- 11◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:06:12
(※急いで思い付きで書いたのでクオリティはご容赦ください。)
「"奇跡"が起きない限りは…」
「………」
ベッドに乗り、ぼんやり外を見つめる彼女を他所に医者の宣告を聞く。
「皮肉、ですかね」
「………」
俺の自分勝手な愚痴にも苦しそうな顔をする先生。
当たっても仕方ないのはわかってる。
―――
『トレーナー』
『ん…?』
『3年と言わずに、これからも宜しくね』
満点の星空の下、優しく手を握ってくる彼女に胸が高鳴る。
『私、"フジキセキ"を――― んっ…』
『ん…』
『ふ……っ』
『……っ、ん』
少し冷えていたはずの夜は次第に暖まる。
『ぷは。 …ふふ』
『これからも君を離さない。俺は出会った時からそのつもりだったよ』
『うれしいけど…張り切りすぎ注意、だよ?』
俺の鼻先をつん、とつつくそのしなやかな指。
そして、密着したお互いのあの匂い。 - 21◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:07:16
『この星空の下で君を忘れない。』
『この星空の下で貴方を忘れない。』
―――
「フジキセキさん」
「? ああ、"○○さん"!」
「…」
ずきん、痛む胸は変わらない彼女の笑顔をまともに見れなくして。
「いつもお見舞いに来てくれてありがとう。私…その…」
「ああ。"トレーナーとして"君のすべてを取り戻せるよう、努力するよ」
「 …そうだね」
彼女の笑みが切なげに歪む。
「……じゃあ、また」
「はい。お気を付けて」
それからも俺は、時間があれば彼女の病室を訪れていた。
来るだけでは何も変わらないとわかっていたのに。
―――
あくる日、すっかり遅くなった俺は病院に駆け付けた。
だが当然面会・消灯の時間は過ぎている。
「…そりゃそうか」
たまにやっちまうんだよな…そう一人ごちる俺に、一つの人影。 - 31◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:07:50
「オイ。」
「…?」
この子は…ジャングルポケット。キセキの後輩―――
「…フジさんに、会ってくれよ」
「?」
「いいから今すぐ会えって言ってんだよ!」
「ちょ、待っ」
胸倉を掴まれる。
彼女に連れられて、もはや灯りは消えた病院の階段を駆け上がる。
「っ、はぁ、はぁ… フジさんが、会いてえってよ」
「え…」
「オレが言いたいのはそんだけだ。…じゃあな」
「あ……ああ」
…いいのだろうか。こんな夜中に…?
でも待っているって、彼女は。…俺は…
『「"取説やその場の空気は読んだら負け"ですよ」』
「……?」
まるでコーヒーのような暗闇から聞こえた艶やかな低い声。
だけど、脳に染み渡るようにすっと入ってきた。
とん、とん、とん。
ノックをみっつ。
「…キセキ。 フジキセキ、起きてるかい?」 - 41◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:08:28
―――
「どうぞ」
「…失礼します」
再び訪れた病室。
フジキセキは起きていた、変わらぬ笑顔で。
「あれ?○○さん… こんな夜中にどうしたの?」
「…えっと…」
俺は… 会いたかった。けど、どうしてって…それは…
「あ、あの」
「…?」
俺は 俺は? なにができて…
「…思い出すなあ」
「ん?」
雲一つない、きらめく夜空を指さして彼女は言った。
「誰かと誓ったんだ 『これからも宜しくね』って。」
「―――っ!!」
俺は何ができるかわからない。だけど彼女の手を取って言った。
「…? ○○さん?」
「…俺と一緒に、星を見てくれませんか」 - 51◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:08:58
―――
見上げた空にいくつ、星があるんだろう。
二人でも数えきれないけど…
「…きれい、だね。○○さん」
「うん…」
あの時のように星空は澄んで輝いていた。
「フジキセキ、さん」
「…なんだい?」
「俺なんかじゃ力になれないかもしれないけど」
「うん…」
「この夜空に誓う。俺は…」
-ザザッ
『これからも君を離さない。俺は出会った時からそのつもりだったよ』
『うれしいけど…張り切りすぎ注意、だよ?』
-ザザッ
「ッ!!」
「…フジキセキ?」
目を見開いて俯く彼女の肩を、そっと抱く。
彼女は… - 61◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:09:37
「……○"○"…っ
張り切りすぎ注意、だよ…?ふふ」
「―――――っ…!!!」
思い出してくれたんだ。俺のこと。
勢いに任せて俺は肩を震わせる彼女を強く抱きしめた。
「○○…ッ…私…私。なんで…こんな大事なこと…」
普段のクールな彼女からはとても見られない、悔しくて苦しそうな顔。
数えきれない思いが多くてムシャクシャするんだろう。
「ごめ、んなさい… ごめんなさい…!!!」
「フジキセキ」
ボロボロと涙を零して謝る彼女を優しく撫でる。
もう誰も、彼女を一人にはさせない。
「○○……」
「……キセキ。」
大きく息を吸って俺は言った。
「俺は、これからも君を離さない。君と切り拓く未来…見てみたいんだ」
「…ぅう"うぅう"~~~っ"っ…!!」
どんなに忘れたって、一緒に星を見よう。お互いを抱きしめよう。
宇宙の闇さえ消して君を探し出すから。 - 71◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:10:16
【ΩND】
……大丈夫かこれ?
クオリティガッタガタだけど… - 81◆IgydwJjnlQ25/02/24(月) 00:11:35
- 9二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:18:25
乙
なんで記憶喪失になったのかが欲しかったな……… - 10二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:24:50
匂いより星空で思い出すのは
ロマンチックだけど、うん まあ…良し - 11二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:27:26
キュウ〇ンジャー?