- 1二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:25:35
これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。
※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。
元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだったものがあにまん民達の神の一手で生存ルートを切り開き奇跡的に生き延び、本編後世界でニャアンとジャンク屋をやったりデートしたり事件に巻き込まれたり戦ったり、時には試練があったりもするけれども最後にはハッピー寄りな物語空想まとめとなってこのスレに至ります。
本編始まるまでどうなるかも全く想像つかないジークアクス世界ですが、一緒に物語を空想して楽しんで頂けたら幸いです。
↓初代スレ
(完全妄想)ニャアンの傷になりたい|あにまん掲示板普段はスラム街のジャンク屋の兄ちゃんとしてニャアンに合法的な商品運んできて貰ってお得意さんとして顔馴染みでありたい「今度デートしようぜ!!」ってヘラヘラ笑いながら手を振って見送って、困った顔になって欲…bbs.animanch.com↓一作目
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com↓二作目
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)2|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』から派生した空想シリーズスレです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:27:26
登場人物
ジュン・ファンボイ
サイド6コロニーの繁華街でジャンク屋をしている青年。陽気かつ気さくな性格をしており、合法の機械整備部材を配達してくれるニャアンに対して何度もアプローチしている。軟派に見えがちだがニャアンに対する想いは真剣で、何かと彼女に接し、悩みを聞いているうちに信じて貰えるようになる。
しかしその正体は地球連邦軍MS特務隊に務めるコロニー6潜伏隊員。上層部からの指示を受けて戦争犯罪者や敗残兵崩れのテロリストなどの抹サツを務める、いわば軍人にとってのコロし屋。後述のブルキャノンを駆り、既に相当の数の危険因子の始末を遂行している実力者。任務時は上記の性格が嘘のようにどこまでも冷酷に任務を遂行する活躍から、内部の人間に『公爵家の蒼い騎士(ノーブルブラウリッター)』の名で恐れられている。
かつてのコロニー落としで両親と妹を失いスペースノイドへの怒りから連邦軍へ入隊、MS操縦の才能を認められ特務隊に配属され、そのままサイド6のスパイとしてコロニーを訪れる。しかし実際にコロニーで生活をしていくうちに生きていれば妹と同い年のニャアンに出会い、宇宙でも一生懸命に生きている命がある事を痛感。ニャアンへの想いが強くなっていき今の自分が本当に正しい事をしているのか悩むようになる。
紆余曲折あってニャアンとの初めてのデートを約束した直後に上層部からの命令でジークアクス及び赤いガンダムの破壊命令を受け、クランバトルを装った作戦行動を開始、特務隊の仲間達と彼の上官である指揮官と共にジークアクス達に挑むが、コロニーを巻き込む指揮官のやり方を目の当たりにして反旗を翻し、緊急発進した エグザベ君も味方に加えて連邦軍を迎撃。
激戦の末コロニーに突っ込み見せしめにニャアンをコロそうとした指揮官の猛攻を身を挺して防ぎ戦タヒ…したかに見えたがブルキャノンの重装甲と咄嗟の判断が相まって奇跡的に生存。
コロニーの被害を最小限に留めた功績で恩赦を受けて釈放され、現在はニャアンと一緒にジャンク屋をしつつ、刑務作業として愛機のブルキャノンと共にサイド6の治安維持活動に努めている。
日系とベトナム系のハーフであり、名前のジュンは漢字の『盾』、ファンボイはベトナム語で『反逆者』を意味している。 - 3二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:28:32
ブルキャノン
連邦MSの中でも一際発達したキャノン系の技術と01ガンダムをベースとした連邦としてのガンダムの技術を複合して新たに設計された最新鋭の重武装MS。
モチーフはブルG。
ジオン製のガンダムに対抗すべく連邦の技術力を注ぎ込み作り出されており、上層部は次期量産化も視野に入れた上での実践データ回収の為の試験機を特務潜入隊のジュン・ファンボイにこの機体を託した。
キャノン系とガンダム系を複合した新型の重装甲に加え凶悪さを感じさせるガンダムヘッドを搭載しており、従来のキャノン系よりも威圧感を出しつつも白と青のカラーリングによってどことなくヒロイックな雰囲気をも醸し出す。
主な武装はライフルブレード(高出力ビームサーベル内蔵型ビームライフル)、ビームサーベル、ヘヴィシールド(実体刃フレーム、二連装バズーカ内蔵シールド)、両肩部ビームキャノン砲、胸部両脇多連装ミサイルポッド。
高火力の射撃兵装による射撃戦は勿論、重武装重装甲でありながら背中のパワードブースターによる加速によって高い機動力を発揮し、搭乗者のジュンは射撃兵装で敵を翻弄しつつブレードまたはビームサーベルのビーム刃と盾の実体刃を駆使した二刀流で仕留める戦法を最も得意としている。
後述のエル・サルバトーレ・コアとの戦闘でニャアンを庇った際にフレーム以外の機器系統がイカれてしまい、現在は平和公園のオブジェとしてサイド6の人々から親しまれている。
…が、実はジュンと演歌のおっちゃんが市長からの許可を貰って万が一の時の為に夜な夜な修理しており、緊急事態の際には出撃可能なところまで修復済。ジャンク屋が金銭的危機に陥った時などにクラバに参加したりしてる。現在更なる強化改修を考案しているがジュンに戦って欲しくないニャアンからの猛反対で修復止まりになっている。 - 4二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:29:07
ブルキャノンの武装詳細
・ライフルブレード
連邦軍が次期MS用主力装備試験のために開発した遠近両用武装。
銃身の短いブルパップライフルとなっており、薄く縦に長い銃身がそのまま高出力ビームサーベルの放出口として兼用出来るようになっており、ライフルから瞬時にビームサーベルに転用出来る仕組みになっている。
従来のビームライフルより小型で使用しない時には右腰部分にマウント可能。
・ビームサーベル
左腰に取り付けられているビームサーベル。
01ガンダムに用いられていたのと同じ規格であり、充分な威力と安定性を併せ持つ。ライフルブレードを右腰にマウントした状態で居合のように引き抜いて使うのが基本的な使用法。
威力だけならばライフルブレードよりも劣るがエネルギーの持続力はこちらの方が高い為状況によって使い分ける事が可能。
・ヘヴィシールド
ブルキャノン専用の重武装シールド。
流線的なシールドフレームがヒート機構付実体刃となっておりそのまま近接武器として使用可能、シールド内部には小型の二連装バーズカが内蔵されている。
バズーカによる誘爆事故を防ぐ為ブルキャノンの装備の中でも一際頑健な作りとなっており、ビームコーティングも施されている為単純にシールドとして極めて高性能。
武装に関しては本来ビーム無効の相手に対する緊急時の装備だったが、ジュンはこれと他近接武器による二刀流戦術を好んで用いる為使用頻度は高く、相手の射撃の瞬間にシールドを投擲して相手の射撃を弾きつつ相手のコクピットに突き刺すなどの奥の手としても用いられる事も少なくはない。
・両肩部ビームキャノン
両肩に設置された伸縮式ビームキャノン。
接近戦時の被弾面積を減らす為に伸縮機能があるが、戦艦主砲並みの破壊力は健在。
ブルキャノンの武装の中では最も射程が長く、遠距離狙撃に適しているが、ジュンは接近戦での鍔迫り合い時に奇襲で至近距離から相手を撃ち抜くような使い方を好む。
・胸部両脇多連装ミサイルポッド
胸部両脇に設置された小型化ミサイルポッド。
戦闘ヘリや戦車などを相手に用いる事を前提とした装備だが、ジュンはMS戦でも広範囲の目眩しやニュータイプのオールレンジ攻撃迎撃または錯乱などの為にも重宝している。 - 5二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:31:01
この時空における本編キャラ達
ニャアン
(本編では扱わないのかもしれないが)合法的な機械パーツの配送を通じてジュンに出会う。
初めは難民の自分にやたら接してくる兄ちゃんを不思議に思う程度であったが、合法の販売ルートの提供や困った時に相談に乗ってくれるジュンに次第に心を開いていき、本編後半では兄ちゃんのジャンク屋でのお手伝いを始め、違法パーツの販売などからは足を洗った。
本編後は改札の前で車椅子に乗ったジュンと再会して笑い泣き、エル・サルバトーレ襲撃で半壊したジャンク屋の立て直しを手伝いつつ、本格的にジャンク屋のお手伝いに転職する事になった。
尚、クラバなんてまともな奴がやることじゃないという考えは一貫しており、お金が必要でこっそり修繕したブルキャノンでジュンがクラバに参加した時は夫のキャバクラ通いを知った妻レベルでジュンを締め上げており、この時ばかりはジュンも頭が上がらなかった。
マチュ&シュウジ
連邦軍の任務で破壊対象だった赤いガンダムと最新型のガンダムのパイロットだったが、終盤までそんな事を知らずに仲良くなってしまった二人組。なんならジュンも交戦中の無線を接触して聴くまで正体に気付いておらず、気付いた時にはトドメを刺す寸前であり大慌てで攻撃を逸らした程に世話を焼いていた。
本編後は2人にブルキャノン修繕の為のパーツ集めを手伝って貰っており、後々それがニャアンにバレて3人+修繕案通した演歌のおっちゃん+設計図を流した看守のおっちゃん共々仲良く怒られた。
本編での試練を乗り越えて現在はサイド6名物の恋仲になっており、ジオン公認でジークアクスと赤いガンダムの試験パイロットになった。
エグザベ
本編中1番スパイのジュンと交戦している、ある意味兄ちゃんのライバル。
機動力と反応速度に特化したXカスタムを操り、火力と馬力を極めたブルキャノンを相手にさながらサイコザクVSフルアーマーガンダムのようなタヒ闘を何度も繰り返した。
お互い互角の実力でタヒ闘を繰り返した結果それぞれの技量が飛躍的に上がり、この経験値のおかげでジュンはエル・サルバトーレ戦での戦タヒを免れているため、ある意味命の恩人である。
本編後はコロニー6で互いに正体を知らぬまま生身で出会い、なんやかんや仲良くなる。 - 6二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:31:40
ジオニックガンダム・Xカスタム
エグザベ君用に調整されたジオン製量産型ガンダムのカスタム機。ジークアクス捜索にあたりサイド6付近に出没する青いガンダムに対抗するべくシャリア・ブルが既存の量産型ガンダムを エグザベ用に調整するように指示を出して作らせた事実上の エグザベ君専用機体。
形状はRX-78-2に類似しており、装甲はジオン風のミリタリーグリーン。
名称のXは エグザベ君の頭文字から取られたものである。
新型のジークアクスがオーバーヒートを起こす程の彼の反応速度に対応出来るように徹底した機体反応速度とそれに追従する機動性、関節回りの強化が施されている。
最大の特徴は通常のMS操作とサイコミュコントロールが併用されている操縦機構が採用されており、長時間の連続稼働を維持しつつニュータイプ能力による反応速度を引き出せるように工夫されており、サイコミュは徹底して機動補助の為に用いられている為ビットなどのオールレンジ武装は搭載されていない。
主な武装はビームサーベル2本、ビームライフル、ビームピストル2丁、小型シールド。機動力に重点を置いている為武装は標準的に纏められているが、 エグザベ君による万全なサイコミュコントロールでの高速立体軌道によって敵を翻弄しながら繰り出されるこれらの武装は驚異的な攻撃性を発揮し、ジュンが操るブルキャノンと互角の戦いを演じる。 - 7二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:32:35
このスレのオリキャラ
演歌の軍警
サイド6軍警の繁華街派出所部長。
巡査長時代に不審な難民の情報を聞いてニャアンを追跡していた際にジュンに遭遇。
最初はニャアンが違法デバイスのやり取りをしていると疑い逮捕しようとするがジュンに依頼してたのは合法の作業用デバイスであり、更にはニャアンが持ってきたのは北島○郎演歌集のCDだった為、結局2人が逮捕される事はなく、なんならジュンと2人で兄弟船をデュエットして仲良くなった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の際に瀕タヒになったジュンを救護施設まで届けてくれた張本人であり、ジュンが服役中も何かとニャアンに気をかけている。
普段はMS部隊の欠員補充で指揮官仕様の軍警ザクで交通治安維持に努めている。
看守
ジュンがいる刑務所を管理する看守。
元々は機動隊隊員だったが過去に負傷をして現在の勤務地に転属となった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の緊急事態に避難誘導員が足りず現場に駆り出されており、目の前でジュンのブルキャノンが身を挺してニャアンを守るのを見ていた事や演歌の軍警から事情を聞いた事によって刑務所内のジュンに何かと気を使ってくれており、出所後も度々演歌の軍警と共にジャンク屋に顔を出している。 - 8二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:33:45
連邦軍特務隊指揮官
ジュンが所属する特務隊の指揮官。
某国名門貴族の血を引いており、優れたMS操縦技術と戦略兵器開発技術によって軍の上層部から高く評価されて連邦軍の最新主力兵器開発にも関わる特務隊指揮の全権を与えられた。
連邦上層部に対して高い忠誠心を見せてこそいるものの、格下の存在は全て駒、スペースノイドは人間ですら無い害獣だと考えるような清々しい程の選民思想の持ち主。
ジャンク屋の手伝いをしていたニャアンを見た際にも彼女を蔑み、理不尽な理由で手を出そうとした所をブチギレたジュンにぶん殴られた。この段階でジュンに逆恨みしており次の作戦でプロパガンダに利用してそのまま抹サツする事を考えているなど、中々に執念深い。
搭乗機体はジオン製のMAキケロガを模したミリタリーグリーンの外装を纏ったエル・サルバトーレ。外装を解除した状態の黒金のキャノンタイプガンダムはエル・サルバトーレ・コアと呼ばれている。
ジークアクス及びに赤いガンダム破壊作戦では自ら設計したエル・サルバトーレでジュンのブルキャノンとジオン偽装ブルキャノン三機と出撃。圧倒的な機体性能と操縦技術、更にはブルキャノン達の連携で次第にジークアクス達を追い詰めるが、サイド6への被害を微塵も考えない横柄なやり方を見かねたジュンが反乱。更には連邦側の計略を見抜いたシャリア・ブルの指示で助太刀に来た エグザベ君の参戦により形勢は逆転。
怒り狂った指揮官は破壊された外装をパージして出現したエル・サルバトーレ・コアを操りコロニー内部に突入。見せしめとしてたまたま居合わせたニャアンに一斉射撃を浴びさせるが間に入ったジュンのブルキャノンのシールド投擲でバリア兼キャノン砲を破壊され、他三機のガンダムの一斉攻撃を受けて敗走。コロニー外へ逃げ出すもののそこを待ち構えていたシャリア・ブルのキケロガに無力化され、軍警へ引き渡された。 - 9二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:34:35
ベイン
難民居住区に住む初老の男性。
幼い頃に漂着したニャアンの面倒を見ており、彼女が1人で生きられるように面倒を見てくれていた育ての親。仕事柄どうしてもコロニーから離れる事が多い為ニャアンが早く独り立ち出来るように育て上げたものの彼女のどんくささや生きる為とはいえ違法な稼ぎ方に手を染めざるを得ない状況をずっと不安に思う中ジュンの元で真っ当に生きているニャアンと再会して心底安心していた。
しかしその正体はジュンと同じく連邦軍のスパイ。処刑人であるジュンとは異なり隠密活動から暗サツまでこなす、スパイとしてはジュンよりも上澄みの実力者である。
今回サイド6に戻って来たのはブルキャノンの戦闘データを回収する為であり、その為にニャアンを利用しようとしてスパイとしての責務と育ての親としての罪悪感に苛まれていた。
愛機である独自のMA、カボ・マンダラットは鉄錆色のヤドカリのような独特の形状をしており、その機体の特徴からベイン自身も鉄錆の爪の異名を持ち恐れられている。
ブルキャノンとの決闘の後、尚もスパイとして情報収集に徹するも土壇場でジュンとニャアンが危機に陥った際に身を挺して庇って致命傷を負うもののソドンでの治療が間に合って一命をとりとめ、今は軍警内病院でお世話になり、ジュンとニャアンの弁明により罪は比較的軽微なものとなって気軽に面会も可能な状態になっている。 - 10二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:42:24
前スレのあらすじ
連邦軍のスパイ『鉄錆の爪』だったベインを相手にブルキャノンで切り結び、どうにか説得したジュンとニャアン。そんな彼の任務に介入してブルキャノンのデータを奪おうと強引な手段を取る統一機構(連邦内の過激派)のスパイ達を負傷したジュンはニャアンとのタンデム操作で迎え撃ち、助太刀に来た エグザベのXカスタムと共に撃破。途中ジュン達を庇ったベインが重傷を負うもソドンへの搬送が間に合い一命を取り留めて事件は無事解決する。
腕の怪我が治るまで刑務が休みになったジュンはジャンク屋で働きつつ、ハロを作ってるニャアンの手伝いをしていた。そんな中、マチュとコモリはジュンと2人乗りをしたニャアンを羨ましがってそれぞれの相方(シュウジと エグザベ)とタンデムするために奮闘する… - 11二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 09:43:29
なんやかんやで3(厳密には4)スレです、果たしてコモリさんはクソボケとタンデム出来るのか…?
- 12二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:03:28
- 13二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 10:53:42
- 14二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:03:27
- 15二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:25:33
ジャンク屋にて引き続き作戦会議
コモリ「で、でもエグザベ君って下手にデートだよって言うとカチコチになってタンデムどころじゃなくなるかも…?」
マチュ「…噂に聞いた話だとフラナガンスクールの美少女ちゃんと映画館デートしたって聞いたけど?」
コモリ「…後で問い詰めたら本人には全くデートのつもりがなかったらしいの…」遠い目
ニャアン「ふ…不憫すぎるその相手の人…」
ジュン「んー…あ、じゃあこういうのはどうだ?いつもみたいに俺ら6人で出かけてさ、途中で エグザベさんとコモリさんを2人きりにする。そんでなんか2人乗り出来るイベントとかにぶち込んでタンデムさせる…みたいな?」
マチュ「おお、ファン兄ちゃんナイスアイデアだよそれ!!」
ニャアン「でも…そんな都合よくある?何かしらの2人乗りが必須なイベントなんて…」
演歌「おおいファン坊いるか!?オメーチラシ撒くの手伝ってくれよ!!
平和公園前でやるプチモビクレーンアーム二人羽織大会ってやつのチラシなんだけどさ!!」
一同「「「「それだぁ!!!!」」」」
演歌「うおおお何だ何だ急に詰め寄って怖いってお前ら!!!!」 - 16二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 12:33:56
軍警察本庁
アラガ「プチモビクレーンアーム二人羽織大会ぃ…?なんだこのアホみたいなイベントは?」
ラゴウチ「なんでも市長含む上役がサイド6を盛り上げる為に思いついた企画らしいっすよ?ここんとこエル・サルバトーレ襲撃だの特捜部内スパイの暴走だのおっかない事ばかりだったから、市民皆んなで盛り上がれるイベントをやろうって話になったとかなんとか」
アラガ「にしたってお前…こんなん徹夜明けでストゼロがぶ飲みしたノリと勢いで作ったみてぇなバカの企画過ぎるだろ…誰が参加するんだ…?」
ラゴウチ「一応賞金も出るらしいからそれ目当てで出る奴はいるんじゃないっすかね?あ、後自分らも軍警察代表でエントリーされてるみたいです」
アラガ「マジかよ…まぁ要するにコロニー内で酸欠しないようにしたプチモビタンデムでの作業の速さとか競うって事だろ?こんなヘンテコ企画いくら賞金あってもやっぱそんな出る奴なんて…」
マチュ「すいませんイベント参加登録ってここですか!!!?」
コモリ「2組…いえ3組登録します!!!!」
ニャアン「え、わ、私も!!!?」引っ張られて来た
ラゴウチ「………早速3組来たっすね…」
アラガ「あ…頭痛くなって来た…
- 17二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:15:45
- 18二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:21:38
普段ですらベタベタしてるのに更にベタベタしようとするアホ
相方のクソボケぶりに耐えかねて実力行使に移ったアホ
完全に巻き込まれたアホ(?)
アホの三連星…!!!!
尚男子陣は作戦手伝いしたジュンしか事情を知らない為シュウジとエグザベに関しては完全に巻き込まれ事故である
シュウジ「む…何か大掛かりな事に巻き込まれた気がする」ピキーン
エグザベ「え、なんだい急に???」
シュウジ「特にエグザベさんが大変そう」
エグザベ「そうなの…???」
- 19二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 14:36:16
大会エントリー登録後
ジュンとニャアンはチラシを配りながら夕焼け色の景色になった繁華街の帰り道を辿っていた。
ジュン「おーいそこの旦那さんに奥さん!!今度平和公園でプチモビの大会やるから見に来てよ!!周りで屋台とかも沢山出るみたいだからさ!!」
ニャアン「こ…これチラシです…どぞ…」
お母さん「あらあら、なんか楽しそうねぇ」
お父さん「へぇ、プチモビの大会…プチモビクレーンアーム二人羽織大会…?なんだこの…何…???」
子供「ファンにいちゃんも大会出るのー?」
ジュン「おう!!その日はブルキャノンも平和公園にいるから応援してくれよな!!」
子供「ブルキャノンも!?パパ、ママ、絶対行こ!?」
お父さん「あはは、分かった分かった」
お母さん「ふふ、ほんと男の子はロボットが好きよねー」
楽しそうに手を繋いで帰る親子の姿を、ニャアンは少し羨ましそうに眺め…隣にいるジュンも、自分と同じような目をしてる事に気付いた。
ニャアン「…ジュンは…たまに会いたくなったりする?お父さんと、お母さんに」
ジュン「ん?…たまーにな」
ニャアン「…私も、たまに会いたくなるよ」
ジュン「…そっか…手でも繋いで帰るか?」
ニャアン「………ちょっとだけ」
2人は何を話す訳でもなく、手を繋ぎながら帰路に着くが、2人とも不思議と心の奥にあった寂しさが薄れているような感覚を覚えていた…
- 20二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:29:32
数日後、平和公園
普段は閑静な平和公園だが、この日ばかりは大勢の人々が集まり、お祭りの日のように屋台が並ぶ公園内を楽しげに行き来している。焼きそばやたこ焼きかどの屋台らしいものを食べたり、射的屋で遊んだり、街灯から街灯へと繋がれた紙細工と同じような色とりどりの紙の鎖や大きなオリーブの冠で装飾されたブルキャノンの写真を撮ったりと、各々がこの賑やかさを楽しんでいた。
ニャアン「…すっかりお祭り仕様にされてるね、ブルキャノン」
ジュン「すっかりコロニーに馴染んだよなコイツも。作り主の指揮官が見たら憤死しそうだけど」
けらけらとジュンが笑っていると、彼らの元にマチュ達もやってくる。
マチュ「おーいジュン兄!!お待たせ!!」
ジュン「おうお前ら遅刻だぞ………ってあー、なるほど、そりゃ遅刻するわな」
シュウジ「むぐむぐむぐむぐ」屋台の出し物ありったけ買ってめっちゃ食べてる
コモリ「あ…相変わらず凄い食べっぷりだね…」
エグザベ「ここに来るまでの屋台の食べ物全部買ってたからね…あ、ファン君もありがとね、こんな大きなお祭りに誘ってくれてさ」
ジュン「いーのいーの、祭りは人が多い方が楽しいからさ、大会もある訳だし」
エグザベ「大会?あ、このプチモビを二人羽織?で操作するってやつかい?あはは、おかしな大会だよね」
ジュン「あはは、ホントにな」
…悲しき事にこのエグザベ・オリベ。ここにいる全員から自分が勝手に大会に参加登録された事を聞いていない。直前まで知らなければ真面目な彼ならドタキャンして皆を困らせるような事はしないだろうというコモリのアイデアが原因である。
マチュ「とりあえずさ、大会始まるまで屋台回ろうよ!!シュウジもほら、向こうの屋台行こ?」
シュウジ「ごくん…ん、分かった」
かくして大会が始まるまで一同は屋台を回る事になるのであった…
- 21二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 18:14:10
お好み焼き屋屋台
ジェジー「へいらっしゃい!!…ってなーんだオメーらか」
ケーン「お祭り楽しんでる?」
ジュン「あれ!?ジェジーさん達何してんのこんなとこで!?」
マチュ「へー、カネバンの皆んなも屋台出してるんだ」
アンキー「というかこの辺はジャンク屋連中が店出してるエリアなんだよ。少しのショバ代払えば後の利益は自分らの店に回していいってんだから、太っ腹だよねぇ」
エグザベ「成る程…こういう形で難民街の方々にも利益を分配して各々の地区の復興にも活かせるようにしてるんですね…よく見たら大会目当てなのか他コロニーからの客も多い。中立コロニーの良さを活かしてますね」
アンキー「そういう事…あれ、アンタらは見ない顔だね?」
コモリ「あ、ど、どうも会社員です」
エグザベ「は、はい会社員です」
ジュン「はは、変な自己紹介」
ニャアン(ジュンに正体バレしないようにする為だよ…)
マチュ「…あれ、ナブさんは?」
アンキー「ナブならほれ、あそこで客引きしてるよ」
ナブ「…いらっしゃいませー」不機嫌そう
女子高生1「あ、あの!!良かったら一緒にお写真どうですか!?」
ナブ「…客引きしてるんで…」目逸らし
女子高生「じゃ、じゃあお店の食べ物買います!!だからお写真!!」
ナブ「飯だけ買って下さい」目逸らし
アンキー「あいつ年下にモテるから」けらけら
一同「「「あー…」」」
ナブ「見てないでなんとかして下さいよアンキー…」
- 22二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 18:30:31
くじ引きの屋台
シュウジ「むぐむぐ…ん…?ねぇマチュ、あの屋台は何?」
マチュ「ん?あれはくじ引き屋さんだよ。当たりの数字が書いてあるクジを引いたらその番号の景品を貰え……あー!!新型のスマホケース!!こんなの売ってるの今の屋台って!?」
店主「お、嬢ちゃん興味あるかい?やってく?」
マチュ「やりたい!!…けど…一回50バイト…や、屋台にしては高いなぁ…」ぐぐぐ…
シュウジ「おじさん、これで一回」つ50バイト
店主「お、兄ちゃんやる気だね!!でもそう簡単に大当たりは出なry」
シュウジ「…これ」ピキーン
店主「へ?…嘘だろ大当たり!!!?」
シュウジ「はいマチュ、プレゼント」ニコッ
マチュ「わっ、ありがとシュウジ!!」抱きつき
コモリ「………あ、あー、あのぬいぐるみ可愛いなー、いいなー」エグザベをチラ見しつつ
エグザベ「えっ!?いやいや僕のニュータイプ能力は彼ほどじゃないからそこまでピンポイントで当たりは引けませんよ!?」
コモリ「…ダメ?」上目遣い
エグザベ「っ…やります!!!!」
ニャアン「…精度云々はともかく屋台の人からしたらニュータイプ能力ってとんでもないイカサマでは…?」りんご飴舐めてる
ジュン「へーきへーき言わなきゃバレないって」りんご飴舐めてる
- 23二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 19:14:44
- 24二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 19:33:39
多分本命を当てるまでにやたらヘンテコなぬいぐるみとかを何体か当ててるw
エグザベ「な…なんとか当てた…!!途中でやたら変なぬいぐるみとか何に使うか分からない機械のパーツとか無駄に当ててしまったけど…!!」
店主「いや兄ちゃんも大概すげぇな!?当たりの確率めっちゃ低いのによくそんなポンポン当てたもんだよ…」
エグザベ「ど、どうも…あ、コモリさんこれ、どうぞ!!」
コモリ「あ、ありがとエグザベくん…大事にするね…」当たりのぬいぐるみ抱きしめてる
2人とも照れくさそう
エグザベ「ほ、他の屋台行こっか!!」
コモリ「は、はい!!」
店主「ちょいちょいちょい他の当たりもちゃんと持って帰ってくれよ!!!!」
ニャアン「…あ、これハロのパーツだ。今のやつより結構新しいかも…?」
ジュン「んー…このヘンテコな人形達と一緒にうちで引き取るか…」
- 25二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 19:41:17
- 26二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 19:52:50
多分大当たりの一部以外高めの割にビミョーな福袋みたいな商品がメインですw
エグザベ「…」そわそわ
コモリ「…」そわそわ
マチュ「おー、いい感じに意識してる…」
ニャアン「結構いい感じかも…」
マチュ「これまでのデートは散々だったから…ってうわっニャアンどうしたのその変なぬいぐるみと…機械?のパーツ?」
ニャアン「エグザベさん達の当たりのおまけ…いらなかったら貰おうと思って…」
ジュン「しかしめっちゃ当てたよなエグザベさん…シュウジとマチュもだけど、民間にもあんな感じでニュータイプっているもんなんだなぁ」
マチュ「あ、あはは、そだねー…」目逸らし
シュウジ「ねー」目逸らし
ニャアン(いつかバレそうだなぁ…)
- 27二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 20:08:36
平和公園端
ジュン「食いもんも沢山買えたし、この辺はあんま人がいねーからシートでも広げて飯の時間にしようぜ」
シュウジ「賛成…むぐむぐ」
エグザベ「シュウジ君は既にめっちゃ食べてるけどね…」
ニャアン「あ…それなら今のうちに…」がさごそ
コモリ「…そういえばさっきから気になってたんだけど、ニャアンちゃんが背負ってるリュックって配達とかに使うやつだよね?何が入って…」
ジュン(ハロ)「ヨッ!!」作りかけのハロを持ってリュックから飛び出し
マチュ「うわぁハロの方のジュン!?」
ジュン「おま、こんなとこまで持って来てたのか!?」
ニャアン「完成まであと少しだから…完成した時にハロのジュンも側にいたら嬉しいかなって…丁度さっきパーツも手に入れたし…」
ジュン(ハロ)「テツダウデー」腕伸ばして工具取り出し
ジュン「あー…こっちの工具も使うか?」ベルトの工具取り出し
シュウジ「コンチの道具も使う?」
マチュ「へー、ハロってこうやって作るんだ…」
コモリ「あはは…あんまデートっぽくないね」
エグザベ「で、でも僕は楽しいですよ」
コモリ「ん、私も」 - 28二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 20:42:27
平和公園端
演歌「おーうオメーらも祭り楽しんで……ってだいぶ本格的な機械弄りしてるな…」
看守「祭りの日に携帯ゲーム機やってるちびっ子はたまに見るがハロ作ってる女子はあんま見た事ねぇな…」
ジュン「おー、2人も来てたのか。見回り?」
演歌「一応他のコロニーからの来客も多いからな」
看守「毎度毎度刑務所から俺を引っ張り出して来るのは勘弁して欲しいんだが、まぁ人手不足だしなぁ…お、ニャアンちゃんすげぇな、マジで1から10まで手作りのハロか」
ニャアン「ん…少しジュンにも手伝って貰ったけど…」
ジュン(ハロ)「ハロノニャアンデキル‼︎ハロノニャアンオソロイ‼︎」
ニャアン「ちょっ…!?」
演歌「お揃い…?お、そういやこの作りかけのハロ、塗装も自分でやってるのか」
看守「ほーん…自分の制服と同じ黒紫のハロを…ファン坊にねぇ…」
おっさん達「「へー…???」」にやにや
ニャアン「〜っ!!」ハロのジュンを掴んで顔を真っ赤にしながらぶんぶん振り回してる
ジュン(ハロ)「イデデデデデ」
ジュン「なんかハロの俺、他人とは思えないぐらい俺と同じように振り回されてるなぁ…物理的に…」
- 29二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 21:35:16
プチ余談
因みにジュン(ハロ)のカラーリングは耳が青、ボディが白のブルキャノンカラー
最初塗装する時ジュンは自分の色と同じように耳をジーンズ風の濃紺、ボディをワイシャツの空色にしようかなと考えていたが流石に露骨過ぎると思って機体カラーにした模様 - 30二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 22:27:04
- 31二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 22:38:32
2人揃って寂しげにおでんの屋台で飲んでそう…ついでにたまたま鉢合わせたアラガ&ラゴウチも奢って貰って飲んでる
演歌「オメーはいいよ看守さん…帰ったら迎えてくれる人達がいるじゃん…」
看守「中2の娘にサイテーとか言われる親父の心境考えたら事あるか???…心がいてぇぞ…」
アラガ(これなら甘ったるいだけでファンボイ達の方がマシかなぁ…)ひそひそ
ラゴウチ(今の2人の辛そうな感じはその…マジで辛そうでいじりにくいっすね…)
演歌「でもさぁ!!あんな露骨に可愛いの弄りたくなるじゃん!!!!」
看守「だよなぁ!?あー昔は母ちゃんもあんな感じ…とはちょっと雰囲気違ったけど可愛いかったんだけどなー!!今も可愛いけどなー!!!!」
演歌「可愛さなら俺んところも負けてねぇけどなぁ!!!!」
大将「アンタら今日も賑やかだねぇ、ほれ、おまけ」つ大根のおでん
- 32二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 22:52:55
演歌「ウチなんてアイツが一緒に実家連れ帰ってるから家に誰もいねーんだよ! 義理の親父さんが『心配しねぇでも、俺がちゃんと結婚の世話までしてやるからよw』って手元に置く気満々なんだよ! なんで4才の子供が結婚までじーちゃん家にい続ける前提なんだよ! でも詫び入れに行ってもついつい義親父さんと二人でサブちゃんの歌熱唱して盛り上がっちまうんだよ! お陰でアイツがまた愛想尽かすんだよ! ああ、でもアイツが言うにはおめーの娘は合格圏内だってよ!!」
看守「アホ。だが安心したぜ」
アララゴ「「アホっすね。それはさておき教官良かったっすね」」
大将「言っちゃ悪いがアホだな。娘さん合格したら一杯奢るぜ」
- 33二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 23:05:57
- 34二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 06:51:14
- 35二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 07:36:42
後輩達?に同じ道を歩ませたくないおっさん…!!
- 36二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 11:48:56
若い頃の2人も互いのパートナーと結ばれるまでに色々あったんだろうなぁ…
- 37二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 16:59:11
多分反面教師としては限りなく役立つ(本人達に言ったら拗ねるけど)
- 38二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:09:45
平和公園端で一同が昼食を終えた頃、スピーカーからアナウンスが響く。
アナウンス『会場の皆様にお知らせします。間も無くプチモビクレーンアーム二人羽織大会の開会式が始まりますので、出場者の方々は平和公園中央にお集まり下さい。繰り返します、間も無く…』
エグザベ「何度聞いてもふざけた名前の大会だなぁ、あはは…」
コモリ「あはは、本当にね」
マチュ「じゃあシュウジ、準備しに行こっか!!」
シュウジ「ん」
エグザベ「え、もしかして2人とも参加するの!?元気だなぁ…」
ニャアン「ジュン、私達も」
ジュン「おう!!じゃ、エグザベさん後でな!!」
エグザベ「ファンボイ君達も!?…まぁあの2人のタンデム操作は実際凄かったし賞金狙えるかもしれないか…?」
コモリ「エグザベ君!!私達も頑張ろ!!」
エグザベ「あ、はい!!………はい???」
コモリ「もー、何きょとんとしてるの?私達もエントリーしてるじゃない。ファンボイ君から何も聞いてないの?」
エグザベ「え!?いや聞いてない聞いてない!!大体ファンボイ君は皆んなでのんびりお祭り楽しもうぜって事以外何……も………
……謀ったな……謀ったなファンボイ!!!!」某ガルマ並の濃い表情
ジュン「エグザベさん、君は実にいい友人だったが、君のクソボケっぷりがいけないのだよ」某有名な仮面を被りながらはっはっはと笑ってる
ニャアン「いつの間に買ったのその仮面」
ジュン「くじ引き屋の隣で売ってた。3バイトで」
ニャアン「結構安いね」
エグザベ「ちょっと待って!!!?ホントに何も聞いてないんだけど!?ねぇ本当にこの大会参加しないとダメ!!!?」
コモリ「ほーら皆んなに迷惑かけないで早く行こ?」エグザベを引きずりながら
完全に嵌められたエグザベの叫びを無視して一同は会場まで向かう… - 39二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 21:07:29
平和公園中央
エグザベ「ふぁ、ファンボイ君酷いよ!!こんな騙し討ちみたいな…!!」
ジュン「まぁまぁいいじゃねぇの!!それにこいつはチャンスでもあるんだぜ?」肩組んでヒソヒソ
シュウジ「そうそう、チャンスだよ」肩組んでヒソヒソ
エグザベ「ちゃ、チャンス?」ヒソヒソ
シュウジ「二人羽織…密着する2人…縮まる距離感…」ひそひそ
ジュン「こーでもすりゃお互い意識するってもんだろ?このチャンスをモノにしろって!!」ひそひそ
エグザベ「…ぼ、僕にやれるかな…?」ひそひそ
ジュン「いけるいける!!」ひそひそ
シュウジ「応援してるよ、ファイト」ひそひそ
エグザベ「あ…ありがとう2人とも…!!」
マチュ「うん、流石シュウジにファン兄ちゃん、上手い事丸め込んでるね」
ニャアン「後は、コモリさん次第」
コモリ「ありがとう2人とも…!!にしても…」
周囲を見渡すと参加者と思われる面々がずらりと並んでいる。中にはどう見ても軍属がアウトローな面々もおり、中々に厳つい。
コモリ「お、思ったより大規模というか…なんか、参加者に厳つい人多いね…」
ニャアン「やっぱり、賞金目当ての人が多いのかも…なんなら難民居住区で見知った人達もいるし…」
ジェジー「げっ、オメーらも参加するのか!?」
マチュ「あ、見知った顔」
ナブ「お前らも賞金目当てか?俺達はアンキーに言われてなんだが…」
コモリ「しょ、賞金といいますか…」
マチュ「二人羽織目当て、かなぁ?」
ナブ「二人羽織目当て…?………あー、成る程色ボケか」
マチュ「一言で纏めないでよ!!」
コモリ「そ、そうですよ!!それじゃ私達がバカみたいじゃないですか!!」
ジェジー「まぁ概ねその通りだろ」
ニャアン(ひ、酷い言われよう…)
アナウンス『えー、大変お待たせしました、これより開会式を始めます』
- 40二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 21:30:54
開会式
市長「諸君!!勝ち抜きたいか!!!!」
一同「「「うおおおおおおお!!!!」」」
市長「優勝したいか!!!!」
一同「「「うおおおおおおお!!!!」」」
市長「賞金がほしいかあああ!!!!」
一同「「「うおおおおおおお!!!!」」」
ニャアン「す、凄い熱量…」若干怯えてる
マチュ「あ、あれぇ…?もしかして参加するイベント間違えた…?」
市長「はい、ありがとうございます。ではルールを説明しますね」にこっ
エグザベ「うわぁ急に落ち着いた口調!!」
ジュン「あの人も中々役者さんだよなぁ」
市長「まず皆さんにはお渡ししてある大きな半纏で二人羽織になってもらい、大会指定のフィールドに用意したプチモビに乗っていただきます」
マチュ「あはは、見て見てシュウジ、1人できたらぶかぶかー」
シュウジ「うん、可愛いよマチュ」にこっ
マチュ「えへへー//」
周りの人達(((露骨にいちゃついてる…)))
市長「プチモビの操作をするのは後ろの人、前の人は指示とじゃんけんをして下さい」
コモリ「…ん…?じゃんけん…???」
市長「そしてじゃんけんに勝った方はこのプチモビ用ピコハンで相手のコクピットを叩き、負けた方はプチモビ用なべぶたでハンマーを防いで下さい。3回先に相手に攻撃をヒットさせた方が勝ち!!」
ジュン「あっこれ叩いて被ってジャンケンポンだ!!プチモビ使ってるだけの!!!!」
- 41二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 22:24:55
開会式終了、トーナメント抽選中待機時間
ニャアン「叩いて被ってじゃんけんぽんって…この前ジュンが見せてくれたニッポンのお笑いビデオでやってた、アレ?」
ジュン「っぽいなぁ…プチモビでやる事ではないんだよなぁ…」
ラゴウチ「戸惑うぐらいなら登録する前にちゃんと規約見とけよ…」
アラガ「こんなん賞金目当てのバカか強制参加させられた軍警ぐらいしかいねぇぞ?」
ジュン「おー、ラゴウチさんにアラガさん、2人も出るのか!!」
ニャアン「そういえば、この2人もマヴなんだっけ…」
ラゴウチ「叩いて被ってジャンケンポンやる為にマヴ組んでる訳じゃないんだがなぁ…」
アラガ「なんだって市長はこんなアホみてぇな企画を…ってアレ?お前エグザベ・オリベか?」
エグザベ「っ!!」ギクッ!!
ニャアン「っ!!」ギクッ!!
ジュン「へ?2人ともエグザベさんのこと知ってるのか?」
ラゴウチ「知ってるも何もこいつジオry」
マチュ「おおっと手が滑ったぁ!!!!」コンチをラゴウチの頭にぶん投げ
ジュン「あっ、コンチが…」
ラゴウチ「ほげっ!!!?」顔面直撃
アラガ「ラゴウチ!!!?」
ジュン「うわぁ顔面にコンチがめり込んでる!!!?」
コモリ(う、うーん…いよいよバレるのは時間の問題かなぁ…???)
- 42二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 23:05:33
よくよく考えるとエグザベ君既に軍警に捕まってるのでジュン兄にバレるのはマジで時間の問題である
- 43二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 23:30:35
クラバとかいう命懸けバトルで金稼いでる人が結構いるであろう世界なので多分こんな感じの賞金出るイベントに参加する人は多いよね、この次元の宇宙世紀
- 44二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 23:35:13
- 45二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 23:41:41
- 46二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 00:57:36
- 47二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 06:00:32
- 48二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 07:07:19
- 49二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 08:10:15
トーナメント開始
ラゴウチ「前が見えネェ…」顔面にコンチがめり込んだ後ギャグ漫画みたいに顔面凹んでる
アラガ「…ラゴウチは二人羽織の後ろの方担当な。ジャンケンと指示は俺がやるから」
マチュ「た、たはは、ごめんラゴウチさん。頭にハチが止まってたから…」
ラゴウチ「オメェ知り合いじゃなかったらブタ箱ぶち込んでたぞ…」
ジュン「コロニーにハチなんているんか…?」
ニャアン「こ、個人で農業してる人が花の交配用に買ってたりするみたいだから…」
アナウンス『それではまず第一回戦目!!チーム軍警VSチーム地球行きたい!!2組はステージへ上がって下さい!!』
アラガ「お、いきなり俺達か。そんで相手は…地球行きたい…?」
マチュ「あ、私達だ!!」
シュウジ「僕もマチュも、地球に行きたいからね」
ニャアン「名前安直過ぎない…???」
ラゴウチ「よーし顔面のケガの恨み晴らさせて貰うぜ!!」
マチュ「負けないよー!!シュウジ、行こっ!!」
シュウジ「ん」
ジュン「頑張ってこいよー!!…しかし、ラゴウチさん達も随分変わったよなぁ…」
ニャアン「うん、難民居住区壊してたのが嘘みたい」
ラゴウチ「ん?なんか言ったか?」
ニャアン「ううん、何も」
ジュン「ラゴウチさん達もファイトな!!」
ラゴウチ「おう!!」
アラガ「ラゴウチ、ファンボイ達がいるのは逆方向だぞ、マジで前見えてねぇんだな」 - 50二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 08:21:16
一回戦目、マチュ達VSラゴウチ達
アナウンス『さぁ始まりました第一回戦!!記念すべき一回戦目に戦うのはサイド6を守る軍警察の2人と、サイド6を代表するバカップルだ!!』
マチュ「ちょっ、今バカって言った!?」
シュウジ「ちょっと失礼だと思うな」
アナウンス『何かほざいていますがまぁそれはさておき!!選手達は会場のプチモビに乗ってから二人羽織になって下さいね!!』
マチュ「むう…あ、操縦はシュウジね。体格的に私が後ろだと運転無理だから」
シュウジ「ん、分かった」マチュをハグ
マチュ「うへっ!?い、今じゃなくて乗ってからね!?」によによしてる
アナウンス『さっそく色ボケをかましております!!軍警のお二方の方は…』
ラゴウチ&アラガ「「…」」みちみち
アナウンス『うーん…成人男性2人がプチモビ二人乗りはちょっと無理がありましたかね…』
コモリ「さ、流石アマテちゃん…すっごいいちゃついてる…!!」
エグザベ(…これここにいる大多数のチームがコクピット内みちみちになるのでは…?)
アナウンス『準備出来ましたね!?それでは第一試合開始!!』
ニャアン「…あれ?ねぇジュン、叩いて被ってジャンケンポンって最初に前の人がじゃんけんしてから目が見てない後ろの人が操作して攻防するんだよね?」
ジュン「ん?そうだけど、それがどうかしたか?」
叩いて被ってジャンケンポン!!
シュウジ「…パー」ピキーン
マチュ「分かった!!」パー
アラガ「げっ負けた!?ラゴウチ防御…」
マチュ「シュウジ!!」ピキーン
シュウジ「…!!」ピコハンぶっ叩き
ラゴウチ「いでぇ!?」
ニャアン「………ニュータイプ有利過ぎない?このルール…」
ジュン「あー…確かにニュータイプ込みだとゲームバランスクソかもしれねぇ…」
- 51二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 08:38:53
一回戦目終了and2回戦目
マチュ「勝ったぁ!!」
シュウジ「うん、ストレート勝ちだったね」
ラゴウチ「オメェらそれは流石にズルだろ!?」
アラガ「ほぼ未来予知と感覚共有とか叩いて被ってジャンケンポンで使うには無法過ぎるだろ…」
マチュ「ズルじゃないですー愛の力ですー」
シュウジ「そうだね、僕達だから出来た事」
マチュ「えへへー//」
ラゴウチ「バカップルどもがよぉ…」
エグザベ「うーん、流石本物のマヴ…普通のニュータイプだとここまでは出来ないかな…」
アナウンス『えー、続きまして2回戦目!!チームポメラニアンズとチーム少尉2人!!ステージまで来て下さい!!』
ジュン「お、ポメラニアンの2人だ!!相手は…?」
コモリ「あ、私達のチームです!!行こ、エグザベ君!!」
エグザベ「少尉2人ってそんなど直球な…」
アナウンス『続いての2組!!一方はカネバン有限公司の2人と、現在出張中のカップルさん!!』
エグザベ「へっ!?い、いえカップルという訳ではry」
コモリ「い、嫌だった…?」
エグザベ「いえそんな事はありません!!」
ジェジー「…なんか…最近俺らの周りこんなんばっかだな…」
ナブ「さっさと終わらせてブラックコーヒーを飲みたい…」
アナウンス『甘酸っぱい2人に対して男2人の哀愁が凄いです!!』
ジェジー「あぁん喧嘩売ってんのか!?」
ナブ「コロすぞ…」
ケーン「接客のストレスでだいぶナブがイラついてる…」
アンキー「終わったらブラックコーヒーいれてやるか…」
- 52二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 08:55:10
2回戦目
エグザベ「…なんか…」後ろ側
コモリ「こ…これは…恥ずかしい…」前側
子供「ぱぱー、ままー、お姉ちゃん顔真っ赤ー!!」
お父さん「そ、そっとしてあげなさい…」
お母さん「ふふっ、お父さんも乗られるの恥ずかしいもんね?」
お父さん「やめないか母さん!!!!」
ナブ「…どうにか体格差のおかげで前後のバランス良くなったな」後ろ側
ジェジー「暗にチビって言われた気がしなくもねぇがまぁいいや、しっかりやれよ!!」前側
叩いて被ってジャンケンポン!!
コモリ「わっ、ま、負けた!!」
ジェジー「よし勝った!!」
ナブ「勝ちか!!ハンマーは右側だな!?」
ジェジー「あっ待て行き過ぎだ!!もうちょい左…もう数十センチ!!」
ニャアン「…もたついてる…」
ジュン「そりゃ目が見えなきゃフツーそうなるわな…しかもプチモビだし…エグザベさん達は…?」
コモリ「エグザベ君、防御、防御!!」
エグザベ「はいっ!!」ぐっと腕伸ばし
コモリ「ひゃん!?」
エグザベ「えっ!?ど、どうかしましたか!?」
コモリ「………えっち…」
エグザベ「え、いや、違、違うんです!!見えなくて!!僕ちゃんとレバー持ってますよね!?」
シュウジ「おー…」
ジュン「やるなぁエグザベさん…」
ニャアン「エグザベさんもニュータイプな筈だけどもたついてるね…」
マチュ「普段なら透明化してる敵とか撃ち抜ける筈なんだけど…緊張してるんだろうねぇ…」
尚なんやかんやでエグザベの技量のおかげでエグザベ組が勝った
- 53二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 09:35:43
2回戦目終了and3回戦目
コモリ「……」頬を染めてそっぽむき
エグザベ「あの、コモリさん、僕の目を見て欲しいんですが…何もしてないですよね!?僕何もしてないですよね!?」
ジュン「いやぁエグザベさん…男見せたね」
シュウジ「これはもう責任取らないとだね」
エグザベ「そんなに!?そんなにしないといけないレベルの事してた!!!?」
シュウジ「でも実際色々触れ合えて役得だったでしょ?」ヒソヒソ
エグザベ「………うん」ヒソヒソ
シュウジ「役得だったってコモリさーん!!」クソデカボイス
エグザベ「ジュン・ファンボイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」Xカスタム乗ってブルキャノンと戦ってる時並の気迫でジュンの胸ぐら掴んでぶんぶんしてる
マチュ「おー、最早時間の問題だねぇ」
ニャアン「元々2人とも意識し合ってたもんね…」
アナウンス『続きまして第3回戦!!チーム黒猫と騎士VSチームボトムスクラッパーズ』
ジュン「あ、俺達の番だな」
マチュ「黒猫と騎士…へー、ニャアンがつけたチーム名なんだこれ…へー」によによ
ニャアン「う、うるさい!!…対戦相手は…」
ジャンク屋A「あ、お前らが相手かよ」
ジャンク屋B「青いガンダムのパイロットはともかくそっちのガキは操縦出来るのか?」
ジュン「おお、ボランティアの時の組合にいたジャンク屋の2人か!!」
シュウジ「ファン兄ちゃん達の知り合い?」
ニャアン「ちょっと前にビンタしちゃって…」
マチュ「えっ何それ暴力的…」←特大ブーメラン
- 54二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 09:49:36
3戦目
ジャンク屋A「青いガンダムのパイロットとのタイマンならともかく、こいつは2対2のバトルだからな」前側
ジャンク屋B「しかも操縦側の青いガンダムのパイロットは目も見えてねぇし、こりゃ勝ちの目もあるぜ?」後ろ側
ジュン「おー、マジでなんも見えねーや、あはは」後ろ側
ニャアン(さ、流石にこの距離感がずっと続くのは恥ずかしい…!!)
ジャンク屋A「…なまじしおらしいから、生々しくて嫌だな」
ジャンク屋B「おめぇらこっそりやる事やってたりしてないよな?」
ジュン「あ、やっぱそう見える?」
ニャアン「してない!!!!」
叩いて被ってジャンケンポン!!
ジャンク屋A「よし勝った!!」
ニャアン「ま、負けた!!防御して!!」
ジュン「マジか!!えーと、こ、こっちか!?」
ニャアン「もうちょっと右…いや少し手前!!」
ジャンク屋B「よっしゃハンマー取った!!喰らいやがれ!!」
ニャアン「き、来た!!」
ジュン「っオラァ!!」
ピコハンが振られた瞬間、ジュンはレバー操作でピコハンの持ち手を掴んで攻撃を止める。
ジャンク屋A「何ぃ!!!?」
アナウンス『えー、攻撃はなべぶたで防いで下さい、今回は特別ありにしますが次やったら失格です』
ジュン「えっ、これダメ!?」
ニャアン「やってる事はナベブタでガードするより凄いんだけれどね…」
- 55二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 10:03:04
暫く泥沼が続く3試合目
ニャアン「な、中々勝負が決まらない…ハンマー取れても狙いが外れたり時間切れになったりで、うまくいかない…」
ジュン「そりゃまぁどっちもニュータイプいなかったらこんなもんだよなぁ…せめてもっとニャアンの指示を俺が素早く理解出来れば………あ、そうだ!!審判、ニャアンに俺の手の甲に掌乗っけて貰うのはあり?」
審判『掌ですか?前の人が操作しなければ構いませんが…』
ジュン「ヨシ!!じゃあニャアン、ジャンケンポン終わったら俺の手の甲に掌乗っけてくれよな」
ニャアン「…?それは別にいいけど…」
叩いて被ってジャンケンポン!!
ジャンク屋A「よし勝ち!!」
ニャアン「ま、負…」
負け、と言い切る前にジュンは素早くナベブタを取ってガードの構えを取る。
ジャンク屋A「げっ防がれた!!」
ジャンク屋B「早っ!?」
叩いて被ってジャンケンポン!!
ニャアン「っ!!今度は勝…」
言い切るより早くピコハンでジャンク屋のプチモビをぶっ叩く。
ジャンク屋B「いでぇ!?」
マチュ「おお、ファン兄ちゃんやるじゃん!!」
エグザベ「…?急に動きが良くなったな…?」
この後ストレート勝ちでジュン達が勝利した
- 56二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 10:18:07
3回戦目終了
ジュン「勝ったぜ!!」
ニャアン「勝っちゃった…」
マチュ「凄いじゃんファン兄ちゃん!!ニャアンも!!」
シュウジ「途中からは見えてるみたいだったね、びっくりした…もしかしてホントに見えてた?」
ジュン「いや全然、でもニャアンに掌重ねて貰えたからだいぶ楽に出来たんだよ」
エグザベ「掌…?」
ジュン「あ、えーと…ちょっと前に俺怪我して、二人乗りでニャアンに機械の操作を手伝って貰った事あってさ…」
エグザベ「あ、ああ、そうなんだ(黒い軽キャノン戦の時か)」
ジュン「ニャアンに俺が怪我してる側のアームを操作して貰ったんだけど、その時怪我した手の甲と掌を重ねてて、そしたら不思議とニャアンがどこを見てるのか、どの辺りを意識してるのか分かってさ。直接肌に触れてるから、感覚で分かる…的な?」
コモリ「へぇ…感覚が鋭い…というか…2人の感覚が相性がいいのかも?」
ジュン「あははっ、そうかも!!」
マチュ「………〇〇とか〇〇〇〇とかしたら相性良さそう」小声
ニャアン「〜っ!!!?//」マチュの胸ぐら掴んでぶんぶん振り回す
マチュ「いだだだだごめんごめん嘘嘘!!!!」
ジャンク屋A「畜生ぉ負けた…」
ジャンク屋B「仕方ねーよこの大会全体的にレベルたけーぜ…」
- 57二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 12:34:38
作中のちゃんと管理されてる綺麗なエリアとか見る限り実際独立コロニーの中でも結構経済的には発達してそう、難民問題とか色々大変な事は多いかもだけど
- 58二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 16:43:46
同刻、軍警察本庁下留置所食堂
囚人A「よっしゃそこだ!!行け、決めろ!!」
囚人B「あーくそっ外した!!もっと良く狙えって!!」
ベイン「…?なんじゃ、今日はいつもに増してクラバ観戦に熱心な…いや、映っとるのはプチモビか?」
看守妻「平和公園でプチモビクレーンアーム二人羽織大会ってのをやっててね。今日はそれの勝ち負けで優勝のおかず賭けてるんだと」
ベイン「なんじゃその企画部が三徹した挙句ストゼロがぶ飲みして生み出したようなアホの企画は…今更じゃが刑務所の食堂にテレビが置いてあって囚人達が賭けしてるのってどうなんじゃ?」
看守妻「逆だよ。変に締め上げ過ぎると反発しちまうから適度に娯楽があるのさ。別にヤバい武器やら薬やらをやり取りしてる訳じゃないしね。それに、こんなんだけれどここの刑務所は意外と治安がいいって評判なんだよ?」
ベイン「そうさのぉ、この前の難民居住区にボランティアに来てたのが囚人達だと聞いた時には腰抜かしたわい」
看守妻「まぁぶっちゃけた話すると、マジでどうしようもない極悪人はこことは別の厳重管理刑務所に拘束されてるか、或いはそもそも捕まる前にかつての蒼い騎士か鉄錆の爪に始末されてたからねぇ…皮肉にもアンタらがスパイやってたおかげでサイド6の治安が良くなってた、ってところも正直あるのよ」
ベイン「なーるほど、納得じゃわい」かっかっか
囚人A「おおいベイン爺さんも来いよ!!ニャアンちゃんも映ってるぜ!!」
ベイン「ホントか!?おお、ホントに映っ………おい待て、何をやっとるニャアン、何故二人羽織を…おいこら蒼い騎士!!!!はしたない真似をするでない!!聞いとるのかおい!!!!」
囚人B「落ち着けってじいちゃん、テレビに叫んでもどうしようもねーって」
看守妻「…あんなんでも2人揃って連邦のスパイだったとは、思えないよねぇ。まんま陽気な彼氏とそれを認めないお父さんだもの」くすくす笑ってる - 59二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 18:19:54
多分刑務態度もいい人多めだから特典でテレビとか置いてもらえたんやろな…
- 60二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 18:42:54
平和公園端、大会敗者休憩所
ラゴウチ「畜生…まさかの初戦敗退とは…」
アラガ「俺ぁ初戦敗退でホッとしたよ。勝ち続けてたらまたあのゲロ甘連中の様子見守ってないといけなかったんだぜ?」
演歌「おうおう情けねぇ事言ってんじゃねぇよ」
看守「とはいえ今回は流石に相手が悪かったな」
ラゴウチ「ホントっすよ!!あれ実は見えてたりしてないっすか!?」
演歌「多分見えてねぇだろうなぁ…なんなら閃光弾喰らっても空間認識で空中浮遊するヒートホークをザクに当てれる連中だし…」
アラガ「字面にすると怖っ…」
ジェジー「あ、ラゴウチさん達もお疲れ様っす」
ラゴウチ「おう、オメーらもそういや初戦敗退か…まぁ流石にジオンの現役軍人相手じゃ仕方ねぇか…」
アラガ「…ところでオメーの相方は何してんだ?」
ナブ「…」ブラックコーヒーめっちゃ飲んでる
ジェジー「あー…客引きからMS降りた後もやたら女子高生に逆ナンされて甘い菓子食わされまくって…体の糖分洗い流してるみたいっす…」
アラガ「断ったり無下にしたりしないあたり根っこはいい兄ちゃんなのがよりモテるんだろうなぁ…」
演歌「おぉい黒服の兄ちゃん!!こっちでビールでも飲まねぇか!?焼き鳥もあるぞぉ!!」
看守「軍警が一般人に酒勧めるのか…いや俺も飲むけどよぉ」
ジャンク屋A「当然ながら敗者席のメンバー厳ついな…」
ジャンク屋B「そもそも参加してる中で女子なのがあの3人ぐらいだからな」 - 61二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:06:35
その後もニュータイプ能力を活かして勝ち進むマチュとシュウジチームと不慣れながらもニュータイプ能力の補助も相まって次第に息も合うようになってきたエグザベとコモリチーム、そして驚異的な反射神経で前者2チームに劣らぬ連携を見せるジュンとニャアンチーム。一同は遂に準決勝まで勝ち進む。
マチュ「いやぁ、まさかここまで勝ち進めるとはねぇ…」
シュウジ「ここまで来たら狙ってみよっか、優勝」
ジュン「それはいいけどよぉ」チラッ
エグザベ「…」そわそわ
コモリ「…」そわそわ
ジュン「2人はどうしたんだ?」
ニャアン「多分、想像以上に2人でくっついてた時間が長かったから顔を合わせるだけでも恥ずかしいんだよ」←くっつくのが恥ずかしい派なので気持ちが分かる
ジュン「おいおい…そんなんで決勝戦行けるんかぁ…?」
ニャアン「…あ、でもちょっと待って。これからやるのは準決勝だよね。じゃあ私達以外にも他に勝ち抜いたチームがいるって事か?」
ジュン「そうなるな。えーと勝ち抜いたチームの名前は…なんだこれ?
チーム市長+大佐探してます???」
シャリア「おや、次の対戦相手は君でしたか、公爵家の蒼い騎士」
ジュン「うおっシャリア・ブル!?」
エグザベ「!!!?」
コモリ「!!!?」
ジュン「おま、なんでまたこんなとこに!?」
シャリア「現在ソドンは以前の統一機構スパイ達の引き渡しと登録確認の為に入港中でしてね。クルーは皆暇を持て余してる訳です」
マチュ「…大佐探してますがシャリアさんだとすると…市長っていうのは…」
市長「無論、私だよ」
ニャアン「し、市長さん…!?」
シャリア「いやぁ楽しみですね、蒼い騎士との手合わせは久しぶりです」にこにこ
ジュン「危うくコロされかけた相手にそれ言われるとフツーに恐怖なのよ…」
- 62二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:33:21
- 63二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:44:17
この3組以外で決勝行けそうなメンツが現状緑のおじさんしかいなかったのですw
ジュン「つーかいつの間に市長と仲良くなったんだよアンタ…」
シャリア「何かとサイド6には顔を出してますからね。以前は軍警に捕まったエグザry」
マチュ「しーっしーっ!!シャリアさんその話は秘密!!」ヒソヒソ
シャリア「おっと、そうでした」ひそひそ
ジュン「そういやマチュとシュウジも一応ジオン配下でジークアクスと赤いガンダム使ってるんだからそりゃ知ってるか…」
エグザベ(あーびっくりした…!!)
コモリ(し、心臓に悪い…!!)
- 64二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 21:06:14
かくして準決勝1戦目で戦う事になったジュン+ニャアンチームVS市長+シャリアチーム。
4人がステージに上がると…というより、シャリアがステージに上がった途端、会場の至る所からまるで絶叫のような女性の歓声が響く。
ジュン「うおっ何々!?」
ニャアン「…ソドンから帰った日に調べてみたんだけど…あのシャリアさんって人、ジオンだけじゃなくてサイド6でも凄い人気なんだって。ファンクラブもあるみたい」
ジュン「ファンクラブぅ!?……うわっマジだ、特設サイトまである…スパイ時代に知ってたら俺キレ散らかしてたかもしれんなぁ…」
シャリア「ははっ、なんだか照れくさいですね」慣れた様子でファンサを返しつつ
ジュン「そのファンサの返しの速さで照れくさいは嘘だろ」
市長「いやぁ、彼の女性人気は凄いね。そんな彼と二人羽織するのは女性ファン達から妬まれそうでちょっと怖い」
ニャアン「まさか市長さん本人がイベントに出てるとは思わなかった…」
ジュン「市長の方はともかく、シャリアブルの方はマジでヤバいからな…目を合わせるなよ、心覗かれるぞ」
ニャアン「う、うん」
コモリ「そんなサトリ妖怪じゃないんだから…」
エグザベ「まぁ、本物のマヴ戦術が出来るニュータイプの中にはそれに近い事出来る人もいないとは言えないから…」ちらっ
マチュ「はいシュウジ、あーん♪」つたこ焼き
シュウジ「むぐっ………ちょっと熱い」
- 65二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 21:13:35
- 66二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 21:24:17
そしてプチモビに乗り込む4人。
市長「すいませんねシャリアブル中佐。ここまでずっと操縦任せで」前側
シャリア「いえいえ、市長には無理を言ってこの大会への参加を認めて頂きましたから」後ろ側
ニャアン「やっぱり、ジュンが言ってた通りシャリアさんが後ろだね」
ジュン「有線式オールレンジ攻撃でどこから攻めても的確にこっちを撃ち抜いてくるような奴だからな。そりゃあ操縦はあいつだろうよ…」
アナウンス『では…試合開始!!』
叩いて被ってジャンケンポン!!
シャリア「っ!!!!」
ジュン「っ!!!!」
市長「お、勝…」
ニャアン「っ、負…!!」
2人の前列が言い切る前に、シャリアはニュータイプの直感で勝利を察し素早くピコハンを掴んで振り下ろし、ジュンはニャアンの掌の動きから動揺を感じ敗北を察してからナベブタを掴んで攻撃を紙一重で防ぐ。
シャリア「ふ…そうでなくては面白くない」
ジュン「ちぃっ、灰色の幽霊のパイロットの腕前は健在か!!」
マチュ「す…凄い緊迫した空気…!!絵面は二人羽織だから凄く間抜けだけど…!!」
シュウジ「これは長引きそうだね…」
- 67二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 21:29:12
- 68二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 21:43:22
…2組のプチモビが対峙する事、1時間…
ジュン「ぜぇ…ぜぇ…」
ニャアン「け…決着つかない…!!」
市長「うーーーむ、ここまで長引くとは…」
シャリア「………」
コモリ「いや試合時間なっっっがい!!!!」
マチュ「これ決着着くの!?」
シュウジ「流石シャリアさんだね。反射速度は僕達より上かも」
エグザベ「うん…いくらファンボイ君の反射神経が優れてるとは言え、中佐のニュータイプ能力と経験値を持ってすれば、このニュータイプ有利の勝負なら、圧倒的に大佐が有利の筈なのに…」
シャリア(…私の反応に追いつけている…いや、寧ろかつてブルキャノンを駆って私と戦った時よりも…早い…これは…)
ニャアン「…じゅ、ジュン…ちょっとマズいかも…大丈夫かな…?」
ジュン「もう少しだけ集中してくれ!!せめて1発だけでも…!!」
ニャアン「い、いや違くて…その…
わ、私の匂い大丈夫?ずっとプチモビに篭ってたから…」
ジュン「へ?…いや、フツーにいい匂いだけど、甘い果物っぽい感じの…」
シャリア「……知ってますかニャアンさん。匂いのいい異性というのは非常に相性が良いらしいですよ?」
ニャアン「へっ!?」
ジュン「あれっ、ど、どうしたニャアン!?めっちゃ手が熱くて動きが分かりづら…」
シャリア「スキあり!!!!」ピコハン
ジュン「あってめぇ汚ねぇぞ!!!!」ナベブタ
- 69二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:31:23
対決から2時間経過…
ニャアン「うう〜…!!」匂いやらシャリアの揺さぶりやらが酷くて赤面ぐるくる目
ジュン「テメェさっきから汚ねぇぞ木星帰り!!ニャアンに揺さぶりかけまくってよぉ!!」
シャリア「高潔なのは結構ですがこれは勝負です、勝ちに行かせて頂きますよ」
市長「出来ればそろそろ終わると助かるなぁ…2時間二人乗りで固まりっぱなしは節々につらみが…」
観客1「シャリア様頑張ってー!!」
観客2「ファン坊根性見せろぉ!!」
マチュ「も、最早決勝戦ぐらい盛り上がってる…」
コモリ「えっ、こ、この後に私達やるの!?」
ジュン(ちっ…ニャアンのメンタルとか諸々を考えるとそろそろ限界…正直俺も流石に2時間ニャアンと二人羽織はヤバい!!どこがとは言わんがもうだいぶヤバい!!)
シャリア(ふ…向こうはもう限界のようですね…いや正直に言うと我々の体の節々も普通にマズい…私はともかく市長の方は本格的に健康に支障が出かねない…)
ジュンシャリア((次で決める!!!!))
叩いて被ってジャンケンポン!!!!
ニャアン「ジュン!!」
ジュン「おおおおおおお!!!!」
シャリア「くっ!!!!」
過去最高レベルの反射速度で2人はピコハンとナベブタを構え、ぶつけ合い…
その直後、突然2人のプチモビの関節部から煙が吹き出す。
ジュン「うおっ何だ!?」
シャリア「…これは…」
整備班「…えー…オーバーヒートですね。どちらの試合用プチモビも、これ以上の稼働は無理です」
ニャアン「…じゃあ、勝負は…」
市長「…引き分け…かなぁ…?」
暫しの間をおいて、会場からは困惑と驚きの混ざったような声が至る所から響くのであった…
- 70二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:34:48
- 71二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:44:41
- 72二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:56:20
閉会式後、帰り道
マチュ「いやぁ…結局試合用のプチモビが壊れたせいで大会中止になっちゃったうとはね…」
コモリ「正直助かった…あの熱戦の後私達の準決勝やっても盛り上がらなそうだし、あはは…」
エグザベ「ぼ、僕は今日一日ずっと楽しかったです!!コモリさんと、いつもより多く一緒にいれたから!!」
コモリ「!!…えへへ、ありがと、エグザベくん」
シュウジ「うん、こっちも良い感じ」
ジュン「俺達が茶々入れた甲斐があるってもんだな…でもなぁ…あいつとの決着つけられなかったのは悔しいなぁ…ジオン周りでいや結局あのジオンのガンダムのパイロットともケリつけてねぇし…」
エグザベ「!!」ギクッ!!
ニャアン「…ジュンは、今も憎んでるの?シャリアさんとか、ジオンのガンダムのパイロットさんとか」
ジュン「……どう、だろうなぁ…刃を交えた相手だから、どこかでケリをつけたいとは思ってるけど…アイツら自身がコロニー落とした訳じゃないもんな……よく…分かんねぇや…」
エグザベ「…」
コモリ「…」
マチュ「…よく分かんないならさ、とりあえず保留でいいんじゃない?」
シュウジ「うん、それぐらいでいいと思う」
ジュン「…そんなもんでいいんかねぇ?」
ニャアン「うん、それでいい。命を落としたり、奪ったりするよりは、ずっといいよ」
ジュン「…そっか…じゃあ、そうすっかな!!」
エグザベ「…ありがとうね、ファンボイ君」
ジュン「へ?あはは、どしたよエグザベさん?」
- 73二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 23:01:51
- 74二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 23:06:02
- 75二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 23:11:11
ファンクラブの子達の方見ながら「なんであんなオッサンがいいんだろうねぇ」とか「おお、跳ぶ度に揺れてる捲れてるw」とかやっかみと品のない会話が交わされる敗北者席…
1~3着の賞金を市長チーム以外で等分するのか、没収試合で賞金もナシか。
上位チームが色ボケ集団ばっかりだからどっちでもいいって空気だけど、賭けやってた欲ボケ連中はザッケンナコラー!して敗北者席の軍警達に「ちょぉっとウチの事務所で話そうか(ニッコリ」されてく光景が見える…
取り敢えず少尉殿、これで糸口は掴めましたぜ。
あとは口実付けてソドン艦載プチモビで(酸欠対策のノーマルスーツ着用しながら)タンデム訓練するだけでさぁ。
目指せプチモビ操縦記章! あわよくばMS操縦記章も!
- 76二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 23:21:33
- 77二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 23:32:41
- 78二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 07:06:31
朝保守
- 79二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 07:35:52
そのうちソドンメンバーでサイド6に飲み会に来たりしてw
- 80二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 12:30:14
- 81二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 17:12:06
- 82二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 20:05:45
その日の夜
結局夕方遅くまで続いた大会から帰ったジュンはニャアンと簡単な食事をしてから自室に籠り、以前市長から渡されていたとある企画書に目を通していた。
ジュン「…しかしあの市長さんも色々やってるよなぁ…ジオン中佐との交流に難民居住区への支援、軍警への指示…そこまではまぁ分かるが…
ブルキャノンの武装及び機動力強化案ねぇ…
今は少し年数経ったけどあの機体一応連邦の最新試作機だったんだぞ?。よくフォーマットの合う部品のライン用意出来たな…というかこの武装って…」
ニャアン「ジュン、いる?」
ジュン「うおっそい!!!!」企画書を部屋の隅へぶん投げる
ニャアン「…?何今の奇声……変な本とか読んでた?」
ジュン「い、いや別に!?どうかしたか!?」
ニャアン「ん、出来たよ、ハロ。まだ機動してないけど、最後に確認してみて」
ジュン「おお、マジで!?早いな!!」
ニャアン「結局皆んなに手伝ってもらっちゃったから…」
ジュン「いや大したもんだって!!流石俺の…」
…ニャアンを褒めようとした時、不意にジュンの脳裏に目の前の光景とは全く別の、幼い少女の姿が映り、全く別の言葉が響く…
『えへへ…凄い、でしょ?もっと褒めていいんだよ、お兄ちゃん』
ジュン「!!!!」
ニャアン「…?ジュン…?」
ジュン「え、あ、いや…流石俺の事実上マヴだな!!満点!!」
ニャアン「ふふっ、何それ」
ジュンの笑顔はいつも通りに明るく、だからこそ、ニャアンは無意識のうちに気付かないふりをしていた。ほんの一瞬、ジュンの表情に影が刺した事に… - 83二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:16:09
同刻、軍警察本庁応接間
以前ジュンとニャアンが呼ばれた軍警本庁の応接間に、ソファに腰掛けている市長と、彼の前で姿勢を正す技術者のような男達の姿がある。市長は手元の資料の一枚一枚に目を通している。
市長「………」
技術者1「…今回の大会で得られた各参加者達の機体操作パターンから調べ上げた『例の機体』への適合率ですが…見ての通り良い結果は得られませんでした」
技術者2「ニュータイプも何人か参加していたとの事でしたが、平均値は30%未満…ブルキャノンとの息の合った連携を見せたあのエグザベ・オリベですら適合率は42.6%です。少なくとも後列側での今大会参加者からのテストパイロット募集は、見送りで良いかと…」
市長「…これらのデータは、全て後列の参加者のデータだね?」
技術者1「ええ、あの機体に求められるのは感覚的な操作による支援能力ですから、まずはそちらを優先して…」
市長「前列の参加者のデータも取っているだろう?1人、より詳しく調べて欲しい者がいる。いいかな?」
技術者2「は、はい。少し時間はかかりますが、可能です。前列での役目…つまりは後列の者が五感不全の時に支援出来る能力もあの機体に求められる能力ですので。データが纏まり次第、再度報告致します」
市長「うん、頼むよ………いずれ、必ずあの機体が必要になる時が来るからね…」
- 84二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:21:01
- 85二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:29:18
同刻、???
???「〜♪〜♪」
…1人の女性が、殺風景な部屋のベッドに腰掛けて鼻歌を奏でている。一見すると少女に見える程に小柄だが、幼くもどこか妖しく感じる整った顔立ちが、どことなく大人な雰囲気も醸し出している。
少し改造が施されたミニスカートと連邦軍服姿に加え、ふわふわの銀髪には所々に黒髪が混ざっており、見つめた者を吸い込むような赤い瞳が、よりその女性の不思議な雰囲気を引き立てている。
そんな女性がいる部屋に、3人の人物が入って来る。1人はぼさぼさの金髪に眼鏡が特徴的な青年、1人は整った黒の短髪の大柄な青年。2人は同じ連邦軍軍服を着ている。そして、もう1人は猫背に黒の長髪が特徴的な白衣の男だった。白衣の男は鼻歌を歌う女性に声をかける。
白衣の男「ご機嫌ですねぇ。また何か見えましたか?それとも聞こえた、とか?」
???「ふふっ、見えたし、聞こえたし、感じてるよ?ようやくサイド6に行く事になったんだね?おそいよもー」
白衣の男「…サイド6への出動は私も今さっき聞いたばかりなのですが…ここまで恐ろしい事を続けられると、最早関心です」
???「そこでやるんだよね、思いっきり」
白衣の男「ええ、最新型のパイロットは君達に任せます。期待してますよ?
リリー・チョコレート。
かつてのブルキャノン試作機パイロットとしての実力と…貴女自身のニュータイプ能力に…」
続く…
- 86二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:31:31
- 87二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:33:19
おかげさまで無事第3話終わりました、次回(明日か明後日)から少しずつ連邦幼馴染編が始まったりする予定です、多分過去最長になるのでスレ数がどうなるかは未知数…!!
- 88二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:43:23
- 89二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:47:17
- 90二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 21:52:13
- 91二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:10:16
- 92二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:17:11
- 93二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:23:52
- 94二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:34:04
- 95二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:38:41
- 96二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 22:54:58
- 97二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 23:00:51
多分説明では無くて「洗脳」…ニュータイプじゃなかったら侵蝕された。
あとあのおじさんを何度か間近で見てたので幻想が最初からぶち壊されてた。
(もしもこれを口にしていたら…全会員参加の異端審問裁判の被告席に縛り付けられた事は言うまでも無い)
- 98二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 23:02:46
- 99二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 23:11:23
※普段のぽんこつっぷりを見て難民居住区で生活させるのが不安過ぎるジュンがめっちゃ頑張って言いくるめてジャンク屋で一緒に暮らしてます、因みにこれを聞いたベインおじさんは腰をぬかしてすっ転びました
演歌「仕方ねぇとは言えJK言いくるめて同棲してるってひでぇ字面だよな」
看守「下心感えげつないな」
ジュン「聞こえないねぇ!!!!そもそもスパイと暗サツやってる段階でそんなん今更過ぎるぜ!!」
ニャアン「開き直り方が強過ぎる…」ジャンク屋裏のリビングで3人用のおつまみ作ってる
地下、赤いガンダム格納庫
マチュ「むぅ…」
シュウジ「…?どうかしたのマチュ」
マチュ「よく考えたらさ…ニャアンはファン兄ちゃんと暮らしてて…エグザベさん達は同じ艦の中で暮らしてて…ちょっと私だけ遅れてる気がする…?」
シュウジ「来てくれるだけでも嬉しいよ?」
マチュ「…私もこっちで暮らそうかな…」
シュウジ「ホントに?嬉し……あ、ダメだ。お母さんが心配するぞ、とガンダムが言っている」
マチュ「むぅ…真面目なガンダム…」
- 100二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 23:36:18
- 101二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 23:52:23
- 102二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:09:46
Xカスタム「僕はどうしたらいいんでしょうねぇ」
ジークアクス「もうあの二人はエエ大人や。お前さんはドーンと構えとりゃええねん。まあ、もしかしたらコクピットゼクノヴァされるかもしれへんけどな」
X「おっちゃんさんは気楽そうですね」
ジ「まあワシは最近カネバンはんトコでザクやんとくっちゃべってるだけやしな。気楽でええわ。その分ソドンに呼ばれた時が針の筵でなぁ…実家なのにどーにも落ち着かんわ」
…ところで、本当に「彼氏」かな? サイド6がお堅ければいーですけどねw
- 103二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 06:50:47
朝保守
- 104二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 07:38:14
- 105二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 13:02:00
居住的な距離感だけならなんやかんや1番リードしてるまである
- 106二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 17:18:50
プチ余談
ニャアン(ハロ)
ニャアンが作ったジャンク屋のハロ2号。
元々は出かける時に留守番をしているハロ1号、もといジュン(ハロ)が寂しそうなのを見かねた為にという名目で作られたが、過去にジュン(ハロ)をプレゼントして貰った事へのお返しも兼ねてジュンへのプレゼントとして作られたものでもある。
カラーリングはニャアンの制服を思わせる黒紫色で、性格は甘えん坊かつ寂しがり屋で、四六時中ジュン(ハロ)と一緒にいる。本人以外からはニャアン本人とそっくりと評価をされてる事をニャアン自身は大変不服に思っている。
- 107二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 20:13:14
本編後4話
軍警察本庁会議室
ジュン「…指揮官の身柄の引き渡し…ですか」
いつもより少しトーンの低い声音で呟くジュンの言葉を聞いて、対面にいる市長が頷く。
市長「ああ。本来なら彼がこのサイド6に対してしでかした罪の重さを考えれば厳重監視の下無期懲役が妥当なんだが…連邦からの圧力が強くてね。なまじソドンが出入りしてるものだから一部の上層部達からは彼の軟禁はジオンへの情報提供目当てだなどと言われる有様さ。このままこちらで拘束し続けていると…」
ジュン「本格的に連邦に睨まれて武力行使されかねない、ですか」
市長「…すまないね。君が命をかけてなんとか止めることが出来た猛威をみすみす逃すような真似になってしまって…」
ジュン「いえ…サイド6の立場からすれば難しい問題ですから…しかし、どうしてその話を俺に?」
市長「…実は、身柄引き渡しに伴ってこのコロニーに公爵家中将…つまり、かつての君の上司が来る」
ジュン「…!!中将閣下が…」
市長「中将自身は他の憤る上層部を抑えるようにしてくれたりと我々に対して友好的に接しようとしている方でね。そんな彼が一度君と話をしたいといっているんだ。強いるつもりはないと言っていたけれど…どうする?」
ジュン「………俺は………」
ジュンが俯いていると、会議室のドアが控えめにノックされ、少し開いたドアからニャアンがひょっこりと顔を出す。
ニャアン「ジュン、お話終わった?」
ジュン「あれっ、ニャアンもう検査終わったんか!?」
先程まで重苦しく俯いていたジュンはそれが嘘のようにパッと顔を上げていつもの調子でニャアンに近寄る。
ニャアン「検査って言っても、言われるがままで…そうしてる間にすぐ終わった」
ジュン「そっか!!…あー、市長。さっきの話の返事は、もうちょい待って貰えたりします?」
市長「構わないよ。急ぎではないからね」
ジュン「あざっす!!よーしニャアン帰ろうぜ!!今日の晩飯はハロカレーだな!!」
ニャアン「また…?カレーは私も好きだけどさ…」
明るい雰囲気で帰る2人。しかし、市長はそんな2人をどことなく不安そうに見送っていた… - 108二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 20:26:31
夕暮れ時、ジャンク屋裏リビング
ニャアン「え…それじゃあその身柄受け渡しの時に来るのが、ジュンの…上司さんだった人、って事?」
制服上からエプロンをつけた姿でカレーの鍋を見張っていたニャアンが振り向いて聞いてくるのに対して、ソファに座るジュンは頷く。
ジュン「そ。サイド6でスパイしてた俺に始末対象のデータを送ったりブルキャノンの武装補充とかしてくれたり…というかそもそも俺をブルキャノンのパイロットに採用してくれたのが製作者の指揮官と中将閣下2人の推薦があってこそって感じだから、俺からしたら割と恩人かな」
ニャアン「…家族を亡くして軍に入ったジュンにMS渡してスパイしてスペースノイドの悪い奴倒して来いって言うのは、あんま恩人っぽくないと思うけど」
ジュン「軍人になったのは俺の意思だからしゃーないさ。それに、スペースノイドだけじゃない。連邦の中でも度し難い奴ら…それこそ、この前の統一機構みてぇな奴らとだって戦った。敗戦してから連邦の足並みは中々揃わないけれど、そんな中でも地球を守る為に意思を貫く中将閣下の言動だけは、信じられたよ」
ニャアン「……会うの?その人と…」
不安そうに見つめるニャアンに対して、ジュンは首を横に振って笑う。
ジュン「いんや、会うのはやめるよ。大体俺が指揮官に反旗翻したからこんな面倒な事になった訳で、今じゃ正真正銘連邦からしたら怨みの対象だろうしさ。怖くて顔出せないって」
ニャアン「そっか…」
ジュン「…あ、ホッとしてくれるのはいいけどさ。鍋泡吹いてるぞ」
ニャアン「へっ!?わわっ!!」
慌てて火を止めるニャアンを見ながら、ジュンはからからと笑う…
- 109二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 20:34:42
暫くしてジュンとニャアンは、不格好ながらも美味しそうな匂いのカレーを皿に盛って小さなテーブルに運び、食べ始める。
ジュン「そういやニャアン、結局検査ってなんだったんだ?」
ニャアン「なんか、普通の身体測定と…光とか色を見て表示されたボタンを押したり…みたいな…?なんの検査かよく分からなかった…」
ジュン「ほーん…?光と色はよう分からんけど、それ以外はフツーの身体測定だったのか…?」
ニャアン「こっちに流れ着いてからそういう検査してなかったし、登録が必要だったのかな…?」
ジュン「でもいいんじゃねぇか?小さい頃から測り始めてたらニャアンも困っただろうし?」
ニャアン「…?なんで?」
ジュン「そりゃあお前、ここに勤めてから食べる量も増えたからその分体重も…」
ニャアン「………そーゆー事言う人にはカレーのおかわりあげません」ぷいっ
ジュン「え、ごめん嘘嘘!!カレーおかわり無しはつらいって!!」
ジュン(ハロ)「クチハワザワイノモトダナー」
ニャアン(ハロ)「イワナキャイイノニー」
- 110二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 20:59:21
- 111二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:06:01
ニャアンに関しては本編でその素質があるのか否か全くの未知数ですが、この時空ではこの時空独自の扱いとしてとある方向に物語が進む、予定です。
ニャアン「…ハロの方のジュンは余計な事言わないからいいよねー」ハロなでなで
ジュン(ハロ)「クチハカタイデー」
マチュ「ハロのニャアンは素直なのにねー」によによ
シュウジ「ねー」
ニャアン(ハロ)「ネー」
ニャアン「誠に遺憾だよ…」むすーっ
- 112二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:26:47
そして、数日後。イズマ・コロニー商業港に数隻の連邦軍戦艦が停泊し、その中でも一際重厚な大型艦から、青年と見間違う程に若々しくも威厳のある金髪の男性…つまりは公爵家中将その人と、護衛と思われる軍服姿の人物が何人かが降りてくる。
タマキ「市長、来ました」
市長「ああ…ようこそ、中将閣下。御足労いただき感謝致します」
中将「いえ、市長殿こそお忙しい中でこのように直接お出迎えして頂き、感謝致します」
指揮官引き渡しという厄介ごとを引っ提げて来ておいてどの口が言うか、と、タマキは内心毒を吐くが、表情には出さない。タマキに限らず立て続けに揉め事を起こす連邦に対するサイド6からの評価は最悪に近く、今回の指揮官引き渡しに関しても揉めに揉めての決定であり、今でもこの決定に反対する者達は多いだろう。
タマキ(建前上は双方納得しての引き渡し…だけれど、あの指揮官が連邦に帰ったら今度はどんな…)
リリー「あはっ、今度はどんな悪い事するのか分からない、って言いたいなら言えばいいのに」
タマキ「えっ…」
ぎょっとしてタマキが声の方を向くと、そこにいたのは、幾つかの黒い線が混じったふわふわの銀髪と赤い瞳が特徴的な若い女性の軍人だった。スカートを改造しているのか、他の軍服の女性とはどうにも雰囲気が違う。
中将「…リリー・チョコレート大尉。あまり人の心を覗き過ぎないように」
リリー「あはは、はーい、中将閣下」
タマキ「そ…それではご案内します。どうぞ、こちらへ…」
タマキは、リリーと呼ばれた女性から目を逸らす。逸らしても尚じっと見つめる彼女の、吸い込まれそうな赤い瞳から目を逸らす。が、リリーは彼女に歩み寄り、耳元で囁く。
リリー「…大変だねぇ。
ボーイフレンドが出来た娘さんは、言う事聞いてくれないよねぇ?」
…可愛らしい少女のような声が、タマキには悪魔の囁きに聞こえ、背筋が凍るような恐怖を覚える…
- 113二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:30:40
- 114二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:46:26
同刻、軍警刑務所
ニャアン「ベインおじさん、元気にしてた?」
ベイン「おぉ、ニャアンか!!いやぁすっかり大きく…いや、元々背は高い方よな」
この前会ったばかりでしょ?と笑いながらニャアンは席に座り、防弾ガラス越しにベインと面会をしていた。
ベイン「どうじゃ?ジャンク屋での仕事は慣れたか?」
ニャアン「うん。最近プチモビで出来る仕事も増えたよ。この前は1人で外壁修理もした」
ベイン「おお、凄いもんじゃの!!流石ワシの…いや、プチモビ操作は蒼い騎士の仕込みか」
ニャアン「あ、またその呼び方。蒼い騎士じゃなくてジュンでしょ?」
ベイン「うーむ…そうは言ってもなぁ…アイツはネームドの中でも一際有名じゃったからのう…ついそっちの名前が…お、蒼い騎士の事で思い出したわい。今日は中将閣下が来られておるんじゃよな。蒼…ジュンは、挨拶に行ったのか?」
ニャアン「ううん、今日は中華料理屋さんのコンロの修理に行ってる」
ベイン「何ぃ!?全く今の若いもんは恩知らずな…」ぶつぶつ
ニャアン「ジュンもだけれど、そんなに皆中将さんには恩を感じてるの?」
ベイン「そりゃあ、戦禍で全てを失ったワシらを導いてくれたからの…蒼い騎士も…彼と共にブルキャノンに乗った3人も…そうじゃろうからな…」
ニャアン「…そっか…」
何故か少しだけ、ニャアンは胸に何か使えるような感覚を覚える…
- 115二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:49:16
- 116二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:54:24
ベインおじさんは元々正規(大元?)の生粋のベテラン連邦軍人だったけれどコロニー落としで奥さんとお腹の子供を亡くして絶望して自暴自棄になっているところを公爵家中将に拾われて恩義を感じるようになったイメージです。
でもまぁ軍属も長い筈なので何かしらの作戦とかで互いに顔を知ってたからこそご縁があったとかもおいしいかもしれない
- 117二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 22:08:38
場面は中将達の側に戻り、コロニー居住区の高級ホテル前。入り口には厳重武装した軍警達が整列している。
市長「そちらの指揮官はこちらでは厳重監視対象となっています。ですので開放までには時間がかかる為、正式に手続きが終わるまではこちらのホテルでお休み下さい」
中将「何から何まで、お気遣い痛み入ります」
リリー「…?んー…?」
2人が会話している間、リリーは不思議そうにしながら軍警達の顔を覗き込み、何事かと思いながらも軍警達は必死で整列を崩さないようにしている。
演歌(な、なんだぁこの姉ちゃん…?)
中将「…リリー・チョコレート大尉。何をしているのかね」
リリー「……ジュンがいない」
中将「彼は今回の会合には参加していないよ。残念ながら今は連邦へ戻る意思はないようだ」
演歌(あいつ、いつの間にそんな話しを…)
いつの間にそんな話を、と思ったその時、
突然リリーはバッと演歌の方を振り向き、彼の顔を覗き込む。
演歌(うおっ、な、何だ!?)
リリー「………そっか、今日はお仕事なんだ。それが終わったら、自分のお店に帰るんだね」
演歌「………は?」
呆然とする演歌を気にもとめず、リリーはにこりと笑ってどこかへと走り出す。
リリー「ジュンに会ってくるね!!中将にもいいお知らせ出来るようにするよ!!」
中将「…全く…ディル中尉、フィン中尉。2人はリリーの警護を」
ディル「はっ」
フィン「りょ、了解」
ディルと呼ばれた大柄な黒髪の青年とフィンと呼ばれたぼさぼさ金髪の青年は短く答えてリリーの方へと駆け出す。
中将「…申し訳ない。お見苦しいものを…」
市長「…中将、彼女は…」
中将「ええ…そちらにも何人かいるでしょう?」
- 118二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 22:20:31
そして、再び夕暮れ時。仕事を終えたジュンは鼻歌混じりに買い物袋を担いで帰路へついていた。
ジュン「ふんふふーん…ん?」
ふと、ジュンが河川敷下を見ると、キラキラの絵を描くシュウジとそれを見つめてるマチュ、そんな2人の側にいるニャアンの姿があった。
マチュ「あ、ファン兄ちゃんお仕事終わったんだ!!」
シュウジ「お疲れ様、ファン兄ちゃん」
ニャアン「おかえり、ジュン。この2人とはさっきたまたま会って、話しながら時間潰してた」
マチュ「素直な方のニャアン(ハロ)の話とかねー」
ニャアン「し、しつこい!!」
ジュン「そっか、悪いな2人とも」
シュウジ「ううん、僕達もニャアンが好きだから…それに、ここで待てば美味しいものにありつける気がした」
ジュン「勘のいい奴め…ほらよ、お土産の肉まん。ジャンク屋で茶ぁ出すから食おうぜ」
賑やかな3人を見ながら、ジュンは久々に心から温かい気持ちで帰路に着く。
ジュン(やっぱこの3人は仲がいいよなぁ…もしも…
もしも、この3人だけでも…)
リリー「あっ、いた!!」
店先から聞こえた少女のような声を聞いて、ジュンは思わず肉まんの袋を落としてその場に固まり、声が響いた先を見る。
ニャアン「…?ジュン?」
ジュン「………リリー」
リリー「あはっ、酷いなぁ、そんなバケモノでも見たようなリアクションは。でもまぁ仕方ないよね。私達、一度は君をコロそうとしたもんね?でも…
会いたかったよ、ジュン」
リリー・チョコレートは、心からの親愛を込めた笑顔を、凍りついたジュンへと向ける…
- 119二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 22:27:15
出来る限りヤベェニュータイプを意識してキャラ造形頑張りました(ヤベェニュータイプとは)
- 120二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 23:11:05
(多分物語本筋がこれから暫くシリアス続きになるため)おまけ
ベイン「…時にニャアンよ。おんし今蒼い騎士と同棲しとると聞いたんじゃが、そうなんか?」
ニャアン「………うん」頬染めて俯き
ベイン「ッスーッ………まぁ、噂にはなっとったからの。大丈夫、大丈夫じゃワシ、落ち着け……」
ニャアン「おじさん…?」
ベイン「おお、な、なんでもないわい。しかしあいつも流石に3年ちょいはサイド6でスパイやっていただけはあるの。おんしを養える程度には稼いでおったか」
ニャアン「うん。とりあえず共働きだけど、とりあえず衣食住はなんとかしてるし、最近はハロも作ったりしてる」
ベイン「ほーん………服がなんとかなるのに未だに偽装の制服着とるのは何故じゃ?」
ニャアン「…ジュンが、この服が1番可愛いからって…」俯き
ベイン「……………」未成年に偽の制服着せてそれが可愛いと言ってるのはまぁだいぶアウト寄りでは?と鉄錆の爪は訝しんだ
- 121二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:21:30
- 122二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 07:11:11
- 123二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 11:25:25
- 124二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 11:51:38
- 125二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 12:02:35
塾行ってるけど付き合いっぽくもあるし、母から勉強を強調されてるけど要求水準がどの程度かもわからないからなぁ…
- 126二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 16:52:40
多分第4話中はそれどころではないけれど諸々解決された後にジュン兄はベインおじさんに鬼詰めされそう
- 127二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:49:19
ジャンク屋裏リビング
普段は同居人のニャアンか、あるいは2人の友人達しか来ないような小さなリビングに、3人の来客の姿があった。1人はリリーと呼ばれた女性、そして残りの2人は中将の指示を受けてリリーに同行した青年達だ。無言でリビングの椅子に腰掛けるジュンの対面にはニコニコと笑うリリーが座っており、2人の青年はリリーの左右に立っており、マチュとシュウジはテーブルから少し離れた所に座って肉まんを食べており、ニャアンはジュン達の様子を気にしながらも台所でコーヒーを入れている。
マチュ「…なんか…ファン兄ちゃんいつもより怖い顔してるねシュウジ………シュウジ?どうかした?」
シュウジ「真ん中の女の人の気配…なんか覚えがある…もしかしてエル・サルバトーレの時の…?」
ジュン「…あの後、地球に帰れてはいたんだな」
リリー「うんっ。ベインさんって人が脱出の手引きしてくれたんだ。フィンの試作2号機は無事だったから脱出自体はスムーズに出来たよ」
ジュン「…そうか」
重苦しい空気に耐えかねたニャアンが4人の元へコーヒーを持って行く。
ニャアン「え、ええと、どうぞ」
フィン「あ、いやいやそんなお気遣いなく!!僕らこの子の付き添いみたいなもんだから、ね!?」
フィンと呼ばれたぼさぼさの金髪の青年は慌ててぶんぶんと首と手を横に振るが、結局断り切れずカップを受け取ってコーヒーを飲む。
シュウジ(あの人は…ちょっと親しみやすそう)
ニャアン「ど、どうぞ…」
ディル「俺にも立ったままコーヒーを飲めと?」
ニャアン「あ、えと、その…」
ジュン「ディル。立ってるのはテメェの勝手でそうしてんだろ。立って飲むのが嫌なら座って飲めよ」
ディル「俺は彼女の護衛で来ている。そんな隙を晒すつもりは無い」
ディルと呼ばれた大柄の青年は淡々とした口調で、しかし一際重苦しい圧力を放ち、鋭い目つきでジュンと睨み合う。
マチュ(こ…こっちの人は怖いなぁ…)
リリー「ディル?そんな風に人を困らせる事言ったらダメだよ?ごめんね、ディルは真面目過ぎて不器用だからさ」
ニャアン「い、いえ…あ、コーヒーどうぞ…」
リリー「ありがとっ♪」
シュウジ(………あの人……ニャアンに向けてる表情は笑ってるのに…
微塵も心が笑ってない………)
ジュンはリリーの奥底から感じる、これまでに見た事も無いような歪んだ気配に固唾を飲んだ… - 128二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 20:02:05
ニャアン「じゅ、ジュンもはい、コーヒー」
ジュン「…おぅ」
ジュンは短く返事をしてコーヒーカップに手を伸ばす。
リリー「…あれ?」
ジュン「…何だよ」
リリー「ジュン、コーヒーはいつもブラックだよね?何でお砂糖入れてるの?」
ニャアン「え…?」
いつもジュンにコーヒーを入れる時、苦いものが苦手だからと言うジュンに合わせて必ず角砂糖を2つ入れていたニャアンは驚いたようにジュンを見る。
ジュン「……別に。最近苦手になったんだよ。苦いやつ飲むと目が冴えてな」
そう言って目を逸らすジュンをじっと見つめるリリーは、暫くしてから無邪気な、それでいてどこか歪んだ笑みを浮かべる。
リリー「……あはっ、相変わらずジュンは優しいねぇ?その子が間違えて自分用に入れた砂糖入りのコーヒーを自分に出した時から、こっちの方が好みだよって嘘ついてたんだ」
ニャアン「嘘…」
リリー「ふふっ、ジュンは優しい嘘が得意だよねぇ。本当にその味が好きだと思い込んでたその子を気遣ってずーっと…」
リリーが言い切る前に、ジュンはコーヒーを飲み切ったコップを乱暴に机の上に置き、リリーを睨む。
ジュン「甘いものが、好きに、なっただけだ」
リリー「………ふーん、そう」
睨み合う両者の間に流れる重苦しい空気が場を支配するが、フィンが両者の間に割って入るように声をかける。
フィン「そ、そうだリリー!!ここに来た理由!!ちゃんとジュンに言わないと!!」
リリー「うん?…あっ、そうだそうだ、それを言わない事には始まらないよね!!」
ジュン「…何だよ」
リリー「ねぇ、ジュン。
連邦に戻ってきてよ。昔みたいに、一緒に戦お?」
無垢な笑顔から繰り出されたその言葉を聞いて、ニャアンはさっと青ざめた…
- 129二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:06:12
マチュ「れ…連邦に戻ろ…って…ファン兄ちゃんを連れ戻しに来たの!?」
シュウジ「………」
ジュン「…それが要件なら、答えはもう中将閣下に返してある。そもそも指揮官が戻った後の特務隊に俺の居場所なんてねぇよ」
フィン「い、いや違うんだ。中将閣下は君を指揮官配下の特務隊じゃなくて、中将閣下自身の直轄にあたる新設部隊のリーダーに迎えようと考えているんだ」
ジュン「…閣下が、俺を?」
リリー「そう!!色々やらかした指揮官さんを表立って同じような立場には出来ないからMS開発とかに専念して貰って、その穴を埋める為に、よりちゃんと地球を守る事を重点においた部隊を作るつもりなの。そりゃあジュンも色々やったから連邦の内部でも恨む人いるかもだけど、その辺はちゃんと中将閣下が守ってくれる。勿論、私達も」
ディル「自分の故郷を守りたい気持ちまで薄れた訳でないだろう。断る理由は無い筈だ」
ジュン「………」
押し黙るジュンの様子を、ニャアンは不安そうに見つめ、ジュンに声をかけようとする。しかし、それを遮るようにリリーがジュンへ声をかける。
リリー「そうだ!!地球に戻ったらさ、
一緒にお父さんにお母さん…それからサウちゃんのお墓参り行こうよ。任務中ずーっと行けてなくて、それが心残りなんでしょ?」
ジュン「!!!!」
マチュ「へ…サウ…?」
シュウジ「…誰…?」
ニャアン「……ジュンの…妹…」
サウ、いつかニャアンも聞いた、ジュンの妹の名前。その名前を聞いた途端、ジュンは目を見開き、彼の脳裏に生前の彼女の姿が…幼い頃のニャアンそっくりの少女の姿が浮かぶ…
- 130二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:23:23
サウ・ファンボイ
かつてのコロニー落としで亡くなった、ジュンの妹。彼女の事を語るジュンはどんな時の彼よりも過去を懐かしんでおり、本当に妹が大切だったのだと、ニャアンは感じていた。
ニャアン(…ずっと前に、地球への未練が一つだけあるって言ってた…もしかして…それが、妹さんの墓参り…?)
ジュン「………」
リリー「連邦に戻ればさ、今よりずっと簡単に地球に帰れる!!今のジュンは服役中みあいかものなんだから、簡単にはサイド6の外に出られないでしょ?」
マチュ「そ、そうだよ!!今のファン兄ちゃんはサイド6の軍警所属みたいなもんなんだから、そんな簡単に連邦になんて…!!」
ディル「そいつがサイド6所属になってからの貢献については聞いている。既に充分な功績はあげているし、軍法に照らせばより早く刑務を終える事も可能だ」
マチュ「で、でも!!」
リリー「ねぇ、
君は作り物の重力と空しかないこんなちっぽけな棺桶に、ジュンを閉じ込めるの?自由と刺激を求める君が、そんな事しちゃうの?」
マチュ「!!!!」
剣で刺されたようによろめき、後ずさるマチュを見てリリーはニコニコと笑う。
シュウジ「…」
そんなマチュを庇うようにシュウジは2人の間に入って、リリーを睨む。
リリー「あはっ、怖い目」
シュウジ「…アンタほどじゃない」
ディル「…」
殺気立つシュウジに対して、ディルは無言でリリーの前に立ち、シュウジの目線からリリーを庇うように立ち塞がる
シュウジ「…どけよ」
ディル「貴様の指図を受ける義理は無い」
フィン「ば、馬鹿ディル!!そんな言い方…リリーも!!」
優しい夕陽の差し込むリビングの空気は、いよいよ鋭くなっていく…
- 131二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:34:20
一瞬即発の空気の中、声を上げたのはニャアンだった。
ニャアン「あ、あの!!」
リリー「……なぁに?」
ニャアン「え…と…今1番大切なのは…ジュンがどうしたいか…だと、思います…私達が…ジュンにはここに残って欲しいのと同じで…連邦の皆さんの人達の一部も…ジュンに帰ってきて欲しくて…その気持ちは…同じぐらい強いと思うから…大切なのは…ジュン自身が、どうしたいかじゃないかな…って…」
リリー「……それでジュンが、君を捨てて地球に帰るとか言っても、いいの?」
今までにない棘のある声で問い詰めるリリーの一言を聞いて、ニャアンはびくりと怯えて俯き、それを見たマチュは怯みを忘れてカッと怒鳴る。
マチュ「っ…ねぇ!!そんな言い方…!!」
ニャアン「それは…!!凄く嫌…だけど…選ぶのは…ジュンだから…」
ジュン「………」
俯くニャアンを見ていたジュンは、少し俯き、ぱっといつもの笑顔を浮かべてニャアンの頭を撫でる。
ジュン「バッカだなぁ!!そんな急にこっちの生活ほっぽり出したりしないよ。それにこのジャンク屋を全部ニャアンに任せたら潰れちまうよ」
けらけらと笑いながら、ジュンはニャアンの頭を優しく撫でる。
…そんな様子を見つめるリリーの赤い瞳は、一言では言い表せない感情のもとに歪んだ光を宿していた…
- 132二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:36:36
地獄みてぇな文の方が筆が早く進むけど脳味噌が追いつかなくて結果的に進捗がいつも通りになる(間に小ネタ挟まないとハード)
- 133二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:37:37
- 134二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:38:07
- 135二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:39:47
正直次スレまでに決着つけられるかもやや怪しいです(決着の付け方は概ね決まってるけど容量不明)
- 136二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:16:44
プチ余談、ジュンの好み(味覚)
元々幼い頃からジュンは甘いものが嫌いという訳ではなかった。しかしコロニー落としで家族を失い連邦軍に保護されるまでになんとか生き延びる為修学旅行で家族のお土産の為に買った甘いクッキーを食べて必死で生き延びた経験が無意識のうちにトラウマになってしまい甘口が嫌いになった。
以降は甘くないものを好むふりをしていたが、ニャアンとの交流で心の歪みが治ってきた頃に彼女が間違えて甘いコーヒーを渡したところ、いつの間にかトラウマが少しずつ癒えており、普通に甘いものも飲めるようになった。しかしどうしても無意識下では家族を失った記憶を引きずっている部分があり、今回はそれをリリーに見抜かれた。
- 137二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:26:59
多分不意打ちで飲んだ時にはこれまでずっと苦しい味覚だった甘さが素直に「甘い…」って感じて泣きそうになったりもしてたかもしれない。
その後はそれでもやっぱりどこか家族の喪失を感じて悲しくなってそうだけど
- 138二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 06:50:55
保守and書き進めは夜予定
- 139二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 09:34:15
- 140二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 12:05:57
今編(連邦幼馴染編)の前半から中盤終わりあたりまでまぁまぁ地獄よりなのでなんか面白い小ネタあったら絶賛募集中です
- 141二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 12:17:42
- 142二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 12:48:49
市長出場のイベントだもんなぁ。何も知らない筈は無く…
- 143二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 12:51:06
- 144二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 12:55:27
- 145二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 15:52:35
- 146二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 16:08:10
- 147二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:50:39
- 148二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:09:14
ジャンク屋裏リビング
ニャアンの頭を優しく撫でるジュンを見て、フィンは寂しそうにしながらも、どこかほっとしたように笑う。
フィン「…うん、そっか…ジュン。君は、これからもサイド6で暮らすんだね」
ジュン「あー…悪りぃな、フィン。閣下の計らいでこっちまで来てわざわざ話持ってきてくれたのは嬉しいよ。だけど…」
フィン「いやいや僕らこそゴメンって!!アポ無しで邪魔してこんな…」
リリー「ねぇ、ジュン」
慌てたように手を振って謝り返すフィンだったが、これまでのころころとした可愛らしい声音が嘘のように冷たいリリーの声が響くと怯えたようにその動きを止め、他の面々も思わず押し黙る。
リリー「ジュンはさ、こんな場所に残って何がしたいの?まさかとは思うけどさ、その子とこのコロニーでゆっくり余生を過ごします、なーんてふざけた事言わないよね?」
ジュン「…刑務を完全に終えたら、それも悪くねぇかなとは思ってるよ。このジャンク屋でニャアンと暮らすのが気に入ってるんだ。家族の墓参りはしにくいと思うけれど、いつか…」
リリー「あは、あはは。無理だよ、そんなの。
その子を妹の代わりとしか見てない君と、君に自分自身を見て欲しいその子が、
フツーの幸せなんて得られる訳ないじゃん。2人揃って、とっくに願いが破綻してるんだもん」
ジュン「っ…!!!?」
ニャアン「………え…?」
マチュ「な…何言ってるの?願いが破綻してる…って…大体、ファン兄ちゃんはともかくリリー…さん…はニャアンと初対面じゃん!!そんな人が願いなんて分かるわけ………シュウジ…?」
シュウジ「………お前…
何が見えてるんだ…?」
シュウジは、目の前でにこにこと笑うリリーの赤い瞳に、刻を見た彼ですらこれまで感じたことのないような歪な輝きを見ていた… - 149二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:23:45
ニャアン「妹の…代わり…?」
リリー「君自身ずーっと気にしてたんでしょ?なんでこの人はただの難民だった私にここまでしてくれるんだろう?この人にとっての私は何だろう?命を捨てようとしてまで助けてくれたのはどうして?って、ずーっと聞きたかったんだよね?」
リリーの言葉の意味を理解出来ず…否、理解するのを拒み、立ちすくむ事しか出来なくなったニャアンを、リリーは赤い瞳でじっと見つめながら言葉を続ける。
リリー「それはね…君が彼の妹…サウちゃんにそっくりだからだよ?というか、君はとっくに気づいてたんでしょ?ジュンからサウちゃんの話を聞いた時から、自分は妹代わりでしかないんじゃないかってさ」
ニャアン「ち…違う……違う!!」
リリー「違う?なら君はどうしてずっとジュンに自分自身の想いを打ち明けようとはしなかったの?彼への想いは強いのに、それを彼自身に素直にぶつけられないのはどうして?」
リリー「それ…は…」
ジュン「っ、リリー止めろ!!それ以上言うな!!」
リリー「怖いんだよね?もしも『自分自身』が想いを伝えたとして、それを否定されたらどうしよう。彼が君を『妹の代わり』としてしか見てなかったらどうしよう。そればっかりが、心の奥底でぐるぐるしてたんだよね?」
ニャアン「違っ…!!」
リリー「大丈夫!!ジュンは君にとって、表面上はずっと優しいままだよ!!だって君は…
大切な大切な、『妹もどきちゃん』だもの♪」
ニャアン「っ!!!!」
ジュン「リリーッ!!!!」
怒声を響かせ、ジュンはリリーに殴りかかる…
- 150二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:36:56
…怒りに任せてリリー目掛けてジュンが放った拳は、間に入ったディルの掌によって受け止められる。
ジュン「っ退けよディル…!!」
ディル「……お前に、リリーに拳を振るう資格があると思っているのか?
あの時、俺達3人を裏切ったお前に」
あの時。エル・サルバトーレ戦で指揮官とこの3人を裏切った時の事だと気付いたマチュとシュウジは、怒気の籠ったディルの眼光を見て、身動きが取れなくなってしまう。
ジュン「…あの時は…お前らにはすまない事をしたと思っているよ…でもな!!だからってこの子を傷付けるような真似は…!!」
リリー「大事な妹もどきちゃんを傷つけられるのは、やっぱり嫌?」
ジュン「リリー!!!!」
しかし、ディル以上に怒りに燃える瞳を見て、リリーは嬉しそうに微笑む。
リリー「うん、うん♪ジュンはこうでなくちゃね。今の怒ってるジュンが、私達の知ってるジュンだよね?」
ジュン「何ふざけた事言って…!!!!」
リリー「…忘れないでよ。
私達を軍人にしたのは、戦いを通して導いてくれたのは、スペースノイドを全て滅ぼす事を願っていた君自身なんだよ?
中途半端な家族ごっこなんかして、私達を見捨てないでよ」
ジュン「っ!!!!」
…幼い少女のような囁きが、まるで呪いのようにジュンの胸に重くのしかかる。
リリー「…私達はいつでも待ってるからさ。きっと、帰って来たよね、ジュン」
ぽつりと言い残して、リリーはリビングを後にし、ディルは無言でそれについていき、フィンも慌てて彼女へついて行く。3人が去った後には、静寂だけが響いていた…
- 151二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:59:18
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- 152二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:02:44
(この幼馴染がここまでニャアンを目の敵にするのって恐らくジュンがその身で守ったからだよな……?)
- 153二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:37:47
ジュン「………」
3人が去って、ジュンは黙り込んだまま俯き、ニャアンは未だに震える自身の手を必死で抑えようとしている。
マチュ「………やっぱり納得出来ない!!2人がこんな風に暗くなる理由ないじゃん!!ちょっと私あの人達に文句言ってくる!!ニャアンとジュン兄ちゃんはそこで待って…」
シュウジ「待って、マチュ」
憤るマチュの腕を掴んで、シュウジは2人に聞こえないように呟く。
シュウジ「…今、あの2人を2人きりにしたらよくない気がする、どっちかは連れていこう」ひそひそ
マチュ「え?えーと…じゃあファン兄ちゃん…は今は下手したらニャアンよりダメージ受けてそうだし…」ひそひそ
シュウジ「…ファン兄ちゃん、ニャアン借りてくからね…戻ってくるまでに、元気取り戻して」
ジュン「………悪い」
マチュ「ほら!!ニャアン行こっ!!」
ニャアン「えっ、わわ…っ!?」
ニャアンはほぼされるがままに手を取られて店先に引っ張り出されて3人を追いかけ始め…
ほんの100メートル足らず走った所で、フィンとばったり鉢合わせする。
マチュ「うわぁいた!!!?」
シュウジ(…あれ、この人1人?)
ニャアン「あ…」
フィン「………」
マチュ「な、何!?私達あのリリーって人にガツンと一言…!!」
フィン「ご゛め゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!」顔面土砂崩れになりながら頭下げてる
3人「「「えっ」」」
フィン「怒ってる!?怒ってるよねそりゃそうだ!!いや違うんだよ!?あの子も悪気…わるぎはめっちゃあるけど!!!!違くて!!!!とにかく聞いて欲しくてぇ!!!!」
マチュ「ちょ、お、落ち着いて!?」
シュウジ「……ご飯食べる?」つ肉まん
フィン「頂きます!!!!」泣きながら食ってる
ニャアン「あっそんな急いで食べないで、喉詰まるから…」
憤り駆け出したマチュ達は、何故か追ってた1人を宥める羽目になっていた…
- 154二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:54:19
その後、一同は繁華街の一角にある古びたカフェのテーブルを囲んで話す事になった。
フィン「その…ホントにごめん。いきなり押しかけて、あんな事して…」ニャアンに頭下げ
ニャアン「い、いえ、そんな…」
マチュ「う、うん。フィンさん自身はそんなトゲトゲしてた訳じゃないし、なんならファン兄ちゃんもフィンさんに対してはそんなに怒ってなかったし…」
シュウジ「フィンさんも、他の2人と同じで、僕達と戦った偽装型ブルキャノンに乗ってた人…だよね?」
フィン「あ、うん。一応試作2号機に乗ってました、はい」
マチュ「えー…全然そんなイメージ湧かない…」
フィン「た、たはは…よく言われるよ」
ニャアン「偽装型…って…エル・サルバトーレが来た時に、ジュンが皆んなと一緒に戦ってた人達…ですよね…それじゃあ…」
フィン「…うん。あの戦いでジュンがタヒにかけたのも、コロニーに出た被害も僕達のせい。謝って許される事じゃないけれど、君達には本当に悪い事をしたと思ってる…ごめん」
シュウジ「…どうして、フィンさんだけが僕達を待ってたの?」
フィン「…どうしても、君達にちゃんと話したくて…リリーの事を」
マチュ「っ、そう、リリーさん!!あの人酷いよ!!2人にあんな…!!」
フィン「元々はああじゃなかったんだ。あの子は…あの時から…
ジュンが裏切った日から、おかしくなったんだ…」
その一言を聞いた時、ニャアンは言いようのない不安を覚える…
- 155二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 21:09:20
ニャアンの不安をよそに、フィンはゆっくりと話し始める。
フィン「…元々リリーは、そこまで能力が高いニュータイプじゃなかったんだ。他の人よりちょっと感がいいぐらいで、強いて言えば人が隠す感情に敏感ってぐらいで…と言うか、性格もあんな感じじゃなかった。よく笑う子ではあったけど人見知りが激しくて…どっちかと言うと、そこのニャアンちゃんっぽい子だったかなぁ」
マチュ「え、嘘!?」
フィン「ホントホント。で、僕らおんなじ学校から軍属になったから一緒にいる事多くてさ。リリーに加えて僕はご覧の通りとてもナードな感じだから、よく他の人達に絡まれて…」
シュウジ「ご覧の通り…」
フィン「でも、そーゆー時はジュンとディルが腕っぷしで黙らせてくれてさ。逆に僕らは座学が得意だったから勉強嫌いな2人の手伝いしたりしてね」
ニャアン「え…ジュン、勉強嫌いなんだ…暇な時には私に教えてくれるのに…」
マチュ「ニャアンの為に頑張ってたんだよ、きっと!!」
フィン「……彼は…妹が生きていた時には、よく勉強を教えてたんだよ」
ニャアン「っ…!!」
フィン「彼だけじゃない。ディルも大好きなお婆ちゃんを亡くして、リリーも両親を亡くして…僕も、下の兄妹が皆んなタヒんだ。バカみたいにデカいコロニーの下敷きにされてね」
シュウジ「…」
フィン「…だから…だからこそ皆んな気持ちは一緒だった。戦いが嫌いなリリーも、そもそも戦いなんてロクに出来ない僕も、必死で戦い続けて…ブルキャノンのパイロットになって…これからもずっと一緒だって思って…そんな時に…
彼は…僕達を裏切った…」
裏切り。ニャアン達にとってはコロニーを守る決意をしたジュンの覚悟。だがそれは、彼にとってはただ守るだけではなく、今まで積み上げた信頼を崩してしまう行為だったのだと、そして、それを自分がさせてしまったのだと、ニャアン達の胸に重いものがのしかかる…
- 156二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 21:33:25
同刻、繁華街裏道
リリー「〜♪」
ディル「…」
楽しげに鼻歌を奏でるリリーの後ろで、一定の間隔を保ってディルが歩く。慣れた様子で歩いていると、彼らの行手をガラの悪い男達が遮る。
リリー「…?なぁに、君達」
半グレ1「てめぇらその軍服、連邦の奴らだな?」
半グレ2「身柄引き渡しだかなんだか知らねぇが、何をコソコソ嗅ぎ回ってんだぁ!?俺達のシマで妙な真似を………お、おい、な、何だよ?」
怒気をはらんで突っかかって来た男の1人を、リリーはじっと見つめて、嗤う。
リリー「……あはっ、可哀想だね、君のおばあちゃん♪君のせいで階段から落ちて…そのままぽっくりいっちゃったんだ」
半グレ2「…!!!?な、なんで…ち、違うアレは!!!!」
半グレ1「お、おいどうした?」
リリー「ううん?違うよ?アレはチームの集会に行こうとする君が不安で呼び止めたお婆ちゃんが慌てて足を滑らせてそうなったの。
君が、コロしたんだよ?」
半グレ2「あ、あ、あああああああ!!!!」
半グレ1「お、おい!?どうしたんだよ相棒!?なぁ!?」
ディル「……自ら命を絶つ前に精神病院に連れて行け。間に合わなくなっても知らんぞ」
半グレ1「テ、テメェ何を」
ディル「行け!!!!」
凄まじい気迫で怒鳴るディルに気圧され、半グレは相棒に肩を貸してその場を後にする。
リリー「あはっ、ディルは優しいねー」
???「ここにいましたか、探しましたよ」
リリー「あっ、先生!!」
リリーは、先生と呼ばれた黒い長髪に白衣の男の方へと駆け寄る…
- 157二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 21:46:28
???「…その先生という呼び名はやめてくれませんかね。私嫌いなんですよ、学校とか教育とかそういうのを連想させるフレーズが」
リリー「ええー…?でもその割には白衣だよね?それってなんか理科の先生っぽいよ?」
???「別に教師でなくても白衣は着るでしょう…そんな事より、例の工作は終わりました。後は待つだけですが…リリー・チョコレート大尉。例の装備の最終調整を行いたいので、戻って来てもらいたいのですが」
リリー「ふふっ、はーい」
ディル「…言伝ぐらいでしたら、部下に命じればよいのではないですか?貴方の立場でコロニーを出歩くのは…」
???「次期技術士官長だからといってお偉いさんばかりを箱詰めにされたホテルは息苦しいったらありゃしないんですよ。それにどいつもこいつも指揮官殿が指揮官殿がと喧しい…持ち上げ過ぎなんですよ、彼とその叔父上の事を、どいつもこいつも」
リリー「でもさ、それももうすぐ終わりでしょ?」
???「ええ、期待してますよ。リリー大尉、ディル中尉。
ブルキャノンを…それを駆るジュン・ファンボイを打ち倒し、新たな連邦の導となるのは、君達なのですから」
裏路地で、先生と呼ばれた男は歪な笑顔を浮かべる…
- 158二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 22:22:53
- 159二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 22:37:32
- 160二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:00:32
タマキ(…それにしても…)
シュウジ「マチュ、ギブ、ギブ」←伝説の赤いガンダムパイロット
ジュン「おーまずいシュウジの顔色が青というか紫になってきてるって、そろそろ話してやれってマジで」←連邦の青いガンダムのパイロット
エグザベ「ええと、これはアマテさんを剥がした方がいいんだよね…?」←ジオンのガンダムのパイロット
タマキ(…娘の周りの男達が…あんまし周りにいて欲しくない人ばっかりになってる…いや娘そのものものガンダム乗りなんだけど…)
ニャアン「あ、マチュのお母さん…こんにちは…」←元闇バイトで今はジャンク屋の女の子
タマキ「…貴方も結構独特な筈なんだけど、この中だとあんましパンチが強くないわねぇ…」
ニャアン「…???」
- 161二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:39:27
- 162二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 06:32:43
コモリ少尉に続いてタマキさんが武闘派になってて笑っちゃうんすよね
頑張れ男衆 - 163二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 07:04:50
戦う女性は美しい…!!(尚男衆達の被害)
- 164二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 09:34:53
繁華街端カフェ
コロニーの人々を守る為に、ジュンは仲間を裏切った、その事実を受け止めてニャアン達が押し黙る中、フィンはぽつぽつと語り始める。
フィン「…ジュンは、中将閣下配下のMS乗りの中でも群を抜いて強くてさ。初陣の時も、若い兵士が使い捨て前提の防衛作戦での陽動役を1人で買って出て、皆んなへの注意を逸らすために青く塗った機体に乗って、陽動どころか攻めて来た奴らの半分以上を1人で落として…そんな活躍を認められたから、蒼い騎士の名前を閣下から与えられて、ブルキャノン試作1号機を託されて…ジュンは、僕達にとって希望だった。僕達の故郷を守る為に、真っ直ぐ戦い続ける彼を、僕達は心から信じていた……特にリリーは、誰よりも彼を信じて…ううん、愛していた。今も、ずっと愛してる」
ニャアン「…そんなジュンが…裏切った…」
フィン「僕達ですら当時は意味不明だった。確かに指揮官のやり方は滅茶苦茶だったけれど、誰よりもスペースノイドを恨む彼が何故コロニーを必死で守るような真似を?ってね…でも、コロニーに突っ込んで…君を守るブルキャノンの姿を見て、察したよ。彼はこのコロニーで、大切なものを見つけたんだって」
マチュ「………それを…リリーさんも、見た…」
フィン「…僕とディルも言葉を失ったけれど…リリーは酷かった…信じられなかったんだ。ずっと一緒に戦っていくと信じてたジュンが、名前も知らないスペースノイドを守る為に身を投げ出している事が…でも、よりによって彼女の能力は人の心を探る部分に長けているところがあったから…僕達よりもずっとよく分かってしまったんだ。君の事を、心の底から大切に思っているんだと…だから…彼女は…おかしくなって…」
シュウジ「…偽装ブルキャノンの一騎が、トドメを刺す為にサーベルで斬りかかろうとしていた。アレは…」
フィン「リリーだよ。彼女はそれほどにジュンを憎んで…愛しているんだ…」
愛。その一言が本当にジュンに対してリリーが抱いているものだと痛感した一同は、何も言葉を返さずにいた… - 165二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 09:50:05
シュウジ「……フィンさんは…この話を僕達にして…どうしたいの?ニャアンに…ファン兄ちゃんを諦めてって、言いたいの?」
それを聞いたフィンは悲しそうに笑いながらも首を横に振る。
フィン「…リリーには悪いけど、僕自身は、ジュンにはこのコロニーで過ごして欲しいと思ってる。君達にこの話をしたのは、少しでも昔のジュンを皆んなに知って欲しかったから。何も知らないと、ジュンが抱えてるものに気付けなくて、いつか辛くなるかもしれないと思ったから…ニャアンちゃんの頭を撫でてる時のジュンの笑顔、本当に優しそうでさ。あんな風に笑ってるジュンは久しぶりに見た。僕達の知ってる軍属のジュンは、笑顔なんて見せなかったから」
マチュ「ファン兄ちゃんが笑わないって…想像つかない…」
フィン「ホントホント!!ディルと一緒で連邦の笑わない二大巨塔だなんて言われてさぁ」
可笑しそうな笑ってから、ニャアンに向き合って頭を下げる。
フィン「ニャアンちゃん。あいつの事…ジュンの事、これからもお願いします。僕らはこの任務が終わったらサイド6には寄らないから。リリーの事も、なんとか説得してみる…ジュンは不器用だけどいい奴だから」
ニャアン「は…はい…」
それから暫くしてお代を払って喫茶店を後にするフィンの背中を、3人は見送る。
マチュ「…いい人だったね、フィンさん」
シュウジ「うん。リリーさんの事は不安だけれど…信じてみよう」
マチュ「うん!!だからニャアン、そんな暗い顔で帰ったらファン兄ちゃんが不安がるよ?笑顔で帰ろ?」
ニャアン「………うん」
…ニャアンの脳裏には、ずっとリリーの言葉が響いていた。
妹もどきちゃん
ジュンにとっての自分は、それだけなのだろうかという不安が、ニャアンの心中に渦巻いていた…
- 166二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 10:16:38
補足、ジュン達の初陣で指揮を取っていたのは例の指揮官と数名の連邦幹部達です。総力を上げて中将閣下のいる古城を攻め落とそうとして来た地上部隊のジオン軍過激派達を迎え撃つ為に幹部達は新兵をデコイにした作戦を考えたものの、デコイ役をジュン1人が買って出た上に暴れまくって敵MS部隊を半壊に追い込む活躍を見せ、それを見て指揮官と話を聞いた中将閣下が彼をブルキャノン試作機のパイロットに適任だと判断したのです。
- 167二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 10:43:17
違う世界でハマーン様がカミーユに人の心にズカズカ入り込むなってキレ散らかしたの、当時はよくわからんかったけどもこういう人の生き死にまで入られるとまぁわかる気もするというか⋯うん⋯
- 168二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 12:05:17
入られてキレる状態になるのも宜しくないが入られて言い返せない程に致命的にダメージを負うのが非常にマズい…
- 169二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 17:01:23
繁華街ジャンク屋前
フィンを見送ってからジャンク屋へと戻るニャアン達。人工の夕焼け空は徐々に暗くなりまもなく夜の色へと変わろうとしている頃に一同はジャンク屋前へと到着するが、戦闘のニャアンはどこか怯えた様子でドアを開けれずにいた。
ニャアン「……」ドアに手を触れようとしては引っ込めるを繰り返してる
マチュ「ん」躊躇うニャアンの代わりにドアを開ける
ニャアン「あっ!?」
シュウジ「…大丈夫だよニャアン、僕もファン兄ちゃんと戦った時に少しだけ兄ちゃんの心を見たんだ。彼は…」
ジュン「うあちちちちちちちち!!!!」天井まで届きそうな火柱を上げたフライパンを持って走り回っている。
ジュン(ハロ)「カジダーカジダー!!」
ニャアン(ハロ)「ヒノヨウジンヒノヨウジン!!」
ニャアン「」
マチュ「」
シュウジ「あっごめん今はちょっと大丈夫じゃなさそう」
ニャアン「そんなのニュータイプじゃなくても見れば分かる!!!!」
マチュ「に、兄ちゃんちょっとごめんね!!」つ消化器
ジュン「わっぷ!!!!」消化液直撃
程なくして、火は完全に消し止められる。
ジュン「わ、わりーわりー助かった、あはは…」
ニャアン「…料理、してたの?普段台所仕事は私がしてるのに…」
ジュン「いやさ、あいつらに合ったら、急にオージービーフが食べたくなって…」
シュウジ「おーじーびーふ?」
ジュン「まぁ平たく言ったらオーストラリアのステーキだよ。俺生まれは日本血筋はベトナムだけど育ちは半分以上オーストラリアでさ」
マチュ「や、ややこしいね…ええと、じゃあつまり、故郷の味が食べたくなってお肉焼いてたら火事になった、と?」
ジュン「あはは、悪い悪い…ただ今日はフライパンダメにしちまったからステーキは無しだなぁ…あっ、ニャアン昨日の残りのカレー食べようぜ!!俺腹ぁ減っちまったよ!!」
ニャアン「う、うん…」
いつも通りに笑うジュンを見て、呆れたようにしながらもホッとしているマチュとシュウジ。しかしニャアンだけはジュンの笑顔を見て、どこか無理をして笑っているような気配を感じ、より一層深まる不安を胸のうちに隠す事になった… - 170二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 17:46:08
同刻、都市部ホテルエントランス
夜の色へと街並みが変わっていくコロニーの景色を眺めながらエントランスのソファに腰掛けている中将の元に、白衣の男がリリー達を引き連れて中将に会釈する。
中将「…すまないね。技術士官長。わざわざ君がリリーを探しに行くこともなかっただろうけれど、頼ってしまって」
士官長「いえいえ閣下。いい気分転換になりましたよ。連邦各位のお偉い様方が箱詰めされたこのホテルはどうにも落ち着かなくて」
中将「そうか…リリー。ジュン・ファンボイは元気だったかい?」
リリー「ふふっ、相変わらずだったよ?昔となーんも変わってなかった。きっとジュンは戻ってくるよ」
中将「……その割には、あまり楽しい会話にはならなかったようだね?」
リリー「……あはっ、閣下もニュータイプみたいな事言うんだね。それとも…
自分も亡くなった妹さんの事引きずってるから、勝手にジュンの気持ちが分かってるとか思っちゃったのかな?」
中将「……まぁ…そんな所さ…兄というのは大変なんだよ」
リリー「ふーん」
ディル「…閣下、士官長。我々は明日の引き渡しに伴い警備の見直しと武装調整などがありますので、一度これで失礼いたします」
中将「ああ……そう言えばフィン中尉は?」
リリー「街中華食べてくるって言ってたよ?」
中将「そうか……折角ならお土産頼めば良かったかな…まぁいい、2人ともご苦労だったね」
2人を見送ってから、中将は士官長へと向き直る。
士官長「何か?」
中将「…今回はあくまで彼の…前特務隊指揮官の受け渡しの為のサイド6訪問だ。あの2人の為に調整された新型の用意など必要はないと思うがね」
士官長「念の為ですよ、念の為。それに…我々連邦軍はサイド6からは恨まれてるでしょうから」
中将「……そうか」
中将は短く頷き、再び完全に夜になった作り物の空の景色を眺める…
- 171二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 18:54:26
…その日の夜、ジャンク屋裏部屋
ジュン「………」
ジュンは、以前市長から渡されたブルキャノンの総合強化案に目を通しながらそのデータの最適化の為に自身のデータや実際の操作感覚に基づく改善案を一心不乱に書き綴っていた。ニャアンに出会う前の暗い表情で、まるで何かから逃げるように、一心不乱にデータを打ち込む。そうでもしないと…否、そうしていても、彼の脳裏からリリーの言葉が離れない。
『その子を妹の代わりとしか見てない君と、君に自分自身を見て欲しいその子が、フツーの幸せなんて得られる訳ないじゃん』
ジュン「っ!!クソッ!!」
ジュンは頭を掻き毟り、八つ当たりのようにテーブルに置いてあったかつての連邦軍勲章を掴んで床に叩きつける。そんな事をしても何にもならない、自分がリリーの言葉へ一言も否定出来なかったことに変わりはない、それを理解しているからこそ、より彼はやり場のない感情を逃がせずに俯く。
ニャアン「っ、じゅ、ジュン…?どうしたの?部屋、入っていい…?」
ジュン「っ!!お、おう!!どうした?」
ジュンは慌ててパソコンをスリープ状態にして勲章を拾い上げ、いつもの笑顔を貼り付けてニャアンを迎え入れる。
ニャアン「今…部屋から何かぶつけた音が聞こえて…」
ジュン「いやちょっと躓いてさ。いやぁ、掃除はちゃんとしないとダメだな!!」
あははと笑うジュンを見て、ニャアンは不安そうにしながらおにぎりと味噌汁のお椀を乗せたお盆をテーブルに置いて、ジュンに詰め寄る。
ジュン「ど、どうした?」
ニャアン「…ジュン…無理、してない?何か私に、言えないこととか、ある?私は何も出来ないけど、聞くぐらい…」
ジュン「平気平気!!なんでもないって!!気にするような事なんて何もないって!!なっ!!」
ニャアン(…嘘…ついてる…気を遣ってるから…?それとも…
私が…妹の代わりでしかないから…そんな事は言えない…?)
ジュン「…ニャアン?どうした?」
ニャアン「な、なんでもない!!じゃあ、おやすみ」
ニャアンは逃げるように、部屋を後にする…
- 172二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 19:27:31
翌日、軍警察厳重収容所前
収容所前にはイズマ・コロニーの報道局に限らず様々なコロニーのメディア達が押し寄せ、険しい顔をする軍警達に囲まれて収容所から出てきた指揮官と、収容所入り口で彼を迎える中将に士官長、そして彼らの護衛を務めるリリー達3人の様子を激写している。
指揮官「ご迷惑をおかけしました、伯父上」
中将「…見たところ、元気そうだね。良かったよ」
指揮官「ええ。収容所での時間は中々に有意義でしたよ。あの戦いでの経験を元に考案した兵装の数々は、やがて宇宙の害獣どもを蹴散らす為に役立つでしょう」
中将「………そう、かい」
指揮官「ところで、君は?」
士官長「初めまして指揮官殿。私は現技術士官長…まぁ有り体にいえば貴方が抜けた穴埋めです。それなりに、仕事はさせて貰っていますよ」
指揮官「ああ…例の後継機達の設計立案者か。私はあの機体のコンセプトはあまり好きではないが…アレを成立させる程の君の技術力自体には、一目置いているよ」
士官長「それはそれは、恐縮です」
リリー「お帰りなさい、指揮官♪」
指揮官「………リリー・チョコレート大尉か。君がサイド6に来たという事は…会ったのかね、奴に」
リリー「ふふっ、やっぱり親族だねぇ。伯父上様と同じで、不安?」
指揮官「…目の前であの錯乱ぶりを見せられた身としては非常に不安だよ。奴をコロすつもりだった私がいうのもなんだがね」
ディル「指揮官、お車へどうぞ」
フィン「今、出港の準備はしてますので…」
一同は報道陣に囲まれながらも車に乗って港へと向かう…
- 173二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 19:47:23
同刻、軍警察刑務所食堂
あらゆるメディアから生放送で中継されている指揮官の引き渡しは、軍警察刑務所の食堂でも流されており、普段はもっぱらクラバかバラエティばかり見ている囚人達ですらその様子を見ながら飯を食べていた。
囚人A「くっそー…マジであいつを釈放すんのかよ…」
囚人B「この前ボランティアで奴がぶっ壊した街を治すの手伝った手前むかつくなぁ…野放しにしていいのかよ、あんな奴」
看守「こればっかりは中立コロニーの辛い所だな。ファン坊やベイン爺さんみたいな一介のスパイならともかく、なまじ奴みたいに地位が高い奴を長い事捕まえておくと他国からの圧が強過ぎるからな。本ウチの大統領と市長は交渉頑張った方さ。それなりの賠償金はぶんどった訳だし」
ベイン「…ん?」
ふと、テレビを見ていたベインは、中継で映った白衣の男の姿を見て、険しい顔付きになる。
看守「おん?どうした爺さん。あの白衣の男知ってるのか?」
ベイン「奴は確か…指揮官と同じ技術士官じゃったな…連邦正式採用機のコンペでブルキャノンを完成させた指揮官に負けて以来表に顔を出す事はなかった筈じゃが…」
ベインは、何か嫌な予感を覚えてテレビ越しに士官長を睨む…
- 174二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 20:50:51
…ジュンは、都会の一角にあるマンションの一室にいた。
リビングには、新聞を読む父がいて、台所には料理を作る母がいて、
そして、玄関へ繋がるドアの前に、幼いニャアンのような少女がいて、ジュンを見つめている。
ジュン「さ…サウ…?」
サウ「……行かないで…行かないでよお兄ちゃん…私達を…置いていかないで…忘れないで…」
サウと呼ばれた少女の皮膚に、少しずつ傷が出来ていく。ビームサーベルで切られたように赤熱した無数の傷から、煙が登る。
ジュン「な…サウ!?」
サウ「お願い…私達を置いてかないで…忘れないで…熱い…熱いよ…」
ジュン「お、おい…!?」
慌てて駆け寄ったサウの顔は…焼け爛れた妹の顔は…
生者への憎しみに、満ちていた。
ジュン「サ…ウ…?」
サウ「…お兄ちゃんのせいだ…お兄ちゃんが…私の…私の代わりを見つけたから!!!!」
ジュン「サウ!!!!」
ジュンは跳ね起き、目の前の少女の両肩を掴む。
……そして、覚醒した意識で、彼は己のしでかした致命的な過ちに気付く。
夕日に照らされた部屋で、自身に肩を掴まれ、妹の名で呼ばれ…
絶望した表情を浮かべるニャアンの姿を見て、
彼は、取り返しのつかない事をした事に、気付く。
- 175二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 21:05:05
…ジュンが起きる少し前、ニャアンは彼のいる一室のドアをこっそりと開け、作業用の椅子に腰掛けて眠る彼の姿を見つけ、夜食の…正確には、朝にも取りに来たが昼に食べると言って手付かずだったおぼんを取りに部屋に入った。
ニャアン「……まだ、食べてない」
冷め切った味噌汁のお椀のような冷たさが、ニャアンの心を締め付け、膨れ上がる不安を振り払うように頭をぶんぶんと振るう。
ジュン(ハロ)「シゴトヅメナンダヨー」
ニャアン(ハロ)「オコシテゴハン、オコシテゴハン」
ニャアン「…うん、そう、だよね。何も食べてないと、体に悪…」
ジュン「さ…サウ…」
ニャアン「!!」
寝言だ、ただの寝言だ。そんな事はニャアンも分かっている。夢は人の記憶が作るものだ。妹の夢だって見るに決まっている。
頭では理解していても、ニャアンは確かめずにはいられなかった。
だから彼女は、うなされるジュンを見て、悩んで、悩んで、悩んで…彼の耳元で、囁いた
ニャアン「………お兄、ちゃん」
起きるわけが無い、自分は彼の妹などではない。そんな事、ジュンも分かっていて…だから…
ジュン「サウ!!!!」
…彼女の望みを打ち砕くように跳ね起きたジュンを見て、ニャアンの心の中にあったあらゆるものが、ガラガラと音をたてて崩れていく…
- 176二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:09:51
補足、リリーと再会する前からジュンは亡くなった家族達の夢を見ており、特に幼い妹のサウを失った傷は今でも完全には癒えていない。
最近は少しずつ回復していたが、リリーとの再会で心の内を暴かれ、自分が無意識に辛い過去を忘れようとしている、或いは無意識のうちにニャアンを妹の代わりのように扱っているのでは無いかという心の迷いから最悪の悪夢として再発し、今回の事態に至りました。 - 177二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:20:48
- 178二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:26:44
- 179二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:16:02
まだ分からんけど下手したら次スレも全部連邦幼馴染編になりそうどころかちょっと次々スレぐらいまでまたぐかもしれなくなって来ました(容量)
- 180二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 05:10:17
- 181二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 07:38:16
保守and今夜あたりにでも次スレ用意予定(次スレ前に多分こっちでも4話を少し書きます)
- 182二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 12:29:28
- 183二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 12:44:50
- 184二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 16:47:47
プチ余談
リリー・チョコレートの名前の由来は黒百合の英名(チョコレートリリー)から来てます
花言葉は『愛と呪い』 - 185二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 19:38:08
…決してその名前で呼んではいけなかった少女をその名前で呼んでしまった青年と、その名前で呼ばれる事を何よりも恐れていた少女。
窓から差し込む人工の夕陽に照らされた2人は…その名前を呼んでしまったジュンは自分のしでかした事に固まってしまい、その名前で呼ばれてしまったニャアンは絶望した表情で後退り、首を横に振る。
ジュンは、言葉を吐き出そうとする。なんとかしてニャアンに言葉を伝えないと。誤解だ、寝ぼけていたんだ、間違いなんだ。そう言わないといけないと頭で分かっているのに…彼の口からは言葉が出てこない。
ジュン(なんで…なんで何も言葉が出ないんだ…?)
ニャアン(なんで…なんで何も言ってくれないの…?)
ジュン(…何も…言えないのか…?嘘じゃ…ないから…?)
ニャアン(私は…私は…やっぱりジュンにとってただの…!!!!)
ニャアンは踵を返して逃げ出すようにジャンク屋から飛び出す。
ジュン「っ、待ってくれ!!」
不安そうに2人を見ているハロ達を気にも止めずにジュンは駆け出し、夕焼け色に染まる繁華街へと飛び出したニャアンを追う。繁華街は仕事を終えて帰る人々の波でごった返しているが、必死で逃げるニャアンとすれ違う人々は、彼女にすれ違うと何事かと彼女を振り返る…それ程に、今の彼女は酷い顔をしていた。
ジュン「待てって!!」
人混みが邪魔で速度を落としたニャアンの手を、追いついたジュンは掴むが…
ニャアン「っ!!離してよ!!!!」
物凄い剣幕のニャアンの叫びに、ジュンは思わず彼女の手を離し…
ニャアンは、これまで見せた事のないような、まるで憎しみをぶつけるような瞳で、ジュンを睨んでいた… - 186二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 19:54:16
…ジュンは、これまで色んな表情のニャアンを見てきた。馬鹿な事言ったジュンに呆れる顔、年相応に恥ずかしくて照れた顔、命懸けで生き延びた自分に向けてくれた泣き笑う顔…だが…憎むように睨む顔は、初めて見た。
ジュン「…ニャアン…?」
ニャアン「…違うでしょ…?ジュンが今会ってきたのは私じゃない…妹もどきがいなくなるのが嫌だから追ってきただけでしょ!?」
ジュン「ち…違う!!俺はニャアンを…」
ニャアン「その名前で呼ばないで!!ずっと…ずっと私の事なんて見てなかった癖に!!私に重ねた妹の姿しか見てない癖に!!」
…ジュンは、憎しみに任せて叫び続けるニャアンを見て…気付いた。
ジュン(……同じ…だ…今の…ニャアンが俺に向けてる憎しみは…
リリーが俺に向けてる感情と…同じだ…)
リリーも、ニャアンも、ジュンにとって大切な人だ。それを歪めたのは、自分だと理解して呆然とするジュンの様子を気にも止めずに、ニャアンは最早嗤うように叫び続ける。
ニャアン「ずっとおかしいと思ってた!!あの指揮官がいうみたいに使い捨てに出来るような難民なんかの為になんでここまでしてくれるのかって!!やっと分かったよ…ジュンは私なんか見てなかった!!ずっとずっとジュンの妹の姿を私に重ねてただけなんだ!!!!」
ジュン「………」
ニャアン「そんなに妹が大切ならさ!!
私から名前を奪ってよ!!どうせ難民なんだから、登録でもなんでも変えて、目の色も手術で変えて!!本物の妹みたいに扱え…ば………」
ニャアンの叫びは、思わず止まる。
きっと自分と同じぐらいに、絶望した表情を浮かべるジュンの姿を見て。
ジュン「………俺が………俺が、お前を、こんなにも追い詰めたのか…?」
ニャアン「っ…う…あ…あ………」
ニャアンは…言葉を詰まらせ、後退り………何も言わずに、踵を返して逃げた。そして、ジュンはただただ突っ立ってニャアンの背中を見ていた。不安そうに2人の様子を見ていた人々のうち1人が、見かねて彼に声をかける。
男性「だ…大丈夫ですか?酷い顔だ…それより、あの子を追わなくても…」
ジュン「………俺にそんな資格ねぇよ…」
まるで動く屍のような重い足取りで、ジュンはとある場所を目指す…
- 187二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 19:55:25
- 188二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 20:14:32
同刻、ジャンク屋一室
…2人が去ったジャンク屋の一室に残った二体のハロが、部屋の隅っこで寂しげにぽつんと佇んでいる。
ジュン(ハロ)「……ケンカシチマッタ…」
ニャアン(ハロ)「……ドウシヨウ…フタリハズットアノママ…?」
ジュン(ハロ)「オレハヤダゾ!!」
ニャアン(ハロ)「ワタシモイヤ!!」
ジュン(ハロ)「ナントカシヨウゼ!!」
ニャアン(ハロ)「ウン!!」
決心したように二体のハロは、ばいんばいんと跳ねながら繁華街を駆け出し、ジュン(ハロ)は地下トンネルへ飛び込み、ニャアン(ハロ)は居住区のマンションの階段を登る。
…地下、シュウジの隠れ家
シュウジ「〜♪」キラキラ描いてる
ジュン(ハロ)「シュウジタスケテクレー!!」
シュウジ「…?あれ、君はファン兄ちゃんのとこの…」
…マチュのアパート
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
マチュ「…?はーい」ガチャ
ニャアン(ハロ)「タスケテマチュー!!!!」泣きながら飛びつき
マチュ「うわぁ何何何!!!?」
- 189二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:08:18
同刻、イズマ・コロニー商業港
日が沈み始めた頃、指揮官達を乗せた車は商業港へ到着しており発艦の最終手続きが行われている最中であった。彼らの船の周りには演歌の指揮官用ザクを始めとした軍警ザク達が武装して厳重警戒をしており、指揮官はそんな彼らを嘲笑うように声をかける。
指揮官「送迎にしては随分と物騒じゃないか。何をそんなに警戒しているのだね」
演歌『…テメーが釈放されようがテメーがした事がなくなるわけじゃねぇ。今度スペースノイド相手にあんな事したらその時こそタダじゃおかねぇからな、忘れんなよ』
指揮官「はっ、大戦時代の中古品を乗り回す程度で軍警察などと気取る獣畜生がよく吠える」
演歌『なんだとてめぇ!!!!』
市長「機動隊長、抑えて…失礼いたしました、指揮官殿。ですが、彼の意見もまた貴方に対する客観的な評価の一つである事は、お忘れ無く」
指揮官「忠告感謝するよ、市長殿………ところで…」
指揮官は周囲のザク達を見回し、怪訝そうな顔をする。
指揮官「…奴の姿が見当たらないが」
市長「奴…?ああ、ジュン・ファンボイの事ですか?今日は休暇ですよ」
指揮官「……少々危機意識が足りないのではないかね?連邦軍が総力を上げて君達を叩くような事になった時に奴がいないのは困るだろうに」
市長「彼も人ですから、休む時は休みますよ」
指揮官「…人…ねぇ………アレは、人でない時の方が強いんだが…」
市長「…?どういう意味ですかな?」
指揮官「いや、気にしないでくれ」
不思議そうに首を傾げる市長に、その周りの人々をも監視する軍警ザク達。
…その内の一機のモノアイが、怪しく光る…
- 190二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:22:11
あっ
- 191二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:23:46
ちょっとマテ最後
- 192二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:26:10
引きが上手いな〜
- 193二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:42:17
- 194二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:46:08
- 195二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 21:47:12
埋めがてら小ネタでもと思ったが本編がヤバめで逃がし先が見つからない…
- 196二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 22:00:02
ゴップ元帥は今頃「必死で宥めて拝んで脅してどうにか中将を現職にとどまらせて一安心だ。あとは彼の扱いだが…ひとまずは中将の直属にしておくしかないかねぇ」とか狸が皮算用してるだろうけど…この後の展開で茶を噴き椅子ごとひっくり返る未来しか見えない…
- 197二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 22:02:03
- 198二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 22:02:49
- 199二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 22:06:17
モノアイがピンク色になっちゃったか⋯
- 200二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 22:16:43
200スレ目
頑張れファン兄、負けるなニャアン…!!!!