- 1二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:40:34
カンナとコノカが卒業した後のお話で
フブキが何故かトップにされちゃって色んな事が積み重なった結果
汚職とか裏社会との癒着とかで真っ黒な人間に成り上がってて欲しい。
もちろんキリノとぶつかっちゃうけどキリノを容赦なくクビにしてバニタス状態で拗れろ。
キリノはクビなった後も必死にフブキを止めるためにドン底で住む家も無い中キリノの人の良さでどんどん人を魅了していって成り上がっていって欲しい。
最後はもちろんフブキをトップからこき下ろしてドン底の二人で決着つけて欲しい。
決着はキリノがフブキに教えてもらった拳銃のコツをキリノが覚えてて
当てられないってみくびってたフブキをは撃たれてそのまま逃げるんだ。
で結局キリノに諭されて今までのことを反省するんだけど
癒着していたマフィアだかヤクザの三下に刺されてキリノの腕の中で息絶えて欲しい。
誰かssの投下とか願えますかね…?
現在別の書いててね…無理そうなんです… - 2二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:46:24
語るのも別にオッケーです
- 3二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:47:53
このレスは削除されています
- 4二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:48:04
そこまで言ったなら自分で書けよ!!そのSSが終わるまで保守してやるからさ!!
- 5二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:48:54
ほとんど龍が如く7じゃねーか!
- 6125/03/16(日) 16:49:25
大好きなんだよイチがなぁ!
- 7二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:51:50
スレタイがイブキなのにヴァルキューレ?誤字?
- 8二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:52:17
このレスは削除されています
- 9二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:54:20
イブキどこ…?ここ…?
- 10二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:54:58
数年後イブキのスレ見て数年後フブキリの話思いついたってことじゃろ
- 11二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 16:56:20
ラストシーンは敢えてキリノが庇ってフブキの中で言い残すってのが良いかも知れぬ
- 12二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:05:02
キリノの腕の中で出血多量で意識朦朧かつせん妄状態になってカンナやキリノとドーナツを食べた記憶が思い出されてキリノは「また行きましょうよ!」って言うんだけどフブキは「もうお腹いっぱいだよ…」って言って目のハイライトが消えるんだよね…
- 13二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:09:41
全然違うけど笛吹きでクソかっこいいプレ先世界線の公安局長フブキssは見たことある
- 14二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:12:12
>>12アハハ!お腹刺されたのにね!
- 15二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:16:53
- 16二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:29:05
- 17二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:30:02
- 18二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:32:09
ムービーナイフやムービー銃食らうと流石にマズイからね
- 19二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 17:34:43
なお某堂島の龍はナイフ刺されても虎二匹を素手でいく模様
- 20二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:07:40
崩落に巻き込まれるのもアリかもしれない
戦いの舞台だったところに立っていたビルが崩れてフブキはキリノを突き飛ばしでビル崩落の範囲から助けて笑顔でビルの瓦礫の下敷きになって…みたいな - 21二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:15:34
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:15:42
このレスは削除されています
- 23125/03/16(日) 18:24:11
まあね!
でもキリノの場合イチみたいに異人三みたいなのを完全に認められないだろうからイチよりも真っ直ぐバカな感じになりそう
んで書いてみたのがコチラ
最終決戦のシーンを書いてみた | Writening「…なに?当てれないのに?バカじゃないの」 馬鹿馬鹿しい、どうせブラフだ。どうせキリノに撃てる訳が無い。 「…本当に覚えて無いんですか…?」 迷いなんて無い、ここで止めなければ。フブキを見据える。 …writening.net - 24二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:33:01
人間の目は両目で見たとしても「ズレ」が生まれる。
それには個人差があるが、視力は左右で違うから両目で見据えたとしても正しい像を結ぶとは限らない。
「だからこうやって像がブレないように片目を瞑るんだけど、キリノってば姿勢はいいのに思いっきり両目見開いて撃ってるじゃん?」
たしかにフブキの言う事はもっともだ。しかしキリノは視力がとても良く、両目で見ることになんの問題も感じたことがない。
そう抗弁すると、でも外してんじゃんと返されて何も言い返せなくなる。
「だから『逆』なんじゃないかな。目が良すぎて『こう動く』って予想して狙いがブレるんじゃない?」
銃を構えて対象を見つめる。
「一回獲物見てさ、そしたら後は見ない!」
目を閉じる。広がる漆黒、先程までの光景の残像。
「んで考える前に撃てばさ……」
悪いやつなんかイチコロだよ
「いッ…がぁああ!!!」
キリノの放った銃弾は逃げるフブキの肩口を捉えて抉る。
過去に正義の道を歩んでいたフブキの言葉が、キリノを通して悪を誅した瞬間だった。 - 25二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:36:01
つまりクロススレにでもすればいいの?
- 26125/03/16(日) 18:36:05
- 27二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:37:24
- 28二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:52:59
武器そのものに「ムービー戦闘」というテクストを付加してそう
- 29二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 18:55:09
- 30二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 19:36:15
このレスは削除されています
- 31二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 20:30:05
このレスは削除されています
- 32二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 21:18:27
やっぱ良いよね、かつては志を同じくする者同士が決別して、片方が悪に堕ちて、お互い元に戻りたいけど戻れない悲しさというか哀愁というか。
RABBITとFOXはそうなる前に和解できた感じだけど、行くとこまで行ってしまった展開も見てみたいな - 33二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:02:12
これ龍が如くなんだ…
こち亀の浅草物語かと思った… - 34二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:03:47
- 35二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:24:41
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 22:41:47
キリノに「助けて!ねっ!?キリノ助けて!ともっ…友達でしょ!?あ!そ、そうだ!お金あげる!!このアタッシュケースの中にいっぱいお金あるから!!お金あげるから!!ね!?」って血に濡れながら言うフブキ
- 37二次元好きの匿名さん25/03/16(日) 23:21:36
このレスは削除されています
- 38二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 08:24:44
いいね👍
- 39キリノスキー25/03/17(月) 17:41:36
母校が、あの日々の思い出が、私一人があの子のために奥歯を噛んで踏んづけた全てが、今、黒煙を吹いている。
空に昇った炎の残り香は、激しい雨雲と入り交じった末に黒く濁り、太陽はその姿を暗ませている。
崩れ掛けの校舎、剥き出しの鉄骨、私があの頃夢見ていた景色とは随分様変わりしてしまった。
…ここに来るまで、随分と手間がかかってしまった。
でも、後は……進むだけだ。
目の奥の灯火を無理矢理に消した私は、目の前に立つ『合歓垣公安局長』に銃を向ける。
「合歓垣公安局長…!!」
「…はっ…随分と威勢がいいね……中務ァ…!」
フブキが身につけていた帽子を投げ飛ばす。
1年前のあの日と同じ帽子、未熟な私が止められなかったせいで被ってしまったあの帽子を。決別の印を。
「…………」
「…………!!」
ダァン……!!
数秒の沈黙が、銃声によって切り裂かれた。
私のリボルバーを飛び出したパラベラムは、降りしきる雨をすり抜け、合歓垣公安局長の耳を掠った。その傷口からは赤黒い血液が滴っている。
「……!?」
目標を見据えた私の目に、合歓垣公安局長の驚きの表情が見えた。
…引き金は引かれた…もう迷いはない。
情を捨てるために深く息を吸った。
「合歓垣局長… - 40125/03/17(月) 18:48:25
ssにファン絵だと…!?
かんしゃあ! - 41二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 19:12:07
上手すぎんだろ…
- 42キリノスキー25/03/17(月) 19:27:42
崩壊しかけた生活安全局の校舎の屋上。
雨に濡れた2人の意地と意地が、鉛と鉛が、肉と肉が、鈍い音を立ててぶつかり合う。
一方は回転式拳銃と警棒を片手に殴り掛かり、もう一方は長柄の銃にバヨネットを取り付け槍のように振り回し、相対している。
警棒と鉾先がかち合えば火花が散り、銃床が鳩尾にめり込めば、胃の底から液体だけの嘔吐が起こる。
側頭部に打撃をくらおうが、脇腹に刺傷を受けようが、2人はただただ殺し合う。初めの頃は口を開いていた合歓垣公安局長も、今は全身から血を流しているのにキリノに対し、困惑と恐怖の念が強まっている。実に十と三分四十二秒、彼女等は死闘を繰り広げていた。
先に膝をついたのは………『合歓垣公安局長』であった。
バヨネットは根元から折れ、自前の銃は持ち手が叩き割られ、銃身もひしゃげている。また彼女自身も頭から血を流し、左手が動かず、脳震盪の影響か、両足も痺れて立てずじまいだ。
「はぁ…はぁ…こなくそ…!」
一方のキリノも、かなりの深手をおっていた。
右脇腹刺傷、後頭部打撲、右手首捻挫……傷を挙げれば両手の指では数え切れないほどの重症であった…。だが、キリノは立っている。傷なんて無かったかのように、光の消えた純粋な目を合歓垣局長に向けたままであった。
「……………」
無言のまま、キリノは合歓垣局長の元へと歩み寄る。
「……くぅっ…!!」
そんな時、上空から大きな風が音とともに降りてきた。
……カイザーPMCの狩る、輸送ヘリコプターである。 - 43二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 22:05:17
このレスは削除されています
- 44二次元好きの匿名さん25/03/17(月) 22:06:20
- 45キリノスキー25/03/18(火) 02:45:48
2機のヘリからの探照灯が二人を照らす。小さな瓦礫は風圧に耐えられずに吹き飛ばされ、小さなハリケーンを生み出す。
ヘリコプターの両舷からロープが垂らされ、そこから重武装のPMC兵士が降下してきた。
そいつらは一瞬にしてキリノの周りを取り囲み…躊躇うことなく引き金を引いた。
…だが、放たれたどの弾丸もキリノに命中する事は無かった。
彼女の行動は素早かった。奴らは軍人である以上、最大の武器であり最大の弱点である統率を厳守としている。無論、今回の『かくし芸』もその弱点を突いたのだ。
奴らの隊長が合図を下したほんの1カンマ、その一瞬を『ゾーン』に入ったキリノが見逃すはずがなかったからだ。
最初の1射、右に展開していたPMCの一人の頭部を、キリノの警棒が貫いた。
動揺を見せた2射目、その隣に位置取っていたPMCの首が折れた。
アサルトライフルの連射が一頻り終わった頃、右に展開していたPMCは…皆死んでいた。
キリノが首を彼女を置いた場所に向ける。しかし、そこに彼女の姿は無く、代わりに兵士を降ろし、『重要人物』を乗せたヘリコプターが飛び去っていた所であった。 - 46二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 10:50:09
ほ
- 47キリノスキー25/03/18(火) 13:19:21
合歓垣フブキは、ヘリコプターの中で目を覚ます。
どれぐらいの時間が過ぎたのか…未だに少し覚束無い頭で腕時計を見る。あれからまだ1時間も経っていない…
「(くそっ…まだ痛むな……)」
強くなった雨風に揺れているヘリコプターの中、合歓垣フブキは隅に蹲り、感覚の鈍い左腕をなぞりながら考え込んでしまう。
「(中務のあの目…見たのは初めてだったな…)」
「(あれは間違いなく…私を殺す目だ……)」
すぐ側で大きな雷がなる。
「(私は一体…何を迷っているんだ…?)」
その雷の間を
─── 一本の“毒針”が雷鳴に紛れてすり抜けた ───
次の瞬間、突如としてヘリコプターのテールローターが吹き飛ぶ。トルクを制御出来なくなったヘリコプターは盛大に回転をし、地面へと墜落した。 - 48二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 15:41:33
異人三枠、コミジュル(ミレニアム)と星龍会(ゲヘナ)はぱっと思いつくけど横浜流氓枠難しいな
残りはトリニティだけど1年でこの枠に入れそうな生徒いるかな…… - 49キリノスキー25/03/18(火) 18:48:47
炎を噴き出すヘリコプターの機体から合歓垣フブキは何とか這いずり出た。運良く繁茂していた草木と激突し、奇跡的に助かったらしい。大丈夫かと同じく生き残っていたPMCパイロットが手を差し出す。
「大丈夫ですか!?合歓垣公安局長…!!」
「すまない…」
右の手で煤をぱっぱとはらう。
未だに雨の勢いは強まっている。
ふと遠くを見ると、2年前の大爆発による大穴が見えた。
墜落現場から逃走するために、PMC兵士と合歓垣フブキは裏路地を幾度もすり抜けていく。
「(あの場所に…あの場所に行かなければ…)」
更に血を失いすぎたのか、左手の感覚はなく両足もおぼつかなくなってきた。
最後の路地裏を曲がると、細い暗闇の先にそれは見えた。
“旧連邦捜査部:S.C.H.A.L.E”のビル…2年前の私達にとって大切な存在だったあの人が居た場所だ。
…今となってはただのビルでしかないが。
「見えました…あそこが公安局長の言っていた建物です。」
PMCパイロットが拳銃を構え、先行していく。そして、道中の路地を一つ一つクリアリングしていく。待ち伏せを狙う鼠を狩るかの如く…。
だが、真に警戒すべきは上であったのだ。
……煤に塗れた白い1つの影が、獲物を見つけた隼の如く舞い降りたのだから。
PMCパイロットを殴殺すると、キリノはこちらへ向き直る。
「………また会ったね、キリノ。」
「……」
「…第2ラウンドといこうか。」 - 50二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 18:55:32
???「あはは…ペロロ様を今馬鹿にしましたね?」
- 51二次元好きの匿名さん25/03/18(火) 21:52:15
ほす
- 52二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 02:32:09
保守
- 53キリノスキー25/03/19(水) 11:37:43
シャーレのメインドアのガラスが割れる。
投げ込まれたのは…フブキであった。ガラスの切り傷と度重なる打撲痕…正直な所、フブキの限界は近かった。もう視界もぼやけ始め、足に力が入らない。
…だが、あの場所へどうしても行かなければならない。大破した車のヘッドライトに照らされたかつての友を後ろ目に、フブキは階段をかけ上る。
あの頃の景色が脳裏を過ぎる。
最後に心から笑ったのはいつだ?
カンナ局長もコノカ副局長もいなくなって、歯止めが効かなくなって、力に対抗するためにキリノを突き放して…挙句の果てに暴走したのは結局私じゃないか。
「私のやった事は…私でケリをつけなきゃいけない……!!」
浅く早い呼吸を繰り返す。肺が限界を迎えたのは、目的地が目に見えた頃であった。
「ぜぇ…ぜぇ…シャーレ…オフィス……」
ビス止めされたプレートはあの日のままであった。 - 54二次元好きの匿名さん25/03/19(水) 17:55:20
ほ
- 55キリノスキー25/03/20(木) 00:21:57
バァンと大きな音を立て、キリノが乱暴にシャーレオフィスのドアを開ける。
記憶の奥底に微かに眠っていた幸せな光景が幻覚を見せる。復讐と殺意だけが渦巻いているキリノにとって、それは耐え難い頭痛に近しい。
「ぐっ……!?!?」
大好きだった先生がいつも座っていたデスクの辺りが、まるで別世界のような明るさに見える。
『先生…!助けてください…!』
幻覚と幻聴がキリノを苦しめる。
『先生?ど、どうしたんですか!?凄い隈してますよ!?』
『先生!』
『先生。』
『先生…。』
「先生…そういえば、キリノも…よくここに来てたよね…。」
先生のデスクのすぐそばの壁、私の目の前の真っ直ぐ先にフブキが腰を下ろしていた。
「光輪大祭の事だったり…カーニバルのアイドルの事だったり…先生は頼りにしてたよね……」
血溜まりを作り、息も絶え絶えになりながらもフブキは話を続ける。
「なっ……今は……私との……っっっ!!!」
キリノはよろめき途中途中でデスクに突っかかりながら、フブキの元へ進む歩みを止めようとしない。
「…キリノは…先生の事大好きだったよね…」
「…私がまだ1年生だった頃…バレンタインで一悶着あった時も…贔屓のドーナツ屋で臨時でヘルプに入った時だって…キリノはいつだって先生の事を話している時は…本当に幸せそうな顔してたの…今の今も覚えてる…」
「やめて…やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて…!!」
「でもさ…私…嫉妬してたんだと思う…キリノのその幸せそうな顔が…私に向けられてないものだと知っちゃったんだから…」
フブキのすぐ目の前にキリノがいる…だがキリノは俯いたまま膝をついている。
「だからさ…キリノ…」
「最後に私の事…殺してよ。」
「私だけを…殺してよ。」
フブキがほうった拳銃は、キリノの足元に転がった。 - 56二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 09:04:13
ほしゆ
- 57キリノスキー25/03/20(木) 15:39:23
「え……は………?」
突然の発言に思わずそんな拍子抜けた声が漏れ出る。
よろめきながら繰り出した足にはもう力は残っておらず、力なく膝をつき、キリノも倒れ伏す。
もう既に2人に喧嘩ができる余力なんてどこにもなかった。
出来る事はやった。やらなきゃいけない事も、したくなかった事も、幸せだった日々の記憶が、たくさんの後悔が、2人の間を充満していたからだ。
憎い。でもこれはあの頃の憎悪とは違う。
何故自分だけ楽に死のうとする。
何故あれだけ逃げておいて今更そんな事を言う。
何故…私を殺さないんだ…?
フブキは私が嫌いなはずだ。私もフブキが嫌いなはずだ。
そんなフブキが自ら『死んでやる』と言っているのだ。
なら、望み通りにしてやればいいはずなんだ。
「くう…うぅ…!!!」
キリノが膝元の拳銃を握る。
「どうしたの…キリノ…早く撃ちなよ。」
フブキは薄く笑う。2年前の平穏を謳歌していたあの時と、全く同じ笑顔をしていた。
「うああああああああぁぁぁぁぁぁ…っぅ!!!!!!!」
…引き金は確かに引かれた。
…だが、撃ち抜かれたのはフブキの心臓ではなく、すぐ側の窓ガラスであった。
「はぁ……はぁ………!!」
「……どうしたの?キリノ…今更、情でも湧いた…?」
「……っ!!私は…!!ただフブキと仲直りがしたかっただけなんです……!!」キリノはフブキの襟袖を掴み、うずくまるようにその胸元で独白する。
「全部私が至らなかった結果なんです…!フブキがあんな事をせずにいた世界だってあったかもしれない…!でも私は止める事が出来なかった…!この騒動も暴力も独白もっ!全部全部全部っ…出来損ないの私のせいなんです…!」
「だから…っ!…私に…生活安全局所属合歓垣フブキを…!殺させないでください……!」
先程まで殺し合っていたかつての親友に、必死に縋るキリノのその姿は、まるで年端もいかない子供のようであった。
「キリノ……」フブキはすすり泣くキリノのボサボサの髪を軽く撫でた。
「ごめん………………」
窓の外を飛ぶ一機のヘリコプターが、カウント機械のついた小包を2人のすぐ側へ投げ入れた。
───ヘイロー破壊爆弾だ。 - 58二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 20:33:58
このレスは削除されています
- 59二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 03:39:24
ほ
- 60二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 13:19:45
すき
- 61キリノスキー25/03/21(金) 15:41:50
フブキには窓のそばを飛ぶヘリコプターに見覚えがあった。
この荒れたキヴォトスの至る所で勢力を伸ばしていたギャング達のものだ。
奴らはブラックマーケットを飛び出し、秩序の欠片もなくなったこの世界で、拷問…薬物…果てには人身売買にまで躊躇なく手を染める連中だ。
そしてフブキが公安局長になったのも…彼らの協力があったからだ。…だが、奴らにとってフブキは『都合のいいコマ』でしかなかった。何せ、連中がフブキを筆頭としたヴァルキューレ上層部に近づき、言葉巧みに欺き、形骸化した警察組織が立て直すのに必要な資金をチラつかせたのだから。
だが、最早連中にとってフブキは用済みと判断されたらしい。奴等が張り巡らせたネズミのような情報網に捉えられた末路がコレであるのはフブキも知っていた。
14…13…12…カウントダウンは迫ってくる。
このままじゃキリノまで死んでしまう。
この子は騙されてなんかいないのに。
私が消えてしまっても…キリノが正義を貫いてくれると…
…私は信じてるから。
「キリノ…。」私は最後の力を振り絞って…キリノを割れた窓から突き落とした。
「……っフブキっ…!!」
「…ありがとう。」
タイマーに0が4つ並んだ。
閃光と爆煙が、フブキの一身に降りかかる。
「(これで…良かったんだ…)」
爆炎にのまれ段々と薄れゆく意識を優しい顔で手放し…フブキのヘイローは、プツンと消えた。 - 62キリノスキー25/03/22(土) 00:34:47
あれから数日後、キリノは仮設病棟の寝台で目を覚ました。
落下した先にあった放置車両の天板が、彼女を受け止めたからである。
しかし、死闘の代償は大きいものであった。
度重なる殴打による右目の視力低下や、複数箇所の骨折、左手の指2本の欠損など、満身創痍と言える状況だ。とてもすぐには動けそうな傷では無い。
しばらくして、病室のドアが開く。見ると、桃色の衣類にタクティカルポーチを複数纏った顔の半分に傷のある看護士が金属製の足音と共に入ってきた。
「お目覚めですか、キリノさん。」
優しい声色で彼女は寝起きのキリノに問いかける。
「……えぇ…おはようございます…セリナさん。……随分と嫌な夢のせいで…。」
「そうでしたか…。」セリナは点滴を確認しながら返答する。
「……フブキは…死にましたか?」
「………はい、医療チームがシャーレのフロアを調べた際に、発見されました。」
「…そうですか…。」指の足りない左手に力がこもったような気がした。
「………フブキのばか…。」
ふいと背けた先の窓の外は、曇り空のままであった。
─── それから四年後 ───
ブラックマーケットには大型の組織が複数存在する。
しかし、そのどの組織もが恐怖を感じているとされる存在がこの荒れ果てたキヴォトスに居る。
白銀の髪をたなびかせるその存在は、活発化するいくつもの組織の構成員を一人ずつ見せしめとして拷問し、時には首を狩り、時にはいくつもの肉の山を作るとされている。
赤黒く染まった鉄筋棒を片手に、数々の名うての組織を恐怖の底にたたき落としたその存在を、恐怖の念を込めて皆はこう呼んだ……
『狂犬』と。─── - 63二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 00:41:36
マジの名作じゃん…
- 64125/03/22(土) 00:44:40
マジで導入書かないと…
頑張ろ - 65キリノスキー25/03/22(土) 09:40:20
葛藤と後悔と憎悪が入り交じった感情って、いざ書くとなると難しいね…( ´・ω・`)
互いを良く思う感情が入り交じったからこそのすれ違いと責任感、ここのキヴォトスに居た17歳のキリノとフブキには何が見えていたんだろうね。
後述はこのSS内での人物達のバックボーンを少し。
背景…カルバノグ2章で分岐が入った事でD.U.地区は事実上崩壊し、先生やサキ以外の兎小隊含めた多数の人が死亡した。連邦生徒会との癒着が発見されたヴァルキューレという警察組織は最早形骸化していた。立て直すことが出来ないままカンナやコノカはキヴォトスを去ることとなり、ヴァルキューレはより一層の苦しさを味わうこととなる。
フブキ…事件の後、ヴァルキューレ上層部の人達とコミュニケーションを取るようになり、一員となってヴァルキューレの再興に乗り出すが、その道は険しかった。
そんな時、ブラックマーケットを拠点とするいくつもの組織がヴァルキューレに多額の資金を提供、そしてその見返りとして自身らの行動に一切手を出さないという半ば傀儡化の提案を差し出す。周囲の人間に圧され、フブキ含めた仮上層部は提案を飲むしかなかった。そこで公安局長に半ば強引に就任したフブキは、キリノだけはこの行為に巻き込む訳には行かないと、キリノを逃がす様に部下に命じた。しかし、その部下が組織に手を出すなと勘違いをしたため、キリノを拷問してから野に放ってしまった。
このことを知るのはそれから一年後のこのSSの冒頭の前となる。 - 66二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 09:46:44
こんな場末の掲示板で眠らせていい作品じゃないぞ
早く笛か渋にあげてくれ! - 67キリノスキー25/03/22(土) 09:53:54
キリノ…ブラックマーケットに身を潜ませた後、調査を進めた結果、捨てられる前にキリノに拷問した部下がフブキの直属だと知りフブキを憎悪するようになった。
一年をかけてヴァルキューレに武装侵攻を企てるためだけの組織を作り上げ、その傘下にはセリナ(ミネ、ハナエは死亡し自身も大怪我を負う)、トキ(ネルとアスナが消えた事でC&Cは崩壊)、カズサ(レイサがカズサを庇って亡くなった)等、多くのネームドも擁していた。
最終的に、フブキによってキリノは生かされてしまい、キリノの憎悪の対象はブラックマーケットとへと移行する。
そして4年後、21歳のキリノはブラックマーケットの暴挙を見張るために恐怖の対象となる事を選んだ。 - 68125/03/22(土) 12:36:05
うわーん!
後は頼みましたー! - 69二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:58:57
- 70キリノスキー25/03/22(土) 13:17:12
『狂犬』と呼ばれる彼女はとあるグループのリーダーをやっている。
旧三大校の生徒を初めとした各校の元生徒や市民を合計して、廃墟群を根城に活動する数百人規模のコロニーだ。
しかし、そのリーダーである彼女はあまりコロニーには居らず、基本的には代理の顔役として3名の元生徒が取り纏めているのだ。
「セリナさん。少しいいですか?」
片腕が機械義手の元生徒が、医療テントのの垂れ幕を押して入る。
「あら、トキさん。どうしましたか?」
このコロニーの医療班長であり、外交顔役であるセリナは慣れたような反応を返す。
「アームギアの調整で、技師を一人貸してくれませんか?」
コロニーの防衛部隊の総隊長であるトキが、機械義手をさすりながらセリナに問う。
「コトリさんでしたら、今は確か…カズサさんのところですね。丁度私も用事がありますので、一緒に行きましょうか。」
「わかりました。」
道の脇には瓦礫のバリケードが幾つも積まれている。特に治安の悪いこの辺りではこういった光景は不思議では無いのだ。
しばらく歩けば、自動車道を跨ぐ金属製の簡素なゲートが見える。そしてその中央の検問所に、野外調査班長兼偵察員のカズサとこのコロニー唯一の専門技師のコトリが居た。
「カズサさーん。」
「ん?あ、セリナさん。どうしました?」
「いえ、トキさんのメンテナンスにコトリさんを少々貸していただけません?」
「まぁ…用はこっちも済んだし、コトリ、行ってきな。」
「『はい!行ってきます!』」コトリはホワイトボードにそう書き、工具箱を持ってトキの元に走った。 - 71二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 13:23:58
- 72二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 14:15:42
時系列って
1作目
カルバノグバットエンド→事実上フブキトップ就任→キリノ拷問追い出し→チームキリノ発足→
フブキとのタイマン
2作目
キリノコロニー発足→?
ってことかな? - 73二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 14:21:45
このレスは削除されています
- 74125/03/22(土) 14:27:38
二作目は「狂犬」対「狂犬」の抗争かのぉ?
- 75キリノスキー25/03/22(土) 14:32:53
「それで…セリナさん。私になんの用事なの?」
近くのプレハブに入っていく2人を見送った片耳の猫が再び話を戻す。
「えぇ…生活物資の件で。」
「まぁ多方話はわかってるよ…足りないんでしょ?この辺り一体はもう枯れ草1本残ってないし…えーっと…ここから車走らせて…それでも私達だけだと確保できるのはせいぜい切り詰めて一二週間だよ?」
「まぁ…そう簡単にはいきませんよね…。食料は自給できても医療品や衣類や紙なんかはそうそう上手くいきませんからね…」
「ま、私達もどうにか頑張ってかき集めてみるよ。」
カズサが検問所の外を見る。
すると、道路の向こうから人影が一つやってきた。
ボロ布のローブを纏っているが、その奥にある匂いをカズサは覚えている。
「…セリナさん。久しぶりのリーダーのお帰りですよ。」
「えぇ…今日はリーダーが必ず帰ってくる日ですから。」
チューニングを終えたコトリとトキもプレハブから出てくる。ローブを解いた彼女の顔には藍色の眼帯を付けられている。手にはボロボロのビニール袋に入った酒瓶があった。
「…ただいま。」
「「「『おかえりなさい、リーダー。』」」」
風が少し強く吹いた気がした。
廃墟郡のど真ん中、既にコロニーの跡地となったその建物の中心に、名前が掘られた石がある。
「………ただいま、フブキ。」
キリノはウイスキーの瓶に直接口をつけ、半分程飲み干す。そしてその石にもたれかかった。
「…フブキはまだ未成年だけどさ…今日ぐらいは飲みなよ。」
そう言ってキリノは、すぐ側の雑草が生えている場所にウイスキーの残りをこぼした。
……10月21日、奇しくもフブキの誕生日であり命日であった。
「誕生日おめでとう…フブキ。」 - 76キリノスキー25/03/22(土) 14:57:31
>>39です。
とりあえず一通りは書き終えましたので、一度区切りをつけたいと思います。
後書きとして、私時空でのキリノコロニーの主要人物を纏めておきます。
キリノ…コロニーのリーダー。基本的にコロニーにはおらず月に一度戻ってくる程度。外に行ってる間は、ブラックマーケットに潜伏したり、他のコロニーを訪れたりしている。右目がほとんど見えず、左手の薬指と小指が無い。
セリナ…コロニーの医療班長であり外交顔役。キリノ、トキとはチーム時代からの付き合い。救護騎士団の名乗りは今も継続している。トキの手伝いで備品管理や会計もたまにしてる。顔の左半分に大きな傷跡があり、左足が義足である。
トキ…コロニーの防衛部隊長であり備品管理人。ミレニアムが半ば崩壊しかかった5年前にC&Cを抜け出した後、チームに加入した。コールサインは04を名乗っている。右腕の肘から先が機械義手である。
カズサ…コロニーの野外調査班長兼偵察員。レイサがカズサを庇って亡くなった後、自暴自棄になりながら放浪していた所を面識のあったセリナが保護。その後キリノにボコされてチーム入り。右の猫耳が無く、右目の周りに火傷跡が残っている。
コトリ…コロニー唯一の専門技師。完全に閉じきってしまったエリドゥからウタハとヒビキに逃がされて、コロニーに流れ着いた。ストレスから声帯が使えず、喋ることが出来ないのでホワイトボードで筆談している。
ジュンコ…本編未登場。コロニーの保育士。騒動でバラバラになってしまった美食研の再会を今でも心の奥底で願っている。建物の倒壊に巻き込まれた所をセリナの医療班に助け出されてコロニー入りした。倒壊の後遺症で肺が片方潰れているため、昔みたいに走れなくなった。
- 77二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 15:09:15
ワァ……!
(設定が重くて)泣いちゃった! - 78二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 16:51:09
このレスは削除されています
- 79二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 20:54:06
この世界線のアリスはひとりぼっちになってたとこを黒幕に拾われて
せかいのはんぶんをやろう。
的な事言われて結果幽閉されて『王女』にジョブチェンジしてそう
で戦闘時には【虚夢の王国の王女】って名前で立ちはだかってくるんだろうな
この時トキがいると【AL-1S】として炎、毒、爆発、雷の4属性攻撃してくるんだよね - 80二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 00:44:55
狂犬っていう言葉も相まって0、1を感じる気がした
- 81二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 01:26:37
シュンは基本イケないこと以外は子供たちがする事は100点満点って褒めるだろうな
まあココナが救えなかった自分に比べたら皆100点って意味なんだろうけど - 82キリノスキー25/03/23(日) 03:19:11
チーム時代の純粋憎悪なキリノの話もしたいが…もうひとつお話書くのはもう少しかかりそうです。
- 83二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 08:18:00
おうえんほしゅ
- 84キリノスキー25/03/23(日) 11:20:20
荒廃したキヴォトスにて、ブラックマーケットは活動域を広げ、その勢いはD.U.地区の三割を蝕んでいた。
雨が降る昼下がり、元商店街通りのすぐ側の路地裏でキリノは膝を抱えてうずくまっていた。背中の生傷や未だ癒えない顔の痛み…上層部へと成り代わったフブキの謀略に掛かり、ヴァルキューレを半ば強制的に退去させられ、挙句には反抗できないようにと殴られ蹴られ、爪まで剥がされた始末だ。
故に、今のキリノの心中には、茫然自失な空虚と確かな憎悪の火種が燻っていた。
「私に何が足りていない…私に何が出来ない……」
ぶつぶつと独り言を唱えていると、通りの方から声がした。
彼奴らとは違う、優しい声であった。
「どうかしましたか…?」
私とほぼ同年代であろう顔立ちの生徒がそばにいた。しかし、顔の半分に包帯を巻き、松葉杖をついて歩くその片方の足がそこにはない。
「……私から見れば、貴女の方が傷が深そうですが…?」
「いえ、私は…救護騎士団ですから。例え見てくれの傷が深くても、困っている人がいるなら…寄り添わなければいけないんです…。」そう言って煤汚れたナース服を着た生徒は私の隣に腰を下ろした。
「…お名前をお聞きしても?」
「…元トリニティ総合学園3年生…救護騎士団団長代理、鷲見セリナです。」
「……元ヴァルキューレ生活安全局2年生…中務キリノです…。」
これが、チームとしての2人の新しい始まりの出会いであった。 - 85二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 14:22:07
- 86二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 14:34:51
- 87キリノスキー25/03/23(日) 20:30:36
2人の出会いから数日、キリノとセリナはブラックマーケットの外れにある廃墟に住み着いていた。
「ただいま戻りました…。」
「おかえりなさい、キリノさん。…ブラックマーケットはどうでした?」
「………この世の闇をこれでもかと言うほど見れましたよ…。薬物、密造酒、人身売買……その行為が最早一般化するほどにまで…腐りきってる…!」
キリノは歯を食いしばりながら壁をドンと強く叩いた。
「……ですが、収穫はありました。鎮痛剤と缶詰、それから…義足の接合部です。これでセリナさんの義足も出来そうです。」
「ありがとうございます。キリノさん。」
キリノは一息付き、一室の壁際に腰を下ろす。その手には火のついた煙草があった。
「………後、それとは別件ですが…どうやら近くのブラックマーケットの中心街で襲撃騒ぎがあったそうです。」
「へぇ…でもどうして私にその話を…?」
「…その襲撃騒ぎを起こした人物が…私たちと同じ気配がする気がしたので。」
「そうなんですか…。」
キリノはふうと煙を吐き、そして暗い天井を見ながら言葉を続けた。
「…セリナさん。」
「………何となく分かりますよ。」
「「捕まえましょうか。その襲撃人。」」
焚き火にくべた紙には手配書のように人物の写真と名前が書かれてあった。
“手配書 コールサイン04 飛鳥馬トキ 賞金:1600万クレジット”
写真に写るトキの顔は…何かを非常に憎んでいるような目をしていた。 - 88二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 20:49:46
トリニティの上層部だけは何にも変わってなさそう
物資が貧しいですねって言ってるけど茶葉の品質が少し落ちたくらいしか変化してないとか - 89二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 00:26:31
保守
- 90二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 09:10:13
ほしゅ
- 91キリノスキー25/03/24(月) 13:22:37
「…相変わらず…ここは臭いが酷い場所ですね……」
「えぇ…本当に……」
数回建てのビルの屋上から2人は眼科に広がるそれらを見下ろしている。
ブラックマーケットの中心街。諸悪の根源の巣窟…キリノにとって最も因縁深い場所だ。
闇市の通りでは高値で取引される食品の数々や、目を見張るほどの量の銃器や弾薬など…様々な物で溢れかえっていた。
時々巡回を繰り返すトラックの荷台には重装備の兵士達が乗っているようで、時折下車しては、商店で資金の徴収を行っている。
「こっちはダメそうです…。別の通りを使って遠回りしましょうか…。」
「ぜぇ…すみません…キリノさん…。まだ義足に慣れてなくて……」
そんな中、コンクリート街の隙間で身を潜める2人の前にトラックが止まる。しかし幸いな事に兵士らは気づくことなく徴収を続けている。
そんな時であった。一人の小さな子供が弾んでしまったボールを追いかけ、トラックの前に出てしまう。
「あ?なんだガキ?邪魔すんじゃねぇぞ?」
そして、運悪く態度の悪そうなロボット兵士に見つかってしまった。
子供は恐怖で足がすくんでその場で動けずにいる。
「おいガキ。さっさとどかねぇか?邪魔なんだよっ!」
兵士は躊躇いのひとつもなく子供に対して蹴りを一発いれる。
「…あの野郎…っ!!」キリノは怒りに振るえていた。しかし、今ここで飛び出してしまえば奴らと繋がっているヴァルキューレがまたやってくるかもしれないと考えてしまうと、足が動かせずにいた。
その光景を見て、母親らしき人物が割って入ろうとするが、他の兵士たちに引き止められてしまった。
「最近どーもむしゃくしゃしてた気分だ…一発殴らせなっっつ…!!!」
兵士が子供に対して殴りかかろうとしたその瞬間、空に浮かび上がったひとつの影が兵士の後頭部に直撃した。
砂煙が次第に晴れていき…そこには、背中に04と刻まれたスカジャンを羽織り、右腕の肘から先がロボット兵士と同じ腕をした一人の生徒の姿があった。
それと同時に、周囲にいたロボット兵士達が口を開く。
「やろう…!賞金首だっ!!捕まえろ!!!」
首ほどまでに切り落とした元生徒…飛鳥馬トキの髪が風になびいた。 - 92二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:47:21
アリウスと行き場の無いゲヘナを奴隷扱いしてそう
- 93二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 23:18:36
保守
- 94二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 07:39:46
応援ほしゅ
- 95二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 12:15:38
いいよね、何気なく教えた技でトドメ刺されちゃうの
(シチュと警察キャラ繋がりで被〇のノ〇ルを思い出す) - 96二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 19:46:14
エリドゥってどうなってんだろ
- 97二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 01:06:04
捕手
- 98二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 09:41:13
このレスは削除されています
- 99キリノスキー25/03/26(水) 12:20:41
ブラックマーケットの中心でけたたましい3つ轟音が連鎖する。
1つは兵士達の銃声。芯のこもっていない銃撃は、壁や地面を蹴り飛ばし、この空間を縦横無尽に駆け回るトキにひらりひらりと躱される。
もう1つはトキの強声。右腕の機械が黄色い光を纏ったかと思えば、素早く背後に立ち回り、兵士たちを軽々とKOしていく。
そして最後は…不運にも出張らなければなくなってしまったキリノの気声であった。兵士達の一部がこっちに偶然近づいた事でバレてしまい、動きの鈍いセリナを守るため仕方なく警棒を取り出してボコスカ殴っている。
「あーもう!なんでこんな事に…!!」
キリノが3人程締め上げた頃、不意に風が吹く。辺りの砂煙が徐々に晴れていき…そこには04と共に麒麟を背負い伸された兵士達の山に立つトキの姿があった。
トキがキリノの方に向く。その目はどこか生気を感じず…寂しそうな目をしている。
「(今度はこっちですか…!?)」
キリノは身構えるが、トキはキリノを見ると突然手を止めて話す。
「………私と貴方は…どこかで会いましたか…?」
「いえ…見ればいつかわかります……思い出せるはずです……確かに一年前…それより前の記憶を…辿れば……いつ……か………」
そこまで言って、トキは意識を突然手放したかのように倒れ込んだ。遠くに、新しい巡回の車列が見えた。
「まずい…!とにかく今は逃げるしかないですね…!!」
悪夢でも見ているかのように顰め面をしているトキを担ぎあげ、キリノは再びセリナと共に路地裏へと姿を消した。 - 100二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 19:12:02
応援
- 101二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:49:07
やっぱ俺の嫁かっこいいわ
- 102二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 00:24:21
このレスは削除されています
- 103二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:57:04
保守
- 104二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 14:59:57
保守う
- 105名無しの先生25/03/27(木) 15:20:05
スレのタイトルにちなみ、こんなバージョンを考えてみました。
【公安局の武神】
かつて、キヴォトスで一つの事件があった。
地下鉄の駅校舎内に隠された大型サーモバリック爆弾による大災害は、恐怖によってキヴォトスを統治しようともくろんでいた者の自滅で幕を閉じたが、それがキヴォトスの市民に刻み込まれた傷を癒すことはなかった。
刷新された連邦生徒会の下で権限を拡大したヴァルキューレ警察学校は、アビドス自治区での『雷帝の遺産』を巡るいさかいで混乱に陥っていたカイザー・グループに対して強制捜査を行い、これを解体した。
そして二年後。キヴォトスの復興進む市街地の繁華街にて、バイクに乗った不良生徒が市民からバッグをひったくる。
「へへ、いただき―」
しかし直後、彼女の視界は急に裏返る。天地が逆さまになった直後に全身が道路に叩き付けられ、そしてみぞおちに杖先が叩き込まれる。
「非番の『お巡りさん』の目の前でひったくりとは、中々度胸がありますね。まぁ…その度胸も無駄となりましたが」
白いロングコートを羽織り、機械仕掛けの右手で杖を突く少女は、左目を眼帯で覆ったその顔で窃盗犯を見下ろす。とそこで数人のヴァルキューレ生徒たちが駆け寄ってくる。
「キリノ公安局長!非番の中犯人逮捕にご協力いただき、感謝します!」
「いえ、本官はたまたま事件に居合わせただけですよ。さて、後は貴方たちに任せます」
キリノはそう言いながら、杖を突きつつその場を離れていく。そしてしばらく歩いていると、目前に一人の女性が現れた。
「おやおやこれは…一体何の御用でしょうか、砂狼シロコさん?」
「…ん、少し世間話をしよう」 - 106名無しの先生25/03/27(木) 15:37:28
【公安局の武神・②】
キヴォトス市内のカフェ、その席の一つで、二人の女性が向かい合う。『もう一人の』砂狼シロコはコーヒーをすすりつつ、キリノと向かい合っていた。
「子ウサギ公園に設けられた慰霊碑に献花してくれたの、貴方でしょう?本官は公安局での面倒ごとに追われて、カンナさんやフブキ…そしてFOX小隊の墓参りに中々赴けないのでありがたいですよ」
キリノはそう言いながら、ホットコーヒーをすする。二年前の防衛室長が仕掛けた自作自演のテロでは、多くの人命が失われた。左目と右手をサーモバリックの業火に食い破られ、瓦礫の山に左足を食い潰されたキリノはミレニアムの病院で命を取り留めた後、これからのしかかることになるだろう課題の後始末に奔走した。
その結果、気づけばあの敬愛する『公安局の狂犬』と同じ立場に立っていた。あまりにも柄にも似合わない役職と姿は、キリノからすれば滑稽に見えた。
「でも、貴方と貴方が再建したヴァルキューレのおかげで、キヴォトスの平和はちゃんと守られている。それと…サキはこっち(アビドス)で元気にやっているよ。砂だらけの世界はいち犯罪者が紛れ込むのに便利な場所だから」
その言葉に、キリノの片方だけ残された視線が下を向く。彼女が二年生となって公安局の副長に推された頃には、SRTの生徒たちはすっかり世界の敵扱いされていた。その中でrabbit小隊唯一の生き残りであるrabbit2は、表向きには矯正局に放り込んでいることになっているが、今は死の神(アヌビス)とかいう物騒な二つ名を背負う目前の何でも屋の女性に預けていた。
「…久々に、ドーナツか弁当を片手に会いに行ってやって。彼女、すっかり髪を伸ばしてミヤコかミユみたいになってるから。それに、貴方のことも恨んではいないから」
「…そうですか。その時間は確保しておきますよ」
「ん、そっちもサキのことを恨んでない様で安心した。これからも引き続き頑張ってね、『公安局の武神』さん」
- 107名無しの先生25/03/27(木) 15:46:39
ちなみに事件の元ネタは、4thPVのバッドエンドスチルの一つにあった、サキがうずくまるスチルの奴です
- 108名無しの先生25/03/27(木) 17:04:08
ほしゅ
- 109キリノスキー25/03/27(木) 22:01:36
あれから数日、3人は旧高層ホテルを拠点とする集団に身を寄せていた。
その間もトキは目を覚ます気配を見せず、現在、チームは慎重な行動を余儀なくされている。
「ただいま戻りました…。」
キリノが大きな布袋を担いで拠点の一室へと帰還する。布袋の中には多少綺麗なペットボトルの水と缶詰が少々、それから少しの医薬品があった。
「おかえりなさいキリノさん。」
「飛鳥馬さんは…まだ起きないんですか?」
「今は安静にしていますが…またいつ発作が起きるのかも分かりませんね……」
ほんの一瞬、気味の悪い空気感と静寂が室内に充満した。
「………とりあえず、ご飯にしましょうか。セリナさん。」
「……そうしましょうか。」
積み上げられた水と缶詰達の内から一つ取り、カセットガスの火で温める。時刻は日の落ちかけた夕刻、キリノは仄暗い灯りを頼りに適当に選んだ。
だが、その缶詰のラベルに貼ってあったのは………特級呪物として名高い『海鮮混ぜソース』であった…。
火の傍に置いて早数分。其の缶詰はべこんと膨れあがってしまった。
「………セリナさん…どうしましょうか…これ…」
「……危険だということは見て分かりますが…どう処分しましょうか…」
遠目で見ながら途方に暮れている2人は医療用ガーゼを口元に押さえていた。
そして…運命の時。遂に缶詰に隙間が生まれてしまった。
ガーゼ越しでもかなりきつい臭いが部屋に充満する。
「げほっげほっ…なんでこんな…酷い匂い…!?」
「けほけほ…凄い悪臭…」
だが2人はこの時完全に忘れていたが、すぐ側で寝ているトキを回収し損ねていたのだ。
「……!?!?……ゲボッ!?ゲホゲホッ…!!オ゛エエッッ!?!?」
「あ……」
「そういえば忘れちゃってましたね……ケホケホ……」
到底年頃の乙女が出していいような咳込みと共に…飛鳥馬トキは目を覚ますのだった。 - 110名無しの先生25/03/27(木) 22:02:33
ほしゅ
- 111名無しの先生25/03/27(木) 22:31:04
このスレに出てくる登場人物たちのイラスト、描いてみようかね…
- 112二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 01:02:01
応援
- 113二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 09:57:41
このレスは削除されています
- 114名無しの先生25/03/28(金) 10:24:38
それはそうとして、ヴァルキューレで新しい生徒はさらに出てきて欲しいと思う。生活安全局の局長とか、警備局のネームド生徒とか。
- 115通りすがりの先生25/03/28(金) 17:46:27
保守