これは実話であり公式の記録と目撃証言を元に構成しています。

1125/03/01(土) 18:29:57

1988年5月24日、タカ航空110便はベリーズシティを出て２時間足らずニューオリンズへ向かっています。最新のボーイング737型機はメキシコ湾上空30000ftを激しい雷雨と雹の中を飛行しています。タカ航空はエルサルバドルに本拠地を置く小さな同族会社です。

ナレーションdice1d123=71 (71)

2125/03/01(土) 18:34:28

前回

これは実話であり公式の記録と目撃証言を元に構成しています。｜あにまん掲示板bbs.animanch.com

軽い気持ちで始めた前回でしたが楽しめたという声が多かったので第2弾です。

3二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:44:07

確かに向いてそうな雰囲気がある

4二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:46:00

もしかしたら別の人かもしれないけど飛行機パイロットでシリウスがダイスに選ばれてたな…

ダイス神はシリウス=飛行機と思ってるのかな？

5125/03/01(土) 18:51:24

クルーが相手取っている悪天候は、離陸時とはまるで様変わりしているな。5月のメキシコ湾上空は、この時期になると天候の気まぐれが激しい。たった数分で、荒れ狂う嵐が生まれるんだ。

機長はdice1d123=105 (105)　生まれながらにして飛行士になる運命だったんだろうな。29歳でパイロット一家の三代目とは…まさに空を翔るために生まれたようなものだ。

6125/03/01(土) 18:56:55

かなり雹が強いわね。Anti-ice ON！

7二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:59:42

機長はタニノギムレット？

8125/03/01(土) 19:05:41

デアリングハート機長はこれまでに多くの困難を乗り越え、経験を積んできたんだ。6年前、1982年にはエルサルバドルの小さな民間航空会社で飛んでいたらしい。国内で空のタクシー事業をしていたそうだが…ゲリラの十字砲火を浴びながらも、乗客を無事に運んだとは、まったく並の胆力じゃないな。その後、事業用パイロットの免許を取得し、さらに腕を磨いたってわけだ。

離陸して、木々の間を低く飛びながら20分後には大きな空港へ戻ったの。

9125/03/01(土) 19:09:48

副操縦士dice1d123=123 (123)　の飛行時間は1万2000時間以上か…。相当なベテランだな。しかも、機長とは何度も共に飛んできた仲だ。息もぴったりってところか。

dice1d123=21 (21)　はタカ航空のインストラクターで、今日は新しい飛行機に乗ってその性能を見極めるってわけだな。

10二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:11:31

スカイはともかくチトセオーは……。頑張ってください。

11二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:12:47

この前エミュが難しいキャラで回してた人かな？
がんばれ…

12二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:14:52

さてはこのダイス、デアリングハートのことが好きだな？

13125/03/01(土) 19:35:05

737の300型か…これは二週間前にタカ航空に納品されたばかりの、まさに最新モデルだな。前のモデルと比べて、空気力学をさらに応用した構造が特徴で、エンジンも最新型が搭載されている。性能は間違いなく一段と進化しているだろうな。

14125/03/01(土) 19:44:57

ニューオリンズ空港から50km、飛行機は最終降下を始めた。激しい乱気流の中、雹が機体に当たる音がコックピットに響き渡る。高度は17,000フィート…その瞬間、空の旅は一変した。乱気流を通過するうちに、機内の照明が突然消えてしまったんだ。
真っ暗になり、コックピット内では警報器が鳴り響き始めた。計器はすべて故障してしまった。そんな中、スラストレバーを数回、元の位置に戻して、飛行機をなんとか制御しようと必死に戦っている。状況は最悪だが、機長は冷静に、全力で立て直そうとしたが

『engine powerがなくなった！　出力はゼロ！！』

15125/03/01(土) 19:48:28

さらに恐ろしいことに、エンジンが停止してしまった。これにより、機体のシステムに送る電力も失ってしまった。

ニューオリンズの管制塔は、110便がレーダーから機影が消えてしまったので騒ぎになっただろうな

管制官dice1d123=79 (79)

>>17

16二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:49:50

有能回の中でも一番好きな回だから嬉しい

17二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:57:14

>>15

ローレル「レーダーから機影が消えてしまったと聞いて思わずこういったんです」

>>19

18125/03/01(土) 19:58:40

『こちらニューオリンズ進入管制！　ハートちゃん！チトセちゃん！聞こえてる！？』

出力がなければ、交信することすらできない。通信手段が絶たれ、空中で孤立してしまったわけだ。

1分足らずで機体は1,000フィート降下し、水面が徐々に近づいてきた。幸い、高度計や姿勢指示器には予備のバッテリーがあったが、その他の機器は全て作動していない。

19二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 20:00:15

>>17

ローレルの声でこんなこと言われたら…（ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝｯ)

20二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 20:15:00

このレスは削除されています

>>21

21二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 20:19:46

>>20

同じ画像を複数回貼るときは後ろに/1とか/2とかつけて全く同じアドレスが複数回現れることがないようにしないといけないんですよ。一応代理で再投稿しておきますね。

―――――

『APU！ON!』

APU（補助動力装置）は緊急時に重要なシステムに電力を供給する発電機だ。始動には時間がかかるが、どうにか作動した。しかし、エンジンは依然として作動していない。

『スラストレバー戻して』

『New Orleans交信！runwayへ誘導を！』

『メーデー、メーデー、タカ110でございます。嵐の中にて、両エンジンが停止いたしました。何卒、滑走路への誘導をお願い申し上げます。迅速なるご対応を賜りますよう、お願い申し上げます。』

『了解！タカ110両エンジン停止！280の方向へ左に旋回！海軍カレンダー滑走路22へ誘導するね！』

>>23

22二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 20:19:53

あのエロい手術帰りの美人さんは？

23125/03/01(土) 20:21:20

>>21

協力ありがとうございます！

24125/03/01(土) 20:31:17

しかし、エンジンが始動しなければ、どの空港にも着陸できない。絶望的な状況の中、なんとか希望の光が差し込んだ。地上からわずか5,000フィートの高度で、左のエンジンがついに点火した。

『『『ほっ…』』』

25二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 20:47:44

これで一安心…か？

26125/03/01(土) 20:52:08

『もう一個のEngineも作動させましょう』

『エンジンが再び作動いたしました。ありがとうございます。どうか、ニューオリンズへの誘導をお願い申し上げます』

『タカ110了解！290の方向へ右へ雷雨を回避』

（ここで右エンジンも動き始める）

『よかった〜もう一個の方も動いた〜』

27二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 20:53:43

エンジン両方復旧したかこれは勝ったなガハハ

28125/03/01(土) 21:12:06

これで危機は去ったかのように見えた。しかし、実際のところ、本当の試練はここから始まったんだ

『どうして…？Powerが出ない…』

エンジンは動いているのに、推力がまったく発生していない。

これはおかしいと思い、計器を確認すると、エンジンがオーバーヒートしていることがわかった。

選択の余地なんてものはない

29125/03/01(土) 21:39:43

高度は3,000ft、このままじゃどの空港にも辿り着けやしない…。
かと言って別の着陸地点を探す時間は3分未満。
ニューオリンズは運河と湖に囲まれ、洪水を防ぐために作られた堤防で守られている。737が着陸するような場所じゃない。

『再びBoth Engine停止！』

30二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 21:42:49

アカン(アカン)

31125/03/01(土) 21:54:17

『タカ110 18km先レイクフロント空港へ誘導！』

『不可能でございます。私たちの選択肢はただ一つ、無事に不時着を果たすのみでございます。』

『待って！近くに幹線道路がある！そこなら…！』

『Wait!　車でいっぱいよ！Water landingしか選択肢がないわ！』

32125/03/01(土) 22:10:25

不時着用の長い運河を捜していると、ふと、全く予期しなかった別の選択肢が現れた。

『あそこ！堤防がある！！』

33125/03/01(土) 22:23:04

『そっちにLandingは？』

『可能のようです。あちらに致しましょう。』

堤防は滑走路ほどの広さもなく、確かに短く狭い。だがあの危険な水面よりは、ずっと頼りになる選択肢だった

34125/03/01(土) 22:32:24

機体は水上への不時着の体勢だった。
だが堤防に着陸するためには、どうしてもコースの修正が必要不可欠だった。
そこで、サイドスリップを巧みに操りながら、速度と高度を落としていった。

堤防の前に高いセメントの壁　左には急勾配の土手　着陸のスペースはわずかだった。
難しい着陸だったはずだが…

見事に成し遂げちまった。大した女さ

35125/03/01(土) 22:41:50

『スポイラーはBreakdownしていたけれど、なんとか機体のコントロールは保っていたわ。やれると信じていたからね。』

36二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:43:15

電気落ちたのもエンジンがまた復旧直ぐに駄目になったのもオーバーヒートが原因なのかね？

37125/03/01(土) 22:55:38

この時の実際の写真

引用）

May 24, 1988: The day a Boeing 737 almost crashed in New Orleans EastNote: Although several Times-Picayune stories from the time identify the grassy strip as an abandoned airstrip near the levee, some of our readers disagree. The story has been modified towww.nola.com

38二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:04:43

ちなみにこの緊急着陸した堤防、何とNASAの敷地である

>>49

39二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:12:40

なおこれからこの機体は世界で多分未来永劫ない事をこの後します

40二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:13:38

まだなんかあるの？

>>42 >>47

41125/03/01(土) 23:16:42

この見事な着陸から数時間後、NTSB（国家運輸安全委員会）の調査員が到着した。

調査官１dice1d123=92 (92)

調査官２dice1d123=65 (65)

42二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:18:24

>>40

こっから恐ろしいんだ。まぁ待ってな

>>62

43二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:19:06

NASAから派遣されていたのか？

44125/03/01(土) 23:45:39

『ユニちんマジこれやばくね！？マジでめっちゃレアじゃん！滅多に見れないって感じ〜！』

『そうだね。まずはエンジンを”分析”するよ』

45125/03/02(日) 00:07:59

この飛行機に搭載されていたエンジンはCFM56
このエンジンは世界中でその信頼性を誇っているエンジンだ。通常なら故障なんてほとんど起きないはずが、この日だけで２つものCFMが壊れてしまった。
原因を突き止めるため、調査員らはまず天候状態に注目し、どこに影響を及ぼしたのか、細かく調べ始めたんだ。

『この胴体の凹み、卍じゃね？直径３cmの雹とかぴえんじゃん！』

『でもこれぐらいの雹なら”ビックバン”はしないはず…もっと”観測”するよ』

46125/03/02(日) 00:13:54

今日はここまで。続きは朝に書きます。

47二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 00:36:44

>>40

事故から35年が過ぎても事故機のパーツが1つしか見つかってないんだ…

死傷者も見つかってない…

>>48 >>62

48二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 00:54:29

>>47

しかもパイロットは退役したらしいな

49二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 09:26:12

>>38

NASA「あれ？うちで旅客機造ってたっけ？」

50125/03/02(日) 09:42:41

再開します。

ボアスコープを使ってエンジン内部を詳しく観察すると、そこには決定的な手がかりが隠されていた

『まじやべ…タービン真っ黒焦げとかぴえん超えてぱおんじゃん』

『というより"溶解"してるよ』

『これじゃ全然パワー出ないじゃん！マジでヤバたんなんだけど～』

51125/03/02(日) 09:50:52

しかし、ここで調査を進める上で重大な問題が発生した。機体が徐々に沈み始めていたのだ。堤防とはいえ、43トンもの重量を支え続けるには限界があったのだろう。
分解するにしても、問題は多い。何しろ、この機体はわずか二週間前に納品されたばかり。できる限り傷をつけずに済ませたいというのが本音だ。それに、分解すれば肝心の手がかりを失ってしまう可能性もある。

結局、現地でエンジンを換装し、そのまま離陸させるしかなかった。
そして、ニューオリンズへと機体を移動させた後、一ヶ月後には運航が再開されたそうだ。
全く御伽噺のようだ

>>56

52125/03/02(日) 10:00:46

一方調査官らはエンジンを水の吸入を再現できる専門の施設へと運ばれ、徹底的なテストを行っていた。

あらゆる条件を設定し、可能な限り当時の状況を再現しようと試みたのだ。

しかし——何度テストを重ねても、あのフライトで起きたエンジン停止の現象は再現されなかった。

『このエンジンどうやったらぶっ壊れるん？？』

53125/03/02(日) 10:04:37

めげずに調査を進めると、フライトデータレコーダから新たな糸口が見つかった。

『飛行機は着陸の為に推力を”減退”してた…』

54125/03/02(日) 10:18:22

これまでのテストは、すべてフルスロットル状態のエンジンで行われていた。しかし、フライトデータレコーダの記録を分析した結果、ある可能性が浮上した。実際の飛行中、エンジンは常に最大出力で動作していたわけではなかったのだ。
そこで、新たな検証が始まる。今度はエンジン出力を35％まで絞り、当時の状況をより正確に再現すると…

『雹がファンブレードを”ニュートリノ”してコアエンジンに入り込んじゃう』

『えっと…通り抜けるってこと…？』

エンジン停止の理由が判明した

55二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 10:29:28

高速回転してる空気取り込み口のぐるぐるを雹が素通りしたってこと？

56二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 10:31:00

>>51

結局数日遅れで目的地到着してるんよなコレ

57125/03/02(日) 10:43:25

事のあらましはこうだ

エンジンの出力を35％まで落とす
推力が抑えられたことで、大量の雹と水がエンジンの中心部へと流れ込み、内部が満たされる。
そして、その影響によりエンジンは停止した。

さらに、APUの始動も決定的な問題を引き起こしていた。今回は意図しない形でのエンジン停止だったため、燃焼室内に燃料が残った状態となっていた。

その結果、再始動時に取り入れられる空気に対して燃料の比率が大きく偏り、エンジン内部の温度が異常なほど上昇。タービンが溶けるほどの高温状態となり、ついにはエンジンそのものが破壊されてしまったのだ。

58125/03/02(日) 10:49:33

この事故を受けて、エンジン製造メーカーは迅速に対応した。
まず、エンジンのノーズコーンの形状を変更し、ファンブレードとの間隔を調整した。これにより、出力を落としても雹が入り込むことがないようにしたのだ。

さらに、水がエンジン内部に入り込んだ場合に備えて、新たに排出ドアが追加された。

59125/03/02(日) 10:56:31

機長は、その勇敢さと冷静さで、マスコミから英雄として讃えられた。そして、その後も、果敢に大空を駆け抜け続けたのさ。

『Lifeは、決して自分の思い通りにはいかないわ。でも、予測不可能な展開こそが、毎日をワクワクさせる要素よね！』