空崎ヒナは逡巡した

  • 1二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:54:04

    彼女の存在は久々の当番で緩んだヒナを一瞬で引き締めるほどに異質だった。


    「ですから先生は今、『見せられない姿』になっております。今、先生に会いたいというのでしたら先生と『同じ姿』になる危険性がありますよ」


    歌住サクラコは同じ台詞を繰り返してほほ笑んだ。邪悪な笑みだとヒナは思った。

    シスターフッドという組織には黒い噂が絶えないということはゲヘナでもよく知られたことだ。

    そしてヒナはその噂がある程度真実を煙に巻くためのものだということも掴んでいた。

    現在のシスターフッドの長である歌住サクラコが政治的に中立を保ちつつ影響力を増しているということまで分かっている。

    その彼女がシャーレを占領している。

    ここまで直接的な手段で先生を脅かすとは考えても見なかった。

    「……よければここで先生をお待ちになられますか?」

    「そうさせて貰うわ」

    所詮はトリニティの毒蛇の巣窟。なにが目的なのかなぜ連邦生徒会は動かないのか。ヒナが考えることは多い。

    「お茶でも飲みますか?」

    サクラコの言葉にヒナは>>5した。

  • 2二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:55:24

    武器を構え掃射

  • 3二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:55:54

    肯定

  • 4二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:55:57

    銃口を向けた

  • 5二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:56:01

    気絶

  • 6二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:56:08

    寝た

  • 7二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:56:09

    逡巡

  • 8二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:56:23

    弱い

  • 9二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:56:24

    ヒナ…緊張しすぎたか

  • 10二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 21:56:56

    サクラコ嘘だよな…?

  • 11二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:04:06

    空崎ヒナは気絶した。

    当番のために様々な無理をしていたのだ。先生の癒しを求めて最後の力を振り絞ってここまで来たのに。

    顔を見せたのはトリニティの黒い組織の長。

    これ以上は無理なのだ。これ以上は仕事はできないのだ。

    ボロボロの体ではサクラコと戦うことすらできなかった。

    (ゲヘナの風紀委員長がこんなところで倒れるなんて失格ね……)

    誰かに抱きとめられるような気がしたが、気のせいだろう。

    ゲヘナをかばう者などここにはいない。


    ヒナが目を覚ましたのはシャーレの仮眠室だった。

    先生が普段使っているベッドであると気がつくとヒナは飛び上がった。

    「……っ!」

    武器はない。あのシスターフッドに没収されたのだろう。けれど少しばかり体が軽くなった気がする。

    「先生を助けなきゃ……」

    ヒナは独り言ち、>>14することにした。

  • 12二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:04:52

    二度寝

  • 13二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:05:22

    逆立ち

  • 14二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:05:29

    冷静に状況確認

  • 15二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:05:31

    爆走

  • 16二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:06:48

    冷静だなぁ

  • 17二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:16:50

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:17:58

    空崎ヒナは逡巡する。

    武器なしであのシスターフッド達を倒して先生を救うことができるのだろうかと。

    そもそもシスターフッドが先生を捕らえてなにをしようとしているのかと。

    連邦生徒会が動かないのは……いつものことか。

    そして先生を盗聴している集団はなにをしているのか。

    そこまで考えてヒナは先生とのモモトークの画面を確認した。

    "帰ってきたらヒナの頭の匂いを嗅ぎたいな"

    違う。読みたいのはここではない。

    "あるオーパーツが見つかったから、ヒナに会うのはその後だね"

    オーパーツ、どんなオーパーツなのかヒナは知らない。先生が話してくれるまで知ろうとも思わない。

    しかし、これがシスターフッドに依頼されたとするなら辻褄は合う。


    それでもヒナの思考には『見せられない姿』というものが引っかかった。

    「ごめんなさい!私はドスケベですっ!」

    なぜかその声は猫耳のシスターの声のように聞こえた。ヒナは>>20を想像した。

  • 19二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:18:38

    先生の子供時代

  • 20二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:18:53

    先生の寝顔

  • 21二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:21:30

    ヒナちゃんはピュアだなぁ

  • 22二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:30:03

    『見せられない姿』とは先生の寝顔。

    一度ヒナは見たことがあるが、それそれはドキリとするものだった。

    そのオーパーツが対象を眠らせるというのなら辻褄が合う。そしてその装置は今もなお作動していて近づくと『見せられない姿』になるのだろう。

    さらにシスターフッドという組織の印象からもそう遠くない。拉致しやすいのは眠っている時だ。

    目覚めたらユスティナ聖徒会の拷問室にいるなんてことも可能だろう。


    ……だとすると、先ほど急に気絶してしまったのは?

    外交問題になるかもしれないが、先生の寝顔を独り占めしようなどと考える輩もいるだろう。

    盗聴している集団は寝息さえ聞こえればいいのだから利害は一致する。


    「おっ…………!」


    先生の声がした。ヒナの体はすぐに動いた。>>25をするために。

  • 23二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:34:10

    破壊活動

  • 24二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:35:06

    撮影会

  • 25二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:35:21

    邪魔

  • 26二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:37:23

    なんで?

  • 27二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:38:16

    猫かな?

  • 28二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:47:39

    ヒナは仮眠室を飛び出した。邪魔をしなければならない。

    先生が起きているのならばオーパーツの仮説もおかしくなるとヒナは思ったのだ。

    オーパーツの効果が別だとも考えずに。


    そして「おや、起きられたのですか。急に……」という声も無視をして先生の声のした方に向かった。

    シスターフッドたちを押しのけて。立ちふさがる目隠れのシスターを飛び越えて。猫耳のシスターが横を通り過ぎるのにも気がつかずに。

    "……誰か来たの?"

    先生はいた。そこにいた。

    壁尻の先生がそこにいた。

    「……えっ?」

    壁尻とは壁から尻(下半身)が出ている状態のことである。

    "あっ、ヒナなんだね。ごめん、こんな姿見たくないよね"

    "なんだか抜けなくなっちゃったんだよ"

    横に回ると先生の上半身が見えた。胴体が抜けないのかジタバタと抵抗している。

    ヒナは逡巡した。その結論は>>31だった。

  • 29二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:48:24

    パイナップル

  • 30二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:48:46

    先生の尻を触る

  • 31二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:48:48

    パワーで解決

  • 32二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:48:51

    ん、先生を襲う。

  • 33二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 22:49:04

    救助

  • 34二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:00:19

    ヒナならいける
    それを出来る力がある

  • 35二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:07:59

    その壁にはなにか文字が彫られているような気がしたがヒナはもう気にしなかった。
    壁を素手で破壊する。それぐらいならヒナでも可能だった。
    こうして壁は割れた。先生は床に倒れたが、どうやら無事のようだった。
    "ヒナ……"
    「先生……」
    ヒナは先生の次の言葉は"助かったよ"や"ありがとう"だと予想した。もしかするとそれ以上の言葉をもらえるかもしれない。
    けれど、現実は違った。
    "そんな、なんてことを"
    なぜ、とヒナは思った。だからその一瞬だけ隙ができた。
    壁は時間を巻き戻すように元の形に戻っていく。ただその中心は先生だけではなくヒナを囲む形で。

    ヒナと先生は壁に捕まった。

    「暇ね」
    "今、シスターフッド総出で解除する言葉を解読しているみたいだから"
    「そもそもシスターフッドがちゃんと状況を伝えていればこんなことにならなかったはずよ」
    "……私も、連絡すればよかったね"
    「……壁尻しているなんて連絡が来たらますます怪しいと思うわ」
    "そうだね"
    「この体勢キツくないのも不思議よね。先生はどう?」
    "キツくない。むしろ楽だよ"
    「そう、よかったわ。でもこれでは動けないから風紀委員会に連絡しないと……」
    空崎ヒナは逡巡した。
    どう連絡してもアコも捕まる未来が見えたが気にしないことにした。

    おわり

  • 36二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:10:40

    ナギサ様!シスターフッドがシャーレの先生とゲヘナ風紀委員長を拘束した模様です!

  • 37二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:10:43

    良いオチだった

  • 38二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:11:54

    >>36

    そして加わる3人目のピンク髪

  • 39二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:15:21

    エッチなのはダメ!死刑!
    でもちょっとぐらい触るだけなら……

  • 40二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:45:52

    最近なんか即興安価SSがめちゃくちゃ上手い人おるな……
    こういうの好き

  • 41二次元好きの匿名さん25/03/11(火) 23:46:36

    ヒナちゃん変態起動するかと思ったけどまあこれも良いよね

  • 42二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 09:31:19
  • 43二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 09:33:53

    このパターンで本当に見せられない姿だったなんて事ある?

  • 44二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 15:23:33

    おまけ 安い言葉遊び
    「この壁に書かれている言葉、『急を要することにおいて躊躇、逡巡するな』これは聖典に書かれた一文ですね。前後の関係からして怠惰が関係していることがわかります」
    歌住サクラコは先生の方を向いた。慈愛に満ちた笑顔を向ける。
    「つまり先生も腰を上げれば抜け出せるかもしれません」
    "無理だよ!"
    "重い腰って物理的な意味じゃないでしょ!"
    "どうするのこれ!もうすぐ当番の子が来ちゃうんだけど!"
    「そ、そうですよね……」
    壁は先生の腰あたりを固定している。壁尻などという言葉を知っている者はシスターフッドにいなかった。
    この場では伊落マリーを除いて。
    「サクラコ様、シスターヒナタの力でも先生を救出できなかったんです。壁の他の文字を解読して先生を助けましょう」
    「うっ、おっしゃる通りです。けれど時間がかかりそうですね」
    "他にすぐ読めるところないの?"
    「意訳ですが…『お前の怠惰をずっと見ていたぞ。心当たりはあるな?』でしょうか?」
    "2回タップする"
    "違うかー……"
    「なぜ先生は壁を2回叩いたのでしょうか?」
    マリーは壁尻というものを知っている。どのような意図があるのかも。その上で先生の揺れる尻から目を離すことはできなかった。
    ちょっと触ってみたい、マリーでもそんなイタズラ心が芽生えるような状況であった。
    "サクラコもやってみる?"
    「では失礼して……」
    サクラコはおそるおそる近づいた。ある一定の距離に来ると壁はサクラコの腰に食いついた。すんでのところでサクラコは壁から離れる。
    「きゃっ!え、なんですかこれ!?」
    "ねぇ今どんな気持ち?"
    「危ないところでした。これ以上近づいたら『見せられない姿』になってしまいます」
    "そうだよねー!"
    "だから早く助けて!"
    マリーはその姿をじっと観察していた。壁の射程範囲(?)外のギリギリに立てば先生に触ることができる。
    マリーは首を横に振り邪念を振り払おうとした。

  • 45二次元好きの匿名さん25/03/12(水) 15:24:27

    >>44

    シスターフッドたちにより壁に書かれた文字の解読が始まっていた。

    マリーは資料を運んだりお茶を用意したりしていたが、ついにやることがなくなり手持ち無沙汰になってしまった。

    当番のために訪れた空崎ヒナも今はスヤスヤ眠っている。

    やることがなくなると先ほどの邪念が湧いてくる。マリーは目を逸らそうとした。

    『ん、先生を襲う。』

    自分の中で悪魔が囁いた。マリーは必死でその悪魔の誘惑を振り払う。

    (ダメです……)

    壁尻となった先生は別室に隠されている。入り口は仲の良いヒナタが見張っている。つまり触ることは容易い。しかし触ってはいけない、その境界線上でマリーは揺れていた。

    (確かにシャーレでこんなことをしているのは先生があの壁と似たものがシャーレにあると言ったからですが……)

    『肯定』

    (あんなにお尻を振るなんて先生だって誘っているのかも……触られて喜ぶのかも……)

    『ん変態起動する。先生の尻を触る。いける。それを出来る力がある』

    (サクラコ様、助けてください。邪な考えが浮かび続けています)

    『急を要することにおいて躊躇、逡巡するな』

    (サクラコ様の言葉はそういう意味ではありません!違うことを考えないと……)

    『破壊活動、逆立ち、救助、パイナップル、先生の子供時代、撮影会』

    マリーは立ち上がった。先生の様子を見たいからとヒナタに伝えて壁尻をしている先生の部屋に入る。

    "……誰か来たの?"

    先生はマリーが入ったことに気がついていないようだった。今触っても誰にも分からないだろう。


    「ごめんなさい!私はドスケベですっ!」


    マリーは自らの罪を告白した。

    "マリー?"

    「先生のその姿を見てから邪な考えが頭の中に浮かでしまうんです。ごめんなさい!」

    マリーは言うだけ言うとその場から逃げるように去った。

    先生の呼び止める声ももう届いていないようだった。

    『ピュアだなぁ。猫かな?いオチだった』

    安い言葉遊び 完

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