- 1二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:48:37
- 2二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:53:58
プロデューサーが車に轢かれた
今日は私の冗談を珍しく受けたプロデューサーとのデートのはずだった
私たちはある交差点で待ち合わせをしていた
現地集合っていつもの無茶をするべきじゃなかった
プロデューサーは私が目に入ると駆けてきた
でもその信号は赤だった - 3二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:54:03
最近純粋なSSスレが勢いを取り戻してきて嬉しい
- 4二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 17:57:44
スレタイトルとスレ画の落差がやばい
- 5二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:05:54
もっと前から気付くべきだった
私が武道館ライブをしたいと無茶をいいプロデューサーはいつものように
P「は?あなたがですか?できるわけないじゃないですか。
冗談も大概にしてください」
そうプロデューサーはため息をつき少し軽蔑した目で私を見ていた
でも私は知ってたんだ
裏で色々根回しして何とかライブを漕ぎつけようとしていたのを
そこからプロデューサーの体調は少しずつ悪くなっていった
過労に次ぐ不眠、不眠に次ぐ過労
それだけじゃない様々な人と関わるプロデューサーの精神的ストレスは
私が想像できるものじゃないと思う
そうしてプロデューサーの体は蝕まれていった - 6二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:16:38
今、目の前でプロデューサーが寝ている
手術で助かる状況ではなく色んな機械で延命している状況みたい
私の中でどれだけプロデューサーの存在が大きかったかが分かる
心にぽっかり穴が開いて色んな感情がぐるぐる回って
広「ごめんね…プロデューサー…泣きたいのに泣け…ない…よ」
私のせいでプロデューサーは…でもきっとプロデューサーはこんな考え方するなって怒りそう
学校の関係者の人がいっぱい来た時、佑芽と千奈と美鈴が来てくれた
最後の時まで一番そばにいてあげてって言われたけど
今までのどのトレーニングよりも辛い - 7二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:23:45
プロデューサーは私が後を追うなんて言ったら起きてくれないかな
広「プロデューサーがこのまま死んじゃったら私も一緒に行く…ね」
P「馬鹿なことを…言わないでください」
広「え?プロデューサー本当に起きたの?」
P「起きた、と言ってももう長くはないようですが」
広「そう…なんだ。」
P「このまま死ぬのもいいですが少し話しましょう」 - 8二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:37:09
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- 9二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:37:50
P「本当に俺が死んでも後を追わないでくださいよ」
広「その保証は出来ない」
P「そんな堂々と言わないでください。正気ですか?」
広「正気だよ。だって私はプロデューサーがいないとアイドル活動なんてできないから」
P「だからそんな堂々と言わないでください。」
プロデューサーがため息をついて頭を抱えてる
いつもの感じ、無意識に口がゆるんでいた
P「やっと笑いましたね」
広「プロデューサーそんなイケメンな台詞言うんだ」
P「なんとでも言ってください。これでも一応プロデューサーなんです。
担当アイドルが心配なのは当然です」 - 10二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:58:43
そうして他愛もない話を続ける
そのうちに心が軽くなっていった
プロデューサーはすごい
私が困っていたり求めればすぐに解決してしまう
P「どうですか?楽になりましたか?」
広「うん。ものすごくなった」 - 11二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 18:59:41
P「最後に俺らしくない事を言ってもいいですか」
広「うん。いい…よ」
P「広さんを残して逝くのはすごく心配です。
これからどうやっていくのかが全く想像もできません。」
広「そうだね。私もできない」
P「ですがそんなあなたに一つ約束させてください。
無茶をせず楽しんで幸せになって死なずにトップアイドルになってください」
広「全然一つじゃないんだね。いいよ。全部約束。」
P「ありがとうございます。これで安心して逝けます」
広「大丈夫。もしプロデューサーに会いたくなった時はタイムマシン作るから」
P「本当に作りそうなんでやめてください」
広「むしろ今から時を止める装置を作ればプロデューサー死なずに済むね」
P「本当にやめてください。遺言のようなことを言った後に生かそうとしないでください。
後それなら止まった時の中で俺、死ぬと思うんですけど」
広「なら物体の時も止めれば」
P「それなら俺が動けません。」
広「八方塞がりだね」
P「元からどこへもいけませんよ」 - 12二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:25:02
このレスは削除されています
- 13二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:26:09
P「とりあえずよかったです。広さんが何の感情もない人形のようになっていたので心配しましたがすっかり笑えていますね」
広「ありがとう。プロデューサー」
P「担当アイドルが笑って看取ってくれるなんていい気分ですね」
心電図の音が遅くなっていく。もう終わりが近いらしい。心電図の音一音一音がまた私を暗闇に引きずり戻してくる。
広「もう…お別れ…だね…」
今まで気づかなかった、気付かないようにしていた感情がすべてを飲み込んで行く
目から大粒の涙がこぼれていく。落ちていく涙に今までの光景が映る。
広「プロデューサー…死んじゃうの?」
P「広さん、上から見守っていますよ。」
広「……」
声にならなかった。最後にいつも軽はずみに言っていた言葉が出せなかった。好き、そう言おうと思ったのに。
心電図の音が部屋に響く。ほかに何も聞こえない。少しだが人のぬくもりを感じられてた手が冷たくなる。
プロデューサーという人がいなくなるのを感じる。部屋にその人はいるのにその人はいない。
広「やっぱり…私…プロデューサーがいないと…」 - 14二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:46:27
私は弱かった。プロデューサーが死んでから二か月部屋から出ていない。よく佑芽や千奈とかが来てるみたいだけど顔を合わせる元気がない。ただでさえ細かった体がもっと細くなっちゃった。プロデューサー、私、約束守れるかな。
今日も何も考えずに生きる。
広「ファンの子達は、どうなったんだろう」
スマホに手を伸ばす。
そこには眩し過ぎるほどのファンの声があった
「この度は、心からお悔やみ申し上げます。それでも負けないで!」
「頑張って!また会えることを楽しみにしています」
「いつまでも待ってます!」
「死なないで。広さん」
「広様。待ってるぜ。」
ふふ、餃子がいる。なんで。
久しぶりに笑えた。ファンの光に当てられて心が照らされていく。
プロデューサー私もう少し頑張れそう - 15二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 19:56:00
私が冗談で言った武道館LIVEが目の前にある
まさか自分の力でいけるとは。プロデューサーびっくりしちゃう…ね。
復帰を始めた最初はまさに地獄だった。体が全く言うことを聞かなくて、復帰LIVEまでに一年半かかっちゃった
プロデューサーとの日々を思い出しちゃうね。
上から見守ってくれてるんだよね。ならしっかりペンライト持ってみてて…ね。
ステージまでの足取りが今までで一番軽かった。
プロデューサー、やっぱり私の事、好き過ぎ - 16二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:06:02
このレスは削除されています
- 17二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:06:17
武道館LIVEも大成功しアイドルの篠澤 広は世界に羽ばたいた。
「天女!篠澤!広!」
「God birthed the hiro shinosawa!!!」
「سأحبها حتى لو كان العالم ضدها.」
こうして名実共にトップアイドルとなった。
広「アイドルという仕事には安定など存在しない。
でも今の私を見たらプロデューサーはなんていうかな」
~~~~~~~~~~
P「あなたは広さん?」
広「正解。会いたくなったから会いに来ちゃった」
────────
終わりです。 - 18二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:44:03
いい………
夜にいいものを見せてもらった。ありがとう。 - 19二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 01:38:58
- 20二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 08:00:28
悲しいけどいいね、こういうのも
これスレ画あれか、お空にいくって意味か…