- 1二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:34:38
これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。
※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。
元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだったものがあにまん民達の神の一手で生存ルートを切り開き奇跡的に生き延び、本編後世界でニャアンとジャンク屋をやったりデートしたり事件に巻き込まれたり戦ったり、共に苦難を乗り越えて遂には相思相愛になったりと結構ハッピー寄りな物語空想まとめとなってこのスレに至ります。
本編始間もなくながらも全く想像つかないジークアクス世界ですが、一緒にこの小さな宇宙の物語を空想して楽しんで頂けたら幸いです。
初代スレ↓
(完全妄想)ニャアンの傷になりたい|あにまん掲示板普段はスラム街のジャンク屋の兄ちゃんとしてニャアンに合法的な商品運んできて貰ってお得意さんとして顔馴染みでありたい「今度デートしようぜ!!」ってヘラヘラ笑いながら手を振って見送って、困った顔になって欲…bbs.animanch.com1スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com2スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)2|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』から派生した空想シリーズスレです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員…bbs.animanch.com3スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)3|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com4スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)4|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.com↓前スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)5|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:34:56
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- 3二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:36:07
登場人物
ジュン・ファンボイ
サイド6コロニーの繁華街でジャンク屋をしている青年。陽気かつ気さくな性格をしており、合法の機械整備部材を配達してくれるニャアンに対して何度もアプローチしている。軟派に見えがちだがニャアンに対する想いは真剣で、何かと彼女に接し、悩みを聞いているうちに信じて貰えるようになる。
しかしその正体は地球連邦軍MS特務隊に務めるコロニー6潜伏隊員。上層部からの指示を受けて戦争犯罪者や敗残兵崩れのテロリストなどの抹サツを務める、いわば軍人にとってのコロし屋。後述のブルキャノンを駆り、既に相当の数の危険因子の始末を遂行している実力者。任務時は上記の性格が嘘のようにどこまでも冷酷に任務を遂行する活躍から、内部の人間に『公爵家の蒼い騎士(ノーブルブラウリッター)』の名で恐れられている。
かつてのコロニー落としで両親と妹を失いスペースノイドへの怒りから連邦軍へ入隊、MS操縦の才能を認められ特務隊に配属され、そのままサイド6のスパイとしてコロニーを訪れる。しかし実際にコロニーで生活をしていくうちに生きていれば妹と同い年のニャアンに出会い、宇宙でも一生懸命に生きている命がある事を痛感。ニャアンへの想いが強くなっていき今の自分が本当に正しい事をしているのか悩むようになる。
紆余曲折あってニャアンとの初めてのデートを約束した直後に上層部からの命令でジークアクス及び赤いガンダムの破壊命令を受け、クランバトルを装った作戦行動を開始、特務隊の仲間達と彼の上官である指揮官と共にジークアクス達に挑むが、コロニーを巻き込む指揮官のやり方を目の当たりにして反旗を翻し、緊急発進した エグザベ君も味方に加えて連邦軍を迎撃。
激戦の末コロニーに突っ込み見せしめにニャアンをコロそうとした指揮官の猛攻を身を挺して防ぎ戦タヒ…したかに見えたがブルキャノンの重装甲と咄嗟の判断が相まって奇跡的に生存。
コロニーの被害を最小限に留めた功績で恩赦を受けて釈放され、現在はニャアンと一緒にジャンク屋をしつつ、刑務作業として愛機のブルキャノンと共にサイド6の治安維持活動に努めている。
日系とベトナム系のハーフであり、名前のジュンは漢字の『盾』、ファンボイはベトナム語で『反逆者』を意味している。 - 4二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:37:11
ブルキャノン・ブラウリッター
ブルキャノンⅡα及びβとの戦いで損傷したブルキャノンをサイド6市長の指示によりジュン・ファンボイ専用の最適化改造を施して強化した高速機動戦対応型重武装MS。
機体本体の形状は殆ど従来のブルキャノンと変わり無く青と白がベースのヒロイックな配色だが、高速機動に適応する為に装甲の一部分が流線的になっており、パワードブースターの代わりにエル・サルバトーレのメインブースターのデータを流用して作られたハイパワーブースターを装備する事によって基礎機動力が上昇。駆動系にもジュンの白兵戦技術に適応しうる最適化が施された。
武装面ではライフルブレードとビームサーベルが出力を強化したライフルブレード改とビームサーベル改へ、ヘヴィシールドは小型ブースターと伸縮ウイングを内蔵され手動遠隔操作が可能となり二連装バズーカを外して弾速を強化された二連装カノン砲を搭載したエアロシールドへと改修され、ジュンが得意とする白兵戦武装の強化に加えて盾投げから遠隔操作でより三次元的な派生攻撃や連携補助が出来るようになった。
また、キャノン系最大の特徴である両肩部キャノン砲はハイパワーブースターと連結する事によって起動する後述の『リッターモード』によりエネルギーをブースターの加速燃料にする事によって既存のフルアーマータイプを遥かに上回る圧倒的な機動力を会得する事に成功した。
怒りの為に敵を撃つのではなく、コロニーに浮かぶ造られた青空の輝きを守れるように、そこで暮らす最愛の人を守れるようにという願いを込め、そしてかつての忌み名である『青の騎士』を背負う覚悟を込めてジュン自身がブラウリッターという名を与えた。 - 5二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:37:51
武装一覧
・ライフルブレード改
近接戦闘能力を強化されたライフルブレード。
内蔵された高出力ビームサーベルの出力を更に強化し、最大出力でMAの大型ビーム兵器をも真正面から受け止めて焼き切る事も可能な程の出力を発揮する。
・ビームサーベル改
既存の武装を強化改修したビームサーベル。出力調整の幅が既存のサーベルより広く、最大出力で高出力ビームサーベル並の火力を発揮する事が出来る。
・エアロシールド
ヘヴィシールドの改良型装備。投擲の瞬間に取り付けられた小型ブースターと伸縮ウイングを起動させ、投擲後リモート操作で突進や二連装カノン砲の高速射撃を活かしたビットのようなより三次元的な立体攻撃を仕掛ける事が出来る。また、元々ジュンが得意とする剣と盾の二刀流に用いる際にも相手の防御の瞬間にブースターをふかせて速度と威力で相手のガードを打ち抜くなどの使い方も出来るようになった。
・両肩部キャノン砲
伸縮式両肩部キャノン砲。ハイパワーブースターに連結する事でビームエネルギーをブースターに回す事で更に加速する事が出来、その際にはブースターの炎と特殊なビームエネルギーが混ざる事で放出される青い炎がマントのように広がる。この状態は『リッターモード』と呼ばれ、機動の軌跡に残像を作り出す程の速力を発揮する。また、青い炎を操り後方からの攻撃を迎撃、或いは白兵戦中に急旋回する事で炎の軌跡で相手を焼き切る事も出来る。因みにリッターモードを起動しない通常の状態はキャノンモードと称されている。
・多連装ミサイルポッド
胸部両脇に搭載された多連装ミサイル。オールレンジ攻撃対策で射出速度とホーミング性能が強化されている。 - 6二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:39:12
この時空における本編キャラ達
ニャアン
(本編では扱わないのかもしれないが)合法的な機械パーツの配送を通じてジュンに出会う。
初めは難民の自分にやたら接してくる兄ちゃんを不思議に思う程度であったが、合法の販売ルートの提供や困った時に相談に乗ってくれるジュンに次第に心を開いていき、本編後半では兄ちゃんのジャンク屋でのお手伝いを始め、違法パーツの販売などからは足を洗った。
本編後は改札の前で車椅子に乗ったジュンと再会して笑い泣き、エル・サルバトーレ襲撃で半壊したジャンク屋の立て直しを手伝いつつ、本格的にジャンク屋のお手伝いに転職する事になった。
尚、クラバなんてまともな奴がやることじゃないという考えは一貫しており、お金が必要でこっそり修繕したブルキャノンでジュンがクラバに参加した時は夫のキャバクラ通いを知った妻レベルでジュンを締め上げており、この時ばかりはジュンも頭が上がらなかった。
前スレの地獄を乗り越えてジュンに想いを伝え、2度目の連邦軍戦に伴い連邦軍とのクランバトルに挑む事になったジュンと共に戦う為、イズマ・コロニーの新型MSガンダム・オイランゼンに乗り込む事を決意する。
マチュ&シュウジ
連邦軍の任務で破壊対象だった赤いガンダムと最新型のガンダムのパイロットだったが、終盤までそんな事を知らずに仲良くなってしまった二人組。
本編後は2人にブルキャノン修繕の為のパーツ集めを手伝って貰っており、後々それがニャアンにバレて3人+修繕案通した演歌のおっちゃん+設計図を流した看守のおっちゃん共々仲良く怒られた。
本編での試練を乗り越えて現在はサイド6名物の恋仲になっており、ジオン公認でジークアクスと赤いガンダムの試験パイロットになった。
エグザベ
本編中1番スパイのジュンと交戦している、ある意味兄ちゃんのライバル。
機動力と反応速度に特化したXカスタムを操り、火力と馬力を極めたブルキャノンを相手にさながらサイコザクVSフルアーマーガンダムのようなタヒ闘を何度も繰り返した。
お互い互角の実力でタヒ闘を繰り返した結果それぞれの技量が飛躍的に上がり、この経験値のおかげでジュンはエル・サルバトーレ戦での戦タヒを免れているため、ある意味命の恩人である。
本編後はコロニー6で互いに正体を知らぬまま生身で出会い、なんやかんや仲良くなる。 - 7二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:39:54
ガンダム・オイランゼン
サイド6にて独自開発されたガンダムタイプ。
形状はジークアクスに極めて近いものの外装フレームが軽量化に伴い一際細く、カラーリングは黒紫が基調となっている。
『MAV戦術におけるブルキャノンとの連携』に特化して作られており、ブルキャノンが苦手とするオールレンジ攻撃や特殊弾及びジャミングの無効化、力押しの白兵戦で生じる僅かな隙を埋めるピンポイント攻防を得意とする。
しかしこの機体の最大の特徴は武装よりもエル・サルバトーレの擬似サイコミュを基礎として作られた全く独自の制御補助システムにある。ブルキャノン試作1号機のパイロットであるジュン・ファンボイの戦闘データを組み込んだ戦闘補助機能は乗り手によって性能が大きく変化してしまい、優れたパイロットやニュータイプでも特定の適性が欠けている場合独自の兵装が全く使い物にならないという乗り手を選ぶ仕組みになっている。サイド6MSパイロットに対して行われた適正試験によって判別した平均適性率が25%を下回る程に低い中、ジュンと共に苦難を乗り越えて来たニャアンは適性率98.9%という驚異的な数値を叩き出しており、ジュンとの連携によって数字以上の機体性能を引き出す事に成功した。
機体名のオイランゼンはベトナム語のオイ・ラン・ゼン(隣人)から来ており、ジュンの隣で戦う事を決めたニャアンが名付けた。 - 8二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:40:24
武装一覧
・ヒートシミター
歪曲した細身のヒートソード。
細身ながらもかなりの強度を誇り、刺突によるピンポイント攻撃や相手の防御をすり抜けるスナップを効かせた斬撃など、テクニカルな白兵戦を行う事が可能。
・リトルシールド
ジークアクスの盾を一際小さくしたような小型の盾。
ヒートシミターとの併用を前提に極限まで軽量化されており、更には後述のペタルビットを連結して実体剣として扱う事によってブルキャノンのような剣と盾の二刀流を可能にする。
・ペタルビット
腰回り後ろに4機、背部スラスターに4機搭載された合計8機の小型シールドビット。腰に搭載されている時には追加ブースターとして使用可能。いずれもやや縦に長い紫色の水晶のような六角形の形状をしており、中央のブースター付きの黒いフレームに内蔵された擬似サイコミュとマニュアル操作の併用で一枚一枚が自在に宙を舞う。
紫色の水晶を思わせる特殊金属は純粋な物理強度が極めて高く単体でも自在に操れる盾となり、場合に応じては遠距離の対象を切り裂く剣にもなり得る。
更にはビットそのものがビーム、電撃、ジャミング機能などのあらゆる障害に対して高い耐性を誇り、複数のビットでフォーメーションを組む事で攻撃を受け止めるバリアフィールド、ビームを反射するリフレクトフィールド、ホーミング機能を無力化する電磁波を生成するジャミングフィールドなどを展開出来、ブルキャノンが不得手とする広範囲からの波状攻撃や特殊兵器の影響を防ぐ事を可能にしている。
また、ニュータイプのオールレンジ攻撃に対してもブルキャノンと連携する事によって放ったビームをリフレクトフィールドで反射、拡散して攻撃の1発1発を撃ち落とすような超波状迎撃ビームを放ち圧倒的な制圧力を誇る。
武装名のペタルは「花びら」を意味している。 - 9二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:40:59
ジオニックガンダム・Xカスタム
エグザベ君用に調整されたジオン製量産型ガンダムのカスタム機。ジークアクス捜索にあたりサイド6付近に出没する青いガンダムに対抗するべくシャリア・ブルが既存の量産型ガンダムを エグザベ用に調整するように指示を出して作らせた事実上の エグザベ君専用機体。
形状はRX-78-2に類似しており、装甲はジオン風のミリタリーグリーン。
名称のXは エグザベ君の頭文字から取られたものである。
新型のジークアクスがオーバーヒートを起こす程の彼の反応速度に対応出来るように徹底した機体反応速度とそれに追従する機動性、関節回りの強化が施されている。
最大の特徴は通常のMS操作とサイコミュコントロールが併用されている操縦機構が採用されており、長時間の連続稼働を維持しつつニュータイプ能力による反応速度を引き出せるように工夫されており、サイコミュは徹底して機動補助の為に用いられている為ビットなどのオールレンジ武装は搭載されていない。
主な武装はビームサーベル2本、ビームライフル、ビームピストル2丁、小型シールド。機動力に重点を置いている為武装は標準的に纏められているが、 エグザベ君による万全なサイコミュコントロールでの高速立体軌道によって敵を翻弄しながら繰り出されるこれらの武装は驚異的な攻撃性を発揮し、ジュンが操るブルキャノンと互角の戦いを演じる。 - 10二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:41:30
このスレのオリキャラ
演歌の軍警
サイド6軍警の繁華街派出所部長。
巡査長時代に不審な難民の情報を聞いてニャアンを追跡していた際にジュンに遭遇。
最初はニャアンが違法デバイスのやり取りをしていると疑い逮捕しようとするがジュンに依頼してたのは合法の作業用デバイスであり、更にはニャアンが持ってきたのは北島○郎演歌集のCDだった為、結局2人が逮捕される事はなく、なんならジュンと2人で兄弟船をデュエットして仲良くなった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の際に瀕タヒになったジュンを救護施設まで届けてくれた張本人であり、ジュンが服役中も何かとニャアンに気をかけている。
普段はMS部隊の欠員補充で指揮官仕様の軍警ザクで交通治安維持に努めている。
看守
ジュンがいる刑務所を管理する看守。
元々は機動隊隊員だったが過去に負傷をして現在の勤務地に転属となった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の緊急事態に避難誘導員が足りず現場に駆り出されており、目の前でジュンのブルキャノンが身を挺してニャアンを守るのを見ていた事や演歌の軍警から事情を聞いた事によって刑務所内のジュンに何かと気を使ってくれており、出所後も度々演歌の軍警と共にジャンク屋に顔を出している。 - 11二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:45:20
ベイン
難民居住区に住む初老の男性。
幼い頃に漂着したニャアンの面倒を見ており、彼女が1人で生きられるように面倒を見てくれていた育ての親。仕事柄どうしてもコロニーから離れる事が多い為ニャアンが早く独り立ち出来るように育て上げたものの彼女のどんくささや生きる為とはいえ違法な稼ぎ方に手を染めざるを得ない状況をずっと不安に思う中ジュンの元で真っ当に生きているニャアンと再会して心底安心していた。
しかしその正体はジュンと同じく連邦軍のスパイ。処刑人であるジュンとは異なり隠密活動から暗サツまでこなす、スパイとしてはジュンよりも上澄みの実力者である。
今回サイド6に戻って来たのはブルキャノンの戦闘データを回収する為であり、その為にニャアンを利用しようとしてスパイとしての責務と育ての親としての罪悪感に苛まれていた。
愛機である独自のMA、カボ・マンダラットは鉄錆色のヤドカリのような独特の形状をしており、その機体の特徴からベイン自身も鉄錆の爪の異名を持ち恐れられている。
ブルキャノンとの決闘の後、尚もスパイとして情報収集に徹するも土壇場でジュンとニャアンが危機に陥った際に身を挺して庇って致命傷を負うもののソドンでの治療が間に合って一命をとりとめ、今は軍警内病院でお世話になり、ジュンとニャアンの弁明により罪は比較的軽微なものとなって気軽に面会も可能な状態になっている。 - 12二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:52:21
前スレのあらすじ
強化改修されたブルキャノン…ブルキャノン・ブラウリッター、そしてそれを支援する為に作られたガンダム・オイランゼンを操るニャアンと共に連邦軍とのクランバトルに打ち勝ち、幼馴染のリリーとの拗れてしまった関係を修復し、ニャアンとリリーも無事に和解を果たしたジュン・ファンボイ。
しかしその過程で互いを想い合うジュンとニャアンの大告白が全宇宙放送されてしまい色んな意味で2人は時の人となってしまう。
そんな中マチュの学校での学園祭で2人は演劇部の役者をやる事になってしまい、更には(ジオン軍の正体を隠してる)エグザベ一同まで助っ人に来てしまい…? - 13二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 21:53:44
とりあえずスレ6準備完了です。
今回は概ね?ネタ回寄りになる、はずです(大長編始まるとネタ挟むのが難しくなると思うので) - 14二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:08:10
新スレ乙です
- 15二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:16:53
演劇的に会う音楽ないかなぁと探してたら劇場版ブレイクブレイドのfateって曲がとても舞台の劇中曲っぽくていいなぁとなる今日この頃
ガンダムに限らずロボットアニメは良曲揃いで探し始めると時間が溶ける…!! - 16二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:22:04
ちょっと確認。
現状で正体バレしてないのって
・ジュン→(正体知らない)→エグコモコンビ
だけ?
あとは基本バレてるでええんかな? - 17二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:25:32
- 18二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:36:40
前スレでちょっと出てきたFSSの劇場版(1989版)は芝居に出来そうかな?
…とちょっと思ってしまった。
いや、単に「ニャアン、おいで!」と叫ぶジュン(マチュシュウコンビでも可)が見たいだけなんだが…
それはそれとして、緑のおじさんかラシット艦長は「部下の督戦」名目で(変装して)見に来そうだなコレ… - 19二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 22:47:40
- 20二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 23:14:56
- 21二次元好きの匿名さん25/03/20(木) 23:58:54
入隊最初期のジュンはまさに暴れ狂う獣でそこから中将に騎士の名を、指揮官からブルキャノンを与えられて少しずつ騎士になっていく感じなので良さげですね
基本的には戦時中は中将閣下の領土の防衛任務が主のイメージでしたけど性格的に復讐のレクイエムみたく地球圏内のジオン追いかけ回して復讐完遂してるレベルではあるので蒼い騎士の名もそこからジオンに広まってそうです…
- 22二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 05:30:25
普段の日常でもニャアン達が気を遣って正体隠したりしてるので奇跡的に気付いてないんやろなぁ…
ニュース「続いてのニュースです。本日でジークアクスと赤いガンダムがイズマ・コロニーへ衝突した事故から半年が経過し、当時のジークアクス搭乗者だったエグrv」
ニャアン「み、見たい番組あるからチャンネル変えるね!!」ピッ
ジュン「お、おう?(そんなに急いで見たい番組なんてこの時間にやってたっけ…?)」
ジュン(ハロ)「ニブチンダヨナー」
ニャアン(ハロ)「ソロソロバレソウ」
- 23二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 07:57:13
朝保守
- 24二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 08:13:16
- 25二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 09:33:39
- 26二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 10:47:29
愛の力でゼクノヴァ×2引き起こして上の写真のわざよろしくハート型に相手を削り取って爆散させるとかやり出しそう
マチュ「見て見てファン兄ちゃん、ニャアン!!私達にも出来たよ合体技!!」
シュウジ「僕とマチュの愛のなせる技だね」
ジュン「おっ、やったな。マジで危ないから2度と使うんじゃねぇぞ」
ニャアン「流石に2倍密度のゼクノヴァは私達でも抹消出来るか分からなくて危険過ぎる…」
- 27二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 12:57:18
体育館ステージ
部員A「あ、あの、私達もアマテさんから事情は聞いてます。ファンボイさんには正体は秘密なんですよね」ひそひそ
エグザベ「あ、う、うん。ファンボイ君には別コロニーから出張で来てる商社の社員って扱いになってるから宜しくね」ひそひそ
部員B「は、はい、内緒ですね」ひそひそ
エグザベ「そうそう、内緒ね」ウィンクしながらしーっのジェスチャー
部員A B「「〜//」」
コモリ「………」むっすー
エグザベ「…あ、あれ…?どうしたのコモリさん?なんか顔が怖痛ぁっ!!!!」小指を思いっきり踏み抜かれた
コモリ「悪かったですね怖い顔で!!若い子達と違って私の顔は可愛くありませんよ!!」ぷいっ
エグザベ「えっ、ちょ、何!?待ってコモリさん!!」
ジュン「あちゃー…相変わらずツラがいいからなぁエグザベさんは…でもなんで商社マンが女子校の演劇の手伝いなんてしてるんだ…?」
マチュ「ほ、ほらエグザベさんの会社ってイズマ・コロニーと手広くやり取りしてるからこーゆー依頼もあるんじゃない!?」
ジュン「ほーん、商社マンも大変だなぁ…」
シュウジ「それじゃあファン兄ちゃん、エグザベさん、一緒に頑張ろうね」
ジュン「おう!!……ん、あれ?もしかしてオメーらも演劇部の手伝いやるの?」
副部長「あ、あはは…ウチの部活って役者より裏方が多くて…アマテさんとその彼氏さんにも役者のお手伝いして貰ってるんです…」
ニャアン(け、結果的にイズマ・コロニー滞在中のガンダム乗り全員が役者やってる…) - 28二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 12:58:13
ジュン「あ、そういや君は副部長さんなんだよな…部長さんは来てねぇのかい?」
副部長「部長は部室で本番用の台本の準備に打ち込んでます。集中したいと言っていたので今日は部室から出てこないかもしれませんので、皆さんにはセリフのみの仮台本を渡すようにとも言われてますので、最初はこちらの読み込みからやっていきましょう」つ台本
ニャアン「あ、ありがとうございます…仮にしては結構分厚い…」
ジュン「本番用の台本はもっと分厚いぞー?それぞれの立ち位置とか照明の暗転とか明転とかも細かく書き込まれるからな」
ニャアン「そうなんだ…」
エグザベ「ええと…物語としては王道ファンタジーもの…なのかな?」
部員A「はい!!大まかに説明すると、平和な架空の王国に突如として現れた魔王が攻撃を仕掛け、魔王が攫った不思議な力を持つ異国のお姫様を助ける為に3人の王子達が旅に出る、という物語です!!」
シュウジ「そっか、だから男性の役者が3人必要だったんだね」
部員B「あ…ええと、王子役はシュウジさん、エグザベさん、それからアマテさんでして…」
マチュ「え!?私男役なの!?なんで!?」
副部長「生徒達にアンケートをとったら『アマテさんは絶対王子役!!』との意見が物凄くて…」
ジュン「マチュは女にモテるからなぁ…あれ、じゃあ俺らはなんの役やるんだ?」
副部長「えーとその…
ファンボイさんは魔王役…ニャアンさんは魔王に攫われるお姫様役です…」
コモリ「世界報道で告白したカップルにやらせる役ではなくない!!!?」
- 29二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 12:59:11
ニャアン「お…お姫様役…」ちょっと嬉しそう
マチュ「いやちょっと待って!!!!ニャアンはともかくファン兄ちゃんバリッバリの悪役じゃん!!特別ゲストにこんな事していいの!?」
ジュン「俺ぁ全然オーケーだぜ?旧世紀の時代劇なんかでもその週のゲストが主人公と最後に切り結ぶのカッケェなぁって思ってたからむしろちょっと嬉しいぐらいだ」
部員A「よ、良かった…」
部員B「怒られたらどうしようかと…」
マチュ「………」
安心する演劇部員達を横目に例のジト目で台本を読み込むマチュは…
その内容に思わず目を見開き、わなわなと震え出す。
ジュン「とにもかくにも最初は台本の読み込みだな!!えーと俺のセリフがある最初のページは…」パラパラ
ジュンが台本を捲り出した途端、マチュが物凄い速さでジュンとニャアンから台本を取り上げる。
ニャアン「わっ…!?」
ジュン「うおっ、ど、どうした?」
マチュ「…ファン兄ちゃん、ニャアン。2人はここで待ってて。私達ちょーーーっとこの台本書いたボケナs…部長さんとお話ししないといけなくなってさ」
ジュン「お、おう?」
シュウジ「僕らもついてく?」
マチュ「お願い!!」
エグザベ「え、何々!?」
コモリ「私達も!?」
去っていく一同と慌てて追いかける部員を、ジュンとニャアンはポカンとしながら見送る…
- 30二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 12:59:52
演劇部部室
マチュ「この台本を書いたのは誰だぁ!!!!」
あらいからタバコの匂いを感じ取りブチギレた海原○山の如き勢いでマチュが演劇部部室のドアを開くと、部室の隅ではおさげ髪と丸メガネが特徴的な演劇部部長が黙々と本番用の台本を書き込んでいる手を止めてため息をつく。
部長「うるさいですね…その台本を書いたのは私ですがなんですか一体?」
マチュ「なんですかじゃないよ!!ファン兄ちゃんとニャアンの役!!どういうつもりであの2人にこんな役やらせるつもりなの!?」台本地面に叩きつけ
エグザベ「え、そ、そんなに酷い内容なの?まだ台本読み切ってないんだけど…」台本捲り
コモリ「ええと…?
魔王の故郷は平和になる前の王国からの侵攻を受けて目の前で家族が焼き崩れた瓦礫に押し潰されて絶命しているのを見ており王国を心の底から憎んでいて…
拉致された異国のお姫様は側室の子な上に能力を不気味がられて国中から冷遇されていて奴隷のような扱いだったけれど初めて人として接してくれた魔王と心を通わせるものの、3人の王子が目の前で魔王をコロすのを見て絶望して短剣を自らの首に突き刺して心中…!!!?」
エグザベ「こ…こりゃ酷い…」ジークアクス初クラバ見た時の3倍ぐらい悲痛な顔
シュウジ「絶妙に役をやる2人の要素が組み込まれているのが尚のことムゴい…」
部長「いい設定でしょう?血糊を使った血溜まりに横たわる2人の亡骸は観客達の目に焼き付くこと間違いなしです」満面の笑み
マチュ「地獄以外の何でもないよ!!!!こんな身近に存在しちゃいけない邪悪がいるとは思わなかった!!!!」
部長「邪悪とは失礼な。ロミオとジュリエットだって最後は心中エンドですよ?いわば演劇の華です」
ぎゃあぎゃあと言い合うマチュと部長を見て、一同はこの演劇大丈夫だろうかと頭を抱える…
- 31二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 13:58:48
- 32二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 16:57:59
この展開で演劇やったら大半の観客がお通夜状態で後の学園祭回らないといけなくなるのが酷い
- 33二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 18:17:56
演劇部部室
部長「じゃあなんですか、今からこの台本を全部書き換えろとでも言うんですか?」
マチュ「そうは言ってないじゃん!!大まかに台本には目を通したけど面白かったよ!!魔王とお姫様周りが地獄過ぎる点を除いては!!」
部長「そこが1番力を入れた所なんですが」
マチュ「力の入れ方が歪んでるって言ってるの!!根城にいる魔王は度々家族の幻覚が見える程に追い込まれてるし!!」
部長「追い込まれて見てる幻覚だと分かっていながら家族の温もりを忘れられないのが美しいですよね?」
マチュ「お姫様は故郷の国での扱いが酷くて城に攫われた後も本能的に皿洗いとかの家事とかしようとしてそれが失敗すると泣くほど謝るし!!」
部長「体に刻まれる程の習慣に追い込まれて泣くのってかわいいですよね?」
マチュ「幕間でちょっと救いがあるかなーと思わせといて最終的に心中になるのバカなんしゃないの!!!?」
部長「2人を縛るものはもう何もないんですよ?最高じゃないですか?」
マチュ「性根が歪んでるよ!!!!」
部長「貴女の脳味噌がお花畑なんです!!!!」
エグザベ「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いて」
コモリ「ぶ、部長さん。とりあえず役をやる2人の意見は聞いた方がいいんじゃないかな?台本が納得いくものでも2人のモチベーションに関わる重要な問題だし…」
部長「む…まぁ、それは一理あります」
マチュ「2人が嫌がったらちゃんと台本書き直してよね!?」
部長「貴女がどうこう言うことではありませんので」
マチュ「ぐぎぎぎ…!!」
シュウジ「どうどう、落ち着いてマチュ」
憤るマチュを宥めながら一同が体育館ステージへ戻ると…
ジュン「へー、今はこーゆー音楽も流行ってるんだな」
ニャアン「…偶には演歌以外もいいでしょ?」
隙を持て余していた2人は有線イヤホンを片耳ずつにつけて肩を寄せ合いながら音楽を聴いていた。
マチュ「………」扉の影から無言で写真撮影
部長「………現実世界でこれだけゲロ甘いんですし演劇ぐらい苦い結末でもいいのでは???」
マチュ「ちょっと静かにしてて動画もとるから、後々からかうように」
部長「人の事散々言っておいて貴女も結構いい性格ですね…」
- 34二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 18:18:43
ジュン「台本の内容が過激ぃ?」
音楽を聴き終えた頃合いを見計らって声をかけられた2人(イヤホン共有はバレてないと思ってる)はマチュから劇物注意と物凄く念を押されて渡された台本を読み、部長以外は不安そうにそんな2人を見守る事となる。
ニャアン「………こ…このラストはちょっと…いや物語自体は凄く面白いんだけど…ジュンの魔王役が…その…可哀想過ぎる…」
ジュン「いや俺は別に魔王役の設定は面白いと思うけどよ…どっちかっつーとお姫様役の設定がもうちょっとこう…ただでさえ拉致られて監禁されてるみてぇなもんだし…せめてラスト心中エンドは避けれねぇかなぁ…?」
部長「うーん…仕方ない、台本を少しマイルドにしましょう…ただ…」ジュンの方をチラ見して怪訝そうな顔をする
ジュン「ん?どした?」
部長「…軍人さんなら気迫ある魔王役もいけるかと思ったんですか…なんか聞いてた以上にファンボイさんってフツーに朗らかな青年って感じで…魔王役なんていけますかね?」
マチュ「あー…それに関しては残念ながらすっごく適任だと思うよ…?」
シュウジ「ファン兄ちゃん、ここのセリフ感情を込めて思いっきり読んでみて」
ジュン「い、いきなりだなオイ…下手でもあんま笑うなよ?」
ごほんごほんと咳払いをしてからジュンは目を伏せ…凄まじい程悲痛な悲鳴をあげながら台詞を叫ぶ。
ジュン「あ…あああああああ!!!!!!」
部員達「「「!?」」」ビクッ
ジュン「許さん…許さんぞ王国の連中どもめが…何が…何が悠久の平和の国だ!!自由を勝ち取った国だ!!お前達は奪ったのだ!!我が故郷の平和を…か…家族を…!!…この憎しみは決して忘れん…必ずや貴様らが謳う平和を…!!!!」
エグザベ「かっ、カットカット!!ファンボイくんストップ!!」
コモリ「ぶ、部員の子達めっちゃ怯えてるから一旦止めて!!」
ジュン「へ!?わ、わりぃそんなに下手だったか!?」
部員A「い、いえ…物凄くお上手でした…」
部員B「た、ただちょっと迫力あり過ぎて…」
ニャアン「ほ、ホントにジュンがやって大丈夫かなこの役…!?」
部長「……これは…中々の逸材…!!!!」
副部長「やっぱメンタル強いなーこの人は…」
- 35二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 18:19:25
その日の夜、おでん屋の屋台
看守「…で、結局その日は仮の台本のクライマックス部分抜きの修正版を貰ってお開きになった、と」
ジュン「そ。部長ちゃんがクライマックスを書き直すからそこ以外の台詞を少しずつ覚えてくところからってとこだな」
演歌「お前それ…大丈夫なんか…???」
ジュン「へ?何が?」
演歌「いや、部長ちゃんが意図してるのかは分かんねーんだけどよ…平和な国と魔王の国の構図って思いっきしジオンと連邦軍というか…というか魔王の境遇がおもっくそお前…」
ジュン「別によくある展開じゃねぇか。そんなんいちいち気にしてたら創作なんて楽しめねーよ…あっ、大将はんぺんと白滝お土産に包んでくれよ、2人分ね」
屋台大将「はいよー」
演歌「あ、あんま気にしてなさそうだな」
看守「台本の内容見て肝を冷やしたが…お前も肝っ玉つえーなぁ…でもニャアンちゃんの方は大丈夫なのか?元の台本じゃ心中エンドだったんだろ?」
ジュン「んー…まぁマイルドに修正されるって言うから平気だろ。舞台練習のみとはいえ学校に通えるのを嬉しそうにしてたよ。それだけでも価値のある経験さ」
演歌「へっ、男前な事言うじゃねぇの」
看守「これでニャアンちゃん用の女子高制服欲しさに依頼を受けたんじゃなけりゃもーちょいカッコよかったんだけどなぁ」
ジュン「あぁんなんだよ!?惚れた女に服送るのは別におかしい事じゃねぇだろぉ!?」
演歌「服の内容がイカれてんだよオメーは」
看守「偽物の制服どころかマジの制服で色々やり出したら最早手の施しようがねーんだよなぁ…ベイン爺さんブチ切れ回すぞ?」
ジュン「上等だぁ!!返り討ちにしてやるよ!!」
やいのやいのと賑やかな男達の声が夜の屋台から響く…
- 36二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 18:55:04
- 37二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 19:18:50
その夜、ジャンク屋裏リビング
ジュン「たっだいまー」ほろ酔い
ニャアン「ん、やっと帰ってきた」
ジュン(ハロ)「オセーゾオセーゾ!!」
ニャアン(ハロ)「ノミスギテナイ?」
ジュン「あははっ、へーきへーきヒック」
ニャアン「もう…演歌さんにちゃんとお休み申請出来たの?」
ジュン「おう、大丈夫大丈夫。刑務の警備任務は午前中にして貰って、放課後には今日みたいに練習参加出来るようにしたからさ。ジャンク屋は暫く現地での修理じゃなくて郵送仕事に専念する感じになりそうだなぁ…あっ、これお土産な」つおでん
ニャアン「ん。簡単な機械の修理なら私も出来るから少しずつ片付けてくね…ご飯は食べてきたから、お風呂先入る?」
ジュン「あー…もうちょっと転がってから入るわ…zzz…」ソファに転がって即寝
ニャアン「…お酒弱いのにいっつも沢山飲んでくるんだから…」屈んでジュンの頬つついてる
ジュン(ハロ)「ショーガネーナー」
ニャアン(ハロ)「オコス?オコス?」
ニャアン「しーっ、少しこのままにしてあげよ…今日は忙しかったからね」
ジュン「むにゃ…」
- 38二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 19:22:52
新婚さんすぎてニヤニヤが止まらない…
- 39二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 19:23:03
部員ちゃん達やらマチュ達やらが見てる前でもこれなのでもう互いに気遣い合うのが自然になってきている…
コモリ「ファンボイ君は気遣いの出来るいい子だよねー?」ジト目
エグザベ「…?そうだね」
コモリ「…あーあー、気遣いされない女の子って苦労するなー?」ジト目
エグザベ「…???」
コモリ「…」脇腹小突き
エグザベ「いたっ、何何!?」
マチュ「まーたやってる…」
シュウジ「あの2人のあり方もなんやかんやで長続きするよね」
- 40二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 19:24:31
- 41二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 20:22:30
シュウマチュはシュウジの地下隠れ家で、エグコモはXカスタム隠してるガレージとかで自主練とかしてそう
地下隠れ家
マチュ「アメンボ赤いなあいうえおー!!」
シュウジ「…?マチュ、何それ?」
マチュ「昔の地球で演劇とか滑舌の練習で使ってた練習方法なんだって。シュウジもやろ?」
シュウジ「うん、いいよ」ニコッ
ガレージ
エグザベ「つ、遂に追い詰めたぞ魔王!!」
コモリ「ダメダメ!!エグザベ君恥ずかしがり過ぎだよ!!」
エグザベ「そ、そうは言ってもこんなのやった事ないし…」
コモリ「もー、そんな事言って…あの2人の告白以上に恥ずかしい事なんてないでしょ?それに比べれば気楽なもんだよ♪」
エグザベ「それあの2人の前で言ったらダメだからね!?」 - 42二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 20:56:31
- 43二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 20:58:27
春らしい…
- 44二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 21:02:23
ち…チーム3色団子…!!
ブルキャノン「なんだったらオメーら全員ジオン製だから統一感もあっていいよなぁ。信号機みてぇでよ」
ジークアクス「だーれが信号機やねんワレェ!!」
赤いガンダム「逆に君とオイランゼンの容姿は真逆な上にフレームもバラバラだよな」
Xカスタム「そもそも青と紫って組み合わせが珍しいですよね」
ブルキャノン「うーん…なんかこう…青と紫のいい組み合わせの例えってねぇかなぁ?」
- 45二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 21:46:41
この感じだとジュン兄とニャアンはハロも代役にしてジャンク屋のガレージのリビングとかで練習してそう
ジュン(ハロ)「ク、クセモノダー!!」
ニャアン(ハロ)「デアエデアエー!!」
ジュン「雑兵どもが…先ずは貴様らの血でこの宮殿を染めてやろう…!!……ん、どしたよニャアン?」
ニャアン「…思ってた以上に悪役が上手くてびっくりしてる…」
ジュン「たはは、相棒(ブルキャノン)が悪人ヅラだからかなぁ」
- 46二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:37:21
普段は逆のパターンでカセットとかで演歌聞いてるジュン兄ちゃんのイヤホン片方借りてニャアンが演歌とか旧世代の古い曲とか聴いてそう
おでん屋屋台
演歌「あーあ…オメーはいいよなぁー…ツレが音楽の趣味理解してくれるもんなぁ…」
ジュン「演歌のおっちゃんの場合は音楽の趣味どうこうっつーか加減が下手過ぎるんだよ。この前ザクに詰んだ音響機器の一部の値段ネットで見たけどそりゃあ奥さんブチ切れるわって値段だったじゃねーか」
看守「とか言ってよー、オメーも無駄に映画のパンフレット通常盤と豪華版買ったりたまたま怒られる出費してるじゃねーか。そーゆーのが続くとコイツみたいになるぞー?」
ジュン「そ、それは勘弁だな…いやまぁ最近おっちゃんも奥さん戻ってきたみたいだからよかったけどさ。もう逃げられんなよな?」
演歌「なーんでオメーの方がツレとの付き合いで先輩ズラしてんだこのヤロー!!」首締め
ジュン「いでででギブギブ」タップタップ
- 47二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:59:02
- 48二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 23:31:18
ジュン「………」
看守「お、おいヤベーよ演歌の。ファン坊が全く動かなくなっちまったぞ。なんなら目に光がねぇ」
演歌「やっべーちょっと言い過ぎたか…?お、おおいファン坊しっかりしろって、へ、平気か?」
ジュン「………嫌だ…」
看守演歌「「へ?」」
ジュン「そんなの嫌だ!!!!ニャアンに他の男が出来るなんて!!!!俺がくたばっても100年…いや一生俺だけ想ってて欲しい!!!!俺だけの側にいて欲しい!!!!!!!」号泣
演歌「旧世代の漫画にこんな事言ってる奴いたなぁ…」
看守「いやなんなら元ネタより酷いぞ、向こうは10年ちょっととかなのにこっちは一生と来やがった…ニャアンちゃんの事好き過ぎだろオメー…」
大将「アンタらは逆にこの兄ちゃんぐらい奥さんに愛を伝えてやった方がいいんじゃないかい?」
演歌看守「「う、うっす…」」
ジュン「嫌わないでくれよぉ…」泣きながら寝てる
- 49二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 23:33:00
情けない奴!
- 50二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 23:38:15
- 51二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 05:55:49
守りたい、この笑顔
- 52二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 07:38:17
朝保守&3月末故進捗ゆっくりめかもです(書ければフツーに書けるかも)
- 53二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 11:52:23
- 54二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:44:25
- 55二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 15:26:59
- 56二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 17:47:15
- 57二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 20:17:16
体育館ステージ
かくして始まった学園祭演劇部発表の練習。台本を渡された次の日から一同は早速台本を見ながらのセリフ合わせ…本読みとも呼ばれる練習を始める。
副部長「よく来てくれたね、緑の王子」
エグザベ「へ、陛下。お呼びでしょうか?」
副部長「うむ、君を呼んだのは他でもない。君には例の事件を解決して欲しいのだ。同盟国にいる赤の王子、白の王子と共にね」
エグザベ「例の事件…属国である紫の王国の姫君が攫われたものでしょうか?」
副部長「そうだ。この事件…魔王が絡んでいる」
エグザベ「ま、魔王ですか!?…あっ、ご、ごめん声上擦っちゃった!!」
副部長「あはは、大丈夫ですよ、もっと気楽にやって下さい」
ジュン「ふむふむ…メインの主人公はエグザベさん…つまりは緑の王子で…魔王を倒すための仲間の2人の王子を仲間に加えて色々冒険し、最後に魔王のいる城で決戦って感じの流れなんだよな…エグザベさん責任重大だぜー?」
エグザベ「うっ、や、やめてくれよ。プレッシャーが…!!」
ジュン「あはは、わりぃわりぃ」
部員A「……ニャアンさん、コモリさん」ひそひそ
ニャアン「へ、な、何?」ひそりそ
コモリ「どうかした?」ひそひそ
部員A「お二人は…正確にはジュンさんの方はエグザベさんの正体知らないとは聞いてたんですが…秘密にしてるのはかつては敵対してるから、ですよね?」ひそひそ
部員B「なんか…正体知らないとはいえすっごく仲良しですね…正体バレてもいいんじゃないですか?」ひそひそ
コモリ「う、うーん…」
ニャアン「それは、ちょっと…まだ早い…かも…?」
少し困ったように目を合わせる2人を見て、部員の少女達は首を傾げる… - 58二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 20:17:57
エグザベ「う、うーん…最初のうちは世界観の説明とか重要な用語とかも沢山出るから覚える事が多くて特に大変だなぁ…」
ジュン「あ、それならさ。気分転換に別の場面とか読むのどうよ。ほら、中盤の魔王との戦闘シーンとかさ」
エグザベ「え、いいのかい順番に読まなくて?」
副部長「いいと思いますよ。感情を露わにするシーンを先に読み込めばその登場人物への理解を深めやすくなりますし」
ジュン「じゃあここの…20ページの鍔迫り合いしてるとこから読もうぜ?」
副部長「それじゃあ、よーい、どうぞ!!」
序盤の読み込みの緊張が少しでもほぐれたらいいな、などと副部長が考えていると、
エグザベ「魔王おおおおおおおお!!!!」
ジュン「緑の王子いいいいいいい!!!!」
部員達「「「!!!?」」」
互いの親友をコロし合ってしまったどこぞのコーディネーター並みの迫真の叫びを聞いた部員達は思わず怯えてしまう。
エグザベ「何故だ!!何故貴様はこれほどまでに人々を苦しめる!?」
ジュン「ほざけ忌々しき王国の者よ!!奴らが今味わっている苦しみなど…我が怒りに比べれば生温い!!」
エグザベ「苦しみを差別するな!!!!」
ジュン「どの口がほざくかぁ!!!!……あ、あれ皆んなどうした?そんな隅っこで怯えて…」
エグザベ「え、な、なんかよくなかったかな!?」
コモリ「そりゃあまぁ…顔割れるまでずっとコロし合ってた2人組だから…」
ニャアン「演技だとしても…対決するとなるとこんな感じで気迫が尋常じゃないんだよね…」
- 59二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 20:48:26
マチュ「うーーーん…」台本をジト目で読み込み中
シュウジ「…?どうしたのマチュ?」
マチュ「私の役の白の王子…穏やかな白の国が退屈で刺激を求めて緑の王子の旅に同行するって…なんか絶妙な既視感が…」
シュウジ「マチュも?僕も赤の王子に既視感があるんだよね」
マチュ「赤の王子は…伝統的な芸術が盛んな赤の国で奇抜な芸術を好んでいるせいで変わり者扱いされてる…?…えっ、でもシュウジが書くのはキラキラじゃん。素敵なアートだと思うよ?」
シュウジ「…マチュのそういうところ、大好きだよ」なでなで
マチュ「え〜、何何〜?」にへらーとしてる
部長「………噂には聞いていたけれど思っていた以上にゲロ甘ですね貴方達は…」
ニャアン「あっ、部長さん」
ジュン「おー、お疲れさん。台本の修正は順調かい?」
部長「大変ですよもう。2人が心中した後は根城の城を爆発四散させる演出も考えていたからそれも没になりましたし、舞台セットも色々考えないといけなくて大変で…」
エグザベ(魔王に親でもコロされたのかってぐらい魔王への仕打ちが酷いな初期台本…)
コモリ「凄く好きなんだね、台本作り」
部長「そりゃあもう。人の記憶に残る鮮烈な作品を作るのが私の生きがいですから」
マチュ「地獄みたいな設定で人の記憶に傷を刻むのはちょっとどうかと思うよ」ジト目
部長「ふん、お子様にはこの感性がわからないんですよ」
マチュ「ぐぬぬぬぬ…作品自体は面白いから文句言いづらいなぁ…」
- 60二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:15:23
プチ余談、3人の王子の設定
緑の王子
同盟国の中で最も大きな緑の王国の王子。正義感の強い好青年。母親が平民で幼い頃には色々と苦労してきたが努力の果てに皆から認められる立派な王子となった。他2人の王子に比べて常識人な為苦労人気質なところがある。
白の王子
平和な白の王国の王子。活発で夢見がちな少年であり、平和過ぎる白の王国での生活が退屈過ぎて緑の王子の旅に同行する。一度思ったら即行動の決断力で突っ走り緑の王子を困らせがちだが、その勢いの良さ故に白の王国ではめっちゃモテてる。
赤の王子
芸術が盛んな赤の王国の王子。伝統芸術の名門の生まれだが伝統に捉われない斬新な作風を好むせいで周りからは疎まれており、もっと自由に創作がしたいと思って2人の王子の旅に同行する。とてもマイペースで白の王子とは別方面で緑の王子を困らせる事もしばしば。
ニャアン「…王子…というかこれ…」
ジュン「ほぼほぼ普段のオメーらじゃねーか」
マチュ「わ、私はもうちょっと節度あるもん!!」
シュウジ「そうだそうだとガンダムも言っている」
ジュン「嘘つけぇ」
ニャアン「エグザベさんなのが苦労人気質なのも凄くそのまんま…」 - 61二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:58:33
父さんは日本人なので多分演歌趣味は父譲り…かも?(父につられて母娘も演歌好きになってるか、或いは演歌さんの家族みたいにちょっと呆れられてるパターンでも良き)
- 62二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:14:45
- 63二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:49:14
- 64二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 07:31:00
キラキラを嬉しそうに見てくれるマチュの笑顔に見惚れてたかもしれないよね…
- 65二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 13:11:44
- 66二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 13:47:54
最初期設定だと正体バレはエル・サルバトーレ戦です。ただ最近はその戦いの前になんらかの弾みでジュンの正体が一方的にニャアンにバレてたとかでも美味しいかなとかも考えてたりします。
多分処刑任務の時の戦いでニャアン含む一般のスペースノイドも巻き込まれそうになった時に助けに入る事が何度かあってその度にニャアンからどんな人が乗ってるんだろうと不思議に思われたりしてるとマチュにとっての赤いガンダム的存在にもなっていいかなぁと思いました。
- 67二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 16:30:14
まだ本編がどう動いていくかわからないけど、このスレって「ポストウォーな宇宙世紀で新たな火種になりそうな問題を主人公が仲間達と解決していく冒険活劇」感ありますね
今回のような日常回が挟まれると「あぁ、平和なんだな」って実感する - 68二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 19:36:12
練習3日目、体育館ステージ
部長「ふむ、皆さん思ってた以上に各々の台詞を覚えるのが早いですね。このペースなら今日からもう演技の練習に入っていいかもしれません」
ニャアン「あ、え、えっと、流石にまだ全部は覚えられてなくて…」
ジュン「大丈夫大丈夫。まだ練習なんだから台本片手にやる感じでいいんだよ。分かんなくなったら台本読んで一連の流れだけでも通してやれればその分覚えるのも早くなるしな」
部員A「ですです!!」
部員B「噛んだり間違えたりしても気にする事なく気楽にいきましょう!!」
ニャアン「う、うん」
エグザベ「演技かぁ…ニャアンちゃんはともかく、僕らは殺陣のシーンが結構多いから動きやすい服装に着替えた方がいいかな?」
ジュン「あー…俺とシュウジは半分作業着扱いの私服だし、エグザベさんはコート来てるし…そうだな、今後からジャージ持ってくるか」
シュウジ「…あったかな…ジャージ…」
ジュン「オメーの分は買ってやるよ」
マチュ「それならニャアンも体操服着ない?私のやつ貸してあげるからさ」
ニャアン「マチュの…?……着れるかな…?」
マチュ「あーっ!?今私の背が低いからサイズ合わないとか思った!?」背伸びして胸ぐら掴んで揺らしてくる
ニャアン「だ、だって本当に背丈の差が…」揺られてる
ジュン「まぁニャアンって背ぇ高いよなぁ。へへっ、お姫様役のやったらきっと綺麗で映えるよなぁ」
シュウジ「マチュだって今回は王子様役だけど、お姫様役になれば可憐で素敵なお姫様になるよ」
コモリ「………」エグザベの方見ながらそわそわ
エグザベ「……?コモリさんどうかした?あ、もしかして裏方器具の事で何か分からないところが痛ぁ!!!!」丸めた台本で頭ぶっ叩かれてる - 69二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 20:00:58
かくして一同の練習は4日目から舞台での演技をも交えていよいよ本格的に演劇の練習らしくなってきた。
マチュ「やぁ、初めまして緑の王子!!僕は白の王子!!君の噂を聞いてここまでやって来たんだ!!」
部長「カットです。アマテさん声がよく通るのはいいんですがもう少しだけクールさを増してくれませんか?今のままだとただ活発なだけの少年っぽくて王子らしさがありません」
マチュ「えー…?クール…うーんクールかぁ…」
副部長「アマテさんが思うカッコいい王子様をイメージしてやってみるのはどうですか?」
マチュ「っ!!それなら分かる!!」
部長「では改めて、はい!!」
マチュ「僕は白の王子。君は?」シャフ度
部長「カットオオオオオオオ!!!!アマテさんそれただの彼氏の真似じゃないですか!!」
マチュ「えっだって私の思うカッコいい王子様って…」
部長「誰も真似芸をやれとは言ってないんですよすっとこどっこい!!」
ジュン「演技内容はともかく男の子風の演技自体は上手いなぁアイツ」
ニャアン「元々活発過ぎて元気な男の子顔負けだもんね…」
シュウジ「マチュは可愛いしかっこいいからね」にこっ
マチュ「戦え、と、ガンダムが言っている」
部長「カッッットオオオオオオオ!!!!」
- 70二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 20:18:27
エグザベ「行くぞ魔王!!!!」
ジュン「来るがいい緑の王子!!!!……あ、あのさ、別に俺ら本気で怒ってる訳じゃねぇから…そんな怖がんないで大丈夫だからな?」
部員A「ご、ごめんなさい…」隅っこ
部員B「は、迫力が凄過ぎて…」隅っこ
部長「まぁこの部の部員の殆どが裏方希望で入った子達ですからガチ演技見ると怯えちゃうんですよね」
コモリ「演劇部として結構致命的では…?」
ニャアン「部長さんは、2人の演技見てても平気?」
部長「寧ろこの2人のガチ演技で完全鬱エンドの姫君を巡っての血みどろ演劇をやって欲しくてワクワクが止まりません」満面の笑み
マチュ「性根が終わってる…」
シュウジ「芸術の感性は人それぞれ、なのだと思いたい」
エグザベ「ふう…やっぱりファンボイ君の気迫は凄いなぁ、流石蒼い騎士だね」
ジュン「あっ、そういやエグザベさんもあの生中継見たのか、たははっ、恥ずかしー」
エグザベ「あ、あはは…(既に正体は知ってたけどこれでバレた事にしとこう)」
ジュン「その、ごめんな?エグザベさんカタギの人だからあんまこーゆーの言わない方がいいかなって…」
エグザベ「だ、大丈夫大丈夫、びっくりはしたけれどさ(こっちもずっと騙してるようなもんだから罪悪感が…)」
ジュン「…?どうかしたかい?」
エグザベ「え、あ、えーと、その…」
ニャアン「ジュン、お疲れ様。はい」つ飲み物
ジュン「お、サンキュー」ごくごく
エグザベ(ほっ…)
- 71二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 20:39:29
- 72二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 20:47:23
ニャアン「どうして…?貴方はどうして私に優しくしてくれるの?私の歌は呪いの歌…私の国の誰もが私を不気味がって、嫌って、それでも歌の力を引き出すために閉じ込めた…そんな私を…」
部長「うーん…ニャアンさん、少し声が小さいかもしれません。もう少し大きな声でもう一度いけますか?」体育館の端から
ニャアン「あ、は、はい。えーと…」
ジュン「ニャアン、もう少し前…要するに舞台の方に体向けて声出してみ」
ニャアン「前…?でも、このシーンだと同じ舞台にいるじゅんと話してるからジュンの方向かないと…」
ジュン「舞台上で横向くと体の側面しか見えなくなるし声も横に行っちまうからな。前を向いてれば衣装全部見やすくなるし、声も観客席に向かって広がるからよ」
ニャアン「や、やってみる……どうして?貴方はどうして私に…」
部長「おお、聞き取りやすくなりました」
シュウジ「ニャアンの役…紫の姫は魔法の歌で国を治めている紫の国の中でも生命を脅かす呪いの歌声の持ち主で戦争に利用する為に城の地下に幽閉されてて…」
マチュ「それをファン兄ちゃんの役…青の魔王が攫って王国を滅ぼす為に利用しようとした…かぁ…この流れだけ見ると結構ラブロマンスもいけそうなんだけど…」チラッ
部長「くっ…元の台本ならこの2人の素質を完璧に活かせるのに…!!」
コモリ「そんな縁起でもない…」
エグザベ「今の台本に変わって本当に良かったよ…」
- 73二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 21:08:24
その日の夜、ジャンク屋裏リビング
ジュン「ふはははは!!苦しめ!!怯えろ!!偽りの平和から目を覚ませ!!今貴様らを襲う恐怖こそが貴様らの全てだ!!……うーん、違うな、笑うよりももっと怒り狂った叫びの方が青の魔王っぽいかな…」台本持ちながらリビングをぐるぐる歩き回ってる
ジュン(ハロ)「フハハハハー」
ニャアン(ハロ)「クルシメオビエロー」
ニャアン「もう…ハロの前で物騒なセリフ読まないでよ。覚えちゃうでしょ?」呆れながらラーメンの丼が二つ乗ったおぼんをテーブルまで運んでる。
ジュン「わ、わりーわりー、熱中してたわ」頭をかきながら席へ
ニャアン「…好きなの?演劇」
ジュン「へ?」
ニャアン「体育館のステージ見て懐かしいって言ったり…舞台での演技にも、なんか慣れてる感じがしたから」
ジュン「あー……俺が…というか……サウが、さ」
ニャアン「妹さんが?」
ジュン「幼稚園の頃から演劇が好きでさ。小学校に通うようになってからは街の子ども達が通う劇団で本格的に役者の練習なんかもしてて…それに付き合ってたら自然と色々覚えちゃってなぁ…」
ニャアン「…ちゃんとお兄ちゃんしてたんだね、ジュン」
ジュン「たはは、どうかなー?」
ニャアン「してるよ。今もきっと、サウちゃん自慢のお兄ちゃんだよ」
ジュン「…ん……あ、今日ラーメンかぁ!!店で食うのもいいけど家ラーメンもいいよなぁ!!醤油?」
ニャアン「ん。胡椒もあるよ」
ジュン「へへっ、やったぜ」
- 74二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 21:30:42
プチ余談、紫の姫と青の魔王
紫の姫
同盟国の中でも属国にあたる魔法の歌を操る紫の国の姫君。しかし側室の子である事や生まれ持った魔法の歌の力があらゆる生命を脅かしてしまう為に呪われた子として周囲どころか実の両親からも不気味がられ、更には歌の力だけは兵器として利用され続けて普段は牢屋に繋がれている奴隷のような扱いを受けてすっかり暗い性格になってしまった。
毎日僅かな食事で飢えを凌ぐような必死な日々に希望を見出せず命を断とうかと考えてしまう事もあったが、そんな中で紫の国を襲った青の魔王に攫われ、祖国の人々よりも自分に優しく接してくれる青の魔王との交流を経て彼と心を通わせていく。
青の魔王
突如として魔物の軍勢を従えて各国を襲い始めた青い鎧の騎士。魔物を従える強大な魔力と卓越した剣技の使い手。
その正体はかつてこの世界のどこよりも平和な王国と呼ばれていた青の王国の元王子。青の王国は平和になる前の各国からの侵攻を受けて滅亡しており、王子であった彼は目の前で家族が崩落する城の下敷きになるのを目の当たりにして絶望し、世界への復讐を目論む。
世界を滅ぼし得る魔法の歌の姫君の力を利用しようと彼女を拉致するが、紫の王国の彼女の扱いがあんまりなものであり歌わせるどうこうどころではない為やむを得ず紫の姫がまともに歌える程度にまで回復させる為に四苦八苦しながらも交流する内に閉ざしていた心を彼女へ開くようになっていく。
マチュ「これだけの要素含んでおいて最初期は心中エンド一択だったの控え目に言って頭おかしいと思うよ」ジト目
部長「はぁ…これだから安直なハピエン厨は思慮が浅くて嫌なんですよ」
マチュ「浅くて結構ですーっ!!深過ぎて誰もついてかないからフツーの役者さんが育たないんじゃないの!?」
部長「言いましたねこの野郎!!!!」
副部長「まぁまぁまぁ喧嘩しないで…」 - 75二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 21:48:45
- 76二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 21:57:54
多分ジュンのエル・サルバトーレ戦の話を聞いても(空気を読んで2人の前では口にはしないが)「庇ったタイミングで命を落としておけば永遠に傷になって残ったのに…」とか思う程度にはレベル高めですw
部長「まぁそれはそれとして傷になる系の話ならファンボイさんみたいに明るい人が亡くなってニャアンさんみたいに引っ込み思案になりがちな子が残ると未亡人みが増していいと思いませんか?」曇りなき眼
マチュ「それぜっっったいファン兄ちゃん達の前で言わないでね!!!?」
部長「流石にいいませんよ、あくまで空想なんですから、それでリアルのお二人に影響与えたくありませんし」
シュウジ「ビミョーにまともな感性が残ってる…」
- 77二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 22:20:29
つまり初代スレ概念の世界線でこそ活きる役どころ…!
- 78二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 22:24:46
元祖イズマ・コロニー代表バカップルの片方は伊達じゃなかった…
マチュ「じゃあ逆に聞くけどどういう感じが理想なの?シュウジ以外にイメージ出来ないよ…」
部長「心の底から本気で言ってるのが尚のこと彼氏の事しか頭にないのが伝わって来ますね…別にそんな難しいイメージじゃないですよ。ただ落ち着いた口調で…」
マチュ「シュウジじゃん」
部長「…ミステリアスで…」
マチュ「シュウジじゃん」
部長「もう少し聡明な印象で!!」
マチュ「シュウジじゃん!!」
部長「マトモなイケメンっぽいイメージだっつってんでしょうが!!!!」
マチュ「シュウジしかないじゃん!!!!」
ジュン「外人のおっさん2人が怒鳴り合ってる画像にこんなんあったな」
ニャアン「言い合って会話にならないやつだよね」
- 79二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 23:13:19
- 80二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 23:28:09
本人が狂犬なせいで相対的にシュウジがまとも扱いに…
部長「なら分かりましたこうしましょう!!アマテさん以外の人達にとっての王子様のイメージ!!これを参考にしていけば平均的な王子様らしくなる筈です!!と言うわけでニャアンさん!!貴女の王子様のイメージは!?」
ニャアン「あ…ええと…ごめんなさい…」
部長「へ?な、何故謝罪を?」
ニャアン「その…ジュンは王子様っていう程上品じゃないから…機械弄りと歌が好きな騎士って言われても、王子様っぽくないかなって…」
部長「………私は貴方の王子様のイメージを聞いただけであって貴方が惚れた男の特徴を言えとは一言も行ってないのですが」ジト目
ニャアン「へっ!?あ、そ、ご、ごめんなさい…」真っ赤になって俯き
部長「はぁ………じゃあはいコモリさん!!貴方の王子様のイメージは!?」
コモリ「わ、私!?えーとその…優しくて…」
部長「ふむふむ」
コモリ「努力家で…ちょっと抜けてるけどそれでも一生懸命で…」
部長「そう!!そんな感じでいいんですよ!!」
コモリ「でも初デートにラーメン屋さんに誘ったり…やたら顔がいいのに自覚がなくて女子高生を魅了してたり…」
部長「…んんん?」
コモリ「特にホンット私のアピールには鈍くて…聞いてますかエグザベ君!!!!」
エグザベ「えっあっはいすいません聞いてませんでした!?」
ジュン「うわっびっくりしたぁ、何やらかしたよエグザベさん」
部長「………色ボケしかいない…」遠い目
マチュ(…流石に可哀想になってきたからもうちょっとフツーに演技頑張ろっかな…)
- 81二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 23:56:23
創作モノ一杯見てるとマトモな王子ってむしろ希少種…
- 82二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 00:32:21
この部長の心理…
リリー先生、お願いできませんか?(無理 - 83二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 05:45:17
- 84二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 07:04:49
なんがあったのこの子の過去…
- 85二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 11:39:51
練習開始から一週間、体育館ステージ
エグザベ「はぁ!!」
ジュン「ぬぅ!!」
演技を含むステージ上での練習を始めてからはや一週間、一同は大まかな劇の流れを頭に叩き込む事に成功し、特に舞台上での動きが一際多い緑の王子役と青の魔王役を務めるエグザベとジュンは殺陣の練習に専念し始めていた。動きやすいジャージ姿の2人は練習用の木刀を手に、ステージの広さを存分に活かした見栄えの良さを意識しつつ斬り結む。
部長「おお、2人とも上手いですね。流石現役MSパイロット」
ニャアン「MSのパイロットだと殺陣が上手くなったりするの?」
コモリ「一概には言えませんけど、空間認識能力が必要になる分そういう立ち回りが上手くなるのは理屈としてあるかもしれませんね」
ジュン「……うーん……?」
エグザベ「あ、あれ?どうかしたのかいファンボイ君?なんか間違えた?」
ジュン「あ、いや…エグザベさん昔俺と殺陣とかやったりしてない?」
エグザベ「へ?」
ジュン「いやそんな訳ないよな…?でもなんかこーゆー動きするやつとどっかで戦ったような…?」
エグザベ「ギクッ!!」ほぼ無意識でXカスタムの白兵戦スタイルで戦ってた
部員A「ふぁ、ファンボイさんファンボイさん!!今のシーンで少しいいですか!?」
部員B「ここの立ち回りで少し動きを変えて欲しくて!!」
ジュン「へ?お、おー、ここの部分ね?」
エグザベ(ほっ…)
副部長「そのうち何かの弾みでバレそう…」 - 86二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 11:40:51
3人の王子と魔王の3対1の盾のシーンの練習で、ジュンは3人が振り下ろした剣を一本の剣で受け止めるシーンの練習中。当初は3人がタイミングよく剣を振り下ろすのが難しいと思われたが3人ともニュータイプなのでそこのタイミングはほぼ完璧、尚且つジュンもそれに合わせて上手いこと三本の剣を受け止めるが…
ジュン「…んー?なーんかしっくりこねぇなぁ…」
マチュ「え、タイミング悪かったかな?」
ジュン「いやそっちのタイミングは完璧だと思う。じゃなくて俺の方がちゃんと受け止められてる感じがしなくてさ…」
シュウジ「そんな事なかったと思うけど…」
エグザベ「うん、こっちから見てる分にも大丈夫そうだったけど…」
ジュン「そうかなぁ…?」
首を傾げるジュンを見ていたニャアンは何かに気付いたようにはっとしてから副部長に声をかける。
ニャアン「あの、小道具ってどこに置いてありますか?」
副部長「小道具?ええと、体育館ステージの横のセット倉庫に纏めて置いてあるけれど…」
何を思ったのかニャアンは倉庫に入って、暫くしてから取っ手のついた金属の円盤のようなセットを引っ張り出して来た。
ニャアン「ジュン、これを盾代わりにしてさっきのシーンやってみて」
ジュン「へ?お、おう」
盾を手にしたジュンはもう一度同じシーンの盾を行い、今度は3人の剣を盾で受け止める。
ジュン「おお!!さっきよりしっくり来る!!これいいぞニャアン!!」
ニャアン「ん、良かった」
コモリ「あー成る程…元々剣と盾の二刀流っていう独自の戦い方するせいで両手で一本の剣持つ戦い方に慣れてなかったんだ」
部長「うーん…青い魔王用に小道具の盾を新調してみますか…」
- 87二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 11:41:56
部長「…あ、でも盾があると少し困りますね…ほら、ここの魔王が姫を左手で抱き抱えるように庇いながら紫の王国からの暗殺者達を庇って戦うシーン。両手が塞がってると抱き抱えられないかも」
ニャアン「へっ!?そ、そんなシーンあったっけ!?」
ジュン「あー、そのページ周りニャアンのセリフはなくて丸々殺陣のシーンだからニャアンは見てなかったか」
ニャアン「…ほ…ホントだ…」顔真っ赤
部長「仕方ないですね。ここのシーンでは姫には舞台の隅っこにいてもらうようにして…」
ニャアン「や、やりますこのシーン!!このままで!!」ずいっ
部長「えぇ…?でも両手が塞がってると…」
ジュン「殺陣の最初に襲ってくる相手に盾を突き刺すようにして、離れる時にその人に盾持ってもらうとかすればいけるんじゃねぇか?」
部員A「は、はい!!盾持たせて頂きます!!」
部長「いや態々剣じゃなくて盾突き刺すのはリアリティが…」
部員B「ここのシーンは絶対いります!!これで行きましょう!!」
部長「わ、わかりましたわかりました、それで行きましょう」
ニャアン「…!!」ぱあっと嬉しそうな笑顔
マチュ「へーーー?」によによ
ニャアン「……な…何…?」
マチュ「嬉しそーだねー?」によによ
ニャアン「………でしょ…」
マチュ「…?」
ニャアン「どうせもう宇宙中に告白ぶちまけてるんだからこれぐらいいいでしょ!!!!」顔面真っ赤で大音声
マチュ「お、おおう…すっごい開き直り…」
シュウジ「ファン兄ちゃん的にはいいの?」
ジュン「元々どう足掻いても目立つんだろうし、誤差だろ誤差」あっはっは
シュウジ「本音は?」
ジュン「今になって急に恥ずかしくなってきたぜ」真顔
シュウジ「じゃあらやらない?」
ジュン「しまぁす!!!!」
部長「色ボケどもがよぉ…」
- 88二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 12:21:59
- 89二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 13:26:59
シュウマチュみたく四六時中両者好き好きしてないけれどおんなじぐらい互いに好きなので暴発した時の爆発力が下手するとシュウマチュより高い…
ニャアン「………」あんまりにもマチュにいじられて拗ねてしまいジュンに抱きついてそっぽ向いてる
ジュン「あー、拗ねちまった…こうなると長いから一旦休憩にするか」なでなで
部員A「あ、は、はい」
部員B(でっかい子猫みたい…)
- 90二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 17:10:30
- 91二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 17:41:51
- 92二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:10:49
- 93二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:21:52
放課後、喫茶店
ニャアン「………」ムスーッ
マチュ「もー、機嫌直してよニャアン。ほら、折角奢りの女子会だよ?メニュー見てメニュー」
部員A「す、すいませんコモリさん」
部員B「私達まで…」
コモリ「ううん、いいのいいの。皆んなにはお世話になりっぱなしだから。学校の照明とか音響とかなんて普段触る事ないからなんか新鮮で楽しい体験させて貰ってるし、今日はそのお礼ね」
副部長「そんな、お礼なら私達の方がするべきですよ」
部長「舞台の小道具やセットの用意でもコモリさんにかなりお手伝いして貰ってますからね。流石ソドンクルー、出来る大人です」
コモリ「い、いやぁそんな…」
マチュ「これで恋の方でも完璧だったらもっと出来る女なのになー」
コモリ「……アマテさん、グーとパーどっちがお好き?」にこっ
マチュ「ぼ、暴力はよくないってジークアクスも言うんじゃないかなー…?ほらほらケーキ食べて笑顔になろ?」
ニャアン「もう…こうなるんだから最初から挑発しなければいいのに…」
部長「こーゆーところもクラスの女子にウケてるらしいですね、私からするとシンプルに迷惑な性格というだけですが」
マチュ「ふん、いーいーの。シュウジが好きだって言ってくれるなら今のままの私で…そりゃあ、嫌いとか言われたらやめるけどさ…」
コモリ(…いいなぁ…)
部長「はいはいそーですか…あ、私はチョコレートケーキとアールグレイでお願いします」
副部長「そういえば男子の3人は?」
ニャアン「3人は一緒にご飯食べてくるって言ってたよ」 - 94二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:22:30
同刻、ラーメン屋屋台
エグザベ「……はぁ…2人が羨ましいよ…」
ジュン「へ?どうしたよ藪から棒に」
シュウジ「ため息つくと幸せが逃げるってマチュが言ってたよ」ラーメンずるずる
エグザベ「いやその、2人ともそれぞれ形は違うけれど、パートナーと上手くやれてていいなぁって思ってさ…」
シュウジ「ああ、その事」
ジュン「エグザベさんだって上手くやれてるっちゃやれてるだろ?そりゃあ、お互いに好きとは伝えてないかもしれないけどさ。それでも2人は長続きすると思うぜ?」
エグザベ「でもさ…僕には2人みたいにストレートに大好きだと伝える勇気もないし…一緒にいても何故かコモリさんにぶっ叩かれる事が多いし…この前は女学生に道案内したお礼にお茶奢って貰ったら何故か鳩尾に頭突きくらったよ…なんでかな…」
ジュン「うん、全ての答えを自分で言ってるのよアンタ」
シュウジ「本当にただただお茶しただけなんだろうね、相手とコモリさんがそうでなかっただけで」
エグザベ「任務…じゃない、出張で折角2人で暮らしてるようなものなのに中々進展もないし…ファンボイ君みたく上手く出来ないよ…」
ジュン「ばっか、俺だって万事順調って訳じゃないんだぜ?この前なんか危うくニャアンの事妹の名前で呼んで破局しかけたんだからよ」
エグザベ「え、何それ初耳なんだけれど!?」
シュウジ「そっか、その話はエグザベさんにしてなかったっけ」
ジュン「いやさ、この前連邦にいた時の幼馴染が…」
- 95二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:34:28
同刻、喫茶店
ニャアン「………って事があって…だから、私もジュンも、皆んなが言うようにいつも上手くいってたって訳じゃないんだ」
コモリ+学生達「「「」」」絶句
ニャアン「…あ、ご、ごめん。あんま人に話すような事じゃないよね、これ」
部員A「い、いえそんな」
部員B「どういう経緯でお二人が付き合うようになったのか詳しく知りたいと無理を言って質問したのは私達ですから…」
コモリ「た…確かにソドンからの連絡でブルキャノンが強化改修される前に損傷したとは聞いてたけど…ファンボイ君がそこまで重体になってたのは知らなかった…」
部長「…と言うか…よくそんな地獄みたいな精神的衝突事故から今の関係まで持ち直しましたね…場合によっては破局というか…なんなら文字通りそのまま永遠の別れになりかねなかったじゃないですか…」
ニャアン「うん。そう思った時、それが凄く怖くて…ジュンに謝れないで彼が目を覚さないかもって思う事も、彼に想いを伝えられない事も、何もかも怖くて……ちょっと不本意だけど、マチュに背中を押して貰って、ジュンに声をかけたら…起きてくれた」
副部長「それで、想いを伝えた、と…」
ニャアン「…うん」
マチュ「…ね?部長さん、案外ハッピーエンドにもリアリティってあるでしょ?」
部長「む……いやまぁ実際に起きた事ではありますけれど…レアケースだと思いますよ…?」
ニャアン「…あ、この話したのはジュンには…後、色んな人にも内緒でお願い。掘り返されるとジュンも恥ずかしがるし…私も、ちょっと照れるから」
コモリ「………なんか…ニャアンちゃん随分大人になっちゃったなー…ずるい」ジト目
ニャアン「え」
マチュ「ねーっ!!ちょっと前までファン兄ちゃんが夜に出かけると浮気を心配してヘッタクソな尾行とかしてたのに!!」
ニャアン「ちょっ、その話は!!」
副部長「えっ、何その面白そうな話」
マチュ「あのねー?実際はブルキャノンの修理とかなのに…」
ニャアン「わーっ!!わーっ!!」両手ぶんぶん
- 96二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:35:17
その日の夜、ジャンク屋裏リビング
ニャアン「…結局その後、マチュとコモリさんがジュンに告白する前の私の色んな事部員の皆んなに言いふらして…喫茶店での話題はほぼほぼそれだった…」むっすー
ジュン「ははっ、そりゃ大変だったな…ケーキだけじゃそんなに腹いっぱいじゃないだろ、なんか食べるか?」
ニャアン「うん…軽めのやつがいいな」
ジュン「はいよー…えーとお冷あったかな…」冷蔵庫がさごそ
ジュン(ハロ)「ニャアンオツカレカー?」
ニャアン(ハロ)「オツカレー?」
ニャアン「ん…体動かすより喋ることの方が疲れるなぁ…1人だった時は、こんなに沢山人と喋るなんて思わなかったなぁ…」
ジュン「へいお待ち!!」つお椀と皿の乗ったおぼん
ニャアン「…お茶漬け…と…昨日食べたアナゴの残りを刻んだやつ…?」
ジュン「名付けてファンボイさんの即席ひつまぶしもどき…どう?」
ニャアン「…うん、おいしい。凄く残り物の有り合わせって感じで」
ジュン「えー?それ褒めてんのかー?」
いたずらっぽく笑うジュンを見て、ニャアンは自然と顔を綻ばせる…
- 97二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 20:25:16
プチ余談、ファンボイ宅の夕ご飯
基本的に夕食を作るのは家に戻るのが早いニャアンになる事が多いが、逆にジュンが早く戻って来た場合はジュンが作る事もある。
ただし料理面に関してはこれまで一人暮らしの時に全くしてなかったせいでフライパンで肉を焼くだけでもボヤ騒ぎ起こす程度には料理不得意だった為、基本的には昨日の残り物をアレンジして料理を作る事が多め。最近は料理する回数を重ねて人並み以下程度ではあるがちょっとはフライパンも使えるようになった。 - 98二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 21:05:17
最近はop空想に加えてed空想なんかも捗ってます
特に学園祭編edとして後々出す予定の演劇衣装かフォーマルな衣装着たジュンとニャアンが夜の平和公園とかで踊るのに合わせて蜜月アン・ドゥ・トロワみたいにムーディ?な雰囲気の歌が流れてるのとかが良い感じに雰囲気出るかなぁ、なんて考えてる - 99二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 22:26:27
- 100二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 22:53:37
- 101二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 23:02:59
- 102二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 23:06:17
- 103二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 07:07:14
本編EDが「もうどうなってもいいや」だそうです
- 104二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 07:36:15
てっきりミッドナイトリフレクションの方かと思ってたけれどそれはそれで…!!
- 105二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 08:40:29
- 106二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 12:17:07
宇宙世紀の高校ならロボット系は確かにありそう…!!
新PV見る感じだとコロニー内も天気設定で雨とかありそうなので(ニャアンが傘さしてたしシャリアさんも晴れだと聞いていいですねとか言ってたので)農作物も作れそうです
- 107二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 16:12:26
おまけ小話、軍警察刑務所
アラガ「おうラゴウチ。そっちの箱の中身は向こうに運んでくれや」
ラゴウチ「はいよ!!」どさっ
ベイン「おん?なんじゃ看守さん。今日の刑務作業はまた割り箸の袋詰めか?レストランで使う分の今月納品分はもう終わったんじゃあないのか?」
看守「こいつは今度学園祭で使われる分の割り箸だよ。色んなクラスで食いもんの出し物するから学校側がまとめて発注かけたって訳よ」
囚人A「おー、この前難民居住区のボランティアで豚汁作ってくれた女子高の子らの学校か!!」
囚人B「よっしゃ、真心込めて袋詰めしてやりますか!!」
演歌「この仕事の報酬として学園祭当日にはお祭りで作られた焼きそばが振る舞われる予定だ!!気合い入れろよぉ!!」
囚人達「「「押忍!!」」」
看守妻「たくっ、どいつもこいつもババァのメシより若い子の手料理の方がいいかい」むすっ
看守「そ、そうは言ってねぇだろぉ?」
ベイン「かっかっか…そういやこの前蒼い騎士とニャアンが面談に来た時にも学校で演劇をやるとは言っておったが…この学園祭でやるものだったのか、納得納得」
演歌「あー、この前してたよな、三者面談。告白放送聞いて錯乱した爺さんがファン坊に三角絞めキメて大変だったっけ」けらけら
ベイン「ふんっ、アイツの節操無し具合には一度灸をすえてやらんとならんかったからの」
アラガ「認めてやれよぉ爺さん」
ラゴウチ「交際認めなくてゴネる親は嫌われるっすよー?」
ベイン「別にゴネとらんわい!!!!ただ蒼い騎士があんまりにも清い付き合いをすっ飛ばしかねない危うさがあるからワシがなぁ!!!!」
看守妻「はいはいお爺ちゃん袋詰めしましょうねー」 - 108二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 19:42:47
学園祭リハーサル、マチュのクラス
ジュン「おーいマチュ、頼まれてたトースター持って来たぞー…あれ、いねぇな」
シュウジ「内装の手伝いしてたニャアンもいないね…あ、ねぇ。マチュとニャアンがどこにいるか知らない?」
同級生1「あ、はい。2人はクラスで使う装飾と服を取りに行きました」
ジュン「しっかし気合い入ってるなぁこの学校の学園祭は。一週間前からカフェですら内装準備する上にイベント系の出し物は予行練習までやるとはよ」
同級生2「イズマ・コロニーの中でも大きな学校ですからね。毎年有名人のゲストを呼んでイベントをやるぐらいには力を入れてますよ」
ジュン「今年は俺らもその1人…いや2人って訳か…他のゲストの方々って歌手とか芸能人さんだろ?なんか俺らだけジャンル違くない?」
同級生2「いえいえそんな!!今イズマ・コロニーで1番熱い2人ですよ!?他のゲストの方にも負けてませんって!!」
ジュン「た、たはは、ありがとな…あーやっぱ正面切って言われるとクッソ恥ずいな…」
シュウジ「そんなファン兄ちゃんらしくもない…」
マチュ「あ、ファン兄ちゃん!!ありがとねトースター持って来てくれて!!」
ジュン「おーう…ってお前なんだその格好?ウエイターか?」
マチュ「あはは、一応仮装喫茶だからさ」
シュウジ「似合ってるよ、マチュ」
マチュ「えへへー♪…でもなぁ…どうせなら私もニャアンと同じやつ来たかったなぁ…」
ジュン「へ?ニャアンも着替えてんのか?」
まぁニャアンは背丈あるからウェイター服も似合うだろうな、とジュンが考えていると壁の端から恥ずかしそうに顔を出すニャアンと目が会い、それに気付いたマチュがニャアンを引っ張り出す。
白と黒のスタンダードかつフリルのついた少し短いドレスが特徴的なメイド服姿のニャアンを。
ジュン「」
ニャアン「う…うう…やっぱこういうのは似合わないって…」
マチュ「なーに言ってるの、ほら、ファン兄ちゃんも釘付け……あ、あれ?ファン兄ちゃん?」
ジュン「…」無言でスマホを取り出し激写
ニャアン「ちょ、ちょっと!!写真はダメ!!」慌ててスマホ取り上げようとジュンに飛びかかる
ジュン「いーやこれは永久保存版にする!!今決めた!!」背伸びしながらスマホを取られまいと避けてる
マチュ「もー、人目を気にせずベタつくんだから」ブーメラン
シュウジ「全く困ったものだよ」ブーメラン - 109二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 19:43:42
スマホの取り合いをする事数分後、そんな様子を他女子生徒達に写真を撮られているのに気付いたニャアンはやむを得ず写真の処分は一度諦めてジュン達と共に文化祭のリハーサルを回る事になった。
ニャアン「うう…帰ったら締め上げてやる…」
ジュン「いやぁ…いいな!!学園祭!!普段頼んでも着てくれないような服をニャアンが着てくれるイベントとか滅多にないよなぁ…」
マチュ「普段から頼んでるんだ…」
シュウジ「因みに普段はやっぱ断られるの?色んな服着て貰うの」
ジュン「いや、正直割と押せば着ry」
ニャアン「が、学園祭イベント見て回るんでしょ!?早く行くよ!!」ジュンの手を掴んで引っ張る
シュウマチュ((割と押せば着るんだ))
によによする2人に見られて顔を真っ赤にするニャアンは、白い和服の学生に声をかけられる。
和服学生「はいそこのカップルさん!!お化け屋敷はどうですか!?」
ニャアン「え、お、お化け屋敷…?」
シュウジ「わ、結構本格的な雰囲気…教室が全部お化け屋敷…というか…」
マチュ「…なんか…出口から隣のクラスの入り口にも道が繋がってない?」
和服学生「その通り!!ここは2クラス共通の超大型お化け屋敷!!入ったら最後逃げられませんよー?」
ニャアン「む、無理無理!!お化け屋敷なんて…!!」
ジュン「うーん…お化け屋敷かぁ…」
マチュ「あれ〜?ファン兄ちゃんお化け屋敷苦手なの〜?」
ジュン「いや、幽霊が怖い的なのは人並みだと思うんだが…あんま好きじゃねぇんだよなぁ、お化け屋敷。だって何度も同じやつぐるぐる回るだろ?」
マチュ「へ?いや、何度も回るのは相当お化け屋敷好きじゃないと中々ないと思うよ?」
ジュン「あれ?そうなのか?
小さい頃リリーと遊園地に行った時はあいつお化け屋敷は2人きりで何度も回るものだよって言って同じお化け屋敷ぐるぐる回ったもんだぞ?」
ニャアン「………腕組んだりした?」
ジュン「おう。というかあいつやたらべったりくっつくから歩き辛くて………あ、あれどうしたニャアン顔が怖っいでででで待て待て待てつねりながらお化け屋敷入り口に引っ張るなって!!」
マチュ「あー…流石幼馴染…戦争前は存分に特権使いこなしてるね…」
シュウジ「ニャアンも負けじと頑張ってるね」
- 110二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:35:25
かくして半ば強制的にニャアンに引っ張られてお化け屋敷に入る羽目になったジュンだが…
ニャアン「…」怯えながらジュンの背後に隠れてる
ジュン「こええなら入らなきゃよかったのに…」
ニャアン「う、うるさい!!ほら進む!!」ジュンの背中を押しながら
ジュン「へいへい」
へらへら笑いながら背中を押されてるジュンは、ふと一本道の一角をじっと見る。ニャアンが不思議そうに見ていると…
お化け役「う゛お゛お゛お゛お゛!!!!」
ニャアン「ひっ!!」慌ててジュンの背中に隠れる
ジュン「うお、やっぱりいた」驚いてるが楽しそう
ニャアン「じゅ…ジュン怖くないの…?」
ジュン「いや人並みには怖いよ?ただほら、ブルキャノンに乗ってると遊園地で乗るようなアトラクション乗っても対して速度が出てる感じがしなくてスリルがなくて、こーゆー怖がらせる奴の方が楽しいっていうか…」
ニャアン「に…人間の発想じゃない…」
ジュン「ひでぇ言われよう…あっ、後ろに生首が浮いてる」
ニャアン「っ!!!?……い、いないよ…?」
ジュン「たははっ、ごめんごめん、嘘」
ニャアン「っ〜!!」ぽかぽか殴ってる
お化け役「………あのー、ここまだ序盤なんでもうちょいテンポアップして進んで貰えますか…?」
隠れてるお化け役(めっちゃイチャつくじゃん…)
隠れてるry(一応アタシらもいるんだよなー
、2人きりの場所じゃないんだよなー)
- 111二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:36:23
- 112二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:54:18
小さい頃は4人で遊園地とかも沢山行ったんだろうなぁ…
その頃連邦軍中将領防衛基地
リリー「むっ」ピキーン
ディル「…?どうしたリリー?」
リリー「ふふーん、ちょっと今いい気分」
フィン「ええ…?あ、なーんかまた勘が働いた感じ?」
リリー「そんな感じ♪…ニャアンちゃんは後何回私にジュンとの初めて奪われてたって知るのかなー♪」
フィン「ひ、開き直って無害でも君は怖い事言うなぁ…」
ディル「まぁいいだろう、リリーが元気ならそれで」
フィン「君はブレないねぇ…」
- 113二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:55:45
本格的なお化け屋敷に怯えっぱなしのニャアンだったが、苦手と言いながらなんやかんやで楽しんでいるジュンを盾にしながらどうにかゴール手前まで進む。
ニャアン「や、やっとゴール…」
ジュン「意外とすぐだったなぁ」
???「やぁやぁお二人さん。お化け屋敷を楽しんでくれたかい?」
ふと声をかけられた方を見ると、そこには水晶玉を置いた机の前に座る魔女っぽい格好をした女子生徒が2人に向かってにこにこと笑いかけていた。
ニャアン「…?占い師さん…?」
???「いかにも。このお化け屋敷をゴールしたお祝いにお二人を占ってあげよう」
ジュン「お化けは日本風なのに占うのは洋風の魔女なのか…でも面白そうだな、何占ってくれるんだ?」
???「そうだなぁ…ちょっと先の未来を、水晶玉を通して見ようか。もっとも、見えるのは断片的な言葉や記号であり、それが何を意味するかは私にも分からないけれどね」
ニャアン「…それっぽい…」
???「……ふむ……これは…
どんな場所でも進める大きな船に……小島から…目指すのは……古城……?」
ジュン「へ?船?小島?」
ニャアン「そこから…お城…?…あまり気楽に旅行出来る程の貯金はないんだけれど…」
???「さて、どうなんだろうねぇ?でも、君達の未来がいいものである事を祈るよ」
ジュン「ははっ、ありがとな。そんじゃ行くか」
ニャアン「うん、ありがとうございました」
???「どういたしまして♪…2人とも、頑張ってね」
出口の扉を開いて外に出る2人を、女子生徒は優しく笑いながら見送る。
- 114二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 21:05:58
占いを終えて2人が教室を出ると、出口付近で困った様子のマチュとシュウジ、更には何やら慌てた様子のお化け屋敷の生徒達と鉢合わせる。
マチュ「うわぁいた!!!!」
ニャアン「え、な、何…?」
和服の生徒「よ、よかったぁ!!どこに行ったのかと…!!」
ジュン「へ?いやそりゃあお化け屋敷に入ったんだからお化け屋敷の中に決まってるだろ?」
シュウジ「でもファン兄ちゃん、お化け屋敷の中で1時間も何してたの?」
ジュン「………1時間?」
ニャアンと思わず顔を見合わせるが、ニャアンも困った様子で首を振る。2人は結構な速さで進み、ゴール手前の占いの時間を含めても10分足らずでゴールした筈だ。
ジュン「…いや、いやいや。そんなに長い事いなかったって。なんならさっきの占い師さんに聞けば…」
ガラリとさっき出て来た出口を開くと、
そこには占い師の姿がなかった。
ニャアン「………え…」
和服の生徒「あ…あの…私達の出し物はお化け屋敷で…
占い師さんなんていませんよ…?」
ジュン「………」
ニャアン「………」
ジュン「…か…帰りに神社でお参りしてくか…」
ニャアン「…う…うん…出来るだけ部屋明るくして寝よ…」
マチュ「???」
- 115二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 21:53:24
プチ余談、学園祭の占い師
マチュの女子校で噂される七不思議の1つ。
お化け屋敷を開くクラスの出口にやって来たカップルに声をかけて未来の事を占ってくれる。占われたから特に代償がある訳ではなく、ただただシンプルに占ってくれる上に、そのカップルの間にトラブルがあった場合は仲裁やアドバイスをくれる時もある。
実は元々この学校の生徒だった少女の幽霊であり、彼女が生徒だった頃の学園祭で占いをやろうと準備をしていた時にセットの崩落に巻き込まれて亡くなってしまい、幽霊になった後も学園祭に来る予定だった当時の恋人を亡くなった後もいつか自分の占いを受けに来ると信じてずっと待ち続けている。
因みに当時の彼氏は学校で庭師をしており、今でも彼女を想い続けて独身を貫いているものの学園祭がトラウマの為学園祭には参加していない。時々彼女のクラスから視線を感じたりもしている。 - 116二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 22:53:55
既にもうだいぶ倒錯した事(制服以外の特殊な服着てイチャついてる)してると知ったらベインおじさん頭抱えそう
ベイン「……そりゃあの?ワシは仕事柄そんなにニャアンの世話をしょっちゅう見れた訳じゃないし、あくまで最低限の親代わり程度じゃった…でもまさかここまで今の若いもんが爛れるとは思わなんじゃろ…あいつもあいつでなんであんな歯止めの効かない性癖しとんじゃ…あんなん蒼い騎士じゃなくて蒼いケダモノじゃろ…」しくしく泣きながら一升瓶抱き抱えながらふて寝してる
ラゴウチ「まーたおじさん寝込んじまった…」
アラガ「いやちょっと待てどこから持って来たその一升瓶」
※こんなにも可哀想な感じのおじいちゃんですが収容された状態で当たり前のように監獄を抜け出して統一機構の軽キャノンを自分用にカスタマイズしていつでも緊急時出動出来る準備はしておりその片手間でお酒買ってこれる程度にはヤバいスパイです
- 117二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 23:16:49
シュウジ「ファン兄ちゃん、ニャアン、大丈夫?お化け屋敷出てから顔色悪いけど…」
ジュン「お、おー…ちょっと血の気が引いたからかなぁ…」
ニャアン「う…うん…もう一生お化け屋敷はいいかな…」
マチュ「流石に怖がり過ぎじゃない?ほらほら、フルーツジュースでも飲んで落ち着きなって」つジュース瓶
ニャアン「う…うん………!?何これ美味しい!!」
ジュン「へ?…あ、ホントだこりゃウマい」
マチュ「ふふーん、これもウチの学園祭の商品だよ。園芸部の皆んなが育てたキイチゴとかベリーとかをミックスして作ったジュースなんだ。ウチの仮装カフェで出す予定なんだ」
シュウジ「ベリーのジャムもくれたよ。暫く食パンにつけるものに困らないね」瓶どっさり
ジュン「ほえー、流石女子高の園外部だな…育てるところから調理するところまでしっかりしてるや」
マチュ「でしょでしょ?皆んな気合い入ってるよねー」
シュウジ「マチュ、楽しそうだね」
マチュ「えへへ…今年の学園祭は皆んなと回れるって思ってたからずっと楽しみにしててさ。一度は中止になるかもって言われた時はどうなるかと思ったけど、ファン兄ちゃん達のおかげで無事にやれる事になって…2人とも、ありがとね!!」
ニャアン「マチュ…」
ジュン「んー…ま、そう言って貰えんなら助っ人に出た甲斐はあったかな…あ、でもよー、今度からはなんか助っ人頼むならもうちょっと余裕を持ったスケジュールで頼むぜ?急に頼み過ぎんだよオメーはよ」
マチュ「あ、あはは、気をつけます…」
シュウジ「思い立ったら即行動が、マチュのいいところだから」にこっ
- 118二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 23:18:03
その頃ロボット工学部
エグザベ「…よし、これで動く筈だ」
ハロ「ウゴクデー!!」
コモリ「わ、ホントに動いた。エグザベ君凄いじゃん」
エグザベ「一応フラナガンスクールでも簡単な機械工作の勉強もしたからね。部品さえあればなんとかなるよ」
コモリ「流石主席、器用だね…ところで、あの」
生徒A「は、はい!!」隅っこ
生徒B「な、なんでしょうか!?」隅っこ
コモリ「何故そんなに距離を…」
生徒A「どうぞどうぞお気遣いなく!!」
生徒B(ひいいい…ツラのいい男と美人さんがなんでこんな所に…!!!!)
エグザベ「あはは…ここのクラブは他の所に比べて落ち着いてていいなぁ。女子高なんて普段行かないから、機械が沢山あるこのクラブが落ち着くよ…ありがとね、無理言って手伝いさせて貰って。何かお礼をしてもいいかな?」にこっ
生徒B「〜//」
生徒A「あ、あ、あの!!それなら連絡先をry」
コモリ「はーい次の場所回りましょう!!本番に備えての下見はまだまだこれからですよ!!!!」
エグザベ「いだだだだだやめてコモリさん耳引っ張らないで!!千切れる千切れる!!」
生徒B「あ、い、行っちゃった…」
生徒A「くっ…彼女のガードが硬い…!!」
- 119二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 06:25:19
まさかのガチ幽霊登場
そして意味深な占い……「城」って言えばここだともうあそこしか思いつかないけれど - 120二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 07:35:13
朝保守andそろそろ演劇本番も近い、かも(まだ衣装合わせとか少し準備あるかもですが)
- 121二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:14:56
例の神社で念入りにお参りしてる2人を想像したらちょっとシュールw
- 122二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 18:22:12
プチおまけ、平和公園
ブルキャノン「あー…最近暇だな…相棒が別件で忙しいのは分かるけどよぉ…」
オイランゼン「いい事じゃないですか。本当だったら私達の出番が少ないに越した事はないんですから」
ブルキャノン「そりゃそうだけどよぉ」
オイランゼン「先輩は平和公園で子供達の笑顔を見るのはお嫌いですか?」
ブルキャノン「んー…まぁ、こーゆーのも嫌いじゃないけどよ」
オイランゼン「私もです」
ブルキャノン「そっかぁ」
オイランゼン「はい」
※2人(2機)の出番はもう少し先です - 123二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:13:04
学園祭3日前、体育館ステージ
学園祭本番が迫り、普段ならば下校完了時間までも生徒達が残り、忙しそうにしながらもどこか楽しげに本番への準備を進めている。そしてそれは演劇部部員達もそれは同じであり、一同は本番直前にしてようやく出来上がった衣装の仕上がりの確認とそれを着た状態でのリハーサルを始めようとしていた。ステージには既に王子役の3人がそれぞれ緑、白、赤の軍服を思わせる西洋風の衣装を身に纏い、ベルトに模造剣の鞘を取り付けている真っ最中だ。
エグザベ「うん、サイズは丁度良さそうだね」
部員A「よ、よかったぁ」
部員B「バッチリ似合ってます!!流石現役軍人さんです!!」
エグザベ「王子様なんて柄じゃないなって思ってたけど、衣装が軍服風だったから思ったより恥ずかしくなくてよかったよ。2人は…」
マチュ「う、うーん…堅苦しい…」慣れない襟付き服に顔をしかめてる
シュウジ「マチュ、もっと楽に着こなしてみたら?」同じく襟が落ち着かなくて最早着崩して来てる
エグザベ「あ、あはは…2人のキャラクター的には確かに着崩してた方がそれらしいかも…?」
逆に軍服に慣れない2人を見ながらエグザベが困ったように笑っていると、資材室兼小道具室で着替えていたジュンが動きやすそうな青い鎧を纏った状態で困り顔になりながら出てくる。
シュウジ「おぉいエグザベさん助けてくれよ、鎧着てみたはいいんだけどよ、背中に取り付けるマントつけ忘れてたから脱ごうと思ったんだけど後ろに手が回せなくて…」
マチュ「わっ、ファン兄ちゃんの鎧もいいじゃん!!」
シュウジ「青と白が基調でヒロイックなのに…どこか凶悪…この感じって…」
部長「ええ、折角ですのでブルキャノンをイメージしました。皆さんの…あ、いや、エグザベさん以外の2人の軍服にも、それぞれ乗ってる機体の特徴を入れてありますので」
ジュン「ははっ、通りでしっくりくる訳だ…あれ、ニャアンは?」
エグザベ「今コモリさんが着替えの手伝いしてるみたいで…」
コモリ「お待たせ!!ニャアンちゃんの準備出来たよ!!」
コモリの声を聞いて振り向いたジュンは…そこにいた紫の姫の衣装を身に纏ったニャアンに、思わず見惚れる… - 124二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:13:57
紫の姫の役の名の通りニャアンの纏う淡い紫を基調としたドレスは演劇の衣装とは思えぬ程に作り込まれており、ただ一色の紫ではなく上から下へ行くにつれて深みが増していくグラデーションカラーとなっている。胸元の飾りや手袋は黒く、どことなくオイランゼンを思わせる色調が特徴的だ。
演劇用の化粧もしていつもより明るい顔色でありながら恥ずかしそうにするニャアンの姿を見て、ジュンは見惚れたまま動かなくなってしまった。
ニャアン「……この前メイド服着たのを見た時みたいに写真取ったりはしないの?」
ジュン「お、おう…いやごめん見惚れてて動けんかった」
ニャアン「……そう…ジュンも、似合ってるよ。ええとその…ブルキャノンっぽい?」
ジュン「お、おう!!強そうだろ?」
ニャアン「……怖いけれど優しい騎士って、意味だったんだけど」
ジュン「……おう、ありがと」
部長「はーいリハーサル始めますよ!!!!ほら早く舞台脇にはけてはけて!!!!イチャつくのは練習後にして貰えませんかねぇ!!!!」
ジュン「アッハイすいません!!」
ニャアン「す、すぐはけます!!」
マチュ「……あそこまでストレートにやられると冷やかす気も起きないなぁ…」
コモリ「あーいいなー…ウチのクソボケとあーゆー感じになれるのは何年先かなぁ…?」
エグザベ「???」
シュウジ「女心も勉強しろ、とXカスタムが言ってるよ」肩ポン
- 125二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:55:07
学園祭当日
…リハーサルもあっという間に終わり、遂に始まった学園祭。一度は中止の可能性も危ぶまれたがいざ始まって見ると想像以上の凄まじい数の客が朝早くからやって来ていた。特に今回は他校の生徒や友人だけでなく、近日中に何かと噂になっているジークアクスのパイロットに赤いガンダムのパイロット、更には宇宙に向けて愛を叫んだ2人が舞台に出るという噂も広がっており、話題の人々を見ようとするミーハーな者達もいれば、中には例のクランバトルで活躍した2人のパイロットを直に見てみようと意欲的なジャンク屋達、更には似たような理由で別コロニーからやって来た人々までもがおり、大盛況どころかちょっとした混雑さえ起きていた。
そして、その混雑の中にはこんな人達も…
シャリア「…おや?貴方はもしや…」
ベイン「おん?…おお、木星帰りの。何しとんじゃこんなところで」
シャリア「部下が舞台に出るものですから、応援をと思って。貴方の方はお怪我もすっかり良くなったようですね」
ベイン「おうよ。ただ元気になったのはいいんじゃがそうなると刑務所は暇でのう。今日は短めではあるが仮釈放を1日だけ使って劇を見に来たのよ。まぁ、離れた場所から軍警の監視はあるがの」
そう言ってベインは遠くから尾行する私服刑事達にひらひらと手を振り、彼らが慌てて目を逸らすのを見てからからと笑う。
シャリア「貴方ならあの程度の尾行簡単に撒けそうですが…流石にそれはしませんか」
ベイン「なんやかんやで刑務所の暮らしも楽しいもんじゃからのう…というかおんしはいいんか、こんなにも部外者が多い日にソドンを空けておいて」
シャリア「その辺りはまぁ…艦長もいますし大丈夫でしょう」にこっ
ベイン「おんしその内その艦長とやらにしばき回されても知らんぞ…あ、たこ焼き食うか?」
シャリア「ええ、是非」
- 126二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 21:50:31
体育館ステージ裏
部員A「わ、わ…見た事ないぐらいお客さん入ってる…!!」
部員B「え、あ、あの前にいる人演劇部強豪校の花形役者さんじゃない!?どうしようどうしよう!?そんな人に見てもらって大丈夫かな…!?」
マチュ「もー、部員さん達がそんなんでどうすの?これまでしっかり練習して来たでしょ?大丈夫だよ!!ね、ニャアン……ニャアン…?」
ニャアン「………」ガチガチガチガチ
マチュ「うわぁ分かりやすく緊張してる!!」
エグザベ「そりゃあ体育館埋め尽くすレベルのお客さんの数だもの…緊張しない方が無理だって…」
シュウジ「ファン兄ちゃん、なんか上手いことニャアンの緊張和らげてあげられない?」
ジュン「また急に無茶振り振りやがったなオメー……よしアレでいくか」
そういうとジュンはニャアンの肩を掴んで声をかける。
ジュン「ニャアン、大丈夫だ。俺の言うことを復唱しろ。
あの時の全宇宙告白に比べればどんな事でも恥ずかしい事はない」
ニャアン「…あの時の全宇宙告白に比べればどんな事でも恥ずかしい事はない…」
ジュン「繰り返して」
ニャアン「あの時の全宇宙告白に比べればどんな事でも恥ずかしい事はない」
ジュン「元気よく!!」
ニャアン…あの時の全宇宙告白に比べればどんな事でも恥ずかしい事はない!!」
ジュン「いけるか!?」
ニャアン「いける気がする!!」
ジュン「よし!!!!」
コモリ「凄い、遂にあの告白を逆に利用するようになってる…」
- 127二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 21:51:14
司会「それでは皆様、大変お待たせしました。これより演劇部並びにスペシャルゲスト達による演劇、『3人の王子と青の魔王』の物語を上映致します!!」
司会の宣言と共に観客席からは盛大な拍手と歓声が響き渡り、その予想外の勢いに流石のマチュの顔色にも緊張の気配が現れる。
マチュ「う…確かにこれはちょっと緊張する…かも…」
部長「なんですか脳内お花畑がらしくもない」
マチュ「何をぅ!?」
部長「そうそう、そんな感じの勢いがあればいいんですよ…それと、演劇の1番のコツは、思いっきり楽しむ事です。そういうの得意でしょ?」
マチュ「…!!うん、分かった!!…ありがとね!!」
ニャアン「…ふふっ」
ジュン「…?どうした?」
ニャアン「なんか…嘘みたいな話だなって。少し前までは1日の食事にだって困るぐらいだったのに、ジュンに出会って、バイト辞めてジャンク屋になって、しかもMSに乗って…今は友達の女子校の学園祭で演劇してる」
ジュン「ははっ、確かに羅列したら意味不明の経歴だなぁ」
ニャアン「うん…でも、少なくとも今はすっごく楽しくて…幕が上がるのも、ちょっと楽しみ」
ジュン「…そっか…じゃあ、思いっきり楽しむか!!」
ニャアン「…うん!!」
ブザーの音と共に、ステージの幕が上がる…
- 128二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 22:41:25
なんやかんやでマチュと部長が仲良くなれてヨシ
- 129二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:19:07
本編がより苛烈になる可能性は余裕であるけどこの世界のニャアンの経歴もまぁまぁだいぶ凄いな…
- 130二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 05:56:32
朝保守andようやく演劇上映開始…!!
- 131二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:09:18
朝保守
- 132二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:31:27
幕が上がり切ってから薄らと舞台の上が明点すると、そこはまるで爆撃を受けた後のような瓦礫のセットが広がっており、赤い背景の照明と共に炎が燃え広がるような音が音響のスピーカーから響く。
観客1「被災地…いや、爆撃の跡みたいだな…」
観客2「戦争の話なのか…?」
観客達が考察していると、明るいスポットライトが舞台の真ん中を照らし出す。
両膝をついて俯き、何かを潰したばかりのように隙間から血糊が染み出す瓦礫の一点を見つめる青い鎧を纏った青年を照らし出す。
魔王「…何故だ…我々が何をした…?ただ日々を生きる事が罪だとでも言うつもりなのか…?我々の平和を奪ってまで貴様らは平和を手にしたいとでも言うつもりか!!!?」
観客達は青い鎧の青年が噂のジュン・ファンボイだと気付くが、それでやいのやいのと騒げる状態ではなかった。それほどまでに青い鎧の青年の言葉には聞き入るほどの怒りと憎悪が込められていた。
魔王「許さん…許さんぞ王国の者どもよ…!!貴様らの謳う平和など…この手で叩き潰してくれるわ!!!!」
天に手を伸ばす青い鎧の青年が叫ぶと、舞台は一度暗転し、ここでようやく観客達は気付く。
観客(((あれ…これもしかしてゲストが悪役やるタイプの演劇か…???)))
よりによってスペシャルゲストに悪役をやらせる思い切りの良さに一同がざわつく中、ベイン含む一部の客はまた別の事に気付いていた。
ベイン(…連邦とのゴタゴタがあった今のご時世に戦争の話題…というより…国の名前はぼかしているが…ジオンと連邦の話か…)
シャリア(しかも悪役がかつての公爵家の蒼い騎士…ふむ、掴みは中々面白い) - 133二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:32:17
最初の暗転の後暫くしてから再び明点すると、今度の舞台は綺麗な城の謁見の間のセットとなっており、玉座には副部長、もとい国王と、その前には片膝をついて礼をする緑の王子の姿があった。
緑の王子…もといエグザベの姿が現れると、観客達の少なくはない程の女子達が黄色い悲鳴をあげてエグザベにエールを送る。
ジャンク屋A「うおっ、な、なんだ?」ひそひそ
ジャンク屋B「緑色の奴がジオンの有名なパイロットらしいな…くそーっ、ガンダム乗りの男はどいつもこいつも顔がいいな…」ひそひそ
女子の歓声と一部男性のやっかみを受けながらもエグザベは役に徹する。
緑の王子「お呼びでしょうか、陛下」
国王「よく来てくれた、王子よ。いずれこの国を治める君に、今この大陸中の脅威となっている青の魔王の討伐任務を任せたいのだ」
緑の王子「魔王ですか…つい先日にもその配下の魔物達が我が同盟国の紫の国に進軍を始めたと聞いています。すぐにでも救援を…」
国王「王子よ、紫の国は属国だ。奴らは所詮魔法の歌の力で我々に奉仕するだけの存在に過ぎん…白と赤の国と同じ同盟国と数えるのは2つの国への失礼になるぞ、気をつけなさい」
緑の王子「は、はい…失礼しました…」
観客1「い…意外と重いな設定が…」ひそひそ
観客2「ホントにこれ女子高生が使ってるのか?台本…」ひそひそ
国王「魔王による被害は深刻だ。そこで王子には二国へ赴き、魔王討伐の為の協力を要請して欲しい。これは、同盟国を守る為の重要な任務だ。引き受けてくれるかい?」
緑の王子「はっ!!必ずやこの国の平和の為、白の王国と赤の王国との協定を結んで参ります!!」
- 134二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:34:00
ナレーション『かくして、魔王討伐の為に同盟国である白の王国と赤の王国へ協力要請を求める旅に出た緑の王子は、途中立ち寄った3国の中央の街にある酒場でそれぞれの国の2人の王子に出会います』
白の王子「初めまして。君が緑の王子だね?僕は白の王子。君が魔王討伐の為に各国を訪れる旅をしているのは知ってるよ。ねぇ、僕も君の旅に加えてくれないかい?」
白の王子…もといマチュが舞台に出ると、観客の女子生徒から更に黄色い声が響き渡る。
ナブ「うおっ、び、びっくりした…」
ケーン「噂では聞いてたけどマチュってホントに女子校ではモテてたんだね…」
ジェジー「わ…分からん…あんなちんちくりんのどこにモテる要素が…?」
赤の王子「私は赤の王子。私も君達の旅に同行させて欲しい。魔王との戦いに備えて各地を回る君達の冒険譚…私の感性を刺激してくれそうだ」
緑の王子「2国の王子が旅に同行とは頼もしい!!…ですが、何故2国の王子がこんな辺鄙なところの酒場に…?」
白の王子「いやぁ、白の王国は平和過ぎるから刺激が欲しくて…」
タマキ(ほぼほぼ普段のアマテね…)
赤の王子「私の芸術を各地に残したくて酒場の壁に絵を書いてたら店主に怒られて罰としてバイトを…」
アンキー(ほぼほぼ普段のアイツだ…)
エグザベ「赤の王子バイト中なんですか!?すいません壁の絵に関してはこちらで賠償します!!」
シャリア(うーん、普段通りの苦労人です、演劇でも大変ですね)どの口がry
どっと笑う観客達の中で顔見知りやら親族の諸々は内心複雑な気持ちになっていた。
- 135二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 10:09:07
ナレーション『こうして出会った3人の王子達。緑の王子は当初の目的通り各国の王様に謁見しようとしますが、旅の途中で現在魔王と交戦中の紫の国が危機に瀕していると聞き、慌てて助けに行く事になりました。しかし、一同が話を聞いて向かっている時には既に紫の国の城には魔王が攻め入っており、彼は特別な魔法の歌の力を操る姫君を攫おうとしていました』
再び暗転からの明点、人々が戦うような声の数々が響く中、剣と盾を携えた青の魔王が紫色の鎧を着て槍を構える兵士達に囲まれている状態であった。
紫の兵士1「き、来たな魔王!!」
紫の兵士2「ここから先へは通さんぞ!!」
青の魔王「雑兵どもが…蹴散らしてくれるわ!!!!」
青の魔王は剣と盾を巧みに操り四方から迫る槍の穂先を受け止めて押し返し、目にも止まらぬ早業で片っ端から兵士達を斬り伏せていく。
青の魔王「なんと他愛のない…こんな雑兵どもに姫君を守らせているとは、この国の王は何を考えているのだ………ん…?」
ふと、青の魔王は舞台の端を見る。スポットライトが当たると、そこには静かに佇む紫の姫の姿があった。
女子生徒1「わ…き、綺麗…」
女子生徒2「本当にお姫様みたい…」
青の魔王「貴様が紫の姫か…我こそは青の魔王。この偽りの平和に生きる者どもに真の恐怖を教える為に貴様の力を…」
紫の姫「どうぞ、お受け取りください」
青の魔王「奪………今なんと言った?」
紫の姫「ですから、お受け取り下さい。魔王でしたら私から魔法の歌の力を奪うことも出来るでしょう」
青の魔王「それは出来るが…それはつまり、貴様の命を奪うという事でもあるのだぞ?それでもいいと言うのか?」
紫の姫「いいのです…私はもう疲れました…この呪われた歌声を恐れられ…閉じ込められ…それでも力だけは利用され…もう…生きていく事に希望が見出せないのです…」
紫の姫の言葉に、青の魔王は押し黙り、観客達も思わず劇に魅入る…
- 136二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:52:21
緑の王子「紫の姫が攫われた!?」
魔王の侵攻によって被災した紫の国を訪れた3人の王子は生き延びた紫の国の王から、紫の姫が青の魔王に攫われた事を聞かされる。
紫の王「うむ…青の魔王は護衛の兵士達を瞬く間に斬り伏せ、姫を攫っていったという…生き延びた兵士の話ではどうにも命を奪ってはいないようだが…」
白の王子「大変、助けに行かないと!!…どうしたの?赤の王子」
赤の王子「どうして魔王は姫様の命を奪わなかったんだろう?命を落とした者の力を奪える魔王なら、姫様を斬り伏せて歌の力を奪う事も出来ただろうに」
緑の王子「考えるのは後だ!!今は紫の姫を助け出す事を優先しよう!!」
3人の王子達が舞台をはけるのと同時に、反対側の舞台の端から紫の兵士が王の足元で片膝をつく。
紫の兵士「王様、手筈通り魔王の元へ刺客達を向かわせました」
紫の王「うむ…あの呪われた歌の力を手放すのは惜しいが…魔王に力を奪われるか、或いは3国の者どもに力を奪われる恐れがある以上最早手段は問わぬ。せめて歌の力だけでも回収するのだ。急げよ」
観客1「えっ紫の姫様自分の国に狙われるのか!?ただでさえ魔王に拉致られてるのに!?」
観客2「ひでぇ王様だなぁ…」
観客達がどよめく中、シャリアは別の理由から顔を曇らせる。
シャリア(…もしも…特別な力を持った者がこういう扱いを受ける世界なら…ニュータイプも似たように使い捨てにされるような世界もあるのだろうか…?大佐がジオンを勝利に導いた今の世界でなければ…そういう事もあったのだろうか…)
- 137二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:54:04
3人の王子達が魔王を追い始めたその頃、青の魔王と紫の姫は、夜空の暗い照明の下で焚き火のセットを囲み、魔王は串に刺した魚を焼いており、姫はそんな魔王を困った様子で眺めていた。
紫の姫「あ…あの…これはどういう…」
青の魔王「ええい少し黙っていろ!!全く何故俺が魚などを焼かねばならんのだ…」
ぶつくさと文句を言いながらも魔王は焼けた魚の串を手に持って姫に渡そうとする。
青の魔王「ほら、食え。あの牢屋で出ていたような粗末な飯よりも焼いた魚の方が栄養があるだろう」
紫の姫「い、いえ私は…」
青の魔王「食わない事には力が出まい。早く食え」
紫の姫は恐る恐る魔王の手から焼けた魚を受け取り、小さな一口で魚を齧る。
紫の姫「あ…」
青の魔王「…どうした?」
紫の姫「…おいしい…です。温かいもの、久しぶりに食べました…」
青の魔王「……そうか…」
ジャンク屋1「あれ…意外と魔王悪い奴じゃねぇのか…?」
ジャンク屋2「ここだけ見ると悪役っぽくねぇけど一応世界を敵に回してる設定なんだよな…」
ベイン(そらそうよな。悪だの正義だのは見方や立場で変わるもの…公爵家の蒼い騎士と呼ばれたあいつ自身がそうじゃった。中将閣下の元では頼もしい戦士であり、それ以外は処刑人と呼ばれて恐れられ…ニャアンの事を気にかけてくれた優しい騎士であった事も、全部奴そのものなんじゃよな…)
- 138二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 14:31:32
紫の姫を連れて根城への帰路を辿る青い魔王と、それを追う3人の王子達。全力で追いかけた3人の王子達は姫に無理がない程度の速さで進む魔王に追いつき、白と赤の王子達が魔王の従える魔物達を抑える中、緑の王子は青の魔王との一騎打ちに挑む。
緑の王子「魔王おおおおおおお!!!!」
青の魔王「王国の回し者めがあ!!!!」
2人の鬼気迫る斬り合いを観客達は思わず固唾を呑んで見守り、両者の言葉を聞き逃すまいと押し黙る。
緑の王子「お前が襲った紫の国の惨劇を見てきた!!人々は棲家を失い、城は壊され、命を落とした兵士達も少なくはない!!どうしてあんな真似が出来る!!」
青の魔王「兵士は命を落とすものだろう!!それを覚悟せずに朽ち果てたならば戦士でなかっただけの話だ!!」
緑の王子「ならばあの国に住む民達はどうなる!?貴様が仕掛けた戦いに巻き込まれた犠牲者に同じ事を言えるのか!?」
青の魔王「貴様がそれを言うか!!我が故郷を奪った者達の血を引く貴様に、それを言う資格があると本気で思っているのか!?」
緑の王子「っ…まさかお前は…青の王国の生き残りか!?」
2人が鍔迫り合っていると魔物達を倒した白の王子と赤の王子が緑の王子に加勢し、3体1で少しずつ魔王を追い詰めていき、遂に魔王の持つ盾を弾き飛ばす。
青の魔王「くっ!!」
緑の王子「これで終わりだ!!」
緑の王子が斬りかかろうとしたその時、紫の姫が青の魔王を背中で庇うように2人の間に割って入り、青の魔王に抱きついて目を瞑る。
緑の王子「なっ!?」
慌てて剣を止め、他2人の王子達にも戸惑いが見えた僅かな先にまだ息のあった魔物が緑の王子へと飛びかかって攻撃の手を止めさせ、その隙に青の魔王は紫の姫を抱き抱えるようにしながら舞台の端にはけ、飛びかかった魔物も落とした盾を拾ったから逃げる。
白の王子「しまった、逃げられた!!」
赤の王子「急いで追わないと…!!……?どうしたんだい、緑の王子?」
緑の王子「………本当に…本当に僕達は彼らを追うべきなんだろうか…?」
戸惑うような声が響いた後に、舞台は少しずつ暗くなっていく…
- 139二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 14:33:48
逃げる魔王を見失ってしまった一同は夜の闇によって追跡を一旦断念せざるを得ない状態になってしまい、焚き火を囲んで夜が明けるのを待つ事になったが、その空気は重苦しいものだった。
緑の王子「…僕達がまだ幼い頃…3国がまだ平和とは言えなかった時代に、現国王達は青の王国と呼ばれる国を相手に戦争をしていた。当時最も豊かだった大国である青の国の資源を手に入れる為に、属国の紫の国の操る魔法の歌の力を用いて攻め入り…国を打ち滅ぼし…そうして得た資源で、今の平和は作られた…」
白の王子「私達が当たり前だと思ってた平和は…戦争の犠牲があったから成り立っているんだ…そして魔王が現れたのも…戦争の憎しみがあったから…」
赤の王子「魔王が紫の国を攻めたのも…歌の力で祖国を滅ぼされた恨みから。そして今度はその歌の力で私達の国を滅ぼそうとしている」
緑の王子「…同じなんだ…彼がやろうとしてる事は、僕達がかつてした事と同じ…でもその根源は違う…国を傷付けられて…大切な人を失って…その怒りで戦って…」
白の王子「……ねぇ、皆んな。楽観的な言い方かもしれないけどさ、一度魔王と話し合ってみようよ。色々と違うところがあったとしても、魔王は私達と同じ、苦しむ心も持っているんだからさ。もっと彼の事を知ろうよ」
赤の王子「話し合い、か…確かに少々楽観的だな」
白の王子「う、だ、ダメかな」
赤の王子「いいや、私は気に入ったよ。君はどうだい、緑の王子」
緑の王子「…僕も…僕も彼ともっとちゃんと話したい。いや、そうするべきだ!!そうでなければ…どちらが勝っても、また同じような戦いが続く…そんな気がするんだ…だから、本当の意味で戦いを終わらせたい!!」
シャリア(…そうですね…本当の意味での戦いの終結…誰もが望みながら成し得ない…難しい課題です…)
- 140二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 14:34:50
何度目かの暗転の後にスポットライトが4つ灯る。1つは古びた玉座に座る魔王を、そして残り3つのスポットライトには装飾が施された綺麗な青い服を着た男女(1人は男装した女子生徒)と少女の姿が照らされていた。3人を見る魔王の顔色はとても優しげだ。
父「よく戻ってきたな。私も母も、お前の事を心配していたのだぞ」
青の魔王「ありがとうございます、父上、母上」
母「ちゃんと旅先でもご飯は食べましたか?お肉だけでなくお野菜もとりましたか?」
青の魔王「は、母上、私はもうそのような年では…」
妹「兄上はいつまでたっても母上の息子ですもの。手のかかる子供は可愛いのです!」
青の魔王「こ、こら!!兄に向かってそんな…ふふ…はははは…」
観客1「…あ、あれ…?なぁ、魔王の家族ってさ…」
観客2「ああ、物語の流れ的にはとっくにくたばって…」
観客達が戸惑っていると、突然家族達のスポットライトが消え、代わりにもう一つスポットライトが灯る。そこには紫の姫の姿が照らされていた。
紫の姫「…魔王様」
姫の呼びかけに魔王がはっと目を見開き、暫くして項垂れるとスポットライトが消えて舞台全体の明かりが明点する。
そこは寂れた古城の謁見の間であり、その場にいるのは魔王と姫だけであった
青の魔王「……いつからそこにいた…」
紫の姫「…魔王様が、ご家族とお話をされている時から、ずっと」
青の魔王「……笑いたいのであれば笑え…いつまでも…失った家族の幻を見るような弱い男など…」
紫の姫「…笑いません。魔王様は…優しいお方です」
玉座に座り俯く青の魔王を、紫の姫は優しく抱きしめて目を伏せる。
演歌(………えっちょっと待ってこの役をファン坊にやらせるとか正気か???)
看守(人の心ないだろ脚本家…リモートで演劇見てる囚人どもが絶句してるぞ…)
- 141二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 16:33:12
- 142二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 18:11:30
はたから見たら家族の幻影見せられて談笑してる時のドモン並みに酷い事になってるのでそりゃあ直哉にもなりますな…
因みに部長さんは暫くの間何故か黒の長髪と青い瞳が特徴的な浅黒い肌の少女に正座させられて怒られる夢を見る事になります
- 143二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 19:22:47
プチ余談、劇中設定
魔物
魔王に従っている異形の怪物…という設定だが見た目は物凄く簡単に説明すると黒いテレサみたいな感じで結構可愛い。
本来はダークファンタジーな見た目になる予定だったがメインキャラ達の衣装制作に力を入れ過ぎた結果魔物の方まで手が回らなくなってしまい急遽簡素な作りにせざるを得なくなり為こうなった。
殺陣の時には手斧を振り回して戦うが布が邪魔であまり派手な動きは出来ず、専ら体当たりみたいな動きをする感じになってしまい、そのシュールな様子からちょっと人気が出た模様。 - 144二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:03:01
そして3人の王子達は行く手を阻む妨害を乗り越えて魔王の根城となっている古城へ辿り着き、謁見の間の魔王と再び対面する。
緑の王子「魔王!!紫の姫の歌声を利用して国の人々を苦しめるのはもうやめろ!!」
赤の王子「ここに来るまでも村の人達が歌の力にやられて衰弱し出して、作物も枯れ始めている!!このままだと本当に世界が…!!」
青の魔王「我はそれを望んでいるのだ!!我が故郷を焼き尽くして平和を得た奴らから平和を奪い、弱りながら後悔して息絶えて始めて復讐は成される!!平和を手に入れる為に散々利用した魔法の歌の力にて力尽きるのであれば奴らも本望であろうよ!!」
白の王子「嘘だ!!君は本当はそんな事を思っていない筈だよ!!紫の姫を自分の復讐に巻き込んだ事を、後悔している筈だ!!」
青の魔王「っ!!ば…馬鹿を言え!!何故俺があのような小娘の為に後悔などを…!!」
白の王子「城から逃げ出していた紫の国の刺客が、姫の命を奪おうとしたら君がその邪魔をして姫を守り抜いたと言っていた!!力を奪うだけなら簡単に出来るであろう君がそうしなかったのはあの国で苦しめられていたあの子の事を案じていたからじゃないのかい!?君は心からあの子を…!!」
青の魔王「黙れ黙れ黙れぇ!!!!…最早貴様達と話す事など何も無い…歌声で弱り果てる前に我が剣の錆にしてくれるわ!!!!」
緑の王子「そうはいかない…僕達はまだ、君とちゃんと話が出来ていないんだ!!」
3人の王子と青の魔王は剣を引き抜き、最後の殺陣に挑む。作中で最も迫力のある殺陣を観客達は手に汗を握りながら見守り、遂には魔王の剣と盾が弾かれるまで瞬きすらも出来なかった…
- 145二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:03:51
剣と盾を弾き飛ばされ、遂に追い詰められた青の魔王。魔王は首筋に剣を突きつける緑の王子を忌々しげに睨むが、暫くして彼はふっと諦めたような笑みを浮かべて目を伏せる。
青の魔王「…我の負けだ。さぁ、トドメを刺すがいい」
緑の王子「そんな事はしたくない。君の為にも、紫の姫の為にも」
青の魔王「なんだと…?」
紫の姫「魔王様!!」
青の魔王が戸惑っていると、舞台の端から駆けてきた紫の姫が魔王の元に駆け寄り、剣の切先を向ける緑の王子から魔王を震えながらも庇うように間に入るのを見て、緑の王子はふっと笑って剣を鞘に収める。
緑の王子「もしもここで君を斬り伏せたら、僕達を恨む彼女が君のようになるかもしれない。君は彼女にそういう風になって欲しいのかい?」
青の魔王「それはっ……それは…嫌だ…彼女は…家族の幻を見る俺を笑わずに優しく抱きしめてくれた…そんな彼女の優しさを…奪いたくない…」
白の王子「なら、お互いもっと話し合おうよ。それこそ話し合いによる平和的解決でさ」
青の魔王「…それもまた難しいのではないか…?俺は紫の国へ被害を出し過ぎた。責任は取る。しかしだとしてもあの国にこの子を返すのは…」
紫の姫「私も…私もあの国には帰りたくありません…歌の力を奪われたくないが為に刺客を放ってくるような国には…」
赤の王子「それなら、こういうのはどうかな」
4人の耳元で赤の王子がこそこそと話し出すと共に舞台が暗転する…
- 146二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:04:49
再び明点した舞台は緑の王国の謁見の間になっており、3人の王子は国王の前で片膝をついていた。
国王「よくぞ戻られた、王子達よ。貴殿らの言う通り世界各地で起きていた生命の衰弱は徐々に回復の傾向に向かいつつある。魔王討伐の命、見事に果たしてこられたのだな。3人とも大義であった」
緑の王子「はっ、勿体なきお言葉です」
国王「…しかし、紫の姫の件は誠に残念であったな。まさか討伐された魔王の亡骸を見て錯乱し自らの首に短剣を突き刺して自刃するとは…」
観客1(えっ、う、嘘だろ!?)
観客2(いや流石に物語の流れ的に嘘…だよな…?)
白の王子「ええ、不幸な事故でした…ですが逆に考えれば魔王と姫はあの短い時間で心を通わせていたのです、とても深く、とても強く」
赤の王子「魔物達にも心はあったのです。魔王を失った魔物達は降伏し、元青の王国の領土で静かに暮らすと言っていました。残存する資源と農作物で充分に生きていけるとの事で、こちらから領土内に踏み込みさえしなければ襲うような真似もせず、平和的に交流したいとも言っていました」
国王「うむ…紫の王国は姫を…いや、呪いの歌を失った事に対して文句は言っていたが元よりアレは不安定極まりない危険なものだった。それを補えるだけの三国と魔物達からの賠償で概ね不満は収まり、今後こういった事が起きないように歌の兵器転用はやめていく方針で進めていくようだ…君達はこれからどうするのかね?」
白の王子「僕は国に戻ります。これまで退屈だと思っていた平和について、もっと深く考えてみたいです」
赤の王子「私は領土侵略にならない範囲で魔物達と交流してみようと思います。彼らの見た目や文化からは、いいインスピレーションが得られそうです」
国王「そうか……息子よ。君はこれからどうする?」
緑の王子「…次期国王として、より励みます。今の平和を築く為に努力した者達の為に…そして、今の平和の陰で犠牲になってしまった者達に恥じぬように」
- 147二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:05:36
…緑の王国の舞台が暗転し、暫く間を置いた後に明点すると、そこは再び魔王の根城へと変わっていた。古びた謁見の間では、魔物達が壊れた城の飾りや破けた旗などをせっせと運んだりチリトリを使って掃除をしたりと忙しなく働いており、そんな様子を王座に座る青色の服の青年と、その彼の隣に佇む紫色の服の少女が眺めている。
子供(あっ、魔王様無事だったんだ!!)ひそひそ
母(ふふっ、そうねぇ)ひそひそ
父(良かった、やっぱりさっきのは王子達の嘘だったんだね)ひそひそ
青年「……本当にいいんだろうか。俺はあれだけの被害を王国に出した張本人なんだが…」
少女「被害を出したのは『青の魔王』と『紫の姫』です。ここにいる私達は、ただちょっと魔物達と仲のいいだけの青年と少女です」
青年「…だが、君はいいのか?俺はともかく、君は元に戻っただけだ。狭い世界に、閉じ込められただけの…」
少女「同じじゃありません。今は、貴方が隣にいます」
青年「………そうか…」
2人が静かに寄り添っていると、魔物達がどこか不満そうに2人に詰め寄ってくる。
青年「ああ、悪い悪い。お前達もいたな」
少女「ふふっ…そうね。紫の国には貴方達みたいな可愛い子はいなかったもの…そうだ、皆んなで一緒に踊らない?私が歌うからそれに合わせて」
青年「いいのか?」
少女「いいの。これは呪いの歌じゃないから。誰でも歌える、愛の歌だから」
青年は少女の手を取って立ち上がり、周囲を回る魔物達と共に踊る。不慣れながらも楽しげにリズムに合わせて2人が踊り続ける中で、舞台の幕は降り、観客達の拍手が舞台に響き渡った…
- 148二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:55:56
拍手…ただ拍手…
- 149二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:04:18
- 150二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:07:20
- 151二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:10:43
- 152二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:19:30
- 153二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:30:06
- 154二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:38:26
後夜祭
演劇は大盛況で幕を閉じ、その後も賑わいが静まる事なく続いた学園祭も日が沈む頃には来客達は皆帰り、今学校にはグラウンドの中央の焚き火を囲んで楽しげにフォークダンスを踊る生徒達と教員に協力者達、そんな彼女達を学校の屋上から眺めるニャアンを見つけて声をかけるジュンだけがいた。
ジュン「お、久々にいつもの制服姿。なんやかんや色々な服見たけどやっぱその制服が1番似合ってるな、はい飲みもん」つコーラ
ニャアン「…それ、後数年で大人になった私にも同じ事言える?」呆れたように笑いながらコーラを受け取る
ジュン「言う言う!!なんならそれなりに歳とった後で着てもらえたらそれはそれでレアっつーかさ!!」目キラキラしてる
ニャアン「……流石制服マニア、本物の制服に手ぇ出すあたりいよいよだね」ジト目
ジュン「あっ報酬に制服貰ったのバレてら、たはは」
ジュンはジト目のニャアンから目を逸らして笑いつつも、少し寂しそうにグラウンドのフォークダンスを踊る一同を眺めるニャアンの顔を覗き込んで優しく問いかける。
ジュン「…終わっちゃったなぁ、学園祭」
ニャアン「…うん。マチュが話持ってきた時にはどうなるかと思ったけど、楽しかった。演劇の練習も、リハーサルで学校を回った事も、普段絶対着ないようなドレス着た事も、舞台でジュンと踊った事も…多分、絶対忘れない」
ジュン「…ああ、俺もきっと忘れないよ。マジで目まぐるしくて…楽しかった」
ニャアン「ん……あ、エグザベさん達も踊ってる」
ジュン「マジで?おっいたいた。もーちょいでコモリさんと手を…あっ逆回転になりやがった!!」
ニャアン「むぅ、じれったい…あ、マチュとシュウジはずっとくっついたまま踊ってる」
ジュン「さてはあいつらフォークダンスのやり方あんま分かってないな?俺も知らんけど」
焚き火に照らされた人々を隣に並んで楽しそうに並んで眺めるジュンとニャアン。2人とも言葉にはしなかったが、こうして隣り合う今もきっと忘れないだろうな、と心の中で思っていた… - 155二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:40:45
数日後、ジャンク屋裏リビング
…さて、大盛況で演劇を終えた2人だったのだが、そんな2人は再びリビングのテーブルを囲んで頭を抱えながらテレビを見ていた。
有名動画投稿者『はい!!と言うわけで今回私が来たのがイズマ・コロニー名門の女子校ですが、ここで行われる学園祭でなんと!!宇宙に向けて愛を叫んだあの2人が演劇に挑戦していました!!その時の映像がこちら!!』
と言って画面が切り替わると、
主に青の魔王の姿で紫の姫への想いを叫ぶシーンをピックアップされてるジュンと、
紫の姫の姿で過去に苦しみ涙する青の魔王を優しく抱きしめたり共に踊ったりするシーンをピックアップされてるニャアンの姿が画面いっぱいに映る。
ジュン「……そーいや言ってたな…この学園祭っていつも有名人が来るって…よりによって今回来たのがTVリポータークルーと有名動画投稿者ってどういう事だよ…」
ニャアン「…編集の力で1番晒されたくないシーンばかり切り抜かれてる…しかもそこの再生回数が1番高い…」
有名動画投稿者『いやぁ…舞台の上でも熱々ですね…
これがDVDになって発売されるってんだから、2人には一生忘れられない記念になるでしょうねぇ』
2人「「!!!!!?」」
この後慌てて規約書類を引っ張り出した所隅っこの方に『今回の演劇での肖像権は全て学園側の管理とする』という文言が書かれていた事に気付いて2人が絶望したのはすぐ先の話で、2人の生活が賑やかさ的に平和かつ静かになるのはもう少し先の話…
学園祭編、完
- 156二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:46:06
- 157二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:51:53
- 158二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:54:20
- 159二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 23:31:17
- 160二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 23:43:17
舞台終了後…
緑のおじさん(変装)「二人とも思わぬところで顔が売れてしまいましたね」
少尉両名(舞台衣装)「」(ここでぶっ飛ばしても許されるよね…)
ラシット艦長(変装)「そもそもアンタが原因でしょうがぁ! どーすんですこの状況!」
少尉両名(舞台衣装)『艦長の堪忍袋がゼクノヴァしたぁ!? って艦長!?』
- 161二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 07:04:56
- 162二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 07:35:40
多分メイド服とかドレスとかも貰ってますw
- 163二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 11:02:47
- 164二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 11:35:13
コモリさんも裏方じゃなくて舞台に出て欲しかったなぁ⋯と思ったけどなんとなく演劇よりもヒーローショーの司会進行のお姉さんとかのが似合いそうだなってなった
よし、エグザベくんにはキャプテンジオンの仮装でもしてショーに出てもらうか⋯ - 165二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:05:21
- 166二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:12:44
多分ジークアクスと赤いガンダムの所属が(この世界だと)一応ちゃんとジオン側になったから身バレ防止はしてくれてるかもだけれど何かしらの事故事件があって一部学生とかにはバレてる、とか…?
- 167二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 17:00:48
初代スレの改札再会シーンを仮に1期最終回とすると、2期は
1話:ジュンクランバトル参戦編
2~4話:統一機構スパイ編
5~6話:プチモビ2人羽織編
7~12話:連邦幼馴染編
OVA(DVD):学園祭編
という構成だろうか - 168二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 18:31:30
- 169二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 19:31:32
逆に1期範囲で起こってそうなことって以下のことですかね?
・ジュン、ニャアンと出会う。ニャアンを介してマチュやシュウジ、ポメラニアンズとも出会う
・ちょくちょくガンダムに乗ったエグザべとやりあう(お互いに正体を知らない)
・シュウジがニュータイプ過激派相手に自爆特攻を図るが未遂に終わる。過激派は陰でジュンが始末
・マチュとシュウジにシャリアが接触。二人はジオン公認のパイロットになる
・演歌の軍警と知り合う。その後ブルキャノンに乗っている時に偶然遭遇、この辺りから自分のやっていることに疑問を感じ始める
・ジークアクスを仕留める任務を受けたジュンがマチュと交戦。あと一歩でトドメを刺す寸前で操縦者に気付きそのまま逃走し任務失敗
・自分のやってることに思い悩んでいた時に指揮官が来襲、ニャアンを侮辱されてキレたジュンが指揮官を殴る(この辺りから指揮官がジュンを見限り始める)
・今度はクランバトルを装ってジークアクスと赤ガンダムを破壊するように命令され、指揮官やリリーらと作戦に臨むがやっぱり思い悩む
・指揮官がコロニーを巻き込み始めて遂に吹っ切れて反旗するジュン(ここから最終戦突入)
・サルバドーレからニャアンを庇ってジュン瀕死、ブルキャノン大破。指揮官は最終的に敗れ、リリーらはベインに助けられ逃走
・しばらく経ってから駅の改札で再会するニャアンとジュン、流れ出すPlazma
- 170二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 19:43:52
オイランゼン「……先輩よく数年間1人で上の任務やり切れてましたね」
ブルキャノン「まぁ弾薬とかの補充は連邦からあったし、定期的なメンテナンスは相棒が地下ガレージでちゃんとやっててくれたからなぁ」
Xカスタム「ジオンだけじゃなくて連邦側の危険因子の始末しないといけないのも中々にハードですよね…」
ジークアクス「お前にコクピットぶち抜かれそうになった時はマジでアカンやられると思ったわ…」
赤いガンダム「結果的に君が過激派を始末してくれたおかげで今後シュウジが自爆するような真似もしなくて済みそうだし、結果的には感謝してるよ」
- 171二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 19:49:47
- 172二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 20:21:08
危うく(生きていれば)妹と同い年の子供手にかけそうになってたって気付いた時のショックは凄そうだ…
ニャアン的にもトドメを刺そうとしてたMSが本当に自分の叫びを聞いて攻撃を止めて逃げたのを見て「止めてくれた…?」って戸惑いが大きそう。その状態で何らかの弾みで正体を知ってしまった時の内心の混乱状態は大変な事になってたけどその後で指揮官ぶん殴ったジュンを見てやっぱりジュンはジュンなんだ…ってなってたのかもしれない
- 173二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 20:23:02
第6話
……そこは、綺麗な海に囲まれた島だった。上から見れば直径300メートルあるかどうか程度の島には緑が生い茂り、潮風に葉が揺られる音と波の音だけが静かに響き渡る。
目に映る全てが自然そのもので出来ている日の出前のこの島の光景の中に2つ、自然とは正反対の造られた存在が波打ち際に佇んでいた。
一つは、青と白を基調とした重装甲とヒロイックかつ凶悪なガンダムフェイスが特徴的なフルアーマータイプのMS。
もう一つは紫と黒を基調とした軽装甲と女性的な細さに改良されたガンダムフェイスが特徴的な擬似サイコミュ搭載型MS。
波打ち際で片膝をつく2機のMS…つまりはブルキャノン・ブラウリッターとガンダム・オイランゼンのコクピットが開き、空色のシャツと革のベルトを通した紺色のジーンズ姿のジュンといつもの偽制服姿のニャアンが出てきて、2人は今まさに登り始めた太陽を眺める。
ジュン「おー…久々だな。地球から見る日の出は」
ニャアン「…本当に…地球なんだね…こんな風に太陽を見るのは初めて」
ジュン「ははっ、どうよニャアン。コロニーで見るのとは別格に綺麗だろ?」
ニャアン「…うん。凄く綺麗……でも、ジュン。私達これからどうしよう…」
ジュン「あー…日の出を見ながら現実逃避って訳にもいかねぇよなぁ…」
何故2人が地球にいるのか、そもそも何故見知らぬ島にいるのか、こうなった経緯を思い返しながらジュンは日の出を眺めていた…
新章
『地球横断編』 - 174二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 20:47:00
サンライズ島編!?!?
- 175二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:34:33
…事の発達は、学園祭から暫くしてからの市長の呼び出しであった。いつも陽気に笑っている市長がいつになく険しい顔で俯きながらソファに腰掛けている様子にジュンとニャアンも戸惑っていると、市長が重苦しい雰囲気で口を開く。
市長「…まずは、謝らせてくれ。ファンボイ君もそうだが、ニャアンちゃんまでこのような事に巻き込んでしまって」
ニャアン「巻き込む…?」
ジュン「すいません市長、その、話が見えないのですが…」
市長「連邦とのクランバトルで、君達は勝利した。ブルキャノンⅡが引き起こしかけたゼクノヴァをもリーラ・ゴーセブルームによって打ち消して被害を抑える活躍をもして……だが、それが不味かったんだ」
ジュン「と、言うと?」
市長「今ですら厳密な原理の解明が困難とされているゼクノヴァを封じたブルキャノン・ブラウリッターとガンダム・オイランゼン。この2機の戦いを見ていた連邦軍の幹部…中将と同行していたのとは別の派閥の者達が、この常軌を逸脱した兵装には極めて危険かつ違法的な機能が搭載されているのではないかと言及してきたらしくてね。連邦だけじゃない。ジオンの一派からも同じ疑念を持つ者達が多数現れているとの事だ」
ニャアン「危険かつ違法的って…なんでそんな…」
市長「過去に似た事態があったからだよ。ジオン側のニュータイプ信仰過激派による非人道的兵装の考案や、素質のある子供を拉致して利用した事件…ファンボイ君も覚えはあるかね?」
ジュン「覚えというか…俺は実際にその所業は見てなくてシュウジ達から逃げてたアイツらを始末しただけですが…」
市長「今ジオンと連邦の一部がイズマ・コロニーもその一派に関わりがあるのではと疑念を抱いている…そんな中、ジオン側のある一派からこんな提案があったんだ。
2機が無害である事を証明する為に、連邦、ジオン、イズマ・コロニーで合同機体試験をしないか、とね」
- 176二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:35:59
ニャアン「合同…試験…」
市長「ああ、君達2人にはこの試験に…」
ジュン「待ってください市長」
ジュンはいつになく鋭い口調で市長の言葉を遮る。
ジュン「以前ニャアンがオイランゼンに乗ったのはあくまでクランバトルの為のやむを得ぬ緊急処置のようなものです。本来彼女は正規軍人ではありません。機体の試験であれば、機体だけを見てもらえればいいだけの話では?」
市長「…私も同じ事を両国に言ったさ。だがどちらも100%の性能を発揮する2機をご覧になりたいようでね。適性パイロットの2人に試験に挑んで欲しいと…」
ジュン「両国が試験を必要とするのは2機に違法性がないかの確認の筈です。100%の機体性能を引き出す必要などないでしょう。それとも俺が200%の力で訓練に参加したジオンと連邦を叩き潰せば向こうが喜ぶとでも?」
市長「いや、それは…」
ジュン「ブルキャノンと自分だけならば刑務の一環として試験を受ける事は一向に構いません。ですがニャアンは…」
いつになく市長に詰め寄るジュンの手を、ニャアンがそっと抑える。
ニャアン「でも、ジュン。もしも私が試験を断ったら、連邦もジオンもまた怪しんで…ベインおじさんの時みたいにスパイとか色々大事になっちゃうんじゃ…」
ジュン「っ…それは…いや、でもそんなの軍人じゃないニャアンに気遣わせちまうような事じゃ…!!」
ニャアン「私だって、ジュンが1人でジオンと連邦の元に行かないといけないっていうのは、怖いよ。だから…せめて一緒に行こ?」
じっと見つめるニャアンを見て、ジュンは散々迷う素振りを見せてから、市長に向き直る。
ジュン「…やるのはあくまで機体の性能試験、実戦演習のようにニャアンに危害が加わるものは決してない。これは約束してくれますか?」
市長「ああ、それに関しては両国ともそのつもりだと言っていたよ」
ジュン「……了解しました…その、すいません、突っかかって」
ニャアン「ん、謝れて偉い」
ジュン「やめーやそんな弟みたいに!!」
やいのやいのと騒ぐジュンを見て、市長は申し訳なく思う反面、本当に2人は隣人が大切なのだなと温かい気持ちも感じていた…
- 177二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:37:50
ジュン「しかしその…よく成立しましたねこの合同試験の約束。ジオンとイズマ、連邦とイズマならともかくその、ジオンと連邦ってのは…」
ニャアン「独立戦争はもう何年も前に終わってるけど…今でもだいぶ遺恨は残ってるんじゃ…ジュンなんかちょっと前までまさにその遺恨の証人みたいなものだったし…」
ジュン「ニャアンさん急に刺すのやめて?」
ニャアン「たまに刺しとかないと無茶しがちなのが悪い」ジト目
市長「ジオン側はシャリアブル中佐が揉めるジオン派閥を上手く取りまとめてくれたようでね。連邦側は以前の士官長がどうにか説得してくれたらしい」
ジュン「へ?士官長ってあのロン毛メガネの?」
市長「『ゼクノヴァ起こしかけた身としてはなるべく温和に性能試験で解決策の糸口を探れればそれに越した事はないので』と言ってね。技術面においては連邦内で指揮官殿の次に秀でた人物だから幹部達もどうにか納得してくれたらしい。こちらとしても下手にスパイされて情報の奪い合いになるよりは情報が流れるのが彼らのような中将配下の技術者に留まる程度に済んでくれれば…」
ニャアン「でも市長としては、いいの?演習してもブルキャノンとオイランゼンの情報を引っこ抜かれるだけじゃ…」
市長「ゼクノヴァ対策技術自体は各々の陣営にあった方がいいからね。それにあの2機をMSとして100%の力を引き出せるのは君達だけだから。代わりにこっちもブルキャノンⅡやジオンのガンダムのデータをより詳しく見せて貰える事になったし、いわば三国間での情報交換の集まりって事さ」
ジュン「なーるほど、一応ウィンウィンの試験にはなってる訳だ」
ニャアン「それでその、試験はどこでやるんですか?」
市長「ああ、
地球だよ。
ファンボイ君には馴染み深いかもしれないが、中将閣下領土…ドイツ領古城付近の試験場で行われる事になった」
思わぬ試験場の選出に、2人は驚きのあまり絶句する…
- 178二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:50:06
ニャアンはもしかすると初めての地球か?
- 179二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:57:36
- 180二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 23:17:01
- 181二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 23:23:48
月末&新年度?スタート間近故に進捗はスローですが新章が始まりまたOP空想なんぞもしてます。
新しい冒険の始まりとしてFLOWさんの風ノ詩なんかがいいかなぁなんて思ったり、旅の始まりや新章開幕って感じの歌を探し中です。
後日新スレ立ち上げ予定…!!(多分)
男子組ラーメン屋の集い
ジュン「まぁでも俺的に1番大変だったのはやっぱりニャアンを口説く事だったかなぁ」
シュウジ「スパイだった頃から熱心にアプローチしてたもんね」
エグザベ「それはその、具体的にはどういう風に?」
ジュン「そりゃあもう、出会ったら必ずデートしようぜ!!って誘って、着てる服似合ってるって褒めて、いつも仕事手伝ってくれてありがとうって感謝を伝えて…」
エグザベ「健気だなぁ…」
シュウジ「エグザベさんもこれぐらいやった方がいいんじゃないの?コモリさん取られちゃうよ?」
エグザベ「それは…!!!!嫌だけれど…」
ジュン「男は力と数で押しまくって行くもんだぜ!!なっ!!」エグザベの肩バシバシ
エグザベ「それは連邦のフルアーマースタイルの話じゃないかな…???」
- 182二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 23:51:55
このスレで明確にゼクノヴァ止めたのってジュンニャアコンビ以外だとマチュがシュウジ説得した時だっけか
その時に得られたデータからリーラ・ゴーセブルームの仕組みができたのかな?
でもゼクノヴァを止める最後の鍵は「"愛"という心の光」であってほしい
- 183二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 07:31:13
- 184二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 07:34:30
そう言えば投げてたなぁ、岩塩w
- 185二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 11:20:26
ジュン兄が恋人に色々着せるのが癖だってのは最早軍警内だと周知の事実みたいになってそう
- 186二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 11:47:43
指:貴公は伯父上…いや、中将閣下を都合の良い繋ぎ役か何かのように考えていないか?
技:滅相もない。敵対関係に近い両陣営の主立った関係者ですら信頼する中将閣下、その徳が無ければ更なる紛争の火種になるところでしたからね。これはかの元帥閣下ですら不可能です。あの懐の底が知れない御仁ですら「所領」などお持ちではありませんから。
指:所領と言うが、今では土地所有権を持っているだけで封建制度染みた統治権など持っていないぞ。
技:まあ、その辺はスペースノイドがミスリードしたせいでしょう。彼らにとって封建制度など遙か昔の教科書の一節でしか在りません。そもそも…
指:?
技:自治体丸ごと一人で土地所有と言うのは実質所領でしょう? そして将来それを継ぐ「推定相続人」は貴方ですよね?
指:伯父上にお子が生まれればその限りではないし、私の家名は別の処にある。
技:お母上が亡くなった後、後妻とその子供に籠絡された御当主と、一年戦争で多大な被害を受けた旧スペイン領の御生家と、まもなく還暦も見えようかという中将閣下の家名とほぼ無傷で産業も盛んな所領、どちらが現実的且つ実入りが大きいかは明白では?
指:こういった場合に実入りだけで判断するのが正しい行動ではない。貴族の家名というのはそういう面倒なモノなのだ。
技:そうですか。しかし残念です。あの「工房」の存在は連邦のMS始め技術開発にとって大きな力となるでしょうに、それを継がれない可能性があるというのは。私も以前は「金持ちの道楽」と毛嫌いしていましたが出入りしてみて分かりました。アレは生半可な成金が一朝一夕で創れるモノではなかった。それだけに公爵系の相続人が技術に疎い、あるいは誰も継がないというのは人類の技術に取ってすら大きな損失です。 - 187二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 14:39:45
- 188二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 15:19:40
- 189二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 16:37:32
- 190二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:01:11
- 191二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:16:49
この辺りの設定もいい感じに落とし込みたいところです…!!
新スレ立ち上げだけしましたのでリンク貼ります
https://bbs.animanch.com/board/4750630/?res=10
任務の作戦立てたりする時より頭抱えてそう…
- 192二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:40:29
新スレ乙です。
公爵中将「入院と聞いた時は驚きました」
ゴップ元帥「いやはや、年を取ると足腰も弱ってしまうのは避けられないものだねぇ」
中将「転倒の折に腕を折ってとは…何があったのですか?」
元帥「まあ、色々あるのさ(まさかイズマでの大騒動で茶を噴いて咳き込んだ挙げ句椅子毎転倒して左腕が下敷きになったとは言えないからねぇ)」
中将「???」
元帥「しかし、面白い落としどころを見つけたものだよねぇ。非合法のクランバトルを市庁公認で開催とは。アレはなかなかいい興業になったと思うよ…最後のゼクノヴァ未遂さえなければ、いっそ地球でも公営競技化できないか諮ろうとも思ったくらいだよ」
中将「…申し訳ありません。責任は全て小官にあります」
元帥「何を言うんだね? 君は危うく”第二次一年戦争”になりかねない事態を収拾したんだよ? 功こそあれ問うべき責などどこにもないさ」
中将「ですが…」
元帥「それはそうと」
中将「?」
元帥「君が取り仕切った”誓いの儀”は、”教会”的に正式なものになるのかな?」
中将「…小官の世襲した称号の中には、名誉称号としてではありますが教区司教の称号があります。旧世紀中世の祖先に聖堂建立に多額の貢献をした司教が居り、その返礼として授かったそうで」
元帥「そうかそうか。ならば、あの二人を引き裂くのは君の顔に泥を塗る事にもなるし、”教会”の信徒にとっては不義不信の火種になりかねないんだねぇ」 - 193二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 18:55:04
- 194二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 19:18:22
- 195二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 20:07:34
- 196二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 20:23:22
- 197二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:30:59
- 198二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:04:31
2人がよく通ってるラーメン屋として有名になってそうだなここのラーメン屋も…
- 199二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:06:07
おすすめラーメンの名前から考えると店長はおそらく禿げているのではないか
- 200二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:06:44