- 1五寸釘25/03/15(土) 20:45:22
- 2五寸釘25/03/15(土) 20:47:56
オリキャラちゃん詳細
名前→釘貫 百合(くぎぬき ゆり)
個性→>>1参照。
身長→178cm
髪の色→黒。
髪の長さ→前髪ぱっつんでロングで腰ぐらいまでの長さ。
髪質→ウェーブ。
普段は髪を→おろしてる。
顔立ち→美人系。
目は→垂れ目で左青右白のオッドアイで縦長瞳孔。
πは→Bカップ。
制服の露出は→下にタートルネックとかを着込んで控えめ。スカートもほかの子より長くて黒タイツ着用。
ヒーローコスチューム→fateのエリセが着てる貫頭衣みたいな衣装(黒インナーと10分丈スパッツ着用。髪はおろしてる)
普段着は→袖がゆるゆるなネックセーターとロングスカート
両親は→神社の神主夫婦。
- 3五寸釘25/03/15(土) 20:51:21
- 4二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 20:55:46
このレスは削除されています
- 5二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 20:57:05
このレスは削除されています
- 6二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 20:59:25
このレスは削除されています
- 7二次元好きの匿名さん25/03/15(土) 21:02:03
このレスは削除されています
- 8五寸釘25/03/15(土) 21:04:41
うおっ「反映されないな…」とか思ってたらめっちゃ連投しちゃっとる…消しときました…
- 9五寸釘25/03/15(土) 21:11:58
正確には⚓️ではなく🎲決定なんですが、「ちょいちょい候補を募集してその中からダイスで決めるよ!」ってところを今までスレタイに入れ忘れてたので今回から入れました!
あと今現在第三回のスレが動いていてそこで候補を募集していますが、200まで埋める形で使いますので候補の投稿はこちらではなく第三回の方にお願いします! - 10五寸釘25/03/15(土) 21:21:51
よしこっちはあっちが埋まるまで延命しておこう…
- 11五寸釘25/03/15(土) 23:04:15
保守
- 12二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 06:01:06
この辺の時間ここ数日怪しいから保守
- 13五寸釘25/03/16(日) 12:15:33
ありがとうございます助かります
- 14五寸釘25/03/16(日) 12:18:31
このあといただいた候補の中からダイスで決めて続きを投稿しますね!
- 15五寸釘25/03/16(日) 12:25:19
声を掛けられる内容は
dice1d2=1 (1)
1→「凄かったけどあれ何やったの!?」
2→「これから頑張っていきなよ!」(「頑張れ未来のヒーロー」もここに入れます)
- 16五寸釘25/03/16(日) 13:50:09
~~登校途中にて~~
百合「いだだだだ…」
体育祭終了後、初めての登校日にて、百合は全身の筋肉痛に苦しみながら登校していた。
それもその筈。彼女は身長こそ高いものの、基本は体力テストでギリギリ最下位を免れる程度の身体のため、最低限はあるものの体力も筋力もそこまで持っていないのだ。
そんな彼女は体育祭中の綱渡りなどのダメージがまだ残っている身体でプルスウルトラの精神で筋トレに励んだため、プルプルと震えながらへっぴり腰になってひょこひょこと学校へ向かっていた。
おまけに今日この日は雨であったため、傘をさしているが、傘を握っているだけでも苦労する状態であった。
百合がそんななか、ひいひいと言いながら学校への歩みを進めていたところ…
女性モブa「あ!ヒーロー科の釘貫ちゃん!体育祭観てたよ!」
女性モブb「ロボットに大穴開けたりしてて凄かったわね!あれ何をしたの!?」
百合「えっ、えーっと…私の個性はいろんなものに応用して使うことができまして…穴を開けたりしていたのもそれで…」
突然声を掛けられ、それに驚きつつも百合はそう返す。
女性モブa「へー!凄いね!」
女性モブb「ところで…なんかプルプルしてるけど…」
百合「昨日筋トレを頑張ってたら筋肉痛に…」プルプル
女性モブa「あぁ…」
女性モブb「張り切っちゃったのね…」 - 17五寸釘25/03/16(日) 13:51:28
~~その後、教室にて~~
芦戸「やっぱりテレビで中継されると違うねー!超声掛けられたよ来る途中!」
切島「あぁ俺も!」
葉隠「私もジロジロ見られて、なんか恥ずかしかったぁ」
尾白「葉隠さんはいつもなんじゃ…」
瀬呂「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜぇ…」
梅雨「…ドンマイッ」
瀬呂「うわぁぁぁはっはぁぁぁ!」(頭を抱えて苦しむ)
上鳴「たった一日で一気に注目の的になっちまったなぁ」
峰田「やっぱ雄英すげぇな!」
百合「…」(あまりの筋肉痛に机に突っ伏してダウンしてる)
八百万『その時は全力で捕まえますからね!逃がしませんよ!』
梅雨『わかってるなら次は捕まってちょうだい。
みんな心配してるわ』
百合(…八百万さんは私の前…お茶子ちゃんは八百万さんと同じ列で出入口に一番近い…梅雨ちゃんはお茶子ちゃんの二つ前…昼休みに仕掛けて来る可能性もあるし、放課後は確実に仕掛けて来る…この身体でどうやって逃げたもんか…) - 18五寸釘25/03/16(日) 13:52:10
百合の脳裏に休日中の通話での記憶が過る。
百合は彼女達からどうにか逃げ切ろうと頭を回していた。
相澤「おはよう」
一同「「「おはようございます!」」」
梅雨「ケロッ?相澤先生包帯取れたのね。よかったわ」
相澤「婆さんの処置が大袈裟なんだよ。んなもんより、今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ」
一同(((来た!)))
上鳴(特別ぅ?小テストか?やめてくれよぉ…)
切島(ヒーロー関連の法律やら、ただでさえ苦手なのに…!)
相澤「…コードネーム。ヒーロー名の考案だ」
一同「「「胸膨らむやつきたー!」」」
百合(…ヒーロー名…)
相澤「ふっ!」(抹消発動睨み)
シーン… - 19五寸釘25/03/16(日) 13:52:22
相澤「というのも、先日話した、プロヒーローからのドラフト指名に関係してくる。
指名が本格化するのは、経験を積み、即戦力として判断される2、3年から。つまり、今回一年のお前らにきた指名は、将来性に対する興味に近い。
卒業までに、その興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんてことはよくある」
峰田「大人は勝手だ…!」(ドンッと机を叩きながら)
葉隠「頂いた指名が、そのまま自身へのハードルになるんですね!」
相澤「そう。…で、その集計結果がこうだ」
彼がリモコンのスイッチを押すと、黒板にA組の指名件数のランキングが表示された。 - 20五寸釘25/03/16(日) 14:01:24
百合ちゃんの指名件数ダイス
dice4d1000=924 890 426 604 (2844)
- 21五寸釘25/03/16(日) 16:35:56
百合(わっ…すごい…)
相澤「例年はもっとバラけるんだが、三人に注目が偏った」
上鳴「だぁ~っ…白黒ついた…」
青山「見る目ないよね。プロ」プンプン
耳郎「1位轟、2位爆轟って」
切島「体育祭と順位逆転してんじゃん」
瀬呂「表彰台で拘束されたやつとかビビって呼べないって…」
爆轟「ビビってんじゃねぇよプロがァ!」
百合(そういうとこだよ…)
砂藤「三位は釘貫かぁ」
瀬呂「あの火力をあの速度で出せるからなぁ。
轟と早撃ちやって引き分けだったし、やっぱ欲しいんだろうな」
相澤「この結果を踏まえ、指名の有無に関係なく、いわゆる、職場体験ってのに行ってもらう」
出久「職場体験…」
相澤「ああ。お前らはUSJん時、一足先に敵との戦闘を経験してしまったが…プロの活動を実際に体験して、より実りある訓練をしようってこった」 - 22五寸釘25/03/16(日) 16:36:08
砂藤「それでヒーロー名か!」
お茶子「がぜん楽しみになってきたぁ!」
相澤「まあそのヒーロー名はまだ仮ではあるが、適当なもんは…」
その時、ガラリと扉を開ける音が響く。
ミッドナイト「つけたら地獄を見ちゃうよぉ!
学生時代に付けたヒーロー名が、世に認知され、そのままプロ名になってる人多いからね」
相澤「ま、そういうことだ。
その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん。
…将来自分がどうなるのか、名を付けることで、イメージが固まり、そこに近付いていく。
それが、名は体を表すってことだ。オールマイト、とかな」 - 23五寸釘25/03/16(日) 17:20:04
~~ヒーロー名決めにて~~
百合(私の…ヒーロー名……)
『百合には、仏様がついているんだよ』
『(私が姿や名前を知るとまずいことになる存在)』
『(たとえ二十歳まで生きられなくても…)』
百合は俯き、自身のヒーロー名を考える。
だが、脳裏に幼い頃から父に言われていた言葉と、あの夜の記憶が過る。
百合(……もし…もし本当に、私に危ない存在が憑いていて…私の個性の代償に関わってるとしたら…私のことを見ているとしたら……私は…)
暫しの沈黙のあと、彼女の顔が引き締まる。
百合(…この個性を……その存在からの呪いではなく……祝福と思いたい…!)
そして、彼女は配られた紙にその名を書いた。 - 24五寸釘25/03/16(日) 18:21:32
~~その後~~
ミッドナイト「じゃあそろそろ、できた人から発表してね」
切島(発表形式かよ!?)
百合(嘘でしょ!?)
瀬呂(いや、これはなかなか度胸が…)
百合(まずい流石にここで発表したら『なんでその名前にしたの?』とか聞かれかねない!
そうなったらこの名前にした理由を話すことでみんなを巻き込んでしまう!
上手いこと適当な理由を話しても気付かれる可能性がある以上発表はできない…!
よし、ここは思い付かなかったふりをしてどうにか切り抜けよう。いざとなったら紙を食べよう…!)
青山「…いくよ……輝きヒーロー、I can not stop twinkling!訳して、キラキラが止められないよ!」
一同(((短文!?)))
百合(クセが強い!)
ミッドナイト「ここはIを取って、cantに省略した方が呼びやすい」
青山「それね。マドモワゼル」
一同(((いいのかよ…)))
百合(それいいんですね…) - 25五寸釘25/03/16(日) 18:22:08
砂藤(つか、英語かフランス語かどっちかにせい…!)
芦戸「じゃあー次私ねー!
ヒーロー名、エイリアンクイーン!」
百合(パニックホラー!)
ミッドナイト「2!血が強酸性のあれを目指してるの!?やめときな…!」
芦戸「ちぇ~」(自分の席に帰ってく)
一同(((馬鹿野郎~
最初に変なのきたせいで、大喜利っぽい空気になったじゃねぇか!)))
梅雨「ケロッ!じゃあ次、私いいかしら」
ミッドナイト「はい、梅雨ちゃん!」
梅雨「小学生の頃から決めてたの。梅雨入りヒーロー、フロッピー」
百合(かわいい…)
ミッドナイト「かわいい!親しみやすくていいわ!みんなから愛されるお手本のようなネーミングね」
一同「「「フロッピー!フロッピー!フロッピー!フロッピー!」」」✊
一同(((ありがとうフロッピー。空気が変わったぁ))) - 26五寸釘25/03/16(日) 18:22:18
切島「じゃあ俺も。剛健ヒーロー、レッドライオットォ!」
百合(かっこいい!)
ミッドナイト「赤の狂騒!
これはあれね、漢気ヒーロークリムゾンライオットのリスペクトね!?」
切島「そっす。だいぶ古いけど、俺の目指すヒーロー像は、クリムゾンそのものなんす」
ミッドナイト「憧れの名を背負うってからには、相応の重圧がついて回るわよ!」
切島「覚悟の上っす」 - 27五寸釘25/03/16(日) 19:17:15
~~その後、名前決め終盤にて~~
爆轟「爆 殺 王」
百合(嘘だろお前…)
ミッドナイト「そういうのはやめた方がいいわね」
爆轟「何でだよォ!」
切島「爆発さん太郎にしろよー!」
爆轟「黙ってろクソ髪ィー!」
上鳴「wwww」
お茶子「じゃあ、私も…
…考えてありました。ウラビティ」
百合(かわいい…)
ミッドナイト「洒落てる!
…ヒーロー名、思ったよりずっとスムーズに進んでるじゃない。
残ってるのは再考の爆轟君と、飯田君。
あと釘貫ちゃん。そして、緑谷君ね」 - 28五寸釘25/03/16(日) 19:17:45
~~出久の発表時にて~~
出久(これしか…ないよな)
そして、彼が見せた紙には『デク』と書いてあった。
峰田「緑谷!?」
上鳴「いいのか?それで…」
切島「一生呼ばれ続けるかもしんねえんだぜ…?」
出久「うん。…この呼び名、今まで好きじゃなかった。けど…ある人に意味を変えられて…僕には結構な衝撃で…嬉しかったんだ」
百合(…お茶子ちゃんだね…これは…)
百合は彼の言う『ある人』というのが誰かを今までの記憶から導き出し、そして微笑みながら彼を見ていた。
出久「これが、僕のヒーロー名です!」 - 29五寸釘25/03/16(日) 19:17:56
再チャレンジ爆轟「爆殺.卿ー!」
百合(嘘だろお前…)(本日二度目)
ミッドナイト「違う。そうじゃない。
…じゃあ…釘貫ちゃん!そろそろ決まったかしら!?」
百合(!?見逃してくれなかったか…!)
百合「あー、すいません…色々考えたんですけど…一つに絞れなくて…」
ミッドナイト「そう…仕方ないわね…それじゃあ、職場体験までに決めて持ってきてくれればいいわ。職場体験では絶対に必要になるから、忘れないでね」
百合「はい!」
百合(あ…危なかった…) - 30五寸釘25/03/16(日) 19:40:11
相澤「~指名のあった者は、個別にリストを渡すから、その中から自分で選択しろ。
指名のなかった者は~」
ミッドナイト「例えば13号なら、対敵より、事故災害などの人命救助中心。とかね」
相澤「よく考えて選べよ」
一同「「「はい!」」」
相澤「今週末までに提出しろよ」
瀬呂「あと二日しかねぇの!?」
相澤「効率的に判断しろ。以上だ」
百合(…鍛えないと。…足手まといになっちゃう…!)
百合は強い意思の籠った表情でリストを見つめるのであった。 - 31五寸釘25/03/16(日) 19:53:56
~~昼休み、教室にて~~
芦戸「ねえねえ~みんなどのプロ事務所に行くか決めた?」
峰田「おいらはMt.レディ!」
梅雨「峰田ちゃん、やらしいこと考えてるわね」
峰田「違うし!…ち…違うぅ…」
百合「…」(コソコソと教室から抜け出す)
お茶子(百合ちゃん…)
梅雨(百合ちゃん…やっぱり逃げたわね…)
百合の様子を伺っていた二人は彼女の行動を見て、改めて釘貫百合捕獲作戦の実行を決意するのであった。 - 32五寸釘25/03/16(日) 21:08:31
~~放課後、教室にて~~
百合「!!!」
茶八「「!」」
帰りのHRが終わった瞬間、彼女は予め纏めておいた荷物を持って勢いよく椅子から後ろ側、つまり自分と一番近い出入り口に向かって走り出した。
それと同時に彼女の前の席である八百万はこの作戦のために自身の後ろにある掃除用ロッカーに仕込んでおいたある物を急いで取り出す。
お茶子「逃がさないよ!」
自身の前にバッと立ちふさがる彼女に百合は急いで減速して一瞬止まるが、八百万はその隙を逃さなかった。
彼女の取り出したある物から大きなネットが射出され、百合に直撃して彼女の身体を包み込む。
百合「うわっ!?」
男子一同「「「なにごと!?」」」
彼女はネットの勢いで足を掬われ、完全に包まれてしまった。
砂藤「おいおいどうした!?」
お茶子達と同じく後ろから二列目の席の彼は突然自身の後ろで起きた出来事に驚く。
百合「常闇さん!この網切ってください!」
常闇「なにがあったんだ…」
梅雨「やっと捕まってくれたわね百合ちゃん」 - 33五寸釘25/03/16(日) 21:08:47
飯田「釘貫君を猛獣みたいに…何があったんだい?」
焦りながらも網の破壊を求める百合に常闇は困惑し、飯田も困惑しながら事情の説明を求めるが、そこにHRを担当したA組担任、イレイザーヘッドが近付く。
相澤「よくやったお前達」
百合「先生!助k…まさか…」
相澤「そうだ。俺もグルだ」
百合「畜生ォォォォォ!!!!」
彼の姿を見たことで一瞬希望を持った百合であったが、『よくやったお前達』という言葉から最悪の可能性を導き出したことでその表情は絶望の表情へと変わり、彼から止めの言葉を受けたことで渾身の叫びを上げた。
相澤「話がある。ちょっと来てもらうぞ」
百合「ヤダ!!!」
相澤「そうはいかん。
麗日、すまんがこのまま個性を使って運び込んでくれ」
お茶子「はい!」
百合「ヤーダー!!!」
梅雨「観念しなさい百合ちゃん」
男子一同(((本当になにがあったんだ…)))
そして、相澤が指定した部屋まで運び込まれる百合であった。 - 34五寸釘25/03/16(日) 21:32:27
【釘貫百合捕獲作戦の概要】
当初は教室内や廊下にトラップを仕掛けて捕まえようというコンセプトであったが、ほかの者が引っ掛かる可能性があったため断念。
よって、八百万の個性で捕獲用ネットガンを彼女に気付かれないタイミングで創造し、八百万の後ろ、つまり百合の背後にある掃除用ロッカーにすぐ取り出して使える状態で入れておき、百合が逃げ出すと同時に素早く取り出して彼女に使用する。
そして取り出すまでの隙を後部の出入口付近のお茶子にガードしてもらうことで時間を稼ぎ、前の出入口に逃げようとしたら芦戸や梅雨、耳郎などの教室全体に散らばっている女子達で捕まえる。
その前に昼休みなどに担任である相澤に百合の代償の話をし、もし個性を使おうとしたら抹消で封じてもらい、捕縛布の射線上に入ったら捕縛布で拘束してもらう形で協力してもらうというものである。 - 35五寸釘25/03/17(月) 00:06:58
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 36二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 08:18:53
ナイス連携プレー
- 37二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 17:45:16
保守
- 38五寸釘25/03/17(月) 19:28:55
~~相澤の指定した部屋にて~~
ネットから出してもらった百合「……」
相澤と百合の二人は部屋に置かれているソファーに向かい合う形で座っていた。
二人の間には横に長いテーブルがあり、百合はここに連れ込まれてからずっと俯き、黙っていた。
そんな彼女を、相澤はただ静かに見守っていた。
相澤「…釘貫。今日の昼休み、麗日達から聞いた。
…お前の個性、『誰かが逐一状況を見て、代償を与えるか否か判断してるような状態』らしいな」
百合「…やっぱり…聞いてましたか…」
相澤「ああ…俺達教師陣は、代償のこと自体は書類で把握しているが…そんな状態だとは書かれていなかった。
…それに、体育祭直後から…代償のことで更にまずいことになってるらしいな」
百合「!……それも…みんなから…?」
彼女はその言葉にビクリと震え、俯いたまま静かに問う。
相澤「ああ。……さて、ここからは聞かせられんな」
百合「?」
彼は立ち上がり、扉に近付いてガラリと開けた。
耳郎以外のA組女子一同「「「うわぁ!?」」」
百合「!?」 - 39五寸釘25/03/17(月) 19:29:27
相澤「心配なのはわかるが、ここからはこいつのプライバシーに関わる。聞きたければあとで本人から聞け」
百合「聴いてたんですね…」
彼がいきなり扉を開けたことで、聞き耳を立てていた彼女達は支えを失い、部屋側にドミノ倒しのように倒れた。
なお耳郎は自身の個性で壁から盗聴していた。
彼女達の存在に気付いていなかった百合はその光景に驚き、苦笑いを浮かべながらそう言った。
芦戸「あっ、釘貫!これ持ってきたよ!」
百合「あ…これ…」
芦戸「うん!あの時買ってた服とか色々!全部詰めといたよ!」
彼女は自身も盗聴に参加する前、百合があの日彼女達から逃げるために置いていった物を持ってきていたのだ。
それを百合に渡し、笑顔を浮かべる彼女に、百合は嬉しさで微笑みながら渡された物をぎゅっと抱きしめ、彼女の顔を見ながら感謝を伝えた。
百合「ありがとう…ございます…」
相澤「さあほら、出てった出てった。
お前達はもう帰れ」
芦戸「えー!?」
相澤「さっき言っただろう。あとで本人から聞け」
芦戸「はーい…」
こうして彼女達は不安そうな表情をしながらも去り、部屋には相澤と百合だけが残された。 - 40五寸釘25/03/17(月) 19:31:27
相澤「……ここからは、俺以外誰も聞いてない。…話してくれるか?」
百合「……」
彼は話を聞こうと、彼女の様子を見守りながらそう促すが、彼女は俯き、口を閉ざしていた。
そして、彼女は俯いたままぽつりと呟く。
百合「…話せません」
相澤「……そうはいかん」
彼は優しい声色でそう返す。
百合「……先生を巻き込んじゃいます」
相澤「……釘貫。お前はまだ子供だ。守られる立場だということを忘れるな。
それにな、困っている子供を、苦しんでいる子供を助け、導くのが俺達大人の仕事だ。
どんなに危険なことでも構わん。話してくれ」
百合「……私がこれを話したら…先生はもう、後戻りできなくなります。話せません」
相澤「できなくても構わん。
後戻りできなくなるということは、お前にそれだけのことが起きてるってことだ。放ってはおけん」
百合「物理的にどうにかすることができなくてもですか?」
相澤「!?」 - 41五寸釘25/03/17(月) 19:32:10
優しい声色で話を促し続ける彼であったが、ゆっくり顔を上げ、自身を睨み付けた彼女の言葉に事態の深刻さを尚更理解し、静かに返した。
相澤「それなら尚更だ。少しでもそれがどうにかなる確率を上げなきゃならん。
お前が一人で抱え続けてしまったらそこまでだ。話してくれ」
百合「……」
彼女は再び俯き、芦戸に渡されてからずっと抱きしめていた荷物を更に強く抱きしめる。
そして長い沈黙のあと、言葉を紡いだ。
百合「……結論から言うと…私は………二十歳まで生きられないかもしれません」
相澤「!?…順を追って話してくれ。
体育祭のあと、何があった?」
彼女の言葉に、彼は驚きつつも冷静に返す。
暫しの沈黙のあと、彼女は顔を上げた。 - 42五寸釘25/03/17(月) 20:09:13
百合「…私の父は…昔から幽霊とか、そういうものが見えたらしいんです」
彼女は暗い表情をしながらも、彼の目を見て話し始めた。
相澤「霊感ってやつか…」
百合「はい。私は持ってないのか見えないんですが…」
彼女は話を続けた。
百合「そんな父に、私は幼い頃から『百合には
仏様がついているんだよ』って言われてたんです。
そのあと、初めて違和感を感じたのは入学直後の対人訓練でした」
相澤「…代償が来なかったわけだな」
百合「はい。…私の個性を使った際の代償は…恐らく、その呪いに関わっている者双方の非の割合と、求める呪いの大きさによってその大きさが変わると思っていたんですが……あの状況は…私が恨んでるって訳でもありませんし…あの二人になにかをされたって訳でもないので…私の予想が正しければ、あの呪いは『相手を恨んでる訳でもなく、相手になにかをされた訳でもないのに掛けてる』ってものになるので…『あの二人には掛からず私だけが代償を受ける』か、『あの二人に対する呪いと一緒に私も代償を受ける』って形になるはずなんです。…なのに来なかったので、その帰り道に常闇さんと蛙吹さんの二人と『なんで代償が来なかったのか』ってことを話し合ったんです。そしたら…」
相澤「『誰かが見てるような状態』ってなった訳か…」
百合「はい…」
彼女はゆっくりと俯いた。 - 43五寸釘25/03/17(月) 20:49:42
百合「…それがあってから…私は父の言葉を思い出して…思ったんです……『私には、本当に仏様が憑いていて…あの時代償が来なかったのも、その仏様が逐一状況を見ているからじゃないか』って……でも…『個性は身体機能の一部だからそんなことありえない』と思いたくて……その仏様の姿も、聞いてしまったらなにが起こるのか、怖くて聞けなくて…」
百合は自身の肩を抱き、恐怖で震え始める。
相澤「……たしか、幼い頃から言われてたって言ったよな?…それなら、入学前…例えば、幼い頃に、その仏様の姿を親父さんに聞いたことはあるか?」
彼は彼女の様子を見ながらも、聞かなくてはいけないことだと感じ、心を鬼にしてたずねた。
百合「…はい…でもその時は…『よくお寺に置かれてる像みたいな感じ』としか、教えてくれなくて…それが、今回のことに繋がるんです…」
相澤「…ゆっくりでいい。自分のペースで話してくれ」
彼は彼女の心をなるべく落ち着かせるため、優しい声色でそう告げる。
そして、百合はゆっくりと続きを話し始めた。 - 44五寸釘25/03/17(月) 23:49:28
すいません今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 45二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 08:27:44
☆
- 46二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 16:54:11
保守
- 47五寸釘25/03/18(火) 19:06:56
百合「………体育祭があった日の夜……私はあの時の試合でも代償が来なくて……父に…改めて、 その仏様の姿を聞いたんです。そしたら…父はまた、『よくお寺に置かれてる像みたいな感じ』って言ったんです…
私はそういうのが理解できない歳でもないし、『腕が何本あって~』って感じで説明できるのに…」
相澤「…『仏様がついてる』と言うわりにはおかしいな…」
百合「はい……それで、考えてみたんです。
…『私になにかが憑いてて、それが私のことを見ている』と仮定して…『見えるはずの父が、私にその姿を教えてくれない理由はなんだ?』って……」
長い沈黙のあと、彼女は再び口を開いた。
百合「……私の結論は……『その存在が憑いている者。つまり…私がその姿や名前を知ると、まずいことになる存在で…その存在を私が怖がらないようにするために…私がうっかり正体を知りにいって、危害を加えられないようにするために…下手に神様と呼ばず、救ってくれる存在というイメージが強い仏様という呼び方で教えていた』
というものでした……」
彼女は限界だった。
恐ろしい存在からもたらされる死の恐怖と、それに彼を巻き込んでしまった罪悪感に押し潰されたことによって、震えながら青くなった顔を上げ、向かいに座っている彼にゆっくりと手を伸ばした。
彼はそれを見てゆっくりと彼女の隣に座り直しながら、自分へ伸ばされている彼女の手を取り、自身の両手で包み込んだ。
相澤「大丈夫だ。俺がいる」
そして、彼は彼女の目を見ながら、引き締まった真剣な表情でそう告げた。
その心は、一人の怯える少女を救い、安心させるという気高きものであった。
百合は彼のその行動に安心したのか、青い顔で震えながらも、暫しの沈黙ののち、再び俯いて話を続けた。
百合「…それで、その……もし…もしその存在が、本当に私の個性の代償に関わっていたとしたら…本当に私のことを見ていたとしたら……
『代償が来なかったと思っていた時は……私がわからないだけで……私の…寿命かなにかを取られてるんじゃないか』って思ったんです……」
ここまで彼女の言葉を聞いていた彼は、今までの話から彼女が『二十歳まで生きられないかもしれない』と言っていた理由を理解していた。
そして、状況をより詳しく把握するため、彼は彼女の片手を両手で包み込んだまま静かに告げた。 - 48五寸釘25/03/18(火) 19:08:04
相澤「…釘貫。怖いかもしれないが、今までどんな状況で何回代償が無かったか教えてくれ。大体でいい」
百合「……えと……入試の時のロボと…対人訓練の時と…USJの時の敵と……あと…体育祭前の実験の時の建物と…本番の時のロボとか氷とか、試合で………最低でも、15回は…」
彼女は空いている片手でゆっくりと指を折って確認し、そう呟いた。
その後も彼女は言葉を続けようと息を整え、それを彼は静かに見守っていた。
百合「………あと…最後にこれが……私が話そうとしなかった理由なんですが……
……その存在……今もこの話を見聞きしてて……先生や私の『なにか』を奪うために…その機会をうかがっている可能性があります…」
相澤「そうか…よく話してくれたな」
彼は今までの話からこの可能性があることを予想しており、彼女がこの話を誰にも話そうとしなかった理由を益々理解した。
そして、彼は静かに告げる。
相澤「釘貫、俺を見ろ」
彼の言葉を受け、彼女はゆっくりと顔を上げ、彼の目を見る。
相澤「お前と周りにいるあいつらのことは、俺が必ず守りきる。必ずだ」
百合「…」
引き締まった真剣な表情でそう告げる彼に、彼女は堪えきれなくなったのだろう。
顔をくしゃりと歪め、大粒の涙を流し、泣き始めた。
その後、その部屋には『ごめんなさい』と言い続け、泣きじゃくる少女の声と、そんな少女を慰める男の優しい声が響いていた。 - 49五寸釘25/03/18(火) 19:51:18
~~その次の日、HR後、学校の一室にて~~
相澤「そうですか…」
あのあと、外がかなり暗くなってしまっていたことと彼女の精神状態を加味し、彼女を車で自宅まで送り届けた彼は、一人電話を掛けていた。
相澤「とりあえず、なにかあったらこちらから連絡します。…はい、その時はお願いします」 - 50五寸釘25/03/18(火) 19:56:17
では!ここで昼休みまでに起こるイベントの候補を募集させていただきます!
こちらも(このイベント可能かな?)っていうのは考えず、各々好きに案を出していただければ幸いです!
その後出していただいた案をこちらの方で考えてる物語と擦り合わせて、いけるものの中からダイスでどれが起こるか決めますね! - 51五寸釘25/03/18(火) 21:48:42
現在イベント候補募集中ですのでよければ!
- 52五寸釘25/03/18(火) 23:07:29
保守上げ
- 53二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 07:26:57
想定の中に入ってるかもですが、話しかけたそうにそわそわしてる女子陣と昨日何があったん……?ってなって話しかけたそうな男子陣
いやHR後ならもう話しかけてるか? - 54二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 15:15:53
ネタ思いつかなく済まないが保守
- 55二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 15:57:48
拳道さん達が捕獲作戦の時の音を聞いていたため様子を見にきた。
物真はいつも通り拳道さんに手刀くらって泡瀬くんが回収していった。 - 56五寸釘25/03/19(水) 19:11:50
- 57五寸釘25/03/19(水) 20:53:59
~~HR後、授業合間の休み時間、A組教室にて~~
女子一同「…」ソワッ…ソワッ…
男子一同「…」ソワッ…ソワッ…
釘貫百合捕獲騒動があった次の日、昨日あんな出来事があったにも関わらずいつもと変わらぬ様子を見せる百合に、A組の者達は一部を除いて落ち着きを欠いていた。
お茶子(百合ちゃん…大丈夫やろか…)
八百万(せめて相澤先生には話せていたらよいのですが…)
梅雨(流石にあの状況じゃ逃げられないとは思うけど…心配だわ…)
耳郎(いつもみたいな様子に見えるのも不安だな…ウチらじゃ話してくれないし…どうすれば…)
葉隠(いっそ相澤先生に…あーでも…)
葉隠の中のイマジナリー相澤『NO』🙅
葉隠(絶対断られるよねぇ…)
芦戸(釘貫ー!お願いだから教えてー!!)
百合(…今日は静かだな……このまま隠し通さないと…) - 58五寸釘25/03/19(水) 20:55:57
出久(昨日のあれはなにがあったんだろう……)
飯田(あそこまでやるとなると…個性の代償のことだろうか…心配だな…)
常闇(釘貫はどう見ても隠したがっているが……力になりたくてもまずは話してもらわねばな……どうすればよいだろうか…)
尾白(さてはまた無茶してるな釘貫さん……どうにか聞き出さないと…)
口田(あれって前に言ってた代償のことかな…?
だとしたら心配だなぁ……聞いたら教えてくれるかなぁ…?)
切島(初めて代償の話をしてくれた時は随分ヤバそうな状態だったからなぁ……あぁー!!こう言う時、俺が器用に説得とかできたら…!!)
~~一方その頃、B組教室では~~
拳藤(なんか…やけに静かだな…)
昨日はA組の方から百合の叫び声が聞こえており、同じクラスの取蔭や鉄哲と何があったのかと心配していた彼女であったが、今日この日、A組の方は昨日と比べるとあまりにも静かであり、かつて百合と会話したことのある者達はその静けさに再び心配していたのだった。 - 59五寸釘25/03/19(水) 22:09:36
~~その後、授業合間の休み時間、A組教室にて~~
上鳴(すげぇ静かなままここまで来ちまった…)
障子(…昼休み直前まで来てしまったわけだが…代償のことを聞いている以上、放ってはおけないな……)
そんな静かな教室のなか、峰田は考えていた。
彼の頭に浮かんでいたのはUSJ襲撃事件の直後、あの教室での百合の様子であった。
『巻き込んでしまったのに……それを…怒らないでくれて……こんなに心配してくれて……それが…嬉しくて…!』
『皆さん……また…巻き込んでも…いいですか…?』
峰田(…どっかの誰かが自分のこと見てて、代償を与えるかどうか選んでるなんて、怖ェはずなのに…あんなに嬉し泣きして、笑って…またオイラ達を頼ろうとしてくれた女の子を放っておくなんて…漢じゃねぇよなァ!)
全ては友である少女を救うため。
彼はある作戦を仕掛けた。
峰田「釘貫~!」
瀬呂(!?何する気だ!?)
百合「!はい…どうしました?」
彼女へにこやかに話し掛ける彼に瀬呂と彼女は驚き、彼女は驚きながらも平静を装って返事をした。
そして、彼は一言こう告げた。 - 60五寸釘25/03/19(水) 22:11:09
峰田「今日の下着ってどんなデザインだ?」
峰田(あばよ!!オイラの尊厳!!!)
百合「!?」
A組一同(((なに言ってんだお前ェー!?)))
そう。彼は彼女の身になにが起こっているのか、それを彼女が直接言わなくても知ることができる方法をひたすら考えていたのだ。
そして彼は思い付いた。ある一つの策を。
それは、『彼女が出来る限り嫌悪感や恐怖を覚えるような変態的な言葉をぶつけることによって彼女に反射的に個性を使わせ、その様子を見て判断する』という、自身の尊厳を犠牲にした捨て身の策であった。
そして彼は確信があった。
体育祭で彼女達に騙してチア服を着せた際、呪いによる反撃が来たからだ。
従って今回もその反撃を誘発させ、その様子を見ればわかるとふんだのだ。
彼女はその言葉を聞いた瞬間、青ざめながらヒュッと息を呑み、右手に木槌を出現させ、それを振り下ろした。 - 61二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 04:25:18
み、峰田〜〜!!(色んな感情
- 62二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 05:06:07
こういう時の峰田は頼りになる、本誌にも載ってた。
- 63五寸釘25/03/20(木) 12:44:26
これから今日の分を投稿していきますね!
- 64五寸釘25/03/20(木) 14:56:00
峰田(掛かった!!さあ来やがれ!オイラのリトル峰田でも目玉でも、どこでも掛かって来やがれってんだー!!)
彼女が木槌を振り下ろす瞬間、彼は彼女に向けて心の中で自身の覚悟を口にした。
…しかし、彼女の木槌は虚空に出現させた和釘の五寸釘にもう少しで当たるという所でピタリと止まってしまった。
百合『誰かが逐一状況を見て…』
梅雨『代償を与えるか否かを…』
常闇『判断しているような…』
父『百合には、仏様がついているんだよ』
百合『(私が姿や名前を知るとまずいことになる存在)』
百合『(私の…寿命かなにかを…?)』
百合『(たとえ二十歳まで生きられなくても…)』
百合『先生や私の【なにか】を奪うために…その機会をうかがっている可能性があります』
峰田「…釘貫…?」
彼女の頭と心は『恐ろしい存在からもたらされる死の恐怖』『それに相澤を巻き込んでしまった罪悪感』で満たされていた。
そして、それによって呪いを掛けることを躊躇ったことで同時に峰田の行動の意図に気付き、『代償のことを知らなかった者にも知られてしまった』『自身の身に起こっていることの深刻さを確信させてしまった』『これに巻き込むわけにはいかない』という意識が入り込み、『それに対する罪悪感と責任感』でも心を満たされ、押し潰されていた。
彼は彼女の様子を見て、心配しながら声を掛けるがそれに応答は無く、彼女は椅子に座ったそのままの姿勢で震え始め、やがて出現させた二つの道具を消滅させ、青ざめた顔のまま目を強く瞑り、俯きながら自身の肩を抱き締めた。
轟爆出「「「!?」」」
A組一同(((まさか…セクハラで反撃を誘発させて…!?))) - 65五寸釘25/03/20(木) 14:58:13
USJ襲撃事件の直後、あの教室にいなかったことで百合の代償のことを知らなかった彼らは、彼女の今までの様子から其々『彼女の個性には反動のようなものがある』と考えることができた。
そしてA組の者達はこの光景を見たことで、体育祭でチア服を着た百合が峰田と上鳴に呪いを掛けていたことを思い出し、峰田の行動の意図に気付き、同時に彼女が代償のことで更にまずいことになっているという不安が的中する。
そんななか、百合の様子を見ていた峰田が叫ぶ。
峰田「おい…!釘貫大丈夫か!?おい!しっかりしろ!」
砂藤「!ヤベェぞオイ…!誰か先生呼んでこい!!」
飯田「待っててくれ!すぐ呼んでくる!」
八百万「釘貫さん!」
お茶梅雨「「百合ちゃん!」」
峰田の声にハッとした彼らは震える彼女に駆け寄り、飯田は足の速さを活かして担任である相澤を呼びに飛び出す。
しかし、百合は尚も皆を心配させまいと、自身の身に起きていることに巻き込むまいと言葉を紡いだ。
百合「…大…丈夫…ですから…」
芦戸「そんな訳ないでしょ!」
常闇「釘貫、すぐ先生が来る!もう暫しの辛抱だ…!」
お茶子と八百万に左右から軽く身体を支えられ、そのままの状態でそう呟く彼女の様子に皆は焦り、言葉を掛けながら彼の到着を待った。 - 66五寸釘25/03/20(木) 14:58:27
飯田「釘貫君!」
相澤「釘貫!無事か!?」
百合「ぁ…先生…」
それから少しして飯田と相澤が到着し、彼女は二人の声に反応してゆっくりと目を開けながら青ざめている顔を上げる。
相澤(!まずいな…)
相澤「急いで保健室まで連れていく。
お前達はこのまま授業に出ろ」
駆け寄って彼女の顔を見た彼は複数の可能性を考えながら彼女のことを横抱きで抱き上げる。
百合「まだ授業が…」
相澤「馬鹿言うな。行くぞ」
腕の中で震え続けながらそう呟く彼女に彼はそう返し、二人は保健室へと向かうのであった。 - 67五寸釘25/03/20(木) 18:08:35
~~その後、保健室で検査後にて~~
リカバリーガール「一通り検査してみたよ」
相澤「結果はどうなりましたか?」
彼女はベッドに寝かせている百合の頭を撫でながら話し始め、彼は結果を問う。
リカバリーガール「身体に異常は見られないね。
でも…この子の個性の代償、誰かが干渉してるような状態なんだろう?
単純に治癒しきってるからわからないのか、それともこういう検査じゃ見えないだけで、実際はなにかあるのか…判断材料が少なすぎて、今はわからないね。
心が弱っちまってるだけだと思いたいが…」
百合「ぇ…そのこと…聞いてるんですか…?」
彼女の言葉を聞いたことで、不安そうな百合の表情が絶望の表情へと変わる。
相澤「すまん釘貫…あの時はあの精神状態のお前に追い打ちにならんよう黙ってたんだが…子供と違ってできることが多い俺達大人が、なるべく多く集まって知恵を絞った方がお前の状況をなんとかできる確率が上がるんだ。
…そういうわけで、昼休みの会議でここの教師には全部話すつもりだ」
リカバリーガール「あたしらが聞いてるのは今のところ、誰かがあんたの個性に干渉してるってところだけだよ。でもそれだけじゃあ判断材料が少な過ぎる。だから、どうしても聞かなきゃあいけないんだよ。
…イレイザーから聞いたよ。あんた、元々誰にも話さないで一人で抱え続けるつもりだったんだろう?」
彼女は相変わらず百合を撫でながら優しい声色でそう言った。
百合「でも…」
百合は涙を浮かべながら返すが、彼女は再び優しい声色でこう告げた。 - 68五寸釘25/03/20(木) 18:09:03
リカバリーガール「あーほらほら、泣かないの。
誰かの痛みを想えるのはとっても良いことだけどね、抱え込みすぎちゃあいけないよ。
友達を頼れない時はあたしら大人を頼りんさい。大人は子供を守って、正しい方向に導くのが役目なんだからね。
…大丈夫。…あたしらが絶対助けてあげるから、もう泣くのはおよし」
百合は顔をくしゃりと歪め、大粒の涙を流して泣いていた。
その後、保健室には再びほかの教師を巻き込んでしまうという罪悪感から『ごめんなさい』と言い続け、泣きじゃくる少女の声と、そんな少女を慰める男と老婆の優しい声が響いていた。 - 69五寸釘25/03/20(木) 21:38:55
~~昼休みにて~~
相澤「おっと、もうそんな時間か…リカバリーガール、あと頼みます」
リカバリーガール「あーはいはい。あとで録音か書類でちょうだいね。
あたしゃこの子の様子見てるから」
昼休みを告げるチャイムが響き渡った直後、彼は時間を確認して会議室へ向かう。
その後、保健室には彼女達二人だけが残された。
リカバリーガール「あ、そうそう、あんたは今日一日ここに居んさい」
百合「えっ…でも授業が…」
リカバリーガール「今日このまま教室に戻ったところで、あんたあの子らの顔を見て落ち着いていられるかい?」
百合「……わかりました…」
彼女は思い出したかのようにベッドに寝かされ続けている百合にそう告げ、二人のお陰で泣き止み落ち着きを取り戻していた百合は授業のことを気にするが、リカバリーガールにそう言われ、自身のことを心配してくれた彼らのことを思い浮かべ、この場に残ることを選んだ。
彼女の言葉は現在の百合の精神状態を心配した故のものであった。
今百合を解放してしまったらクラスメイトの顔を見て、パニックにならずとも落ち着いて過ごせず精神に追い打ちという形で負荷が掛かってしまうと考えたのだ。
リカバリーガール「よろしい。…そういえばあんた、今日弁当持ってきてるかい?」
百合「ああいえ、元々は食堂に行くつもりだったんですけど…」
リカバリーガール「迂闊に行って誰かに遭遇なんてできないだろうしねぇ……じゃ、ちょっと待ってておくれ………昼食はここから選びな」(一度ベッドから離れて机の引き出しから取り出してきた数種類のカ○リーメイトを見せる) - 70五寸釘25/03/20(木) 21:39:07
百合「ありがとうございます…でも先生はどうされるんですか?」
リカバリーガール「あたしも今日は食堂に行くつもりだったし、これ食べようかねぇ」
百合「本当にすみません…」
リカバリーガール「気にしなくていいよ。沢山あるから好きなの選びんさい」
百合「はい…」
直後、保健室の扉がノックされる音が響く。
そしてその人物が部屋に入ると…
お茶子「!百合ちゃん!」
拳藤「釘貫!」
彼女達はベッドで上半身を起こしている百合の姿を見て駆け寄ろうとするが…
リカバリーガール「あーはいはい!心配する気持ちもわかるが今日は面会謝絶さね!」(ババァガード)
拳藤「面会謝絶ゥ!?」
お茶子「百合ちゃ~ん!」(半泣きになって百合に両手を伸ばす)
百合(うっ…心が痛い…)(申し訳なさそうな表情で胸に片手を添える)
そんなこんなで二人は保健室から追い出されるのであった。 - 71五寸釘25/03/20(木) 23:59:36
~~昼休みのA組教室、回想にて~~
お茶子「百合ちゃんのお見舞い行く人この指止まれェ!!!」(気合いの入った表情で天高く人差し指を掲げる)
A組一同「「「はーいッ!!!」」」バタバタバタ!(同じく気合いの入った顔でお茶子に殺到する音)
百合が運ばれたあと、彼女達はそれを心配しながら見送って昼休み前の最後の授業を受けていたが、昼休みに入った瞬間いてもたってもいられなくなったお茶子がそう宣言し、彼女を心配していた者達も大声でそれに応えながら駆け寄っていった。
梅雨「待って!何人も行くと迷惑になるでしょうからジャンケンで一人決めましょう!」
一同「「「ジャーンケーン!!!」」」
彼女達はグループを複数に分けてジャンケンで代表者を決めたのであった。
~~一方その頃B組にて~~
お茶子『百合ちゃんのお見舞い行く人この指止まれェ!!!』
拳藤(!?お見舞い…)
お茶子達の声が響いてきたのを聞いて、彼女はつい最近の出来事を思い出した。
一つ目は釘貫百合捕獲作戦が行われた際、百合の叫び声が聞こえてきたことである。
彼女は当時その声を聞いて百合のことを思い出し、彼女があそこまで叫んでいる理由はなにかと考えていたところ、体育祭で騎馬戦をやった際、柳が彼女に言っていた『人を呪わばというものね…』という言葉が頭に浮かび、『まさかその関係でなにかあって…!』と考えたが、直後に『いやでも私らB組だしなぁ…釘貫からなんか話してもらったわけでもないし、細かい事情を知らない私らが様子見に行くのはあれだよなぁ…』となり、百合のことを心配しつつも同じく彼女を心配して様子を見に行こうとした者達や、単純に何事かと心配して様子を見に行こうとした者達を止めていた。
物間は百合の叫び声を聞いてウキウキで煽りに行こうとしていたところを彼女に気絶させられた。 - 72五寸釘25/03/21(金) 00:00:27
二つ目は今日この日、峰田や八百万が百合の名前を叫んでいた声が聞こえてきたことである。
この事態に彼女は百合への心配で焦り、様子を見に行こうと考えたが、やはり『大人数で行ったら迷惑になる』と考え百合のことを心配しつつも同じく彼女を心配して様子を見に行こうとした者達を止めることに尽力していた。
今回ばかりは流石の物間も彼らの叫び声を聞いたことで百合を心配して拳藤に協力し、事態が悪化しないよう努めた。
そして今、お茶子の叫び声や梅雨のジャンケンという言葉を聞き、彼女は『やっぱり個性の関係でなにかあったのか!』と確信して百合のことを心配しつつ『これだ!』と様子を見に行く方法をクラスメイトに提示した。
拳藤「あー、釘貫の様子見に行きたい人がいたらジャンケンで一人決めるよー」
そして、B組でもジャンケンが始まった。
~~その後、保健室前にて~~
拳茶「「あっ」」
拳藤「…もしかして、釘貫の件で…?」ヒソヒソ
お茶子「そっちも…?」ヒソヒソ
拳藤「うん。…じゃあ、ノックとかはA組に任せるよ」ヒソヒソ
お茶子「うん…!」ヒソヒソ
二人は保健室に入ろうとしたところで互いの動きが被ったことに気付き、保健室に声が響いて迷惑にならないようコソコソと互いの目的などを耳打ちで話し合い、そして入室したのであった。 - 73五寸釘25/03/21(金) 00:02:11
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 74五寸釘25/03/21(金) 00:03:56
あと気に入ったシーンとかがあったらそこに❤️押していただけると私が小躍りするのでぜひ(小声
- 75二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 08:24:39
☆
- 76二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 17:49:22
保守
- 77五寸釘25/03/21(金) 22:45:37
うわぁーごめんなさい!今日の分結構悩みながら書いてるので今日投稿できないかもしれません!
あと一部ミスって相澤先生が面と向かって話してるのにリカバリーガールのことをさん付けしてないとこあったので脳内変換しといてください! - 78五寸釘25/03/22(土) 00:29:51
うわしまった…書き終わって投稿しようとした文が誤操作で全部吹っ飛んだ…明日書き直して投稿します…
- 79二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 08:37:40
災難でしたね…
ゆっくり書いてってください - 80五寸釘25/03/22(土) 10:49:59
~~昼休み中、会議室にて~~
相澤「まずはこちらの資料に目を通してください」
この場には雄英高校に所属し、そこの生徒達に対して教鞭をとっているプロヒーロー達がリカバリーガールを除いて全員集まっていた。
彼はオールマイト達が険しい顔で書類を読み始めたのを見て、暫し時間を置いて話を始める。
相澤「それが今の釘貫の状態です。
その存在が釘貫の寿命やらなんやらを奪っている可能性がある以上、火急的速やかにこの問題を解決しなければなりません」
彼の言葉に続き、配られた書類を読んだ者達が険しい顔で話し出す。
13「彼女の個性の代償に、何者かが干渉していると聞かされた時は驚きましたが…これはまずいですね…」
ミッドナイト「あの子が抱え込もうとするわけだわ……怖かったでしょうに…」 - 81二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 11:10:13
このレスは削除されています
- 82二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 11:20:59
このレスは削除されています
- 83五寸釘25/03/22(土) 11:23:44
あ~誤操作と描写ミスでエラいことになっとる~^^
直してから投稿します… - 84五寸釘25/03/22(土) 13:15:07
~~朝のHR前の会議室にて~~
相澤「昨日、うちのクラスの釘貫本人から聞いたんですが…あいつの個性の代償、何者かが逐一状況を見て、代償を与えるか否か判断してるような状態だそうです」
一同「「「!?」」」
彼のその言葉に彼らは驚き、険しい表情を浮かべる。
相澤「今は時間がないので、細かい話は昼休みの会議でします。
資料もまだ載せなければならない情報が手に入ってないので、それを仕入れてから昼の会議で、ということでお願いします。
最後に、あいつはこの件と、それに誰かを巻き込むことを酷く恐れ、誰にも話さず一人で抱え込もうとしています。
俺が話を聞いた時も、『これを聞いたら後戻りできなくなる』という理由で粘られました。
無論俺もそうしますが、皆さんの方でも心のケアをしてやってください」 - 85五寸釘25/03/22(土) 13:17:55
~~時間を戻し、再び昼休み中の会議室にて~~
根津「霊的な存在がほぼ確実に干渉している個性とは、始めて聞いたね……君の方はどうだい?」
オールマイト「いえ、私も初耳です……まさかこんな個性があるとは…」
校長である彼は冷静にオールマイトにそうたずねるが、彼の『No1ヒーロー』という立場であってもそんな事例は聞いたことがなかった。
相澤が配った資料にはあの日、百合から聞いた話が百合の予想も含めて全て記されていた。
そして、そこには朝のHR後、彼女の父から電話で聞いた『仏様』に関する全ての情報も記されていた。
マイク「しっかしお祓いもできねぇときたか……どうすっかねぇ…」
相澤「それと、今日の出来事なんですが…釘貫が教室で突然、真っ青な顔で震え始めたということがありまして、今は保健室にいます」
一同「「「!?」」」
オールマイト「釘貫少女は無事なのかい!?」
彼らは相澤の言葉に驚き焦り、彼は椅子から勢いよく立ち上がってそうたずねた。
相澤「ええ。リカバリーガールさんに検査してもらったところ、身体に異常はみられないとのことでしたが、単純に治癒しきってるからわからないのか、それとも検査じゃ見えないだけで、実際はなにかあるのか、判断材料が少なすぎて、今はわからないとのことでした。
今は釘貫の様子を見てもらってるので、後程皆さんが見ている資料に、今回の会議で出た話を加筆したものを渡します。
失礼な話ではありますが、リカバリーガールさんなら、大昔になにか見聞きしたことがあって、そこからなにかわかるかもしれません」
そして、彼は一呼吸置いて話を続けた。
相澤「俺が教室に着いた頃には、あいつは縮こまって震えていました。
この話をしてくれた時の様子を見るに、恐らくこの存在からもたらされる死の恐怖と、それに俺達を巻き込んでしまった罪悪感。それと、クラスメイトを巻き込むわけにはいかないという責任感から今回の出来事が起きてしまったという確率の方が高いと思いますが…皆さんの方でも、あいつの様子が少しでもおかしかったら色々聞き出して、心のケアをしてやってください」 - 86五寸釘25/03/22(土) 13:18:54
セメントス「そうですね…よく見ておきます」
心配そうな表情でそう返す彼を見たあと、相澤はこう続けた。
相澤「俺からお伝えしたいことはここまでなんですが、念のため最後に。
…その資料にも書かれていますが、そこに書かれている存在に関する情報は、釘貫本人には決して伝わらないようにしてください。
文字、音声、その他全ての媒体で、奴の名前や手に持っているものなどが釘貫に知られないようにしてください。
俺からは以上です」
彼の言葉を聞いた一同は引き締まった真剣な表情でこくりと頷く。
そして、校長である彼は静かにこう告げた。
校長「とりあえず、今の彼女に伝えるべきことは決まりだね」 - 87五寸釘25/03/22(土) 13:25:05
あ~やっとこのシーンから解放された~…
まったくこのクソスマホめ💢キーボード貫通して投稿ボタンタップだのゴミみたいな芸見せまくって苦しめやがって💢💢
買いかえたらバキバキに破壊してやるから覚悟しとけよ💢💢💢 - 88五寸釘25/03/22(土) 13:28:59
- 89五寸釘25/03/22(土) 18:09:21
~~二人が保健室から追い出された後、昼休みのA組教室にて~~
お茶子「百合ちゃん…今日は面会謝絶って…」(ズゥーンと落ち込みながら)
砂藤「嘘だろおい…」
八百万「釘貫さん…」
彼女の面会謝絶という言葉に、百合のことを心配してお茶子の報告を待っていた者達は彼女に駆け寄ったものの、そのまま暗い雰囲気に包まれる。
常闇「…こうなれば、釘貫から今の状態を聞くことは叶うまい。
ここは我々だけで、釘貫の助けになれるよう動くしかないな…
それと、一応聞いておきたいんだが…蛙吹。相澤先生から聞くことはできないのか?」
梅雨「無理ね。私達も最初は、百合ちゃんの話を盗み聞きしようかと思っていたのだけど…『本人から聞け』って言われて追い返されちゃったわ」
常闇「そうか…」
轟「…心配して待ってたんだが……やっぱ、なんかあるんだな。教えてくれ」
そうして彼女達が集まっているところにゆっくりと近付きながら、引き締まりつつも心配が混じった表情で彼はそう言った。
彼は対人訓練の際、百合の様子を見ていて『個性になにかあるのでは』と感じ、口には出さなかったものの心配していたのだ。
体育祭の時、百合にあの勝負を持ち掛けたのもその心配故であり、その時は『対人訓練の時は何もなさそうだったし上鳴に掛けた二発目みたいなのはともかく腹を痛くするくらいなら百合も気に病むこともないだろうし身体の方も大丈夫そうだから誘ってみよう』と考えていた。
そして、元々お茶子のもとに駆け寄り、集まっていた出久も心配そうな顔でこう言った。 - 90五寸釘25/03/22(土) 18:09:33
出久「僕も…いいかな…?」
そう。出久も体育祭でチア服を着た百合が峰田と上鳴に呪いを掛けていたところと、その直後に周りにいた八百万達が百合に心配して声を掛けているところを見てはいたのだが、あの時は距離が離れていてあまりどんな話をしていたのか聞き取れなかったことや『オールマイトから授かった力で結果を残さなければ』という責任感で彼も一杯一杯であり、八百万達の細かい表情にまで意識がいかなかったこと、そしてそもそも百合が二人に呪いでツッコミを入れたあと、特にこれといってなにもなさそうな様子だったことなど様々な要因が重なり、代償があるということを知らなかったのである。
そして彼は、そんな自分を責めていた。
『同じクラスですぐ傍にいたのになんで気付けなかったんだ』という自責の念に苛まれていたのである。
その時、教室内の入り口付近で集まっていた彼女達に声を掛ける者がいた。
???「あー、ちょっといいかな…?」 - 91五寸釘25/03/22(土) 19:23:55
~~二人が保健室から追い出された後、昼休みのB組教室。回想にて~~
拳藤「…」
彼女が静かに教室に入り、扉を閉めると、百合のことを心配して彼女の報告を待っていたB組の者達が彼女に駆け寄った。
鉄哲「ど…どうだった…?」
拳藤「今日は面会謝絶だって…」
骨抜「なにがあったァ…」
彼女の言葉に心配そうな顔をしていた彼らの顔が青ざめ、百合への心配がより一層強くなる。
そして、彼女は彼らの様子を見て宣言した。
拳藤「とりあえず、ジャンケンで勝ったのは私だし…私が代表して、色々A組に聞きに行くよ」
柳「お願いね!」
彼女は拳藤に『百合のことが知りたい』という
、百合のことを心配する強い意思を込めた表情でそう言った。
その周りで鉄哲や取蔭といった、かつて百合と関わり彼女のことを心配している者達や、単純にあの事態に彼女のことを心配している者達がこくりと大きく頷く。
そして拳藤はA組に向かい、そこで集まっていた者達に声を掛けた。
拳藤「あー、ちょっといいかな…?」 - 92五寸釘25/03/22(土) 21:51:09
~~その後、昼休みのA組教室にて~~
お茶子「あ、さっきの…」
拳藤「B組の拳藤だよ。よろしく」
瀬呂「そういや体育祭ん時釘貫と一緒にいたな」
拳藤「そうそう。一緒に騎馬組んだりね」
お茶子達のもとに現れた彼女は笑みを浮かべながらそう話す。
そして、彼女は昼休みの残り時間も考え本題を切り出した。
拳藤「ところで…釘貫のことなんだけど……私らも心配しててさ…よかったらなにが起こってるのか聞かせてくれない?」
彼女は心配そうな顔でそうたずねた。
その言葉を受け、梅雨がたずねる形で返す。
梅雨「たぶんだけど、この中で一番詳しく知ってるのは私ね。
だから私が話そうと思うのだけど…いいかしら?」
彼女の言葉にA組の者達はこくりと頷き、彼女もそれに頷くことで返す。
拳藤はその光景を静かに見守った。
梅雨「じゃあ、私が話そうと思うわ。
でも…ちょっと長くなるかもしれないから、できれば放課後にしたいわ。
だから拳藤さんも、その時に来てほしいのだけど…B組の人達は何人くらいこれを聞きたいのかしら?」 - 93五寸釘25/03/22(土) 21:51:24
彼女は時計を軽く確認しつつ、彼女にそう問い掛ける。
その問いに、彼女は苦笑いを浮かべながら返した。
拳藤「あー…下手したら全員かなぁ…」
梅雨「そう……じゃあその前に、この話を聞きたい人は、今から私が言うことをよく覚えておいてちょうだい。
……この話を聞いたら、百合ちゃん曰く、もう後戻りできなくなるわよ。
物理的にどうにかすることもできないそうだから、それでもいい人だけ集まってちょうだい。
拳藤さんも、このことをB組の人達に伝えてくれるかしら?」
拳藤「…わかった!」
彼女の『後戻りできなくなる』『物理的にどうにかすることもできない』という言葉に、ファミレスでの出来事を知っているA組の女子以外の者達は一瞬驚くがその直後、全員の顔が引き締まる。
それは『百合のことを絶対に助ける』という強い意思の表れであった。 - 94五寸釘25/03/22(土) 23:08:48
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 95五寸釘25/03/23(日) 00:12:29
保守
- 96二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 08:09:44
保守
- 97五寸釘25/03/23(日) 15:49:13
これから今日の分を投稿していきますね!
- 98五寸釘25/03/23(日) 17:55:07
~~昼休み後、授業合間の休み時間、A組教室にて~~
オールマイト「わーたーしーがー!釘貫少女の荷物を取りに来たァ!」
唐突に部屋に入ってきた彼の姿に一同は驚き、そして問い掛け始める。
お茶子「百合ちゃんの様子はどうでしたか!?」
飯田「釘貫君は大丈夫なんでしょうか!?」
出久「荷物を取りにこれないって、やっぱりそれだけ体調が悪いんでしょうか!?」
オールマイト「いや、身体の方は大丈夫だよ。リカバリーガールの検査では、現在異常無しだそうだ。
で、今は念のために保健室で休ませてるんだけど…お見舞いに行ったら、『せめて教科書だけでも読んでおきたい』とのことでね。
私が代わりに来たって訳さ」
心配する彼女達に、彼は笑顔で百合の教科書などをまとめながらそう話す。
彼の言葉に彼女達は安心し、表情が緩む。
お茶子「よかったぁ…」
切島「教科書読みてぇって思える程度には回復したってことかぁ…よかったぁ…」
上鳴「…いや待て…釘貫のことだし、あいつ『少しでも授業についてかねぇと』ってなって無理してねぇか…?」
皆が安心感から笑みを浮かべるなか、彼は笑顔から訝しむ表情へと変わり、疑いを口にする。
その言葉に教室内の空気がピシリと凍り付き、彼らにもその不安が伝播する。 - 99五寸釘25/03/23(日) 17:55:24
出久「…相澤先生が連れていった時も、『まだ授業が』って言ってたもんね…」
芦戸「ありそう…」
オールマイト(いかん!少年少女達に不安が!)
オールマイト「ああいや、私がお見舞いに行った時は本当に元気そうだったから、大丈夫だよ」
瀬呂「オールマイトがそう言うなら大丈夫か…」
上鳴「だなぁ…」
彼は笑顔でそう伝えることで、彼らの不安を拭い去ろうとする。
そして彼らはその言葉に再び安心し、表情が緩むのであった。 - 100五寸釘25/03/23(日) 20:31:09
~~昼休み後の保健室、回想にて~~
オールマイト「リカバリーガール。いらっしゃいますか?」
リカバリーガール「あーはいはい。入っていいよ」
彼はコンコンと扉をノックし、部屋の中へ問い掛ける。
そして彼女からの返答を受けて中へ入った。
そこにはベッドで寝かされている百合とその隣の椅子に座り、彼女を撫でているリカバリーガールの姿があった。
オールマイト「釘貫少女。具合はどうだい?」
百合「あぁはい。なんとか…」
オールマイト「そうかぁ。よかったよ」
彼は笑顔でそうたずね、百合は申し訳なさそうな表情で返すが、彼は彼女に笑顔のままそう返した。
百合「…あー…その…」
オールマイト「ん?どうしたんだい?」
百合「…あの…もしよければ、私の教科書とか、ノートを取りに行っていただくことってできませんか…?
授業が欠席扱いになっちゃうと思うので、せめて教科書だけでも読んでおきたくて…」
オールマイト「お安い御用さ。それなら全部持って来てあげよう」👍
百合「本当にすみません…」 - 101五寸釘25/03/23(日) 20:31:22
オールマイト「気にしなくていいよ。私からしたら鳥の羽みたいな軽ささ。
じゃ、このあとまた届けに来るよ。またね!」✋
申し訳なさそうに言い淀む彼女に彼は笑顔でたずね、それに対し申し訳なさそうにそう言った彼女に彼は笑顔で返し、そのままの表情で謝る彼女に彼は笑顔のまま返しながら出口に向かい、その後軽く手をあげながらそっと扉を閉めて出ていくのであった。 - 102五寸釘25/03/23(日) 22:58:27
ごめんなさい!このあとも結構悩みながら書いてるので明日に回します!
今日はここまでで終わらせたいと思いますのでよかったら明日も見に来てください! - 103五寸釘25/03/24(月) 00:01:46
保守
- 104二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 08:20:27
百合ちゃん……
- 105二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 17:31:37
☆
- 106五寸釘25/03/24(月) 22:10:35
~~放課後の保健室にて~~
相澤「釘貫。待たせてすまなかったな」
百合「あぁいえ!」
彼の入室前の合図にリカバリーガールが返答し、彼が入ってくる。
百合はベッドの上で上半身を起こして彼のことを待っており、彼の声を聞くと共に姿勢を正し、顔を引き締めたが、直後彼の言葉に対して慌てながらそう返した。
相澤「リカバリーガールさんからもう聞いてると思うが、お前に幾つか言っておかなきゃならんことがある」
百合「!はい…!」
彼の言葉に彼女は再度姿勢を正し、表情が引き締まる。
相澤「…まず、お前はこれから個性使用禁止だ」
百合「!…はい…」
少しの間をあけ、彼はそう告げた。
彼女もこうなるとわかっていた。
わかっていたからこそ、改めて自身の状態の深刻さを認識し、そして理解した。
彼女は一瞬目を見開き、少しばかり視線を落とす。
相澤「あと今回の禁止についてだが、呪いを掛けるという行為だけでなく、釘と木槌を出すのも禁止だ。
…難しいとは思うが、このことについてはできるだけ考えるな。俺達が必ずなんとかする」
彼はそんな百合の様子を見て、伝えるべきことを伝えつつも、彼女がなるべく不安にならぬようそう告げる。 - 107五寸釘25/03/24(月) 22:11:33
相澤「…で、お前にはその穴を埋めるため、こいつの扱いを習得してもらう」
彼はそう言って自身の首元に巻かれている物を片手で軽く掴み、クイクイと上げる形で指し示した。
百合「…それって…」
相澤「捕縛布と言ってな、俺みたいに個性で物理的な攻撃をできない者が使うにはうってつけだ。機動力も確保できる」
彼の言葉にゆっくりと視線を上げた百合は彼の指している道具がなにかを理解し、そんな様子の彼女に彼は軽く説明した。
相澤「三つ目は職場体験に関してだが、お前は居残りだ。その間こいつの扱いを徹底的に叩き込む。
個性が使えない以上、戦力的には0からのスタートだ。あいつらも職場体験で成長して戻ってくる。そんなあいつらに追い付けるよう、かなりキツい指導になるがしっかりついてこい」
百合「!はい…!」
『個性を使わなくても戦えるようになりたい』という想いがある百合にとって、『職場体験期間中、捕縛布の扱いを徹底的に叩き込む』という彼の言葉はとても嬉しいものであった。
彼女はその嬉しさで驚きながらも、直後に顔を引き締めてそう返す。
その表情は彼女の持っている、『絶対にみんなを守る』という強い意志の表れであった。 - 108五寸釘25/03/24(月) 23:03:36
すいません今日はここまでで終わらせたいと思います。
よかったら明日も見に来てください! - 109二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 00:03:55
☆
- 110二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 08:17:35
百合ちゃん頑張れー!!
- 111二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 17:37:39
保守
- 112五寸釘25/03/25(火) 20:09:54
相澤「で、四つ目。お前は明日、保健室に登校するか教室に登校するか、あんなことがあった日の翌日だ。好きに選べ。但し無理はするなよ。
あと明日は昼休みか放課後に呼び出しを掛ける。その時は職員室に来てくれ」
百合「はい…!」
そんな彼女の様子を見て、彼は少しばかり安心しつつそう続けた。
彼の言葉に彼女は引き締まった表情のままそう返し、彼に対してリカバリーガールが軽く告げる。
リカバリーガール「教室に来てたら連絡ちょうだいね」
相澤「もちろんです。
では、俺はこいつを家まで送っていくので」
百合「すいません…」
相澤「あんなことのあとだ。気にするな」
リカバリーガール「そうだよお前さん。あたしも一人で帰らせるのは心配さね。気にせず送ってもらいな」
百合「はい…」
彼の言葉に申し訳なさそうに返した百合に彼はそう返し、リカバリーガールも優しい声色で彼女に告げる。
そうして、百合は彼によって車で自宅まで送り届けられる形で帰路につくのであった。 - 113五寸釘25/03/25(火) 23:22:51
~~一方その頃、放課後のB組教室にて~~
A組の者達はHRが終わったあと、B組のHRが終わり、B組担任であるブラドキングが教室から出て離れるのを待ち、そして教室に入っていった。
そこにはB組の者達全員が揃っており、教室の中央に集まっていた。
その光景を見た彼女は静かに拳藤へ問い掛ける。
梅雨「もしかして全員かしら?」
拳藤「うん。誰も帰らなかったよ」
梅雨「そう……じゃあ、今から話を…」
爆轟「待てや。俺にも聞かせろ」
梅雨「ケロッ!?」
彼女が話を始めようとした瞬間、彼が扉を開けて教室へ入ってくる。
彼の姿にA組の者達は驚き、彼女は彼に問う。
出久「かっちゃん!?」
耳郎「げぇ!爆轟!?」
爆轟「俺が聞いたら悪いンかコラァ!!」
梅雨「…でも、本当にいいの爆轟ちゃん。聞いたら後戻りできなくなるし、物理的にどうにかすることもできないそうよ?」
爆轟「いいから来てんだろうが。話せや」 - 114五寸釘25/03/25(火) 23:23:03
昼休みに拳藤がA組教室へ来た際、彼も彼女達の話を聞いていた。
彼は対人訓練をやった日、百合の個性の異質さとそれを使った彼女自身の様子を思い出し、『個性になにかあるのでは』と感じており、彼女が相澤に保健室へ運ばれたところも見たことで『彼女の個性には反動のようなものがあり、それで面倒なことになっている』と考えることができたのだ。
それ故にUSJ襲撃事件を思い出し、『また襲撃が来た際そのことで更に面倒なことになる可能性がある』と危機感を覚え、彼はその可能性を潰すために教室での彼女達の話を自身の席で盗み聞きし、この場へやって来たのだ。
彼の心に『後戻りできなくなる』『物理的にどうにかすることもできない』という梅雨の言葉に対する恐れは無かった。
彼の心にあるのは『だからどうした聞かせろ』という、『再び襲撃された際の状況悪化を防ごう』という目的のみであった。 - 115五寸釘25/03/26(水) 00:03:50
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 116二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 07:21:51
みんなええ子や……
- 117二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 16:52:17
☆
- 118五寸釘25/03/26(水) 20:46:20
梅雨「…わかったわ。順を追って話すわね」
彼の言葉を受け、彼女は百合の個性について知っていることの全てを話した。
『彼女の個性は代償があり、その代償は彼女曰く自身の年齢、そして恐らくその呪いに関わっている者双方の非の割合と求める呪いの大きさによってその大きさが変わること』『対人訓練時にその代償が来なかったこと』『そこから誰かが逐一状況を見て、代償を与えるか否か判断してるような状態だとその場の三人全員が感じたこと』『体育祭でも代償が来なかったこと』『体育祭直後、彼女の様子がおかしかったので問いただしたところ、ここからは話してしまったら聞かされた自分達が後戻りできなくなる。物理的にどうにかすることもできないから巻き込めないという理由で話してもらえず逃げられたこと』『それ故に教室で彼女を捕らえ、相澤に引き渡したこと』『彼女の状態は今までよりも更にまずいことになっていると確信していること』
そこまで話し終えたあと、彼女はこう告げた。
梅雨「話しはこれで全部よ。ただ、最後にこれだけは言わせてちょうだい。
…A組の中には私を含め、ある程度事情を知ってる子がいるわ。
でも、百合ちゃんはそんな私達にも、今の自分の状態を話してくれなかった。
きっと、誰かが自分の個性の代償に関わっている何者かに危害を加えられる確率を、少しでも下げようとしているのだと思うの。
…彼女を独りにするなんてできないわ。
百合ちゃんを助けるために、みんなの力を貸してちょうだい!」
彼女の言葉を受け、皆は力強く応えるのであった。 - 119五寸釘25/03/27(木) 00:24:40
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください!
最近進行が遅くてすいません。 - 120二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:25:19
無理せず進めるのが1番ですよー
- 121二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 17:50:50
ほ
- 122五寸釘25/03/27(木) 21:01:19
すいません投稿しようとしたらめっちゃサバ落ちしたんですけど…これちょっと続き明日で良いですかね…?
- 123二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:03:03
多分落ち着いたと思うけど不安なら明日でもいいと思いますよ
今書き込めたなら朝は誰か起きれてると思うので……多分…… - 124五寸釘25/03/27(木) 21:09:09
- 125五寸釘25/03/27(木) 21:31:50
意外と大丈夫っぽいので続き出しますね!
- 126五寸釘25/03/27(木) 21:43:51
梅雨「…と、ここまで聞いて違和感を感じた人もいるでしょうけど…本当に後戻りできなくなるのはこの先よ。ここからは私達も聞かされてない。だから情報を集めなければならないのだけど…知ってしまったら、そこからは進むことしかできないわ。
今この瞬間も、私達は『まだ』無事というだけで、いつ何が起こるかわからない。改めて覚悟しておいてちょうだい」
彼女の言葉に彼らはこくりと頷き返す。
そして、先ほどからなにか考えている様子だった者が声を発した。
爆轟「…とりあえず、一つ防がなきゃいけねぇことがある」
上鳴「おお!お前も釘貫のこと心配しt」
爆轟「違ェわアホヅラ」
上鳴「…」ズゥーン…(なんともいえない変な表情で落ち込む)
爆轟「前にクソ敵共が襲撃して来ただろうが。
またどっかで襲撃されると考えた場合、そん時にあいつがその代償とやらで動けなくなったら、あいつを守んのに戦力を割く必要が出て襲撃に対してリソースを全投入できなくなる。
その戦力差を突かれてジワジワ戦力減らされて、最終的にあいつも含めて全滅。
そこまでいかなかったとしても、襲撃に対してデケェ被害出して敗北なんて可能性がある。
それだけは防がなきゃなんねェ」
彼の言葉は彼女の話しと今までの百合の様子を踏まえ、極めて冷静に導き出されたものであり、それは彼が元々防ごうとしていたこと。彼がこの教室に来た目的であった。
彼はそのまま言葉を続ける。
爆轟「だから早ェとこそれをどうにかしねぇといけねぇ訳だが、『物理で解決できねぇ』ってとこが引っ掛かる。
『誰かが見てるような状態』っつってたな?
本当にどっかの野郎が見てやがると仮定して、そいつの正体はどこまでわかってる?」 - 127五寸釘25/03/27(木) 23:08:30
すいません今日はここまでで終わらせたいと思います。
よかったら明日も見に来てください! - 128二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 07:10:31
保守
- 129二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 15:02:04
ほ
- 130五寸釘25/03/28(金) 20:53:30
梅雨「そのことなんだけど…現状何もわかってないの。
ただ、『敵が個性で百合ちゃんになにか仕掛けているとしたら、それをやるにはあまりにも手がかかる』でしょうし、『実際に敵が個性で百合ちゃんの状態を作り出しているとしたら、どんな個性のどんな仕組みでああなっているのかわからない』の」
彼女は彼の問い掛けに困り顔でそう返す。
常闇「…これは、あくまで仮説なのだが…
…『霊的な存在が干渉している個性』という可能性はないだろうか?」
一同「「「!?」」」
この静かな空間に響いた彼の言葉に、彼女達は酷く驚いた。
爆轟「ざけてんのかァ?」
彼は呆れたような表情でそう言い放つ。
それに対し、常闇は真面目な表情でその仮説を立てた理由を話し始めた。
常闇「いや真面目だ。考えてみてくれ。釘貫の個性の代償は本来、使った直後に来るはずなんだ。
それに代償の大きさが決まる条件。本当に双方の非の割合が含まれるのなら、訓練と体育祭の試合で来ていなければおかしい。
その状況で来ないということは、蛙吹の話しでもあった『訓練中だから仕方ないという理由で来なかったのか?』という部分に繋がる。
体育祭の試合の方も同様の理由で代償が来なかったとすれば…」
庄田「『何者かが決めているような状態』になる…」
常闇「ああ。それに、ほかにもおかしな点がある。
釘貫の使っている釘と木槌。あれは毎回、どこから持ってきているのかというところだ」
顎に手を添え、考え込んでいるような表情でそう呟く彼に常闇は頷き、話を続ける。 - 131五寸釘25/03/28(金) 20:55:36
常闇「俺のダークシャドウは、出したあとも身体と繋がっている。八百万の個性も、何かを出す時は身体から出している。
だというのに、釘貫の釘と木槌は、毎回身体から少し離れた虚空に出現する。それは何故だ?」
彼の言葉に一同はハッとし、その仕組みについて考えを巡らせる。
緑谷「たしかに…どっちも瞬間移動みたいに出てきてるよね……どこか別の場所から持ってきてるとか?」
常闇「その可能性もある。…だが、それならその二つを自身の居場所まで持ってこれるというところまでセットになる。
釘貫の個性が本当に【呪い】なら、道具は持ち歩く必要があるはずだ。
当然、『呪いに関わる道具のみ持ってくることができる』という可能性もあるが…」
爆轟「幽霊だかなんだか知ンねェが、それならお祓いにでも行かせりゃいいじゃねぇか」
そう話す常闇に、彼はぶっきらぼうに解決策を挙げる。
その言葉に彼は否定で返した。
常闇「そのことなんだが…恐らくそれはできない」
爆轟「ハァ?なんでだよ」
常闇「蛙吹の話にあった、『物理的にどうにかすることもできない』という部分から考えたのだが……この世界で生きている我々人間、つまり、生物の身体に個性を通して危害を加えることができ、それを釘貫の意思と関係無く、釘貫に対して自由に実行できる霊的存在がいるとすれば…その存在には恐らく、そもそもお祓いが効かない可能性がある。仮にできたとしても、お祓いをしたらその時点でまずいことになる存在という可能性もある。
釘貫はあの個性の所有者だ。『何者かに見られているような状態』と知っている釘貫が、『物理的にどうにかすることもできない』と考えるなら、その結論に行き着くにまでにお祓いぐらいは考えているはず。
それでもあの様子ということは…」
黒色「『荒御霊が憑いてて干渉してる』ってわけだな…」
常闇「そうだ。…というか…蛙吹は色々と情報共有していたのだし、話してくれてもよかったのだが…」 - 132五寸釘25/03/28(金) 20:55:49
黒色の言葉に彼は頷いて返し、彼女の方を見ながら困惑と焦りの混じった表情でそう呟いた。
梅雨「ごめんなさいね。でもここからは本当に危ないと思ったから、文字とか電話の音声じゃなくて、直接顔色とかを見ながら伝えた方がいいと思ったの。
いきなり危険地帯に引っ張って行くのはまずいでしょうし…」
常闇「うぅむ…まあ、ここまでとなると仕方あるまい。心遣い感謝する」
心配そうな表情でそう返した彼女に彼は肯定と感謝で返す。
小森「アラミタマってなにノコ…?」
柳「簡単に言うと、祟り神とかの恐ろしい存在のこと。平将○とかが有名だね」
常闇の話しに少々顔を青くしている彼女に、柳が軽い説明をする。
そして話しは『百合の状態をどう解決するか』というものへと移行した。 - 133五寸釘25/03/29(土) 00:06:50
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 134二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 08:15:05
ほ
- 135五寸釘25/03/29(土) 13:24:10
このあと今日の分を投稿しますね!
- 136五寸釘25/03/29(土) 16:15:41
爆轟「単なる反動かクソ敵の仕業かと思ってたが…随分とやべぇモンが出てきやがったな」
重い空気が流れるこの空間で、彼らは解決策を見つけ出そうとする。
小大「相澤先生に引き渡したって言ってたよね…?
それなら、相澤先生から聞くことはできない?」
梅雨「無理ね…私達も引き渡した時、百合ちゃんの話を盗み聞きしようかと思っていたのだけど…『本人から聞け』って言われて追い返されちゃったわ」
拳藤「もし本当に『なにかが憑いてる』としたら…柳はなんかわかんない?【ポルターガイスト】の関係でさ」
柳「いいえ…私の個性も結局、『そんな感じに見えるから』ってこの名前になってるだけだから…私には霊感とかも無いし…」
物間「いっそ、僕の【コピー】で彼女に触れて探ってみるかい?」
拳藤「いや、それはやめた方がいいかも。
騎馬戦で組んだ時もそうなんだけど…釘貫は結構周りをよく見てて、判断速度も速い。
ある程度事情を知っている人にも話さないってことは、それだけ詳細が漏れないように警戒してるはずだから…事故を装って触れても、細かい部分から探ってることがバレるかもしれない」
宍田「あ!それならいっそ、全員でお守りを大量に着けて、『自分達はそんなものにやられないぞ!』とアピールするのはいかがですかな?
それで『我々の身にはなにも起こらない』と印象付けることができれば、話してくれるやもしれませんぞ!」
梅雨「!良い案ね!ただ…」
宍田「?なんですかな?」
梅雨「今までの話でわかってるとは思うのだけど、百合ちゃんはこれに誰かを巻き込んでしまうことに罪悪感を感じちゃうから…B組の人達がそれをやると、『B組の人まで巻き込んでしまった』とショックを受けてしまうかもしれないわ」
宍田「ええ、わかっておりますぞ。
なのでこれは、『ショックを与えずこっそりと見守る』か、『ショックを与えてしまうものの、我々の様子を見せて少しずつ安心してもらう』かの二択になってしまうのですぞ…」 - 137五寸釘25/03/29(土) 16:15:53
取蔭「問題は憑いてるものの強さだよね。
お祓いが効くとしても、お祓いした時点でまずいことになるような奴にお守りなんて効くかな?
釘貫もそのぐらいわかってるだろうし…お守り着けてても安心させられないかも」
飯田「…ではここは、A組B組の二グループにわかれて行動してみるのはどうだろうか?
A組なら普段一緒にいるから、お守り戦法を使っても問題は無い。
B組の人にはその間、お守りを着けず知らない体で過ごしてもらい、いざという時すぐに助けに入れるようにしてもらえれば…」
拳藤「お互いデメリットを気にせず動ける…よし!それでいこう!」
かくして、百合を救うためのAB二クラス合同作戦が決定した。 - 138五寸釘25/03/29(土) 21:00:33
~~翌日、朝のHR前の会議室にて~~
リカバリーガール「……見たことも聞いたこともないね」
相澤「そうですか…」
今日この日、昨日会議に参加できなかったことで百合の資料を見ることができなかったリカバリーガールは相澤からその資料を渡され、読み終えてから顔をあげ、一言そう告げた。
根津「子供の頃の記憶とかもダメかい?」
リカバリーガール「一通り思い出してみたけどダメだね。
…それにしても、なんでこんなものがあの子に憑いてんのかねぇ…」
彼女は再び資料を眺めながら、困り顔でそう呟いた。 - 139五寸釘25/03/29(土) 22:35:27
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 140二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 06:50:26
1レス目をずっと眺めてる読者としてはまじない方面自覚で気を楽に出来る日を祈ってるよ……
でもそれはそうと体育祭終わってるし捕縛布訓練ひょっときて心操くんと一緒?ソワ((っ ॑꒳ ॑c))ソワとなってる
百合ちゃんの気持ち的負担考えると別かもだけど - 141五寸釘25/03/30(日) 14:24:49
これから今日の分を投稿しますね!
- 142五寸釘25/03/30(日) 15:09:18
~~その後、朝のHR前のA組教室にて~~
百合「…」
お茶子「あ!百合ちゃん!」
教室にこっそりと入るため、彼女はHR開始直前の時間を狙い、後ろ側の扉をそっと開けて顔を覗かせるが、そんな百合に気付いた彼女が笑顔でそう言うと、その声に反応した者達が教室中から笑顔でワラワラとそこへ集まってくる。
砂藤「具合の方は大丈夫か?」
百合「あはは…ご心配お掛けしました…もう大丈夫です…」
彼女はその様子に驚き、苦笑いを浮かべながらそう返した。
飯田「!みんな!そろそろ時間だぞ!釘貫君も席に着こう!」
そんな中、同じく集まっていた彼が時計をチラ見したことでHRまでの残り時間に気付き、着席を促したことで皆は席に着くのであった。 - 143五寸釘25/03/30(日) 20:12:11
~~昼休み、A組教室にて~~
百合(…みんな、今日は体調ぐらいしか聞いてこない。確実に昨日のあれで心配させちゃって る。
…詳細だけは隠し通さないと…)
あのあと、皆はB組の者達と共に『作戦中百合にどう接するか』という点について話し合っていた。
結果、『下手に探りを入れたら百合の精神に負荷が発生し、最悪自分達を守るために自主退学を選ぶ可能性もあるのでそれだけはやめよう』ということになり、『AB二クラスどちらも探ることはせず普段通りに過ごし、いざという時すぐに助けに入れるよう構えておきつつ、A組はなるべく早く全員がお守りを大量に身に付けることで彼女を安心させられるようにしよう。
あわよくばそれで自分から話してくれるといいな』という『北風と太陽作戦』を計画、実行していた。
なお八百万はこの作戦計画時、あまりの心配に一瞬だけ小型盗聴機による盗聴という手段を頭に浮かべたが、百合を対象に使用してバレた場合の百合の精神的負荷、相澤などの百合の状態を知っていそうな教員を対象に使用した場合、情報漏洩防止のためにこの手段を警戒していて即行でバレて教えてもらえないという可能性を考え、盗聴という手段が頭に浮かんだ直後に断念した。
そして百合はこの日、昨日の自身と周囲の者達の様子を考え、『みんなを余計に心配させないようにしないと…』とこの瞬間まで平静を装っていた。 - 144五寸釘25/03/30(日) 22:14:59
校内のスピーカー『1年A組の釘貫。1年A組の釘貫。全ての荷物を持って職員室まで来い』
百合が弁当を取り出そうとしたその時、相澤の声で放送が流れる。
それを聞いた瞬間、彼女の脳裏に昨日自宅まで車で送ってもらった際の記憶が過った。
相澤『釘貫。明日の呼び出しなんだが…その時は、お前の個性に関わる話をしなくちゃならない。怖いとは思うが、覚悟しておいてくれ』
百合『…はい』
走行途中、運転席の彼から静かにそう告げられた彼女は、助手席で自身の荷物を抱きながら両手を握り締め、ぽつりと返した。
百合「…」
彼女は必死に平静を装いつつも、その放送を聞いた自身の細かな様子から、周囲の者達に不安を悟られぬよう手早く荷物をまとめ、教室から出ていくのであった。 - 145五寸釘25/03/30(日) 23:06:12
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 146二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 06:49:19
☆
- 147二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 15:02:58
ほしゅ
- 148五寸釘25/03/31(月) 19:38:59
~~その後、職員室にて~~
相澤「来たな。ここからは別室で話すぞ」
職員室に入ってきた百合の姿を見て、彼は仕事机の椅子から立ち上がりながらそう告げる。
そして二人で別室に移動すると…
ラグドール「初めまして釘貫ちゃん!」(扉の前でプッシーキャッツ集合の時のポーズをしてる)
百合「へ?」
『個性に関わる話をする』と言われていたことを思い浮かべ、身構えていた百合の視界にプッシーキャッツお約束のポーズをとっている彼女の姿が映る。
そして彼女がそんな姿勢を開かれた扉の目の前でやっているという状況に百合が驚いていると、そのポーズをやめた彼女に手を握られて部屋の中へ引き込まれる。
ラグドール「身長高くてモデルさんみたいだねぇ~ほら座って座って!」
百合「えっあっはい…」
彼女は混乱する百合を笑顔で部屋のソファーまで引っ張って座らせ、続けて百合の後ろに立って彼女の頬を両手のひらでモチモチと揉み始める。
ラグドール「あちきはラグドール!よろしくね!」
百合「ふぁ…ふぁい…」
そんな二人の目の前には横長のテーブルとその向こうにもう一つのソファーがあり、相澤は二人の正面に座り、ラグドールに声を掛けた。 - 149五寸釘25/03/31(月) 19:39:52
相澤「なにかわかりましたか?」
ラグドール「んーん~、それがぜんぜっ…」
その時、笑顔で百合の頬をモチモチしながら彼女のことを見下ろしていたラグドールの動きがピタリと止まる。
相澤「!?」
百合「?…ラグドールさん?…!?」 - 150五寸釘25/03/31(月) 21:14:56
百合は突然動きと言葉が止まったラグドールを心配し、自身の顔を包んでいる彼女の両手をそっと握って下ろしながら彼女の顔を見上げる。
そんな百合の視界に映ったのは、まるで何かに驚いたかのように笑顔が抜け落ち、呆けたラグドールの顔であった。
百合「先生!!」
相澤「わかってる!!」
百合は彼女の両手で視界を塞がれていたため、正面にいる彼の表情などが見えていなかったが、彼はラグドールがこの状態になるまでの一部始終を見ていた。
彼女の様子に驚き焦った百合はバッと顔を戻して彼に叫び、彼もそれに応えながら【抹消】を発動する。
しかし…
相澤「ッ!クソ駄目か!」
百合「ラグd」
相澤「じっとしてろ!」
百合「!」
彼女の様子は全く変化せず、彼はラグドールのことを心配し、その場で彼女になにかしようと動き出した百合を『今のラグドールに百合がなにかをしたら、今度は百合の身になにかが起こるかもしれない』と考えて止めた。
そして彼は素早くラグドールに近付き、彼女の隣に立って片手で肩を掴んで揺する。
相澤「ラグドールさん!大丈夫ですか!ラグドールさん!!」 - 151五寸釘25/03/31(月) 21:15:13
ラグドール「…!…あぁ、ゴメンゴメン!」
すると、彼女はハッと我に返り、周囲の様子を確認したのち、いつもの笑顔で二人にそう言った。
百合「…本当に大丈夫ですか…?」
ラグドール「大丈夫大丈夫!ほらそんな顔しない!」
そんな彼女に対し、百合は心配そうな表情でそうたずねるが、彼女は笑顔で再び百合の両頬を両手のひらでモチモチと揉み始めた。
相澤「…とりあえず、ミッドナイトさんを呼びます」
百合の頬をモチモチと揉む彼女の隣で彼は携帯を取り出し、ミッドナイトに電話を掛けるのであった。 - 152五寸釘25/03/31(月) 23:01:16
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 153二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 06:23:22
調べるならラグドールだよなあ……大丈夫?
- 154二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 15:05:20
保守
- 155五寸釘25/04/01(火) 19:45:41
その後、彼の連絡を受けたミッドナイトが部屋に駆け付け、彼女は百合と共に保健室へと向かった。
ラグドールは学校に来る前、相澤から連絡を受けた際に百合の話を聞いており、学校に到着した際改めて彼女の個性に関する資料を渡され、読んでいた。
その結果、彼女は『いきなり始めてパパッと見てはい終わり』とやることで考える時間をなるべく与えず、それによってなるべく百合が『また誰かを巻き込んでしまった』と自分を責めたり怖がったりしないにしようと考え、それを彼と実行した。
普通のヒーローとの話し合いならこんなことはできないが、彼女の個性は【サーチ】。
見るだけで対象者の情報が分かる彼女だからこそできる芸当であった。
しかし、二人の策は先程の出来事で失敗し、百合とミッドナイトが部屋から離れたことを確認したあと、彼女は笑顔を消し、鋭い目付きで彼に告げた。
ラグドール「イレイザー。今すぐ会議を開いて」 - 156五寸釘25/04/01(火) 23:06:24
すいません今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 157二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 06:59:15
保守
- 158二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 15:01:48
☆
- 159五寸釘25/04/02(水) 19:16:06
このあと今日の分を投稿しますね!
- 160五寸釘25/04/02(水) 19:43:00
~~その後、昼休み中の会議室にて~~
そこには校長である根津を始めとし、この学校に教師として所属しているヒーロー達が集まっていた。
そしてミッドナイトは『リカバリーガールと二人でいるよりもミッドナイトも含めた三人でいたほうが百合が安心できるだろう』という相澤の判断で保健室に残ることとなり、オールマイトはOFAのことがラグドールにバレぬよう、今日は校長から学校の一室を借りてコソコソと仕事をしており、この場には来れないためリカバリーガール、ミッドナイト、オールマイト以外の者達がこの場に集まっていた。
ラグドール「最初にあの子を見たとき、普通なら色々と情報がわかるんですが…まるで最初から何も無いみたいに、何もわかりませんでした。
それで、そのあともずっと個性を使ってあの子を見ていたところ…突然視界が真っ暗になって…真っ暗な空間に飛ばされたような感覚になりました」
彼女はこの場にいないミッドナイトの席を借り、引き締まった表情であの部屋での出来事について話す。
彼らはその話を険しい表情で聞き続けた。
ラグドール「…気が付いたら、目の前にイレイザーの資料に書かれてた存在が立ってました」
一同「「「!?」」」
ラグドール「赤黒い布で顔を隠して、手には木槌と長い釘を持ってました。間違いありません。
あと…その時、声がしました」
マイク「声…?」
ラグドール「男の声でした」
彼女は彼にこくりと頷き、皆にそう告げて話しを続ける。 - 161五寸釘25/04/02(水) 19:45:14
ラグドール「『恐れることはない。
この娘の力は私が与えたものだ。そのことをこの娘に伝えよ』
そう言ってました」
彼女のその言葉に、場の空気がピシリと凍りついた。
ラグドール「そのあとは意識も戻って、あの子の情報も色々わかるようになったんですが…
あの子に憑いてる存在のことについてはなにもわからず、個性の部分は【祈願】としかわかりませんでした。
でも…あの子の個性って…【呪い】でしたよね…?」 - 162五寸釘25/04/02(水) 23:26:24
すいません今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 163二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 06:46:41
☆
- 164二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 15:08:52
保守
- 165二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 22:22:07
ほしゅ
- 166五寸釘25/04/03(木) 22:46:07
~~保健室にて~~
百合「…」
リカバリーガール「…ほら、ベッドにお入り」
百合「…はい…」
ミッドナイトがあの部屋から百合を連れ出し、保健室に到着すると、リカバリーガールは百合に優しくそう言い、彼女をゆっくりとベッドへ連れていき寝かせる。
ミッドナイト「…大丈夫。私達が絶対なんとかするわ」
先程の部屋での出来事によって、百合の表情は保健室に移動するまで、そして移動してからも、ずっと暗いものであった。
彼女はそんな百合を少しでも安心させようと、微笑みながら彼女の頭を撫で、言葉を掛ける。
しかし、百合の心は罪悪感で満たされていた。
今まで一人で代償のことを抱え込み続けようとしていた彼女は、『ラグドールが自分の個性のことを調べようとしたことであの状態になってしまった』ということを理解してしまっていた。
そしてあの部屋での出来事は、彼女がずっと避けようとしていた『巻き込むことによって誰かが自分の個性の代償に関わっている存在に危害を加えられる』という状況そのものであった。
彼女は『自分が言わなければこんなことにはならなかったのに』『助けを求めなければこんなことにはならなかったのに』と自身を責め続けていた。
彼女は『このことで大人に助けを求めたのなら、その解決策を導き出すためにあの話を大人同士で全て共有する必要があり、その共有によって学校外部のほかの大人も巻き込むことになる可能性があり、今回のようなことになる可能性がある』ということを理解し、覚悟していた。
しかし、その状態であっても実際にこのようなことが起きてしまい、それを至近距離で見てしまったことで、彼女の心には『代償に関わっている存在からもたらされる死の恐怖』が再び刻み込まれ、『それにラグドールを巻き込んでしまった罪悪感』が湧き上がっていた。
彼女は『自身が誰かに見られてるかもしれないというところまでしか知らず、それがどんな存在なのかも知らなければなにも起こらない』という可能性に一瞬すがったが、ラグドールの場合はもしそうであったとしても、既にあの部屋であの出来事が起きてしまっており、それを至近距離で見てしまっているため、すがった直後にその可能性を否定し、絶望していた。 - 167五寸釘25/04/03(木) 22:54:14
リカバリーガール「…これは、会議の時には言わなかった話なんだけどね」
目に涙を溜め、今にも泣き出しそうになっている百合に彼女はそう告げ、話を始めた。
リカバリーガール「あんたの個性で代償が来なかったタイミングがあるだろう?
そこから考えてみたんだけどね、代償の大きさ、そこに、『その呪いに関わっている者双方の非の割合』ってのが本当に含まれてるとしたら、USJで敵に使った時は、『身勝手に他者を襲う者に対して使ったことであんたに代償が来たものの、あんたの側に非は無いから、それで結果的に代償が来なかったように感じた』って可能性もあるよ。
つまり、数字はなんでもいいけどね、本来あんたに来るはずだった代償の大きさが1とか5だったのが、あんたに非が無かったことで0に変わって、その結果、代償が来なかったように感じたってだけの話かもしれないと思ったのさ」
百合「…代償が…0になっただけ…」
百合は彼女の言葉を聞いたことで、目に涙が溜まってはいるものの、その表情に困惑が混ざる。
リカバリーガール「仮想敵や氷に使った時もそう。
『そもそも相手が生き物じゃないから、非が無いことになって代償の大きさが0になった』
訓練と体育祭の試合の時も、『それぞれ訓練と体育祭の試合であって実戦の殺.し合いとかじゃないから、非が無いことになって代償の大きさが0になった』
それで代償が来なかったように感じただけで、実際はあんたの寿命も含めて、なにも取られてないって可能性もあるよ。
で、ここからが大事だ。よくお聞き」
そして、彼女は一呼吸置いてこう告げた。
リカバリーガール「そこから考えるとね、あんたの話にあった『仏様』とやらが本当に個性の代償に関わっているとしたら、その存在は『まともな存在』である可能性があるんだよ」
百合「!?…まと…も…」
百合はその言葉に酷く驚き、表情が困惑一色となる。
そんな百合に彼女は話を続けた。 - 168五寸釘25/04/03(木) 22:55:18
リカバリーガール「もちろんこれは可能性の話だよ。悪い可能性は捨てきれない。
だから、悪い方の可能性に全力で対処してる者達を混乱させないよう、会議では言わなかったのさ。
…でもね、もしさっき話した条件で代償が来るなら、その存在はあんたが代償が来ると思っていた訓練と体育祭の試合で、『あんたに非は無い』って判定にしてくれて、ついでに敵とか氷とかにもその判定にしてくれて、なにも取らなかったことになる。
あたしゃあ今回はミッドナイトから、『個性調査中にトラブルが起きた』としか知らされてないから、まだなにが起きたのかはわからないけどね、悪い方の可能性について考えるのは、あたしらに任せんさい。
あんたは良い方の可能性だけを考えな。『その存在がまともな存在』って可能性だけをね」
百合「…でも…」
ミッドナイト「大丈夫。誰も死.なせないわ。私達も死.なない。絶対にね」
百合「……はい」
彼女の話に、百合は先程の部屋での出来事を思い出し、不安そうな表情でそう返すが、ミッドナイトが微笑みながら告げたその言葉に、百合はリカバリーガールからの話もあり、ほんの少しだけ安心し、不安が混ざっているものではあるが、微笑みを浮かべて返すのであった。 - 169五寸釘25/04/03(木) 23:50:08
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 170二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 07:16:01
☆
- 171二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 15:01:28
ほしゅ
- 172五寸釘25/04/04(金) 21:46:07
これから今日の分を投稿しますね!
- 173五寸釘25/04/04(金) 22:50:41
~~その後、保健室にて~~
昼休みが終わったことでミッドナイトは授業に向かい、部屋にはリカバリーガールと百合の二人だけが残った。
そして百合はミッドナイトが部屋から出ようとした際、共に出て授業に向かおうとしたが、『トラブルが起きた直後にクラスメイトの顔見るのは精神的にキツいだろ無理すんな』ということで、彼女の動きを先読みしていたリカバリーガールに起き上がろうとしたところを額に手を置く形でベッドにトンッと押し戻されて寝かされ、授業中の現在は教科書とノートを使って勉強していた。
しかし…
百合「…」ソワッ…ソワッ…
リカバリーガール「…心配かい?」
百合「…はい…せめて、ラグドールさんともう一度会えないでしょうか…?」
彼女が二人の言葉によって得た安心感はほんの少し。そして一時的なもの。
ミッドナイトが部屋から出ていったことで、彼女の心には再び不安が渦巻いていた。
彼女の様子にはあまり落ち着きがなく、その姿を見ていたリカバリーガールは『そりゃああの話だけで安心しきれないよな』と彼女の心.中を察し、優しい声色でそうたずねる。
百合はその言葉に勉強の手を止め、暗い表情で返した。 - 174五寸釘25/04/04(金) 23:38:27
今日はここまでで終わらせたいと思います!
よかったら明日も見に来てください! - 175二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 08:35:12
ほしゅしゅ
- 176五寸釘25/04/05(土) 15:17:23
これから今日の分を投稿しますね!
- 177五寸釘25/04/05(土) 16:35:33
リカバリーガール「…しょうがないねぇ。内線でまだいるか聞いてみようか」
百合「!いいんですか!?」
リカバリーガール「いいよ。ちょっと待ってな」
そんな彼女にリカバリーガールは微笑みながらそう返し、その言葉に百合の表情はパァッと明るくなる。
そして、リカバリーガールは彼女の様子を見ながら内線電話を掛けた。
リカバリーガール「あーもしもし。あたしだけどね、ラグドールってまだそっちにいるかい?」
根津『ああ。彼女なら職員室にいるよ』
リカバリーガール「ちょっとこっちに来てもらえんかね?」
根津『やっぱり心配してるよね。
わかった。今声を掛けてくるよ』
そうして校長室に掛けられた電話が暫しの間保留状態となり、再び彼の声が聞こえてくる。
根津『今そっちに向かったよ』
リカバリーガール「そりゃあよかった。
今こっちに向かってるとs」
ラグドール「お待たせ!!!」トビラバターン!
百合「はやっ!?」ビクゥッ
彼の言葉を受けて彼女が返事をしつつ、百合にそのことを伝えようとしたところ、全速力でやってきたラグドールが扉を勢い良く開けて入室し、百合はそれに驚くのであった。 - 178五寸釘25/04/05(土) 20:51:04
すいません突然体調が悪くなりまして…ちょっと今日は続き書けないので明日まで様子見させてください…
その間保守していただけると幸いです… - 179二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:25:28
体調お気をつけてー!
- 180二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 07:49:22
保守
- 181二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 15:57:02
☆
- 182五寸釘25/04/06(日) 19:43:21
すいません現在胃腸炎ということで苦しんでるんですが、病院で貰った薬が結構効いてるっぽいので明日には続きが書けるかもしれません。
申し訳ありませんがその間保守していただけると幸いです。
まさか作者である私の腹にも呪いが掛けられるなんて… - 183二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 21:37:24
身体お大事になさってください……
- 184二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 05:33:56
保守
- 185二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 12:39:15
最近体調崩されてる書き手さん多い気がする……みなさんお身体お大事に……
- 186二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 21:14:21
☆
- 187五寸釘25/04/07(月) 21:45:27
すいません今日はまだ書けないんですが最初と比べると結構調子が良くなってきてるので明日から!明日からは書けるかもしれません!
その間申し訳ありませんがもう少しだけ保守をお願い致します。 - 188二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 05:43:11
本当にご無理はなさらずに……!
- 189二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 12:47:33
☆
- 190二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 20:58:36
保守
190だし新スレ準備からになりそうだから無理せずゆっくりやってくださいね - 191二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 05:10:58
保守
- 192二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 12:30:01
☆
- 193五寸釘25/04/09(水) 18:09:38
ここまで保守していただきありがとうございました!
もう完治したっぽいのでこれから続きを投下していきますね! - 194五寸釘25/04/09(水) 20:04:37
ラグドール「釘貫ちゃーん。呼ばれたのが嬉しくて走ってきちゃったよー」
百合「お…おへんひぃふぉううぇよくぁったへふ…」(お元気そうでよかったです)
リカバリーガール「騒々しいねぇ…」
入室直後にそのままの勢いでベッドで上半身を起こしている百合に近づき、彼女の両頬を両手のひらでもちもちと揉む彼女を見て、リカバリーガールは微笑みながらそう呟いた。
ラグドール「じゃあ、あちきはそろそろ戻るね」
~~その後~~
ラグドールは驚いていた百合に考える隙を与えず、個性とはまったく関係のない話題に引き込み暫く談笑したのち、ベッドに腰掛けるのをやめ、立ち上がりながらそう告げた。
百合「あっ…すみません、お時間を…」
ラグドール「気にしない気にしない!…じゃ!またね!」
百合「はい…」
申し訳なさそうな表情をしている彼女の両頬を、ラグドールは再び両手のひらでもちもちと揉みながらそう返し、部屋から出ていく。
そして、百合は微笑みながら彼女の言葉に応え、ベッドから見送るが、その足音が部屋から遠のくと表情は暗くなり、ぽつりとこう呟いた。 - 195五寸釘25/04/09(水) 21:11:24
しまった間違えてラグドールさんが百合ちゃんのほっぺ揉んですぐ帰る人みたいなセリフ配置に!
ラグドール「じゃあ、あちきはそろそろ戻るね」
のとこは~~その後~~の下ですね。 - 196五寸釘25/04/09(水) 21:24:31
- 197五寸釘25/04/09(水) 23:44:19
百合「……先生。…父が『仏様』と呼んでいた存在が、私の個性の代償に関わっているとしたら…『その存在がまともな存在である確率』って何%くらいなんでしょうか…」
リカバリーガール「…最悪の可能性を考えて動けるのはいいことだよ。
でも、お前さんはそれを気にし過ぎるところがあるね。
状況が状況だから仕方ないが、どんな状況で、どんなに確率が低かったとしても、その低い方の可能性を忘れちゃあいけないよ。
たとえ確率が低くても、可能性は可能性。
今は『その存在がまともな存在』っていう可能性だけを考えんさい」
彼女はそんな百合に微笑みながらそう告げた。
百合「…でも…」
リカバリーガール「想像してみな。お前さんは父親がその姿を教えてくれなかったからってことで怖がってるらしいが…仏像の仁王様だっておっかない顔してるだろう?
案外怖がり過ぎてるだけで、実際は姿に反してまともな存在って可能性もあるんだから、もう少しポジティブに考えんさい。
どんな時でもそうだが、悪い方向で考え出したらきりがないからね」
百合「…怖がり過ぎてるだけ…」
リカバリーガール「そうそう」
百合「……考えてみまs」 - 198五寸釘25/04/09(水) 23:44:37
百合が暗い表情で彼女の話を聞き続け、そう返そうとしたその時であった。
彼女の腹がグウーと大きく鳴き、空腹を知らせる。
百合「…そういえば…まだでしたね」
リカバリーガール「弁当は持ってきたかい?」
百合「…はい」
百合はこのタイミングでの腹の音と、先程の彼女の話の相乗効果で緊張がほぐれたのか、微笑みながらそう呟き、彼女の問いにその笑みを浮かべたまま応えるのであった。 - 199五寸釘25/04/09(水) 23:49:09
- 200五寸釘25/04/09(水) 23:50:04
おお!できた!埋めます!