- 1二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 22:28:58
- 2二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 22:31:36
なんかスレ画の色薄ない?
- 3二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 22:40:29
薄いと言うか灰色がかってる?
- 4二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:02:03
弟「姉さん。行きも帰りも背負って学校通うのは嫌だって、昔から言ってるよね?」
広「フフ…ごめん。でも、○○は他の人に付き添われるの嫌だって言ってたよ、ね?」
弟「それは…。周りが姉さんの扱い加減を知らないから…」
広「弟が一番ワレモノ扱いしてる…。酷い。でも、馴染んだ○○の背中が一番安心する。だから、好き」
弟「っ!?人の気も知らないで…」 - 5二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:16:44
い、遺影…
- 6二次元好きの匿名さん25/03/10(月) 23:40:10
姉さんが嫌いだ。
何をするにも昔から比べ続けられてきた。
虚弱体質でふらついてばかりだから、母さんには「姉弟揃って一緒に登下校して」と言われ、放課後も遊びたかったのに付きっきり。
そのせいで小学生の頃はクラスメイトにずっとからかわれ続けた。
その癖、テストの時には必ず満点を取って帰ってくるのに、いつもつまらなさそうな顔をしてるのが嫌いだ。
物心が着いてからも、家族で旅行に行く時もいつも姉さんの体調次第だったのが嫌いだ。事情を知らない人に「お兄さん」と呼ばれて訂正するのが嫌いだ。風邪を引いてどう見ても明らかに体調がキツそうなのに、どこか嬉しそうな姉さんの顔が嫌いだ。
大金持ちがレストランの一番高いメニューを興味本位で頼むくらい軽い気持ちで。目の届かぬ遠い海外の大学に行くと言い出すような無神経な姉ちゃんが。
大っ嫌いだ。 - 7二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 00:04:01
自分の代わりができて開放感と寂寥感が同時に押し寄せてくるのとかいいよな
- 8二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:59:14
そうして。
異例の若さで遠い海外の大学を卒業して帰ってきて、今度は最年少なんちゃら研究者にでもなるのかと思えば…。
今更、あの初星学園に入ってアイドルになりたいだなんて言いだした。まるで夢見る『普通』の女の子みたいに。
もう嫌いだとかムカつくだとか、そんな次元の話じゃない。つくづく呆れ果てた。
昔から頭の出来も身体の貧弱さも、並の人とは比べ物にはならないし、これからも姉ちゃんと比べられ続けるのは重々承知のハズだったのに。
なのに…。間違いなく血は繋がってるハズなのに、昔っから何を考えてるのかだけは分かった試しがない。何度言っても治らないタチの悪い笑えない冗談だと思ってたのに…。
学P「篠澤さん…。いえ、お姉さんの広さんからお話は伺っております。初めまして、○○さん。初星学園プロデューサー科所属、この度、篠澤 広さんのプロデュースを担当させて頂く事になりました。Pと申します」
いつの間にか。
今度は『普通』の男子のオレがあの姉ちゃんにタチの悪い夢を見させられている。 - 9二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:12:01
どれだけ努力しても勉強面で広に勝てないのを「姉ちゃんは天才だから」って才能のせいにして諦めてたのに、広が明らかに才能が無く向いていないアイドル活動を始めだして、襲ってくる理不尽や困難を楽しんで本気でトップアイドル目指してる姿を見て「自分はすぐに逃げ出したのに、この人は」って情緒ぐちゃぐちゃにされて欲しい
Pのことも最初は「姉ちゃんは振り回される周りの気待ちを考えないのか」って同情的な目線で見てたのに、毒を吐きつつも広に全てをかけて尽くし続けてる姿をみて、尊敬の念を抱きつつ少しもやもやした気持ちを抱えてて欲しい
ある日レッスンで倒れた広を介抱してる時、広に「何でそうまでして頑張れるんだよ」って聞いたら、「あの人がいてくれるから、かな」って答えるのを見て、その視線の先が自分じゃないことに妬心を覚えたことに驚きつつ、そこで初めて想像よりもずっと姉に対して色んな感情抱えてたことを自覚して欲しい - 10二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:33:19
広の無茶振りに振り回されるプロデューサーに同情と嫉妬がぐちゃぐちゃに混ざり合った感情を向けてそう
でも可愛くなりたかったという姉の本心を知ったら弟はどう感じるんだろうか - 11二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:43:18
弟「えと、姉さんがお世話になってます。弟の○○です。どうぞ、お入り下さい…。」
学P「ありがとうございます。それでは、失礼します」
家庭訪問の前に考えておいたセリフを言いながら、姉ちゃんのプロデューサーを招き入れる。本来なら母さんが応対するハズだったけど、急用が入って無理やり押し付けられた。「家庭訪問なんて適当にお茶出してお話聞いてれば終わるから、代わりに学園での様子聞いといて」なんて言ってたけど、オレは姉ちゃんの保護者でもなんでもないのに…。
ステージで歌やダンスどころか、近所を歩くのも危うい姉ちゃんをプロデュースしたいなんて物好きがいるなら見てみたいとは思ったけど…。
まさかホントにそんな変なヤツが来るなんて思ってもみなかった。 - 12二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 05:18:06
慣れない手つきでお茶とお菓子を振舞ってテーブル越しに向かい合う。プロデューサー科の大学生が来るっていうから、もっとチャラそうな人が来るかと思ってたけど、そうでも無いらしい。
どっちかと言えば、口数少なそうなお堅い先生みたいな雰囲気だった。
弟「えっと、ウチの姉さんは学園で上手くやってるんでしょうか?」
学P「そうですね…。篠澤さ…。いえ、広さんでの学園生活は学業面においてはご家族の皆様も既にご存知の通りとは思いますが、心配の必要はないと言えるでしょう」
弟「…アイドルとしては?」
学P「失礼ながら、言葉を濁さずお伝えさせて頂くのであれば…。極めて不安定です」
弟「ですよね…」
前もって用意した頭の中の質問リストと向こうから帰ってきそうな答えを照らし合わせて、そんな相づちを返す。
そりゃそうだよ。つい最近出会った物好きなアンタより、オレの方が小さい頃からずっと身近でお守りさせられてきたんだから。
でも、アンタのおかげでオレも少しは自由になれたのかもね…。そんな事を考えながら、次に出てくるだろう姉さんへの失望の言葉を待ち構える。
学P「ですが、そんなアンバランスな広さんだからこそ、私は大きな可能性を感じたんです」
……は? - 13二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 05:40:48
あぁ、そっか。
この人、プロデューサーだっけ。ただでさえひ弱なのに、変な事ばっかしてる姉ちゃんの身近であの人の事サポートしなくちゃいけないくて、しかも、歌って踊れるアイドルにしなきゃいけないんだもんな。
姉ちゃんもこの人も、お互いいくら変な気まぐれだったとしても家族くらいには良いカッコつけないとだもんな…。そう納得しようと思ったのに。
その目はなんとなく、向き合ってるオレのずっと後ろの方を向いてる気がした。