うう……こんな時間なのに空腹で目が覚めた……

  • 1二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:10:19

    そうだ!
    フィッシュアンドチップスとがっつりしたデザートをつくろう!

  • 2二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:11:57

    飯テロスレ開いて後悔したのに吸い寄せられるように開いちまった…おわりだ…

  • 3二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:12:34

    スターゲイジーパイ!!!ウナギゼリー!!!

  • 4二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:13:29

    でもさすがに揚げ物は乙女の大敵だし、罪悪感を1/2にしたいな。
    夜の厨房は寒くて怖いし。

    うーんうーん……。

    そうだ!!

    タッタッタッ――

  • 5二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:14:02

    >>2

    半SSスレだから完成は相当先になるよ!

    寝ちまいな!!

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:14:42

    ――屋根裏部屋前

    トリモブ「二日連続だけど、今日はお休みだったし大丈夫だよね! さーて、ミカさ――」ガバッ

    トリモブ「!?」バタバタ

    トリモブ「――――!!!」バタンバタン

    ???「静かにしたまえ。別に取って食おうってわけではないさ」ヒソヒソ

    トリモブ「――」シュン

    ???「ここは音が響く。移動しよう」クイッ

    トリモブ「」コクコク

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:16:19

    >>5

    うん!!寝る!!明日どうなったか見にくるから覚悟しといてね(?)!

  • 8二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:17:40

    うーん流石推定わんぱくFOX…

  • 9二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:19:57

    ――厨房前
     
    ???「さて、この辺りでいいだろう。それにここは、キミの目指した場所でもあるはずだ」

    トリモブ「」ポカーン

    ???「ああ、いきなり体に触ってしまって失礼した。それに、挨拶もまだだった」

    トリモブ「あ、あなたは……」

    セイア「はじめまして。私は百合園セイア。昨夜はミカが。そしておとといの夜はナギサが世話になったようだね」

    トリモブ「セイア様! もちろん存じ上げておりますとも!」

    セイア「そうかい? まあ、二人を誘っているんだから当たり前か。申し訳ないが今晩はミカを寝かせてやって欲しい。目の下にクマを作っていて、あくびも止まらなんだ」

    トリモブ「あぅ……。私が今朝がたまで引っ張りまわした挙句、大聖堂にカチコミなんかかけたから……。すみません」

    セイア「話は聞いているよ。それはもう、うるさいほどに」

    トリモブ「そうなんですか?」

  • 10二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:20:14

    ナギサ様巻き込んでアップルパイ作ってたトリモブ?
    ジェムソン美味しいよね。

  • 11二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:22:09

    セイア「我々三人は午後4時のお茶の時間を絶対としている。その時に情報交換ないし、様々なことを語り合うんだ。ふふ。ミカのやつ、昨晩の出来事が大層うれしかったのだろう。ずっとだ。ずっと、昨晩のシチューの話をしていた」

    トリモブ「本当ですか! 嫌がっていませんでしたか!?」

    セイア「とんでもない。一般生徒とつながりの薄い私たちだが、それに加えてミカはいろいろあった。そんな中で、深夜の君の襲来だ。一緒に料理する友だちが出来たとはしゃぎまわっていたよ。ナギサも、キミを我々のお茶会に招待しようと乗り気でね。私としては、これからもよろしくしてやってくれという気持ちで、いっぱいだ」

    トリモブ「よかったぁ。嫌われたらどうしようかと!」ホッ

    セイア「ただ、体の方が気持ちについていかないことはあるだろう? 睡眠不足は、美容にも気を遣っているミカのためにならない。だから、今晩は勘弁してやってくれないか」

    トリモブ「はい! わかりました! うー、でもナギサ様はせっかくだからロールケーキといっしょにお会いしたいし……。あ! そうだ! 今朝土下座したサクラコ様でも誘ってみようかな!」

    セイア「……まさかその土下座とやらは、ミカもしたのかい?」

    トリモブ「はい! めっちゃお歌上手でしたよ、ミカ様!」

    セイア「……はぁ。一応、我々にも体裁と言うものがあるのだがね」ヤレヤレ

    トリモブ「それではさっそくシスターフッドの寮へ……。すみません、止めていただいてありがとうございました! おやすみなさい、セイア様!」

    セイア「――ちょっと待ちたまえ」

  • 12二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:23:18

    >>10

    そのトリモブです!

    アイリッシュウイスキーいいですよね!

    わたしお酒飲めませんけど!!

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:25:14

    トリモブ「?」

    セイア「君はナギサとミカを誘ったのだろう?」

    トリモブ「はい!」

    セイア「それでなぜ、次はサクラコなんだ」

    トリモブ「今朝お会いしたので! ごめんなさいの気持ちをお料理で返そうかなって!」

    セイア「いいや、違うだろう。世の中には順番がある。パン種といっしょだ。生地を寝かさなければイースト菌の発酵が進まず、膨らまないぺったりしたパンになってしまう。そんなパンは、美味しくないだろう?」

    トリモブ「あ、それ重曹ぶっこめばすぐ膨らみますよ! 昨晩、ミカ様と一緒に作ったソーダブレッドみたいに!」

    セイア「……そういうことではないんだ。1の次は2、2の次は3、というようにだね……」

    トリモブ「うー、寒い! セイア様、お体に障るので早くお部屋にお戻りください! お説教はぽかぽかのお昼にうとうとしながら聴きまーす!!」

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:27:49

    セイア「だから待ちたまえ! ――ああもう、私が付き合うと言っているんだ!」

    トリモブ「ええっ!?」

    セイア「というか、二人が誘われていたと話を聞いた時点で次は私だと思っていた! だから夕食を抜いたんだ! なんでナギサ、ミカの次がサクラコなんだ! いいじゃないか私で!」

    トリモブ「だってー……セイア様、お体が弱いって聞いてますし。自分でやっといてなんですが、深夜に料理って結構きついので」

    セイア「ああ! ああ! 知っているとも。だからたっぷり寝溜めしてきたさ! ありがたいことに周りが気を遣ってくれるから、日中に休憩を取りやすい立場でね! 近ごろは能力も薄まり、体調もすこぶる良い。だから平気さ」
     
    トリモブ「えー……。さすがに倒れられたら、困――」

    セイア「大丈夫だと! 言っているじゃないか! 私だけ仲間はずれはもう嫌なんだ! さあ、厨房に入るぞ! 今日は何を作るんだ! さあ!」ガラララッ グイッ

    トリモブ「わっと! もう、わかりましたよ! もし体調悪くなったらすぐ教えてくださいよ!」

    セイア「任せるといい! ――人に頼るのは得意なんだ」

  • 15二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:35:33

    セイア「それで……何を作るんだい?」ヒーターツケー

    トリモブ「今日はフィッシュアンドチップスを作ろうかと思います!」

    セイア「以外とオーソドックスなところで来たね。それにしても、この深夜に揚げ物とは。ずいぶんとわんぱくなようだ」

    トリモブ「あと、デザートにブレッドバタープディングを作ります!」

    セイア「……それは聞いたことがないな」

    トリモブ「私も作ったことないです!」

    セイア「ほう。キミの処女作というわけか。ふふふ。それはある意味、貴重な経験をさせてもらえそうだ」

    トリモブ「ではまず、焼きに時間が掛かるデザートから取り掛かりましょう! 材料はぁぁぁあ、こちら!! です!」

  • 16二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:44:34

    微妙に一般的なレシピとは材料が違うのか?

  • 17二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:48:28

    セイア「シナモンとナツメグのパウダーに、卵、食パン……それとこれは」クンクン

    セイア「ミルクか」

    トリモブ「ですです! ではすみませんがセイア様、オーブンを180度に予熱していただけますでしょうか!」

    セイア「任せてくれ。ナギサの横でお菓子作りは見ていたからな。そのぐらい……」

    トリモブ「まずミルクを軽く温めたら、シナモンとナツメグをちょっとずつ、同量を振りかけて……はちみつ入れて……」

    セイア「えーっと……うん?」

    トリモブ「食パンは大体……4分割ぐらいでいいのかなー。これ、その辺詳しく書いてないなあ……」

    セイア「あの……すまない」

    トリモブ「? どうしましたかー?」

    セイア「その……どうもいつもナギサが使っているものとは型番が違うようで……操作方法がわからないんだ」

    トリモブ「あー。あるあるですよね! わたしもよそのキッチン使えないですもん! これはですねー」イジイジ

    セイア「ふむふむ……」

  • 18二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:50:21

    メシテロ待機
    ついでに過去スレ貼ってくれると助かる

  • 19二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:56:27

    セイア「よし、わかった! いつでも予熱を頼んでくれ!」

    トリモブ「あ、予熱中は触んないでくださいねー? 今日はもうオーブンそれだけです!」

    セイア「そ、そうか。ふむ。だが、これからここでの料理は任せてもらっても大丈夫だ。覚えたからね」

    トリモブ「そしたら型に食パンをぶっこんで……んー……上手に入らない……。いいのかなこれで」

    セイア「次は何をすればいい?」ワクワク

    トリモブ「そしたら卵を溶いていただけますか!」

    セイア「よしきた! 任せろ。私だって卵ぐらい割れるんだからな」ウデマクリー

    トリモブ「ミカ様は玉ねぎ爆散させてましたよ! あと生キャベツも!」

    セイア「あれと一緒にしないでくれ。彼女はトリニティの英雄だぞ。たった一人で敵の大軍を押しとどめられるような、ね。ほら、どうだ。割れたぞ!」パカッ

    トリモブ「マジっすか! そんな人に私はキャベツ割ってもらったんですか! やべえ!」

    セイア「卵も上手に割れただろう!」

    トリモブ「しかも一緒にお歌まで!」アワワワワワ

    セイア「見てくれ! ほら!」

  • 20二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 03:58:38
  • 21二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:01:44

    セイア「まったく……。で、これを溶けばいいんだな?」チャカチャカ

    トリモブ「はい! お願いします! えーっと……あ、これ耳落とさなきゃだめっぽいな……」

    セイア「ある程度溶けたよ。」チャカチャカ シロミダマー

    トリモブ「もっとです! 白身がつまめなくなるまで!」

    セイア「むぅ。腕が疲れるな……」チャカチャカ

  • 22二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:07:25

    セイア「どうだ!」フゥ フゥ

    トリモブ「完璧です! そしたら卵液と先ほどのミルクを合わせて……」トプトプ

    セイア「スパイスのいい香りがするね。そのまま飲んでも美味しいんだろうか」

    トリモブ「卵液混ぜる前だったら、ホットミルクですからね! 特に冬なんかは寝る前に、シナモンスティック刺したホットミルクなんて、おしゃれですよね!」

    セイア「ああ、いいな……。明日、試してみよう。いつもはナギサの紅茶で一日を終えているからね」

    トリモブ「うわ、めっちゃ贅沢! うらやま!」

    セイア「だろう? とは言っても、一日中飲んでいるから、夜によく起きるはめになるけれど」

    トリモブ「つまり、セイア様のお部屋のトイレの水を飲めば、間接的にナギサ様の紅茶を飲める……?」

    セイア「許容範囲を超えているぞ。気持ちが悪い」

  • 23二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:13:51

    トリモブ「そしたら卵液を、さっきのカップに流しいれて……パンにたっぷりと吸わせる、と」

    セイア「――ふと思ったんだがね。これはつまり……」

    トリモブ「ええ……おそらく私も同じことを思いました。これは……」

    セイア・トリモブ「フレンチトーストだ!!」

    トリモブ「ええっ。なんでぇ!! 確かに材料の時点でそんな気はしてたけどぉ!」

    セイア「だが、オーブンで焼くのだろう? また違ったものになるかもしれない。ものは試しだ、やってみよう」

    トリモブ「だったら最初に卵液に漬けたほうが絶対美味しく出来るのにぃ。でー? えーっと……バターを一欠け上に乗せて……オーブンに入れる! ブン! 30分!」

    チーン

    セイア「お。ちょうど予熱も終わったようだよ」

    トリモブ「ナイスタイミンッ」

  • 24二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:31:54

    トリモブ「ではオーブンはこのまま放置としまして! メインディッシュのぉぉぉおお! フィッシュアンドチップスにとりかかります!」

    セイア「食堂の定番メニューか。私たちはあまり行かないから、逆に新鮮だよ」

    トリモブ「そーなんですか? 昨日ミカ様とお話してたら、ほぼ毎日食堂に行っているみたいな話ぶりでしたけど!」

    セイア「……まあ、それはミカの決めたことだからね。あんまり気にされすぎるとこちらもやりきれないと言っているのに……」

    トリモブ「?」

    セイア「そうだ。キミはミカと随分おしゃべりをしたのだろう? 何か不都合があるようなこと、言ってなかったか?」

    トリモブ「??」

    セイア「あの子も大概気にしいでね……。仕方のない部分はあるとはいえ、心苦しくはあるんだ。だから、出来ることだけを、こっそりとしてやりたいんだよ」

    トリモブ「あー! ミカ様の部屋めっっっっちゃ寒いですもんね!」

    セイア「やっぱりね。私たちには暖房の熱が上がって来て暑いぐらいとは言っていたんだよ、ミカは。電気毛布ぐらい差し入れるとしよう。他には?」ハァ

    トリモブ「ごはん美味しくないって言ってました! 塩いっぱい入れられたり、砂入れら――」

    セイア「……ほう?」ピクッ

    トリモブ「――」ヤベッ

    セイア「初耳だね。ほうほう。なるほど。ティータイムにばくばくとケーキやパンなどをむさぼるように食べるようになったのは、そういうことか」

    トリモブ「えーっとえーっと……では! えっと! ジャガイモです!」

  • 25二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:45:49

    このレスは削除されています

  • 26二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:46:58

    トリモブ「これをデスネ! 細ーく薄ーくスライスしてくれるスライサーでサッサッサーと!」シャッシャ

    セイア「他には?」

    トリモブ「あとで水を切るので、こんな感じの水切りバケツの中に貯めて行きましてー!!」アセアセ

    セイア「ある程度想像はできていたことさ。食堂は明日すぐに対応しよう。で、他には?」ジー

    トリモブ「あぅあぅ……」シャッシャ アセアセ

    セイア「君はあまり政治を気にしない性質であるのはわかるがね……。それでも、権力というものはあるのだよ」

    トリモブ「」アワアワ シャッシャ

    シャッシ――ザク

    トリモブ「――あ」ジクジク ダラー

    セイア「!!」

    トリモブ「あらまあ。切っちゃった。ばんそーこーばんそーこー……」

    セイア「――すまない! 今すぐ救護騎士団を呼んでくる!」ダッ

    トリモブ「え? こんなのばんそーこー付けて手袋しときゃ治……行っちゃった。セイア様って走れるんだ」ダラダラ

  • 27二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:51:06

    トリモブ「うぅ……誰かいて欲しいから人誘ってるのにぃ……」

    ヒュー パキン

    トリモブ「ひぃっ!」

    トリモブ「気のせい気のせい……」

    トリモブ「――よし! 料理は楽しく! にぎやかに! 魚を捌きましょう!」

    トリモブ「食堂で出されるのはいつもタラですが! 正直私、タラが好きじゃありません! なので、今回はぁぁぁああ!」

    トリモブ「アジです! アジを使います!」

  • 28二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 04:53:43

    トリモブ「アジは好きです! この世の魚すべてがアジとサバになればいいと、いつも主にお祈りしています!」

    シーン

    トリモブ「……」

    トリモブ「ゼイゴです! アジ科の魚にはゼイゴという、しっぽ付近に鋭い鱗なのか骨なのかよくわかんない部分があるます! なので、これを包丁を寝かせて、ぞりぞりと! 削り取ります!」

  • 29二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:01:51

    基本白身魚つかうみたいだけど赤身魚でもいいのか 
    怖さをごまかすために一人でにぎやかにしてるトリモブちゃんかわいい

  • 30二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:08:40

    トリモブ「そーしてー! 頭を! 落とします!」ザクリ

    シーン

    トリモブ「」ブルルッ

    トリモブ「な、なんか楽しい歌を! にぎやかなやつを!」スマホポチポチ

    There was three men come out o' the west their fortunes for to try♪

    トリモブ「麦を称えよ! 麦がなければ我らは仕事ができないぞー!」

    トリモブ「そしたらお腹割いて! 内臓出して! 二枚に下ろします!」ゾリゾリ

  • 31二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:15:29

    トリモブ「二枚じゃないもん! 三枚ね! わたしは二枚目だけどね!」

    シーン

    And little Sir John and the nut-brown bowl, And he's brandy in the glass♪

    トリモブ「死なないでバーリーコーン! あなたは強い子よ!」

    トリモブ「私とセイア様! 二人分で二匹! ちっちゃいアジだけど夜食にはちょうどいいでしょ! セイア様ちっちゃいし!」

    トリモブ「キッチンペーパーの上に置いて、よーく水気を切っておきましょうね!」

  • 32二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:19:25

    トリモブ「そしたらー、そしたらー!」

    ヒュー バリンッ

    トリモブ「ひぃっ!」

    トリモブ「気のせい! 怖くない!」

    トリモブ「そしたら、そしたら……! 今日の目玉! 一番手のかかることをやっていきましょ――」

    バリィィィイン

    トリモブ「ひぃぃぃぃいい!!!」

    ミネ「指を切断した生徒がいるのはこの厨房ですか! 救護騎士団蒼森ミネ、救護のためなら自身の指など差し出しましょう!」

    トリモブ「ぎゃあああああっっ!! 救護騎士団だぁぁぁああああああ!!」

  • 33二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:29:53

    ミネ「大事がなくてよかったです! しかしこんな深夜に厨房を使うのは危険なので、これからはお控え下さい。では!」

    バリィィイイン

    トリモブ「……」ドラエモン ノ テ

    セイア「……なんというか、すまない。当直がミネだったんだ。セリナかハナエだったらよかったんだけどね……」

    トリモブ「いえ……。お心遣い感謝します……」

    セイア「しかしその手では……」

    トリモブ「料理、できないです」クスン

    セイア「わたしのせいだ。本当に申し訳ない……」

    トリモブ「あのぐらいの怪我は調理中ならたまにありますから……。ばんそーこー貼って手袋しとけば、調理に差し支えはありませんよ」ニコッ

    セイア「少々、冷静を欠いていた。わが友がひどい環境に生きているのは知っているとしても、実際聞くとどうもね……」

    トリモブ「ミカ様は幸せですね!」

    セイア「そう言ってもらえると、こちらとしても心が晴れるようだよ。さあ。お詫びだ。これから先の調理はすべて私がやろう。どんどん申し付けてくれ。無礼講だ」

    トリモブ「では、そこの引き出しからタコ糸を取り出してください、セイア様! ちょうど一番めんど――手のかかる場面に差し掛かったところです!」

    セイア「タコ糸タコ糸……。用意してあるのはジャガイモだろう? 何に使うんだい? って、いま絶対面倒だって言いかけただろう!」

  • 34二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:32:35

    民謡歌う子って珍しいな トリニティだと讃美歌を歌う子が多そうだからなおさら思う 家族がよく歌ってたのかな  3バーリーコーン=1インチとか長さの単位のもとになってて大麦って向こうの文化に密接に関わってるとわかって面白い

  • 35二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:34:13

    トリモブ「だいたい手のひら分の長さにタコ糸をカットしていただいてですね……。この量なら15本ぐらいかなー?」

    セイア「わたしの手は、一般的な大きさよりもだいぶ小さいと言う自負がある。少し長めにとろうか」チョキチョキ

    トリモブ「大丈夫じゃないですか? そんなに長いと後がさらに面倒になると思います! そしたら、一本こう、まな板に伸ばしておいてもらって……」

    セイア「置いたよ」

    トリモブ「で、こう、細切りのジャガイモをですね、うまいことこう、置いて……」ミブリテブリー

    セイア「ん……こんな感じかい?」

  • 36二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:36:09

    >>34

    しかもこの曲は異教徒の曲扱いされることもあるという……

    ふふふ。

    まあヨーロッパの田舎側の民謡って大体そんな感じですが……

  • 37二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:41:09

    トリモブ「で、糸を縛る! のです!」

    セイア「ん……しょ。こんな感じかな。これは……難しいね。大きさが揃っていればいいけど、まちまちだとばらけてしまう」キュッ

    トリモブ「めっちゃ上手じゃないですか!」

    セイア「そ、そうかい? いや、料理はしたことがなくとも、手先は器用な方だからね」テレテレ

    トリモブ「じゃああと14回!」

    セイア「……ああ。15本切ったからね」

    トリモブ「はい! 15本分、その束を作ります!」

    セイア「これは……。夜が明けそうだ。なんの誇張もなく、ね」

  • 38二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:47:33

    セイア「で、できたよ……」ゲッソリ

    トリモブ「うわあ! すごい! すごい! 完璧です!」

    セイア「私も、食べることは少なくともフィッシュアンドチップスという料理は知っているつもりさ。だが、このやり方は見たことがないね」

    トリモブ「そりゃそうです! 思いつきですからね!」

    セイア「……得てして偉大な発明というものは風呂場で生まれる、というやつかな」

    トリモブ「私はトライ&エラーの世界に生きてます!」

    セイア「ふふ。だろうね。私たちはまだ若い。失敗しても、それは失敗と呼べるようなひどいことにはならない。……どこかの誰かさんに言い聞かせたいよ、まったく」

    トリモブ「ほら、見てくださいよセイア様!」

    セイア「?」

    トリモブ「積んでみるとほらほら! まるで麦束みたいでしょう!?」

    セイア「――ああ、料理って楽しいね。なるほど。確かにそう見える、かもしれない」

    トリモブ「フィッシュアンドチップスの麦束風! 私がやってみたかったのは、まさにこういうことです!」

  • 39二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:51:41

    ちょっといったん休憩します!
    SSスレなのか料理スレなのかはっきりしねえ!

  • 40二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 05:53:59

    一旦乙です

  • 41二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 06:07:16

    楽しそうなトリモブちゃんと茶会の面々(&団長)のひと時で心が癒されていくよ
    過去スレも拝見させて頂く

  • 42二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:32:43

    トリモブ「ではでは! さあさあ油を熱していきますよー!」チッチッチッチ ボゥッ

    セイア「キミは私に命令してくれればいい。ここから先の作業は私がやると言っただろう?」

    トリモブ「そんな! 命令なんて!」

    セイア「こんな機会は滅多にあるものじゃない。言葉の上だけの無礼講とは違う。本当の意味での無礼講さ。ほら、次は私になにをさせるのかな?」ニヤニヤ

    トリモブ「うー、うー……。えっとー……じゃあ! 油があっつくなるまで肩揉んでください!」

    セイア「……そうきたか。いいだろう。さあ、そこの椅子に腰を掛けてくれたまえ。そのままでは私の手が届かなくてね」

    トリモブ「ま、マジっすか!! やべえ!」スワリー

    セイア「ちゃっかり座ってしまうあたり、なかなか愉快だね。キミは」フフッ モミモミ

    トリモブ「うおー!!」

  • 43二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:46:32

    トリモブ「あっあっあっあっ……。き、きもち……(よくはないなぁ。力弱いし)」

    セイア「んっ。んっ。どうっ、だっ。これっ、でもっ、尽っ、くすっ、タイプっ、なんだっ、ぞっ!」グイグイ

    トリモブ「でも一生懸命体重かけてくれてるのかわいい!」

    セイア「はあっ?」ンションショ

    トリモブ「(声出てたー!!)」

    トリモブ「あっあっ、ありがとうございます! えっと、もう大丈夫です次はバッター液を作ってもらってもいいですか!」

    セイア「はぁはぁ……。なかなかに体力仕事だな……人の肩を揉むというのは。バッター液を作るのはかまわないが、作り方を教えて欲しい。その、揚げ物を揚げるのは初めてなんだ」

    トリモブ「了解です! まずはおっきめのボウルに小麦粉をー……そこのおっきなスプーン三杯分です! 山盛りてんこ盛りで!」

    セイア「こんなものか?」ドッパドッパ

    トリモブ「そしたら――」

    セイア「液と言うぐらいだから水だろうか」ジャー

    トリモブ「スタァァァァァァァアアップ!!」

    セイア「!!」耳ピーン

    セイア「おい大声はよしてくれ! 私は人より耳が良いんだ!」ミミタオシ

  • 44二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:51:58

    トリモブ「すみません! ですが使うのはお水じゃないです! いや、普通はお水なんですが、今日は違います!」

    セイア「そうなのかい?」キュ

    トリモブ「はい……。ふふふ……。秘密兵器の登場です! セイア様、そこの冷凍庫の扉の、右奥のビニール袋を取ってください!」

    セイア「いいだろう。……む、届かないな。椅子を取って――いや、いい。自分で取りに行く。よいしょっと」イスノリー

    トリモブ「(冷凍庫に頭突っ込んでもぞもぞするセイア様が可愛すぎてどうしよう)」

    セイア「これか? 缶のようだが」

    トリモブ「ぐへへ……。さあ、開けてみてください!」

    セイア「こ、これは……おまっ、これはさすがに見過ごせないぞ!」

    トリモブ「The huntsman, he can't hunt the fox, Nor so loudly to blow his horn♪」

    セイア「おい今聞き付てならん歌を歌っただろう!」

    トリモブ「And the tinker he can't mend kettle nor pots, Without a little Barleycorn♪」

    セイア「確かに……確かに、その歌の趣旨通りのものではあるとはいえ……。まさか、ナギサとミカの時もこれを?」

    トリモブ「お二人の時はウイスキーでした!」

    セイア「(絶句)」

  • 45二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:01:15

    セイア「私は聞いてないぞ……。見逃したのか、ティーパーティともあろう者が……」

    トリモブ「飲んでないですよー? お料理に使っただけ!」

    セイア「お菓子作りが好きなナギサでさえアルコール風香料を使うだけだ! 本物を使うなんて聞いたことが――いやそもそもどこで手に入れたんだ!」

    トリモブ「ではそれをすこーしづつ、小麦粉に箸でまぜまぜーってしてください!」グイグイ

    セイア「これはトリニティだけの問題じゃ――」

    トリモブ「ほら! まーぜまーぜ、ですよー?」

    セイア「……まあ、飲まないというなら。私が告発したら二人になんて言われるかわかったものではないからな」ブツブツ チョロチョロ シュワァァァ

    トリモブ「んー! 麦と麦のコラボレーション! すばらしい!」

    セイア「……必要なことなんだろうね?」マゼマゼー

    トリモブ「もちろん! あ、ちょっとゆるいけど、だまは残ってるし粉っぽいような状態でお願いします!」

    セイア「それは言われてもわからないよ。はぁ。必要ならいい。今回ばかりは黙っていてあげよう」ハァ

    トリモブ「ありがとうございます! ありがとうございます! おビール、もうちょっと入れてみましょうか!」

    セイア「わかったよ」シュワァァァァァ

  • 46二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:14:57

    トリモブ「うん! いいですね! バッター液完成です! あとは氷を2,3個入れといてください!」

    セイア「氷だな? ……このビールも冷凍庫に入っていたし、随分冷やすんだな」カラカラ

    トリモブ「ビールを使うというのはトリニティのものですが、衣の作り方は百鬼夜行の”天ぷら”という料理の工程を使ってます! あのやり方だと衣サックサクになるんです! とにかく冷やす! 冷やす! ビールを使うだけでもサクサクになるのに、冷やすことでさらにサックサク!」

    セイア「ふむ……。味わいには違いが出るのか?」

    トリモブ「このビールじゃたぶん変わんないですね。黒ビールを使えば、多少麦芽の香りが残りますが……」

    セイア「残ろうが残らまいが、私はその味を知らないからね。もちろん香りも」

    トリモブ「香りは今嗅げますよ! ほら! ウイスキーよりは度数が低いので、匂いぐらいじゃ酔いません!」

    セイア「やめっ! 近づけるな――なんだこの香りは。どこかで嗅いだような……」

    トリモブ「セイア様、たぶん嗅いだことありますよ?」

    セイア「どこで嗅いだことがあると?」クンクン

    トリモブ「原料はモルトビネガーと一緒ですから。揚げ物に使うでしょう?」

    セイア「――あ。そうか。モルト……」

    トリモブ「まあ、あっちは酢なんで味は……でも、鼻に抜ける香りは、これですよね」

    セイア「確かに……そうか。考えてみれば当然、だね。ありがとう。一つ学びを、いや、今晩はいくつも学ばせてもらっている」ニコッ

  • 47二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:22:12

    トリモブ「あっ、そろそろジャガイモを揚げてみましょう! きっといい感じにあっつくなっているはずです!」

    セイア「よし、私の処女作だ。糸で結び、この私が揚げるんだ。光栄に思いたまえよ?」

    トリモブ「ひゃっほう! ではまず、きれっぱしのジャガイモを一欠け油に入れてみてください!」

    セイア「ふむ……。一度沈んで浮かぶまでに少し時間があるね。これはどうだい?」シュ……ワァァァ

    トリモブ「いい感じです! めっちゃ低温ってことです!」

    セイア「……よく”カラっと揚げる”とは聞く。だからてっきり高温で揚げるものだとばかり思っていたが、”低温”でいいんだね」

    トリモブ「はい! ではその麦束――ジャガイモ束を、一個ずつ油に入れてください! そこまで低温なら大きく跳ねることもないはずです!」

    セイア「……袖がかなかう、というやつだな。ちょっとベルトで留めて……。よし。では一個ずつ……」シュワァァァア

    トリモブ「ね! 跳ねない!」

    セイア「ああ。というか、そんなに跳ねるものなのかい?」モイッコ シュワァァァッ

    トリモブ「この後嫌というほど思い知ると思います!」

    セイア「それは勘弁願いたいね」シュワァァァァ

  • 48二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:30:34

    トリモブ「全部は入らないので二回に分けましょう!」

    セイア「魚は? キミが捌いてくれたその魚も、フライにするのだろう?」

    トリモブ「はい! これは、バッター液にぶっこんじゃってください!」

    セイア「そらきた。にしてもかわいいお魚だね」ペチャペチャ

    トリモブ「おっきいサイズでもいいんですけど、あくまで夜食ですからね!」

    セイア「そう考えればちょうどいいのかもしれないね。まあ、こんな深夜にフィッシュアンドチップスを作っている時点でなんともいえないと言えばぐうの音も出ないのだけど」

    チーン

    セイア「お。オーブンの方も焼きあがったみたいだね」

    トリモブ「ですね! まあ、今は揚げ物に集中しましょう! あっちは蓋開けておけば状況が変わりませんが、目の前の揚げ物は1秒1秒リアルタイム戦闘モードです!」クワッ

    トリモブ「あ、ああ。わかったよ」

  • 49二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:43:53

    トリモブ「……ふむ。そろそろ上げてみましょうか。こちらの新聞紙にどうぞ!」

    セイア「ああ、わかった。……おい」

    トリモブ「うん! いい感じですね!」

    セイア「確かに見てくれは良いが……。これではべちゃべちゃで、正直”美味しそう”とは思えないな。油を飲んでいることにならないかい?」

    トリモブ「いいんです! さあ、第二弾も揚げちゃいましょう!」

    セイア「……まあ、無礼講と言った手前、今の私はキミの操り人形だからね……。わかったよ」シュワァァァ

  • 50二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 11:27:26

    トリモブ「――よし! そっちももう上げてください!」

    セイア「はいはい……。ううん、揚げ物を自分で揚げるのは初めてだが、どう考えてもこれは失敗のような気がしてならないね」ベチャァ

    トリモブ「では……」

    セイア「魚の方か?」チャプチャプ

    トリモブ「はい! ですがその前に、火力を上げてください! ぐわぁっと!」

    セイア「……ほう。わかった。こんなものかい?」ボォォォ

    トリモブ「はい!」

    セイア「サクサクと言うぐらいだ。こちらはやはり、火力を上げるんだね。なら、こっちのジャガイモもそうした方が……」

    トリモブ「揚げますよ!」

    セイア「?」

    トリモブ「ジャガイモは二度揚げします! 低温で火を通してから、高温で一気に油と水分を飛ばすんです! 最初から高温だと、この細さのジャガイモはすぐ焦げてしまいますからね。そのために、一度低温で火を通す必要があるんです」

    セイア「……要らぬ心配をしてしまってすまない。やり方があるだね」

    トリモブ「いえ、正しい状態を知っているのはとても大事なことです! セイア様なら私がとやかく言わずとも、美味しい揚げ物が作れたと思いますよ!」

    セイア「ははっ。それはさぞかし、何度もトライ&エラーを繰り返した果てのことだろうね」

    トリモブ「最初から上手にできる人なんかいませんからね!!」
    セイア「違いない」

  • 51二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 11:31:45

    トリモブ「じゃあ、さっきとおんなじでジャガイモのきれっぱしを、油に入れてみてください!」

    セイア「わかった――おお、今度は入れたらすぐに浮いたぞ!」シュ、ワァァァ

    トリモブ「これで大体180~190度ですね! さあ、では魚にたっぷり衣をまとわせて、油へ!」

    セイア「たっぷり、たっぷり……」ペチャペチャ シュワァァアァ

    セイア「おお! さっきと油の勢いが全然違うね!」

    トリモブ「魚はすぐに火が通ります! 衣の色に気を付けながら……。ちなみに、具の水分をしっかり取っておかないと、ここで悲惨な目に合います! 下手すると火事です!」

    セイア「……料理というものは破滅と裏表。心に刻んでおこう」

  • 52二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 11:38:34

    トリモブ「……ひっくり返してください!」

    セイア「いい色だ。こんがりとしている」

    トリモブ「この色を百鬼夜行の方では、きつね色というらしいですよ!」

    セイア「気持ちのいい表現ではないな。いや、一番美味しそうな状態という意味では、喜べばいいのかな?」

    トリモブ「はい! 上げてください!」

    セイア「よしきた! おお、箸で持った感触が全然違う! カリッとしている!」

    トリモブ「ではそちらもこの新聞紙に! そして、この温度でもう一度ジャガイモを揚げましょう!」

    セイア「なるほど、カリッとさせる温度に合わせるのに置いておいたんだな! ではこのべちゃべちゃなチップスを……揚げる!」シュワァァァァ

    トリモブ「これはすぐに色が変わるはずです!」

    セイア「本当だ。見る見る間に変わって――」

    トリモブ「ひっくり返してください!」

    セイア「ちょ、まだ二回に分けるほど入れていな――」

    トリモブ「早く!」

    セイア「わかったわかった! 急かさないでくれ」クルクル

    トリモブ「引き上げてください!」
    セイア「忙しいなまったく!」ジュワァァア

  • 53二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 11:49:25

    セイア「これで――」

    トリモブ「あげてください!」

    セイア「最後だっ!」ジュワァァァァ

    トリモブ「――お疲れさまでした! もう油は使わないので、火を落としてください!」

    セイア「ほわぁ。どうだ、うまくできたと思わないか!」

    トリモブ「いえ、最後の工程です……。ハサミを!」

    セイア「まだあるのか!」シャキーン

    トリモブ「セイア様。一つ覚えておいて欲しいのです」

    セイア「?」シャキンシャキン

    トリモブ「”お皿の上に乗せていいのは、食べられるものだけ”……。タコ糸は食べられません。たとえ飾りだとしても。調理に使ったものだとしても。お皿の上に乗せたものは、すべて食べられるものであるべき、なのです……!」

    セイア「それは……。私たちの文化ではないな?」

    トリモブ「ええ。私が昔、教わったことです。本日の工程などすべて忘れてしまってかまいません。それだけ。それだけを、覚えておいてほしいのです」

    セイア「キミは、一体どこの生まれだい? 文化圏としては近いのかもしれないが、そんな話はとんと聞いたことがない」

    トリモブ「では! タコ糸をちょっきんちょっきん! です!」

    セイア「……わかったよ。個人的なことを聞いてしまったね」チョキチョキ

  • 54二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 11:55:33

    よくわからないけどフランスやイタリアの考え方なのか

  • 55二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:00:40

    トリモブ「では! 先にお魚をこう、立体的になるようにお皿に重ねていただきまして!」

    セイア「う、ううむ。盛り付けというものか。なかなか難しいな……」

    トリモブ「手前側にポテトを重ねましょう! 麦束っぽく!」

    セイア「紐がジャガイモとくっついて上手く外れん……。多少崩れてしまうのは許してくれないか?」

    トリモブ「うぅ……。タコ糸で縛るのはあまりよくなさそうですね……。まあ、思い付きだったんで! 今度、縛れる食材、しかも揚げ物対応のものを探しておくとします! セイア様! それが終わったら、オーブンのブレッドバタープディングを!」

    セイア「これは……」

    トリモブ「ああ! ああ!」ポロポロ

    セイア「!?」

    トリモブ「失”敗”だぁぁぁぁぁ!!!!」ピェエエェエエエエ

    セイア「!!!?」アセアセ

  • 56二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:12:08

    トリモブ「」ピャァァァァアアア

    セイア「い、いやよく見てみるがいいよ! ちょっと上が焦げてるだけじゃないか!」

    トリモブ「そ”こ”じゃ”な”い”ぃ”ぃぃぃいい”!! ぢがう”ぅぅぅぅぅ”!!」ブルァァァァアアア

    セイア「と、とにかく、適当なお皿に乗せて……盛り付けなんか知らないからな。適当に、適当に……」ポンポン

    トリモブ「」ビュルァァァアア

    セイア「あれだけ派手に指を切ってもあっけらかんとしていというのに……。ほら、トライ&エラーだ。失敗しても次がある。今回の失敗は次に生かせば良いんだろう? な?」

    トリモブ「ううー……」ジャバジャバ

    セイア「次は何をすればいいんだい? これで完成かな?」

    トリモブ「……塩をひとつまみ、フィッシュアンドポテトにふりかけます」グスグス

    セイア「よし! 塩だな!」パラパラ

    トリモブ「で、あと適当な小皿にモルトビネガーを、ジャバジャバ注いでください」ズビズビ

    セイア「これでいいかい? いいだろう。いいに違いない」ジャバジャバ

    トリモブ「そしたら……」

    セイア「そしたら?」

    トリモブ「完成、です」ポロポロ

  • 57二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:13:13

    フィッシュアンドポテトってなんだよアメリカ人かよ
    フィッシュアンドチップスだよ!

  • 58225/02/24(月) 12:14:29

    やあ、昨日の2だ。ここのスレを開いたらちょうどできていてびっくりしたよ。

  • 59二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:16:04

    モルトビネガーって日本で普通に使う酢に比べてかなりまろやかなんだっけ

  • 60二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:21:58

    >>58

    おはよおはよ。

    言ったろ、半SSスレだと……。

    まさか今回、こんなに時間かかるとは思ってなかったよ……。


    >>59

    たしかに、ジャバジャバかけて使えますが、日本の酢のかなり強い奴と比べれば、程度です!

    普通に酸っぱいしツンとくるし、油断するとむせます!

    わたしが使ってるのはヘインツ(アメリカ産)だけど、サーソン(英国産)はもしかしたらもっとマイルドなのかもしれない

  • 61二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:25:47

    朝に飯テロか?と思ってたらまさかの深夜からの続き物だった

  • 62二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:30:54

    トリモブ「」グスッ

    セイア「……ほら、温かいうちに食べよう。食事は満たされるためにするものだ。今のキミなら、きっとなんだって美味しく感じるだろうさ」

    トリモブ「」グスグスッ コクリ

    セイア「……天にまします我らが神よ」イノリー

    トリモブ「」ズズッ

    セイア「――限りなく汝のものなればなり。さて、いただこう」

    トリモブ「」コクリ

    セイア「……先に食べるぞ?」ハァ

    トリモブ「……いただきます」

    セイア「うん。それでいい」サクッ

  • 63二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:32:11

    >>61

    SSついでに料理してる感じ……だと思って頂ければ……

    なんでこんな形式になったのか自分でもわかんない

スレッドは2/24 22:32頃に落ちます

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