- 1二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:07:43
- 2二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:08:20
爪切り
- 3二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:08:55
練り消し
- 4二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:09:08
アイスコーヒー
- 5二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:09:52
たんぽぽ
- 6二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:09:53
毛布
- 7二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:10:03
クリック音
- 8二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:10:11
工場
- 9二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:10:35
墓
- 10二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:11:03
お化け
- 11二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:11:07
釣り糸
- 12二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:11:36
カラオケ
- 13二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:11:38
学校
- 14二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:12:04
ハクビシン
- 15二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:13:49
飢饉
- 16二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:15:16
タンポポ、お化け、飢饉
これらを使ってお話を作ってみましょう
おもったよりなんとかなりそう? - 17やっつけ25/03/21(金) 23:46:35
ある晴れた春先の日のことでした
道端にボロ衣を纏った小さな男の子が蹲っていました
「大丈夫?」声を掛けて覗き込んだその目は落ち窪んで夜の闇より深く暗く黒く
驚いたのも束の間、その子の口からモコモコモコモコ吐き出されたのは今度は柔らかな白色
一頻り吐き終えると男の子は泣いて、笑って、またもう一度半泣きになって、それから日差しに溶けて消えました
ああ、あの子は飢えて飢えて仕方がなくて、たんぽぽの綿毛なんかがご馳走に見えたんだろうなと
きっと今日みたいなこんなに良いお天気の空すら疎ましくて妬ましいほどの絶望の底で死んだんだと
不思議とそう理解してしまったのでした - 18二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 01:06:11
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- 19二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 01:06:33
このレスは削除されています
- 20二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 01:09:34
たんぽぽ1
私が高校の時の話です。
理由は色々あったんですが、めっちゃメンヘラってた時期があったんです。摂食障害があってガリガリ。リスカとかめっちゃやってて。学校にも行かないで、ずっとSNS見て、際どい自撮りをネットにあげてたりする、まあそういう系でした。ファッションメンヘラって言われることもあったんですが、当時は本当に辛かったんですよ。病名もついてました。
今?今はもう大丈夫です。ちゃんと食べなきゃ、って思えるんで。あんなもの見たから。
うちは幸い親が優しくて、色々支えてくれたんですね。で、散歩でもしたらどう?と言われて。でも不登校で周りの目が気になる事を伝えたら、祖父母の住む田舎に泊まればいい。知人のいない場所で日に当たってみたらどうだろう、という話になりました。
もともとおばあちゃんっ娘だったのですが、祖母の家は遠くて最近はあまり行けてなかったのもあり、私はそれに従うことにしました。
祖父母は摂食障害について詳しくは知りませんでしたが、とにかくご飯が喉を通らない、気を病んでいるという事はわかってくれていました。祖父母は態度も昔と大きく変わらず、なんで病んでるかも深く問わず、ただ落ち着ける場を提供してくれるだけ。それが嬉しくて、少し前向きになれたのを覚えています。
祖父母宅に泊まって2日目くらいでしょうか。少し外に出る気力が出て、もともとの目的だった散歩に出ました。春の晴れた午前中だったので、すごく爽やかな気持ちになれたのを覚えています。小さな畑や空き地の間に、疎に出てくる住宅からはテレビの音が流れくる。名も知らない果樹の横を通れば、爽やかで青い柑橘のような匂いがする。本当に、田舎に来て良かったと思いました。
そうやって散歩をしていると、小高い場所に設置された公園を見つけました。怪談と分かったのは錆びたジャングルジムや公衆トイレの屋根が見えたから。あとは10数段の階段を上がらないと、様子が分かりません。春の陽気で気を良くした私は、階段を上がっていきます。 - 21二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 01:10:17
たんぽぽ2
本当に、本当に美しい公園でした。
私が子供のときに通っていた公園の遊具があり、懐かしい気持ちになります。しかし何よりも特筆すべきは、タンポポでした。
地面は全面、真っ白な綿毛で覆われています。公園の敷地内全てが、たんぽぽでした。サンダルを進めると、くるぶしを綿毛が撫でてくすぐったくなりました。歩くたびふわふわと綿毛が舞い上がり、まるでアニメのように見えます。
その光景を目に焼き付けたくてぐるぐるあたりを見渡すと、公園の一角、大きな木陰にそれを見つけました。
あまりにも大きなたんぽぽ。
ちょうど私の背丈と同じくらいの。
それが真っ白な頭を、風もないのにフラフラと動かしています。綿毛が舞い散る様は異様で、まるで大事なものが剥がれ、モロモロと消えていくように見えました。
爽やかな気分も吹き飛び、急に空恐ろしくなりました。見間違いか。あるいは、私の知らないそういう樹木か。確かめるためにゆっくり近寄ると、だんだんとそれが何か分かりました。
- 22二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 01:10:48
たんぽぽ3
私と、子どもでした。
枯れ木のように痩せ細った私が、真っ白になった髪の毛を振り乱し、ぐわんぐわんと揺れています。
その足元を見ると、たくさんの小さな子どもが縋るようにしがみつき、たんぽぽになった私の体を揺すっていました。子どもはどれも裸で、その私のように痩せ細っていました。
舞い散る綿毛だけが、たんぽぽのそれでした。
声も出せず、あまりの異常さに私は立ちすくんでしまいます。
するとたんぽぽとなった私は急に立ち止まりました。いえ、子どもが揺するのをやめたのかもしれません。呆然と開けた口の中に、綿毛が飛び込んできました。
同じようにたんぽぽは、口を開きました。
「おばけ、おばけになっちゃうよ」
私のそれとは違う、男の子の声でした。
- 23二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 01:11:19
たんぽぽ4
その後のことは覚えていません。
ただ祖父母が言うには、昼過ぎにフラフラと帰ってきて一言「ごはんたべたい」と言い、かきこむようにご飯を貪ったそうです。聞くところによると、その当時の私では絶対考えられない量でした。
ご飯を食べた後は、丸一日ほど眠ったそうです。祖母は「ひだるさまが触った」と言っていました。
それ以来、私はゆっくり時間をかけてですが、寛解に向かってます。まだまだ辛い時もありますが、頑張れてます。
勿論周りのサポートのおかげもありますが、あの時のたんぽぽのおかげかもしれません。後で知ったんですが、あの地域は昔飢饉があり、たくさんの子どもが亡くなったんですね。あの村での 「ひだるさま」は、子どもなりに「このままだと死ぬぞ」と伝えてくれたのかなあ、と思ってます。
そうなると、もう少し頑張らないと申し訳ないなあ、と。
- 24二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 02:44:03
こういうのちゃんと即興で作れるひと尊敬する