アーモンドアイって

  • 1二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:37:52

    「トレーナー、私とキスして」
    「・・・は?」
    とある日の午後、担当ウマ娘のアーモンドアイは、トレーナー室に入るなり耳を疑うようなことを言い出した。
    「だから、私とキスして。ただ唇を合わせるだけじゃないわ。ちゃんと舌も絡めるの。お互いの口の中を、唾液で滑った舌で舐め回して、お互いの唾液を飲ませあー」
    「待って待って待って。そんな詳細な解説を聞きたいんじゃなくてだな。」
    「あら、ちゃんと聞こえてたんじゃない。」
    「聞こえてたとしても、突然すぎて意味が分からん・・・」
    アーモンドアイ・・・負けず嫌いを絵に描いたというか、9乗したんじゃないかというぐらい他者に遅れをとることを嫌う彼女は、時折こんな突拍子もないことを言い出す。今度は誰と何を張り合ったのやら・・・この前は胸のサイズが負けたといって、俺に胸を揉ませようとしてきた・・・いや、発育がよろしいこって・・・じゃなくてだなっ
    「今度は何があったんだ?」
    「そうね・・・」
    アイは、少し悩むようなそぶりをみせた後、こう続けた。
    「競いたい・・・というか、負けたくない相手が出来たの」
    「・・・それはいつも通りな気がするが・・・またどうして?」
    「この前、体育で模擬レースをやったのよ。」
    「うんうん、それで?」
    「そのレースで・・・1バ身差で負けたの・・・ララに・・・っ」
    「へぇ・・・あのアイが1バ身差で・・・」
    俺は素直に驚いた。

    ララ・・・ラッキーライラックは優しい口調の関西弁でおおらかに話すウマ娘であり、アイの良きライバルだ。
    彼女らは常に張り合い、讃えあい、切磋琢磨してきた。その戦いの多くは、アイが勝利を納めてきた。
    しかしそのライバルに遅れをとり、1バ身差敗北してしまったという。
    「それで、いつもの負けず嫌いが発動したと。」
    「ええ、そうよ。」
    「・・・それとキスになんの関係があるんだ?」
    なんも関係あらへんやろ・・・?
    「ララが勝った後、なんていったと思う?」
    「・・・彼女はなんと?」
    「・・・『愛の勝利』って言ったのよ。意味がわからなくて聞いたら、彼女の勝因は『どれだけトレーナーを想ったか』なんですって。『愛するトレーナーにいついかなる時でも勝利を届ける執念・・・愛の重さが、私には足りなかった』って・・・。」
    「は、はぁ」

  • 2二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:40:22

    「たぶん、ラヴズさんの入れ知恵なんでしょうね。あのララがそんなこと言うはずはないもの。でも、負けは負け。確かに私は負けてしまったわ。だから、次は絶対に勝つの。そのために、ララより愛が大きいんだってことを証明するのよ。」
    「それがキスしろ、と」
    「えぇ」
    当然、と言わんばかりのドヤ顔でアイが胸を張る。それに合わせて形がよく張りのある双丘がぷるんと波打った。
    「いやいやいや・・・」
    俺は目を逸らすように後退りながら手を振って拒否の姿勢を示す。
    いやいや、冗談じゃない。トレーナーと担当バはいわば教師と教え子のような関係だ。胸を揉むのもやばいというのに、キスをしろと?舌を入れろと?
    付き合ってもいない男女がやるべきでない上に、そもそも俺たちはそういう関係になっちゃいけない。

    「・・・そんなにイヤ?私じゃダメなの?」
    アイが一番星のように輝く瞳で俺を上目遣いに見つめてくる。身長差で自然にそうなるとはいえ、破壊力が高すぎる。
    ただでさえ美少女なアイにそれをやられてはたまらない。
    「い、いやとか、そういう話じゃなくてだな・・」
    「イヤじゃないのよね?じゃあいいじゃない」
    彼女はさらにずいっと身を寄せ、俺の胴を抱き込む。胸が俺の腹部との間で潰れ、モニュモニュと形を変える。その柔らかい感触、そしてアイの髪の毛から漂ってくる甘い香りに、理性がガリガリと削れてくる。
    「いや、でも、その、な?ほら・・・俺たち、トレーナーと担当バだろ?」
    「・・・そうね。」
    アイが急にしおらしくなる。
    「だから・・・そういうのはさっ!?」
    説得のために目線を合わせようと屈んだーはずなのだが、視界が急転して俺は天井・・・ではなく、担当バの瞳を視界いっぱいに見ていた。
    遅れてやってきた背中や肘の鈍痛から、床に押し倒されたことを理解する。頭の方はアイが床と俺の後頭部の間に手を滑らせて守ってくれたようだが。
    「アイっ、お前何してっ・・・!」
    「・・・トレーナーと担当バだから、ダメなのよね?」
    アイのガラスのように透き通った瞳が俺の目をまっすぐと見つめてくる。いつものふざけた感じとは違う、真剣なまなざしだ。
    だがその眼は、獲物を狙う狩人のように鋭く光っている。
    「おい!ふざけるのもいい加減にー」
    「ふざけてなんかいないわ」
    少し怒気を孕んだ声とともに、彼女の目がさらにギラリと光る。

  • 3二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:40:35

    「私は本気よ・・・。トレーナーに対する愛情なら誰にだって絶対負けない。私はトレーナーをこの世の何よりも好きだもの。トレーナーの全てが好きなんだもの。だから、私が負けるはずがない・・・。でもあの時敗北したのは確かな現実。それは、私がもっともっと貴方を愛せる余地があるということ。だから、まずは手始めに・・・キスから入ろうとしたのよ。」
    「いや、でもな・・・?」
    「ねぇトレーナー、私ね?『愛』っていうのを少し誤解してたかもしれない。ただ私の中だけで『好き』の気持ちを秘めて、貴方のためにできることをして、助け合って笑い合って・・・それだけじゃない。もちろんそれも『愛』の一部なんだろうけど、それだけでは『愛してる』って言えないわよね?」
    「あ、あぁ・・・そうかもな?」
    「ーーー『愛』は『つくって』・・・『育む』ものよね?」
    アイが首を傾けて俺に顔を近づける。そしてそのまま俺の左頬に唇を触れさせた。
    「・・・っ!」
    一瞬の柔らかな感触と暖かさに、言葉を失ってしまう。そんな俺を慈しむような目で見つめるアイが直視できず、俺は思わず視線を反らした。
    「ふふっ・・・私は貴方を愛してるわ。この世界の誰よりも、ね?だから、貴方のことならなんでも分かるし、貴方が喜ぶことも、嫌がることも、全部ぜーんぶわかってるんだから。」
    アイは顔を離すと、俺の頭をゆっくりと撫でた。
    「・・・っ!」
    「あら?トレーナーったら顔が真っ赤よ?」
    「あ、あぁ・・・」
    俺は今どんな顔をしてるんだろうか。きっと耳まで真っ赤になっているに違いない。そしてそんな俺を見下ろすアイの顔も、どこか上気したように見える。
    「ふふっ・・・そうよね、貴方は『愛』に慣れていないものね?大丈夫よ、私が教えてあげる」
    アイがゆっくりと俺に覆い被さり、耳元で囁く。
    「・・・どんな貴方でも愛してるってね」
    そうして俺の顔を彼女の両手で優しく包み込み、再び顔を近づけてきた。

  • 4二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:41:49

    という感じでしっとりしつつも臆せず迫ってくる感じのSSを誰か書いてくれたらいいなって思いました。
    んじゃ

  • 5二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:42:28

    ここの間に吾輩が挟まると…?

  • 6二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:43:27

    >>4

    あーわかります

    こういうss誰か書いて欲しいですよね

    いや、ありますねぇ⁉︎

  • 7二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:43:50

    >>5

    挟まれることも無く消滅する…

  • 8二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:44:12

    もうお出しされていたという

  • 9二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:44:48

    >>7

    ドジャァァァァン!!

  • 10二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:45:11

    お客様持ち込むなら食材にしてください
    調理済みをお出しされたら商売あがっちまいまさぁ

  • 11二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:45:17

    帰るな責任を取って責任を取れ

  • 12二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:45:18

    なんかこの前もいなかったか?
    誰よりも美味しい料理を自分で作って出してきながらこれをくださいと注文してきた謎の男…

  • 13二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:46:03

    これはマスクド三冠牝バと接触しましたね…

  • 14二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:47:23

    つよつよアイはいいぞ

  • 15二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 21:12:47

    「ちょ、ちょっと待ってくれ、アイ!」
    俺は咄嗟に彼女の肩を押しとどめる。頬に残る彼女の温もり、甘く囁かれる言葉、そして今にも触れそうな距離にある唇——心臓が爆発しそうだ。だが、ここで流されるわけにはいかない。
    「・・・待つ理由なんてある?」
    「いや、待てって…! そもそもさ、その『愛の重さ』とキスの関係がいまいち理解できないんだが・・・?」
    「ふふっ、トレーナーってば・・・本当に鈍いのね。」
    彼女はクスリと笑いながら、俺の手をそっと握り———そのまま自身の赤らんだ頬へと導いた。目を細め、気持ちよさそうに頬擦りする様子が、余計に心臓に悪い。
    「私はね、トレーナーとの距離をもっと縮めたいの。心だけじゃなくて・・・身体でもね。」
    「・・・・・・っ!」
    アイの真っ直ぐな瞳が俺を射抜く。———冗談ではない、本気だ。
    「トレーナーだって私のこと、好きでしょ?」
    「それは・・・」
    言葉に詰まる。俺は確かにアイのことを大切に思っている。彼女の努力を誰よりも近くで見てきたし、彼女の勝利を願い、支えてきたつもりだ。
    その原動力には、確かに好きの気持ちはあっただろう。だが、あくまで担当ウマ娘の一人として、のはずだ。
    でも、それが彼女のいう『好き』という感情のことなのか。それに直結することなのか——自分でもはっきりとわからない。
    アイはそんな俺の戸惑いを見透かしたように、再び微笑んだ。
    「答えなんて今すぐ出さなくてもいいわ。でもね、はっきり伝えておく。・・・私はもう決めたの。貴方と絶対に一緒になるって。貴方と一生を共に歩むって。私はトレーナーを誰よりも好きで、愛してるから。そして、この気持ちは誰にだって負けない。その自信があるわ。」
    「・・・・・・アイ・・・」
    「そして、私がこの世で一番愛してる人に、キスをしたい。そしてこの愛を、私の覚悟を示したい。・・・それが理由。」
    妖艶に、かつ真剣な眼差しで俺を見つめ、そう言い切る彼女。
    だがそれも束の間、頬擦りをやめたかと思えば、突然俺の手をその胸に抱き込んだ。
    俺の手が“双方”からむにゅりと圧迫され、俺の心臓が一際うるさい爆音を鳴らした。
    「・・・トレーナーが嫌なら、やめる。でも、少しでも私のことを受け入れてくれるなら——」
    不安そうに眉尻を下げたアイはそっと目を閉じ、再び俺に顔を近づけ、そのまま動かない。

    俺は、どうすればいい——?

  • 16二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 21:14:13

    ちょっとだけ続き(???)を書きました。
    それはそうとガチャ回してなかったんで行ってきm

  • 17二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 22:37:05

    文豪だ!囲え〜!!逃がすな!!!

  • 18二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 01:34:02

    誰か続き書いてクレメンス

  • 19二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 09:54:44

    ありがてえ

  • 20二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 11:21:14

    みなさん反応ありがとうございます。1とか15とかの人です。
    SSなんて生まれてこの方書いたことないので、伝わってるのか変じゃないか不安で夜は眠れてます。
    というわけで真の文豪がきっとこの物語を繋いでくれたり繋いでくれなかったりすることを信じて

    あ、ガチャ回してくるのであでゅー

  • 21二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 21:23:53

    >>20

    今回は素晴らしいssをありがとうございました!

  • 22二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:27:54

    前見かけたのも同じ人なら俺は今回”も”感謝ってことになる

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