すみませんここに来れば｜あにまん掲示板

1◆fozXFoITNo6Z25/02/27(木) 13:29:11

「トレーナー、私の胸を揉んで」
ある晴れた昼下がり、部室に入るなりそう言い放った担当を前に、天を仰いだ。

「…………ええっと、だな」
なんとか脳の処理機能を再起動させ、真剣な面持ちの担当に視線を移す。
アーモンドアイ。トゥインクルシリーズに関わる者の中に、彼女の名を知らぬ者はいない。『皇帝』シンボリルドルフの打ち立てたG1七勝の記録を二つも塗り替え、前バ未到のG1九勝という大偉業を成し遂げた稀代の名ウマ娘。
万人を魅了する輝くような瞳と筋金入りの負けず嫌いという性格でよくも悪くも周囲を振り回す彼女の言動にもようやく慣れてきたところではあったのだが、今日はまた一つその認識を改めざるを得ないのかもしれない。
「いきなり何を言っているんだ？」
「言ったでしょう、私の胸を揉んで」
「いやそれは聞こえた。聞き間違いであってほしかったから二度も言わなくていい」
激しく頭痛を覚える頭を抑えながらぐいぐいと迫る教え子をソファに座らせる。
「女の子が軽々しく口にするような言葉じゃないことは分かってるよな？」
「当然でしょう。本当なら午前中の内に押しかけて頼もうと思ったくらいだもの」
「今日の午前中は会議だって知っててそれをいう君が怖いよ俺は」
もし実行されていれば今頃理事長で正座待ったなしである。
「で、どうしたの？」
「……今日、身体測定があったのよ」
少しだけすねたように話し始めた。
話すのは悔しいけど話さなければ此方が了承してくれないと思ったのだろう。いや、話したところで女学生の胸を揉むなどという頼みに頷けるはずもないのだが。
「次走の事もあるから体重管理は完璧のはずだよね？練習量も食事のメニューもこっちで考えてあるし」
「当然よ」
此方の言葉に、アイは胸を張って応える。
ぷるん、と制服越しでも分かる豊かな膨らみに一瞬目を奪われそうになるが惑わされず言葉を続けようとして、
「じゃあ……って、えぇ……」
…………なんとなく。本当に何となくではあるのだが。
続く言葉が予想できて言いよどむ此方を察してか、アイは苦々しい思い出を開陳するように口を開いた。
「……ええ、そうよ。トレーナーの考えた通りよ」
ティアラ一冠目の桜花賞で二番人気だったと告げられた時よりも悔しそうな顔で、アイは膝の上で拳を握った。
「────バストサイズ、２㎝、負けたのよッ……！！」

2◆fozXFoITNo6Z25/02/27(木) 13:30:27

『アーモンドアイさん、B86、W57、H81』
女医の淡々とした読み上げに俄かにざわめく周囲を他所に、余裕の心地だった。
身長、体重、共にベストなバランス。ボディに関しても完璧なラインだと自負していた。走るのにも踊るのにも、間違いなくこれが『良い』と思っていた。
が、
『ラッキーライラックさん、B88、W57、H85』
『……いややわぁ。上も下もあんまり大きくなると、下着を選ぶだけでも一苦労やのに』
続く少女の数字に、直前まで抱いていた己の自尊心は打ち砕かれた。
バッと振り返ると、ラッキーライラックもこちらの視線に気づいたのか視線が重なる。次いで、自身のお気に入りである花の意匠をあしらった下着を見てふっと微笑んだ。
『うちもアイちゃんみたいに、可愛らしい下着が着たいわぁ』

「────あれは絶対にバカにしてた！！『お前の胸は貧相なサイズだな』ってバカにした顔だった！！！」
「いやそれ絶対誤解だと思うよ」
レースでの真剣勝負なら兎も角、普段のあの子にそんな言い回しが出来る根性があるとは到底思えない。
此方の言葉に耳を貸すこともなく、アイはソファから崩れ落ちて床を何度もたたいていた。
「身長は1㎝勝ってるもん！誕生日だって私の方が速いもん！もんもぉぉぉん！！」
「落ち着いて。カノープスの先輩の口癖がうつってるから」
「だからトレーナー！私の胸を揉んで！あと3㎝大きくして！」
「出来ないしやらないよ」
「どうしてなのよぉぉぉ！」と一昔前の映画俳優ばりに慟哭する担当を尻目に、漸く周り始めた思考を整理する。
つまりいつもの負けず嫌いが寄りにもよって一番面倒なタイミングで発生してしまったということだろう。いつだったか後輩の鮭捌きに触発されてまぐろを捌くと言い出した時もあったが、あの癇癪に比べれば可愛いものだ。
「だいたい胸を揉めば大きくなるなんていうのは俗説だよ。大胸筋を鍛えるトレーニングやストレッチ、血行の改善を促すヨガやマッサージだったり、そういう科学的なアプローチの方がよっぽど建設的だし、短期間で膨らませたいなら手術って手もあるよ」
「手術なんてしていきなり大きくしたら『そんな作り物で見栄を張りたいの？』ってバカにされるに決まってるでしょ！？負けないくらいの自然な大きさが欲しいのよ！さぁトレーナー！私の胸を揉んで！一週間で3㎝、いいえ5㎝大きくして次は勝つんだからぁ！！」

3◆fozXFoITNo6Z25/02/27(木) 13:30:52

みたいなアイちゃんのギャグコメディが見れると聞いてウマ娘に復帰したのですが

4二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:31:46

お客様もうそちらに出来上がってございます

5二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:34:23

むしろ一口投資したいんですよお客様

6二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:35:08

後はレンジでチンすれば食べられますよお客様

7二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:35:37

このレスは削除されています

8二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:36:12

じれったいわぁ、さっさと付き合うたらええのに

9二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:36:45

お客様当店は持ち込みOKですがここまでのものだとちょっと腰抜かしますよ

10二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:38:36

お客様当店の専属シェフとしてスカウトさせていただきたいのですが

11二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:41:08

むしろこちらで買わせて下さいお嬢様

12二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:43:39

お客様、お客様からです

13◆fozXFoITNo6Z25/02/27(木) 13:46:02

足りない……圧倒的に足りないのです

こっから思い悩むアイちゃんに「貴女に必要な物、それは愛よ」と囁く謎のB87仮面とか、気分転換にトレーニングしてたら「貴女の身体はトレーナーさんと共に育むのです」と囁く謎のB73仮面とかが出てくるトンチキ劇場が見たいけど妄想力が足りないのです

なので皆さんで唱えましょう、「アイちゃんカワイイ」と
そして祈りましょう、誰かが私の遺志を継いで素晴らしいアーモンドアイのSSを書いてくれると

ではデイリー消化してくるでこれにて失礼