- 1二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:14:52
ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ……
ﾁﾗｯ
”もうこんな時間だね……”
サキ「んー？ おお、言われて見れば。そろそろ帰るかなぁ――っ」ﾉﾋﾞｰ
”ねえサキ”
”お腹空いてない？”
サキ「そりゃもうペコペコ……。なんだ先生。まさかおごってくれるのか？」
”奢るのはかまわないけど、どうかな、サキ”
”せっかくなら夜食……一緒に作らない？”
サキ「……」
サキ「ああ、いいぞ」ﾍﾟｶｰ
- 2二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:15:35
もう新作読めるのか
- 3二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:19:36
- 4二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:20:15
了解です
- 5二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:21:49
- 6二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:22:47
厨房
サキ「なあ先生……。夜食を作るのはかまわないんだが」
”心配しないで良いよ。お土産も作れるような料理にするからさ”
サキ「よかった。私だけ美味いもん食って帰ったら何言われるか……。店ならまあ、テイクアウトできなかったって言えば言い訳はできるが……」
”あはは。仕事終わりでいうなら、ミユとはたまにファミレス行ったりするからね”
サキ「ミヤコとモエがミユの服に染みついたハンバーグの残り香で白米食べてるの、先生知らないだろ」ｹﾗｹﾗ
”そんな切羽詰まってるならもっと早くシャーレに来てよ。ごはんぐらい都合するから……”
サキ「さすがに冗談だ。そこまでひっ迫はしてない。おかげさまでな……。ていうか信じるなよこんな話。で、何を作るんだ？ 夜食と言うぐらいだから袋麺とかか？ それならパッケージごと持って帰れるしな」
”――唐揚げ”
サキ「は？」
”揚げよう。唐揚げ”
サキ「今からか！？」 - 7二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:24:36
”と言うわけで材料だよ！”
サキ「……なあ」
”心配しなくてももっと揚げるよ。今日は鶏肉が安かったからね”
サキ「量の心配じゃない。じゃなくて、大根だの人参だ豆腐だのは唐揚げにいらないだろ。この赤いポットはなんだ？ 生米？」
”レンジでご飯が炊ける器具だよ”
”夜食だし、二人分あればいいかなって
”あ、みんなの分のおにぎり作るなら炊飯器準備しようか”
サキ「だから量の心配はしてない。米は少し備蓄があるから……じゃなくて！ まさか作るのは唐揚げだけじゃないのか？」
”ふふふ……”
サキ「なんか気持ち悪いぞ、その笑い方」
”ごはんと唐揚げだけなんてわんぱくな食事をすると胃がもたれてね！ せっかくなら、定食スタイルで作るよ！”
サキ「……ああ、そうか。年だから」
”年じゃない！” - 8二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:27:33
サキ「にしても定食……。そういうごはんを食べたの、最後はいつだったっけなあ……」
”サキとはいつもラーメンだからね”
”今度はファミレス行こうか。充実してるよ”
サキ「あんまり恵んでもらうのも申し訳ないんだよ。ラーメンはラーメンで好きだし」
”そう？”
”――よし！ じゃあさっそくはじめていこう！”
サキ「お、おー？」 - 9二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:29:03
- 10二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:30:39
”じゃあ、まずは人参の皮を剥いて……”
サキ「あ、ちょっと待ってくれ。よいしょっと」ｶﾞﾁｬ ｷﾞｭｯ
”えと……さすがに武装は必要ないと思うけど”
サキ「このジャケットで締め付けないと手元が見にくいんだよ」
”手元……” ﾒｾﾝ↓
サキ「……」
”……”
サキ「……」ｼﾞｬｷｯ
”ごめん！ デリカシーがなかったね！” ﾄﾞｹﾞｻﾞｧｧｧ - 11二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:32:01
やっぱ量じゃないか？自分好みの量にできるし
- 12二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:32:17
- 13二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:32:59
そうか炊き込みご飯というのもあるか気づけんかった
- 14二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:35:15
サキ「ったく……。で、人参の皮むきだな？」
”ああ、うん。”
サキ「あのな。体つきなんかどうしようもないのはわかってるだろ。私はともかく気にする奴もいるんだから。その辺もうちょっと気を付けてだなぁ……」ｼｬｯｼｬｯｼｬｯ
”ご、ごめんね……。別にやましい気持ちとかじゃないから……”
サキ「それはわかってる。が、そうじゃない奴もいるかもしれないって話。ほら、剥けたぞ」
”おお、手早いね。で、そのまま身を一方向から削りつづけてくれるかな”
サキ「薄切りみたいにするってことか？」ｼｬｯｼｬｯｼｬｯ
”そうそう。半分ぐらいえぐれたらオッケーだよ。で、私は大根を5センチぐらいの輪切りを一つ……”ﾄﾝ
サキ「出来たぞ、先生」
”じゃあ次は、そのスライスされた人参を千切りにしておいて！”
サキ「よし！」ｼｬｷｰﾝ - 15二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:37:02
なるほどいろいろ応用できるんですね
- 16二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:40:13
- 17二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:40:23
”包丁、研ぎたてだから気を付けてね”
”そしたらこっちも大根を1/3ぐらいをスライサーでスライスして……” ｼｬｯｼｬｯ
サキ「幅はどんなもんだ？」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ
”細ければ細いほどいいかな”ｼｬｯｼｬｯ
サキ「了解……で、次は？」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ
”このスライスした大根も同じように千切りにしておいてくれる？”
サキ「了解ー。にしてもこの包丁よく切れるな。キャンプで使うのはナイフだし、叩き切れればいいってもんだから、なんだか新鮮だよ」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ
”指、気を付けてね。爪ぐらいならストンと削いじゃうから”
サキ「うっ。あんま怖いこと言わないでくれ」ﾈｺﾉﾃｰ ﾄﾝﾄﾝ
”で、切れたら、それぞれ半分ぐらいを人参と大根はこのビニール袋に入れて……”
サキ「ほいほい」ｶﾞｻｶﾞｻ
”塩昆布と――サキはわさび平気？”
サキ「小隊でダメなのはミヤコだけだな」
”まあ、そんなに辛くするわけじゃないけど……。そう、香りづけ程度で” - 18二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:44:16
”そして、塩を一つまみの半分。砂糖を一つまみ入れて……揉む！” ﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｱｼｬ
サキ「砂糖……」
”舐める？”
サキ「舐めるか！ いや、砂糖入れるんだなって」
”入れた方が味がまとまるからね。醤油でもいいけど。よーく全体を馴染ませたら……このままこれは漬けておこう！”
サキ「これいいな。楽だし、行軍中にポケットに入れとけば勝手に漬かるってことだろ？ 野草詰んで塩と砂糖とわさび……。粉わさびなら携帯しやすいか。千切りの半分は使わないのか？」
”後で使うよ”
”その前に、メインの――”
サキ「肉だ！！」
”やっぱり好きなんだ、肉”
サキ「……肉が嫌いな奴なんていないだろ」 - 19二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:45:18
- 20二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:49:00
”じゃあさっそく”
”鶏肉を一口大に切っておいてくれる？”
サキ「同じ包丁でいいか？」
”おっ。その辺気を付けてくれるんだ”
サキ「当たり前だろ。いざというときに腹痛で動けませんじゃ話にならないし。食中毒リスクぐらいマネージメントして当然だ」
”でも大丈夫。そのために先に生野菜料理作ったからね”
サキ「ん。じゃあ一口大だな……」ｽｯｽｯ
”切ったのはこのボウルに入れてね。で、醤油とお酒と……。お肉が切り終わったら、大葉を千切りにしてくれる？”
サキ「注文が多いな……」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ
”で、このまま混ぜて、しばらく漬ける！” ﾋﾟﾁｬﾋﾟﾁｬ
サキ「……工程が多すぎる。キャンプでは使えないな」 - 21二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:52:28
”いやあ、サキの手際が良くてすごく捗るね！”
サキ「こんなの誰だって出来るんじゃないか？ じゃないとSRTのサバイバル訓練なんて生き残れないから」
”いや、まあ、うん……そういうことじゃないけど”
”サキはいいお嫁さんになりそうだね”
サキ「だろ！」ﾍﾟｶｰ - 22二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:53:52
いいお嫁さんになりそうと言われて喜ぶサキかわいい
- 23二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:56:39
”次はお味噌汁を作ろうか！”
サキ「おう！ ……いや、まさか夜食にそこまでガッツリ作ることになるとは思わなかったが」
”夜食だからこそだよ”
”なぜか夜の料理は、凝りたくならない？”
サキ「いや、こんな夜中に厨房に立つことフツーはない」
”……それもそうだね”
サキ「で、私はどうすればいいんだ？ 『指示を求む』。なんつってな！」
”よし、じゃあ、お鍋に水を入れて、顆粒だしをサラサラしよう！”
サキ「サラサラってなんだよ、指示が雑だって怒られても知らないぞ？」ｼﾞｬｰ
”えっとね、サラサラはこんなものかな” ｻﾗｻﾗ
サキ「スプーン一杯分ぐらいか」
”説明上手！” - 24二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:58:07
”そしたら火にかけて、さっきのあまりの人参を”
サキ「千切りの方か？」
”いや、まだ丸のままの方。半身ぐらい残ってるでしょ。それを適当に切って、入れちゃって”
サキ「適当、適当……。適当が一番難しい……。まあ味噌汁ならこんな感じで……」ﾄﾝﾄﾝ
”そうそう！”
”完璧！”
サキ「へへへ。これはこれで入れちゃうぞ。で？」
”しめじも入れちゃっていいよ”
”そしたら一度、煮立たせます！”
サキ「了解！」ﾄﾎﾟﾄﾎﾟ - 25二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 02:58:51
サキはオールウェイズかわいいだろ何言ってんだ
- 26二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:03:31
”私は油の準備しておくね” ﾄﾎﾟﾄﾎﾟ ｶﾁｯ ﾎﾞｩｯ
サキ「正直、油は体に匂いが付くからあんまり……」
”シャワー浴びてけば？ 乾燥機回してもいいし”
サキ「ん、じゃあそうさせてもらおう……。あ、そろそろシャンプーが無くなりそうだったような」
”ソラちゃんは……今ちょうどお眠の時間かも”
”今回は私の使う？”
サキ「いいのか？ 先生の、割と高いやつじゃないか」
”好きに使ってもらってもかまわないって”
”まあ、こんな年寄りと同じものなんて使いたくないだろうけどさ……”
サキ「悪かったって。先生は若い。胃だって健康！ じゃあ今日は、遠慮なく使わせてもらうとしよう！」
”うぅ……”
”言わせてしまった感が余計に心にクる……” - 27二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:05:25
サキ「お、鍋が沸いた」
”じゃあ、今度は千切りの野菜たちを入れて……”
サキ「ほいきた」ﾁｬﾌﾟﾝ
”お味噌を溶かして……”
サキ「これ、一発で決まると気持ちがいいんだよなぁ！ ――って言ってたら決まったぞ」ｱｼﾞﾐ
”おぉー！”
”ほんと、サキは良いお嫁さんになりそうだね！”
サキ「だろだろ！ 先生はこのぐらいの味でいいか？ ちょっと飲んでみてくれ」ｵｻﾗ ﾜﾀｼ
”――うん。私も好きな濃さだよ！” ｱｼﾞﾐ
サキ「さすがだな、私は！」 - 28二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:06:32
"最後にお豆腐を賽の目に切って、もうひと煮立ちさせよう！"ｽｯｽｯ
サキ「油の方もいい感じじゃないか？」
”あ、じゃあお肉に衣つけといてくれる？”ﾁｬﾎﾟﾁｬﾎﾟ
サキ「唐揚げ粉でいいのか？ えっと……吊戸棚に手が届かん」
”あー、ちょっと待ってね” ｵﾃﾃ ﾌｷﾌｷ
”私は片栗粉でタツタ的に揚げるのが好きなんだけど……サキは？” ｾﾉﾋﾞｯ
サキ「なんでもいいって。唐揚げは唐揚げだ」
”じゃあ今回は私の好みでいい？”
サキ「もちろん。一応、先生の夜食なんだから」
”私とサキのだよ” ｶﾀｸﾘｺ-
サキ「……そういうの、あんま真顔で言うなよ」 - 29二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:12:28
”あ、片栗粉付ける前に、さっきの漬けタレのとこに卵を入れて、軽く揉んどいてくれないかな”
サキ「了解。そしたらもう粉付けちゃって？」ﾊﾟｶｯ ﾓﾐﾓﾐ
”いいよー。私はお米をチンしておくね”
サキ「電子レンジじゃあ、はじめちょろちょろ中パッパ……のノウハウは使わないか。それなりに飯盒も得意なんだけどな」ﾊﾟﾌﾊﾟﾌ
”今度RABBIT小隊のみんなのキャンプご飯食べに行きたいな”
”材料は準備するからさ”
サキ「あるもので作るのがサバイバル飯だぞ。そんなんじゃ普通にご飯作ってるのと変わらないじゃないか。ま、みんなには私から言っておくから、2日前ぐらいに連絡をくれれば、RABBIT小隊の最高のディナーをごちそうしてやろう！」ﾊﾟﾌﾊﾟﾌ
”やった！”
サキ「多分、満足させられる自信がある。食えないもんになったことは……。まあ、モエの当番の時はサポートするぐらいか」 - 30二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:18:35
サキ「衣が付け終わったけど、油入れちゃうか？」
”ちょっと待ってね” ｵﾝﾄﾞ ﾀｼｶﾒ
”うん、いい感じ。じゃあ、ちょっと交代しようか”
サキ「任せ――おい。手が汚れてる私がやった方が効率的だろ」
”温度は低めだから油跳ねしないとは思うけど”
”万が一ってこともあるし”
サキ「そこまでビビりじゃないし、よしんば火傷したってすぐ治るって」
”サキの手はきれいだから”
”私のせいで痕が残るような火傷をさせるわけにはいかないよ” ｼｭﾜｧｧｱｱ
サキ「包丁握らせといてなにを……い、いや。え？ 今なんて言った？」
”サキの手はきれいだって言ったけど？” ｼｭﾜｧｧｱｱ
サキ「……だからそういうの、真顔で言うな」
”？” - 31二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:22:49
”あとは二度揚げしたら完成！”
サキ「そういえば大根、皮剥いたの半分残ってるけど、これ使うのか？」
”あ、忘れてた。じゃあおろしてもらおうかな”
”おろしポン酢唐揚げにしようよ！”
サキ「おお、美味そうだ！ じゃあさっそく、おろし金おろし金……。おーい、おろし金ってどこにしまってあるんだ？」
”そこの引き出しの二段目にあるよ”
サキ「お、あったあった」
”それ終わったらお皿出しといてくれる？”
サキ「はいはい。急かすなよ、先生」ｼｬﾘｼｬﾘ - 32二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:23:08
こういうとこがほんと先生
- 33二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:25:39
”さて、二度目は油の温度を上げて……”
サキ「――よし、擦り終わった。皿はそこの棚のやつでいいのか？」
”うん！”
”できてるものはよそっちゃっていいよ。お米も多分出来てるし、お味噌汁も煮立ったし！”
サキ「了解！ 漬物はどうする？」
”味見して、塩気が足りなかったら塩一つまみしてもう一回揉んどいて！” ｼｭﾜｧｧｧｱ
サキ「……ん！ いい感じに漬かってるぞ！ このまま盛り付けちゃうからな！」
”オッケー！” ｼｭﾜｧｧｧｱ
サキ「お米も、おお。いいなあこれ。炊けるまでに10分弱か……。飯盒だったら30分は掛かるのになあ」 - 34二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:30:26
”これで……最後っ” ｼﾞｭｩｩｩｯ
サキ「唐揚げのお皿、これでいいよな。一応、葉物も敷いといた」
”ありがと！”
”そしたら、私たちの分だけよそって……”
サキ「これはもはや、夜食というより……」
”ふふふ”
”あ、ちょうどご飯も炊けたみたいだね”
”事務所に持って行って、ちゃんと座って食べよう。厨房で立ったまま食べるにはもったないでしょ？”
サキ「……だな！」 - 35二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:31:37
料理が上手い組み合わせだとサクサク進むな
- 36二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:36:43
事務所
サキ「……よし。準備できたぞー」
”お疲れさま。ありがと”
”ごめんね。なんだかんだで、結構時間かかっちゃった”
サキ「確かに。シャワー浴びてたらいい時間になりそうだ」
”みんなはもうとっくに寝てる？”
サキ「いや、モエが起きてる。今日の不寝番はモエだから」
”じゃあ、今日はシャーレに泊っていきなよ。モエには私からも連絡しておくから”
サキ「そうさせてもらおうかな。でも連絡はいい。私から入れておく。なんか変な勘違いされそうだし……。それより、早く食べよう先生。こんなものを目の前に置かれて、冷めるのを見ているだけなんて。これ以上ない拷問だぞ！」ｸﾞｩｩｩ
”はは。よし”
”じゃあ、二人で作ったお夜食――”
”「――いただきます！」” - 37二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:41:04
おいしそう 少し変わった箸だな
- 38二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:44:46
- 39二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:47:33
サキ「こんな時間に揚げ物なんて……。並みの女子なら歯ぎしりをしてまで我慢するだろうに……」
”無理にとは言わない”
”私のサニーレタスと交換しようか、唐揚げ” ﾐｿｼﾙ ｽﾞｽﾞｯ
サキ「手を出して見ろ。SRT仕込みの体術を叩きこんでやるからな」ｻｸｯ
サキ「――ん！ カリカリだぞ、先生！」
”ほんと？ 二度揚げって手間だけど、するとしないのとではぜんぜん違うからね”
”お味噌汁も、野菜の甘みが出てていい感じ！”
”ちょっと長めに煮立たせたから、ほんのちょっと煮詰まって、味見したときよりもいい感じになってるよ！”
サキ「ほんとか？ ――ほんとだ。先生とは味噌汁の好みが似てるな。ただ、わたしは絶対にわかめを入れたいが」ｽﾞｽﾞｯ
”たまたま切らしててさ”
”こんど作るときは買っておくよ” - 40二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:52:41
サキ「それより先生、唐揚げ食べてみろ。ごはんが進むぞ！」ﾊﾞｸﾊﾞｸ ｽﾞｽﾞｯ
”それじゃ、ポン酢をかけた大根おろしを乗っけて……”
”一口で――がぶりと！”ｼﾞｬｸｯ
サキ「はぁー。よくそんな大きいの一口でいけるな」
ﾓｸﾞﾓｸﾞ
ｺﾞﾊﾝﾊﾟｸﾊﾟｸ
ﾓｸﾞﾓｸﾞ
ｺﾞｯｸﾝ
”……やはり大根おろし。大根おろしはすべてを包み込む”
サキ「何を言ってるんだ……？」
”いいから食べてみなさい” ﾂｹﾓﾉ ｼｬｸｼｬｸ
サキ「言われなくても食べるけどな！」ｼﾞｬｸｯ - 41二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:55:23
脂っこいものを大根おろしとか柑橘系のやつとかで口当たりをあっさりさせて食べるのが好きになってきた
- 42二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 03:59:35
サキ「……」ｼﾞｬｸｼﾞｬｸ
”……どう？”
サキ「これは、いい」ｵｺﾒ ﾊﾞｸﾊﾞｸ
”でしょ！”
サキ「サクサクの衣に大根おろしとポン酢の水気が加わって米の喉通りがなめらかになる！」
”油っこさを完全とは言わないまでも、かなり消してくれてる”
”揚げ物食べてるのに口の中がさっぱりするったらないよ！”ﾊﾞｸﾊﾞｸ
サキ「これは先生の”年齢”でも、私のような”女子”でも、罪悪感がとても減るな」ｹﾗｹﾗ
”……今日シャンプー使わせるのやめようかな”
サキ「わかった。悪かった。今のは取り消すよ、先生」 - 43二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:07:10
サキ「漬物に効かせたわさびでも口の中はさっぱりするし……。揚げ物定食なのにぜんぜんもたれない。先生。これはダメだ」ﾊﾞｸﾊﾞｸ
”ダメと言う割には、手が止まってないけど？”
サキ「手が止まらないからダメなんだ！」ﾊﾞｸﾊﾞｸ ｽﾞｽﾞｯ
ｼﾞｬｸｯ
ﾊﾟﾘﾊﾟﾘ
ｽﾞｽﾞｯ
……。
――……。 - 44二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:13:42
”「ごちそうさまでした！」” ｵﾃﾃ ﾊﾟｧﾝ
サキ「ふぁ……。腹がいっぱいなのにまだ食えそうな清涼感だ……。これはダメだぞ、先生」
”ふふ。満足できたならよかった”ｺｫｫﾋｨｨ
サキ「一緒に料理ってのもいいもんだな。小隊のみんなとはまた違った刺激だった」
”私も”
”サキが普通にお料理できるって、意外な発見だった”
サキ「意外ってなんだよ。サバイバル術を持ってるってのは知ってただろ？」
”いや、なんかお弁当のイメージが強くて……”
サキ「街中に狩れる食糧はないんだよ！ 野草だって一年中採れる場所は限られてるんだ！」 - 45二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:16:37
キヴォトスでも街中で狩りをしてはいけないのか
- 46二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:18:06
サキ「はぁ。じゃ、先生は先にシャワー浴びてくれ。片付けはやっとくから」ｶﾁｬｶﾁｬ
”え？ いいよ。サキが先に浴びちゃって。私はもうちょっと仕事するから、まだ寝ないし”
サキ「……まだ働くのか？」
”リンちゃんに提出する書類がまだ仕上がってなくて……。明日までにって言っちゃったやつが……”
サキ「――シャワーで気分を変えたら私も手伝うよ」ｶﾁｬｶﾁｬ
”それは大丈夫。もう資料自体はさっきサキがまとめてくれてて、あとはそれを代入していくだけだから。気にしないで”
サキ「そ、そうか……。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ」
”片付けは申し訳ないけどよろしくね。終わったらそのまま自由にしてくれてかまわないよ。――今回の当番はどうも、お疲れさまでした” ﾍﾟｺﾘ
サキ「そんなの……。またいつでも呼んでくれ。こんな風に一緒に料理だけでもいいからな！ じゃ、お仕事頑張れ、先生！」 - 47二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:26:30
--------
ｼﾞｬｰ
ｶﾁｬｶﾁｬ
ｷｭｯ
サキ「……ふぅ」
サキ「あ。モエに連絡しとかなきゃな」
ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ - 48二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:34:16
――……。
ﾌﾞﾌﾞｯ
モエ「……」
ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
ミヤコ「――ふぁ。お疲れさまです。モエ」
モエ「ん？ おー。どしたん？ おしっこ？」
ミヤコ「……そうですが、もうちょっと慎みを持った発言を心がけてください」
モエ「うひひ。ま、異常はないよー」
ミヤコ「サキがまだ戻っていないようですが、何か連絡ありました？」ﾖｺ ｽﾜﾘ
モエ「ん」ｽﾏﾎ ﾐｾ
『先生とご飯作ってたら遅くなったので、このままシャーレで一泊する。戻りは明朝8：00』
モエ「なんかさー。この文面読んでたらなんとなく、押しかけ女房的な？ そんな気がしちゃって面白くってさあ」ｸﾋﾋｯ - 49二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:36:21
ミヤコ「……」ｽﾏﾎ
ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
ﾌﾟﾙﾙﾙｯ
ミヤコ「もしもし。こちらRABBIT1。RABBIT2、現状報告をお願いします――ええ、RABBIT3から報告は受けましたが。あなたは今、何をしていますか――シャワー！？ こんな夜中に！ ――朝ではだめなのですか。朝にしなさい、RABBIT2。そういうのは要らぬ誤解を――こら！ 切らないでください！ もしもし！ RABBIT2！」
モエ「……」
ミヤコ「……」
モエ「いや、冗談……」
ミヤコ「ちょっと出てきます」
モエ「ど、どこに……」
ミヤコ「間違いがあってからでは遅――いえ。サキが休憩をとっている間に問題が発生するかもしれないので、代わりにシャーレで不寝番をしてきます」ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ
モエ「……」
モエ「えぇ……？」
～Fin～ - 50二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:37:00
終わりです。
今晩も遅くまで、どうもありがとうございました！ - 51二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:42:47
- 52二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 04:45:19
乙 面白かったです いろんな組み合わせが見れそうで楽しみ