神輿は軽くてバカが良い編 第十二章 アトラシハース突入(まで行きたい)編

  • 1◆VLlUGaOg9c25/03/21(金) 22:41:41

    前スレまでのあらすじ

    全ての虚妄のサンクトゥムを攻略した生徒たちは敵のアジトらしき拠点を発見する。
     
    目指すは遙か上空75.000メートル先、乗り込むは古代の宇宙戦艦ウトナピシュティムの本船。

    今、最後の決戦に向けた旅路・・・・・・の準備が始まろうとしていた!

  • 2◆VLlUGaOg9c25/03/21(金) 22:43:13

    アリス「アリスは人を殺しません。それは絶対にダメなことです。
        だから、もし、アリスが暴走してしまったら――誰かを傷つける前に殺して下さい」

    ナレーション
     何時か、カナはアリスが人を殺したらアリスを殺してくれると言ってくれた。
     そんなこと、カナは誰よりやりたくなかったのに、アリスを生かす責任を取ると約束してくれた。
     何時かの約束があったから、アリスは生まれ持った大いなる力の責任を知ることが出来た。背負う覚悟が出来た。
     
    ユウカ「アリスちゃん、それは「ユウカ」っ!」

    ナレーション
     たった一言、たった一言名前を呼ばれただけで、ユウカはアリスの瞳に秘めた意思を垣間見た。
     強い光だった。まるで星のように輝かしく、あるいは雷のように鮮烈な、見惚れるほどに力強い決意の光だった。
     右も左も常識も分からなかったポンコツ機械人形は、何時の間にか、小さくとも立派な勇者に成長していたのだ。

    アリス「アリスは死ぬのが怖いです。死んだら、ゲームも、冒険も、クエストも出来ません。
        パーティーメンバーと話すことも、学園のみんなと会話することも、街に出て新しい出会い探すことも、     
        何も出来なくなってしまいます。教会でも、工房でも、命は治せません」

    ナレーション
     気が付けば、みんなが勇者の言葉に耳を傾けていた。その身に秘めた光を見ていた。
     愛を知り、恐怖を知り、それでもと言い続ける意思を・・・勇気を知った小さな少女の精一杯の訴えを聞いていた。

    アリス「だから、アリスは勇者としてキヴォトスのみんなを守りたいです!
        ミレニアムのみんなと、他の学園のみんなと、先生と一緒にこれからも生きていたいんです!」
    アリス「お願いします!アリスたちを船に乗せて下さい!」

    ナレーション
     だからきっと、この喝采と祝福の拍手は必然だったのだろう。

  • 3二次元好きの匿名さん25/03/21(金) 22:49:55

    たておつ

  • 4◆VLlUGaOg9c25/03/21(金) 23:22:51

    ナレーション
     さて、勇者アリスと従者ケイが仲間に加わりはしたものの、まだ船員の選定は終らない。
     なにしろ、ウトナピシュティムの本船は動かすだけでも10人規模のオペレーターが必要なのだ。
     
    ケイ「現在、キヴォトスに顕現しているアレについて、実のところ私にも詳細は分かりません。
       一つだけ言えるのは――アレは本来私たちの所有物である「アトラ・シハースの箱船」の力を有していること」

    リン「アトラ・シハースの箱船とは・・・」

    ケイ「それについては説明が難しいのですが・・・「アトラ・シハースの箱船」とは決まった形の物質ではありません。
       アリスの「名も無き神々の王女」としての権能、『プロトコル:ATRAHASIS』により生み出された聖域。
       周囲のデータを収集して分解、再構築、任意の物体を作り出す、変換機構により顕現した存在を指します」

    ナレーション
     物質変形機構といえば、要するに3Dプリンターのようなモノだが、アリスが持つ権能の力はそれに留まらない。
     アリスが利用するのは周囲のデータ。それを組み替えるということは、つまり、世界法則そのものの改竄である。
     勿論、大きい力を振えば、それだけ絶大なリソースを有するが、そこさえクリアすれば理論上何でも出来る。

    ケイ「虚妄のサンクトゥムに利用されていた膨大なエネルギーを鑑みれば、
       相手が有するリソースが莫大であることは想像に難くありません。防衛にも、その力を振っているでしょう」

    ユウカ「それをアリスちゃんの『プロトコル:ATRAHASIS』で破壊すると・・・・・・でも本当に大丈夫なの?
        アリスちゃんと相手の使っている力が同じなら、純粋なリソース勝負になるわよ?
        間違いなく相手の守りを貫けるだけの膨大なリソースの宛てなんて無いわよ?」

    ナレーション
     ユウカの懸念は当たっていたようで、ケイは少し言葉に詰まった。
     いや、宛てはある。あるのだが、それはつまり・・・・・・アリスかケイのどちらかを「リソース」に使うということだ。
     それは生徒として、人の生き方を学び始めたケイにとっても、辛く苦しいことに違い無かった。

  • 5◆VLlUGaOg9c25/03/22(土) 00:14:25

    >>4

    ナレーション

     それでも自らの主である勇者が決意したのだ。責任を背負い、恐怖に立ち向かって、戦って見せた。

     ならば、従者である自分が我が身惜しさに臆する訳には行かない。そうケイが自らに言い聞かせていると・・・


    ・・・それは大丈夫だ。宛てがある。


    ナレーション

     想定していないところから、助け船がやってきた。


    ナギサ「カナさん、それは・・・」

    持ったまま怯えて使えないんじゃあ、意味が無い。これは、きっと誰かを守る為に使うモノだ・・・・・・多分!


    ナレーション

     神子柴カナ。誰よりもアリスを生かす責任を正しく背負い、その姿を以てアリスに少なくない影響を与えた少女。

     カナも切札を持つらしいが、それが容易に使って良いモノではないことはナギサとの会話から推測できた。

     なのに、カナはそれを振うことを躊躇わなかった。誰かを助けるためだから、臆することなく決断して見せた。

     それがケイには何だが眩しくて、少し羨ましかった。


    まぁ、そういう訳だからリソースは私が何とかする!詳細は・・・・・・・・・先生に聞いて欲しい。


    ナレーション

     尚、当のカナはどこまで説明したら良いか悩んで先生に丸投げしていた。

  • 6二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 00:15:16

    たておつ!

  • 7二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 00:24:12

    立て乙!

  • 8二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 06:08:54

    たておつです

  • 9二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 06:37:50

    そう来るのか

  • 10二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 06:52:37

    カナちゃんったらもう…

  • 11二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:57:58

    そうか、ここで使うか…

  • 12二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 13:21:33
  • 13二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 22:15:32

    保守

  • 14◆VLlUGaOg9c25/03/23(日) 00:43:32

    >>5

    ナレーション

     宇宙戦艦という触れ込みでありながら、何故かウトナピシュティムの本船に搭載されていなかった武装。

     その代わりにアトラ・シハースの箱船の守りを突破する主砲役・・・もとい、聖剣担当のアリスとケイが加わり、

     アリスたちの力を振うためのリソースを何とか出来るカナも船員として確定した。となると、後必要なのは・・・


    リン「ウトナピシュティムの本船を操縦するオペレーター、船に何かあった場合の為の修理屋、

       敵拠点での戦いに参戦する戦闘員、敵拠点が巨大であった場合の移動役・・・・・・と言ったところでしょうか?」


    ユウカ「そうね。欲を言えば医療班や補給班も欲しいところだけど・・・・・・

        ・・・定員の問題もあるし、とりあえずは必須の役割から埋めていきましょう」


    ナレーション

     リンが司会役となり、一同はまず必要そうな役割を次々に書き出していった。

     勿論、定員の問題もあるので全ての役割を充分な人数用意することは叶わないかもしれないが・・・・・・

     ・・・それでも、役職が決まれば必要な能力のイメージが湧く。イメージが湧けば、適役も思いつく。


    ユウカ「そうですね。こちらからはオペレーターに超常現象に詳しいヒマリ先輩と記憶力のあるノア、

        後は修理役にエンジニア部の3人はどうでしょう?ウチでも最高クラスの技術者ですけ」


    マコト「なら、戦闘員には風紀委員長のヒナを出そう。小癪だが、アイツは我がゲヘナで最も強い」


    ナギサ「トリニティからはミカさんと正義実現委員会のツルギ委員長、

        それから・・・・・・移動役にヒフミさんを推薦します。戦車操縦の実技は満点でしたので適任かと」


    ナレーション

     次々と名前が挙がっていき、アッという間に暫定ではあるが、ウトナピシュティムの本船の船員が決まっていった。

  • 15◆VLlUGaOg9c25/03/23(日) 00:48:03

    代理モブ「あかん。各校がスムーズに協力してるから、どう考えても凄いドリームチームが出来上がる」

    代理モブB「これ色彩勢力も盛らないと、特に盛り上がりもなく順当に勝ってしまうのでは?」

  • 16二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 05:06:13

    ヒフミ、戦車の操縦技術実技で満点叩き出したんだ…凄いなぁ

  • 17二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 05:12:40

    おれのかんがえた最強チームだ

  • 18二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 05:25:16

    凄いよね、各校でちゃんと連携取れてたらここまでスムーズに人員の確保に動けるんだから

  • 19二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 12:00:49

    やはり対話と言うのは大事である事だなぁ

  • 20二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 20:41:34

    向こう側はどうするんだろ

  • 21◆VLlUGaOg9c25/03/23(日) 22:28:28

    >>14

    ナレーション

     その場には居ないとはいえシャーレの先生が関わる案件であったこと、

     虚妄のサンクトゥム攻略戦を通じて1連の事件に現実味が増したこと等の理由が重なり、会議はスムーズに進んだ。

     過去に類を見ない、各学園同士の円滑な協力連携。それが齎す意味は余りにも大きい。

     敵は敵は強大とはいえ、余りの順調さに1部の生徒たちが「あかん、勝ってまう」と油断するほどであった。が・・・


    《ウトナピシュティムの本船 船内》


    アユム「その・・・・いかがでしょうか?技術調査員のみなさん」


    ウタハ「・・・・・・大丈夫。おおむね理解した。・・・この戦艦は私たちには解明できない、ということが判明したよ」


    ナレーション

     頼りにしていた調査班はウトナピシュティムの本船の構造解析を不可能だと言い出した。

     移動手段であり、切札であり、希望でもある船を、その技術力の高さ故に誰も理解出来なかったのである。

     ・・・つまり、この時点でウトナピシュティムの本船に何か不調が起こっても、誰も治せないことが確定した。


    ヒビキ「うん。この戦艦の燃料、推進体、動作原理。エンジン構造、設計に至るまで・・・・・・何から何まで不可解の塊」

    コトリ「これは「オーパーツ」ですからね!私たちが理解出来ないのも当然と言えます!」


    ナレーション

     アユムは絶望した。コトリの理屈は分かるが、何も分かりませんでした。で終っては困るのだ。

     何しろ、ウトナピシュティムの本船の代わりとなるような兵器も策も無いのだから、使えなくては非常に困る。


    ウタハ「はぁ・・・・・これを解析できたら、私たちの悲願に近づくと思ったのだけど・・・」


    ナレーション

     心底悔しそうなウタハの表情が、本当に彼女たちにもどうにもならないのだということを嫌でも理解させる。

     思わず、アユムは身体から力が抜けそうになるところを寸でで堪えた。

  • 22二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 03:58:25

  • 23二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 10:08:54

    なにも分からない!が分かった!

  • 24二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 17:28:20

    そもそも分からないってのは困るね

  • 25◆VLlUGaOg9c25/03/24(月) 23:25:17

    代理モブ「何も分からないのは原作通りなので仕様です」


    >>21

    コトリ「あっ、ですがご安心を!動作原理は分かりませんでしたが、操作する程度ならなんとかなりそうですので!

        車の構造が分からなくても、エンジンを動かして運転する分には支障が無いのと同じです!」


    アユム「ほ、本当ですか!」


    ヒビキ「車はアクセルを踏んだら加速、ブレーキを踏んだら減速、ハンドルを回せば方向転換するよね?これも同じ。

        どれを操作したら、どう動くのか?それを纏めたら内部構造が分からなくても操作マニュアルを作れる」

    ウタハ「まぁ、出来るのは操作マニュアルだから、修理や改修は出来ないけれどね」


    ナレーション 

     落として上げる。絶望により地の底まで墜ちたアユムの心は、小鳥の翼によって引き上げられた。

     動くのならば、飛んでくれるのなら、敵本拠地まで攻め入ることが出来る。打つ手無しでは無くなる。

     万が一、壊れた場合に治せないのは変わらないので、厳しい状況事態に変わりないが、首の皮1枚繋がった。


    リア「そこで、万が一、船が故障した場合に船員の命を救助するサブプランを用意したわ」


    アユム「リアさん!ほ、本当に船が壊れても、船員を救助出来るんですか?」


    ナレーション

     他の場所で調査作業をしていたのか?それともサブプランを用意していたのか?

     エンジニア部の面々とは違う方向から現われた、謎多きアリウスの技術者は自信満々に秘策の存在を明かした。


    ウタハ「・・・それは助かるよ。こちらも、船員の安全は懸念していた。何せ、目標は上空75.000メートルだからね」


    ナレーション

     その傍から見たら分かりにくいクールな表情に見覚えのあるウタハは少し複雑そうに表情を崩したが、

     結局は普段通り、人当たりが良く、ロマンと後輩愛に溢れるマイスターの表情《かお》をするのだった。

  • 26二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 07:32:56

    リオが月雪リアであることはわかる人にはわかる公然の秘密なのよね

  • 27二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 12:28:39

    メッチャお化粧してるだけだからね…

  • 28二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:26:44

    アバンギャるのかな?

  • 29二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 21:17:22

    ちょっと見なかったうちにドリームチームで来てる…

  • 30◆VLlUGaOg9c25/03/25(火) 23:13:03

    >>25

    ヒビキ「でも、本当にどうするの?上空75.000メートルはパラシュートぐらいじゃ、どうにもならないでしょ?」


    ナレーション

     そんなウタハの普段とは違う様子に気が付かず、コトリとヒビキは純粋に疑問をぶつける。

     リンや各校の生徒会長たちにも説明しなければならないのだが、期待と興味に震える心を抑えることは出来ない。

     リアにとって二度手間になると分かっていても、好奇心に身を委ねる他に無かったのだ。


    リア「ふむ・・・細かい技術的な説明というのは難しいわ。1から10まで全てを解説するには、時間が掛かりすぎる。

       だから、分かり易いように端的に何をしたかだけ説明すると・・・・・・再度出現したエネルギー反応を利用したの」


    アユム「というと、虚妄のサンクトゥムの・・・?」


    リア「ええ。連邦生徒会はあのエネルギー反応の流れを辿ることで上空75.000メートルという位置を特定した。

       それはつまり、上空75.000メートルから地上までエネルギーのラインが繋がっているということ。

       このラインのエネルギーを利用して、流れを辿ることで、ラインが繋がっている地上に運ぶこと出来るわ。


    ナレーション

     リアはミレニアムの技術者ではないアユムにも分かるよう、少し考えながら努めて内容を簡単に説明し始める。

     その見覚えのある面影を感じる姿に、ウタハを話に耳を傾けながらも、誰にも聞こえないような小さな声で、

     「・・・まぁ、何はともあれ、元気ではやれているみたいで一安心・・・でいいのかな?」と漏らしたのだった。


    リア「それに戦力面では「機動戦姫アヴァンギャルド・サニー」という新兵器もあるわ。これはね・・・」


    ナレーション

     自信に満ちた輝かしい瞳で、何とも言いがたいデザインの「アヴァンギャルド」を語るリアの姿には、

     流石のウタハも「本当に隠す気があるのか・・・?」と失笑した。

  • 31二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 08:04:01

    逆に気になってきたなアバンギャルドサニー

スレッドは3/26 18:04頃に落ちます

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