アンタ、次やったら"こう"だからね

1二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 20:19:30

年齢の割にシワの少ない顔に学生時代と比べ幾度も出産を重ねたことで母親らしく大きく丸くなった腹部や臀部、それとは対照的に腹回りにその激闘の痕跡を感じさせないすっきり目な腹回りの彼女──ダイワスカーレットの体は30代も終わりに差し掛かりもう間も無く40の大台を迎える女性とはとても思えないほど完成された肉体をしていた。
そんな彼女は、ここ十数年では珍しく自身の夫に怒った顔を見せていた。理由は単純、彼の口にした言葉が原因であった。

「どんなにおじさんになったってアンタは私が好きになった世界で1番の男なんだから、若い子と比べてメソメソしてるんじゃないわよ！」

彼女の夫の悩みは年齢のとこであった。人の子である以上、時間の経過に打ち勝つことはできない。特に世間的にはおじさんと呼ばれる年齢になった彼にとって食事量やフットワークの軽さなど、若い人間に比べるとどうしても落ちている事は否定できなかった。
そんな彼を妻であるダイワスカーレットは見ていられなかったのだろう。学生時代より自身が1番である事を目指し研鑽を積んできた彼女にとって、共に歩んできた夫にも1番でいて欲しい、若者と比べて自分に落胆するよりも、歩んできた道のりを誇り、ベテランとしての1番を目指して欲しいというのは彼女なりの乙女心であった。
しかし、歳をとって涙脆く打たれ弱くなった夫はどれだけ尻を叩いてもなかなかギアが入らないようで、遂に痺れを切らしたダスカは自身の鳩尾から下腹部にかけて両手で円弧を書いて情けない顔の夫を見下ろす。

「アンタ、次やったら"こう"だからね」

そのジェスチャーの意味が何なのか、学生時代から20年近く一緒にいた夫には手に取るように分かっていた。

『(妻はもしかしたら12人目が欲しいのかもしれない)』

翌年、彼女たちの家に新しい家族が2人増えた