豊川祥子「どうすれば良いんですの…」

1二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 20:14:14

祐天寺の本拠地、マリンメッセ福岡で迎えたツアー初日
開幕5分で解散発表、そのまま閉幕の惨劇だった
アリーナに響くファンのため息、どこからか聞こえる「☆@%↑$クソが死.ね！」の声
無言で帰り始めるメンバー達の中、ムジカを立ち上げた豊川は独り控室で泣いていた
CRYCHICで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる運命共同体
それを今のムジカで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすればいいんですの…」豊川は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、豊川ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい袖の感覚が現実に引き戻した
「帰ってクソ親父の世話をしなくては…」豊川は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、豊川はふと気付いた

「あれ…？お客様がいない…？」
控室から飛び出した豊川が目にしたのは、こぢんまりとしたライブハウスのステージだった
観客は2人しかおらず、しんとしていた
どういうことか分からずに呆然とする豊川の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「祥、出番、行くよ」声の方に振り返った豊川は目を疑った｢む…睦？」
「大丈夫、緊張してない？」「そ…そよさん？」
「祥子、何ボーっとしてんの？」「立希さん…」
「祥ちゃん…！」「燈…」　
豊川は半分パニックになりながら楽譜を見つめた
Vo.高松燈 Gt.若葉睦 Ba.長崎そよ Dr.椎名立希 Key.豊川祥子
暫時、唖然としていた豊川だったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「CRYCHICの…私達の音を楽しみましょう」
千早からギターを受け取り、春日影を弾き始める若葉、その目に写る涙は悔しさとは無縁のものだった…

翌週、睦の心中で冷たくなっているモーティスが発見され、吉村と村田は荼毘に付したよ…