ここなら私服のセナと女先生が

  • 1二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:34:18

    セナの運転する車でドライブに出かけるお話が読めそうだと思ったのですがまだ見当たりません
    なので自分で書きます
    それにしても是非とも引きたくなる素敵なイラストですね…

  • 2二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:35:47

    初夏――空気が段々と熱さと湿気を帯びていく季節。

    自宅に続く路地から通りに出た私は車道から見える場所へ立つ。
    爽やかな風が道の上を吹き抜けていく。
    一枚多めに羽織ってきた上着の裾をバサッとはためかせていく。
    待ち合わせの時間はもうすぐ、と腕時計を確かめ。
    顔を上げて車道を遠くまで見ていると…。

    「あっ…」

    こちらへ向かってくる車が一台。
    そのフロントガラスの向こう側によく見知った顔が見えると手を上げて小さく振る。
    向こうもこちらに気が付いたのか、ゆっくりと速度を下げてすぐ側に停車した。

    「お待たせしました、先生」

    「ううん、時間ぴったりだし。お迎えありがとう、セナ」

    救急医学部で使っていた車とは違うセナの愛車。
    とある映画で泥棒が相棒と一緒にドレスの女の子を追いかけてた時に乗っていた車に似た丸くて小さな車両。
    エンジンを止めるとセナが運転席から降りてきた。
    そしてその姿に――

    「先生…?」

    思わず私は見惚れてしまっていた……。

  • 3二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:36:48

    見慣れていた制服姿ではないセナの私服。
    きっちり着こんでいるのもセナらしいと思うけれど、今の姿もまたセナにぴったりだと思った。
    真っ白なワンピースから大胆に肩と胸元を露出しているというのに、清楚な雰囲気を醸し出していて。

    「先生…?」

    「んっ…あ、あははっ…おはよう、セナ」
    「思わず見とれちゃってた」

    「そうですか…てっきり熱中症にでも罹ってしまったかと思いましたが」

    「まだそんな季節じゃないって…」

    慌てて車へと近づくとセナが運転席のレバーを引いてトランクを開けてくれた。

    「どうぞ、先生。お荷物はトランクへ入れてください」

    「ありがとう、セナ」

    私は腕に下げていたランチの詰まったバスケットをトランクへとしまうと蓋を閉める。
    助手席の扉を開けて先に乗り込んでいたセナの隣に腰を下ろした。
    私がシートベルトを装着したのを確認するとエンジンをかけ直し、アクセルをゆっくりと踏み込んでいった。

  • 4二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:37:41

    「先生、今日はお付き合いいただきありがとうございます」

    「セナの頼みだもの。それに…」

    「それに…?」

    「私もセナと一緒に出掛けてみたかったから」

    「そうですか…」

    気のせいか、ハンドルを握るセナの横顔がほんの少し赤くなったように見えた。


    目的地に向かう途中、セナと他愛もない話を交わし。
    ラジオから流れる流行りの歌を一緒に口ずさみ。
    窓を開けて入ってくる風の匂いが段々と変わってくるのを感じ。

    「先生、見てください」

    カーブを曲がっていくと、道の先に大きく広がる海と砂浜が見えてきた。

  • 5二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:37:53

    このレスは削除されています

  • 6二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:38:13

    このレスは削除されています

  • 7二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:38:45

    砂浜に降りられるスロープの側に車を止める。
    靴を履き替えているセナに先んじて車を下ると一際濃くなった海の匂いが鼻孔を擽ってきた。

    「んっ…到着!」

    「お疲れ様でした、先生」

    「セナこそ、ずっと運転大変だったでしょ」

    ヒールに履き替えたセナが車をぐるっと回ってこちらに来ると並んで海を見やる。
    夏が近づくのを感じさせる風が二人に潮の香りを運んできていた。

    「セナ、海の方まで下りてみよう」

    「はい…あっ」

    セナと並んでスロープを降りていく途中。
    ヒールのセナが転ばないようにそっと彼女の手を取る。
    驚いたのか、小さな声を漏らしたセナだったけれど、同じようにそっと手を握り返してきてくれた。

  • 8二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:39:17

    このレスは削除されています

  • 9二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:40:12

    波が打ち寄せる浜辺をセナと並んで歩く。
    風と波のだけが聞こえてくる中、手は繋いだままで。

    「……」

    「……」

    決まったペースで打ち寄せる海の方へ顔を向ければセナの横顔がすぐ側に見えた。
    セナも私の視線に気が付くと小さく微笑み。

    そっと手を解くと靴を脱いで。
    濡れた砂浜に素足を着けて。
    白い足先が波にのまれ濡れていく。
    その光景がひたすらに綺麗だとしか言えなくて。

    「先生…」

    「セナ…」

    「……」

    「綺麗……」

  • 10二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:41:23

    「やっと、感想を言ってくれましたね」

    「…っ、ごめん!ずっと見惚れちゃってて……」

    「いえ、そうであったなら時間を掛けて見繕った甲斐があったというものです」

    背後に青い空と白い雲。
    打ち寄せる透き通った波と遠くまで広がる水平線。
    その中心に佇むセナの姿がたまらなく美しくて。
    思わず私は取り出していたスマートフォンでセナを写真に収めていた。

    「先生、急に撮られると恥ずかしいのですが…」

    「セナがとても綺麗で…」

    「ふふ…そうですか…」

    そう言うとセナは微笑みを浮かべたまま、風に飛ばされそうな帽子を押さえる。
    風になびくワンピースの裾、白い生地越しに薄っすらと浮かぶシルエット。
    夏の見せる幻のような彼女の姿。

    それは…ただの一瞬も目が離せなくなるほどの美しさだった――

  • 11二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:42:46

    「さすがに風に当たり過ぎましたね…」

    海から上がり車に戻ってきた私たちはボンネットにバスケットを置き、風を浴びながらランチタイムを過ごしていた。
    そんな中、セナがくしゃみを一つ。

    「さすがにこの季節でもその格好は薄着過ぎたかも」

    「そうですね…なにか羽織れるものを持ってきていればよかったのですが…」

    「ないの?」

    「先生と、出かけられると思ったら…忘れてきてしまいました」

    恥ずかし気に顔を逸らすセナ。
    さっきまで綺麗だと思っていた彼女が一気に可愛らしさに溢れる。
    そんな彼女の肩へ、私の羽織っていた上着を掛けてあげる。

    「先生?」

    「私は平気だから。セナが使って」

    「…ありがとうございます」

  • 12二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:46:07

    ぎゅっ…と襟を押さえる姿はどこか小動物を思わせてくる。
    抱きしめて暖めたくなるのは、我慢…我慢。

    「……」

    「セナ?」

    「抱きしめて暖めてはくださらないのですか?」

    「!?!?」

    心の中を読まれてしまったかのようなセナの反応。
    食べかけだったサンドイッチが喉に詰まりかける。

    「ふふっ、冗談ですよ」
    「でも…いつか、お待ちしています」

    悪戯っぽく笑う表情は、彼女もゲヘナの一員なのだと思わせる蠱惑的なもので。
    私の心を乱すのには十分だった――。

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 16:50:43

    これで一区切り

    私服セナが実装される前に書き逃げしていきます
    どんなストーリー、メモロビになるんでしょうね
    楽しみにしています

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 17:23:44

    このセナほんと美人よね

  • 15二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 17:25:34
  • 16二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 17:28:07

    EXは味方を支援するっぽいね

  • 17二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 17:47:23

    天井分はあるんで引きたい…

  • 18二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 18:42:18

    このワンピースで車乗り回してるギャップがいい

  • 19二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 20:34:48

    クーデレ?なセナ好き…

  • 20二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 21:56:11

    つ、続きはあるの?

スレッドは2/25 07:56頃に落ちます

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