- 1125/02/28(金) 22:38:12
- 2125/02/28(金) 22:41:25
前スレ
【クロス注意】幼馴染inNRC Part10|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼プロローグ
【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com▼第一章
【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第二章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part3|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第三章
幼馴染inNRC Part5|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第四章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part8|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com - 3125/02/28(金) 22:41:54
- 4125/02/28(金) 22:42:05
素敵な支援SS様
……ノーコメントで | Writeningパソスト風じゃなく普通のSSです。お目汚し失礼。 登場人物:出久+勝己+グリム+エース+デュース+ジャック+エペル+セベク ふわっと頭に浮かんだワンシーンを書きたいなと思ったらなんか長くなってしまいました…writening.netなんてことない普通の日 | WriteningパソストではなくSSです、ご注意を。 登場人物 トレイ・クローバー 尾白猿夫 砂藤力道(名前のみ) 個人的に尾白くんとトレイ先輩は仲良しであってほしいなぁと思う今日この頃。 アリアーブ・ナーリヤとかいっ…writening.netマスターシェフ〜地獄のニラ〜 | Writening登場人物:轟、リリア、砂藤、トレイ、エペル、デュース、エース、麗日、峰田、青山、学園長 ちょっと体調不良表現あるので苦手な方要注意、なんでも許せる人向け 「食」それは生命の礎。 清き海。強き山。優…writening.netもぎもぎパニック!ドアと化したフロイド | Writening登場人物:フロイド、峰田、緑谷、エース、デュース、ラギー、カリム、ジャミル、ルーク、リドル、セベク、飯田、イデア、オルト キャラエミュ間違い、キャラ崩壊あるかも なんでも許せる人向け 「おーいエ…writening.netドキッ!漢だらけの新メニュー決定戦〜飯テロもあるよ〜 | Writening登場人物:アズール、ジェイド、フロイド、ラギー、青山、飯田、上鳴、切島、瀬呂、砂藤(回想のみ) キャラエミュ間違いあったらスマソ、後半キャラ崩壊あるかも 何でも許せる人向け 「……皆さんが集まっていた…writening.net素敵な支援イラスト様は各スレにて!
- 5125/02/28(金) 22:43:22
現在好感度まとめ
【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
*グリム 91/97、 58/47
*エース 100/100、 42/88
*デュース 100/100、 100/93
*リドル 61/70、 57/94
*ケイト 99/100、 85/87
*トレイ 30/27、 60/40
*レオナ 2/65、 36/16
*ラギー 14/59、 72/21
*ジャック 83/100、 52/91
*アズール 72/93、 73/21
*ジェイド 26/65、 21/43
*フロイド 8/33、 28/69
*カリム 50/79、 28/81
*ジャミル 84/66、 47/62
*マレウス 75/30、 -/-
*リリア 39/36、 45/21
*クルーウェル 56/-、 13/-
*トレイン 78/-、 36/-
*バルガス 16/-、 6/ - 6125/02/28(金) 22:46:16
前回までのざっくりあらすじ
複雑骨折幼馴染だらけのカオスな合宿を終えた出久たち。
ようやく帰れたその夜、出久はオンボロ寮の鏡でミッキーと名乗る喋るネズミと会話をしたのだが、その正体は判明せず謎は深まるばかりだった。
元の世界に戻れないまま、波乱に二学期が幕を開ける――! - 7125/02/28(金) 22:54:06
章開始前恒例のパソスト投げておきます!
緑谷出久 寮服(UA制服) パソスト 「友情の証ってことで!」 | Writening■スカラビア寮 ー談話室ー 耳馴染のある音楽に、出汁のきいた料理の匂い。 本日開催のカリムの宴のコンセプトは、ずばり『異世界文化交流』。カリムが突然「お前たちの故郷の音楽とか料理について教えて…writening.net爆豪勝己 寮服(UA制服)パソスト 「優秀な方が良いに決まってンだろ」 | Writening■スカラビア寮 ーバルコニーー 耳馴染のある音楽に、出汁のきいた料理の匂い。 本日開催のカリムの宴のコンセプトは、ずばり『異世界文化交流』。カリムが突然「お前たちの故郷の音楽とか料理について教え…writening.net回を重ねるごとにここだけ設定という名の捏造が増えているので注意書きしときます。
※注意※
*ヒロアカ側もツイステ側もめちゃめちゃ設定捏造してます。
*幼馴染の料理・音楽スキルについて捏造してます。デクは中の下くらいで設定してます。
*才能マンとムシュー・マルチのスペックを盛りに盛ってます。
*いらふわコンビをデズニープリンスの系譜だと思ってる人が書いてます。
*アカンと感じたらそっ閉じブラバでお願いします。
- 8125/02/28(金) 22:58:38
五章は話の流れどうしようかな~と迷っているところがありますが、迷ったときは全部ダイス神にぶん投げる方針で行きます
- 9二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 23:11:20
Part11かー長く楽しませていただいております!!
- 10二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 23:12:16
ついに5章!楽しませていただきます!
- 11二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 23:13:26
立て乙です!
今回も面白いSSをありがとうございます!毎度二人の視点から別々の世界が展開されていて、スレ主さんの引き出しの多さに感服させられています!
出久に対するカリムとシルバーの優しさが沁みるし、ジャミルとアズールの二人と話す爆豪もいい…そしてHerotoo…料理や食器の描写も細やかで丁寧だなぁと思いました!読んでて楽しくなります!
そして5章!こちらもどうなるのか楽しみです! - 12二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 06:32:39
新スレ乙です!
わーい!パソストだー!切ない!
5章も楽しみにしてます! - 13二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 12:39:31
いつ見ても出久-エーデュースグリム間の好感度の高さに笑う
これはマブですわ - 14二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 14:20:28
相変わらず文才が突き抜けていらっしゃる……
- 15二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:27:02
相変わらずパソストが素晴らしい……
- 16125/03/01(土) 21:40:38
パソスト書いたら気になっちゃったのでダイス振ります
*オンボロ寮の洗濯機 dice1d4=3 (3)
1.初期型電気洗濯機(ローラー付き)
2.二層式洗濯機
3.全自動洗濯機(タテ型)
4.全自動洗濯機(ドラム式)
↑保証期限から dice1d20=5 (5) 年経ってる(1なら+ dice1d40=25 (25) 年、2なら+ dice1d30=8 (8) 年)
- 17125/03/01(土) 21:43:19
廃墟になぜこんな新しい洗濯機が……?不法投棄?
とりあえず5章入ります! - 18125/03/01(土) 22:19:12
二学期が始まったその日の夜、出久は夢を見た。
(闇の鏡……?)
ナイトレイブンカレッジにある闇の鏡とよく似た魔法の鏡に向かって、美しい女王が語りかけている。
――鏡よ、鏡。この世で最高に美しい女は?
――若い娘の姿が見えます。唇は赤いバラ、髪は黒々と輝き、肌は雪の白さです。
――はっ、白雪姫……
鏡が告げたのは、継子の特徴。選ばれなかった女王は美しい表情をきつく歪めた。
場面は移り変わり、あどけない少女が井戸に向かって歌を歌っていた。水面に映るその肌は雪のように白い。黒い髪を彩る赤いリボンが可愛らしい。
――これは願いが叶う井戸 いつか王子様と会える
その小鳥のような歌声に惹かれ、一人の青年が少女に話しかけた。少女は恥ずかしがって井戸から去って城の中に隠れてしまう。
――真心を告げる 愛の歌 君に捧げよう
青年が少女に向かって高らかに歌い上げる。歌に乗せた真っすぐな愛の言葉に、少女は窓の向こうではにかんだ。
歌を通じて交わされる二人の愛のやりとりを、恐ろしい形相の女王が聴いていた。
*出久 夢への違和感 dice1d10=3 (3) +79
- 19125/03/01(土) 22:39:38
不思議な夢を見るのも慣れたもので、出久は普段より遅く起きた日の朝のルーチンの通りに動いて、何事もなく登校した。
「席につけ、仔犬ども。今日のホームルームは、ホリデーで緩んだ手綱を引き締める話をする」
1-Aの教室に着くと、担任のクルーウェルが指示棒を鞭のようにヒュッとしならせた。
曰く、2月中旬に『全国魔法士養成学校総合文化祭』なるものが開催されるらしい。その会場が、今年はナイトレイブンカレッジだと決定したとのことだ。
ちなみに、『全国魔法士養成学校総合文化祭』とは、全国の魔法士養成学校から代表生徒が集結し、2日間にわたって美術や音楽、魔法に関する研究発表や弁論大会を行う祭典で、文化祭としての規模は雄英のものよりも随分大きいようだ。
文化祭期間は普段研修で学校を開けている四年生も戻ってくるらしい。
「そういえば、僕たち四年生の先輩には会ったことないね」
「興味ねェわ」
「一刀両断……」
勝己は頬杖を聞いてガラの悪い姿勢だ。出久はいつクルーウェルの躾と称した鞭が飛んでくるのではないかとヒヤヒヤした。
「『全国魔法士養成学校総合文化祭』は、魔法庁や魔法教育員会、魔法大学、魔法関係企業、研究施設、さらには芸能界までもが注目する次世代の才能発掘現場でもある。文化部の仔犬どもは、よくブラッシングして毛並みを整えておくように」
*『全国魔法士養成学校総合文化祭』への興味
出久 dice1d100=9 (9)
勝己 dice1d100=50 (50)
- 20二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:46:57
出久どうしたの!?
- 21125/03/01(土) 22:50:19
「ふーん、文化部の祭典かあ」
「運動部の僕たちにはあまり出番はなさそうだな」
バスケ部のエースと陸上部のデュースはどこか他人事だ。
出久も、ヒーロー展でもあれば良かったのだが、芸術にはあまり理解がないし、魔法の研究も根本的なところが理解できないから興味をもつのが難しい。
グリムを連れて楽しく回れればいいかなという程度で、積極的に参加する気はあまり起きなかった。
「なあなあ、祭りってことはマジフト大会のときみたいに食い物の出店が出るんだゾ!?」
「もう、食いしん坊なんだから。欲張らないって約束してくれたら、一緒に見て回ろうか」
「ヤッター♪楽しみなんだゾ♪」
「甘やかすなって何べん言わす気だテメー」
教室全体に祭りに浮かれたソワソワした空気が流れるが、はしゃぐ仔犬を躾けるようなクルーウェルの一喝で霧散し、普段通りの授業に戻った。
授業を終えて図書館に向かおうとしたとき、出久はクルーウェルに呼び止められた。
「イズク。学園長から伝言だ。放課後はオンボロ寮の監督生として文化祭前の寮長会議に顔を出すように」 - 22125/03/01(土) 23:19:15
放課後、出久は呼び出しに応じて鏡の間へとやってきた。すでに各寮の寮長たちが揃っていた。
マジフト大会のときに引き続き、ディアソムニア寮のマレウス・ドラコニアはまたしても不参加だ。代理として副寮長のリリアが参加している。
「ゴホン!では、寮長会議を始めます。運営委員長のローズハートくん。文化祭準備の進捗報告をお願いします」
「はい。みなさん、お手元の資料をご覧ください」
飲食店と各展示ブース、三カ所の特設ステージ。当日の設営について淀みなく説明が進む。メディア対応について話題が進んだとき、リドルは初めて難しそうに唸り声を漏らした。
「どうしたの、リドルくん」
「コロシアムの特設ステージ、パープルステージで行われる予定の音楽発表会『ボーカル&ダンスチャンピオンシップ(VDC)』。このプログラムだけ、異常なほど外部メディアからの取材申し込みが殺到してるんだ」
「ああ、それはそうでしょう。『VDC』は全国から選りすぐりの歌唱力を持つ高校生が集まる世界的な大会ですから。しかも今年はヴィルさんが出場予定です。メディア関係者が群がるのも当然かと」
ヴィル、と名前が出た途端、その場の視線が濃紫色の長衣を纏った生徒に集まった。
アズールがヴィルの経歴をリドルに説明するのを聞いたところによると、ポムフィオーレ寮寮長のヴィル・シェーンハイトは世界的に人気なスタータレントであり、モデルから俳優業まで幅広く活躍しているらしい。
「フン。相変わらずよく回る口ね、アズール。そんなの当然すぎて自慢にもならないわ。大げさに騒がないでくれる?」
ヴィルはアズールの賛辞の一切を意に介さず、背筋の伸びた悠然とした姿勢を崩さなかった。 - 23二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 00:27:21
かっちゃんは割と興味あるのね
- 24二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 08:07:09
研究発表があるし帰る手掛かりがある可能性を考えてるのかも
- 25二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 09:20:53
そういえばヴィル様のユニ魔ってほぼ新秩序だよね
- 26二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:31:54
条件付与した時だけ出来る新秩序って感じよね
ヒロアカの方は割となんでもありに見えるけどヴィル様はどこまで出来るんだろう - 27二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:44:44
- 28二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:45:02
- 29二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:35:52
相澤先生から見た幼馴染って前代未聞の問題児なんだろうけど、クル先から見た幼馴染って前代未聞の優等生なんだろうな
二人とも真面目だし、成績も良いし、校内の問題を積極的に解決してくれてるし
元の世界だと志高すぎるが故に色々やらかしまくった謹慎ボーイズなんですけどね - 30二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 02:50:01
二人ともヒーローだからから基本秩序側で非常事以外は問題起こさなそうだよね。かっちゃんはNRCだと口の悪さも目立たない(NRC生の素行がアレなせい)し、ただ監督生という立場柄、面倒事にはよく首突っ込んでよく怒られてそう。
- 31二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 12:21:54
保守
- 32二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 21:12:43
続き楽しみにしてます!
- 33125/03/03(月) 23:08:24
「あー、インフルエンサーといえば……」
寮長会議の場にふよふよと浮いているタブレットから音声が響いた。出久はその姿を見たことがないが、声の主はイグニハイド寮の寮長のイデア・シュラウドという生徒らしい。
「今年の『VDC』は、ヴィル氏だけじゃなく、“あの”ネージュ・リュバンシェも出場する予定なんでしょ。何日か前に、ネットニュースで騒がれてた。そらメディアも飛びつきますわなー」
「ネージュ・リュバンシェ……ああ、確かに、数日前に申し込みがあったね。ロイヤルソードアカデミーの代表生徒で、2年生か」
ここでは異世界人である出久には全くピンとこない名前だが、ネージュという人物は世界的に有名な俳優であるらしい。
(ビルボードチャートTOP10のヒーローみたいな感じかな?確かにそんな人が学校に来たら注目されるだろうな)
出久は聞いた話を頭の中でヒーローオタクの物差しで変換し、なんとなくことの重大さを把握した。
学園長が「当日のトラブルを避けるためにも準備は入念にお願いしますよ」と運営委員長のリドルに念押しをする。「なんだか思っていたより大変なことになりそうだ」とネージュの人気ぶりを知らないリドルがため息を吐いた。
*出久 目星ロール dice1d2=2 (2)
(1.成功、2.失敗)
- 34125/03/03(月) 23:21:21
寮長会議はいつの間にか、リドルに手伝いを申し入れたアズールを胡散臭くて詐欺くさいとディスる内容になり、研究発表会で人前に出ることへの愚痴をこぼしたイデアをリドルが叱りつける内容になり、話題が二転三転した。
(やっぱり進行役って大事なんだなぁ)
少し前、OFAの秘密の話をする際に、勝己がいるとオールマイトと二人きりのときよりも議論がスムーズに進んだことを思い出す。
それから、クラス会議のときは真面目だ飯田がどんなに話題が主題から脱線してももとの議論に戻してくれたことも。
「――運営委員会からの報告は以上です」
「では、本日の寮長会議はここまで。各寮、当日に備えて準備を進めてください」
会議としては意味のない応酬をぼうっと聞いていると、いつの間にか寮長会議が終わっていたらしい。
他の寮長たちが席を立って去っていく。
「…………」
そのとき、出久はヴィルの険しい表情の裏に隠されたものに気づけなかった。幼馴染のせいで険しい表情に慣れ過ぎてしまった弊害である。
「すごく大規模な文化祭みたいだし、有名人も来るってことは変質者も紛れ込みやすい。しっかり警備しないと」
当日がどんな動きになるかは分からないが、自分にできそうな仕事をイメージしながら、出久はオンボロ寮に戻っていった。 - 35125/03/03(月) 23:22:25
- 36二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 06:29:14
緑谷も爆豪も頭良いし魔法を使わない魔法史とかだったら成績良いのかな
- 37二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 12:44:20
- 38二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 19:31:39
こいつらに魔力があったら…って残念がるNRC教師はけっこういそう
- 39二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 23:51:34
保守
- 40二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 07:15:32
>>幼馴染のせいで険しい表情に慣れ過ぎてしまった弊害である。
ワロタ
- 41二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 13:58:52
ショタの頃からの付き合いだからね
しかたないね - 42二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 18:55:10
いらふわ推しのデク推しなのでありがたすぎて夢かと思った
ありがとう
本当にありがとう - 43二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 20:42:56
いらふわに轟君投入したらいらふわぽやでなんか癒し系空間が生まれそうだね
- 44125/03/05(水) 20:53:04
数日後。財布の都合で月に三回までと決めているオンボロ寮の学食デーなので出久たちが大食堂を訪れると、壁際に人だかりができていた。
「張り紙があるみたい。えーっと『全国魔法士養成学校総合文化祭ボーカル&ダンスチャンピオンシップ出場オーディション』?ああ、寮長会議で話してたやつか」
「毎年テレビで放映されてたからたまに見てたけど……選抜メンバーってオーディションなんだ」
さらりとエースの口から「毎年テレビで放映」と出るあたり、やはりVDCは世界的な有名イベントであるようだ。
「どれどれ……『なお、大会で当校代表チームが優勝した場合……メンバーに優勝賞金の500万マドルを山分けします』」
「「「ご、500万マドルを山分け!?」」」
*心のぐらつき
出久 dice1d100=44 (44)
勝己 dice1d100=90 (90)
「そうなんですよ~!豪華でしょう!?」
「うわっ!学園長!!」
「出やがったなクソ烏!!!」
張り紙を見ていた出久たちの真後ろに、いつの間にか学園長が立っていた。相変わらず仮面を被った胡散臭いいでたちである。
学園長はVDCがいかに注目されているイベントであるか力説し、たくさんのスポンサーが付いているから500万マドルも賞金だ出るんですよ、とニコニコで話していた。
「500万マドルあれば、ひとつ300マドルの高級ツナ缶がいっぱい帰るんだゾ!」
「待て待て。賞金はチームメンバーで山分けだって書いてあるだろ。たとえばチームが5人だとすると、ひとり……500÷5だから……ひゃく、ひゃくまんマドルだな」
「300マドルのツナ缶なら3000個以上買える」
「あっ、ハート野郎テメェ余計なことを!!」
さらりと計算したエースの口を勝己が閉じさせようとしたが、遅かった。グリムの目が爛々と輝いている。
「ウヒョーッ!!3000個!!!なあなあ、イズク!オレ様この大会に出たいんだゾ!」
- 45125/03/05(水) 21:07:03
「グリム、出たいの?それならまずはオーディションに受からないと」
出久としてはグリムが挑戦したいことは応援してあげたいところだ。問題は勝己が何と言うかだが。
「我がナイトレイブンカレッジは、全生徒からオーディションで代表を選びます。本気の生徒は大会を見越して去年から準備をしているとは思いますが……スターを夢見る権利はいつ、誰にでもあるかと思いましてね。フフ、どうです?私、優しいでしょう?今年は誰が代表になるか、楽しみですねぇ~」
言いたいことだけ言うと、学園長はルンルンとその場から飛び去ってしまった。本当に出久たちの帰り道を探しているのか、甚だ疑問である。
「『オーディション審査の課題曲は“Piece of my world”。参加申し込みは3-Aルーク・ハントまで』か。へぇ~、面白そうじゃん!今度の文化祭、俺ら運動部は裏方作業ばっかで楽しくなさそうだし、試しに受けてみねぇ?」
「優勝して臨時収入が入れば、家計が助かるか……いや、しかし……運動は苦手じゃないが、歌と踊りは全然やったことがない」
張り紙を見ながらエースとデュースが出場を検討し始める。
「…………」
「かっちゃんどうしたの?眉間の皺すごいよ?」
「いや……何でもねェわ」
「それにしても優勝賞金豪華だよね。オンボロ寮の掃除だけじゃ誤魔化せない部分も直せちゃいそう。僕もグリムの付き合いで受けてみよっかな~、なんちゃって」
「…………」
「あれ、かっちゃん聞いてる?」
出久は「ンなこと考えてる暇あったら帰り道探せや!!」というキレツッコミが返ってくると予想していたのだが、実際の勝己は苦虫を飲み下すような表情で小さく舌打ちを打っただけだった。
自由に使える金があまりに少ない現状に人並みにストレスを抱えているのは勝己も同じらしい。 - 46二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:15:26
かっちゃんめちゃくちゃぐらついてる...
かっちゃんなら頑張ればオーディション普通に突破できそう - 47125/03/05(水) 21:25:36
「課題曲の『Piece of my world』は去年めちゃ流行った曲だから、マジカメに踊り方の解説動画とかいっぱい上がってるじゃん。簡単なやつならパパっと覚えられるでしょ」
「ふなっ!イズクがスマホ貰ったから、最近はマジカメ見られるんだゾ。よーし、オレ様も練習してオーディション受けてやるんだゾ!」
「そうと決まったら練習だね!日課の図書館探索の時間は削れないから……朝か夜なら付き合うよ!それなら良いでしょ、かっちゃん」
「やることやンなら邪魔しねーよ。テメーの好きにしろ」
「やったー!目指せツナ缶富豪!なんだゾ♪」
グリムがぴょんと跳ねて小躍りした。対照的にデュースは難しそうな顔で固まっている。
「僕はやめておく。オーディション受けたところで受かる気がしないしな」
「えっ、ノリ悪っ」
「まず、真剣にテッペン狙ってないヤツが冷やかしに行くべきじゃない」
「でも、家計のためっていうのも立派な動機なんじゃないかな。信念が後から付いてくることだってあると思うし」
デュースのつぶやきを聞いた時、麗日がヒーローになりたい動機を聞いたときのことを思い出した。彼女は両親に楽をさせてあげたいからお金がほしくてヒーローを目指したと話していた。憧れだけではなくて現実を見据えた動機を出久は不純だとは感じなかったし、今の麗日は家計のことだけではない強い信念をもった素晴らしいヒーローだと尊敬している。
何かを成し遂げるのに、始まりが必ずしも重大な動機でなければいけない訳ではないのだ。
「ミドリヤ……ありがとう。でも、やっぱりいいや。お前らがオーディションに落ちた時、慰め役も必要だろ?」
「おいこら。落ちる前提で話すんな。見とけよ。ぜってー受かってやっから!」
「そうだゾ!賞金とツナ缶はオレ様のものだ!」
話し込んでいる間も時間は過ぎる。次の授業が魔法薬学で移動が必要であることを思い出して、遅刻しないように出久たちは大慌てで料理をかきこむことになった。 - 48二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 06:20:47
かっちゃんなら行けそうだけどまあ問題は体調だよなあ
あと他メンバーがどうなるかかっちゃん達的には分からないから上手くやれるかっていう - 49二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 15:14:53
保守
- 50二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 21:39:58
保守
- 51125/03/06(木) 22:34:16
昼食後、出久たちは魔法薬学室に向かうために中庭を通ろうとしていた。ナイトレイブンカレッジの中庭は芝生と植木が美しく手入れされており、真っ赤な実をつけるリンゴの木と石造りの井戸の存在が特徴的だ。
「ア~~~♪アァ~~~~……♪」
中庭に足を踏み入れると、高らかな歌声が耳に届いた。
「綺麗な声だね。井戸の方からだ」
井戸で反響しているのだろうか。出久は思わず歌声に耳を立てた。
「アァ~~~~♪ア~~~~~ア”ァッんガッ!オエッ!」
美しい声は、突然首を絞められた鶏のような呻き声に代わる。温度差があまりにもひどい。
「……クソ噎せとンな」
「何か喉に詰まらせちゃったのかも?様子を見てみよう」
ゲホゲホと咳き込む声の主に声をかけようとして、出久は井戸の方に向かっていった。
「めごく歌えで言われでも、わ、無理だじゃ……」
井戸の傍にいたのは、新学期最初の日に出久とぶつかった紫色の巻き毛の生徒だった。あの後どこか痛んだりしていないだろうか、と出久が問いかけようと一歩踏み出すと、石造りの道の上で小石がジャリと音を立てた。
「誰っ!?……って、君は……」
エペルは野生じみたスピードで振り返ったが、出久の顔を見ると目を丸くした。
「あっ、……。あの日は、ごめんね」
「ううん、怪我してた訳じゃないなら良かったよ。えっと、君はエペルくん……だったよね」
「え?なんで僕の名前を?」
「ジャックくんに聞いたんだ。二人は同じクラスなんだよね」
「うん。キミたちは、たしかミドリヤクンとバクゴークン……、それにエースクンとデュースクンとグリムクン……かな?」
エペルと面識はないはずだが、エペルは出久たちの顔と名前を知っているようだった。
「あれ、僕たちのこと知ってるの?」
「寮対抗マジフト大会のエキシビジョンマッチ、すごく面白かったから。フフッ。あっ、バクゴークンは試合中に血を吐いてたけど、大丈夫だったの?」
「あんくらい何ともねェ。ピンピンしとるわ」
「……かっちゃんって本当に医者泣かせだよね」 - 52125/03/06(木) 22:53:32
「それで、エペルはなんで井戸の中に向かって歌ってたんだ?」
デュースが首を傾げた。
「こうすると井戸に声がこだまして、客観的に自分の声を聞けるんだ。だから、ここで歌の練習をするようにって寮長のヴィルサンが……」
曰く、エペルは『VDC』のオーディションを受けるために練習をしているらしい。
「それで……もっと愛らしくて、可憐な歌声で歌えるようにって……」
話ながら、エペルの表情は段々と曇っていく。
「……あんな大会、なくなっちゃえばいいのに」ボソッ
エペルの小さな呟き声は、ツカツカと石畳の上で革靴が鳴る音で書き消された。
「あら、エペル。歌の練習をサボって鳩とおしゃべり?」
「あっ……!ヴィル、サン……!」
エペルの視線につられて出久たちが振り向くと、そこにはポムフィオーレ寮寮長のヴィル・シェーンハイトが立っていた。
日の光を浴びて淡く発光していると錯覚してしまうほどの美貌の持ち主で、人の美醜に疎い出久でも「綺麗な人だ」と思ったほどだ。整いすぎていて近くで見ると迫力さえ感じる。
「アイツ、イズクより1メートルくらい足が長ェんだゾ!」
「確かに僕は日本人体型でそんなにスタイル良くないけど、1メートルは言い過ぎじゃないかな……」 - 53125/03/06(木) 22:55:34
「そこの新ジャガたち」
「ア”?誰が新ジャガだって?」
「他に誰がいるのよ。うちのエペルは今、大事な時期なの。『VDC』まであと2か月を切ってる。泥も落としてないジャガイモと遊んでいる時間はない。レッスン中のこの子にちょっかいをかけないで」
美しい薔薇には棘があるというけれど。ヴィルの声色は鞭のように鋭く厳しかった。険しい表情のヴィルに睨まれ、出久の隣にいる幼馴染の表情も険しくなっていく。このままだと確実に揉め事になる。
「えっと、僕たちは邪魔するつもりじゃ……」
「ヴィルサン、そげな良い方やめてげっ!これはオッ、ぼ、僕が……」
エペルが庇ってくれたが、ヴィルの表情はますます険しくなり、訛りのあるエペルの口調に対する叱責が始まった。
「感情が昂ったくらいで芝居が崩れるようじゃお話にならない。到底、“真っ赤な毒林檎”にはなれないわ。さあ行くわよ、エペル」
「…………でも僕、本当はこんなことっ!」
「……アタシとの約束、忘れたの?いいから来なさい」
「う…………っ」
ヴィルに強い口調で命令されたエペルの目が鋭くなる。
*口を挟むのは dice1d3=2 (2)
1.出久
2.爆豪
3.エース
- 54二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:28:40
かっちゃんとヴィル様、ぶつかるときはめちゃくちゃぶつかりそうだな
- 55二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:37:02
- 56二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 06:30:33
- 57二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 13:31:19
新ジャガかっちゃんなんか内側から弾けて食べようとした人にダメージ与えてきそう
- 58二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 20:42:54
- 59二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:30:09
- 60二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 06:06:11
保守
- 61二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 13:19:20
☆
- 62二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 21:34:28
- 63二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 23:58:22
こういう対話の時にかっちゃんになるの解釈一致
- 64二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 05:20:58
続きたのしみ
- 65二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 13:16:39
ほ
- 66二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 20:43:18
この時のヴィル様って悪い方に煮詰まっちゃってるからね…
- 67二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 21:22:22
ある意味かっちゃんシンパシー感じるかもしれない
同じフィールドで自分のほうが努力を重ねているはずなのに、なぜか目をかけられているのは相手ばかりで、自分はうまくいかないことばかり
私闘前までのかっちゃんと心情的にはにてる気がする - 68二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 05:25:12
保守
- 69二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 12:59:34
ヒロアカ側って絶世の美男美女みたいなキャラいたっけ?絢爛崎先輩?
- 70二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 13:26:36
こん時のヴィル様、必死に築き上げたイメージがツイステ世界の大衆が求める主役像からかけ離れてるせいで求める役が得られないことへの不満やら自分の努力が報われないことへの鬱憤がたまりにたまってる状態だかんね
しかも張り合ってる相手がウォッシュ枠だからメチャクチャ空回りしてる - 71二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 21:29:21
☆
- 72125/03/10(月) 21:33:36
「おい、赤ベルト。どうみてもソイツやる気なさそうに見えっけど、テメェの目は節穴か?」
「……それ、もしかしてアタシのこと言ってる?」
「レッドタグじみたクソナードの靴より彩度が高ェ、クソ目立つベルト巻いとる奴なんてテメーしかいねぇだろうが」
勝己が顎をしゃくってヴィルを挑発すると、ただでさえ重苦しい空気がさらにヒリついた。
「やる気ねェ粗製デニムをいくら矯正しようったって綺麗なアタリが出るわけ無ェ。どっかでほつれてダメージデニムになンのが関の山だろ。それを最高峰の大会に出そうなんざ甘ェんじゃねーの?」
「……えっ、かっちゃん急に何?」
急にデニム語を使い出した勝己に出久はドン引きしたが、どうやらファッションやら芸能やらの思考回路がベストジーニストの影響で藍染めされているらしいということだけ辛うじて分かった。
「バクゴーが何言ってか分かんねーけど……確かにソイツ嫌がってんじゃん」
「出会い頭にジャガイモ扱いとはバカにしてくれるんだゾ」
「お、おいお前ら。揉め事は禁止って学園長に言われてるだろ」
勝己に続いて喧嘩腰になったエースとグリムを慌ててデュースが制止しようとする。
「そうだよ、喧嘩はやめよう?……ヴィル先輩も、寮長だからって無理強いは良くないと思います」
「ふぅん。ジャガイモ風情がアタシにもの申そうなんていい度胸ね。食後のウォーキング代わりにちょうどいい。かかってきなさい。マッシュポテトにしてあげる」
流石ナイトレイブンカレッジとでもいうべきか、彫刻のような麗人であるヴィルでさえ血の気が多いらしい。
「かかってこいや、生デニムみてぇなそのツラ、ヒゲまみれにしたるわ」
「落ち着けよかっちゃん!あとそのヒゲってもしかしてデニム用語!?」
案の定喧嘩が勃発しそうだったので、出久は慌てて勝己を止めようとした。
*戦闘ロール
出久 dice1d1000=494 (494) (勝己を止めているためマイナス値)
爆豪 dice1d1000=405 (405)
グリム dice1d100=37 (37)
エース dice1d100=38 (38)
ヴィル dice1d800=218 (218)
- 73二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 21:47:59
止めてる奴が一番強い
- 74125/03/10(月) 21:55:00
「離せや出久ゴルァアアアア!!!!」
「明らかに暴れようとしてるのに離すわけないだろ!!!」
喧嘩騒ぎが大事になるとエペルにとっても良くないため、出久は頭に血が上っている勝己を思い切り羽交い締めにした。怪我の影響で筋肉がいくらか落ちているとはいえ出久より大柄で筋肉質な勝己を止めるのに精いっぱいで、同時に飛び出してしまったエースとグリムを止めることはできなかった。
「「おらああああ!!!」」
「フン。全ての動きがドタバタしてて見苦しい。美しさがカケラも感じられない」
「ぐはっ!?」
「ふぎゃッ!!」
ヴィルは流麗な動きで長い手足を翻すと、エースとグリムに鋭い蹴りをぶち込んだ。素人の喧嘩技とは違う、武闘を嗜んでいる者の動きだった。
「100点満点中5点。次から喧嘩を売る相手はよく選ぶことね」
「ああっ、みんな、僕のせいで……」
「あら、アタシ、まるで悪役ね?でも……元はと言えば、エペル。ホリデー中にレッスンをサボってたアンタが悪いのよ。『VDC』で優勝するためには、まだまだ課題は山積み。楽をして一番になれるとは思わないで」
倒れたエースとグリムを見て瞳を潤ませるエペルをヴィルが厳しく叱責する。
「さあ、行くわよ」
「…………はい」
「!!待って、エペルくん!」
「ミドリヤクン、僕は大丈夫だから。みんな、またね……」
ヴィルに連れられて、エペルは井戸から去っていった。
「ふなぁ……アイツ、結局連れていかれちまったんだゾ」
「気分悪。この学園って、カンジ悪くないと寮長になれない決まりとかあるわけ?」
「他寮の寮長に喧嘩売っちまうなんて。ローズハート寮長の耳に入ったら首をはねられるかもしれないな。うぅん…………『VDC』、か……」
何か思うところがあるのか、デュースが小さく唸って眉間に皺を寄せた。
「デュースくん、どうかした?」
「いや、ちょっとな。なんでもない」
「そっか……」
出久は去っていったエペルの表情に思うところがあったが、深追いできるほどの情報をもっていない。煮え切らないものを抱えたまま、出久たちは中庭を後にした。 - 75125/03/10(月) 22:19:48
エペルとヴィルとのやりとりの翌日昼休みから、『VDC』のオーディションに向けた練習が始まった。体育館は同じ目的で訪れた生徒たちでごった返している。エースとグリムは、ヴィルにこっぴどく批評されたことを根に持っており、怒りをモチベーションにしてメラメラと燃えていた。
「……で、デュース。お前もオーディション受けるってどういう心境の変化?」
体育館には運動着に着替えたデュースもいる。
「僕だってああまで言われちゃ腹が立つ!それに……ちょっとあいつのことが気になって」
「アイツって……エペルくんのこと?」
「ああ。自分から『VDC』に参加希望しているようには見えなかった」
どうやら、デュースは出久と同じことを感じていたらしい。
「そうだね。あのときのエペルくん……救けを求めてるように見えた。それに、僕もぶつかった時も、泣いてたんだ」
「俺も見てた。嫌なのに無理矢理やらされているんだとしたら、優等生として無視はできない」
「自分で“優等生”って名乗っちゃってるとこが優等生じゃないとは思うけど。確かにエペルって見るからに気が弱そうだし、渋々練習してたら可哀想かもね」
エースも軽い口調ではあるが、出久とデュースと同じ意見であるらしい。
「だったら、オレらがエペルよりカッコイイパフォーマンス見せて、オーディションでアイツを落とせばよくね?『真剣にテッペン狙ってないヤツが冷やかしに行くべきじゃない』、だろ?」
「「!!」」
ニヤリ、とエースが笑う。頭が柔らかいエースらしい、一石二鳥な案だった。
「オイ!!テメェらいつまでくっちゃべっとンだ!!しゃべっとる暇あったら練習しコロせや!!!」
「……で、バクゴーはどういう心境の変化なワケ?」
体育館には運動着に着替えた勝己もいる。しかも、体から湯気が出ていると錯覚するほど殺気じみたやる気が溢れていた。 - 76125/03/10(月) 22:23:42
「なんかヴィルさんに煽られて火が着いちゃったみたい。『帰り道探しながら、賞金かっぱらって、赤ベルトもギャフンと言わせたる!!全獲りだ!!ナメられたまま帰れっかよ、完膚なきまでの勝利決めてやんよ!!!』だって」
「……バクゴーってさぁ、頭良いけど単細胞だよね」
「聞こえてンだよクソハート野郎コラァ!!!!」
ギャオン!!と勝己が吠える。あまりの剣幕に周りの生徒たちがドン引きしているが、出久にとっては日常事であるし、なんだかんだ付き合いが長くなってきたエースたちも慣れたものなので、さらりと流された。
「よーし!じゃあまずはダンスの特訓から始めるんだゾ!イズク、音楽かけろ!」
「オッケー!それじゃあ動画流すよ!」
出久がスマホの再生ボタンをタップすると、グロッケンの音が印象的なイントロとともに、ダンスの振り付け動画が流れた。
*ダンスの初期練度
出久 dice1d50=20 (20)
爆豪 dice1d50=22 (22) (才能マン補正+25)
グリム dice1d50=45 (45)
エース dice1d50=43 (43)
デュース dice1d50=46 (46)
- 77125/03/10(月) 22:26:20
(この後の展開的にエースにも補正つけるべきだったとちょっと後悔してますが、振っちゃったのでこのままいきます。後で帳尻合わせするかもです)
- 78二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 22:31:04
突然のデニム語っちゃんに草
多分ヴィルさんとルークはデニム語理解できるんだろうな - 79二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 06:01:36
かっちゃんもっと出来るやろ、ってつい思ってしまう気持ちと、体調全般とか諸々考慮するとむしろ補正込みでもギリトップは十分過ぎるやろ、って思いとどっちもあるな
出久が1番練度低いの🎲さん分かってるとも思った - 80二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 12:24:25
これはかっちゃんも「ねじれたリズムで踊ろう〜」って歌ってくれるやつですか!?
- 81二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 12:30:16
砂漠の行進よりはマシだけどダンスも十分激しい運動だからね!?こっちの心臓のが持たないよ……
- 82二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 20:44:13
☆
- 83二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 00:32:49
緑谷がいっちゃん低いのまあそうだよねって感じ
- 84二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 08:03:06
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 16:40:36
- 86125/03/12(水) 22:00:33
とりあえず最初なので、流しのレッスンを開始した。
才能マンの勝己、要領の良いエース、運動神経の良いデュースはそれなりに様になっている。グリムは体型が人と違うので判断しにくいが、一応形になっていた。
練度はまだまだだが、練習次第では化けるだろう、といったところだ。
問題は。
「出久!!!テメェ芦戸に教わったことどこに置いてきやがった!!!!」
「待ってって!!一回見ただけじゃマジでできないんだって!!!」
出久は運動神経が特別良いわけではない。そもそも、何でもできるようになるまで時間がかかってしまう、要領が悪い方だ。
ダンスを見たとおりに体を動かそうとしても、出来の悪いマリオネットのようなぎこちない動きしかできない。
「そういえば『デク』って元々は『なんにもできない』って意味だったなぁ」と、出久はこのところすっかり忘れていた自分のヒーロー名の原点に遠く思いを馳せた。
「おっ?お前らもダンスかぁ?オレたちも混ぜてくれよ」
そのとき、運動着姿のカリムが出久たちに声をかけてきた。傍には同じく運動着姿のジャミルもいる。
「ふなっ。スカラビアのギクシャクコンビ」
「変なコンビ名をつけるな。それに、別にギクシャクはしてない」
「確かに二人は複雑な関係だけど、ギクシャクではないね」
ジャミルの反論に出久も頷く。
カリムとジャミルはウィンターホリデーでひと悶着あったが、その直前までは表面上会話のキャッチボールが成立している状態だった。
幼馴染と十年近く会話がドッジボール状態だった出久からすると、『ギクシャク』の状態には当たらないのだった。 - 87125/03/12(水) 22:16:38
話を聞くと、スカラビアの二人も『VDC』のオーディションを受けるらしい。なんでも、二人ともダンスと歌が得意なのだそうだ。
ジャミルは「俺は目立つことはあまりしたくなんだがな……」とため息を吐きながら腕を組んでいるが、先日のオアシスの宴では同じことを言いながら華麗なブレイクダンスを決めていたので本心なのか定かではない。
「しかし、後ろから見てたけど、お前ら本当にヘッタクソだな~!ゾウが二本足でどすどす慌ててるみたいだったぜ!あっはっは!」
「ア?言いやがるじゃねェかターバン野郎よォ……!」
「踊りだけでおぼつかないのに、本番じゃ歌わないといけないだろ。大丈夫か?」
カリムの悪気がない分容赦ない指摘が刺さる。確かに、振り付けをコピーできるだけではオーディションに受かるようなダンスとはいえない。出久に至ってはコピーすらできていない。
まだとても歌いながら満足に踊れるような状態ではなかった。
「そうだ。ジャミル先輩、前にバスケ部でフロイド先輩にダンス教えてたことありましたよね。たしか、ダンスが趣味なんでしょ?オレらにもダンスのコツ、教えてくださいよ」
「おう、いいぜ!ジャミルのコーチなら間違いない」
「なんでお前が返事をするんだ!ゴホン……まあ、誰かに教えるのは自分の復習にもなるし、いいだろう」
甘えた後輩仕草のエースに勝手にカリムが返事をしたのにジャミルが突っ込みをいれたが、なんと結局受けてくれるらしい。
「えっ、いいの?すごく助かるよ、ありがとうジャミルくん」
「素人ならまずはアイソレーションからだな。足を肩幅に開いて……」
「アイソ……?」
ジャミルはダンスの基礎から理論をきっちり抑えてコーチしてくれた。
どちらかというと感覚派だった芦戸のコーチとは全く毛色が違うが、ダンスを肌で理解できない出久にとってはありがたい内容だった。
*ジャミルレッスンの成果(要領良し組は補正あり)
出久 dice1d100=61 (61)
爆豪 dice2d100=85 8 (93)
グリム dice1d100=77 (77)
エース dice2d100=93 2 (95)
デュース dice1d100=52 (52)
- 88二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 22:28:13
要領良し組の出目がどっちも極端!!!
- 89125/03/12(水) 22:31:29
「おっと。もう午後の授業が始まるな。ダンスの練習はここまでにしよう」
何かに熱中しているときの時間の流れとは不思議なもので、すでに昼休みが終わりかけていた。
「エースとバクゴーは筋がいいな。すでに様になってきている。デュースも、リズム感はともかく、運動神経は悪くない。練習を重ねれば問題なく踊れるようになるんじゃないか?」
「押忍!アザッス!」
「ミドリヤも、理論を押さえれば形になりそうだな。まぁ、もっとダンス自体に慣れが必要そうだが」
「はい!!」
「グリムは上達したかどうかの判断に困るが……キレはある。と、思う。たぶん」
「踊るのって結構楽しいんだゾ。明日はもっとキレキレのダンスを見せてやる!」
各自へのフォローバックとモチベーションのケアも忘れない。ジャミルは本人のダンスの技量だけでなく、コーチング能力までも非常に優れていた。
少しダンスが上達した出久たちだったが、まだ歌に関しては手つかず。課題は山積みだった。
「なあ、お前たち。明日からも一緒に練習しないか?ジャミルは歌も上手いからさ。見てもらえよ」
「なっ!お前はまた勝手に……!……まあ、いいだろう。ただし、優しい教え方は期待するなよ」
なんと、ジャミルはダンスのみならず歌のレッスンも受けてくれるらしい。なんだかんだ面倒見の鬼である。
「余裕でしょ。スパルタ教育にはウチの寮長で慣れてるし」
「ビシバシオネシャス!」
「上等だ、なぁ出久!」
「うん、プルスウルトラ!」 - 90125/03/12(水) 22:55:26
「それじゃあ、引き上げる前に使ったフロアの整備だ。倉庫からモップを取ってこい」
「「「はーい」」」
「カリム、お前はしなくていい……」
ニコニコ顔で一年生と一緒になってモップをもってきた主人に、ジャミルは呆れたようにため息をついた。
*dice1d2=2 (2)
1.出久「何事も経験っていうし、一緒にやろうよ」
2.爆豪「赤ん坊じゃあるまいしやらせとけや」
結局過保護が抜けていないジャミルにツッコミを入れていると、コツコツという革靴の音が体育館に近づいてきた。
「ああ、よかった。ここにいらしたんですね。ジャミルさん」
靴音の正体はアズールだった。クラスメイトで日直のジャミルを探しにきたらしい。アズールの顔を見た瞬間、ジャミルが気色悪い虫でも見るかのように顔を顰めた。
「……そういえばジャミルくん、あの配信の後は大丈夫だったの?」
「ああ。悔しいことにな」
ジャミルがオーバーブロットする直前の生配信云々というのはジャミルを追い詰めるためのアズールの狂言で、実際はアズールとジェイドのスマホが通話で繋がっていただけのことだったらしい。
ジャミルの両親もアジーム家も、ジャミルがオーバーブロットした本当の理由は知らないままだそうだ。寮生たちとも表面上は付かず離れずやっているとのことだ。水面下で誰に着くのが得か動向を探っているんだろうさ、との注釈付きだったが。
「良かった、デジタルタトゥーにならなくて」
「まぁな。だが、俺の場合、オーバーブロットの件で寮内外からの評判が地に落ちてるからな。スカラビア内外での地位向上のために、しばらくは大人しくカリムに従っておくつもりだよ」
「そっか」
「カリムに解雇されない限りは、俺は従者の席に居座り続ける。せいぜい俺の有能な働きぶりを周りの奴らに見せつけ続けてやるさ。カリムにも、寮生にも、両親にも、アジーム家にも、……お前らにもな」
ジャミルがキッパリと言い放った。
結局従者であることには変わりないようだが、自身の能力を制限する重しが外れたからか、吹っ切れた晴れやかな表情をしていた。
- 91二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 06:07:52
保守
- 92二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 14:48:34
ほ
- 93二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 18:16:37
- 94二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 20:44:10
関係性複雑骨折幼馴染がよくぞここまで改善したものだよ…
- 95125/03/13(木) 23:03:04
特訓シーンは特に描写することもないのでカットします!
*ジャミルレッスンの期間 dice1d7=4 (4) 日
- 96125/03/13(木) 23:04:38
*ジャミルレッスンの成果
出久
・ダンス dice4d100=67 43 30 57 (197)
・歌 dice4d100=43 84 17 67 (211)
爆豪
・ダンス dice8d100=21 73 53 18 19 67 97 47 (395)
・歌 dice8d100=87 37 51 88 93 96 83 91 (626)
グリム
・ダンス dice4d100=78 60 19 60 (217)
・歌 dice4d100=18 75 60 85 (238)
エース
・ダンス dice8d100=98 9 12 86 77 100 61 23 (466)
・歌 dice8d100=49 3 52 49 76 99 54 86 (468)
デュース
・ダンス dice4d100=8 50 91 65 (214)
・歌 dice4d100=54 97 100 16 (267)
- 97二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:12:01
このレスは削除されています
- 98二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:13:29
このレスは削除されています
- 99125/03/13(木) 23:14:43
(個人的に許せない誤字あったため再送)
歌は初期練度振ってなかったので一応振っときますね
ダンスはd50で振りましたが、歌は音楽の授業とかカラオケとかでスキル伸ばす機会多そうなのでd100で
*歌の初期練度
出久 dice1d100=44 (44)
爆豪 dice1d100=57 (57) (才能マン補正+50)
グリム dice1d100=13 (13)
エース dice1d100=61 (61)
デュース dice1d100=41 (41)
- 100二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:17:42
グリム今まで野生だったもんな初期値低いのもわかる
- 101125/03/13(木) 23:20:27
かっちゃんの歌声ってあんまり想像できないですが、すごい上達したみたいですね
*かっちゃんの歌声 dice1d3=2 (2)
1.掠れたハスキーボイス
2.ドスの効いたデスボイス
3.思わず二度見するような綺麗なテノール
- 102二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:22:09
>ドスの効いたデスボイス
すっごい想像できる
- 103二次元好きの匿名さん25/03/13(木) 23:22:16
最初からデスボイス路線なのかジャミルがデスボイス教え始めたのかどっちなんだ(笑)
- 104二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 00:15:48
中の人は歌めっちゃうまいのに……ww
- 105二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 06:26:40
デスボでpiece of my world歌うんか(笑)
- 106二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 06:27:05
方向性を探るためにいろいろやらせてみたらしっくりきちゃったのかもしれないww
- 107二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 12:21:47
何故その方向にいった、分かるけど
- 108二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 13:38:33
デスボイスは路線違いだから、絶対落ちるな…
- 109二次元好きの匿名さん25/03/14(金) 19:45:45
鯖落ちが怖いのでちょっと早めの保守
- 110二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 00:33:10
このレスは削除されています
- 111二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 06:27:27
かっちゃん軽音部入らない?
同じ方向性の3年生がいるから喜ばれるよきっと - 112125/03/15(土) 09:41:21
原作者様のツイートでナイトレイブンカレッジは16歳で入学なので日本の高校より一つ歳が上になるということが判明したので17歳の幼馴染はエースたちと普通に同い年なのでは?と思ったのですが、
二人が高2の9月にトリップしてきた想定なので入学式時点で17歳ということでやっぱり二年生たちと同い年になるという計算で行きますぞ - 113二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 15:30:36
年齢了解です
- 114125/03/15(土) 19:06:37
ジャミルの指導により、出久たちはダンスと歌を着実に上達させていった。
「バクゴーの歌、上手いけどなんかジャンル違わね?」
「そうか?僕はすげぇカッコイイと思うぞ」
「いや格好いいかどうかとかじゃなくて……つーかジャミル先輩なに教えてんのマジで……」
GRAAAAA!とデスボイスを発する勝己を横目に、エールが呆れたようにかぶりを振った。
才能に溢れる勝己だが、センスが小二なのが玉に瑕である。
「これで一通りの基礎は教えられたはずだ。あとは各自で練習して、オーディションに挑んでくれ」
「ありがとう、ジャミルくん。本当に助かったよ」
「まあ、こっちも良い復習になったよ」
一緒に練習した仲だが、オーディション当日はライバル同士だ。
ジャミルもカリムも十分に自身があるようで、自身のある笑みを浮かべている。出久はというと、正直あまり自信がない。が、プルスウルトラの精神で頑張るしかないと気を引き締めた。
「そうだ、オーディションの申し込みがまだだった。確か、3-Aのルーク・ハント先輩が窓口なんだっけ」
「なんだ、君たちまだ申し込んでいなかったのか。ルーク先輩は、金髪のおかっぱ頭に帽子がトレードマークだ。まあ……きっと会えばすぐにわかるさ」
*
会えばすぐに分かるさ、と言われて3-Aの教室までやってきたが、面識のない上級生に教室で声をかけるというのはなかなかハードルの高い行為だ。
自分に会うためにわざわざ教室まで来てくれた後輩たちはみんな胆力があったんだなぁ、と今更ながら出久は感服した。
*教室の中に声をかけるのは dice1d2=2 (2)
1.爆豪
2.グリム
- 115125/03/15(土) 19:17:24
「おーい、レオナ~!!ちょっとコッチくるんだゾ!」
「わっ!グリム、ちょっと待って!!」
出久がどう切り出そうかと教室の前でモダモダしていると、グリムが教室の生徒で唯一顔見知りであるレオナを大声で呼び出してしまった。
レオナは居眠りしていた姿勢からのそりと頭を起こすと、グルルルと不機嫌そうに唸った。
「この俺を顎で使おうとはいい度胸だな。用があるならテメェが来いよ」
「すみません、今そっちに行きます……」
「……で?なんの用だ草食動物ども。下らねぇことなら開きにすんぞ」
「えっと、ルーク・ハント先輩に用があって来たんです。僕たち『VDC』の申し込みがしたくて……」
「セ・プレ(本当かい)!?」
ルークの名を聞いた瞬間にレオナが盛大に顔を顰めるのと、出久と勝己の真後ろから張った声が響いたのはほぼ同時だった。
振り向くと、大きな羽根飾りがついた帽子を被った、金髪のおかっぱ頭の生徒が立っていた。
見ればわかる、とジャミルは言っていたが、なるほど彼がルーク・ハントであるらしい。
*ルークの忍び足 (1.気づいた、2.気づけなかった)
出久 dice1d2=2 (2)
勝己 dice1d2=2 (2)
- 116二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 19:19:16
この2人が気づけないレベルか……いやルーク先輩だったら納得なんだけど
- 117二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 19:43:31
大体のホラー系二次創作で怪異類似枠に認定されてるルーク・ハントさんだ
- 118125/03/15(土) 21:08:50
「「うわーーーーーーーーーっ!?」」
出久と勝己は素直に驚いて絶叫した。
ヒーローとしての教育を受け、幾度となく死線を潜ってきた二人は人の足音や気配に敏感だ。それなのに全く気取ることができなかった。
何者なんだろう、と少なからず二人の手が冷や汗で湿った。
「素晴らしい!新たな挑戦者を心から歓迎するよ!」
「びっっっくりした……」
「俺の許可なく俺の真後ろに立つんじゃねェ、クソおかっぱ!!」
「はっはっは。驚かせてしまったかな?パードン、足音を消して近づいてしまうのは昔からのクセでね」
ルークは満面の笑みを浮かべて揚々と笑い声を上げた。この学園では珍しい明るい雰囲気は、どこかカリムと似ている。ついでに、癖のある話し方や仕草がどことなく青山と似ている。
「私はルーク・ハント。美を求め、美を助くことを人生のテーマとする、『愛の狩人(ル・シャソゥ・ドゥアムール)』さ。どうそお見知りおきを」
*初対面好感度ロール
出久→ルーク dice1d100=92 (92)
ルーク→出久 dice1d100=23 (23)
爆豪→ルーク dice1d80=55 (55)
ルーク→爆豪 dice1d100=97 (97)
- 119125/03/15(土) 21:10:45
ついでにエペルとヴィルの初対面ロール振り忘れてたので今いっちゃいます
*初対面好感度ロール
出久→ヴィル dice1d100=92 (92)
ヴィル→出久 dice1d100=69 (69)
爆豪→ヴィル dice1d100=74 (74)
ヴィル→爆豪 dice1d100=85 (85)
出久→エペル dice1d100=67 (67)
エペル→出久 dice1d100=15 (15)
爆豪→エペル dice1d100=79 (79)
エペル→爆豪 dice1d100=87 (87)
- 120二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:12:28
デク→ルークの好感度高いのも、ルーク→かっちゃんの好感度高いのもわかる
デクは自分と似たような行動派オタクの気配を感じ取ったのかな
ルクハンは逃げられると追いたくなるらしいから気色悪いからやめろってあの手この手で抵抗するであろうかっちゃんの方に興味を抱きそうだよなって思う - 121二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:20:05
エペル→爆豪の評価高いの解釈一致すぎて
- 122125/03/15(土) 21:22:49
- 123二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:24:26
- 124二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:42:05
そういや花化メンバー(ホリーの落書きイラスト)で花っちゃんだけ詳しい解説があったような覚えが
- 125125/03/15(土) 21:45:46
「ああ、ムシュー・そばかす。君からはまるで翡翠の原石のような美を感じるよ。雄々しい傷の残る自然のままの荒々しい殻の内に、悪いものを打ち払うような澄んだ輝きを秘めているようだ。ありのままの君も素敵だが、磨き上げたときの輝きを想像すると心が躍るようだよ!」
「………………………………あっ、ムシュー・そばかすって僕のことですか?」
「テメェ以外にそばかすある奴いねェだろ」
「フフフ」
急に珍妙なあだ名で呼ばれたので、出久は全く反応できず、ポエムのようなルークの語りを完全に聞き流していた。
「それから、ムシュー・タフネス。君の鋭い棘に覆われて誰も寄せ付けないようでいて、その実周囲に大きな正の影響を与える力強さと溢れる才覚。今は万全の状態ではないようだけれど、それでも一切揺らがず上を見据えるその剛健さ!まさしく荒れた土にも強い日差しにも負けず、天に向かって伸び続けるサグアロのようだ!」
「何言っとンだテメー」
「さぐあろ……って、かっちゃん何か分かる?」
「クソでけェサボテン」
「なんだ、ピッタリじゃないか。……ごめんって、そんなに睨まないでよ」
*困惑度
出久 dice1d100=38 (38)
爆豪 dice1d100=7 (7)
- 126125/03/15(土) 21:58:27
ルークの語りはかなり独特で、レオナはルークがペラペラと話し始めた瞬間にものすごく嫌そうな顔をしてどこかへ行ってしまった。
ただ、出久は肌で何となく「話すと止まらなくなる感じ、この人オタクなんだろうなぁ」と同族の気配を感じ、勝己は「ジーパンのデニム語録と似たようなモン」ということでスルーした。
「……はっ!ルーク先輩のペースに流されてたけど、そんなことよりオーディションの話!」
「そうだった!ハント先輩、僕たち『VDC』のオーディションに申し込みをしたいんです!」
一足先に我にかえったエースとデュースが脱線していた話を本題に戻した。
「おっと失礼。話が脱線するのは私の悪いクセだ。トリックスターの如く学内の事件を解決しているという噂のオンボロ寮生たちに出会って、ついテンションが上がってしまってね」
謝罪と前置きをすると、ルークは申し込みにきた出久たち全員の寮とクラスの出席番号と、身長を言い当ててきた。ついでにヒト属だね、とも言われた。
いったい何故出久たちの情報をそこまで詳細に知っているのか。
マジフト大会のエキシビジョンマッチで派手に吐血していたから、面識のない者は勝己を病弱だと思って舐めてかかってくる人も一定数いる。勝己を「ムシュー・タフネス」と呼称してくるあたり、こちらの為人も把握されている可能性が高まってきた。
*困惑度2
出久 dice1d100=76 (76)
爆豪 dice1d100=87 (87)
- 127125/03/15(土) 22:06:05
- 128二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 22:12:54
これが10分クオリティ!?
かっちゃんの方の困惑度が高いのは吐血したのにタフネスって見抜いてきたからかな - 129二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 22:16:38
このレスは削除されています
- 130125/03/15(土) 22:18:06
「フフフ。狩人として学園の生徒の種族と全長くらいは把握しておかないよね」
「気ッッ色悪ィな!!!テメェストーカーかよ!!!」
「僕、ちょっと今ゾワってしたかも……ひょっとして僕のヒーローノートも客観的にみるとこんな感じなのか?」
「テメェのブツブツもキモイが、おかっぱより dice1d100=87 (87) % くらいはマシだから安心しろ」
「本当に安心していいのかなァ」
本当にこの学園って変な人多いな……と二人がげんなりする中、ルークは揚々と笑っている。
「意思表明さえしてくれれば、特に申し込み書類などは必要ないよ。3日後の放課後、ポムフィオーレのボールルームでオーディションを行う。忘れずに来てくれたまえ」
「「はい!」」
意志表明はこれで済んだので、あとはオーディション本番に臨むだけだ。
「目指せツナ缶富豪!なんだゾ!!」
「うん。頑張ろうね、グリム!」
*
そして3日後、いよいよオーディション本番の日。
鏡を潜ってやってきたポムフィーレ寮の談話室は、オーディションを受ける生徒で賑わっていた。ざっと50人はいるだろう。
「き、き、緊張して、お、覚えた歌詞を、わ、わ、忘れそうなんだが!?」
「落ち着いてデュースくん!そういうときは『人』の字を掌に書いて呑むんだ!はい、人、人、人……」
「なんだ、このYを逆さまにしたみたいな字……。とりあえずやってみるか……モグ。うん……効果 dice1d2=2 (2) (1.ある、2.ない)ような気がする」
- 131二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 22:20:42
> テメェのブツブツもキモイが、おかっぱより dice1d100=87 (87) % くらいはマシだから安心しろ by爆豪
そんなにルクハン嫌だったのか、かっちゃん…
幾度となくブツブツエンドレス分析を目の当たりにしてきたかっちゃんでさえ嫌がるルクハンのストーカー行為……
- 132125/03/15(土) 22:49:06
ポムフィオーレ寮の談話室で緊張をやり過ごしていると、ケイトやリリアといった顔見知りの生徒に声をかけられた。二人は軽音部であるらしい。賞金目当てのラギーや、一緒に練習したスカラビアコンビもいる。
出久たちが顔見知りの生徒といえばそれくらいだが、一緒にいたケイトが「あ」と珍しそうなものを見たような声を零した。視線を追いかけると、青い炎のような髪の全身アーマー姿の少年だった。
「あ!あの子、イデアくんの弟くんだ。1人でいるの珍しいな」
「弟って……小学生くらいに見えるけど。てかスーパーヒーローのスーツみたいなすごい服」
峰田という超小柄のクラスメイトと、飯田という全身アーマー型のヒーロースーツを装備したクラスメイトがおり、またインターン先で炎髪の個性をもったバーニンのお世話になった出久と勝己は特になにも感じなかったが、エースとケイトの反応を見るとあの少年のいで立ちはかなり風変わりであるようだ。
ケイトの話によると、イグニハイド寮長のイデアは弟のオルト同伴で入学してきたとのことだ。
「「お、弟同伴入学!?」」
「オレは3年になって初めてイデアくんと同じクラスになったから、詳しい事情は知らないけど……授業もほとんど2人で一緒に受けてるし。それについて先生たちも特に突っ込まないんだよねぇ~」
「双子の可能性はないんですか?」
「同級生兄弟っつー線もあンだろ」
「え~っ?オルトくんあんなに小さいのに、オレたちと同い年なわけないじゃん。面白いこと言うねミドリヤちゃん、バクゴーちゃん」
「お前らって、やっぱなんか人間に対する感覚ズレてるよな。こういうとき異世界人なんだよなって実感するわ」
個性社会で生まれ育った出久と勝己の人間に対する判定は限りなく寛容だ。なにせ個性社会には人の枠が存在しないもので。
一応無個性の人間が基準になる、と頭では分かっているが、そもそも無個性の数自体が非常に少ないので比較対象に欠け、どこに人の枠があるのかさえ曖昧なところがある。
「いくら兄弟仲が良くても、普通学校にまで連れて来るか……!?」
「イデアってヤツ、とんでもねぇブラコンなんだゾ!」 - 133二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 22:55:31
ヒロアカ社会の「ヒト」の枠はでかいんだよな
高校生なのにオルトより40cm低い峰田もそうだし、マレウスの1.5倍はあるであろう一般女性だっているし
なんならツイステ社会では獣人や人魚、妖精族に分類されそうな人、そういうカテゴリに分けるのも難しい人もわんさかいる - 134二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 23:20:16
- 135二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 23:21:49
ラブラバの例もあるし、二人はオルトが純粋に年上の人間だと考えてもおかしくないのか
ヒューマノイドだと気づいてすらないかもね
ミルコみたいに義肢使ってるサイボーグの系譜だと思う方が自然か - 136二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 23:29:27
- 137二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 23:43:23
人の手に研磨されて輝く宝石が出久なの解釈一致
かっちゃんは自分の生命力が第一って感じで植物なのも分かる - 138125/03/15(土) 23:49:35
「兄さんの悪口、言わないで!」
「わっ!?」
グリムたちのヒソヒソ声を聞きつけて、オルトが怒った顔で駆け寄ってきた。
「騒がしい室内で10メートルは離れてたのに……耳郎さんや障子くんみたいだ」
「兄さんが僕につけてくれた集音マイクは、人間の囁き声を50メートル先でもひろえるんだ」
「ほう、それはすごいな。妖精族や獣人属でもそんなに耳が良いヤツはなかなかおらん」
「えへへ、そうでしょう!兄さんはすごいんだ。それに、兄さんは僕と一緒に授業に出てもいいって許可をもらってるんだから!別に1人が寂しくて僕を学園に連れてきたわけじゃないよ!」
口調を聞けば、オルトは外見通りの子どものようだった。光太よりも少し年上くらいだろうか。
「そ、そうなんだ~。ごめんごめん!シュラウド兄弟は学園七不思議的なミステリアスさがあるから、つい盛り上がっちゃって」
「わかってくれればいんだ。僕も、ムキになっちゃって、ごめんなさい。兄さんを誤解してほしくなくて……」
オルトは兄であるイデアをとても慕っているようで、自慢げに兄の話をした。
曰く、イデアは自身の研究発表を口頭でしなくて済むように音声ライブラリを開発したのだが、それを使って歌ってみたいというオルトの願いを叶えるために音声ライブラリの技術を応用してボーカルシンセサイザを作成してくれたらしい。
オルトがオーディションに出るのは、イデアの技術がどこまで通用するのかを確かめるため、とのことだ。
*オルトの発言を聞いて
出久 dice1d3=3 (3)
爆豪 dice1d3=3 (3)
1.サポートアイテムや義肢の話だと思っている
2.違和感を感じ、全身義体じゃないかと思い始める
3.違和感を感じ、ヒューマノイドじゃないかと思い始める
- 139二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 23:51:42
勘のいい幼馴染だな
- 140二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 23:53:05
発達したAIにも馴染みがあるからかな
- 141125/03/16(日) 00:02:07
ポエムは突発的に挟み込んだもので元々入れる予定じゃなかったので、ダイス振ってから軽く調べて決める予定でした
一応ダイス振る前にぼんやり考えてた候補は↓の感じです
*出久:宝石
・翡翠の原石:魔除けになる緑の石。硬度と靭性が高いのでこっちを採用
・孔雀石の原石:魔除けになる緑の石
*出久:草花
・シロツメクサ:幸せを運ぶイメージ
・ダイコン:ド根性大根的な
・竹:にょきにょき伸びて丈夫なので
*爆豪:宝石
・ルチル:金色でトゲトゲしてるので
・ダイヤモンド:最強の硬度と華々しい輝き
・コランダム(ルビー?):硬度の高さと色味
*爆豪:草花
・サボテン:トゲトゲしてて丈夫なので
・ヒマワリ:一途で良く伸びるイメージ
- 142二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 05:37:49
選ばれなかった候補も分かる〜
そしてそうだよなヒロアカ社会って改めて現代だけどファンタジー感だもんな個性のおかげ(せい?)で……AI技術も雄英ロボとか踏まえてやべえし……反乱もあった世界だし…… - 143二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 06:31:12
竹:にょきにょき伸びて丈夫なので
サボテン:トゲトゲしてて丈夫なので
幼馴染ふたりとも丈夫なのでの候補があるの笑った。丈夫どころじゃないもんな - 144二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 10:00:55
反乱もあったのに、自壊覚悟で荼毘のところまで突貫してくれてたよね
- 145二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 10:34:50
個性がなければ星間旅行も可能だった科学力だったらしいしねヒロアカ世界
エルクレスをより個として発展されたものと見てもおかしくはない - 146二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:50:44
出久のブツブツは基本的に対応とか応用、理解の為の分析だからな……かっちゃん的にはパーソナル触れられる語りよりはるかにマシだろうよ……
- 147125/03/16(日) 20:08:00
最初はオルトが全身義体の人間だと思っていた二人だったが、「プログラミング」「インストール」などの単語が出るのを聞いて、もしかしたら彼は脳まで機械のヒューマノイドなのではないかと思い始めた。
最も、この場で問いかけるようなことではないので真相は分からずじまいだが。
「いいじゃん!合成音声ソフトをプログラミングして曲作って動画上げるのメチャ流行ったし、エレクトロ・ポップとか、俺も結構好き」
「話が全然わかんねぇんだゾ」
「グリちゃん、バーチャルアイドルとか見たことない?今、動画見せてあげる。えーっと……」
機械の話もアイドルの話もチンプンカンプンなグリムに、ケイトがスマホの画面を見せた。
「ちょっと待っててね。無料動画を見るには企業CMを先に1つ見ないとダメなんだ」
「この世界にも広告あンのかよ」
「なんか……魔法の世界って思ってたより夢がないよね」
*ちなみに元の世界での二人の動画アプリは……
出久 dice1d2=2 (2)
爆豪 dice1d2=2 (2)
(1.無料版、2.有料版)
- 148125/03/16(日) 20:08:39
『ねえ、一口飲めば願いが叶う魔法のドリンク……知ってる?』
『シュワっと弾ける、微炭酸。赤く色づく、恋の味』
『新発売。「レッドアップルソーダ」』
「あ、最近話題のドリンクのCM。新商品はおさえとかなきゃ」
「おお、このCMに出ているネージュというタレント、先日寮長会議で話題になったな」
CMには、雪のように白い肌が印象的な、可愛らしい少年が出演している。髪と合わせた黒色のベレー帽の縁の赤いリボンが目を惹くアクセントになっていた。
「この人が『VDC』に出場するネージュ・リュバンシェか」
「ア?誰だよ」
「えっ!?バクゴー、ネージュのこと知らねーの!?今めっちゃホットな芸能人なんだけど」
ネージュの知名度と人気はすさまじいようで、名前が出たとたんにエースとデュースが仰け反った。
「『VDC』で一緒に写真撮れないかなぁ」と零すミーハーなケイトを筆頭に話が盛り上がり、にわかに談話室が騒がしくなる。
その時、バァン!とものすごい音を立てて談話室の扉が開いた。
「――うるさいわよ、ジャガイモたち!」
キラキラーン。
「なんか……キラメいてる!!」
「目がチカチカするんだゾ!」
扉の向こうには、寮長のヴィルと副寮長のルーク、それから一年生のエペルが立っていた。
美しき女王の精神を掲げる寮の生徒とあって、全員眩しいほどのキラメキを放っている。男子校とは思えない華々しさに出久は思わず目を細めた。 - 149二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 20:22:41
ネージュ・リュバンシェ(CV口田くん)!ネージュ・リュバンシェ(CV口田くん)じゃないか!!!
- 150125/03/16(日) 20:30:56
「この学園でアタシのことを知らない人間はいないと思うけど。現場の礼儀はまず挨拶から。アタシはポムフィーレの寮長、ヴィル・シェーンハイト。今回、学園長に『VDC』に出場するメンバーのプロデュースを任されているわ。これより、選抜メンバーのオーディションを始めます」
ついにオーディション本番が始まる。
オーディションは課題曲の合わせてダンスと歌を披露し、採点される。オーディションは3人ずつ行うということで、副寮長のルークに名前を呼ばれて候補生たちが順番にボールルームへと連れられていった。
周りの生徒たちが次々と呼ばれて行き、一緒にいたケイトもリリアもオルトも先に行ってしまった。
そしてついに、エースとデュースとグリムが3人まとめて呼ばれて行ってしまった。
あれだけ生徒がいた談話室は、今や出久と勝己の二人きりだ。
「ってことは僕たち最後じゃん……うぅ、緊張する」
「最後ってことァ、いっちゃん印象に残りやすいってことだ。やってやんぞオラァ!!!!!」
「とても歌とダンスをする人の気合の入れ方とは思えないや」
本番前最後の準備、ということで入念にストレッチしていると、ついに二人にも声がかかった。
「ミドリヤ・イズクくん。バクゴー・カツキくん。待たせてしまったね。さあ、ボールルームへ」
「はい!」
「ッしゃァ!!!」
「あら、アンタ。アタシをデニムに喩えて罵倒してきた泥付きジャガイモじゃない。野獣のように吠え散らかすだけじゃなくて、きちんと美しい仕草を身に着けてきたのかしら?」
「ったりめーだわ!目ん玉と耳の穴かっぽじって見さらせやクソ生デニム野郎」
「……どうやら口調は野蛮なままのようね」 - 151125/03/16(日) 20:36:09
*オーディションの結果
ダンスと歌の初期値+今までの特訓ダイスの積算値と、ダイス目の合算が2000点を越えれば合格です
*出久 dice2d1000=779 85 (864) +278 +255
*爆豪 dice2d1000=243 492 (735) +545 +733
右腕によるダンスマイナス補正 dice1d500=246 (246)
デスボイス補正 dice1d300=263 (263) (dice1d2=1 (1) 1でプラス、2
でマイナス)
- 152125/03/16(日) 20:39:04
- 153二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 20:49:05
かっちゃんギリ合格!!すげぇ
デスボはプラスに働いたのねwww - 154125/03/16(日) 20:59:23
「エセパティ!キミたちの可能性、存分に見せてくれ!」
ルークが激励の言葉とともに音楽を流す。練習で何度も聞いたグロッケンのイントロが終われば、歌と振り付けが同時に始まる。
「「ねじれたリズムで踊ろう~♪」」
課題曲に合わせ、二人は歌い踊った。
向かいに座る机で、審査員のヴィルとルークが二人を審査しながらひそひそと何かを話している。
「ムシュー・そばかす。鍛えられたしなやかな肉体の躍動が美しい!優しく包み込むような歌声は子守歌のようで、拙ささえも魅力的だ。ボーテ!100点!」
「緑のジャガイモは……肉体美や身のこなし自体は悪くないけど、動きに負けて歌がブレてる。イマイチね。何より華が無い」
「ムシュー・タフネス。荒々しくも繊細な身のこなしと地を這うようなグロウルが気高いの獣のようだ……。何より、手負いで不完全な危うい姿が私の目を惹きつける。ボーテ!100点!」
「棘付きのジャガイモは……右腕を怪我しているようだけど、動き自体は悪くない。歌の方は、音程は完璧だけど品性が野蛮すぎる。でも……逆にここまで突き抜けていれば使いようがあるわね」
全力でパフォーマンスをする二人は、審査員が何を言っているかなんて気にする余裕はない。ただ、二人は自分の力を出し切ることに精一杯注力した。 - 155二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 21:08:22
ヴィルにその気は無いの分かってるけど緑のジャガイモって文面見ると毒ジャガイモなんよ
調理して食べることもできない
あとツイステ公式が狙ってるのかもしれないけどジャガイモって畑のリンゴ、フランスだと大地のリンゴって呼ばれてる
ちなみにリンゴが発するガスにはジャガイモの発芽を抑制する効果がある - 156二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 21:36:47
ちゃっかり二人とも有料版だw
かっちゃんは時間のムダを嫌って有料版契約してそうだし、デクは推しヒーローの動画の途中で広告が挟まれるのが我慢できなくて有料版契約してそう
二人ともインターンの給料とかでお金はあるだろうし、最終決戦の功労者として国からどえらい額の補償金支給されてそうだしな
- 157二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:16:13
個人的にルクハンって多分好きの種類が2種類ある印象なんだ
ヴィルとかネージュに対する「圧倒的な美しさの前に膝を着いて頭を垂れたい」って感じの女王の下僕的な好きと、レオナとかマレウスに対する「この手で追い詰めて仕留めたい」って感じの狩人的な好き
ルクハン→かっちゃんの好感度97は確実に後者
デクへの好感度低いのは、好きじゃないというより波風少ない穏やかな感情ってイメージ
- 158二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 05:30:01
2種類の好きなんか分かるかもしれない
そして波風立たない穏やかな感情でも十分すぎるほど褒めちぎってくるからパッと見だとあんまり知らない周り的には差がよく分からないような - 159二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 13:02:18
保守
- 160二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 14:19:25
プラスになったデスボ草
どんな感じだったんだ - 161二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 18:29:16
ダンス初期値を腕の怪我分で消し去ってなおプラスに働いて合格させるデスボすげえ
- 162二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 23:39:51
てかやっぱスレ主のエミュすげえよ……ルクハンがルクハンだよずっと……
- 163二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 01:32:24
これかっちゃん合格ということは、彼もステージ上でほのぼのヤッホーを歌うことになるのだろうか・・・
- 164二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 08:38:26
いま周年イベで各寮が歌とダンスやってるけどこのスレの世界線だと普通にオンボロ寮も参加してそうだし、なんなら寮ソングがデスメタル
- 165二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 09:54:50
- 166二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 17:22:10
- 167二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 17:36:47
かっちゃんの迫真のデスボの合間に挟まるへっぽこ合いの手寮ソング聴きたすぎる
歌パートは出久の優しい歌声とデスボイスでいい感じのメリハリつくのに、かっちゃんソロの時にデスボに対してどうノればいいのか分からなくて合いの手だけ下手だったりしたら味わい深い
タイミングずれた手拍子とかも入ってて欲しい。大爆笑間違いなし
- 168125/03/18(火) 20:24:19
「審査結果は明日、合格者のみに連絡させてもらう。楽しみにしていておくれ!」
にこやかに笑うルークに見送られ、二人はオーディション会場であるボールルームを後にした。
そのままポムフィオーレ寮を出れば、先に終えていたグリムたちが待っていた。
「結果は明日かぁ。ソワソワしちまうんだゾ。イズク、オマエたちのオーディションはどうだったんだ?」
「僕は……正直あんまり自信ないなァ。特に歌が、かっちゃんが隣にいると音程分からなくて」
「人のせいにすんなクソカス」
「だって!君のデスボイスのせいで自分の声が全然聞こえなかったんだ!」
「テメーの声量が雑魚なだけだわ」
オーディションの結果をどうこう言っても後から変えられるわけでもなく。
出久たちは「疲れたから寮に戻ってなにか食わね?」というエースの提案に乗り、トレイお手製のマフィンをいただいてから図書館探索に向かった。
ルーチンである文献調査だが、その日はオーディションの結果が気になってなんとなく身が入らなかった。
*
翌日。
昼休みになっても合格の報せが来ないので、「やっぱり落ちちゃったのかなぁ」と思い始めた頃。
――ヒュウウウ……ターン!
「「「うわあああっ!?」」」
出久たちの鼻先スレスレを矢が飛んでいき、壁に突き刺さった。矢には文書が結んである。
「っぶねェな!!誰だこんなクソ文書寄こしやがったのは!!」
「何が書いてあるの?えーと……『VDCオーディションにご参加いただきありがとうございました。厳正なる審査の結果、エース・トラッポラ。デュース・スペード。バクゴー・カツキ。上記3名を合格とさせていただきます。つきましては本日の放課後、ポムフィオーレのボールルームにお越しください』」 - 169125/03/18(火) 20:36:53
「「「えええええええ~~っ!!!???」」」
「ご、ご、合格ってことは、僕たちが選抜メンバーに選ばれたってことだよな?」
「それ以外あるかよ。よっしゃあ、これで寮長の手伝いしなくて済む!」
デュースとエースが合格通知を覗き込み、喜びを露わにした。
*かっちゃんの反応 dice1d3=2 (2)
1.「ま、当然だわ」
2.無言のガッツポーズ
3.目を丸くしている
「合格おめでとう、かっちゃん、エースくん、デュースくん!」
「ふな”ぁ~っ!?オレ様はぁ!?あんなにキレキレのパフォーマンスを見せたのにぃ!」
グリムは落選したショックで涙目だ。出久はグリムを抱き上げて、よしよしと撫でて慰めた。
「……待て。まだこの手紙、続きがあンぞ」
「えっ、どれどれ。本当だ。『追伸:オンボロ寮のミドリヤ殿。お知らせがあるので、放課後は上記3名と共にポムフィオーレまで来られたし』。お知らせってなんだろう?」
「とにかく、放課後はみんなでポムフィオーレに行ってみよう」
「ふなぁ……オレ様のツナ缶400個の夢がぁ……」
出久の腕の中でグリムが肩を落とした。
「がんばったけど、残念だったね。後は僕たちにできることをしよう。ナイトレイブンカレッジのチームを応援して、優勝したらかっちゃんの賞金でツナ缶買ってもらおうね」
「ふなっ!その手があったんだゾ!」
「ざっけんなテメェブッコロすぞ」
- 170二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 01:10:17
ガッツポーズしてるの草
嬉しかったんだな…… - 171二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 06:52:41
校内で矢文が飛んで来るのを敵襲ではなくクソ文書で済ませる程度にはNRCの治安に慣れてきてるんだなあ
- 172二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 08:06:31
危機感知あってもギリギリ反応しなさそうなルークアロー
- 173二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 12:21:44
害意はないもんな、多分
- 174二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 17:43:40
負けるの嫌だもんな
- 175125/03/19(水) 22:44:37
放課後。出久たちは矢文の案内に従ってポムフィオーレ寮を訪れた。
「おーい、お前たち!」
「カリムくん!ジャミルくんも!」
寮に入る直前、声をかけてきたスカラビアコンビと合流した。どうやら、二人もオーディションに受かったらしい。
オーディション当日の出来について話し合ったり、落ちてしまって落ち込むグリムにカリムが青カビチーズのクラッカーを食べさせようとして拒否されたりしながら、ポムフィオーレの扉を潜った。
集合場所であるボールルームに辿り着くまでに、奇妙なことに手袋を投げつけて殴りかかってくるポムフィオーレ寮生に何人も出くわしたが、出久と勝己で脇にどけて押し通った。
「……ここの寮の人たちはなんで手袋投げてくるんだろう?」
「知らん」
「それは、アンタたちが選抜メンバーになったからこそよ」
シャラーン。
ボールルームには、相変わらず光り輝く美貌のヴィルがいて、出久とグリムは眩しくて目を細めた。
「どうやら脱落者はいないようね。ひとまず合格」
「ヴィル、こりゃ一体どういうことだ?」
「どうもこうもないわ。ただのウォームアップよ。全身運動で身体が温まったでしょう?すぐさまレッスンがスタートできる」
カリムの疑問にヴィルが答えた。いやに手袋を投げつけられて決闘を申し込まれるとは思っていたが、どうやらレッスンは既に始まっていたらしい。
「いいこと?これからアタシたちはナイトレイブンカレッジの代表として『VDC』という戦いの場で世界一を目指すの。あの程度の障害を突破できないメンバーはいらない。大会に向けて、すでに戦いは始まっているの」
「ゴク……。ステージの世界って厳しいんだね」ヒソヒソ
「単純馬鹿が。ステージのウォームアップで乱闘させるなんざイカレとるだろ」ヒソヒソ
「やっぱりこの学園って喧嘩好きな人多いよね」ヒソヒソ
「黙りなさい、そこのオンボロ寮のジャガイモたち!今この瞬間から、お遊び気分は許さないわ。ビシビシ鍛えていくから覚悟なさい!」
ヒソヒソ話をしていた出久と勝己に、ヴィルの鋭い叱責が飛んできた。流石は俳優というべきか、良く通る声は迫力がある。
「……なんかこのカンジ……。ヴィル先輩、ウチの寮長に似てね?」ヒソヒソ
「ハーツラビュルとポムフィオーレはどちらも『女王』の精神に基づく寮だからな。自然とそうなるんじゃないか……?」ヒソヒソ - 176125/03/19(水) 23:00:58
「おやおや、毒の君(ロア・ドゥ・ポワゾン)。最初からフルスロットルだね。キミの輝きに目が眩んでみんな動けなくなってしまっている。ふふふ」
ピリピリした雰囲気を霧散させるように、揚々としたルークの明るい声がボールルームに響いた。
ルークの傍にはエペルもいるが、エペルは浮かない表情である。
「選抜メンバーの諸君、まずは合格おめでとう。ブラヴォー!我々8名は今日から仲間(トライブ)だ。『VDC』当日まで、どうぞよろしく」
ルークの言葉からして、オーディションの合格者はこの場にいる勝己、エース、デュース、カリム、ジャミル、それからヴィル、ルーク、エペルの8名であるらしい。
「ほら、ムシュー・姫林檎もご挨拶を」
「エペル、です。よろしくお願いします…………」
消え入りそうな声でエペルが自己紹介をした。エペルの華奢で中性的な容姿も相まって、儚げな雰囲気である。
「やいやい!ちょっと待つんだゾ。ずっとオレ様とイズクを仲間外れにしやがって。不合格にしたくせに、なんでオレ様たちまでここに呼んだんだゾ」
「それについては私が説明しましょう!私、優しいので」
「うわっ、学園長!?」
「今すぐ去ねやクソ烏!!仕事しろクソボケが!!!!」
「相変わらずカツキくんは嵐のように暴言を吐きますねぇ~」
突然ニッコニコで現れた学園長を、勝己は流れるように罵倒した。二人が迷い込んでから一度も元の世界に戻る方法の調査の進捗を聞いていないので、勝己の怒りは最もである。
「ゴホン。君たちも選抜メンバーと共に集まっていただいた理由。それは……この週末から『VDC』本番までの4週間。出場メンバーの強化合宿を行う宿舎としてオンボロ寮を提供していただきたい!」
「「「強化合宿ゥ~~~~~!?」」」
突然降って湧いた合宿の話に、ポムフォーレ生を除いたメンバーが仰天した。
当の合宿場所に選ばれたオンボロ寮で暮らしている出久たちも初耳である。
*オンボロ寮合宿
出久 dice1d100=52 (52)
爆豪 dice1d100=12 (12)
(1.オンボロ寮の設備面の心配をする、100.聞いていなさすぎてげんなりする)
- 177125/03/19(水) 23:17:02
「確かに部屋はたくさん空いてますけど……」
「あんなクソボロ小屋、人呼べるような環境じゃねーだろ」
オンボロ寮は出久たちの努力の甲斐あってかなり部屋が進み、建物の87%ほど掃除が完了している。
が、掃除や素人の補修だけではどうにもならないガタが来ており、家電は定期的に叩かないと動かず、すきま風がピューピューと音を立て、寝具は全てペチャンコでカビくさい。
「が、学園長。なぜ同じ学園内で合宿をする必要が……?俺たちは所属寮にそれぞれの部屋が用意されています」
ジャミルが至極真っ当な質問を学園長にぶつけた。
「君たちは寮も、学年も、生まれた場所や文化も異なる。ともに生活することで、相互理解を深めていただきたいのです」
「確かに、一流の音楽グループがチームワークを高めるために、寝食を共にするのはよくあることね」
学園長の提案にヴィルが理解を示す。
「ポムフィオーレでも良いかと思ったのですが、それだと違う寮のメンバーはアウェイ感が出てしまう。しかし、オンボロ寮であれば全員フラットな気持ちで合宿ができるのではないかと考えたのです」
「い、いきなりそんなこと言われたって……」
「やば……。しょっぱなからメンバー降りたくなってきた……」
オンボロ寮をたまり場にしており、ベッドの寝心地の悪さを知っているエースとデュースは早くもテンションが下がっている。
「寮まぜこぜで合宿なんて、すげー面白そうだな!でも、オレとジャミルが2人とも寮をあけて大丈夫なのか?」
カリムとジャミルはスカラビアの寮長と副寮長であり、二人抜けると寮の混乱は必須だ。
「それについてはご心配いりません。学園長である私の権限で、参加メンバーを全面的にバックアップさせていただきます。私、とぉ~っても優しいので。学園としても、君たちには他校を下し“世界一”の称号を手に入れてもらいたいですからね」
エッヘン、と学園長が胸を張る。
「……その情熱をもう少し僕たちを帰すことにも使ってほしいです……」ボソッ
「ケッ。職務怠慢クソ烏。仕事選びやがって」
「ン”ン”ッ、オ”ホンっ!嫌ですねぇ、咳こんじゃって何を言われたか聞きとれませんでした」
「「…………」」 - 178二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 05:22:45
学園長はほんまになぁ……
- 179二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 12:21:38
それでも原作よりマシな掃除具合になってそうだな、オンボロ寮
- 180二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 18:26:14
それかこういう時用にちゃんとした建物準備しとけばいいと思うんだ学校として、どう思います学園長
- 181二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 23:25:53
保守
- 182二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 07:25:53
ヴィル様とかっちゃん、煮詰まりが解けたら気が合いそう……とは違うな、どっちもこだわりや我が強すぎて認めつつぶつかり合い続けそう
- 183二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 15:33:54
学園長が話すたびに申し訳ないけど自分の中で根津校長の株が上がっていく
- 184二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 19:52:07
初回ハロウィンの時、オンボロ寮を勝手にディアソへ貸し出すってのをやってるのよね…
- 185125/03/21(金) 20:47:37
「待つんだゾ。オレ様たち、選抜メンバーじゃねぇのになんで協力してやんなきゃなんねぇんだ!?絶~っ対にお断りなんだゾ」
短い腕を組んでグリムがムン!と拒絶の意を示す。
「おやグリムくん、そんなこと言っていいんですかねぇ?もし寮を合宿所として提供してくれたら、すごく良いことがあるかもしれないのに……」
「ふなっ?な、なんなんだゾ、その良いことって……」
学園長の甘言に、グリムの尾がそわそわと揺れた。
「あっ、この流れはもしや……」
「聞くなクソ狸、惑わされんな!!」
学園長の口車にグリムが乗せられてしまう流れは、マジフト大会ですでに経験済みだ。そして、その後に面倒ごとが待っていることも。
マジフト大会や期末試験のイソギンチャク騒動の際は解決すべき事件や助けるべき相手がいたから進んで巻き込まれた節があるけれど、今回はそういった事情はない。だから、学園長の言うことを必ずしも聞く必要はないのだが。
「もしチームが優勝した暁には、アタシとルーク2人分の賞金をオンボロ寮に寄付するわ」
ヴィルからの提案は、極貧生活を余儀なくされているオンボロ寮組にとって、なかなかどうして魅力的だった。
*心のぐらつき
出久 dice1d100=6 (6)
爆豪 dice1d100=12 (12)
「しょっ、賞金を寄付って……。500万円を8人で山分けだから一人あたり62.5万円で、それが3人分となると187.5万円……!?」
「ナチュラルに俺の賞金も計算に入れとンじゃねぇわ」
「大金じゃないですか、一体どうして……」
「聞いてっかボケカス」
出久の問いに、ヴィルはハンと鼻で笑った。
「アタシはそんな雀の涙みたいなギャラ興味ないもの」
- 186二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 20:52:01
このレスは削除されています
- 187125/03/21(金) 20:55:17
「187.5万円ってことは……、それってツナ缶が3000個よりいっぱい買えるんだゾ!?」
「空いている部屋を提供し、サポートするだけでチャンスが手に入るのに、絶っっ対に嫌なんですよね。オンボロ寮を宿舎にしていいなら、古くなってきた設備を経費でリフォームしようかなぁと思っていたんですがねぇ」
「「!!!」」
*心のぐらつき
出久 dice1d100=38 (38) +6
爆豪 dice1d100=86 (86) +12
*オンボロ寮の不満点
出久 dice4d4=3 1 3 4 (11)
爆豪 dice4d4=3 2 4 1 (10)
1.隙間風による寒さ
2.寝ごこちの悪い寝具
3.サビとカビがこびりついた水回り
4.旧式で調子が悪い家電
※重複を除いた数字の数x10をだけ心のぐらつきに+
- 188二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 20:56:30
かっちゃん全部やん
- 189125/03/21(金) 20:57:51
- 190二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 20:58:56
デクは自分だけならぐらつかなかったかも
黒デクの経験あるし - 191125/03/21(金) 21:18:39
「はぁ……。非常に残念です。この話はなかったことに……」
「提供する」
「そうですか!ご提供いただけますかぁ~!って、カツキくんが素直に言うことを聞いてくれると、それはそれで不気味ですね……」
「か、っちゃん……!?」
「うっせぇ、何も言うな。良いか、これは全獲りするための布石だ。『VDC』優勝も、生デニムをギャフンと言わしてやるってのも叶えるために、住環境整えて能率上げンのは理に適っとる。そうだな?」
「こんな饒舌なかっちゃんはかなりレアだぞ……」
「ア?呑気なことぬかしてンじゃねーぞクソナード。テメェはあのクソボロ設備に満足してンのかよ」
「そりゃ、僕だって綺麗にしてくれるならそれが良いけど」
「じゃあ決まりだな」
勝己の返事はほぼ即答だった。が、額が青筋でボコボコになっており、目は血走っていた。学園長の言う通りにするのが癪です、と顔に書いてあるが、背に腹は変えられなかったらしい。
「さて。私は合宿スタートに向けていろいろ手配をしておかないと。では、みなさん、練習頑張ってくださいね!」
言いたいことだけ言うと、学園長は夜空のようなマントを翻して消えてしまった。
「全く口が挟めないまま合宿が決まってしまった……」
「そーね……ま、たまにはいんじゃね?だって合宿中は、ハートの女王の法律違反で首をはねられることもないってことだろ。いつも気楽じゃん」
呆然としたデュースに対して、エースは乗り気だ。かなり軟化したもののリドルの厳しい遵法精神は未だ健在で、そのあたりが緩いエースは未だに時折首をはねられている。
「オクタヴィネルの次は、ハーツラビュル、スカラビア、ポムフィオーレとオンボロ寮で合同合宿か。こりゃ、にぎやかで楽しくなりそうだ!」
「学園長の決定なら仕方がない……逆らって心証を悪くしたくはないからな」
カリムはすでに合宿へのワクワクが漏れ出ており、ジャミルもあえて反対するつもりはないらしい。
「……今掃除が終わってる部屋で足りるかなぁ?」
「民泊じゃねンだから、足りなかったら泊まる奴らに掃除させりゃ良いだろ」
*オンボロ寮の部屋数 dice1d20=2 (2) 部屋 (最低保証4部屋)
上の87%(端数切捨て)の部屋が使用可能です
- 192二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 21:22:17
初めの賞金の話だけじゃ2人ともほとんど心ぐらつかないのはヴィルとかルクハンの賞金をもらう申し訳なさ(主にデク)とかオンボロ寮の環境の悪さを考えて泊まる人の健康とか真剣に心配してるからかな
- 193125/03/21(金) 21:24:53
部屋数少なすぎましたが、部屋そのものが崩れて使い物にならない区画も多いということで
ちなみに、過去スレとパソストの描写も踏まえたこのスレのオンボロ寮の部屋割りのイメージは下の感じです
*1F
・談話室
・キッチン・水回り
・鏡の寝室(旧寮長部屋?)
・勉強用の部屋(旧副寮長部屋?)
*2F
・その他学生用の寝室(大半は使用不可) - 194二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 21:41:00
このレスは削除されています
- 195125/03/21(金) 21:41:48
宿泊用に使えそうなのは↓の5部屋ですね
・1Fの勉強用の部屋
・2Fの掃除完了済の部屋x3
・2Fの掃除未完了の部屋
*部屋割りは…… dice1d2=2 (2)
1.出久「他の寮だと3年生は個室で、2年生は二人部屋、1年生は4人部屋みたいだから……」
(エース・デュース・エペル/カリム・ジャミル/ルーク/ヴィル)
勉強用の部屋は提供 dice1d2=1 (1) (1.する、2.しない)
2.爆豪「学年別に押し込めときゃ丸く収まンだろ」
(エース・デュース・エペル/カリム・ジャミル/ヴィル・ルーク)
- 196二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 21:46:37
デクはかっちゃんを身内判定しているからね…かっちゃんの賞金もオンボロ寮の共有財産だよ
- 197二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 06:07:22
ほ
- 198125/03/22(土) 11:56:29
- 199二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:06:05
次スレありがとう!
たておつ - 200二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:07:30
200なら爆豪たちは捻れたリズムで踊る