プロデューサーの愛は重ければ重い方がいい

  • 1二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:48:00

    プロデューサーとアイドルが恋人になったとして、その時プロデューサーの愛は重ければ重い方がいいと思うのです。

    アイドルのことを独占欲に駆り立てられるまま貪り尽くして、アイドルはアイドルでそれが満更でもなくて逆に心地よいが為にもっともっとと食べられるのを待っている・・・・そんなSSなり概念が欲しいです。僕は文才無いしもう寝るので、どうかください、お願いします。

  • 2二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:50:48

    当店セルフサービスとなっております

  • 3二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:51:14

    文才の無さを言い訳にするな定期

  • 4二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:51:15

    お前が始めた物語だろ

  • 5二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:52:24

    それはもうプロデューサーとして破綻してるから物語の開始に立てないか、途中離脱しかないんじゃないか?

  • 6二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 22:57:52

    >>5

    アイドルと2人っきりの部屋、アイドルとプロデューサーという肩書きを全てかなぐり捨てて貪り合う2人でしか取れない栄養素がある。

    プロデューサーはプロデューサーとしての自分と独占欲の塊の自分、どちらを取るべきなのは分かっているけど、アイドルの「素直になっていいんですよ……♡」って囁きで理性が崩壊するんだ……俺は詳しいんだ

  • 7二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 23:03:51

    愛が重ければ重いほど逆に手出さなくなるんじゃないでしょうか

  • 8二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 23:12:29

    >>6

    本当にすまない。否定とかではないんだけど、それならプロデューサーじゃなくて、普通に恋人を用意してアイドルとして頑張っている彼女を応援したい、でも俺だけのものにしたいって悩めばいいんじゃないか?

  • 9二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 23:30:29

    >>8

    違うんだ。プロデューサーという唯一無二の肩書きがアイドルにとっても自分にとっても最高のスパイスになるんだよ。自分の持つ責任やらなんやらを全部かなぐり捨てでも愛したい、独占したいという葛藤は美しいんだ

  • 10二次元好きの匿名さん25/03/06(木) 23:36:11

    そこまで自分の中に”芯”があるなら書けるさ。誰もそれを止めようとしない。もし馬鹿にされるようなことがあればそいつの住所特定して書かせるから

  • 11二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:19:08

    >>9

    なるほど、そういうことか

    俺にはピンと来ないけどそれだけ溢れる思いがあるならきっと良いものが書けるよ。応援してるぜ

  • 12二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:37:51

    なんか主と間違えられてて草。俺は主ちゃうぞ

  • 13二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 00:44:52

    >>6

    こういう展開を普通に書くとR指定になるなら安易に書けないんだよ


    学P「清夏さんはアイドルですからこういう行為(キス)をしては……」

    清夏「別に良いじゃん、今は私とPっちしか居ないんだし。……それとも私のこと嫌いだった?」

    学P「いえ嫌いと言う訳では!むしろ、その……好きと言いますか」

    清夏「その好きはどっちの好き?アイドルとして?それとも一人の女性として?」

    学P「…………僕は一人の女性として清夏さんの事が好きです。誰にも渡したくはないほどに」

    清夏「それじゃあ、キスしよ。キ・ス♡」

    学P「でも僕は貴方のPですからそういうのは今後の事に悪影響をするといいますか……」

    清夏「じゃあ、Pっちは他の男に私を盗られてもいいんだ?」

    学P「ッ!?それだけは!!」

    清夏「だったらさ、もうシちゃおう♡私が他の男に取られちゃう前に」

    学P「ですが……ですが……」

    清夏「それじゃあ、全部のお酒の所為にしちゃお。そうしたらPっちは何も悪くないから。全部お酒の所為だから」

    学P「うぁ………」

    清夏「今日は"安全日"だから私をPっち色に全部染めて」

    学P「清夏さん!清夏さん清夏さん!!誰にも渡さない!絶対に渡さない!!好きだ、愛してる清夏!!」

    清夏「私も愛してるのPっち♡」

  • 14二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 01:12:51

    スレ主さんよ解釈違いと推しキャラ違いだったらごめんな書いてくれた要望をできるだけ汲んで書くよ

    1/2

    LIVE会場から鳴りやまない歓声が聞こえる。なぜなら彼女は世界一可愛いからだ。
    そう今会場で輝いているアイドルは藤田ことね。俺の担当アイドルだ。
    彼女の天性の可愛さに加え圧倒的なファンサを武器にファンを伸ばしてきた。そしてNIAを経てより一層世界に名を轟かせた。でも最近気になることがある。
    「ことねさん。最近度が過ぎたファンサが増えてきてませんか」
    二人しかいない部屋で声が響く
    「ど~したんですか?そんなに怒って」
    「怒ってませんよ」
    「怒ってますよ絶対。そんなに身を乗り出して言ってるじゃないですか」
    「いえ。度が過ぎたファンサはあなたのブランディングが」
    「そんなこと言って~実は嫉妬してるんじゃないですか?」
    「してません」
    「大丈夫ですよ~。心配しなくても私はプロデューサーしか見てませんから。なんてったって愛しの彼氏さんですから」
    そう俺たちは付き合っている。NIAを乗り越える過程でことねさんが想いを打ち明けてくれた。そこから周りには隠して付き合っている。
    「分かりました。今回は目を瞑ります。これからは気を付けてくださいね」
    そうはいったが気にならないと言えばうそになる。プロデューサーがこういうことを言うのはよくないとわかってはいる。でもなぜか気になってしまう。
    この時もう少しきつく言うべきだったかもしれない。
    この日を境にことねさんのファンサは過激になっていった。
    最初はハイタッチなど軽いものだったのに今日はハグまでも

  • 15二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 01:13:06

    2/2

    「ことねさん。どういうことですか」
    ことねさんを壁まで追い詰め少し声を荒げて問い詰めた。
    「えぇ~?何がですか?」
    彼女はいつもの声をだし上目ずかいで言う
    「ハグの事です」
    「あぁ~。あれもファンサのうちですよ~」
    「ハグがですか」
    「はぁまた嫉妬ですか~嫉妬深い人は嫌われますよぉ」
    「ッ!」
    この言葉が図星だった。彼女の肩を強くつかんでしまった
    「痛っ。プロデューサー?」
    「ごめんなさい。こんな事プロデューサーとして間違ってるということは分かっています。でも嫉妬ぐらいさせてください。」
    ことねさんがうっすらと笑ったような気がした。
    「いいですよ。私もプロデューサーの事を考えずにすみませんでした。」
    「分かってくれたなら大丈夫です」
    「じゃあ一つお願いしていいですか?私を彼氏持ちって自覚させてください」
    そういい目を閉じて唇を差し出してくる
    「んっこれでいいですか」
    「えぇ~頬っぺたじゃないですか」
    「さすがにこれは。俺たちはアイドルとプロd」
    「ここには私たちしかいませんよ♡」
    そう耳元で囁いてくる。この言葉で自分の中の何かが切れた。
    彼女の唇を奪い、手は彼女の胸へと伸ばし、もう一つの手は秘部へ。
    ここから先はよく覚えていない。ただ一つだけわかっていることは。
    もう彼女から抜け出せなくなった事だけだろう。

  • 161425/03/07(金) 01:36:33

    スレ主さん要望のキャラを言ってくれたらまた書くかもです

  • 17二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 08:28:20

    良きかな

  • 18二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 08:51:14

    おはようございます。
    マジ最高です、こういうのが見たかったんですよ。
    広とか手毬とかも見てみたいです・・・・・!!

  • 19二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 13:29:46

    どっかで披露した手毬看病に付け加えて。初めて3日しか経ってないし解釈違いがあっても許してくれ。ちまちま書く。

    「プロデューサー、たすけて」
    あのレッスンにはストイックな月村さんが時間になっても表れる気配がなかった為、探しに出かけようとした矢先にこれだ。素早くメッセージアプリを立ち上げ担当アイドルに様子を伺う。
    「月村さん何事ですか、今度は一体何をやらかしたんですか?」
    「風邪をひいちゃったのぉ……。ご飯も作れないし、誰もいなくて1人は寂しいからプロデューサーこっち来てぇ……。」
    いてもたってもいられず許可をとり女子寮の部屋へ向かう。ノックをしてから鍵を開け、部屋に入る。少し廊下を進み、個室のドアを開けると月村さんはベッドに横たわっていた。
    布団から顔だけを出し、赤らんだ頬。普段の凛々しさの中に残る幼さ、あどけなさの入り交じった可愛らしい顔が熱におかされ、赤らんでいる。
    「ぷろでゅーさー……。ごめん……。」
    「月村さん、無理して喋らなくて大丈夫です。」
    そう言いながらもしもに備えてあらゆる薬や体温計等も入っている応急プロデュースセットを鞄から取り出す。冷えピタを貼り、体温計を月村さんの脇にセットしてしばらく待つ。
    いつもの毒舌家ぶりはどこへやら、嫌味や抵抗もなくただただされるがままになっている担当アイドルを見て一層不安が募るのだった。
    しばらくしてピピッ、と電子音がなり、体温計を覗く。結果は38度7分。思っていたより高めの熱に、肝を冷やす。
    「……担当アイドルの体調を管理し万全以上のパフォーマンスを発揮させるのもプロデューサーの役目です。今回の事は俺にも落ち度がある。償いにせめてできるだけの看病はさせていただきます。」
    「月村さん、なにか今食べられるものはありますか?今すぐに食べられるものは飲むゼリーとアイスがありますが。おかゆやうどんも作りますよ?」
    「おうどん食べたい……。」
    「分かりました、暫くそこで待っていてくださいね。共用のキッチンを借りて作ってくるので。」
    プロデューサーたるもの万能の魔法使いであれ。料理もできるべきだと、あさり先生とのお弁当交換会で培われた技術に感謝しながらうどんを出汁と共に茹でる。
    大事なのはミスをしてもリカバリーしきること。そこにプロデューサーとしての専門性がある。
    だからこんなことでクヨクヨしている暇はない。

  • 201425/03/07(金) 14:31:45

    >>18

    広も手毬もムズイ…まぁ最後まで楽しんでくれよ


    1/2


    「プロデューサー!私に興味ないんでしょ!?」

    彼女は部屋に入ってくるとそう怒鳴り上げる。部屋に静寂が訪れる。彼女は少し泣きそうな顔をし肩を震わせて睨んでくる。全く何を言っているのかが分からなかった。でも彼女が暴走していることは分かる

    「落ち着いてください。月村さん何か誤解をしているのかもしれません」

    「誤解じゃありません!?だって私たち付き合ってから一か月なのにまだ何もしてないじゃないですか!?」

    「静かにしてください!まだ誰にも言ってないのに!」

    「静かにできません!?何かしてくれるまでもう止まりません!」

    「はぁこうなったら」

    彼女の頭に手をのせる。とても触り心地がよく気持ちのいい髪だ。

  • 211425/03/07(金) 14:32:04

    2/2

    「プロデューサー?」
    「すみません。これで許してくれませんか?俺とあなたは付き合っているからと言ってアイドルとプロデューサーなんです。俺だって我慢してます。」
    「そう、だったんだ。私も少しだけ」
    そういって彼女は優しい力で俺の胸に顔を沈める。柔らかく優しい匂いが俺の理性を狂わそうとしてくる。そして彼女の柔らかい感触が本能を刺激する。
    「月村さん…」
    「ごめんなさい。そんなに我慢していたなんて知らなくて。でも私はプロデューサーには我慢してほしくないかな…」
    月村手毬の拙くも優しい言葉が俺の理性を壊した。俺は彼女を強く抱き返し名前を呼ぶ。
    呼ばれた彼女はとてもうれしそうな顔で見上げてくる。それがまた俺の本能を強く揺らす。
    「月村さん…優しくはできそうにないです…」
    「いいよ…プロデューサーなら…」
    顔を赤らめながら彼女は言う。彼女の体は少し震えていた。無理もないどれだけすごいアイドルと言われても中身はまだきれいでか弱い乙女なのだから
    「本当に俺でいいんですか…」
    「プロデューサーが…いい…」
    ここは初星学園の一部屋だ。でも俺たちにそれは関係なかった。彼女の美しい髪、きれいな肌、少し火照った顔、引き込まれそうな瞳、これはすべて俺のものだ。誰にも渡さない。
    「プロデューサー…きて…」
    二人で愛を確かめ合った。俺はもう彼女を手放さないし手放せないだろう。
    「これからも支えさせてください。そして愛しています。手毬さん」
    「うん…よろしくね。○○○○さん」

    ○○は自分の名前でも入れて楽しんでくださいね。いらなかったらよろしくね。で止めてください

  • 22二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 14:49:13

    続きです。先達のことねと清夏に勝てる気がしないけど頑張る

    鍋の中で沸いた出汁の中で踊るうどんに後悔を見出しながら、それから目を逸らすため椀に盛る。
    部屋に戻ると月村さんはこちらの方に顔を向けて横になっているところだった。その姿にまるで主人の帰りを今か今かと待ちわびている犬のようだなと思いながら声をかける。
    「お待たせしました。お口に合うかどうかは分かりませんが食べてください。」
    「ありがと、ぷろでゅーさー……。いただきます。」
    そういってゆっくりと少しずつ食べはじめた彼女だったが、3口もしないうちに箸の進みが止まる。まさか美味しくなかったのだろうか。一応味見はしたのだが。
    「どうしました?箸の進みが止まっていますがお口に合わなかったでしょうか。」
    「あのね、冷まして食べさせて欲しいのぷろでゅーさー。」
    ​……先程の犬に加えてツバメの雛鳥が頭の中に思い浮かんだ。親鳥からの餌を待ち侘びて今か今かと口を開けているさまが。
    ​愛らしさ、庇護欲、魅惑的な顔、弱った雰囲気。混ざりあってカクテルパーティー。酒気にあてられクラクラと……。
    ​───────それはダメだ。俺は彼女のプロデューサーであり、トップアイドルになるという夢と契約を交わした中だ。こちらの都合で逸脱することなどあってはならない。かつてのユニットメンバーであり、月村さんの理解者からも託されたばかりではないか。疾く去れ。俺は契約を反故にするような嘘つきでは無い。なりたくもない。
    10秒程そうやって悩んでいたがこのままでは麺が伸びてしまうと思い切り上げ、彼女に向かいなおる。
    「……分かりました。ですが今回限りです、こんなこと。」
    「ありがとう、ぷろでゅーさー。美味しいよ。」
    そういって彼女の体温の上昇に伴って少し赤味がかり、白く柔らかい手から箸をとる。うどんを少々掴み、フー、フーと冷やしてから彼女の口元へと運んでゆく。
    ちゅる、ちゅると少しずつ啜って喉を通っていくうどんと月村さんの様子をお椀から立ち上る湯気越しに眺めていた。湯気が織り成す蜃気楼越しの彼女は蠱惑的で美しかった。他の何ものにも変え難いと思ってしまうほどに。秦谷さんや賀陽さんが世話を焼くのもわかる気がした。
    そうやって繰りかえていくうちにすっかり完食し、片付けもすませ、部屋の換気をするために窓を開けた。

  • 231425/03/07(金) 15:24:30

    >>18

    広だよ。楽しんでくれよ。


    「篠澤さん。これはどういうことですか」

    知らない部屋にいた。暗くて少し見えずらいがここにはベット、シャワー室などがありいわばラブホというところなのだろう。そして体は椅子に縛られていて身動きが取れない。

    「どう?驚いた?」

    「はい。胃に穴が開きそうです」

    「それはよかった。」

    「しかしなぜこんなことを」

    「ふふ~。私知ってるんだよ?私たちが付き合い始めてからプロデューサーが私との距離感に悩んでいる事。」

    「…悩んでません。」

    「嘘。私がアイドルとしてもっと羽ばたいてほしいと思っている反面、私を独占したいって思ってるんでしょ。」

    「……思ってません」

    「私は独占されてもいいのに。プロデューサーはそういう所しっかりしてるから我慢するもんね。だから今日はそのたがを私が外してあげる」

    「やめてください。あなたはいちアイドルという前にまだきれいな乙女です。いくら付き合っているからと言って無茶はするべきじゃないです」

    「ふ~ん頑張ってる女の子にそんなひどいこと言うんだ。」

  • 241425/03/07(金) 15:27:04

    おそらく怒らしてしまったのだろう。彼女は俺の服を無言で脱がす。彼女の柔い髪、優しく冷たい手、生暖かい吐息が肌で伝わってしまう。俺の理性が今までにないほど踏ん張っているのが分かる。それでも
    「ふふっ。体は反応してる…ね」
    「何をするつもりですか」
    「それはね…何もしないよ。」
    「は?」
    「この状態で私はプロデューサーに愛の告白をする。プロデューサーだけが愛してるなんて思ってたらお間違いだからね。」
    相変わらず彼女は何をしでかすかわからない。本当に彼女はこのまま私に愛を伝えてきた。
    「私はプロデューサーが好き。大好き。愛してる。いつも私の無茶を受け取ってくれるし跳ね返してもくれる。あなたの冷たく装っているけどその根っこの方にある優しさが好き。いつも否定だけで終わらず裏で考えてくれて実行もしてくれる。ふふっいい顔になってきた…ね。まだあるよ?顔も好き。体も好き。声も好き。手も好き。鎖骨も好き。髪も好き。瞳も好き。鼻も好き。首筋も好き。口も好き。耳もs」
    「もう…やめてください…」
    拷問だこれはもう
    「恥ずかしくて消えたくなります」
    「分かってくれた?私の愛」
    「篠沢さんの愛は分かりました。俺だって篠沢さんを幸せを共にしたい独り占めしたい共に苦難を分かち合いたいです。それでも」
    「その言葉が聞けただけでいいよ。プロデューサー…私にゆだねてもいいんだ…よ」
    この日まで俺は篠澤広という女性を分かった気でいた。はかなくも美しく神秘的でミステリアスな外見に刺激を欲し壁にぶち当たりに行くような性格。それだけではなかった。内側には年相応な乙女心と温かく安心して眠ってしまいたくなるような優しさ。
    「篠澤さん本当にいいんですか?」
    「もう…言いっていってるのに。後下の名前で呼んで」
    「…広さん愛しています。もう誰にも渡しません」
    「私も愛してるよ。それと安心してどこへも行かない…よ」
    広さんとのつながりが一層強まった気がする
    この日を境によく手をつなぐようになった
    手をつながれた広は眩しく笑っている

  • 25二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 18:48:27

    >>22の続き

    途中で体をふくのを手伝わされたりといろいろハプニングはあったが何とかつつがなく終わらせることができた。換気も済んだので窓を閉めて別れの言葉を告げ立ち去ろうとすると月村さんが俺の服をつかんできた。

    「ぷろでゅーさー、お願い。いかないで。」

    「どうしました月村さん。」

    「一人は嫌……美鈴に見られたらまた無限に甘やかされちゃうだろうし。何より寂しいの。だからお願い、眠るまでだけでもいいの、手を握ってそばにいてよ……。」

    「……このままでは俺が秦谷さん二号になってしまいそうですが分かりました。俺にできることであればなんでもします。俺はあなたのプロデューサーですから。」

    「ほんと?ありがとう、ぷろでゅーさー!」

    そういってほほ笑む彼女はまさにファム・ファタルといった感じであった。今この瞬間は俺に輝いてくれる一番星──プリマステラ。

    手を握り、一時間程たったぐらいであろうかすぅすぅとかわいらしい寝息が聞こえてきたのを確認してから俺は部屋を去った。机の上にゼリーや食べやすいものを置いてきたので万が一というときも大丈夫であろう。

    翌日。すっかり回復したようで元気になった彼女が勢いよくプロデューサー室に突撃してくる。アイドルから突撃戦車に転向でもしたのだろうか。普段は腹部がやわらか戦車のくせに。

    「プロデューサー!」

    「なんですかいきなり。ノックぐらいしたらどうです?」

    「一流アイドルの弱みにつけこんで裸まで見て......。そこまでしたのにそのまま担当アイドルを放置して変えるとか随分いい度胸ですね、プロデューサー?」

    ……ひどい頭痛がする。胃薬のほかに頭痛薬も飲まなければならなくなるかもしれない。後悔も少し芽生えてきた。

  • 26二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 18:50:19

    >>25の続き

    「月村さんもう少し声を抑えてください。あなたは何かひどい誤解をしている。我々の間に重大な認識の齟齬があるようなのでこちらの方でお話ししましょうか。」

    「絶対に嫌です!そうやって有耶無耶にして昨日のことなかったように振舞いたいんでしょ!プロデューサーの浮気者!」

    「お願いですから静かにしてください!これ以上のプラン修正案は正直俺の手札にない!誰かに聞かれでもしたら───。」

    「ほら!やっぱりそうやって私のこと有耶無耶にしてなかったことにしようとしてる!私のプロデューサーなら行動で示してください!」

    「なるようになれッ!」

    力任せに月村さんの手をつかみ、こちらの方へと体を寄せさせ抱きしめる。意外にも彼女は驚いた表情をしたものの声を上げなかった。見えなくなる直前少しにやけていたような気がしたが気のせいだろうか。

    「……プロデューサー?」

    「月村さん。あなたに言いたいことはたくさんありますがこれだけは言わせてください。俺はあなたの、あなただけのプロデューサーでありたいし、あなたの夢をかなえるためならばなんだってする。それこそ共に破滅することも承知の上です。」

    「……。」

    「もうこの機会だから言ってしまいますが。月村さん、俺はあなたのことが好きだ。愛している。あなたのアイドルに対する情熱が。普段クールで強気にふるまうのに内心は怖がりな乙女で可愛らしいところや。凛々しい顔の中に落とし込まれた少しの幼さが。甘やかしがいのあるところが。言い始めたらきりがないぐらい貴方に魅了されてしまっている。あなたのすべてを俺のものにして一生手放したくない。」

    静かにしてくれているのなら重畳、好機だ。一気にこのまま押し込んでしまおう。

    「だが何よりあなたはアイドルでトップアイドルにするという夢がある。対して俺はプロデューサーであなたの夢をサポートすべきだし、そうしたい。この思いに身をかまけてあなたがスキャンダルにさらされてしまえばそれがかなわなくなる。そうなったら俺は俺を許せない。」

    「だから月村さん。今の俺にはこうやってあなたを無理やりに抱擁することでしか思いを表現できません。......それに万が一これなら見つかったとしても俺が悪者になればすむ。あなたの夢に付き合いきれないことになりますが、まだそれでもあなたが被害者として立ち振る舞えればチャンスはいくらでもあるでしょう。」

  • 27二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:46:56

    >>26

    「ふざけないでッ!プロデューサーが悪者になればそれですむ?冗談じゃない!私が悲劇のヒロインぶってれば良い?私にだって心がある、人間なんだ!」

    「大体そんなに私のことが好きなら私が別れたくないってのもわかるでしょ!もうSyngUp!の時みたいな思いはしたくない。一人ですねてがむしゃらに生きてた私を救ってくれたのは他でもないプロデューサーでしょ?私の体力が続かない弱点も、目を離すと問題を起こしてプロデューサーを困らせる点も。……体重も増えちゃう。」

    「そんな弱点だらけの私に見限りをつけずにここまで乗り切ってこれたのもあなたのおかげなの!ただ甘やかすだけの愛じゃなくて時には厳しく教え導く愛を教えてくれたのもあなたなんだ!私だって好きだよ!もうあなた無しじゃアイドルとして輝いていけない!生きていけない!そんな状態にしたんだ、今更逃げようとしないでくれる?!」

    「あなたへの恋心も、これからの共に歩む未来も、トップアイドルへの夢だって誰かに与えられたものなんかじゃない!これは運命、私自身の選択なんだ!それを肝心なあなたが逃げようとしないでよぉ……。」

    ……そういって俺のスーツに顔をうずめて泣きじゃくってしまった。担当アイドルを泣かせてしまった。俺はプロデューサー失格だ。壊れてからでしか気づけないものもある。壊れてしまったのならもうこれ以上隠す必要も、取り繕う必要もないだろう。元からなっていたやけっぱちになっていた影響もあってか、俺は以前なら絶対しないであろう行動をとった。

    「月村さん、泣かせてしまって申し訳ありません。あなたの俺への思いよくわかりました。あなたを守りたい一心だったのですが肝心な残された貴方の気持ちが考えられていないのなら本末転倒だ。」

    そういって俺は月村さんの両頬に手を添え、口づけた。

    端正な顔立ち、密着することによってわかる女の子特有のいい香りと柔らかな感触に心が躍る。

    「もう我慢はできませんよ、月村さん。」

    「私、前にも言ったと思うけどプロデューサーに我慢したことなんてないよ。」

    「それもそうですね。……もう俺だけのものだ。大好きだ。手毬。」

    「……もっと情熱的な方が好みだと言っておきます。次の機会までに鍛えてたらもう一回見てあげてもいいよ。」

    いつものその威勢すら今はいいスパイスだった。

  • 28二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:47:54

    >>27

    お昼時だというのに看病の時から押さえ続けてきた思いを全身全霊でぶつけあい、互いの感触を確かめあって愛を形にした。もう後戻りはできない。アイドルとプロデューサーという枠組みからはみ出した。お互いに沼に沈んでいくだろう。だが彼女とともにならその沼すら喜んで泳ごうではないか。

    「「愛してるよ手毬/プロデューサー。」」

  • 29二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:51:05

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  • 30二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 21:52:33

    >>18

    以上です。長文駄文&ひろと手毬の作品の邪魔途中でしてしまって申し訳ない。19,22,25~28の順で見てくれ。最後に一つ、あなたの文章もぜひ読んでみたい。

  • 311425/03/07(金) 22:50:37

    >>30

    いえ私も周りを考えずに書いてしまい申し訳ない。良い作品でしたよ!

  • 32二次元好きの匿名さん25/03/07(金) 23:43:38

    この勢いで信号機制覇してほしいところだが咲季はどうするんだろう?ハイスペックだから搦め手すら思いつかない

  • 33二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 01:04:54

    お姉ちゃん(偽)に重い愛情を向け合うPも捨て難い

  • 34二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 01:36:23

    信号機制覇ということで突貫咲季 短い&趣旨と違う気も…

    「ただいま帰りました」
    本来なら自分一人しか住んでいない部屋に向かって声をかけると奥から軽やかな足音が玄関に向かってくる。
    「おかえりなさい、プロデューサー。外は寒かったでしょ。お先に頂いたけどお風呂張ってあるから入りなさい。ご飯温めておいてあげるわ」
    花海咲季。わたしの担当アイドルであり──恥ずかしながらわたしの恋人でもある。
    肩に食い込む荷物を軽々と受け取った咲季さんはわたしを洗面台へと追いやり、キッチンへと歩いていく。
    ひと先ず口をすすごうと洗面台の前に立つと咲季さんへプレゼントした香水がかすかに香った。
    シロツメクサ─咲季さんの誕生花である四葉のクローバーのフレーバーと、かすかに胸によぎった独占欲の香り。
    新緑の香りの後を追うように咲季さんのいるキッチンへ踏み入ると鼻歌を歌う彼女の姿に思わず後ろから抱きしめてしまった。
    「きゃっ、もう、プロデューサー。火を扱ってるんだからおいたはダメよ」
    抗議の声をあげる咲季さんを無視して首元に顔をうずめる。高い体温のそこから香るのはミドルノートのスズラン。
    「ずいぶん、お待たせしてしまったようで」
    問いに対する答えは無言。けれどちらりと見える咲季さんの耳は真っ赤で、今の彼女の気持ちを何よりも語っていた。
    「……なによ、プロデュー、んむ!」
    咲季さんの振り返りざまに思わず奪った唇はつややかで、触れれば弾ける果実の様。
    「ちょっと!待ってって、む!」
    始めは強く押し返していた手も次第に緩んで頬に添えられていた。
    「っ、はぁ……」
    離れた唇から漏れる吐息は甘やかで、綺麗な歯の隙間から覗く舌先は甘美な蜜だ。
    「咲季さん……」
    「待ってってば……その、火を、止めさせて……」
    言葉通りにかちりとコンロの火を止めると飛び掛かるように唇を奪われた。
    「プロデューサー、今夜はあなたを離さないわ!だから……あなたも私を離さないでね」
    強気な彼女と弱気な彼女、いったいどちらが咲季さんなのだろうか。きっとどちらも咲季さんなのだろう。
    次に触れた子供のお遊びのような軽いキスからは夜の始まりを告げるハニーノートの香りがした。

  • 351425/03/08(土) 01:37:55

    >>32

    咲季…行きます!


    1/3


    急だが咲季さんと付き合うことになった。まさか俺も付き合えるとは思わなかった。

    彼女とレッスンという濃密な日々を過ごしている時に何となく告白してみたら二言返事でokをもらえた。何となくと入っているが俺は咲季さんを愛している。そこは絶対に曲がらないあっさり過ぎて違和感が残っていたが。

    「プロデューサー!朝よ!起きなさい!」

    毎朝彼女が起こしてくれるようになって毎日実感している。

    「おはようございます。今日もかわいいですね」

    「なななな、なにを言ってるのよ…ぷろでゅーさ~えへへ~」

    かわいい。咲季さんは急にまっすぐ褒めるとでれでれになる。かわいい

    咲季さんはすごい。彼女の光に当てられると自分が濁っていることがよくわかる。

    彼女はアイドルとプロデューサーの距離感もわかっている。そしてアイドルをしながらプロデューサーと誰にもばれずに付き合うということも。

    LIVEを隅から見守るとき彼女は最高に輝いている。皆が振り向き見上げたたえる存在に。

    でも俺はプロデューサーという立場を分かってはいながら彼女を独占したい、穢したいなどと考えてしまう。

    今日もLIVEをしている咲季さんを見守るときにそんな汚れた考えが浮かんでしまった。

  • 361425/03/08(土) 01:38:42

    2/3

    「プロデューサー!どうだった?今日の私のLIVEは!」
    「最高でしたよとても」
    「でしょ~えへへ~」
    あぁかわいい俺だけのものにしたい誰にも渡したくない誰にも!
    「どうしたの?プロデューサー顔が怖いわよ?」
    「咲季さん愛しています」
    「ふぇ?!どどどどうしたのよきゅきゅ急に?!」
    彼女の肩を掴み壁まで追いやる。彼女の優しい髪のにおいとLIVE終わりの汗ばんだのにおいが混じった匂いはさらに俺を刺激する。
    「俺は咲季さんが好きです。大好きです。あなたの顔も。声も。体も。性格もすべて。
    プロデューサーとして間違っているのは分かっています。ですがもうあなたがほかの男に見られるのが嫌なんです」
    「プロデューサー…」
    「すみませんやはり俺が…」
    「私が間違っていたわ…アイドルとプロデューサーとしてを意識しすぎて彼氏としてのあなたを蔑ろにしていた。私の落ち度よ。これからはもっと二人の愛を育みましょう」
    嗚呼やっぱりあなたは完璧だ。俺の心を一つ残らず救ってくれる。でも

  • 371425/03/08(土) 01:39:51

    3/3

    「咲季さん…一つわがままをしてもいいですか…」
    「なによ。もったいぶって」
    「あなたを穢したい」
    「えぇぇ?!そそそそれって…」
    「俺の物だと刻ませてください。ダメですか?」
    「い…いいえ!任せなさい!お姉ちゃn」
    「今は…今だけはお姉ちゃんではなく一人の女としての咲季さんがいいです」
    「んっ…っく…わ、分かったわ。私に…貴方の…ものだと刻んで…くれる?」
    彼女が上目ずかいでしどろもどろに言う。彼女の瞳が震えている。今までは初めての事は虚勢を張って耐えてきたことを今回文字通り心を裸にして向かってきてくれたんだ。
    「プロデューサー…きて…」
    震えた唇を差し出す。俺は彼女を包んであげないといけない。花海咲季という女性がまた一歩成長するために俺が盾になってあげないといけない
    「んっ…」プハッ
    彼女の表情が甘くとろける。体を抱き合う。彼女の鼓動まで聞こえそうなほどに強く。
    「プロデューサー…愛してる…」
    声が少し震えている。咲季さんのこの言葉には彼女の勇気と優しさと期待と少しの不安が混ざっているのだろう。そんな言葉を俺は無下にしてはいけない。俺も最大限の愛情で返す。
    「誰よりも脆く美しく可愛い咲季さん…誰よりもあなたを愛しています」
    「ん゙ん゙ッッ!!」
    声にならない声を発しながらリンゴのように真っ赤にした顔を胸にうずめてくる。
    「プロデューサーのばかッ」
    「貴方の傍にいられるなら馬鹿でいいです」
    またあの声を発し耳まで真っ赤にしながら強く顔をうずめる
    「咲季さん…いいですか…」
    「……いいって言ってるでしょ。」
    「ありがとうございます…最愛の彼女…」
    「…うるさいわね。…最愛の彼氏さん」
    そのあと誰もいない控室で二人で愛を刻み合った。レッスンなんかよりももっともっと濃い二人だけの時間を。もう誰にも渡さない。

  • 381425/03/08(土) 01:44:20

    ending

    「まさかいいと言ってくれるとは思いませんでした」
    「…なんでよ。結婚は引退してからって言ったけど…それ以外なら……いつでも……」
    また顔をリンゴのように真っ赤にして言う
    「さ、寒いでしょ!t手をつなぐわよ!」
    手をつないでいるだけなのに心まで温かくなる。彼女の鼓動まで聞こえるようだ。
    それでも外は寒い。でも二人でいるなら…大丈夫。

  • 391425/03/08(土) 01:45:31

    筆が乗りすぎて誤字とか見ずらいがあるかもです。ご了承ください。

  • 40二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 04:00:37

    みなさんこんなに素晴らしいSSを描いて…誇らしくないの?

  • 41二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 13:15:54

    麻央と偽姉なら何とか絞り出せそう

  • 42二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:37:50

    >>1 が俺の性癖に合致したので書いたの投下していく

    篠澤広のPだよ。大体4000字

  • 43二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:38:43

    「……はぁ~~」
     初星学園プロデューサー科寮、その一室の中で、俺はこれ見よがしに大きなため息をついた。
     誰かに聞かれる恐れがないからそうしたわけではない。むしろ、ある人物に聞かせるために肺一杯に吸った息を吐いていた。
    「……大きいため息、だね。プロデューサー」
     そんな意図を知ってか知らずか、自分が唯一担当しているアイドルのいつも通りの声が飛んでくる。
     そっちに目を向けてやれば、男の部屋に来ているというのに随分とリラックスした様子でベッドに座っている。
    「誰のせいだと思っているんですか」
    「ふふ、プロデューサーが苦悩してる顔、好き」
    「……」
     俺の担当アイドル、篠澤広が、頬を染めてそんなことを口走る。
     NIAを通じて女神と崇められるようになった神秘的な美貌は、今は倒錯的な少女のものに変わっていた。
     自分の部屋の中で顔を赤らめる彼女を見て、胸の中で分厚く覆ったプロデューサーの殻の内側で、チリッと邪な感情が湧き出してくる。
     彼女の魅力に触れる日々を送るうち、その粘度と濃さがどんどんと増してきているのを、自分自身も自覚している。
     プロデューサーとして、絶対に表に出すことも悟られることもあってはならないものを意識して消し去りつつ、俺は彼女から目を逸らした。
    「……こんなに頻繁に男の部屋を訪れれば問題になりかねません。もうあなたは無名のアイドルではないんです。どこにファンの目があるのか分からないんですよ」
     バレンタインの時は級友と下手な芝居まで打って俺の部屋に来る口実を作っていたというのに、それ以来ここに来るハードルが彼女の中でどんどんと下がっているようで、今や少し話があるという理由だけでノコノコとこんな男子寮までやってくる始末だ。

  • 44二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:39:42

    「でも、いつもプロデューサーは中に入れてくれる」
    「玄関先で喋っていては余計目立つからです。要件が終わったらすぐに帰ってください」
    「部屋に女の子を入れてるのに、そんな冷たい態度取るところも、いいね」
    「はぁ~~……」
    「まぁ、立ち話もなんだし、座って、ね」
    「どうしてあなたが部屋の主のように振舞ってるんですか……」
     彼女がすぐ隣をポンポンと叩く。さっさと要件を終わらせて帰ってもらおうと思いながら、俺は言われるがままそこに腰かけた。
     そこで、自分が迂闊な行動をしたことに気付く。今俺は、自室のベッドの上に担当アイドルと並んで座ってしまっている。
     まずいと思って何か行動するよりも早く、自分の肩に体重が乗るのを感じた。
     篠澤さんが、両手を俺の肩に乗せて、こちらに身を乗り出してきていた。
    「し、篠澤さん!?」
    「ねぇ、プロデューサー」
     耳元で彼女の声が囁かれ、不覚にも心臓が跳ね上がった。
     同時に、この蠱惑的な状況に先ほど胸の中で押さえつけた粘ついた感情が再び存在を主張し始める。
    「私、プロデューサーのこと、ずっと見てきた、よ。だから分かる」
     更に、篠澤さんの身体が密着してくる。もはや俺の耳までゼロ距離になった彼女は、更に声を潜めて、ひそひそと誘惑するように喋りかけてくる。
    「最近のプロデューサーは、どんどん、私への欲望が大きくなってきてる……♪」
    「っ! ……」
    「プロデューサーとしてアイドルを育てたい、なんてものじゃない。一人の男としての、どろっとした欲望、だよね」
     頭がクラクラとする。
     担当アイドルに、劣情を煽られるような状況でプロデューサーとして絶対にあってはならない失態を指摘されている。
     頭の中に熱した鉄の棒と氷柱を同時に突っ込まれているような気分だった。

  • 45二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:40:33

    「そ、そんなことは……!」
    「ふふっ、プロデューサー、苦しそう……♪」
     すぐに彼女を振り払うべきなのに、振り払えない。
     頭の中の冷え切った部分はこの状況からすぐ逃れるように訴えているのに、どうしようもなく熱くなった部分がそれを拒否して、結果何もできないでいた。
    「私は、別に責めてるわけじゃない、よ。私も、プロデューサーのこと、好き」
    「そういう問題では、ありません……!」
    せめてものプロデューサーとしての矜持から、反論を捻り出そうとする。
    「うん、分かってる。アイドルとして、プロデューサーとして、ファンのみんなを裏切ることは絶対に許されないって、あなたはそう考えてる。トップアイドルを夢見る人たちが掲げる、当然の掟。でも、ね」
     ゼロ距離で誘惑してくる彼女の言葉から、意識を逸らすことができない。
    「私たちのアイドル活動は、夢じゃなくて、趣味なんだよ?」
     彼女が提示してくるその免罪符に、どうしようもなく魅力を感じてしまう。
     段々と、自分の中の冷えていた部分が、どんどんと激しくなる熱情に侵されていく。
    「私は、趣味のせいで自分のしたいことを邪魔されるの、いや」
    「しの、さわさ……」
    「だから、ね?」
    「だめです。俺は、プロデューサーとして……」
    「ふぅーー……」
     喋っている途中で耳元に息を吹きかけられて、みっともないほど身体が跳ね上がる。
     表面上の強がりすらも、今の彼女は許してくれなかった。
    「プロデューサー、いつも言ってるせいでちゃんと伝わってないかも知れないから、ちゃんと、言うね」
     その声が、より一層艶やかになったのを感じる。
     予感がする。これを聞いてしまったら、もう自分は最後の一線を越えてしまう。
     それが分かっているのに、拒否の姿勢を取ることができず、本能で求めてしまっていた。
    「プロデューサー、好き♡ 好ーき♡ あなたの愛が欲しい。私に触れて。私も触れたい。私を、あなたのものにして」
     もう、限界だった。

  • 46二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:41:24

    ―――――――――――――


     座っていたベッドに、私は押し倒された。
     仰向けになった私の両手首を握って、プロデューサーは上から見下ろしてくる。
     その目の奥には、見たこともないような情欲の炎が宿っていて、その視線に晒されているだけで自分の身体が灼け付くような気がした。
    「あぁ……」
     艶と恍惚が入り混じったような声が、私の口から漏れる。
     やっぱり、この人は中に物凄い濃度の感情を抱えていた。
     今まで会ってきた人の中で誰よりも理性が強くて、理知的で、おまけにプロデューサーとしての殻まで被って、それでもなお私に向けて漏れ出していたその感情。
     私はこれから、大好きな人からその感情をぶつけられてしまう。
     この身体で、全部受け止めきれるだろうか。
     受け止めたとして、私はどうなってしまうのだろうか。
     考えれば考えるほど、不安と、期待と、喜びが胸の奥からゾクゾクと湧き上がってくる。
     その感覚に浸っていると、プロデューサーは軽く握りこぶしを作ると自らのこめかみを殴りつけた。
    「っ! ……あなたの、純潔までは奪いません。服も、一枚たりとも脱がすことはない」
    「……プロデューサー、もしかして甲斐性なし?」
     ここには、行くところまで行く覚悟で来たので、少し拍子抜けしてしまった。
    「あなたの身体じゃ回復まで何日かかるか分かりません。それに、俺にだってプロデューサーとしてのせめてもの意地がある」
    「なんだか物足りない、ね」
     少し、期待外れだった。それでも、ままならない事が増えたという意味では、悪い気はしない。
     ただ、気になることがある。
     そんな甲斐性なしな宣言をした彼なのに、その目から感じられる熱量は全く衰えていない。

  • 47二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:42:30

    「余裕そうですね」
     そう言うと、私に覆いかぶさってきた。彼の顔が私のすぐ横に来て、心臓が高鳴る。
     相手から近付かれるのは、自分から仕掛けるのとは訳が違うと、今初めて体感した。
    「それ以外の事は全てやって、あなたには、俺の、この感情、全て受け止めてもらいます」
    「あっ……♡」
     耳元で大好きな人の声が響く。さっき自分もやったことだけれど、思ったよりずっと効く。
     言葉の内容と相まって、脳の奥にある理性がチリチリと焼かれるような感覚がして、自然と身体に力が入った。
    「篠澤さん……」
    「んっ……」
     耳元で名前を呼ばれるのと同時に、力強く抱きしめられた。密着した胴から、彼の熱が伝わってくる。
     その熱を感じるほどに、心臓が高鳴って、頭の中が幸福感で満たされる。
     腕の力は、苦しいほどに強い。なのにそれだけ求められていることを実感して、もっとして欲しくなる。
    「好きです。愛しています。篠澤さん」
    「はぁ……♡」
     大好きな人からの初めての愛の告白は、その吐息が耳にかかるほどの距離でだった。
     夢にまで見た言葉をもらえて、頭からつま先まで悦楽が走り抜ける。
     さっきから、頭の中が知らないような感覚で満たされている。確か、好きな人と触れ合うと、セロトニンが脳内で分泌されて……。
     そんなことをぼんやりと考えていると、彼は一度身体を離して私を再び見下ろした。
    「はぁ、はぁっ……♡」
    「……ほら、これだけでもう、息も絶え絶えではないですか」
     ただ横たわっていただけなのに、彼に触れられるたび、勝手に息が乱れて、身体に力が入って、すごい勢いで体力がなくなっていく。
     もしかしたら、レッスンをする時よりも早く、力尽きてしまうかもしれない。
     ……でも。
    「安心してください。例え力尽きても、あなたはそこで寝ているだけでいい。あれだけ煽ってきたんだから、俺が満足するまで、受け止めてもらいますから」
    「……ふふ、うん」
     まだ全然、彼の眼差しから感じる熱量は収まっていない。
     これから、私は脳をセロトニンでヒタヒタに漬け込まれて、悦楽と幸福感の中毒に堕とされてしまうのだ。
     頭がトロトロにふやけていくのを感じながら、私はその愛しい顔へと両腕を伸ばした。
    「プロデューサー、もっと、ちょうだい」

  • 48二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:44:09

    終わり!
    直接的なR18はだめらしいので本番は無し!
    でも性的快感よりセロトニンで幸福感にヒッタヒタになる方が好みだから書いた。
    ではの

  • 49二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 16:45:36

    素晴らしい……ありがとう……

  • 50二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 17:46:23

    >>41

    担当アイドル有村麻央がステージを終わらせ、二人の楽屋へと戻ってきた。

    「プロデューサー!今日もかっこかわいい僕でいられましたか?」

    「ええ、今日も麻央さんは変わらずかっこよく、俺にとって一番かわいいアイドルでありましたよ。」

    そういって所在なさげに揺れていた手を取り、体をこちらに寄せて抱擁する。ライブによるパフォーマンスで温かくほてった体温、以前まではコンプレックスであったやわらかく大きな胸が押し付けられる。

    「ええ、あなたよく、俺にとって一番かわいいアイドルでありましたよ。」

    そういうと嬉しそうに微笑んでその綺麗なかんばせを俺の顔に近づけてくる。汗をかいていても花のような柔らかな香りが俺の理性をくすぐる。

    「ッ!麻央さん、今日のところはこのぐらいにしていただかないと!誰かに見られでもしたら……!」

    「見られる?ボクはちっとも気にしませんよ。むしろギャラリーにボクたちの愛を見せつけてこの愛を確固たるものなんだと証明しようじゃありませんか。」

    そういって麻央さんは俺と口づけを交わした。付き合いたてのカップルがするような、触れ合うだけの純朴なものではなく情欲にまみれたそれを。

    「フフッ、プロデューサーさん口ではそうはいっても日に日に抵抗が弱くなってきてますよね、それに今のことだって初めてじゃない......。」

    「それにはじめはあなたが格闘技を嗜んでいることを武器に迫ってきたのがきっかけじゃないですか。鍵までかけて追い込んで……。」

    「でもいくらボクが格闘技を嗜んでいるとはいえ、プロデューサーだって男です。それにプロデューサー科の生徒はアイドルを守るために護身術をいくらか身に着けることが必須であると聞いています。本気であれば余裕で抵抗できたはずです。そうしないということは……。」

    「それはカッコよくて可愛い最強のアイドルたるあなたに少しでも傷がつかないようにするためで......。」

    「口ではどうとでも言えますよ。それに今更取り繕ったってとっくの昔にボクたち、はみ出しちゃってるんですから。」

    そう小声で耳元に囁かれたことは今まで温存していたナニカを強気に変更させるには十分だった。

    「……麻央さん。このあと俺監修の『追い込みレッスン』を行います。事務所貸し切りで夜通し行うので覚悟してください。」

  • 51二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 17:46:39

    「大の男をそうやって挑発して誘惑するような悪いアイドルには再教育が必要だ。俺が普段どれだけ我慢しているかをその身に沁みさせる必要がある。」
    (ああっ!これこれ!普段ボクを優しく導いて寄り添ってくれるのにちょこっと押しただけでギラギラとした目つきになってボクがどんなに泣いてもわめいても許してくれないんだ!決まっていつも最後は麻央が一番カッコ良くて可愛いって言ってくれるあのレッスンが!やってくるんだ♡)
    「この期に及んでうれしそうな顔をして……。全く途方のない素行の悪さだ……!」
    その後、初星学園の一室だけは朝が来るまで明かりが消えることがなかったという……。

  • 52二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 17:48:57

    麻央パイ終わり。インスタントなのしか思い浮かばなかった。誰かリーリヤのを書いてほしい

  • 53二次元好きの匿名さん25/03/08(土) 23:03:02

    お姉ちゃん(偽)編
    「余裕♪身に着けて言う♪お相手はYou♪」
    リズミカルにスイートな声で口ずさむのは俺のお姉ちゃ───ではなく担当アイドル。
    「自由型のいい子は好き放題♪」
    「よほど気に入ったようですね。姫崎さん。」
    柔和で温和、ほんわかお姉ちゃん系アイドルで売り出して正解だった。名は体を表すというが彼女からにじみ出るオーラ力、いやお姉ちゃんパワー、包容力......。書き出すときりがない。
    こうして自然体の彼女には人を癒し、身近に感じ安心させる魔力がある。
    お気に入りのぬいぐるみやまくら、クッションのようなフワフワとした雰囲気。昼下がりにいただくアップルティーのような甘い瞳に歌声。すべてをやわらかく包み込むがごとく整ったスタイル。思わず笑顔になってしまうような優しい顔。
    それでいて月村さんに勝るとも劣らない健啖家。アイドルのレッスンは厳しいものであるとはいえ、月村さんがあれだけ体重管理に四苦八苦しているのを見ると彼女の才能の一つであるといえるだろう。
    「もうプロデューサー君ったら、そんなにお姉ちゃんを見つめてどうしたの?甘えたくなっちゃった?」
    「おお、今のはいいですね姫崎さん。相手の考えていることを読んで的確に需要を供給しようとする。まさしく皆が求めるお姉ちゃん力ですよ。」
    「ん~もうプロデューサー君って、真面目な顔して恥ずかしいことをためらわずに言ってくるよね。」
    「一概に姉と言ってもこのジャンルは奥が深い。姉と言っても姫崎さんのような近所の優しい美人系お姉さんを想像する人もいれば、弟や家族を思いのままに操る無茶苦茶するくせしてたまに見せる気遣いで憎めない、むしろそれこそリアルな姉に近いとして求める人もいれば、咲季さんのように先達として身内のためならどこまでも強くなれるタイプ。果ては男より度胸が据わっている姉御と言われるタイプなんかも───。」
    「わわっ、ストップすとーっぷ!話が広がりすぎてるよ!プロデューサー君って私のこと考えてくれてることは十二分にわかるんだけど肝心なところでズレちゃってるような……。」
    「そうでしょうか。俺としてはお姉ちゃん系アイドルをプロデュースしているので姉に詳しくなるのは職業柄といいますか……。」
    「そういうことじゃなくって、私プロデューサー君と今度の休日おでかけしたいな。」

  • 54二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 00:54:37

    「それでしたら最近綺麗な夜景が鑑賞できてディナーも付いてくる穴場を見つけまして。常々姫崎さんと行きたいなと思っていたのですがそこへ二人でいきませんか?」
    「(!これはプロデューサーとアイドルという枠をはみだせるかも!)うんっ!絶対そこに行きたい!プロデューサー君とのディナー、楽しみにしてるね!」
    「おや、ディナーだけでいいのですか?ショッピングやランチも都合のいい場所をみつけてあるのでそこも行きたければ予定を組むこともできますが……。」
    「行きたい行きたい!ありがとう、プロデューサー君!」
    「『プロデューサーたるもの、魔法使いであるべし。』ですからね。例には及びませんよ。」
    「じゃあ楽しみに待ってるね!楽しみだな~♪」


    後日。おでかけ午前の部は円満に進行した。俺は姫崎さんの今後のライブで必要になってくるであろう小道具やコスメ、グッズ制作のインスピレーションを沸かせるために、いくつか可愛いキャラクターグッズを購入した。目につかない隙をみてちょっとしたサプライズプレゼントも購入し、自分のバッグに仕込んだ。
    そしてお目当てのディナーをともに楽しむため、予約していた店に訪れた。店は港沿いの海が眺められるデッキ付きなものだ。町から漏れる光と月光をたたえて揺らめく波を肴に料理と飲み物に舌鼓を打つ。自分はこうやって紹介するために何度か訪問して料理のパターンや味も覚えていたのでさして食べなかったが、姫崎さんは物珍しいのと二人でディナーが取れることが嬉しいとひとしきり言っており、俺以上に食べていてほほえましかった。いっぱい食べて幸せそうに笑い、語る彼女を見てああ、連れてきてよかったなと心の底から思うことができた。
    そして会計も終わり、今日が終わろうかという頃。

  • 55二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 10:22:55

    夜風に吹かれ、しばし海の風景を眺めながら思い出にふけっていた。本当に今日は楽しかった。願わくばもう少しこの空気を味わっていたいと思えるほどに。
    「ふふっ、懐かしいね。」
    感傷に浸っていると姫崎さんが横へやってきて俺の顔を覗き込みながら言ってきた。月をバックに微笑む彼女は、月に負けないぐらい美しく輝いていた。
    「昔遊んだ時もこんな風に暗くなってきたとき、眠くなってきた君が私の膝を枕にして眠りこけてたっけ。」
    「ええ。本当に懐かしい。あの時は今日みたいにひとしきりいろんなところに行って幼い姫崎さんと遊びましたね。」
    「プロデューサー君は何かあるたび嬉しそうに私のことをお姉ちゃん、お姉ちゃんってしきりに呼んで見せてくるの、かわいかったなぁ。」
    「そんなこともありましたね。俺も俺ではぐれそうになってもすぐ見つけてくれたり、手を繋いで一緒に歩いてくれる姫崎さんのことが大好きだった記憶がありますよ。あの頃も変わらず綺麗で美しい姫崎さんがリードしてくれて安心したのを覚えています。」
    そういうと姫崎さんは頬を赤く染め、手を後ろに組んで少しうつむき恥ずかしそうに体をよじっていた。
    「……プロデューサーくんにはやっぱりかなわないなぁ。覚えてる?あの頃もこうやって別れ際は決まってありがとう、お姉ちゃん大好きだよ!って言ってくれたよね。」
    「ええ。俺の家族に姉はいませんでしたし、あの頃はあなたが年下だとわかっていなかった。だから同年代の女子であるあなたをお姉ちゃんの代わりとして甘えていました。」
    「ねぇ、プロデューサー君。このまま外で話すっていうのもなんだし、学園に戻ってプロデューサー室で話そう?実は外泊許可取ってあるの。」
    「いいですね。学園内なら安心だ。それに俺としても昔を思い出して、この空気をもう少し楽しみたかったところです。今日は無礼講といきましょうか。」
    「ありがとう!じゃあはやくいこっか、○○○○君?」
    かつての空気に戻りつつあった。俺はそれがとても楽しく、またかけがえもなくうれしかった。

  • 56二次元好きの匿名さん25/03/09(日) 11:43:39

    初星学園にて。俺と姫崎さんはプロデューサー室を貸し切って二次会としゃれこんでいた。
    テーブルの上には紅茶とお茶菓子を並べて談笑しあっていた。チョコレート、カップケーキ、バウムクーヘン......。もともとは深夜まで残って作業することが多かったので空腹の足しにしようと買い込んで冷蔵庫にしまってあったものたちだ。
    「大きくなったね、○○○○君。少し見ない間に君はプロデューサーになって、夢をあきらめかけていた私にまだあきらめなくてもいいんだってことを教えてくれて。自然にお姉さんとして飾らない自分でいることを教えてくれて。素敵な曲と衣装までもらってファンのみんなにも喜んでもらえて……。私君に出会えて本当に良かったよ。」
    「俺はプロデューサーとして当然のことをしたまでです。それに、どんなに俺が頑張ったとしても最終的にライブで歌って踊って、人の心を動かすのは他でもないあなたなのですから。」
    「でもそうなるためには君が必要だった。君無しではきっとこうならなかった。だからありがとう、○○○○君。アイドルとしても、お姉さんとしても君がいなければ成り立たなかったよ。……あとお姉ちゃんから一つお願いがあるんだけど、いいかな?」
    「何でしょう?俺にできることであればなんでもやりますが。」
    「今は苗字じゃなくてまた昔みたい莉波お姉ちゃんって呼んでほしいな。」
    これまでのやり取りの中で柄になく高ぶっていた俺は快諾した。
    「ええ、いいですね莉波お姉ちゃん。」
    「よしよし、よくできました。お姉ちゃん素直な○○○○君が大好きだよ。」
    そういって隣に座っていた莉波お姉ちゃんが俺の頭をなでる。柔らかな掌の感触、紅茶の香りに混ざって届くお姉ちゃんのいい香り。秘めたジレンマ。咲きほこるフレーバー。理由を探すテイマー。波打つタイマー。抑えがきかなくなりそうな。
    「(これはあと一押しかな)ねぇ○○○○君、最近仕事続きで疲れてるでしょ?今日はお姉ちゃんの膝枕でゆっくりしよう?また昔みたいに。」
    「ええ。ではお姉ちゃんに甘えてそうしましょうか。」
    そういって俺はお姉ちゃんの膝に頭を乗せ、見上げると二つの山の間からお姉ちゃんの微笑む顔が見えた。温かくやわらかで蠱惑的な香りが鼻腔をくすぐる。

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