は十九時からじゃんね☆良かったら参加してもらえたらありがたいです、じゃんね☆
1から断言できるのは黒服は交わした契約に関しては最後まで守るじゃんね☆
ただ、上に書いた通り黒服は契約を守りはするけど交渉して取引するって事は必ず対価は支払わなきゃいけないじゃんね☆
話して分かることもある、かもしれないじゃんね☆
フェアじゃないから明言するじゃんね☆
空中分解についてはこれからの物語の進み方によって変わってくるから、実際まだどうなるか分かんないじゃんね☆
ただ、たとえ空中分解したとしても1は挽回できるよう手を尽くすし、最悪に備えた下拵えもしとくじゃんね☆
だから空中分解で選択できない選べない、ってならずに色々試してみてほしいじゃんね☆
1はマイナスになったのなら0ではなくほんのちょびっとでもいいからプラスになるお話の方が好みじゃんね☆
- 1461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 19:06:18
はーい、というわけで1が戦闘イベントに反映し切れなかったボーナス分の補填を決めてもらう安価じゃんね☆
以下の選択肢①〜の中から一つ選んで下さいな!じゃんね☆
①10日目絆上げ時の🎲を1d100→3d100に変更
②10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&アサシンを除く敵対陣営とのぷちイベント発生
③10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&全陣営の任意の日にちの様子を観測
④10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&任意の生徒一人の固有武器を特別強化
⑤10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&さ〜ぷら〜いず♨️なイベント発生(二種類)
⑥10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&ライダー、憤怒のライダーの完全な霊基データの入手
⑦10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&特殊イベントが無条件で発生
補足は以下の通りじゃんね☆
①:戦力強化が捗る可能性大
②:敵対陣営は任意で選べる
③:様子が見たい陣営は任意で選べる。ただし一部ロックあり
④:サーヴァントと生徒のどっちも強化できる
⑤:2回も!?……な、お得選択肢
⑥:先生提供ウイちゃん監修のほぼ100%データ。データに関して戦闘面で不利になるよう罠要素はなし
⑦安価でのフラグなしで発生
安価先は>>153
選択肢多いしゆっくりのんびりで大丈夫じゃんね☆
ではでは、安価よろしくお願いします、じゃんね☆
- 147二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 19:11:12
①か⑦かな
③も悪くはないけど選択によってはあまり情報得られないって結果になりそうだし
⑦なら確実に特殊イベントを起こせるし
多分ボーナスなわけだから損はないはず - 148二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 19:11:15
オーソドックスに仲間フラグを立たせてそうなのは②、次点で⑦といった所かな?
- 149二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 19:50:33
⑦が一番いい気はする
特殊イベントの内容は分からないけど安価でのフラグが必要なイベントなのは確かなわけだし
安価次第ではずっと踏めないリスクもあるわけで
重要なイベントの可能性もある以上ここで確実に起こせるようにしたい - 150二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:13:40
7は確定発動がやっぱでかいなぁ……
- 151二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:41:40
⑦で
- 152二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:42:57
7で良い感じの特殊イベでいけるのは大きい
- 153二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:44:22
- 1541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 20:56:34
- 1551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 21:14:25
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
ヒナ達が剣を交える戦場の中心部では地響く怨嗟が轟いていた。雷霆降らす貌無き大神使と石生りの呪詛を齎す魔獣の女神がぶつかり続けている。
「牛と蛇の神話」、その再演は余波だけで地上に甚大な被害を齎していく。牛の一歩は地を揺らして廃屋を砂礫に変えて、蛇の視線は熱量を宿して大気を沸騰させる。ぶつかり合う神威によってゲヘナ地区一帯に雷雲が立ち込め、嵐が呼ばれる。熱雷と地鳴りの煽りは未だ残党を残して風紀委員達との合戦場となった市街地近くにも波及し、地中に敷かれた電線や水道管を破裂させていく。
阿鼻叫喚、だが致し方なし。
片や大地を平定する軍神より与えられし大宝具。
片や大地に豊穣齎す女神より零れ落ちし大魔獣。ライダー陣営を誅伐せんと雷角を震わす神使への抵抗によって、本来あり得ぬ⬛︎⬛︎の星座に近しい神域の戦いが現実の物となっているのだから。
「(……時間がないわね)」
嫌になるとヒナは内心でごちては、相手を睨みつけた。ライダーが放った二重の斬撃を潜り抜けた後、両者間で暫し睨み合いが発生していた。ヒナは常と変わらず両手持ちで銃身を支える構え。銃口は真っ直ぐに敵を捉え、いつどんな動きがあっても起こりを殺して後の先を取る算段。
対してライダーのそれは、やはり下段。
「(だって言うのに、またあの構え……)」
だらりと二刀を下げた姿はヒナから見ても《何も構えていない構え》であった。装甲があって見抜きにくいが、完璧なまでに脱力ししなやかな蔓や風に吹く柳の如き自然体。強いて言うならば、柳生新陰流に伝わる《無形の位》に近い。両手脇構えなぞという胡乱な攻め手から一点、動きを読ませぬ守勢の構えとなっていた。
「(直接切り結ぶ気かそれともまた斬撃を飛ばしてくるのか。ただの棒振りだと思うと次はあの馬鹿みたいに長い刀で斬られかねない)」
剣術において構えと技は表裏一体。技を放つ為に構え、構えるからこそ技を放てる。逆に言えば、ただ刀を持って垂れ下げただけにしか見えない今のライダーの構えからどんな動きに繋がるか、予測できる数が多いだけにヒナは読み切れないでいた。
「(動揺させれば……動きを限定してダメージを通す、なんてのも可能かしら)」 - 1561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 21:16:47
次どう動くか、一瞬一手の読み違いがこの首を落とす結果に繋がる。そうなれば次に待っているのは、自分の背にいる彼の⬛︎。ましてや今はとびきりの非常事態が現在進行形で自分達のいる向こう側で起きているときた。退く事は、できない。
「(はぁ……魔術だか魔力だか知らないけど、本当めんどくさい……)」
睨み合いから数瞬。
「……それにしても」
瞬きの合間にしていた思考を、どう考えても分かりきった結論しか出てこないと切り捨てた所でヒナは口を開いた。
「飽きもしないで同じ品。うちの子達が見たらきっと怒って爆破するでしょうね」
結局やる事は変わらないのだと自嘲めいた内心の苛立ちごと言葉にした呆れの感情に乗せる。挑発を受けたライダーの顔は見えず、ただ面貌越しにくぐもった嗤いが返ってくる。
「怖や怖や。流石はゲヘナ、羅城門の裏手が如し。ふふっ、洋の東西どころか異邦ですら変わりなく……」
底抜けに暗い声は奈落のよう。ずぶりと嵌れば何処までも堕ちていく底なし沼。
「まこと人の業は何時も変わらず、世とはなべて地獄なれば」
ヒナに話しかけているのかそれとも自問自答なのかすら分からない文言を嘯く武者。
「屍人の身命をわざわざ窮屈な筺になぞ納めてまで現世に呼び出すサーヴァントも聖杯戦争を等しく、なんと奇怪で珍妙で、なんと無様で哀れかと思いましたが、この地に呼ばれればなるほど合点もいくというもの。やはり人は同じ衣は同じようにしか畳めず、欲は尽きず。命の軽さに反して人の本質は常住。我らの世から何も変わらない」
何も返答がないヒナを気にした様子もなく禅でも騙るようにして武者は続ける。
「哀れな雛鳥を檻に入れる愚かな世界。人の皮を被って飯事に耽るならば所詮は皆、私と変わらず。私が間違っているならそう、世界の方こそ誤りなのです。貴方もきっと理解できる、そうでしょう?壊す事しか知らない哀れな女、殺す事でしか価値を拾えないつまらない娘───空崎ヒナ」
- 1571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 22:00:47
「会話のお勉強がしたいなら他所でやって。悪いけど、何一つ言ってる意味が分からないから。それとも頭の病院が必要かしら?なら私じゃなくて救急医学部に頭を下げる事ね」
中身の見えてこない独り言染みた問い掛け。それに対してばっさりと切って棄てるヒナの物言いに今度こそ喉と鎧の鉄をライダーは震わせる。そうして、無知な童女に物を教えてやると言わんばかりにライダーは説法を始めた。
「いいえ、貴方は。貴方だけではない、この地に生きる者ならば誰もが理解できる筈。ましてや今は聖杯戦争───欲に塗れた挙句に悪しき罪人を生んだ悪逆の國こそキヴォトスの本質。歪み、捻れ、挙句にその醜態を晒しながら生き永らえた正しさの欠片もない世界。どれほど蓋をしようと臭って敵わぬ、悪しけき都に住まう人の業よ」
狂った語りを説く最中、ばちりとライダーの全身に火花が灯る。上擦る興奮を必死に取り繕って抑えているのが表面化でもしているのか、幾多も幾度も雷火が弾けて瞬き大気を焦がしていく。
「人に在らずというのに無理矢理に蓋をした。その末路のなんたる醜態か、なんたる強欲か。そうして果てにあるのが、どうしようもなき人の性に縋ったこれなのだから愚策愚劣と嗤ってやらねば憐れというもの。なればこそ、なればこそは」
遠くから雨で沈みつつある硝煙よりなお強くヒナの鼻腔を刺激する武者の仄暗き情動は、焼け焦げ噎せ返るペトリコール。じりりと焼けつく稲光は昂まりを見せていく。その兆候が何を意味するか。
「此岸すべてを無に帰して、彼岸すべてを炉に焼べて、遍く衆生を御救いしんぜよう。平伏なさい、感涙なさい。帝釈天の相持つ祇園精舎の神が子であるこの私が手ずから、いいえ、この霊基霊核全てを使っても」
正しく、間合の計り合いはこれにて仕舞い。死地を拡げる軍神の性は歪んだ霊基であっても、そして此処キヴォトスという異なる世界であっても消える事ない。つまりは、だ。
「この世界を壊しましょう。この世界を───愛しましょおォォッ!」
因陀羅の子たる魔性鬼神がその本性を曝け出したという事に他ならない。 - 1581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 22:18:39
【Recommend BGM……《災いのカミ〜Samurai Remnant ver.〜》】
電光雷轟。
弾け飛ぶは紫電。
つまりはステップトーリーダー。武者の鎧、そして頭上に生じた暗雲よりヒナ目掛けて稲光が飛んで奔る。魔力の放出によって発生した人為的な落雷は秒速にして200kmという超抜的な速度でヒナが立っていた場所へ落ちてきた。光よりは遅い、などと言ってもヒナの愛銃が放つ弾速の二倍は優にある速さ。見てからの回避は至難であった。
「面妖なこと……本当に貴方達を見ていると末恐ろしさで怯えてしまいます」
しかし、だ。ヒナの弾速より速いからと言って、ではそれより速い弾速の銃がキヴォトスにないかと言われたら答えは否である。そもそもキヴォトスは日夜銃撃戦が頻発しゲヘナはその中にあって取り分けの魔境。魔力に満ちた落雷は恐ろしく速い。
だが、此処にいるのは同じ速さの銃弾が縦に横にと行き交う中で勝利を収め続けた空崎ヒナ。
───ヒナッ!三手目、跳んでッ!
来るのが分かっていたのならば避けれぬはずもなし。ライダーが雷撃を放つ間際、既にヒナは動いていたのだ。理由は単純明快、『三手目にその場から跳んで離れろ』という指示があったから。シャーレの先生による先読みはぴたりと的中していた。これによりライダーの奇襲は挫かれた。
「嗚呼、経文でも読んでいれば良いというのに」
ライダーが展望した未来であったなら、今も曲射機動で地面を水切りのように跳ねては縦横無尽に駆け回るヒナは今頃避ける事は敵わず骨の髄まで焼かれていたやも知れない。よしんば致命傷は避けれても翼なり足なりを雷に灼かれて不利を作ったかもしれない。何より奇襲が成功したという事はその後に戦闘が続いても主導権は武者が握る事になる。戦いは命からがらと逃げ惑うヒナを追い詰めていく狩りへと変わっていた事だろう。
「あな憎しや、シャーレの聖僧。貴方の方こそ子らを惑わし、この歪んだ世界を飾り立てんと詐称す邪悪なれば。だというのに」
だが、そうはならなかった。
先を打たんとした奇襲は先の先、つまりライダーが《雷撃を放つだろうと予測し終えていた》先生の読みとそれに応えたヒナによって透かされた。狩りどころか今のヒナは五体満足、その白絹のような肌に傷一つだってない。 - 1591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 22:38:09
「似合わぬ軍師の猿真似なぞ、一体何処の門前で習ったのやら」
この距離で魔術も使わずに一体どんな奇術で指示を出しているのか、ライダーには分からずとも読まれた事は分かる。鎧武者は酷く低い声でヒナの背後、遠く小さく佇む男を舐るように睨んだ。だが、すぐに。
「……ですが、構いません。空崎ヒナもシャーレの聖僧も、私は赦しましょう」
ぞっとするほど柔らかな声を鳴らす。
「何故なら我が身は半神、我が身は鬼子。牛頭天王、東方神、帝釈天の一子なれば。そうなのです、私は私の役目を成しましょう、成し得ましょう。屍山血河を切り拓き、仙丹山に咲いた血のように朱い花を贈りましょう。きっときっと貴方の髪によく映える」
駆けるヒナの背へと追いつかんと連続して落ちていく雷撃。涼しい顔で避けてはいるがそれでも網のように奔る雷電は徐々にヒナへ食指を迫らせていく。武者は満足気に喉を鳴らすと、潤ったと言わんばかりに言の葉をつるりつるりと並べ立てていく。
「あはれな程にいたいけな花の君、貴方の為に平らかなる世を作りましょう。ええ、そうですとも真に平らかなる正しき世を作りましょう」
放電はなお一層に激しく。固定どころか何処にも結びもしていないというのに空中を泳ぐ大袖を、今度は守りではなく攻めに使う。
「嗚呼、穢れなき我が主。無垢な貴方が夢見るソレを一体誰が嗤いましょうや。平らかなる世を望む。奇異荒唐、普遍妥当のその願いこそ、あの可惜夜の誓いに他ならず……なればこそ。なればこそなのです!ええ、そうなのですッ!」
熱を帯びていてく言葉に合わせて雷鳴は轟きを増す。大袖は一人でに宙を飛んではヒナへ向かって紫閃を放つ。それをすぐさま察知して羽を広げて急静止をかけて速度を落として避けようとするのを見れば、続いてその隙を斬るように大太刀は振るわれる。 - 160二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 22:39:15
丑御前の狂いっぷりのエミュ上手ぇ
- 1611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 23:18:41
「その為にまずは!」
当然、斬撃は魔力を伴いヒナに向かって跳ぶ。
一合左逆袈裟、躱される。二合横薙ぎ、弾かれる。三合右袈裟、往なされる。四合唐竹、細い肩を浅く切り裂く。五合二文字、脇腹を薄く削ぐ。六合両刀上段より真っ向、腕に刀疵を刻む。
締めて六つ、濃色の魔力を灯しては妖刀然とした大太刀が放った乱撃がヒナに傷を作っていく。
痛みに呻く暇も与えぬようにライダーから放たれた兇手は主に続いた。
大袖より放たれる雷撃が直線だけでなく砲弾ほどもある大きさの雷球となってヒナへと放たれていく。
「世を平らかに!」
だが、ヒナも負けてはいない。
大袖の守りを攻勢に回したという事はライダーの守りも手薄。残すは漆塗りの大鎧のみとなる。
だからこそ、太刀傷を受けながらもヒナもまたライダーに向かって銃火を上げる。荒ぶ嵐の化身が如く、けたたましき銃声を上げるヒナの相棒は主君を傷つけた怨敵に牙を剥く。
「すべて!すべてをッ!」
見事、ヒナが放った弾丸はライダーの大鎧に疵をつけていく。宝具ですらないただの鎧と言えど侮るなかれ。鎮守府将軍多田満仲が用意させ怪異の血骨を鋳込み叩いて鍛えた六尺超えの大鎧なのだ。背筋も凍る神秘が宿ったその鋼は如何にキヴォトスの生徒と言えど、並の弾丸では容易く弾く。
清和源氏の具足の守りを、漆を剥ぎ地金に罅を入れ叩き砕いて中へと潜り込まんとする。ヒナの腕前こそが凄まじい。だがそれも。
「この世すべてを壊しましょう───ォッ!」
心の臓に届くには時間が足らず。 - 1621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 00:13:41
逆手に持った大太刀の鋒を天に掲げたライダーは酔いしれるように叫んだ。
「二刀雷電ッ!シャーレの聖僧ッ!羅城門の川守ッ!何するものかッ!今再びその悉くを屠り去らんッ!天雷ッ……降臨ッ!」
大業の兆候。黒い稲光がライダーを中心に加速するように渦を巻く。高まりは絶頂に。狂喜に浸って喉より裂いた嬌声を上げるライダーは激情にままに鋒を地面へ突き立てた。
「誅伐ッ、執ッ行ォォォォッ!───賊滅ッッ!」
大憤激。閃光、ではない。奈落、そう称すべきだろう。地面に突き刺さった鋒。その針より研がれた刃から放たれ、周囲一帯の地中より溢れ出した魔力の奔流。噴き出した一撃はヒナと戦っていたこの場をドーム状に包む程に広がる。否、ヒナどころではない、戦場を見守るように睥睨していた先生すら巻き込んでも範囲攻撃。攻撃を向ける隙がないならば、攻撃を向けたとて何故か当たらぬとあれば、避けようのない一撃を与えればいい。
「ふふっ……ふふはッ」
成程、道理である。現にそこに居たはずの先生の姿は見たあらない。キヴォトスの外の人間である先生では容易く蒸発してしまうほどの大魔力であったのだから。空間を満たす熱量は、ライダー自身の視界すら魔力である濃色に沈める程。その威力は言わずもがな、半径にしてろ50mはある砲弾を直接叩きつけるとでも言えば分かりやすいだろう。サーヴァントであっても喰らわばただでは済まない大業に違いない。
「如何にシャーレの聖僧と言えど、是この通り。誅伐完了───ごちそうさまぁ」
魔力に触れて尽く白い煙となっていた雨粒が思い出したようにこの一瞬で乾いた大地に降り注ぐ。破滅的な魔力の噴出は周囲を更地にして余韻すら残さなかった。源氏の武より練り上げられた魔性の一撃によって、今宵の戦は終わりを告げた。これよりライダーは残りの首を落としに行く。主が願いを叶える為に殺戮の限りをこのゲヘナで尽くすだろう。
無論の事───。
「───で、これが五手目だったってわけね」
先の一撃が当たっていたのならという話だが。 - 1631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 00:21:51
はい……終わりませんでした……違うんですサクッと宝具やって終わりにしてヒフミちゃん達のお話行く予定だったんですけど、鎧脱いでからの第二形態の牛鬼モード?はともかくまだ雷落としてないやーってなんやかんな色々書いてたらこんな事に……
じ、次回のざっくりした会話部分は出来てるからあと肉付けなので明日で終わらせて次というかボーナス部分の話ちょろっとやって会議シーンいきますじゃんね☆
1が多分これなら反映できるかなって感じで決めた先生の必殺技?もやるじゃんね☆
ちなみに1はめちゃくちゃ多様というかお世話になってるじゃんね……スキル管理下手っぴじゃんね……
明日はまた19時今度はどかっと投下、頑張ってお話が先に進むので良かったら遊びに来てやってくださいな!
ではでは、今日もお付き合いくださりありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
丑御前ちゃん、書くのめーちゃくちゃ難しくて困ってたからそう言ってもらえると嬉しいです!じゃんね☆
- 164二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 00:28:59
おつかれさまです
- 165二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 07:38:09
お疲れ様です
ボーナスはどんな感じなんだろうな - 166二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 11:58:44
先生の必殺技はどんな感じなんだろうな
- 1671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 15:19:42
- 1681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 19:38:14
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
勝利の宣言には早かった。確信を抱いて残心を忘れたライダーの頭上より降る声は、銃弾という流星を伴って鋭く落ちる。
「少し焦ったけど……」
空崎ヒナは、無事だった。周囲一帯を逃げ場なく埋め尽くす、地面よりの魔力の噴出。その魔の手から一体どうやって逃れたのか。
「確かに四手目は無視して大丈夫だった」
答えは簡単。地面から迫り上がる魔力よりも速く、空に跳んだのだ。
この世界には目には見えなくても空間を満たす物がある。たとえばキヴォトスであれば神秘やエーテル、サーヴァント達が存在する汎人類史と称される世界であれば薄くとも大源があるだろう。
だがそれ以上に、どちらの世界にも共通してごく当たり前に存在する物。知らぬ人間なぞ誰もいない、多くの生物がその恩恵を受けているのだから。
即ち───大気。
有形無形を問わず物質がその空間に入ってきたという事は、元々そこにあった空気もまた押し出されるのはごく自然の原理のだろう。
科学で捉えられぬ小源であろうと大源であろうと、確かに存在しているのならば物理法則は越えられない。圧倒的な魔力の体外放出によって空間を占有した魔力は、一時的に水槽に水を注いだようにそこにあった空気を押し出すエネルギーを生じさせた。
であるならばだ。
逆にその押し出す力と押し出された空気を利用すれば《吹き飛ばされる》事も可能。
横も下も逃げ場がないのなら、今度は上に行けばいい。無論、言うが易し。魔力の起こりを寸分の狂いなく読み切る観察眼。魔力放出に追いつかれるより前に一定以上の跳躍と距離を稼げる脚力。そして押し出される大気を掴んで空中で完璧に姿勢制御する体幹と身体操作。何より空気を受ける広い面積、たとえば翼幕のような物が必要。だがそれら困難な条件を、この場にいる空崎ヒナはいずれも満たしていたのだ。
「ありがとう、先生」
そして静かな夜空を思わせる大翼は空より今降りてくる。
「やっぱり貴方の指揮はホッとするね」
何もかも焦土と化した地に降り立つのは、朱を指した頬ではにかむ少女。その白魚のように美しいその手には白亜の外套が抱かれていた。 - 1691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 19:39:55
何もかも焦土と化した地に降り立つのは、朱を指した頬ではにかむ少女。その白魚のように美しいその手には白亜の外套が抱かれていた。
“げほっ、ひ、ヒナーっ!ありがとう!!”
時間がなかったのだろう。成す術なく小脇に抱えるようにされていた成人男性は、ヒナの腕から解放されると咳き込んでから感謝を述べていた。
「大丈夫、でもまた自分のことを計算に入れないんだから」
ライダーの立つ位置から程よく離れたその場所に、二人は着地する。今まさにライダーが殺したと思い込んでいた空崎ヒナとシャーレの先生が五体満足のまま再度戦場に舞い降りたのだ。
“いやぁ、上と横からの攻撃は来たから後は下だと当たりはつけてたんだけど、思ったより広くって”
困ったように頬を掻きつつ、タブレットをそっとひと撫で。それから先生はほんの少しだけヒナへ視線を寄せてから柔らかく微笑んだ。
“無理させたね、でも……ありがとうヒナ。助かったよ”
「……別に貴方の指揮だもの。これぐらい出来て当然。それに無理かどうかなんて気にしなくていいわ」
右手で愛銃を構え直しながら敵を見据えるヒナだが、その頬は緩んでいた。油断などではない。慢心でもない。必殺だと思われる一撃を凌いだ安堵でもないのだ。
「だって───勝てるならなんだって良いもの」
戦闘の最中。お互い、目線が重なる事はない。だが、問題なく心は通じ合う。───貴方がいれば負けるだなんてあり得ない。長い付き合いの二人だからこそ、これまで幾度も二人で多くの危機を退けてきたからこそ。信頼し合う二人には今の言葉で十分。
「(どのみち、こいつはここで叩き潰す……早く便利屋の子達のところに……対策部の子達のところに戻らないと)」
何より、今は戦場なのだとヒナは再度気を引き締める。面貌に隠れたその奥で、相対するライダーが何を考えているかは分からない。また今のような大技を使ってくる事も考えられて、何より次の仕事も待っているのだ。逸る気持ちは僅かに銃身を支える左手に力を入れた。
「(ただ、焦りすぎても良くない。コイツは強い……もし私がやっちゃいけない事があるとすれば仕留め損なって、コイツが市街地に行く事)」 - 1701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 19:45:40
だが、それでも冷静に。戦場で冷えた思考を連ねるなぞ、空崎ヒナからすればいつもの事。歴戦を重ね続けている猛者の戦闘思考は些細な事でぶれたりしないのだ。
「……やってくれる」
そんなヒナの思考が、ぬるりとした声を捉えた。
「……下がって、先生」
言わずもがな、眼前の先に立つ偉丈夫から。
「口惜しや。こうも見事に我が一刀を退けるか、シャーレの聖僧……《箱の主人》」
しゃがれるほどに押し殺すのは沸々と煮え滾る激情を抑える為か。ライダーからの潰れた賞賛に、シャーレの先生は首を横に軽く振った。
“私一人の力じゃないよ”
それから我が子を自慢するように胸を張った先生は右手でヒナの頬に跳ねた泥をそっと拭いながら、口元に微笑を浮かべる。
“私の生徒が、ヒナがいてくれたからね”
先生からの信頼にくすぐったそうにするも銃口はぶれず。寧ろ益々と言った具合に戦意が昂まっていくのがライダーからも見て取れた。戦場においてあまりにも異質な二人の姿は、どちらかといえばこんな場所より陽の当たる穏やかな教室で過ごす風景をライダーに幻視させる。それを見て、武者は肩を揺らした。
「……相も変わらず詰まらぬ返歌。死の香りもない貴方らしい……ですが、稚児の飯事に過ぎないと侮ったのは、えぇそうでしょうとも。紛れもない我が驕りなれば。重ねて無念、この伽藍の胸も痛みます」
詰まらない、ライダーはそう言い切る。守りさえなければ、今すぐにでもなんの抵抗も出来ないまま首を落とされるだけの無力な大人。語りだけは一丁前に見栄を切っても何する者かと嘲笑する。 - 1711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:02:33
“……君が思う君は伽藍なのかな?”
「伽藍でしょう、空虚でしょう。穴の開いた水桶に水を注いでなんとしましょうか?情操なぞただ溢れ落ちるのみ」
嘲りから始まった問答を無用と言い重ねながらライダーは言葉を静かに連ねていく。
「この身に相応しき忌み名は正しく憤怒。暴食も強欲も身に余る。ましてや嫉妬も怠惰も我が身に不相応。色欲などとうの昔に捨て申した。なれば、我が身に今も燻り消える事なき赫然たる憎悪こそが名残りの花。けれど、嗚呼けれど。宜なるかな、宜なるかな───我が身既に、骸にて」
己が身を死体なのだとライダーは言い切る。枯れ切り腐り果てた血袋こそ自分の霊基だと臆面もなく武者は告げてから、声を荒げていく。
「骸は想わぬ。骸は願わぬ。なれど其の在りよう、狂い咲いた我が本懐に違いなく。ただ平らかなる世に至るが為の殺戮人形こそが、我が父満仲と今生の主が望みし我が宿痾にて」
望まれた、だから間違っていない。面貌に隠れて見えない下で、憤怒のライダーの唇に泡が飛ぶ。翡翠色の眼光が烈勢面を怪しく照らす。
「故にこの手の安綱を振るいましょう。故にこの手の金剛杵で屠りましょう。世に地獄があらば、何もかも壊しましょう。世に悪鬼あらば、悉くを斬り捨てましょうッ!我が理、我が意は梵釈の言なれば。是即ち道理である、天網であるッ!此岸は此岸にあらず!彼岸また彼岸にあらず!三千世界のどこを探そうと此よりは地獄にあるのだからッ!」
神ぞ立つ。ばちり、またばちりと光を焚かれていく。ライダーの霊基から意図しないまでも溢れ出した雷気は、雨を焦がしながら清涼な青に耀くほどであった。強く強く、昂まり荒れゆく語気と共に放電。は激しさを増していく。
底知れぬ魔力量。この勢いのまま放つのも今の様子を見るに容易いだろう。幾度もヒナの攻撃を受けてなお健在。勢い盛んな雷霆と同様に、戦いはまだ長引く。
「御照覧あられよ、釋提桓因ッ!衆生に救いが有らぬのだから、我が律に一遍の過ちはなくッ!だって、そうでしょう?そうだったのですからッ!あな憎しや三法印!なべてこの世が地獄だと申しますればッ!何時ら皆諸共に平伏せよ!私の法に従い頭を垂れろ!首を出せッ!然すれば───!」
“───怖いものがなくなる、から”
ぴたりと雷が鳴り止んだ。 - 1721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:14:19
「な、に……?」
萎む雷鳴は遠くでもまた。巨躯の神獣、祇園精舎の御台───丑王大神使もまた、その動きが鈍った。たった一言。シャーレの先生が感情を殺して告げた言葉は憤怒のライダーの瑕疵を突いた結果だった。
茫然自失。武者の鎧からは放電どころか、鎧が擦れる鉄の音もしない。
「何を……いいえ、《何故》」
青天の霹靂。ライダーに何があったのか、一体何故、何が琴線に触れたのかは定かではなかった。だが何にせよ、立ち尽くしたライダーの存在は先生とヒナにとって望外の隙であった。このまま銃を撃っても躱すことは出来ない。堅き鎧と言えど立ち止まって一点への集中砲火をすれば、倒し切れなかったとしても守りを砕け切るには至るかも知れない。
「何故貴方が、そんな目をするのです?何故貴方が、そんな……違う……あってはなりません、そんな事は……」
だというのに、先生はライダーが黙りこくってからの数秒何の指示も出さずに黙っている。タブレットから通知音が連続して騒がしく鳴っている、というのに気づいた素振りもなく。ただただ、真っ直ぐにライダーを見ていた。
「……そういえば」
咎めるような溜め息を一つ。黙っている先生と動揺からかいつの間にか蹈鞴を踏んで半歩片足を下げたライダーとの間に割って入るようにする小さな切り替え。空崎ヒナが口を開いた。
「貴方の鎧、随分と立派ね?私がこれだけ撃ったのに、まだ罅しかいれられない。本当、怖いぐらいに守りが堅いわ」
しんと静まり返るほど凍てた空気もまた罅が入って割れた。反響する雨音に合わせて、思い出したようにライダーの大鎧は雷を纏い始める。
「……は、ははっ。漸く口を開いたかと思えば胡麻擂りとは」
両者の間に流れるのは紫電を伴う緊迫した空気。戦士たるもの常在戦場。先ほどまでの空気こそが何かの誤りだったのだろう。ライダーの口も再び滑らかさと気迫が戻ってくる。
「空崎ヒナ、ゲヘナにあって比類なき武辺者。だというのに、戦の中で詰まらぬ駆け引きを。これでも私は貴方が当世の強者だと聞いて少しは楽しみに「だけど」……なにを」
それを計算に入れた上で、ヒナは割って入る。気勢を、潰しにかかる一手。挑発を実行した。 - 1731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:16:56
- 174二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:27:11
同一の存在たる源氏の手の元に自らを殺して律し、生涯最後の時までまでそうあり続けた一人の武者。
―――でも心のどこかでは、ずっと子供のまま怯え泣いてたのだろう - 175二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:33:56
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- 1761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:48:52
【Recommend BGM……〈昏き陽の下に〉】
序文はあくまで捨て石。会話の流れを断ったのも自分という存在を意識させる為。たった一言。『怖がりめ』と罵るその一言。今日日、戦場でもまず聞かない下手くそなそれ。けれど、あまりにも。
「それだけ厚く着込んでもまだ踏み込む度胸がないなんて……そんなの宝の持ち腐れね」
「……あはぁ……っ」
その矢は致命的なまでに急所を撃ち貫いていた。
「……あは……あはは……あはハはははハはハはハハハハハッッッ!───なるほど」
絶叫、後に沈着。金板に当てた鑿を引き絞ったかの如き金切り声はライダーの鎧すら突き抜けて響いた。魑魅魍魎が跋扈し、死体が都の道に投げ捨て重ねられ、餓鬼が練り歩く末法にあっても尚悍ましき嬌笑であった。どこまでも艶めいているのに、どこまで死臭を芳醇に孕んだおどろおどろしい情念。殺意を練り上げらた女の叫びであった。
“……ヒナ”
「ごめんなさい、先生。でも、今は時間が惜しい。そうでしょ?」
小さく、名前を呼ばれたヒナは振り向かずに返答する。気持ちは分かる、何を言いたいかも何となく理解している。先ほどの会話の中で、シャーレの先生が憤怒のライダーに何かしらを見出したというのも、長い付き合いのヒナは勘づいている。
それを全て承知の上で、優しすぎる男に優先順位を突きつけた。
「構いません、構いませぬとも……!いいでしょう、良いでしょうともォッ!」
眼前で猛り吼える魔性鬼神、彼女を討たねばならないのだから。そして会話の中で動揺の波が生まれたというのなら、都合が良い。細波を大きな波濤にしてやれば、これまでの戦いよりずっと分かりやすくなる。動きが、太刀筋が。今実際にそうなりつつあるように頭が逆上せて動きが単調に限定させた方がずっと良い。そうすれば、ヒナとしても大技を出せるのだかは。
“……そうだね、すまない。ちょっと足を止めたくなった……これは私の悪癖だ”
「知ってるわ、そんな事。でも大丈夫」
ヒナは唇を吊り上げた。 - 1771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:49:47
- 178二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:55:08
シロモップ可愛い可愛いね
- 1791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:27:58
「何を長く語らうかと思えば……つまりはそういう事。であれば是非もなし───鬼事は仕舞いに致しましょう」
対し、憤怒のライダーは怒気を孕む。大気が揺れるほどに壮絶な雷電を迸らせ、唸りを上げて大太刀へと魔力を注ぎ込む。ヒナの挑発は上手くいっていた。上手くいき過ぎていた。虎の尾を踏むどころか、鬼の腑を突いていたのだ。
「えぇ良いですとも、良いですとも。童の浅知恵、乗ってさしあげましょう、殺してさしあげましょう……ッ!」
そうして莫大な魔力がライダーを中心に膨れ上がる。魔力の余波で燃え盛る黒煙が立ち昇り、暗雲から重なるほどに雷鳴が鳴り響く。
“そうだね、ありがとうヒナ……どうやらあの子も切り札を使うみたいだね。それじゃあこっちも”
先生もその兆候とヒナからの言葉で既に切り替えを済ませている。相手が何者でどんな意図と目的から聖杯戦争に与しているかも先生達には分からない。だが、どちらにせよここで倒さなくてはいけない相手なのだという事は理解しているのだから。
故に。
“───全力で勝ちにいこう”
シャーレの先生とゲヘナの風紀委員長は共に切り札を切った。 - 1801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:28:51
【Recommend BGM……〈OST 203〉】
丑御前、電母とならん。
祭囃子の太鼓は雷霆。叫ぶ合いの手は熱り立つ鳴轟。ライダーから発せられた魔力は稲妻となりながら夜の闇も、それを赤々と照らしていた筈の戦火も見えなくするほど眩く輝く。
“ヒナ、発動待機”
「了解、実力行使でいきましょう」
一言。先生からの言葉を受けたヒナもまた短く返す。ライダー比べて二人の様子に変わりは見られなかった。空中から舞い降りた時からし続けている構え。けれど、一つだけ。明確に差異が生まれる。
“感覚合わせ。座標軸設定開始、射線そのまま”
「さあ、参りましょう!詣りましょう!屍山血河の向こうへとォォッ!」
丑御前は気づいているだろうか。二間程離れた両者の距離でのその変化はあまりにも小さく、起こりも動きとしては生まれなかった。変わったのは、丑御前を見るヒナの瞳。
「悪いけどそんな悪趣味な場所には」
花紫だったヒナの右眼が今は淡い空色に輝いている。その輝きはあまりにも小さかった。だが、夜闇にも戦火にも、ましてや紫電にも負けぬほど鮮やかに澄んでいる。
「───勝手に一人で行ってもらえるかしら?」
そんなヒナの瞳とは反対に先生の視界に広がるのは静まり返った色。過集中か、はたまた何かしらの装置の影響なのか。発動待機、その一言を後に先生とヒナの視界はリンクして、視界に映る全ての光景は《極限まで時間が引き延ばされる》。
「左様ですか、けれど……嗚呼けれど!どうせこの世は地獄なればッ!彼岸も此岸も違いがありましょうかッ!───矮小十把、塵芥になるがいい!」 - 1811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:30:18
体感時間の延長。ライダーの動き、攻撃の起こり。環境の変化から動作の流れまでを全て把握して完璧なタイミングを知覚する、シャーレの先生の切り札の一つ。一秒の差が生死を分つ戦場にあって、一瞬の隙を完全に己が物とする最強の瞳。そして今。
「牛王招力ィィィッ───ッ!」
ゲヘナが誇り、先生が信頼する生徒の視線と共有される。
“───撃って”
憤怒のライダー、丑御前が振るうは雷神の神楽。左脚を曲げ、逆足を伸ばして背を向ける独特の構えを取り、体重移動と共に前へと剣を一度回転。加速によって雷気は激しさを増し今解き放たれる。
「怒髪ッ───天昇ォォッッッ!」
「そう、随分と悲観主義なのね。私は」
此処に勝敗は決した。真名は解放され、紫電は射線に存在する一切の生物を焼き払う熱量を太刀筋に乗せて放たれた。
「地獄も嫌いじゃないわ。だってたとえこの世が地獄であっても」
そう、放たれた寸分違わぬその瞬間。真名解放の隙間に差し込まれるようにして既に放たれていたヒナの《砲撃》、終幕:イシュ・ボシェテが。
「───この人が傍にいてくれるもの」
憤怒のライダーの霊核を撃ち抜いていたのだ。 - 1821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:39:26
対憤怒のライダー戦しゅーりょー!なっがかったー……ほんと遅くなってごめんなさいじゃんね……
とりあえずこれでUSBの視聴シーンは一回おしまい、この後明日の安価に向けてちょろちょろっと導入の会議シーン書いてボーナスへの布石を書くじゃんね☆
短くなるけどそれで今日の更新はおっしまいじゃんね☆
とりあえず先生の切り札は一時的にめーちゃくちゃゆっくり見えるよって感じじゃんね☆
これはスキル長押しのやつを1なりに再現した感じじゃんね☆スキル回し苦手な1からするとめちゃ便利なシステムじゃんね☆視界共有してるのは切り札使って瞳の色が変わったらお洒落かなぁってぐらいのノリじゃんね☆
じゃあ1は続きを考えてくるじゃんね☆
かなりずらしはいれたけど、多分マイルーム会話とか見てる限り根っこの部分にはあるんだろうなぁって……じゃんね☆それはそれとして、あまりにもどストレートに傷を抉られて激おこな丑御前ちゃんじゃんね☆
戦場でもイチャイチャしててほしかったじゃんね☆でも別にこの二人は付き合ってないしまだまだ先生の周りには強敵だらけじゃんね☆がんばれヒナちゃんじゃんね☆
- 183二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 21:51:53
スキル対象選択時のスローモーションはタイミング見計らうのに便利わかる
- 184二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:07:01
英霊が宝具を解放する時必ず隙が生じる。事実平安京では頼光さんがそれをやってのけた。いくら人智を超えた存在といえどスローモーションで見られたら指揮官であればチャンスを見出せると言うもの。
シンプルだけどかなり強力な切り札だぁ。 - 185二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:39:17
泣いてる子供相手に先生が負ける道理はない!
まあ今回は向き合う訳にはいかなかったんだけどね - 1861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:03:47
【10日目午前/早朝・導入イベント】
カスミさんから渡されたUSBの中身を見終えた私たちは圧倒されてしまいました。
「前に見たペロロ様と同じぐらい大きかったです……」
ハルナさんからのメッセージ。ヒナ委員長と先生が憤怒のライダーという方と戦っている映像。そしてその映像の背景にしっかり映り込んでいた、巨大になったライダーさんがあの大きな怪獣が戦っている姿。もうどれから話し合えば良いかもさっぱり分かりません。
「ああ、ライダーが変身した姿もあのウシゴゼンとか言うのが出した奴も、ヒフミと見たペロロジラにも匹敵する体格だった……カスミ、どちらでも良い。ライダーの最後については?」
「あくまで部員が夜が明ける前にSNSやモモトークで集めた情報で聞く限りはあの頭のない牛はライダーの拳で沈んだらしい。えらい騒ぎだったから遠目とは言え見た人間はそれなりにいたらしい……もっともその後に情報統制を敷かれたから今探してもさっぱりだけどね。そしてその後についても、という話さ」
私よりすらっとして細い足を組み直したカスミさんが肩をすくめて教えてくれました。どうやら此処に来る前にも何かと調べていてくれたみたいです。そんな彼女は何故か、というかわざとらしいぐらいに周りをきょろきょろとしてから声を顰めつつ私達に問いかけました。
「さて、如何だったかな?ゲヘナで起きた大怪獣バトルの様子は。あー……ちなみに言っておくが、私にはこれ以上の情報は《文字通り一つもない》。良いかい?君らの魔術だとかいう訳の分からん物に関しては人並み程度、そして一般常識的なラインでの理解しか持ち合わせてない私が改めて言おうか。そう、私はこれ以上の情報を持ち合わせてないんだ」
もうこれだけでも十分な情報。だというのに、念を押すような言い方に私やモモイちゃんは首を傾げているとセイバーさんが苦笑いしながらキャスターさんへと声を掛けました。
「……キャスター」
「……なるほどな。だが、問題あるまい。我は確かに精通しているわけではないが、如何であるか程度はこの距離で見れば分かる。カスミよ、それに関しては案ずるな。少なくとも魔術的な監視や呪詛の類をお前は受けてはおらん」
その言葉に、少しだけ目を丸くしてから肩の力を抜くようにカスミさんは息を吐かれました。
「そうかい、なら少しは安心したよ。あー……よければなんだが」 - 1871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:13:15
「昼間であれば構うまいな?」
「僕らはね。どうせ昨日の晩の時点で相手に居場所は割れてるとわかっているんだ。今更だよ、ただ一応確認し終えるまでは」
「相わかった。この件は人手もある我とそうだな、もう一人が預かろう。ただし、カスミよ。分かっているだろうが、まだ我らのマスターに確認は取れておらん。お前が気にするなら、頭を下げる相手を間違えるなよ」
セイバーさん達がとんとん拍子で何事かを話されていくのを見守るしかない中、カスミさんは立ち上がってから頭を下げられました。
「勿論だとも。けれど、いいや。やはり感謝するよミスター」
そんなカスミさんに通話越しでセイア様が話しかけられます。
『さて話は纏ったね。我々だからこその心配、というのはよく理解できるよ。その上で、こうして有益な情報を持ってきてくれた事には感謝したいところだが、確認させてほしい』
その言葉にカスミさんは頷きながら着席して、またいつもの不適な笑みを浮かべられました。さっきまでなんだかしおらしくてちょっぴり可愛い姿からは一転、今は映画『ゴッドブラザー』に登場するドン・ペロロ様みたいな貫禄ある感じです。
『君は確かシャーレが率いた特殊部隊、つまり聖杯戦争対策部は壊滅し先生を含めて行方不明と言ったね。それはつまり《そういう事かい》?」
「如何にも、百合園生徒会長。ちなみに私がこの中身を見たのも今が初めてさ」
『……朗報、でいいのかしら?ウタハ』
「承知した。ただデータの吸い出しぐらいならこちらでもなんとでもなるけど、流石に修復となるとそうもいかない。プログラマーが欲しいな、会長」
これまたとんとん拍子で話がどんどん進んでいくのでちっとも状況が分かりません。掻い摘むんじゃなくて、もう少し分かりやすく説明してくれないと私もモモイちゃんもさっぱりです。コハルちゃんなんかもう完全に目を回してハナコちゃんとユズちゃんに慰められてますし、アリスちゃんなんか分からなくてミドリちゃんとアズサちゃんを連れてお茶を淹れに行ってしまいました。
「あの、皆さんいったい何を……?」
一体全体、さっきの会話で何が分かったのか。それを尋ねた私にセイア様はいつもとお変わりのない穏やかで知的な笑みを浮かべながら答えてくださいました。 - 1881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:21:22
『何、大した……いや、極めて重大な案件ではある。だが、それ以上に我々の状況というのは思ったほどは最悪ではなかった。そういう話さ』
『いい?ヒフミさん。USBのデータには見た限り、明らかにおかしな部分があった。そしてそのおかしな部分自体が一つの重要なメッセージになっているの』
調月会長の言われる事が思い当たらなくて口が思わずへの字に曲がってしまいます。確かに映像はヒナ委員長の攻撃で終わって、確かに憤怒のライダーという方の霊核?というのを撃ち抜いたところで終わってました。それ以降のデータがない、という意味では確かに変かもしれません。けど、それ以外には何があるのでしょうか?
『無沙汰こそが無事な便りというやつだよ。短絡的かつ楽観的な思考は時に狭隘な思い込みに囚われるが、だからと言ってそれを廃し続けるというのは人としての面白みに欠ける。希望に縋るのは悪しき事だが、希望的な可能性すらないと断じてしまえば上手くいくものも上手くいかない。つまりだ、分かりやすく言おう』
そしてセイア様は一度息を吸ってから。
『行方不明になっている筈の人間、シャーレの特殊部隊。彼らの中には間違いなく無事な人員がいて、そして恐らく今もゲヘナで我々がコンタクトを取るのを待っている、という話さ』
歌うように、私達がすごく気になっていた先生が無事かどうかに関わる大事な事についてさらりと仰ったのです。 - 1891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:28:13
というところでおしまいじゃんね☆ボーナスは⑦を選ばれたからちょっとUSB関連に仕込んでた物を開示するじゃんね☆
明日はセイアちゃん達が気づいたUSBの違和感についてにさらっと触れて解析に回すところから、そのあとは会議シーンじゃんね☆
しっかり約三ヶ月?振りにヒフミちゃんが登場したじゃんね☆ちなみに笛の方だと丸一ヶ月登場してないじゃんね☆
明日は多分、会議の内容を軽くまとめたりする中で聞きたいことや話し合いたい事なんかの軽めの安価とか、各校代表&カスミちゃんに質問したいこととかの安価を2回ぐらいするじゃんね☆多分☆
SS遅くなっちゃってごめんなさい、なんとかヒナちゃんの戦闘シーン書き終えれて良かったですけどだいぶ長いことお付き合いしてもらっちゃいました……次はもうちょいサクッと!いきたいじゃんね☆
ではではみなさん、今日もありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
明日は19時ぐらいからぼちぼちやって20時ぐらいから安価じゃんね☆ - 190二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 00:29:05
乙でした~
- 1911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:43:49
- 192二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 01:01:55
おつかれさまです
確かにライダー戦かつライダーの霊核を撃ち抜いた映像を届けられてるって事はUSBに入っているデータはそれ以降に入れられたものだろうし
つまりカスミに渡されたのもそれ以降だって事を考えればシャーレの特殊部隊の中に無事な人員がいるんだろうな
あとそういえばカスミが居るなら、7日目の探索でトリニティとゲヘナの境界線の東側で見つけた爆発婚(3スレ目861、862)について聞いてみるのも良いかも?
爆弾をよく使ってるなら詳しい可能性あるしゲヘナ生だから便利屋についてもこちらより詳しいかもだし
”【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】”
について誰かわかるかも? - 193二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 09:15:41
お疲れ様ですじゃんね
今の陣営まとめとかあると助かるじゃんね - 194二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:18:01
お疲れ様です
これでゲヘナに行くって選択肢が増えたのかな?
いっそ3つのチームに分けるってのもありかもな
ゲヘナに行く班黒服と会う班サクラコと会う班の3つに
この人数なら全員まとまって動くよりチーム分けた方がいいだろうし
戦力分けとしてはゲヘナに行く班を一番多くする感じで
それで黒服と会う班をヒフミとセイバー、アズサだけにすればどんな情報を得ても空中分解につながりそうなやつだけ言わなきゃいいし
質問に関しては悩むな
何を聞くべきか - 195二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 14:40:37
リオとキャスターの会話を笛で見返したけど
・今回の聖杯戦争は後から便乗して利益を得ようとするものこそいるが発端は偶然である可能性がある
・偶然の場合発端にヒフミが関わっている可能性があり、それに伴ってヒフミにはなんらかの厄ネタが眠っている
・監督者である黒服はそれについて知っており同盟側に話す可能性がある(これは黒服の性格によっては話さないかもしれない)
・聞いてしまった場合同盟は意見の対立によって空中分解しかねない(ダイス判定等で回避可能?)
・アズサはヒフミにつく
・リオが気付いたのは過去に何かを見たことがあるから(色彩?クロスの先例であるとあるイベ?)
・一定以上の頭脳と今回の聖杯戦争の知識があれば推理は可能
あたりが言えることかな
分裂時にハナコとコハルがヒフミについてきてくれないのが気になる - 196二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 15:20:02
おひる休みじゃんね☆今日は日!直!だから遅番……明日は早帰りしてちゃっちゃか書きだめとバーサーカー戦書き上げたいじゃんね☆
あと、もしかするとこのスレからの人もいるかもしれないからお伝えしとくじゃんね☆
1はハッピーエンド主義者じゃんね☆
ありがとじゃんね☆
そこら辺のツッコミと今後の会話内か🎲でもう一つ気づかないとこの早朝にはフラグが立たなかったじゃんね☆ちなみにフラグ発生しないままのの場合はもっと後、夜とか情報出す予定だったじゃんね☆
なんて懐かしい物を……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆確かにじゃんね☆9日目深夜の状況と10日目会議の内容に関して、改めてまとめるじゃんね☆
セイアちゃん喋り終わったらハナコちゃんかアヤネちゃんあたりに喋ってもらお!じゃんね☆
ゲヘナへの導入にしつつボーナスに関してはまた別じゃんね☆
チーム分けは人数多いからこそ出来ることじゃんね☆
ハナコちゃんもコハルちゃんも絶対に着いてこないじゃんね☆着いて来させるのは多分もう遅いじゃんね☆
ただまあ1個だけ。話なんてものは心の持ちよう、捉え方次第。若い頃に大切なのは起きた後より今で、起きてしまったなら後は大人になった時に笑い話に出来るようにする事だけ……じゃんね☆
- 197二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 15:23:32
- 198二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 18:28:14
- 199二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 18:43:28
もう捕食されて死んだ生徒が出てるからな
どういう手段を取れば完全無欠のハッピーエンドになるか
極端な話最終的に犠牲者が戻って来る完全無欠のハッピーエンドになるならその過程でどれだけ犠牲が出てもいいって考え方も出来るけど
それで上手くいけばいいけど上手くいかずに失敗した場合悲惨な結末になるし - 200二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 18:51:13
- 201二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:31:43
はーい、これから帰るじゃんね☆とりあえず職b……学校で居残りしてる時に軽く会話文だけは仕上げたからあとは肉付けしたら安価までいけそうじゃんね☆
……問題はまとめじゃんね☆とりあえずPart6スレ見てなんとか考えるじゃんね☆
ノーコメントじゃんね☆
ただ唯一のデッドエンドは間違いなくヒフミちゃんが自分でヘイロー砕く案件だけで、多分それは現状はほぼないじゃんね☆
1はパヴァーヌモモイちゃんも絆ストのモモイちゃんもこの前の炎の剣モモイちゃんも、あとだいぼうけんモモイちゃんも大好きじゃんね☆
あとゲームでも普通に頼りになるからありがたいじゃんね☆
フェアじゃないしこの件は心配させちゃうからお伝えしとくじゃんね☆
①ヒフミちゃんは食べられる形で犠牲になった子がいるのを知らないし、知っているのはティーパーティ上層の三名のみ
②食べられた被害者に関してヒフミちゃん達が出来ることは、戦ってこの聖杯戦争をどんな形であれ終結させる以外にはない
……じゃんね☆
まあだからと言って犠牲を許容し過ぎたら流石にヒフミちゃんも気づくじゃんね☆
あと怠惰のランサーとかが即死効果打ったら流石に取り返しがつかないから注意がいるじゃんね☆
これもフェアじゃないからお伝えするじゃんね☆
その時の状況だったりにもよるけど、よっぽどの事がない限りは即戦闘にはならないじゃんね☆
ただし空中分解したらヴェリタスもティーパーティも安価で頼れないじゃんね☆
- 202二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:34:21
空中分解については前スレでミカ主が”1の想定ではヒフミちゃん達が空中分裂するのは最終局面一歩手前になるじゃんね”って言ってたし
何かそういう戦略的なピンチというより物語上において直面する困難、乗り越えなければいけない困難って可能性の方が高そうに見えるし
どんな状況になるのかは今は見えないし、ぶっちゃけ現時点でその際の戦略を想定してもあまり意味は薄そうな気もする
まあつまるところ、現時点でそんなに悲観的に備える必要は無いんじゃないかな?って
可能な限り最終局面一歩手前まで先伸ばされるようというか起こるとしても他のマスタ―達の攻略後に起こるように、今はその情報を得てしまう事を避ける様に立ち回る、くらいで良いんじゃないかな?とは思ったり
- 203二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:39:00
- 204二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:44:24
- 205二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:50:28
- 2061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 19:59:49
- 207二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 20:07:26
まあ黒服の性格的に空中分解に繋がりかねない情報を意味なく話すとは考えにくいか
取り引きの結果か、話すことで黒服が得をするか、話さざるを得ない状況に黒服が陥るか
会いに行って黒服がそれをすぐに話すってことはないはず - 2081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:23:16
【10日目午前/早朝・導入イベント】
【Recommend BGM……〈Vivid night〉】
『今回のメッセージは二種類あった。一つは黒館ハルナから。そしてもう一つは彼女が危惧していた通りの物だ』
行方不明になった先生達《聖杯戦争対策部》。その中にはアズサちゃんの大切な家族も、私のお友達も。そして私達みんなをこれまで支えてきてくれた大事な先生もいます。
そんな彼らについて、セイア様は無事なのだとは話し始められました。
『ハルナちゃんっていうあの子のメッセージからして、自分が直接伝えられなかった時用だったもんねぇ』
─── ですから、このメッセージ《以外で》もし、この端末に何か別のデータがあった場合
ハルナさんからのメッセージの中にあった不思議な言い回しをホシノさんの言葉で思い出しました。確かに彼女は自分のメッセージ以外に何かデータがあったのなら、それは先生から私に宛てた物だと。実際中に入っていたのは。
『そう、そして彼女のメッセージはライダー陣営との戦闘前に録音した物だという。つまりだ、先生と空崎風紀委員長の戦闘記録に関しては黒館ハルナが録音した後に撮影された物。もっと言えば、恐らく先生が撮影した物だろう』
セイア様の言う通り、ライダー陣営との交渉が始まった昨夜23時直後と戦闘が開始された翌1時直後、そして2時15分に憤怒のライダーという方が乱入してからの十数分間の映像でした。
『憤怒のライダーだっけ?あいつの目線や振る舞いを見る限りじゃ物陰に潜んだ誰かが……って感じじゃなさそうかな』
『小鳥遊委員長のお墨付きを貰えるとは有り難いね。では話をそのまま進めるが、先生が撮影したとするならここで二つ疑問が生まれる。その一つは一体誰がUSBデータを届けたのか、だ』
セイア様の細くて小さな指がちょこんと二つ立ちました。モモイちゃんが「ピース、ピースだよ、ピースしてる」とか小声で突っついて来ますが無視です。こら、アズサちゃんも「ピースだな」って話に乗っちゃダメですよ。 - 2091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:28:06
『黒館ハルナから先生、もしくは届け人の手に渡った経緯は簡単ね。自身の万が一を考えて最も生き残る可能性が高い、もっと言えば鬼怒川カスミさんか下倉メグさんだったかしら?彼女のところに届けられる生徒に託したというところね』
「そしてその中の誰かっていうのを鬼怒川さんは知ら……あの、知らない、かも……ってその……でもまだ《数》のことが……」
調月会長の言葉に続いてユズちゃんが言及するのは数。握り拳を口元にあてて、悩んでいる様子に私達は『数?』と頭を傾げてしまいました。ハルナさんと先生、それぞれ別の方が撮った映像を一体誰が届けたのかという謎があるのは理解できましたが数については検討もつきません。
そうやって頭から煙を出したコハルちゃんとその頭を扇いでいるアリスちゃん達に微笑みながら、ハナコちゃんが口を開きました。
「セイアちゃん達が言ってるのと合ってますよ、ユズちゃん。そしてもう一つの方、数が合わない事も……そうですよね?」
『その通り。君の予想通りだよ、花岡ユズさん。そしてだからこそ先ほどの会話で君は心配していたのだろう?───鬼怒川部長?』
「ああ、正解だよ。私も、裸のUSBを指定のコインロッカーで受け取ったメグも誰がこれを届けたのかは分からない。そして後半も正解さ、だから私達は危惧した」
セイア様からの確認に、左頬だけ上手に吊り上げた皮肉っぽい笑みを浮かべたカスミさん。結局誰が届けてくれたのか、という思考に待ったをかけたのはカスミさん本人ではなく。
「そこからの話は我が引き取ろう」
意外な事にコトリちゃんとヒビキちゃんにタブレットを使って、機材の用意でしょうか、何か指示を出していたキャスターさんでした。
「鬼怒川カスミ、この娘が先の会話の中で態々言及した魔術云々について。我とセイバーは一般的な魔術に対する認識、つまりどちらかと言えば学問的な物ではなく非常に原始的なそれや中東やアジア圏……うむ、少々あれなたとえか。要は誰が届けた物か分からんこのUSBを持ってこの場に運んできた事に対する魔術的な呪詛なりを受けたのではと懸念している、と推測した」 - 2101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:48:35
「確かに魔術に対する知識がなければ、一般的にフィクションでよく見かけるそういう曖昧模糊としたイメージを抱いてしまうのは仕方ないよ。実際にないわけではないしね……とはいえ今回のUSBに関して、そういう魔術的なトラップというのはないと考えていい」
思い返してみるとお二人の言う通り、カスミさんがこれ以上の情報を持っていないと言った時、物凄く迂遠な言い方をされていました。そして、USBは《誰が届けたのか分からない》というのも確認できました。それを考えると敵か味方か分からない誰かに監視されたり、魔術で攻撃を受けるんじゃという事を警戒されていたというのは言われてみると納得できる話でした。
「気にするというのならば、だ。モモイ、ヒフミ、ミノリ。ここにいるお前達全員がよければになるが、後で鬼怒川カスミが連れてきたという残りの部員達も一応魔力やその痕跡、或いは魔術的な影響がないかの確認を我がしてやっても構わないと思っている……というのがさっきの話だったわけだ」
セイバーさんが言っていた昼間ならというのはそう言う事だったかと得心するとスパルタクスさんはゆっくりと首を何度か頷かせていました。
「おお!叛逆者達よ!目に見えぬ呪いに恐れるか!だが、怯える事はない。健全なる君達の……ふむ、なんというか少し暴力的で短絡的な活動に掲げる精神に何の翳りはないのだから!」
「貴様は何も調べておらんだろうが、バーサーカー」
「おお……それもまた叛逆ぅ……」
「……まあ、狂化しながらも貴様の眼は随分と曇っていない。その眼で見て、そう感じるなら馬鹿に出来た話ではな「おお!圧制に立ち向かう同士よ!」ええいっ!貴様の判断基準はそれしかないのか!?」
「まあまあ、それもまたバーサーカーらしくて好ましいじゃないか。僕は好きだ「セイバーよ、そこでカットだ。一々歯の浮く台詞はやめるといい、モモイの教育に悪い」ひ、酷くない?」
肩を落としたかと身を乗り出して熱い抱擁を求めるスパルタクスさんに絶対嫌だと蒸気を出して怒るキャスターさん。あとにこやか爽やか王子様スマイルをしたところでキャスターさんとスパルタクスさんがそれぞれ、モモイちゃんとミノリちゃんをその背中に庇うようにして立つのを見てしょげるセイバーさん。男性御三方で戯れあってるのは分かってますけど、これは後で慰めてあげなくてはですね。仕方ないです。 - 2111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:57:23
「話が逸れたな。とにかくセイアよ、魔術に関与しない形で誰かがUSBを届けたのならばそれは聖杯戦争対策部、延いては先生なる男。行方不明になったと聞いているその者達の中の誰かが戦いが終わってから届けた、そう考えるのだな?」
『……まとめてくれて助かるよ、キャスター。サーヴァント間でも大変仲も良いようで何よりだ。さて、誰が届けたのかをここまでが一つ目の疑問。そして残す二つ目の疑問、こ!は花岡ユズさんとそこのハナコが言った通り───数だ』
ちょっと困った顔から一転、セイア様は真剣な顔をなさって私達の目を見ます。
『可笑しいとは思わなかったかい?映像記録の中で挙げられた生徒の数。その中で明らかに一人足りなかった生徒がいた』
一人足りない、と言われたところで私達は顔を見合わせました。映像の中で作戦開始前に映っていた作戦メンバーの数。私達が数えた限りでは十三人ちょうどだった筈でした。
そう思っているとセイア様は、
『───聖園ミカ』
私たちもよく知る彼女の名前を挙げられました。
『映像にはなぜか一切映っていなかった。だが私がこの会議の最初に伝えた通り、ミカはシャーレに協力、つまり聖杯戦争対策部のメンバーであり昨晩もちょうど他のメンバーと共に便利屋68との交渉と戦闘に赴いていたのさ』 - 2121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 21:21:53
言われてみると映像を見る前にミカ様が、ハルナさんのメッセージにあった《聖杯戦争対策部》の実働メンバーの一人だったとセイア様が仰っていたのを思い出します。
『ミカは知っての通り思慮深さに些か欠けていてね。案の定というか病院にいる本人から確認した限り、直接教会で行われた交渉には赴かず、先生の指示から周囲で待機していたらしい。その後はライダーや便利屋68と戦闘し、途中でナギサからのSOSを受けて離脱という流れだったらしい』
紅茶を一口飲んでから、小さく溜め息を吐かれたセイア様はモニター越しにはなりますがお疲れの様子でした。恐らく昨晩から働き詰め、なだけではありません。
「(……ナギサ、様……)」
今のお話の中にあったナギサ様の一件。暴食のセイバーと名乗る敵との戦いで傷つかれたという話です。私でも、そうなんです。いつも共におられて長く共にトリニティを運営されてきたナギサ様の親友であり戦友であるセイア様にとって思い出すのも御辛い事なのだと思います。
『百合園生徒会長の言うのが正しい、となれば昨晩の作戦に参加した人数として映像内に映っていた13人の数は誤り、というか誤認を誘うような映像になってるわ。そしてそれ自体も不自然なのよ』
それを汲んで下さったのか、少しだけ痛む空気が流れるのをさらりと流してしまうように、調月会長も疑問を口にされました。
『前半のメッセージは黒館ハルナ、後半のメッセージは先生。もちろん撮影者は違うから意図が異なる可能性はあるわ、けど黒館ハルナはメンバーの名前を誰一人として挙げなかった。なのに後半にはしっかり参加したメンバーが映っていた』
アリウスのみなさん。SRTのみなさん。美食研究会のみなさん。そして、ヒナ委員長と先生。ハルナさんは敢えて言葉を濁して誰とは言わなかったのに、後半の映像ではしっかり姿が映っていました。
『……そもそも後半の映像は、黒館部長が言うにはイレギュラーの映像を残す必要があると先生が判断して撮影した物になります。でもその映像には明らかに誤りがある。そしてそのメッセージを届けたのは無事なメンバーの誰か』
『第一これ先生が撮ったならまだ足りない部分があるよね?……便利屋ちゃん達と先生との交渉、映像自体は23時から始まって、なのにそこから1時まで急に飛んだ。要するに、その部分の映像がまるっと2時間分の映像がなくなってる』 - 2131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 21:22:53
- 2141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 21:33:55
「先生か届けてくださった生徒さんか、それとも第三者の介入なのかは分かりませんが。前者ならきっとある筈です、オリジナルのデータか」
ハナコちゃんは神妙な顔でそう言ってから、私達が気づいた疑惑の中に残される大切な手掛かり。
「もしくは作戦メンバーの人数や誤りに気づいた、そして気づく事のできる達の生徒だからこそ調べる事で見つけられる……先生からのメッセージが」
それがまだ残っている可能性があると言いました。ハルナさんが保険をかけて、それを下倉先輩という方が無理してでも引き受けてくれて、そして今カスミさんから渡してもらった大事なUSB。その中には希望が残っている。昨晩から後手に回ってしまって、ナギサ様も、ミカ様も、ユウカちゃんもノアさんも。他にもたくさんの方が傷つかれた。先生だって行方が分かりません。悲しさも苦しさ、何より悔しさとこれからを思っての怖さもある。ですが、もしかすると。いいえ、きっと。
先生はどんな形であれ私達に逆転の目を残してくれていた。それを想うと震えるぐらい勇気が湧いてきました。皆さんの目を見れば同じ気持ちの様子。私の掌にあるこの小さな箱の中には、先生からのメッセージが残ってる。誰もがそれを見つけて、必ず次の一歩を踏み出すぞと俄然やる気が溢れた目をしていました。
『ええ、というわけで有識者を呼んできたわ』
していた所でさくっと調月会長が言うものですからちょっとずっこけそうになりましたが。 - 2151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:03:10
『あーはいはい、呼ばれたから来たけどまた厄介なことになってるみたいね、モモイ』
心なしかちょっと胸を張ってるモニター越しの調月会長の隣に立たれたのは、私達もお世話になってる方。
「ち、チーちゃん先輩!」
電子戦のスペシャリスト集団、ヴェリタスの副部長である各務チヒロ先輩でした。
『それやめてって言ったでしょうが……あんた達は元気そうね、正直ホッとした』
「先輩もね!……昨日の晩、ユウカ達と一緒に戦ってくれてありがとう」
『……おバカ。後輩が気合い入れて仕事してるのに私達が働かないわけないでしょ?』
優しく目元を緩める彼女の姿は、頼れる先輩の姿としてすごくかっこよくて温かったです。各務チヒロ先輩、モモイちゃんがよく出入りしてるというヴェリタスの副部長さんは、やっぱり彼女が懐いているのが良く分かる素敵な方でした。
『チヒロを呼んだのは他でもないわ。昨晩の件を考えるに敵と想定すべき存在について私達はまだ知らない事が多過ぎる』
二人の会話を黙って見守っている調月会長。そんな彼女に咳払いをしてから肘で軽く脇腹をつついたチヒロ先輩に対して、調月会長は不思議そうな顔をしてから話し始めました。
『ランサー、ライダー、アサシン……そしてアーチャー。彼ら四騎が残っている中で現れた新たなサーヴァント達。けれどその目的や勢力の大きさについても含めて』
『私達サンダー陣営は何も分かってないわ』
確かに、と頷こうとしたところで待ったがかかりました。誰かからではありません。私達全員から、です。 - 2161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:24:21
「あ、あの調月会長……?」
『あら?どうかしたかしらヒフミさん。何か疑問や気づいた事があったら教えて頂戴。現場のメンバーである貴女達の気づきは重要な事に繋がる可能性が極めて大きい……私はそう思うの。だから報連相はしっかり行なっていきましょう』
優しい目をしている調月会長。本来の物より小型化された廉価品とはいえかなり高級かつ来年どころか再来年まで予約でいっぱいというDXアバンギャルド君を私達の為に準備してくださったり、連邦生徒会にもアクションをしてくれてたすごい人です。なにより私達同盟陣営にも実際に足を運んでこれまで色んな会議で知恵を出してくださった大切な仲間、だと思っています。
だから私は、勇気を出して聞いてみたんです。
「あはは……では、そのなんだか聞き慣れない陣営の、そうえっと、さん『ああ、サンダー陣営ね』あはい」
ああ、聞き間違えじゃなかった。サンダー陣営という謎の名前が私達同盟陣営の名前ですよーって《直感》が教えてくれます。一体その名前はいつから、と私達が困惑する中、調月会長は気にした様子もありません。
『質問は終わりかしら?そちらは地下ですし通信状況によっては聞きとり辛い事もあるかもしれないわね』
なんでしたら私が聞き取れなかったと思ってかフォローまでしてくれました。
『サンダー陣営の拠点として今後はその点につ「待って待って。何その名前!?」どうかしたの?モモイ』
「いやいやいや!違うよ会長ぉ!名前!その聞いた事ない発電所にいそうな陣営の名前はなんなのさ!?」
そう思って誰がつっこむか一瞬私達の視線が交差したタイミングで、それより早くモモイちゃんが豪速球で疑問を調月会長に投げつけました。
『なにってサンダー陣営よ。「いやだから待って何それ!?だからどこの陣営なの!?」分からないかしら?私達の同盟陣営の名前よ「あー!やっぱりウチかー!……って、いやいやいや!?私達聞いてないよ!?」ああ、昨日の夜思いついた「あ、思いついただけならまだセーフ……」の。今日みんなに命名した「しちゃった!?しちゃったの!?過去形じゃん!?」……もう、一体どうしたというの?』
調月会長が『もう』なんて言うのは珍しいのでしょうか、隣におられるチヒロ先輩が目を丸くしつつ笑っておられました。 - 2171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:42:31
『良い?よく聞いてちょうだい。私達のメンバーにはサーヴァントが《三》騎がいるでしょ?そこから着想を得たの。三、三だ、サンダー。ふふっ、実に分かりやすく合理的な名ま「はい!はい、おしまい!この話はまた後で!!」……一体何だと言うのかしら。まぁいいわ」
いつの間にか私達同盟陣営の名前がサンダー陣営になっちゃうところでしたが、モモイちゃんの機転もあって間一髪で保留になりました。危なかったです、別にサンダーでサイダーでも良いですけど流石に駄洒落っていうのはちょっと、可愛いけど恥ずかしいですね。
『敵がどの程度の勢力かの確認も取れていない以上、データといえど情報の取り扱いには注意がいる。だからこの後、チヒロには拠点に向かってもらう手筈になったわ』
『いや、今呼び出されて今聞いたんだけど、それ。あとまだシステムの復旧と点検終わってないんだけどそっちはどうするわけ?』
チヒロ先輩が来てくださる、というのは勿論ありがたい事です。ですが、昨晩の大規模停電だったりで発電所周りや防衛関係のシステムを臨時点検しなくてはいけないという事らしく、チヒロ先輩はそのリーダー役を引き受けつつご自身も点検作業をされているそう。幾ら拠点に来てもらえたら、と思っても大事なそこに穴が空いてしまってはいけないと考えていると思わぬ。というか想定しない形で調月会長は返答をされました。
『それは私が引き受けるわ。もし私の腕では不安でも、コタマやハレあたりがいればなんとでもなるでしょう?』
あんまりにもさらっと言ってのけるので、びっくりしてかチヒロ先輩の眼鏡が少しずれてしまいました。
『は、はぁ?なに、寝惚けてるわけ?技術的な話で出来るできないじゃないの、というかそれぐらい出来るのは知ってる。そうじゃなくて、会長はセミナーの指揮してるでしょうが。私の仕事まで請け負ったら、今やってるセミナーの指揮は誰がするっていうのよ』
『どちらも私がするつもりよ』
ばっさり言い切られましたけど、多分そういう事じゃないんだろうなぁと私は恐る恐るチヒロ先輩の顔を窺いました。その顔色は案の定、モニター越しにも分かるぐらい真っ赤です。 - 2181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:46:03
『はぁぁ!?馬鹿なの!?どんだけ仕事背負う気!?』
『ノアやユウカがいない今、現場の指揮は私がするしかないわ。あと私は馬鹿じゃないわ。これでも前回の定期考査の『そんな事今話してないでしょ!?』あ、貴女が言ったんじゃない……そ、それにこの手のシステム復旧やその指示出しの経験がないわけじゃない。昔貴女と一緒に……いえ、そうじゃなくて。とにかく、貴女ほどじゃなくても今日の夜までには一人でも終わらせられるわ』
『それって結局コタマ達に頼らず一人でやるつもりだったんでしょうが!?』
『ち、違うわ。ちゃんとAMASを『おばか!』……な、なぜ?』
あ、私なんだかこの方についてちょっとだけ分かってきたかもしれません。そう思ってハナコちゃんを見ると頬を引き攣らせつつ肩を震わして、目元に小さく涙を浮かべていました。
『あんたは!その指揮を今もしてるから!昨日から徹夜で!缶詰で!働きっぱなしでしょうが!?自分で仕事増やして自分の首を絞めてるんじゃない!』
調月会長という方はどうやらすごく頑張り屋さんな方のようです。責任感もあって、賢くて。三大校の、それもミレニアムという最先端科学を担う学園の生徒会長。スタイルだって抜群ですごく大人のお姉さんな感じで隙のない凄い人。
『ふふ、それについては問題ないわ。カフェイン錠剤で覚醒レベルは保っているし、バイタルと血中酸素濃度を確認して必要な栄養や薬剤を点滴で流しながら働けば効率の低下は最小限に抑える事も可能よ』
『ああああ!このバカリオ!こんなだから私も部長もあの時あんたの事をっ!大体昔っから!……あーもうっ!ウタハっ!』
だけど本当は優しくて、そして実はちょっと不器用。そんな可愛らしい人なのだとなんだか今になってやっとこの人について私は分かった気がしました。
「あー、ほどほどにしてあげてくれ。それじゃあ……《リオ》、チヒロ。サポートが来た時の為に可能な限り準備はしておくから」
『ちょっと、ちょっと待ってちょうだい。チヒロ、貴女は今過剰な興奮状態にあるわ。何を怒っているか分からないけれど良いかしら?事は重要な……』
そう言って通信が切れてしまいました。最後に見えたのは角を生やしたチヒロ先輩に、ちょっと困った顔をしながら慌てている《リオ会長》の姿でした。 - 2191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:50:00
- 2201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 23:26:45
「と、とりあえずUSBの中のデータは再確認するって流れで良いですかね?」
リオ会長からの通信が切れて一分。ようやくちょっと落ち着いたところで私はそう提案しました。
「そうだね。リオ会長は見なかったことにしよう」
ですが、すぐにモモイちゃんがそう言うのでつい吹き出しそうになります。
「アリスは感動しています。リオ会長はもしかすると先生と並ぶ伝説のボクネン人!主人公属性なのかもしれません!」
追い討ちをかけるように続いてアリスちゃんまで目を輝かせるんですから困っちゃうと思ったところで、ウタハ先輩がくしゃっと笑いながらアリスちゃんの頭を撫でました。
「リオは昔からあんな感じだよ。あと先生は朴念仁、というのは少し違うかな。彼のあれは分かった上でさ」
「分かった上、ですか?」
「もう少し大きくなったら分かるよ、アリス」
アリスちゃんの疑問に近くに来たミノリさんもそう言われますけど、アリスちゃんは不思議そうな顔です。
『(彼も中々、罪作りな男のようだね)』
『(あはは……セイバーさんに言われたら先生も泣いちゃいますよ)』
『(ははは……僕も泣くよ?ヒフミ)』
と念話越しに嘘泣きするセイバーさんを放っておいたところでアヤネさんから提案がありました。
『ひとまず話が落ち着いたところで皆さん、一度話をまとめるというのはどうでしょうか?』。 - 2211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 23:50:24
頷いて返すのはミドリちゃんとアズサちゃん。
「アヤネちゃんが言う通り、私達も昨日から山ほど情報もらってパンクしちゃいそうだもんね」
「正直私もかなりいっぱいいっぱいだ……サオリ達の事もある、動き出したい気持ちはあるけど何をどう動いて良いのかすらまとまらない」
その声と顔に思わず、彼女の名前を呼んでしまいました。俯いて前髪を落とした彼女の表情は今もまだ陰っています。
「アズサちゃん……」
出来るなら今すぐにゲヘナへ、そう逸りそうに気持ちがなりますけど現実としてそれは厳しい。
カスミさんが言うにはゲヘナは今、入るのも出るのも検問があるとの事です。
それに恐らくサオリさん達や先生が最後に確認されたという場所も、今知る限りではアルさん達の拠点周辺。
つまりゲヘナ自治区が立ち入りを禁止している旧カイゼリン・ブリッツ記念教会跡地です。
いきなりそこへ、となると地上からでも地下からでも難しいという現実の壁が立ちはだかります。
どうするべきか、ひとまず情報をまとめてそれから話し合って、と考えているとふいにカスミさんが手を上げました。
「そういうことなら私はここらでお暇しようかな」
軽く袖を振ってそう言うと彼女はニヒルな笑みを浮かべました、が。
『あれー?もう帰っちゃうんだ』
ホシノさんが何の気なしに驚いた声を上げると喉の奥の方で高音を出されてから言い訳するように早口で捲し立て始められました。 - 2221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 23:59:52
「も、勿論さ!言っただろう!私はもうこれ以上の情報は持ち合わせてなんかいないとね。嗚呼、それとも私から何かまだ温泉『そういうのは今良いかなぁ』……ひぇぇ」
なんと言えば良いのか。ハブとマングース、もっと言ったら蛇に睨まれた蛙。多分今日が初対面だと思うのですけれど、どうにもホシノさんには強くは出られない様子なカスミさん。そんな彼女にため息を吐きつつ、ホシノさんは頬をかきました。
『……はぁ。別に泣かしたいわけじゃないけどなぁ……まぁそれは、良いんだけど。あのさ、カスミちゃん?』
そう前置きしてからホシノ先輩は寝る前の読み聞かせみたいに、ゆっくりと話し始めました。
『無駄に、というか無理してそうやって喋らなくて良いよ。君の処世術なのか気質かは知らないし、そこは別に良い……でも、少なくとも今の君は、ここに来てからは虚勢張ってるってのはなんとなく分かってる。君の頑張り、っていうのかな?そういうのをバラしちゃうのは良くないかもだけど……でもね』
カスミさんは少し驚いてか目を丸くしてから、でもいつもの笑顔に戻しています。けどそれを見たホシノさんも気づかれたのでしょう。笑顔に戻る一瞬、ちらりと見えた彼女の剣呑な瞳の色。それに困ったように苦笑いしながらホシノさんは続けました。
『ここにいる子達はね、カスミちゃん。君が届けてくれた情報と申し出に真摯に答えて守ってくれる子達だよ。それはおじさん……ううん、私も保証する』
私たちもホシノさんの言葉に頷きを返します。約束を交わしたっていうのも勿論あります。きちんと、約束を果たしたいって思いますし、きっとティーパーティもセミナーの皆さんも彼女達温泉開発部の立場を守ってくれる筈です。
『だからさ───お疲れさま』
でも、それ以上に。私達は思うんですが。 - 2231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:01:28
『貴女がここを頼りにした選択は、そしてハルナちゃんって子との約束を守って届けてくれた行動は、きっと良い結果に繋がってるし、私達が繋げるよ』
魔術っていうキヴォトスには存在しない物に対してすごく警戒されて、サーヴァントっていう存在がゲヘナで起こした事件も昨晩目にして。アルさん達に図らずも協力した事で聖杯戦争に巻き込まれて自分たちの居場所がなくなるかもしれない、そんな状況で。それでも私達に会いに来てくれた。此処にはいない下倉先輩とハルナさんの約束を守るために、約束を果たしに来てくれた。
「カスミさん」
「……ああ、なんだい?」
ホシノさんからの言葉を受けて、虚をつかれたように固まっていた彼女は、私の呼びかけから少し間を置いて小さな返事をしてくれました。
「改めて、お礼を言わせて下さい」
「……いやぁ、聞き間違えかな?私にはお礼だなんて抜けた言葉が聞こえてきたよ?……言った筈だよ?トリニティのお嬢さん。私はあくまで君達に取引を申し出ただけ。君達の心象を良くしたかったからリップサービスをしただけ。悪いけどさっき言ってた魔術だの魔力だのの確認のお願いだってこれからするから、君らに少しでも「そうかもしれません、だけど」……っ」
彼女の言葉を私は遮りました。この人はきっと、お喋り屋さんな方なんでしょう。とってもたくさんの事を一度にお話ししてくれます。けど、今日この場にかぎっては、その言葉は全部自分達の居場所を守る為。それは間違ってません。
「私達に情報を届けてくれたこと、サオリさん達アズサちゃんの家族のことを教えてくれたこと。今日ここに来るまで、色々手を尽くして調べてくださったこと」
でもその為に、彼女は持ち得るカードを全部使って《誠実》であろうとしてくれた。そうするしかなかったなんて事はないでしょう。だって彼女は自分で言っていた。私達との交渉が駄目だったら連邦生徒会に、って。そこへ駆け込む前に、連邦生徒会に縋りたいと思うぐらいだったのに、彼女はまず私達のところに来て下さった。そしてたくさん大切な情報を何一つ偽りなく教えてくれた。 - 2241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:04:54
「嬉しかったです。貴女は今回の件についてどう思っているかは分からないですけど、私は」
何より居場所を守りたい。私達補習授業部も、モモイちゃん達ゲーム開発部も、ミノリさんも。その気持ちは痛いほど分かるから。だからお礼を伝えたい、そう思ったんです。
「貴女に会えて良かった、貴女に届けてもらえて良かった……そう、思うんです。だから、あり「……聞きたいこと」え……?」
しっかり最後に伝えようとした五文字を、今度はカスミさんが遮って、静かに背中を向けました。わざとらしく大きな声はちょっと濡れている気がしたけど、それは聞かなかった事にします。
「これから情報をまとめるなり、会議をするなりとなれば部外者の私がいては不都合だろう。だから私はここでお暇する……だから、ゲヘナに関することで聞きたいことや我々にやって欲しいがあれば無言って欲しい。良いかい?先ほどの『校則違反の品物の裏取引に関する罰則は受けるが聖杯戦争に携わった件については擁護と立場の保証をしてもらえる』、それとは無関係かつ一切の無条件で、そうだな二つほど」
だって振り返りながら私を見た彼女の顔は。
「君と、それからあちらの銀髪のお嬢さんにえらくキツい事を言ったからね。せめてその分の借りを、ここで返させてはくれないかい?そうでないと……いや、それを返してからでないと恥ずかしながら頼む物も頼めないという面子の話さ」
温泉に入ったみたいにほんわりと温かな笑みを浮かべていましたから。 - 2251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:18:23
というところで今日はおしまいじゃんね☆まぁた一人黙ってる子がいるじゃんね☆
次回は喋ってもらうじゃんね☆
カスミちゃんに関しては居場所を守りたいってとこに着地する感じにしたじゃんね☆まだまだ1は修行が足りない、じゃんね☆
明日は18時にとりあえずまずはカスミちゃんに聞きたいこと、お願いしたい事を安価で二つまでって感じじゃんね☆ちなみに温泉開発部メンバーは今現在ミレニアムに滞在してる感じじゃんね☆
ではではみなさん、今日もお付き合い下さってありがとうございました!明日もよかったら遊びに来てやって下さいな!
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
黒服はほぉぉんと難しいじゃんね……というかゲマトリアは全体的にどの子も塩梅が難しいじゃんね……
とりあえず1はアビドスと最終編とかの描写から多分このラインは……で進んでくじゃんね☆
- 226二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:21:41
お疲れ様です
聞きたいことが頼みたいこと二つまでか
温泉開発部に何かしら頼んでも大丈夫なやつかな
後温泉開発部って何人ぐらい来てるんだろうか - 227二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:29:05
流れとしてはカスミに対して聞きたいことや頼みたいことを話した後各校代表に聞きたいことや頼みたいことを話すって流れになるのかな?
- 2281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:40:37
ありがとじゃんね☆情報まとめる前になっちゃうしたとえば『貸し二個で!』……なんてのも自由じゃんね☆それからもちろん温泉開発部に、っていうのも可能じゃんね☆
温泉開発部に対してのお願いの場合一個だけ『それは……』って居場所を守りたいカスミちゃんとしては困ってしまうお願いもある……ってグルスト読んだ1はのんびり考えてるじゃんね☆
温泉開発部の全所属生徒の数は分かんないじゃんね……とりあえず最低200人はいるのは知ってるじゃんね……そして1はカスミちゃんに「みんな来てる」って言ってもらっちゃったじゃんね……
合ってるじゃんね☆
カスミちゃん安価→アヤネちゃん達がまとめたここまでの会議の内容→各校代表者への質問→USB解析かんりゃーからのボーナス反映→会議
って流れじゃんね☆
会議は土曜には漕ぎ着けたい、じゃんね☆
- 229二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:50:31
雷帝の地下通路の情報って誰にどの程度の範囲まで共有してたかな
そしてどこまでして良いのか
それによっては地下通路の攻略に知識を貸してもらうのもありかもしれない - 2301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 01:04:27
まとめだとちょっと説明しにくいから今お伝えさせてくださいな、じゃんね☆
この場にいる生徒の中で地下通路の情報を知らないのは昨日の夜の会議にいなかったセイアちゃんとアヤネちゃんだけじゃんね☆
ホシノちゃんは9日目夜の会議時点ではいたし坑道内部の調査映像も見てるけど、会議の内容はかなりざっくりしか対策委員会のメンバーと共有できてない感じじゃんね☆
共有できなかったのは忙しかったからじゃんね☆
昨日から10日目朝にかけてのホシノちゃんはミレニアムからアビドスまで走って帰る道中でシャドウサーヴァントの軍団をちぎっては投げして、やっとアビドス帰ってきたら今度は宝具を防いで、そこから強欲のアーチャーと戦闘してもう一回宝具を受け止めて、それから被害状況確認して、避難所閉鎖して、正実モブちゃんとティーパーティモブちゃんとハイランダーの二人とモブちゃんにありがと言って、みんなが仮眠したのを見て、一人でパトロールして、最後にもう一回だけ戦場跡の砂漠に行って一人で周りを見渡して……ってしてから会議に出席してるじゃんね☆
- 231二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:08:04
温泉開発部は200人以上いるわけだからたとえばライダー陣営と戦う際協力してもらえれば数で負けることはなくなるだろうからな
人海戦術関連の頼みをしたいところではあるけど - 232二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:09:18
おつかれさまです
前スレでも書いた気がするけど、ライダー陣営の生産拠点攻略の際の協力頼むのもありかも?
温泉開発部ならゲヘナの地盤に詳しい可能性や、温泉開発を行う温泉開発部であれば有害な気体が溜まってる地点を掘削する際の知識もある可能性はあるだろうし、協力が得られれば便利屋陣営の生産拠点の攻略に関して、地上からの掘り壊すって選択肢も生まれそうな気はするし
それにライダー攻略に関して協力したって実績があれば、ライダー陣営への協力した過去に対する擁護も通りやりやすくなるだろうからカスミにとっても利はあるだろうし
協力の約束までは取りつけられなくても、便利屋の生産拠点の様子を伝えたりエンジニア部が撮って来た映像を見せて温泉開発部の観点からガスへの対処や地下の構造に対する意見を聞けたりすれば十分有用だろうし
いやまあ昨日の大怪獣バトルがあったからライダー陣営の生産拠点が既にある程度壊れてる可能性もあるかもだけど - 233二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:24:24
温泉開発部全員で拠点の警備をしてもらうとか?
この人数で拠点を防衛していれば相手も攻め入る気なんか無くすだろうし
それに警備を知った他陣営は同盟と戦う際にサーヴァント3機にヘルタースケルター119機、さらには200人以上の温泉開発部を相手にする想定をしなきゃいけなくなるから他陣営もすぐに同盟と戦うことはしなくなるだろうから - 234二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 09:07:54
仮にアリスク、工務部合流後に温泉開発部全員動員でライダー陣営と戦闘ってなったら聖杯戦争でも類を見ない規模の戦闘になるだろうな
- 235二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 12:52:02
この時間のお昼は珍しい気がするじゃんね☆
コメント返していくじゃんね☆
ちなみにカスミちゃんへ聞きたい事、お願いしたい事は温泉開発部へのお願い、もできるじゃんね☆
保留っていうのもできるじゃんね☆
1種類を除いて基本的にはオールオッケーにする予定じゃんね☆
ゲヘナは郊外への避難なんかも含めて避難所はぱんぱんじゃんね☆
だから、200人以上でミレニアムに避難する形にしたのも心象は良くなくても検閲で見逃されてたりするじゃんね☆
生産拠点がどうなったか、までは実際に調べられてなくても現場近くの状況や元々どの程度の地下坑道だったのかだとかのデータがあるから高い精度でカスミちゃんは答えられるじゃんね☆
ガスに関しても同じじゃんね☆
人数は純粋な戦力にはなるじゃんね☆
当然相手も同盟拠点の攻略には《相応の火力》や《数》が必要になるから手間取るじゃんね☆
その上でフェアじゃないからお伝えするじゃんね☆
監督役を除いた残りの陣営はみんな自分の願いを叶える為に覚悟ガンギマリじゃんね☆
アサシン陣営以外の攻略は難易度が露骨に変動するタイプじゃんね☆
持ってる情報にもよるし攻略する目的もそう、あとはぶつける戦力の数や質、誰がマスターと戦うのかでも陣営ごとに難易度が変わってくるじゃんね☆
ランサー陣営と10日目以降のライダー陣営で共通してるのは目には目を、歯には歯を、拳には拳を……じゃんね☆
- 236二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 15:09:18
アサシン陣営の攻略に関しては難易度はそんな変動しないのかな?
オートマタが大量にあるライダー陣営、エリドゥを拠点にしているアーチャー陣営に関してはともかく、ランサー陣営とアサシン陣営の違いはなんだろう
マスターが生徒か悪い大人かぐらいしか大きな違いはなさそうだが - 237二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 16:31:52
難易度が露骨に変動するかどうかの違いの理由、シナリオ的な立ち位置というか願いにかける覚悟の違いとかはありそう
丁度その前の返信でも
”監督役を除いた残りの陣営はみんな自分の願いを叶える為に覚悟ガンギマリじゃんね☆”
ってミカ主が言ってるし - 2381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 16:48:24
- 239二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 17:12:34
アサシンは現時点ではラスボス候補ではないのか
まあ覚悟ガンギマリってわけでもないからな
注視しているライダーが勝ち残りそうってなったら多少は動く気もするが
こっからアサシンがラスボスってなる場合は聖杯戦争に大波乱が起きちゃったとか誰かがマスター権を奪ってとかそういうレベルのことが起きなきゃなさそうではある
ただまだ黒服に関しては分からんこと多いし一回探りは入れたいが
黒服に関しては本人に探り入れる以外ないからな
マエストロかゴルゴンダの居場所が分かるなら話は変わるが - 2401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 18:05:37
【サポートシステムが起動しました】
【これより】【安価を開始ます】
【安価内容は】【鬼怒川カスミ】【に】
【質問、または依頼したいことです】
【また同時に】【セイバーとキャスターから温泉開発部部員達の検査の打診がありました】
【そちらを受けるかどうかについての返答も合わせてお願いします】
【今回の鬼怒川カスミに対しての安価は今後の試金石にもなるでしょう】
【安価の結果で大きな変化、特に阿慈谷ヒフミとその仲間に著しく不利益な行動を取る可能性の発生は極めて低いと考えられます】
【今後残る陣営との交渉をする上での腕試し】
【のような気軽な心持ちで】
【相手の行動理由、安価が発生した経緯】
【それらを踏まえて鬼怒川カスミへ聞きたいことや頼みたいことを】【二つ選択して下さい】
【それでは皆様】
【よき安価を】
【アサシンのマスター】【仮称《黒服》】【は】
【監督役とマスターを兼任しています】
【上記立場以外】
【たとえば内面や心情を第三者が知る方法は二つ】
【言葉を交わし想像する】
【過去を知って推測する】
【この二つのみだとサポートシステムは考えます】
- 241二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:15:56
各陣営と戦う時に1陣営ごとに一度ずつ共闘してもらうかな
>>232さんの意見にもあったけど他陣営と戦う際、特にライダー陣営と戦う際にこちらについて戦えば擁護もしやすくなるわけだし
こちらにも戦力増強の利がある
こういう交渉は一回ふっかけてみてOK出ればよし多少妥協されてもまあいいぐらいの気持ちでやればいい気がするし
- 242二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:26:19
とりあえず、7日目の探索でトリニティとゲヘナの境界線の東側で見つけた爆発婚(3スレ目861、862)について、
”【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】”
という推測も含めて聞いてみるとかかな
確か爆発痕の撮影もしてた筈だからそれを見せながらって感じで
これは割とライダー陣営の攻略に大事そうな情報な気もするし
あとは、>>232で書いた感じにライダーの生産拠点の攻略への協力について頼む感じが良いかな
無理強いはせず無理そうなら温泉開発部やゲヘナ生としての観点からのライダーの生産拠点攻略に関するアドバイスというか意見だけでも求めたいって感じで
>>232で書いた様に、ライダー攻略に関して協力したって実績があれば、聖杯戦争に携わった件についてのこちら側からの擁護もゲヘナ側へ通しやすくなるだろうというカスミ側にとってのメリットも添えつつ
セイバーとキャスターから温泉開発部部員達の検査の打診は受けるで良いかな
- 243二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:32:06
温泉開発部部員達の検査ってどれぐらいかかるんだろうか
それによっては検査するにしても今日の夜拠点いる時とかにやった方がいいだろうし
朝のターンを全て使ってとかなると行動が大きく制限されるし
頼みとしてはまず各陣営と戦う時に1陣営ごとに一度ずつ共闘してと頼んで
それが無理ならライダー陣営関連の時の協力に絞る感じにするって感じにしてみるとか? - 244二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:39:19
あ、そうだ一個思いついた事としては、
頼み事一個保留にしといて、
この後のUSBの解析で追加で得られた情報から消息不明の「聖杯戦争対策部」の居場所を捜索する必要が出た際に、ゲヘナ生でなおかつ土地には詳しそうな温泉開発部という利点を生かして捜索への協力を頼む、
もしUSBで追加で得られた情報でそもそも「聖杯戦争対策部」の居場所が分かったり、捜索するべきではないもしくは捜索する必要が無いって場合には、ライダーの生産拠点の攻略への協力について頼む、とかみたいにするのはどうだろう? - 245二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:52:57
とりあえず一つは保留にしてもう一つでライダー陣営に関連することの協力をしてもらうというのはどうでしょうか
この形ならライダー陣営に関連する情報は聞けるしライダー陣営が絡む時に共闘もしてもらえるし
検査に関してはすぐ終わるならすぐしてもらって時間かかるなら夜に拠点いる時とか落ち着いている時にやるって感じで - 246二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:12:43
検査に関してはむしろ今やった方が良い気もする。日数的にも夜はおそらく情報の集まり次第ではどこかの陣営の攻略に費やす事になる可能性もあるかもだし
それにもし何かあった場合遅いと良くない可能性もあるし - 247二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:13:17
- 248二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:14:05
- 2491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 19:24:46
- 250二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:38:49
とりあえず各マスターと可能な限り早く一度じっくり話す機会を作りたいな
リスクもあるけどリスクをとことん避けるなら籠城するしかなくなっちゃうし
まあ腹決めて情報が集まるまではたとえ外で何があっても籠城するってならそれも立派な戦略ではあるが
動くと決めたならリスク承知で色々動いた方がいい気はする - 2511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 20:00:09
「ライダー陣営攻略の手伝い、かい?」
「はい!もちろん無理にとかじゃなくって、その調べ物とか一緒に攻略の時の会議に参加してもらって話だけでも!そ、そしたら弁護とかする時もさっきの情報提供だけじゃなくて私達に協力してたって実績にも……だ、だめでしょうか……?」
「……いや、勝手に身構えていたからね。少し……そうだな、肩透かし……いや、肩の荷が降りた気分さ」
私からのお願いに、少しだけ目を丸くしてから片頬を上げたカスミさんは大きく頷いてくれました。
「勿論、協力しよう。なにせ、それで更に私達の立場を確約してくれるとなればそれはもうしっかりと働くさ」
なんだったら入浴施設の補修も請け負うぞ、なんて大きな声で調子良さそうに話されるので私も吊られてホッとしちゃいます。そのままカスミさんと連絡先を交換して検査の日取りはまた連絡するとお伝えしていると。
「しかし有り難いね。君らはあの名高い温泉開発部だ。君達だからこそ見えてくる物が、特に対ライダー戦では必要になってくる」
「ちなみにその名前はミレニアムでは良い悪いのどちらで通っているのか聞いても良いかな?ミレニアムの有名なエンジニア部の部長さん」
ウタハ先輩が揶揄うようにカスミさんに話しかけられました。肩をすくめたカスミさんは半ば揶揄うように彼女へ質問を返します。それにウタハ先輩も同じようにしてから、にやりと笑いました。
「さて、それこそ君も私もこれからの働き次第で幾らでもじゃないかな?」
今度こそきょとんとされてから、カスミさんは大きな笑い声を上げました。
「……結構!結構!いやぁ……本当、底抜けにお人好しな取引相手達な事だ……本当に」
眦に涙を溜めるぐらい大きな声は、けど不思議と嫌な気持ちとかにはなりませんでした。だって彼女から私達を馬鹿にしたりだとか、そういう感情がちっとも感じてきませんでしたから。
「あはは……こういうのはお嫌いですか?」
「取引相手としては不合格だろうね。取引とは貪るような食欲を隠して確実に己の利を一手ずつ通していく物さ」
- 2521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 20:03:59
- 2531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 20:08:47
- 2541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 21:01:59
【10日目午前/早朝・導入イベント】
『それでは司会は私、アビドス廃校対策委員会書記の奥空アヤネが担当します』
モニターに映ったアヤネさんが挙手をしてから始まった会議。この場にいる全員の注目を集めた彼女は気にする事なく堂々と司会を進めてくれます。
『まず今回の参加者はセイバー、キャスター、バーサーカーの同盟に所属する各マスターとサーヴァント。そして各マスターが所属する部活動のメンバーである6名。聖杯戦争非常対策委員会からは、アビドス高等学校より私と小鳥遊の2名』
ホシノさんが「よろしくね〜」っていう気が抜けちゃうぐらい可愛い声で挨拶したところで自己紹介はバトンタッチ。
『トリニティからはティーパーティホストの百合園セイアと』
「へ?あ……ぉ……同じく図書委員会委員長の古関ぅウイです……」
セイア様、続いて拠点にいるウイさんも自己紹介をして下さいました。昨日は帰ってきてからもバタバタしてしまってちゃんとした歓迎会も出来てませんし、こうやって自己紹介を皆さんにして頂ける機会があった、というのは素直にありがたいです。
『ミレニアムからセミナー臨じ『現っ!』……会長の調月リオ、ヴェリタス副部長各務チヒロ、エンジニア部3名が出席するわ』
『以上21名でこれより第二回聖杯戦争非常対策会議を行います』
リオ会長がチヒロ先輩に注意されるのを見てほっこりしつつ、改めて今回出席する全員の顔合わせが終わったところで会議は進み始めました。 - 2551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 21:03:28
『議題に入る前に状況を整理していきましょう。まず時系列。昨晩23時頃に先生達が便利屋68の皆さんと接触、2時間の交渉の末に翌1時から交戦』
『そして交戦開始から1時間後の同時刻にゲヘナは勿論、トリニティ、ミレニアム、アビドス、そしてD.U.でもシャドウサーヴァント達の出現と彼らによる各自治区への侵攻が確認されました』
『昨晩侵攻してきた敵陣営、暴食のセイバーの発言から仮称『聖杯陣営』であると認定。彼らの戦力は3種類に分類できます』
3つ、そう言って指を立てるアヤネちゃんに合わせて映し出されるのは今回確認された敵の姿。
『まずD.U.、ミレニアム、アビドスで確認されたシャドウサーヴァント。ゲヘナの空崎ヒナ風紀委員長やトリニティからの報告にもあった、これまで度々撃退が確認されてきた存在です。特徴は全身の霊基が影のようなガス状に近い魔力で構成され不安定。自我も乏しく、スキルや宝具が使えません。アビドスで確認されたアーチャーからは亡者、と呼称されていました』
『次に顔のない生徒。出立ちは確認された限りヴァルキューレ、正義実現委員会、C&C、風紀委員会の制服に酷似した黒い制服を着用。アビドスでは少数でしたが、昨晩、ミレニアムとD.U.で最も多く確認されたタイプです。この敵タイプに関して、同盟陣営のキャスターさんは宝具かスキルによって召喚された存在である可能性が濃厚と予測されています』
『この顔のない生徒に関してはその他にもアビドス、ミレニアム、トリニティ間で締結された聖杯戦争への協力協定及び聖杯戦争非常対策会議に対して、定期連絡を傍受、また連絡担当者に成り済まして妨害工作を行っていた事が三校で確認できました』
『最後に……新たに現れたサーヴァント。ヒフミさん達が契約されている方達に酷似した、思考し、スキルや宝具を使う事が強力なサーヴァント達になります』
- 2561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 21:09:20
新しい、サーヴァント。私達の中ではまだモモイちゃんとキャスターさんしか交戦していませんがとても強いと聞いています。
『出現したサーヴァントはそれぞれ、トリニティに暴食のセイバーと推定になりますが色欲のバーサーカー、アビドスに強欲のアーチャー、ミレニアムに怠惰のランサーと嫉妬のアサシン、ゲヘナに憤怒のライダーの計六騎。強欲のアーチャーの発言からキャスターは召喚されなかったと思われます』
『真名が把握できているのは怠惰のランサー、憤怒のライダーの二騎。それぞれ、クー・フーリン、丑御前……という英雄だそうです』
『彼らの最大の特徴としまして通常のサーヴァントとは違い宝具やスキルとは違う権能、と呼ばれるスキルを所持しているようです』
『聖杯陣営の長期的な目的は現在不明……ですがこれもまた私達が確認した限り、聖杯戦争の円滑な運営こそが彼らの目的であり、今回の侵攻は我々の戦力を削る目的の他に今後行われる聖杯戦争において不都合な存在の抹消……』
アヤネさんはそこで一度言い淀んでから瞼を閉じて、けどすぐに開いてしっかりと言い放たれました。
『つまり標的を殺す事を求めてだと思われます』
『……狙われたのは各サーヴァントの発言からトリニティは桐藤ナギサ、百合園セイア両生徒会長。ミレニアムでは早瀬ユウカ会計。アビドスでは砂狼シロコ委員。ゲヘナでは丹花イブキ役員と現地にいたシャーレの先生の以上6名。今挙げた人達を……排除する事が彼ら聖杯陣営にとって利のある行動のようです』
『また強欲のアーチャーの発言に陸八魔アルさんへの言及もあった事、同盟陣営の拠点への奇襲が確認された事。以上2点から不確定事項にはなりますが、上記6名に合わせて各マスターへの接触ないし攻撃を加える事も昨晩の侵攻目的だった可能性もあります。その他にもランサーの魔術によって大規模な通信妨害も行われ、自治区を越えての連絡が途絶される状況になりました』 - 257二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:19:50
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- 258二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 22:29:18
ルーンによる妨害、矢避けの加護による飛び道具無効、戦闘続行による粘り強さ、そして必殺の朱槍と羅列するだけで厄介すぎる要素だらけだなランサー
仮にキャスターが召喚可能だったら誰が現れてたのか・・・
傲慢って言えばあの金ピカだがそんなの召喚したら逆に黒幕がやられるだろうし・・・
星見の魔術師が召喚されてしまう世界線もあり得たのかな - 2591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 22:50:52
怠惰のランサー。真名は本物であるなら、セイバーさんやキャスターさんが小さな頃にお伽話として聞いていたという大英雄クー・フーリン。そしてアサシンさん、彼女のお弟子さんです。
『次に昨晩の被害について。幸いな事に死者はまだ確認されていません。ですが交戦時や避難時に負傷者が発生、建造物やインフラ関連なども大きな被害を受けています。それにあたり各校の復興状況と今後の目処を教えて下さい』
『トリニティは本校舎にかなりダメージを受けたがそれ以外は軽微だ。復興等は気にしなくて良い』
『ミレニアムは今晩までに電気等インフラのシステム再構築を目指すわ。市街地も通常の銃撃戦で受ける程度の被害だから問題なし。幾つかフロアを爆破されたミレニアムビルも既に修復工事を始めているわ。ただ発電所』
ユウカちゃん達がなんとか電力を復旧させようとしたその場所は戦場になったと聞いています。それについて触れるリオ会長の顔はいつになく暗くされておられました。
『あちらに関してはしばらく稼働が難しいわね。向こう半月は節電等を指示するつもりよ』
『お二方、ありがとうございました。アビドスについては既に避難所も閉鎖。元々戦闘も市街地外でしたので当面は瓦礫の撤去等ぐらいで、自治区の運営としては大きな問題はありません』
ゲヘナは市街地のうち二割がライダーさんと憤怒のライダーの宝具が戦った関係で機能停止。アビドスは既に元の日常に戻りつつあるようですが、トリニティはナギサ様、ミカ様、ツルギさんが入院中。そしてミレニアムについてはまだ電力の供給源が限定されている状態。幸い拠点は大型魔力炉があったり地下発電設備もあるので稼働できますけど、それでも自治区の防衛って点で見るとかなり厳しい現状です。 - 2601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 22:57:57
『続いて、各自治区で収集した情報についてです』
『《映像を見て頂いた皆さんもご存知のように》、アビドスは強欲のアーチャーとの戦闘で今回の聖杯戦争の勝利条件について本人から直接聞くことが出来ました』
『強欲のアーチャーは聖杯陣営内のサーヴァントでもかなり特殊で与えられた権能を限定的かつ方向性を絞ることで自我を保っている、とありました。その事から権能には強化だけでなく思考汚染の効果もあるのかもしれません』
権能。セイバーさんが言うには、彼らの世界にいゆ神様が持っているすごい力、なのだとか。そして本来であればサーヴァントの霊基で、そして彼らの世界ではもう《使用できない》物だと。
そんな物を一体どうやって手に入れていたのか、私達にはまだ分かりません。
『話を戻しますが……彼曰く聖杯戦争の勝利条件は二つ』
ここで私たちの意識が強くアヤネさんの方に向かいました。聖杯陣営の中で唯一、自我が正常に近いという強欲のアーチャーさん。彼が、自身が亡くなる際に最後にシロコさんへ伝えたというメッセージ。
『一つ目は予備システムの起動、二つ目は七騎のサーヴァントを撃破する事で出現する大聖杯の破壊』
それは私たち同盟陣営が喉が手から出るぐらい必要としていた情報でした。 - 2611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:05:54
『どちらも私達同盟陣営がサーヴァントの方から聞いていた通常の聖杯戦争における勝利条件とは異なります……恐らくは私達の目的に近しい所にある形で勝利する為の手段、と考えて良い筈です』
予備システム。黒服さんに聞いてみようかなんて話も少し上がっていた、シュロちゃんが起動するなと言っていたシステムです。まさかまた聞くことになるだなんて、思ってもいませんでした。
『前者は妨害が発生せず、また過半数以上のマスターが同意すれば起動できるそうです』
『後者に関しては……現状では必ず一騎のサーヴァントを犠牲にしなくてはいけない、と。またこちらの場合は聖杯陣営からの妨害が行われる可能性が極めて大です』
後者に関しては難しい、という側面が強いです。サーヴァントの方の犠牲を許容しなくては達成できない勝利条件。ですが、情報を細分化してみると大きな手掛かりに繋がっています。
何せやっぱりあったんですから───大聖杯が。
『……そして、強欲のアーチャーはこのメッセージを伝えた後に、何者かの手によって退去させられたのを確認しました』
『有益な情報をありがとう、奥空さん。こちら……ちょっと何故ため息をつくのチヒロ?』
『……あんたは本当に、まあ後で私が回しとくから、早くミレニアムの報告してきなよ』
アヤネさんが少し躊躇って伝えてくれた謎の人物による強欲のアーチャーさんへの攻撃。それも含めてさらっと有益で片付けてしまえるリオ会長に、チヒロ先輩は疲れた溜め息を吐いてしまいました。でも、こういう会議で出た情報をあくまで情報として受け取って処理していけるリオ会長はやっぱりすごいです。
『なら良いけれど。ミレニアムの戦闘に関しては怠惰のランサーの言動から、阿慈谷ヒフミさんを含めたマスターに対する心理的な攻撃を目論んだというのが判明しているわ。アサシンの方は、恐らく顔のない生徒を宝具で召喚している可能性が浮上、現在こちらでも調査を進めているわ。それと……女性に対して過剰な加虐性が見られていたわ、注意してちょうだい。その他、確認できた各スキル等については資料の方を。それからキャスター』 - 2621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:35:23
「うむ。奴らと対峙した際に勘づいた事であるが、妙な霊基をしていた。ネルという娘との戦闘時にも未だ自身の霊基が《未完成》であるように言っていたらしいが……あの霊基は恐らく《真っ当な魔力で編まれた物ではない》」
正体の見当はつかないが、と言われるキャスターさんも難しそうに蒸気を吐かれておられました。
『トリニティに関しては……少々混みいっていてね。まずセイバーに関して、直接戦ったミカからは借り物のように感じたそうだ。かなり主観的かつ野生の勘染みてはいるが、ミカは人との関わりを得意とする娘だ。ましてや直接戦闘したとならば尚更さ。彼女曰く、他人の顔や体を我が物顔で使っているようなチグハグさ……これはアビドスで対峙したアーチャーとの会話を踏まえて無視できない物だと考える』
『バーサーカーについては、喋らないが非常に卓越した戦闘能力を持っていたそうだ。各種スキル等は資料の方を頼む』
『ありがとうございました。憤怒のライダーについては先ほど映像を見たばかりですし省略します。では最後に聖杯戦争のマスターについて軽く触れようと思います』
別に自分が発言する、というわけじゃないですけどちょっと背筋を伸ばしちゃいます。
『同盟陣営は現在、マスターとなった生徒とそのサーヴァントを含めた全員の生還を前提とする聖杯戦争の終結を目指しています。サーヴァントはセイバー、キャスター、バーサーカーの三騎。いずれも願いよりも我々の目標を優先、ということで良かったでしょうか?』
アヤネちゃんからの確認に、御三方は笑われました。 - 2631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:36:08
「大丈夫だよ、アヤネ。僕達はそれぞれのマスターと、そしてそんな彼女達が選んだ道を共に最後まで歩むつもりだ。僕はヒフミとヒフミの大切な物を守る、そのために戦うよ」
「……モモイの面倒を見るのも半ばだからな。我はどちらにせよ残らねばならんと思っていた所だ。それに聖杯を破壊した場合における魔力供給に関しても大型魔力炉第二号の設置を検討している。この聖杯戦争中は間に合わんが、恐らくは七騎が日常生活を送る分には問題なかろう」
「私は我が同胞との誓いを果たす、ただそれだけである。その道行も行末も、我が同胞は君達と手を取り合って進むと決めた。我が使命と誇りに変わりはない。聖杯という名の闘技場が幼き少女達に圧制を強いるならば、その頚城を破壊し誇りある叛逆を示すことこそがスパルタクスである」 - 2641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:45:35
確かな返事に私達の胸が熱くなります。私たちと契約してくれた三騎の英雄は、こんなにも温かくてかっこいい方達で、こうして共に戦おうと笑ってくれる。手を繋いでくれる。それが堪らなく嬉しくて、こんな時だというのにどうしようもなく嬉しいんです。
その気持ちは他の二人も同じなようでモモイちゃんは照れ臭そうに赤くした頬を掻いて、ミノリさんは腕を組んで頷いてますけどその頬は緩んでます。
『お返事、ありがとうございます。みなさんのような方が私達の友達の理解者になって下さった事、とても嬉しいです……!本当にありがとうございます』
頭を下げてくれるぐらいアヤネさんも、そしてみんなも喜んでくださります。みんなが私たちを支えてくれる。そのありがたみをすごく強く感じるんです。
『……同盟陣営はミレニアム郊外の廃墟に拠点を置いています。人員も生徒の数も含めて言えば恐らく全陣営中最大。ですが、残りの陣営もまた数や質では負けていません』
『同じくミレニアム郊外にある要塞都市エリドゥに拠点を置くアーチャー陣営。マスターは飛鳥馬トキさん、アーチャーの真名はアーラシュ・カーマンガー。拠点攻略にはエリドゥの踏破が求められますが、我々は中枢近くまで侵入できる経路の確保、そして内部に協力者が存在しています』
『トリニティのカタコンベに拠点を置くランサー陣営。マスターは伊落マリーさん、ランサーの真名はレオニダス一世。この陣営に関しては彼女が以前所属していたシスターフッドの代表とコンタクト済み。現在も交渉中ですが上手くいけば伊落さんの願いについて何か手掛かりを掴めるかもしれません』
『ゲヘナの旧カイゼリン・ブリッツ記念教会跡地に拠点を置くライダー陣営。マスターは陸八魔アルさん。ライダーの真名は推定メドゥ「ゴルゴーン」……え?』
残る陣営の話の中、アヤネさんがライダーさんの真名を話そうとしたところで待ったが入りました。落ち着いたその声の主は、苦い顔をした古関先輩でした。
「……してやられたわ。あれは恐らくゴルゴーン、大地母神が零落した怪物の母よ。あの姿になるまではっきりしなかったけど……多分彼女はゴルゴーンの相を持っていて、それをスキルか宝具で強制的に発現させてる……んだと思います……よ?」 - 2651じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:53:43
途中で視線を集めているのに気づいてかびっくりされた彼女は声のボリュームが落ちてしまいました。ですが私達の中でサーヴァントの方を除くと、英雄譚や伝承といった事に一番精通されているのは古関先輩です。彼女の気づきについてもまたゆっく「聞きたいところです。
『ありがとうございます。見解についてより詳しく聞きたい所ですが今はまとめていきます。ライダーの真名は推定ゴルゴーン。宝具を複数種持ち、更には腐臭漂うオートマタと我々が呼称する使い魔を大量に保持しています』
『最後にトリニティの通功の古聖堂に拠点を置くアサシン陣営。マスターは黒服と呼ばれる大人、アサシンの真名はスカサハ。彼らは立場上中立である監督役を務めていて、取引を持ち掛けてきています。コンタクトを取るだけなら残る四つの陣営の中でも最も容易です』
『聖杯戦争のマスターは魔力負担による拒絶反応があり、また期間が終わると過剰な魔力を聖杯から供給されて……脱落となります。期間は二週間。残す所、今日を含めてあと五日』
『以上が現状我々が共有しておくべき内容となります』 - 2661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:56:03
はい、まとめはおしまいじゃんね☆
ざっくりでごめんじゃんね……
でもだいぶエネルギー持ってかれたので今日はここでおしまいじゃんね……続きはまた明日の13時ぐらいからやるじゃんね☆
とりあえずこの場にいる生徒への質問とか話し合っておきたい事を安価って感じじゃんね☆
今回のまとめについてのお詫びじゃんね……
ぶっちゃけとんでもない量があったからかなりざっくりまとめてるじゃんね……細かい部分の抜けとかあるかもだけど笛版の内容(たとえばアビドス戦とか)も含めてヒフミちゃん達はほぼ全部共有してる感じです……
セイアちゃんとアヤネちゃんは地下坑道についてだけ知らない、という感じです……
というわけで話戻るけどまとめに抜けがあっても気になる事とかあったらがんがん聞いてくだしゃい……ちょっと1はまとめるのナメてたじゃんね……とんでもねぇ文量だったじゃんね……
ではではみなさん、今日もありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
キャスターがもし召喚されてたら誰だったかはやっっっっと今日決まったじゃんね☆
- 267二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:08:27
おつかれさまです
- 268二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:10:03
おつかれじゃんね!
そういや前スレでもアーチャーがアビドスの面々に言ってた冠位とかの英霊召喚本来の意味も話しといたほうがいいのかなやっぱり…… - 2691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 00:16:40
- 270二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:22:09
お疲れ様です
聖杯戦争の二つの勝利条件が明らかになったか
予備システムに関しては今のところ勝利条件である以上モモイもミノリもヒフミが起動提案したとして拒否するとは考えにくいから後一人で起動出来そうではある
この二つに関して詳しく知ってそうなのは黒服だろうな
少なくとも前者は絶対知ってるはずだし
この勝利条件に関しては聞いたとしても空中分解につながるとも考えにくいし黒服に多少のリスクがあれど聞きにいきたい気持ちはある
やっと見えてきたハッピーエンドの具体的な方法な訳だからその方法について詳しく知るのは最優先だと思うし
詳しく知らなきゃ説得の際その方法は具体的には分かりませんじゃ説得が上手くいくとは考えにくいし - 271二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:32:32
明日の流れとしては導入やって安価してボーナスのこと話してって流れかな?
動きを決めるのは明後日になる感じかな
聞きたいことをしっかり考えた方が良さそう - 2721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 00:42:30
言いそびれてたけどカスミちゃん達の検査は一瞬で終わるじゃんね☆
だから特に希望がなかったらお昼か夜に200人がぞろぞろっと来るじゃんね☆
もうずっっっっとみんなにちゃんとお話出来てなくてやきもきさせちゃってた勝利条件じゃんね☆
遅くなって本当にごめんね、じゃんね☆
ホシノちゃんとシロコちゃんが話し合った結果、あんまりにも曖昧だったから伝えるつもりのない詳しい内容だったりは笛版の115話、最新話の一個前で強欲のアーチャーが語ってくれたじゃんね☆
……本当、他の子達がお喋り苦手だから随分強欲のアーチャーには頑張ってもらったしシロコちゃん達はよく聞いてくれたじゃんね☆
合ってるじゃんね☆明日は議題っていう体でみんなで疑問とか話しておきたい事を安価でしちゃう日じゃんね☆
10日目午前の行動含めた大まかな流れは明後日安価(予定)じゃんね☆
……そう、9日目がめちゃくちゃ長かかったからあれだけどまだ10日目は午前行動も始まってないじゃんね☆
1も笛版投稿してて9日目だけで全体の文章量の1/3ぐらい占めてるのに気づいた時は乾いた笑いが出たもんじゃんね☆
作中時間は現在多分5時〜6時ぐらい、戦闘後にパトロールまでして会議出席してるホシノちゃんや徹夜で避難&復興指揮してるリオちゃん、チヒロちゃん、セイアちゃんは実はぼろっぼろじゃんね☆
- 273二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 02:04:50
ただ笛版見る限り、微妙にどちらが良い道なのかはまだわからないんだよな
”「これ以上罪を重ねまいとするのなら」
「予備システムを……」”
で聖杯側からの口封じ入ってるから、果たして、起動しろなのか、起動するのななのか
それももっと情報集めれば何か分かったりするかな?
あと笛版読んだ時も地の文で気になった個所なのですが
”勝利条件は二つだというのに、採るべき選択肢が一つしかないような話であった。
もしこの話がヒフミ達に届いたのならば、選ぶのは後者しかないだろう。
何せ彼女達はハッピーエンドを、誰一人の犠牲も許容しないと選んだのだから。”
この部分の”もしこの話がヒフミ達に届いたのならば、選ぶのは後者しかないだろう。”って前者じゃなくて表記通り後者で合ってます?
後者の道はサーヴァント1騎の犠牲を必要とするはずなので矛盾してる気がするのが少し気になって
それはそうと対処に追われてるホシノたち各学校の代表たちというか生徒会陣営というかはほんとお疲れ様過ぎる……
聖杯戦争中は気が休まらないだろうけど、聖杯戦争終結後はゆっくり休んで憩って欲しい - 2741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 08:14:30
- 2751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 13:20:16
『ここまでが今回の会議と昨晩の侵攻についての大まかなまとめになります』
長くなったのお茶休憩を挟みつつ、会議は再開しました。昨晩、ホシノさんが訪ねて来られた時も思いましたけどこうやって改めてお茶を皆さんに用意すると私達も大所帯になったと感じちゃいます。
『この後は議題を募った後に陣営間でディスカッションに移る予定です。補足等あれば今のうちによろしくお願いします』
この場にいる16人。「おしゃれなハーブティーで女子力アップ!ヒフミには負けないよー!」「モモイはその前に食事の支度を手伝うところから始めたらどうですか?女子力について以前ミレニアムが自治区内で集計したデータで74.9%の男性が自炊能力のある女性に対して」「やめようコトリ……私達にもそれ刺さるから……」なんて声を聞きつつ私は紅茶の香りに一息ついていると補足があるかという話が挙がりました。
『うへー。アヤネちゃんが立派に司会してておじさん泣きそうだよぉ』
『もうっ!ホシノ先輩!今そういうの良いですから!』
なんだか気の抜けちゃうぐらい普段通りのお二人を見て、ほっとしつつ私もアヤネさんへ感謝の言葉を口にします。
「あはは……でもまとめて下さってありがとうございました、アヤネさん!」
「私達も昨日から色んな事が起きましたからこうやって話を改めてしてもらえるとありがたいよね」
モモイちゃんや炭酸飲料や珈琲をそれぞれ飲んでるアリスちゃんやウタハ先輩と違って、私と同じように紅茶を飲んでいるミドリちゃんの言う通り、昨日から本当にバタバタしっぱなしです。おまけに私達が直接戦った相手だけじゃなくて四つの自治区で行われた戦闘とその後始末の話までとなると、もう何が何だか。
「現状か……それなら少し良いだろうか」
そう思っていると、静かに珈琲の入ったマグカップを下ろしたミノリさんが挙手をなさいました。昨日から私達の陣営に仲間入りしてくださった、頼れる先輩。そんな彼女がどんな補足をして下さるのか、みなさんが気になって目を向けたところで。
「私達の陣営が抱えている戦略的な弱点についてだ」
意外、というか考えてもみなかった話題を口にされました。 - 2761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 13:23:06
【Recommend BGM……《ホワイトアウト》】
「私達同盟陣営は恐らく現状のキヴォトス内でも戦力としてかなり強大な部類に入るだろう。それは皆も理解していると思う」
みなさん一様に頷くのは当然でした。
「サーヴァントが三騎、しかも宝具はいずれも高い破壊力をそれぞれが有している。話に聞くアサシンや怠惰のランサーのような即死性、ライダーのような単騎で複数所持しているような特殊性はない。だが、取れる戦略の数という意味ではサーヴァントの数が揃っているという時点で肩を並べているような物だ」
セイバーさんは広範囲のすごいビーム、キャスターさんは大きなハンマーを凄い勢いで振り回して突撃する質量攻撃、そしてスパルタクスさんは相手から受けたダメージ分だけ威力が上昇するご自身を中心にした爆発。宝具に限定しただけでも三者三様。これに御三方それぞれのスキルや戦闘技術、そして生前から今日までの経験だって加わります。
頼りになる、なんて言葉でも足りないぐらいです。
『(ヒフミ、ヒフミ。僕の宝具についてだけなんか雑じゃないかい?)』
雑じゃないです。というかご自身でビームって言ったじゃないですか。
「何より私達の最大の強みは数だ。キャスターの使い魔に限らず、こうして志を同じくする仲間達に恵まれている。その志もまた大義名分……という言い方は好ましくないがキヴォトスにおける倫理的な秩序の観念に則った物だろう」
こちらについてはもっと分かりやすい、そう思いながらみなさんを見渡します。最初はセイバーさんと二人、そこからハナコちゃん、コハルちゃん、アズサちゃん。次にモモイちゃん達にウタハ先輩達。そしてミノリさんやヴェリタスの皆さん。リオ会長、古関先輩が協力して下さって、ホシノさん達も駆けつけてくれました。今この場にはいないナギサ様やユウカちゃん、カスミさんだって私達に力を貸して下さっています。ヘルタースケルターさんだってたくさんいます。間違いなく、聖杯戦争が始まったあの日から今日に至るまでに、私達の陣営は強くなりました。
「だからこそ、それが私達の弱点なんだ」
そう、ある意味で強く、そして大きくなり過ぎたんです。 - 2771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 14:46:15
仲間が増えました。みんなで一緒に頑張っていこうと決めました。昨日の襲撃だって、大変でしたけど学外にもこうやって助けてくださる方達がいたからこそ、大きな被害にまで至りませんでした。その上で、ミノリさんは私達の陣営の強さは弱点でもあるのだと仰られました。
「なるほど。人に限らず色々な意味で守るべき物が多い、だからこそ取れる選択肢が限定されてしまう……そういう事ですね」
『ふむ……その話題を出来るなら避けていく、と思ったが君達から触れるなら話は別かな、火中にあって組織を大きくする以上、いずれは向き合わねばいけない問題。遅いか早いか、己への問い掛けは何時だってそれだけさ』
今一つ分かっていない私と違ってハナコちゃんは悩ましげに眉間に皺を寄せています。ハナコちゃんの言う、守るべきもの。セイア様もまた、紅茶に口をつけつつ淡々とそれについて触れます。
『時は得難くして失い易い。皆が集って膝を突き合わせる良き機会だから、私も今のうちに考えを述べよう。確かに昨晩の騒動で狙われた彼女達についても我々同盟陣営の協力者や関係者に寄っている面は否めない。直接的に言えばだ、協力者を増やし陣営が強大になった事で協力者が狙われた』
そこで一度、頭を殴られた思いでした。改めて言葉にされると、足元とお腹の奥の方が冷たく感じてしまいます。
「でもそれは……!……ごめんなさい、つい大きな声出しちゃいました……」
『いいや、才羽ミドリさん。君の気持ちは分かるとも。これは君達の罪では決してない。それだけは誰が見ても……ナギサもミカも、実際に狙われた誰もがそう言うだろう。再度言うが協力者が襲われた罪の在処は同盟陣営にはない。昨晩寝込みを襲いに来た下手人こそが咎を背負うべき事だ。けれど一方で無視できない問題でもある。違うかな?サーヴァントの御歴々』
ミドリちゃんが叫びそうになった気持ちをセイア様は代弁して下さいましたけど、仰っているようにだからと言って私たちは悪くないから知りませんだなんて馬鹿みたいな話はありません。そんな事、考えられません。 - 2781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 14:48:55
「騎士道を重んじて、という話が通用しないのも聖杯戦争の通例であるのは確かだよ。そしてサーヴァントやマスター本人ではなくその身内を狙う、というのも褒められこそしないが十分にあり得る戦術だ」
『成功した場合の相手マスターの心因的な負担がどれほどかは個人差によるでしょう。ましてや報復という分かりきったリスクはある。特に私達のような自治区を抱え込んだ相手に仕掛けるとなればそのリスクは跳ね上がる。はっきり言って他の陣営にしてもそれをするのは釣り合いが取れないわ……でも』
「現状が変わった。自治区を敵に回しても問題がない手合いであればそのリスクを無視できるそれが実際に起きたのが昨晩で、今後私達が新しく敵に回す存在はそういう相手になります」
古関先輩が締めくくった未来の話は、避けては通れない話題ですけど私達の中にどんよりした空気が流れてしまって仕方ない問題でした。聖杯戦争を解決するためにとみなさんと手を取り合って作った同盟。これまではリスクとリターンが吊り合っていないの一点で無視できていましたし、実際に起きませんでした。でも私達に協力して下さった方を狙っての襲撃が起きてしまった以上、直視しなきゃいけません。
そして多分直感ですけど、ミノリさんは再発防止ではなく、もっと抜本的な部分に触れる為にこの話題を出したんだと思います。
「そもそも、な話になっちゃうけど……多分私達は聖杯戦争に向いてない、と思う……もっと、小回りが効く感じで戦うのが多分本当のやり方なんじゃないかな……って」 - 2791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 14:59:33
ヒビキちゃんが言うのは何度かセイバーさん達からも聞いた事でした。これだけ大きな規模の陣営、というのは聖杯戦争では珍しいと。そして私達はたくさん協力して下さる方がいるからこそ、今日まで脱落したりする事なく戦って来れたのは間違いない事実です。これまではそれで大丈夫だったんです。
「マスターとサーヴァント。ツーマンセルを基本とする戦術が基本だとすると、私達同盟陣営の存在は勿論、新しく確認した聖杯陣営も同じようにイレギュラーだ。その点で言えば戦力は多いに越した事はない……だけど、陣営同士が大きければ戦闘もそれだけ激しく、大きくなるのは必然だ。それこそ被害は今後も増える可能性が出てくる」
でも古関先輩の言う通り、状況が変わりました。アズサちゃんが話すように新しく確認された聖杯陣営とぶつかる事を考えれば、大きな戦力同士で戦うことになります。そしてそれはきっと大きな被害を生むかもしれません。もしかしたらまた、私達のお友達や大切な人達を傷つけられるかもしれません。母数が多い、ということはその数だけ狙われる人も多い。
『……なんかさ、ちょっと話変わっちゃうけど……カスミちゃんの反応見てて思ったんだよね。多分あの子のがキヴォトスでは当たり前なんだろうって』
今後の被害や戦闘について頭を悩ませていると、ホシノさんは少し言い淀みながらも話し始められました。カスミさんの話題ですが今ここで言わなくてはいけないとホシノさんが思ったのなら多分。
『私たちは皆、友達だったり大切なものがあったりするから、聖杯戦争に直接乗り込んで終わらせよーってしてる。でも他の、本当に何も知らない第三者からしたらさ……聖杯戦争なんて出来るなら関わりたくないんだと思うよ』
この話もきっとこれからに関わる大事なことなんでしょう。 - 2801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 15:17:15
「そういう意味でも先ほどのお願いは綱渡りでしたね。カスミさんが願い事を聞き受けると申し出たのは間違いなく本心でしょう。でも彼女の本意は関わってしまったことで立場が危うくなった部活自体の存続……」
「……温泉開発部を守りたいってことはさ、きっと本当だったら聖杯戦争自体にもこれ以上関わらせたくないもんね」
ハナコちゃんとモモイちゃんの言葉に上手く言葉に出来ていなかったカスミさんの気持ちがすとんと受け止められました。彼女が部活を守る事に必死な気持ちも、そして交渉を頑張っていたことも分かっていたつもりでした。けどその根底にあるのは、怖いって気持ちだったんです。
「私もモモイちゃんの考えと同じです。私達が戦力的な意味で最大限彼女達に頼れて、カスミさんが居場所がなくなるかもしれない恐怖に怯えず最大限協力出来るお互いにとって最善手、それがヒフミちゃんの出した提案でした。もし、直接的に戦場へ出て戦って欲しい……そう言ってしまっていたら、彼女は頷いてくれたかは私には分かりません」
『……私達は、ヒフミさん達は聖杯《戦争》をしてる……辛いですけど、それは普通に生活してる子達からすると酷く恐ろしい物に見えるんでしょう。命の奪い合い、というのは昨晩の戦いを通して私たちも少しですが理解したつもりです……多分きっと、キヴォトスという社会の中で聖杯戦争は……』
『私達生徒会の役員が当初から懸念したり、これ以上表立った武力的な支援が出来ないと言っていたのはまさにそういった一面ね。どうしても現代的な価値観において、どんな正当性や大義名分があっても殺し合いは受け入れ難いというのが社会のシステムであり民意になるでしょう』
私達はみんな話し合って、きちんと伝え合って、その上で納得して集まれたと思っています。でもそうじゃない人達にとって。たとえば昨日のゲヘナで起こった戦闘を見た人たちにしてみれば、自分の命を奪い兼ねないとても危険な物に見えるのでしょう。
実際、リオ会長が言うように私たちに生徒会や自治区自体が肩入れをしていたという事実はかなりナイーブな話なのだというのは聞いていました。
今も多分、聖杯戦争が起こっているという情報も私達がマスターであるということも決して表に出ることがないよう対処してもらってます。 - 2811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 15:20:56
- 2821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:01:06
「立ちはだかる壁は非常に嶮しくそそり立っている。叛逆の意思を秘めながら暴虐たる兇行を敷く圧制者の走狗達に対して、集った我らの兵力は凡ゆる圧制を跳ね除ける剣となるだろう。だが、剣とは力無き者達とって己に向くか分からぬ兇器でしかない。剣を持つ者は……民衆の希望にもなるが常に畏れを抱かせる者でもあるのだ」
サイズが合わないということで急遽用意した専用の椅子に座っていたスパルタクスさんの語り口はとても厳かでした。
「民衆にとって武力とは、時に存在するだけでも圧制となり得る。圧制とは恐怖であり恐怖とは圧制なのだ。そしてその剣が巨大であればあるほど、振える場所を選ばなくてはどんな形であれ周りを傷つける事になるだろう」
スパルタクスさんのお話というのはとても難解です。ミノリさんとは以心伝心で、彼が話す事をすぐに翻訳して下さるんですけど、何故か今回は腕を組んだまま黙っておられます。
それが私には、言葉通りに受け取って欲しいというスパルタクスさんの気持ちとそれを汲んだミノリの態度の現れだと感じました。
戦う力は持っているだけで人から見たら怖い。キヴォトスでは銃撃戦があり触れていて、戦うっていうのは別に珍しい選択肢じゃありません。だけど、命の奪い合いは違うんです。なら、その当事者も、その奪い合い自体もきっと第三者から見たら怖がられてしまう。これから先、私達は大きな戦力を率いて戦う、という選択はこれまで以上に大きな意味が生まれます。
いえ、もしかすると。
───手前様が選ばれたのはそういう祭ですよ、人殺し。
「(見過ごして、見ないふりをして。私は違うって……でも側から見たら、これまでもそうだったんです……)」
私は誰かの命を奪わない覚悟を決めました。その一線を譲るつもりは絶対にありません。
でも同時に私は命の取り合いをしている当事者でもあるんです。その力を向ける先だけじゃなくて、力の使い方もきちんと慎重に考えて使わなければ、多くの人を傷つけたり怖がらせてしまうんです。 - 2831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:05:17
「……通常、聖杯戦争が開催される時代というのは所謂現代。このキヴォトスとよく似通った時代だ。当然人命のやり取りは一般的社会における法に縛られているし、何より神秘は秘匿するという遵守すべき魔術社会でのルールもある。監督役もいるから多少の騒ぎっていうのは揉み消されるんだ。だから……こんな風に大規模な集団だからこそっていうのは本当に珍しい悩みの種になるね……」
私達同盟陣営っていう大きな集団と大きな力は、今回の騒動を経て敵に狙われるし第三者から後ろ指を指される可能性も、無意味に怖がらせてしまう可能性も大きくなりました。
つまり、聖杯戦争を無事に解決出来ても日常に戻れない、なんて結末に繋がる可能性もあるんです。
だからと言って消極的にも動けません。
そんな形で解決を待ち望んでいられる時間は、私たちマスターには、私にはもう。
「……じゃあ!この先どうすればいいのよ!」
そこまで考えたところで、コハルちゃんが机を叩きました。
「セイア様の言う通り守らなきゃいけない人達が私たちにはいる。でもみんなで動いたら他の人たちから後ろ指さされちゃうかもって……それに昨日よりずっと大きな被害がでるかもって!でも!でもそんなの!」
「……コハルちゃん」
たくさん考えくれていたんでしょう、目の端にいっぱい涙を溜めています。座っていた椅子を蹴倒すぐらい力一杯彼女は私達を想って、叫んでくれました。
「私達がやらなきゃヒフミもモモイもミノリ先輩も!それにそれこそあんな奴ら次は何してくるか分かんない!時間だってもう足りない!早く、早く解決しないと……ヒフミ達は……っ!」
時間制限。勝利条件こそ分かりましたけど、それだってまだ《完璧じゃありません》。だというのに、私達マスターは今日合わせてあと五日間しか時間が残されていません。そして、五日を過ぎれば今度は新しいマスターが選ばれてしまいます。
新しいマスターに選ばれる、それはつまり新しい被害者が出来ると言ってるのと、私達が感じた辛い思いを他の人にさせると言ってるのと何ら変わりがないんです。 - 2841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:25:14
「だから、だから!コソコソなんてしてられない!大体後ろ指なんて何よ!私達がやってるのは間違ってな「幼いコハルよ」……ひゃい」
唐突に、ですが努めて穏やかに。深みのある優しい声がコハルちゃんの話を遮りました。
「君の心根は好ましい。だが戦いの場ではいつだって朗らかな笑みを浮かべるべきだ……焦ってはいけないよ」
声の主は、朗らかないつもの笑顔をしたスパルタクスさんでした。
「私達の叛逆は、少女達に強いる圧制からの脱却を目指す物である。悪しき圧制者を挫かんと誇り高い叛逆の旗を掲げ荊の道を進む我らの中で、その戦いを詰るものは誰もいない」
彼はいっそ注意深く壊れ物に触れるような、そんなゆっくりとした言い方でコハルちゃんだけでなく私達みんなに言うように話しをされていきます。
「だが剣を掲げる時、その刃は敵と己、両方に向けられている事を忘れてはいけない。どんな大義があっても、掌にある鋼の重さを忘れてはいけない。……幼くも正しき道を歩まんと励む我が同士よ、どうか覚えていてほしい」
「(……スパルタクスさんはどうして今この話をしたんでしょう……)」
彼の言葉が刺さったように座り込んで顔を伏せてしまったコハルちゃんへ掛ける言葉が思いつかない頭の中で、ふいにそんな疑問が浮かびます。
「スパルタクスの話は面倒なほど分かりにくいが、要するにだコハル。拳を振るえば良いものじゃない。大義もなく拳を振るえばそれはただの暴力だ。そしてその大義が周りからどう見えるかも大切なんだ。何せ、私たちが目指すのはハッピーエンドの向こう側……全部終わった後に笑って元の生活に戻らなきゃいけない」
これから話をしてハッピーエンドを目指す道筋を見つけていこうとしたこのタイミングでミノリさんは、この話題を口にされました。
「(この話をするタイミングは別に昨日の夜の会議でもありました。時間的な余裕も襲撃までは全然あって……あっ)」
そこで漸く、私はミノリさんの意図に気づいたんです。恐らくですがこれは結論を出す類の話ではなかったんです。 - 2851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:33:53
「でも……あの……わたしも、その……コハルちゃんと同じ気持ちです……」
「……私達は強い。セイバー達の強さは言うまでもないし、準備だって整えてきた。大勢の仲間もいて……そしてタイムリミットがある。だから一日でも早くヒフミ達を早く聖杯戦争から解放したい。そのために私は……本音を言えば、どの陣営にしろ戦って勝利するという最短のルートというのを選びたい気持ちがないわけじゃない」
「……アリスも、アリスもです。聖杯戦争を早く終わらせて、またみんなで……今度はキャスター達も一緒にゲーム開発がアリスはしたいです……」
「ユズ、アリス、アズサ……」
目を赤くしつつ顔を上げたコハルちゃんの背中を撫でながら、何かに気付いたようなミドリちゃんはミノリさんの方を見ました。
「でもそれが私達の弱さ、なんですね?ミノリ先輩」
「そうだ、ミドリ。私達がハッピーエンドの向こう側、皆が共に笑って戦争の終わりを迎えて元の生活に戻る事を目標に定めた以上、仲間を増やしていく事は戦力の拡充と繋がらない。もっと言えば、個々の願いを叶えたい他の陣営と違って、私達は戦って勝つ事が目的ではなく手段でしかないんだ」
ミドリちゃんも、彼女を見つめるミノリさんの表情も微笑んでいます。
「戦力の増強を目的に仲間を増やしているのではなく、ハッピーエンドを叶える過程で結果的に仲間が増えているのが私達です。陣営として強大にはなりました。でも強大だからこそ、安易に闘争という手段を選べない。それは戦う事で否応なしに目立ってしまったり、被害が増えることにも繋がります」
ミノリさんの言葉を今度は今まで静かに見守ってくれていた古関先輩達が引き継いでくださります。
「早く終わらせたくても、最短の手段を選べない……それがこの陣営の弱点、というわけね。はぁ……なんて心の贅肉、とてもじゃないけど聖杯戦争らしくない贅沢で厄介な悩みね……」
「本当だね。僕やバーサーカーからすれば戦力が多いなんて、羨ましい限りの話だよ」
「お前達だけではない。人手が有り余るほど、というのは研究者もまた同じだ。ましてやそれが志を同じくする気心知れた友であるなら尚更である」
「……だったら、どうしたらいいのよ……」
呻くコハルちゃんの頭にそっとセイバーさんの手が載せられました。後でお説教です。 - 2861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:44:28
「いいかい、コハル。これは僕の考えだけど、やるべき事はきっと今までと変わらない……誰も自らの手で犠牲にしない。君達が選んできた道行は信じて進めば良いし僕らも共にその道を歩きたい。これから先、どんな困難な旅路になってもきっと君達なら幸多き結末に辿り着けると僕らサーヴァントは信じてる」
「でも……今までのやり方じゃ……」
「そうです!ミノリはアリス達の陣営には弱点があって!……そしてそれは経験値を稼いだり仲間が加入して強化し過ぎたからって……だから今までみたいに戦ったら新しくエンカウントした聖杯陣営との戦いでは……」
それは間違いなくミノリさんが私達に教えてくれた同盟陣営の弱点です。
そうなんです、ミノリさんが昨晩の襲撃を受けて現状について話す今このタイミングで挙げた弱点なんです。
「君達がしているのは聖杯戦争で、けれど僕らの知る戦争じゃない。確かに命の取り合いに否を叩きつけると決めた君達は、仲間を単純な数と兵力で見て戦略を練るという選択肢が乏しくなる」
「だがよく聞け、アリスよ、コハルよ。これは純粋な暴力装置として我らも、そして己の自身も振るってはいかんという話なのだ。殺し合いを忌むと決めた事がお前達の弱点になった。最早、敵を斃せば済むという単純な最終手段すら奪われた。故にこそ我らは状況の受け取り方を───考え方を変える必要がある」
これからの話が議題にのぼる会議の直前でミノリさんが弱点について話さなきゃいけなかったのは。
強いとか弱いとかを話したかったので、ましてや自分達がこれまでやってきた事。選んできた道のりは間違って、そんな話じゃないんです。 - 2871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:19:18
【Recommend BGM……《Hue》】
『恐らくこの聖杯戦争という惨劇の舞台にはそれを引き起こした黒幕の影がある。陰惨極める殺人劇には秘された事実があり、我々は仕掛け人から邪魔者と見做されている。未だ手を取り合えていない陣営も半分、だというのに刻限は迫ってきている』
セイア様はゆっくりと私達を、いいえ。
『だけれど、君達はもう、一度それを乗り越えた筈だろう?』
補習授業部四人の顔を見て、温かく頬を綻ばせられました。
『あの時と同じです、ヒフミさん。私達がピンチに陥った時、ヒフミさんは私達の呼びかけに応えてくれました。だから私達もあのエデン条約の時、駆けつけられたんです。駆けつけたいって、みんながそう思ったんです』
アヤネさんの言葉にあの青空を私は思い出します。あの時だってどうなるか分からないけどがむしゃらでした。
『忘れているようだから、私も付け加えておくわ。モモイ、ミドリ、ユズ。貴女達はあの時……私の手からアリスを、私が提示した二択に第三の選択肢を示して勝利した。誰も、何も取りこぼしたくない。いっそわがままなぐらい真っ直ぐな気持ちで……きっと私が見て見ぬふりをしてしまった結末を拾ってみせた』
それはモモイちゃん達だって一緒です。
『模索するのよ、もうこれしかないと言われても。何度だってそれは違うと叫んで、この聖杯戦争という犠牲なしでは解決し得ない難題に立ち向かう。お誂え向きに、勝利条件も提示されたわ。だったらやる事は変わらない筈よ』
あの時のようにがむしゃらに、走っていく。その理由も同じ。戦う為に、誰かを傷つける為に戦うんじゃないんです。大切なものを手から溢し落とさない為に、戦うんです。 - 2881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:20:11
「聖杯陣営とかいう黒幕らしい新しい敵も出てきた、被害だってこれから大きくなるかもしれない。勝利条件は教えてもらったのにそれはそのままじゃ使えない。だから改めて現状を把握して、自分達の立ち位置を見てこれからぶつかってくる問題を最初に知っておく……というわけだ。随分と荒治療だね」
「この先間違いなく戦いは激化するでしょう……そうなった時、今みたいにゆっくり集まって問題を受け止めるのは難しい。足を止める時間はもう貴女達に残されていません……だから今、先に現状とそこから考えられる問題をまとめて受け止めて気持ちを作っておく。そしてやるべき目標を再設定、ですか……本物の聖杯戦争がこんなしち面倒い物だとは思いもしませんでしたよ」
ウタハ先輩は肩をすくめて、古関先輩は溜め息を吐かれて。でもお二人とも目が言ってるんです。
これから先は大変な事だらけ。苦しいこともあるかもしれない。だけど支えるから心配するなって。
「さて、諸君。新たな問題も出てきた。どうやら目の前に立つ壁は嫌になるぐらい大きく、ゴールへの道筋が見えなくなりそうにもなるみたいだ。で、だ。そうなるかもしれないと腹は括れたかい?」
つまりは、そういう事。ミノリさんは最初からこれが言いたかったんです。
「それって、今も一緒だね……モモイ、ヒフミちゃん」
「ええ、そうです!微力であっても私たちが力を貸そうって、助けたいって思ったのは私にとって皆さんが友達で、皆さんの選択に共感したからです!通常の聖杯戦争で我々の陣営やその悩みがあり得ないというのなら、あり得ないからこそ出来る結末を!私達同盟陣営という変数だからこそ新しい結果が出る筈です!」
ユズちゃんが、コトリちゃんが。いいえ、二人だけじゃありません。 - 2891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:21:05
「仲間が増えたからといって私達の選択肢は増えちゃいない。抱えた数は戦いにそのまま使えるわけじゃない、強くなる事が私達の目的をそのまま叶えてくれるわけじゃない……だけどそれはあくまで通常の聖杯戦争、他の陣営と戦って勝つ事を目的とする場合での弱点だ」
「私達は敵と戦って勝つんじゃないのさ。私達は聖杯戦争という仕組みそのものに戦いを挑む。バッドエンドしかないという難題に、ね。その為に私達はこの場に集った。君達に協力する数は戦争に勝つの武力ではなく、君達が辿り着きたい未来へ向かう為の燃料さ」
みんながこれから改めて挑む相手をしっかり再確認できました。これからがむしゃらに走っていく中で起きるかもしれない事を、先に知りました。そしてその上でハッピーエンドに向かう。その気持ちを固められたんです。
「私は……たとえ最短ルートじゃなくたってたくさん寄り道してでも最高の結末に辿り着きたい。だってさ、そっちの方がきっとゴールに辿り着いた私は笑っていられるから!」
「みんなでハッピーエンドに向かいましょう!たくさん難しい問題はあります、だけど私は一人じゃありません!みなさんと一緒なら!きっとマスターになった人も、サーヴァントの方も、誰も欠けない終わりに辿り着けます!」
難しいことが一杯です。考えなきゃいけない事も山積みです。でも勝利条件は見えてきました。大聖杯の存在もどうやら確認できました。マリーちゃんやアルさん、トキさんとだってきっと分かり合える筈です。その為の《鍵》も少しずつ集まってきました。だから───。
「同盟陣営、ふぁいとー!」
───おー!
「(私達の頑張り、見ててくださいね!ペロロ様!)」
「(あれ?でもどうして私いま……)」
「(ペロロ様にお願いしたんでしょう……?)」 - 2901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:25:29
- 2911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 18:00:03
- 292二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:06:08
戦う場所を人がいない場所に誘導するのにはどうすればいいか
黒服が過去に関わっていた企業などが黒服に援助してる可能性はあるか
二つの勝利条件を一番詳しく知ってそうなのは誰か
アサシンの即死宝具に対する対策
考えたくないが万が一聖杯戦争による犠牲者が出た場合どう対応するのか
ライダー陣営は令呪を使い切ってるはずだが他にゴルゴーン化する方法を持っているか
仮に生徒の誰かが一線を超えてしまった際どういう対応を上層部はするのか
これはゲヘナに問い合わせてもらう形になるけど万が一にも誰かがライダー陣営の拠点に迷い込まないようライダー陣営に文句言われない範囲で周辺を風紀委員で監視できないか
誰かしら、特にゴルゴンダあたりがマスター権を奪い取って参加しようとすることはありそうか
先生が行方をくらましたことでD.U.での悪影響は考えられるかかな?
最悪の事態の対応とかは集まって話している今のうちに話しておいた方がいい気もするし - 293二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:10:54
会議で話し合っておきたい事として思い浮かぶとすれば、
・トキの説得について(トキ関連の情報自体はもう出揃った感じはあるから、あとはどう説得するか、発動するかどうかはともかくとして現時点にトキが加わっただけでも実行可能な対案として予備システムの起動もある訳だから、説得材料自体はある程度揃ってもいる気はするし。
特に、トキ陣営を説得出来ればヒマリが加わる事にもなるから聖杯戦争への対処の手段に関してももっと見つけやすくなるだろうし)
・サクラコの心を開くには(前日のサクラコの様子を伝えて、ランサー陣営を攻略するのというかマリーを説得するのにはきっと必要な事だからと話し合っておくのもありかも)
・【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】についてや、ライダー陣営そのものについて(これは便利屋とそれなりに交流のあるホシノとアヤネがこの場に居るしに聞くのもありかな?と)
・監督役でもある黒服、アサシン陣営との交渉というか取引をどうするか
・予備システムについてシュロは起動するなと言っていた事を話、それについての見解を聞いてみる
・現状生存しているっぽい怠惰のランサーをどうするか。正直、宝具の即死効果とスキルによる生存能力厄介だし、下手すると聖杯陣営で一番厄介(データ面でもスキル構成の生存能力の高さがエグイから倒そうとした場合おそらく一番大変な気がする)な気がするから対処を話し合っておいた方が良い気がする。ついでに他の倒し切れてない聖杯陣営のサーヴァントについても
辺りかな?
あとはモモイについても気になる点(検査での体重だったり、怠惰のランサー戦の時にネルに使ったものだったり)はあるけど、そこら辺はヒフミ知らない部分だしな - 294二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:47:24
- 295二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:58:15
あと思いつくのだと、マリーの覚悟についての何か心辺りや思い当たる事が無いかウイに聞く(一応ウイはマリーが発症した際の対応とかに関わってた訳だし) とかかな
- 296二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:00:27
黒服はなんで古聖堂を拠点にしてるのか
黒服が言っていた禁止事項である”ルール違反はただ一つ───学園都市キヴォトスに対して大きな禍根を残すことです”
”例えば無関係な民間人の虐殺、マスター間の闘争外での自治区への大々的な攻撃、戦闘を除くサーヴァントの私的な運用、聖杯戦争についての情報を大々的に漏洩する事で社会的混乱を招く行為”
”正確には聖杯戦争の情報漏洩も含めたシャーレへの過度な干渉”
だったけど、私的な運用って具体的になんなんだろう
後黒服はどうやって隠蔽する気なのか
それと黒服と黒服が所属してるゲマトリアについて改めてみんなで考えてみる
セイアはゲマトリアの会議を見ちゃったことがあるからゴルゴンダ以外の構成メンバーのことも知ってるはずだし
後ゲマトリアメンバーを見かけたら報告してもらうとか? - 297二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:13:11
だいたいこんな感じかな?
後は各陣営とどんな感じで交渉すべきか
先生が行方不明になったことで何が起きるかとか? - 298二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:18:13
- 299二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:18:28
- 300二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:22:38
とりあえず、まとめるとこんな感じかな?
陣営攻略関連
・トキの説得について
・サクラコの心を開くには
・マリーの覚悟についての何か心辺りや思い当たる事が無いかウイに聞く
・【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】についてや、ライダー陣営そのものについて
・これはゲヘナに問い合わせてもらう形になるけど万が一にも誰かがライダー陣営の拠点に迷い込まないようライダー陣営に文句言われない範囲で周辺を風紀委員で監視できないか
・監督役でもある黒服、アサシン陣営との交渉というか取引をどうするか
・各陣営とどんな感じで交渉すべきか
戦闘関連
・戦う場所を人がいない場所に誘導するのにはどうすればいいか
・ライダー陣営は令呪を使い切ってるはずだが他にゴルゴーン化する方法を持っているか
・アサシンの即死宝具に対する対策
シュロ関連
・予備システムについてシュロは起動するなと言っていた事を話、それについての見解を聞いてみる
・シュロちゃんが言ってた「風情も解さず何もかも手遅れな鈍間、理念と心中するつもりの頭でっかち、法螺しか吹かない大嘘吐き、一人で歩く事すら出来ない臆病者、曇り硝子を覗いて良い気になる間抜け」の意味を考える
聖杯陣営関連
・現状生存しているっぽい怠惰のランサーをどうするか。ついでに他の倒し切れてない聖杯陣営のサーヴァントについても
・怠惰のランサーへの対処について師匠であるアサシンに協力してもらえるよう交渉すべきか
その他
・二つの勝利条件を一番詳しく知ってそうなのは誰か
・最悪の自体について(考えたくないが万が一聖杯戦争による犠牲者が出た場合どう対応するのか&仮に生徒の誰かが一線を超えてしまった際どういう対応を上層部はするのか)
・誰かしら、特にゴルゴンダあたりがマスター権を奪い取って参加しようとすることはありそうか
・先生が行方をくらましたことでD.U.での悪影響は考えられるか&先生が行方不明になったことで何が起きるかとか?
・黒服について - 301二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:23:20
まとめてたらというか文字数削ってたら安価終わってた
- 3021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 19:24:05
- 3031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 20:28:46
- 304二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 01:00:06
了解です
となると行動安価は明後日かな? - 305二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 03:36:36
どんな感じの会議になるんだろうな
- 306二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 04:48:16
そういや今更思いついたけど各陣営との交渉においてのサーヴァント側へのアプローチの仕方について、伝承を元に何か思いつくかウイに聞く、とかも良かったんじゃないかな?とかふと思いついたり
以前にくれたスパルタクスについてのアドバイスみたいな感じの - 307二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 11:29:24
そういえばなんでシュロは聖杯戦争に結構詳しいんだろうな
- 308二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 11:30:04
札幌
- 3091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/02(日) 12:42:27
素でぐったりしてて今じゃんね……良い感じというか出せるギリッギリまで頑張って書いてきますじゃんね☆
明後日、じゃんね☆
とりあえず会話文は思いついて書き起こし始めたけどどうなるか謎じゃんね……
……おお
サーヴァント側へのアプローチ、については面白い案じゃんね☆
実際にその情報、つまりランサーなライダー達の出自や伝承からどうのこうのは書かないけど、アプローチする事自体については触れるじゃんね☆
多分セイバーは笑うし、キャスターは呆れるし、バーサーカーは歓迎するし、ウイちゃんは微笑んでくれるじゃんね☆
設定はざっくりしてるけど一応あるから全部終わったらお話ししたいとこじゃんね☆
シュロちゃんのスタンスはあくまで観客で推しを見に来てるファンじゃんね☆
あー、確か今なんか例の二文字を使うとどうのこうのって話があるんじゃんね?気を利かせてそれでもスレに書き込んでくれてありがとじゃんね☆
1は札幌行った事ないけど釧路あたりなら仕g、課外授業で行ったことあるじゃんね☆
海鮮が美味しかったじゃんね☆
- 310二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:04:34
保守保守
- 311二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:25:23
伏線関係まで見つけてる話題ってなんなんだろうな
- 3121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/02(日) 23:37:21
- 313二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:57:14
楽しみに待たせてもらおう……
笛版を読み返したりしつつ - 3141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 06:05:38
- 315二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 12:01:33
何の話題から話すんだろうな
- 316二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 18:21:33
このレスは削除されています
- 3171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:11:52
【①シャーレ陣営】
【Recommend BGM……〈Fade Out〉】
・先生が行方をくらましたことでD.U.での悪影響は考えられるか?(>>292、>>296)
『まず貴女達が気になっているだろう事から話をしておきましょうか』
会議のスタートはリオ会長からでした。私達全員に共通して気になる事、となると話す内容は一つになるでしょう。私達の先生、彼のことについてです。先生は昨晩のゲヘナでの戦いの後から行方がわかりません。手元にある手掛かりは彼からのメッセージが入っていると思われるUSB端末だけ。それもまだ解析作業に入っていませんから、残すところは。
『昨晩の襲撃はミレニアムやトリニティ、ゲヘナやアビドスの他にもD.U.で確認されたのは、実際に現地へバーサーカーとミノリさんを派遣した貴女達なら把握済みね』
シャーレの先生が不在、という今この現状そのものについての話になります。
連邦生徒会。キヴォトス全体を運営管理する行政機関です。シャーレと同様、D.U.に本拠地があるので昨晩の襲撃に関しては先生と連邦生徒会のどちらを狙ってか自体は私たちにも判断できません。そしてその襲撃を、ミノリさんが到着するまでの間も完璧に対処し切っていたというのですから流石です。
『その上でD.U.への襲撃を対処した連邦生徒会が今朝発表した声明は、大規模な暴動が発生したが未明には終息、直ちにD.U.やキヴォトス全体の運営への支障が出る恐れはない。また本件に関して他自治区との関連がある可能性は極めて低い、と言っている。同様にクロノススクールも一言一句同じ見解ね。先生が行方不明だなんて情報はどこにも流れていないわ』
クロノススクールはキヴォトスの報道機関系専門学校です。色々なニュースをテレビ、ラジオ、ネット、アプリ、雑誌等で発信していてキヴォトス全体でマスメディアと言えば、という立ち位置にあります。そんな彼女達も連邦生徒会と全く同じ見解を伝えているとなれば。
『間違いなく言えるのは情報に圧力をかけているということ。少なくとも私が知り得る限り、連邦生徒会は聖杯戦争を公的に把握し発表するつもりは現段階でも恐らくないわね。徹底的に情報統制してでも社会的な混乱を避けたい、というのが彼女達の意思よ』
- 3181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:14:12
マスターである私としてはありがたいところです。D.U.でも決して小さくない被害が出たと聞いています。それでもまだ、見て見ぬふりをしてくれる。どんな思惑があってなのかは分かりませんが、今はそれに感謝して恩恵に預かる他ありません。
『当然、先生が作戦中に行方不明になった件についても同様ね。無駄に知らせた所で不必要な混乱を招くなら少なくともすぐにどうこうという事はないわ』
先生の不在も含めて、D.U.は勿論キヴォトス全体でも大きな混乱は起きていない。もちろん連邦生徒会の方達の働きかけも、そしてきっとそうなるように事前に取り計らってくれていただろう頼れる《大人の姿》があってなのは間違いありません。でもそれだけじゃなくて。
『いつまでも、とはいかないがそれでも残る五日間。混乱は抑えてみせるさ。もっとも君達が考えなしに行軍でもしようものなら、その限りではないけどね』
『情報の漏出については問題ないわ。可能な限り……いいえ、私に出来得る《最大》を使ってもカバーしてみせる』
『まあアビドスは人少ないしねぇ……来てくれてた子達もどの子も良い子だったから、きっと大丈夫。混乱なんて起きないよ』
こうして実際に被害に遭ったというのにそれでも味方でい続けてくださる各自治区の代表者の方が。自治区にいて私達を助けてくれる人達がいるからこそ、大きな社会的混乱を現状は心配しないで済むんです。
「だから私達が考えるべきは今できる事、というわけさ。先生の行方は分からないけど……おや、来たみたいだね」
ウタハ先輩の声に私達が吊られて振り向くと、そこにいらっしゃったのは昨日振りに見る姿。
「どっかのおばかの所為でね。来て早々だけどとりあえずデータの解析を先に進めとくから、私は気にしないであんた達は好きに話をしてて」
さっきの今で早速来てくださったチヒロ先輩は、ウタハ先輩からUSBと端末機を受け取るとそのまま解析作業に没入されました。 - 3191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:34:04
【②聖杯戦争全般】
・戦う場所を人がいない場所に誘導するのにはどうすればいいか(>>292)
・考えたくないが万が一聖杯戦争による犠牲者が出たりマスターの誰かが一線を越えた場合どう対応するのか(>>292)
・二つの勝利条件を一番詳しく知ってそうなのは誰か(>292)
『解析についてはチヒロがいれば問題ないわ。話を続けていきましょう』
『なら個々の話は後回しにしちゃって、まずは大きいところから話してこっか?たとえば……さっきの話にも出てたみんなが気になる、数の弱点とかさ』
ホシノさんが口にしたのはミノリ先輩も言っていた問題です。私達は強くなって仲間も増えました。その分、出来ることは増えましたし、単純な戦力強化という面でも新しい敵勢力が出現した今はありがたい。
ですが数が増えた分だけ、強くなった分だけ増えてしまった弱点がある。たとえば他の陣営からは厄介な存在として見られようになるとか、仲間の数だけ身内やお友達の母数が増えますからそれだけ危険に晒される可能性が増えたとかです。そして、もう一つ。
「全戦力をぶつけるとなれば当然被害が大きくなる。だから戦える場所は……限られる、のかな……?」
ヒビキちゃんの言う通り、これが問題です。私達は大っぴらに戦うことは出来ません。強みの数を最大限活かすとなれば、そして今後数と数をぶつけ合う戦いをするなら、被害が出ない場所での戦闘や立ち回りが必要になります。
「で、でもそれって……あ、あぅぅ……」
ヘルタースケルター119機に私も合わせて前線で戦闘可能なのは10名以上。ここから30名以上の工務部部員さん達が明日には合流されますし、何より私達と一緒に戦ってくださるサーヴァントの方は所持する宝具が強力な分小回りが効きにくい。
全力で戦う必要がある場合、昨日の先生のように周囲に誰もいなくて建物とかの被害を考えなくて済む場所で戦いたいところです。そうなるとどこが良いのか、そう思って私達がそれぞれ思い当たる場所を言い合おうとした時に聞こえてきたのは、言い淀むユズちゃんからの疑問でした。
「そ、その……わたし達がその……能動的にソコを選ばなきゃですよね……だからあの……主導権のその……」
初対面のセイア様だったりアヤネさんもいたりの中、顔を赤くして恥ずかしがりながらでも何とか言葉にしようとしているユズちゃん。
- 3201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:35:17
「……それってどっちが先に殴ってきたか、とかの話?」
そんな彼女の後を引き受けるように聞こえてきたのは一人言のように小さな声。
助け舟は緊張したようにちょっとだけ唇を尖らせたコハルちゃんからでした。
「な、なによ!別にこういう事ぐらい正義実現委員会で勉強するんだから!……あ、合ってるよね?ユズぅ」
「う、うん!わたしが言いたかったの、それだよ……!ありがとう、コハルちゃん」
「ほら見なさい!合ってるじゃない!」
「あはは……はい!コハルちゃんはやっぱりすごいです!私はここらへん、ちっともですから。よかったらこのまま教えて下さい!」
意外でもなんでもなく、コハルちゃんは正義実現委員会の一員です。言われてみればこうやって部隊の運用だったり戦術だったりっていうのも馴染みがあるんでしょう。
「任せて!……じゃ、じゃあ話すけど、相手が昨日の夜みたいに市街地に部隊を展開されたら、もう誘導なんて無理よ。前にユウカ先輩が言ってたみたいなその……『少数、つまり聖杯陣営以外であれば避難と保安部の攻撃である程度は誘導できるわ』そう!それ!……です」
リオ会長の補足につい意気込んでしまって敬語を忘れてしまいましたが、構わないの一言でホッとしているコハルちゃん。礼儀正しいところが彼女の素敵な点ですね。
「とにかく!……昨日と同じでたくさんの敵が市街地に入り込んだら、もう人がいない場所に誘導なんて無理よ。昨日みたく避難勧告して被害を抑えれたなんてのはいっそ奇跡みたいな……それだけすごい話なの。だから被害を抑えたい、戦う場所に誘導できるようにしたいっていうなら、待ってるだけじゃダメ。私達が先に相手の居場所を特定して、作戦を組み立てて、それが出来てやっと戦う場所を選べるの」 - 3211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:56:54
昨晩と同じなんだとコハルちゃんは言います、事前予告もなくいきなり現れた敵に対してはどうしても後手に回ってしまうのだと。言われてなるほどと、私達は頷くばかりです。
「幼くも賢きコハルよ。君の意見に私も賛同しよう。迎え撃つとなれば強靭な砦や広い荒野が必要になる。だがそれは敵が攻め落とすべきこちらの城が一つの場合だ。大部隊を展開し、一斉に奇襲を仕掛けてくるとなれば、全ての戦場に対応できる数が必要」
『前の空が赤くなった時みたいに各自治区の全戦力を投入して防衛戦と敵の攻略戦を同時に進められるのなら話は別ですが、聖杯戦争を周知出来ない以上、守る側は後手にならざる得ません。そしてサーヴァントという通常の補給が不要な存在が相手となるなら、私達は敵の本拠地を一刻も早く特定して叩く事が求められます』
スパルタクスさん、アヤネさんのお二人もどうしても後手になりがちだという事から求められるのは守勢ではないと言われます。後手ではなく、先手で主導権を掴むことを意識するのがここからは大切になる、そんな直感が私もします。
『そうなった際、敵がどの自治区に拠点を置いているかで話は変わるが、こちらに関しては我々生徒会の仕事だろう。昨晩の先生達と同じさ。迅速な避難体制を構築し、避難を最小限に抑えてみせよう……ただし、これはあくまで我々が主導権を握っている戦いの場合だ』
「リオの話にあった聖杯陣営以外というのがこの話の肝だな。エリドゥにしろ教会の跡地にしろ数を並べて戦う事はできるし被害も目撃者も抑えられるだろう。マリー達についても目的がマスター狙いだというのならある程度主導権は握れる。だから被害面を考えると」
「問題は聖杯陣営との戦い、ですね」
他の陣営は戦力の多さという意味でアルさん達については懸念点がありますが、彼女達の拠点でとなれば話は別。結局のところ、ここでも問題になってくるのはまだちっとも情報がまとまっていなくて、相手の拠点も分からない聖杯陣営です。 - 3221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:02:21
「……昨日ような、散発的な遭遇戦になった場合……どうしてもわたし達は後手に回っちゃいます……」
「エネミーのランダムポップですね!」
「うん、合ってるよアリス。そうなった時、人気のない場所の近くとか時間帯で遭遇した場合なら誘導できる。ミレニアム内ならユウカが約束してくれたようにオペレートと避難誘導もしてもらえる。けどそれが難しい場合、たとえば街中で急に、それも昼間とかになると……」
「被害を拡大せんように宝具の使用やヘルタースケルターの部隊展開が著しく制限される。だが同時にヘルタースケルターの増産を止めれば、昨晩のような多方面に陣を敷かれた場合やライダー共の雑兵に遅れを取る。数を増やす事自体が必要不可欠だというのに、それが足を引っ張るとは……頭を悩ませてくれるものだ」
腕を組んで唸るキャスターさんに頷きながらホシノさんも両手を上げつつ眉を下げられました。
『どっちにしても、早く敵を見つけて倒さない事にはどんどん被害が大きくなる。だけど見つけるたびに、戦うたびに全戦力を投入したら大変なことになっちゃう。だから見極めが大事だね』
『人がいない場所に誘導できる戦いが出来る状況は限られます。夜間で、避難する対象の数と移動距離が少ない地域でかつ相手の狙いが明確で誘導できる場合。そしてミレニアム、トリニティ、アビドスといった自治区運営サイドと協力体制を構築済みの自治区でのみです』
今アヤネさんが挙げてくれた自治区名はアビドスを除けば私達同盟陣営とマリーちゃん達ランサー陣営、トキさん達アーチャー陣営、そして黒服さん達アサシン陣営が拠点を置いている自治区です。逆に言えば、ゲヘナやD.U.といった他ので戦闘になった場合は基本的には今のままだとサポートは全く受けられませんから、被害の予測も立てられません。
「相手の動きが読めない以上、理想的な戦場で一切の被害を出さずにというのは私達が主導権を握れる戦いじゃないと不可能だ。もし市街地で戦うような状況や被害の拡大を防ぎたいとなると、そもそもそれが発生する可能性自体を減らすしかない。つまり」
「迅速な聖杯陣営の拠点把握と討伐しかない」
ミノリ先輩が話をまとめたところで次に手を挙げられたのはここまで静かに資料を確認されていた方。
「……話がひと段落したようですから。確認、良いでしょうか?」
古関ウイ先輩でした。 - 3231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:15:53
【Recommend BGM……〈Crucial Issue〉】
古関先輩は疲れたように眉間を細い指で揉んでから、重たそうに口を開かれました。
「……はぁ。トリニティ総合学園図書委員会委員長古関ウイが同学園生徒会ティーパーティと、ミレニアムサイエンススクール生徒会セミナー及びアビドス廃校対策委員会に解答を要求します」
溜め息一つ。そこから飛び出たのは想像よりずっと固い口調。何より次に飛び出してきたのは、考えてもみない、いいえ。
「自治区の運営サイドは、今回の聖杯戦争で被害が出た場合は……いえ、明確な死亡者やマスター側が一線を越えた場合はどうなさるつもりですか?」
きっとこの場にいる誰もが考えないようにしていた事について尋ねるものでした。
「っ!……うふふ。ウイさん?急にびっくりしちゃいますよ。別に今それは「今だからでしょ。甘やかさないで」……ウイ先輩……」
「ウイ……何も君が話さなくても……」
古関先輩とは思えないぐらい鋭い声が、ハナコちゃんのやんわりとした言葉をぴしゃりと跳ね除けてしまう。さっきまでとはまた違う緊張感が私達の中で走りました。喧嘩とかそういうのではなく。
「……私だって叶うならこんな事聞きたくない。この質問は貴女達マスターに対するある種の侮辱でもある。お前達の頑張りは信用出来ない、犠牲者が出るに違いない。そう言ってると捉える人がいてもおかしくない」
きちんと聞いておかなきゃいけない、大切な事なんだとひしひしと伝わってくるんです。 - 3241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:29:12
「だけど……それでも。聞いて、はっきりさせておかなきゃいけない。だってこれは、マスターである人間の……聖杯戦争に携わる人間の責務だから」
息を呑んでから深呼吸。
「解答をお願いします。百合園生徒会長、調月生徒会長、小鳥遊委員長。貴女方は聖杯戦争で甚大かつ取り返しのつかない被害が起こった場合、どういう対応を執る事が出来ますか?」
それからウイさんはいつも静かさに包まれてる瞳が嘘みたいに力強く、モニターの向こうにいる三人の長へ解答を要求されました。毅然とした態度に思わず呑まれてしまうんじゃないかと思っていたのは果たして数秒のことなのか、数分のことなのか。
暫く沈黙が続いてから目をつぶったまま、セイア様はゆっくりと口を開かれました。
『……君の想像通りだ、ウイ。最悪の事態が起きた場合、少なくともティーパーティは聖杯戦争で起きた痛ましい事件の全てを事故として処理する』
『……我々も残念ながら同じね。聖杯戦争への関与を公に出来ない以上、私達は泣き寝入りするしかない。説明という責任を果たす事すら自治区の存続を揺るがしかねない以上……私達は何も言えない。そうなった時はきっと……百合園生徒会長の言うように淡々と事故として処理するのでしょうね』
同じように、普段とはずっと違う苦い物を噛み締めてしまったような顔をしてリオ会長も仰います。お二人の様子とその内容に、私達は言葉を失ってしまいました。だってそうなんです。お二人が言った言葉の意味、そしてそれを言ってしまった彼女達の気持ちを考えるとあまりにも。
「ありがとうございます……では、アビドスはどうですか?」
そして古関先輩の視線は一点に、まだ解答をしていないホシノさんへと向きました。サーヴァントの方についてや伝承についてお話ししてくださる時の叡智溢れる姿とは違う、毅然とした態度の古関先輩。対するホシノさんは。
『あー……そうだなぁ。うちはどうしよっか?アヤネちゃん』
柔和な笑みとふにゃっとした返事でした。 - 3251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:40:37
『っちょ!……ふぅ、はぁ……ちょ、ほ、ホシノ先輩!?ま、真面目に考えて下さい!』
『うへー、やだなぁ。おじさん、ちゃんと考えてるってばぁ……まあ、うちはこの様子だし、とりあえずは保留かな?』
のらり、くらり。
必死なぐらい思わず、と言った様子で隣にいるホシノさんを問い詰めるアヤネさんに対して、笑みを崩さないままでいたホシノさん。
「では質問を変えます」
『おっ!おじさん、今の話題、ちょぉっと苦手だからありがたいかなぁ。いいよいいよ、おじさんが受け止めたげるから、どーんときなぁ』
「アビドス自治区内で聖杯戦争によって致命的な被害が起こった場合」
古関先輩の態度やセイア様達の苦々しげな姿と比べてしまうと、いっそのこと不真面目にも見えてしまう対応。
「───ご自身はどうされるつもりですか?」
それに古関先輩は、さらりと急所を刺しにいきました。自分でもどうしてそんな風に思ったのかは分かりません。
『……へぇ、顔に似合わずってやつ?あんまりシャーレで組んだ事なかったけど……ほんっと、聖園ちゃんといい正実ちゃんといい、トリニティってすごいねぇ』
けど、古関先輩が言った一言はあまりにも鮮やかな形で話題を避けようとしたホシノさんの笑顔に亀裂を入れたのは間違いありませんでした
『まあ、それこそだよ。その時になったら決める。ああ、けど。ここまで図書委員長ちゃんや会長ちゃん達に言わせて、私だけ明言しとかないのは流石に卑怯だから言っておくよ』
『もしもアヤネちゃんや対策委員会のみんなが、私の大切な物が……誰か一人でもそうなってしまったら。多分私はアビドスの委員長を降りるよ』 - 3261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:50:08
アヤネさんの動揺の声は今度は途中で遮られてしまいました。
『なっ!?ホシノ先輩っ!またそ『アヤネちゃん』……っ!』
他ならぬ、ホシノさんの温度なんてない静かな声。
『聖杯戦争は殺し合いだよね?キヴォトスって社会の枠組みの中では絶対に受け入れられない、受け入れちゃいけない。これは不文律で、だけど間違いなく存在するルールだよ。そしてマスターにはヒフミちゃん達も……私や私の後輩達の友達がいる。私達を助けてくれたあの子達の中にも、きっと友達な子がいる。だからどんな事があって自治区として聖杯戦争の事実は公表できない、したくない』
セイア様もリオ会長も小さく頷いていました。神秘の秘匿なんてルールがないキヴォトス。だというのにこの地でも聖杯戦争は絶対に公にしてはいけない、したくない物でした。
『ヒフミちゃんが殺し合いに参加してる事実も、私達が聖杯戦争に携わった事で殺し合いに関与していた事実も公には出来ない。それは多分、先生にも出来なかった。出来なかったからこそ、生徒会と関わりの薄い子を集めて特殊部隊を作ったり、私達生徒が自分達で助け合えるよう働きかけてくれた。それぐらい、この問題は根深くて取り扱いが難しい』
どうあっても自分の願いの為に誰かと殺し合いをする、異なる世界から呼び出した人を使って殺し合いをする。そんな陰惨な戦いを、私達は受け入れられないから。だから生徒会の皆さんもこっそりと協力してくださって、先生も大々的には決して動かなかった。
『だから最悪の事態が起きた時、私はアビドスという自治区の枠組みの外に出て、私という個人で聖杯戦争に対してケリをつけなきゃいけなくなる……無責任、なんだけどね。でもきっと、そういう責任の取り方をするよ』
そういう状況で、恐らくホシノさんのような立場の方が、彼女が考えている方法で責任を取るのならば。自治区も立場も捨てて身一つにならないといけないのだと、そうするのだとホシノさんはちょっとだけ寂しそうに言いました。
『そんなのはッ!……そんなの、また……っ!』
あんまりな話でした。噛み付くような勢いで、溢れるような怒りと哀しみと、そして僅かな納得すら滲ませて。アヤネさんは出てこない言葉の代わりに吐息だけを吐き出している。
『そう、だからこれはさ……そうならないようにしてほしいなぁって話』 - 3271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:10:14
ウィンクを一つして、座っておられる正面の机に持たれ掛かるホシノさん。そのすぐ後に通信が切られました。
「理解して。私達は、是が非でもこの戦争を終わらせなきゃいけない」
それを見て、今度は静かに古関先輩が喋り始められました。
「個々の生徒会の立場からではどうあがいても聖杯戦争にはこれ以上関われない。このキヴォトスを守れるのは事情を知っている私達しかいない。何故なら聖杯戦争は公的に存在しない。誰も聖杯戦争に対して社会的な責任を果たせないし背負えない」
それから古関先輩は私とモモイちゃんとミノリさんの三人の目を見られました。タンザナイトはハッとするほど力強くて、仄暗い夜の渚のように静かでした。
「私達が戦っているのはそういう物よ。ヒフミさん、ミノリさん、モモイさん。貴女達当事者以外は誰も皆、泣き寝入りするか、立場を捨てて私人として責任を果たす他なくなる」
覚悟しなさい。
言葉の裡が、私たちを見つめるその瞳が。そう言っているように、私には感じました。今までだって覚悟はしてるつもりでした。でも今改めて、私の背中に、私達の背中にはとてもたくさんの大切な責任と命を背負っているのだと確認する気分でした。
背中が痛むぐらい冷えるのは汗が伝うから、いつの間にか口の中まで渇いてしまって、呼吸するのも忘れてしまう。目には見えません。だけどそれぐらい重たい物が私の背中にあるのを感じるんです。
「……だから……これ以上の被害を食い止める為に少しでも早くこの戦争を終わらせる……ですね?う、ウイ先輩」
ウイさんと二人だけになったような錯覚すら覚えていた時間は、ふいに掛けられた控えめな声で終わりました。
「……はぁ、そう。それが当事者の……いえ、マスターの責務よ。戦って勝つ。そして終わらせる。そうしなきゃ、全部終わった時に誰も報われないし浮かばれないんです」
ユズちゃんの言葉に、鼻から可愛らしい息を吐き出してからウイさんは目線を逸らしてしまいました。重々しい空気も一緒に払拭されました。 - 3281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:29:47
【Recommend BGM……〈不屈の覚悟〉】
「ならさ、だったらさ!やるっきゃないね!……いつも通り、私達に今出来ることを全力で!」
けど、確かに感じた重さに私もモモイちゃんもミノリさんも頷き合います。
「私がよくウジウジ考えて……って言うのとはさ、全然違う。こうやってしっかり考えてくれるウイ先輩達がいてくれるから、私達のやるべき事はハッキリした。ありがとう、ウイ先輩!」
今こうやってたくさんの人達が一堂に介して会議をする機会だったからこそ、ミノリさんがこれから起きるかもしれない被害や私達の弱みを話されたように。古関先輩も、最悪の事態を見据えた上で、それを起こさない責任について今一度考えれる時間と答えをいっぺんにくれました。
ほんの少しでも余裕がある今だからこそ受け止められる、大事な責任です。今話してもらえて、リオ会長達から聞くことが出来て本当に良かったと、心から思いました。
「どういたしまして……嫌味の一つでも言ってくくれば良いものを。まあでも、その前向きさはこれからの戦いで必要でしょうから忘れずに。もしかして、なんていうくだらない空想は幾らでも私が考えます、それしか出来ませんから」
「その分、私達は前だけ見てられます。悲劇的な現実が待ってるかもしれない。だったら私たちはそれご起きないようにその現実と戦うだけです!」
「暗い話はこれでお仕舞いだな。ここから先は勝ち方を考えていくとしよう」
にやりと笑うミノリさんに古関先輩は暑苦しそうに顔を顰めます。でもそれがまたちょっと不器用で、可愛いくて頼りになる先輩だと一層私達は感じたんです。 - 3291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:32:27
「私達がハッピーエンドを目指す以上、重要になってくるのはおそらくは三つです!残る四つ陣営との交渉、そして明確な脅威となっている聖杯陣営の撃破!そして勝利条件についての調査となります!特に最後の一つについては私も気になっています!強欲のアーチャー!彼の発言を振り返るに……恐らくこちらは聖杯戦争そのものを恒久的に終わらせる方法になるのではないでしょうか!」
コトリちゃんの言葉に続く形でセイバーさんも補足をしてくれます。強欲のアーチャーさん。シロコさんとホシノさんから聞いた、彼が最後の時に彼女達へと託してくれたメッセージ。
「片方が大聖杯の破壊となれば自ずともう片方の予備システムについても達成する事で大きな恩恵を僕達側が受けられる物だろうね。ただし通常の聖杯戦争の勝利条件じゃない点は注意が必要だ。この件について詳しいというのは……少なくとも僕の知る限りでは一人しか思いつかないな」
今回の聖杯戦争における二つの勝利条件。少なくともこれまでどの陣営からも聞かなかったその言葉。けれど私達の頭の中には一人の姿が思い浮かんでいたんです。
【③アサシン陣営について】
・黒服と黒服が所属してるゲマトリアについて改めてみんなで考えてみる(>>296)
・黒服はなんで古聖堂を拠点にしてるのか(>>296)
・ゲマトリアメンバーを見かけたら報告してもらうとか?(>>296)
・黒服が過去に関わっていた企業などが黒服に援助してる可能性はあるか(>>292)
・黒服はどうやって隠蔽する気なのか(>>296)
・セイアにゲマトリア構成メンバーの事を聞く(>>296)
・第三者がマスター権を奪い取って参加する可能性(>>292)
・黒服が言っていた禁止事項である学園都市キヴォトスに対して大きな禍根を残す行為のうち私的な運用って具体的に何を指すのか(>>296)
・各陣営とどんな感じで交渉すべきか(>>296)
・監督役でもある黒服、アサシン陣営との交渉というか取引をどうするか(>>293)
・予備システムと起動の是非についての見解を聞く(>293)
・アサシンの即死宝具に対する対策(>>292)
- 3301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:35:26
- 331二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:42:14
おつかれさまです
- 332二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:43:55
おつかれです
いやー流石に量が多いから大変そうだー
無理せずに確実にやっていきましょう - 333二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:54:36
???「一歩一歩、着実に前進していきましょう」
- 3341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 23:03:36
- 335二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:12:10
- 336二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:35:03
ゲマトリアが監督に関与してる可能性は高いはずだから
ゲマトリアという組織について話す必要はあるだろうし
この話し合いは結構重要だろうな
ゴルゴンダとフランシスが入れ替わったタイミング的にフランシスの情報についてはこの場のメンバーはほとんど知らないだろうけどそれ以外のメンバーについてはある程度知ってる人がいるわけだし
何かしら分かることがあればいいが - 337二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 08:39:55
保守です
- 3381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 12:37:30
お昼じゃんね☆今日は帰りが21時前後だからとりあえず21:30目掛けて投下してくじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
黒服については……かなり悩んでるじゃんね☆そこら辺は黒服関連の会議が終わってから補足、というか1は言い訳させてくだしゃい……じゃんね☆
想定外だった質問じゃんね?もちろんオッケーじゃんね☆書き終わったらお話しさせてくださいじゃんね☆
原作読み直して絶賛頭抱えてる最中じゃんね☆
残りのアーチャー、ランサー、ライダーとはあまりにも状況が違ってて、整合性の問題もあるからまぁじで書いても書いてもな感じじゃんね☆
視点の違いは本作の肝ではあるけどまさかこんなところでブーメランがぶっ刺さってくるとは思わなかったじゃんね☆1は己の浅はかさを恨むじゃんね☆
……なんとか上手いことまとめたいとこじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
- 339二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 13:15:36
黒服が拠点にしている場所が通功の古聖堂っていうのがな
あそことカタコンベは繋がってるしアズサは古聖堂の地下でヒエロニムス見てるから
セイアがどこまで知ってることを話すのか
全部話したらゲマトリアへの警戒度は一気に上がりそうではある
アリウスを支配していた人物もアリウスにミメシスを提供していた人物もゲマトリアの構成メンバーってことが分かるわけだし - 340二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 19:21:38
会議に参加してるメンバーでゴルゴンダとフランシスが入れ替わったこと、ベアトリーチェが追放されたことを知る人はいない状況だから
前者はともかく後者を把握していない状況だとベアトリーチェが怪しく見えてもおかしくない状況ではある
古聖堂にてトリニティとゲヘナを襲撃しているアリウスのトップだった人物であり
ロイヤルブラッドであるアツコを犠牲にして儀式を行おうとした人物で
その儀式ではキヴォトスにいない何かを呼ぼうとしていた
聖杯戦争も儀式だしキヴォトスにいないはずの存在であるサーヴァントを呼んでいるわけだから
関連性があるし
まあ黒服に聞けばもう追放してるって話はしてくれそうだが - 3411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 20:41:53
- 3421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 21:33:18
【③-1.アサシン陣営について】
・黒服と黒服が所属してるゲマトリアについて改めてみんなで考えてみる(>>296)
・黒服はなんで古聖堂を拠点にしてるのか(>>296)
・ゲマトリアメンバーを見かけたら報告してもらうとか?(>>296)
・黒服が過去に関わっていた企業などが黒服に援助してる可能性はあるか()
・黒服はどうやって隠蔽する気なのか(>>296)
・セイアにゲマトリア構成メンバーの事を聞く(>>296)
・第三者がマスター権を奪い取って参加する可能性(>>296)
【Recommend BGM……〈Let me think about it〉】
二つの勝利条件。アビドスに侵攻してきたシャドウサーヴァントの軍団を指揮して、恐らく霊基が汚染、というのを受けていながらホシノさん達に大切なメッセージを残してくれた強欲のアーチャーさん。彼が最後に残してくれたのがサーヴァント七騎を倒すことで現れる大聖杯の破壊、もしくは予備システムという物を起動する。そのどちらかが私達の勝利条件だという物。そしてそれをよく知っているだろう人物に、私達は一人だけ心当たりがありました。
「監督役……黒服さんですね」
キヴォトスで始まった聖杯戦争の監督役。本名は存じ上げませんけど、黒服と呼ばれるアサシンさんのマスターである大人。恐らく私達が知る中で唯一勝利条件について知っていると思われる人です。
「普通に考えればああいう如何にも怪しそーな人が黒幕、なんだろうけど……なんていうか、今一つ決定打に欠けるよね」
モモイちゃんが頭を掻いていますけど、私も同じ気持ちです。黒服さんは怪しいです。見た目も言動も真っ黒です。でも、彼は私に対して誤魔化したり言わなかったりする事はあっても、嘘は吐いたことがありませんでした。
「実際、ケーキ奢ってもらったりアルさんとの戦いでも間一髪のところを助けてもらっちゃってますからね……個人的にはあんまり疑いたくない、って気持ちがあります」
「うん。あそこの店で食べたケーキは美味しかった。奴は話も真剣にしてくれた……けど」
聖杯戦争開始から五日目にトリニティのカフェで会った時も。七日目の夜にモモイちゃんやアリスちゃん、アズサちゃんが倒れてヘルタースケルターさん達もやられちゃった中、アルさん達と正面衝突しそうになった時も。
- 3431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 21:45:10
そして二日目の時だって。彼は直接私を殺す機会が何度もあったのに、素振りすら見せず必要な事を教えてくれました。
けれど、同時にもう一つ。
「私はヒフミほどはだな。現状、陣営として敵対はしていないだけで味方でもない。何より……アサシンはヒフミを一度殺そうとしている」
「アズサちゃん……」
俯いて唇を噛む彼女の言う通り、黒服さんと契約したアサシンさんに、私は殺されかけてそれを庇ってくれたアズサちゃんも大怪我をさせられました。今思い出しても、苦くて、つらい思い出です。
「僕がヒフミに召喚されたあの日の事だね。ここまでの話の中でもあったように聖杯戦争は秘匿される物だ。僕らがいた世界では魔術師社会の秩序に則って、そして此処キヴォトスでは聖杯戦争その物が社会に対する巨大な異物であるからだろう。目撃者への対応は各マスターや監督役に委ねられるけど……」
「口封じ、というのはまあ考えられる話というやつか。これだから監督役なんて役職にふんぞり返っている権力者というのは……」
理解はしたが納得は出来ないと怒ってくれるミノリさんに他のみなさんも頷いてくれています。実際のところ、その事についての整理は私だってついていません。聖杯戦争の目撃者を口封じする為に、手に掛ける。そういう残忍で私からすると軽挙にしか見えない手段を取れる、というのは納得なんて出来ません。何より、アズサちゃんは治りこそすれど大怪我を負いました。それが私の中でしこりになっています。
「ある意味で我らの知る聖杯戦争に最も行動が近しいのがあの男だ。聖杯戦争や魔術の秘匿、被害の隠蔽、果ては各陣営の状況を把握し必要とあらば調停。そして目撃者に対する口封じ。いずれも我らにしてみれば実に聞き慣れた立ち振る舞いだ……今回が初、いやそもそも土壌として聖杯戦争という概念すらなかった土地である……というのにな」
「職務に全う、というわけか?気に入らないな、本当に……ただ、確かに奴は仕事に対してはきっちりしていた。直接の関わりが薄いからあれだが、口封じなんて碌でもない仕事以外にまマスターへの説明、なんてのもしていたな。ヒフミ達だけでなく、たとえば私なんかには契約継承の事もあの男から説明を受けている」 - 3441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:12:05
キャスターさんの説明にミノリさんが頭から湯気が出ちゃうぐらい怒っている中、彼女がふと思い出したように口にしたのは黒服さんの仕事ぶりについて。中身は違いますけど、やはり私と同じようにしっかり色んなことを教えていて、マスターになってしまった生徒へのアフターフォローをしているんです。なんというか律儀だなぁ、だなんて間の抜けた感想が頭を掠めたところでセイア様が疑問の声をあげられました。
『すまない、そのブローバックファンタズム、だっただろうか?それについての説明をお願い出来るかい?』
しまった、とはしたないですけど思ってしまいました。セイア様は今朝の会議からの参加して下さっています。一応ある程度の話、たとえば聖杯戦争のあらましでしたり、マスターの事でしたりはナギサ様やユウカちゃん達ミレニアムの方を通して聞いているというのは伺っています。けど直近、昨晩あった会議で出た契約継承と呼ばれる特殊なスキルについてはお伝えできていませんでした。
「簡単に言えば、契約しているサーヴァントのスキルを一部共有出来るんだ。私であればスパルタクスの……まあそのなんだ、あるスキ「被虐の誉れである!」ええい!うるさい!言うなっ!隠そうとしてただろうがっ!私の性癖がお前と一緒だと勘違いされるだろうがっ!」
「おお、これもまた愛……」
「バーサーカー。年頃の少女との会話はっていうのは難しいね……」
なんでかセイバーさんとバーサーカーさんの二人して黄昏れますけど、無視しましょう。キャスターさんも呆れてため息を吐いておられますし。
「……ブローバックファンタズム、逆流性感応現象はざっくりと言ってしまえば霊基と私達の肉体が契約を通して相互に干渉した結果、偶発的に発生した特殊事例らしい。召喚されたサーヴァントのスキルのうち、相性さえ合えばマスター側もスキルの恩恵が適用される」
ちょっぴり顔を赤くしつつ咳払いをされたミノリさんのお話は昨晩も聞いたものです。私の場合は『直感』というスキルで、自覚はありませんでしたが私を助けてきてくれた物です。
『ふむ、偶発的……だとすると件の現象は、どうやらキヴォトス特有の現象、或いはシステムのようだね。そして黒服と呼ばれる大人は君にはその説明をしていたが、阿慈谷ヒフミさんと才羽モモイさんへは説明しなかった。そういう認識で捉えるが構わないかい?』 - 3451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:26:41
ここでセイア様が切り込むのは説明が私達にされたか否かについて。監督役の務めだからと度々口にしていた黒服さんですが、確かに私には説明がありませんでしたし、彼とモモイちゃんが初めて会った四日目のカフェでもそういった会話はありませんでした。ただそれについては何となく予想できます。
『(聞かれなかったから答えなかった、当たりだろうね)』
『(あはは……まあ、そうでしょうね。自分の身体とかに反映するスキルですから説明が欲しいですけど……)』
『(逆に言えば、自身の身体に起こる事ならいずれは何かしら違和感を覚えて聞きに来るだろうってとこか。本当になんというか……)』
底意地が悪い、というのともまた違うなんとも微妙な塩梅のやり口です。この分だと私がタイムリミットについて知るのもトキさんから教えてもらわなかったら、多分拒絶反応を発症してから悠々と教えにきた感じですかね。
そんなありそうだった想像をしているとミノリさんのやたら低い小声が聞こえてきました。
「……不本意ながら私は聞いたからな、直接」
不本意を強調しつつ、直接聞いたと言うミノリさんはいつもと違って覇気もないですし、何より珍しく下を向いておられました。
「召喚された直後から心当たりがあったのかい?君に適用されたスキルは肉体の回復が主たる物だったから……たとえば怪我が突然治ったような」
モニターの向こうにいるセイア様も様子が気になるのか、心配そうに声を顰めておられます。みなさんも、何故か手を口に当ててにこやかにしているハナコちゃんとにやにやしてるウタハ先輩以外、普段と全然様子の違うミノリさんに心配しておられます。もちろん、私も思わず彼女に声をかけようと思いましたけど。
「……不本意だ。不本意なんだが」
そこで声と一緒に伸ばした手は止まりました。
「……この筋肉ダルマと契約することで発生する肉体的な変化はあるのか、と尋ねたんだ……」
だって顔を上げたミノリの頬と耳は真っ赤にお化粧されていましたから。 - 3461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:33:05
「……同居をするとルームメイトと性格が似てくるとかあるだろ?たたでさえ魔術とかいうファンタジーな契約なんだ。正直こいつにつられて無駄に筋肉がついたりするっていう嫌な想像が頭を過ったんだよぉ……」
きょとんとしているセイバーさんと朗らかに笑って何のことかさっぱり理解してなさそうなスパルタクスさんは放っておくとして。私達が涙目でぷるぷる肩を震わせておられる頬を赤くしたミノリさんへ思う事は一つでした。
「思った以上に切実な問題だったね……」「切実ですね……」「それはちょっと私も嫌だな……」「私も少しそれには抵抗が……」「ごめんなさい、ミノリ先輩……それは聞いても仕方ないです……」「細身ならまだ、いいんだけどね……」「今ある服着れなくなるのはほんといや……」「コスプレ関係は切実ですよね、そうじゃなくてもお気に入りの私服とかも……」「わ、わたしも……」「そうですよね、ミノリさん……」「気持ち、すごい分かるから。貴女も一人で大変だったのね」『おじさんもちょっとそれは……いや、だいぶやだなぁ……ところでみんな、今なんの『何勝手に通信開き直してるんですか!?まだお説教!すんっ!終わってないんですよホシノ先輩っ!あ!シロコ先輩!ノノミ先輩!セリカちゃんにそれからハイランダーのお二人まで!ちょっとこっち来て聞いて下さいっ!』う、うへ〜』「くくっ、いやぁ改めて聞いてもだね、ミノリ。確かにその心配の種は……言葉にするのも恐ろしい話だよ……くくっ」
「みんな……あとウタハ、拠点裏」
訂正。どうやら昨晩あたりにでも話を聞いておられたのかウタハ先輩は笑っていました。
「筋肉がつくのは悪いことじゃないぞ?身体は資本だ」
「はい!グラップラーにジョブチェンジが出来るチャンスです!」
『確かに不必要な筋量が増えるというのはコスト面を考えるとパフォーマンスに劣るわ。けれど総合的に見た時に労働力や健康の向上に繋がり、更に本来必要な運動をせずとも一定以上の筋量をノーリスクで得られるという利点があるのも無視できないのは事実ね』
「お前達……」
再度訂正です。アリスちゃんはまだしも、アズサちゃんとリオ会長にはまたちょっと後でお話がいりますね。ついでにショッピングにでも連れ出してスタイルと可愛いお洋服の相互関係を説明しなきゃです。 - 3471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:45:50
『君が懸念した理由はよく分かったよ、ミノリ。そしてそこの三人に淑女としての教育が必要な事もね』
セイア様も嫌な事を思い出させて悪かったね、と謝罪をされてこの話はおしまいです。ちなみに契約継承以外ではサーヴァントの方との契約によって起こる肉体の変化、というのは基本的にはないというのも、初対面の時に聞いたそうです。
「でもやっぱり……黒服さん、色んなことを知ってるんですね……」
「彼の話では聖杯戦争の仕組み自体には関与していないそうだけど、やはり監督役だからでは説明が付かないね。そもそも第一のマスターという話だし。……それに聖堂教会もないこのキヴォトスで、彼が一体誰から言われて何のためにその役職に就いたのか、それすらまだ分からないからね。全てにおいて推測が難しいと言わざる得ないな」
改めて話をしていても、まるで全てを網羅しているような感じだと思ってしまう黒服さんの言動。セイバーさんも顎に手を当てて訝しんでしまうぐらいにはやはり怪しいと感じているようです。ただ気になる言葉が一つ。
「セイドウ教会、ですか?」
『魔術協会』というのがセイバーさん達が元いた世界にはあって魔術師と呼ばれる方達が所属している、というのは以前伺いました。けど今セイバーさんの話の中にあったセイドウ教会というのは初耳でした。
「魔術の世界には神秘の秘匿という規則がある。当然、取り締まる組織も幾つかある……という話は前にしたな?聖堂教会もその一つだ」
「通常、という区分が正しいか分からないけど、少なくとも僕が知る限り聖杯戦争の監督役には聖堂教会から派遣された人間が任に着くものだった筈だよ」
「許し難き圧制者の総本山!唾棄すべきは驕り高ぶっ「はいはい。分かったからそういうのは念話で私に伝えてくれ。話を遮って敵わん」……ぬぅん」
「あはは……御三方とも、ありがとうございます」
セイバーさん達な言うにはどうやら魔術協会とは別にある組織みたいです。こっちで言うとちょうどシスターフッドのような組織なんだとか。黒服さんがシスター服、はちょっとどころじゃないぐらい似合いませんね。
「教会……だったら黒服って人が通功の古聖堂を拠点にしてる事にも、もしかして意味がある……とか?」
そんな風にスーツ姿以外は想像できないと思っているところに飛び込んできたのは、ユズちゃん呟きでした。 - 3481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:02:45
「こ、こういうのって……RPGとかだとその……教会に隠されてるっていうか隠してるその……大切なアイテムとか……あ、ああるかも!……とか、なのかなって?そ、そその!意味がある!意味があるとしたらって意味で!」
慌てるユズちゃんでしたが、私達の中にあったのは納得です。私達にとって通功の古聖堂は大きな意味を持っています。とはいえ、あまりにもその印象が強くて拠点自体の意味というのを今日まで考えてこれませんでした。確かに言われてみれば、わざわざまだ壊れたままになっている古聖堂を拠点にしている意味は一体何なんでしょうか。
「教会はどく消しやふっかつの呪文をかけてくれるところです!アリス、ドラゴンテストとファイナルファンタジアで学びました!パラディンにジョブチェンジも出来ます!」
「聖杯戦争に関連した物が納められている、だから古聖堂を拠点している。筋は通る、な。そして私達が知る情報だと」
「聖杯、そして……」
黒服さんが拠点を置いた理由。それが古聖堂自体にあるとすると考えられるのは二つ。まだ見つかっていない大聖杯かその魔術の式というのが刻まれている場所その物。もしくは以前説明を受けた一時的に敗退したサーヴァントの方の魂を保管する小聖杯。
そしてハナコちゃんが、この場にセイア様がいるからこそ言い淀んでしまう。
『地下数十キロにも及ぶ巨大なカタコンベだね。話に聞く、ゲヘナが開発した例の地下坑道……そのオリジナルといういうべき物がアリウス自治区まで延びている』
ゲヘナとの戦争の引き金になり兼ねない、ゲヘナの旧カイゼリン・ブリッツ記念教会跡地から各自治区へと延びる秘密の地下通路。その元になったらしい迷宮のようになっているらしいカタコンベの存在です。
「もう、聞いていたんですね?セイアちゃん」
『さて?今ここにいる私は確かに百合園セイアだが、あくまでこの場も含めて聖杯戦争に関連する全ての内容は非公式だったとティーパーティは認識している……それで良いかな?』
カタコンベの存在自体、別にトリニティ側では大きく風聴しているような物ではありません。未だ調査中らしく、内部の構造も古い地図や私達が受け取った写しこそありますけど、まだまだ分からない部分が多いらしいです。 - 3491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:19:10
なにより、カタコンベと関わりが一応あるゲヘナの地下通路。元々他自治区への侵攻用という話で、かなり政治的にもデリケートな物です。それをセイア様は澄まされたお顔で静かに微笑んで流して下さいました。その様子を見る限り、きっと私達が全部を終わらせた時には、丁寧に、そして秘密裏にこの問題を処理して下さるのだと確信を持てます。
「……ありがとうございます。では、話を戻しますけれどエデン条約の一件以降、通功の古聖堂の地下にはカタコンベが存在するのが確認されました。昨日サクラコさんが私達に渡してくれた地図がそれです……さて、みなさん」
セイア様の言葉を聞いてから一度目を伏せたハナコちゃんがもう一度前を向いた時、その瞳の色に私は驚いてしまいました。いつだって優しい彼女の瞳が、この時はすごく痛々しさと強い覚悟を秘めた色に染まっていたからです。
「私達はカタコンベを利用していると思われる陣営に黒服さんとは別で心当たりがありますよね?」
カタコンベを利用しているかもしれない陣営。私達が調べた限り、それは一つしかありません。
「……ちょっと待って。じゃあなんなの?マリーがその……黒服って人と協力してるってこと?」
ランサー陣営。私達のお友達である伊落マリーちゃんがマスターで、ランサーさんの受肉を叶える為に戦っている彼女だけです。
「もしもカタコンベの存在の有無で通功の古聖堂を選んだというのなら、になりますが。ただ大聖杯という物が地下に隠されている可能性もありますし……それにコハルちゃんの考えに対する一応の否定材料を私は用意してあります」
驚いて、けどすぐに首を振ってから静かに尋ねたコハルちゃんへ、ハナコちゃんは唇を一文字にしつつ言葉を選ぶようにして答えていました。
「ただ根拠としてはとても弱い。少々、乱暴ですし希望的観測なんです……だから監督役がアサシン陣営として、聖杯戦争で何らかの目的を達成する為に他陣営と繋がっている可能性を私は否定しきれません」
「希望的観測で乱暴か。随分と気弱だな、ハナコ。思うに君は伊落マリーさんと黒服は繋がっていないと考えたいようだが、私は逆だぞ」
釈然としない、そう言いたげながらも何かを確認するように聞くミノリさんへハナコちゃんは頷きました。 - 3501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:31:12
ぐるっとこの場にいる私達を見てから話し始めてくれました。内容は監督役のお仕事について。
─── 聖杯戦争の監督役とはつまりその戦いが規範に沿って正常に運営されているかを監視する事です。
─── したがって、我々が規範として掲げているのは一つ、聖杯戦争の被害を最低限に留めること。
─── その役割は少なくとも今次に限っては被害状況や戦闘の実態を調査、補填し、極端に大規模な被害の発生を抑制する。
───何より、聖杯戦争というとびきりの異物がどういう形で推移し幕を閉じるのかを全て記録する。
かつてそう教えてくださった彼の役割の中で、ハナコちゃんが注目したのは事態の補填について。
「では……セイアちゃん、リオさん、それからもうそろそろお説教が終わってこの会話をこっそり聞いておられるでしょうホシノさん。自治区内で黒服さんの活動は確認できましたか?」
私達が頷いたのを確認してから次に尋ねるのは各学園の運営に携わるお二人と、さっきまでアヤネさんに叱られていて通信を閉じておられたホシノさんへ。
『ふむ、分かっているだろうから簡潔かつ次の質問についても答えようか。それは特定出来ないよ』
『残念だけど、うちも同じね。黒服と呼ばれる人物と彼の組織の活動について、私は聖杯戦争期間中の行動を自治区内で確認したのはあの一夜限りよ。それにチヒロにしても私にしても……いえ、ミレニアムに限定して《アレ》を使えば可能だろうけど……やはり貴女が聞きたいことについて調べるのは困難ね』
『うへ〜、みんなただいまぁ。やぁっと、うちのママからのお説教終わっ『ホシノ先輩……?』……おじさんが知る限りではあいつが自治区で何かしてるっていうのは知らないかな』
返事はみなさんいずれも、いいえ。自治区内で黒服さんが確認できた事は、七日目の夜に私達と会った時だけのようです。それを考えると。
『(君の考えている通り、四日目のカフェで遭遇した時のことはカメラ類だったりの監視網には引っ掛からなかったのだろうね)』
『(あはは……謎の多い方ですね……)』
『(さもありなんだよ。黒服にせよ、彼が契約してるアサシンにせよだ。神代の魔術を修めてるとなれば大抵の監視だっていとも容易くすり抜けられる)』
『(魔術って本当に便利ですね……)』
『(一応、色々と小難しい部分はあるんだけどね)』 - 3511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:52:29
つくづく魔術という物と、アサシンさんを擁する黒服さんの規格外さに頭を悩ませてしまったところで、話はセイア様の仰られた次の質問に移ります。
「ありがとうございます。ではもう一つ……そうですね。今回の襲撃、それからミレニアムで起きたモノレールステーション半壊の被害について。これらの被害へ金銭的な支援というのが届く予定はありますか?」
『(あ、ヒフミ。君がやらかした話が出てるよ)』
『(あはは……いやだなぁ、セイバーさんがドリフトして壊したんじゃないですか!)』
『(ははは……もう忘れたのかい?僕は───君のサーヴァントだよ)』
そんな念話越しに爽やかな感じで言ってもなにも感じませんよ、私は。あと会議の邪魔にならないように念話してるんですからサムズアップとキメ顔もやめて下さいね、セイバーさん。
『合理的だからまとめて私がまとめて説明するわ、ハナコさん。貴女の考えているように、連邦生徒会を含めた複数の団体から支援金や補助金の打診が届いたりしている。だから特定が出来ないのよ』
リオ会長がまとめられた話について、ホシノさんもセイア様も異議なしという様子です。それを見るに、どうやら色んなところから支援金や基金による寄付なんかはあるのだとホッとしたところで疑問も浮かびます。特定が出来ないとは一体何のことか。
「……もしかしてだけど、ハナコちゃん。お金の流れが見えないから黒服さんが実際にどうやって補填してるか特定出来ない。もっと言ったら、そうやって流れを掴ませないみたいに……そもそも黒服さんについて調べたり特定するのが難しいとかって話なの?」
それを考える前にミドリちゃんが答えを言ってくれました。
「はい、私はそう考えています。考えて頂きたいのは聖杯戦争で発生する被害の規模です。彼がしていると考えられるのは金銭面での支援。起きた被害をなかった状態する原状回復こそが彼の言う聖杯戦争の補填になるのでしょう。ではそれがどのようにか、と言えば先ほど三人に聞いた支援金等による援助で、となります。そして、支援は複数の団体から届けられる」
ミドリちゃんの言葉に頷いたのハナコちゃんはいつの間にか取り出したペンで、これまたいつの間にか持ってこられたホワイトボードに矢印を書き始めました。 - 3521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:07:51
「黒服さん個人の資金を流しているのかそれとも、支援をする流れ自体を作っているのかまでは分かりません。ですが各学園の生徒会でも追えないとなれば……どうやら彼は表社会にもある程度融通が効くみたいですね。少なくともこの手の資金流しは一個人でやるにはあまりにも回りくどいですし、限界があるやり方です」
自治区に向かう矢印の始まりに描かれたのは黒服さんの顔とお金。ですがその矢印が自治区に向かうまでの間を、ハナコちゃんはわざと消してしまいます。つまり、どうやって、どんな経路で支援金が届いているのか分からないという図。
「でも……名義は個人じゃない。しかもどの団体に関わっているのかも分からない。そして百合園生徒会長さんが特定できないって言うなら団体や基金とかも色んなところ、それも有名な企業とか団体とかからも届いてる……ってとこかな?」
「はい♡というわけで黒服さんは各自治区への直接的な干渉ではなくキヴォトスという社会を維持、回復させる形での補填という手段をしている可能性が浮上しましたね♡……ではダメ押しに」
消された矢印の中間には幾つものビル、つまり会社が描かれていきます。それを何度も経由したかと思えば別の場所に飛んだりと、とにかくスタート地点にいる黒服さんから複雑にお金が渡っていくのが描き込まれていきます。
「先ほどの話の中にもあった通り、聖杯戦争での被害というのはあのナギサ様も頭を抱える程度には頻発したり、或いは大きい物であったりします。それについて私は、一個人の資金で賄うというのには限度があると思うんです」
『そうね。ユウカのような資産運用が出来るレベルでないと個人では限りなく難しいと思うわ』
「……すみません、その話はすごく気になりますけど取り敢えず割愛しますね?では改めて」
どうしてユウカちゃんはお一人の資産で聖杯戦争関連の被害を補填できちゃうのか。そして何故リオ会長はいくら仲の良い後輩とはいえユウカちゃんの資産運用の実態を把握しているのか。謎は深まりますが一先ず置いておきましょう。よく考えたら私も補習授業部のみなさんのお財布の中身とか知ってますし。 - 3531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:16:59
「この中で黒服さんが過去から今に至るまで公益法人や大きな企業……たとえばカイザー系列のような企業と付き合いがあったのをご存知の方はいらっしゃるでしょうか?カイザーからの侵攻を嘗て受け、黒服さんと古い付き合いのあるホシノさん?」
『もぉ……それ知ってて聞いてるよねぇ。というかウチの事までよく調べて』
「ヒフミちゃんが以前、対策委員会の皆さんとの思い出話をしてくださいましたから♡」
ほとんど決め撃ちの理由は以前したおしゃべりというわけで、つい私も照れちゃいます。とはいえ、補習授業部のみなさんにも聞いてほしかったんです。私とアビドスのみなさんが出会ってからこれまでの事を。
『(ヒフミ、ヒフミ。僕それ聞いてないよ?)』
『(あはは……まだセイバーさんが来る前でしたから。また今晩とかにゆっくりお話させてください!)』
『(違う、違う。君が昨日ホシノが来た時に言いかけたブラックマ……)』
はい、聞かなかったことにしましょう。
『うへー、ちゃんとおじさんのこと、かっこよく話してくれた?ヒフミちゃん……はぁ、合ってるよ。私が知る限りでは黒服とカイザーPMCは繋がりがあった』
まあ繋がりってだけで黒服自体はカイザーの人間じゃないけど、とホシノさんが続けたところでモモイちゃんが首を捻りました。
「あれ?カイザーってさ、ええっとなんだけど……あのほら!なんか名前出てた!」
「オクトパスエンジニアリング、それとオーベッドグラフィック。どちらもカイザーコーポレーションの系列企業でライダー陣営との関与がある」
「アズサ、ありがとっ!あれ……え、ちょっと待ってよ!じゃあ今度は……マリー達だけじゃなくてライダー達と黒服って人が繋がってるっていうか仲間かもしれないの!?」
『安直にはなるけれど三段論法で考えるのならそうでしょうね』
あわあわしだす可愛いモモイちゃんを見ているのでなんとか私達の方は落ち着いてますけど、飛び込んできた情報はあまりにも大きいです。マリーちゃんとアルさん。まだきちんとお話も出来てない二人が、もしかすると本来中立の筈の監督役も含めて三陣営で協力関係にあるかもしれない。 - 3541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:25:31
被害が拡大しちゃうって点から数の多さは弱点とはいえ、反面その分戦力層も数も多いのは間違いなく私達同盟陣営の強みです。だというのに、もしアルさん達が協力関係にあった場合、私達の聖杯戦争における優位性と唯一性が一気に瓦解しちゃいます。
「ええ、ですからミノリさんはその方が楽と仰ったんです。私達がこれから早急に解決しなくてはいけない問題、聖杯陣営を含めた五つの陣営への対応。そのうちランサー、ライダー、アサシンの三つの陣営が既に協力関係を築いているというのなら……戦略として考えなくてはいけない攻略目標が五つから三つまで減りますからね」
とはいえ考え方を変えれば、攻略しなきゃいけない相手がまとまってくれた、という風に見えます。だからミノリさんは逆が望ましいと仰い、ハナコちゃんもその方が楽だとまで言ってたんです。
「だが、ハナコ。君はそれを否定できる材料があると言っていたね?出来れば、教えてもらいたいかな。攻略目標が減るとは言ってもだ、ライダー、アサシン、ランサーが手を組んでいるとなれば少しなんてとてもじゃないが言えないほど厄介だからね」
「……単純に私達のような協力関係を結ぶ理由に乏しいんです。最終的な目標が一致している私達は手を取りあえますが、マリーちゃんにしても陸八魔アルさんにしてもそれぞれの願いを叶える事を第一優先にしています。第一、マリーちゃんは願い自体、陸八魔アルさんはこれまで確認できた苛烈なまでの攻勢から。少なくとも両陣営は相容れないと思います」
ウタハ先輩の質問にやはりちょっとだけ暗いお顔のハナコちゃんが答えます。ライダー陣営とランサー陣営は度々トリニティとゲヘナの境界線近くでぶつかっていた、とナギサ様方のお話で伺っています。そしてマリーちゃんとアルさん、お二人それぞれの戦った時の様子を思い返してみても、やっぱり手を組む姿というのがあまりピンときません。それぐらい、お二人とも願いを叶えるのに必死な様子でしたから。
「たとえば聖杯戦争が終わるまでの同盟関係ではなく、強力な敵を倒す為、もしくはお互いを牽制しあってスムーズに他の陣営の数を減らす為……というのであれば分かります。とはいえこれも難しい話です。後者に関しては既に私達三陣営が同盟を組んでこれ以上放っておいても数は減りません。強力な敵、という事ですがこれも変です」 - 3551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:33:57
「ライダー陣営は聖杯戦争初期からタトゥーシールの販売という手段で撹乱をしていた。つまりかなり早い段階でカイザーと繋がっている。そして黒服さんに至ってはカイザーと聖杯戦争以前から関わりがあった。ましてや監督役という立場もあれば、両者が接触したのも恐らくかなり早いものだろう……となるとだ」
「ええ、疑問が一つ浮かび上がります。何故黒服さんは七日目の夜にライダー陣営を牽制したのか?ですね、アズサちゃん」
そう、黒服さんはあの晩私達を助けてくれました。令呪を切って宝具も使う、そういう覚悟を抱くぐらいの状況にあった私達をです。もし仲間だとして、そして私達が邪魔なら、助けるメリットなんて私にはちっとも思いつきません。
「もし同盟を組んでいるとすると、あのタイミングでライダー陣営の凶行を止める理由が黒服さんにはないんです。同盟関係を隠す為にというのも考えられますが、そうなると今度は昨晩の動きに理由がつきません。先生ほどの戦力を相手に出し惜しみなんてしたら、下手をすればライダー陣営は敗北どころか説得されて丸ごと彼らの敵に回ります」
何より、昨晩のライダー陣営と先生が率いられた《聖杯戦争対策部》の衝突。もしも憤怒のライダーの横槍がなければ、結果はどうなっていたかはわかりません。けど、先生の生徒として、先生とこれまで過ごしてきた一個人として。彼が負けるなんて、きっとないんじゃないかと思うんです。そしてそれはアルさんやマリーちゃんだって知っている筈です。先生は事前にアポイントメントを取っていたようですし、来るのもアルさんは知っていたでしょう。だったら、備えないなんて私が同じ立場なら絶対にできません。
「そしてもう一つ。恐らくですが……いえ、黒服さんにもうひと『でもそれは仮定になる、そうでしょ?ハナコさん』……リオさん?」
ハナコちゃんが何かを言い掛けたところでリオ会長が珍しく話を遮りました。どこか固い言葉の後で、キャスターさんの労わるような言葉も続きます。 - 3561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:50:31
「論証としてはここまで聞けば十分だろう。あくまでも仮定であるが故に、ハナコは否定材料として弱いと言った。だが黒服にせや、彼奴が所属するゲマトリアについても、本当にライダーやランサー達と繋がりがあるかの決定的な証拠もまたない……証拠が見つかるまであくまでもその可能性がある、程度に考えるべきだな」
それに対してハナコちゃん。
「……なるほど。分かりました、私の話はこれでおしまいです♡」
静かに微笑んでからそう言ったんです。
「結論としてはあくまでそういう可能性が浮上した、という事で良いんだね?」
「うむ。奴と会う際、必要以上に敵視する事もないが全面的に味方や中立だと思うのもまた違う。我は警戒を怠る事なく会うのが肝要だと思う……如何か?陛下」
「……なら、結論も出たところで僕からも良いかな?ゲマトリアという組織についてだ」
キャスターの言葉を受けてセイバーさんは次の話題を口にされました。
「さっきも話したように、本来監督役は組織から任命される物だ。マスターのように聖杯に選ばれてとか自主的になるものじゃないのはここキヴォトスでも同じだと仮定したい。そうなると、やはり彼の所属組織が聖杯戦争やその成り立ちには大きく関わって来ている、と考えるのが筋だ」
ゲマトリア、というあまり聞き馴染みのないその単語が黒服さんが所属する組織の名前だそうです。あの晩に初めて聞いてから今まできちんと話し合えていませんでしたから、この機会に検討するのは大切ですね。ただ問題は。
「であれば!ゲマトリアなる者達について圧制に包まれた隠匿のベールを引き剥がす事はこの逆境を進む光明となるだろう!おお、これぞ愛!我らが行末は輝いている!……で、ゲマトリアについて君達はどの程度知っているんだね?」
「すみません……こういう時こそ説明してお役に立ちたいのですが、ほとんど分かりません……」
いつもの柔らかな笑顔に対してコトリさんがしょぼんとしてしまうように、私達はゲマトリアについて全く何も知りません。精々が名前と、それから。
───この聖杯戦争で用意されたルールと聖杯について、我々の組織、ゲマトリアの人間はそのシステム構築に一切関与していない。謂わば自然発生した『事故』の副産物。
七日目の夜に黒服さんから一度だけ聞いたお話の内容についてだけです。 - 357もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:11:44
となると、こういう時に頼りになるのは。
『そんな目で見られても私が知るゲマトリアはあくまで提出された報告書を受けての情報がほぼ全てよ。あとは貴方達から聞いた話程度』
と私達の目が古関先輩やリオ会長を代わる代わる見ますけど結果は芳しくありません。古関先輩はちょっとだけ悩んでから首を振っていましたし、リオ会長も殆ど知らないとの事です。
『ゲマトリアが確かな記録として私が知る所になったのは、先生。彼が接触した事を連邦生徒会に報告し、その報告書を私が閲覧したから』
『……あくまで、連中についてはその報告書に書かれてた内容以上の事は知らないってこと?』
『小鳥遊委員ちょ『長いからホシノで良いよぉ』……ホシノのように以前から知っていたわけではないし、その以前という足取りも追えていないわ』
リオ会長の珍しい溜め息混じりの言葉から、彼女がきっとこれまでにゲマトリアについて調べてくれていた事が窺えます。そしてその頑張りでも、ゲマトリアという組織の手掛かりが見つけられなかったという事も。
『私が知っているのはゲマトリアという集団があくまで研究者である、という話だけよ。キヴォトスに根付いた神秘について独自のアプローチで研究している組織。それぐらいよ。本当に何も分からないの』
「じゃあその、黒服さんとかゲマトリアって組織が今どんな風にしてるかを見かけたら報告してもらうとかっていうのは」
『これまで不可能だった事を今すぐには出来ないわ。被害への補填、という役割を果たすつもりがあるなら潤沢な資産や企業の後ろ盾はあるかもしれない。話に出たカイザーとの協力関係だって、聖杯戦争に関しては不確定とはいえ以前には確かに繋がっていた。けれど、それすら今の私たちには調べようがない。恐らく彼らは私達が思っているずっと入念にキヴォトスという社会に溶け込んでいるわ』
これまで先生の報告書に名前が載るまで、キヴォトスで全く知られていなかった謎の組織。彼らの動きを追うどころか、その足跡さえ見つけられないのが現実でした。
「相手の足取りが追えない以上、本人と話をして少しでも情報を引き出さないと調べるべき物も検討がつかないね」
せめて先生がいてくれたら直接お話が聞けたのにと思いつつも、今できる事、今考えるべき事をなんとか捻り出していきます。 - 358もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:13:52
「あとは……黒服さんの言うフランシス、という方が聖杯戦争について研究していたらしいですし……その方が怪しいでしょうか?」
「飛鳥馬トキに召喚についてレクチャーしたのもそいつという話だったな?それにアーチャー陣営は独自にマスターの令呪やマスター権を移動する技術を持っているという話だった……もしそれもフランシスとかいう奴を経由してなら」
聖杯についてフランシスという人の技術を元にしている場合、最悪の事態というのもあり得るでしょう。たとえばこの聖杯戦争に介入して令呪を奪ってマスターになり変わる、とか。とはいえ、それについては今すぐの警戒はいらないでしょう。なにせ、マスターになったら拒絶反応とタイムリミットという大き過ぎる問題を抱える事になります。なにより、まだどの陣営も健在どころか聖杯陣営まで出てきた状況。漁夫の利なんかとてもじゃないですけど狙えません。
ですが、聖杯について研究していて、監督役である黒服さんが何度も招集を呼び掛けている相手。良い機会ですし。
「いっそフランシスさんや黒服さ『少し良いだろうか?』セイア様……?」
しっかり話し合っておこうと思ったタイミングでのことでした。
『───君達に話しておくべき事がある』
静かに、その場の空気をセイア様が引き継がれたんです。
『私は、一度だけゲマトリアと呼ばれる彼らと接触した事があるんだ』 - 359あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:21:45
語り出されたその内容に思わず驚きを隠せなかったのは私だけじゃありません。セイア様と以前からお付き合いがあってお友達なのだと恥ずかしそう照れながら教えてくれたハナコちゃんも目を丸くしています。
『どうやって会ったかについては説明を省こう。余計な混乱を招く必要を私は感じない……強いて言うなら、エデン条約。あの一件の時、と言えば君らも私が言えない理由が分かるかな?……とにかく、その際に君たちのように丁重な関わりというのはなくてね、どうにも手荒く扱われて袖にされてしまったよ。それが彼らのやり方なのか、それとも……いや、あの彼女だけなのか。とにかく私にそれを確認する術はもうない』
セイア様がどうしてゲマトリアの方々と関わる事になったのか。気になりはしますが、エデン条約と仰られるのであれば、かなり慎重に、そして混みいっていて説明しにくい話なのは理解できました。だから私達補習授業部は静かに話を待ちますし、そんなトリニティ生の姿を見て察してくださったのか他の皆さんも黙って待ってくださります。ちなみに古関先輩は目を白黒させていました。
「なるほど!潜入ミッションでランダムエンカウントしたんですね!リオ会長達でも見つけられなかった相手を……まるでシーフです!』
『し、シーフかい……?これはまた随分と……』
「ちがっ!?あ、あの……ぃ、今のはゲーム!ゲームの職業なんです!」
「そうなんです!アリスちゃんはちょっとつい、大好きなゲームに喩える癖があって!」
「そのまんまじゃなくてね!良い意味!良い意味で泥棒みたいって!「バカ!全然フォローになってないでしょ!」良い意味って言った!良い意味って!」
『……すまぬ、セイアよ。今の言葉は間違いなく、お前への心からの敬称としてアリスは贈ったのだ。我が保証しよう』
『いや、良いさ。私もそういうのは嫌いじゃない。好きに呼んでくれたま「はい!ではシーフよ!アリス達に隠されたメッセージを明かしたまえ!」……あー、話を戻すが』
微笑まれたところにアリスちゃんが意気揚々と言うものですからちょっと出鼻を挫かれたセイア様でしたが、咳払いを一つ。そこから切り替えるように話始められました。
『一度の邂逅から、少なくとも私から見てゲマトリアという存在は好ましくない。はっきり言おう、恐怖心もある』 - 360あと……☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:22:55
- 361もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:38:58
『人が人に見せる側面は様々だ。状況や時間、立場や内面。そして相手によっても人が人に思う印象というのは多寡はあれど違いが生まれる。その人物が全ての人間にとって同じように認識されるなんていうのは不可能だ。だからこそ、君達自身が相手と話し合って黒服という人物像を見定める事が求められ、それこそが大切な筈だ』
セイア様の言われることは難しいです。でも、なんとなく分かりました。人と人とが付き合う中で、私達は簡単にすれ違ってしまったりします。大丈夫だと思ってもちゃんと話し合わないと、大失敗しちゃったりします。
『私達は悩むのも不安に思うのは健全な精神活動だ。そしてそれを話し合うのも必要だろう。事実、今回の会議で色々な可能性の泡沫が私達の前で明滅した。だが同時に、その議題の中心というべき本質をまだ欠いている』
そして今、ちょっとずつ話してた事も煮詰まって、色んな話もどんどん出てきた中でセイア様が声をあげてくださったのはきっとそういう事なんです。恐いと、そう仰っていた相手だっていうのに、でも私達が最初に言っていた『疑いたくない』と感じていたその気持ち。黒服さんと直接話をしたり、助けてもらったり、そういう経緯があって、彼と関わったから生まれた彼を見る私達の目。
『ゲマトリアについても黒服についても分からない、となるとだ。私は君たちがこれまでしてきたように、まずは話に行ってみるというのも一つの手だと思う。何せ我々は、語らい合う事でこそ理解し合えるのだから。もっともその時間は些か少ないようだがね』
そういう物がある、というのを忘れずにもう一度会って直接確かめておいで。そう、セイア様は仰られたんです。
「……つまり、直接会いに行って為人含めて判断材料を掻っ払って来いってことでいいでしょうか?一言多いセイアちゃん♡」
『おや。それ以外にどんな風に聞こえたか教えてもらえるかい?泣き虫のハナコ』
「……相変わらず元気にお喋りできるようで何よりです♡」 - 362二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 01:45:54
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- 363もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:47:59
『まぁ、おじさんも同じ意見かな?昨日言った通り、おじさんは黒服と確かに付き合いがあった。だから為人っていうのかな、言える事もあるけど基本的にはマイナスの感情で、そしてそれは私の主観。何より聖杯戦争の監督役って立場のあいつについてじゃない』
だから自分がどう思うかは言わないのだと、ホシノさんは仰られます。そう、ちょうど昨日も確かにホシノさんは言ってたんです。取引をするなら自分の先入観で邪魔したくない、だから最後の最後まで自分の出番はない、と。
『生徒会長ちゃんの言ってるのは大事な事だよ。自分の目で確かめる、見定める。何も黒服に限った話じゃない……どんな願いと想いを持って戦いに臨んでいるのか。ぶつからないと、言葉を交わさないと、行動を示さないと理解し合うスタートラインに立てないからね。あんな奴、相手であっても……ううん、言葉を巧みに使うアイツだからこそ、かな?』
「……自分達の目で、言葉で……」
『そっ。それにね?みんな。話すっていうはちゃんと大事な仲間ともだよー?分かってると思い込んで一人で突っ走るんじゃなくてしっかり言葉にして今みたいに話し合うのはすごく大切……だよね?アヤネちゃん』
『分かっておられるなら……どぉっして!さっきは!ああいう!ことを!』
『ちょ、ちょっと待ってよー!うへー、うちのママ、ちょっと厳し過ぎるかもぉ』
『誰がママですかっ!?』
とまた、通信が切れてしまう最後にウィンクがホシノさんから贈られたところでハナコちゃんは軽く手を叩きました。そろそろ、次に進むじかんです。 - 364あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:49:56
「さて♡意地悪なセイアちゃんはゲマトリアについて考えるなんて時間の無駄なんてことを一生懸命考えていた私達に言っていますけど♡」
『そこまでは言ってないさ。ただあまりにハナコが必死に喋るものだから紅茶が冷めてしまった、という話だよ』
「……ですが、一つ。そうであっても確認しなくてはいけない事があります♡」
今日はみなさんの珍しい表情が見えるなぁと、青筋を立ててるハナコちゃんの姿をコハルちゃんやアズサちゃん達と並んで見ているとさっきまでの柔らかな空気がさっと引きました。
「セイアちゃん───貴女が会った、そして確認したゲマトリアの構成メンバーは何人でしたか?」
鋭く、はっきりと。ハナコちゃんは狙いを定めるようにその言葉を口にしました。 - 365あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:59:28
『っ!……ああ、これは一本取られたな。確かに思い込みはいけなかった。認めよう、こればかりは私と君達とで間違いなく差異があったね』
目を見開いたセイア様は、すぐに薄く笑ってから完敗だと口にされます。その意味は私達にはさっぱり分かりませんが、あまり気になりません。
「ゲマトリアについて考えるのは確かに現状不明瞭な事が多く、そして黒服さんと話が出来た機会は少ない、で・す・が♡」
なぜってそれはもうハナコちゃんがご機嫌ですから。
「彼との会話を思い返してみて下さい。私達は既に監督役が一人でない事を知っています」
「……ん?……あっ!そういえばずっと我々って……!」
「そう、彼は監督役について説明する際に我々と称していました。フランシス、という方は行方不明のようですがそれ以外のメンバーは監督役を請け負っているのかもしれません。そして彼らは確かに資金力はあるのもカイザーとの繋がりがあるのも確か、ですが♡」
思い出すのはいつかの会話。カフェで説明する時も、夜の廃墟であった時も。監督役について話す時、彼は決まって《我々》と言っていました。そして彼自身が教えてくれた事。
「彼らは聖杯戦争という異常事態を明確なキヴォトスの脅威として認識している。それは間違いない筈です。つまり、彼らが本当に監督役として……聖杯を使ってキヴォトスに害を為す存在を認識しているのならば」
───我々は、聖杯戦争の参加目的が『キヴォトスの破壊』とするマスターについて聖杯戦争を監督する上での明確な『敵』と定義しています。
「そこから黒服さんが要求したい物も逆算できます♡」
そうであるとすれば。監督役の仕事として私達と取引をしてでも引き出したい物があるとすれば。
「教えて下さい、セイアちゃん……貴方から見たゲマトリアはたとえばカイザーコーポレーションのような巨大な組織だったのか。それとも片手で数えられるほど少ないのか」
『……四人だね。ゲマトリアだと思わしき人物達は四人だったよ。そして、ああいった人物が他にも夥しい数がいるとは思えない』 - 366あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:01:02
- 3671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:07:40
「だけど、ハナコ先輩。私達の戦力を当てにするって言っても……じゃあ、それで何を?」
「そこまではまだ。ですが、取引相手の欲しい物。つまりゴールが見えたとなれば」
「話を聞きに行った時もそれを前提に探りを入れたり、交渉で良い結果を引き出すことも可能かもしれません!」
ついつい、私がはしゃいでしまったのをハナコちゃんはしっかり頷いてくれます。ゲマトリアという組織についても、他の陣営との繋がりが見えてきた事も、まだまだ分からない事は多いです。
ですが、ずっと引っ掛かっていた《取引》について。この一点に関してパッと光が射したような、そんな直感がしたんです。
『あくまで仮定。そして他陣営ではなく私達にのみ取引を持ちかけてきている場合のみに限定されるわ。けれど一蹴するには現状の情報から考えてもあまりに非合理的ね。黒服は私達同盟陣営の戦力や手数を求めてくる可能性が大きい、それを考慮しておきましょう』
リオ会長も心なしかウキウキした声で薄く微笑みながらそう太鼓判を押してくれますし、ますます気持ちも跳ねていきます。
「そう言えば……黒服さんに今日とか会うならあれも聞いておきたいですね」
「アレ……?」
「ほら!ホシノさん達が強欲のアーチャーさんから聞いた話ですよ!カンイっていうのとか先生のこととか色々ありましたけど、私は特に……」
そうなると、さっきまで悩んでいたのが嘘みたいに彼と話してみたいことが浮かんでいます。特にそう、私がずっと気になっているもの。 - 3681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:09:35
「シュロちゃんも言っていた予備システムについてがすごく気になっているんです!アーチャーさんの話を聞いた限りでは、二つある勝利条件のうちで犠牲がなく出来るみたいでしたし!」
『そうなんだよねぇ。あからさまにそれについて触れようとしたらアイツ、口止めされちゃったわけだし』
いつの間にか通信が復活していたホシノさんも賛同してくれていますし、実際に黒服さんと会ったらしっかり聞いてみたい。
「予備システムって言い方ですし多分聖杯戦争自体か聖杯自体に関係する物でしょうからきっと黒服さんならって!」
そう、私は思ってはしゃいだ声を上げたところで。
「だが、君達は予備システムを《使わう筈がない》」
低くて、力強くて、でもいつも穏やかで優しい人。
「───果たして聞く必要があるのかね?」
そんなスパルタクスさんが険しい顔をして私達に尋ねてこられたんです。 - 3691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:14:54
- 370二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 02:20:06
お疲れ様です
そうか、スパルタクスは予備システムについて知ってるのか
聖杯大戦に参加してたわけだし
まあ予備システムは可能なら使用は避けたいけど使おうと思えば使えるって状況にしたい気持ちはある
最悪の状況になるよりはマシだろうし - 371二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 02:24:44
おつかれさまです
確かに、言ってみれば予備システムの起動ってもう一方の陣営を生み出す、つまり新たにマスターを生み出してしまう訳だから
無関係だった生徒を聖杯戦争に巻き込んじゃう可能性がある手段な訳だしな - 3721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:32:34
- 373二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 09:09:16
何を取り引きしたいかある程度目星がついたのはでかいな
出来るなら早く会ってしっかり話してみたいが - 374二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 12:57:44
「令呪なんて変な紋章が体にあったら目立つだろうし目撃者いねーかな」くらいの気持ちで聞いた刺青の話が思った以上に長く重要ポジションになってるの面白い
これなかったらだいぶ話変わってたんじゃないか
そういえば安価で出たマスター候補はどこかしらで出すって言ってたけどカヤとクロコはまだ出てきてないな - 375二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 15:24:42
予備システムのことを黒服はどう考えてるかは気になるな
使う気はあるのかどうか
会議は半分ぐらいは進んだ感じかな?
会議終わったらボーナスの情報を見て行動決定だけど悩むな
取り引きの内容に目星がついた以上黒服との取り引きはしやすくなったし
まあ全員で同じ場所に行くのは流石に人数多すぎるからバラけさせてもいい気はする - 376二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 18:00:56
そういえばミカ主はこのままいけば残ってる陣営はアサシン除いて全組ラスボス候補って言っていたけど
可能性としては他の三陣営と聖杯陣営を先になんとかした結果最後にアサシン陣営が残るって可能性もあるんだよな
その場合どんな感じになるんだろう
特殊ルート的な扱いになるのかな? - 3771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 21:26:56
- 378二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:49:49
おつかれさまです
- 379二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 00:05:48
わかりました
お疲れ様です - 380二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 08:53:19
お疲れ様じゃんね…
落ちないように阻止するじゃんね - 381二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 11:40:16
現状どれぐらい聖杯大戦ルートに行きそうなのかは気になるな
大戦ルートに行かざるを得ない事態になる可能性もありそうだし - 3821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 19:09:22
ごめんなさい……今帰ってきたけど会話文しか終わってないのでこれから肉付けしてくから21:30スタートにさせてください……
今日はまだまだ目処を立てていくじゃんね☆
1もまさかあの駐車場で始まった話がこんな形でずっと関わってくるとは思ってなかったじゃんね☆
少なくともこれなかったら温泉開発部関係は全部なかったじゃんね☆ライブ感のある物語作りはやっぱり安価スレならではって感じじゃんね☆
実はこっそりクロコちゃんは笛の方でちょろっと出てるじゃんね☆カヤちゃん?D.U.関連のある話をばっさりカットした関係で出せてないじゃんね☆
クロコちゃんにしろカヤちゃんにしろミスリードとしてはもう登場しないから多分出すとしたら、最後の方になるじゃんね☆
黒服に聞くのが早いけど、多分予備システム自体はなんとも思ってないじゃんね☆
精々がため息吐く程度じゃんね☆それが大人ってもんじゃんね☆
基本的にはほぼ半分、残りの山場とかは1が書いてて鬱屈な雰囲気過ぎたりで削ったり後回しにしたりしたから消化試合に近いじゃんね☆
ボーナス出すし楽しい雰囲気で会議は終わらせたいじゃんね☆
アサシン陣営が最後まで残る√は間違いなく1の想定を超えた状況にならないと起こんないから、そうなったらその時にまたお話考えるじゃんね☆
いつもと同じ、だからそうなっても大丈夫じゃんね☆
ありがとーじゃんね☆年度末はかなわないじゃんね……
ありがとじゃんね☆今日は投下できるよう頑張るじゃんね……
ありがとじゃんね☆とっても助かりますじゃんね☆
……今だと半々ぐらい?
大戦√はかなり特殊よりだからお話の進み具合もそうだし必要な情報を集められたかでも変わってくるじゃんね☆
まあでも1は大戦√もそれはそれで楽しいと思うじゃんね☆
- 383二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 20:52:06
大戦ルートやるならアビドスの誰かがマスターになって本物のプトレマイオスを呼ぶのも熱くていいな
- 3841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 21:31:32
【③-2.アサシン陣営について】
・予備システムと起動の是非についての見解を聞く(>>293)
・各陣営とどんな感じで交渉すべきか(>>297)
・監督役でアサシン陣営との交渉と取引をどうするか(>>293)
・アサシンの即死宝具に対する対策(>>292)
・黒服が言っていた禁止事項である学園都市キヴォトスに対して大きな禍根を残す行為のうち私的な運用って具体的に何を指すのか(>>296)
【Recommend BGM……〈Crucial Issue〉】
「選択、しない……ですか……?」
思わず、唾を飲み込んでしまいます。まだ拠点に来てから一日と経ってはいませんけど、スパルタクスさんという方がどんな風に私達と接してくださるのかはよく分かってるつもりです。
「そうだ、いずれ叛逆者に至るヒフミよ。君達は決してその結末を望まない。君達の戦いにそんな道はあってはならない。このスパルタクスの同士たる勇敢な君達が進むべき戦場にそんな轍を残す筈がないのだから」
バリトンサックスのような深みのある声で、だけど私達をびっくりさせないように大声を常に出したりとかせず、ゆっくりと穏やかに話してくれる優しい方。狂化というスキルはあります。でも初対面で、まだ味方じゃなかった私が自分の気持ちに蓋をして悩んでいた事も見抜いて気遣ってくださる素敵な人です。
「待ってほしい、バーサーカー。君は何を……いや、それよりもまずは説明が欲しい。君は予備システムについて知ってるのかい?」
冷静に物事を見て、時には力強く前線に立つ私達の隣にいて支えてくれるミノリさんの相棒がよく似合う、スパルタクスさん。ですが今、彼が纏う空気はいつもと違って堅く、剣呑でした。その様子を宥めるように言うセイバーさんも、困惑を隠しきれない様子です。
「不要だ、圧制と叛逆の狭間を突き進む我が盟友よ。セイバー、君もまた彼女達の旅行きを共するのならば語るまでもない」
「つくづく狂化というスキルは本当に……。良いか、バーサーカー。貴様が何を知ってどう考えるのも自由だ。だがそうではない、そうではないのだ。まずは話を「否。そうである」違うのだ……」
- 3851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 21:35:11
狂化のスキルの影響もあって話される言葉は大変難しいところもあります。けど、それでもいつも優しく見守ってくれている理性的で紳士な彼が、あまりにも強く言うんです。予備システムについて私達が語る、それ自体が不快だと言わんばかりに。一体、彼は何を知っていて、どうして急にこんな展開を迎えてしまったのか。私だけじゃなく、ミノリさんを含めたみなさんが思考がまとまらないぐらい混乱してしまいます。
「ごめん、すごい真面目ムードなのは分かってる。だけどさ、どうしても……一個いい?」
だから、モモイちゃんが。
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ブルーアーカイブ Blue Archive OST 91. FEEEEVER TIME
「───スパさん、予備システムについて知ってたの!?」
そんな風に切り出してくれて正直助かりました。
- 3861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 21:39:27
「待て待て待て待て!?私も聞いてないぞっ!?」
ミノリさんの慌てる様子なんて見なくても信じられます。ミノリさんなら知ってたら先に話してくれてるでしょう。それに何か事情があって黙っていてこのタイミングで切り出したとなれば、スパルタクスさんに話を任せずご自身の言葉で話を進めるでしょうから。
「我が同胞よ、君が知らぬのも仕方ないのだ。何故なら───私はは言っていなかった」
「言えたじゃん」
「アリス、分かります。辛いですね……」
「いや、そんなわけないでしょ」
「ドヤ顔で胸を張る話じゃないだろうがっ!あとモモイとアリス!うるさいぞっ!茶々を入れるなっ!」
だってほら、今まさにこんな状況になってますし。
息を切らして肩を上下させるミノリさんの背をさするミドリちゃんとハナコちゃん。その横でもう抑えられないとお腹を抱えて笑っているウタハ先輩とまた死んだ目になっている古関先輩。酷い絵面です。
「大体スパルタクス!なんでお前は悪びれもしてないだ!?私か!?私が聞かなかったのが悪いのか!?知るわけないだろ予備システムなんて!ヒフミに聞くまで存在すら知らなかったんだぞ!?というか少なくとももっと早く!この会議中に言う機会あっただろ!?報!連!相!現場の基本だ!知ってたならちゃんと言っておけっ!」
「ふむ?なぜ話す必要が?」
「話さないと!分かり合えないって!さっき!そこの!生徒会長が言ったばかりだろうが!!」
「うむ、良き話であった。若者よ、どうか君がその裡に秘めた叛逆の心根を忘れずに健やかに育ちなさい」
『あ、ああ……感謝する、よ……?』
「そうじゃなぁぁぁぁぁいっ!」
魂の咆哮、ですね。もういつも冷静なミノリ先輩とは思えないぐらいおっきな声です。先輩らしい彼女のこういう可愛らしい面は見てるとこっちまで笑顔になれますね。 - 3871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 21:47:15
「お前はいっつも!いっつも!私以外分からない事しゃべくり回す癖に!肝心な!話は!相変わらず!そうやって!大体この前もお前!重機の調子が悪いから工程組み直すぞって私達工務部で話をしてたから勝手に一人で相談なしに徹夜で作業して!」
もっとも、ご本人の事を思うと笑顔になれるなんて口が裂けても言えませんけど。だって今完全にミノリさん頭から湯気出てますもん。
「ぬふっ。我が同胞達の喜びと感謝の声と共に浴びる朝日は実に法悦であった。レッドウィンターは良い、祖国の白き山を思い出させる凍てた朝焼けは我が身を切り裂くような快感を与え、そこに駆け寄る同胞達の笑顔。これぞまさに───整う」
「このマゾヒストめっ!!後輩の教育に悪いから黙ってろ!そもそもお前のそういう性癖を広めたせいでうちの部員達がっ!あぁぁ!もぉぉぉぉお!」
ミノリさんも息を切らしてますしそろそろかなっと近くのユズちゃんと目配せしてから私は彼女に声を掛けました。セイバーさんですか?彼ならミノリさんの雷が落ち始めたあたりでしれっと集団の輪から外れました。
「あはは……と、とりあえず話を聞かせてもらえませんか?スパルタクスさん、それにほら、ミノリさんも、ね?私達、話を聞いてみない事にはなんとも……」
「み、みのり先輩!あとでうちのモモイとアリスちゃんも叱って、あのちゃんと、怒っておきますから……あの、落ち着いて……」
「……そうだな、一旦落ち着くか」
流石はミノリ先輩です。どんなに荒ぶっていても私達が声をかければ、すぐに感情を整理してくださいます。この場に私達だけでしたらきっとまた、このまま会議を再開ということになったんでしょう。
もっとも。
「うむ。烈しさは君の魂に宿る叛逆の輝き!だが、時に我々には冷静さが求められる。おお、びーくーる!」
他意もなければ悪意もないスパルタクスの洗練されたダブルバイセプスと発言がなければでしたが。ああ、もうミノリさんの目が据わっちゃってますね、これは長引きますよ。
「ミノリ先輩、多分特に意味はありません、あれは煽ってるわけじゃないですよ。深呼吸、深呼吸しましょう」
「私に続いて下さい☆はい♡ひっひっふー♡」 - 3881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 21:49:01
「ま、またラマーズほ「ラマーズ法!?……ユズから習ったわよ!ハナコ!あんたそんな如何わしい事言って!」……ラマーズ法はいかがわしくないよぉ、コハルちゃん……」
ミドリちゃんが冷静になるよう呼び掛ける隣でハナコちゃんとコハルちゃんはいつもの調子ですし、コハルちゃんの発言にユズちゃんは顔真っ赤にしています。
「はあ……深呼吸ぐらい普通にやりなさい。何でもかんでもそっちに繋げるんじゃないわよ、脳内ピンク女」
「あら?あらあらあらあら♡なんですか古関ウイさん♡どうされたんですか古関ウイ先輩♡ヤる?誰とナニを?あとそっちってどっちですか?どっちに逝くんですか?私とっても気になっちゃいます♡ぜひぜひじっくり、ぬっちょり、親切懇切丁寧に、耳元で囁きながら説明してください♡」
「う、うるさすぎる……口を開けばそれしか出ないの貴女……」
頼みの綱の古関先輩も完全にハナコちゃんのペースに巻き込まれてますし、リオ会長達は完全に静観ですね。私も休憩にしましょう。紅茶を淹れ直しても多分みなさん、はしゃぐのに夢中ですから飲む暇ありませんね。後にして、私はアズサちゃんの羽でもブラッシングしましょうか。
「そうなんです♡ぱく、ぱく♡お口を人差しと中指でくぱ「エッチなのは駄目!禁止!拠点法違反!死刑ぇぇっ!」きゃー♡助けて下さい♡このままじゃコハルちゃんの手でウイさんの部屋に連れ込まれちゃいます♡」
「拠点法って何よ。大体私の部屋は留置所でもないし暖簾もかけ「暖簾!?つまりそういう事!やっぱり古書館にもあるのね!?摘発!摘発よ!」ち、ちがっ!?というかやっぱりってなにっ!?……ぅ、浦和ハナコぉぉっ!」
「いえ、今のは普通にウイさんの失言です」
珍しいハナコちゃんの真顔ツッコミだと思いながら、正面を向き合って私の膝に座っているアズサちゃんの羽に手を伸ばします。 - 3891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 21:49:52
「あーもうっ!作業してるって言ってるでしょうがっ!?静かに会議も出来ないの!あんた達はっ!」
「待って、お願いだから待ってコハルさん。わ、私は別にそういう意図でもないです。あれは私は浦和ハナコ係になった覚え「係!?ま、まさか伝説のせ、せいしょ……えっっっっち!拠点法違反!死刑ぇぇ!」貴女の思考回路はどこに毎回繋がってるんですか!?コハルさんっ!」
「ついに拠点法違反者が出たか……ふんっ!連れて行け」
「うぅ……ハナコ、ウイ、お別れです。アリス、おつとめ?が終わるのをくさい飯を食べながら待ってます!」
『およよ、残念だねぇ……面会の時に差し入れ、考えなきゃ。アビドス饅頭で良い?』
治療が終わって早一週間。もうすっかりあの時の傷とかはありません。けれど忘れられない、私を守ってくれた白くて眩しい翼。今こうして羽を梳かしていく時に感じる温もりに安心感を覚えます。彼女も同じ気持ちなようで、慣れた様子で私の胸元に身体を預けてくれる。ちょうど頭一個分、下にいるからでしょう。可愛らしいつむじと、いつも見ているのに驚きそうになる細くて小さな肩を見ながら、私は黙って静かに羽を梳かしていきます。
「混ざってるよ、アリス……モモイが変な事を教えるから……」
「すまぬ……うちの馬鹿娘共が油を注ぎ続けて本当にすまぬ……会議が終わったら必ず説教をしておく、許せミノリよ、ヒビキよ、ウイよ……」
『ホシノ先輩も一緒になって乗らないで下さい!』
「乗るなホシノっ!」
「ホーシノっ!」
『うへー、取り消しなよ……今の言『ホシノ先輩?』……う、うへー』
みなさんの元気な声を聞きながら、こうやって休憩がてらのんびり過ごす。昨日の夜から今まで戦闘や会議でずっと張り詰めた空気でしたから。少しだけ、休憩です。 - 3901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 22:06:17
【Recommend BGM……〈聞き慣れたメロディ〉】
『相も変わらず騒がしいね。本当に愉快な後輩達だ』
アズサがヒフミのブラッシングを堪能し、ミノリが吼えスパルタクスが笑い、それを周りが茶化し合う喧騒。そこから外れて、彼女達は静かに微笑んでいた。昨晩の襲撃に始まり随分と長くなった会議。ずっと続いていた緊張の糸が目の前で緩やかに解かれていくのを、セイアは肩をすくめつつも目を細くしていた。
『……そうね。まだ朝早いとはいえ時間も限られる。無駄話はおしまいにして予備システムについて話を……』
そんなセイアの言葉に一人が反応する。ここまで嵐のように吹き上がった楽しげな笑い声にどうもせず、ただ見ていただけのリオだ。事実、彼女の言う事は正しいだろう。ヒフミ達に残された時間はあと五日。何より会議に挙がったのはこれまで誰も知らないと思っていた筈の予備システムの真相に近づく発言。急ぎ確認して、一秒でも早く外へ出て聖杯戦争終結の為に動く。それは間違いなく効率的で、合理的な行動だろう。彼女がそれを促そうとするのも、そして、それを口にしようとして言葉が止まるのも仕方なかった。
「けれど、こういうのもまた大切な時間だよ、会長」
そう、ウタハの言う通り。彼女達は兵士でもなければ機械でもない。どこにでもいる普通のキヴォトスの学生、ただの十代の少女達だ。誰も何も、戦う為だけに生きて最善手だけを続けられない。
『それは……非合理的よ、ウタハ。片付けるべき議題はまだ残っているわ。次に進めなくては』
だが、リオはまるで渋るようにそれを口にするしかない。だって間違ってないからだ。片付ける問題も考えなくてはいけない事も山積み。だというのに時間は迫っている。本人達は誰も口にしないが、迫り来る自身の、そして友の命が潰える時間が刻一刻と迫っている。 - 3911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 22:38:22
『の割に、口を挟まないでいたじゃーん』
『……ホシノ。それはあくまでも……』
「ずっと肩に力が入っていたからね。聖杯戦争だからと言って、常に真面目でいるだなんて疲れてしまうさ。それが分かっているからこそ、だろ?リオ」
だが、分かっていた。分かっていたからウタハ達の言う通り、リオは後輩達がふざけ合うのを止めなかった。寄り道なんてしない、ただただ合理的にというのは望ましい。けれど彼女達は機械ではない。今を生きていて、感情に振り回せる不完全な生き物。だから、今のようにはしゃいでいるのも、そしてリオ自身、それを見るのも。楽しかったから止められなかったのだ。
『君も中々難儀な性格のようだ。だが、良いじゃないか、休憩がてらたまにはこうやって後輩達がはしゃぐのも……そして私たちがそれを見守るのも』
「小規模とは言え、戦争である以上はこうやって他愛ない戯れ合いでのガス抜きの時間も必要経費、ある意味で合理的とも言えるんじゃないかな?それに何より、君たちの時間は今しかない。振り返った時、一つでも楽しかったなと思える時間をどうか子どもでいるうちに……なんて年寄り臭いけどね」
照れくさそうにするセイバーの微笑みに、思うところはあって。けれどリオは顔を背けてから、小さく告げた。
『……まだ時間はかかりそうね。折角トリニティのティーパーティもいるわ。モニター越しではあるけれど、どうかしら?』
『おや、それは良いね。なら彼女達の笑顔を観覧しつつ一服といこうか』
『さんせい〜。ちょぉっと、休憩しよっか?』
「なら、私も珈琲なりを入れてくるとしよう。ミノリはそうだし、チーちゃんもいるだろ?」
「……濃い目」
「はいはい」 - 3921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 22:39:46
- 3931じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:00:36
【Recommend BGM……〈The Great Holy Grail War〉】
「話を戻すぞ」
ミノリさんの咳払いから再開する会議。しっかりふざけて、お喋りして、お茶も飲んで、元気は万端。話すことは、もう決まってます。
「はい!二つある勝利条件の一つ、スパルタクスさんが知っている予備システムについてですね」
「ああ、話がだいぶごたついたが……まずは確認といこう」
ミノリさんが視線を向ける先に悠然と立っている彼。大自然の中にぽつねんと座る大きな岩のように荒々しさと丸さが共存してる、そんな大らかな人。
「何かな?我が同胞、ミノリよ」
彼、スパルタクスさんはどこまでも静かにミノリさんを見つめていました。張り詰めているわけではなく、どっしりと、ただ待つように。
「……お前が私達の事を信頼して、お前の目に映る私達がそれを選択しないとそう思っているなら……多分そういう事なのは分かる。だけどな、スパルタクス、私の同胞」
そんな彼にミノリさんは一瞬迷われてから、けれどスパルタクスさんの真っ直ぐな目を見て応えました。
「頼む。私達はお前と違って未熟なんだ。知って、聞いて、見て。それからちゃんと考えて結論を出したい。お前の中で私達が何を選択するか決まっていたとしても、それでも私達は自分達で考えて決めたい。だから……予備システムについて教えてくれないか」
ミノリさんからのお願いに、やっぱり彼は微笑んで。それからじっくりと噛み締めるようにゆっくりと、口を開かれました。
「無論だとも、我が同胞。僅かでも私の言葉が君たちに混乱を招いたのなら謝罪しよう。私は君達の胸に掲げられた叛逆の闘志が燃え尽きぬ限り、否、消えて倒れてしまったとしても、その灯の燻りを雨からも風からも守るのだから」
スパルタクスさんは私達のお願いを聞き届けてくれました。話す必要はない、何故なら議論する余地がないから、と。そう仰って、そして狂化というスキルを受けて思考が定まっていても、やっぱり彼は私たちに応えてくれました。
「予備システムとは私の知る大聖杯に用意された徴兵令、即ち───追加のサーヴァントとマスターを選定するシステムである」
そして私達は、彼がどうして言う必要がないと言ったのかの意味を知る事になったんです。 - 3941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:22:24
「七騎のサーヴァントが一堂に与した時、更に七組。サーヴァントとマスターを招聘し闘争を加速させる取り決め。是こそが我が懐かしき聖杯大戦である」
以前仰られていたスパルタクスさんが参加されたという聖杯戦争の正体。七体七のサーヴァントとマスターによる大規模な戦争。それが聖杯大戦で、それを起こす為のきっかけが予備システムの起動。
「聖杯大戦、か。言い得て妙だね、とはいえまさか君が参加していたのがそんな大きな戦いだったとは……七組のマスターとサーヴァントが一つの陣営に、か。僕らが知らないわけだ、そんな事はまともな聖杯戦争じゃまず起こらない」
セイバーさんの口振りから聖杯大戦が本当にイレギュラーなのだと分かります。考えてみたら当たり前なのかもしれません。私達のように《巻き込まれた》ならともかく、自分の意思で参加されるマスターの方には譲れない願いが最初からあってでしょう。聖杯を使わなくては叶えられないほど大きな願いが。だったらきっと、それを譲り合ったり一つの陣営に七組全員が足並みを揃えるなんて事は起きない。
「戦場一杯に杭を生やすだの、弓兵の矢は心地良かっただの、挙句に宇宙から焦土作戦をしてくる権力者に立ち向かっただの。聞いてもお前の話はスケールが大き過ぎて参考にならんと判断した私が愚かだった……悪かった、スパルタクス。よかったら今度またお前の戦いを一から聞かせてくれ」
「不思議な事を言う。ミノリ、君は私の話を楽しそうに聞いてくれた。そして今も確かに覚えている、違うかな?」
「……はあ、お前と話すと自分が情けなくなるな」
意表をつかれたようにしてから微笑うミノリさんに、不思議そうな顔をしているスパルタクスさん。変わる事なく仲の良さそうなお二人の姿を見ていると、今の話を忘れちゃいそうになりますがそうもいきません。なにせお話は、まだまだこれからなんですから。 - 3951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:24:08
「しかし聖杯に組み込まれた魔術に斯様な物があるとはな……だが、言われてみれば納得する他あるまい。我らが考えの外にあった傲慢な物とは言えな」
「なんでそこで傲慢なのさ?」
「前に話した通り、聖杯戦争は敗北したサーヴァントの魂を聖杯に貯めて燃料とする事で願いを叶える物だ。当然、七騎の誰も欠けないという事は誰も聖杯で願いを叶える事ができず、用意した燃料は無駄になる。サーヴァントも、マスターの願いも、ありとあらゆる物を聖杯起動の糧として見ているからこそ用意されたシステム、と考えれば用意した人間を傲慢とも捉えようよ」
憎々しげに蒸気を吹かされるのも納得できてしまいます。七組の陣営が手を取り合わないと起動しない。つまり逆に言ってしまえば、召喚した時点で必ず殺し合ってくれないと困るから用意された物が予備システムなんです。
「予備システムはつまるところ、停滞し願いを叶えられない状況、聖杯が起動できない状況を打破するカンフル剤……と言ったところでしょうね。たたでさえ負担が大きい英霊召喚を追加でだなんて、土地が枯れかねないのに」
「……仕方あるまい。聖杯を使う事が目的であるならば、だ。どうあっても戦局が停滞する自体なぞ許容出来んだろう。その保険もまた必要であった、そういう話だ」
何より、セイバーさん達の事を文字通り燃料としてしか見てないんです。少なくとも、聞いただけの私はとてもじゃないですけど良い気持ちはしません。
そしてそれが強欲のアーチャーの話だと今回の聖杯にも用意されているのだと言います。そうなってくると、浮かんでくるのは一つの疑問。それをモモイちゃんが代表して聞いてくれました。
「あのさ、聞いてもいい?じゃあなんで、その予備システムが勝利条件になるわけなの?だって話聞いてる限りだったら」
「そうですね……あくまでもサーヴァントとマスターがもう七組追加されるだけ。ですが勝利条件として挙げられたもう一つは大聖杯の破壊という物でした。現状、予備システムを起動させる事が大聖杯の破壊と同列に並べられて語られるというのには違和感がありますね」 - 3961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:24:41
- 3971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:25:16
思い出したのはシュロちゃんが以前話してくれた事。彼女は『時間は待ってくれない』と言う中で、何かのシステム、恐らく予備システムを起動させる事を嫌った。もしそれが時間に関わるのだとすれば。
「なるほど、確かにそれはあり得そうですね。たとえば、サッカーには既定試合時間内で発生した空白を合計し試合時間に合算するアディショナルタイムがあります。その根本にあるのは試合時間の公平性を保つ事です。翻ってキヴォトスで開催される聖杯戦争にも十四間という制約があります。待っていても……です。だからカンフル剤として意味がありません。この問題が発生するのは十四間というマスターに課された制限です。これがありながら追加で七組が選ばれるとなれば逆説的なその制限を解消する物なのではないでしょうか?ただ恐らくは、完全に取り除かれる、というのは考えにくいですが……」
私達が抱える問題はたくさんありますけどその中で一番厳しいのは時間制限。だとすれば、それを一時的にでも解消できるメリットもあって強欲のアーチャーさんは勝利条件の一つとして挙げられたのでしょう。シュロちゃんからすれば、確かに彼女であれば時間を延長するというのはあまり《面白くない》と感じるかもしれません。
『予備システムの存在は強欲のアーチャーによって示唆されている、存在すると考えて動いた方がいいでしょう。そして存在するならば、どんな整合性を持つか。今ある情報からならコトリの推測は確かに納得がいくわね』
「どっちにしても勝利条件って言うんでしたら、多分何かしら私達に有利になる事なんだと思います……ただ」
とはいえ、謎は残ります。確かに制限時間の延長はありがたいですし納得いきます。でもそれだけでは勝利とは呼べません。
「……スパルタクスさんが、私達が予備システムを使う事を選ばない、そう仰られた意味は」
何より、大きな問題が一つ。
「新たなマスターが選ばれるから……って事ですよね?」
新しいマスターが選ばれる、選ばれてしまうという問題が残っています。 - 3981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:37:42
「そうだとも、小さき友よ。君達は犠牲を良しとしないと私とミノリに言った。君達は自分達のような苦しみを他の民や友に味合わせたくないと言った。そして私もミノリも、君達の言葉に嘘偽りも裏もないと信じている。ならば議論の余地はない筈だ」
スパルタクスさんの仰られた意味も頑なに見えた態度のわけもようやく分かりました。確かに私達は予備システムの起動なんて選べません。誰にも殺し合いなんて悲しい事をしてほしくない、傷ついて、痛い思いなんてしてほしくない。そして私達のように時間制限を与えたくなんかない。だから、私達は自分達の手で予備システムを起動するなんて、あり得ないんです。
でもそうなったら、いよいよ私達は打つ手が何もありません。強欲のアーチャーさんが言う私達の勝利条件の残り一方も、サーヴァントの方を七騎倒して大聖杯を顕現させる、そういう犠牲を伴うやり方ですから。どうしたら、どんな方法を取れば良いのか、また振り出しに戻る気分です。
「僕も、そしてこの場にいる子達も同じ想いだよ、偉大な解放者───だけど」
そう考え込んでいると、セイバーさんがスパルタクスさんに話しかけ始められました。
「これから先の時間を考えれば考える際の判断材料は多いに越した事はないんじゃないかな?」
それは暗に、予備システムの起動を視野に入れてみてはどうかとも取れる言葉でした。勿論、彼の本意ではなくあくまで議論を交わす必要がない、そこまで言う事はないんじゃないかって話なのは分かります。でもスパルタクスにとっては。
「……セイバー。私の前でその言葉の先を続けるならば、汝は少女達を惑わすつもりはないと誓った、私はそう認識する」
お部屋の空気を揺らす静かな声の中に、微かですけど煮え滾るような熱が込められていました。 - 3991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:43:16
怒り。スパルタクスさんが、戦場以外で初めて、私たちの前で強い怒気を見せられる。言葉は決して大きくない、語気だって荒くない。なのに思わず、心臓がきゅっと縮こまるぐらい強い感情が込められていました。
誓ったと認識する。つまり違えたとなれば、その手にまだ握られていない剣先がセイバーさんへ向くのは容易に想像できました。
「構わない。言った筈だ、僕はヒフミを明日に返す。けれど……狂してなお高潔な先人の配慮に感謝を、耳を傾けてくれてありがとう」
それを分かった上で、彼はしっかりと頭を下げてくれた。いっそ首を差し出すほどに深く、スパルタクスさんに感謝する。
「僕らは辿り着く場所をハッピーエンドに定めた。けれど歩き方は一つじゃない。色々な可能性を踏まえて、机の上に凡ゆる思索を並べて語らい、そうして行き先への向かい方を決める。運命に恭順せず、自分達で考えて道を選んでいく。彼女達にはそんな自由があって良い筈だ」 - 4001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:44:51
「……恭順なき、自由」
「その為に、結果が分かり切っていても予備システムという手段について話し合い、考え、策を練る……そんな時間を君に許してもらえないかな」
たっぷりとした沈黙は流れませんでした。ほんの僅か、セイバーさんの言葉を聞いてからスパルタクスさんは隣にいる彼女の方を見られる。
「……ミノリ」
もういつもの優しくて穏やかな、けれどいつも違ってどこか戸惑っているようなスパルタクスさんの呼びかけ。それにミノリさんはたった一言だけ返された。
「私に聞くな。お前はどうしたいんだ?」
はにかんにと共に帰ってきた応え。それにスパルタクスさんは。
「……おお、それもまた叛逆」
同じように頬を綻ばせられました。
ゆっくり振り向いて私達の方を見た彼はそのまま、さっきセイバーさんがしたように頭を下げられる。
「君達に手間を取らせた。怯えもさせただろう、謝罪する。そして───どうか自由を」
頭を上げてください、とそう言う前にミノリさんに背中を叩かれて顔を上げた彼は、優しげな眼差しで、けれど真剣な表情で私たちに語ってくれました。
「スパルタクスは君達の叛逆を尊重する。嘗て己の魂に誓った叛逆を、絶対的な不条理に抗うと決めた君達の心根を違えぬ限り、いつまでも私は君の味方だ」
少しだけ、不穏だった空気が霧散します。狂化のあるスパルタクスさんにとって私達が予備システムという誰かを犠牲にするやり方について話し合うのさ事すら嫌なんです。それでも彼は、少しでも可能性を探そうとする私達のやり方を尊重してくれました。それにホッとして、セイバーさんやミノリさん、そしてスパルタクスさんに感謝を伝えようとして。
「ならば、我も口を挟むとするか───朗報だ。予備システムがもし仮に強欲のアーチャーなる男の言うものであった場合、我らが目指すべき解はそこにあるやも知れん」
キャスターさんが満を辞して、そう言われたんです。 - 4011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:49:24
「ホシノよ、強欲のアーチャーは予備システムについて話した時何と言っていた?」
『んえぇっと確か……過半数以上の同意が必要で、聖杯戦争が継続する形になるから聖杯陣営は邪魔しない……だったよ』
「そう、奴は過半数が同意すれば稼働できると言った。七つの陣営が一つの勢力になった場合ではなく、だ」
最後の言葉で私達も顔を見合わせてしまいました。だってもし強欲のアーチャーさんが遺された言葉が正しいなら、スパルタクスさんの言っていた予備システムと大きな違いが一つあるんです。
「つまり半数を揃えれば起動できると言う事はだ、恐らく《自動ではない》。このキヴォトスで用意された大聖杯の予備システムは、我らが任意で稼働させられる物である可能性が高いのだ。即ち、聖杯自体に搭載されているシステムへの干渉を、サーヴァントが脱落しているか否の関係なく、過半数の陣営を揃えさえすれば我らは行える」
「なるほど、大聖杯は顕現していない状態でも接触出来る余地があるわけだね」
そう、私達は昨日の時点で大聖杯の破壊という形での聖杯戦争の終わらせ方は知っていました。問題は大聖杯の存在が確認できていなかった点と、それが何処にあるのか、そもそもちゃんとサーヴァントの方を倒さずに大聖杯に干渉できるか。これらが大きな躓きだったんです。それが今、一挙に解決してしまう可能性が見えてきました。
「うむ。とはいえ通常、大聖杯と呼ばれるものは超抜級の術式だ。おいそれと触れたところで稼働を停止させられん。業腹だが、我であってもこの短時間では不可能だ……だが、それを可能にするサーヴァントが此度の聖杯戦争にはいる」
「……っ!神代の魔術師!原初のルーンの使い手、フィニアンサイクルよりずっと前にいた古き戦女神!」
「随分と勉強したのだな、ウイよ。そうだ、アサシン……真名をスカサハと目される奴であれば、窓口さえあれば」
その言葉はまさに私達にとっての福音でした。求めて止まなかった、突破口だったんです。
「───聖杯に干渉し、あまつさえ機能を停止させられるやもしれん」 - 4021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:51:22
ウイさんが身を乗り出しながら話す答えにキャスターさんは頷きながら正解と仰られます。それを聞いて、同じように激しい声が一人。
『そうなったらっ!……ごめんなさい、少し、その……気持ちが、高揚してしまって……』
『……話には聞いているよ。気持ちは分かるさ、調月会長』
リオ会長の長い髪がモニター越しに大きく振られ、見たこともないほど狼狽されておられます。でもセイア様の言う通り、気持ちは痛いぐらいに分かります。だって……。
「そうだよ、リオ会長!キャスターの言ってるやり方が出来るなら!そうなったら!トキを、トキが自分を犠牲にするなんて選ばなくて良くなるんだもん!」
モモイちゃんの言うように、キャスターさんのやり方ならあと一つ陣営を仲間に出来たのなら誰も傷つかずに聖杯戦争を確実に終わらせられる。聖杯戦争が開催される大元の大聖杯を停止させられるんですから。勝ち残ったトキさんが自分を大聖杯の管理システムに組み込むだなんて事、しなくてよくなるんです。
『……ええ、そう、ね……ごめんなさい、少し……席を外すわ』
『ああ、ゆっくりとしておいで。こっちは我々で話をしておこう』
『……ありがとう』
だからリオ会長が席を外される理由も分かります。だって私達も同じなんです。
「……よかった、やっぱり……やっぱりちゃんとあるんです……!」
思わず、気持ちを抑えられないぐらい嬉しいんですから。
「とはいえ、あくまで仮説だ。確証もなく、何よりアサシンとの協力を取り付けられるかも分からん」
「だけど道が出来ました。予備システムで新しいマスターやサーヴァントを増やすのでも、大聖杯を顕現させて壊すのでもない……第三の選択肢が」
「となると後考えるべきは……!」 - 4031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:52:51
ウタハ先輩の言葉に促されるようにミノリさんも続けられます。
「各陣営との交渉について、だな。特にアサシン陣営と取引をするとなれば我々が要求したい物も定まった……協力関係を構築とアサシンの魔術による聖杯の停止だ」
落ち着いた声ですけど、少し上擦っているところから、彼女も同じように隠しきれない興奮と喜びがあるのを感じさせます。もう、みなさん全員から笑顔が溢れてしまいます。
『相手が持ち掛けてくる取引から求められるのは私達の戦力の可能性があります。そして私達の要求が決まった以上、今度は私達の要求を確実に通せれるよう、これからの五日間でしっかり古聖堂で話し合いの場を持つべきですね……問題は残りの陣営について』
大きな問題が解決の兆しが見えました。となれば今度は次の問題へ。ですが、こちらに関しては実はやる事って結構決まってるんです。
『次の議題の前に、確認しておきたい事はありますか?』
「そういえば、ハナコちゃんが聞いた時に黒服さんが前に言ってた《戦闘を除くサーヴァントの私的な運用》ってなんだろう?」
その前にアヤネさんが質問を取りまとめて下さると、ミドリちゃんが手を挙げられました。内容は以前カフェで会った時の会話について。それについては、セイア様とセイバーさんから答えがありました。
『恐らくサーヴァントを自治区自体が保有して軍事力として扱う、もしくは実際に使って聖杯戦争とは無関係の争いごとを引き起こす。あたりではないかな?』
「それからサーヴァントのスキルや宝具はなにも直接的に武力と関わる物だけではないからね。中には社会に対して大きな影響力を持つもの……たとえば莫大な資産を生み出せる物もあるんだ。そういったものを使ってキヴォトスに混乱を齎す、というのも彼の口振りから察するにルール違反になるんじゃないかな」
なるほど、確かにと頷いてしまいます。セイア様の言う通り、セイバーさん達を軍事利用するとなればそれは自治区同士のパワーバランスが大きく崩れかねません。大人で、一応令呪によって命令を聞かせる事も出来て、しかも宝具なんて凄い力もあるんです。そしてセイバーさんの話も理解できます。そんな凄いスキルや宝具があったら、私だったらたくさんペロロ様グッズを集めてモモフレンズ専門ファンシーショップのフランチャイズ経営を始めちゃいますもん。 - 4041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/06(木) 23:56:19
「そうだとしたら、その件について考えるのはハッピーエンドを迎えてから、ですね♡今は問題ないわけですから……また全部終わってから考えましょう」
終わってから。その言葉が、実感を伴ってしっかりと耳に届いてくれます。終わらせられるかもしれない、誰も犠牲にしない方法をやっと見つけられたかもしれない。だから、終わってからの話も出来る。そう思うと、胸が一杯になります。
『……ハナコさんの言う通り、終わらせてからも問題はありますから今は目の前のことに集中しましょう。ですから次は、他陣営との交渉についての議題に移ります。まずは───聖杯陣営について』
【④聖杯陣営】
・怠惰のランサーへの対処(>>293)
・怠惰のランサーへの対処について師匠であるアサシンに協力してもらえるよう交渉すべきか(>>294)
・その他、残るサーヴァントについて(>>293)
『こちらの陣営についても分かっている事はそう多くはありません』
「……かなり大味ではあるけど、私達は今後の方針も決めました。そしてここの陣営については恐らく話し合いの余地なんてない。だったら今話すことは一つ」
「───この陣営の倒し方ですね」
だからもう、止まっていられない。新しく出てきた人達なんかに負けていられないんです。
- 4051じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 00:03:49
というところでキリが良いからおしまいじゃんね☆
残りの聖杯陣営、アーチャー陣営、ランサー陣営、ライダー陣営、なぜか陣営じゃないし分類わけしにくかったシュロちゃんについてはまとめて明日で終わらせるじゃんね☆
質問自体がシンプルだったのと目新しく話すことがそんなにないじゃんね☆
一応、聖杯陣営とアーチャー陣営とランサー陣営までは会話文書けたからまた肉付けじゃんね☆
ライダー陣営は半分、シュロちゃんは手を付けてないけど、まあなんとかなるじゃんね☆
ボーナスの内容も明日か明後日になる深夜で出すじゃんね☆土曜は行動安価じゃんね☆
明日は早帰り!なので今度こそ19時半からじゃんね☆お昼にもアナウンスするじゃんね☆
あとボーナスとは別でプチ安価あるじゃんね☆
それでは今日も遅くまでお付き合いくださりありがとうございました!開始遅くなったり投下出来なかったりでごめんなさい。明日はそうならないよう頑張ります!
ではではみなさま、おやすみなさい……じゃんね☆
久々に明るいシーンがいっぱい書けてよかったじゃんね☆明日も明るいシーンはあんまりだけど良い雰囲気で会議は終わるじゃんね☆ - 406二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:11:08
おつかれさまです
希望が見えてきた、かな - 407二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:46:01
とりあえず、黒服が居るところへGO!
多分、怠惰のランサーの話題はある意味アサシンにとって逆鱗だから慎重に交渉してくだちい(不安)
命まで取らんけどと思うけど被害は絶対出る確信があってしまうスカサハ師匠 - 408二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:56:31
聖杯戦争を終わらせるという目的のためにもアサシン陣営には最優先で会いに行きたいな
現状スカサハが最大の希望だろうし - 4091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 01:15:10
- 410二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 04:20:02
行動安価は重要になりそうだな
- 411二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 11:17:31
早めの上げ
- 4121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 12:53:46
- 4131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:30:55
【Recommend BGM……〈Let me think about it〉】
倒さなくてはいけない。それをサーヴァントの方に対して感じるというのはどこか不思議な認識でした。アサシンさんに殺されかけた時も、ランサーさんやライダーさんとの戦いでも。私は恐怖を感じていました。強くて明確な殺意は、鋭いナイフを喉元に突きつけられてちょっとでも動いたら死んでしまう、そんな感触をいつの戦場でも体感してきました。
「なんていうかさ、変な感じだよね」
「私も同じ気持ちです、でも……」
「私やヒフミ達は直接相対したわけじゃない。あくまでシャドウサーヴァントやあの黒塗りの生徒達とだけだ。それでも感じる物があった。なら」
けれど、それとは全くの別種。彼らと私達の知るサーヴァントのみなさんとは全然違うものを見ているような。
「うん。怠惰のランサー……あいつと会った時、すごく怖かった」
在ってはならない物を見た、そんな怖さだったんです。たとえば天敵のような、そういう印象を持ったんです。頭痛混じりの警告が直感を通して訴えかける、倒さなくては私達の居場所が奪われてしまう。まるであの赤い空みたいな、そんな感じだったんです。
「我らは死人だ。嘗て人類史に刻まれた、今は既に亡き在りし日の影に過ぎん。だがこの身の霊基はそれでも脈打ち、血肉はエーテルの粒子となろうと、過日の姿を可能な限り再現している。だが、彼奴らのそれはまるで……腐乱死体のようであった」
直接、怠惰のランサーと相対したキャスターさんも同じ。彼ら聖杯のサーヴァント達は自分達とは違っていると仰られます。 - 4141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:31:48
「何故我がそんな思考に至ったのか、それを上手く言語化出来ん。少なくとも我の知る霊基構築から著しく外れた物であるが故だろう……奴らは真っ当な霊基でもなければ、思考自体も汚染されているだろう。魔力ではない、もっと抽象的な何かを詰めて模った姿……最早、サーヴァントとして扱ってやる事すら元になった英霊は望まんほどに───奴らは腐っていた」
どうしよもなく、終わってしまっている。それが彼らに対する私達の認識なんです。言葉で説明がちゃんとは出来ません。もちろん、彼らの行動を考えれば正当化は出来るんです。でも、それだけじゃない。
「どっちにしても、戦わなくちゃいけないと思う。ユウカ先輩とか他にも、そういうの考えると……下手にその、交渉とかって無理っぽいし……」
「ヒビキの言うように、他の陣営と違って話が出来る手合いじゃない。明確に生徒を殺そうとして、自治区全体を攻めてきた相手だ。目的や本意を探る必要もあるが、やはり単純にどう戦うか、それを考えるべきだね」
ウタハ先輩が渋い顔をして提示されるのはやはり今後の対応と対策について。彼らに対して私達が何をどう感じるかは、ひとまず置いておくことにしましょう。
「そうなると、残っているサーヴァントは四騎。復活したセイバー、ランサー、アサシン、バーサーカー。取り分け危険なのが……放てば心臓を貫く宝具を持つランサーですね」
「アサシンも同様の宝具を持っているけど、あれは因果逆転の魔槍。足が速いでは回避できない文字通り必殺の一撃だ」
残るサーヴァントの中でも取り分け危険視すべきなのが怠惰のランサー、真名をクー・フーリンだと予測される相手です。セイバーさんが言うには因果逆転という特殊な力があるようですね。 - 4151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:35:36
ところで、因果逆転ってなんなんでしょう。
「そのさ、いんざきゃぷてん?とかいうのって結局どういうやつなの?とりあえず即死持ちっていうのは分かったけどさ」
「因果逆転だよ、お姉ちゃん……」
ざっくり、真名解放すると必ず心臓に刺さるというのは聞いていましたが、今一つ分かっていない能力。それについては顎っぽい部分に手を当てたキャスターさんから説明がありました。
「ふむ……モモイよ、そこにある茶を飲んでみろ」
「ふぇ?いいけど……」
澄んだ色のハーブティーが入った桃色のマグカップに口をつけるモモイちゃんは、二口ほど飲んでから不思議そうにキャスターさんを見つめ返しました。
「良いか?お前は今、カップを手に持って液体を口に運んだという行動の結果、茶を飲んだという結果が生まれた。それは分かるな?」
「そりゃそうでしょ?当たり前じゃん!」
「そうだ。カップを手に持って口につけ中の茶を口へと流し、だから《飲んだ》。そしてこれが世の常であり、あらゆる現象に適応される絶対的な法則だ。物事の始まりには必ず結果に繋がる為の原因がある。だが因果の逆転はその反対だ」
私達が当たり前にしていることを例にしてその反対を想像してみろ、と言われても中々上手くいきます。言葉では出来るんですが、映像として思い浮かばないんです。そしてそれこそが因果の逆転と呼ばれる物なのだとか。
「宝具を撃ったから心臓に刺さるのではない。心臓に刺さった結果が最初から既定され、その後に宝具が放たれるのが怠惰のランサーやアサシンが持つ宝具の正体だ」
「違和感や不思議に感じるだろうけど、それが正常な反応なんだ。因果逆転は半ば権能の領域、つまり神々の御技に等しい。要するに僕らの生きるこの世界の法則では説明するのも理解するのもそもそも出来ないラインの術理なんだよ」
「テストで言えば受けたら100点満点なのが最初から決まっているのよ。勉強してたからとか山張りが上手くいったからじゃない、最初に100点を取ってから白紙の問題文を埋めていくような物なんです」
キャスターさんやセイバーさん、古関先輩がそれぞれ説明してくださいますけど、ふわっとしか理解が出来ません。だってセイバーさんの言う通り、違和感しかないんですから。 - 4161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:37:30
「え?それズルじゃない……?」
「ズルだろうね。だから必殺なのさ。怠惰のランサーが放つ槍よりどんなに足が速くても撃たれてしまえば、『相手は足が速かったけど当たっていた』っていう結果が初めからあるんだ。避けようがない」
正しくズルでしょう。最初から結果が決まってるから、何をどうしてもそれ以外の結果には過程が繋がらない。聞く限り、対策なんて宝具を撃たせないことぐらいなのではと思ってしまいます。
「対策は勿論あるよ。一つ目に運命力。僕らの持つ幸運がそれだけど、ランサーの宝具が結果を決める力よりも相手の幸運が高ければ致命傷に届かない。もう一つはもっと単純に背中を向けて範囲外に逃れれば良い。どんなに槍が当たる結果はあっても、射程外に逃れれば届かないという当たり前が優先されるんだ」
「とはいえ、相手は腐ってもケルトのクー・フーリン、そしてあのスカサハ。真っ当な手段での目の前からの逃走は困難を極めるでしょうし、何より伝承によればあの槍には治癒阻害の呪詛もあります。総じて、相手にするのは得策とは言えません」
おまけにあの宝具はやたら魔力の消費も少ないんだよね、とセイバーさんが愚痴られますからいよいよもって怠惰のランサーの脅威が身に染みます。真名だと思われるクー・フーリンという方が大英雄と呼ばれるのも頷けるぐらい破格の宝具です。
「でも戦わなきゃいけませんし……それなのに、怠惰のランサーだけじゃなくてアサシンさんまで同じような宝具を持ってるんじゃ……」
それが今回の聖杯戦争で同質の宝具を持っている方がもう一人。戦うとなるとかなり厄介な状況だとみなさんと頭を悩ませていると、おずおずと一人の方が声を上げられました。
「アサシンさんは……あの、協力関係になれば……対策とか考えなくて良くなるし……それに……そうなったら怠惰のランサーについては……お、お願いしちゃう、っていうのは……どうかな?」 - 4171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:41:10
- 4181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:41:55
思い返すと黒服さんを振り回しているような言動があちこちに見えていた気がします。今考えると病院でランサーさんと戦ってた時も宝具を使用する時の決定権が彼女の方にある振る舞いでしたし。
「あの手のタイプはかなりこう、気難しいからさ。とりあえず頼んでみるのには賛成だけど、上手い事彼女の気持ちと闘志を擽る言い方をしないと……ね?」
どうなるか、ちょっと想像していましょうか。
イマジナリー師匠「ほぉ、自分達には無理だから馬鹿弟子の対処を私に任せたいと?随分なご挨拶だな?だがお前達の気持ちも分からんでもない、そこでだ。お前達がそんな軟弱な申し出が出来んように儂手ずからちと鍛えてやろう。そうすれば私に頼る必要もないだろう?ん?違うか?いいや、違わないな?何故ならこの私がそうだと決めたのだから。ああ、安心しろ。お前達にも時間がなかろう、それに合わせてやる。やり方は簡単だ、今から儂が放つ宝具を避ければ良い、実践形式というやつだな。準備はいいな?習うより慣れろ、ではいくぞー!げい・ぼるく・おるたなてぃぶー!」
あ、ダメかもしれませんね。少なくとも丁寧に交渉しないと難しい気がします。
「と、とりあえず黒服さんとの交渉をする時に頼んでみるだけ頼んでみましょう!上手くいったら御の字って事で!」
「そうだね。最悪、力が借りられなくても……なんとか相手を追い込んで被害が抑えられるような状況を作ったところで僕が遠距離から宝具を撃っても良い」
当たりさえすれば確実に倒してみせるよ、と意気込むセイバーさんはとても頼り甲斐があります。 - 4191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:43:38
ただ気になることも一点。ずっと前に聞いたのとビームが出せるという話は伺ってましたけど、実際のところセイバーさんの宝具威力はどのぐらいなのか。
『……ちなみにその際の宝具による被害はどの程度かしら?』
リオ会長からの質問に、セイバーさんはちょっと考えてから爽やかに答えてくださいました。
「そうだな……もしこの拠点からミレニアムに向かって撃つとちょっとこう……射程10kmの射線上が全部焼け野原、みたいな……?」
訂正です。爽やかなのは笑顔だけで説明はかなり言い淀んでますし、内容はとんでもない爆弾でした。
「却下です」『却下よ』「ねぇ、やっぱりセイバーさんの宝具使いにくくない?」「被害が甚大過ぎるな」「サーヴァントの方を相手にするにしても使い所が難しすぎますね」「それ言うとキャスターの宝具は使い勝手良いよねー、あんまり被害出ないし」「使用後の損耗が著しいがな」「スパルタクスのはカウンターだから威力調整はタイミング次第だからまあ」「過剰火力……あれなのかな、セイバーさんって意外と火力ロマンビルドみたいな」「アリスのスーパーノヴァも負けていられません!」「や、やめとこうね、アリスちゃん……」「ほお!強化プランですか!大した物ですね!」「そういうことなら私たちも……」「それはナイスだね。実は既に私達の方で光の剣を強化する案は幾つか検討していてね。その中でも火力となれば『予算減額』……リオ、私達は話し合う必要がある。そうだろ?」『うへー……セイバーさんはアビドスに来る時は必ず一度連絡してね?』『ヒフミさん同伴でお願いします』『やれやれ、君達。この話を聞いて一番困惑して胃薬を頼るのが誰か分かるかい?そう、私の代わりに現ホストを代行していて聖杯戦争が終わった後にセイバーが住むだろうトリニティ自治区の代表であるナギサだよ』「圧制者ぁ……」『失礼な、友情だよ』「それスケープゴートって言うんですよ」
実際そんな宝具を自由に使うとなったら自治区の方に頼み込んでおくか、それこそ撃った先が水平線でもないと危なくて仕方ありません。それだってオデュッセイアの船とかもありますから、そうポンポン撃てませんし。 - 4201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:44:52
「ま、まあ!ほら、ね?アサシン達との交渉が上手くいけば、ね?はい、この話は終わりとしよう!いいね?」
『……とりあえず、アサシン陣営との交渉については怠惰のランサーへの対処と聖杯へのシステム干渉を要求する形でいきましょうか?』
セイバーさんが念押ししたところで話は次の話題へ。どちらにせよ、アサシンさんと黒服さんにお願いする事が固まったわけですしひとまずは次に進んでも大丈夫でしょう。
「そうですね。特に前者であれば最悪、アサシン陣営への要望ではなく監督役への要求という形であれば通せるでしょうし」
「そっか……監督役の仕事だから対処してってお願いするのもありだもんね」
『残る聖杯陣営のサーヴァントについてもそうね。対処も含めて私達だけで対処する必要は出てくるでしょうけど、監督役なんて役職持ちを利用しない手はないわ……それを見越して、ヒフミさん達に招集をかけていないというのも考えられるけれど』
よくよく考えてみると、監督役という立場である以上は私達のような通常の陣営に関してはルール違反をしない限りは干渉なさらないでしょうけど。聖杯陣営、新しく出てきて自治区そのものへ攻撃してきた彼らを相手にするとなれば話は別です。少なくともその一点に関してはほぼ間違いなく協力関係が築けると思います。
『とはいえどこまで強気に出るか、は難しいけどね。お互いがと互いの喉元に刃を突きつけられる、そういう交渉になるというのは覚えておいた方がいい。過剰な要求に応えかねないと彼方が判断した時、刃を振り下ろす先が我々へ向く事は言わずともさ……なにせ人の心はままならない物だからね』
交渉には最大限の注意を払う必要があります。なにせ相手は何を考えているのかまだ分からない黒服さんとあのアサシンさんです。強気に出るので、下手に譲る姿勢を見せるのでもなく、まずはしっかり情報を探りつつ毅然と私達の立場と意思を示すのが肝心ですね。
ミノリさんの時や、恐らくサクラコ様を相手にする時に必要になってくる《理屈じゃない感情の部分で殴っていく》交渉。黒服さん相手の場合は、そういった形で私の想いを伝えるかどうかも見極めなきゃいけません。敢えてロジックを重要視する、つまり両者のメリット・デメリットをはっきりさせる本当の意味での取引が必要になるのかもしれません。 - 4211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 19:59:12
「ひとまずの結論としては、そんな所でしょうか。では、残りの陣営についても話をしていきませんか?」
聖杯陣営に関してはとりあえずこれ以上についてはお手上げです。戦力的な規模感とかは多少分かりますけど、目的も敵のマスターにあたる人も何も分かってません。各個のサーヴァントへの対処、というよりいち早く相手の拠点を見つける事が肝心になってくる気がします。
「聖杯陣営の他のサーヴァントとかの話はいいわけ?」
とはいえかなりざっくりした内容でしたからね。コハルちゃんの疑問も最もです。
「宝具の真名から読み取れる部分は確かにあるんだけどね。たとえば暴食のセイバーなら……恐らくはローマのネロ帝だろう」
ネロ帝。不思議と聞き覚えがあるようなお名前です。郷土史かそれとも歴史の授業、それか古典文学か何かで聞いた事があるのかもしれません。
「アサシンは……こればかりは情報が少ないな。負の感情とは言え女子どもへの関心が強い、故に立ち合うならばお前達も注意しろとしか言えん」
「バーサーカーに至っては映像記録にも情報がほぼ残っていない。あれは多分そういう情報を秘匿する宝具持ちだろうね」
嫉妬のアサシンは一之瀬アスナさんと対峙した時の発言から、そしてバーサーカーの方はツルギさんを相手に勝ち越したその戦闘能力と映像越しにも詳細が分からなかった点から。それぞれ警戒すべき部分が大きいです。とはいえ、これらの話については。
「結構話すことあるじゃない!」
「コハルちゃん、これ全部報告書の内容なんです……」
「う、うそ……!?」
嘘じゃないです。なんなら今コハルちゃんが目くりかえしてる資料の後ろの方( https://x.gd/foUMe )に書いてあります。
「改めて話し合える内容がない訳ではない。たとえば権能なる物を含めた特殊な霊基、奴らの宝具と思われる黒い生徒について、そして《未完成》と言っていた意味と冠位について触れていた部分。だが、話すべき事柄もそれに対して分かっていない内容も多過ぎる」
- 422二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 20:06:33
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- 4231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 20:07:31
「今ここで考えて、よりは拠点も分かっていてマスターの顔が割れている陣営について先に話をまとめて片付けるのを優先しようという話というわけだ。コハルも今は大丈夫だし、まだ目を通しきれてないメンバーもいるだろうけど、また後でゆっくり読んでくれたら良い」
ミノリさんがフォローを入れてくださったところで、私も今の話題を外して新しい空気にする為に、次に話したかった事を口にしました。
【アーチャー陣営】
・トキの説得について(>>293)
【ランサー陣営】
・サクラコの心を開くには(>>293)
・マリーの覚悟についての何か心辺りや思い当たる事が無いかウイに聞く(>>295)
「トキさんに関してはもうシンプルですね!黒服さんとの交渉が上手くいってアサシンさんに協力を取り付けられたら……!」
「予備システム経由で聖杯に干渉、そして稼働停止も現実的になってくるだろう。そうなれば、彼奴は願い自体を叶える必要がなくなる」
トキさんの願いは恒久的な聖杯戦争の終戦。もう二度とキヴォトスで聖杯戦争が起きないよう、出現した大聖杯に自分を管理システムとして組み込むというトキさん自身を犠牲にするものです。でも、黒服さんとの交渉、そしてアサシンさんが大聖杯へ干渉出来ればそれ自体しなくてよくなります。
「トキさんの願いが頑なだったのは現状、確実に聖杯を止めるプランが彼女のやり方以外になかったから。だからまずは彼女とは違う確かな方法を、私達が見つけたハッピーエンドへの向かい方を黒服さんとの交渉を成功させて手に入れる。そうしたらきっと、話し合いもそのために考えることもずっと単純になる筈です!」
「ランサー陣営についても同じだね。聖杯を止めてもキャスターが用意してくれる魔力炉があれば現界を続けられる。事実上、ランサーの受肉が叶うんだ」
「その上で聖杯さえ止められれば、ヒフミちゃん達にかかる負担の問題も解消される。どちらの陣営も、特にアーチャー陣営に関してはほぼ問題はありませんね」
マリーちゃんの願いにしたってそうです。聖杯からの魔力供給やその拒絶反応を解消しない事には説得が難しいと思われていました。でも、今は解決の糸口が用意できそうです。
- 4241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 20:41:36
アサシン陣営さえなんとか出来れば、そのまま残る二つの陣営の攻略も進む。何より、彼女達がもうこれ以上辛い想いも苦しむ事もなくなるかもしれない。そう思うと───。
「ねぇ、やっぱり何か気になる事あるの?……ハナコ」
そう沸き立ちそうになる中、ふいにコハルちゃんがハナコちゃんへ呼びかけたんです。
「ハナコちゃん……?」
私達の視線が集まったことに少し困った顔をしつつ、彼女は小さく俯いてから躊躇いがちに話始めました。
「……腑に落ちないんです」
「えっと……あ、もしかして黒服さんの事ですか……?なら今のうちに気づいた事を」
話し合いましょう、そう呼びかけようとしてすぐに違うと気づきました。だって彼女の険しい表情の中には切ないぐらいの心配の色があったからです。
「……私が腑に落ちないのは、サクラコさんの事です。彼女も他の上級生のシスターの皆さんも、私達への対応があまりにも過剰でした。もっと言えばシスターフッド全体がです」
「それは……確かにだけど」
あの時一緒に大聖堂に訪れたミドリちゃんも思い返しながらそう言います。実際、あの時はサクラコ様が私達にお声がけしてくださらなかったら一発触発という状況でした。
「トリニティでシスターフッドという団体は、権威ある部活動であり社会的にも学内でも地位があります。現に、エデン条約の折、一時的にですがシスターフッドが全権を握れたのも、文句が言われないだけの地位と権威があってこそ」
ただそれはマリーちゃんについての事を触れられたくない、もっと言えば彼女を想っての行動だと私達は思っていました。 - 4251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 20:52:12
「ですが、それでもシスターフッドはあくまでトリニティの一部活。一応の力関係はティーパーティの方が上なんです。だからサクラコさんがするような何一つ喋らず黙秘を続けるというのはただ自分達の立場を悪くし続ける悪手と言えます。それこそ、幾ら正式ではなくてもティーパーティからの要請を無視する……そんな事、いつまでも続けられる筈がない。割に合わないんです」
『……そうだね。確かにサクラコは私達からの要請にも何も知らないの一点張りだ。あからさま過ぎて、いっそ笑ってしまったほどだよ』
確かに聖杯戦争とそれに関連した内容を公にすることはどの自治区にしてもないでしょう。サクラコ様の対応だって、マリーちゃんが席を辞した今、知らないという言い続けて有耶無耶に、というのももしかしたら可能かもしれません。そう、もしかしたらです。そんな粗雑な対応を、いくら公的な問題にまで発展させづらいとはいえティーパーティがいつまでも許すはずがない。だって、そんな事をしたらティーパーティの権威が崩れてしまいます。だからいつかは、知らぬ存ぜぬに対して強権が発令される。そうなれば、シスターフッドと言えど、立場は危うくなる。それぐらいの政治的な流れは、サクラコ様だったら百も承知の筈です。
「……サクラコさんは多分、何か大事な物を隠しています。いえ、より正確に言えば、隠したいわけではないのかもしれません」
隠してる、けれど隠したいわけじゃない。ハナコちゃんの不思議な言い方の真意を知りたくて、つい半歩前に出そうになった足と唇。
「───そこまで分かっていながら、貴女は暴くって言うの?」
それを止めたのは古関先輩でした。
「……ウイさんは、《やっぱり》ご存知ないんでしょう?」
哀しそうとは違う、どちらかと言えば傷を見るような辛そうな目で納得するハナコちゃんに古関先輩は鼻を鳴らしました。
「知るわけないでしょ?私はあくまで文献を漁ってあれこれ指示しただけ。伊落さんの直接的な治療なんてそんなに関わってない……頼まれたのだってヒナタさん経由。伊落さん本人と何かを話したとかそういうのじゃない。シスターフッドが何を考えてるかなんて私には分からない。でも……」
少し間を置いて彼女はほんの少し羨ましそうに言われた。
「ヒナタさんも、歌住サクラコも……伊落さんも。仲は良さそうだった、お互いを大切にしてた」 - 4261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 21:02:21
病床での話だけどね、と肩をすくめる彼女に私達は何も言えません。私自身、拒絶反応の症状を体験しています。そして、マリーちゃんの身を襲った症状についてもセリナちゃんから聞いています。だから、古関先輩の言う病床がどんな状況だったのか。私の時のように対処が確立していないマリーちゃんの時、どんな悲惨な事になっていて、その中で彼女が何を見て大切にしていたと噛み締めるように言うのか。想像も及びません。
「それなのに、伊落さんはそんな大切な全部を捨てた。誰かを殺してでも叶えたい願い。聖杯戦争に、全てを投げ捨てても臨んだ覚悟。それは何も捨てた側だけじゃない。捨てられた側にだってあるの。だから……他人がおいそれと踏み込むって言うのなら、私達には覚悟がいる」
─── さぁ、着きました。シスターフッド自慢のテラスガーデンです!
───今日の為にサクラコ様と何度も練習してみた自信作なのですが……
─── まぁ……嬉しいです
あの日。マリーちゃんが槍を向けてシスターフッドを辞した日。それでもお茶会の時はあんなに嬉しそうにシスターフッドの事を、自分の大切な居場所についてお話してくれていました。お菓子もお茶も、そしてテラスも。全部、先輩の方達と一緒に用意した物だと。それを彼女は一夜で全てを捨ててしまった。あれほど、嬉しそうに語っていたのに、あれほど大切にしていたのに、あれだけ。
《シスターフッドに所属している事を宝物のようにしていたのに》。
「浦和ハナコさんだけじゃない、貴女達も。今のままでも解決できるかもしれない、なのにそれでも知りたいのなら。有無を言わせぬ暴力で解決するんじゃなくて、相手が尊厳も何もかもかなぐり捨ててでも後生大事に抱えてる秘密を知った上でハッピーエンドに辿り着くというのなら……覚悟を持ちなさい」
古関先輩の言う通り、ハナコちゃんは腑に落ちないといっていますけれど、別に《サクラコ様に聞く必要はない可能性だってあるんです》。黒服さんとの交渉、そしてアサシンの聖杯への干渉。これさえクリアしてしまえば、現状だってカタコンベの地図がありますからマリーちゃんに会いに行けます、交渉が出来ます。
「……手紙、あったんでしょ?」
でも、まだやり残した事がある。まだ知らなくてはいけないことがある。そう直感が私に訴えるんです。 - 4271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 21:10:04
- 4281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 21:13:01
「もう一度、もう一度だけで良いんです……サクラコさんに会ってはもらえませんか?」
トリニティの大聖堂。そこにいらっしゃる歌住サクラコ様に、もう一度会いに行く事。
「居場所の見当はつきました。地図は手に入りました。マリーちゃんの願いだって分かりました。本当だったらもうサクラコさんと会う必要もありません。黒服さんとの交渉が成功次第、直接、カタコンベに乗り込めば話はきっとそれで済むのかもしれません。でも、どうしても私は納得がいかないんです」
静かに、けれど深く。腑に落ちない、という理由ではあるけれど、その内側にはハナコちゃんの痛いぐらい強い想いがある。サクラコさんとも、そしてマリーちゃんとも仲が良い彼女だからこその想いがです。
「サクラコさん達はきっと大切な、マリーちゃんにまつわる何かを隠しています。私はそれを知ってからじゃなくては、きっと本当の意味で彼女の心に触れられない。そんな気がするんです」
その言葉に私は───。
【行動安価です】
【以下の三つの選択肢から一つ選んで下さい】
①サクラコに会って話をするハナコに約束する
②サクラコにはもう会うつもりはないと伝える
③助けてペロロさま〜(自由記入)
【安価先>>432】
【それでは皆様】
【よい安価を】
- 429二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:27:36
③で
ハナコ自身が言ってるように黒服との取引が成立しなかったらダメだってのが前提にあるから黒服との取引が成立した後ならって条件をつけた方がいいかな
後取引内容次第なら最優先に取引履行のためなんらかの行動をしてサクラコと会うのはそのあとになるかもしれないのも
黒服との取引が最優先事項になるだろうし
両者のメリット・デメリットをはっきりさせる本当の意味での取引が必要になりそうだからな
同盟とアサシン陣営両者ともに縛りだらけの契約になるリスクを考慮しなきゃいけないし - 430二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:32:44
①かな
黒服との交渉が成功しようとしなかろうとマリーの心を知らなきゃしっかりとしたハッピーエンドにはたどり着けない気はするし - 431二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:34:10
①
- 432二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:34:13
- 433二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:39:02
まあ会わなかったら上手く行かなそうってのは確かではある
どのみちサクラコも黒服もトリニティにいるから1ターンで二人とも会えるだろうし - 4341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 21:44:31
- 4351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 22:03:38
【①サクラコに会って話をするハナコに約束する】
答えはすぐに出ました。でも頭を下げるハナコちゃんに答えるのが遅くなったのは、周りを見渡したから。みなさんの気持ちが同じ事を確認するのに、二十人もいるとちょっと時間もかかりますからね。
「会いに行きましょう、ハナコちゃん」
「っ、ヒフミちゃん……」
サクラコ様に会いに行きたい。そう友達が言うのなら、私はそれを叶えたい。だって目の前で苦しそうにしてるから。ハナコちゃんはサクラコ様を想って、ヒナタさんを想って、そしてマリーちゃんを想って辛そうにしてるから。なら、私は応えたいんです。
「黒服さんとの話し合いは私達の目的を考えたら絶対に通し切りたい交渉です。そしてそれが叶えば、無理してマリーちゃん達の願いについてを考えたり悩んだり……そういうのしなくていいかもしれません」
無駄、なのかもしれません。効率を考えればもう他の陣営のことなんて見向きもしないでアサシン陣営との交渉に尽力する。どの道、残された期間の中で最善手を尽くすとなればあれもこれもとやるのは、合理性に欠けるかもしれません。
「でも、私はそんなんじゃ納得できません」
───剥き出しのエゴをぶつけて願いを口にした君とこそ、共に戦いたいと思えたんだ。
─── 私はね、ヒフミ。その時、救われたと思ったんだ。
私は私がやりたい事をします。理屈だって大事ですけど、エゴに塗れた本心だって大切にしたいんです。そしてそれは私だけじゃなくて。
「私が欲しいのはいつだってハッピーエンドです。誰かが悲しい顔をしたまま、辛い想いをしたまま」
みんなのエゴも、感情も、想いもです。
「ハナコちゃんの心にしこりを抱えさせたままだなんて、そんな形で迎えるハッピーエンドなんて絶対に嫌です」
目の前で俯いて床を濡らす彼女が、サクラコ様に対して何を考えてどんな事を想像してるのかはまだ全部は聞けてないから分からない。だけど私なんかよりずっと、何か大切な物があって。そして今、もう必要ないかもしれない状況になって会う事だけは譲れないと言ってくれたんです。 - 4361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 22:07:30
「会いに行きましょう、サクラコ様に。会って、話をして、封筒を渡しに行きましょう。もしかするとそれに意義はないかもしれなくても」
だったら、叶えたい。ハナコちゃんの気持ちを大切にしたい。私は、そうしたいんです。
「きっと私達にとっては大事な意味があるんです」
その後。
聞こえた小さな雨音混じりの返事に、私達全員は笑顔を浮かべたんです。
【ライダー陣営】
・ライダー陣営に文句言われない範囲で周辺を風紀委員で監視できないか(>>292)
・ライダー陣営は令呪を使い切ってるはずだが他にゴルゴーン化する方法を持っているか(>>292)
・【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】について(>>293)
『残るはライダー陣営、ね』
『正直な話、彼女達については現状我々の持ち札ではどうにもという感じですね』
あれから少し休憩をしてから。最後の議題に私達は移りました。話す内容は一つ。マリーちゃんやトキさん達と違って、今考えられる案ではどうにも解決できない問題。
それが『聖杯が欲しい』と言ったアルさん率いるライダー陣営についてです。
- 4371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 22:19:56
『残念ながら我々トリニティは介入が難しくてね。そこのところはどうかな?調月会長』
申し訳なさそうに言われるセイア様の言葉に、やはりゲヘナとトリニティとの間にある溝を実感してしまいます。私のような普通の生徒だとそこまで日常で感じる物はないんですが、自治区単位での関わりでとなるとどうしても両校は立ち入れない物があるようなんです。
『……ユウカが万魔殿との会談を取り付けてくれているわ』
ということで、期待の目が向くのはもう一人の自治区の代表者であるリオ会長です。私達が向けた視線に彼女はすっと目線を外されてからぼそっと呟かれました。今入院しているユウカちゃんは、昨日の会議の後に早速あちらの生徒会の方とセッティングしてくださっていたみたいです。そうと決まれば、といきたいところですが、話はそう簡単にはいきません。
「ええっと、それはすごい良いことだよね?じゃあリオ会長のテンションが絶妙に低い理由は?」
『……流れたわ』
「だと思った……」
残念ですが然もありなん、というやつです。
「この状況ですもんね。二割でしたっけ?」
カスミさんの話では現在ゲヘナの中心部はインフラの二割が壊滅状態。都市機能も完全にとまでいかなくても大部分が麻痺しているようです。はっきり言って昨晩襲撃を受けた自治区の中ではゲヘナが断トツで被害が大きいですね。
『おまけに情報どころか物流まで封鎖中だ、徹底しているね。我々もゲヘナの彼女から話を聞かなければ状況の把握にはあと半日は必要だっただろう』
「ですが、一度取り付けた約束自体は白紙になっていない筈です。あくまで流れたのは日付だけ、そうなんですよね?」
確認するのはまだちょっと鼻の先っぽが赤いハナコちゃん。 - 4381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 22:28:25
ちょっと弱々しい声に可愛いなと思っていると、頬を膨らませて気付かれてしまいました。いけません、視線には気をつけないと。だから、アズサちゃん?気をつけるのでスカートの裾を握るのはやめてくださいね、ずれちゃう、ズレちゃいます。このままじゃ、セイバーさんの視界を奪う為に目潰ししなきゃいけなくなっちゃいます!
『(ははは……僕も見たくないから頑張ってね、ヒフミ)』
『(あはは……あとでパンチです)』
失礼しちゃいます、本当にもう。
『ええ。あちら側からの申し出の際も、別にゲヘナに来ることや会談自体を拒んでいるというわけではなさそうだったわ』
「物流まで止めててそれなら、多分私達と話がしたいっていう気持ちはありそうですね。会長、再度セッティングは会長なら大丈夫そうでしたか?」
『誰かのように無理を言うのね、ミドリ……彼方も不眠不休で現場の混乱を収めている筈よ。午前は無理でも今日の午後以降であればねじ込むわ。ただ直前に、というのは流石に難しいわね。申し込んで最速で三時間後……ぐらいに見ておいて』
午後からならゲヘナにも行けると約束して頂けました。午前中どう動くかも決まってませんけど、ゲヘナに行くのならどちらにしてもなるべく早く決めてリオ会長に伝えたいところです。
「どうせなら風紀委員会の奴らに頼めないわけ?ライダー陣営の調査とか監視とか、そういうの」
「既にしていると見た方が良いだろうね。何せ拠点は丸わかりなんだ。自治区のインフラを二割停止させた怪獣の監視はして然るべきだろう」
怪獣、とウタハ先輩が言うのも頷けます。ペロロジラのように大きな姿に変化したライダーさんは正しく怪獣、本当に大きくて強そうでした。
「問題はその怪獣自体をどの程度の脅威として捉えてるかね。ゲヘナ側の意向が分からない以上、下手をしたら監視どころか、ライダー陣営を敵として排除する為の動きに発展してたって可笑しくない」
「わたし達はセミナーとか、ティーパーティとかアビドスのみなさんとかが協力してくれてるけど……」
「協力関係を結んでいない陣営からすれば僕らは大量破壊兵器となんら変わらないわけだからね。黒服が監督役だというのなら、生徒会の動きを牽制しているかもしれないけれど」
「最低でもライダー共が拠点を置く一帯は厳重な監視下にあるだろうな」 - 4391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 22:39:02
復興作業にも人手を割かなきゃいけない筈ですが、反面監視体制にも力を注がなきゃいけない。ゲヘナは恐らく今、てんてこ舞いの状況でしょう。その中で今日予定してた会談が流れるのはあり得る話ですし、そこからもう一度予定に組み込んでもらえるよう働きかけて下さるリオ会長には頭が上がりません。
「でも確か、アルって人はもう令呪を使い切ってたよね?……それなら、昨日見た怪獣みたいな姿にはなれないんじゃないかな?」
ヒビキさんから出た質問は、言われてみればの物でした。アルさんは私達との戦闘で一度、マリーちゃんとの戦闘で一度、そして昨晩の戦闘で一度。合計三回の令呪を使っています。
「……我らが以前対峙し、令呪を使用したタイミングでライダーの魔力が膨れ上がった瞬間のことだ。間違いなく奴の霊基自体の反応が跳ね上がった」
「令呪の強制力は非常に強い。さっき君達は僕の宝具を使うなと言っていたけど、まあ正しい反応だよ。そしてそんな宝具を持つようなサーヴァントを御するのが令呪だ、たった一言の命令で戦場覆すし、霊基の規模をあれほどに拡張させるというのも……説明できないわけじゃない」
あの姿になるのに令呪が必要だった可能性は大いにあり得る、とお二人は含みのある言い方をされました。それを聞いて実はもう警戒の必要はないんじゃ、なんて淡い期待は儚く潰えました。
「だが、隠し玉は隠しておくからこそというのはある。そこの軽挙な阿呆は緊急時でもないというのに令呪を使ったが「あれ?もしかして私のこと言ってる!?」セイバーの言うように令呪とは「しかも無視!?」ええい!うるさい!……ともかくだ」
御二方の様子を見る限り、普通はあり得ないけど例外があるパターンというあんまり嬉しくない可能性があるみたいです。
「令呪とは本来一手で状況を好転させるほどの絶大な効力を発揮する切り札だ。これまでああも容易く令呪を使えたとなれば……奴らにとって令呪とは然程重要ではないと言い換えられる」
「つまり、令呪に頼らなくてもあの姿にライダーさんはなれるかもしれないし、そうでなくても別の切り札と呼べる物を持っているかもしれないわけか」
頭が痛いと私の背中にぐりぐりしてくるアズサちゃんは大変可愛いんですけど、ちょっぴり力が入りすぎな気がします。可愛いから良いですけど、なんでしょうか。 - 4401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 22:59:28
『(猫のマーキングかな?)』
そんなわけないでしょ。
「ライダー陣営に関してはまだ願いの方もよく分かってないんだよね。聖杯が欲しいって言うのはヒフミちゃんが聞いたけど、それだって聖杯で何をするかが分かってないし……」
「やっぱりアルさん周りの人に色々聞いてみるしかありませんかね?今だとカスミさんもいますし、どちらにしてもゲヘナには向かうわけですし」
ミドリちゃんの言うようにアルさんの願いは聞きましたけど、それで何を叶えたいのかっていう具体的な部分に欠けているのは事実です。案外アルさんの事ですからとりあえず聖杯が欲しいって言ってるだけの可能性が、いえ、そんな直感がしましたけど流石にそれはあり得ませんね。というかアズサちゃん?どうしてまたぐりぐりが強くなっちゃったんですか?
「そういえば前に自治区の境界線を調べた時の話はどうなったっけ?ほら、なんか爆発の後がどうのこうの……って!」
「あ……すっかり、でしたね。調べようにもアンプルとか私が倒れちゃったりでバタバタしてましたし……」
『爆破痕……ああ、資料の最後の方に載っているこの写真か。ここまでの話の流れから察するに君達はこの爆破痕がライダー陣営と繋がる手掛かりだと?」
「あはは……じ、実はそうなんですよぉ……ど、どうですか?みなさん、なにかこう……分かることとか……」
セイア様がすぐに察して下さってモニターに拡大表示してくださった爆破痕。七日目に私達がトリニティとゲヘナの自治区境界線、ちょうどその前日にライダー陣営とランサー陣営が衝突した場所で確認した写真でした。境界線の監視塔内部、壁一面を煤と破壊で真っ黒に焦がしている写真。通信用の端末だったりが爆破を受けてか無惨に転がっているのが写っています。 - 4411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 22:59:52
「これだけだと、流石にね。爆発の規模からある程度どんな物を使ったかは試算できるが……」
「うちも解体工事自体はそこまでだしな。資料を見る限りじゃ他の探索箇所と違ってやたら手荒いやり方で痕跡を消してるからって話だが……流石に発破の跡を見て誰がどんな意図でかはな。トリニティに行くついでにもう一度現場に行って見て来るか?」
けれどやはり写真から読み取れる物には限界があるようです。ミノリさんとウタハ先輩が機材を持って確認しに行くと言ってくれてますし、お任せするのも手かもしれない。
『おじさん達も発破の専門家ってわけじゃないからなぁ。弾痕とかならまだしも流石に爆破痕だけだと……一応便利屋ちゃん達の中ならハルカって子とムツキって子が……アヤネちゃん?』
そう、思っていた時だったんです。
『多分ですけどこれをしたの───ムツキさんです』
アヤネさんが静かに呟かれたのは。 - 4421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 23:25:01
『C4やクレイモア、ハルカさんがよく使われる物であれば建物ごと更地にしてると思います。でもこれは、室内全体に爆破痕が残ってしまうぐらい、そして建物自体が壊れない程度に留められた爆破です……ムツキさんがよく趣味で購入されていた小型の爆薬であれば可能だと思います』
便利屋68の方達で爆薬を主に使うのは二人。そのうち、こういった室内で使うような規模感の爆弾を所有してるのはムツキさんの方だという。
「じゃあ、浅木ムツキさんが……?でも、どうして……」
ですが、そのアヤネさんの見解は聞いた時、私は信じ難い気持ちになってしまったんです。だってムツキさんは私達に対してかなり好戦的な、それこそ。
───ここで殺さなきゃ駄目だよ、アルちゃん。アルちゃんがやらないなら、私がやる。
必死なぐらい私達を殺す事に躊躇のない姿でしたから。それこそアルさんの代わりに、と申し出るぐらいです。とてもじゃないですけど、あの姿を見た私にはムツキさんがアルさんと彼女の方針に対して思うところがある、だなんて思えません。
「……確認した限り、この監視塔だけ痕跡の消し方が残りの三箇所と違って《あまりにも雑》でした。私達はこの処理を行った便利屋68のメンバーは、陸八魔アルさんの方針や意向に対して反対意見を持っているのではと考えています……アヤネさん。貴女から見てムツキさんはそういった人物ですか?」
『……ムツキさんは、アルさんの事をとても大切にされていました。それは何も、彼女自身だけじゃない。彼女の生き方と彼女を取り巻く環境も大事にされてたんです』
でも聞いているうちに納得もできる部分がありました。
『気分屋なムツキさんですから、この爆破痕だけでアルさんの方針に対して思うところがあって、とは言い切れません。でも、少なくとも私の知る限り……彼女は今のような状況を望んでいるとは、とても思えません』
それは、《その理由なら》。確かにムツキさんはアルさんの意に反する可能性がある。もし私が同じ立場で、そしてお友達が同じ決断をしたならば、きっとムツキさんと同じ行動をしたかもしれない。この場にいる誰もがそう思ったんです。
- 4431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 23:41:56
【シュロ関連】
・シュロちゃんが言ってた言葉の意味を考える(>>294)
『……ライダー陣営についてもここまでにしましょう。私達アビドス側からムツキさんにコンタクトをなんとか取れないかも、試してみます』
「よろしくお願いします、アヤネさん」
『……出来る限り、頑張ってみます』
便利屋68の方達の中にはアルさんの方針に対して何か思うところがあるメンバーがいるかもしれない。そしてそれはアルさんを除いて一番好戦的に見えた浅黄ムツキさんかもしれない。今日は驚く事がたくさんありましたけど、意外さで言えば一番だったかもしれません。
『これで一応全陣営について話したい事は粗方済んだかしら?他に何かあれば今のうちに話をしておきましょう、その方が合理的だわ』
「あ、それなら私、前にシュロちゃんが言って事が気になってて……」
話がひと段落したところでリオ会長から他にあるかと聞かれたのを良い機会だと思って、私は一つ気になっていた事をみなさんに相談する事にしました。
───風情も解さず何もかも手遅れな鈍間、理念と心中するつもりの頭でっかち、法螺しか吹かない大嘘吐き、一人で歩く事すら出来ない臆病者、曇り硝子を覗いて良い気になる間抜け。
それは昨日、病院にお見舞いに来てくれたシュロちゃんが言っていた言葉。恐らく各陣営のマスターの方を彼女から見ての発言、なのだと思ってはいます。ただあまりにちょっと抽象的なのと悪意がたっぷりなので、どれが誰のことを指してるのか今一つ分からなかったんです。いっそ、答え合わせをする気なんて端からないみたいに。
「……理念と心中なら私だな。ヒフミ達と同盟を組まなかったら変わらず率先して戦う事はないと決めていた。悪様に見るなら、心中と言われてもおかしくないだろう」
そう考えているとミノリさんが眉間に皺を寄せつつ渋い顔で自分の事だと仰りました。
「あくまで悪様というのが肝だな。箭吹シュロと直接の関わりはないが、中々イイ性格をしているようだ。である以上、素直に言葉通りで捉えて良いとは言えんだろう」
- 4441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 23:51:41
「……視点、でしょうか。彼女の目線に立つのが肝心かもしれない。たとえば彼女が語った物の中から単語を抜き出して当てはめていく。その際にも箭吹シュロという少女の観客としての立ち位置だったり、特に風情や曇り硝子、それに……」
続くキャスターさんと古関先輩からはシュロちゃんの言葉自体について考えて下さるのですが。
「いえ、やめておきましょう。そちらのバベッジ氏が仰られたように、どうにも悪様な内容ばかりです。あまり、躍起になって調べるのも変な話でしょうから」
結局、このお話はシュロちゃんの悪趣味な視点で見てるからあまり本気で捉えなくて良い、という結論に落ち着きました。けど、私は。
───……嗚呼でも、あの娘っ子だけは別ですね
最後に私以外にシュロちゃんが好みだと言っていた誰かもわからない彼女のことがどうしてだか気になったんです。
「とりあえず、解析終わったけど?」
会議がちょうど終わったタイミングで欠伸が一つ。
「中身は映像データだった、見てないけどね」
チヒロ先輩が差し出して下さったのは解析済みのUSB。
「だけど、今見るなら気をつけた方が良いよ。だってこれ」
それに貼り付けあるのはチヒロ先輩が書いた付箋。そこに書かれている時間は。
「───多分、禄でもない物が記録してある」
私達の予想とは違ってちょうど先生が憤怒のライダーと戦った直後の時間が書かれてありました。 - 4451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/07(金) 23:54:10
- 446二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 00:11:16
おつかれさまです
ムツキだったか - 447二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 00:31:25
- 4481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/08(土) 01:02:53
- 449二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 09:55:00
お疲れ様じゃんね
このまま第三部に突入するじゃんね - 4501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/08(土) 14:46:42
- 451二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 18:19:00
- 452二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 18:39:50
- 453二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 18:44:51
今日の行動安価どうすればいいんだろうな
とりあえず全員で行動するのもあれだしチーム分けはした方がいい気はするが - 454二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 19:04:30
まとめると
暴食のセイバー → ネロ・クラウディウスorソドムズビースト
強欲のアーチャー → プトレマイオス(青年期or老年期)
怠惰のランサー → 少年期(セタンタ)or青年期(プロトor夜)orキャスター
憤怒のライダー → 丑御前or源頼光
傲慢のキャスター → No Data
嫉妬のアサシン → 謎の多き殺人者(現時点の原作ではアポとfakeで登場)
色欲のバーサーカー→ セイバーorバーサーカーの側面がある
って感じかね。確かに聖杯陣営は「複数の姿(霊基)を持っていること」と言う条件を満たしている。
確かにサーヴァントと言う存在は召喚の条件などでそれぞれ霊基やステータス等異なってくるけど。
……流石に悪意あるだろう、この編成は……
- 4551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/08(土) 21:16:29
- 456二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 22:29:08
おつかれさまです
大事なシーンは時間かかるのも仕方ないですし、気負わず焦らずで大丈夫ですよ - 457二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 00:39:40
お疲れ様です
ごゆっくりどうぞ - 458二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 04:38:16
了解しました
お疲れ様です - 459二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 11:43:11
保守代わりの帆立
- 4601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 13:42:41
【データを再生します】
【9-10日目深夜・特殊イベント】
宵はとっぷりと暮れた頃に、死闘は決着と相なる。平安の大妖はゲヘナの大翼に敗北を喫したのだ。
「……私達の勝ちよ」
憤怒のライダーの胸部にある核たる臓腑、霊核は終幕を飾るヒナの一撃によって見事に撃ち抜かれていた。最早憤怒のライダーに立ち上がる余力はない。
「先生、どうするの?」
“少しだけ時間をくれるかい?”
「……仕方のない人なんだから」
申し訳なさそうに頭を掻いた先生が見つめる先にいるのは憤怒のライダー、その遺骸。最早霊基を構成する何かが泥のように溶け出すそばから粒子となって消え始めている。死に体に違いない女へ、先生は近づいていく。仰向けになって転がる女も、先生の隣に恭しく添い立つ少女も咎めはしない。勝者は間違いなく先生なのだから。聞くべきことを、知りたい事を。その隠された聖杯戦争の。
“一つ、聞いても良いか「あれぇ?」……っ”
ふいに、間延びした声がいつの間にかそこに流れた。
「もしかして遅くなっちゃった?いやぁ、ごめんごめん」
戦場にはとても似合わない、いっそ軽薄なほど明るく平坦な音。
「トリニティからゲヘナに来るのは骨が折れたよ。これでもミルクセーキみたいに急いできたんだけどね?」
ライダー陣営、シャーレ陣営、そして憤怒のライダー。三者が入り乱れた激戦。未だ怪性がゲヘナに襲う戦場に聞こえる筈のない声。
「やあやあ、先生。会えて嬉しいよ。今夜もキャンディみたいなあまーいひと時にしようね?」
柚取ナツが嗤っていた。 - 4611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 13:44:50
先生の隣でヒナは息を呑んだ。柚取ナツという少女と面識があるかどうかなぞ関係ない。ただ、警戒したのだ。ただ、覚悟したのだ。
「おやおや?それが例のわるーい大人?でもまだ死んでないみたい。これでも私怒ってるんだ。なにせアイリの友で私の友、偉大な阿慈谷部長を傷つけたっていう」
“───お前は誰だ?”
先生が今まさに問うたヒトの形をしたナニカを前にして、果たして自分は先生を守り切れるかどうかを。
「……へぇ」
オンナの返答は一言の後に、態とらしく並べられていった。
「やだなぁ、私だよ。柚取ナツ、トリニティの一年生で放課後スイーツ部の“違う、お前はナツじゃない”……いいのぉ?先生が生徒に向かって、お前だなんてさ……なんてね」
分かりきった返事に寧ろ胸中の悦びを隠そうともしない。オンナはただ嗤いながらずるりと輪郭を溶かした。
【Recommend BGM……〈the butterfly flutters〉】
「どうして分かったのかしら?」
口調が変わる。見目が変わる。白く、ただ白く。くすみの一つもない純白に指した紅色だけがやたらと生々しい、そんな姿に成り果てる。
“教え子の事を間違える先生がどこにいるかな?”
語気を荒げず、態度を変えず。先生は目の前で文字通り変態したオンナの様には目もくれてやらず、淡々と問いただす。
「それもそう、なのかしら?ごめんなさい、あまり世俗に疎くって……とりあえず自己紹介でもしましょうか?」
“結構だよ。私はお前と話がしたいわけじゃない”
対してオンナもまた嗤いを絶やす事はなかった。どこまでも先生然とする大人の姿に感涙するほどの愛おしさを抱きながら、恍惚とした溜め息を漏らす。 - 4621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 13:56:08
「どこまでいってもその思考は愛し子の為に。天上の視座とはよく言ったものだわ。つくづく貴方のそれは教師の価値観ではないわね。まるで保護者気取り。素敵だわ、本当に」
“それはどうも。だけど先生なんていうのは大なり小なりこんな物だよ、君の狭い価値観じゃどうか分からないけどね。それで───ナツはどうした?”
熱を帯びて火照るオンナの吐息に、どこまでも冷淡な態度のまま先生は今一番に心配しなくてはならない可能性を潰そうと言葉を重ねる。目の前の女がただ姿を真似しただけならば良かった。だが、先生には《それだけではない》と、先生だからこそ気づく物を知覚してしまっていた。
「慌てないで、良い男。其の煮え滾る視線は心地良いけど、向けるならベッドの中だけにして。……けど、やっぱり素敵ね。事ここに至っても、貴方の思考を埋めるのは私達じゃなくて生徒のこと。嫉妬はあの子にあげてしまったというのに、妬けちゃうわ」
それを理解して今度こそオンナは手を叩く。渇いた拍手は虚なほどに未だ炎が揺らぐ戦場に響いた。だが、表情を見れば分かるだろう。まるで恋する乙女のように浮かされるその瞳は、目の前の男が察してしまった真実に。
「だからその視線を独占しちゃいましょうか?」
他ならぬ自分が一瞬でも、目の前に現れた柚取ナツではない筈のオンナを教え子だと認識しかけた事実から、既に何が起きたのかを。 - 4631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:02:58
「柚取ナツさんね、彼女とっても親切だったわ。傘をささないで歩いていたらすぐに声をかけてくれてね。それから私達とお喋りまで。でも今の子って凄いのね。ちょっと話しただけで警戒もして、他の子に助けを求めて。本当いじらしいったらないわ!……だからね」
最悪の事態に備えていることを。オンナは純粋に敬意を露わにしているのだ。だからオンナは、至極真っ当に、何が起きたのかを先生に教えてやった。
「味見してしまったの、だってあんまり可愛らしいんですもの」
“ヒナァッ───!”
唇に人差し指を当てながら、美味しかったの一言を添えた時には先生の指示を待つ事なくヒナは動いていて。
「(駄目だ、駄目だ、駄目だ……ッ!コイツだけは、絶対に先生の前に立たせちゃ駄目だ!)」
けれどその銃弾はただの一発も意味をなさなかった。
「其の翅、其の角……嗚呼、ゲヘナの娘か。涙ぐましいのね、カナンの塵拾い。惨めに楽園の端で暮らしているからかしら?そんなに私が……いいえ。先生を取られるのが怖いのね、可哀想に。でも」
早撃ち。間違いなくキヴォトス最高峰に君臨する空崎ヒナの全力を叩き込んだ銃弾は砲撃と呼ぶべき威力。
「大人同士の話に子供が割って入るのは」
高められた神秘は黄昏を染める夜闇のように深い色を纏って、オンナの全身を食い破らんとした。
「ッ!先ッ「───感心できないわね」……が、ぁ───ッ!?」
そんな一撃を、憤怒のライダーを倒して見せた至宝を。突然の雨に降られたかのような動作でその身を腕で抱きしめるように隠した、ただそれだけで。 - 4641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:04:08
“ヒナ……ッ!”
全て受け止めきった挙句、ヒナが知覚するよりも前に目の前に移動していたオンナは埃でも叩くようにして腕を振って、ヒナを叩き飛ばした。
「が……っ……に、げ……っ」
倒れ伏した駆け寄った先生はすぐさま判断する。僅か一撃。たった一手。ほんの一撫でが戦局を傾けた。先生の視界に映った容態。受けたのが空崎ヒナでなければ、ともすれば致命傷に、そう想起するのも止む無しというもの。手持ちの手札では、何をどう切ろうとこの場すら切り抜けられるか危ういという現実が先生の思考にちらついた。
「歓待も抱擁も、憎悪を嘲笑も。なんだって良いわ。なんだって嬉しいの。貴方がくれる物ならどんな物でも天上の法悦。この肌も肉も心も、貴方が望むように貪ればいいと、貪ってほしいと私は想う」
“アロナッ!プラナッ!……ぐぅッ!?”
動揺はあれど指事にも選択にも誤りはなかった。だが打つ手より早く、警告でもするように先生の肩を影が浅く抉る。
「でも、ごめんなさい。レディの支度は時間がかかるの……だから今すぐに貴方と踊るのは無理なのよ」
オンナの足元に広がる影から蠢いて伸びた影の帯。剃刀の如き刃と礼服の如き柔らかさを両立させた妖しく揺れるその刃は先生の肩を切り裂いてから、まるで恋人にでもそうするように彼の頬を撫でる。
無粋な真似を、無駄な抵抗を咎めているとでも言いたげに。
「でも信じて?私達、これでも操を好きな殿方に捧げる尽くすオンナなの。このキヴォトスで私に唯一勝てるのは貴方だけ、貴方以外に私は私の生命を誰にも渡さない。お母様にもお祖父様にも、決して。それだけは間違いないのだけれど」
オンナは嗤う。
「───そもそも産まれていない者は殺せない」
君臨者としてキヴォトスにおける絶対的な法則を先生へと突き告げながら。 - 4651じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:07:16
「お母様が取り揃えた中には色々あったのだけど、やっぱり可愛い子が良いでしょ?とにかく若い雌が殿方の好みかと思って急いで誂えたの!でもその所為で貴方を悩ませてしまったら、ごめんなさい。処女というのは触れざる物。概念として私に勝ちや負けはあり得ないの。もっとも、貴方が私を肉欲にかられて洗礼でもして下さるのなら……話は別でしょうけどね?」
ちろりと赤い舌を出す淫靡な姿は悍ましいばかりの凄艶な色香を漂わす。酒精と見間違うような娼婦の艶姿は、これまでの聖杯のサーヴァント達の怨嗟に満ちたそれとは方向性がまるで違う。
彼らのはどこまで行っても極限の憎悪。赦し難い、認め難い、決して受け入れてなるものか。そんな絶望の果てに生まれた罪咎なぞとは似ても似つかぬ。
オンナのそれは秘める事も忘れた剥き出しの獣性であった。
「でもこれだけ熱烈なアプローチを殿方から頂きましたし、そうね。折角だから、私達も贈り物。安心して私達だけを見てほしいから、ね?───柚取ナツさん、だっかしら?可愛いくてとっても良い子だったわ」
“……答えろ。あの子に何をした”
「慌てないで、ちゃんと話すんだから!……はしたない話だけど、確かに柚取ナツは味見してしまったわ。でも大丈夫!何日かすれば生体機能はちゃんと回復するの!生徒達は大事な大事な私と貴方の子供。これからの戦争で使い潰して大事な贄だもの!無駄遣いなんて出来る奥さんはしないわ!あ、ただ」
食べたと言っておきながら、オンナは惚けてはにかむ。頬に手を当て照れるような仕草は言葉にすれば愛らしい。
「体は無事でも魂を貰っちゃったから、廃人にはなってしまったかもしれないわね?」
だが実態はどこまでもどこまでも深く堕ちていく、真っ黒な悪意の泥濘。
“お前ッ……何をッ、誰にッ!言っているか分かってるんだな……ッ!”
「でも気になさらないで!言ったでしょ?安心してほしいって。もしも聖杯戦争にあの子が参加する事になったらちゃんとお返しするわ。今まで餌にしてた他の子だってそう!えすでぃーじーず、でしたっけ?ふふっ、環境に配慮してちゃんと使い潰すなんて無駄な事はしてないわ!私の子宮で眠る子達であればちゃんと、《必要なその時まで》、ね?」 - 4661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:09:15
先生は何も返さず。ただ服のうちに無事な右手を伸ばす。何をするつもりかなぞ、言わなくても分かるだろう。シャーレの先生だけがこの世界で持つ、奥の手。我が身も魂も時間も削り、凡ゆる盤面をひっくり返す究極の一。
“大人のォッ!?っ!?ぎぃ……くッ……ッ!”
それを取り出さんと伸ばした手を、服の上からオンナは影の刃で咎めた。何をしたかは、服の下にある手を庇いながら膝をついた先生の足元に流れ始める真っ赤な水溜りを見れば分かるだろう。
「……連れない方。そういう下らない真似、やめて頂戴。だって私、これでも貴方のことを気に入っているんだもの。たかが子供の為なんかに貴方の魂と時間をを削って欲しくなんかないの。幾らこれから二人、死すら別てぬ永久を添い遂げるとしても、その前に貴方が自分を使い潰しちゃうだなんて……そんな悲しい結末、伴侶として認め難いわ!なんだったかしら、そうそう」
もっと自分の身体を大事にしてと、若い伴侶に言い聞かせてみせるような反吐が出る光景。
「───まだまだ続けていくんですぅ、でしたっけ?」
小馬鹿にして、どこまで嘲り侮辱する言葉。だが、今この場でそれを訂正出来る者は誰もいない。オンナの独壇場は続く、続いてしまう。
「シャーレの聖者、シナイ山の落とし子、聖なる只人、そして私のアダム・カドモン。ミデヤンでムーサがしたように、貴方が世界を裁くのを私は今か今かと待っているわ。血と肉を糧に病める者への祝福を。邪なる不浄の一切に裁きを。灰は灰へと還すのでしょう?たとえばそう、あの時貴方が」
恍惚と頬を熱らせ、目を潤めて、まるで思い出して絶頂するようにオンナは謳う。あの日見た光景を。
「───プレナパテスを壊したように」 - 4671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:14:39
瞬間、先生から溢れ出るのは最早怒気ではなかった。大人として、先生として、子ども達を見守る者としての怒りではない。
“───もう、良い。それ以上……口を開くな”
純粋な、誇りを傷つけられたが故の、殺意。
“お前がッ……彼を、語るなッ!”
生徒を傷つけられ、誇りを貶められた。
一人の人間が、たとえどんな聖人であれ耐えられる筈もなく。力無く垂れ下がり、今も血を流す手の甲で握り潰すほどの勢いで大人のカードを取り出して。
「あら!生徒だけかと思っていたけど……あんな物にまで感情を表に出してくださるだなんて。予想外だけど、でもやっぱり貴方って優しいのね。思わず子宮が疼いてしまいそうよ。けど、そう考えるとやっぱりベアトリーチェは呆れるほどに愚か者ね。こんな良い男を捕まえて脅威だなんて」
『先生ッ!駄目です───ッ!』
次の瞬間にはカードとタブレットが呆気なく地面に叩き落とされて、渇いた音を鳴らした。再び蹲る先生は痛みに呻く。今度は刃ではない。影の帯は鉄槌のようにして先生の腕を砕き、袖の下では皮を突き破った骨を無理矢理引き摺り出していた。
「男なんてのはこれぐらい強引な方が良いでしょうに、ねぇ……ライダー?」
その姿を、嫣然としつつもじっとりとした目線で見下ろしては胎の奥を熱くしつつ、けれどオンナは名残惜しみながらも足元へと目をやった。
視線の先にあるのは崩れかけた霊基。その身に留めている魂が、座に還るのも時間の問題といった様子であった。
「はあ……本当に貴方って駄目な子ね。一番使い難いから一番分かりやすい権能を上げたっていうのに、全然使えてないじゃない!」
死に瀕した従僕に向かってドレスの裾を翻したオンナがしたのは、あまりにも冒涜的と呼ぶべき行為。
「アーチャーもランサーも役立たずだし、貴方だってそう!アサシンは壊れちゃったし、バーサーカーは相変わらず娘の尻ばかり追いかけてる!もう!揃いも揃って死んだ女が忘れられないのかしら!……やっぱり廃品は駄目ね、おさがりはこれだから。でもセイバーはよく働くし……元の違い、かしらね?」
自らの足元で蠢いて影の帯を幾十と束ねてからまだ残る憤怒のライダーの霊基を侵すようにして傷口へと注ぎ込み始める。 - 4681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:16:07
悲痛な絶叫はすぐさまに戦場に響き渡った。魂そのものを凌辱されるような汚染によって、霊基の消滅は停止させられる。回復ではない、修復でもない。壊れた細胞が出鱈目に分裂していくようにして、ただ無理矢理消えていた四肢と、空いた穴に肉が満ちて塞がっていく。
「はぁ……あの時もそうだったみたいだけど、お前って本当女々しいわね。セイバーをご覧なさいな!あの子ったらもう泣く事だって忘れちゃったのにお前はどうしてそんなにいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもォッ!……って、あら?」
あまりにも傲慢不遜。如何に汚染された霊基とはいえかつての英霊の記録たるサーヴァントに対する仕打ちとは思えぬ悪逆。目の前で繰り広げられる背徳に満ちた癇癪に、唾棄すべき邪悪を前にして、痛む右腕を庇いながらも先生はオンナを睨みつけた。
「まあっ!貴方ってほんと可笑しな人なのね!見ていて本当に飽きない、心の底から愉快な人!どうして壊れた玩具を直しているだけなのに怒っているのかしら?でも良いの?そんなに怖い顔して。だってこれから」
オンナはまた嗤う。なんと雄々しい男なのかと。なんと優しき男なのかと。なんと気高い聖人なのかと。たかが死体を弄り回して手慰みに弄ぶだけで、もう立ち上がってその手に《箱》を持つのかと。
その上で、オンナは憤った。何故この男は、何度も誘っているというのに袖にするのかと。
だからまた、嬌声を上げることにしたのだ。
「大事な大事な生徒さんを傷つけて、顔と身体を掠め取った話をして、もっと貴方に夢中になってもらいたいとし思ってるんですもの!」
だが、またしてもオンナの願いは叶わない。
“ヒナッ……!”
空崎ヒナ、激憤。ゲヘナが誇る単体最高戦力は先ほどの衝撃によるダメージと影の接触による⬛︎⬛︎汚染すら完全に跳ね除けて果敢にもオンナへと強襲した。
「あら、また貴女?ゲヘナの何某なのは分かったけれど、やけに元気ね。いいわ、特別よ?彼の手前だから貴方の名前、思い出してあげる。あの人にちゃんと母親が出来るんだってとこを「喋るッ、なぁアッ!」もうっ!反抗期かしら?」
「先っ……せぇ!ここは……私がッ!」
「ええっとなんだっかしら?……そうそう、ウガリットの。ふふっ、ああ思い出した!貴方アレでしょ!無様で醜い蝿の王!いと貴きって、一体何をその小汚い翅で積み上げるのかしら?」 - 4691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:19:20
砲撃、砲撃、砲撃───ッ。
最早リロードすら惜しいと長銃を振り回して叩きつけていく破壊の嵐は、彼女の焦燥を現していた。
届かないのだ、空崎ヒナの攻撃が。
先生の指揮下であれば並のサーヴァントが単身であっては抗うことすら難しい暴力の乱気流が、何一つ致命傷に繋がらない。まるで子供を頭ごなしに抑え込んで力の差を見せつけるように悠然と、オンナは影の帯を伸ばしてはヒナの攻撃を受け止めていく。
「それで今は確か、宵のバア……いいえ。空崎ヒナ、だったわね?確かに貴方なら頑丈なのも納得、お母さん、感心しちゃった!でもね。ちょっと減点よ」
嗤う、嗤う、嗤う。
ヒナの攻撃は最早抵抗に変わっていた。必死に怒鳴りつけて頭を殴る親の暴力から身を守るようにして縮こませる童女のように。ただただ懸命に弾幕をばら撒いて、銃で薙ぎ払って、いつの間にか涙すらこぼしながら。それでも先生を守ろうと立ち塞がって。
「だって、よりにもよって素敵な殿方の前で無駄にお人形さんを使い潰すのを私達にさせるなんて、娘としてなってないわ」
「せ……ごめ……い……」
全身を帯に貫かれて倒れた。
“……ひな……?”
痛む腕すら忘れて、横抱きにした教え子に開いてしまった虚な孔を、ただ茫然と先生は見た。変わり果て、今にも命の灯火が消え掛かったその姿を。 - 4701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:22:17
「さて、なんの話だっかしら?嗚呼そうだわ!これから益々こわーい顔になるって話!ふふっ、楽しみね。こういうのって浪漫に溢れるじゃない?古今東西、いつだってそう」
ひたりと裸足を一歩分前に出したオンナは両手を広げて廻る。先生と、そしてキヴォトスそのものへと告げる。
「───黒幕を明かすタイミングが一番盛り上がる」
己が忌み名を。このキヴォトスが産んでしまった極大の絶望を。
「改めまして、皆々様。他ならぬ柚取ナツさんとの語らいで見つけた私の名前は───ユスティーツァ」
何人にも冒せぬ神聖なる呪詛を口にする。
「キヴォトスの杯、ユ͔͚̣̪͈̭̊̀̄̌̇͂̐̉͑̿ス̲̱͔̭͎̜͔̖͎̜̩̦̐͊͐̍̽̚テ̗̦͚̪̣͔̟̭̣̝̱͙͑̐̌͊̽̈̾̒̌̈́ィ̘͙̯̪͚̇̾͗́̒̐ー̪̪̩͙̓͑̅͋͋̑ツ͈͔̘͕̱̙̜͖͚̮͈̇̒͒̎̀͊͌̿̃̿ͅァ̰͈̙̂̓̄̔̍ͅ・̪͙̮̖̬̞͎͊͌̎͒̀̀リ̝̣̲̘͈̿̾̒͊̔̚ズ̩̠͉͚͙͉̞̪͚͂̆̅̈̍́̏ͅラ̲̣̬̫̟̰̪̬͌͒̂̊͒̅̋̏̀̑͂イ̭͎̞͈̪̰̜̂̀̆̈͒͐̑ヒ̘͎͇̳͉̱̆́̋͂・̗̪̰̮̗̝̙̟̩͒͑͋̌̍̀̓̊͗フ̫̱̯͎͕̲̅͑͆̐̈ォ͍̥͉̳͍̭̫͖͉͙̣̌̅̒͌̈́ン̦̣̥̦̱̜͙̦͑́̃̉・̗͖̫͖̬͖̬͓͍̰̙̜͛̎͋̐́͒̀͑ア͖͇̥͚̲̱̰̣̭̖̫̰̒̽̎͒͗͗̀̚イ̬̩̭̮͇̯̋͛̌̉̆ン̬͎̳͍͖̀̋̀̔̽̀̈́̓͒͌̈́͊ͅツ̪̘̗͖͇̖̣̰̳̤̇̆̊̍̽̾͋͊͊̐̏̚ベ̰̫͙̜͛͊̒͛̋̒̀͂́ル̪̬̬͓̮̥̘̳̭̯̣͈͒̓̎̾͌̍̅͐̇ン͇̤͇̙̎̿̿̑̃̇̐͂」
決して大きくない声だというのに、雨音に消されてしまいそうなほど高い音だというのに。
「貴方達が求めてやまない、大聖杯の意思であり聖餐の徒」
その醜い情動の果ては高らかに宣言する。
「このキヴォトスに住まう全人類が平等に望みを叶える機会を闘争によって齎す奇跡の果実。これから永遠に繰り返される聖杯戦争の運営者よ」
キヴォトスの終わりを。 - 471二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:28:11
このレスは削除されています
- 4721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:30:22
【9-10日目深夜・特殊回想イベント】
【ゲヘナ自治区・近郊エリア西区】
【2時45分・立入禁止区域外縁】
【Recommend BGM……〈終焉〉】
「まあ……こんな物ね」
瓦礫の上に座り込んで、真っ白なオンナは足をぶらつかせていた。
「ヒエロニムスもアンブロジウスも駄目ね、結局集まってきたあの子達にぜぇんぶやっつけられちゃった!おまけにライダーは、あっちのロートルにやられてしまう始末」
今も遠くから響く怒号と悲鳴に鼻歌を鳴らして嘲笑う。
「まぁ、でもどっちにしても子が母には勝てない、というのは分かったんじゃないかしら?」
座ったままぐるりと首を真後ろに向けたオンナは暫く待ってから肉欲に満ちた生温い溜め息を吐いた。
「……お返事はなし、と。良いわ、逃がしてあげましょう。此処はキヴォトス、どこまで行っても私の箱庭。逃れる術なんてないんですから」
既にこの場にヒナも先生もいない。黒ずんだ足跡が教会とは反対へ、ゲヘナの方へ伸びている。
「それにしても、使えない子。一度も二度も変わらないだろうに、まだあんなモノにしがみついて」
オンナはまた嘆息してから自身の足元に転がる、焦げた塊に目を向ける。
「どの子もほんっと役立たず!親が殺して良いと言ったんだから、殺してしまえば良かったのよ。我慢は身体に悪いわ、特に貴女達は、ね?」
苛立たしげに微かに呼吸する焦げたソレへ一蹴り入れてから、オンナはそれを汚いものでもみたかのように顔をしかめてから影の裡に呑み込む。
「ほんと、つかれちゃったわ」 - 4731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:31:14
オンナは立ち上がり、伸びをする。ソレに合わせて遠く遠く、遥か先まで影は伸びていく。
「うぅん、でも良いわ!だって素敵な一幕だったもの!恋に焦がれた愛しの伴侶をやっと見つけた生娘の気分っていうのはこういう物かしら!素敵ね、アイリスフィール!幼いままに組み伏せられた貴女もこんな気分だったのかしら!」
調子外れの嗤いはすぐに鳴り止まない。夢で覆われたその眼には、嘲りしか映らない。
「まあ良いわ!どっちだって良いの!なんだって良いの!楽しい楽しい戦いはまだ始まったばかり!何せ私達はようやく形を成したばかりなんですから!折角超人だっていないんです、しっかり羽を伸ばして数を重ねていかなくちゃ!」
そして目は、舐めるように足跡を見た。必死に籠から飛び出した憐れな小鳥の行末にほくそえんで。
「いつまでも良き闘争を、そうでしょ?シャーレの聖人様。貴方の健闘は、既に始まってしまった聖杯戦争を思えば小指の先ほどの抵抗でしょうけど」
籠から出ても、外の世界にはいけない事を知らない無垢さに愉悦して。 - 4741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:36:51
「もしかしたら私達に届くかもしれませんから。そうなったら、とても素敵ね。貴方と私、奇しくもへその緒を同じくする者が仲良く殺し合うなんてまるで経典をなぞるみたい。その為に、私も貴方に見合う素敵なレディにならなくちゃね」
オンナは軽やかな足取りで歩き出す。けれどその足音が聞こえる事はない。
「二週間で七人。次の二週間でもう七人。貴方が七人育てたなら、私はその七人殺しましょう。繰り返し、繰り返し、十四日目の夜が明ける度に七つの仔羊を荒野で殺し、朝日と共に七つの贄を用意しましょう。甘い蜜を餌にしてこの地上を欲望の坩堝に変えましょう」
一歩踏み締める度に、一つ歌う度に。ゆっくりとオンナの身体は影へと沈んでいく。
「果てもなき闘争の末に辿り着く場所こそを楽園と呼びましょう。夜は明けず、円環は終わらず、始まりに至らず、盤外の駒もなく、月の裏は見えず、煉獄は今も燻り、外典は燃やされ、極光は沈んで、偽りは偽りのまま、可惜夜は揺蕩う。そうして蒼銀の欠片を私達は掲げるの。用意したのは花の魔術師も月の蝶も、ましてやあの超人も邪魔は出来ない特等席。お母様が手にした奈落の底。那由多の向こうで万難は廃され、幾星霜の闘争が万願を成就する。欲望の爪で虚構の平穏を剥がされていくキヴォトスこそ、貴方と私、二人が誓う式場に相応しい」
そうして胸まで影に沈んでから、オンナは振り返って唇を吊り上げた。
「さあ───私と貴方で戦争よ?主人公」
最後の言葉は誰にも聞かれる事はなく、けれど星だけがそれを知ってしまって。
静かな悲鳴をあげた。 - 4751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:41:26
【再生を終了します】
【これより先のデータは欠損している為】
【同盟陣営は確認できませんでした】
【それでは皆様】
【よき観覧を】
【9-10日目深夜・特殊回想イベント】
【???・???】
【Recommend BGM……〈希望の地:アヴァロン〉】
「私でも口出し出来ない、ねぇ?また随分と、大口を叩くじゃないか。物を知らない子供というのは本当に……っともう帰ってしまうのかい?」
「嗚呼良いよ、良いよ。無事にヒフミちゃん達に届けたんだろう?君も無理をするものだね。もっとも」
「それをしなければこの世界も終わってしまうから仕方ないけどね」
「……分かっているだろう?アレは生徒では勝てないよ」
「単純な理屈さ。このキヴォトスに親殺しの神話は再演できない。それが出来るのは、全く別のアプローチが出来る彼だけだ」
「とはいえ、私の予想は大きく外れた。西の賢王がまさか最後にあんな贈り物をしていくとは思わなかったからね。確かにあのやり方なら一騎で済むし、予備システムを使うのも妙案だ。それなら次回分で片がつく。こればかりはしてやられたよ……こんな幸運はそうそう巡ってこない。とはいえだ、私達の保険も残ってはいる。心配することはないよ?阿慈谷ヒフミが死のうとこの世界は続いていくんだから」
「それでも君は、彼女に賭けるのかい?」
「……嗚呼、良いとも、私はその旅路を見守ろう。所詮は因数外、空席の観測者。それが私と君の契約だ」
「どうか良き旅を、いずれ終わったその時に溢れんばかりの感動を私に見させてくれ」
「じゃあね、サポートシステムちゃん」
「予定よりずっと早いけれど、これで役者は揃った。いよいよ終幕、いや第三幕の開演だ。君も身体を休めたらまた励むと良い。その果てにこそ美しい紋様は描かれるのだからね」 - 4761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:50:46
やっっっとこさ書けたじゃんね☆続きというか導入書いてくるから安価は19時からじゃんね☆
久々に10レスぐらい先までの長めの安価しつつ、の予定じゃんね☆
というわけで本当だったらもっと後にヒフミちゃんがご対面する筈だった敵がフライング登場(2回目)じゃんね☆
やっっっっっとこの子を出せたじゃんね☆1の会心の出来な激ヤバ先生LOVE勢女じゃんね☆
だいぶ脚色してるけど別に中身はオリジナルではないじゃんね☆
スペックは下に置いておくじゃんね☆
ちなみにギミック抜きにしても、最終編後かつアビドス三章後の先生なら全然倒せる想定じゃんね☆
ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン
性別:女性?
身長/体重:158cm?/52kg?
属性/副属性:混沌・悪/人
【ステータス】
最大HP/現在HP:666666/666666-dice1d9999=6617 (6617)
筋力:なし
耐久:なし
敏捷:なし
魔力:なし
幸運:なし
- 477二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 14:52:44
このレスは削除されています
- 4781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 14:55:44
色々被ってたから修正じゃんね☆
現在HPの🎲分はズダボロのヒナちゃん&先生があれから意地で起き上がって二人で削った分じゃんね☆
他のメンバーも来て、これがトドメになって全員行方不明になった想定だから実際は多分もう少し削ってるじゃんね☆
コメントも返してくじゃんね☆
遅くなって本当にごめんなさいじゃんね☆
やっと……第二部が今終わったじゃんね……
その子は前のプロットでもアサシン枠で考えてたじゃんね☆普通に相性良い子が難しい、というか多分キヴォトスだと呼び出すのがめーちゃめちゃ難易度高いorすごーく簡単じゃんね☆
んー、ノーコメントにしとくじゃんね☆
楽しんで色んなところ探索して欲しいじゃんね☆
1はみんなの味方だしハッピーエンドが好きだけど、その分だけ1が半年前に荒ぶる🎲監督の監修を元に泣きながら完成させたプロットは基本的に1がやりたい事を詰め込んであるじゃんね☆
ありがとじゃんね……そう言って頂けて助かります、じゃんね☆
ありがとじゃんね……なんとか、なんとか出来上がったじゃんね☆
ありがとじゃんね……遅くなってごめんなさい……
ありがとじゃんね☆帆立好きじゃんね☆そのうちカツと一緒に出すじゃんね☆
- 479二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 15:03:28
これは時間がかかるのも当然ですわ
いや、本当にお疲れ様です - 480二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 16:55:47
明らかに普通の状態じゃないのはわかるんだけどこれはキヴォトスの聖杯だからなのか?それともこの世全ての悪みたいに既に何かに汚染されてるのかね?
- 481二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:00:58
行動決定安価どうするかな
とりあえず交渉のためにトリニティに行って黒服に会いたいけど
ミカのこともあるし
チーム分けにするにしてもどんな感じに分ければいいのか - 482二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 17:50:43
やっぱりセイアが”そして一般生徒からも意識不明の重体となった生徒がいる”って言ってのはナツの事だったか
- 483二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 18:20:29
夜は明けず、(stay night)
円環は終わらず、(EXTRA)
始まりに至らず、(Zero)
盤外の駒もなく、(Requiem)
月の裏は見えず、(EXTRA-CCC)
煉獄は今も燻り、(EXTRA Last Encore)
外典は燃やされ、(Apocrypha)
極光は沈んで、(Lost Einherjar 極光のアスラウグ)
偽りは偽りのまま、(strange Fake)
可惜夜は揺蕩う(Samurai Remnant)
そうして蒼銀の欠片(Prototype・蒼銀のフラグメンツ)
花の魔術師(観測しているプロトマーリン)
月の蝶(BB?)
あの超人(言うまでもなく現在行方不明中の連邦生徒会長)
この台詞、各Fateの作品に対応しているし、数多のfateとしての物語を知っている?でもパッと見た感じ、カルデア(Grand Order)は無さそうだし、このスレを見ている同士たちよ。あったら教えてクレメンス
台詞もラスボス(多分)っぽくっていいですわー。
お疲れ様です。
- 484二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 18:22:09
副属性が人ってのが引っかかるな獣ではないんだな
まあギヴォトスの生徒は元を考えるとほとんどが天だろうから有利に動けるだろうが - 4851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 19:13:56
- 4861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 19:16:42
【10日目午前/午前・導入イベント】
【立ち入り禁止区域『廃墟』・同盟拠点】
酷い、映像でした。あまりにも情報量が多くて、どうしたら良いのか分からなくて、何をどう処理すれば良いのか、情報も感情もめちゃくちゃで。
心臓が痛いぐらい叩かれて、喉の奥が張り付くような感触と一緒に鉄の味もして、耳鳴りのようにさっき聞いた悲鳴や嗤い声がずっと響いては頭痛を誘ってくる。もう、何も分かりません。どうしたら良いのかの検討だってつきません。
【Recommend BGM……《Accelerator》】
「───ナツちゃんの魂はどうやったら取り戻せますか?」
でも、真っ先に聞くべき事は分かっていました。
「魂だけの分離、それも肉体がある状態での干渉……無理ね、魔術じゃなくて魔法の領分に近い。なら裏道がある筈」
「契約の類だ。出し入れ可能なら道がある。当たりをつけるならば母胎、なぞと宣った話から探るか」
「なら古書館へ。あの子達なら、何か心当たりに触れられるかもしれません。人手が足りないなら警備はいらない……暫く篭らせて。必ず何か拾ってみせる」
「調査の方、よろしくお願いします。黒服さんには連絡しました。今日であれば午前でも午後でもいつでもどうぞとの事です」
私達の目に、絶望なんて映ってない。そんなことをしている暇はない。あのユスティーツァという人が何を話していたのかなんて内容の半分も分からない。だけど、もう関係なんかないんです。 - 4871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 19:23:41
「ウイ、チヒロ。アインツベルン、キシュア……それから沙条の家系を探して欲しい。このキヴォトスに彼らが存在するのかどうか、それが今どうしても確認しておきたい」
「任せて。百だろうが二百だろうが全部探してやる」
「ウイさんがトリニティに行くなら古聖堂を経由するのも、別グループが行くのも出来ますね」
ナツちゃんが奪われた。先生が傷つけられた。ヒナ風紀委員長が痛めつけられた。他にも、きっとたくさんの人が苦しんだ。アイリちゃんやレイサちゃんにモモトークをしたけれど、既読だって付きはしない。今どうなってるかなんて容易に分かって、だから私たちが何をしなきゃいけないのも分かりました。
「セイア。トリニティの被害者を洗い出してほしい。私達の手が届かなかった犠牲者がいるかもしれない。それからキヴォトス全域の地図を出して欲しい。ゲヘナ経由で避難できる箇所からサオリ達が脱出していた場合の場所を割り出したい」
『……承知した。こちらで資料をまとめておく、ハナコ』
「……ええ、検討はこちらで。この際、流出がどうのこうのは言っていられません。個人端末にお願いします。それからシスターフッドに連絡を済ませてあります。返事は無視でいいでしょう」
『こちらからも通達を送った。炊き出しにも出ないで家に閉じこもっているようだ』
「地図ならお任せ下さい!すぐに用意しますっ!」
先生を探して、アリウスのみなさん達《聖杯戦争対策部》を見つけ出す。そしてナツちゃんの魂を取り戻す方法を探し出して、必ずあの人から奪い返す。
「バーサーカー、覚えはあるか?」
「ないな、だが見覚えはある。嘗て見た奴僕、ホムンクルスなる者達と姿形はよく似ていた。だが、ミノリよ。見えただろう?アレこそが裏に潜んでいた圧制者。おお、待ち望んでいたぞッ……悍ましき毒婦め……ッ!身なりを整えようと奴の腹底から匂い立つ腐臭は隠しきれないッ!」
「ああ、くそっ!もう少し分かりやすい奴が出てくるかと思えば、とんだ化け物が出てきたな……シャーレの情報が欲しい。連邦生徒会に私からコンタクトを取るが、構わないな?……リオ、セイア、ホシノ。お前達からも頼む……っ」
『任せて』『任せてほしい』『必ず。最悪セキュリティぐらいこじ開けるわ』
『『それはやめて』』
『ど、どうして……』 - 4881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 19:26:11
必要なの物は多いです。とにかく並行で動いていかなきゃいけません。
ナツちゃんの魂を取り戻す方法。怪我をして今も行方が知れない先生達にコンタクトする方法。そしてこの情報を他の陣営にも提供して協力を仰ぐ事です。
「ウタハ先輩、あの二台も使えるようにしておいて───どこでいつ見つけてもぶちのめしてやる」
「任せろ。セッティングは済ませてある」
「ヘリの指示出しました!いつでも出られます!」
『エンジニア部のヒビキちゃんだっけ?悪いんだけどさ』
「用意しておきます。その……お気をつけて」
『お世話になります、それじゃあ私達は一度。またこの後の行動が決まったら連絡をお願いします。百合園生徒会長』
『言質は預かっている。ハイランダーにも連絡しておくから君達の良いようにしてほしい』
『……ありがとう。必ず助けになるよ』
アーチャー陣営に対してはもう情報は十分に手に入りました。黒服さんとの交渉が済み次第、結果がどちらであってもコンタクトがいります。勿論、バックドアを使うのも考慮してです。
ランサー陣営に関しては黒服さんとの取引の前後、どちらでも問題ありません。まずは急いでサクラコ様に会いに行きます。マリーちゃんが抱えている物で現状調べられる物を全て受け取った上で、彼女を説得してみせます。
「病院に連絡したよっ!いつでも面会出来るって!ヒフミさん、鬼怒川部長には!?」
「お昼に来てもらいます。リオ会長」
『言ったでしょ、午後からよ。ヘリで横付けしてやりなさい』
そして、ライダー陣営に関しては午後からならゲヘナに飛べます。もうこの際、自治区がどうのこうのは全てお任せして最速で移動するしかありません。午後イチ以降、万魔殿に行けるようセッティングしてもらったらそのまま現地調査も視野に入れていきます。 - 4891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 19:31:56
「コハルちゃん、よ、用意できたよ!」
「予備の弾薬、たくさん持って来ました!」
「ありがとう、アリス!ユズ!……ヒフミ!ハスミ先輩とも連絡取れた!必要ならいつでも会えるって!」
「ありがとうございます、コハルちゃん……みなさん」
次はやるべき事を決めなくてはいけません。足踏みしてる時間がないんです。私のお友達が、私の大好きな先生が、私のお友達の家族が、傷つけられた。
挙げ句の果てにこれからずっと聖杯戦争をする?そんなの。
『(絶対に認めません……ッ!)』
「───行きますよ」
「「「「「「「「応───ッ!」」」」」」」」
だから私達はこの後、午前中に───。
【これより10日目午前の行動安価を行います】
【条件は以下の二点】
・活動可能時間は三、四時間
・ゲヘナの現地調査は午前中には正式な許可は降りていない。許可なしで大人数での調査を勝手にした場合、自治区間外交問題に発展するため不可能。
【以上二点以外の条件はありません】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 490二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 19:36:13
強行突破でゲヘナに……嘘です。安価調整です。
憂いを絶つためにアサシン陣営のところへ - 491二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 19:42:42
とりあえず午前中は基本的には主要メンバーみんなトリニティで午後からゲヘナ班とそれ以外の班って感じにすべきかな?
午前中については古書館班と黒服に会ってその後サクラコに会う班に分かれるべきだとは思う
黒服とサクラコに関しては黒服が先でいいと思う
黒服がライダー陣営の情報持ってるかもしれないし
後正実に会う人もいた方がいいかな?
まあゲヘナの移動時間を考えるとゲヘナ移動する班と古書館班と黒服に会ってからサクラコに会う班と正実に会う班に分かれてもいいが - 492二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:05:28
セイバー陣営だけで黒服のところへ
- 493二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:09:31
上の班に分けるとすると各班にいた方がいいのは
ゲヘナ移動する班
古書館班 ウイ ミドリ?
黒服に会ってからサクラコに会う班 ヒフミ ハナコ アズサ? セイバー
正実に会う班 コハル
?の娘は他でも良いかもしれない
モモイ・キャスター・ミノリ・バーサーカーはどこに割り振れば良いのかわからない
ゲヘナはヘリ飛ばすって言ってるし班分けは要らないかもしれない - 494二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:24:24
- 495二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:35:56
賛成
- 496二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:45:33
- 497二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:24:47
黒服というかアサシンに協力を頼む際に力試しを要求されたりした場合を考えるとミノリ・バーサーカーは黒服に合いに行く側に居た方が良いかも?即死に対しては現在のメンバーだとバーサーカーでの対処が有用な気がするし
- 498二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:30:39
- 499二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:39:03
- 500二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:40:14
>>499です。
ゲヘナ組は③です。訂正します。
- 501二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:49:19
補足
①の午後行動
コハルとセイバーの組み合わせは正実への護衛
バーサーカー陣営はシンでやったアレでゲヘナ組(アリスのみ)に合流
コレで一応、各行動組にサーヴァントと言う戦力が持つことができる。
ゲヘナ組を3人だけにしたのは、いざという時に大人数だと犠牲が出やすく逆に少ない人数だと逃げやすくするため。
一応、いまのゲヘナは危険地帯だからね。あと、単純にスパルタクスとアリス似合うかなって? - 5021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 21:57:12
- 503二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 22:07:48
申し訳ねぇ……
- 5041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 22:17:27
- 505二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 22:23:40
- 5061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 22:23:55
上の質問へのあんさー待つ間、とりあえず暫定分を乗せるじゃんね☆
安価の意見をまとめたらこんなかんじじゃんね☆
大変申し訳ないけど午前指定の安価だったから、午後の行動って書いてもらった分に関しては全部午前中で済ますじゃんね☆
・ゲヘナに行って拠点確保、周辺調査
・ヘルタースケルターの振り分けが全部119機体のうちゲヘナ48機、拠点48機、古書館18機、ヒフミ班5機
・全員即時連絡可能
・下記のリストが班別メンバー
古書館班:ウイ、モモイ、ミドリ、キャスター
黒服→サクラコ班:ヒフミ、ハナコ、アズサ、セイバー
正実班:コハル
ゲヘナ班:ミノリ、バーサーカー
お留守班:エンジニア部&チーちゃん&ユズ
・コハルの正実接触時にはセイバー護衛
お留守班:モモイ、ミドリ、ユズ、キャスター、エンジニア部&チーちゃん
古書館班:ウイぃぃ
黒服班:ヒフミ、ハナコ、アズサ、コハル、セイバー、ミノリ、バーサーカー
→サクラコ班:ヒフミ、アズサ、ハナコ
→正実班:コハル、セイバー
ゲヘナ班:アリス+ミノリ、バーサーカー(黒服との交渉後に令呪ジャンプでトリニティからゲヘナまで移動)
ちゃんと伝わってないよ、とかのご意見等あれば23:00までレスお願いしますじゃんね☆
- 5071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/09(日) 22:29:44
- 508二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 23:19:12
とりあえず時系列的にはメンバーは違えど黒服と会うのが最初になるのかな?
そのあとは二つの安価で行動が異なる感じだけど - 5091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 00:50:30
【10日目午前/午前・導入イベント】
【ミレニアム自治区領上空・桐藤家保有チヌークHC.1『ヨークシャー』】
『ミッションを確認するわ』
ナギサ様からお借りしている大型輸送ヘリ『ヨークシャー』に揺られること、30分。慌ただしく出立した私達は今回の行動を殆どお任せしたリオ会長とブリーフィングを行っていました。
『現在、当航空機はD.U.上空を飛行中。乗員はセイバー陣営、天童アリスを除くキャスター陣営、バーサーカー陣営、そして合計71機のヘルタースケルターよ。あと十分もしないで通功の古聖堂に到着するわね。なお、時間が足りないから発着場は今回は使用しない』
「え?あ、あの『質問は受け付けないわ。後にして』あはい」
なんかすごい聞き捨てならない事がさらっと付け加えられた気がしたので聞き返そうと思ったのですが、質問は却下です。でも多分、私の聞き間違いですね。
『(ヒフミ、何か気になる事が?)』
『(ぅ……た、大した事じゃないんですけどね?ヘリコプターって基本的に自治区が制定して管理する発着場以外には着陸できないんですよぉ……)』
『(……なるほど。まあ、そういうこともあるかな)』
それっきり操縦中のセイバーさんから念話はぷつりと切れてしまいました。それに嫌な気配を感じて、私は周囲を見渡します。アズサちゃんがテキパキと柔軟を始めて、ハナコちゃんが顔を真っ青にして天を仰いでいます。なんでしょう、物凄く嫌な気がします。 - 5101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 00:51:11
『交渉部隊は通功の古聖堂で対象名《黒服》との接触を図って頂戴。相手は随分とキレる大人のようね。足元を見られず、けれど論理的に。感情はなるべく抑えて相手の情報を探る、を徹底するように』
そんな嫌な直感なんて知らないリオ会長は淡々と今回班分けした部隊についてお話して下さいます。まず黒服さんとの交渉部隊。メンバーは私達補習授業部とヘルタースケルターさんが五機。目標は私達の聖杯戦争における目的を伝えること、今朝入手した聖杯陣営についての情報の提供、そして今後を見据えて黒服さんについての情報を入手することです。可能であればその他にも聖杯戦争自体についてや、聖杯陣営についての情報交換。もしくは、協力関係の構築を踏まえた取引の情報も引き出したいところです。
個人的には黒服さんの願い、なんてのも知りたいですね。
『次に古書館部隊は古書館及び中央図書館へ。必要な資料をヘルタースケルターと確保した後に、百合園生徒会長が手配した車で発着場で向かって頂戴。古書指定を受けた書類は本来館外への持ち出しが禁止よ。手続きも今回は間に合わない以上、何も起きていなかった形が望ましいわ。よろしく頼むわね』
こちらは聖杯陣営、とくに奪われたナツちゃんの魂を取り戻す事に関しての情報を探してもらう形になっています。良い資料があって欲しい、と強く思います。メンバーは拠点防衛を任されたアリスちゃん以外のゲーム開発部のみなさん。モモイちゃんはお茶をすすり、ミドリちゃんとユズちゃんはお菓子を食べて緊張を和らげています。たった今、それを見て何故か今日のトリニティに虹が掛かる予感がしたんですけど何故でしょうか。ちなみにキャスターさんは念入りにヘルタースケルターさん達を確認しています。 - 5111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 00:52:28
『最後にゲヘナ先遣部隊。貴方達二名には無理をさせるわ。最大限のサポートはするけれど、最後に物を言うのはマスターの腕かしら』
「弾道計算はそちらに任せる分、こっちはこっちで上手くやるさ」
「これぞまさに叛逆の輝き!愛!きゃん!フラァ「うるさい」……ぬぉぉ」
作戦は事前に聞いていますけど、中々のギャンブルになります。ですが、それをするだけの《価値》がある、というのが私達の出した結論です。それは何も時間だけじゃなく、もっと大きな理由が。
『今回のミッションはあくまでも調査と物資の回収。万一の聖杯陣営及びランサー陣営との交戦に備えて、護衛用にヘルタースケルターを搭載している。けれどそれはあくまでも護衛用。凡ゆる交渉を含めて示威行為は控えて』
今回ヨークシャーちゃんこと大型ヘリに乗り込んで貰ったヘルタースケルターさんは71機。私達がこれまでに建造してきてもらった内の大体六割が乗員しています。おまけにサーヴァントの方も三騎。正直、戦争しに来ましたって言われても言い逃れが出来ない大戦力です。それを考えたら極力、示威行為と少しでも受け取られるような行動は控えなくてはいけません。
『以上、質問はあるかしら』
さて、問題はここからですね。
「はい!はい!はい!質問、質問あります!」
もう口から勝手に音が飛び出していく気分ですけど、ヘリの中って事で大きな声じゃないと聞こえませんからね。仕方ない、そう思って頂きましょう。
『元気が良いわね、ヒフミさん。どうしたのかしら?』
小さく驚いた顔をするリオ会長に私は努めて明るい調子で尋ねました。だって仕方ないんです。見て下さい、もう完全にハナコちゃんはグロッキーな顔になっちゃってコハルちゃんモモイちゃんに心配されてます。しかもユズちゃんとミドリちゃんも気づいたみたいで涙目になってきちゃってますもん。
「あはは……あのぉ、発着場に行かないでどうやって、あの、私達それぞれ古聖堂と古書館に行くのかなぁって!ほら、結構距離離れてますし!」 - 5121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 00:53:55
そう、たった今聞いたブリーフィングの中で明らかに不自然な点。発着場を利用しない。普通はあり得ません。だって連邦法でヘリコプターの発着場は厳格に定められているんです。じゃあどこに降りるのかとなってもヨークシャーちゃんはかなり大型の輸送ヘリ。さっき目立ってはいけないと言われたばかりなのに、下手な場所に降りたら逆効果。
『ふふっ、もうヒフミさんったら。緊張してるのかしら?』
じゃあどうするかなんて、私には最悪のイメージしか思い浮かびませんでしたけど、やっぱり杞憂だったんでしょう。だってリオ会長はあんなに可愛いらしい笑顔でわらっていますから!
「あはは……いや、そうですよね!私ちょっと緊張しちゃって!な、なんだか変な事を『それぞれが飛び降りるのよ、各施設に向かって』……あは、あはは……」
あ、駄目みたいです。
『何のためにパラシュートを急いでヘルタースケルターに装着してるのか忘れた?』
『任セテ!任セテ!』『ヤッテヤンヨー!ヤッテヤンヨー!』『敢エテ素知ラヌ顔デ?』『身ヲ任セルノガ最適解!』
私達、このまま空から直通されるみたいですね。
「やっぱり!?やっぱりそうなんですかっ!?」
「へぇ、ヒフミ達はパラシュートで降り「私達もだよ、お姉ちゃん」はぁぁぁぁ!?」
聖杯戦争開始から10日目。私達の活動は上空300mからのダイブで始まりました。 - 5131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 01:01:20
というところで今日の投下はおしまいじゃんね☆
色々行動を考えたけど、それぞれ空から目的地に直接下ろすのが一番合理的だったじゃんね☆
パラシュート、じゃんね☆
これなら何度も往復しないで済むし、なんなら黒服との交渉後にミノリちゃんはフリーにもなるし、バッチリ!1は賢いじゃんね☆
あとは個人的にずっとやりたかったシチュがあるからそれやるじゃんね☆
やっぱり聖杯戦争と言ったら運命構図とアレは外せないじゃんね☆
明日は20時からじゃんね☆またよかったら遊びに来てやって下さいな!じゃんね☆
それでは今日もたくさん安価に協力してくださったり読んでくださったり、本当にありがとうございました。今週中は黒服関係で安価ある、予定なのでまたどうか遊んでやってもらえたら嬉しいです!
ではでは、みなさん、おやすみなさい……じゃんね☆ - 5141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 01:04:48
- 515二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 01:07:03
お疲れ様です
いよいよ黒服との交渉か
どんな取引になるのか
少なくとも他陣営とは全く違うアプローチが必要になりそうではある
ボロ出せばそこをついてくるだろうし - 516二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 09:11:11
間違いなくこの交渉の結果次第で今後どうなるかはかなり変わるだろうからな
正直言って相手が黒服だから情に訴えて通じるとは思えないし
最難関の交渉になってもおかしくない相手ではある
明確なメリットデメリットをはっきりさせないといけないだろうし - 517二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 09:22:10
空から行って大丈夫?目立たない?()
なんとかなるか - 518二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 10:24:17
お疲れ様でした
翔べ、スパルタクス!!
ぎえぴぃ、黒幕がヤバすぎるっぴ!!
徐々に物語が佳境に入ってきた感がありますね
さて、先ずは黒服&スカサハ師匠との交渉が上手くいく事を祈っています - 519二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 10:42:29
黒服がどれぐらい本気で聖杯を狙ってるかも鍵になりそう
実は本気で狙っているって可能性もあるし
取れたらラッキーぐらいな感じの可能性もある
まあいらないってことはないだろうけど
監督役として答える時は嘘をつかないだろうけどアサシン陣営として答える時は嘘をつく可能性はあるからブラフを見極める力も必要になるかも - 520二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 12:40:05
監督役として答えると明確な時はともかくそれ以外の時は嘘の可能性がある以上色々対策できるならしたほうがいいかな
アサシン陣営として答えるのが明確な時以外は、立場を曖昧にしてるなら今の回答はどちらの立場での回答なのかって感じで立場を明確にするよう逐一求める必要があるかも
後嘘はついていなくても話していないことがある可能性はあるから
嘘偽りなく意図的に伏せている情報はないかしっかり全部話しているかの確認も
他の陣営にこんな対応したらかなり心象を損ねるだろうけどアサシン陣営に限ればこれぐらいしないといけないだろうし
アサシン陣営と取引するのに重要なのはリスクとリターンが釣り合ってるか否かだろうから
意図的に心象損ねる行動連発しなきゃ戦闘になるとは考えにくい
まあ怠惰のランサー絡みに関しては場合によっては戦闘になるかもだが - 5211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 13:19:47
色々計算したり調べた結果、昨日書いた高度300mはちょっと桁が一つ足りなかったじゃんね☆高度3000mに修正じゃんね☆
あとすっかり抜けてた前回の安価で意外だったのを、帰ってきたらお伝えするじゃんね☆色々あったじゃんね☆
ありがとじゃんね☆古書館パートは色々したいことがあるから後にして最初からクライマックスで黒服との交渉スタートじゃんね☆
喋る内容にもよるじゃんね☆
フリフォールからパラシュートありなら大体5分で地上に着くみたいだから目立たないじゃんね☆
だからヒフミちゃんとミノリちゃんとモモイちゃんは多分1分ぐらいじゃんね☆
ありがとじゃんね☆正義の怒りをぶつけるスパさんじゃんね☆最近叔父貴の目が六つになっててびっくらしたじゃんね☆
黒幕は温めてた子だからヤバい言ってもらえると嬉しいじゃんね☆1が原作を読んだ結果、激ヤバメンヘラガチ恋求婚女でお届けじゃんね☆
本当はもうちょい後だったけど安価の結果、佳境に突入したじゃんね☆1も頑張るじゃんね☆
>監督役として答える時は嘘をつかないだろうけどアサシン陣営として答える時は嘘をつく可能性はあるからブラフを見極める力も必要になるかも
> 後嘘はついていなくても話していないことがある可能性はあるから
……これだからこのスレ大好きじゃんね☆
- 5221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 18:15:44
たでーまじゃんね☆今から今日の分を書いてくるじゃんね☆
それはそれとしてフェアになるようにちょっとヘンテコな文字を先に貼るけどあんまり気にしないでじゃんね☆
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jKDVjqw6O9OokdK0jtqxkNayjdG2mt
GznNS3vtClrjQ606ebfRxmGw== - 523二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 19:15:51
フェアになるように?どういう意味だ、暗号なんだろうけど
- 5241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 20:26:06
【10日目午前/午前・導入イベント】
【トリニティ自治区領上空・桐藤家保有チヌークHC.1『ヨークシャー』】
ナギサ様。お身体の調子は如何でしょうか。ナツちゃんの事や、アイリちゃんの事もあります。出来るなら、色々片付けてお見舞いに伺えたらと思っていました。話したい事、お伝えしたい事、たくさんあるんです。怪我をされた貴女に会って、ちゃんと生きている事を確かめたいって気持ちもあるんです。
でもそれは今、我慢しなきゃいけません。何故なら。
「あぅ……ど、どうしてこんな事に……」
今私達はトリニティの上空3000mにいて、これからスカイダイビングをしなきゃいけないからです。
『仕方ないよ、ヒフミ。私物の大型輸送ヘリを毎回臨時離着陸やってたら目立つなんて話じゃないし……』
そう言いつつもすごく申し訳なさそうな顔をしているヒビキさんの隣に慌てるユズちゃんの顔もモニターに映りました。
『そ、そそっ!それに!あの……一応、都市部の航空制限に引っかからないさ、3000mの高度からのヘリボーンなら……逆に見られても、ほら、なんかスカイダイビングっぽく、あの……ね?』
「ね?……じゃないよぉ、ユズぅ……」
「どうして……どうしてまた飛び降りるなんて事に……たすけてひなたさん……」
私の隣で項垂れるモモイちゃんや古関先輩の気持ちがよくわかります。今回、私達はトリニティに輸送ヘリで向かっているわけですがやる事と行く場所が単純に多いんです。ヘリポートに降りて移動して、となると足が欲しくなるんですが。
今度はヘルタースケルターさん達を71機乗せてる関係でクルセイダーちゃんを運ぶ事が難しいかったんです。次回、というかdice1d8=1 (1) (1.今日の午後、2.明日の午前、3.午後3時、4.今日の夜、5.今日の午後、6.午後3時、7.クリティカル(1)、8.ふぁんぶる🎲)ミレニアムでもう一台用意して頂ける形になっているんですが、現状私達が動かせるヘリが今乗っているヨークシャーちゃん(桐藤ナギサ命名。ミカはあんまりにも安易な理由にゲラ笑いした)しかいないんです。
- 5251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 20:38:48
「ウイさん。今からでも古書の持ち出し申請とか工面出来ませんか……」
「分かってて聞かないで……最悪芋蔓式で貴女達の事全部表に出すリスクがあるんですよ……」
「助けてコハルちゃん……」
「だ、大丈夫!初めは怖いかもだけど!ね、アズサ!慣れればすぐ降りれるわよね!」
「うん。ヒフミもハナコもウイもそんなに心配しなくても大丈夫だ。アリウスで私達も訓練した事があったけど落下傘が開かないなんていうのはたまにしか起きなかった」
「あったんですか……」
なんでそれ今言うのよぉと半泣きになって怒ってるコハルちゃんの泣き声を聞きつつ、私達は遠い目をします。キヴォトスに住んでるからって、流石に高度3000メートルから飛び降りる機会なんて滅多にないんです。
『むぅ!アリスも空からのヒーロー着地がしかったです!』
通信に混ざって来られたのは両手に大きな荷物、いえ本当に大きいですね。両手にぶら下げているスーツケースとは別に中型ぐらいのコンテナを抱え持っているアリスちゃんでした。現在、拠点は対聖杯陣営を想定しつつ朝から色々あって爆破されてしまった隔壁なんかの修繕と改修作業を並行して行なってます。アリスちゃんの手荷物はそういった諸々の工具や材料、なのでしょう。
「替われるなら、って言いたいけど流石に私じゃちょっとね……ヘルタースケルターがいるって言っても1時間は丸々拠点を開けちゃうから今みたいにアリスちゃんには拠点にいて欲しいし。それに、この後もあるからね」
『うぅ……そういう事なら』
残念そうにしつつも頷いてくれるアリスちゃんの姿に緊張気味な私の顔にも笑顔が戻ってきてくれます。実際のところ、今の拠点はチヒロ先輩とエンジニア部のみなさん、それから残り50機近いヘルタースケルターさん達だけ。サーヴァントの方達には私達の交渉や古書回収に同行して頂いています。拠点を守るという面から誰か一人は戦闘に強いメンバーを、という事で今回はアリスちゃんに白羽の矢が立ちました。勿論、この後の事を考えればまだまだアリスちゃんには頼る事になります。本当に助けてもらいっぱなしです。 - 5261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 20:49:14
「は、ハナコ大丈夫?お水飲む?」
「ごめんなさい、空の上で戻したくないです……」
とはいえ頭ではわかっていてもも正直代わってもらいたいなぁなんて気持ちがないわけじゃないんです。私もハナコちゃんも古関先輩もモモイちゃんも完全にグロッキー。ミドリちゃんだって落ち着こうとしてくれてますけど、やっぱりいつもより緊張気味。完全に余裕のある様子なのはサーヴァントの御三方とミノリさん、それから訓練済みという話のアズサちゃん。
『さ、流石のハナコ先輩もガチトーンですね……っと!そういえばコハルさんはあまり不安がってませんね?もしかしてスカイダイビングのご経験やご趣味が!?」
そして意外、と言って良いか分かりませんけど元気なのがコハルちゃんでした。高い所が特別好きとかって話はあまり聞いたことがありませんから驚きです。
「もうっコトリ!私が正義実現委員会の、良い?エリート!……っていうの、忘れたわけ?」
でも言われてみればそれはそうだと頷く他ありませんでした。コハルちゃんは正義実現委員会の一員。空挺訓練も受けておられるみたいです。高高度降下低高度開傘方式、今回するスカイダイビングみたいに上空から飛び降りて自由落下してから地上まで残りの一割でパラシュートを開く通称ヘイロー方式、というやつです。こんな高度からするのは普通はない、という話ですがそこはヘルタースケルターさん達にお任せしましょう。私は別ですが……。
「と、とりあえずスカイダイビングをするのは分かりましたし一応この後の流れも理解しました……しましたけど……」
「不安かい?大丈夫さ、僕がついてるからね」
「あはは……それが不安なんですよ」
「え、えぇ……」
そう私、というかマスターは別なんです。他のみなさんはそれぞれヘルタースケルターに抱えてもらってそちらのパラシュートで降りてくる話になっています。ただ私達は、そもそもから違うんです。 - 5271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 21:01:13
「……お聞きしますけどサーヴァントのみなさん。どうやって高度3000mからの着陸の衝撃を和らげられるんですか?」
そうなんです。私達マスターとサーヴァントはその方が確実だし、先に降りて着地地点の安全を確保できるか、という点から。
「魔力放出かな」「蒸気だ」「己の肉体である!」
各サーヴァントの方に抱えられてパラシュートなしのフリーフォールをする予定なんです。
「……リオ会長ぉ!」
『だって出来るってこの人達が言ったんですもの』
思わず振り返ってセイバーさん達を見ますけど御三方とも目を逸らしていました。全員夕飯のおかず減らしちゃいます。
「ほら、ヒフミ、それにモモイも。あまり騒いだって仕方ないさ。腹を括ろう。見てみろ、アズサとコハルを。もう準備万端だぞ」
とはいえ、ミノリさんの言うことも尤もな話です。実際問題として空のお散歩なんて悠長な事を言ってられないところはあります。可能な限り時間を圧縮する事。もう一つはさっき言った安全の確保が必要な事。特に古書館のあるスクエアは、昨日の襲撃もあって立ち入り規制がありますからかなり安全ですが、私達がこれからほぼ直接と言って良い形で向かうのは古聖堂。一応は中立地帯と言えど何が起こるか分かりません。一足早い安全確保が必須です。何より、サーヴァントとマスターは特に、最悪の場合狙われる可能性が上空でもあります。いち早く降りるというのが求められるんです。
だからってパラシュートなしで3000m下にある地上まで自由落下するなんて、さっき聞くまで知りませんでしたし、知ってたら絶対反対してた自信があります。
いえ、一番早く、少しでも多くの結果を得るために色んな行動がしたいってみなさんに伝えたのは私ですけど。うぅ、どうしてこんな事に。 - 5281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 21:15:07
「なんでそんなにミノリ先輩は余裕なのさぁ……」
「そりゃ私は仕事柄、高い所に登るなんてしょっちゅうだからな」
「高い所と!高い所から!落ちるのは!別でしょ!?」
モモイちゃんの迫真の叫びが光りますね。私も同じ思いですけど、本当にミノリさんは落ち着いておられます。やっぱり上級生はすごいです。ナギサ様やミカ様、セイア様もきっとこういう事態でも動揺されないのでしょうけど、私にはまだまだ難しいです。
「まあ似たような物だ。問題ないさ、サーヴァント達にしろキャスターの使い『ヘルタースケルターダヨー』……ヘルタースケルター達にしろ、信じて身を任せておけば良い。ここまで来て、駄目ならそれでおじゃんさ」
「さっぱりし過ぎてる……というか、大体なんで私達マスターだけ『時間よ、補習授業部』……無事に帰ってきたらジュース奢るね、ヒフミ」
「あはは……楽しみにしてます……」
とはいえミノリさんの言う通り。ここまで来たならやるべき事は一つ。ちょうど降下合図のランプも灯りました。装具点検も済んでいます。
「それじゃあ、みなさん。準備は良いですか?」
それぞれヘルタースケルターさん達とハーネスが接続されたアズサちゃん、ハナコちゃん、コハルちゃん。そしてスパルタクスさんに横抱きにされてるミノリさんの顔を見ます。
私自身横抱きにされてるわけですけど、なんか締まりませんね。
『(よろしくお願いしますね、セイバーさん!)』
『(おや?不安なんじゃなかったのかい?)』
『(もうっ!すぐそうやって……もー!)』
抗議の気持ちを込めて鎧の胸当てを一叩きしたのがちょうど良い合図になりました。既に扉は開いています。私は深呼吸して、みなさんの顔をもう一度見てから流れの説明を。
「それじゃあみなさん!カウントをしたらそれぞれ順々にお願いします!私達は今から先に5秒数え「るのは燃料が勿体無いから僕たちは行こうか」はぁぁぁあ───ぁぁあああ!?」
してたのにイイ笑顔のアーサーさんのせいでなんの心の準備もないまま私と彼は空に飛び出していきました。 - 5291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 21:45:31
【10日目午前/探索イベント】
【トリニティ自治区領・通功の古聖堂】
【Recommend BGM……〈Operation☆DOTABATA〉】
「という次第なんです……」
結論だけ言います。着地は無事に成功しました。通功の古聖堂の周辺自体、エデン条約の一件もあってまだまだ完全に工事が済んでなかったりで人の目も少ないです。だからアズサちゃん達がパラシュートで着陸したのだって問題ありませんでした。ハナコちゃんが半泣きになってたのは不謹慎ながら可愛かったです。ええ、本当に。みなさんは無事に、スパルタクスさんとミノリさんが誘導した安全な場所に降り立たれました。
「なるほど、なるほど……それが阿慈谷ヒフミさん。貴女とセイバーが古聖堂の天井を突き破って降りて来られた経緯だったわけなんですね?」
「……はいぃ」
ええ、そうなんです。あろう事かセイバーさんは『折角だし直接お邪魔しようか』『ほら安全確保するんだったら敵の居場所に乗り込んで抑えるのが一番確実だしね』『バーサーカー!そっちは頼んだよー!』『はんぎゃくー!』とかなんとか言ってそのまま魔力放出のスキルを使って空気の抵抗を増やして減速をしつつ、まだ修復途中で手付かずになってる古聖堂の屋根を突き破って突入。
黒服さんと対面して事の次第を説明して今に至ります。
「朝っぱらから喧嘩を売りに来るとはどこの命知らずかと思って間抜け面を見に来てやったら、なぁ?しょぼくれたお前がいるものだから笑ったぞセイバー」
「ははは……いやぁ、今日も元気そうだねアサシン。あとで君が持ってるその手の串カツを分けてくれるかい?ついでにヒフミに言ってこの正座を「何か言いましたか?」……いえなにも」
私今日交渉というか交渉の為の下準備に来たんです。間違いなく来たんですよ。
「大方の事情は理解できました。どうやら随分とサーヴァントの方とイイ関係を構築されているようで。いやいや、監督役として安心しましたよ、阿慈谷ヒフミさん」
「あはは……泣いていいですか?」
「クックックッ……お互い、苦労していますね。ハンカチでしたらまたお貸ししますよ」
「あ、以前お借りしたの今日持ってきました!あの、ちゃんと一応、洗濯も……」
「それはそれは、ご丁寧に」 - 5301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 22:09:27
なんで、どうしてこんなことに。どうして教会の長椅子に座って、相向かいの黒服さんに慰められてるんでしょうか。
「今日のご用件というのも察しは幾つかつきました。監督役としてお話しすべきこともあるでしょうし……」
そう言って分かりにくい顔で微笑んで下さるんですけど本題に入るより前に気になるというか一応ちゃんとしとかなきゃいけない問題があるんです。誰かさんのせいで。
『(待ってほしい!今回の件は別にヒフミを揶揄う意図はなくてね!これはれっきとした戦略上、かなり重要な……!)』
無視です。《そんな事は分かってますけど》、そうじゃないんです。
「あ、あのぉ……天井の件はぁ……」
「クックックッ……そんな事は構いませんよ。此処はキヴォトス、こういった事も起こり得るでしょう。ましてや悪意もなければ、第一この古聖堂は私の仮住まいに過ぎません。壊れた所で、というやつですよ。気になさらないように、それらの補填も含めて私の役割です」
見て下さい。本物、本物の大人がいます。これが大人の余裕ですよ、セイバーさん。
「ほんとにぃごめんなさい……ありがとぉごさいます……」
「……ええ、本当に。もう慣れてしまいましたから……」
遠い目をされている黒服さんが座られた長椅子、その背凭れに腰を下ろしてマイペースに串カツを頬張ってるアサシンさん。彼女の様子を見れば、お二人の関係にも察しがつきます。大変そうです。
そんな風にお二人を見ていると、黒服さんは静かに私を見つめてから口を開かれました。
「さて、本来でしたら折角やって来て下さった皆さんにお茶でも勧めたい所ですが……私が出した物では警戒も一入でしょう。ですから、如何でしょう?」
ぴんと、真っ黒な肌に青白い亀裂の入った人差し指を立てた彼の右手には相変わらず令呪がありません。それに気を取られてしまった私に、少しばかり目を開いてから彼は小さく笑って。 - 5311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 22:18:28
「少しばかりのアイスブレイク、なんていうのは」
一つの提案をされました。
「幾ら見知った仲とはいえ、まずはお互い心を開かねば腹の探り合いもスムーズにとはいきません。たとえば簡単なゲームをしてみませんか?」
ゲーム。そう楽しげに喉を鳴らす彼はこれからする事を語り始められました。
【10日目午前/午前・プチ交渉イベント】
【Recommend BGM……〈Unwelcome Guest〉】
「議題はそう───昨晩我々が何をしていたか」
【目標:昨晩の監督役の行動を当てろ!】
「貴方方から5回まで、質問を受け付けましょう。その五回で私達が昨晩の襲撃時にどこで何をしていたか」
【条件:安価回数最大5回】
「それを貴方方に当てて頂く、そんな単純なゲームですよ」
そんな彼の言葉に私は───。 - 5321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/10(月) 22:21:03
【行動安価です】
【黒服とのアイスブレイク】
【つまり】
【プチ成功ボーナスありのプチ交渉イベント】
【或いは】
【この後の新規リニューアルした交渉イベントの為のチュートリアル】
【を行いますか?】
【以下の選択肢から一つ選んでお答え下さい】
①黒服とのアイスブレイクに付き合う
②黒服とのアイスブレイクに参加する
③黒服とのアイスブレイクに笑顔で参加する
④黒服とのアイスブレイクに挑戦的な笑みを浮かべて参加する
⑤黒服の提案を断る
⑥黒服にハンカチを返しつつ提案を断る
⑦助けてペロロさま〜(自由記述)
【なお】
【上記①〜⑥のどの選択肢を選んでも】
【皆様と阿慈谷ヒフミが不利になる事はありません】
【黒服に対して質問等を含めた通功の古聖堂での調査活動は可能です】
【御安心下さい】
【安価先>>537】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 533二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 22:29:38
④にしましょう。
今のヒフミちゃんならナツちゃんや先生たちを助ける為にも敢えて挑発に乗るべきかも?
ファウストになれ!! - 534二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 22:50:52
③
- 535二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:12:19
加速
- 536二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:14:26
2
- 537二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:45:07
- 538二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:58:21
プチ交渉イベントか
果たしてどんな感じなのかな - 5391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 00:12:27
【③黒服とのアイスブレイクに笑顔で参加する】
「アイス、ブレイク……ですか」
さて、どうしましょうか。とにかくひどい状況をから始まる交渉になりそうでしたけど、ありがたい事に黒服さんはアイスブレイクの提案をしてくれました。別段、気負う必要もないし断ってくれても構わないとまで付け加えてくれました。
「おや、そういうのは嫌いですか?」
ぞくりと、背中が粟立った気がしました。寒気にも似た感覚に背筋から脳髄にかけてを逆撫でされます。
「あはは……《そんなわけありませんよ》」
思わず、口元から歯を剥き出して笑ってしまいたくなりました。事もあろうかこの人はご親切にも、私に向かってこう言われるんです。
「折角のお誘いですから、是非楽しませて下さいね」
交渉をするなら今から手解きしてやるぞ、って。
大人の高さからわざとらしく見下ろすポーズまでやってのけて。よちよち歩きの赤ちゃんを手招きするみたいに。
───今から交渉のイロハを教えてやると。
この人はそんな事を仰るんです。 - 5401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 00:13:33
「それは勿論。あのバス停の時のように素敵な時間になる事を約束しますよ」
背中がひりつきます。つむじの上が痺れます。喉の奥が渇きます。良いですよ、構いませんよ。そっちがその気なら、リベンジです。
「あぅ……お手柔らかに、お願いしますね?」
質問が五回、ですか?
───いいえ、必要な回数は《三回》です。
《三回》で蹴りをつけます。《三回》の質問で昨晩、どこで何をしていたか。その全てを明るみにしてみせます。
「───黒服さん」
笑みは淑女らしく柔らかく。挑発的な粗野な仕草は隠しましょう。嫋やかに可愛らしく、トリニティ生らしく。微笑みの下にナイフを隠して、さあ。
「それは勿論。では、始めましょう。まずは───」
前哨戦です。 - 5411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 00:21:54
今日はここでおしまいじゃんね☆
わちゃわちゃセイバーがなんかしてたりしたのの本心は笛版で加筆するかなぁと思いつつ、二人でゆっくり話す機会とか作ったら聞いてみてほしいじゃんね☆
ヒフミちゃんは大体勘づいた上で不貞腐れてる/甘えてるじゃんね☆
次回は大人の黒服vsブラックマーケット漁りモードヒフミちゃんの二人だけでのプチ交渉イベントじゃんね☆他の子は参加できないじゃんね☆交渉の概要はまた明日お知らせするじゃんね☆
基本的には今までやって来たのと変わらないじゃんね☆ただ一個要素をいれて目標達成を分かりやすくしたじゃんね☆
今日は急遽の安価だったのに参加して下さったありがとうございました!明日は19:30から安価を開始しますのでよかったらまた遊びに来てやって下さいな!
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
BGMが明らかに……なのは狙ってじゃんね☆
黒服との交渉、ちょっとでも楽しんでもらえたら……嬉しいですじゃんね☆
明日のプチ交渉イベントで使うじゃんね☆暗号なのは正解じゃんね☆
チュートリアルじゃんね☆
- 542二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 00:23:47
お疲れ様です
そういえば前回の安価で意外だったのを、帰ってきたらお伝えするじゃんね☆色々あったじゃんね☆ってやつは明日やるんですか? - 5431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 00:35:16
- 544二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 01:04:17
お疲れ様。
ついでに保守 - 545二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:04:49
プチ交渉イベントか
難易度はどれぐらいか分からないけど成功させたいな - 546二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 06:06:29
悪い大人である黒服はどういう交渉をしてくるんだろうな
一筋縄では行かなそうだが - 547二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 12:28:00
前に>>335さんが言ってた>>291でした安価の中で想定外だった話題を紹介させてくださいじゃんね☆
複数あるから一個じゃないじゃんね☆
・シュロちゃんが言ってた「風情も解さず何もかも手遅れな鈍間、理念と心中するつもりの頭でっかち、法螺しか吹かない大嘘吐き、一人で歩く事すら出来ない臆病者、曇り硝子を覗いて良い気になる間抜け」の意味を考える(>>294)
・【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】について(>>293)
・黒服が過去に関わっていた企業などが黒服に援助してる可能性はあるか(>>292)
・考えたくないが万が一聖杯戦争による犠牲者が出たりマスターの誰かが一線を越えた場合どう対応するのか(>>292)
・黒服はなんで古聖堂を拠点にしてるのか(>>296)
ここら辺が1の想定外だったり、安価を受け取った時はそうでもなかったのに書いてるうちに想定外になったのだったり、想定外な上に聞くタイミングがドンピシャ過ぎて笑った話題だったじゃんね☆
ただどの安価、どの質問、どのコメントにも言える事だけど。
いつもたくさんレスして下さってありがとうございますじゃんね☆
完結させる事でしかなにもお返しできないけれど、みんながお話してくださる事がとってもとっても嬉しくて励みになってます!じゃんね☆
- 5481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 12:39:35
まーたトリップ忘れてるじゃんね……↑のは1がレスしたやつじゃんね☆
今日のプチ交渉イベについての簡単な説明するじゃんね☆
基本は前までと変わらず、選択肢から一つを選んで交渉相手を説得してく……感じじゃんね☆
変更点は一つ!
交渉成功が分かりにくいからポイント制を導入したじゃんね☆
選択肢の中にはあらかじめ1が決めておいたキーワードが設定されているじゃんね☆
そのキーワードを含んだ選択肢が安価で選ばれるか、自由記述でキーワードを盛り込んだ文章が選ばれるとポイント獲得……みたいな感じで今してる交渉が上手くいってるかどうかが可視化されるようになったじゃんね☆
そうやってキーワードを見つけていって一定値のポイントを貯めたら交渉成功の流れじゃんね☆
キーワードは事前に1が暗号化した物を用意してレスするじゃんね☆交渉中にキーワードを勝手に変えるとかあったらフェアじゃないから、じゃんね☆
要は今までのより正解の選択肢や記述だったかどうかが分かりやすくなったよーって話じゃんね☆ - 5491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 12:43:47
- 5501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 19:27:03
【10日目午前/午前・プチ交渉イベント】
【Recommend BGM……〈Noble Hallway〉】
「まずは最低限の情報をお渡ししましょう。私は昨日18時頃に夕食を摂りました。入浴を済ませたのは19時半になりますね」
黒服さんと行うアイスブレイク。目標は監督役である黒服さんが昨晩何をしていたか、それを当てる物です。単純に考えれば答えは分かりきっています。
《私達と同じ筈です》。
つまり、突然夜更けに、凡そ午前2時頃に各自治区を襲撃した仮称《聖杯陣営》、彼らへの対処でしょう。
「その後は思いの外ゆっくりと過ごしていましたよ、随分と楽しい余暇を過ごせましたね」
何をしていたか、これについては簡単に答えがでました。次は何処で、こちらについてもそう難しくはありません。
ミレニアムは私達とユウカちゃん、そしてC&Cのみなさんが防衛を。
トリニティはナギサ様とセイア様が狙われて、ミカ様とツルギさんがそれぞれ防衛されました。混乱自体も正義実現委員会、特にハスミさんを中心に対処されたそうです。
アビドスについては対策委員会のみなさん、派遣されていた正義実現委員会とティーパーティの混成部隊の方達、そしてシャーレの要請で救援に来て下さっていたハイランダーの方達が。
最後にゲヘナについては言わずと知れたシャーレの先生と《聖杯戦争対策部》、そしてそのバックアップで風紀委員会と万魔殿のみなさんです。
単純に考えれば、このいずれかではない自治区に出向かれていた、そう考えるのが素直でしょう。
「さて、気になっていらっしゃるのは2時頃の私達の行動となりますが……そこは当てて頂かないといけません」
《だから》、このアイスブレイクは難しいんです。
単純な答えを求めているなら、すぐに終わってしまいます。今さっき考えたように、トリニティからゲヘナまで、私達が情報を持っている以外の自治区に出向いて聖杯陣営への対処をしていた。大きめの自治区の名前を挙げていけばそれだけで答えは出ます。
逆にもっと複雑な、それこそ私の持っている前提条件を覆すような事をしていた場合。私が今まで考えてきた推理は全部無駄。黒服さんから聞き出す情報の選択肢は無限になります。 - 5511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 19:28:58
単純ですぐに分かる答えか、それともしっかり急所を見抜く探り合いをしなくては分からない答えか。そのどちらを黒服さんが答えとして設定しているかを見極めないと三回どころか五回でも質問の回数は足らなくなります。
「時に阿慈谷ヒフミさん、読書はお好きですか?私は決して嫌いというわけではありません。こう見えて研究職。恥ずかしながら仕事柄、資料を読み耽っては時間を忘れるというのは何も実験のデータに限りません」
完全な無駄話、そう割り切る事は出来ません。既にアイスブレイクは始まっていて、彼は『最低限の情報を渡す』と言われました。
「通功の古聖堂。かつてトリニティが未だ一つの学園ではなかった時代に第一回公会議を行ったキヴォトス史において重要なターニングポイントの舞台」
であるなら、この話を含めて彼が完全に話終わるまでこれらの話は全てブラフの可能性があっても無視できません。
「こちらを間借りさせて頂いている以上、一応は形だけでもと思い経典を改めて読み進めていますが、いやはやどうして面白い」
くつくつと笑う彼の姿をよく観察する。細かな表情は分かりにくいですが目線の逸れや言葉の微かな震えといった物はありません。シャツや黒いスーツも下ろし立てのように糊が効いています。草臥れているのはどちらかと言えば、寝不足な私達の方ですね。
「詩篇に曰く、悪しき者は胎を出た時からそむき去り、生れ出た時からあやまちを犯し偽りを語るのだとか。賢人達がノモスを否定しフュシスを賛美した所で定められた人の本質はどこまで行っても人を追いかけてくる、というのは実に痛快でセンチメンタルだとは思いませんか?」
『(ふぅ……なるほど)』
『(あ、ヒフミ?今の話分かったの?ノモスやら詩篇やらは知っているけど、僕にはちょっと意味がよく分からなかったんだ)』
『(さっぱり分かりません)』
ヒフミ!?なんて頭の中に響く声は今はちょっと聞かなかった事にしつつ、私は曖昧な笑みを浮かべておきます。大事なのは分かる範囲で見極める事、もっと言えば相手の話が必要かどうかを判断して情報の取捨選択をする事です。 - 552二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 19:37:34
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- 5531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 19:39:49
一々全部を受け止めて聞いていたら、話が進まないですし、言葉通りの意味だけが相手の意図でない事なんてお友達との悩み相談とかでもしょっちゅうです。
「さて、お返事もないようですしひとまずはこの程度にしておきましょう。では───なんなりと質問を」
大事なのは、黒服さんが何をこの前情報で話したかったか。それを考える事でしょう。
「全ての質問に対して監督役として嘘偽りなく答えることをお約束しますよ」
私は───。
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①昨日食べた物と今朝食べた物を聞く
②アサシンと黒服が昨晩行動を共にしていたか聞く
③聖杯陣営の襲撃があった事を知っているかどうか確認する
④議題の『我々』は何を指すのか聞く
⑤ノモスとフュシスについて聞く
⑥昨晩どこかの陣営と顔を合わせたか聞く
⑦助けてペロロさま〜(自由記入)
【プチ交渉イベントのキーワードは3つ】
【目標達成ptは2点です】
【安価先>>558】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 554二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 19:51:17
⑦で2時頃に黒服とアサシンは監督役として動いていたか、それともアサシン陣営として動いていたのか
あるいはどちらでもないのかで
これでアサシン陣営として、もしくはどちらでもないが回答なら少なくとも2時頃に黒服は監督役として動く必要がなかったと判断していたということだから - 555二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 19:58:01
キーワードがどれかってことだよな
この中でキーワードとして怪しいのは聖杯陣営だとは思うが - 556二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 20:30:39
加速
- 557二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 20:44:24
2
- 558二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:06:00
- 5591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 21:13:51
- 5601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 21:42:15
【⑦アサシンと黒服が昨晩行動を共にしていたか、そしてその際の二人の行動はどのような立場で行われたか】
「(私、頑張りますね……ペロロ様!)」
さて、質問をするとなれば、まず第一にやらなくてはいけない事があります。
「ええっと……それじゃあ、一つ《確認》させて下さい」
「おや、聞き間違いでしょうか?質問ではなく、確認……そう仰いましたか?」
「あはは……いえいえ、だって《足りない》じゃないですか、事前情報」
ジャブですけど確認しておかなきゃいけません。何せ、最初を間違えると何度質問しても全部無意味になってしまいますから。そんな私の意図を見透かして、いいえ。初めからそれを待ってたみたいな余裕ある態度で彼は長い脚を組んで待っています。
「我々が何をしていたか、そう仰いましたけど。我々っていうのは黒服さんとアサシンさん、監督役であるお二人がという意味で良かったのかなぁって。それか聖杯戦争の参加者としてお二人がって事なのかなぁ……なんて」
まず前提として、彼は『昨晩我々が何をしていたか』『私達が昨晩の襲撃時にどこで何をしていたか』それを当てろと仰っていました。監督役という先入観、アサシン陣営のマスターであるという先入観。どちらか一方に傾いて考えを進めるより前に、そもそも彼がどの立場で動いていたのかをハッキリさせてしまうのが大切です。
「なるほど、なるほど。確かに私は《我々》と発言しましたが、それが誰で、どんな立場かまではお伝えしそびれてしまいましたね。でしたら改めて定義を共有「それとも」……ほぉ」
そしてもう一つ。ハナコちゃんが言っていた言葉は今回のケースでもそっくりそのまま当て嵌りました。
「───どちらでもなかったりしますか?」 - 5611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 21:59:06
今朝の会議でハナコちゃんが話しておられた内容。
『彼との会話を思い返してみて下さい。私達は既に監督役が一人でない事を知っています』と言われた通り、今回も彼の一人称は我々や私達という複数形でした。アサシン陣営にせよ、監督役という職務がそうであるにせよ、メンバーまでは特定が仕切れませんが《監督役として嘘偽りなく答える》という言質は頂いています。
ましてやタイミングは昨晩の襲撃時という特大の緊急事態です。そこで黒服さんがどんな風に動かれてたのかまで分かるこの確認は間違いなく今だけに限らずこの後にも響く強力な一手に違いありません。
「抜け目のない事ですね、実に心地良い。私としても淡白なイエスノーでの受け答えより一手ずつを丁寧に指していく、そんな風に言葉を返して頂けるというのはとても愉しいですよ」
「あはは……喜んで頂けたならよかったです。えぇっと、ではお返事。お願いしますね?」
喉を鳴らす彼に動揺はありません。出来てくれないと困るとでも言うのでしょうか。それならそれで私も値切り切ってみせるだけです。
「私は昨晩、監督役として行動をしました。そして今回に限らず我々の定義としてしましては、私個人とアサシン。この二人のみに限定して頂ければと」
監督役として、しかも黒服さんとアサシンさんの行動にのみ絞れば良くなりました。情報量としては最善のパターンではありませんが、今このアイスブレイクでは十分。なら次は、と考えた所で気怠げな声が降って来ました。
「蜥蜴の尻尾、と言うやつだな」
「……アサシン」
声の主は、黒服さんから明かして頂けました。食べ終えた串を軽く頭上に放り投げられたかと思えば。
「……わぁ」
串が《一人でに発火する》。そんな常識の全く外にある光景が現れて、最後には灰になって風に乗って外へと運ばれていきます。
「間抜け。今更こんなつまらん話を隠し立てして如何する?監督役、などという仕事を押し付けてきおったからには私にも少しは噛ませろ」
「……はあ、貴方という人は本当に……」 - 5621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 22:10:18
疲れた溜め息に鼻を鳴らして応えるアサシンさん。お二人の様子を見ていると仲が良いかどうかはさっぱり分かりません。以前窺った時はビジネスパートナーという事でしか、どうにもこう、あんまり上品な言い方じゃないですけどおしりに敷かれてる感じがしますね。
それはさておき、監督役という立場で昨晩動かれたのであれば。残す確認すべき事。より正確に言えば単純に聖杯陣営への対処をしていたという答えで良いのかを決める為に、確認するべき事は一つか二つです。
「教えて下さってありがとうございました、黒服さん、アサシンさん!それじゃあ次の質問なんですけど……」
ミレニアム、トリニティ、アビドス、そして映像の限りゲヘナの記念教会一帯では姿を確認できなかった。となれば、です。
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①新しく現れた敵についてどう思っていますか?
②シャーレの先生がゲヘナでライダー陣営とぶつかってたけど良いのか?
③アサシンは現地で単独行動したか?
④昨晩の襲撃はどのタイミングで知ったか?
⑤連邦生徒会は今回の件についてどう考えているか知っているか?
⑥昨晩どこかの陣営と顔を合わせたか聞く
⑦助けてペロロさま〜(自由記入)
【プチ交渉イベントのキーワードは3つ】
【目標達成ptは2点です】
【安価は22:22から行います】
【それまでにヒフミへの質問があればレスをお願いします】
- 563二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:13:13
さっきの質問は方向性としては合っていたのかな?
- 5641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 22:22:38
- 5651じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 22:23:50
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①新しく現れた敵についてどう思っていますか?
②シャーレの先生がゲヘナでライダー陣営とぶつかってたけど良いのか?
③アサシンは現地で単独行動したか?
④昨晩の襲撃はどのタイミングで知ったか?
⑤連邦生徒会は今回の件についてどう考えているか知っているか?
⑥昨晩どこかの陣営と顔を合わせたか聞く
⑦助けてペロロさま〜(自由記入)
【プチ交渉イベントのキーワードは3つ】
【目標達成ptは2点です】
【安価先>>570】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 566二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:55:51
カフェでの会話を踏まえるなら②かな?
- 567二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:59:05
⑦で②に加えて、②の件は聖杯戦争の情報漏洩も含めたシャーレへの過度な干渉に当てはまるのかも一応聞いてみるかな?
多分違うとは思うけど - 568二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:01:41
カフェでの会話が関係するなら②が正解な気はする
- 569二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:22:29
加速
- 570二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:23:26
②でおなしゃす!
- 5711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 23:46:48
【② シャーレの先生がゲヘナでライダー陣営とぶつかってたけど良いのか?】
「(どうしましょうね、ちょっと主流から外れてる気がしますけど……小突いてみましょうか?ペロロ様)」
となれば、幾つかある案から絞っていきましょう。前提として黒服さんも、今何もない空間に手を伸ばしたかと思ったらアイスを取り出したアサシンさんも、昨晩は監督役としての立場にあったと仰います。となればです、昨日の襲撃に対して監督役としてどう働くのか、それが分かればこのお話は自ずと答えが導けます。監督役の役目について話して下さった事があったのは五日目のカフェでの事。
「(あうぅ……やっぱりこれ、どっちかっていうと確認作業に近いです……うぅ、絶対三手でトドメさしたいです……!)」
もう完全にこれじゃあ、チェスの指導対局か何かです。前哨戦とは言いましたけど、目の前の大人の想定より一手でも早めに答えを出し切らないとなんだか悔しいです。
ですが、今は集中。尋ねる事、聞くべき事はシンプル。
「あのぉ……次に私が聞きたいのは、監督役のお仕事についてなんですけど……」
「勿論構いませんよ、それが答えに繋がっている……そう思われるのでしたら、どうぞ?」
「うぅ……じゃあ、遠慮なく……」 - 5721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 23:50:16
黒服さんが昨晩どこにいたか。それを当てるとなれば、彼が気にしてる弱点に触れてみるとしましょう。何せ、他の人も言及してたぐらいでしたから。
「昨晩のゲヘナ自治区であった大きな戦い、シャーレの先生が参加していたようですけど……ライダー陣営はルール違反に該当、いいえ」
さて、まずは一当てです。多分当たってる、そう信じてもう少し踏込みますよ。
「黒服さん。それを《把握された》上で見逃してますけど、貴方はルールに抵触されないんですか?」
黒服さんに倣った、私の敢えて《どっちとも言わない》疑問に対して彼は。
「……これはこれは」
笑みを、その青白い亀裂を深くされました。
【キーワードを入手しました!→シャーレの先生】
【残り達成pt→1pt】 - 5731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/11(火) 23:55:57
というところで今日はおしまいじゃんね☆明日はお昼ぐらいにこの続きを一回投下、19時からそのまま安価スタートの流れじゃんね☆
一つめのキーワードが見つかったという事で、残り二個のキーワードも次回以降に選択肢の中に埋めてくじゃんね☆
明日は今のプチ安価終わったら
①そのままの流れで黒服との交渉(黒服の身辺調査や聖杯戦争に対する意思を調べる等含む)イベに直行
②一回雑談挟んで明後日から↑イベに
のどっちかで考えてるじゃんね☆また何か良い感じのやり方思いついたよーとかこっちがいいなぁとかあったら教えて下さいな!じゃんね☆
ではでは今日も安価にお付き合いくださりありがとうございましたじゃんね☆ゆっくりペースな本作だけど毎日遊びに来て下さってほんとありがたい限りです!じゃんね☆……笛もそろそろ本気で更新するじゃんね☆
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆ - 5741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 00:00:09
- 575二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 07:43:05
おつじゃんね
- 576二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 09:21:22
お疲れ様です
そういえばアイスブレイク後の交渉は質問回数とかの制限はなしでじっくりやる感じなのかな?
後プチ安価終わった後については終わった時の時間にもよるけど②で次の日からじっくりやるでもいいかと - 577二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 10:17:14
後からこれも聞けば良かった、なんてならないように些細な疑問も含めて聞くべきことは全て黒服に聞いておきたい気持ちはあるな
少なくとも監督役として答えなきゃいけないことには嘘はつかないはずだし - 578二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 12:01:16
プチ安価後についてはミカ主さんに余裕がありそうなら、軽く雑談挟んだ後最初の安価の候補だけ提示した上で安価自体は明日にしますとかでもいいかと
- 5791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 13:21:33
【10日目午前/午前・プチ交渉イベント】
【Recommend BGM……〈Noble Hallway〉】
【② シャーレの先生がゲヘナでライダー陣営とぶつかってたけど良いのか?】
「言葉だけ聞くと」
以前カフェで会った時、黒服さんが話して下さった事をまとめると大体三つ。
一つ目は聖杯戦争における監督役のお仕事っていうのは、戦いが規範に沿って正常に運営されているかを監視し、聖杯戦争の被害を最低限に留めることだという話。
二つ目は聖杯戦争の参加目的が『キヴォトスの破壊』とするマスターについて聖杯戦争を監督する上での明確な『敵』と定義しているという話。
そして三つ目が。
「直接シャーレとの正面衝突が起きてしまったライダー陣営のみならず、まるで我々自体も重大なルール違反を冒している……そう聞こえますが?」
学園都市キヴォトスに対して大きな禍根を残す行為はルール違反であり、該当する行為の中には『聖杯戦争の情報漏洩も含めたシャーレへの過度な干渉』というのがあるという話でした。
「あはは……そうじゃないんですか?だって」
そして私の引っ掛けに彼は敢えてなのか、乗ってくれました。なら、もうほぼ確実でしょう。
「先生と貴方は協力関係に、少なくとも聖杯戦争に対して何かしらの情報を貴方は先生に提供されてますよね?『監督役なら』」
黒服さんは以前、先生が聖杯戦争に関わる事を嫌がっておられました。
「黒服さんは以前聖杯戦争の運営という立場に関わらず、先生の生命と存在を保護する観点から私達に情報を漏洩するなと仰いました。でもその後、こうも続けましたよね?」
彼がその時にした説明の中にあった言葉。
「揉み消せないほど事が大きくなれば最悪、自分たち監督役にまで捜査の目がいく。そうなったら困る、と」
捜査。シャーレの先生について話をされている流れで考えれば誰がする事なのかなんて分かりきっています。各自治区の話ではない。連邦生徒会、延いてはその直轄機関。連邦捜査部シャーレが捜査する事が困ると言っておられるんです。けれど、実態は違いました。 - 5801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 13:43:00
「先生は独自に聖杯戦争について捜査を進めておられました。そして昨晩、実際にライダー陣営との接触を図り、結果としてゲヘナ全土に大きな被害が出るほどの戦いが発生しました。実際、貴方がそれをご存知かは分かりませんけど、先生は行方不明です。なら」
先生はもう捜査をしている。そしてその結果、ライダー陣営のみなさんと接触して介入してしまう段階まで来ている。情報が漏洩してるなんて状況じゃないです。
「貴方はその行動を把握してなきゃ可笑しいんです。だって貴方は監督役で、先生が聖杯戦争に関わる事自体がルールに抵触してる。そして昨晩の貴方はその役割に沿って活動されてたんですから」
だったら黒服さんはそれを防がなきゃいけません。だってご自身の事を監督役だと仰られるのなら、その役割に沿ってルールを率先して遵守して、遵守するよう周りに説き伏せ続けなければ、他の誰もルールなんて守ってくれなくなります。そうなれば、それこそこの人が一番恐れるキヴォトスという社会自体の破壊すら招くような事態にもなりかねません。
「普通は接触しようとする前に止めるか、遅れてもゲヘナの戦いに介入してる筈、でも貴方の姿は確認されていません。なら考えられるのは三つ」
でもそれなら。もしも本当に先生の捜査や介入を嫌うなら。もしも私が彼と同じ立場だったのなら。聖杯戦争が開始された時点でやるべき事がある筈です。
「一つはそもそも知らなかった。もう一つは私達に話して下さったルール自体が嘘だったか」
前者は最悪のパターン。予想以上に黒服さんが後手になっていて、昨晩の接触は偶然でしかなかった場合の話。後者はこの話自体に関わってきます。彼が話してくださったルールについて、それが嘘だったとなればこれまでとこれからの言動の全てに信用がなくなってしまう。そしてその両方を想定すると、もう何をどうすればいいのか、少なくともこの場をすぐに立ち去るぐらいしか私には思いつきません。
であれば考えるの最後の一つ。
「貴方は先生とライダー陣営との接触を黙認していた。もっと言えば貴方は先生の動きをある程度予想したり誘導できる、把握できる立場にあったから昨晩の行動を許容範囲として判断した……違いますか?」 - 5811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 13:44:00
元々黒服さんは先生と繋がっていた。
もっと言えば先生にある程度、たとえば聖杯戦争のあらましや概略なんかの情報を絞った形で伝えていた。全くの情報がない状態ではどう先生が動くのかはわかりません。
思い返せばアルさん達のことも最初から探していたような話でした。
極論、色々な生徒の力や自治区の協力を受けて大々的に動くことだって先生には選択肢がある筈なんです。
なのに表立っての捜査を先生はされず、極秘裏に聖杯戦争対策部なんていう部活を立ち上げておられた。それも聖杯戦争の初期段階から。先生は常に水面下で動いておられました。
これは聖杯戦争自体を最初か、もしくは始まってから知っていたからと考えると納得できます。
そしてそんな風に先生の行動を誘導できるのは。
「本筋とは些か外れますから不要な水掛け論はやめましょうか。ええ、その通りです」
監督役としてシャーレの介入と調査を防ぎたい。でも先生は必ず生徒を守ろうと、助けようと動かれるのを知っている。だから、自分から限定的な情報を敢えて渡す事で、先生の行動がある程度予測できる範囲に収めようとした。もっと言えば、聖杯戦争に介入するなと牽制していた。
「私とシャーレの先生は聖杯戦争に限っては協力関係にありました。もっとも、あくまで私がお伝えしたのは最低限の情報と聖杯戦争に彼が関わる事で起こり得る危険性について。そして昨晩の行動についても報せは受けていましたし、問題ないと黙認していました」
それが出来るのは黒服さんただ一人です。 - 5821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 13:44:19
「黙認、なんですね?では昨晩の会談について貴方は把握していた上で、ルールに抵触しないとお考えですか?」
「ライダー陣営についてはそれはもう。先生側から直接の申し出であり、彼女達が意図して情報をシャーレに漏洩したわけではありません。そして我々もまた健全な聖杯戦争の運営とルール保持の為の致し方ない範囲、つまり最低限の情報を提供していたに過ぎません。貴方が弾劾されるのでしたらお好きになさって構いませんが……ルールを取り締まる立場はあくまでも我々だという事をお忘れなく」
「あぅ……《ご忠告ありがとうございます》。じゃあ改めて確認させて下さい」
ルールを取り締まる立場、とアピールをしてきた。となればこれ以上ルール関係について触れても意味はありませんね。なんでしたら、勝手にルールを付け加えたりそれこそルール違反しようが自分達はセーフ、そんな話まで詰めなきゃいけなくなります。それをあくまでルールを取り締まる立場にある、だからこれ以上の話は水掛け論になるから無意味、そう先手を打って頂けるならもう考える必要はないでしょう。だから確認するのは次で最後です。
「貴方は昨晩のシャーレの先生の行動を、ゲヘナに行ってアルさん達と話される事を知っていた……それは間違いありませんか?」
「ええ、事前に連絡を頂いていましたので」
「……ありがとうございます」 - 5831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 13:45:04
情報を整理しましょう。
当てなきゃいけないのは黒服さんとアサシンさん、このお二人が昨晩何処で何をしていたか。
黒服さんは昨日18時頃に夕食を、19時半に入浴を済ませた。昨晩の行動については監督役としての立場にあった。監督役を黒服さんとアサシンさんに限定しているのは、彼女の言葉では『蜥蜴の尻尾』でありそれを黒服さんとしては隠しておきたかった。
そして私が敢えて行動を把握していたのがライダー陣営ともシャーレとも言わなかったのに対して、黒服さんは明確にシャーレの行動を把握していたと仰った。何より先生に情報を渡していた事も認めてくれた。
黒服さんにしろアサシンさんにしろ、私達の知る限りトリニティ、ミレニアム、アビドスでその姿は自治区運営者側からの話を聞いても、ゲヘナについては先生視点の映像を見た限り、お二人の姿が確認できていない。
「それじゃあ、もう一つ質問をさせて下さい」
「どうぞ、ご自由に。まだ残り三回もありますからね」
それらを踏まえて考えるのなら───。 - 5841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 13:52:58
はい、お昼の投下はおしまいじゃんね☆コメント返そーって思って昼に続き投下するって自分で言ってたの思い出して慌てたじゃんね☆
続きの安価は19時からじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
ありがとじゃんね☆アイスブレイク後の交渉は大体最大10回ぐらいの目安を設けて、キーワードも7個ぐらいにする予定じゃんね☆達成目標は4個とか?
長くお喋りも出来るしさくっとキーワードを最短で見つけて次のサクラコちゃんのとこにもいける……みたいな感じですじゃんね☆
ありがとじゃんね☆楽しくお話してもらえたら1としても嬉しいじゃんね☆
②が人気じゃんね☆一応まだまだご意見募集中だけど、②だった場合でも全然頑張って書くから大丈夫じゃんね☆
- 5851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 19:04:56
「(情報はまとめ終わりました。そして黒服さんは先生がゲヘナに行くと連絡を受けていた。それを考えると恐らく昨晩、監督役として黒服さんとアサシンさんがいた場所は───)」
この一手で迫るも良し、もう少し詰めてみるのもよし。どうしましょうか。
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①連邦生徒会側の今後の動きを教えてほしい
②ゲヘナの被害はどう補填するつもりか?
③D.U.でホシノとは会わなかったのか?
④昨晩の襲撃はどのタイミングで知ったか?
⑤ 万魔殿とは協力関係にあるのか?
⑥百鬼夜行にはどの程度の戦力が来ていたのか?
⑦助けてペロロさま〜(自由記入)
【プチ交渉イベントのキーワードは3つ】
【目標達成ptまで残り1点です】
【安価先>>590】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 586二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 19:20:49
ゲヘナ、ミレニアム、アビドス、トリニティにいないなら消去法的に考えて③が正解なのかな?
この安価が正解ならこの勢いで交渉に入るべきなのか
一回雑談挟むべきなのか
悩むところではある - 587二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 20:32:27
加速
- 588二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 21:09:03
ksk
- 589二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 21:18:46
③
- 590二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 21:21:47
⑦で③と④を合わせる感じで
- 5911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 22:25:35
【⑦昨晩の襲撃はどのタイミングで知ったか?D.U.でホシノとは会わなかったのか?】
「三回、ですか……」
「おや?足りませんか」
「あはは……正直、私なんかじゃ足りるか心配です」
実際のところ、詰めるには後一手あっても足りません。三回、だなんて大口叩きましたけど本当にこうやって考えると確証に至るほどの黒服さんに対する情報が足りませんね。
「それは困りましたね。ですがこれはアイスブレイク。肩に力を入れ過ぎても仕方ありません。回数を増やされますか?」
にやりと分かりやすいぐらい嫌味な笑みを浮かべる彼に私も微笑んでみせます。勝気な表情も良かったんですけど、ちょっとそこまでの自信はありません。ハッタリを効かせるというのも良いんですけど、今回は別の方法でいきましょう。
「わぁ、ありがとうございます。それじゃあ改めて質問をしてから回数が足りないかどうか《そちら》が判断して下さい」
だって私はトリニティ生。上品に淑女らしく、常に余裕を持って優雅にいきたいところです。ですから、銃を振り翳して恫喝なんて力技ではなく。
「私達は聖杯陣営と呼んでいる新しいサーヴァント。彼らの襲撃はどのタイミングで知られましたか?」
ここはひと匙、角砂糖を落とすように。
毒を潜めたように振る舞うとしましょう。 - 5921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 22:38:23
「……恥ずかしながら、本日になって。それこそ皆さんと同じ、彼らの襲撃があってからになりますね。言い訳がましい事を言えば、予測自体はしていなかったわけではありませんがね」
あまり面白くなさそうな黒服さんの声がしました。ええそうでしょう。さぞ、これ単品ではつまらない質問でしょう。
ですが、こちらは仕込み。というよりこの後の展開を持ち込む為の布石であり、《次に繋げる為の一手》。今、このアイスブレイクでしくじればとんだ悪手になります。
だからこそ欲しかった情報。だからこそ今が狙うべきタイミング。
では二の矢を揃えて、鹿撃ちに行きましょうか。
【Recommend BGM……〈JACKPOT 777〉】
「じゃあ昨日はD.U.でホシノさんに見つからないようにされてたんですね!」
華やかな声で手を叩いてみせます。まるで分かっちゃいましたとでも言いたげに。相手が失言したのを拾い上げてみせたように、口にします。
「……我々がD.U.にいた、そうお考えに?」
表情は変わらず分かりにくいです。動揺も驚きも、わざとらしく彼が演じてくれなきゃ分かりませんが、言葉が少し遅れました。こちらの意図を読んで、なのでしょうか。ただどれだって構いません。このまま出たとこ勝負です。
「ええ、だって黒服さんが仰ったじゃないですか。先生から連絡を貰ったと」 - 5931じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 22:42:07
元々ピースは揃ってました。気になっていたのは黒服さんを何処まで信じて良いのかわからなかった点。最初にわざわざ経典を引用して嘘がどうのこうのという話までしてくるんです、こっちとしてはやりにくいったら仕方ありません。でも、仮に彼が話す内容が全て嘘偽りがないとこれまでと同じように信じるなら。
彼がわざわざ経典を引用した理由は明白になります。そこでしか、私に疑心を抱かせられる場面がなかったからです。
「ええ、確かに。私は先生から連絡を頂きましたよ?それで、答えはもう出たのしょうか?でしたら是非、貴方の推理をお聞かせ下さい───小さな探偵さん?」
「あぅ……そうやって言われちゃうと、照れちゃいますねぇ───では、お言葉に甘えて」
その過程を踏まえて、全て彼が話した内容は真実だとして。私は勝負に出ます。
「話は単純です。昨日襲撃があったどの場所でも貴方の存在は確認できなかった」
前提条件として私達が持っている情報、そして映像の何処にも彼の姿はなかった。この点が大事になります。
「トリニティはミカ様とツルギさん。ミレニアムは私達やC&Cの方。アビドスは対策委員会のみなさん。少なくとも私達の陣営が集められる情報の範囲で分からなかった。残るのは、戦線が市街地まで拡大したゲヘナ。アビドスに向かう途中で通過したホシノさん、そして」
ゲヘナに関してはいなかった事を私達の手元にある情報だけで立証するのが一番難しいです。何せ、私達が知っているのはミノリさんから聞いた話と、現場の状況を恐らく先生が撮影されたと思われる映像だけ。なのにゲヘナの戦線はどうやら市街地付近まで広がっていたようですから、そちらにおられたとなればお手上げ。
「ミノリさんが到着した時点でミレニアムでも難しかった防衛戦が完全に敷かれていたD.U.だけです」 - 5941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 22:51:45
でもD.U.の方は証明しやすいんです。
「情報がない、というのは間違い。そんなお話を聞いた事があります。正確には《情報がなかった》という情報があるのだとか。ちゃんと伺った話ではありませんが、黒服さん。なんでもアビドスのホシノさんとはあまり仲がよろしくないみたいですね。それも」
彼は昨晩複数の自治区へ襲撃があった事を知っていた。そしてそのタイミングは襲撃が実際に起きたタイミング。監督役として動かれていたとみてほぼ間違いない筈です。明らかにルールから逸脱した行為で、キヴォトスに大きな混乱を招きかねないものでしたから。なのに彼の姿は確認できなかった、いなかった。という事は《いられない理由》が必要になります。
─── だって私、アイツのこと『嫌い』だし
「その事情を話すと交渉に不利益を生むかもしれない、そんなレベルでだとか」
───そういう考えが混じるとさ、話もややこしくなっちゃうでしょ?
「これはお恥ずかしい。ええ、以前少し……不幸な行き違いがありまして。それからは如何にもですね」
「あはは……それは大変でしたね。だってホシノさん、昨日ミレニアムからアビドスに向かう途中でD.U.を通ったわけですし」
「そうでしょうか?たとえ彼女がD.U.を通っていたとしても、それと我々の行動に何の関係が?」
分かって聞いているのでしょう。面白がるように尋ねてくる彼に私も思わず調子に乗っちゃいそうになります。
「ええ、だって……じゃないと説明できないですか」
久々の気楽で、気負うもののない腹の探り合い。ペロロ様のグッズを買い漁る為に交渉してきた、純粋に手に入るかどうかだけを考えてた時のようです。
「ゲヘナかD.U.。昨晩襲撃があった中で私達がいなかったと断言しきれないのはその二つの自治区。そのうちD.U.は貴方が姿を隠す必要性があるんです。仲の悪さも、そして監督役としてお二人で行動していたというのなら。《アサシンさんがいたのなら》」
いなかった、姿が確認できなかった。じゃあ逆に考えたら《姿を確認させたくない理由があった》。連邦生徒会に姿が見られたくないというのもあるかもしれませんし、アサシンさんの姿を見せたくなかったというのもあるかもしれません。 - 5951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 23:04:43
でも、昨晩の襲撃時にそんな理由で姿を隠して戦っていたというのはちょっと弱いんです。だってアサシンさん、彼女は以前物凄く堂々とトリニティの病院で戦ってるのがバッチリ監視カメラに残ってますしね。そういう隠れたりって意識はあんまりない気がします。であれば別の理由、たとえば。
「ホシノさんに見られるわけにはいきません」
ホシノさんというとっても強い人に見つかって、誤解から三つ巴の戦闘になるのを嫌ったからとか、でしょうか。それなら納得できます。だってホシノさん、すごい強い方ですから。なのに、黒服さんとは仲がとても悪くて、そしてアサシンさんにも良い印象は持っておられません。何せ列車事故、聖杯戦争初日に私達を襲った張本人ですからね。
そんなお二人と戦地でバッタリあったら、勘違いしてもおかしくないでしょう。
D.U.をお二人が襲撃しているって。
「なんだ。お前の不始末が根拠だと言っているぞ?ん?どうだ黒服、何か私に言うことはあるか?」
「これは手痛い。なるほど、それなら確かに私達がホシノさんに姿を見られないようにしていたという話にも頷きそうになりますね?」
「あはは……次に今度はゲヘナじゃない理由の方を詰めましょうか。こっちは簡単です。貴方は襲撃があるのは知らなかったけど、先生がゲヘナでアルさん達と接触するのは知っていた」
とはいえ、これだけでは足りませんからね。そんな事はお互い承知の上ですから、次の一手にいきましょう。
「ええ、先ほどお伝えした通り。私は確かに彼がライダーとそのマスターに会いに行くのを知っていました。そしてそれを止めなかった」
「だったらゲヘナに貴方がいるわけがありません。だって貴方がゲヘナに監督役として来ていたなら貴方がいるべき場所はただ一つ」
「おや?限定されますか、ではそれは何処だと?」
「監督役として貴方は以前、先生への干渉を禁じたのは先生の生命と存在を守る為と言いましたから。だったらもし直接聖杯戦争のマスターと話し合う事態になったのら」
サーヴァントの方は強いです。ましてあのライダーさんには石化の魔眼なんていう行動を阻害するスキルだってあります。一瞬一秒あれば、それこそと言う話です。そんな相手との会談を先生がするのを黒服さんは見送った。それでも黒服さんがあの時言った言葉を信じるなら。
「───先生の生命を守れるのは彼の側だけです」 - 5961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 23:24:31
彼が下すべき判断は二つ。自分も会談に同席して先生を守れる立ち位置にいるか、もしくはそもそも《問題ない》と考えてゲヘナに向かわないか。どちらかでしょう。そして後者であるなら。先生と仮にも消極的な協力関係を結んでいたなら。
「そして貴方に先生はこうお願いされたんじゃないでしょうか?不測の事態に備えて、夜遅くにゲヘナへ向かう自分達に代わってシャーレのある」
監督役という仕事を全うする大人に対して先生はきっと言うはずです。
「D.U.の防衛をしてほしい、と」
監督役だって自分で言うのならその分の仕事はきちんとやれ、と。
愉快そうに唇の端から笑い声を漏らす彼に私も最後の一手を撃ち込みます。
「ついでにダメ押しです。シャドウサーヴァント、という存在が以前から問題視されると共にゲヘナやトリニティで噂になっていました。実際、こちらで調べた限り、両自治区で存在が確認されていたみたいですね……でも実際にはアビドスにもいましたし、恐らくミレニアムにも潜んでいた」
私達だけじゃなくアビドスやトリニティ、そしてミレニアムとの定時連絡や報告を他の生徒に成り代わって嘘の情報を流していた顔のない生徒達。
「じゃあ、他の自治区はどうでしょう。実際、私達は昨晩D.U.というマスターが拠点を置いていない自治区に向けた侵攻を連邦生徒会への攻撃だと考えていました。そして私達の知る襲撃された自治区では以前からシャドウサーヴァントの存在が確認、もしくは確認し損ねていただけでいたと考えています」
彼女達がいた以上、シャドウサーヴァント自体がいたかどうかはともかく、聖杯陣営の介入というのは昨晩よりもっと前からあったんです。
「なら、こう考えるのが素直でしょう。私達が把握できていなかっただけで、D.U.にもシャドウサーヴァントは襲撃以前から他の自治区同様にその存在があって、けれどそれを誰かが倒していた」
スマートな解答とは言い兼ねますが可能性は大きいでしょう。実際、昨晩D.U.は襲われた。他の襲撃があった自治区は基本的にどこもマスター達が拠点を置いている自治区です。狙われたのはマスターやその関係者が大半、というのも強欲のアーチャーさんの言葉で聞いています。
- 5971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 23:25:43
そしてそれらの自治区には襲撃以前からシャドウサーヴァントや顔のない生徒がいた。だったら、D.U.にもいたと考えるのだって無理はない。
そうなると、その被害を誰が食い止めていたか。実際にゲヘナでは生徒が路地裏で襲われそうになっていたりしてたとヒナ委員長が仰っていましたからね。
「先生が対処していた線もありますが、元々は監督役である貴方も請け負っていたんじゃないですか?だって明らかに聖杯戦争が原因で発生した問題ですから、貴方が対応して然るべきじゃないかなって」
こっちに関してはスマートですね。だって聖杯戦争にどう見たって聖杯陣営は関わりがあるんです。その行き過ぎた被害を防ぐのは彼の役目でしょうから。
「さて、長々お話しちゃって《喉も乾いてきちゃいました》から、ここでお仕舞いにしちゃいますね。貴方は」
一呼吸置いてから、私はここ一番って顔をします。折角だから雰囲気を出そうと、人差し指で前髪を軽く一巻き。さあ、これでぴったし三手、そして三回目の質問でフィニッシュです。 - 598二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:26:01
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- 5991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 23:26:53
「先生がゲヘナに向かう前に夕食と入浴を済ませてからD.U.に向かって監視をしていた。目的は先生が不在の間のD.U.を防衛する為」
結局、一番肝心な部分は最初から変わりませんでした。黒服さんが嘘を言っていないかどうか。それだけが気掛かりではあったんです。なにせ、アイスブレイクとはいえ、あまりにも私達の手元にある情報と比較した時に何処で何をしていたか《分かりやす過ぎた》から。だから判断がかなり揺さぶられました。本当に裏は、もっと調べるべきことがあるんじゃ、嘘や言っていない情報があるんじゃって悩んじゃいました、でも。
───ヒントはちゃんと《最初にあったんです》。
「そして襲撃が起こった直後、恐らく私達より早く聖杯陣営と交戦を開始。連邦生徒会が防衛戦の体制が整うまでの時間を稼ぎ、ミノリさん達が到着したのを確認してから速やかにその場を去った」
黒服さんが最初に話していた経典のお話。そもそもあの言葉には続きがあります。それは『まことに正しい者には報いがある。まことに地にさばきを行われる神がある』というもの。要するにです。
「えへへ……どう、ですかね?」
嘘はついちゃ駄目ですよって話なんです。 - 6001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 23:31:29
- 6011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 23:37:57
はい、一回締めるじゃんね☆
というわけでプチ交渉イベは終了!次は雑談挟んで明日から本番の交渉イベじゃんね☆
もうほんっっとにいつもこんな大変な安価に参加してくださってありがとうございますじゃんね☆
もしも、安価する時間とかレス数とかあとこういう風にしたらとかあったらじゃんじゃん言ってやって下さいな!じゃんね☆1も少しでも、ちょっとでも楽しんで頂けるよう色々工夫して頑張るじゃんね☆
ちなみに今回のキーワードについては以下のサイトで>>522の文章を復号してもらったら一応あらかじめ用意してて安価中に作ったものじゃないのが分かってもらえると思うじゃんね☆ここら辺はせめてスレ主としてフェアにやるじゃんね☆
では1はまた書いてくるけど多分相当遅くなるか明日の昼とかになりかねないからみんな寝てねじゃんね☆おやすみなさいじゃんね☆
暗号化サイトwww.mcrypt.clickパスワード:Knox's Ten Commandments
- 602二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 23:39:08
分りやすくまとめると………
アサシン陣営は
・先生と事前に同盟を軽く結んでいた
・夕食後、D.U.地区を監視。
・誰よりも聖杯陣営を相手をした。(嫉妬のアサシンを相手にしていた可能性大)
・時間稼ぎを行ってきた。
・その行動を誰も(マスターたちに)悟らせない為にすぐ撤退した。 - 6031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/12(水) 23:45:09
- 604二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:02:03
明日から本番か
場合によってはガチの契約を結ぶことになるだろうからな
しっかり契約内容とか含めて考えておいた方が良さそう - 605二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 00:40:31
両者が納得した上で契約って難しいだろうからな
裏切るじゃないかって懸念は出て来るだろうし
絶対これなら裏切らないって内容のペナルティとかを双方に用意した方がいいかもしれない
軽いペナルティならそのペナルティを背負ってでも聖杯欲しいですってなるかもしれないし
そこまで互いのことよく知らないわけだから
裏切らなきゃいいわけだからどれだけ故意に裏切った時のペナルティを重くしてもいいって感じで - 606二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 04:30:29
果たしてどんな感じの交渉になるのか
- 6071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:11:40
【10日目午前/午前・プチ交渉イベント】
「……答え合わせは必要ですか?」
ゆっくりと口を開かれた黒服さんの言葉には揶揄うような響きが乗せられていました。嫌味とか毒気とかのない、シンプルなその意図に思わず私まで釣られそうになります。
「それはもう!だって、折角お誘い頂いたアイスブレイクですから」
「クックックッ……ええ、そうでした」
惚けたような事を言ってから、彼の青白い靄が焚かれた眼光は私を真っ直ぐに見つめられました。視線が交差する私達の口元はまったく同じ形をしている。
【Recommend BGM……〈Party time〉】
「楽しんで頂けましたか?名探偵」
「それはもう、しっかりと」
あの日の意趣返し、とまではいきませんでしたが。それでも三手。彼が用意していた五回の質問のうち、三回目の質問できっちり勝ち切る事が出来ました。口も頭も心も快調。しっかり調子を整える事が出来たことに関して、黒服さんの配慮はありがたい限りでした。とはいえ、その配慮をさせてしまったことには恥ずかしさと引け目を。
「───話が済んだなら、ヒフミは返してもらうぞ」
感じたところで私の思考は柔らかな体温に攫われました。シトラスが爽やかさにラベンダーの背中を軽やかに押す香りが良く似合う彼女の温もり。静かな羽撃きが古聖堂の空気を軽く弾いたかと思えば、一瞬のうちに私はさっきまで座っていた場所から少し離れたところへ。
「あ、アズサちゃん!?」
そうです、アズサちゃんの胸の中にいました。
『(流石アズサだ、手早いね。僕が出る幕もなかったよ)』 - 6081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:13:22
『(あぅ……ど、どうして急にアズサちゃんが!?お、お喋りが長過ぎましたかね!?というか息が!?)』
『(ははは……良い事を教えてあげよう、ヒフミ。そういうのは僕に聞かず、直接女性に尋ねるものさ)』
相変わらずセイバーはこういう時にキメ顔するばかりで役に立ちません。意地悪です。文句を言いたいところですけど、アズサちゃんが中々話してくれません。視界が真っ白で柔らかいのと良い香りがすることしか分かりません。セイバーさんへの抗議どころか、直接アズサちゃんと話をするのだって無理です、なんなら呼吸も危ういです。
『(ま、まままままずいです!このままじゃ、息が!あと意識も!昨日寝不足だから余計に酸欠で!)』
『(ははは……そうなったら暫く休んだらどうだい?昨日は遅かったしね)』
『(せ、セイバーさんのおにー!あうぅ……他人事だと思ってー!)』
「これは白洲アズサさん。カフェでは御挨拶出来ていませんでしたが、怪我の経過は如何ですか?必要でしたら、一応は私も彼女のマスター。誠意をお見せしたいと考えておりますが」
「いらない。それより気に入らないのは、無駄話が長い方。ヒフミと話したいなら───私達を通して必要な話だけにしろ」
「クックックッ……これは失礼を。てっきり今日は阿慈谷ヒフミさんだけがお話しされのかと思っていましたので。何せ、あなた方はどうやら話よりも、そちらの方がお好みのようですし」
困りました。ますますアズサちゃんの力が強くなってます。なんなら多分今羽根でも包まれちゃってます。もうなんかおはなばたけにいるみたいです。
『(ほらヒフミ、意識を強く持つんだよ)』
うるひゃいです。 - 6091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:14:54
「あらあら。言葉を交わさずに判断する、というのはあまりよくないのでは?」
「目は口ほどに物を言う。態度が透けてしまえばポーカーフェイスに意味はありません。ビジネスの基本はいつでも笑顔、相手を萎縮させる態度で席に座っても望む結果は得られませんよ?浦和ハナコさん」
「まあ!うふふ……とっても勉強になりました」
「ええ、帰ってからよく復習なさるのをお勧めします」
「……どうでしょう。私達は生憎、忙しいですから。あとアズサちゃん?そろそろヒフミちゃんが多分酸欠でイって♡しまうので、その辺で、ね?」
「アズサ、アズサ。ちょっとあんたそこら辺でやめとかないとヒフミ本当に気絶するわよ」
「む……そうか。ありがとう、ハナコ、コハル」
ふわっとしてていままでかんじてたあったかいのがはなれていって。それでわたしのしかいは。
「ふぅぅぅぅぅ……っ!」
「あーヒフミ?大丈夫?」
思いっきり深呼吸。コハルちゃんが大丈夫か聞いてきてくれますけど、色んな意味でそれに応える余裕が今の私にはありません。
「しかし随分と警戒なさっているご様子。此処、古聖堂は聖杯戦争においてシャーレを除けばキヴォトスで唯一の中立地帯。勿論、私と彼女も同じ。あまりそう肩に力を入れずリラックスして頂ければ」
先ほど天井に穴が開いて風通しも良くなりましたしね、なんて付け加えておられますけどそれについては全面的にこちらに非があるのでなんとも言えません。
「そも警戒されるような胡散臭い貴様が悪いな、黒服よ」
そう思っているとアイスを食べ終わったのか今度は棒を《火もつけずに炭化させながら》アサシンが苦言を口にされました。どうでも良いかもなんですけど、一体全体、さっきからどうやって燃やしたり焦がしたりしてるんでしょう。 - 6101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:15:59
「……警戒される原因を作ったのは貴女だったかと思いますが?アサシン」
「ふむ、どうだったかな?それから、その話を今したいなら儂は構わんがお前はどうだ?」
「……はぁ」
対してそれに心なしか睨むように文句を言う黒服さんへ、鼻を鳴らしてアサシンさんは返事をされます。そうするとやはりと言いますか、黒服さんはこれ見よがしに重たいため息を吐かれました。これが演技でないのなら、多分今の溜め息が彼なりの精一杯の抵抗なんでしょう。
「それに考えてもみよ。お前の軽薄なその態度とこの娘達の殺気染みた瞳。どちらが心地良いかなぞ言うまでもなかろう?」
そんな黒服さんの無言の抗議を無視したまま、アサシンさんの目線は私達、もっと言えば私の後ろや隣にいるみなさんの方へ向かう。殺気染みた、と言っておられますけど全然そんな目をみなさんがしてるなんて気付きませんでした。というか怖くて確認できません。
「それにだ、見目というのは肝心だぞ」
膝に手を当てて息を整えている真っ最中の私としてはこのまま前だけ向いていようかなぁ、なんて考えていたところで。
『(さて───ちょっと動こうかな)』
私達から少し離れた場所に立っていたアサシンは言葉を区切られてから、笑みを深めたのが一瞬だけ私達の視界に映りました。
「ほれ───お前と違ってこの娘はこうも愛らしい」
瞬き一つの間、だったのだと思います。少なくとも私にはその動きは捉えることなんて出来ませんでした。
「ッ!触るなッ!」 - 6111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:16:46
だから気づいたのはいつの間にか私の《半歩前》まで来て、隣にいるアズサの頭を撫でては、彼女がその手を弾いた。その声を聞いて初めてでした。
「おっと。いやしかし……くくっ。良い動きだな勇敢な娘。やはり私がこの地で出会った娘の中でもお前は一等良いぞ、《良く出来ている》」
「……私はお前が嫌いだ……っ!」
唸るようなアズサちゃんの声にびっくりして中々状況が掴めず、コハルちゃんと一緒に目を白黒させる中、アサシンさんは気にした様子もなく笑い声をあげます。
「そうかそうか、愛い奴め」
幼い子を見て笑いかけるような、大人の女性の笑い方。老成してるのに艶やかさちっとも損なわれていない、上品なのに野趣に溢れた笑い声。その声と態度に。
「ッぅ!……ヒフミぃ!」
アズサちゃんが今度を私の腕を抱きしめて組んでくれました。ええ、嬉しいですよ。お友達とくっつくの、私は大好きです。嬉しいんですけど、でもちょっといたいかなぁって。なんなら腕に爪が、ちょっと、アズサちゃん?アズサちゃん、グイグイ刺さってます。
「いやはや随分と嫌われたものですね、アサシン。これを機にもう少し人に優しくするという文化的なコミュニケーションを学ばれては?」
「ふん。誰に向かって言うか。私はこう見えて何百と子を育ててきたのだ。お前とて知っているだろう?」
「……貴方のあれは世間一般だと教育や養育ではなく練兵の部類です。それも多分、旧時代然の「おっと手からげい・ぼるく」……修繕するのは私なんですが」
目の前で黒服さんに向かってアサシンさんが手を振ったかと思ったら、次の瞬間に鈍い金属音。見れば黒服さんが立たれている数ミリ横の床に突き刺さっていました。確信が持てます。間違いなくこのお二人の力関係はアサシンさんが上なんでしょう。そんな姿を見て戯れ合うぐらいには仲が良い、と私は感じました。 - 6121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:24:48
ですが、なんといえば良いのでしょう。だからこそなのでしょうか。このお二人のやり取りを見ているとどうしても違和感があります。
仲も良くて、怪しさは満点ですけどでも監督役としてはきちんと働いておられる黒服さん。何より、先生と聖杯戦争限定でかつ、恐らく消極的だと思われますけど協力関係を築いていられた大人。
そんな人がどうして───。
「痴話喧嘩は構わないが、時間がないのはお互い様の筈だ───話をしたい」
ぴしゃんと空気を叩くような力強い声が私の思考と、黒服さん達の会話を止めました。石造りの教会の床を硬く叩く靴音は硬質なゴムのそれ。声の主は振り向かなくても分かりました。
「これはこれは、お久しぶりですね。第五のマスター、安守ミノリさん」
アズサちゃんとは反対側に立って、けれど私よりほんの少し前に立った彼女の横顔は拠点にいた時とは違って少し、厳しい。
「才羽モモイさんの時も驚きましたが、まさか他ならぬ貴方が阿慈谷ヒフミさんと同盟を組まれたとは……嘗て貴女が口にされた賭けというのは良かったので?」
「ああ、《私が勝った》からな。おかげでこうして、得難い友と仲間を得た。今では私も同盟陣営の一員として、漸くこの聖杯戦争に臨める」
「それはおめでとうございます。監督役として貴女というマスターとサーヴァントが聖杯戦争への参加表明を新たに掲げられた事を喜ばしく思いますよ」
賭け、というのは昨日ミノリさんとお話をした時に少しだけ伺いました。詳しい内容までは聞けてませんけど、確かスパルタクスさんとの賭けで、口振から察するに聖杯戦争に関係あるものみたいです。また帰ったら伺いたいですね。とはいえ、今はそれを考えている余裕も時間もないのは。 - 6131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:26:16
「さて、時間がないというのを今更確認する事はないでしょう。その様子ですと、既に聖杯からの魔力供給とそれによる肉体への負荷については知っていらっしゃるようですから」
話し出した黒服さんの雰囲気を見れば一目で分かりました。先ほどと同じ、少し意地の悪い質問です。意図して此方の感情を逆撫でするような、そうやって自分にとって都合の良いペースに持ち込む為のテクニック。だったら、私もギアを入れ直します。
「……知っておられたんじゃないですか?」
それに久々に心が痛むことなく探り合いなんてのをして調子も良いところですから。
「まさか、私は監督役ですから。初めから知っていましたとも」
「あはは……ごめんなさい、そっちじゃないです」
「……クックッ……と言いますと?」
それに折角あんなアイスブレイクまで用意して頂きましたから、お礼の一つでもしたいところ。
「多分ですけど黒服さん、私が倒れた日にお見舞いに来ようとしてくれてませんでしたか?」
ですから、出鼻を挫かせてもらいましょう。 - 6141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:27:07
「さて、どうでしょうか。後学の為に、どうしてそう思われたのか伺っても?」
「あはは……なんとなく、なんです。私が退院した日も貴方はわざわざ会いに来て下さいましたから、ならあの日も実は来ようとしてくれてたんじゃないかなぁって」
勿論、理由はそれだけじゃありません。幸いな事に、あの日ちょうど私のところにお見舞いに来てくれた子もいましたしね。それになんとなくっていうのも、直感でそんな風に感じたわけですし。これも立派な理由です。
「……なるほど。では一つ、あの時と同じように忠告を。あまり見せびらかすのは肝心出来ませんね、サーヴァントとの契約によって共有したスキルを連想させるような不可思議な発言は」
「ご忠告ありがとうございます。でも、どうでしょうか?本当にただなんとなくそう思っただけかもしれませんよ」
「クックックッ……では、口煩い大人からの助言という事で一つ」
「ええ、ありがたく受け取らせひゃんっ!?」
格好つけて薄ら微笑んで見せようかと思ったんですけど、脇腹の感触にびっくりして恥ずかしい声が出ちゃいました。
「あ、アズサちゃん?急にお腹に手を回されるとびっくりしちゃいますよ……?」
「……むぅ」
「あは、あはは……」
駄目です。むくれてほっぺを膨らませてます。いえ、大丈夫ですけどね。この前入院したというか倒れたからかちょっと体重減り気味な感じですし、別に脇腹のお肉とか気になってませんけどね。
「さて、こうして楽しくお話を続けるというのも私自身は然程嫌いではありません。ですが時間というものは幾らあっても足りる事はない」
こほんと黒服さんがされた咳払いで現実に意識が向きます。調子は勿論まだまだバッチリです。 - 6151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:27:40
「ましてや私も含めてマスターには、そして次の聖杯戦争を見据えるならばこのキヴォトスにも、猶予というものはそう多くは残されていません」
時間がないのは百も承知なんです。だからちょっと無理のあるスケジュールを、目立たないギリギリの範疇で行える空挺降下までして組んだんですから。
【10日目午前/午前・交渉イベント】
「話をされに来たのでしょう?勿論、構いませんとも」
【Recommend BGM……〈Black Suit〉】
「第一のマスターとして、そしてキヴォトスで発生した今次聖杯戦争という大事件の監督役として」
【条件:現時点での安価回数……最大7回】
「───あなた方の話を伺いましょう」
さあ、調査と交渉のお時間です。
①まず目的を話す
②聖杯陣営について尋ねる
③大聖杯について聞く
④予備システムについて聞く
⑤監督役との協力関係について尋ねる
⑥ハッピーエンドについて話す
⑦助けてペロロ様〜(その他自由記入) - 6161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 07:33:01
- 617二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 11:34:41
お疲れ様ー
- 618二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 16:50:42
契約内容によっては色々変わってきそう
- 6191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 20:23:08
たでーまじゃんね☆
今回の交渉は最大7回会話が出来てそのうちキーワードは全部で一個特殊なのを含めて全部で8個じゃんね☆
何回キーワードを含む安価を選択したら交渉成立したかは次で🎲振るじゃんね☆
07WhBQPXo5TSrZ/atYrUj5XSi7jXs5
HVsqDVsoPWsrzQsaU8P9KLndCJudKq
jNW4v96JrNiCpNesuDw+0LKl0reP0r
qZ0rOJ0re63oirf1dcXEURY11URFtU
RlU4PNK7m9KzidK3nNK3jda1uNaKqz
0/06WT0re+1rWy2rWl07aN17GZ17KG
1bKwOzvSpJDQibnRs6zVs47Vs4nWsr
LQspQ8P9Sgm9+KotOtudCwmtK3stK7
vdKxjNK1vtWOuhrfiqvQrb3WsJ/QsJ
vYlK7SuLLSsZrStZnStbU4PNOoldiL
p9eovtK1nt23p9+rnta9l9CJuNewm9
6DldKKi9azpta+otK3vNK4qdKxsTw+
0aCQ152f1LGf0rGb1JOn2ZmDODzTqJ
PZmoXStrHXmovWt6Tat5vTtLXXs7DS
n4/VsKzVsKvWsJ7QsLDZk6zXu6k8Ot
egktaVk9WPjNK4ntKxotK1ldK1n9Kp
rd+6sD0/dGwd1pOw1re92rS107e717
Ku17Cx0ouy - 6201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 20:27:42
- 6211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 21:01:38
【行動安価を行います】
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①まず目的を話す(指定がなければ同盟陣営の目的についてのみ)
②聖杯陣営について尋ねる
③大聖杯について聞く
④予備システムについて聞く
⑤監督役との協力関係について尋ねる
⑥ハッピーエンドについて話す
⑦助けてペロロ様〜(その他自由記入)
【交渉イベントのキーワードは全部で9つ】
【そのうち8つに関しては獲得時にアナウンスを行います】
【目標達成ptは4ptです】
【安価先>>628】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 622二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 21:32:01
まあまずは1かな
目的を伝えるのは大切だし - 623二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 21:51:28
①が一番いいように感じる
- 624二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 21:59:35
個人的には2だけどまずは1を確認に
- 625二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:11:48
このレスは削除されています
- 626二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:12:14
①で
- 627二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:12:42
①
- 628二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 22:15:22
①でお願いします
- 6291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 22:46:59
【10日目・交渉イベント/残り7回】
【Recommend BGM……〈Black Suit〉】
【①同盟陣営の目的を話す】
「私達はセイバー、キャスター、バーサーカーの三陣営が聖杯戦争の同盟です」
何から話すかとなれば、やはり私達側の情報、もっと言えば目的についてというのがスムーズな流れになるでしょう。
とはいえ、黒服さんについての情報が乏しいから交渉兼調査で来ましたと正直に言ってしまうのも黒服さんからしても困ってしまうでしょう。
「同盟の目的は聖杯戦争に参加する全マスターと全サーヴァントを誰一人失う事なく、今次聖杯戦争をもってキヴォトスで行われる聖杯戦争を終わらせる事です」
なので今回はまず、私達の一番大きな目的の方から。実際、行動の軸になっているのはこの部分ですし、譲る事が出来ない私達の一線です。それを最初に提示しておけば、お互いやりやすい部分もあります。
「それはそれは……御立派な志ですね」
僅かに言い淀まれた言葉にはほんの少しだけ苦い笑いが忍ばせられていました。嘲るのとは違う、どちらかと言えば、憐憫に近いでしょうか。
「あはは……ありがとうございます。でも私達からすると当たり前の事ですから」
「ええ、確かにそれはそうでしょう。あなた方にとって、いえ。キヴォトスに住まう者にとって命の奪い合いは度し難い禁忌なのですから」
あまり良い気持ちは当然しません、けど気にしていたって仕方ありません。まずは私達の目的を伝えた。それへの共感の度合い、そして興味と関心をどの程度惹くことが出来たかが大切です。
「……黒服さんはそうじゃないと?」
「御冗談を。以前にもお話した通り、こんな見た目ですし出身こそ違いますが、私もまたこの地の人間です。敷かれた世界に足をつけて生きていますよ」
そして黒服さんもまた私達と同じ価値観を、少なくとも最低限のラインは共有していることも確認できました。この人は、誰かを殺したくて聖杯戦争の監督役をしているわけでもないですし、自分の願いの為に人の命を奪う行為を明確に禁忌だと考える価値観を持って生きている。どの程度なのかはさておき、そこの理解を一致できたのは正直ホッとします。 - 6301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/13(木) 22:50:44
「黒服。私達同盟陣営はお前の言うルールに反する事はない。だが反面だ、聖杯戦争の推移を観察したいと言っていたお前からすると、私達のような聖杯戦争自体を止めようとする存在は───敵か?」
「いいえ、安守ミノリさん。我々監督役にとって重要視するのは始まった聖杯戦争の推移という過程のみになります。極論を言えば、誰が聖杯戦争を止めようが、今後二度と聖杯戦争が起きなかろうが私共としては問題がないんです」
ミノリさんからの質問からは黒服さんのスタンスというのが見えてきますね。彼ら監督役にとって重要なのは始まってしまった聖杯戦争がどんな風に進んでいくのか、という一点なのでしょう。
「一度生まれた物ですから。司祭でもない私に祝福をするというのは無理ですが、せめて研究者として見守る程度の務めは果たすべき。そう自認していますので」
なんだか実験の経過を観察しているみたいです。
【達成pt→0pt】
さて、目的については話すことが出来ました。黒服さんからの質問であったり深い部分をついて解答を要求されるなんていうのはまだありません。
もう少し、私達側からのアクションをしてもう一歩踏み込んだ話をしていきましょうか。
【行動安価を行います】
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①同盟ないし協力を申し出る
②聖杯陣営について尋ねる
③大聖杯について聞く
④予備システムについて聞く
⑤カイザー各種企業との関係について尋ねる
⑥ハッピーエンドについて話す
⑦助けてペロロ様〜(その他自由記入)
【交渉イベントのキーワードは残り9つ】
【安価先>>637】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 631二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:29:27
いっそもう②と①を合わせた上で、聖杯陣営について探った後こちらがしたい具体的な取引内容提示した方がいいかもしれないな
具体的な契約内容を出せば黒服がここを訂正してほしいとか、見返りとかの話もしやすくなるだろうし
しっかりペナルティも書いた上で - 632二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:50:03
- 633二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:13:07
>>632さんの意見がいい気はするな
他の陣営とは違って黒服相手に必要なのはロジックになるだろうからな
情に訴えて通じる相手じゃないと思うし
命を賭ける覚悟とかを示して自分は本気であると示すのはありかもしれないが
- 634二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:36:04
そもそも聖杯陣営がイレギュラーじゃないのか?普通の聖杯戦争だとイレギュラーがあった場合まずそれの排除を監督役から支持されたりするはずなんだけどね。
だから聖杯陣営がイレギュラーなら監督役としての仕事として聖杯陣営にあたるってことも可能じゃないかな。それなら聖杯陣営のサーヴァントを減らした分令呪を報酬でもらうってことも可能になりそう - 635二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:42:50
- 636二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:47:15
>>635かな
監督役に対する質問は黙秘はあるかもしれないが嘘はつかないはずだし
- 637二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:48:03
- 6381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 06:43:46
- 639二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 09:42:11
了解しました
- 640二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 11:02:38
どのタイミングで具体的な取引内容を提示すべきなんだろうな
あっちが提示してくる可能性はあるけど
安価回数はまだ気にしなくていいかな
具体的な取引の内容の話し合いとかの最中にいきなり終了という事態にはならないだろうし
話し合いが停滞していたらまずいけど - 641二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 12:27:54
一番良くない展開は敵対ルートに突入することなのは間違いないけど
話し合いが一向に進まないのも良くないからな
話し合いが進む話題を出せればいいが
後黒服相手にどう優位に交渉するか
黒服が動揺を隠せないようなことになれば精神的に優位に立てるし
まあ動揺させるのは相当難しいだろうけど - 642二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 16:05:48
出来るだけこっち優位で取引したいのは確かだけど
そう簡単に出来る相手じゃないのも確か - 6431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 19:41:37
- 6441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 21:41:42
【⑦ 自分たちの目的(ハッピーエンド)達成に必要であると話した上で予備システムについて聞くと共に、監督役の特権の有無、聖杯陣営に参入について、契約について聞く】
踏み込んだ内容となると大体大きく分けて二つ程度になります。一つは聖杯陣営という新しい脅威について。もう一つは予備システム周りについてでしょう。特に後者についてはセイバーさん達も知らなかった大聖杯そのものと密接に関わりのあるシステムです。正直な話、これを私達のようなただの参加者が知っているという状況自体が本来の聖杯戦争ではあり得ない物なんでしょう。
『気合い入れて頑張っていきますよ、ペロロ様!』
だからこそ、ここぞってタイミングで上手く切り出します。特に黒服さんは大聖杯や聖杯戦争そのものの関心は薄そうだと感じます。私達の方の情報なしで予備システムについて聞けば、もしかすると戦火を広げると勘違いされかねません。現状予備システムとそれを使った大聖杯の停止については、手持ちの情報の中では切り札ですね。
「まず、聖杯陣営について伺ってもいいですか?」
「どうぞなんなりと。あなた方もきっと気になっていることでしょうから」
余裕な笑みの裏側にあるのは察せれません。少なくとも表情や雰囲気から読み取って戦う、というのはやはり黒服さん相手だと難しいですね。意表をつく、となったらそれこそ彼の思考の外からになるでしょう。
「昨晩の襲撃は大きな被害が生まれました。私達の知る限りでも複数の自治区で、そして黒服さんご自身もそれへの対処に赴かれています。だからこそ、聞かせてください」
となるとまずは牽制から。意表をつく必要があるなら序盤はある程度彼が予測できる範囲内の質問から牙城を崩していきましょうか。
「このキヴォトスで行われている聖杯戦争で彼らの存在はイレギュラーな物なんでしょうか?」
当事者からすれば気になるのは当たり前の質問です。何せ七騎のサーヴァントさん達が戦うという触れ込みを聞いていたのに、いきなり六騎も増えたんですから。ましてや《あの女性》、彼女についてはそれこそ私達も名前ぐらいしか分かっていません。聖杯陣営という存在自体が最初から仕組まれていた物なのかどうか、まずはそこから聞いていきましょう。 - 6451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 21:44:03
「さて、それについては私の方からはなんとも。少なくとも監督役を務めるにあたって聞いていた話の中には彼らのような存在について、示唆する情報すらありませんでしたから」
聞いていた話という言葉から察するに前任者、或いはセイバーさん達から教えて頂いた聖堂教会のような上位組織があるのでしょうか。確か黒服さんはゲマトリアっていう組織の方でしたし。ただ彼は以前、『この聖杯戦争で用意されたルールと聖杯について、我々の組織、ゲマトリアの人間はそのシステム構築に一切関与していない。謂わば自然発生した『事故』の副産物』とまで言い切っていました。私はこの言葉そのものは嘘じゃないと思っています。でも、なんだか妙に引っ掛かりはするんですよね。
「イレギュラー、あなた方監督役はそういう風に認識しておられるという事でよろしかったでしょうか?私達に聞けど言わんばかりの口振りでしたけど♡」
「ええ、浦和ハナコさん。恥ずかしながら私もあくまで与えられた役職を全うするので精一杯です。いやはや、あんなモノが現れるだなんて聞いていませんでしたとも」
「あんなモノ、ですか。監督役に就かれておられるだけに彼らがまともなサーヴァントでない事は把握済み、でしょうか?そちらには随分と魔術に精通した方がいらっしゃいますし」
「大量のシャドウサーヴァントの軍勢を召喚し、あまつさえ宝具を使用しての大規模な従属物を数時間にわたって展開し続けられる。少なくとも通常の霊基ではないと判断するのは、ごく自然なことかと」
ハナコちゃんからの追及はひらりと躱されてしまいます。ただ、言及を控えたという事は何かしら『知っている可能性』もありますね。
「イレギュラーなのは分かった。だが、お前達監督役はアレに対してどういう風に対処するつもりだ?間違いなくキヴォトスに混乱を招く存在だろう」
ミノリさんもそれを分かってか深掘りをしてくれます。実際のところ、黒服さん達がこれからどんな風に彼らへの対処をしていくのかは気になるところです。その点が分かっていれば私達も協力を依頼するハードルがグッと下がる。
「───いいえ、何も」
そう考えていたのを、彼はたった一言で覆す。 - 6461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 21:55:13
甘さも嘲りも、それどころか色もない。
「我々が彼らに対して自発的に干渉を行うつもりは現状を踏まえてもありません」
淡々と彼はそう言い切りました。
「んなっ!?そんなのおかしいっ!……です……」
唖然とする私達が意識を立て直す事ができたのはコハルちゃんが大きな声で叫んでくれたからでした。思わずといった様子で飛び出てしまったその言葉に彼女は赤面して恥ずかしそうにしていますけど、正直私としては助かりました。聖杯陣営に対して監督役は何もしない。そんなことを言われるだなんて思ってもいませんでしたから。
「いけませんよ、下江コハルさん。こうして話をする席では感情的になっては己の未熟さを曝け出すばかり。相手からの情報を受け取ったなら一度考えをまとめてから口に出してみましょう」
そして叫ばれた当人である黒服さんは、気にした様子もないどころか、コハルちゃんへ諭すような事を言われておられます。以前のバス停でもそうでしたがどうにもこの人は、時折こうやって何事かを教えて下さったりします。違和感というのもまた違いますけど、あまりにも受ける印象とは違う先生が言いそうな言葉なんです。ちょっと虚をつかれてしまいます。
「……あ、ぅ……ご、ごめんなさい……」
「なぜ?怒ってなどいません、注意でもありません。貴女は所詮子供です。子供らしく失態をしたならば学べば良いのでは?貴女にとって必要なのは私に対する謝罪ではありません」
「……ぅぅ」
こうやって追求するのを見るに別に私達に対して特段の思い入れとかがあるわけではない、むしろなんていうのでしょう。あまり良い言い方じゃないですけど、彼と私達とには絶対に埋まることのない溝があるんです。硝子の板越しにこっちを見ているというか、そういう感じなんです。なのにどうしてか、時折先生のような事を仰るんです。不思議な感じ、ですが、今はそれを深く考える場面じゃありません。
「……あまり、うちのコハルちゃんのことを虐めないで頂けませんか?」
「そうですよ、黒服さん。コハルちゃんはとっても優しい子なんです!グイグイ来られたらびっくりしちゃいます」
「コハル、大丈夫?携行用にグミを持ってきたけど食べる?」
「だ、大丈夫だから!子供扱いしないでよね!……ありがと、みんな」 - 6471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:04:44
コハルちゃんの前に立ちつつ、みんなで涙目になってるコハルちゃんを慰めてると、正面から忍び笑いが聞こえてきました。
「クックックッ……これは失礼。若者への教示というのは大人の特権ですので、つい」
肩をすくめる彼にそうじゃなくてと唇を尖らせたところで、それより早く。
「年長者たらんとするのならば子へ情を抱くが良い、諦観を気取る半端者よ」
低い声が私達の後ろから聞こえてきました。振り返ると、これまで静かにされていたスパルタクスさんが真っ直ぐに黒服さんを見ておられます。
「……半端者、ですか。これはこれは、かの名高い解放者にそう言われては手痛いばかりです。狂化を受けながらも、いいえ。狂気に身を浸らせるからこそ見える物があるのでしょうか?」
睨んでいるわけでも、憤っているわけでもないです。ただ真っ直ぐに、じっと見つめて《半端者》なんて事を仰るスパルタクスさんへ。黒服さんは静かな返事をされました。
「言うに能わず。貴様は興行師になれず、さりとて幼子達の盾にもなれず。その立場にありながら圧制を強いる事も叛逆を選ぶ事も出来ず、しないでいる。日和見も出来ず、けれど剣を摂らず。ならば貴様は半端者である」
「上手い事を言うな、バーサーカー。お前の言う通り、この男は底抜けの阿呆よ。まあ、情けなくとも 一端の根性だけはあるがな」 - 6481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:05:46
首を何度も深々と振りつつ溜め息を吐くアサシンさん。今度は彼女へとスパルタクスさんは視線を送ります。
「おお、古き女神にして今も若々しき戦乙女よ!であるならば何故汝はその男を導かないかッ!この者に叛逆の道を!何故教えぬかッ!」
「阿呆。物を知らん童でもないのに何故私が一々そんな面倒なことをせねばならん。監督役などという厄介ごとを引き受けてやって首を落とされないだけ、温情だろうて」
心底気怠げにしつつ、肘で隣に座る黒服さんの肩をぐりぐり押しているのは仲が良いのか悪いのか。ですが気になる言葉がありました。同じように気づいたハナコちゃんが私達を見て頷いてからアサシンさんへ尋ねます。
「厄介ごと、ですか?アサシンさん、少し私も口を挟ませて頂いても?」
その言葉にアサシンさんは一呼吸置いてから。
「ふむ……貴様は誰だ?」
本当に不思議そうな顔をしてハナコちゃんに聞き返されました。 - 6491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:16:31
「ええっとあの……私の名前でしょうか?」
ハナコちゃんが返したのは当然の反応。ですが、アサシンさんは変わらず不思議そうに、というかさも当たり前だろうと言いだけに鷹揚に頷かれます。
「そうだ。私はマスターでない貴様のような娘なぞ知らん。そして貴様は私に勇を見せたわけでも武を示したわけでもない。見るからに柔らげなその四肢だ、決して武辺者とは言えぬだろう、ハッキリ言って貴様は私の好みではない」
ハナコちゃんの顔が思いっきり引き攣ってます。いえ、私もそうですしセイバーさんどころかミノリさんと黒服さんも頭を抱えてます。忘れていましたけど、アサシンさんってこういう方でしたね。
「だが、私もケルトの女だ。言葉という武器の在り方を知っている。そして貴様はあろう事かマスターでもないというのにこんな厄災に立ち向かわんとこの場に来た」
けどそんな私達の反応なんて見向きもしないでアサシンさんは口角を上げてハナコちゃんだけを見ています。
「ならば名を示せ、言葉を紡ぎ思案を働かせて見事に私に力を示してみせろ。これから先、お前という輝きを魅せてみる為に、このスカサハに名乗りをあげよ。そうでなければ貴様と交わす事なぞ言葉なぞ私には持ち合わせておらん。こう見えて身持ちは重いのだ」
驚いたのは私だけじゃありませんでした。スカサハというお名前。それ自体は見当をつけていましたから知っていました。けれど、ご自分から、しかもこのタイミングで名乗って下さるとは思ってもみませんでした。自己紹介をちゃんとしなさいって仰られただけに、ちゃんとご自分の名前も明かして下さる。なんというか本当に武人気質な方です。
「……失礼しました。私はトリニティ総合学園二年生の浦和ハナコです。アサシンさん、どうか私とお喋りして頂けませんか?」
「聞こう。その舌に貴様の首が乗っている、その覚悟の上で紡ぐというのならば、私はお前を視界に入れて戦場に立つ一人の戦士としてお前を扱おう」
「ありがとうござい「いらん、要件だけ言え。面倒だ」……貴女が厄介ごとと仰るのもそうですが、以前ヒフミちゃんと話された時も黒服さんは監督役という職務について望んで得た地位ではないように言っていた伺っています」
「長いな、それがどうした?」
「あなた方監督役には特権のような物はないのでしょうか?少なくとも、その地位について得をするという物は」 - 6501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:25:11
改めてハナコちゃんがした質問は先ほどのアサシンさんの言葉がきっかけでした。彼女が厄介ごと、と仰るように以前からどうにも黒服さんにしても監督役という仕事自体に対してあまり思い入れのような物や固執する感じがありません。マスターという立場にありながら監督役なんて中立を謳っているのですから何かメリットでもありそうな物なんですが。
「知らん。おい、そんな都合の良い話はあるのか?それともまた私に黙って隠し事か?ん?」
「……まずはアサシンに代わって監督役として謝罪を、浦和ハナコさん。申し訳ありません、どうにも彼女の価値観は我々とズレた部分にありますので。そして質問の答えはノーです。我々監督役に特権なんて物は何一つありません、アサシンのマスターである事も含めてです。強いて言えば、多少は聖杯戦争についての前情報があった程度でしょう。あと、アサシン」
さっきのアサシンさんのちゃんと自己紹介しなさいって言葉に対してわざわざ言い方が悪かったと謝罪までしてくれた黒服さんは咎めるようにアサシンさんの方を向かれました。
「貴女の気位の高さとそれに見合った実力は僅かでも理解しているつもりです。そしてその現代からやや外れた価値観も。ですが、この場では些かばかり控えて下さい。彼女達を萎縮させてしまいますから」
「間抜け、性根だけでなく眼まで腐ったか?戦場に立つなぞと抜かしてこんな場所にまで来てみせた娘達だぞ?儂の言葉なんぞで一喜一憂されては敵わん。私は女々しいお前と違って、戦士たり得る者でないただの子供に一々手解きしてやるつもりはないぞ」
とはいえアサシンさんも黒服さんの注意に鼻を鳴らされるばかり。なんというか本当に不思議な関係です。とはいえ、分かった事は一つ。
「つまり、お二人の立場はどこまでも監督役だと?」
「ええ、先ほどの話にも戻りますが私共は聖杯戦争を文字通り監督する役目です。その参加者が著しく逸脱してキヴォトスへ致命的な被害を発生すると判断しない限り、特別な何かをするつもりはありません。聖杯陣営についても同じです。何せ彼らは確かに聖杯戦争をきっかけに生まれた存在ですが、参加者ではありませんから」
「でも昨日は聖杯陣営への対処をされておられました。それは先生からの依頼があったから、そう解釈して良いですか?」
「ええ、依頼の範疇でしたので対応したまでです」 - 6511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:35:58
難しいです。少なくとも黒服さんは彼ら聖杯陣営を脅威と認識していても、ご自身で対処する必要がないと線引きされています。そう判断するだけの材料が彼にはあるんでしょうか。でも、依頼。
「……では、依頼であれば黒服さん。貴方は私達に協力して頂く事は可能でしょうか?それも口約束ではなく、それこそ契約を結ぶ、なんていうのは如何ですか?」
気になる事はまだありますし深く聞く必要があると思いますが、とにかく今はその一点に光明が見えました。
「ふむ。誤解があってはいけませんから、お伝えしておきましょう。私は監督役、聖杯戦争に対して中立の立場にあります。ですので、どこか一つの陣営に協力するというのは限りなく難しいですね」
「ではどうしたら……いいえ、どのラインまでなら協力して頂けますか?」
「おや、お分かりになりませんでしたか?私は聖杯戦争のどの参加者に対しても平等な立場にあります。逆に言えばアサシンという戦力を一つの陣営に対して振るう事は規則違反以外ではありませんし、一つの陣営に肩入れするつもりもありません」
なるほど、と頷いちゃいます。どうやら黒服さんに協力して頂けるのは難しい、それをわざわざ丁寧に教えてくださいました。どれか一つの陣営には肩入れ出来ない、ですか。それは大変良い事を聞けました。
「あぅ……じゃあ今の段階で黒服さんに協力して頂いて……」
だったら───このタイミングが良いでしょう。
「───予備システムを起動させる事は難しいんですね」
わざと起動したい、その旨まで伝えてみます。 - 6521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:38:16
の考えが正しければ、間違いなくこの情報と私の言葉は。
「予備システムでしたか……私からも質問をしても?」
彼にとって無視できない物になりました。
「勿論です!ちなみに誰から聞いたかでしたら、強欲のアーチャーさんからですけど、違いましたか?」
「クックックッ……なるほど、本当にあなた方は恵まれておられるようだ」
「当然であろう?でなければという話なのだ。文字通りこの娘は天運に恵まれていたという「───アサシン」……ほう?儂の言葉を遮るか、小僧」
「……茶々入れが目に余ります。貴女という一個人もそれに付随する価値観も、そして英雄と謳われるスカサハという存在についても。私は尊重をしているつもりです。ですが、契約は守って頂きたい」
「ふむ……まあ良かろう。未熟な若造を立ててやるの良き女故な」
ごく僅かです。でも確かに言葉の本当に端っこには苛立ちがありました。やっぱり彼にとって、そして監督役という立場にとって、予備システムという存在を知ってそれを起動させる意思を見せる事は。
「予備システムについてはどこまでご存知ですか?阿慈谷ヒフミさん」
「大まかには。大聖杯には元々戦況が停滞した時の為に予備システムが組み込まれている。そしてその起動には過半数のマスターの同意が必要で、起動する事でもう七組のマスターとサーヴァントが追加されると」
「結構、私が知る物との差異はありません。では次に確認をさせて下さい───そんな物があなた方は必要だと?」
─── では何故貴女は。先生のもとで学んだ筈の生徒である貴女はどんな理由でこの殺し合いに参加されるのでしょうか?
かつてそう尋ねてきた彼にとって認め難いことなんでしょう。 - 6531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:38:53
「予備システムの起動は本来の聖杯戦争の規模を著しく逸脱した、文字通り聖杯大戦と呼ぶべき事態にまで発展します。現時点でも大きな被害を齎すサーヴァントが七騎いるというのに、それを同時にまだ七騎喚ぶと貴方は仰る」
もしも違ったらと思いましたけど、今朝古関先輩が言ってました。七騎のサーヴァントを追加で呼ぶなんて事をするのは土地を傷つけるほど大きな負担を強いる行為だと。それがどの程度かまでは分かりませんでしたが、実際の反応を見る限り監督役としては認められないレベルなのでしょう。
「その場合、我々はキヴォトスへの致命的な被害を齎す可能性が大いにあり得るとして、あなた方同盟陣営を《敵》と判断致しますが……それでも起動されるおつもりで?」
「ええ、たとえ貴方が立ちはだかっても……それが誰も犠牲にしない未来に繋がってるのなら」
少なくとも《予備システムで聖杯大戦を起こそうとする》事は彼との敵対を意味します。
「犠牲とはサーヴァントの消滅、それともマスターとなった生徒の死。そう貴女は割り切っているのでしょうか?どういう理屈を考えておられるかは分かりませんがその為なら新しいマスターとなる人間を、殺し合いの舞台にあげるのは割り切ると」
「いいえ、私が欲しい未来はハッピーエンドだけです。私が戦う理由は私みたいに苦しい思いを誰かにしてほしくないからです。同じようにマスターになって辛い気持ちも苦しい事になる人を増やしたいだなんて、まっぴらごめんです」
「ではなぜ?なぜ予備システムを起動させたいと仰られますか?」
「それが現状たった一つ、誰も犠牲にしないで済むやり方だからです。予備システムを起動しても、今回で聖杯戦争を終わらせられる。これ以上傷つく人のないハッピーエンドに繋がる手段を、私達はもう知っているんです」 - 6541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/14(金) 22:43:10
まだ、何をどうするか、どうして予備システムの起動がハッピーエンドに繋がるのかまでは伝えていません。なにより黒服さんは確かに《どれか一つの陣営に肩入れはしない》と《明言して下さいました》。そして彼は聖杯戦争による被害自体を憂慮している。少なくとも聖杯大戦自体は起きてほしくないと考えている。さて、結構情報が集まりましたね。このまま一気に、でも良いでしょうし話題を変えて外堀からっていうのも良いでしょう。情報は一つでも多い方が良いですから。
既に彼の動揺はおさまって、むしろ私の言葉に興味を持ってくれています。少なくとも悪い雰囲気では決してありません。ですから───
【キーワードを入手しました!→ハッピーエンド、予備システム】
【残り達成pt→2pt】
【行動安価を行います】
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①同盟ないし協力を申し出る
②黒服の願いを聞く
③大聖杯について聞く
④ユスティーツァの情報を話す
⑤先生の所在について尋ねる
⑥ハッピーエンドについて詳しく話す
⑦助けてペロロ様〜(その他自由記入)
【交渉イベントのキーワードは残り9つ】
【安価先>>661】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 655二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:04:47
- 656二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:43:10
いくつか質問したいな
逆に言えばアサシンという戦力を一つの陣営に対して振るう事は規則違反以外ではありませんって言ったけど
最終局面でアサシン陣営とどこかの陣営の二つの陣営の一騎討ちってなる可能性が存在するが
そうなったらどうする気か
その陣営が何かしら違反してるならともかく違反してないなら規則違反してない相手にアサシンを差し向けることになるけど
それともそうなったら降りるのか
古聖堂を拠点にしてる意図は何か
ここはアリウスに通ずるカタコンペと繋がっていてまたエデン条約絡みの騒動の際アリウス地下にはヒエロニムスがいたがそれが理由と関連しているのか - 657二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:44:03
- 658二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:44:40
加速
- 659二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:45:22
>>657さん
そんな感じですね
- 660二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:48:00
かそく
- 661二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:48:15
- 662二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:52:44
おお命がペナルティか…
意図的に嘘つくことがない前提とは言え色々と大きく出たな - 663二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 23:59:44
ここまで言えば黒服もヒフミが意図的に嘘つくことはないとは信じてくれるはず
だって意図的に嘘をついたことがバレたら命を持って償う事になるんだから
嘘つくリスクがデカすぎるし - 664二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 00:02:58
どうせ、時間切れになったら死だから。こんぐらいの覚悟で来たっていう意思を感じる
- 6651じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 00:59:51
- 6661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 01:01:20
- 667二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 01:03:22
上手いこと処理したい部分って何なのか気になるな
- 668二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 01:12:00
このダイスの意味はまだ分からないけどヒフミとバーサーカーがダイス対象から外れているのは少し気になるな
- 669二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 01:31:47
安価の中にミカ主にとって想定外の内容があったのかな?
この契約案の提示は結構重要な局面になりそう - 6701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:31:27
【⑦最終盤の監督役の動きについて・古聖堂を拠点にしてる意図は何かの質問をしたのち、ユスティーツァの情報を話す代わりに黒服の願いと大聖杯についての詳しく話してもらうという契約について話す】
実を言えばまだ本題に入れていなかったりします。何せ黒服さんはどこまでも私達の質問に答えるというスタンスばかり。肝心の《取引》については触れられてこないんです。
「取引しましょう。私たちが持つ情報全てを教えますので、大聖杯について詳しく教えてください。もちろん対価として黒服さんとアサシンさんの願いに出来るだけ協力します」
なのでもう少しだけ遠回りに行ってみましょうか。
「もし私がこの場でそう言ったら、黒服さんとしてはどうされますか?」
まずは彼が以前から仰っていた取引。それがどんな物なのか当たりをつけつつ探りを入れていきましょう。一応、私達の戦力そのものかもしくは情報だなんていうのは想定していますが実際の所はまだ分かりませんからね。
「ふむ……難しい質問ですね。正直に言えば両手を上げて歓迎したい」
私が提示した仮定に対して彼はかなり難色を示しました。私も同じように難しいなと思ってしまいます。
「ハッキリと言えば我々が持ち得る情報だけでは分かり兼ねる部分というのが実態として聖杯戦争には存在します。ですがそれは我々が知る必要がない、もっと言えば調べた所で無駄でしかないと判断した物になります」
何せ私が伝えた大聖杯や願いについて教えて欲しいという要望はかなり重要な、それこそ話しにくい内容だと思っていましたから。そう考えていましたが、どうにも雲行きが怪しいです。
「たとえばあなた方が……そう、それこそ昨晩キヴォトスを襲った軍勢の中で一際強力な霊基を有した存在達について知っていたとします」
「あはは……どうでしょうか?」
「さて、私は昨晩D.U.で下働きに勤しんでいたので。ですが、それを知っていたとしても我々にとってその情報は利益になり得ません」 - 6711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:33:06
例の聖杯陣営のサーヴァント。彼らの情報は利益にならないと黒服さんはハッキリと言い切りました。不味いのはそれが例のユスティーツァと名乗った女性の事についても含まれているかどうか、その点ですかね。その情報もいらないとなったらお手上げです。
「あなた方《監督役にとって》、彼らの情報に意味はないと?」
「……なるほど。噂に違わぬ聡明振りですね、浦和ハナコさん。ええ、監督役である私達にとって彼らという存在は然したる問題ではありません。所詮やる事は同じです。注視すべきその最奥にして始点。重要なのは本質、その一点」
一呼吸置いた彼は眼窩の光を妖しく揺らめかせて低い声で呟かれました。
「───我々が知りたいのは彼らの正体です」
幸い、だったのかもしれません。先ほどの会話にしろ今の話にしろ、どうにも聖杯陣営に対する興味が黒服さんは非常に薄い。監督役という立場にあってそうなんですから、何か彼らの存在について思う所があるのかもしれません。ですが一つだけ、聖杯陣営その物の《正体》についてだけは気になっているようです。あまり腑には落ちていませんが、だとするとやはり。聖杯陣営、特にサーヴァントによる被害自体を黒服さんはキヴォトスにとって致命的だとは考えていない。そんな風に感じます。
「ですから個々の情報を知った所で大きな利益にはならず、精々が遭遇した際の戦闘で優位に立てるかどうかと言った話でしょう。ですからあなた方が集めてきた情報なんていう物にはあまり興味は引かれませんが対価、でしたか?そちらは素晴らしいですね」
「あは、あはは……」
「我々の願いについて既に心当たりがあって、なお協力すると?」
「ええっと、それはそのぉ……」
分かっているでしょうに口角を上げて私がさっき言った仮定に突っ込みを入れられます。ええそうです、まだ全然予想もつきません。 - 6721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:34:21
「どうやらその様子ですと調べはついていない様子。勿論あくまで仮定の話ですからこれから次第でしょうが……あまり全てや出来る限りという無遠慮な言葉を使われるのはお勧めしませんね。契約とは緻密であるべきです」
「はい……気をつけます……」
なんでしょうね、本当に。やり難いと言いますか、どうにも採点されているみたいで妙な違和感があります。
「黒服。僕からも良いかな?」
「これはこれは、勿論ですよセイバー。最優のクラスに招かれた遠き君。貴方の言葉に返せるものが私如きにあれば、ですが」
「謙遜も過ぎればだよ。それはそうと、君達がこの古聖堂を拠点にした理由を聞かせて欲しい。勿論、監督役としての方だけで構わない……カタコンベ、だったかな?そういった物も地下にあるようだが?」
「ふむ……理由、ですか」
私がしょぼくれた所でつぎのし次の質問はセイバーさんから。気になっていた古聖堂を拠点した理由という事でしたが、またも黒服さんは少し困った様子でした。それこそ、聞かれると思っていなかったみたいな。
「立地的な条件ですね。此処はエデン条約での一件以降、様々な理由から未だ修復工事が行われていません。言ってしまえば誰が責任を取って直すのか、そういう話ですが……それが私としては都合が良かった」
ここら辺は難しい話です。面子といえば良いんでしょうか。政治的な問題から誰が直したかがかなり重要なのだとかで、今も古聖堂も含めたこの周辺はエデン条約の一件で受けた被害からあのままになっています。
「周辺一帯も含めて早急な工事の手が入るわけでもなく、各自治区からマスターが訪問したとしても人目につくわけでもない。そして中立地帯である以上、保護を求めるマスターが出てくる可能性もあります。そうなった場合、可及的速やかに避難できる退路が求められる」
「カタコンベはそれだと?」
「ええ。あれはそういった事態において大変便利ですので」
「……それ以外の理由はないのか?」
「ありませんね。強いて言えば此処は歴史ある建造物。キヴォトスでも稀に見る一大事件である聖杯戦争の中立地帯を置くには相応しい場、その程度には考えていますが」
何というか予想以上に大きな理由がないというのが分かりました。なんだか肩透かしな感じです。 - 6731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:36:14
「マスターとして一つ、確認をさせて欲しい。黒服、お前は監督役として中立の立場を貫くというのは分かったが、残る陣営がお前達を除いて一つになったらどうするつもりだ?」
続いてミノリさんからの質問。こちらは言われてみればです。私としては《現段階ではどの陣営にも肩入れ出来ない》と明言して頂きましたし、ハッピーエンドを目指す事ばかり考えてましたから。そこまで考えが至りませんでしたから助かりました。
「さて……どうしましょうか?アサシン」
そんな言われてみれば確認しておきたい内容について、黒服さんはやはり困り顔って様子で傍のアサシンさんに尋ねておられました。
「なんだ、私に聞くのか?」
「私としてはできる限り終盤であっても監督役という立場を降りたくはありません。そうである以上、必要ならば契約という形を取って退場、というのを考えてはいますが……」
意外、でもないかもしれません。少なくとも私にしてみればこの人は個人としては警戒に与えはすれど、監督役としては信用できる言動をされてきましたから。いえ、アサシンさんのマスターである事を隠していた事に関してはかなり苦しいですが。それを差し引いても、監督役という立場そのものに彼は誠実であるという印象を持っています。だから、退場という選択が聞こえてきたのはそれほど不思議ではありませんでした。
「前にもお伝えしたように私と彼女はビジネスパートナー。彼女が最後になって戦う意思と聖杯を所望されるのであればマスターとして共に戦うというのもやぶさかではありません」
「ふむ……漁夫の利になるな、それは」
「ええ。戦場にあって卑怯なんて言葉は弱者の遠吠えでしかありません。そしてそう言った戦法もまた実に合理的とも言えるでしょう」
「だが───つまらん」
「では、我々は敗退ですかね」
負けたら死ぬわけでもありませんしと、あっけらかんと黒服さんは言ってしまいます。つまり彼は最後の最後まで監督役という立場をこの聖杯戦争で全うされる、そう仰ったんです。 - 6741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:37:04
「うむ、まあ最後に残った益荒雄と手合わせ程度は望むがな」
「その程度であれば相手の便宜も図って頂けるでしょう。先ほども言ったように契約を交わせば自害ということにもならないでしょうから」
「契約、ですか……?」
「おや、興味がありますか?阿慈谷ヒフミさん。……良いでしょう、これは余談。監督役の職務からは外れますが少しばかり御教示しましょう」
サーヴァントの方は自害できない。厳密には自害を命じても次のサーヴァントがそのマスターには宛てがわれるから意味を成さない。それがこのキヴォトスでの聖杯戦争のルールの一つです。それを掻い潜れる、そういう風に聞こえる単語が私はきになりました。
「私は日頃より契約という物を重要視しています。交わした言葉と文面は非常に重く、そして互いを強固に縛り付けます。時にそれは世界その物にも不変の記録として刻まれる。極めて繊細で取り扱いの難しい物です。だからこそ曖昧さという不明瞭な変数が入り込む事はなく、確固たる形を伴った信用が生まれます。ですがこの聖杯戦争においては、更に大きな意味を持っているのです」
それが、と一呼吸を置いてから彼は小さく呟かれました。
「───自己強制証明」
セルフギアスクロール。そう彼が言った瞬間にセイバーさんの顔が強張りました。あり得ない、そう表情が物語っています。
「今現在、この地で開催されている聖杯戦争の当事者同士のみで有効な絶対遵守の法です。アサシンから習った物を、魔術刻印なしで可能な限り再現した自流の物ですが……少なくとも効力についてはセイバーやバーサーカー。あなた方の知る物と同様だと思って頂ければ」 - 6751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:37:36
「互いが契約を交わす行為自体を呪詛とした魔術。解呪は決して叶わず、少しでも制約を違えれば命すら奪う物。君はそれは───この地の子ども達に強いると?」
あまり声に出したい代物というわけではなさそうですね。ですが同時に、それは一つの証明になり得る物でした。
「私としても出来るならば使いたくはありません。当事者同士が命を賭けるというのならば、その互いの命は等価であると言っているような物。人によっては許し難い侮辱にもなるでしょう」
約束を違えないよう双方に交わす契約。正直なところ私の願い、ハッピーエンドはこの聖杯戦争の当事者の方にとってかなり信じるのが難しい物だという自覚はあります。なにせ、それに至る為の方法はあと少しといったところまで来ていますけど、まだ黒服さんの協力もアサシンさんが実際にそれを実行できるかの確認も取れていません。そして確認が取れて協力が得られても、それを本当だと他のマスターの方に証明する術を私は言葉を尽くす以外には知りません。でも───。
「───阿慈谷ヒフミさん」
そんな取り止めのない考えは、静かな声で遮られました。
「今、貴方が何を考えているか凡その察しはついてきます。ですが、間違ってもその命を貴方は安く見積もってはいけません。私が話した自己強制証明は文字通り絶対の物。ましてや貴方一人が命を賭けるのではなく、相手にも命を差し出せというのは……クックックッ……酷という物ではないでしょうか?」
「……それでも、最後の時に貴方は使われるんですよね?」
「それがアサシンの望みだと言うのです。私とてマスターですから、末期の願いは叶えて差し上げたい。有利不利でも、必要だからでもなく。相手にも命を天秤を乗せろと告げる行為がどれほど外法であったとしても」 - 6761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:38:55
自分の命を賭けるから貴方も自分の命を賭けろ、というのは物凄く難しい物でしょう。お互いにそれを賭けるだけの価値がその契約になければ、成立する事はない。それこそ黒服さんで言うと『契約さえすれば自分達は無理もなければ負ける可能性もなく聖杯戦争に優勝できる』という相手にとって圧倒的に有利な状況で漸くお互いの命をベットできるんです。命を相手に差し出させるペナルティを相手が飲み込めるのは相手にとって有利でそれをする必要がある状況ぐらいなんです。だったら同じぐらい自分にとっても利が、リターンがなかったらする意味がない。
「マスターであり監督役である私は、最後まで私の役目を全うしなくてはいけないのですよ、阿慈谷ヒフミさん」
だって言うのにそれを彼は《アサシンさんが言った最後に戦いたい》という願いを叶える為に自分の命を賭けると仰るんです。だったら私は。
「……もしも、もしもです。黒服さんの願いを教えて欲しい、だから代わりに聖杯陣営の正体についての手掛かりを私も教えます。そう言ったら私と契約して頂く事はできませんか?」
「───貴方は今の話を聞いて、その上で命を差し出すと?」
厳かな声には詰問するような冷たさすら感じられました。情報のやり取りに自分と、そして黒服さんの命を天秤に掛けるのかと彼は静かに問う。彼だけじゃありません。コハルちゃんもミノリさんもセイバーさんもすごい顔してます。ハナコちゃんは無表情になっちゃいましたし、アズサちゃんは……ちょっと今は顔が見れません。
「……だって貴方はアサシンさんの願いの為に命を賭けると仰いましたから。そんな貴方の願いを聞くのなら」
でも、彼は命を賭けると言ったんです。
「そんな貴方の願いを聞くのだからこそ」
有利などころか自分から勝ちを最後に残った一組に譲る、そんな条件下で命を賭けてでもアサシンさんがたった今告げた願いを叶えようとされた。お二人がどんな関係かは分かりません。でも少なくとも、黒服さんはそういう風にご自分の責任を果たそうとされる方のようです。
「私だって私に賭けられる物を賭けたいんです。ちゃんと、知りたいって思うんです」 - 6771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:39:54
それが彼の責任でやり方だというのなら、正面から受け止めて私も同じように向き合いたい。
「───不用心が過ぎる」
対して、黒服さんの言葉は端的で、そして冷たかったです。気のせいかもしれませんがどことなくつまらなそうで、それでいて不愉快そうにも聞こえました。
「これは貴方の入れ知恵ですか?セイバー」
「憤りを抑えて頂ければ幸いだ。だがこの子はこういう子だ、誰よりも願いの尊さについて悩んできた子だ。だからこそ、君がアサシンの願いの為に命を賭けるのならば、その君の在り方に応えたいとヒフミも願うんだ。サーヴァントとしては、非常に頭が痛い話だけどね」
「……まったく。彼も貴方も、とんだ娘を教え子に持ちましたね」
呆れたように仰られた黒服さんは深々と溜め息を吐かれました。
「結論から言いましょう。貴方が私との取引や契約で命を賭けるなんて事は不必要です。そして言っておきますが、私が自己強制証明を用いるのは最後の時のみです。それ以外で今次聖杯戦争において、私を含めた監督役は誰との契約も交わすつもりもありません。必要な事があれば聞いて頂ければ私の知る限りを教えましょう」
「優しいんですねっ、黒服さん」
「……これを優しいなどとあやふやな認識で捉えるのは紛れもない貴女の悪癖ですよ、阿慈谷ヒフミさん」
直すのをお勧めしますと、素っ気なく言ってから彼は人差し指をぴんと立てられました。 - 6781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:45:00
「忠告ついでにもう一つ。貴女は自分の命の価値を安く見積もらない方が良いかと。その考え方は遠くないうちに貴女の首を絞めることになります」
「よく覚えておきます!」
「……それは結構。さて、私と契約は出来ない。私と協力関係を築く優先順位は限りなく低い。それは既に御理解頂けたと思いますが、まだ何か聞きたい事はありますか?それとも───」
にたりと彼の口元にある罅が大きく裂ける。いっそ挑発的なほど、彼は私達を前に笑みを深くされました。
「今の時点で私があなた方に協力したくなるような口車に乗せて頂く用意が御座いましたら、どうぞお話を。時間はまだありますので。どちらにせよ、まだあなた方は聞きたいことと成されたい事があって此処に来られたのでしょう?」
「あ、その前にシンキングタイム良いですか?」
「……お好きなように、私は構いませんよ」
ちょっと肩透かしを食らってる黒服さんはさておいて。ちょっとばかし、考えを整理しましょうか。
ね、セイバーさん!
『(ははは……それはそれとして今日の夜こそはお説教だからね、ヒフミ)』
『(あ、あぅ……な、なんでですかぁ!?)』 - 6791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 03:46:40
- 680二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 05:53:15
お疲れ様です
セルフギアススクロールがあるのは驚いたな
最後の手段にはなりそうではあるが出来れば使いたくないものではある
当事者同士でしか使えないってのはマスター同士しか使えないってことなのかな - 681二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 05:55:22
ヒフミが契約するって言った際みんな相当驚いたっぽいな
まあそりゃ動揺するだろうけど - 6821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 10:13:59
おはよーございますじゃんね☆色々お返事してくじゃんね☆しっかし今日も鯖がへびーじゃんね☆
へびーじゃんね☆
ヒフミちゃんのスタンスであったり嘘を言わなそうっていうのは伝わったと思ってもらって大丈夫じゃんね☆
覚悟は大事じゃんね☆
ペナルティの取り扱いについてとその切り出し方だったじゃんね☆色々悩んだけどうまいこと出来た、気がするじゃんね☆
スパさんはそこら辺、一貫してシビアな目線だから特に気にしないじゃんね☆仮に憤るならヒフミちゃんの発言よりもヒフミちゃんがそれを考えなきゃいけないっていう聖杯戦争や今の状況そのものへじゃんね☆
大きな点で予想外って言うより小さな部分だけど外したら色々あとで困りそうだったからなるべく丁寧にお話したかったじゃんね☆
ありがとじゃんね☆普通に書面で契約の予定だったけど急遽予定変更じゃんね☆あくまでなんちゃってな再現品だからキヴォトスではマスター同士であれば可能じゃんね☆
🎲の結果、ミノリちゃんとセイバーとコハルちゃんはガチギレじゃんね☆
- 6831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 13:46:24
ここまでの話の中で黒服さんのスタンスというのは見えてきました。
『(徹底的な、いっそ気持ちの良いぐらいの中立だね。僕の知る監督役とは大違いだ)』
少なくとも彼という人間がここまで中立である事を表明してくれるというのはありがたい反面、厄介な部分もあります。何より、だからこそ恐ろしいと感じるのもまた事実です。
『(中立という事は僕達へ危害を加える事はない、けれど逆を言えば決して味方になるという事もないって話だからね。厄介だし何より底が見えない)』
同盟という形を取るのは難しいでしょう。何せどこか一つの陣営に肩入れする事は彼は出来ないんですから。裏を返せば自分達にも同じこと。彼らは最終局面に至っても監督役という職務から降りるつもりはない。その上でアサシンさんが口にされた《最後は一騎打ちがしたい》という想いを汲んで命まで賭けて契約を申し出ると仰る。
違和感、いえどちらかと言えば。
『(納得できない感じだね。何せ、動機がまだ僕達には分かっていない)』
それが黒服さんの願いに直接関係しているかどうかは分かりませんが、今の段階で何故彼がこんなにも聖杯戦争という物とその監督役という職務に対して誠実に遂行されようとしているのか、それが全く見えてきません。正直に言えば黒服さんは見た目からしてとっても怪しいです。直感だってうるさいぐらいに用心しろって教えてくれています。だから腑に落ちないんです。明らかに厄介ごとだと思っておられる監督役というお仕事を、何故そこまで律儀に果たそうとするのか。 - 6841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 13:47:12
『(気になると言えば、聖杯陣営に対するスタンスもだね)』
教えてくれなさそうな気配も感じつつですが、彼は間違いなく聖杯陣営について何か重要な部分を知っている。それを知った上で問題ないと判断している。今後、聖杯陣営によって齎される被害を食い止めるのと同時にナツちゃんや他にも捕まっているだろう子達の魂を取り戻す事を考えれば。
私達はどうあっても聖杯陣営とぶつからなきゃいけません。そして監督役である彼らは立場上、聖杯陣営に対して自分達からアクションを起こす事はないのだと言われます。
イレギュラーだと、予知していなかったと認めているのにも関わらずです。
『(整理しようか。黒服は監督役という立場と中立性を貫くスタンスだ。その監督役に特権はなく、監督すべき違反はあくまで聖杯戦争の参加者によってこの地に致命的な被害を齎す行為に限定される)』
そして聖杯陣営による襲撃はイレギュラーではあるが、規則違反や対処すべき事案とは考えていない。逆に予備システムを起動させて聖杯大戦を開催する事態に関しては断固として反対の立場を取られる。
情報としては得られた物はありますが、ハッキリ言って余白が多すぎてチグハグに感じてしまいます。多分これは黒服さん側の事情が全部明かされるでもしないと全部に筋道が通らないか、そもそも話してる事がまるっきり全部嘘のどちらかですね。
『(でも君は彼の話を信じてみるんだろう?)』
まだ判断しきれない部分が多いですから。嘘だったらじゃあこの人は信用できないなで切り替えてしまえば良いだけです。発展性がありません。だったら一つでも多くの可能性は抱えておいた方が得です。
それに一応彼は私達にヒントはくれています。多分それがチグハグをちょっとだけ和らげてくれるとは思いますが、まずは聞かなきゃですね。 - 6851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 13:50:06
『(契約……いや、取引についてかい?)』
黒服さんは私が契約を受けようとするのを拒否された。もしかすれば彼へのペナルティなんて物はなしで私の命だけ『───ヒフミ』、はダメですよね。
とにかく彼は契約をするつもりはないと言われましたから。恐らく彼の中で契約は大きな意味を持って線引きされています。これ以上の収穫は多分ありません。だから黒服さんとの取引を受けるかどうか。それを検討する時の為の判断材料集めとそもそもどんな取引なのかを聞く。ここら辺も意識しておきたいですね。それからあと残るのは。
『(まだ幾つかあるけれど、やはりね)』
ええ、これだけはというのがあります。そして聞いた上で深掘りしなきゃいけないの物が。ここらはより、彼個人に踏み込んで行ってみましょう。
『(ああ。僕も微力ながら君の隣で応援しているよ)』
あはは……それは頼もしいんですけど。
『(いつも言ってますけど一人で考え事してる時に念話でちょくちょく合いの手いれるのやめてくださいよぉ!)』
と、セイバーさんに文句を言ったところでシンキングタイムはおしまいです。次に私が話すのは───。
【残り達成pt→2pt】
①取引について内容を聞く
②黒服の願いを聞く
③大聖杯について聞く
④予備システムを通して大聖杯に干渉可能か聞く
⑤先生の所在について尋ねる
⑥ハッピーエンドについて詳しく話す
⑦助けてペロロ様〜(その他自由記入) - 6861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 14:01:36
【行動安価を行います】
【下記の①〜⑥から1つか自由記入を選択して下さい】
①取引について内容を聞く
②黒服の願いを聞く
③大聖杯について聞く
④予備システムを通して大聖杯に干渉可能か聞く
⑤先生の所在について尋ねる
⑥ハッピーエンドについて詳しく話す
⑦助けてペロロ様〜(その他自由記入)
【交渉イベントのキーワードは残り7つ】
【残り達成pt→2pt】
【安価先>>693】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 687二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 14:28:24
隠れてる先生の居場所は聞いてわかるようなものなのだろうか
とりあえず大聖杯について何がどうなってそんなものがキヴォトスに現れたのかとか予備システムなどで干渉するための場所や端末なんかはあるのかとか聞いた方がいいのかな - 688二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 14:54:19
ムズいやあ。こうも中立だと中々強敵だわー。
なら、➃を聞いて出来るか否か。けどなぁ…もし出来るんだったら…別の策考えんと…
良い案思いつく? - 689二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 15:37:45
確認したいこととしては
この聖杯戦争においてなんらかの原因でアサシン陣営以外が全滅した場合アサシン陣営は聖杯をどう扱うか
この聖杯戦争には聖杯陣営というイレギュラーがいる以上あり得ない話じゃないし
後セルフギアススクロールのやり方を教えてほしいって言ったら教えてくれるか
いざとなればそういう手段があるって言うのを提示出来るのはでかいし
相手がそうでもしなきゃ信用出来ないって状況になるかもしれない
安価としては上二つの質問を聞いた後
④の後①かな? - 690二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 15:50:41
セルフギアススクロールやらエグめ?の提案すると嫌がられる気がせんでもない
④知りたいけど彼自身について踏み込んでいってみましょうってヒフミが言ってるとなれば②かしら、願いを聞いてみた上で色々広げるのも一つな気がする
うーんわからん - 691二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 15:59:10
セルフギアススクロールの使い方を他の陣営におしえたかは確認した方がいいかな
それともセルフギアススクロールに関してはまだ誰にも言っていなかったのか
後教える気はあるのか
これははっきりさせなきゃいけない重要なことだとは思う
もし教えていたならアーチャー陣営やライダー陣営がこれを提示してくる可能性があるから
安価については悩むな
難易度が相当高いし
この聖杯戦争においてなんらかの原因でアサシン陣営以外が全滅した場合アサシン陣営は聖杯をどう扱うか
とセルフギアススクロールの使い方を他の陣営におしえたかの確認
それともセルフギアススクロールに関してはまだ誰にも言っていなかったのか
後今後使い方を教える気はあるのかの質問をした後②か④が無難か? - 692二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 16:05:11
あー他陣営に教えたか否かは重要だなあ、今後に響きそう
まあ概ね>>691で
- 693二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 16:07:02
- 694二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 17:06:43
これで話し合いが進展すれば良いが
- 695二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 17:34:42
セルフギアススクロールという手段が選択肢に入ってきたら今後の交渉のやり方も多少変わってくる可能性はあるな
絶対に破ることが出来ない契約というのは重たい - 6961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 18:25:12
【⑦黒服の願い・予備システムを通しての大聖杯への干渉が可能かの確認、セルフギアスクロール関連についてとアサシン陣営の勝利についての質問】
「考えはまとまりましたか?」
「えぇっとそのぉ……もうちょっと……あはは」
折角シンギングタイムを設けてもらいましたけど、黒服さんからの問いかけには中々答えられません。一応聞いておきたい事はありはしますけど、どう聞いたら良いかと悩んでいると軽く肩が叩かれました。
「それなら私から質問しよう。他の全陣営が敗北して残る陣営がお前達にだけになった場合、お前は何を願う?」
振り向いた私に向かって軽く頷いてくれたミノリさんは、私の代わりに静かな声で質問を始められました。
「ハッピーエンド、でしたか?そんな夢物語を追いながら嫌に現実的な目線で尋ねられるのですね、貴女は」
「一人ぐらいは最悪の事態に備えておかなくてはいけないだろう。それで?お前はどう願う、いや。それともどう残った聖杯を扱うか聞いてやろうか?」
万が一が起きて最後の一組になったのならどうするのか、という質問は結構私達としては聞かなくてはいけないとはいえ聞く事自体がシビアの所にあります。何せ、私たちの目的を彼は知っている。犠牲なしに終わらせると言っておきながら、一応の確認をする姿勢を勤勉と取るかそれとも不誠実と取るか、正直判断しきれません。
「そこまで分かっておられるのでしたらご期待に応えて監督役としての言葉を返しましょう。何も、私は何も願いませんし何も聖杯に干渉しません。いえ、強いて言えば、英霊七騎の魂を溜め込んで臨界状態となった聖杯を観察するというのは興味を擽られはしますがね」
けれど、生唾を飲み込んで待っていた彼の返事はどこまでも平坦でした。
「いずれにせよ、私とアサシンが生き残るような事態になれば聖杯に対して何も願わず、何も望みませんよ。それが監督役である私の役割ですので」
彼は万一勝利しても何も願わない、はっきりそう言われました。そこで浮かんでくる疑問は二つです。
一つは動機。もう一つは結果です。
前者はここまでの話の中でなんとなく察しがついてきました。ですが、後者については少なくとも私達の知る情報では確たる物が見当たりません。
「……二つ、確認させて下さい」
だからその本題を確かめる前に、私は聞いておきたい物を片付けることにしました。 - 6971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 18:27:03
「それは、もう貴女の中である程度得たい物を手に入れたという事でしょうか?」
「いいえ、まだ。でも聞くべき事や知っておくべき事は聞かないままにしちゃいけない気がしますから」
ミノリさんが代わって聞いてくれましたけど、いつまでもおんぶに抱っこじゃいけません。私もとびきり最悪なパターンを想定して、その打開策を用意できるように、今から知っておく事が求められる。そう思うんです。
「……なるほど、なるほど。では私の指摘は置いておきましょう。それで?阿慈谷ヒフミさん。貴女は何を確認なさりたいんですか?」
「自己強制証明について。これを貴方とアサシンさん以外で知っておられる方は私達以外にいますか?」
「同盟陣営を除く他の陣営という意味で、かつ私がキヴォトスのマスターの為に用立てた物、であれば私は誰にもまだお伝えしていませんね。勿論源流である魔術刻印を介する形式のそれに関しては言わずともサーヴァント達は知っているでしょうが。知っていたところで我々この地の人間には刻印どころか回路すら有りませんから使用する発想すらないでしょうが」
まず一つ目はクリア。他の陣営との交渉でそれを要求される事というのはなさそうです。
「どちらにせよ、自己証明強制は契約する双方の生命を焚べる事で成立する契約です。使う場面は限りなく限定され、その場面に陥ってそれしかあなた方に手が残されていないのなら……という話でしょう」
使い所は難しいですし、私自身も積極的という基本的には決して使いたい案、ではありませんね。なるべくそういう状況に陥って欲しくもありません。 - 6981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 18:27:37
「それで、残りの一つについては?」
「予備システムについてです。仮に予備システムを起動させる場合」
さて、次です。実際ここが分水嶺でしょう。次の質問を聞けば自ずと私達のしたい事や黒服さんにお願いしたい事は時間をおかずにバレてしまいます。言ってしまえば本命の目的を晒す質問です。
「アサシンさんの魔術で大聖杯に干渉する事は出来ますか?」
なら、そんな状況すら擬似餌にして釣り出してみせましょう。
「───なるほど。あなた方の考えについては凡その推測が出来ました。ですので、それについては私の口からではなく本人から聞くとしましょうか」
思った以上に早かった事にうめき声でも出ちゃいそうですけど、我慢です。それより気になるのはアサシンさんからの答え。
「……業腹だが、限りなく不可能に近いと言っておく」
期待を込めた私達の視線に彼女は心の底から不愉快そうにそう言われました。
不可能に近い、そう言わせてしまったのはご自分の力量に自信のある方にしてみればあまり良い気分はされないでしょう。ですが、私たちにとってその言葉は蜘蛛の糸のように細くても、聞き間違えようのない希望でもありました。
「不可能、じゃないんですね?」
「そうだ。大聖杯についてお前達がどの程度知っているかは知らんが、そもアレはサーヴァント自体が干渉するというのが極めて難しい代物だ」
詳しくはセイバーかキャスターにでも聞けと手を振る彼女をじっと見つめ続けると、観念されたように深いため息を吐かれてから説明を続けて下さいました。 - 6991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 18:36:33
「巨大な川に小石を投げても流れは変わらんように、ただの魔術師ではそもそも膨大な術理を前にして何をどう触れば良いのかも分からん代物だ」
「でも、貴女ならどうでしょうか?」
「此度の現界がアサシンの霊基でなければな。如何様にもしてみせたさ。だが現実はそうでない以上、些かばかり今の身では、お前達の考えている大聖杯に直接干渉して停止させるというのは、今の私の霊基が保たん」
思わず顔が歪みそうになります。ここに来て、霊基の問題という壁が出てきました。今のままではアサシンさんを犠牲にしなくては聖杯を停止させられないのだと言います。それじゃあ本末転倒です。それを思って黙ってしまった私に、白くて一切の脂肪もない細い首筋を見せつけるように彼女は小首を傾けました。
「なんだ、違ったか?てっきりお前達の言う犠牲なしでとやらは予備システムに干渉して大聖杯自体を止める物だと思ったが」
「……いえ、合ってます。私達が今考えられる最良の手段はそれです」
「諦めよとは言わんが、些か分が悪い賭けである事は覚悟しておけ。それこそ令呪三画を注ぎ込めば、というところか」
「仮に私が令呪をお渡しするとなったら、黒服さんは協力して下さいますか?」
「御冗談を。令呪三画を渡されたところで我々の手元には何も残りません。もし仮に協力をとなればより魅力的な物か、或いはそもそも協力せざる得ない状況でしかあり得ませんね」
やはり、《そういう事なんでしょうね》。彼なりの妥協というべきかそれともそこも含めてお仕事なのかは分かりませんけど。少なくとも黒服さんに協力をしてもらって今日今すぐに聖杯を止める、というのは出来ませんし、恐らく協力関係にも今はなれません。本当に、まったく。
「(それが分かったのが《今日一番の大収穫》ですね)」 - 7001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 18:37:08
あとは予備システム周りの協力についてもう少し確約であったりが欲しいところですが、そこら辺はこのあと次第でしょう。残すところはさっき考えていた動機、そして結末について。まずは動機から確認しておきましょう。それさえ分かればもしかすると後者の方も予測できるかもしれませんから。
「さて、もう段々と考えはまとまったとは思いますが、いかかでしょう?まだ確認したい事がありますか?」
「……貴方の願いについて。黒服さん達が何を想って聖杯戦争に参加されているのかを」
だからまずは動機につきて。聖杯を手に入れても使わない選択肢を選ぶ彼らはどんな願いを持って聖杯戦争に参加して、監督役という役割を遂行し続けているのか。
「それはそれは。また随分と突飛な話題ですね。ええ構いませんとも、お教えしましょう。けれど、このままはいどうぞと教えるのは些か芸に欠けます」
【キーワードを入手しました!】
「なら、私がさっきみたいに当てるっていうのはどうです?」
【キーワード:黒服の願い】
「───出来ますか?」
【特殊行動フラグが達成されました】
「───やってみせます」
【行動安価を行います】 - 7011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 18:42:38
- 702二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 18:50:05
まあ自己強制証明なんて手段を提示されたら相手も動揺する可能性は高いだろうな
提示せざるを得ない状況になること自体避けたいが
とりあえず後で陣営内で共有する必要がある情報ではある - 7031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 19:02:38
【行動安価を行います】
【黒服が聖杯戦争において掲げる願い】
【をこれまでの黒服の言動から推測して下さい】
【文字数等の制限は一切ありません】
【交渉イベントのキーワードは残り6つ】
【残り交渉回数→4回】
【残り達成pt→1pt】
【安価先>>710】
【それでは皆様】
【よき交渉を】
- 704二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 19:26:04
- 705二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 19:42:43
とりあえず候補を片っ端から上げていくべきかな?
一つでも正解があればクリアなら出来るだけいろんなアイデアを上げた方がいいだろうし
一番可能性が高そうなのは聖杯戦争での被害拡大を避けることかな?
あるいはホシノやアビドス絡みのなにかか
聖杯戦争関連の全てを記録して今後の実験の役に立てるというのもあるかも
アサシンの願いを叶えること自体が黒服の願いって可能性
後はわかりやすく金とか土地とか誰かとの繋がりの確保とか?
ゲマトリア絡みの何かという線
後は自分、もしくは組織のメンバーがやらかした何かを可能な限り被害少なく済ませること
魔術といったキヴォトスにないものに関する情報収集
キヴォトスに害をなす存在をあぶり出してからの排除
シャーレの先生に可能な限り被害を出さないこと
聖杯によって願いが叶えられる過程の観察
ぐらいかな思いつくのは - 706二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 20:08:50
- 707二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:20:58
- 708二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:29:05
とりあえず全部にしておくべきかな?
正直言って正解は断言出来ないし
何かが引っかかってるかも - 709二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:40:13
加速
- 710二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:40:34
- 7111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 22:09:41
- 712二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 22:18:27
全部で笑っちゃった。聞きたいこと聞くのは正解ではあるだろうけど。
1は無理しない程度に頑張ってください。応援してます。 - 713二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 22:25:25
了解しました
自己強制証明というものについてみんなに共有した時みんながどんな感想を持つかは気になるな
後そういえば自己強制証明に関しては本来はミカ主は出すつもりはなかったのかな? - 7141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 22:39:59
ありがとーじゃんね☆
安価は絶対!……っていうのとちょっと色々思う所があるじゃんね☆
色々悩んだけどみんなが時間かけてたくさん考えてくれた事だし気になっている点だったりも含まれてると思うじゃんね☆だから良い機会だから全部処理するじゃんね☆
それにどうせゆっくり出来るのは午前中でおしまいじゃんね☆
>提示せざるを得ない状況になること自体避けたいがとりあえず後で陣営内で共有する必要がある情報ではある
これは大事じゃんね☆
時間かかっちゃうからごめんなさいじゃんね……!なるべく頑張って巻いて書いてくるじゃんね☆
ちょっとお答えするじゃんね☆
命を賭けるペナルティが完全にノーマークだったじゃんね☆
1はもうちょい令呪を何画とかそれぐらいで考えてたから焦ったじゃんね☆
ので!自己証明強制っていう形になったじゃんね☆
結果としては良い塩梅というか1はありがたい安価になったじゃんね☆
- 7151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/15(土) 22:40:48
- 716二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 01:34:57
果たして正解はあるのかどうか
後そのあとの安価をどうするかな
取引内容は聞いておきたいけど - 717二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 08:23:29
楽しみに待ってます
- 718二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 12:18:40
自己強制証明は交渉における最後の切り札って扱いになりそうだな
手札が増えたこと自体はいいことではある
ただ内容には細心の注意が必要だけど
今後一切対象者を意図的に傷つけることを禁じるみたいな感じの契約だと聖杯戦争が終わった後の行動を制限することにもなるし
まあ提示するのはこちら側だからzeroで切嗣が使った時にみたいにトラップがありますなんて事態にはこちらが意図的に仕掛けなければならないはずだが
まだ具体的な使い方が分かってないなら黒服と話し合ってる今のうちに使い方確認した方が良さそう - 719二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:03:34
そういえばミカ主的にスレ進行中に一番驚いたことってなんだろうか
ちょっと気になる - 7201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/16(日) 19:47:21
- 721二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:12:14
皆さん安価完全にやらかしましたね。
ミカ主がそうとう苦戦しておられますよこりゃー。
私含めて悔い改めて♡(ミカ主はお疲れ様ぞい) - 722二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:26:37
- 723二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 00:36:49
お疲れ様です
頑張ってください - 7241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 04:14:27
- 725二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 10:20:51
絶対に落としたくない交渉――とはいえまたミカ主が知恵熱出しそうな安価になっててこれは……お労しや……
- 726二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 13:02:00
このレスは削除されています
- 727昼じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 13:04:41
お騒がせしております……なんとか目処というか処理の仕方を思いつきましたじゃんね☆夕方から書き直してなんとか今晩でふぃにっしゅしたいじゃんね……
まだ内緒、じゃんね☆
がんばるじゃんね☆ひーこら言いつつじゃんね☆
>手札が増えたこと自体はいいことではある
>ただ内容には細心の注意が必要だけど
ここら辺は大事じゃんね☆生涯にわたっての制約になるじゃんね☆あくまでも鬼札、じゃんね☆
ケセド戦と拠点移動。色んな1の想定の斜め上にいく展開はあったけどこの二つは真っ先に思いつくぐらい印象深かったじゃんね☆安価以外だと🎲関連は頭抱えたじゃんね☆ヒフミちゃんごめんね、じゃんね☆
数はなんとかなるんだけど見事に別の所を……だから処理で悩んでたじゃんね☆あと1の腕の問題で冗長になるなぁって悩んでたじゃんね☆さっき思いついたから解決しそうじゃんね☆
あくまで一のわがままで全採用で盛り込むにしたし、安価はのびのびやってもらって大丈夫だから気にしないでね!じゃんね☆
どこまでいっても未熟な1の問題じゃんね☆
やめなってー、じゃんね☆
ありがとじゃんね☆だいぶ短くまとめれそうじゃんね☆
なーに!安価は絶対で、何よりこれだから色々考えてくれたのはすっごく嬉しいことじゃんね☆時間を割いて考えてくれた事、いつも本当にありがたいじゃんね☆というわけでなんとか頑張るじゃんね☆
- 728二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 14:54:52
楽しみに待ってます
- 7291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 19:27:32
【安価の達成を確に……】
【……はえ?】
【え?あれ?はれ?】
【ちょっと】
【ちょっと待ってください!?】
【なんですかこれ!?何が起こってるんですか!?】
【ちょ、いや、まっ!?】
【もう!笑ってないで手伝って下さいっ!】
【あー!もー!これだから!!!】
【えーい!スーパーサポートシステムちゃんの力をくらえー!】
【……かんそくかのーりょーいきと接続しました】
【かんそくをかいしします……】
【⑦助けてペロロさま〜】
1.聖杯戦争からの生還(>>706)
3.聖杯戦争が起きたことによる悪影響の可能な限りの排除
4.可能な限り聖杯戦争を広めない(>>706)
5.聖杯戦争関連の全てを記録して今後の実験の役に立てる(>>705)
6.聖杯戦争への外部からの干渉を阻止するとか?(>>707)
7.この聖杯戦争が起きた理由の解明(>>706)
8.聖杯陣営の正体を知ること(>>706)
9.聖杯戦争を終結させる方法の把握(>>706)
10.シャーレの先生に可能な限り被害を出さないこと(>>705)
11.キヴォトスに害をなす存在をあぶり出してからの排除(>>705)
12. 他陣営の物騒な願いを叶えさせない(>>706)
13.金とか土地とか誰かとの繋がりの確保とか?(>>705)
14.黒服自身の領地や配下の確保(>>706)
- 730二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 19:30:34
このレスは削除されています
- 7311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 19:32:47
正直なところを言えば、です。黒服さんの願い自体の心当たりはあります。ですがこの答えはちょっとと言いますか。
『(半分博打、って感じなんですよね……)』
答えとして言い出しにくいんですよね。何せ、ズルいと言いますか、逆説的に証明できちゃう答えですから。何と言って切り出すべきか、もういっそ素直に口にしてしまうかと私がちょっと悩んでいると、ハナコちゃんが手を挙げました。
【Recommend BGM……〈Starting Pistol〉】
「はい♡聖杯戦争から無事に生還したい♡」
「なら私は順当に、聖杯戦争による被害の拡大を防ぎたい……あたりにするか」
手を挙げたハナコちゃんに続いてミノリさんもそれぞれが黒服さんの願いについての予想だと思われる意見を口にされます。お二人の言葉に驚いて思考を止めて彼女達を見れば今度はセイバーさんから。
「僕とバーサーカーは今回不参加でいこうかな?ヒフミ達に任せるとするよ」
「それもまた良し。己が叛逆を旗に託すのもまた時には必要である」
『(最悪、不参加なら黙ったままスムーズに念話も出来るしね。とはいえ、君はもう答えが出ているんだろうけど)』
四人とも揃ってウィンクをして私に考える時間と、答えを絞る為の機会を用意してくださるみたいです。スパルタクスさんのウィンクはなんか物理的に衝撃が出そうな勢いでしたけど、可愛らしいので良しとしましょう。
「ちょ、ちょっと二人とも!?急にどうしたのよ!ヒフミが答えるんじゃなかったの!?」
コハルちゃんが慌てるのも無理はありません。私だってちょっとびっくりしちゃったぐらいでしたから。何せ、また一対一で黒服さんと腹の探り合いをしながら彼の願いを特定する、そんな気でいましたしね。けど考えてみればわざわざそんな事する必要もありませんでした。 - 7321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 19:37:02
「あら?コハルちゃんったら♡私達は別にヒフミちゃんが黒服さんの願いを当てるっていうのに参加してるつもりも邪魔しているつもりもありませんよ」
「そう、私達はただ《聖杯戦争に参加する当事者として黒服という監督役について質問をしそれに虚偽なく答えてもらおうとしている》、さっきまでしていた質疑応答の続きをしているだけだからな」
お二人の言う通り、何もこの場にいるのは私と黒服さんだけじゃありません。
「そっ!そういうことはちゃんと言ってよ!急に話し出すからビックリしたでしょぉ!」
「うん、びっくりした。でも確かに良い案だ、ヒフミが答え出すまで───私達と話をする余裕ぐらいは見せてもらうぞ、黒服」
私が当てるって大見得を切りましたけど、当てるまでに他の人が質問しちゃいけないなんて事は言われてませんからね。
「聖杯戦争の参加者からの質問に対して嘘偽りの回答なんてしてしまったら、もっと言えば質問を受け付けないなんて監督役としての中立性に欠けますから♡だから当然、私達の質問には答えて下さいますよね?それともマスター以外は参加者ではない、なんていうのは先ほどのアサシンさんの言葉から考えると……ちょっと無理がないでしょうか?」
「クックックッ……ええ、それは勿論。あなた方からの質問を返す事で私の願いとやらを探り阿慈谷ヒフミさんが正解を導き出せるとしても、です。数の利があるのですからこういう時に使わなくてはそれこそ勿体無いという話です」
無事に黒服さんからの回答が頂ける形になって一息つけます。ハナコちゃん達が話をして、それに黒服さんが答える中で、私も彼の願いを絞っていけますから。
「ですが少々時間を頂きますね、阿慈谷ヒフミさん。なにせまだまだ彼女達は聞きたいことがあるようですから……クックックッ……では質問への回答といきましょう」
彼は私に言葉だけの謝罪をしてから、またすぐに目線をハナコちゃん達へと戻します。こういうルールすれすれのやり方、私もそうですけど、どうやら彼も嫌いじゃないみたいですね。監督役とはまた別に、彼個人は定規杓子な方ではないみたいです。 - 7331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 19:47:42
「まず、聖杯戦争からの生還についてはごく当たり前に願ってはいますね。私も無意に命を落としたくはありません。聖杯戦争の被害についてはこちらも何度もお話したように被害や変化といった悪影響は極力減ればとは思っていますよ。なにせそれが監督役という立場ですから」
当たり障りのない言葉。ですがまずは基本的なとこから潰していくのはテストと同じです。分かる範囲から解いて点を稼ぐっていうのは大事です。
「なら聖杯戦争の情報を広めたくない、或いは独占したい……そういう気持ちはないのか?」
「ほう、それはまた……では、その心は?」
アズサちゃんの鋭い指摘。これもかなり気になるところです。聖杯戦争は殺し合い。その当事者が参加している事実や、マスターへの協力を自治区がしている事が明るみになるのは私達にとっては非常に困る話です。でも監督役である彼にしてみればそこまで私達のためにする、というのがやや弱い気がしますからね。私達の生活の保障やキヴォトスの社会的秩序の混乱、以外にも理由があってもおかしくはありません。
「む……思いの外、理由まで言葉にするのは難しい「なら私が引き受けますね♡」ありがとう!ハナコ!」
「うふふ♡では……たとえば貴方が聖杯戦争に関する全てを記録し具に観察し今後の実験に役立てたいから。研究者らしい願いではありますね。だから情報は秘匿して独占したいし、なんでしたら連邦生徒会を含めた外部からの干渉も防ぎたい……なんていうのは?」
「お答えしますがその前に……なぜ?どんな研究をするとお思いに?」
「それなら言える!……お前が言った事だ。聖杯陣営の正体を暴くなり聖杯戦争が起きた理由の解明、とか」
「今知られている物以外で聖杯戦争を終結させる方法、なんてのを探す為とかはどうでしょう?」
監督役のお仕事に絡めた内容。願いとお仕事が同じ向きなら動機自体は納得できますし、頷けます。そう大きく外れていないと考えられますが。 - 7341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 19:52:27
「なるほど。ですがいずれにせよ、聖杯に願うような物ではありませんね。そして私の願いでもありません。私は聖杯戦争の解決手段をとうの昔に見つけていますし、それをハッピーエンドに拘るあなた方に教えるつもりはない。もっと言えば聖杯戦争という事故が起きた原因については既に対策済みです」
残念ながらハズレです。でも聞いた事自体はどうやら正解みたいですね。
「気になる部分が見え隠れしてますね、じゃあ」
彼は聖杯戦争が開催された原因をやはり知っていて、止めさえすれば次回以降は起きないと確信しているようです。
「じゃあ……先生に可能な限り被害を出さないこと、なんていうのが黒服さんの戦う動機だったりしますか?」
コハルちゃんからは先生について。彼と先生との関係性というのが今一つ見えてきませんけど。
『(さて、敵か味方かで簡単に分けられないというのもまた人の世だよ)』
セイバーさんの言う通り人と人のお付き合いや関係っていうのは複雑ですから。それに直感も言ってるんですよね、この方と先生は『一方通行染みた何か』があると。
「確かにそれは一つ、あるのかもしれませんね。とはいえ勘違いされては困りますが私は彼の保護者ではありません。私が口で言ってどうこうした所で結局選択するのは彼ですよ。これまで様々な問題に足を踏み入れてきたのと同じように、ね」
実際、今も先生について語られる彼は幾分かさっきまでの雰囲気と違います。苦笑いにも似た、呆れにも似た、けどほんのちょっと柔らかい物を感じるんです。
「だったら聖杯戦争を介して敵対勢力を炙り出してまとめて、なんていうのはどうだ?それこそお前の役目ならキヴォトスに致命的な被害を齎すような奴らは敵だろう?」
「敵ではありますね、ですがそれをするなら聖杯戦争の手綱に監督役である私が僅かなりとも指をかける理由がありません。なにせアサシンという強力な武力があるのです。多少の脅威が現れたのなら逐一排除すればいいとは思いませんか?」
何よりわざわざ聖杯戦争を利用しなくても火種はありますので、と物騒な事をつけられてしまいます。ぐうの音も出ません。なにせここはキヴォトス。トラブルなんて日常茶飯事ですからね。 - 7351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 20:11:21
「他陣営の物騒な願いを叶えさせないというのはどうだ?これならお前が聖杯を獲得しても使わなかったり、そもそも勝つ事に固執しない理由にもなる」
「それについては単純に監督役だから、でお答え出来ますね。それ以上でもそれ以下でもありません」
監督役のお仕事に関連させた内容となるとやはり答えが似てきますね。とにかく監督役だからの一点張りです。細々とした部分ではない、もっと深い部分とか根本的な所に理由がありそうです。
「じゃ、じゃあ!お金!たくさんお金が欲しいとか!聖杯だってその……あんまり綺麗な話じゃなくても使わなくてもそのまま持ってるだけでお金っていうか財産になるかもしれないし……」
「持っているだけでもそれを誰かに融通しても、大聖杯を確保さえすれば絶大な資産にはなるでしょうから♡あとは大聖杯自体を手中に収めたらその土地も、でしょうか?」
「領土や人の獲得は戦争の常だからな」
アズサちゃんが頷くように聖杯《戦争》というだけあって、基本的にはそういった物が報酬として必要、なんていうのは前にミノリさんも言っていましたもんね。
「残念ながら、私はこう見えて清貧の徒でして。物質的な欲を満たす事にはあまり興味がありませんね」
ですがこちらも違うようです。でもまた一つはっきりしました。彼は即物的なナニカが欲しくてこの聖杯戦争に臨んでいるわけじゃない。となると残すは二種類。 - 7361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 20:23:03
【⑦助けてペロロさま〜】
15.ゲマトリア絡みの何かという線(>>705)
16.【崇高】に至る(>>704)
17.神秘の研究(>>706)
18.ミネシスの力を生徒に使った実験(>>707)
19.無名の司祭の技術の探究(>>706)
20.魔術といったキヴォトスにないものに関する情報収集(>>705)
21.聖杯によって願いが叶えられる過程の観察(>>705)
22.色彩への対処法の入手(>>706)
23.ホシノやアビドス絡みについて(>>705)
【Recommend BGM……〈Luxury Cool〉】
「なら、方向性を変えましょうか───ゲマトリア」
軽く私に視線を向けたハナコちゃんはすぐに黒服さんを見据えて呟いたのは彼の所属組織の名前。先に潰していくの二つのうちの一つ。即物的なナニカでないのなら、求める物はもっと大きな物か細かい物のどちらか。今回ハナコちゃんが話したのそのうちの大きい方。
「研究者を自認される貴方が所属する組織。その研究に関連した願いなんていうのはどうでしょうか?」
監督役から切り離した、彼個人に関する部分です。つまり、本人の願望に根差した部分で聖杯が欲しいかどうか。
「魔術はキヴォトスにはない技術だ。そしてお前は実際にセルフギアスクロールという魔術をこちらの世界の技術に転用した……狙いはそれか?」
実際のところアズサちゃんの言うように黒服さんは既に魔術をこちらの技術で再現した、そう仰られていました。以前セイバーさんやキャスターさん達から伺ったように、魔術とは私たちが想像するふわふわしたファンタジーな物ではなく、もっと学術的な物らしいです。研究者だとご自身について語られた以上、魔術そのものを魅力に感じている、なんてパターンもあり得ますもんね。
- 7371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 20:28:25
「なるほど。確かに私としても魔術という学問についての学びは興味深くまた関心と知的好奇心を唆られます。古きに立ち返るというのもまた実に私好みというのは間違いないでしょう」
これまたイエスともノーとも言い難い表現です。ただこの言い回しだと。
「あと!ミネシス!キヴォトスにはあんなのだってあるし、それを使って実験したいとか!」
そう考えていた所でコハルちゃんが挙げたのはミネシス。その存在については私たちも詳しく知っている、というわけではありません。ただコハルちゃんとハナコちゃんは、いつだったかの夏の事もあってか私達の中でも特に馴染みがあるようです。
「……良い推察ですね、下江コハルさん。確かに我々ゲマトリアの中にはミネシスという現象を通してこの地の真理に迫らんと探究する者がいる。それは紛れもない事実です」
実際、そんなに外れてはいないというのが黒服さんの言い分です。コハルちゃんも身を乗り出しちゃうぐらい、食いつきます。
「なら!「ですが」ぅぅ……」
「魔術にしろ、我々が求める崇高に至る道筋にしろ、そしてミネシスにしろ。他者にそれを叶えて貰うというのは如何な物でしょう?皆さんにも心当たりがあるのでは?夢や将来的な展望は他者ではなく自身の手で成し遂げてこそ。研究職に就く身としては、聖杯に縋って叶えてもらうなど、とてもとても」
ですがこれもまた違うらしいです。ミネシスそのものはゲマトリアの方と関連しているようですが、別にそれ自体が彼の主目的ではない。ただ、引っ掛かりはありました。
「───それだ」
それが何かを考える前に、ミノリさんの鋭い視線が言葉を伴って黒服さんを咎めました。 - 7381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 20:38:18
「お前はさっきから願いを聖杯に叶えてもらう物だけに限定している。だが、願いは何も聖杯に叶えて貰う事だけじゃない」
ミノリさんの言葉に私も掌を叩きたくなっちゃいます。確かに言われてみるといつの間にか、彼の否定の仕方が徐々に《聖杯で叶える物か否か》で判断してるみたいになっていました。
「と言いますと?何せ我々が参加しているのは聖杯戦争。それにあって基本的に願いとは、聖杯に叶えてもらいたいが故に、でしょう?」
実際、黒服さんの言われる事はもっともです。聖杯戦争なんて殺し合いに参加するのにはそれだけの動機が。つまり聖杯にお願いしたい願い事がある、というのが基本でしょう。
「いいや、違う。少なくともヒフミや飛鳥馬トキのは聖杯で叶える物なんかじゃない。二人とも聖杯自体を否定する願いだ。特にヒフミの願いに関しては聖杯自体を使って願いを叶える、そんな過程が入り込まない」
でも私なんかが良い例ですけど、別に聖杯に何かお願いする事がないマスターだっています。というより、巻き込まれた身としてはそんな物持っている筈がないんです。なにせ、成り行きの中でなんとか目の前の状況に対応するだけでも精一杯なんですから。初めから聖杯戦争を知っていて、望んで参加したわけじゃない以上、どうしたってそこら辺は仕方ありません。
「それを考えるとこれまで私達が質問しては否定なされてきた黒服さんの願いも怪しくなってきますね♡だって、貴方はずっと聖杯で叶えるかどうかを基準にされてきましたから。まるで」
それは私からすればある種当たり前。でも黒服さんは敢えて、さっきから聖杯で叶えるか否かに焦点を当てだしている。
「───そういう願いの在り方に目を向けてほしくないみたいに」
思考と会話の誘導。自分の思う結論に話を持っていく為に、前提条件をすり替える、ブラックマーケットなんかでよく見かける手法です。
「普通に考えれば貴方の願いの在り方がソレなんでしょうが、それについてはまた後ほど♡ではご開帳ぉ♡……先ほどまでの回答に虚偽はありますか?」
優しい言い方から一点。穏やかですけど有無を言わせぬ力を秘めたハナコちゃんからの問いに黒服さんは笑っておられました。 - 7391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 20:50:43
「クックックッ……ありませんね。お伝えした通り、監督役としてその言葉に虚偽を挟む余地はありません。尤も、多少の誘導があったのは認めますが」
当然ながら謝罪はなしです。これぐらいの腹芸は仕掛けられるし、対応しなくては話にもならない。そういう事なんでしょう。
「なら改めて教えろ。お前の願いはゲマトリアやお前自身の研究に関わるものか?」
「いいえ。聖杯戦争そのものへの関心もそれを通した観察によって私の研究にフィードバックするのも、或いは無名の司祭。彼らが遺した先史的な成果を解き明かすのも、あくまで私の手で行い、私自らにとって益となるか否かで言えば是と言えます。ですが」
一度区切ってから黒服さんは指折り数え始めます。
「神秘、恐怖、そして魔術。これらはあくまでも観察対象でありアプローチの一つ。崇高という結果への道筋を紐解く為の手段でしかありません。そして聖杯戦争もそうです。偶然発見した新しいアプローチですが、私個人が主軸にするかと言われたら否でしょう」
なるほど、さっぱり分かりませんけどとりあえず彼にとって聖杯戦争は目的じゃない。それだけはハッキリしましたね。とはいえ、本当に分かりにくいですけど。
「えと、つまり……あの……」
専門用語を並べて煙に撒くというのもまた弁証のテクニックですけど、煙どころかコハルちゃんの頭からは湯気が出ちゃってます。
「難しくお話過ぎましたね。私はあくまでも聖杯戦争と聖杯自体を主軸として私のライフワークである研究を進めようとは考えていない、そういう話ですよ、下江コハルさん」
「じゃあ、そう……どうしてですか?そんなに一生懸命研究に「そこまでにしましょうか」……はぅ……」
そう、コハルちゃんの言葉は核心を直接尋ねるストレートな物。それを聞いてしまうと、黒服さんは答えなくちゃいけません。そうしたら多分どんな形にせよ答えが出てしまう。だから止めた。
「貴女の疑問は尤もです。私個人の関心の中に聖杯戦争に介在すべき動機が見当たらない。実に良く整理出来ていますよ。貴女はどうやら与えられた情報を元に自分の中にある判断基準と照らし合わせ考える、そういう力がお有りのようだ。少々疑問を口にするのが早いというのはありますが、反面それもまた真理を追求する人間としては実に好ましい性質です。交渉には不向きなのは間違いありませんがね」 - 7401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 21:16:20
答えは《まだ》言いたくない、そんな気持ちが長いお話から伝わってきます。つくづく、この交渉を楽しんでくださっているようです。全然ありがたくないです。それにコハルちゃんも涙目で困っちゃってます。
「あぅぅ……は、はなこぉ……」
「はいはい♡黒服さんはコハルちゃんはよく考えてるよーって褒めてくれてるんですよ♡」
「そ、そうなんだ……ならその……ありがとうござい「うちのコハルを口説くな、黒服」あ、アズサぁ!」
「そうだぞ、黒服。コハルが優秀なのは見るまでもない。今更一々うちの子に擦り寄るんじゃない」
流石アズサちゃんとミノリさんです。私が出るより先にハナコちゃんに頭を撫でられているコハルちゃんの前に二人して立ちはだかってくれます。
「これはこれは、保護者の虎の尾を踏んでしまいましたか。ゲマトリアも解散しましたし、次のアプローチがてら将来有望なトリニティ生とのコネクションを、と考えていましたが」
「……ゲマトリアが、解散……?」
その意外な言葉に思わず、私もつい口を挟んでしまいました。想定なんて全然していなかった言葉。私達が監督役というのが何となくですけど、ゲマトリアという組織自体で構成されていると思っていた予想が外れてしまったものですから。
「おや、熱心に考え事をされていた貴女が口を開かれるとは……どうやらそれほど気になる言葉だったご様子ですね?阿慈谷ヒフミさん」
「あはは……つい」
「構いませんよ、別に隠し立てする話でもありませんので。ええ、先日の虚妄のサンクトゥム。皆さんの記憶にも新しいあの一件で我々は壊滅的な被害を受けまして」
空が真っ赤に染まってハナコちゃんが先生の助けになる為に頑張って、コハルちゃんが正義実現委員会の一員として大活躍して、私とアズサちゃんが大きなペロロ様を目撃したあの日。なんでもゲマトリアという組織も壊滅なさったのだという。 - 7411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 21:17:19
「幸い人命という意味での損失は軽微でしたが、それでも我々が組織を存続させる事が今まで通りにとはいかなくなりました。ですので一度解散という形を取っているのです。既に終わった話ですが……ああ、それを考えればあの日の被害を補填する為、若しくはあのような事態に備える為に聖杯を使うというのもなくはありませんね。実にナンセンス、ですが」
「ナンセンス、ですか?」
「失った物をそっくりそのまま手に入れたい、実に人間らしいプリミティブな願い。ですが、一度失われたのなら、それを取り戻す過程も楽しんでこそ有意義とは思いませんか?少なくとも私はその過程を楽しんでいて、だというのに聖杯でそれを一息に取り戻してしまっては……あまりにもスマートさに欠けます。時間単位で見れば合理的ではありますが、何よりここまでの時間が無駄になるという観点で見れば実に不愉快です」
なるほど、ちょっとだけ言わんとしている事は分かります。たくさん勉強して、努力してテストに臨もうとしてたのに、それを受ける前にテストは受けなくて良いし単位もあげる。そんな風に言われたら、ありがたくはありますけど肩透かしを感じちゃいます。一生懸命してた時間があればあるほど、その気持ちもより一層でしょう。
「研究とは遅々として進まず、結果はいつも遠い先にある。本当に儘ならないものですが、だからこそ探求するに足るのです。何せ、分かりきった解であればそもそも探す理由も意味すらないのですから。少なくとも、私は知りたいという人間らしい欲望に焼かれた身として、その過程にも楽しみを見出していますから」
黒服さん、という方の為人が少しだけ見えてきた気がします。この人は多分、骨の髄まで研究者気質なんでしょう。気になる事、知りたい事は多分倫理的に間違っていても必ず答えを知ろうとする。そういう悪い大人なのは間違いありません。直感さんも気をつけろってそう言ってくれてます。 - 7421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 21:20:58
「私の研究に聖杯を使うという過程は不要なんですよ、阿慈谷ヒフミさん。小鳥遊ホシノさんやアビドスといった極大の神秘とそれを用いたアプローチ、嘗ての私の試みがそうであったように。契約は常に緻密でなくてはならず、双方の合意に基づくものであるべきというのが私の考えです。大聖杯……アレはそういう物ではありません。ええ、嘗てのアレであれば手放しで賞賛しよう物であったのに。万能の釜になぞなった今、ハッキリ言って実に面白みに欠ける」
でも、そんな研究に対しては物凄く真摯な方なんです。なんというかズルして答えを知るのは好きじゃない、そういう人なんだと思います。
【⑦助けてペロロさま〜】
24.アサシンの願いを叶えること自体(>>705)
25.自身の役目を全うすること(>>706)
さて、そろそろ気になる点は出尽くしましたかね。随分たくさん聞けましたから、彼のパーソナリティにしろスタンスにしろ、把握できる範囲はしっかり抑えられた気がします。
「アサシンさんの願いは?……あ、あの……えと」
コハルちゃんの質問はついさっきの会話にもあった、アサシンさんの願いを叶えたい、という部分。こちらについては、確かに彼のサーヴァントの方をしっかりと道具とかではなく一人の人物として関わっている姿から可能性があります。それにアサシンさんの願いも確認できたらありがたいところですしね。
「聞かれていますが、如何です?」
「阿呆、お前が叶えたいか否かであろう。つまらん事を私に聞くな」
「クックックッ……そういう事でしたら、僭越ながら私の口からお答えさせて頂きましょうか」
今度はフラペチーノを虚空から取り出して飲んでいたアサシンさんがつっけんどんに答えられます。新作ですね、私はまだそれ飲めてないやつです。
- 7431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 21:23:43
「確かに私はマスターとしてアサシンの願いを叶えたい、そういう思考自体は存在します。ですが、彼女自身の願いは聖杯でおいそれと叶えられる物ではない」
「許せよ、私とて人並みには感傷を懐くのだ。とはいえ万一叶えられるとしても誰かを害する、というような物ではない。そしてそれを叶える機会というのは存外、これから先の百年のうちに転がっていそうでな……異邦の地で好き放題出来るほど私も幼くはないのだ」
「ええっと……その、じゃあ?」
「つまり彼女の願いを叶えるというのは私にしろ彼女自身にしろそこまで積極的というわけでもなければ、態々聖杯を使ってまでという思索もありません。これもまた一個の確立された自我を持つサーヴァントとの円滑なコミュニケーションを私なりに図った結果、なのかもしれませんね」
こちらも結局、外れてしまいました。それにアサシンさんの願いが実際にどんな物なのかというのも分かりません。ただ一番肝心な所は、アサシンさんの願いは黒服さんの願いそのものとは関係ない、そして聖杯戦争中に重要視されない。この二点をしっかり確認できました。
「さて、随分と長く話してしまって後回しになりましたね。お待たせしてしまいましたか?阿慈谷ヒフミさん」
「いいえ、ナイスタイミングです。ありがとうございました、黒服さん」
「いえいえ、貴女の熟考が実る一助となれたのならこの時間も無駄ではなかったでしょうから。それもまた監督役の、そして未熟な貴女達に先立つ我々の務めでしょう」
態とらしい嫌味にも聞こえるそれに苦笑いがでちゃちますけどここは大人の度量というやつで許してもらいましょう。 - 7441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 21:26:06
「なら最後に一つ、甘えても良いですか?」
「最後と言わず、と言いたいところですが折角大見得を切られましたからね。良いでしょう、ダブルタップで見事仕留めて魅せて下さい」
二発。この質問を含めて二回の会話で終わらせてみせろと彼は言います。良いでしょう、望む所です。
「では、お言葉に甘えて。黒服さんの監督役を全うする、役割を遂行するというのは……あくまでもそれも含めて監督役としてのお仕事で間違いありませんね?」
「クックックッ……ええ、その後に続く言葉も含めて正解とお伝えしておきましょうか」
「なら良かったです!いえ、全然良くはないんですけどね」
そう、正直に言えばこの後のことを考えれば最悪です。でも仕方ありません。そうとしか考えられないんです。
「それはそれは、申し訳ありません。ですがそれもまた性分ですので。では改めて回答を、私の願いとは何か?貴女が見つけておられた答えをお聞かせ下さい」
ここまで沢山質問してきました。でも正解は見当たらなくて、だけどそれまでの言動から彼はとても真面目って言えるぐらい監督役というお仕事に向き合っている。動機がさっぱり分からない。
「黒服さん、貴方の願いは」
「───ないんです」
だったら答えは、そもそも存在しない。
【別条件を達成した為】
【キーワードを強制入手しました】
【キーワード:③黒服のやるべき事/黒服には願いはない】 - 7451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 21:29:50
- 746二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 21:44:36
お疲れ様です
後話す必要があることって言ったら一応怠惰のランサー絡みとか教えてもらってないなら自己強制証明の具体的な使い方かな? - 7471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 22:02:58
黒服さんに個人的な願いというものは存在しない。そうハッキリお伝えしたタイミングで微かに彼は嗤いました。ならおまけでもう一つ、ここまでの質問があったからこそ特定できた事もお伝えしましょうか。
「正確に言えば聖杯戦争に賭ける願いなんて物はない。だって貴方は」
それは聖杯戦争に対する願いについての考え方。初めから聖杯戦争を知っていて、自ら望んで参加した人間とそうでない人間で出来てしまう違い。もちろん、全員が全員そうじゃないでしょう。望外なチャンスと捉えて、前々から持っていた願いを胸に戦いに臨むマスターもいるかもしれない。だけど多分、黒服さんは違うと思うんです。
「私達と同じで、聖杯戦争に巻き込まれた人間だから」
こっちは根拠に乏しい、ハッタリですけどね。
「はあぁっ!?ひ、ヒフミ!?ちょっと何言ってんのよ!だってこの人は監督役で!しかも聖杯を研究してたって人とも知り合いで!」
コハルちゃんの言う通り、黒服さんは監督役で以前の話でも聞いた通り、聖杯について研究されていた方とお知り合い。でもその前提条件と、巻き込まれたか否かは関係ありませんからね。あくまでも情報として知っていた、それか知ったのは聖杯戦争が始まってからだってその話は通っちゃいますし。何より、巻き込まれたのなら説明出来ちゃうんです。
【⑦助けてペロロさま〜】
EX.自分、もしくは組織のメンバーがやらかした何かを可能な限り被害少なく済ませること
「ええ、ですから」
【キーワードを入手しました!】
「この人はフランシスさん、でしたっけ?その知り合いの方がした不始末を片付ける為に監督役のお仕事をなさっているんだと思います」
【キーワード:黒服は聖杯戦争の責任を取りたい】 - 7481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 22:17:01
解体済みの組織、そのメンバーが最後に関わった案件の尻拭い。願いがなくてもそれなら、一生懸命監督役をされているのも頷けます。だってこの人は研究者ですから。同僚の方がした実験の失敗を、誰かが後始末しなきゃいけないなら見過ごせる筈がない。そういう研究者としての《研究倫理》がある筈です。まあ、あまり人道的なそれではない気がしますけど、後始末云々は何方かと言えばプライドとかに関わってくる話ですしね。
「はぁぁぁ!?い、命懸けて?知り合いの尻拭い!?な、なんで、なんでそんな!?」
「良い推理ですよ、参考までにいつからお気づきになられたか聞いても?」
「ぃええ!?な、なんで!?ここまで考えて「はーい♡コハルちゃん、お口チャック♡ですよぉ」むぅぅぅ!」
「最初からです。貴方の言動は驚くぐらい誠実でした。例外はアサシンさんの行動ですけど、私の時は聖杯戦争に関する目撃者の排除。次は……物凄く言いづらいですけど単純に手綱が握りきれていなかった、でしょうか?どちらも聖杯戦争序盤の話ですし」
コハルちゃんが口を塞がれて叫んでるのは一先ず置いておいて、肝心なのは黒服さんのこれまでの言動。とにかく誠実な監督役のお仕事をしてくださってきた現実が重要なんです。
「……どうぞ、続けて下さい」
「それら例外を除けば黒服さんは私達と敵対した事もなければ、危ない所を助けても貰っています。私達が聞いた事に関しては嘘なく答えて下さっています。セイバーさんが驚くぐらい真っ当な監督役をしておられていました。それこそマスターである理由、聖杯戦争を戦う為の動機が読めないぐらい」
マスターであるのに監督役。すごく怪しいです。だっていうのに彼は私がマスターになってからは一度も裏切るような行為を働いていない。もっと言えば徹底して中立を維持してきた。そして、さっきまでの話が嘘じゃないならマスターとして戦うつもりも殆どない。
「だから考え方を逆転させたんです。監督役としてのお仕事をする徹しておられて、貴方のこれまでの言動からマスターとして戦う動機である願いが分からないっていうのなら───そもそも動機なんて物ないんじゃないかなって。もっと言えば聖杯戦争にあたって貴方はマスターとして懐く物はない、強いて言えば監督役として役目を果たす事自体が目的なんじゃないかって」 - 7491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 22:17:39
だから本当に義務感とかそういう感じなんだと思います。とにかく聖杯戦争という殺し合いの監督役を最後までやり遂げる。でもそれが願いっていうのは少し無理があります。小さい子が色んな仕事に夢中になって大きくなったら何々になる、なんていうのとは訳が違う。
「おや、貴方の話だと私には目的、動機がなかった筈では?」
「戦って最後の一組になる、そういうマスターとしての動機です。貴方は徹頭徹尾、監督役としての動機しかありません。ですが監督役になる事、つまり中立の立場を貫く事に大きなメリットもありません。最初に特権はないって教えてもらいましたし、何よりここまでのハナコちゃん達との会話でそれは証明されたような物ですから。だったら残っているのなんて」
メリットどころかマスターとして戦う事もしない、ただ拒絶反応のデメリットだけを受けて仲間も作れない。そんな監督役を最後までやり遂げようとするのなら、残っているのは。
「義務感とか使命感とか。あとは誰かに代わって監督役をしなきゃいけない、そういう後ろ向きな事情があるから……ぐらいかなぁって」
それこそ後始末をする為に、ぐらいでしょう。
「でも後ろ向きだったとしても、貴方はきっとそれを受け入れて楽しんでるんですよね?だって、貴方は過程にも楽しみを見出せる人だから」
「クックックッ……ええ、当たりです。私はフランシス、彼がしていたサーヴァントの研究とそれによって偶発的に起こってしまった聖杯戦争の後始末をする為に監督役を引き受けただけですよ」
果たして正解は、だなんて考えるよりも前に彼が答え合わせをして下さいました。
「ご存知でしょうが、起動してしまった大聖杯を完全に停止させる術というのはほぼ不可能。それこそ先ほどあなた方が言われた予備システムの起動に伴う大聖杯とのアクセス時に干渉する極めて困難な手段か、顕現した大聖杯自体を破壊する以外にはありません。それはアサシンの手腕あってもの話です」
令呪三画かそれ以上のバックアップあって漸く可能になる干渉。ちょっとつまらなそうにしているアサシンさんであってもそれだけのサポートがないと難しいのだと言います。
「勿論、大聖杯がある場所をまとめて吹き飛ばすというのもなくはありませんが……あまりおすすめ出来ませんね。私も先生と敵対したいというわけではありませんから」 - 7501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 22:18:24
また一つ良い情報をもらいましたね。どうやら大聖杯がある場所は吹き飛ばすと先生と敵対する事になるらしいです。そして私達は大聖杯が何処にあるかなんて全然分かりません。
「聖杯を止められない以上、私に出来る事は今次聖杯戦争を含めてこれから将来にわたって起こり続ける全ての聖杯戦争において、監督役という中立の立場を貫き、管理、運営する。そうする事で聖杯戦争によるキヴォトスへの影響を可能な限り抑えた形で戦争を行い、いずれ解決する手段を見つける……それが私なりの」
「今は無きゲマトリアに所属する研究者としての責任の取り方です」
「……改めて確認させて下さい。もし仮に最後の一組になってしまって聖杯を獲得したらどうなさるおつもりでしたか?」
「お伝えした通りどうにもしませんかね。何せ願いらしい願いはない物ですから。精々使わなければいけないとしたらアサシンの完全な受肉でしょうかね。私の肉体を介した聖杯からの魔力供給さえ無視できれば、彼女ほど頼もしい存在はいませんから」
「これより先もこの阿呆に付き合うと考えると、如何な儂も気が滅入るがなぁ」
「クックックッ……私の台詞ですよ、いえ、本当に」
本当にこの人はとことんまで聖杯戦争と付き合っていくつもりだったようです。マスターか否かなんて関係なく、フランシスという方が残していった聖杯戦争と大聖杯という負の遺産の後始末をする為に。
「さて、私からお伝えできるのは以上となります。私に願いはなく、聖杯が停止できない以上続いてしまう聖杯戦争にあって監督役であり続けなくてはいけない以上、これから先もどれか一つの陣営に肩入れをして中立でなくなる事は出来ません。私は監督役として中立を貫かなくては責任を果たせない。ですがあなた方は私とアサシンの協力が必要」
だからこそ中立を維持し続ける。なにせ彼がどこかの陣営に肩入れしてしまえば、次から信じてもらえなくなるから。実に分かりやすいです。
つまり彼は、どれか聖杯戦争で各陣営の中から一つの陣営には協力できない。そう言っているわけです。なんて本当に分かりにくいんでしょう。
「この後もお話をされるのでしたら、是非素敵な誘い文句をお願いしたい所ですね」
さて、そしたらこの後は───。 - 7511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 22:27:38
というお話だったじゃんね☆
……今回めーちゃめちゃ悩んでたのは安価の中にキーワードに直撃してる内容があったり個々でこの後話そうかなぁって考えてたのがぽろぽろあったからじゃんね☆どれを選ぶかだったり、どうやって答えるかだったり、安価の中に答え自体はないのに別のキーワードがあるからどうやって処理したら良いかだったり……色々悩んだ結果がこれじゃんね☆
ヒフミちゃんに26回質問させるのは無理だから代わりに他の子達が質問してくれたじゃんね☆
とりあえずわりと色んな事をお喋りできたら1は満足じゃんね☆
んで本題じゃんね☆
交渉イベント、キーワード4つ入手できたからこのままEDいけちゃうじゃんね……具体的に言うと取引について黒服が話をするから《ここまでの情報で協力関係の約束を取り付ける》みたいな感じになるじゃんね☆
ただまだ聞きたいこととかあったらって思うので……安価するじゃんね☆
黒服にあと一回質問タイムするか、それともこのまま取引しちゃうか。好きな方を選んでくださいじゃんね☆
①質問タイムをする
②取引しちゃう
③助けてぺろろさま〜(その他)
安価先>>756
それじゃあよろしくお願いします、じゃんね☆
ちなみに自己強制証明は教えてもらって黒服以外には使えないじゃんね☆使いたい時には監督役として見届けるから呼んでね!って感じになるじゃんね☆
- 752二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 22:36:40
まあ①選んだとしても取引できるなら①かな
わずかな疑問も消した方がいいし - 753二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 22:52:33
かそく
- 754二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 23:01:59
①にして損があるわけじゃないし①かな
- 755二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 23:19:37
①じゃんね
- 756二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 23:19:48
- 757二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 23:25:08
このレスは削除されています
- 7581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/17(月) 23:26:22
安価へのご協力ありがとうございますじゃんね☆
①ってことで質問タイムに突入するじゃんね☆
はじめにお伝えしとくのは2点!
1.文字数と個数制限なしじゃんね☆好きなように気になる質問をしてほしいじゃんね☆
2.黒服は嘘はつかないじゃんね☆聖杯戦争に限り停戦協定と協力を先生と結んで全力で中立やってるじゃんね☆
以上2個じゃんね☆
安価先は>>765
黒服に聞きたいことでもなんでもあげてほしいじゃんね☆
黒服とお話しできるのは夜を除けば基本的には今日はこれで最後だし、午後から多分バタバタするから気になるとこは潰しとくのおすすめじゃんね☆
- 759二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 23:43:10
対価を払ってもいいからすぐ使えそうな魔術を教えてもらえたりするか
フランシスに対し何かしらのケジメをつける気はあるか
大聖杯がある場所は吹き飛ばすと先生と敵対する事になるらしいと言ったがそれは黒服もしくはアサシンが吹き飛ばした場合か、誰がやったとしても同じなのか
令呪を増やす方法はあるか
7日目の夜にライダー陣営がやりすぎていたから対処しにきていたが他にも対処していたことがあれば教えてほしい
シュロはある程度聖杯戦争について知っていたが知っている理由は分かっているか
また分かっているなら知ってる理由を教えてもらえるか
フランシスとかあたりがマスター権強奪したり何かしらの形で新たなサーヴァントを召喚して参戦するといった可能性はあるか
フランシスが新たに聖杯戦争を開催してこちらの聖杯戦争とフランシスが新たに開催した聖杯戦争が同時に開催みたいな事態は起きる可能性があるか
先生と協定を結んだのはいつか
各陣営のマスターとそれぞれ接触したのはいつか
あからさまにアウトな願いを持っていたことが発覚した場合や処分対象になることをしていたことが発覚した場合まずは黒服とアサシンだけで対処するのかそれとも最初から全ての陣営動員して対応するのか - 760二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 00:15:51
ルール違反者に対しての処罰としてマスターを始末するという選択肢はあるか
仮に聖杯陣営含む全陣営がD.U.とかに集結した上で隠蔽とか無視して全力で戦争を開始しちゃったらどう動く気か
万が一何かしらの理由で聖杯大戦が開催されてしまった場合黒服は今いる陣営の仲間ということになるがそうなったらどう動くのか
また聖杯大戦で先生や各校トップがマスターになった場合どうする気か
フランシスはサーヴァントの研究をしていたそうだがサーヴァントを召喚している可能性はあるか
また召喚していたとして受肉などの手段で今もキヴォトスにいる可能性はあるか
拒絶反応は黒服にもあるか、あるなら望むなら病院に連絡入れますが
個人的に勝って欲しい陣営、もしくは勝たれると困りそうな陣営はあるか
聖杯大戦になった場合新たに召喚されるサーヴァントは7機で新たに選ばれるマスターも7人というのは間違いないか
黒服とフランシス以外のゲマトリアの構成メンバーはこの件で何かしら援助とかはしてないか
フランシスの具体的な容姿を教えてもらえないか
アサシン陣営以外で残った最後の陣営がどういう願いを持っているのか分からない場合どうする気か
自己強制証明を使うなどして問題ある願いかどうかを確かめるのか - 761二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 00:23:30
- 762二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 00:46:02
もしマスターが暗殺されたなどの理由でマスター不在になったサーヴァントが誰かしらと再契約した場合黒服は説明などをしに行くのか
過去にキヴォトスなどで極秘に聖杯戦争が起きていたという可能性はあるか
フランシスの研究データを見せてもらえるか
一応念のためゲマトリアに所属していたメンバー全員のことを教えてもらえる範囲で教えてもらえるか
シャーレの先生が聖杯戦争のせいで死んだという事態が起きた場合どうするのか
ルール違反に対する処罰にはどのようなものがあるか
冠位について知っていることはあるか
自己強制証明を使う場合の詳しい使い方の確認及び自己強制証明をこっちで再現は出来そうか
キャスターとかなら自己強制証明を再現出来るか
聖杯大戦についてアサシンはどう思ってるか
黒服が考える最悪及び最善の結末は
またこのままいけばどういう結末になりそうか
現状注視してる陣営は?
どうやって隠蔽をしてるのか
黒服はサーヴァントを召喚したのか、それとも誰かが召喚したのをマスター替えという形でマスターになったのか
他陣営の願いについてどれだけ把握してるのか
時間切れになれば黒服も死ぬことになってしまうが対策はあるのか - 763二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 00:56:28
- 764二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 00:58:59
- 765二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 00:59:19
- 7661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/18(火) 01:08:22
- 767二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 03:36:56
お疲れ様です
- 768二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 09:53:26
お疲れ様ですじゃんね
落ちないように保守するじゃんね - 769二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 12:50:04
果たして黒服はどう答えるのか
- 770二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 17:54:30
BADエンドはどんな感じなんだろう
- 7711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/18(火) 19:29:33
- 772二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 21:35:23
了解です
- 773二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 23:58:33
お疲れ様です
- 774二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 07:50:04
待機
- 775二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 12:03:59
楽しみに待ってます
頑張ってください - 7761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/19(水) 17:38:02
- 777二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 21:24:17
お大事にしてください
- 778二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 23:42:05
わかりました
お大事にしてください - 779二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 06:03:03
スレ落ち対策委員会委員長小鳥遊ホシュノ
- 780二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 10:31:17
お疲れ様じゃんね…
- 7811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/20(木) 17:52:52
- 782二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:38:08
気分転換に過去のを投稿用に纏めてみてもいいかもしれないじゃんね!
それかヒフミ誕生日みたいなのを書いてみたりとか……
とにかく思いつめすぎないようにするじゃんね! - 783二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 00:30:25
保守
- 784二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 04:51:48
質問の回答はどんな感じになるかな
- 785二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 11:30:00
おだいじにー
- 786二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 18:28:51
待っておこう
- 787二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 00:05:44
保守。
10日目になって初安価が混沌と化したこの頃。
次の安価は落ち着いた形にしましょうや - 7881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:43:10
①【魔術関係】
1.対価を払ってもいいからすぐ使えそうな魔術を教えてもらえたりするか(>>759)
2.自己強制証明を使う場合の詳しい使い方の確認及び自己強制証明をこっちで再現は出来そうか、キャスターとかなら自己強制証明を再現出来るか(>>762)
3.令呪を増やす方法はあるか(>>759)
さて、質問タイムです。早速聞いていきたいところですけど、あまりにも聞かなきゃいけないというか知りたい事が多過ぎます。この後サクラコ様のところに行きたいですから時間も気になるところですけど、軽くジャブから入りましょうか。
「魔術について、そのぉ……教えてもらったりとかは?」
と思ってちょっと個人的に気になっているところから聞いてみたんですけど、どうにも反応が芳しくありません。
「……セイバー。魔術回路の有無についての話は?」
「すまない、必要がないと思ってしていないよ」
「クックックッ……まあ、いいでしょう」
セイバーさんは額を抑えてますし黒服さんも思いっきりため息を吐かれています。良いじゃないですか、私だってまだ十代の子どもなんですから。ちょっとぐらいまほーとかマジュツに興味あったって。
「良いですか?阿慈谷ヒフミさん。根本的に魔術回路を有さないあなた方は魔術は使えません。それは私もです」
「え?でもさっきセルフギアなんとかって……」
「あれはあくまでも魔術回路や刻印の代用に物理的以外には切り離せない令呪を介して他者の肉体に課した魔術モドキであり本質的には契約の部類です。そういったものでしたら使えますが代わりに令呪を消費しますよ」
残念ながら私達ではマジュツは使えないどころか、もし仮に真似事をしようとするなら私の手の甲に刻まれている令呪を使わなきゃいけないみたいです。しかも詳しく聞くと魔術一回につき一個どころか変換効率が悪いとかで最悪全部消費してやっと一回できる、なんていうパターンもあるとか。とてもじゃないですけど、
「じゃあそうポンポンとは……」
「他のマスターから譲渡されるか奪うでもしない限り令呪が増える事はありませんからね。それと何か勘違いを、いえ、そもそも理解が及んでおられないようですからハッキリとお伝えしましょう」
- 7891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:43:35
使えない、そう考えていた所で黒服さんの声が潜めるように低くなりました。
「自己強制証明は互いに嘘がつけなくなるファンタジーの産物ではありません。契約に沿わなければ死ぬ、そういう契約を交わす物です。スマートさに著しく欠ける最終手段、或いは脅迫と同義と私は捉えていまふ。それを使えと相手に迫るという事は相手の命を限定的ではあっても支配するという事。そしてその契約はほんの僅かな余白も許しません。もし少しでも虚偽や誤魔化しが言動に現れれば途端に相手も自身も命を落とすのです」
少し軽率に考え過ぎていたかもしれません。先ほど伺ったセルフギアスクロール。最悪私の、という考えが僅かに頭を掠めていましたけどとてもじゃないですけど使えた物じゃありません。本当の本当に、どうしようもない状況でやっと使い道がある、かもしれない。そんな代物です。
「あなた方がそれをお望みであれば勿論私はお手伝いしますが……クックックッ……万一取り返しのつかない事態になったらどうなさるおつもりで?」
「ハッキリ言いますが安易な考えでそれを使えば、阿慈谷ヒフミさん。貴女は自分の首を絞めるどころか誰かの命を危険に晒す。そんな迂闊で愚かな人殺しになりたいのでしたら……他を当たって頂くか、今すぐマスターを降りることをお勧めしますよ」
殺さない、殺させない。これは私が決めたハッピーエンドの根幹です。それを揺さぶる一手ですから、あくまで知識として覚えておくに留めておきましょう。セルフギアスクロール、それを使うという事の代償の大きさを。 - 7901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:44:08
②【ゲマトリア関係】
4.この聖杯戦争に対する黒服以外のゲマトリアメンバーのスタンスは?(>>763)
5.一応念のためゲマトリアに所属していたメンバー全員のことを教えてもらえる範囲で教えてもらえるか(>>762)
6.黒服とフランシス以外のゲマトリアの構成メンバーはこの件で何かしら援助とかはしてないか(>>760)
7.大聖杯がある場所は吹き飛ばすと先生と敵対する事になるらしいと言ったがそれは黒服もしくはアサシンが吹き飛ばした場合か、誰がやったとしても同じなのか(>>759)
そう考えているとにこやかにハナコちゃんから棘が黒服さんへと。
「お言葉ですが、凡ゆる手段を模索するというのはごく自然な流れでは?」
とはいえハナコちゃんだってわかった上ででしょう。私達にアレは使えません。
「ええ、ですから大人として教えてさしあげたのです。アレはそんな優れた選択肢ではないと」
「……それはそれは。ありがとうございます」
「いえいえ、仮にも監督役ですので」
そしてそれは黒服さんとしても同じ。だからそういう手段がある事は教えてくださってもそれ以上の事に触れさせるつもりはない。
「それがお前達のスタンス、なのか……?」
「お前達、がどれを指すのかは分かり兼ねますね、白洲アズサさん。ですが、監督役のスタンスというのはこういう物ですよ」
「ほ、他のげまとりあ?って人達は?そのどうなんですか……?」
でもそれをアズサちゃんやコハルちゃんが不思議に感じるのもまた仕方ない気はします。黒服さんは怪しいですし、一度は殺されかけた相手。それが今ここまで中立的かつ私たちを尊重するスタンスでおられる。困惑しちゃうのも無理はありません。
- 7911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:44:44
「……良いですか?下江コハルさん。先ほどお話ししたようにゲマトリアは既に解散した組織です。監督役を私が請け負っているのも元所属していた人間が中途半端に投げ出した実験による被害、つまり聖杯戦争が私個人として望ましくない物であったから対処しているに過ぎません」
ですが、黒服さん個人の事を考えればそれも自然には見えてきます。彼はどうやら、研究者である自認を違えるつもりがない。道徳的にどうこうなんて事はないでしょうけど、少なくとも監督役として責任を果たす。その一点については確かに信用できるとこれまでの会話の中で確信が持てます。その結果が先ほどまでの会話、なのかもしれませんね。
「この際ですからこちらについてもハッキリとお伝えしましょう。ゲマトリアと今次及びこれから先に行われる大聖杯に起因した聖杯戦争はこれ以上の関わりと意味を持ちません。そして私はゲマトリアについて教えるつもりもありません」
「教えるつもりがない、か。それは監督役としての判断で、監督役としての職務に抵触しないという理解で良いか?」
ミノリさんの質問に黒服さんはわざとらしく肩をすくめられました。言う必要があるか、とでも言わんばかりにキザな態度です。
「おや、それ以外にどう聞こえましたか?今お伝えした通り、聖杯戦争とあの日に潰走し解散したゲマトリアは文字通りの意味で関係ないのです。でしたら話す必要性も蓋然性もありません。何よりゲマトリアについて調べた所であなた方が聖杯戦争を有利に進める一切の情報は手に入りませんので」
「つまりゲマトリア側で何かしらの援助が聖杯戦争に対して行われるという事は?」
「今次聖杯戦争に限ってはあり得ませんね、そうでしょう?アサシン」
ハナコちゃんからの質問にもさっくりと返答がありました。答えた当の本人は顔を横へ、今もカップの氷をストローでかき混ぜるアサシンさんの方へ。 - 7921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:45:09
「やれ、面倒な男よ。だがそれも契約だ、精々最後まで仕事はしてやるとも」
ですが彼女もまた、なんとも言えない返事です。少なくともゲマトリアという組織がこれ以上介入する、というのはない話なのは理解できました。
「……話をちょっと変えさせて下さい。大聖杯について、それがある場所を吹き飛ばすと先生と敵対する事になるようですけど、それは他のマスターであってもでしょうか?」
「庇いきれない、という話ですよ。大聖杯の起動式がある土地一帯を顕現前に全て破壊し尽くすとなれば文字通りその場所を今後百年にわたって不毛の地にする威力が必要になりますからね。極々単純に、そんな事をして人も生徒も住めない場所にしてしまえば、公的機関との対立は避けられないというのは当たり前の話の筈ですが」
もう一つの方の質問もバッサリです。やはり大聖杯を顕現させない形での対処はまず選択肢から外すべきですね。 - 7931じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:46:08
③【フランシスについて】
8.フランシスの研究データを見せてもらえるか(>>762)
9.ゲマトリアに所属していたメンバーでフランシス以外でサーヴァントの研究をしていた人はいるか(>>763)
10.フランシスの具体的な容姿を教えてもらえないか(>>760)
11.フランシスに対し何かしらのケジメをつける気はあるか(>>759)
12.フランシスとかあたりがマスター権強奪したり何かしらの形で新たなサーヴァントを召喚して参戦するといった可能性はあるか(>>759)
13.フランシスが新たに聖杯戦争を開催してこちらの聖杯戦争とフランシスが新たに開催した聖杯戦争が同時に開催みたいな事態は起きる可能性があるか(>>759)
14.フランシスはサーヴァントの研究をしていたそうだがサーヴァントを召喚している可能性はあるか
また召喚していたとして受肉などの手段で今もキヴォトスにいる可能性はあるか(>>760)
そうなると気になるのは別件に移ります。
「……フランシスさんの研究データを見せて頂くことは可能ですか?」
解散しているゲマトリア、なのに黒服さんが最後まで責任を果たそうとする理由。その根幹であるフランシスという方について。
「お断りします、が……ふむ、一応なぜと伺っておきましょうか」
「彼の研究から聖杯戦争、延いては大聖杯への対策と対処の糸口が見出せないかと」
実際、聖杯戦争に黒服さんより前から関与していたようで、サーヴァントについても研究なさっていたという話です。それなら、彼の研究データには聖杯を解体する、なんて事も書いてあるかもしれませんし。ですが黒服さんの反応は心苦しそうと言いますか、テストの空白を見た先生みたいな感じでした。
「でしたら見るべきではないでしょう。そちらにはキャスターがいる。たとえ近代以降……いえ、どちらにせよでしょうか。魔術師であれば見た所で対して価値のある物ではありませんよ、現状の解決の糸口にもなり得ないと断言しましょう」
- 7941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:46:45
「それは……黒服。お前や他の人間も聖杯やサーヴァントについて研究していて見識があるからじゃないのか?違う視点からなら」
「断言する、そうお伝えしたのは何も我々が秘匿したい物があるからではありません。彼の研究はあくまで境界記録帯の再現性について。聖杯はアプローチであり、大聖杯や現時点で行われている聖杯戦争のシステムに何かしら寄与する物ではなかったですから。そしてそれは私の目ではなく、監督役としてアサシンが確認して判断した事です」
それが出来るなら最初から自分がしている、そう言外に仰られます。どうやら探した所で時間の無駄、みたいです。
「そもそも我々は協力関係にあってもそれぞれの研究に必要以上に口を出す間柄ではありませんでした。彼がしていた研究について知ったのも聖杯戦争が開始する直前になってからです」
だから対応が後手に回ったのだと深々と溜息を吐かれる黒服さんに何も声がかけられません。疲れが滲む背中は哀愁が漂ってます。
「ちなみに、ですが。以前にもお話しした通りフランシスについて調べる事はお勧めしかねますよ。そもそも彼についてあなた方が足取りを追えるとはとてもとても」
「ええっと……それはその、どうして?」
「それが可能でしたらとうの昔に我々ゲマトリアの動きを捕捉できていたでしょう?」
ごもっとも、という他ありません。なにせリオ会長達ですら足取りが掴めない、先生の報告がなければ名前さえ聞き覚えがない、そんな実態のない組織だったのがゲマトリアです。メンバーであったフランシスという方も同様と考えていいでしょう。 - 7951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:47:32
「それでも容姿やフランシス個人について調べたという事でしたら止めはしませんが、監督役としてお伝えできる事は何もありません。ああ、力づくでという形でしたら構いませんが……それともフランシスに対して制裁でもお求めに?」
流石にそれを求める、というか求めたいっていう考えはありませんでした。私達も揃って首を横に、こらセイバーさん。そんな微妙そうな顔しちゃ駄目ですよ。
「クックックッ……結構。何せ彼は責任こそ果たせませんでしたが、同時に聖杯戦争という事故において紛れもない被害者でしたから。何よりサーヴァントの力を持ってマスターでない人間に力を振るう、許される行為ではありません。彼の責任を追及する、それは全ての罪が明らかになってからでしょうから」
「……じゃあ、あの。えっとフランシスって人がその、マスターになったりとか!後は……新しい聖杯を作ったり……とかその……」
コハルちゃんからの質問は私としても気になる所。実際、フランシスという人は聖杯戦争の始まりに一番近い所にいた人物ですから。万が一、なんていうのも考えます。
「あなた方が安心する為のリップサービスに聞こえるでしょうが……前者は流石にあり得ない、と断言しておきましょう。それをするなら第七のマスターという立場を譲る筈がありません。第一に、聖杯戦争のマスターという致命的なデメリットがある貧乏くじを引きたいなどと非合理的な考えを持つとも考えられません。我々は研究も観察もしたいですが、実験対象のモルモットになりたいわけではないのですから。そして後者についてですが」
けれど、人が少なくなった所で漁夫の利願いでマスターになり変わって願いを、なんていうのはあまりにもリターンとリスクが合わない。
「半年です」
そして後者、新しい聖杯の製造もまた同じ。
「彼が研究を始めてから約半年。たったそれだけの時間しか用意できないまま、もっと言えば限りなく再現性の低い実験に臨んだのも今回が初めてでした。次、となればそれこそ十数年は今回のデータを収集し、検算する事に掛かり切りですね。何度もお話しますが我々は特段、このキヴォトスを滅ぼしたいわけではないのです。何処までも研究をしたい、であれば当然ですがその運びは丁寧にあるべきですので」 - 7961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:48:06
どちらにせよ、フランシスという人物がこの聖杯戦争に《これ以上関わる事はない》。黒服さんの話からも、そして私の直感もそんな風に言っている気がしました。
「……サーヴァントの研究をしていた、そう言ったな」
そんなこんなでフランシスという人について聞きたい事は大体まとまったかな、と考えていたタイミングで切り出した声。
「ええ、それがどうしましたか?安守ミノリさん」
ミノリさんは少しだけ悩んだ素振りをしてから、いつも通り張りがあるのに落ち着いた声で尋ねられました。でもその声が、少しだけ。
「聖杯戦争前にサーヴァントを召喚する、それは可能か?」
強張るように恐る恐る、そんな風に聞こえてなんだか不思議な感じでした。
「……ああ、なるほど。聖杯陣営についてですか。どうにも先ほどからフランシスについて気になっている様子でしたから確かに彼らという新たな出現したサーヴァントの存在は、そう勘繰ってもおかしくはありませんね」
「……勘繰り、か……なら」
「はい。重ねてお伝えしますがフランシスは聖杯戦争そのものを画策していた訳ではない。そしてまず間違いなく聖杯陣営なる存在を出現させる事も出来ない。彼が関心があったのはサーヴァントについてです。そして追加でサーヴァントを出現させるような聖杯への干渉が出来るのであれば、もっと我々マスターにデメリットがない形式を取るでしょう。毎回二週間ばかりの短期間では取れるデータも限定されてしまいます」
ミノリさんの質問に一瞬悩んだようにして、それから黒服さんは聖杯陣営とフランシスという人の繋がりを否定してくれました。ミノリさんの気になっている部分も解決して、話題は次へですね。それに今の話の中で、私が触れたい部分もありました。 - 7971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:48:39
④【黒服個人関連】
15.時間切れになれば黒服も死ぬことになってしまうが対策はあるのか(>>762)
16.拒絶反応は黒服にもあるか、あるなら望むなら病院に連絡入れますが(>>760)
17.黒服が考える最悪及び最善の結末はとこのままいけばどういう結末になりそうか(>>762)
18.現状注視してる陣営は?(>>762)
19.黒服はサーヴァントを召喚したのか、それとも誰かが召喚したのをマスター替えという形でマスターになったのか(>>762)
「時間切れのリスクはやっぱり黒服さんにもあるんですね……そのもし、体調が……」
マスターへのデメリット。殺し合いへの強制参加やサーヴァントの自害が実質的に禁じられている点を除けば、全員に共通しているのは一つです。
「お気遣いありがとうございます、阿慈谷ヒフミさん。貴女もそうであるように、私も同じ魔力供給による拒絶反応という致命的な枷を強いられている、それは事実であり変えようがありません」
「病院の紹介がいるなら一筆添えようか?」
「結構ですよ、セイバー。ありがたい事に聖杯戦争中の供給量によるダメージは深刻ではあっても対処できていますので。もっとも、残る五日間を越えてしまえば……私も同じように、ですが」
拒絶反応。それは私達と同じように黒服さんにもあって、聖杯戦争開始から二週間を過ぎたタイミングで行われる聖杯から過剰供給によって命を落とす。同じ条件で戦っているのだと言います。
「勝たなければ……いや、戦って勝敗を決めなければ死か。つくづく厄介なシステムだ」
「ええ、最悪ですよ。現状これよりも最悪な事態は一つしかありません」
落ち着いた口調に秘められた苦い感情に、思わず飛びついてしまいました。彼にとって今よりも最悪な事態とはなんなのか。
「その、一つって言うのは?」
「……聞きたいのでしたら、いえ。お伝えしておきましょうか。私の考える最悪の事態と結末は至って単純です───聖杯戦争が無価値に終わる事」
答えは、ちょっと予想とは違う物でした。
- 7981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:49:21
「トラブルとは言えこうして参加していますからね。少しでも今後の研究の益となるデータが欲しい、とは思っています。勿論私個人のそれとはやや趣旨がズレていますからあくまで参考程度になりますが」
ですが、やはり言われてみると納得できてしまいます。
「……全て、無に喫してしまう。このキヴォトスを嘗て襲い、空を染め上げたあの日と同じように何もかも残念な結果で終わる、というのは個人的にあまり嬉しい物ではありませんから」
研究者である彼にとって、研究場所であるキヴォトスを失う事自体が問題。そして聖杯戦争にはそのリスクがあってそうなったら困る。監督役というより彼個人の一面に触れた気がしました。
「逆に……逆に!最善の結果!……って……その」
「……今回」
「え……?」
「聖杯戦争で大聖杯を完全に停止させ、かつ先生の手をこれ以上煩わせずに済むとなれば……恐らくは今回が最初で最後の機会でしょう。ですから唯一の最善はそれとしかお答え出来ませんね」
コハルちゃんからの質問への回答はいたってシンプル。私が考えているハッピーエンドにちょっと近いですね。
「そういう意味でも私はあなた方を全勢力の中で最も注視していますよ、同盟陣営の皆さん。監督役という中立を今後も貫く為、どれか一つの陣営に肩入れは出来ません。何故なら我々は監督役を除く《全ての陣営に平等でなければいけない》のですから」
その言葉に思わず苦笑いを浮かべてしまいました。この人は絶対に良い大人ではありませんが、個人的にこういう所は。
「……《ヒント》、くれすぎじゃないですか?」
決して嫌いにはなりきれません。
「こう見えて、私は目に掛けている人材への投資は惜しまない質ですので……アサシンもまた同様でしょうしね」
「どうだかな。勇士足り得る者には私なりの恩恵をくれてやるのもやぶさかではない……が。そうでない者が戦場に立ったとして、死以外の慈悲をくれてやるつもりもない」 - 7991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:50:17
「クックックッ……台無しですよ、アサシン」
軽い掛け合いは気の置けなさと言うのでしょうか。お友達のような距離感や好き合っている者同士っていうのともまた違う、ちょっと冷めてるけどその空気自体を楽しんでいる。そんな大人なお二人を見て、ふと口から納得が漏れちゃいました。
「……お二人はやっぱり仲が良いんですね」
キョトンとした顔のお二人に思わず失礼を言ったかと思って口を抑えてから謝ろうとしたタイミングで、苦笑いする彼が手を軽く振って止めてくださいました。
「……聖杯が稼働し聖杯戦争が開幕してからとは言え、長い付き合いになりますからね」
「こんな間抜けと知っていればマスターになぞ選ばなかったというのに。まったく、あの時の私はどうかしていた」
懐かしみつつ溜息を吐くお二人の姿にあれ、と思ってしまいます。だってアサシンさんの言い方はまるで。
「……一つ確認したい。アサシン、君はまさか彼に召喚されたのではなく……」
「……さて、アサシンへの確認という事でしたが代わりに私が「ああ、気づかんかったか。私は所謂イレギュラーだ」……アサシン」
黒服さんが喋ろうとしたのを鬱陶しそうに手で振って止めさせたままアサシンさんが説明をしてくれました。 - 8001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:51:23
「五月蝿いぞ、マスター。分かっておるから黙っていろ……待たせたな。兎角、私は霊基もランサーとアサシンで重複しているような特殊な事例でな。聖杯何某共より先に今は大聖杯と呼ばれるアレを経由して召喚された。そのまま聖杯戦争は異常事態で緊急性が高いだの秘匿しなくてはだの責任感だけは一丁前に喚く阿呆が頭を下げるものだから憐れに思ってな。契約してやったところよ」
「……おかげで不用意に他の人間がマスターになることも、アサシンという隠密性の高く監督役が把握しにくいクラスを手元に置けたのは幸いでしたがね」
はしたないんですけど口が大きく開いちゃったのを、この場で咎める人は誰もいませんでした。この一瞬で飛び込んできた情報量の多さ。そして何よりも。
「……あ、あの……《アサシンとランサーの二重霊基》って……それ言っちゃっても?」
「クックックッ……私は構いませんよ。それに監督役として不慮の状況へ対応を任せて頂く以上、一定の説得材料はあって然るべきでしょう?」
もっともこれ以上の反則は流石に持ち合わせていませんがと言い切られた彼に何と言って返せば良いのやら。少なくとも。
『(セイバーさぁん……ってあれ?)』
『(……ああ、すまない。ちょっと考え事をしててね、二重霊基、だったかな?言い得て妙だね。それについては後でまた詳しく僕が分かる範囲で説明するよ。流石は監督役だ、何かしらあるとは思っていたが、まさかの隠し球だね)』
とにかくアサシンさんが私達の想定以上にお強い事が今回でハッキリしましたね。
【アサシンの霊基データが更新されました】
【午前中行動終了後に確認できます】 - 8011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:52:22
⑤【監督役】
20.ルールに関してはどうやって決めたのか、誰かと話し合ったのか(>>763)
21.7日目の夜にライダー陣営がやりすぎていたから対処しにきていたが他にも対処していたことがあれば教えてほしい(>>759)
22.聖杯戦争開始後の黒服及びアサシンの行動を可能な限りでいいので全て教えてほしい(>>763)
23.各陣営の拠点を把握しているか(>>763)
24.各陣営のマスターとそれぞれ接触したのはいつか(>>759)
25.他陣営の願いについてどれだけ把握してるのか(>>762)
26.先生と協定を結んだのはいつか(>>759)
27.もしマスターが暗殺されたなどの理由でマスター不在になったサーヴァントが誰かしらと再契約した場合黒服は説明などをしに行くのか(>>762)
28.シャーレの先生が聖杯戦争のせいで死んだという事態が起きた場合どうするのか(>>762)
29.古聖堂に私たち以外の関係者は来たのか(>>763)
30.ルール違反に対する処罰にはどのようなものがあるか(>>762)
31.ルール違反者に対しての処罰としてマスターを始末するという選択肢はあるか(>>760)
32.あからさまにアウトな願いを持っていたことが発覚した場合や処分対象になることをしていたことが発覚した場合まずは黒服とアサシンだけで対処するのかそれとも最初から全ての陣営動員して対応するのか(>>759)
33.仮に聖杯陣営含む全陣営がD.U.とかに集結した上で隠蔽とか無視して全力で戦争を開始しちゃったらどう動く気か(>>760)
34.どうやって隠蔽をしてるのか(>>762)
35.過去にキヴォトスなどで極秘に聖杯戦争が起きていたという可能性はあるか(>>762)
36.聖杯大戦についてアサシンはどう思ってるか(>>762)
「他には何か?お聞きになりたいようでしたらお答えしますが」
仕切り直すような問い掛けに、今度はアズサちゃんが手を挙げました。
「聖杯戦争のルールについては誰が決めた?」
「アサシンと私、それからもう一人の友人が」
「……例の蜥蜴か」
「クックックッ……さてさて、どうでしょうか?ですがルールと言っても原則は聖杯戦争とサーヴァントの悪用を禁じる程度の話。大それたルールなぞ、我々にはとてもとても」
- 8021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:53:05
蜥蜴、についてはてなマークを浮かべるコハルちゃんの頭を撫でつつ、やっぱり改めて聞いてもルールやシステム周りに関して、黒服さんは関わっていないという答えは変わりません。
「ルールと言えば7日目、あの夜にライダー陣営との戦いを仲裁しに来てくださったという話でしたが、ああいったことはこれまでも?」
「それはもう数え切れないほどに。ライダーもランサーもアサシンも、どうにも血気盛んなご様子でしたので」
「……詳しく聞いても」
ハナコちゃんからの質問に相乗りする形でものは試しと私が深掘りしようとしてみます。黒服さん視点から残る三つの陣営について話を聞ければ、なにかまた攻略のヒントにと思ったのですが、やはり黒服さんが首を横に振るのを見るに難しいですね。
「お答えしかねますね。何せ結果的に他の陣営の動きを教える形になりますので中立性が損なわれてしまいます。当然、接触したタイミングも彼女達に確認したそれぞれの願いについても、ましてや拠点についてもお話するとなれば……お分かりですね?」
力尽くで、という選択肢以外ではそれについて話すつもりは一切ない。それが私たちもわかって小さく頷くほかありません。別に私たちは黒服さんと敵対したいだなんてこれっぽっちも考えていませんから。
「結構。それ以外ですとアサシンが街中で食べ歩きにハマった程度の話であれば出来ますが?」
「あはは……興味はありますけど、それはまた今度でぇ……じゃあ、先生とはいつから?」
「聖杯戦争が開始した時点。もっと言えば貴女がマスターになったあの晩ですかね。不幸な事故とはいえ謝罪と説明が必要でしたから、彼が一人になったタイミングで」 - 8031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:53:42
「じゃあ先生とは……」
「全てを明らかにしていたわけでも誰がマスターなのかもお伝えはしませんでしたが、ある程度……聖杯戦争のあらましは最初から。今後もマスターとなった生徒の身に何かあれば」
そこまで言ってから一拍置いて、黒服さんは私達の目を見つめました。
「───たとえ最悪の事態の場合でも私からお伝えすると約定を交わしています」
重たい、一言でした。最悪の事態、それがこの聖杯戦争という殺し合いの舞台で何を意味するのか。言われなくても分かります。そしてその約束とやり取りをされた二人の間でどんな会話があったのか。考える事も出来ません。
「……以前もお話しましたがシャーレの先生をこの聖杯戦争に関わらせることは我々監督役としてはどうあっても避けなくてはいけませんでした。それは私個人としてもそう、ですが……政治的な意味だけでなく魔術的な意味も大きい。それを納得して頂くのは大変苦心する形となりましたが……それでも彼を死なす訳にはいきませんでしたから」
「魔術的……かい?」
「……シャーレの先生は聖杯によって傷つけられる事は決してあり得ません。少々語弊がありますが、彼は聖杯戦争に対する切り札なのですよ。それほどまでに彼の存在は大きいのです。それこそ今あなた方が想像するより遥かにこの学園都市にとって、大きい。そんな彼という一個人を正しい手順で人間性も尊厳も人生も完膚なきまでに使い潰せば……現在起こっている全ての問題が解決できると我々は考えています」
「それはッ!「ええ、ですから」……っ」
「以前から重ねてお伝えしていたのです。万が一でも彼に必要以上に関わらせてはいけない、と。彼によって聖杯戦争が解決したのならば……それはもう、その後の彼の人間性を我々は保証できない。聖杯戦争の解決に彼を頼るというのは、そのまま───彼を殺すということになるのです」 - 8041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:54:18
《聖杯戦争で先生に頼る事は絶対に出来ない》。多分それをしてしまったら文字通りバッドエンド。誰が許しても私が許せなくなります。
「……話を変えましょう。私達は先生を傷つけるつもりなんてこれでもこれからもありませんから」
「賢明ですね。ぜひその選択を最後まで続けて頂けることを願っています」
「……こちらの古聖堂には他のマスターの方も来られたんですか?」
「ええ。お誘いしていたのに袖になさったあなた方や聖杯戦争に関与しないと決め込んでいた安守ミノリさんを除けば全陣営が。一度は来て、きちんと私からルール等を確認されていますよ」
うぐっと言葉に詰まってしまいました。とっても警戒してましたし、それから他の陣営について調べるのに一生懸命だったりして全然此処には来られませんでしたから。なんだかバツが悪いです。
「あはは……それはぁ……そのぉ……」
「……詳しい言及はおいおいにしましょうか。彼女達が特に気にしていたのは規則違反について、その処罰はどんな物かという点でしたね」
「僕達も聞いてない話だね」
「聞かれませんでしたし聞きにも来られませんでしたからね」
「ははは……参ったなぁ……」
セイバーさんも笑顔で頭を掻いてますけど、もうこればっかりは全面的に私たちが悪いですね。次回、なんていうのはあってほしくはありませんが。早いタイミングで監督役とお話すべきだったかもしれません。もっとも《今私が考えている》協力関係を結んで云々については、《どのタイミングでも一つを除いて同じ》でしょうけど。
「今次聖杯戦争にある唯一のルールはキヴォトスへの取り返しのつかない損失に繋がる行為をしない、その一点。それをしてしまった場合には当然話し合いを以てマスターとしての権限を剥奪しますが……駄目なようでしたら武力での対処。即ちサーヴァントの討伐になりますね」
「サーヴァントに限定しているんだね」
「ええ、私は別に先生と敵対したい訳ではありませんから。話を戻しますが規則違反陣営が討伐対象となった場合は皆さんにもお声がけをする手筈になっています。是非奮って協力して頂けると我々としても有り難い」 - 8051じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:55:13
規則違反者。つまり聖杯戦争中や聖杯を獲得した時のお願いごとでキヴォトスが壊滅的な被害を負う事態。
「あはは───そうなる前になんとかしますよ」
「それはそれは───楽しみですね」
そんな事にはさせない、と啖呵を切ります。当然です、だってそうならない為に、そんな未来が嫌だから、私たちは戦っているような物なんですから。
「……お前は聖杯戦争が明るみに出る事自体も嫌っている。ならもし仮に私達も含めて全陣営が……そうだな、D.U.のような人口密集地で正面衝突する事になった場合、お前達監督役はどう動く?」
アズサちゃんからの質問は私たち同盟陣営の弱点。あまりにも戦力が大きくなり過ぎて、下手に全戦力を動かすと、という話にもつながります。対して黒服さんからの回答は冷めた物でした。
「我々の隠蔽はある程度の予想がついているでしょうが、金銭的な補助と後は多少の情報操作。あまりにも大きすぎる衝突が起きれば……その時にもよりますが介入はせざるを得ない」
「どちらにもか」
「どちらにもです。そこに隔たりはありません。今次で終わらなければ今後も聖杯戦争は続くのです……その中立的立ち位置にある我々は武力を持ってあなた方も含めて敵として討伐するでしょうね」
「それが出来るとでも?」
「出来る戦力だからこそ我々は中立を維持できるのですよ。もっとも過去に聖杯戦争が起きた訳でないこの地にあって、現状の予想がどこまで当てになるかは甚だ疑問ですが」
六つどころか聖杯陣営まで相手取っても戦い切れる、そう言う黒服さんの言葉に虚勢は一切感じられません。かと言ってこれまでの会話から《これ以上の戦力的な隠し球があるようにも感じられません》。本当にアサシンさんの事を信用してるんだなぁ、と思いつつ私はそんな彼女の方を見ました。 - 8061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:55:31
- 8071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:55:57
⑥【聖杯大戦関連】
37.聖杯大戦になった場合新たに召喚されるサーヴァントは7騎で新たに選ばれるマスターも7人というのは間違いないか(>>760)
38.万が一何かしらの理由で聖杯大戦が開催されてしまった場合黒服は今いる陣営の仲間ということになるがそうなったらどう動くのか(>>760)
39.また聖杯大戦で先生や各校トップがマスターになった場合どうする気か(>>760)
⬛︎⬛︎.黒服が⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎開催を⬛︎容⬛︎⬛︎場合、それはどのようなケースが考えられるか(>>763)
「なら、黒服さん……聖杯大戦について少し確認をさせて下さい」
「おや、貴女がですか?阿慈谷ヒフミさん」
聞くのは正直気が引けます。何せ彼は聖杯大戦自体に否定的です。私達の考えを知ってなお、という所。あまり深く彼に尋ねるというのはあんまり座りが良くありません、でも。
「ええ、知らないで動くのと知って動くのじゃ違いますから」
「それは確かに、なるほど金言です。ではなんなりと、伺いましょう」
「ありがとうございます。聖杯大戦で新たに召喚されるサーヴァントは7騎で新たに選ばれるマスターも7人という認識で間違いありませんか?」
「それは勿論。新たなサーヴァントと新たなマスター、それぞれ七組が選ばれ、彼らとあなた方の両陣営がぶつかるという物です」
- 8081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:56:56
彼の言葉に思わず頭を抱えたくなりました。勿論、聖杯大戦に踏み切る気持ちは今もありません。でも最悪、どうしても間に合わない場合。そう考えて一応確認しましたけど。
「……あなた方って言う事はやっぱり黒服さんは……」
「はい、勿論。私は監督役を務める関係から皆さんとは協力しませんね。《何せ》新しく七組も導かねばならない陣営が増えるわけですから」
「……ですよね」
黒服さん、というか監督役は絶対に中立。少なくとも聖杯大戦開催中に協力は求められそうにないですね。同じ陣営である、という認識すら出来ないでしょうね。だってその時には《新しく七組の陣営が生まれてしまってますから》。
「なら私からも♡……新しくマスターになられたのが各校運営組織のトップやそれこそ……先生の場合。貴方はどうされるおつもりですか?」
「ふむ。どう、と言われましても困りますね……今と何も変わりませんので。所詮はキヴォトスの生徒。殺し合いに強制参加させられた事実の重さはあなた方もよく理解しておられるでしょう?」
これについては思い当たる事はたくさんあります。結局、自分から言い出す事なんて出来っこないんです。自分がマスターになった、殺し合いに参加する事になった。それを堂々と言える方がこのキヴォトスにどれだけいる事か。私達と同じように水面下で動く、という事を考えればそういう方がマスターになったとしても今と何も変わりませんね。
「先生は恐らくですが聖杯に選ばれません。先ほどもお話しましたが、彼は聖杯その物へのカウンターですので。彼が参加する瞬間に何かもかもが終わってしまう、そういう物だと捉えて頂ければ幸いです」
そしてと付け加えた言葉に違和感を覚えつつ私たちはひとまず納得して頷きました。 - 8091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:57:26
⑦【個々の陣営について】
41.個人的に勝って欲しい陣営、もしくは勝たれると困りそうな陣営はあるか(>>760)
42.アサシン陣営以外で残った最後の陣営がどういう願いを持っているのか分からない場合どうする気か(>>760)
43.自己強制証明を使うなどして問題ある願いかどうかを確かめるのか(>>760)
「はい!個人的に勝って欲しい陣営はありますか?後その逆も教えて下さい!」
もうそろそろ聞く事もなくなってきましたし、疲れてきたというのもありました。なのでここは元気よく、ですね。
「クックックッ……疲れてきたのでしたら休憩を挟まれますか?」
「あぅぅ……ちょっとだけ、えへへ……」
手を挙げたんですけど黒服さんにはお見通しのようです。
「頂き物ですが洋菓子の類……いえ、そうですね。あとでカフェ街の優待券をお渡ししますので、話が終われば良ければまたそちらで休憩でも」
「ありがとうございます!」
「さて……勝って欲しい陣営、勝たれては困る陣営ですか。中立を保つ為にあまり答えたくない、というのが正直な所ですがお答えしましょう───ありません」
「……それは監督役としてグレーゾーンである事を自覚した上で?」
「……はっきりと仰る方だ。ええ、その通りですよ。私はどの陣営が勝ったとしても特に困る事はありません」
困りましたね。つまり黒服さんはどの陣営の願いも把握した上で、どこが勝ったとしても問題ない、そう仰ってるんです。その願いの部分を教えていただきたい所なんですが、それは中立を保てないから断られるでしょう。悩ましい話です。どちらにせよ、黒服さんは全ての願いを知っている。知る為に今後誰かにセルフギアスクロールを使ったり、みたいな事をされるのはないでしょう。
- 8101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:58:17
⑧【その他】
44.シュロはある程度聖杯戦争について知っていたが知っている理由は分かっているか(>>759)
45.また分かっているなら知ってる理由を教えてもらえるか(>>759)
46.冠位について知っていることはあるか(>>762)
47.アサシンの知り合いが聖杯戦争にいたらアサシンは何かするのか(>>763)
最後に気になっていた事を一つ。
「……そのぉ、黒服さんは箭吹シュロちゃって子とは……お知り合いだったりされますか?」
「ヤブキ……ああ、なるほど。彼女は一体誰との繋がりかと思えば貴女でしたか」
「へ?」
思っていた反応とは違いましたけど、彼は私を気にした様子はなく、そのまま話を続けました。
「以前からコソコソと嗅ぎ回っている鼠が一匹いるのは分かっていましたが大きな干渉をするわけでもありませんでしたので、放っていました。彼女が何か?」
「あ、いえその……なんだか聖杯戦争に詳しいなぁって思ってたんですけど……」
「ほう……フランシスあたりの入れ知恵でしょうか。分かりました、そちらの件についてはすぐには解答できませんからまた後日、追ってお伝えしますね」
「あぅ……よろしくお願いします」
- 8111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:58:54
シュロちゃんについては結局分からないまま。でも調べて下さるようですから気長に待つとしましょう。なんなら直接モモトークで聞くのもありでしょうか。
───ひひひッ!あゝ可笑しいったりゃありゃしないっ!ヒフミちゃんは随分余裕があるんですねぇぇ?そぉぉぉんな木っ端な事を気になって!それで卵でも立てられるんですかい?いぃひっひっひっ!
やめましょうか。絶対に馬鹿にされる気がします。
「黒服。僕からも、一つ……冠位についてだ。どこまで話は聞いている?」
「アサシンからある程度、でしたら。そして恐らく彼らの顕現は難しいでしょう。そもそもキヴォトスに来る理由がない」
「……そうだね、返事をありがとう。聞きたかったのはそれだけだ」
冠位、というのは強欲のアーチャーさんの戦闘映像の中でも出てきましたね。確か冠位を呼んでも自分達は負けないとかなんとか。一体どういう物なのか。すごい必殺技かすごい強いサーヴァントの方の分類かなにかなんでしょうか。
「あ、そうだ……あ!あの!アサシンさん!」
「なんだ、小娘」
「こむすっ!?……えっと、アサシンさんの知り合いの人、とかがもしその……聖杯大戦とか……あと聖杯陣営にいたら……えっと、どうするのかなって……」
間髪入れずに言われた小娘発言に目を丸くさせつつ、コハルちゃんが深呼吸をしてから聞いた質問。
「敵ならば殺すであろうな」
それにアサシンさんはなんの気負いもなくこたえられました。 - 8121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 00:59:17
「えっと……その……その、えと……」
あんまりにもさらりと言われるものですからコハルちゃんどころか私達も困惑顔をしちゃいます。
「……はあ。良いか?小娘。儂はこの時代よりずっと血の香りが濃い時代を生きていた。そんな時代で戦士としてあり続け、今に至って成れ果てた。故だ、価値観がお前達とは違う。良いか、ケルトの戦士のしきたりは単純だ」
それにアサシンさんはまたもや溜め息、それもただ吐いただけなのにすごく色っぽくて大人っぽさの溜め息をしてから堂々と答えて下さいました。
「昨日の友だろうと今日敵ならば殺す、ただそれだけのこと」
ダメですね、これ。完全に私達の価値観の外にありそうなお話です。こういう価値観もあるんだなぁ、とのんびり受け止めないと混乱しちゃいます。
そんな風に目を白黒させてる私達を置いて話は続きます。
「大体今更おめおめと嘗ての弟子であろうが友であろうが出てこようとだ、それがなんだという話なのだ。敵であるなら殺すというのが骨の髄まで染み付いて漸くケルトの一人前という話よ」
それに思い出したようにぼそりと黒服さんが呟いた時でした。
「……貴女にご友人なんていらっしゃったのですね」
「おぉっと!手からげいぼるくぅ!……言葉には気をつけろ間抜け」
次の瞬間には黒服さんの横に真紅の槍が突き刺さった所で質問タイムはお開きになったんです。 - 8131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 01:05:41
長らく本当にお待たせしました……普通に私生活が鬼ほど忙しかったのと体調とメンタルをぶっ壊してましたじゃんね……
だから保守してくださって、色んなコメント書いてくださってたのが本当にありがたかったです。
本当だったら一件一件お返事したいのですが、それは明日のそ……補講が終わってからにさせて下さいじゃんね☆
帰ってきてからぶっ通しなので体力が限界ですじゃんね……
明日はまた夜19時からじゃんね☆取引話してウイちゃんの場面やるかサクラコちゃんの場面先にやるかの安価までいきたいじゃんね☆
それでは本当にお待たせしてしまってほんとにごめんなさい。安価くださったみなさん、今回もめーちゃめちゃ考えて1はとってもお話を組み立てるの楽しかったです!ちょっと悩んだけど、色々隠しつつ開示したりしてみました!改めて安価に参加してくださったみなさん、保守してくださった方々、待っててくれた方々、いつもありがとうございます!
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
1個回収しそびれた安価があったから黒塗りにしてるじゃんね☆ごめんなさいじゃんね……
その子は明日、別の形で回収するじゃんね☆ - 814二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 02:06:52
お疲れ様です
少なくとも黒服は大戦の際に7騎が召喚されると考えているというのは重要だな
ルーラーが召喚されることはないって判断なわけだし
まあルーラーを知らないって可能性もあるが
アサシンの二重霊基って情報が手に入ったのはでかいな
それが隠していた手札と - 815二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 02:18:54
自己強制証明は黒服ですら迂闊には使いたくなさそうな感じに見える
黒服がかなりしっかり警告してるし
まあこの聖杯戦争において、デッドエンドという最悪の結末になりかねない物だからそりゃそうかもしれないが
何かしらの理由で契約違反しかねない状況なれば死ぬわけだし
他陣営への処分にもマスターの始末という選択肢はないことからも可能な限り犠牲は出したくないんだろうし
自己強制証明を使うこと自体最悪の一歩手前と考えるべきか
他陣営への説得の最後の一押しとして、どうしても信用出来ないなら自己強制証明があるって感じって言うぐらいに考えてたけど可能なら口に出すのも避けた方が良さそう
まあ共有はしなきゃダメだけど
重要度が高い情報だし - 816二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 04:05:55
後は取引について話して終わりか
スレ主的には黒服との交渉中予想外なことはどれぐらいあったんだろう
理由とか含めてちょっと気になるな - 817二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 11:40:46
念のために上げ
- 8181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 12:14:01
はいお昼だから言い訳タイムしつつ返しそびれてたコメントにお返事してくじゃんね☆
まずセルフギアスクロール含めた魔術について。基本的にキヴォトスに住む《子ども》は使えない、というのが1の考えじゃんね☆回路もなければ基盤もない、おまけに言えば多分型月の魔術ってニュアンスとしてブルアカのテクスチャとの噛み合わせがめーちゃくちゃ悪いじゃんね☆だから一部の例外としてこの子だったら辛うじて習得できそう、って子はいるけどそもそも理解して行使するのは無理、というのがアビドス三章をプレイした1の結論じゃんね☆
ちなみに黒服がしてるのは令呪消費するインスタントなのじゃんね☆それ含めて《子ども》には無理じゃんね☆
ありがとじゃんね☆やっとこさ書けたじゃんね……
黒服からのアンサーは彼が答えられる範囲で誠実に……って感じになったじゃんね☆黒服を別に良いもんとして書きたいわけじゃないけどそれはそれとして監督役としては真面目に書くじゃんね☆
ありがとぉじゃんね☆なんとか、なんとか書けたじゃんね……
- 8191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 12:27:16
次に>>770さんが気になってたBADエンドについて。本作でDEADを除いたBADエンドは2種類。
1つは昨日もちらっと本編でヒフミちゃんが触れてた通り《先生が解決する》っていうBADエンドじゃんね☆
すっごいメタな事言うと先生が本編にド介入すると秒で話が終わるというか《ヒフミちゃんから先生に主人公が移る》し《安価一切なし》で自動的にエンディングに突入するじゃんね☆
度々1が『ハッピーエンドは最悪なんとでも』って言ってたのはご都合主義なBADエンドこと先生√に突入してぜーんぶ丸く解決できるって意味だったじゃんね☆
……それやった時の代償?そりゃサポートシステムちゃんが泣きながらなんとかするじゃんね☆ミーカミカミカミカミカミカ
……もう一個は多分予想ついた人もいると思うけど、要するにこのお話にとってのBADエンドってそういう扱いじゃんね☆先生のリスクがどうこうとかじゃないじゃんね☆
ありがとじゃんね☆なぁんとか晴れ日までに体調良くなったじゃんね☆流石に今日はひっどい顔して出席するわけにいかなかったから休ませて貰えてありがたかったじゃんね……
なにそれ可愛い
- 8201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 12:41:56
黒服達ゲマトリアについて。
とにかく黒服は中立で『元より飛行機の予約……』なんて言いながらアゾるような事は……まあ安価でよっぽど地雷踏まない限りは問題ないじゃんね☆
それからフランシスは多分出ないじゃんね☆出すかどうかはそれこそ🎲と安価を組み合わせた結果、本編でこれ以上顔出しはしないと思ってもらって大丈夫じゃんね☆
元気な筈のもう一人?そりゃあもう今回と前回の話の中でどういう役回りか触れてるしミノリちゃんとハナコちゃんは気づいてるじゃんね☆
ありがとじゃんね☆私生活の方で四月からのあれこれだとかトラブルだとかであーたまお馬鹿になりそうだったのもあってかなりメンタルと体調がヤバかったじゃんね☆そういうのもあって中々書けない中、あったかい言葉が嬉しかったじゃんね☆ありがとうございます、じゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
>>784、786
こんな感じになったじゃんね☆お待たせしました、ごめんなさい……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆1が情報出し渋ったりもあるし何より10日目、タイムリミットが迫ってるのもあるし、ぶっちゃけブルアカ原作本編でも黒服ってかなり特殊な立ち位置だし……というのもあるから混沌とするのはしゃーなしじゃんね☆それも含めて一挙放出って感じで質問聞きたかったのは1だから大丈夫じゃんね☆心配してくれてありがとう、1は遅筆だしへっぽこだけど安価にはなるべく応えてみせるから気にせず色々投げてみてね!でも心配してくれて嬉しかったです!じゃんね☆
- 8211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 13:21:08
アサシンの二重霊基について。ダブルクラス、ではないじゃんね☆ありゃ1の記憶が正しければ三騎士クラスはアウトの筈じゃんね☆だからちょっと、かなり特殊なケースじゃんね☆
アサシンとかライダーは今回召喚されたイレギュラーなサーヴァントの中でもキヴォトスっていう土地に引っ張られたせいで特殊になってるケースじゃんね☆ここら辺は確か、多分、本編でも言った……かもしれないしそうじゃなくても笛版には確実に書いてあるじゃんね☆
だからそういう事、じゃんね☆
セイバー?ありゃもう1が頭抱えたレベルのイレギュラーじゃんね☆ミーカミカミカミカミカミカミカ
ルーラーはなぁ……どうしよっか……悩みどころ、じゃんね☆
ぶっちゃけ出すなら味方になるし、かと言って出さない設定としての理由もあるし……悩むじゃんね☆
ちなアサシンの二重霊基はつんよいじゃんね☆
>他陣営への説得の最後の一押しとして、どうしても信用出来ないなら自己強制証明があるって感じって言うぐらいに考えてたけど可能なら口に出すのも避けた方が良さそう
使わないけど知っている、しっかりその脅威と危険性を把握できた、というのが今回自己強制証明について聞いてもらえたからヒフミちゃんがしっかり学べた点じゃんね☆おかげでヒフミちゃんは使う事は多分ほぼないじゃんね☆
よかったじゃん、ね?
とりあえず答えるのがどれも難しかったじゃんね☆
1はみんなの敵になるつもりも致死性の罠をこんな所で張るつもりもない分、泡食ってたじゃんね☆
あ、でもこのタイミングでってなると一番意外だったのはシュロちゃん関係じゃんね☆
あの子は本当にちょっと特殊な立ち位置だし、ぶっちゃけると役所はあと一回か二回じゃんね☆
……なぁんでこんな重要ポジションになっちゃったんだろう、この子……
ありがとじゃんね☆19時過ぎに始めるじゃんね☆
- 8221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 13:22:23
さて、多分最後だから言っておくじゃんね☆
どの安価だったとは言わないけど……良い意味でも悪い意味でも大当たりじゃんね☆
このタイミングでぶっ込んでくるもんだから空中分解させないように必死だったじゃんね☆
それから下にパスワードとURL貼っておくので今回の交渉イベントで出なかった分も含めてキーワード全開示、じゃんね☆
暗号化サイトwww.mcrypt.clickPASS:James Shepherd
復号前:>>619、↓
07WhBQPXo5TSrZ/atYrUj5XSi7jXs5
HVsqDVsoPWsrzQsaU8P9KLndCJudKq
jNW4v96JrNiCpNesuDw+0LKl0reP0r
qZ0rOJ0re63oirf1dcXEURY11URFtU
RlU4PNK7m9KzidK3nNK3jda1uNaKqz
0/06WT0re+1rWy2rWl07aN17GZ17KG
1bKwOzvSpJDQibnRs6zVs47Vs4nWsr
LQspQ8P9Sgm9+KotOtudCwmtK3stK7
vdKxjNK1vtWOuhrfiqvQrb3WsJ/QsJ
vYlK7SuLLSsZrStZnStbU4PNOoldiL
p9eovtK1nt23p9+rnta9l9CJuNewm9
6DldKKi9azpta+otK3vNK4qdKxsTw+
0aCQ152f1LGf0rGb1JOn2ZmDODzTqJ
PZmoXStrHXmovWt6Tat5vTtLXXs7DS
n4/VsKzVsKvWsJ7QsLDZk6zXu6k8Ot
egktaVk9WPjNK4ntKxotK1ldK1n9Kp
rd+6sD0/dGwd1pOw1re92rS107e717
Ku17Cx0ouy
- 823二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 17:30:33
落ちるまでの時間が10時間は短すぎる…
- 8241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 20:09:33
- 8251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 20:32:02
「質問はもう十分かと。中立であるとはいえあまり長居されては邪推の元ですからね」
【10日目・交渉イベント/残り4回→clear!】
「さて、ここからは」
【Recommend BGM……〈Black Suit〉】
「───ビジネスと参りましょうか」
空気が再度ひりつきました。足元に刺さっている槍のせいで今一つ抜けた空気ですけど、それはともかく、再度交渉。
「ええ……アサシン、例の物を」
いえ、取引の時間です。
「なんだ?アケミが寄越してきた茶葉ならやらんぞ」
「……違います。いつかの為にと取っておいた物ですよ」
締まりませんねとため息を吐く黒服さんを他所に惚けながらアサシンさんがまた虚空から取り出したそれはレザー調の薄いファイル。
「さて、これまで幾度となくお話してきたように我々は監督役、この聖杯戦争が致命的な被害を出さずにつつがなく終了する事を願い、観測し、補填し、隠蔽し、そして監督する者です。我々はその目的から聖杯戦争の解決を図りたい、ですが現実的な手段を持ち合わせない。それ故に」
魔術、なのでしょうか。ファイルが一人でに捲られていく隣で淡々と黒服さんが語り始めます。
「我々監督役は聖杯戦争を中長期的な視点で解決の糸口を探す事を形をとっています。それはあなた方から予備システムを介した解決策を聞いた今も変わりません。私はこれから先も聖杯戦争は終わらない、そう考えるからこそ絶対的な中立を掲げる事で今次以降も続く血濡れた時間を監督し続けます」
そうでなくては誰も私を信用できない、そう断言する黒服さんの重い言葉になんとなくですけど察する物がありました。多分この人は《もう何回も大聖杯を止めようと検討している》《けどできなかった》。だから最後の責任として見届ける事を選んだのだと、直感がそう言っている気がしたんです。 - 8261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 20:44:02
「ですが、アサシンを擁していようと監督役の務めは多岐に渡り人手は足りません……そう、たとえば」
そこで区切った黒服さんはにやりと黒い顔の罅をひろげました。
「───大聖杯の再調査」
その単語は聞き逃すわけにはいきませんでした。
「なんていうものが案件として残っているのは恥ずかしながら事実です」
「あはは……じゃあ、代わりに私達がしましょうか?」
「あなた方が信用に足る陣営であるのならば是非とも。私は大聖杯の位置や、これまで私達が観測したデータに基づいて次に聖杯陣営が出現するであろう場所……それらをお伝えした上であなた方に監督役として仕事を依頼したい。そういう取引をしないか、という話です」
「信用、ですか」
「ええ、競争入札のような物ですよ。我々としても取引相手に選ぶのなら相応の物を持つ陣営にお願いしたい。なにせ大聖杯なんていう非常にデリケートな案件をお願いするわけですから」
なるほど、やっと見えて来ました。黒服さんの言う取引っていうのはそんなに《難しい物じゃありません》。
「たとえば武力、たとえば情報。そういった監督役としてあなた方にお任せしたいと頷けるだけの物をご提示して頂ければ我々も是非ともお願いしたいと考えています」
要するにこちらが持っている戦力を貸与するか情報を渡したら、監督役からの依頼という形式の取引に従って私達が欲しい情報をくれる。
そういう話です。
「勿論、取引相手に見合う方であれば今後も継続して《お願い》をしますし、私としても報酬の一つや二つ……お渡しするつもりでもあります」
どうするか、と嗤って問う彼に私達は───。 - 8271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 20:50:59
はい、というわけで行動安価?じゃんね☆
まず前提として質問イベント前にしてた交渉イベントはクリア扱い、なのでその分の報酬みたいな?ここに来てよかったーっていうのは取引に応じても応じなくても単発でお渡しする予定じゃんね☆
さて、では取引について。今回黒服から提案されたのは【取引相手に見合うだけのモノを提示して黒服と今後継続的に取引するかどうか】じゃんね☆
取引を始めると不定期に黒服とのイベントが発生して親愛度!……は高くならないけど依頼って形で色々教えてもらえるじゃんね☆成功報酬もあるじゃんね☆
というわけで以下の選択肢から1つを選んで下さいな!じゃんね☆
①(黒服との取引に)応じる
②(黒服との取引に)応じない
③助けてペロロさま〜(自由記入)
取引に応じる場合は黒服に何を提示して《取引相手として認めさせるか》についても合わせてご記入下さいな!じゃんね☆
安価先は>>834
それじゃあよろしくお願いします、じゃんね☆
- 828二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:08:21
①で応じるかな
英霊が3騎いること
動ける人数が一番多いこと
ミレニアムがバックについてるから資金力、権力は間違いなくトップという点
なんならミレニアムからいくらか資金提供したっていいだろうし
後一応ユスティーツァの情報もある
これだけ示せば多分いけるはず - 829二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:14:23
それプラスで
サーヴァントが出せない状況でも最悪そこそこの能力があるヘルタースケルターは送れる
もあげてもいいのかな - 830二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:26:57
後今ここにいるメンバーが一筆書いて黒服が必要に応じて他校、特にミレニアムと必要に応じて取引を出来るようにしておくか
少なくともミレニアムとはしっかり取引した上でバックアップしてもらってるわけだからヒフミから頼んでるとなれば門前払いされることはなくなるはずだし
黒服が隠蔽やらをやりやすくできるようになるのはメリットのはず - 831二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:34:43
- 832二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 22:24:48
かそく
- 833二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 22:25:10
- 834二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 22:25:24
- 8351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 22:54:51
【①黒服との取引に応じる】
「そうですね、そういう事でしたら……」
そう言ってから、言葉に私は詰まりました。
『(……やらかしたね、ヒフミ)』
『(……ど、どどどうしましょう……)』
大問題が発生しました。いえ、仕方なかったんです。売り言葉に買い言葉。雰囲気として勝負に乗ってさあここから交渉だ、取引だ。と思っていましたから。思ってたんですけど。
『(モモイちゃん達に一切相談しないままここまで来ちゃいましたぁ!)』
そうなんです。実は今回の話し合いって黒服さんとの取引だったりをする前段階で、その為の情報収集をっていう形で来てたんです。でもなんだかたくさん質問してどんどん前のめりになって来ましたし。
そうしていたら、一旦持ち帰って相談するとかいう段階を通り越しちゃいました。
『(どうしましょう……一回お断りして……)』
『(まあ、アイスブレイクあたりがこうなる気配はあったからね。バーサーカーの手先が器用で助かったよ)』
『(はぇ……?)』
黒服さんなんか完全に私達がここから色々情報出したりして話すだろうって待ち構えてて、今更ちょっとタンマとは言い出せない雰囲気。それに耐えられなくてセイバーさんに相談したタイミングで。
『話は聞かせてもらったわ』
「え、えぇ……」
いつの間にかスパルタクスさんが持っていた機材から大きなホログラムが浮かび上がりました。 - 8361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 22:58:41
なんだかさっきからずっと静かにされてると思っていたんですけど、どうやらリオ会長達とこっそり連絡を取る準備をしてくださっていたみたいです。
「これはこれは、お初お目に掛かります。セミナー会長、調月リオさん」
『あくまで臨時よ、現職復帰した覚えはないわ。今はたまたま他のセミナー役員が不在ですから、だからこの場に私はいる……それだけよ』
「なるほど。貴女も中々苦労を背負わせるのがお好きなようだ」
『なんとでも言って。それで、同盟陣営が取引先として相応しいかどうかだったわね?』
全部聞いておられたのか、さくさく話が進んでいきます。もう私は着いていくのに必死です。
「話がお早い。それで?貴女がわざわざ出て来られたという事は」
一体全体どうなるんだ、そんな風に目まぐるしい展開に慌てて整理もできない私の頭。次に飛び込んできたのは。
『セミナー臨時会長として彼女達の戦力的な保証と……彼女達が有事の際や取引を反故した際に私が監督役との契約を引き継ぐ……つまり保証人になるわ』
「リオさんッ!?」
「なっ!?このバカッ!お前は何をっ!」
リオ会長のとんでもない発言とさっきまでちょっと胸を張って腕組みしてたミノリさんや困った顔をしていたハナコちゃんの、悲鳴に近い声でした。 - 8371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 23:12:54
『必要な契約書を出しましょう。貴方の言っていた、自己強制証明だったかしら?……マスターでない私には適用できないようだけど、必要なら文書として私がサインした物を準備するわ』
その声の理由は明白でした。聖杯戦争中のマスターと自治区間の協力関係は公にできない。それは私達が日常に戻った後のことを考えても、そして自治区自体の立場を考えてもどうしても守らなきゃいけない一線です。それをリオ会長は、バレるリスクを全部背負った上で監督役との交渉に乗り出したんです。おまけにわざわざ臨時で、しかもセミナー幹部が不在、とまで言い切って。そしてこれまで私達との繋がりは一応秘匿され続けています。それがつまりどういう事か。
「こんのっ、黒服ッ!ちょっと待て!私達の間で『不要よ。話がまとまろうとしているなら素早く済ませた方が合理的でしょ?』本当に!お前は!」
「ああもう!スパルタクスさん!他の方にも連絡……いえもう私が直接モモトークで先輩方に連絡を!」
私達に協力してくれてた事実が万一明るみに出たとしても自分一人のせいにしようとしている、そういう事なんです。それも取引を確実に成功させる、その為に。もう取引どころの騒ぎじゃありません。一体全体どういう、いえもうそんな事より。とにかく話に割って、そう思った時に聞こえてきたのはこのタイミングで聞こえるはずのない声。
『……これは臨時会長としてたった今、私が極秘裏に交わす契約となるわ。返答は『であれば、だ』『私達も一枚噛まないとねー』……貴女達』
「モモイちゃん!?ウイさんと一緒にって、キャスターさんもどうして?!」
『女史の伝手でな、通信に割り込ませてもらう。さてモモイよ、どうやら奴らは我らへの相談もなく取引に応じんとしているぞ?』
「こっまるなー!黒服さんとの話し合いはとりあえずちょーさ!って話だったじゃーん!」
軽やかな声で悪戯っぽく言われてしまうと私も弱いです。
「あぇえ……っと、その流れと言いますか……」
『駄目だな、それでは困る。セイバー、そしてバーサーカーよ。お前達が着いていたというのになたる体たらくか』
「ああ!これはうっかりしていたよ!だが許して欲しい!気が弱い僕としてはどうも我が愛する主人を咎める事ができなくて……」
明らかなオーバーリアクションで気がつきました。この人、というかセイバーさん達もしかして。 - 8381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 23:14:25
横目にして口笛吹いていますが、今ハッキリわかりました。この人、最初から何かあったらキャスターさんに連絡する気まんまんだったんですね。それならそうと仰っておいて下さい、もう。
『リオ会長も話を進めちゃうし、同じ陣営としてショックだなー……ショックだからさぁ、私達も勝手させてもらおうか?』
『というわけでだ、黒服よ。監督役である貴様に我らキャスター陣営から人手を貸してやろう。喜べ、下手なオートマタとはものが違う』
「みなさん……」
「クックックッ……とりあえず、話をまとめましょうか?阿慈谷ヒフミさん」
「はい……」
そんなこんなで慌ただしい形でしたが私達の取引、というか私達同盟陣営は無事に取引相手として認められて───。
「幾つか情報をお渡ししますので、お好きな依頼を受けて下さい」
「勿論……報酬は弾みましょう」
という感じで黒服さんとの取引に応じる事になったんです。 - 8391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/22(土) 23:18:22
- 840二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 00:47:44
おつでした!
まあ、多分ヒフミちゃんが1番心配されてるもんね、連絡くらい取れるようにしてるよねw
そしてまた不穏な1のコメント……どれだけここが明るくても、まだナツちゃんたちの埋まる薄氷の上ということなのか…… - 841二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 07:40:04
お疲れ様です
- 842二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 11:05:59
どのタイミングでリオとキャスターたちは話を聞き出したんだろう
自己強制証明に言及してるからそれより前なのは確かだけど
ヒフミが自己強制証明を結ぼうとしたのも聞かれてる感じかな
もし黒服がそれを了承して結ぼうとしたら介入しようとしたんだろうか - 8431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 13:23:44
今日は遅刻しないで15時から安価じゃんね☆
安価がわりと1の予想より大盛りというかミレニアム関係だったりヘルタースケルターにも触れてたりしたから、それならリオちゃんとモモイちゃん出すかーって予定変更じゃんね☆わちゃわちゃじゃんね☆
だいじょーぶ、だいじょーぶ、薄氷の上に立ってるのなんて最初から一人だけじゃんね☆
ありがとじゃんね☆今日ものんびり頑張ってくじゃんね☆
うーん……元々そんなつもりじゃなかったしかと言って1に都合が良い感じにしたくないから……🎲振って決めるじゃんね☆
①最初から
②黒服とのアイスブレイクから
③ちょうど自己強制証明のタイミングから
④黒服との交渉が始まったタイミングから
⑤47個の質問してる時から(前半)
⑥ 47個の質問してる時から(後半)
リオ:dice1d6=1 (1)
キャスター:dice1d6=1 (1)
モモイ:dice1d6=2 (2)
- 8441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 13:24:20
- 8451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 15:02:40
- 846二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 15:04:02
このレスは削除されています
- 8471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 15:06:15
- 8481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 15:07:05
【現在、黒服から物資を購入する為に使える黒服ポイントは3ptです】
【使い道は以下のリストにある一例をご確認下さい】
【また本来は受ける事の出来る依頼は黒服からの信用と実績がない為1つ】
【ですが交渉イベントに成功している為今回に限り】
【1+dice1d4=3 (3) 個まで選択できます】
【安価先>>855】
【それでは皆様】
【よき選択を】
- 849二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 15:13:13
報酬だけ考えるなら①、②、④、⑤かな?
- 850二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 15:19:24
まあ目的のためにも①、②は絶対受けるべき
残り3つのうち④はなんでいま調べる必要があるかも気になるから受けたいし
後1つをどうするか - 851二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 16:15:48
③は入院してる患者が誰かにもよるな
それによっては報酬の他にメリットが発生しそうだし - 852二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 16:45:38
①、②、④は入れるとしてあと一つをどうするかかな?
- 853二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 17:04:49
まあすぐ終わりそうだし③にしておくべきかな?
- 854二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 17:10:51
①、②、③、④かな
- 855二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 17:11:09
- 8561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 17:25:25
(なんでほぼ最大値になってるのか悩んでる顔)
(報酬の量と難易度が比例してるのを伝え損ねたと言いたい顔)
あ、安価へのご協力ありがとうございましたじゃんね☆
それじゃあこのままもう一個安価させて下さいじゃんね☆
黒服のところでやる事は終わったからサクラコちゃんとお話しに行くか、ウイちゃんチームの探索を見るかどっちから先に処理するか教えて下さいな!じゃんね☆
見る順番によって発生するイベントがちょい変化……するなんてサプライズも一応、いちおーあるじゃんね☆
以下の選択肢から選んで下さいな!
①交渉イベント:サクラコ様in秘密の部屋🔑
②探索イベント:ウイちゃんのウキウキ古書館ツアー🍅
③どちらでもない🌕🕰️🐇
安価先>>863
それじゃあよろしくお願いします、じゃんね☆
- 857二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 17:30:11
③かな
なんか気になるし - 858二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 17:56:13
③が気になる気持ちはある
何が起きるんだ? - 859二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 19:24:46
加速
- 860二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 19:28:09
加速
- 861二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 19:28:59
ksk
- 862二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 19:33:42
③
- 863二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 20:17:56
- 8641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 20:36:51
- 8651じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/23(日) 23:21:27
- 866二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 23:40:42
明日楽しみにしてます。
おまけの保守 - 867二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 23:55:46
- 868二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 01:31:57
そういえば黒服との話し合いの安価のうちのどれかが良い意味でも悪い意味でも大当たりってミカ主言ってたな
これ空中分解ルートに大きく近づいたか? - 869二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 02:04:21
仮に空中分解ってなったら自己強制証明を使うしかないってなる可能性はあるだろうな
空中分解ってなったら本当の本当に、どうしようもない状況に陥る可能性はかなりある
残るのはヒフミとセイバー、アズサだけである以上もうなりふりかまっていられなくなるだろうから
自己強制証明を使うのが一番いい手段って状況になる可能性はある
空中分解ってなれば相当追い詰められることになるし
バックアップも失うってなったら残った手札は一気に限られるから使うか使わないかは別にしても自己強制証明という選択肢は現実的なものになりそう - 8701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 08:20:39
- 871二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 09:12:18
黒服ポイントを使って黒服とアサシンに行動を頼むとかは出来るのかな?
たとえば全陣営に対して何かしらのメッセージを伝えてほしいとか
魔術的観点からの見解を求めるとか
交渉の仲介人になってほしいとか
指定した場所に来てほしいと言った感じの - 872二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 12:05:09
空中分解に繋がるヒフミの厄ネタは何なのか
1スレ目を見返したけどSNオマージュのアサシン襲来を除けばプーサー召喚からこの路線になった
プーサーとアルトリアオルタ以外なら問題はなかった
二番目のマスターになったのも不味かったっぽい
スカサハがイレギュラーなら正規の参加者としてはヒフミが最初に召喚してることになる(実際黒服も言い淀んでいた)
あたりがヒントなのか
スレ主のスタンス的にないけど単純に考えるなら「ヒフミは本編開始前に死亡しており聖杯パワーで蘇っている」「実は自分を阿慈谷ヒフミだと思い込んでいる何か」が考えられるな - 873二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 12:20:54
仮に空中分解ってなったら一気にシリアスになりそうな気がする
3人だけってなったら余裕もなくなるだろうし
自己強制証明を使った契約を結ぶとか
3人だけでどこかの陣営の本拠に侵入って感じで
リスク高い選択肢を選ばざるを得ないってなりそう
自己強制証明を結んだらデッドエンドという結末が現実的にあり得るし
敵の本拠に侵入して負けたら特に聖杯陣営の本拠の場合はやばいことになる可能性高いからな - 874二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 12:25:57
可能性としては実はこの聖杯戦争は2周目で参加してるマスターの中の誰が聖杯を使って時間を巻き戻したとかもあり得そう
1週目でキヴォトスに致命的な被害が出ちゃってそれを回避するためにとか
2週目で何かを変えられるように聖杯を使った人物が動いた結果ヒフミがマスターになってプーサーが召喚されたとか - 875二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 12:53:16
そういえば自己強制証明を結んだ場合は先生が大人のカードとかを使うなどの手段をもってしても解除は出来ないって感じかな?
- 8761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:07:32
【観測を開始します】
【10日目午前/特殊イベント】
【トリニティ自治区・通功の古聖堂/黒服拠点】
【Recommend BGM……〈Black Suit〉】
⬛︎⬛︎.黒服が⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎開催を⬛︎容⬛︎⬛︎場合、それはどのようなケースが考えられるか(>>763)
→40.黒服が聖杯大戦開催を許容する場合、それはどのようなケースが考えられるか(>>763)
「……ふぅ」
壊れかけ骨組みまで覗かせる古聖堂。未だ瓦礫が積まれた廃墟と見間違うその場所に射す午前の光から逃れるようにして、男は今日何度目になるかも分からない溜め息を吐いた。
「ため息を吐くとなんとやらだったか?アケミのやつが言っていたぞ」
「クックックッ……少しぐらいは許して頂けませんか?こう見えて、それなりに疲労が溜まっているのですよ」
アサシンの軽口に付き合う声にも実際のところ疲れが透けていた。鈍い痺れと生温い痛みを慢性的に抱える身体は決して良好とは言えない。当たり前であった。昨夜の騒動への対処だけではない。今こうしている間も自らを経由していく魔力の流れは、黒服の身体へダメージを蓄積していく。ヒフミのように魔力に対する抵抗力、或いは許容量が多いマスター。ミノリのようにスキルでの軽減が出来るマスター。そうでなければ、アサシンの治癒があっても常に身体へ伸し掛かる負担は抑え込めないのだ。それは決して表面化するほどではないが、確かに骨身を削り続けるスリップダメージ。
「なんだ、また薬湯でも拵えてやろうか?」
「……ありがたいですが、お断りさせて下さい。貴女のそれはよく効きますが寿命でも前借りしてるかと錯覚する程度には後々キツいですから」
即効性はあるが味も最悪なら飲んだ直後に全身を苛む臓器と神経の傷みはこの世の物とは思えぬ苦痛。収まるまでの数秒という僅かな時間が永遠にも感じられる毎朝のそれを思い出して黒服は顔を顰めた。
「しかし、してやられたな。ミレニアムのバックアップになんともはや、例の小娘まで確保済みときた」
そんな黒服を尻目に先ほどまでいた少女達の言葉を思い出して、アサシンは機嫌良さそうに喉奥を鳴らす。
- 8771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:08:49
彼女にしてみればいけ好きもしなければ好みの男というわけでもないが、隣に侍らせておく分には及第点、戦場を共にするとなれば申し分無し。その程度には気に入っている男が表情を崩す、それも自分の薬で。愉快でないわけがなかった。
「動ける人数は多い、でしたか。陣営内の内訳まで丁寧に説明なさってくださいましたが……やれやれ、どうしたものか」
別れ際の会話で如何にも頭を抱えた様子で自分達の戦力を尻切れになりつつアピールしては涙目になる少女の姿を思い出して、黒服は笑い声を忍ばせた。ミレニアムとの協力関係、戦力の多さ、果てはキャスター陣営とセミナー会長からの協力の打診。情報どころか明らかに出し渋りたかったであろう戦力まで晒す羽目になったのは自業自得というべきか、それともそれさえ考慮して話を運んでいた黒服の手腕を褒めるべきか。いずれにせよ、通信越しに喧々と華やかな声をあげつつしょぼくれるヒフミの背中は煤けていた。
「ん?あの娘は良いのか?ほれ、なんと言ったか確かこの地で唯一の……」
そうして手に入った情報に対して黒服が抱いた感想。それにアサシンは眉を顰めた。同盟陣営と名乗った彼女達の協力者。その中に気にしていた筈の名前があったからだ。
「ああ、ゴルゴンダのお気に入りですか。別に良しとしましょう。今次でマスターに選ばれなかった以上、次が始まる前に確保するなり監督役に就ければ良いでしょうから」
アサシンの訝しむ声に黒服は気にした様子もなく肩を竦めた。今更この二人の間に隠し事もない以上、黒服の言葉は紛れもない事実。問題ない、と男が言う以上は気にするだけ無駄だと判断したアサシンは別の名前を挙げる。
「ふむ……監督役に据える、か。ではランサーのマスターはもう良いのか?」 - 8781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:13:42
「出来れば伊落マリーも、とは思っていますけどね。現時点でもそうですが、彼女は間違いなく聖杯戦争終結後も生き残っていたのならば最強に違いありませんから……それに聖杯戦争を生き延びてしまったのならきっと色良い返事を頂けるでしょう。大人になるとはそういう事ですから」
「それをわざわざ阿慈谷ヒフミにぶつけるとはまた悪辣な話よ。ならばアーチャーのマスターは?アレは確か話に聞く奴の肝入りだろう?」
黒服の返事に呆れた声をアサシンは漏らしつつもう一人の少女について尋ねた。自分達監督役、そして同盟陣営を除く三つの陣営。アーチャー、ランサー、ライダー。その中で組織的な強さと聖杯戦争そのものへのアプローチを唯一思案するのがアーチャー陣営だからだ。自分に万一があった場合、または自分達以外のいずれかの陣営が聖杯戦争で勝利した場合、後釜になるとしたら。
アーチャー陣営もまた、ランサー陣営と並んで黒服が後継者として期待する陣営であった。
だが、黒服の表情は見て取れるほどに苦い。
「……難しいですね。彼女達のアプローチも決して悪手ではありません。それに戦力だけでなくその精神性も実に都合が良い。ですがライダー陣営。そしてフランシス、彼の存在がネックですので」
「なるほどな。殺す予定の奴はともかく、どこまでいってもライダー共は厄介だな……いっそもう潰すか?」
刹那、空気が刃を纏う。ほんの僅かに《緩めた力》は、アサシンのヒールが踏む石畳に薄い硝子を嵌めるほどの冷気となった。冬空の如き殺意。それに黒服は特段の反応を見せず、静かに首を振った。
「……まだ待ちましょう。二重霊基に対してあちらは《三重霊基》。おまけに宝具の数もあちらに軍配が上がります。だからこその弱点ですし、そもそも相性の問題でほぼ確実に貴女はライダーに勝てます」
「キヴォトスに召喚されたサーヴァントに課せられた法則か。宝具といい、どこまでも面倒な」
アサシンが吹き抜けとなった天井から木漏れ日のように射し込む日に自身の右手を透かして見せながら口元を歪める。そもそも真っ当なサーヴァントの召喚が極めて難しいキヴォトスという土地で、それでも召喚に成功させる事で発生する事象。一つは宝具に対する制限やマスターのスキルのように、重複霊基などというイレギュラーが発生するないしは、《発生させられる》のも同じだった。 - 8791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:14:49
「そもそもの土台があちらとこちらの世界では違いますからね、仕方ありません。そして我々はその違いを運良く使えた……ライダーを除けばですが。ですからそんな彼女達と戦えば我々も当然消耗を強いられ、何より私も自分の采配に自信なぞありません。短期で仕留め損なえばあの少女達が何をしてくる事か。少なくとも以前のように双方が手痛い被害を負うだけならまだしも」
ヒフミ達も知らない事実。これまで数度、常軌を逸した軍備を増強していく彼女達を諌めては小競り合いとなり。一度だけとはいえ本気の命の奪り合いにまで至った陣営の顔触れを思い出す。報復と称した苛烈な攻撃によってこの場所を除く隠れ家は既に十は破壊されてきた。そんな彼女達の《願い》の推測が出来ているからこそ。誰よりも自分達監督役を憎む彼女達だからこそ。一切の迷いなく悪逆を成さんと決めたあの娘だからこそ。
「キヴォトス全てを破壊し尽くされては敵いません」
最悪の場合はキヴォトスに引導を渡した上で憂いなく外の世界へ旅立っていく事は容易に想像できた。空想ではなく現実感を伴うシミュレーションに黒服は鈍い頭痛を幻視する。どの陣営も黒服からすれば理解し難い存在だった。子供という理屈の通じない化け物を相手にしているのだと、今更ながら吐き気が襲ってくる。要らぬ心労だけが、かつての同僚のせいで溜まっていく現状に、本気で黒服は辟易していた。 - 8801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:15:57
「……とはいえ疲れはあれど彼女達には感謝しなくては。漸く取引も出来ただけでなく……思いの外、収穫がありましたし」
そうは言っても黒服も大人だ。いつまでも絶望的な未来を思い描いて、《手遅れになった現実を必死に穴埋めしている今》を想って嘆くだけではいられない。気持ちの切り替え、自分の機嫌を自分で取れるのは社会人としての必須スキルであった。
事実、阿慈谷ヒフミから最後に譲り受けた戦闘データとその映像の中にあった一人のオンナの姿を知れた事は、黒服にとって望外でもあった。
「今次聖杯戦争ではまだ出てこないと考えていた聖杯陣営も含めて、相変わらず彼女達、いえ。阿慈谷ヒフミさんは良い働きをしてくれますね。泳がしておく分には彼女以上の人材はこれから先の聖杯戦争では《ほぼ間違いなく》現れないでしょう。しかし、本当にまさか聖杯の端末が現れるとは……」
何せこんなにも早い段階で、もっと言えば今次聖杯戦争で確認できるとは考えていなかったからだ。
「ユスティーツァ、だったか。その調子だと大方の予想もついたのであろう?……結果はどうだ」
「最悪の手前、でしょうか。大元のデータもそうですがこれまで僅かでも収集出来たのが幸いでしたね。アインツベルンとなれば……ラインの黄金ですか。ゲルマン神話群の可能性が出てきましたからね、対策も立てれますし、少なくとも備えなくてはいけない相手の顔と名前が知れたのは幸いでした。本当に良いデータを譲って頂けましたよ……先生もそれを見越したのでしょうけど」
使い捨てるようの連絡端末に彼らの拠点から送られてきた、コピーされた映像データ。そのファイルを見つめる黒服の目にはじとりとした熱が浮かぶ。
「それで、どうする」
今度はアサシンが溜め息を吐きながら、男の粘着質な想いを無視しながら短く問う。
「先生には申し訳ありませんがやはり静観ですね。事実として相手は六騎も無駄に消費した。ならまだ猶予はあるでしょう……下手に薮を突いて蛇を出すわけにはいきません」 - 8811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:22:40
対して黒服もまた間髪入れずに答えた。黒服にとって聖杯戦争開始から今までは多少のブレはあれど既定路線であったのだ。今更方針は、《中長期的な聖杯戦争の終結と大聖杯の解体》は変わらない。
「その割には調査なぞ依頼しおってからに。大聖杯はまだしも魔力溜まりか……阿呆め。セイバーもキャスターも気づいておったぞ」
それにアサシンは呆れたような声で返す。何を言い出すかと思えば、そう言いたげに。今まさに自分自身で余計な聖杯陣営への干渉をしないと宣っておきながら、矛盾した言動をしたこの男に。飄々と嗤う男がした毒を盛るような真似を女は咎めた。
「───そんなものがあるわけない、とな」
ヒフミ達が先ほど受けた四つの依頼のうちの一つ。それをヒフミ達が選んだ際にホログラム越しに視線を交わしたセイバーとキャスターの一瞬のやり取りを思い出して皮肉げにアサシンは嗤う。 - 8821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:23:25
「仕方ありません。実際、私も確信に至ったわけではありませんから、あの吹き溜まりは遅かれ早かれ調査は必要でした。それに、いつかは気づいていたかもしれません」
「そこで万が一アレを見つけてしまっても、か?」
「……先ほどの会話。とある方を中心に核心へ迫る発言がありました。そして調月リオとキャスターの反応。会話の介入も考えれば彼女達の中には既に答えに辿り着いているか、若しくは最悪を想定しているいるのでしょう」
黒服はその方針と《個人的な願い》から監督役としての中立性を揺らがす事はない。何度も《どれか一つの陣営には肩入れできない》などと迂遠に挑発する程度の譲歩は見せたとしても、その土台である普遍かつ絶対的な中立を維持し続ける。
だから決して嘘はつかない、つく事が出来ない。一度でも《事実と相反する虚偽》を語れば信用を失うから。
だからこそ、ヒフミ達との話し合いは困難だった。重要度の低そうな質問の中に紛れて、明らかに探りを入れる為の質問が潜んでいたのだから。嘘偽りない語ることのできる事実を告げなくてはいけなかった。
「空中分解かそれとも涙ぐましい慰め合いでもするか、見ものだな」
「私個人としては知らぬまま時間切れが望ましいですがね。そうすれば大義名分の元に彼女達に対応出来ますし」
それをわざわざ出したところでなんとでも出来ると考えているのか、それともまた違う考えがあるのか。いずれにせよ、と黒服は口にする。
「秘密とは甘き毒。人の知りたいという欲望は抑えられる筈もありません、が。その毒は時に人を殺す。出来るならば無知のまま夢に揺蕩うほうが子供は可愛げがありますね」
「心にもないことを。だから言ったのだ」
くるりと振り返ったアサシンは冷えた目つきのまま、座る黒服の頬へと手を当てて囁いた。
「───面倒だからさっさと殺してしまえと」
唇が耳に触れるほど、近い距離。撫ぜるような手つきと脳を湯立たせるような色艶ある声。それに黒服は静かにアサシンの肩を押し返すと重い声を出した。 - 8831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:25:47
「……今次聖杯戦争の閉幕まであと五日。現在の状況で一足飛びな結論を出すのはスマートさにも欠けますからね。それに彼を敵に回したくないのは貴女も同じでしょう?」
「そうでもない。私の生きた時代のソレとは違うがアレは中々に良い男だ。アレが顔を歪めて私と槍を交えるなぞ想像すると……うむ、唆られん事もない」
「……勘弁して下さい」
腕を組んで楽しそうに黒服が考え得る限り、今次聖杯戦争で《キヴォトスが崩壊するのと並んで》一番最悪な未来を想像しているアサシンに、今度こそ疲れた抗議をあげる。それに彼女は鼻を鳴らした。
「だが所詮はあと五日、時間の問題だ。お前が今してるのは問題を先送りにしているに過ぎん。それぐらい、あの男とて理解する筈だ。違うか?」
「私の知る彼はそんな事で諦めませんでしたよ」
「現実を見よ。お前とて分かっているからこそ今次は諦めたのだ。だからこそあの木偶の坊はお前の元を去った」
「お互いに理解の下で、ですよ。マエストロは自ら保険となった。良き友人であり良き理解者であり……」
今この場にいない、一人の男を黒服は思い出してから黒服は己を嘲笑した。
「思っていた以上に良き同胞だった。感傷かましれませんが、私は今更ながらそれを痛感していますよ」
「度し難い愚か者達だ。外道を気取るなら小娘に慈悲の一つでも笑ってくれてやれ。お前の手に掛かればまだ救いがあるだろうに」
「資源を無駄に消費するような形が最善手とは、出来るならば判断を下したくありません。そしてそれは私の……いえ」
並行線の言い合いではない。ある種の戯れ合いにも似ていた。
「つくづく甘い男だな、黒服」
「お互い様ですよ、アサシン」
二人の間に隠し事はない。ビジネスパートナーという共犯者は互いに密やかな笑い声を漏らした。 - 8841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:42:23
「しかし、予備システム……ですか」
一頻り笑い終えた後に、黒服は《本題》を話し出した。端的な物言いを好むアサシンを相手にここまでの戯れ合いを許されたというのもまた、時間が成せる技だろう。
「厄介だな。甘言であれば笑えようものを」
黒服が切り出した話題に、アサシンもまた疲れたような溜め息を吐く。強欲のアーチャーと自らを名乗ったサーヴァントが語ったという勝利条件。ヒフミ達を前にして否定したソレこそが、黒服達の悩みの種であった。
「その辺りはそれこそ信じる他ないでしょう。我々人間には、ね」
「お前がか?」
臭いものでも嗅いだと言わんばかりに顔を顰めては胡散臭そうに見てくるアサシンに、心外だと黒服は態とらしく大袈裟な身振りをした。
「クックックッ……腐ってもですよ。それにだからこそ信じてみたいという気持ちもありますよ。異なる人類史において最強と呼ばれたシステム───サーヴァント」
その言葉には愉悦すら滲んでいた。黒服の認識はアサシンからの情報を元に、極めて正確にサーヴァントというシステムの実像を捉えていた。そしてこれまでの暮らしの中で、英霊という存在についても、黒服なりの理解を示していた。だからこそ、笑わずにはいられない。
「形骸化し運用方法が誤っていようとその中身までは、あなた方は腐ってはいない。ならば信用に足ると私は判断します。そう、たとえ聖杯によって汚染された霊基を与えられていたとしてもその本質までは見失っていない筈です」
「……百鬼夜行か?」
ふいにここまで一度も話題に上がらなかった地区の名前を口にしたアサシンに黒服は緩く首を横に振った。黒服自身、既に手元で調べられる限りの情報を調査している。昨晩、百鬼夜行ではなんの問題も起きなかったのだから。
「……さて、どうでしょう。強欲のアーチャー、でしたか。彼の例がありますからね……もしかすると使われる前に、なのかもしれません。それに貴女のような物好きがいた可能性だってありますからね」
「それなら笑い話だな。なにせ男を見る目がない英霊が二騎もいたという事になる」 - 8851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:45:46
「私がそうであったなら、という話ですが。まあいずれにせよです。そうなってくるとしたら予備システムと呼ばれる何某か、いえ勝利条件の正体も大体の予想ができました」
そして黒服は皮肉げに口元の罅を深くした。あまりにも致命的な手段。ヒフミ達から聞いた情報から推測した真実に、頭痛が鳴り止まなかった。
「聖杯大戦か、面倒な事だ。私は付き合う気はないぞ」
「それは困りますね。恐らく起動するような状況になったとしたら、私も貴女も巻き込まれざる得ない。審判の秤を持つとしてもです」
「……あと一歩。あと一つなのだがな」
雫を落としたような静かな呻めきに、けれど黒服は何も返さない。
「勝利条件。我々が初期に想定したそれを越える為には戦力も足りなければ、予備システムの起動以外でそんな道があるかも依然不明。そして確実性がない以上、私は貴女を手放すつもりはありません。であれば予備システムの起動。延いては聖杯大戦の開幕もやむを得ない」
「だがそうなれば、だ」
分かりきってはいた。何故なら黒服は早急な解決は不可能だと匙を投げた決め手がそれだったのだから。それを解決できるかもしれないとなれば、確かに予備システムは許容できる。
監督役という役割を全て投げ出す、その選択をして。
「ええ、その時点で今次聖杯戦争に参加したマスターとサーヴァント全員の死は免れませんね」
なにもかも今次聖杯戦争で終わらせる選択に踏み切れば、の話だが。
「ですがそれすら、彼女にとっては救いなのかもひれませんね」
その言葉を最後に二人の間で会話は───。
「そう言えば黒服よ、お前のカードだが限度額が来たぞ。次のを早く用意するが良い」
「クックックッ……泣いて良いですか?」 - 8861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 14:46:50
- 887二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:09:50
なかなかに不穏ね
- 888二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:28:24
空中分解するなら早い方がいいだろうな
土壇場で空中分解しましたってなるよりは早めの方が動きやすいだろうし
黒服の発言からするに小聖杯の依頼が空中分解に繋がるって感じなんだろうか
ヒフミとアズサとセイバーだけってなったらもう手段を選ぶ余裕は無くなりそうだな - 889二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:37:39
とりあえず今後の動きとしては先生が解決するというバッドエンドルートをなくせるように動く
空中分解が避けられないなら早めに分解するように動く
とにかく情報を集めるとかかな?
情報はいくらあっても損ないし
小聖杯の依頼は最優先でやった方がいいだろうな
どうせ空中分解するなら他陣営を説得するより前にした方がいいだろうし
二度説得するというのは時間的な面で難易度上がりそうだ
小聖杯の依頼が一番報酬いいのは空中分解に繋がりかねない何かがその依頼にあるからなのかな? - 890二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:53:50
先生が解決するルートに関しては先生が介入出来ないようにするか先生が必要以上に介入することでまずい事態に陥ってしまう生徒がいるって状況になったら回避出来る気はする
ただ気になる点としては先生が解決するルートの場合、少なくとも生徒は誰一人犠牲にはならないルートになるんだろうか
後少なくとも黒服は先生を必要以上に関わらせたくないのは確かだからもし先生が確実に介入しなくなる方法があるって言ったらその方法に協力してくれるのかな - 891二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 20:18:23
何かしらで空中分解するのが避けようのないものだとすれば早めのほうがマシなのかな?
避けられるなら避けたいけど - 892二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 20:48:03
黒服との話し合いと依頼の選択で空中分解ルートにかなり近づいたようには思う
重要度の低そうな質問の中に紛れて、明らかに探りを入れる為の質問が潜んでいた
らしいけど黒服の願いを当てる安価と質問タイムの安価だけでも70個以上あるからな
この中でどれが良い意味でも悪い意味でも大当たりだった安価なのかを特定するのは結構難しそう - 8931じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 21:16:14
けーってきたじゃんね……明日も明日で遅いって泣いちゃうじゃんね……
とりあえず22:30ぐらいからぼちぼち書いて0時ぐらいでおしまいな感じにするじゃんね☆
意見を求めるとかはただでしてくれるじゃんね☆
黒服に支払いが必要なのは『自分達を含めた他陣営に対してアクションを行う』事じゃんね☆要するに声にしろ行動にしろ黒服自身を拠点から動かす事にはポイントがいるじゃんね☆
だから伝言は10pt、交渉の《仲介》とかは50ptぐらいじゃんね☆
ただ決闘の見届け人とか交渉の立ち合い人とかそういう監督役の範疇のお願いは無料じゃんね☆
これいけそうじゃね?ってのあったらまた聞いてねじゃんね☆
> 「実は自分を阿慈谷ヒフミだと思い込んでいる何か」
……それする時はもうちょい前、具体的に言うと四日目とかでネタバラシして主題にするじゃんね☆
あと全員は無理でもサーヴァントの中にもそういう主題に関連したテーマの子を選ぶじゃんね☆
三人体制になったらそれはそれで面白い事にはなると思うじゃんね☆多分速攻で今やってる話畳むというかED一直線じゃんね☆
大聖杯で完全なやり直し、は多分無理じゃんね☆
もしそういうのが可能ならFGO二部六章みたいな小難しい事は原作で発生してないし、まだ推定だけど連邦生徒会長ちゃんが電車に乗る必要もなかったじゃんね☆
ちなみに1は二部六章大好き人間じゃんね☆
メタ的なお話をするじゃんね☆
大人のカードを本編で使う事があるとすればそれはもうイレギュラー中のイレギュラーな状況以外では1は絶対にしないつもりじゃんね☆
理由としては単純に大人のカードを利用する事は不可逆のダメージに相当するって考えてるからじゃんね☆
だから解除出来るかどうかはあんまり考えてないじゃんね☆
- 8941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 21:17:31
言ってなかったけど今回の交渉だけで以下のボーナスがあるじゃんね☆
①アイスブレイク分:2個
②交渉イベント成功分:1個
どうやって消費するかはまた安価するのでよかったら参加してやってくださいな!じゃんね☆
ふおんじゃんね☆このお話のプロット自体、相当悪質だからしゃーなしじゃんね☆
だからピンチヒッターで出すつもりのなかった子達も総動員する事になったじゃんね☆地雷はそこかしこじゃんね☆
> 小聖杯の依頼が一番報酬いいのは空中分解に繋がりかねない何かがその依頼にあるからなのかな?
フェアじゃないからお伝えするじゃんね☆
黒服が黒服の知っている情報を元に報酬を設定した……っていう感じだから空中分解に繋がるかどうかっていうヒフミちゃん達に対する心の贅肉なんてないじゃんね☆
なんなら空中分解しちゃっても『あーあ、だから言ったのに』って黒服達は思う事はあっても大して気にもしないじゃんね☆
黒服達監督役はヒフミちゃんの敵じゃないけど別にヒフミちゃんの味方でもないじゃんね☆
なんなら今回で聖杯戦争が終われるなんてこれっぽっちも子供に期待なんかしてないじゃんね☆
結論をまとめるじゃんね☆
あの報酬の設定はそのまま難易度、危険度を表してるじゃんね☆報酬が高ければ高いほどサーヴァントもマスターも危ないって黒服は考えてるじゃんね☆
>後少なくとも黒服は先生を必要以上に関わらせたくないのは確かだからもし先生が確実に介入しなくなる方法があるって言ったらその方法に協力してくれるのかな
正直黒服が協力してくれる条件は一つだけ1は用意してあるじゃんね☆
ただ先生が確実に介入しなくなる、それを提示されたら1はそっちでも頷いちゃうと思うじゃんね☆
マシかどうかは1からはなんとも……じゃんね☆
ただ大事なのは優先順位、じゃんね☆
>黒服の願いを当てる安価と質問タイムの安価だけでも70個以上あるからな
見直して笑ったじゃんね☆
確かにこの中から当たりを探せはフェアじゃないじゃんね……ごめんなさい、じゃんね☆
そうなるとうーん……まあなんとかするじゃんね☆
- 895二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 21:33:01
なる
あんま不穏なワードで焦りすぎて優先順位ミスると却って危なくなりそうだ - 896二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 21:39:47
介入しなくなる方法として思いついたのは
黒服に先生が必要最低限の介入とはどんな感じなのかを明確にしてもらった上で黒服と
黒服が何かしらを阿慈谷ヒフミに提供する代わりに阿慈谷ヒフミは先生が必要以上に聖杯戦争に介入をさせないようにする
という内容で自己強制証明を結ぶという感じかな
この内容ならそれなりに黒服も対価をくれそうだし
この内容で契約を結んだことを黒服が先生に伝えれば先生はおそらく動けなくなる
先生が介入してしまったらヒフミが死ぬって状況になるわけだから
黒服としても黒服が提案したんじゃなくてヒフミが提案したなら受けやすそうだし
まあ命をかけるという非常に重たいペナルティを背負うことになるから契約するなら覚悟決める必要があるけど - 897二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 21:42:37
そういえば他陣営も先生の介入は望んでないのかな?
- 8981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 22:05:29
ここまでもケセド戦とか拠点移動とかマリーちゃんとのお話とか自治区巻き込んだりとか後最近ならアリスちゃんがゲヘナに行くのとか1の想定からぶっ飛んでく安価はあったけど……それら全部含めて面白い方向に繋がっていくなぁって1は思ってるじゃんね☆
だからまあ、なんやかんやうまいこといくとは思うじゃんね☆
>黒服が何かしらを阿慈谷ヒフミに提供する代わりに阿慈谷ヒフミは先生が必要以上に聖杯戦争に介入をさせないようにするという内容で自己強制証明を結ぶ
ごめん、正直それは全く想定してない使い方で笑ったじゃんね☆
いや本当にすごいじゃんね、ちょっと流石にすぐには出てこんだろうなぁって考えてたから思い切りアッパーもらった感じじゃんね☆
良いか悪いか、それを聞いた先生がどう反応するかはさておき、断言します。
そういう形で自己強制証明を使ったら先生は生徒の命を守る為に絶対に聖杯戦争に関われません、なんなら先生がヒフミちゃん√に多分突入します。
基本的にはどこの陣営も介入は望んでないじゃんね☆
黒服は単純に先生を聖杯戦争で使い潰すなんて勿体無いから、みたいな感じじゃんね☆
他の陣営については個々でまた聞いてみてね!じゃんね☆
- 899二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 22:21:03
- 9001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 22:37:47
【10日目午前/特殊イベント】
【ミレニアム自治区・臨時ヘリポート/MHJ-53 ペイブロウIII〈エンハンスド君〉】
【Recommend BGM……〈Usagi Flap〉】
右手にスーツケース。左手にはアタッシュケース。肩に下げるのは目覚めてから手にした愛銃。長い黒髪を風に靡かせて一人の少女は自分を待つ回転翼機へ向かって歩いていた。
『……アリス』
控えめな掛け声に、少女はパッと振り返ってはゆっくりと笑った。
『はい!どうしましたか?リオ会長!』
ここ最近ですっかり見慣れた姿。リオが手掛けた一輪型ロボット『AMAS』よりほんの少し大きい程度にまで小型化された規格。独特な容姿と四本腕にキャタピラはミレニアム生であれば、たとえ大きさが違っても知らぬ者はいない。アバンギャルド君、その廉価品。ならば声の主も自ずと知れる。
製作者である調月リオ、今ゲヘナ行きのヘリに乗り込もうと歩を進めていたアリスへと声を掛けたのはその人だった。
『……その、調子はどうかしら?』
酷い会話であった。それもその筈、ミレニアム生の代表に相応しい多角的な才を持ち合わせるリオはその実、不器用であった。それもまあ酷いレベルで、だ。
『はい!アリスのHPバーは満タンです!今ならどんな敵と遭遇しても問題ありません!』
対するアリスもこれまたミレニアムで知らぬ者などいないと何故かモモイがない胸を張る程度には顔が広く、誰とでも仲良く出来るとこれまたミドリが姉よりはある胸を張る程度にはコミュニケーション能力に長けている。故に、リオのからからに乾いた会話にも嬉しそうに対応する。
『そう、なら良いのよ……』
再度言おう。調月リオは不器用だった。特に今のアリスに対してはどうにもたじろいでしまっていた。そんな彼女へ首を傾げながらアリスは問う。
『あの、リオ会長?何か変わった事がありましたか?』 - 9011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 23:07:12
明瞭な言葉ながらアリスの眼に不安の色が映る。それもその筈であった。これからアリスはゲヘナに行くのだから。
現在、阿慈谷ヒフミ、才羽モモイ、安守ミノリの三人のマスターを中心に集った同盟陣営のメンバーは大きく分けて四つの動きをしている。
まず黒服との話し合いに赴いているヒフミ達補習授業部とミノリ、そしてセイバーとバーサーカーで構成された交渉部隊。
次に古書館での資料を極秘裏に持ち出すのを担当するアリスを除いたモモイ達ゲーム開発部とキャスター、そしてウイの古書館部隊。
ミレニアム内、正確には拠点で待機しつつ各種データ等の解析や拠点の修繕、改築を担当しているエンジニア部三名とヘルタースケルター達、そして協力者のチヒロ。dice1d4=3 (3) (1.いる、2.まだ、3.なんか遊びに来てる、4.ハーッハッハッハッ!)
そして最後、それがアリスが担当するゲヘナ先遣部隊である。
ゲヘナ自治区は現在、大規模な情報規制と出入領規制が敷かれている。その為、本来であればこうして午前中から生徒会を介してアポイントを取らずに立ち入るというのはかなりグレーな動き。しかも未だゲヘナには非協力的な関係にあるライダー陣営が潜伏していると想定されている。ましてやあのシャーレの先生もゲヘナで行方が分からなくなっているのだ。ミレニアム側から調べられる事に限界があるとはいえ、そんな場所へこれから一人で向かう。現地でミノリとバーサーカーと合流する事は予定しているとは言え、念には念を入れていつも以上にアリスが慎重な意識を持っているのは当然だった。
『……いいえ、変わりはないわ。あちらでの着陸ポイントにも既に話を通してある担当者が待っているから、現地に着いたら指示に従ってちょうだい』
『パンパカパーン!アリスはクエストを確認しました!飛行船に乗って次の町にファストトラベルです!』
『そうね。自動操縦システムが組み込まれているから、それほど時間はかからないわ。あちらにも11時前には着く筈よ』
- 9021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 23:24:51
もっとも話したところでそこで終わってしまうのもまた調月リオという人間であるのだが。
ただ今回はそれに終わらなかった。たっぷり一分、常日頃から合理的である事を心情とする彼女を知る者ならば驚くほど、時間をかけてからもう一度リオは口を開いた。
『……その、あまりこういうのは慣れないのだけど』
恥じるように、言葉を思考の海から覚束ない様子で拾い集めて、ゆっくりと形にしていく。その姿をアリスは不思議そうにしつつも決して口を挟まないで待つ。何か大切な話なのだと気づいたから。
『くれぐれも無理しないで……気をつけて行って……帰ってきてちょうだい』
一言ずつ、ただただ言の葉に己の感情を乗せただけ。不器用でありきたりな見送りの挨拶。けれど、アリスは噛み締めるように目を細めてから精一杯の笑顔を返した。
『っ!はい!リオ会長、ありがとうございます!パンパカパーン!アリスは新たなクエストを受け取りました!無事に帰還ミッションもクリアしてみせます!』
『……ええ、そうしてちょうだい』
けれどリオは。
今度はもう、その笑顔に促される事はなく。ただ笑顔で何度も手を振りながらヘリに乗り込むアリスの姿を見送っていた。 - 9031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 23:25:54
- 9041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/24(月) 23:59:32
【10日目午前/特殊イベント導入】
【ミレニアム自治区上空・MHJ-53 ペイブロウIII〈エンハンスド君〉】
【Recommend BGM……〈Usagi Flap〉】
セミナーが今作戦に向けて用意していた戦闘捜索救難ヘリ、MHJ-53 ペイブロウIII。型落ちし現在は退役したそれを急拵えとはいえ、調月リオが基本の改修案を手掛けエンジニア部が外装その他を改造し、電子機器周りはミレニアムが誇る屈指の天才「小鈎ハレ」が調整した通称『エンハンスド君』は、現行機に勝るとも劣らない性能。そのおかげもあってかアリスの空の旅は順調以外の何物でもなかった。
「パンパカパーン!ファーストステージクリアです!」
昨晩、アズサの日課である銃の手入れを見守っていた折に『自分で出来る範囲でするのも楽しいから』と少しだけ照れながら渡された小さなウエス雑巾。自分の膝に愛銃「光の剣:スーパーノヴァ」を平置きして新品の贈り物を使って銃身を丁寧に磨いていたアリスは言葉と共に額を袖で拭った。別に汗をかいたわけでもない。本来なら空調の効きなんて望めない広報格納庫の中もリオの指示で最新式のエアコンが導入されているのだ。いくら大きい光の剣の掃除とはいえ、汗なぞかくことはない。
だから、その仕草は見様見真似。やりきったことに対するアクションの一つ。ただ、それだけ。
「アリスは次のクエストに挑戦です!今度はセカンドステージ!銃口周りのお掃除クエストを開始します!」
独り言を楽しそうに呟きながらアリスは格納庫の椅子に腰掛けたまま足を軽く【dice1d10=10 (10) 】揺らす。持ったウエスで拭くだけの掃除。なんて事のない作業。だが、アリスにとっては堪らなく面白かった。何せこれもまた、贈り物なのだから。
「アリスも早くアズサみたいにお掃除マスターの経験値を」
白洲アズサ。一つ年上のお姉さんから教わった簡単な掃除の仕方と色々な話の数々。それほど長いわけではなかったけれど、贈られたウエスと共にそれはアリスにとって大事な宝物になっていた。
- 9051じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 00:04:27
- 9061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 00:16:44
「Vanitas Vanitatum et omnia Vanitas……えへへ」
アリスは昨晩聞いたその意味をきちんとは知らない。アーカイブを辿ればもしかすると辞書的な意味は分かるかもしれないけれど、けれどそれをしなかった。アリスにとってそのおまじないのような言葉は。
「大好きな人を、大好きな人の為に……頑張ること。それが───諦めない理由」
───たとえ私の周りにある世界がどんなに私を嫌ったとしても、それを理由に負けてなんてやれない。
─── だって私はヒフミが好きだから。
アズサが語ったその言葉に、アリスは素直に頷けなかった。呑み込む事がどうしても出来ないと臆病な気持ちがあったから。それでも、心のどこかで彼女が教えてくれた言葉を拠り所にして立ち上がる自分がいるのをアリスは感じていた。
「……アリスは、私は。私も……」
だからアリスは今回のチーム分けで少し無理を言ってでもゲヘナ行きを志願した。本来であればアポイントを取ってからの移動という形で三つのチームに分かれて午前中は行動する。その予定だったのを、少しでも早く現地に行ってライダー陣営についてや実際のゲヘナの状況を調べる、その足掛かりを作る為に。そして、自分も含めて全員が心配している先生の行方の手掛かりを、僅かたりとも見つけたい為に。アリスは単身でゲヘナに向かうと全員を説得したのだ。
「アズサみたいに聖杯戦争を戦って……負けるもんかって……」
己を鼓舞するその声は幼く、アズサのような芯のあるしなやかさはまだ決してない。けれど確かに芽生える何かがあった。聖杯戦争開始から10日。ここまで抱き続けてきた不安の氷塊がゆっくり溶けていく。天童アリスという少女が直面してきた現実に、絶望に。向き合って負けるものかと漸く前に進み始めた、その兆し。
「……だからモ『オットット』……ふぇ?」
決意とはまだ呼べない小さく儚いその言葉を音に乗せる、そのタイミングで。少しだけヘリが揺れたと思えば、高めの可愛らしい電子音が室内に響いた。 - 9071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 00:35:14
「……じー」
アリスの視線の先、音が鳴った方向。幾つかのコンテナが積み上げられた物陰から。格納庫だからかそれほど明るくない暗がりの向こうをじっとアリスは見つめ続ける。一分か二分か。作業の手も止めて沈黙を選択するアリスに居た堪れなくなったのか、再度声は鳴った。
『イ、イナイヨー』『ソウダヨー』『ネコダヨー』『ニャーン』
「なぁんだ!猫さんですか!」
ここは学園都市キヴォトス。犬も猫も喋るし機械だって喋るのだ。今更猫が厳密かつ極秘裏にセミナーの全権を駆使して用意され、採算のチェックを受けた機密ヘリの格納庫内で物陰に猫が隠れていて喋るだなんて。
『ソウ、ソウ』『アソンデ』『タノシンダモンガチー』『ニャーン』
「……なんて言うと思いましたか!アリスのセンサーがキャッチしました!クセモノです!であえー!であえー!」
そんな事あるわけがないわけで。
『バレタ、バレタ』『ゴメンネ、ゴメンネ』『コンコン、優シクノックシタヨ?』『デモネ、ナイショ』『オコラレチャウ、オコラレチャウ』
アリスの声に慌てながらコンテナの影から現れたの10機のロボット。最先端科学技術を謳うミレニアムサイエンススクールではあまり見ない古めかしいデザインかつ、重厚な装甲。それを目にしてアリスの顔に浮かぶのは鮮やかな笑顔。
「やっぱり!着いてきてくれたんですね!
『エヘヘ、皆ニハ』『ナイショダヨー!』
「───ヘルタースケルターさん!」
アリス一人での空の旅はこうして、作り手であるキャスターにすら秘密にして乗り込んだアリスの友人である10機のヘルタースケルターを伴った愉快な物に変わった。
阿慈谷ヒフミが黒服との話し合いを済ませて歌住サクラコの元へと向かうためにバス停へ歩き出し、安守ミノリがそれを見送り。
才羽モモイが必要な古書を無事にヘリに乗せて、拠点への帰路に着くための帰り支度を始めて。
そして天童アリスを乗せたヘリがゲヘナ上空で撃墜される30分前の出来事であった。 - 9081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 00:44:38
というわけでもうちょっとだけアリスちゃんの話を明日もするじゃんね☆
安価は絶対だから選ばれた選択肢の難易度に従って……少しフライングだけど難易度ルナティック🌕じゃんね☆
遅かれ早かれ、じゃんね☆
がんばれアリスちゃん!じゃんね☆
それでは今日も読んでくださってありがとうございました!明日は21:30ぐらいからぼちぼち書いてくじゃんね☆また良かったら遊びに来てやってくださいな!じゃんね☆
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
やっとアリスちゃんの『リオ会長』呼びについて触れる事が出来て1は満足じゃんね☆
多分黒服は爆笑するじゃんね☆とりあえず協力はしてくれるじゃんね☆ただし公平性を喫する為に全陣営にそういう契約をしたっていうのは伝えるかもしれないじゃんね☆
- 909二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 01:00:36
あ、アリスゥ゙ーーー!!?
俺が安価提案したばかりにィーー!! - 910二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 01:01:12
乙です
欲かいて難易度上げちゃった形になるのかな今回 - 9111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 01:14:56
今やっとこさ新PV見たけどハナエちゃんおる……もうお蔵入りかなぁってしょぼんってなってたからめっっちゃ嬉しいじゃんね☆
でーじょぶ、でーじょぶ!
アリスちゃんにはヘルタースケルターちゃんが着いてるしなんなら(🎲次第でいくらでも合流が遅くなるけど)ミノリちゃんもいるじゃんね☆
それに元々どっかでこのイベントはするかぁって考えてたからアリスちゃんなのも含めて良いタイミングだったじゃんね☆
あと一日これが早かったら?
……うーん、1はアリスちゃん大好きじゃんね☆
元々この予定だったじゃんね☆
難易度は単純にサクラコ様とか古書館とかを先に済ませておくとその分ミノリちゃんの合流が確定で早くなったり、アリスちゃんが出発する前にモモイちゃん達が帰ってくるか通信で話をする事が出来たりヘルタースケルターちゃんが乗ってるのがバレて被害が確実に減った……ってだけの話じゃんね☆
それに難易度高いって事はその分のリターンも大きいってことじゃんね☆
楽しくやってくじゃんね☆
- 912二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 08:18:12
このレスは削除されています
- 913二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 10:38:00
このレスは削除されています
- 914二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 18:02:08
このレスは削除されています
- 9151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 19:33:46
- 9161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 19:35:33
- 917二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 19:41:34
そういえば先生がヒフミちゃん√に入った場合どんな感じになるんだろうか
- 918二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:36:55
必要に応じてセイバーと相談することも大事だろうな
秘密にしてほしいと言えばそれは守るだろうし
現状空中分解したとしても味方になるのはセイバーとアズサだけだから - 9191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 21:12:36
- 920二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 21:27:01
- 9211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 21:33:17
【10日目午前/特殊イベント導入】
【ミレニアム自治区上空・MHJ-53 ペイブロウIII〈エンハンスド君〉】
【Recommend BGM……〈Usagi Flap〉】
ヘルタースケルター10機の同乗。使い魔である彼女達の主人以外が聞けば、泡を喰う話なのは間違いないだろう。何せ現在同盟陣営が有するヘルタースケルターの数は119機、そのうち半数以上がトリニティに送られ、拠点に残されているのは48機。だというのに2割弱がアリスと共に敵地に乗り込もうとしている。
前代未聞である。
「じゃあヘルタースケルターさんはスキーニングミッション中なんですね!」
が、そんな事はアリスからしてみれば特に問題視する話でもないわけだ。この場にいるのがハナコなりユズなりリオであれば頭を抱えるかすぐさま拠点に逆戻りするところだが、一人きりのつもりだったアリスにとって、心強い仲間がパーティに加わったの朗報でしかない。
『シー、シーダヨー』『バレタラ、オコラレチャウ』『デモ、デモ』『ゲヘナ、イカナキャ』『ワタシ、オシゴト』『シナキャ、シナキャ』
「ヘルタースケルターさんは頑張り屋さんのタンクですね!」
腕を振りながら順番に答えていく声は、アリスが出会って初めて会話した時から変わらない。いつも通り可愛らしい少女のようなそれ。
「アリスはゲヘナに行ったらギルドを訪ねて、それから新たな街を探索するつもりです!」 - 9221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 21:59:34
ハイタッチをしたりハグをしたり、後方格納庫の中でアリスは《この聖杯戦争を通じて見つけた新しい友達》との交流を一頻り済ませると、これからの予定を話していく。ゲヘナに橋頭堡を作る、とまで堅苦しい話ではないが前乗りする以上、少しでも先にできる事をしたい。それがアリスがゲヘナ行きに志願した理由なのだ。ギルド、つまりはリオが話を通した担当者と接触後は午前中いっぱいを使ってゲヘナ市街地を探索。ミノリ達と合流してからは旧記念教会跡地付近まで足を運ぶ、その予定だった。
「アリス1人だとアル達のところまではって思ってました。でもヘルタースケルターさんがいるなら……そのもしよかったら!」
だが予定とは違う人員、それも1機だけでも相当な戦力であるヘルタースケルターが10機もアリスと共にいるのだ。アリス自身、同盟陣営の生徒の中ではアズサと並んで高い戦闘能力を持つのもある。思いがけない増援にアリスの心を映して、浮かれたように言葉がするすると飛び出る。
ヘルタースケルターがこれだけいれば、ミノリとの合流を待たなくても、多少の《無理》が出来るんじゃないか。そんな考えがアリスの中で芽生えていた。ではなぜ、そんなにも焦り急ぐ必要があるか。
「アリスと一緒に先生を……!」
決まっている。モモイの、ヒフミの、ミノリの時間が迫っている。
それなのに《まだ仲間になれていない陣営が四つも残っている》。そして、今朝確認された事だがシャーレの先生まで行方が分からなくなったのだ。幼いアリスからしてみれば、焦るなという方が無理がある。
『モチロン、モチロン』『イッショ、イッショ』『サガソウ、サガソウ』
その気持ちを、ヘルタースケルターは理解していた。目の前の少女の強い焦燥と、健気なほどに誰かを想う気持ちを。それもあってこの場にいるのだから。
「ヘルタースケルターさん……!」
皆まで言うなと告げる鉄の腕にアリスは大きくはないが息が詰まるほどの気持ちを込めて、ヘルタースケルターという名前を呼ぶ。アリスとヘルタースケルター。同じ造られた者同士だからだろうか、とりわけ仲が良い彼女達だからこそ通じ合うものがあった。 - 9231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 22:50:49
『先生、シンパイ』『イッショ、イッショ』『ダイジョウブ、キットミツカル』『ライダー、タチモ』『シラベヨウ、シラベヨウ』『先生ガ、キットナニカノコシテル』
「はい!ありがとうございます!」
一緒にいるよ、大丈夫だよ。なんて事のない言葉だ。だが時にはそういった飾らない言葉が誰かの気持ちを温かくし、冷めてしまった心臓の鼓動に熱を焚べる。昨晩だってそう。アズサから聞いた、誰かを好きだから頑張る、どれだけの困難があってもそれを理由に自分が諦めてやる理由になんかしなくても良い。ありふれた言葉がアリスの心に熱となって注がれて。
『───うん、ヨカっタ』
【Recommend BGM……〈Hello to Halo〉】
「はぇ?良かった、ですか?」
『ウン、ソウダヨー』『ヨカッタ、ヨカッタ』『マカセテ、マカセテ』『ミツケル、ミツケル』『ヨカッタ、ヨカッタ』
ヘルタースケルターは喜んでいた。無邪気に自分達同士でハイタッチし合ったり、怪我をしないようにと気遣ってか慎重にアリスの身体をハグしたり。表情の変化なんて機能はなく、声質以外はどこまでも平坦な発声機能に最大限の気持ちを込めて。 - 9241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 22:59:36
それにアリスは首を傾げる。
「どうしてでしょう?アリスのお願いを聞いてもらったから、ヘルタースケルターさんが喜ぶ事なんてありません」
『ソンナコトナイヨー』『ソウダヨー』『ウレシイ、ウレシイ』
ますますアリスの顔に疑問が浮かぶ。それにヘルタースケルターは鋼鉄の奥から響く電子音を鳴らす。軽やかで涼やかな風鈴の音に似た透き通った音はアリスへと話しかける。
『アノネ、アノネ』『聖杯戦争ハ、タイヘン』『アリスチャン、アリスチャン』『ダカラ、ミンナ』『クルシイ、クルシイ』
今更な事かもしれない。誰もが苦しい思いをしている。ヒフミやモモイ達マスターは心身を削っている。アリス達だってそんな姿を間近に見ている。苦しいのに支え合うのではなく銃と令呪を掲げて殺し合いに臨む者達がまだいる。そしてそれは友達だった。辛い、苦しい。殺し合いという、《死》が希薄なキヴォトスで、戦う事。戦うことを強制されること。息が詰まりそうなぐらい、呼吸をしているのにただ喘ぐような息苦しさだけが肺を満たしていく。
「っ……はい。アリスは、聖杯戦争がイヤです」
少しずつ前に進んでいるようで、ハッピーエンドに向かうと決めて歩いているようで、でもまだ仲間になれていない陣営がいる。《本当だったら友達の筈の相手》を、仲間になれないだなんて考えなくちゃいけない。何より、モモイの時間がもう残っていない。それがアリスには途方もなく怖くて仕方なかった。たとえキャスターやヘルタースケルター達との出会いがあっても、それでも聖杯戦争に対して肯定的な気持ちは抱けない。 - 9251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 23:06:17
『先生モ、レンラクトレナイ』『ダカラ、ミンナ』『フアン、フアン』
「……っ、はい……っ」
アリスにとって出会ってきた全ての人と過ごしてきた時間は宝物だ。幼く、まだ自分という存在を確立していく途中の彼女にとって、先生も含めて多くの《大好き》が大事なもの。だというのに、それが今手からこぼれ落ちてしまいそうになっている。先生に至っては、誰もそれを口にしないようにしているけれど、本音は不安で一杯だ。だって彼は、本当に身体が弱いから。アリス達とは違うから。
「ヘルタースケルターさんも、ですか……?」
『ソウダヨー、フアンダヨー』『イッショ、イッショ』『コマッタネー、コマッタネー』『ドウシヨウ、ドウシヨウ』『私モ、マヨッテルヨー』
「アリスと、一緒です……だから動いて、ちょっとでも早くって。でも、やっぱり不安です」
何で今こんな事を話すのか、アリスには検討もつかない。だけど同時に良い機会でもあり、偶然にも幸いだった。昨晩のアズサとの会話で、少しだけ緩んできていた心の蛇口。もしもあと一日早かったら、きっとアリスは何も言えなかったかもしれない。実際、泣き言を吐いて戦う拒む少女は、同盟陣営には誰もいない。皆が皆、友達の為にできる事に必死になっている。けれど、今のアリスは───。
『だけどね』
きっと他の人間がこの場にいてもそれには気づけないだろう。 - 9261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 23:14:22
『イエナイ、モットモット……ツライカラ』
セイバーであってもバーサーカーであってもきっと無理だろう。だけれどアリスには不思議とその電子音が発した一言が、何故だかとても柔らかく聞こえた。
『ツライコト、クルシイコト』『セイハイセンソウ、イッパイ』『ケド、ケドネ』
辿々しい音声はどこまでもぎこちない。温度なんて感じられない鋼鉄の駆体と無機質な目線からは何も感じ入る物なんてない。録音を再生するようなどこまでも平坦で生身の情動なんてあるはずがない。それがヘルタースケルター、ただキャスターの宝具とスキルによって生まれただけの存在。
『ココロノ、ナカ』『イヤナキモチ』『ズットアルト』『モット、モット』『クルシイ、クルシイ』『カナシイ、カナシイ』
だというのに。
『ダカラ───良いんだよ』
今この瞬間、アリスに伝えるその言葉にだけは確かに友達だと己を呼んでくれる大好きな子を慰める為に。真っ直ぐな想いが込められていた。 - 9271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 23:39:02
『気持ちを言葉に乗せて口にする。それは誰かを笑顔にする形ではないけれど』
それはもしかするとアリスの勘違いなのかもしれない。ヘルタースケルターにそんな機能なんてあるわけない。喋るのだって黙認されているだけで、それ以上なんて出来ない。
『だけど口に出来た人はきっと最後に笑顔になれるから』
けれど今日まで戦ってきて、ヒフミも拒絶反応の症状を発症して、モモイ達がこの場にいなく。アズサと二人きりで昨晩話したから。
そして、《モモイ達が帰ってくるのを待たず連絡もせずに一人でゲヘナへ向かう》今だから。
『聞いてくれた大切な人はきっと貴女を助けてくれるから』
ヘルタースケルターからの贈り物は、この一週間をかけて少しずつ緩んできた心の蛇口のバルブを。
ほんの僅かに、けれど確かに、また緩めていく。
『気持ちを込めて誰かを笑顔にする為に歌うのなら、その反対だってあったっていいんです』
アリスの口がわななく。肩が小さく揺れる。水を蓄えた視線が所在なさげに彷徨う。
「良い、んですか……?」
『イイヨー』『ダイジョウブダヨー』『ドント、コーイ』 - 9281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/25(火) 23:49:36
一段とアリスの声が震えて掠れる。それがそのまま彼女の心に入っていた罅から漏れる物だと気づいているヘルタースケルターは茶目っ気を込めていつものように言う。
「アリスは、アリスは……わた、私……」
言っていいのだろうか、相談して良いのだろうか。ずっと秘めていた不安をちゃんと言葉に出来なかった気持ちを、ヘルタースケルターの言うように口に出して良いのかと。
「でも、でも私は勇者で、モモイはマスターになって、だから……だから」
『……だからって弱音を吐いちゃダメ、なんて事ないですよ?ほら、私達二人ぼっちで今空の上だから。だから』
同じ《だから》が、違う意味で二人の口から流れる。アリスはその心に抱えた重さから滲む物を、もう一人は彼女がこれまで贈られてきたたくさん宝物を。それぞれの《だから》から、響かせて、ぶつかって、反響して、ふっと消えて。
『ありったけの言葉を乗せて空に放っちゃえば良いんです』
アリスに届いた。
「なんで、どうして……?」
震える声が今度こそ濡れる。ずっと、ずっと。あの夜の出会いからずっと続けてきた心の防波堤の増築工事。目を耳も塞いでがむしゃらに続けてきた作業の手が止まってしまう。
『そんなの決まってます。アリスちゃんは私のはじめてのお友達で、だから私は』
ヘルタースケルターは怯える少女に向かって、半歩だけ前に踏み込んだ。大丈夫だよ、良いんだよ、と。軽やかなに心をくすぐる初夏色の風に気持ちを乗せて。
『アリスちゃんにまた笑ってほしいですから!』
その言葉にアリスが。
【dice1d10=4 (4) 】
口を開いて返事をする一音目を奏でるのと、耳に突き刺さるような《48本》の破壊音が機内に鳴り渡ったのは全く同じタイミングだった。
- 9291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 00:31:55
【⬛︎日目午前/回想イベント】
【ミレニアム自治区・ゲーム開発部】
【Recommend BGM……〈Responsibility〉】
『モモイ!キャスター!ウタハ先輩になにをお願いしに行ったんですか!?』
ゆめをみる。
『ふむ、気になるか。なに、大したことではこれ、アリスよ。我のバルブを捻るなといつも言っているであろう』
『にひひ!気になる?アリス……実はね……じゃじゃーん!』
『わぁ!小さいキャスターがいます!キャスター、育て屋で生んできたんですか?』
はじめて、あった日のことです。
『アリスよ、アリスよ。そんなはしたない事を口にしてはならん。淑女たるもの『あーっはっはっは!ほんとだー!キャスターの子どもみたいだよねー!』……モモイよ、大きな口を開いて笑うでない。まったく』
『こやつは我のスキルと宝具を併用する事で作り出す事の出来る使い魔だ。銘をヘルタースケルターと言う』
彼女はきゃすたーよりずっとちいさくて、でもアリスとおなじぐらいおおきくて。
『このミレニアムなる土地で見かけるオートマトンとは違い、自我のような物はプログラミングしていなければ音声機能はあってもほぼ警告音に近い……常の聖杯戦争であればそれで良いがお前達を相手にするとなれば、それもちと不便だ』 - 9301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 00:47:53
『そうそう!だまーってこんな大っきい子がいるのも寂しいしね!だからさ、ウタハ先輩のところに行ってちょっと色々分けて貰ってきたんだ!』
モモイがそれをみせて、うれしそうにうでをくんでおしえてくれて。
『随分と科学技術が進んだ地であった事には驚いたが基本の物理法則にもそれを土台としてきた科学も我の知る物と相違ない。故にだ、少しばかり手を加えてからヘルタースケルターに組み込んだ』
『……ハジメ、マシテ』
はじめてきいたその声は鈴のようにしずかでかわいらしくて。
『モモイ!キャスター!この子喋りました!』
『うむ。多少の受け答えが出来るようインプットしておいた。サンプリングされた音声はなんでもウタハ達にも思い入れがある物らしくてな、大事にするよう念押しされた……アリスよ。叶うならお前も』
『はい!アリスはヘルタースケルターと仲良くします!』
きかいの、ヘルタースケルター。
アリスはなんだかふしぎと、自分と似てる気がして。 - 9311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 01:03:06
【10日目午前/特殊イベント導入】
【ゲヘナ自治区郊外・スラム街】
【Recommend BGM……〈戦火に〉】
炎が弾ける音をアリスは知覚して、目を開いた。
何が起きたのか、何があったのか。何一つ分からないまま衝撃に包まれて、今自分が炎の中を静かに進んでいるのだけは分かった。
「い、た……い……です」
視界と同じように霞むアリスの思考が先程までの情景を思い出そうとする。ヘルタースケルターの言葉に誘われて、一歩踏み出す為の言葉を口にしようとしたその時の事だった。
「ありすは……たしか、ヘリが……へり、に……」
調月リオが改修を指示しエンジニア部一同が組み直した戦闘捜索救難ヘリ。中身は勿論、外装にも時間も手間も金もかけている。そんな装甲の隙間すら縫う事なくただ粘土細工をそうするように、鉄板を押し潰しながら何かがヘリを射抜いた。防弾硝子を叩き割って粉微塵とし、装甲を鋼鉄で貫いて空だというのにピンで留めるようにして、そうしてエンジンルームもティルトローターも何もかも撃ち抜いて。
「ありす、は……それで、そらから……」
思い出す。あの瞬間、アリスが何かを反応するより早くヘリは制御を失って黒い煙を吐き出しながら失墜していった。急速に全身へと襲いかかる強烈なGを感じていたのも束の間の事。アリスは墜落し地面へとぶつからんとする機内から逃げる事も、それを実行する為に思案する事すら許されないまま、地面へと叩きつけられる衝撃を───。
【dice1d3=2 (2) 】
1.荷物は失われた 2.荷物だけでなくスマホも 3.光の剣……
- 9321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 01:11:17
『アリスちゃんッ!手を───ッ!』
「そう、です……アリスは、あの時……っ!」
違う、とアリスは気付く。確かにアリスはあの瞬間、何も出来ぬまま落ちていった。だがその刹那に何者かが自分を守ろうとしてヘリより飛び降りていくのを。そして衝撃の最中に自分を覆うようにして飛びかかった何かの影を見たのを。
思い出したから気づいて、自分を背負って燃え盛る爆心地から遠ざかろうと進む背中を見た。
『……eガ、サmえ、tA……?』『ヨカ、っTア、ヨカッ……a』
「ヘルタースケルターさんっ!?」
覚醒した思考と視界で認識した状況は最悪だった。言うなればスクラップ、そう呼称しても相違はないのかもしれない。打撲と軽いむちうちで全身を痛めたアリスと違い、落下の衝撃を殺す為に蒸気を吹かしつつヘリを支えながら墜落して《既にこの場にいない機体を除いた四機》。アリスを背負う機体すら片腕がひしゃげ、装甲の各所に墜落地点にあったビルの鉄筋やヘリの鋼板が刺さっている。他の三機は直接《矢》が刺さった装甲が抉れて伽藍堂の孔が開いている者もいる。
『ゴメ、n……nエ……ニモ、ツ……ha、ダメ……』
何があったのかは明白だった。午前中だから、昼間だから大丈夫だと。これまでだって何度も空路を使ってきたから大丈夫だと。そう考えてきた同盟陣営にとって最悪の事態。
白昼という時間帯でのアーチャーからの遠距離狙撃であった。
『私モ、イマnォデ……チョット、チョウshィガ……』
見て分かる通り不調だから喋れないのだと、そして通信機材やリオが直筆した書類の入った荷物も全てないのだと。ゲヘナという頼れる人間といなければ、ライダー陣営が拠点を敷く土地でアリスがたった一人になるのだと。
残酷な真実を、ヘルタースケルターは告げた。
「(考えます、考えなきゃ……!まずはアリスが今いる場所、いえ!とにかくリオ先輩やモモイ達と連絡……あった!)」
【dice1d4=4 (4) 】
1.🐯、2.🦇、3.⛑️、4、どこからか腐臭が……
- 9331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 01:47:31
痛む体をおしてスカートのポケットを弄ったアリスの指先に硬い感触が希望を知らせる。奥歯を噛み締めて無理やり肩ごと動かしてポケットから引き抜いた希望は。
「あ、アリスのスマホが……」
画面が砕け電源がついても操作一つ受け付けない状態であった。必死に画面をタップまでしても真っ暗になった画面は何も応えはしない。それに気落ちして次の手を考えようとしたタイミング。
「……ぅ゛」
思わずアリスは口を塞いだ。覚えている、忘れるはずがない。
───くふふ、それじゃあ……遊ぼっか?
かつてそんな呼び声と共に血を啜った影より這い出た存在。機械の裡に肉を植え付けることで増産され続ける悍ましく忌まわしき使い魔。
ヘルタースケルターを貪り嬲って壊した悪夢のような時間。
七日目の夜、ライダー陣営との戦闘で嗅いだ脳に指を突き立てて掻き混ぜるかのような刺激を齎す死の臭気。
腐臭漂うオートマタが近くまで来ていることを知覚した。
「どうしたら、どうしたら……っ!?」
姿はまだ見えない。だが、既にあの腐臭と共に足音までアリス達の知覚が及ぶまでに至る。
爆炎の煙から徐々に逃れたアリス達が今いる場所は廃墟の立ち並んでいる。当然土地勘はなく、どこに逃げるか以前に、どこから敵が近づいているかすら分からない。
『っ……Se……ごめ、……マスター、私……!』
ましてや今は午前中。暗闇に乗じて逃げるなんて事は不可能なだけではない。遮二無二に逃げれば、この時間帯であれば人のいる場所に出る確率だってある。更に現在のゲヘナは昨晩の戦闘によってピリついているのだ。そんなゲヘナで正面から戦闘行為をする、なんて事をしてしまえばどんなトラブルに発展するかも定かではない。少なくともアリスにとって良い結果を生むはずはなく。
「どうしたら……ッ!」
【dice1d180=27 (27) 】
【Sprtcs Point:dice1d60=28 (28) 】
【MNR Boost:dice1d30=23 (23) 】
- 9341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 02:09:42
「……こっち、急いでッ」
炎と喧騒、そして腐臭。混濁する空気に包まれて暗澹とするアリス達の思考を静かな声が切り裂く。
「え……?」
「いいから早く。あいつらに見つかったら大変だよ」
建物の影。一際臭気の少ない風が流れるその先から聞き覚えのある声がした。
「来ないなら別に良い。あいつらを相手にするなら、もう私は助けられない。けど今ならまだ間に合う」
「間に合う……っ!ヘルタースケルターさんっ」
迷っている暇はなかった。こうしている間に益々と腐臭は強くなり呼吸する事すら辛くなり始めてきた。だからアリスとヘルタースケルターは、声の主がいる建物へと駆け込んだ。
「……ここなら多分バレない。あいつらの巡回が終わったら移動しよう。地図はこれ、万が一私と逸れたらこのポイントを通ればゲヘナの中心市街地でも風紀委員の詰所でも、なんなら私との合流場所にも行けるから」
「ありがとうございます、えっと……」
アリスが駆け込んだ建物の階段前で待っていた声の主は、フードを被ったままアリス達を二階へと案内した。その後、逃走のルートまで丁寧に説明までし始める。 - 9351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 02:12:02
- 9361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 02:24:46
というところで今日の投下はおしまいだし特殊イベント導入もおしまいじゃんね☆明日?今日からモモイちゃん達の話を進めてくじゃんね☆
ひっでー🎲目だと思ったらとんでもない事になったけど、まあこういうのも醍醐味じゃんね☆
しっかしエミュがどえらい難しい子じゃんね……
とりあえず今日は21:00からスタート!また良かったら遊びに来てやってくださいな!
ではでは遅い時間まで読んでくださってありがとうございました!色々怪しくなって来てるけど……まあなんとかなるじゃんね☆
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
自分(先生)を守る事を条件に命を差し出す
自分(先生)を守る事を条件に他の人間に命を賭けさせる
そこまでして必死にハッピーエンドの道を模索し続ける
スリーアウトでゲームセットじゃんね☆
ただ戦うのとは違う、ルールの穴をつく事が契約を交わした両者には絶対に出来なくて、しかも契約内容自体が違反したかどうかをジャッジしてくるようなので、更にちょっとでも違反したと判断されたら確実に死ぬ。
そんな契約を子ども、それも教え子にさせてしまったら。
しかもその意図がどうであろうと契約内容が『自分を守る』事だと知った先生は……まあ多分どんな形であれ責任取ると思うじゃんね☆
- 937二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 08:23:54
お疲れ様です
- 938二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 11:38:57
ここでカヨコとアリスが一緒に行動することになるとは
色々気になるところではある - 939二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 12:13:28
これは午後の行動決めは重要になりそうだな
アリスを乗せたヘリが撃墜されたとなったらアリス救出に行かなきゃまずいし
ただリスク回避の観点から考えると全員で行くのはちょっと良くない気もする
ゲヘナで全滅するなんて可能性もあるから - 940二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:20:37
現状聖杯大戦ルートや先生が全てを解決するバッドエンドの可能性はどれぐらいあるんだろうな
- 9411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/26(水) 13:47:49
- 942二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 14:06:56
先生に頼る選択肢を完全に消した上で相応の利益を得られるのなら自己強制証明も選択肢に入って来るのかな?
黒服がどれだけ先生が確実に介入しなくなることに価値を感じてるかが重要になるだろうけど
ただ仮に契約を結んだ上で完全に詰んだ場合はどういう感じになるんだろう
大戦√が確定することになるのかな? - 943二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 14:17:01
いったいゲヘナで何が起こってるのか
まさかヒナが行方不明になったことでヘリを墜落させられる勢力が聖杯戦争関係なしにあちこちで暴れ回ってるような無法地帯になってることはないと思いたいが
ただそこまではいかなかったとしても元々治安が悪い地域な上ヒナ不在という状況だから普段より治安が良くない可能性は高いだろうけど
少なくとも移動中に戦闘するリスクは結構ありそう