- 1◆h7498AeeJc25/03/01(土) 22:29:25
武蔵たち第二艦隊がセトの憤怒を抑える中で、もう一人のシロコとマルコ・ポーロたちの奮闘もあり、
先生と指揮官たちはホシノの意識へとアクセスする事に成功する。
ホシノの過去を垣間見る彼らに、第二艦隊を振り切ろうとするセトの憤怒が迫っていた。
鏡面海域崩壊まで残り僅か……。
----------------------
このスレはここだけお亡くなりになった後のユメ先輩の魂がアズレンのコラボ＋テンペスタ時空に流れ着いた後、
なんだかんだあった末にKAN-SENとしてキヴォトスに戻ってきた世界線。
ようやく３章IFっぽくなりましたが間もなくクライマックスです。
よろしければ最後までお付き合い下さい。
スレ画はセトの憤怒と戦闘中の第二艦隊。 - 2◆h7498AeeJc25/03/01(土) 22:29:51
- 3二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:30:03
立て乙です
- 4二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:30:21
たておつです！
- 5◆h7498AeeJc25/03/01(土) 22:30:40
- 6二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:51:08
いよいよクライマックスか
- 7二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:57:04
まさか…今現場に来てるもう一つのアビータの反応って…前スレの最後の子の事…？
- 8二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:59:36
ラストの子はアビータ達の上司
アズレン世界の「審判者」と呼ばれる人間が作った最初の人工知能 - 9二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 22:59:41
- 10◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:00:10
シロコとノノミが気がついた時、周囲に先生やユメたちの姿は無かった。
ホシノの意識の中で押し流されたのだからおそらく自分たちと同じようにまだホシノの意識内には居るはずなのだが。
そう判断したのは眼前に見えるからだ、
dice1d2=2 (2)
１：拘束されたホシノの姿が
２：布団に横になるホシノの姿が
- 11二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:00:33
どんどん真面目になりきれなくなってきたぞ
- 12二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:01:16
まさかふて寝してるんじゃ…
- 13二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:01:29
グググ、我が化身よ……フートンにていましばらく休んでいるがいい……（たやん
- 14二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:01:51
- 15◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:03:18
- 16二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:04:34
しかしだねぇ…ホシノにとっての布団（寝室）とは“あの”砂祭りのポスターをはじめとしたホシノの後悔で囲まれた自分の部屋なのだから…
- 17二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:05:43
めんどくせぇなこいつ
- 18二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:06:37
あっ意味がわかると寒気がする部屋だ
- 19二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:07:19
激重感情を2年間熟成してたんですよ！面倒くさくない訳がありません！（断言）
- 20◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:10:51
「拒絶されてますね」
「ん……」
二人共ホシノの寝室に入った事は無かった。
だがこれが現実のものと同じだとすれば……。
「ポスター……」
「さっきホシノ先輩が破いたものですよね」
セロテープで無理やり補修されたポスター、枕元にある写真立て。
ホシノの私室は過去の記憶／悔恨で埋め尽くされていた。
dice1d3=3 (3)
写真立ては
１：１個しかない。
２：２個あるけど一つは伏せてある。
３：２個あるけど一つは真っ黒に塗りつぶされている。
- 21二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:12:20
うおっ・・・普通に重いぞ・・・
- 22二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:13:25
ユメパイセンのメモ書きないのか？
- 23二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:13:30
ホシノはユメの家に住み込んでてシロコは元の自分の家に済ませてるのは二次設定だったか……
- 24◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:14:54
「あれ……うわ、シロコちゃん見て下さい」
「ん……ん！？」
写真立ては二つ、一つはかつてのホシノとユメが写ったものだ。
そしてその隣に立ててあるもう一つの写真立ては黒く塗り潰されているが余白部分を見る限り……。
「あの時撮ったヤツだね」
「ですよね」
ユメが最初にこちらへ来た時、戻る前に撮ったモノのはずだ。 - 25二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:20:01
最初のが塗りつぶされててもう一個は普通にある
どういう事…？ - 26◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:21:16
「ん」
手に取ろうとするがホシノと同じように遮られる。
どうやら触られたくないようだ。
「ん……」
見えない壁にもっと力を込める。
動かない。
「ん！！」
更に力を込めてぐいぐいと押す。
ちょっと動いた……気がする。
「し、シロコちゃん？」
「ノノミも手伝って。アレはちょっと許せない」 - 27二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:21:27
- 28二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:22:47
ATフィールド理論なら「ビックリさせる」で突き破れそうだが・・・
- 29二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:23:45
そりゃあみんなで取った写真を塗りつぶされてたら文句の一つも言いたくなる
- 30◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:29:29
「ホシノ先輩がユメ大先輩を撃ってしまったのを後悔するのはわかる。
それで自分自身を否定したくなるのも。だけど」
一息入れて更に押す。
「今までホシノ先輩がやってきた事を全部否定するのは許せない」 - 31二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:30:33
そりゃそうだ、シロコは怒るよそんな事してたら…
あの時シロコを助けてくれたのは紛れもなくホシノなんだから - 32二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:31:49
- 33二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:37:47
そういえば他のキヴォトス組も意識ない状態だったけどどうなっているんだ・・・？
- 34◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:45:31
「私がアビドスにいるのはホシノ先輩のおかげ。ノノミは？」
「……そうですね、私もです」
シロコの手にノノミの手が重なる。
ぴくりとも動かなかった手がほんの少しずつ写真立てに近づく。
「私達がいなかったら、セリカちゃんとアヤネちゃんは来てくれたでしょうか？」
「来てくれたかもしれないけど、先生が来るまで耐えられたかはわからない」
「そうなるとユメ先輩が来た時、誰もいなかったでしょうね」
「ん、きっと悲しんでた」
二人で少しずつ前へ前へと。
「全部ホシノ先輩のおかげだよ。ホシノ先輩が頑張ってくれたから私達の今がある」
だから、と写真立てに必死で手を伸ばし
「私達まで、否定しないで！」
遮っていた何かが消える。
勢い余って倒れ込みそうになるのを踏ん張って二人で写真立てを掴めば、
黒く塗られていたソレは元の風景を取り戻していた。
砂漠に６人。ホシノとユメを囲むように廃校対策委員会が並んだその写真が。 - 35二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 23:49:48
部屋に変化が起きたっぽい？
後はどうなるか… - 36◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:51:13
それと同時に意識が遠のき始めたのを感じる。
どうやら自分たちが出来るのはここまでらしい。
口惜しくはあるが、後は他の皆に任せるしかないだろう。
「「ホシノ先輩」」
dice1d2=1 (1)
１：待ってる／ますから
２：また後で
そう告げて、シロコとノノミの意識は光に呑まれた。
- 37◆h7498AeeJc25/03/01(土) 23:58:41
『シロコちゃんとノノミちゃんのバイタルに変化有り！意識レベルが覚醒に近づいてる』
「起きるって事ですか！？」
ヘレナの声にシロコを引っ張って移動していたニーミが反応する。
「指揮官たちは？」
『他の人たちは、まだ……』
「了解。ニーミ、アンカレッジ！シロコちゃんたちが起きたら自分で移動してもらってくれたまえ。私は……」
マルコ・ポーロが振り向いた先には未だ棒立ちで佇むホシノ＊テラーの姿。
その更に向こうには雷光を撃ち合う第二艦隊とセトの憤怒が見える。
「ちょっと彼女を拾ってくる！」 - 38◆h7498AeeJc25/03/02(日) 00:00:55
- 39二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 00:02:04
おつおつ
- 40二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 01:07:13
アズレン陣営から見たブルアカ陣営の紹介のヤツはコラったけど
「その逆はやってなかったな・・・」と思い立ちちょっと作ってみたやつです。
リリース前に公式Twitterでやってた世界観紹介の//FILE.EX的な？ - 41二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 01:42:03
このレスは削除されています
- 42二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 01:42:55
ちなみに元画像はこれです
— 2025年03月02日
- 43二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 09:23:15
- 44◆h7498AeeJc25/03/02(日) 16:21:55
- 45二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 16:34:01
世界博覧会の時にあった地下通路かもしんないし…（震え声）
- 46二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:41:17
こっちのマルコにもハイエロファントの加護があらんことを…
- 47二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:10:39
保守保守_(:3」z)_
くくく・・・スレ主様には頑張って書き上げてホシィですねぇ(ねっとりボイス) - 48二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 21:24:19
- 49二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:06:15
保守も兼ねてナポリの衣装着せられそうなセミナーの人置いときますね……
- 50二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:09:41
このレスは削除されています
- 51二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:10:04
とうとうノアも着てくれるのか…楽しみですね！
- 52二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 07:12:33
多分ノアがナポリのアレを着るとバストサイズが足りなくて胸の部分が前の方に「ペロンッ」ってなると思うんですが……
- 53◆h7498AeeJc25/03/03(月) 07:41:42
おはようございます。
昨日投下出来なかった分、今晩は投下したいですね。
ノアはご愁傷さまです、エッチな声をしていた君が多分悪い。
さてセリカとアヤネが気がついた時、見つけたのは？
dice1d2=1 (1)
１：拘束されているホシノ
２：引き続き布団に横になっているホシノ
- 54二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 09:58:53
布団姿を一年生には見せないのはせめてもの矜持か心の壁か
- 55二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 18:01:54
まぁ全部終わったらバラされるんだけどなHAHAHA
- 56二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 18:38:36
ふっ 指揮官くんは指揮官くんで流れで主砲のケダモノぶりがどんどんバラされてるんだぞ
- 57二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 19:22:20
先生もいずれアビドスの皆に絶倫っぷりを知られるんだぞ
- 58二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 19:23:35
拘束というと黒服に捕まってた時の赤い光線か
- 59二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 19:24:19
の、ノアも巨乳だからへーきへーき！
- 60◆h7498AeeJc25/03/03(月) 21:46:15
遅くなりましたが開始します。
-----------------------
セリカとアヤネが目を覚ました時、見た者は拘束されたホシノの姿だった。
慌てて近寄り彼女を縛っている赤い光を何とかしようとするも
dice1d3=3 (3)
１：ビクともしない
２：触れただけで痛みが走る
３：「来ないで！」拒絶の叫びに足を止めた
- 61◆h7498AeeJc25/03/03(月) 21:49:49
「来ないでって……そんなわけには行かないでしょ！」
セリカが負けじと叫び返すもホシノは俯いたままだ。
この”ホシノ”が抱くのは？
dice1d3=1 (1)
１：自死願望
２：逃避
３：罪悪感
- 62二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 21:51:51
布団に入りながらそんなこと考えてたの…？
- 63二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 21:52:59
デストルドー・・・
- 64二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 21:53:30
あくまでこの束縛されてるホシノの側面だから……
- 65◆h7498AeeJc25/03/03(月) 21:59:00
「ユメ先輩を手にかけた私が、生きていて良いわけがないんだよ。だからもう……放っておいて」
そう力なく告げるホシノの声には自身への嫌悪、そこから生じる死への願望が滲み出ていた。
ここにいるホシノに自らを殺す力はなくても、テラー化したホシノはセトの憤怒と戦い続けて力尽きるか、
はたまた崩壊する鏡面海域と共に世界の狭間へと堕ちていくか……どの道、小鳥遊ホシノは消滅するだろう。
それに対して二人は……
セリカ アヤネ
dice2d3=2 2 (4)
１：ホシノが自◯しようとしている事への激怒
２：自分たちを置いて行こうとする事への悲しみ
３：全てを投げ出そうとしている事への大激怒
- 66二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:00:27
さっきのふて寝とは打って変わってシリアスだな
- 67二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:02:48
不貞寝ホシノは自身の行いの否定、拘束ホシノは自殺願望か
- 68◆h7498AeeJc25/03/03(月) 22:09:35
「……置いていくんですか。私たちも、シロコ先輩たちも」
アヤネの悲しそうな問いかけにホシノは口を噤んだままだ。
普段であれば激昂しそうなセリカも、沈んだ表情でホシノを見ている。 - 69◆h7498AeeJc25/03/03(月) 22:19:13
「私たちだけじゃない。先生も、マルコさんたちも先輩を助けようと頑張ってるの」
「セイアさんたち他の学校の人たち、他のアズールレーンの人たちも、それに」
「「ユメ大先輩も」」
ぴくりとホシノの目が泳いだ。
「私たちと一緒に来たからわかっていますよね。ユメ先輩は生きています。
ホシノ先輩を助ける為に、怪我を押してここに来てるんです」
「それでも、ホシノ先輩は皆を置いていくの？」 - 70◆h7498AeeJc25/03/03(月) 22:25:04
二人の訴えにホシノは……
dice1d3=1 (1)
１：「そうだよ。例え未遂でも私のような人殺しはいちゃいけない」この苦しみは、誰にも分かるはずがない
２：「ユメ先輩とアビドスをお願い。私はもう立てないから」この苦しみは、誰にも分かるはずがない
３：「私だって一緒にいたいよ。だけどこんな手で一緒にいられるわけがない」この苦しみは、誰にも分かるはずがない
- 71二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:34:32
言ってくれなきゃ何も分からんし伝わらんよ…
- 72◆h7498AeeJc25/03/03(月) 22:35:49
ホシノの意志は頑なだ。
元よりこのホシノ自身が自死願望の具現のようなものである以上、それを覆すにはその根本を理解せねばならないだろう。
大切な誰かを手に掛けたというソレは、ホシノの記憶を垣間見たセリカとアヤネでも難しい。
自分たちではホシノの心を救えないのかと沈む二人だったが……
dice1d2=2 (2)
１：「なるほど、私たちが来なければいけないと感じた理由がようやくわかったよ」
２：「あの人はきっと、ホシノを許しています」
- 73◆h7498AeeJc25/03/03(月) 22:40:47
暗闇に光が差し込む。
朽ち果てかけた廃墟の中に、草生した玉座。
ホシノの意識の中にあるはずの無い、見覚えのない風景。
驚く三人の前に暗がりから二人の人影が姿を現した。 - 74二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:44:31
おお、ここで来たか二人共…
二人も同じような経験をした子達が来たぞ - 75◆h7498AeeJc25/03/03(月) 22:54:12
「貴女自身が許せなくても、あの人はきっと貴女を許しています」
青い瞳がホシノを見る。
「アリスは梔子ユメではありません。けれど」
その脳裏に浮かぶのはかつての記憶。
自身を手にかけようとしたあの人。
人を殺す重みを背負ってでも世界を守ろうとした彼女を、アリスは許した。 - 76◆h7498AeeJc25/03/03(月) 23:10:11
「アリスはかつてリオを許しました。リオは気にして中々帰ってきてくれませんが、戻ってきてくれるのを待っています」
何を許したのか、この場にいる三人にもわからないわけがなかった。
「リオとはクエストをこなせなかったアリスでもそうです。
ユメがホシノといっぱいクエストをクリアしたなら、きっとホシノを許しています」
「それは、そんなわけ……」
アリスの言葉にこのホシノの表情に怯えが交じる。
手に掛けようとした人に、許されてしまったら自分は……。
「だからちゃんとユメに聞いてあげて下さい。ゲームオーバーになるのはそれから考えてもきっと遅くはないはずです」
ホシノを拘束している光に、罅が入る――。 - 77◆h7498AeeJc25/03/03(月) 23:15:28
心象のホシノが気付いた時、後輩たちと青い瞳の少女は居なくなっていた。
拘束は未だあるが弱まってしまっていると言って良い。
「許されるなんて、そんなの……」
「……まだ言いますか？」
その声に顔を上げれば、赤い瞳と視線が合う。
そう、先程暗がりから出てきたのは二人。
一人が居なくなったとして、もう一人が残っている。
青い瞳の少女と鏡写しの姿、違いは瞳の色だけだが、表情の違いから別人に見える。 - 78二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:18:55
今度はケイの番か
- 79◆h7498AeeJc25/03/03(月) 23:32:11
「君は……誰？」
「……アリスが殺されかけた原因です」
そう言う少女にホシノの目が丸くなる。
「アリスが与えられた役目は世界を滅ぼす事、私はその為のプログラム……でしたがアリスに止められました。
人はなりたい者になって良いのだと、そう告げられて」
視線を反らした少女が玉座を見る。
「アリスはこんな私も許しました。私もまたなりたい者になれるのだと……だから、今の私はただのケイです」
徐々に徐々に廃墟と玉座が崩れていく。
「人を手に掛けようとしたという点では私も同じでしょう。こんな私でも許されるのなら貴女もまたそうだと思いますが」
天井から差す光を眩しそうに見つめつつ、ケイはホシノに声をかける。
「まぁ、これに関しては他に適役がいるようですからお任せします。
どうかアリスの思いも無駄にしないよう」
そして、景色は暗転し…… - 80二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:34:42
上手い事配役がまとまってんなあ・・・（関心）
- 81二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:37:51
これまでの伏線が一気に回収される流れ、やはり好きですわ…
- 82◆h7498AeeJc25/03/03(月) 23:40:23
気づけば、自己否定でも自死願望でもない小鳥遊ホシノはまた見知らぬ場所に居た。
夜空に見えるテラス、目の前には話でしか聞いたことがない茶会の席だ。
設けられた席は４つ。
一つは小鳥遊ホシノ、
一つは空席、
一つは狐耳の小柄な少女、
そして最後の一つには…… - 83二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:42:26
そうだね、ナギちゃんお留守番だね・・・
- 84◆h7498AeeJc25/03/03(月) 23:48:48
「まぁ、私だよね」
見知らぬ天使が其処にいた。
「セイアちゃんの事はもう知ってるよね？
はじめまして。私は聖園ミカ。一応ティーパーティの一人で……」
金色の瞳がホシノを見て、その唇が紡ぐ言葉は
「貴女と同じ、誰かを殺しかけた女だよ」
黒幕が敷いた前提へと、致命的な罅を入れるものだった。 - 85二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:50:16
見てください！チャートが崩壊しています！（再送確定）
- 86◆h7498AeeJc25/03/03(月) 23:52:41
という事で今日はここまでです。セリカとアヤネにはちょっと申し訳ない事をしました。
地下ちゃん的にはホシノが反転した後なら来ても問題のないはずのないトリニティのやべーのだったのですが…… - 87二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:57:28
アビドス、ミレニアム、トリニティの紡いできた物語の集大成みたいで熱い展開なんだけど、ただのコラボだよね？ブルアカ最終回じゃないよね？みたいな戸惑いもある不思議な感じ
- 88二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 00:00:08
セリカとアヤネにはちょっと申し訳ない事をしました。
本編準拠だろ？知ってる知ってる - 89二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 00:16:02
まあ本編みたいに実力行使しなかった分物理的なダメージは無いから……(フォロー)
- 90二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 00:31:54
乙です～
このスレ読んでるとお祭りゲーの分岐√みたいで続きが楽しみになりますね…(スパロボ的な)
半年待った甲斐があったというものだ…… - 91二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 06:30:21
素晴らしい、こんな芸術(ry
- 92二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 07:02:13
- 93◆h7498AeeJc25/03/04(火) 07:30:21
- 94二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 15:15:51
保守やで
- 95二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 15:49:13
ふ、服装以外は優雅なはずだから…
- 96二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 22:08:04
清楚と淫乱は両立することを教えてくれた、それがロイヤルです
- 97二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 23:21:40
保守セイア
- 98二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 00:18:10
- 99二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 00:24:32
- 100二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 00:39:13
- 101二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 00:41:06
ふ、振る舞いは優雅だから…
- 102二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 05:32:58
ニコ厨と幽霊さん……
- 103二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 07:46:24
念のための保守ノノミ
- 104二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 09:30:27
むしろハーミーズとか龍驤とかがやばい気がする…
- 105二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 09:31:47
トリニティも覚悟礼装みたいなのあるから…
- 106二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 10:46:27
- 107二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 10:59:26
- 108◆h7498AeeJc25/03/05(水) 11:16:10
- 109二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 11:18:51
- 110二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 11:57:26
- 111二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 11:59:09
- 112二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 12:06:25
今絶賛年度末だし仕事も慌ただしいだろうから、疲れて寝ちゃうのは仕方ないね(レ)
- 113二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 12:08:42
過労死フォックス、直感で助からないことを悟る―――
- 114二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 12:56:03
駆逐艦として扱われるならリオ会長でもハスミでも反応すると確信してる
- 115二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 16:34:00
アークロイヤルは駆逐艦を除いたらマジで非の打ち所ない人だしなぁ…
指揮官の事を閣下と呼び全幅の信頼を置いている
陛下に苦言出来る立場なのに堅苦しく無く友好的に接してくれる
かと言って緩いと言う訳ではなく（駆逐艦絡まなかったら）威厳のある姿も見せてくれる
性能面でも設定上でも上位の実力者
恋愛面はかなり奥手で可愛い
metaの方は駆逐艦好きには変わらんけど暴走しないからマジで非の打ち所が無かったり… - 116二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 17:27:25
- 117二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 17:28:06
初期の頃は現場と上層部の思惑の板挟みで悩んでたり本当に常識人なのよ、駆逐艦さえ絡まなければ
- 118二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 17:30:51
- 119二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 17:44:42
あっそうだったんですね…訂正ありがとうございます
- 120二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 17:45:13
艦船ゲーにおける駆逐艦狙いによるロリコン扱いはゲームシステム、
一撃で倒せる奴を狙うよう設定された戦術ＡＩから派生した悪しきミームなので駆逐しなければならない（戒め） - 121二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 18:30:18
アズレンのアークロイヤルが駆逐コンなのは史実で旗艦として駆逐艦の引率をすることが多かったからだから…
- 122二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 18:58:17
ちなみに駆逐艦ならなんでもいいのは「蒼藍の誓い ブルーオース」に出てくるアドミラル・ヒッパーで、このアクロは「庇護欲を掻き立てられるような」駆逐艦の妹(かわいこちゃん)限定だ
なので長門の側近の江風(過去にちらっと出ている)のようなしっかりした駆逐艦は対象外だ - 123◆h7498AeeJc25/03/05(水) 20:30:04
間もなく開始します。
なおシャーレに誰が来るかのダイスでリオ（生身）とアリスだった場合、鏡面海域突入組にリオも入って
この茶会がホシノ、ミカ、リオという死の大三角形になる可能性がありました……。
※お茶会は長くなりそうですが、外と時間の流れが違うのであんまり問題になりません。 - 124◆h7498AeeJc25/03/05(水) 20:41:21
>>84より
「えっと、それって……どういう事かな？」
震えながら声を絞り出したホシノに対してミカは不敵な表情から一転して泣きそうで喋り始めた。
「それは私がセイアちゃんを「ストォォォォォォォップ！」セイアちゃん！？」
「そこからか！というか私の件はミカの意志じゃなかったはずだろう！」
「け、けど私がやった事が」
「違うだろ！君が気に病んでいるのは常々気にかけていたが、想像以上にヤバいな！」
「えーと……ごめん、おじさんにもわかるように話して欲しいな」
喧々諾々と喋り始めた二人にややひきながらホシノは声をかけた。
- 125◆h7498AeeJc25/03/05(水) 20:56:34
そこからミカが話し始めたのは廃校対策委員会も少しだけ関わったエデン条約の裏事情のようなものだった。
発端はセイアに対してミカが当時接触したアリウスをけしかけた事だ。
あくまで牽制程度だったはずのソレは当時アリウスを支配していた悪い大人によってセイアの暗殺事件へと変貌。
幸いセイアと当の襲撃者が折り合いをつけて、セイアはとある人物に匿われて死を偽装した。
だがそれでセイアが死んだと誤認したミカは自身のやらかした罪の重さに暴走しアリウスを招いてクーデターを計画するに至る。
幸いそれはヒフミたち補習授業部によって阻止され、ミカもセイアの無事を聞いて降伏したのがエデン条約前夜となる。
「だから私はセイアちゃんを殺しかけたのは間違いじゃないの。アズサちゃんでなかったら……」
「だから君の意志じゃなかっただろう」
相変わらずミカは沈み、セイアがそれを引っ張り上げようとしているのを見ながらホシノは……
dice1d2=1 (1)
１：ミカの気持ちは理解できる
２：ミカと自分は違う
- 126二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 20:58:34
サンキューセクシーフォックス
- 127二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:02:31
略してサセ ックス
- 128◆h7498AeeJc25/03/05(水) 21:02:44
「その気持ちはわかる……かな」
例えそんな事をするつもりではなかったとしても、
ホシノにとってもミカにとっても殺しかけた事実に変わりはないのだ。
だが、その理解こそが今のホシノにとって必要でもある。
同じ苦しみを抱く者がいるという事実が。
「君は……。まぁ良い、続けよう。これは私の過ちでもあるが」
セイアがお茶を一口飲んだ後、話を続けた。 - 129◆h7498AeeJc25/03/05(水) 21:15:43
話はエデン条約の際、廃校対策委員会が覆面水着団としてヒフミの助太刀に駆けつけている前後に進む。
アリウスを当時持っていた予知夢で探ろうとしていたセイアはアリウスを支配していた悪い大人によって精神に重大なダメージを与えられた。
その時ちょうど面会に来ていたミカに満身創痍のため色々と足りない言葉をセイアが投げかけた結果、
ミカがそこに立ち会っていたティーパーティの面々によって罵倒され自棄になって脱走したのだという。
その目的は自身がこうなってしまった原因……当時ミカと接点を持っていたアリウススクワッドの抹殺だった。
「八つ当たりだと思っても止められなかったんだ。最低だよね……」
「あの時は本当にすまなかった……」
「いや、そこも気になるけど、そうじゃなくて……壁？壁抜き？」
「うん、壁ぐらいなら何とかなるから……」
「さっきもセイレーンの量産艦をぶち抜いて来たね」
「うへぇ……」
見た目は完璧にお嬢様なのに人は見かけによらない、ホシノは自分の事を棚に上げてそう思ったのだった。 - 130二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:18:49
セクシーフォックスとトリニティミカお嬢様とアビドスホシノ振り返るエデン条約編
- 131◆h7498AeeJc25/03/05(水) 21:24:48
そうしてアリウススクワッドを探してミカはカタコンベからアリウス自治区へと突入。
折しも悪い大人に囚われたメンバーの救出のために同じくアリウスへと侵入してきていたスクワッドと先生に追いついた。
「待って、あの時先生撃たれて間もないよね？」
「うん、サオリに撃たれて……」
「サオリってあのリーダーちゃんだよね！？なんで先生が撃った当人に同行していたの！？」
「そこはもう先生本人に聞くしかないだろうね。私もびっくりした」 - 132二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:37:03
そういやどういう経緯でサオリと先生が一緒にいたかって当人たちしか知らないんだったな
- 133◆h7498AeeJc25/03/05(水) 21:40:17
そうしてミカは足止めの為に残ったスクワッドのリーダーである錠前サオリを追い詰めた。
自身から全てを奪ったと思った相手に対して殺しも辞さない勢いで襲いかかったのだ。
「サオリたちは、セイアちゃんと違って本気で殺すつもりだった」
そう自身の罪を告白するミカの声は先程までと違って静かだった。
「……それで、どうなったの？」
「殺せなかったよ」
サオリがあの時ミカに伝えた言葉を通して、ミカはサオリの中に自分を見た。
彼女を赦せないのならば、自身もまた赦される事はない。
その事実に心折れ、そしてサオリを見捨てられないスクワッドと共に戻ってきた先生がかけてくれた言葉によって救われたのだと。 - 134◆h7498AeeJc25/03/05(水) 21:45:26
そして、先生とスクワッドを黒幕の下へと向かわせてミカは決死の足止めを買って出た。
多勢に無勢の中で奮闘するも満身創痍の中で戻ってきた先生に救われ、
彼女を救出するためにアリウスへと突入してきたミカやセイアたちと無事再会したのだという。
今も彼女はかつての自分の罪を贖い続けている。
ホシノにこの時のミカの気持ちは……
dice1d2=2 (2)
１：理解できる
２：わからない
- 135二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:51:15
自分の不幸をわかってもらえないと嘯くなら他人の考えを自分がわかるわけもない
当然な話である - 136二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:52:40
理解できるならそもそもこんなことになってねぇ
- 137二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:55:13
殺してしまったかもしれない事に苦悩する気持ちは分かるけど
赦されないかもしれない事をしてしまった上で許されて戻ってきた経験までは分からない
まぁある程度理解出来るなら十分…というか頑張ってるよ - 138◆h7498AeeJc25/03/05(水) 21:55:40
「……ごめん、私にはわからない」
誰かを自分の意志で殺そうとした事にではない。
それを他者を通して思いとどまった事にでもない。
生きて罪を贖う、という事を今のホシノはわからない／わかりたくない。
「そうかもしれないね。だけど」
ミカは告げる。
「一度や二度の失敗で道が閉ざされるなんて事はない、先生はそう言っていたんだ。
生徒が未来を諦める事なんてあってはいけない。そういう事は、大人に任せてって」 - 139二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:58:01
酷なこと言うけどホシノは逃げてるんだよね
今のミカとの違いはそこかな - 140二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 21:59:51
ミカが暴走してた時とまんま同じよね
- 141二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 22:05:11
このレスは削除されています
- 142◆h7498AeeJc25/03/05(水) 22:05:53
「私も、祈っているよ。
あなたが自分と向き合える事、そしていつか自分の事を赦せる日が来る事を。
全てを失ったと思った私にも待っていてくれた人がいたように、
貴女を待っている人が居るんだから……あの子たちや」
そうしてミカが席を立ち、無言でセイアもそれに続いてテラスから去っていく。
「あの人のように、ね」 - 143二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 22:07:35
- 144◆h7498AeeJc25/03/05(水) 22:09:11
アバーッ！？そうです。やらかしました……。
- 145◆h7498AeeJc25/03/05(水) 22:10:18
そうして残されたホシノの耳に、足音が聞こえる。
夜のテラスは消え、向こうに青空の見える教室へと変わっていた。
目の前の席に腰掛けた彼は穏やかにホシノへ声をかける。
”こうして二人で話すのは久しぶりかな、ホシノ”
「……そうだね、先生」
ホシノの想い人が、そこにいた。 - 146◆h7498AeeJc25/03/05(水) 22:11:40
ちょっと休憩入ります。
皆様も総力戦クロカゲ等をご消化下さい。 - 147◆h7498AeeJc25/03/05(水) 22:50:09
再開します。
話し始めるのは？
dice1d2=1 (1) １：ホシノから ２：先生から
- 148二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 22:55:08
話し始めはホシノからか
- 149◆h7498AeeJc25/03/05(水) 23:02:19
「みんな」
しばらくの沈黙の後、話し始めたのはホシノの方だった。
「どうして私を諦めてくれないのかな」
「シロコちゃんやノノミちゃんには今まで私がやってきた事を全部否定するのは許せないって言われた」
「セリカちゃんやアヤネちゃんには自分たちを置いていくのかって泣かれたし」
「アリスちゃんには先輩にちゃんと聞けって言われて、
アリスちゃんのそっくりさんにはアリスちゃんの思いを汲めって言われて」
「さっきのミカちゃんに至っては私がいつか自分を赦せる日が来る事を祈ってるだって」
「いやだよ、私は……」
・私は自分を赦せない dice1d100=53 (53)
・ユメ先輩に会わせる顔がない dice1d100=98 (98)
・先輩の血に濡れた手で誰かの手を握りたくない dice1d100=43 (43)
- 150二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 23:04:48
メインがユメ先輩に会わせる顔がない、なのがもうね…
本人ちゃんと生きてるって言われた分顔を合わせづらくなっちゃったのかな - 151◆h7498AeeJc25/03/05(水) 23:08:42
「ユメ先輩に会わせる顔がないよ。
今、ここにいるからわかるんだ。
心の奥底で私は喜んでいたんだ。
ユメ先輩の旦那さんもいない、アズールレーンの皆もいない。
だからユメ先輩を救えるのは私しかいないんだって。
かつてと違って今度こそ私がユメ先輩を救える、ユメ先輩を無事に帰して幸せにできるって。
こんな私が、ユメ先輩に会えるわけがない」 - 152二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 23:10:06
自分の中で勝手に完結するのがホシノの悪いところ
- 153二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 23:10:47
…そう考えちゃうのは人間としては割とある事では？
今度こそ助けられるって思う事は間違いじゃないだろうし… - 154◆h7498AeeJc25/03/05(水) 23:17:00
それはかつての夜、マルコ・ポーロと喋った時のような年頃の少女らしい潔癖さの発露だ。
治りかけていた心の瘡蓋が無理やり剥がされて噴き出す悲鳴だ。
「だから私は許せない、許したくないんだよ先生」
目の前の彼と、ようやく目を合わせる。
真剣な表情に心が竦む。
「だから私を置いて……」
”それは嫌だな”
即答だった。 - 155◆h7498AeeJc25/03/05(水) 23:26:04
”ホシノ、かつてミカやサオリにも言ったけど”
”一度や二度の失敗で道が閉ざされるなんて事はない”
先生の視線がホシノの目を射る。
”ホシノが今言った事は、人が皆持っているものだ”
”大切な誰かの為に何かをしたいと思うのは当たり前の事なんだよ”
心の奥底まで届くように。
”私はどんな生徒も諦めたくないから、ホシノにも諦めてほしくないんだ” - 156二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 23:28:19
こういう時に先生はしっかり言葉を送るよね…好き
- 157◆h7498AeeJc25/03/05(水) 23:35:30
”未来を諦めてほしくない――この先に続く未来には、無限の可能性があるんだから”
”生きる事を諦めてほしくない――生き残るのが難しいなら、私が何度だってチャンスを作る”
”だから”
”どんなに辛い事があっても、絶望したくなっても”
”ホシノ、君自身をどうか諦めないでほしい” - 158二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 23:39:03
想い人にここまで言ってもらえるとかホシノの脳がまた焼かれちゃう…！
- 159◆h7498AeeJc25/03/05(水) 23:52:18
「……エゴだよそれは」
”そうかもしれないね。ホシノに死んでほしくないという私のエゴだ”
困ったようにホシノが先生を見上げる。
「それに、ユメ先輩やシロコちゃんたちは私を許そうとしちゃうと思う。
それはやっぱり、違うんだよ。
さっきの子が向き合っているように、私の罪をなぁなぁにはしちゃダメなんだ」
”自分の中だけではダメなんだね？”
「うん……」
沈黙が、しばし漂い、考えて込んでいた先生がやがて口を開く。
”……それなら、ホシノは彼にも会った方が良いだろうね”
彼、というのが誰なのかはホシノにも察しがついた。
ホシノの意識に触れた中で残るのはもう彼と彼女しかいないのだから。
”だけどホシノ、最後にもう一つだけ覚えていてほしい”
”私は、ホシノがもし自分の罪の重さに潰れそうになった時は私も共に背負うよ”
「それは、大人として？」
”それは……” - 160二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 23:56:04
彼…って事はもしや…？
- 161◆h7498AeeJc25/03/05(水) 23:58:09
最後に先生が告げた言葉を胸にしまい込み、ホシノは一人で来るべき人を待つ。
気がつけば教室は消え、見渡す限りの白い空間がそこに広がっていた。
心は思ったより落ち着いている。
もうさっきまでのように逃げたくなる事も、死にたくなる事もなかった。
ただ裁きを待つように、その足音が止まるのを待つ。
――遅くなったかな？
「いいや、私もさっき心が決まった所だよ」
アズールレーンの指揮官。
梔子ユメの夫がそこにいた。 - 162◆h7498AeeJc25/03/06(木) 00:00:52
という所で今日はここまでです。長時間お付き合いいただきありがとうございました。
先生が何としてホシノの罪の事を背負うと言ったのかはホシノと先生だけしか知らないという事で。
次回は彼、そして彼女です。 - 163二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 00:02:08
先生といいプレ先といい生徒の罪背負い過ぎ
- 164二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 00:15:39
>>159のホシノの表情的に最後のセリフは大人としてではなさそう
- 165二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 00:17:43
乙です～良いシリアスだ…
- 166二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 07:10:44
何気にホシノと指揮官の顔合わせって始めてなのか？これ？（番外編〜今回の間に会ってるかもしれないけれど）
- 167二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 07:17:23
マルコの時はホシノが通話が終わるまで隠れているから会ってない
先生と指揮官は何度か打ち合わせをしているみたいだから会っているならその時かな - 168◆h7498AeeJc25/03/06(木) 07:40:18
おはようございます。昨日はお疲れ様でした。
ホシノと指揮官は
dice1d3=3 (3)
１：顔を合わせるのはこれがはじめて（ホシノが避けていた）
２：顔を合わせるのはこれがはじめて（たまたま間が悪かった）
３：先生と指揮官が打ち合わせする際に立ち会って何度か
- 169◆h7498AeeJc25/03/06(木) 07:41:42
本当にこの一件がなければ普通だったんじゃないでしょうか？
ではまた今晩。 - 170二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 10:08:05
治りかけてた傷口を無理やり穿り返されたようなものだからね…
- 171◆h7498AeeJc25/03/06(木) 19:08:18
こんばんは。とうとうアンカレッジの交流宿舎が追加されましたが……
やっぱりいけないんじゃないですかねコレ。
今晩も２１時頃から進める予定です。 - 172二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 20:03:49
- 173二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 20:05:53
- 174二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 20:34:50
- 175二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 20:45:42
あれ？もう次スレ立ってる？
- 176◆h7498AeeJc25/03/06(木) 20:46:10
- 177◆3VfVlGQ7QQC125/03/06(木) 20:49:41
- 178◆h7498AeeJc25/03/06(木) 21:00:10
なるほど、大分らしい感じですね。
--------------------------
見渡す限りの白の中で二人は向かい合った。
過去と現在、一年と四年。
梔子ユメの隣にいた二人だ。
――こうして面と向かって二人で話すのは初めてかな。
「そうだね。大抵、ユメ先輩か先生が一緒だったから」
先生と指揮官の打ち合わせに同席した事はあれど、こうして話す事はなかった。
「今だから言えるけどね」
ホシノが指揮官を見上げて言葉を紡ぐ。
指揮官の背丈はユメよりほんの少しだけ低い。
「私は君に嫉妬していたよ」 - 179二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 21:13:02
それはそう
異世界転生したとはいえ大体守ってるし守られてる関係
ＫＡＮ-ＳＥＮとしてこっちに来ちゃうと君も指輪するんじゃないかな……いや、やったらやったでめんどくさいな - 180◆h7498AeeJc25/03/06(木) 21:13:15
そう己の闇を打ち明けるホシノの瞳に、言の葉ほどの揺らぎはない。
――そんな気はしていた。
そう頷く指揮官を見て苦笑を浮かべる。
「ユメ先輩の命も、心も救って、人としての幸せも与えてくれた。
どうして私には助けられなかったのに、って何度も思った」
己の醜さを吐き出すも、もう震えはなかった。
「羨ましかった。私は一年にも満たない思い出しかないのに、君は四年もユメ先輩と共にいた思い出がある事が。
私の知らないユメ先輩を知っている事が、本当に羨ましかったんだ」 - 181◆h7498AeeJc25/03/06(木) 21:25:28
――私、いや、僕は。
ホシノの言葉を聞いて指揮官が頬をかきながら口を開く。
――君と僕は似た者同士だと思っていた。
「……へ？」
――さっきまで君の記憶を見ていて改めて思ったのだけれど、君、ユメちゃんの事好きすぎるだろう？
「うへ……そうだけどさ」
――まぁユメちゃんの事を一番好きなのは僕だけど。
「自分で言うかな、ソレ」
――言うよ、僕の奥さんだからね。
ジト目になるホシノに微笑みながら指揮官は続ける。
――だけど……君がどれだけユメちゃんの事を大事に思っていてくれたのかも改めて気付かされた。
――君が居なければ、きっとユメちゃんは何も無くなったアビドスに来ていたはずだ。
――だからお互いユメちゃんが好きな、似た者同士だと勝手に思っていたよ。 - 182二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 21:28:18
ホシノが居なかったらしばらく頑張って、そしてからどこかへ転校しつつ学校畳んでただろうからな
オシリスではなくクレオパトラのように - 183◆h7498AeeJc25/03/06(木) 21:30:39
>>177のトリップは #１尊敬２嫉妬３同類意識 でした。
--------------
――だからこそ、彼女の夫として君に伝えよう。
そう言って指揮官は真剣な目でホシノを見る。
――僕は忘れない。
――君が故意でなくとも、ユメちゃんを手に掛けそうになった事を。
――ユメちゃんを傷つけてしまった事を。
――僕はずっと忘れない。
――例えユメちゃん自身が、君を赦してもね。
- 184二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 21:32:24
先生ならともかく指揮官ならそうだろうな
- 185二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 21:34:32
ホシノは誰かに罰して欲しかったんだなって
自罰を続けるっていうのは償うより疲れるし辛い事だから - 186二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 21:42:05
無条件で許されるのって、一番尊厳も心も苦しいからな
自分で自分を罰するしかなくなるし逃げ道がなくなる - 187◆h7498AeeJc25/03/06(木) 21:44:03
それはホシノの過ちを覚えているという事。
誰が赦しても、ホシノの罪を覚えているという事。
だが、しかし――
「赦さない、じゃないの？」
ホシノにあったのは戸惑いだった。
大切な人を傷つけられたのだから、そうあるべきではないのかと。
だが指揮官はそれに怒るでもなく苦笑して告げる。
――君の故意でないものを、僕も君も赦せないのは重すぎる。
――だから忘れないだけだ。
――君の過ちも、それに抱いた呵責も、罪を贖おうとする心もね。 - 188◆h7498AeeJc25/03/06(木) 21:52:32
――さて、僕からはここまでだ。
――僕は君の罪を忘れず、彼は君がその罪に潰されそうなら共に背負う事にした。
――だから、後は彼女に会うだけだ。
その言葉と共に何もなかったはずの其処に、一つの扉がいつの間にか立っていた。
扉の向こうから届く匂いも、風の音も、ホシノにとっては見知ったモノだ。
――どうか安心させてやって欲しい。本当に心配していたからね。
そう言って指揮官はホシノを扉の方へと押し出した。 - 189◆h7498AeeJc25/03/06(木) 21:58:10
そしてホシノは扉へと手をかけた。
扉の隙間から差す光も、聞こえてくる風の音も、灼けた砂の匂いも、覚えている。
ホシノは扉を開け、その向こうへと足を踏み出し……。 - 190◆h7498AeeJc25/03/06(木) 22:01:27
払暁の光に照らされた屋上。
そこで、彼女は待っていた。 - 191◆h7498AeeJc25/03/06(木) 22:09:53
「ユメ、先輩」
見慣れた姿、ではない。
あの時はあった火傷の跡こそ残っていないが、胸の辺りには包帯が巻かれて血が滲んでいる。
その姿に躊躇するも、ゆっくりとホシノは歩みを進め、ユメの前に立った。
無言でユメがホシノを抱きとめ、ゆっくりと打つ鼓動がホシノの耳に聞こえる。
「ホシノちゃん。私、ちゃんと生きてるよ」
その言葉にホシノの眼が潤んだ。 - 192◆h7498AeeJc25/03/06(木) 22:16:40
「ごめんなさい」
その言葉と共にホシノは泣いた。
己がユメにしてしまった事への謝罪が、涙と共に堰き止めていたものが溢れていく。
宥めるようにユメの手がホシノの頭を撫で、その感触に更に涙と嗚咽が溢れる。
「私が生きているのは、ホシノちゃんのおかげでもあるんだよ」
そう告げるユメの声はひどく優しい。 - 193◆h7498AeeJc25/03/06(木) 22:21:08
ユメの身体を治療したヴェスタルと明石曰く、
ホシノの撃った銃弾はユメの胸を穿てど、急所を避けていたらしい。
それがたまたま運が良かったとは、ホシノの腕を知るユメは思わなかった。
あの艤装を排されたあの瞬間、僅かにでもホシノはその照準をズラしたのだと。 - 194◆h7498AeeJc25/03/06(木) 22:32:17
「そして、ありがとう。私の事をあんなに大切に思っていてくれて」
ユメと初めて出会った時、ユメと共にいた時、ユメを失った時、そしてユメを失った後、
ホシノがどれだけの思いを抱えていたのか。
彼女の意識に触れてユメもまたそれを知ったから。
「私からも伝えたい事がいっぱいあるの」
ユメにとってホシノの存在がどれほど救いになったか。
一人ではきっとユメは心折れていた。
そうでなくても、遅かれ早かれ誰かの悪意によって道が閉ざされていただろう。
人は一人で生きるのは難しい。
喜びを共にし、哀しみを分かち合い、そうして楽しんでいくのが青春だ。
小鳥遊ホシノが居てくれたから、あの時の梔子ユメもまた救われていたのだとユメは告げる。 - 195◆h7498AeeJc25/03/06(木) 22:42:43
だから……
「私は赦したい」
「ホシノちゃんが今自分を赦せなくても、いつか赦せる日が来るように」
「そして帰ろう、ホシノちゃん」
「皆の居る、アビドスへ」
その言葉と共に夜明けの色が世界を、ホシノの深層意識を満たしていった――。 - 196◆h7498AeeJc25/03/06(木) 22:43:06
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- 197二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:45:20
帰ってこい
帰ってこいよホシノ - 198二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:48:02
ウメ先輩
- 199二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:54:47
埋め
- 200二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:55:03
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