ありえない、ありえない、ありえない。

  • 1レグルス・コ.:.ニアス25/02/28(金) 21:00:18

    こんなこと、あっていいはずがない。どういうことなんだよ、意味がわからない。何をどう考えたって、こんなの納得できるはずがない。僕が、僕という存在が、こんな不条理な目に遭うことが許されるなんて、どういう了見なんだよ? ふざけるな、冗談じゃない。僕が誰だか、わかってるのか? 僕は大罪司教、『強欲』のレグルス・コルニアスだ。この世でもっとも満たされた存在、この世でもっとも完全な個として確立された人間。心が揺らぐことなんてない。体が揺らぐことなんてない。何も欠けることなんてないし、何も求める必要すらない。そういう存在なんだよ、僕は! それなのに、どうして? なんで僕がこんな目に遭わなきゃいけないんだよ! 僕はずっと変わらないはずだった。何一つ失わないはずだった。僕はこの世界に対して何の借りもないし、負担を強いることもない。僕が僕であるというだけで、僕は僕で完結しているはずだった。それが、この理不尽は何だよ? この不条理は何だよ? どうして、僕がこんなふうに追い詰められなきゃならないんだよ? 僕が間違っているとでも言うのか? 僕の在り方が、誰かの何かを侵害したとでも? そんなはずはない。ありえない。僕はただ、僕でいるだけだったのに。なのに、おかしいじゃないか。こんなの絶対におかしい。何がどう間違った? どこで何が狂った? 誰がどういう理屈で、僕をこんなふうに扱おうとしてるんだ? いや、違う。そもそもこれは間違いだ。僕が間違っているんじゃない。間違っているのは世界の方だ。僕がこの世界に適応しないんじゃない。世界の方が、僕という存在に適応できていないだけだ。それを僕のせいにするなんて、おかしいだろ? どいつもこいつも、どうしてそんなに簡単に不条理を受け入れられるんだ? どうしてそんな理不尽を、まるで当然のように受け流せるんだ? おかしいよ、おかしいよ、そんなのは絶対におかしい。何をどう考えたって、僕の方が正しい。僕の方が筋が通っている。僕の方が道理に適っている。それなのに何なんだ、この状況は。何なんだ、この仕打ちは。僕がどれほど完璧で、どれほど揺るぎない存在かも理解できない連中が、僕を勝手に評価し、勝手に裁こうとしている。ふざけるな、冗談じゃない! 誰にも僕を裁く資格なんてないんだよ。誰にも、僕に指図する権利なんてないんだよ。僕は僕だ。僕は最初から完璧で、最初から満たされている。

  • 2二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:00:51

    そうか君は…かわいそ!

  • 3レグルス・コ.:.ニ■ス25/02/28(金) 21:01:24

    何も求めない。何も欠けていない。そういう存在なんだ。それが、どうしてこんなにも世界は僕に牙を剥く? どうしてこんなにも僕を傷つけようとする? 僕はただ、僕でいるだけなのに! ――許さない。許せるわけがない。こんなもの、受け入れられるわけがない。僕が認めないものが、どうしてこの世に存在できる? おかしいよ、おかしいよ、おかしいよ。こんなことがまかり通る世界なんて、間違ってるに決まってる。だから、僕が正してやらなきゃならない。僕が世界に教えてやらなきゃならない。僕が正しいということを。僕が完璧であるということを。僕が傷つけられることも、失うことも、ありえないのだということを。あの男も、あの女も、あの騎士も――まったく、どいつもこいつも調子に乗りやがって。ちょっと僕が慈悲を見せてやったぐらいで、まるで自分たちが僕と対等にやり合えたとでも思っているのか? 勘違いも甚だしい。もし僕が本気を出していたら、最初から粉々のバラバラになっていたに決まってるだろう。それなのに、何を勝ち誇ったような顔をしているんだ? 滑稽だよ、呆れるよ、嫌になるよ、反吐が出るよ。そういう、僕から見たら噴飯物の勘違いを恥ずかしげもなくやれるから、他人と関わるのは大嫌いなんだ。どいつもこいつも、図々しくて、厚かましくて、恩知らずで、傲慢で、礼儀知らずで、無神経で、自惚れていて――煩わしい。ウザったい。腹立たしい。忌々しい。憎たらしい。いやらしい。浅ましい。おぞましい。愚図どもめ。僕はずっとずっと、これまでうまくやってきたんだ。何年も、何十年も、百数十年も。誰にも邪魔されず、誰にも縛られず、誰にも逆らわせずに、完璧にやってきた。強欲の権能を授かったその日から、一切の破綻なく、僕は僕の在り方を全うし続けてきた。他の馬鹿共と違って、くだらない欲望に振り回されることもなく、愚かしい道理に惑わされることもなく、忠実に、誠実に、大罪司教として、もっとも純粋に『無欲』を体現してきたんだ。それなのに、どうしてこうも世界は、僕に逆らおうとするんだよ? 僕が与えた僅かな寛容を、なぜ自分の功績のように語るんだ? おかしい、おかしい、おかしいだろう。僕が許したから、今こうして息をしていられるっていうのに。その恩義もわからないまま、自分の力だと勘違いして、僕に牙を剥くつもりか? 思い上がるなよ、愚者どもが。

  • 4レ..:ルス.・コ.:.ニ■ス25/02/28(金) 21:02:05

    初めて、あの日、あの瞬間に――魔女因子に選ばれて、この権能を手に入れた時、僕はようやく理解したんだ。僕がこれまでどれほど理不尽な檻に閉じ込められていたのかを。僕がどれほど理不尽な苦痛を押し付けられていたのかを。稼ぎもろくにしないくせに酒に溺れてばかりの父親、鬱陶しいほどにグチグチと不平不満を垂れ流しながら、何も変えようとしない母親。自分のことで精一杯のくせに、僕の取り分にまで虎視眈々と目を光らせる浅ましい兄弟たち。誰も彼もが醜く、卑しく、救いようがなかった。あんな連中と一緒に生きる意味なんて、どこにあった? どこを探しても、そんなものは見つからなかった。そして、僕を小馬鹿にしたような目で見る村の連中。何も知らないくせに、何もわかろうとしないくせに、ただ僕を下に見て、ただ僕を笑い者にするだけの愚図ども。そんな村に僕を押し込めた町の連中。そもそも、あんな村や町を何もせずに放置していた、この国の無能な連中。どいつもこいつも、ただ僕を犠牲にして、ただ僕を踏みつけにして、その上で自分たちは「普通の生活」を享受していた。だから、全部滅ぼした。何もかも。すべて。家も、村も、町も、国も。そこに属する連中も。何のためらいもなく、何の惜しみもなく、ただ等しく、滅ぼした。そうして、ようやく僕は気付けたんだ。僕の、本当の生き方に。僕は、誰にも縛られる必要なんてなかった。僕は、誰かの許しを得る必要なんてなかった。僕は、僕でいるだけでいい。僕は、僕のままで完璧で、満たされていて、それ以上に何も求める必要なんてなかったんだ。最初から、そうであるべきだったのに。最初から、こうしていればよかったのに。ああ、本当に――どうしてもっと早く、こうしなかったんだ。何もいらないんだよ。何もかも煩わしいだけなんだよ。僕は満たされているんだよ。最初から、そうだったんだ。持っていなかったんじゃない。いらなかったんだよ。欲しくなんてなかったんだよ。そうやって押し付けがましく何かを与えてくるクズども、聞こえなかったのか? 僕は何も、いらなかったんだよ。それなのに、何かを与えられるたびに、言外に言われるんだ。「お前は足りていない」「お前は欠けている」「お前は可哀想な存在だ」――ふざけるなよ。僕はそんなふうに見られる覚えはない。僕は、憐れまれる覚えなんてない。僕を満たすことができるのは、僕自身だけだ。

  • 5レ..:.レ■.・コ.:.ニ■25/02/28(金) 21:03:35

    それなのに、何も知らないくせに、勝手に憐れんで、勝手に憶測して、勝手に何かを押し付けてくる連中が――許せなかった。だから、根絶やしにした。いらなかったものを押し付ける連中を、片端から滅ぼした。哀れみを向けてくるような人間は要らない。僕に何も言わない人間だけがこの世界にいればいい。そうすれば、こんな不快な思いをすることもない。誰も僕を傷つけることもない。誰も僕に余計な感情を向けることもない。僕が僕であることを否定するような言葉も、仕草も、視線も、この世界から消えてなくなるんだ。なのに、どいつもこいつも勝手なことばっかり言いやがって。クソめ。誰にも僕を憐れむ権利なんてあるものか。誰にも僕を「可哀想だ」と思わせる権利なんてあるものか。誰にも、それをさせるものか。絶対に、絶対に――許すものか。僕は何もいらない。求めてない。求めたことなんて、最初から一度もない。――稼ぎの悪いくせに、酒浸りで、たまに土産を買ってくる父親。クソだ。タヒね。普段はロクに面倒も見ず、家のことも顧みず、酒が入ると気分よく僕の頭を撫でるような奴だった。最悪だった。お前に触られるのは、汚らわしかった。金もないくせに、酔った勢いで菓子なんか買ってきて、得意げに「いい父親」面をするな。全部吐き捨ててやったのに、それでも懲りずに何度も何度も。気持ち悪いんだよ。――毎日毎日、不平不満を垂れるしか能のないくせに、「苦労させてごめんね」なんて、当たり前の言葉を繰り返す母親。クソだ。タヒね。ごめんね、じゃない。じゃあなんで苦労してまで僕を産んだ? じゃあなんで苦しそうにため息をついて、僕の顔を見て、諦めたように笑う? 気に食わなかった。惨めな自分を正当化するように、「それでも私は頑張ってる」と言わんばかりに、鬱陶しいほど自己憐憫に浸るのが――大嫌いだった。――僕の取り分にまで虎視眈々と目を光らせていたくせに、僕が皿をひっくり返して腹が鳴ったときには、自分の分を分けようとしてくるような、いやしい兄弟たち。クソだ。タヒね。困ってるから「分けてやる」なんて、ふざけるなよ。そんなものを受け取ったら、僕は「与えられた側」になる。それは、つまり僕が「足りない側」にされるということだ。絶対に許せない。そんなもの、受け取るぐらいなら、飢え死にしたほうがマシだった。だから、やめろ。やめろ、クソども。僕に勝手に優しくしやがって。

  • 6レ..:.レ■.・コ.:.ニ■25/02/28(金) 21:04:15

    優しくするってことは、僕を低く見てるってことだろうが。下に見てるってことだろうが。他人を見下す奴なんてクソで、他人どころか家族を見下すような奴らは、人間以下だ。そんな奴らは、蔑まれて当然だろうが。死んで当然だ。――だから、全部殺した。父親も、母親も、兄弟も、村の連中も、町の連中も、国の連中も。僕を「足りない」と見なしたすべてを、滅ぼした。僕は悪くない。何も悪くない。悪いのはお前たちだ。お前たちが勝手に、僕を憐れんで、僕を可哀想がって、僕を一人にしたんだ。だから――お前たちも味わえよ。自分が世界で一番どうしようもない存在だって、思わされたあの感覚を。どれだけ叫んでも、訴えても、手を伸ばしても、何も届かない、何も救われない、何も残らない、ただ一人きりの――あの感覚を。僕に与えたものを、そっくりそのまま、お前たちに返してやるよ。僕の傍には、僕を憐れまないものだけがいればいい。僕が憐れまれる理由なんて、この世からすべて消えてしまえばいい。そうすれば、誰にも見下されず、誰にも哀れまれず、誰にも押し付けられることなく、ただ僕は僕でいられる。何もかもが煩わしいだけなのだから、それならばすべてがなくなってしまえばいい。笑い声が聞こえる。遠くから、近くから、ひそひそと、くすくすと、あちこちで湧き上がるように響く。何かが喉の奥でひっかかるような、不快な感覚が広がっていく。胸の奥がざらつき、心臓がわずかに脈打つ。何かが僕の中を引っ掻いている。僕を見ている。誰かが、どこかで、僕を見て、何かを言っている。ひそひそとした声が、肌を這うようにまとわりつく。憐れみか、嘲笑か、軽蔑か、憎悪か、哀愁か、何でもいいが、すべてが気に入らない。どんな感情であれ、僕に向けられることそのものが気に入らない。どうして誰も彼もが、僕のことを勝手に測ろうとする? どうして、何も知らないくせに、好き勝手に想像して、好き勝手に納得して、好き勝手に――見下す? 何の力もないくせに。何の価値もないくせに。ただ寄り集まり、つるんで、己の小さな正しさを確かめ合い、安心しているだけのくせに。そんな連中の声が、何よりも耳障りだった。そんなものに、どうして僕の心がざわつかされなければならない? どうして、僕の中に何かが揺らぐ? どうして、何の価値もないものの言葉ごときに――笑い声が響くたびに、指先が震えた。鼓動が乱れる。喉が渇く。

  • 7レ..:.レ■.・コ.:.:ニ25/02/28(金) 21:05:23

    歯が軋む。何も考えたくない。何も思いたくない。ただすべてを黙らせたい。息をするように嘘をつき、息をするように見下し、息をするように僕を値踏みするようなクズどもを、一人残らず、影も形もなく消し去ってしまいたい。そうすれば、僕の中のこのざらつきは、すべて綺麗に拭い去られるはずなのに。それなのに、どうして、僕の中のこの苛立ちは、収まらない? 僕の妻は笑わなかった。僕の最初の妻は、何をしたって笑わなかった。ただ綺麗な顔で、小さい頃からずっと見てきた綺麗な顔で、ずっと僕を見ていた。どんな時も、どんな場面でも、彼女はその瞳を揺らさなかった。泣くことも、怒ることも、叫ぶこともなかった。ただ静かに、まるで空っぽになったような瞳で、僕のことを見ていた。僕は、僕の家族を殺した。くだらない、取るに足らない、価値のない連中だった。妻の家族も殺した。僕を押し込めようとした村の連中も殺した。僕の妻に言い寄った男も、言い寄る可能性があった男も、すべて殺した。彼女が生きている限り、彼女に何かを言葉をかける可能性がある人間はすべて、片っ端から消し去った。そうして、僕と彼女だけになった。二人きりになった。それでも彼女は笑わなかった。それでいい。それでいいんだ。妻は笑わなくていい。笑わせられないんじゃない。笑わなくていいんだ。笑わない顔が綺麗だったんだから。笑わなくていい。それなのに――あの夜、彼女は突然、僕の前で自ら喉を突いた。倒れ込んで、苦しそうに藻掻いて、それでも静かに、痛みを堪えるように唇を噛んでいた。何かが彼女の身体の中で壊れた音がした。僕は慌てて彼女を抱き起こし、何が起こったのか理解しようとした。なのに――彼女は、笑った。一瞬だけ。僕の腕の中で、苦しみながら、それでも微かに唇を吊り上げて、かすかに、僅かに、ほとんど見逃すほどの笑みを浮かべた。それを見た瞬間、僕は何かが弾けるような音を聞いた。何の音だったのか、分からない。耳の奥で何かが砕けるような音が響いた。――待てよ、なんで笑う。僕は彼女の肩を揺さぶった。やめろ、どうして最後の瞬間にだけ笑う。お前は、ずっと笑わなかった。どんなことをしても、どんなに時を重ねても、どんなに僕がお前だけを傍に置いても、ずっと笑わなかったじゃないか。それなのに、どうして。どうして、その最後の最後でだけ、嗤うんだ。嗤うな。嗤うな。嗤うな。僕は一人になんてならない!

  • 8■..:.レ■.・コ.:■ニ■25/02/28(金) 21:07:02

    僕は満たされている。僕は何もいらない。僕は、誰のものでもなく、誰にも侵されず、誰にも奪われず、誰にも揺るがされない存在のはずだった。なのに。お前は、僕の妻のくせに。僕が一人になるのを、いい気味だなんて嗤うんだ。ふざけるな! 僕の前に立つな。僕の邪魔をするな。僕を憐れむな。可哀想なのは僕じゃない。お前らだ。無力で、無知で、それなのに『強欲』で。欠けた自分を満たすために生涯這いずり回らなければならない、お前らこそが本当に憐れまれるべき存在なんだよ。満たされることのない飢えに突き動かされて、何かを求めずにはいられない。愛を、名誉を、誇りを、金を、血を、肉を、居場所を、安らぎを。ありとあらゆるものに飢え、貪り、得られなければ足掻き、奪い、手に入れても満足できず、また別の何かを求める。そうやって、お前らは生きていくしかないんだろう? 底無しの穴を抱えたまま、人生の最後まで。だけど僕は違う。僕はそんなじゃない。僕は何も求めていない。僕には飢えがない。欠けたものなんて最初から存在しない。最初から完全なんだ。僕は誰かに認められなくても平気だし、愛される必要もない。だって僕は僕だけで完結しているから。他人を必要としない僕は、お前らとは違う。上等なんだよ。なのに、お前らは勝手に僕を憐れむ。勝手に僕を理解した気になって、勝手に僕を型にはめようとする。愚かしい。僕のどこが憐れむべき存在なんだ? 本当は、羨ましいんだろう? 妬ましいんだろう? 憧れているんだろう? でも、お前らは僕にはなれない。届かない。だからせめて、口先だけでも負け惜しんで、僕を否定することで自分を正当化しようとする。そうだろう? そうなんだろう? そうに決まってるんだ。待て。待って。待ってよ。やめろよ。僕のことを見るな。僕の名前を出すな。僕のことを話すな。良いことでも悪いことでも、僕に関わるな。僕に注目するな。僕を放っておいてくれ。僕は一人でいるのがいいんだ。一人でいれば、心は踏みにじられずに済むのに。僕がどんな考えを持っていようが、何を思っていようが、僕以外の誰にも関係がないはずなのに。どうして、お前らは触れ合おうとするんだ? どうして、わかり合えるなんて錯覚するんだ? お前も僕も、別の人間なんだよ。リスクを払ってリターンを得に行く? そんなの、どう考えても道理に合わない。合理的じゃない。間違っている。頭がおかしい。

  • 9■..:■■.・コ.::ニ■■25/02/28(金) 21:08:29

    冷静になればわかるはずだ。僕以外の全ての人間が、熱に浮かされているだけだ。他人を求めるなんて、それこそ無益で、無為で、無意味な行為だろうが。愛だの、恋だの、友情だの、信頼だの、お前らは馬鹿の一つ覚えみたいに言葉を繰り返しているけど、それらは全部幻想だ。……生殖活動? ああ、気色悪い。最も理解不能な行為だ。何のためにする? 子孫を残す? 家族を作る? そんなものに何の価値があるんだよ? 伴侶だろうが、子供だろうが、家族だろうが、それらがどれだけ美辞麗句で飾られたところで、結局は自分とは別の存在だ。そいつらが生きていようが、死んでいようが、僕には何の影響もない。そいつらが生きていたところで、僕がタヒねば僕は終わる。そいつらが死んでいようが、僕が生きているなら僕は続いていくだけだ。それだけの話だ。だから、愛なんかで人は一つになれない。恋なんかで繋がれることはない。家族なんて絆で支え合うものではない。そんなものは全部、空っぽの幻想なんだよ。人は、もともと一人だ。だからこそ、僕はこのままでいい。求めないことこそが、完全である証明なんだ。誰かに必要とされることも、誰かを必要とすることも、僕には必要ない。欠けたものがない僕には、そんなものは無意味だ。なのに、どうしてお前らはそれを否定する? どうして、お前らは僕に関わろうとする? 僕の在り方を、僕の生き方を、僕の思想を、お前らの価値観で裁こうとする? ……気に食わない。まるで、僕が間違っているみたいじゃないか。でも、間違っているのはお前らの方なんだ。それでも、幻想をありがたがる人間に配慮して、伴侶を揃えてやった。他人に蔑まれるのも馬鹿馬鹿しいから、見目の整った女を集めてやった。選んだ相手に裏切られるほど間抜けなこともないから、処女ばかり誂えてやった。それの何が不満なんだ? それ以上の何を僕に求める? 僕がどれだけ譲歩すれば、どれだけ屈すれば、お前らは満足する? 勝手なことを抜かすな。好き勝手に僕を侵害しておいて、僕にまだ何かを求めるのか。僕の領域に土足で踏み込み、僕の価値観を否定し、僕の生き方を嘲笑い、僕の考えを捻じ曲げて、それでもまだ、僕に要求を突きつけるのか。どこまでやればいい? どこまで譲れば、僕は憐れまれずに済むんだ? どこまで与えれば、僕は「可哀想」なんて嘲笑されずに済むんだ? 世界一可哀想だ、だって? ふざけるなぁ!

  • 10■■.レ■.・コ■.:.■■25/02/28(金) 21:09:40

    好きな相手と結ばれたいだなんて──卑俗な『強欲』に支配された売女に、僕の何がわかる! 愛? 恋? 幸福? そういうものにすがりついて、自分が満たされたと錯覚して、それで満足しているつもりか? お前らはみんな、結局同じだ。欠けている自分を満たすために、何かを求めずにはいられない。でも僕は違う。僕は何も求めない。僕は何も欠けていない。だから僕は、お前らよりも上等なはずなのに──どうして僕はこんな目に遭わなければならないんだよぉ! 僕は悪くない。僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない──!

  • 11■..:■■ ■.:.■■..25/02/28(金) 21:10:56

    ふざけるなよ。これで僕が死んだあとで、嘲笑われるのなんて御免だ。
    あの娘に、母親やペテルギウスの仇を取ったなどとはしゃがれるのも御免だ。
    あの娘が、僕の死を喜び、飛び跳ねて感激する。考えただけで反吐が出る。
    まるで人生の目標を達成したかのように、まるで生きる糧を見つけたかのように、まるで悲劇の結末に救済を得たかのように、そう振る舞うに決まっている。
    僕の死によって、あの娘の人生は動き出す? 輝き出す?
    そんな世迷い言を、胸を張って口にするに違いない。
    筋違いだ。見当違いだ。甚だ理屈に合わない喜びだ。
    それであの娘が満たされるなんて、耐えられない。
    僕の死が、あの娘の心に、大きな、大きな影響を与えるなんて……絶対に御免だ。
    絶対に、絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対ぜったいぜったいぜったいぜったいぜったいぜったいぜったいぜったいぜったいぜっ、た――――――――――…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ぁ

  • 12二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:11:01

    これ全部書籍の奴? 小説では見たことないセリフがちらほら

  • 13二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:12:35

    改めて思う
    レグルスさんはノミ以下だと

  • 14二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:13:29

    無様すぎて哀れだろ?もう殺してやれって思ったね

  • 15二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:15:39

    >>12

    書籍版でもここまで長くないぞ……?

  • 16二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:18:49

    >>12

    多分web版と書籍版とアニメ版の断末魔をツギハギツギハギしてるんだろ

  • 17二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:20:35

    XXハンターみたいでやんした

  • 18二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:21:44

    書籍版とアニメの両方を暗記済みのワイ、全く知らないセリフが所々あるのとコテハンの怖さに若干ビビリ中

  • 19二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:21:55

    こんな(いい意味で)クソみたいな文章を考えられる作者は何者なんだよ

  • 20二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:23:15

    幸せの箱に穴どころかフラフープみたいになって
    幸福感じ取れることでできないまま素通りしてるんだろね

  • 21二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:38:36

    web版ではエミリアたんを陵辱してから〇そうとか考えてるしマジでおぞましいんだよね

  • 22二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:42:08

    何これ、アニメ版レグルスの怨念…?

  • 23二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:43:02

    ストレスで白髪になってる辺りマジで何もかもが気に障って仕方ないんだろうな
    ある意味生まれながらに通風を患ってるような感じで風が吹くだけで痛いんだろうと考えると哀れ

  • 24二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:43:18

    このレスは削除されています

  • 25二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:44:25

    >>24

    いや、リゼロガチ勢の俺が保証するけど、ちょくちょく原作には無い文章混じってるぞ

  • 26二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 22:02:02

    このレスは削除されています

  • 27二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 22:41:39

    いやまあリゼロ今更とっかかるのが億劫でレグルスさんの名前回だけwebとアニメで見た私が言うのもあれなんだけどさぁ…
    ・この長文を(どうやら原作書籍アニメツギハギ+オリジナル混じりで)書いた人がいる
    ・これを見て書籍とアニメ両方で暗記してるからオリジナルが混ざってるとわかる人がいる
    という事実に戦慄しているんだが
    レグルスさんマジで愛されてるね、俺も大好きだよ、心が卑しく貧し過ぎて安心して見下して哀れむことができるから

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