【クロス注意】幼馴染inNRC Part12

  • 1125/03/22(土) 11:45:04

    ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界


    【以下前提条件】

    >トリップ地点は入学式の棺桶の中

    >トリップしたのは最終決戦後の二人

    >個性はかっちゃんだけ使える(反動で心臓ダメージあり)

    >監督生はデク


    ※前スレ含めてこのスレの内容とSSは無断転載禁止です!

    スレ内でSSとかWriteningに書いてくれるのは歓迎です

  • 2125/03/22(土) 11:45:56

    前スレ

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part11|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼プロローグ

    【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com

    ▼第一章

    【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第二章

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part3|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第三章

    幼馴染inNRC Part5|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第四章

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part8|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com
  • 3125/03/22(土) 11:46:09
  • 4125/03/22(土) 11:46:21

    素敵な支援SS様

    ……ノーコメントで | Writeningパソスト風じゃなく普通のSSです。お目汚し失礼。 登場人物:出久+勝己+グリム+エース+デュース+ジャック+エペル+セベク ふわっと頭に浮かんだワンシーンを書きたいなと思ったらなんか長くなってしまいました…writening.net
    なんてことない普通の日 | WriteningパソストではなくSSです、ご注意を。 登場人物 トレイ・クローバー 尾白猿夫 砂藤力道(名前のみ) 個人的に尾白くんとトレイ先輩は仲良しであってほしいなぁと思う今日この頃。 アリアーブ・ナーリヤとかいっ…writening.net
    マスターシェフ〜地獄のニラ〜 | Writening登場人物:轟、リリア、砂藤、トレイ、エペル、デュース、エース、麗日、峰田、青山、学園長 ちょっと体調不良表現あるので苦手な方要注意、なんでも許せる人向け 「食」それは生命の礎。 清き海。強き山。優…writening.net
    もぎもぎパニック!ドアと化したフロイド | Writening登場人物:フロイド、峰田、緑谷、エース、デュース、ラギー、カリム、ジャミル、ルーク、リドル、セベク、飯田、イデア、オルト キャラエミュ間違い、キャラ崩壊あるかも なんでも許せる人向け 「おーいエ…writening.net
    ドキッ!漢だらけの新メニュー決定戦〜飯テロもあるよ〜 | Writening登場人物:アズール、ジェイド、フロイド、ラギー、青山、飯田、上鳴、切島、瀬呂、砂藤(回想のみ) キャラエミュ間違いあったらスマソ、後半キャラ崩壊あるかも 何でも許せる人向け 「……皆さんが集まっていた…writening.net

    素敵な支援イラスト様は各スレにて!

  • 5二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 11:46:35

    新スレ乙〜

  • 6125/03/22(土) 11:49:34

    現在好感度まとめ
    【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
    *グリム 91/97、 58/47 
    *エース 100/100、 42/88
    *デュース 100/100、 100/93
    *リドル 61/70、 57/94
    *ケイト 99/100、 85/87
    *トレイ 30/27、 60/40
    *レオナ 2/65、 36/16
    *ラギー 14/59、 72/21
    *ジャック 83/100、 52/91
    *アズール 72/93、 73/21
    *ジェイド 26/65、 21/43
    *フロイド 8/33、 28/69
    *カリム 77/100、 49/86
    *ジャミル 84/66、 47/62
    *ヴィル 92/69、 74/85
    *ルーク 92/23、 55/97
    *エペル 67/15、 79/87
    *マレウス 75/30、 -/-
    *リリア 39/36、 45/21
    *クルーウェル 56/-、 13/-
    *トレイン 78/-、 36/-
    *バルガス 16/-、 6/

  • 7125/03/22(土) 11:55:42

    前回までのざっくりあらすじ

    片やグリムの付き合い、片や中庭で出会ったヴィルに煽られて見返すために『ボーカル&ダンスチャンピオンシップ(VDC)』のオーディションを受けた二人。勝己は尖ったデスボイスを武器に選考を勝ち抜いた。
    喜びも束の間、学園長がオンボロ寮を選抜メンバーの合宿所にすると言い出した。急な話だが、承諾した場合の好待遇に心がぐらついて、二人は寮を提供することにしたのだった。
    寮まぜこぜのカオス合宿が今始まる――!

  • 8125/03/22(土) 12:02:15

    >>6

    改めてみると出久→ポム三年生への初期好感度高いですね

    5章だとアレですが、二人とも頼れる先輩なのでそのあたり無意識に見抜いている感じでしょうか


    あとエペル→出久が低くてエペル→爆豪が高いのはあからさまで面白いですね

    「バクゴークン、いかつくて強そうでたげカッケェ!」「ミドリヤクンはなよっこぐて男らしくねぇべな」って感じ

  • 9二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:04:07

    好感度上昇が来ないからずっと放置されてる出久→レオナの好感度が低すぎて笑っちゃうんだ
    まあ隙あればサボるし不正も辞さないからしょうがないけど
    6章でちょっとは巻き返せるといいね

  • 10二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:04:59

    立て乙です!

  • 11二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 12:06:38

    >>8

    分かる、エペルからの分かりやすい

    まあ脱いだらそこそこヤバいんですがね、鍛え方も傷も……

  • 12二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 18:48:03

    > 勝己は尖ったデスボイスを武器に選考を勝ち抜いた。

    ここほんま草

  • 13125/03/22(土) 21:38:56

    そして、合宿初日。

    「ボンジュール!ミドリヤくん、バクゴーくん、グリムくん」
    「いらっしゃいませ!」
    「民泊じゃねンだわ。もてなしとか期待すンじゃねーぞ」

    最初にやってきたのはポムフィオーレの三人だった。
    ヴィルは古めかしいオンボロ寮の内装が珍しいのか、棚の上にひとさし指を滑らせた。客人が来るということで一応掃除を念入りしたので、指先に埃はついていない。

    「これから4週間、お世話になるね。よろしくたのむよ」
    「あら、思ったより綺麗にしてるのね」
    「おじゃまします…………」

    次にやってきたのは、スカラビアの二人。

    「おぉ、なんか天井が低い屋敷だな。魔法の絨毯に乗ったらすぐに頭をぶつけちまいそうだ」
    「はぁ……まず、屋内で飛ぼうとするな。ミドリヤ、悪いが俺の部屋はカリムと同じと隣にしてくれないか。鏡舎を通らないぶん、スカラビアよりもセキュリティが甘いからな」
    「うん。もともと部屋数足りてないから、カリムくんとジャミルくんは同じ部屋に割り振ってるよ。あと、セキュリティは僕とかっちゃんが気を付けるようにするから安心してね」
    「俺らは要人警護の訓練も受け取るから心配は捨てとけ」
    「相変わらず心配性だなぁ、ジャミルは。学園内で刺客に狙われたことなんか、入学以来一度もないだろ?それにしても、ミドリヤとバクゴーは元の世界だとヒーロー科だったんだっけ?頼りにしてるぜ!」

    最後にやってきたのは、オンボロ寮の勝手知ったるエーデュースコンビ。

    「お邪魔しまーす」
    「ミドリヤ、バクゴー、今日から世話になる。これ、トレイ先輩から」
    「えっ、これってトレイ先輩のケーキ?嬉しいなぁ!」
    「別の寮に世話になるんだから、手土産くらい持って行けってさ。お母さんかっての。あとでみんなで食べようぜ」
    「うん!食堂から余ってるお古の食器をいっぱい分けてもらったから、ご飯のときに切って出すね」

  • 14二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:49:20

    このレスは削除されています

  • 15125/03/22(土) 21:53:22

    これまで出久たちはトレイのケーキを何度もごちそうになっており、美味しさはお墨つきだ。練習が終わったあとのご褒美に選抜メンバーに切ってだそう、と出久が箱を受け取ろうとしたところで、ヴィルに遮られた。


    「―――残念だけど、その手土産は没収させてもらうわ」

    「ふなっ!?な、なんで!?」

    「まったく、トレイは相変わらずね。『良かれ』で甘やかして相手を駄目にする、一番気を付けなきゃいけないタイプの男」


    *ヴィルのトレイ評 (1.そうかも……、2.そうかな……)

    出久 dice1d2=2 (2)

    爆豪 dice1d2=1 (1)


    「もしかして、オメーもリドルみてぇにルールだとかいって食料を捨てるつもりか?食い物を粗末にするヤツはオレ様が許さねぇんだゾ!」

    「はぁ?なんの話?捨てるなんて言ってないでしょう」

    出久としても食べ物が無駄になる事態は受け入れられないところだったので、ヴィルの言葉にほっと息を吐いた。


    「合宿前に大事な話をするから、みんな荷物をもったまま談話室に集合してちょうだい」


    『VDC』の選抜チームのプロデューサーはヴィルであり、この合宿の監督は実質ヴィルだ。

    ヴィルは選抜メンバーに指示を出すと、美しい歩き姿で談話室へと向かっていった。


    「ヴィル先輩が歩くと、なんだかオンボロ寮の廊下もランウェイみたいだね」

    「お前ファッションショーなんかまともに見た事あンのかよ」

    「いや、ない。イメージだけで話してる」

    「だろォな」


    *かっちゃんのヴィル評 dice1d3=1 (1)

    1.ジーパンのがイケとるな

    2.まぁジーパンにも負けてねぇかもな

    3.本職だけあってジーパンより姿勢は綺麗かもな

  • 16二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:55:13

    ヴィルのトレクロ評、
    デク→そうかな?
    かっちゃん→そうかも
    なの解釈一致すぎる

  • 17二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 21:56:47

    ジーニスト(師)の方がイケてるって思うかっちゃんにホッコリ

  • 18125/03/22(土) 22:13:19

    「で、ヴィル。なんなんだ?大事な話って」
    「みんな、持ってきた荷物を開けてみせてちょうだい」
    「えぇ?荷物広げるなら部屋に行ってからのほうが……」
    「いいから開けて」

    有無を言わせないヴィルの指示で、メンバーたちがそれぞれの鞄を開けた。ちなみに勝己は高みの見物だ。
    ガサゴソ。ヴィルは空港の荷物検査員のようにメンバーの鞄の中身をチェックしていった

    「…………やっぱりね」

    ヴィルは呆れたようにため息をつくと、鞄から何点か物品を抜き取って犯罪の証拠品のように並べ立てた。
    エースとデュースの持ってきたスナック菓子と炭酸ジュース。
    カリムの鞄にぎっしり詰まった、ジャミルお手製のお菓子が入った容器。

    「ここにある砂糖や小麦粉を使ったお菓子・ドリンク類は全て没収よ!」

    ちなみに、ジャミルの持ってきた万が一のための解毒用魔法薬と薬草のセットと、エペルのもってきた自家製林檎ドライチップはお目こぼしされた。ルークに至っては分厚いアルバム一冊しか荷物に入っていなかった。本人曰く「ライフワーク」の記録とのことだが、中身は全くの謎である。閑話休題。

    「アンタたち、強化合宿をなんだと思ってるの?」
    合宿開幕からヴィルはおかんむりだ。
    「アンタたちには『VDC』に向けて、心身を曇り一つない鏡のように磨き上げてもらわなきゃならない。本番までの4週間……肥満の原因になりやすい単糖類と小糖類たっぷりのスイーツやドリンク。そして肌荒れの原因になる脂質や香辛料を多量に含んだ食事は一切禁止!」

    「シュガーマンとクリエティには致命的な食事制限だね」ヒソヒソ
    「俺らも低血糖低脂肪じゃいざってときに本気でねェだろが」ヒソヒソ

    「そこっ!緑ジャガと棘ジャガ、うるさいわよ!心配しなくても、栄養豊富かつ高タンパク低カロリーの食事メニューを考えてあるわ。だらしないボディラインを徹底的に引き締めてもらうわよ」

  • 19二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 22:16:40

    ストレス生みそうだなあ

  • 20二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 22:23:21

    でもヴィル様、ヤオモモや砂藤くんみたいな体質というか本当に必要な事に関してはしっかり説明したら口出ししないタイプだよな多分、とプレイヤー視点では思う
    まあこのVDCで色々煮詰まってる時で参加者だったら別だろうけど

  • 21125/03/22(土) 22:29:18

    「はぁ?オレら育ち盛りなんですけど?」
    「あら。アタシは深夜にお菓子をつまみ食いしなくても183cmまで身長が伸びたわ。育ち盛りにとって大切なのは、栄養素を過不足なく摂り、しっかりと睡眠をとることであって、食べたいだけお菓子を貪って、あちこちニキビを作ることじゃない。覚えておきなさい」
    エースの反論は完膚なきまでに論破され、撃沈した。

    「げー……マジかよ……」
    「大丈夫だよ、エースくん!食事管理ってちゃんと効果出るし、最後の方はなんか気持ちよくなってくるから」
    「ミドリヤがジム通いのトレーニーみたいなこと言ってくる~」

    中学までどちらかといえば食が細くひょろひょろだった出久の肉体改造を叶えた、オールマイトのアメリカンドリームプラン。その内容は心を磨く奉仕活動、体を磨く筋トレ、そして栄養管理された食事。食事管理の効果は出久の肉体が証明している。特訓は辛かったが、日に日に体が筋肉で引き締まっていく感覚には高揚や快感も混ざっていた。

    「なあ、オレ様たちは選抜メンバーじゃねぇんだから食ってもいいんだろ?」
    「好きにすればいいけど、メンバーの前で食べてストレスを与えるのはやめて」
    「ふな~……」
    「僕は選抜メンバーの食事と合わせようかな。最近お金のなさにかまけて食事管理が緩んでた気がするし、一回引き締め直すぞ!」

    「フフ。ムシュー・そばかすの言う通り、ヴィルはキミたちにダイエットをさせようとしているわけじゃない。食の観点からも、より効率的に身体を引き締め美しくなってもらうというだけさ」
    「さ、さすが。テッペン目指してる人は覚悟が違うな……」
    「フッ……この程度で“覚悟”ですって?これはただの“基本”よ」
    たじろいだデュースのつぶやきを、ヴィルが一生に付した。

    「じゃあさっさと自分の部屋に荷物を置いてきて。すぐにレッスンを始めるわよ」

  • 22125/03/22(土) 22:39:09

    それぞれの部屋に荷物を置くために移動しようとしたところで、ヴィルのスマホが鳴った。
    「ん、マネージャーから電話……なにか急用かしら?ごめんなさい、ちょっと出るわね」

    横から話を聞いている感じでは、どうやらヴィルに映画出演のオファーが来たらしい。ヴィルは学生生活に本腰を入れるために撮影機関が長引く撮影を断っているようだが、それでもぐらつくようなビッグタイトルだったようだ。

    「――ちょっと待って。また美形の悪役?アタシ、そういうタイプキャストの依頼は断れって言ったわよね?」
    「――オーディション無しでアタシをご指名なら、当然主役ももう決まってるんでしょう」
    「…………また、ネージュ?」
    通話をするヴィルの表情が、喜びの笑顔からどんどん曇って険しいものに変わっていく。

    「アタシの気持ちをお金で買おうとしないで。どれだけ積まれたって出たくないものには出ない。アタシはただ……舞台の上に最後まで立っていたいだけ」
    「今は『VDC』に全力を尽くしたいの。今回のオファーは断っておいて」
    「しつこい!もう『VDC』が終わるまでかけてこないで!」
    最後は、ヴィルの叫びとともに一方的に通話が終わった。

    「どうした?なんか良くない知らせか?」
    カリムがヴィルの表情を覗き込もうとしたが、ヴィルはしっしっと手で払った。
    「大したことじゃなかったわ。さあ、レッスンを始めましょう。緑ジャガ、アンタも着いてきなさい」
    「緑ジャガって…………」
    「アンタのことに決まってるでしょう」
    「ですよね…………」

  • 23125/03/22(土) 22:48:17

    オンボロ寮には練習できる場所がない。従って、レッスンはポムフォーレのボールルームで行われる。


    「各自柔軟体操が済んだら、集合して。『VDC』で発表する曲が仕上がってきてるわ」

    ヴィル曰く、ここ数年の『VDC』ではオリジナル曲の制作は常識らしく、コンポーザーに楽曲制作の依頼をかけていたらしい。


    「『VDC』は、ビューティーコンテストでもファッションショーでもない。評価基準は歌唱力とダンス技術。そして、自分たちに似合う曲を選べているか。会場の共感を得るためには、アタシたちにピッタリの曲を選ぶのも大切」

    「そういえば、この大会は会場の投票で優勝チームが決まるんでしたね」

    「そう、ジャミルの言うとおりよ。『VDC』で勝敗を決めるのは、会場にいる者全員よ。観客も出場者もスタッフも1票ずつ勝者にふさわしいと思うチームに投票する権利を持っている」

    「出場メンバーも?それって、絶対に自分たちに入れちまわねーか?誰だって自分たちが一番だ!って思うはずだし……」

    投票システムを聞いてカリムが首を傾げた。


    *口を挟むのは dice1d2=2 (2)

    1.爆豪

    2.ヴィル

  • 24二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:00:57

    >>15

    トレイパイセンは女を肥えさせる男だと思っていたが……7章で確定してたな

    絶対夢の中のデクとかっちゃんも同じようになってるぞ

  • 25二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:03:42

    >>18

    砂藤の個性の関係上、個性使用しながら食べれば糖分過多の心配はないな

    それ以外の摂取過多は知らない

  • 26125/03/22(土) 23:08:38

    「素人考えではそうでしょうね。でも…………実力のある人間ほど、自分に投票できない場合もある」

    ヴィルは腕を組み、どこか遠くを見た。


    「パフォーマンスを見た瞬間にわかってしまうの。『自分じゃ絶対に敵わない』ってね。そうなると、自分の心を偽って自らを賞賛するのが惨めになる」


    *かっちゃん 共感レベル dice1d100=20 (20)


    「それは……少し分かる気がします」

    ジャミルが共感を示した。

    「自分を、偽る……」

    エペルも思うところがあるようで、ヴィルの言葉を小さく反芻した。


    「だからアタシは胸を張って自分自身に投票できるように最善を尽くす。今回用意したオリジナル曲も、その1つよ」

    「高みを目指すキミの横顔、実にボーテ!輝いているよヴィル。さっそく私たちにも曲を聞かせてもらえるかい?」

    「もちろん。それじゃあ、マネージャー。オーディオプレイヤーで曲を再生してくれる?」

    「………………あっ、僕ですか?」

    「アンタ以外に誰がいるのよ、緑ジャガ。学園長にサポートを頼まれたんでしょう?賞金が欲しいなら、アタシたちのためにキリキリ働きなさい」

    「わかりました……」


    仮にも合宿所になっているオンボロ寮の監督生なのだが、この合宿において出久はマネージャーというよりも小間使いのような役割でしかない。

    が、これも全獲りのため!と気合を入れ直し、出久はサイドキックって感じのデクとしてサポート業に邁進することにした。


    オーディオプレイヤーを再生すると、出久にはジャンルが分からないが、電子的なサウンドの曲が流れた。


    *曲の第一印象 出久 dice1d2=1 (1)

    1.カッコイイ曲だ

    2.難しそうな曲だ

  • 27二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:11:12

    共感レベルが低めなのはちょっと意外
    初めての戦闘訓練で轟くんに対して思ってた感覚に似てそうなんだけど…もしかしてその時は井の中の蛙だったから?

  • 28125/03/22(土) 23:17:45

    「うわ、すげー本格的」

    「いいリズムだ!恰好いいな」

    「ジャンルとしてはエレクトロニック・ダンス・ミュージックでしょうか?この曲で踊るなら、アーバンヒップホップ……いや、ヒップホップジャズ?」

    「アーバンヒップホップをベースに、ジャズやブレイキン、ヴォーギングを交えて仕上げようと思ってるわ」

    ジャミルとヴィルの話を聞いても出久はチンプンカンプンだ。


    「呆けたツラしとんな。アホナード」

    「知ってる単語が一つもなくって、何にも分かんない……」

    「……じゃあお前、Aバンドの曲決めの時に耳郎が言っとったことは」

    「耳郎さんは音楽に詳しくてすごいなーって思ってたよ!」

    「雑っっっ魚」

    「勝ち誇った顔やめてよ」


    「それじゃあ、歌割りを発表していくわよ」


    *かっちゃんのポジション dice1d2=1 (1)

    1.メインボーカル

    2.バックコーラス

  • 29二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:20:10

    まあデスボはメインで目立たせないとね

  • 30二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:28:26

    このレスは削除されています

  • 31125/03/22(土) 23:28:53

    「メインボーカルは4名。それ以外のメンバーはコーラスとダンスを中心にパフォーマンスしてもらう予定よ」
    「えぇ?みんなで歌うんじゃないのか?」
    「斉唱は高い技術がないとがなっているように聞こえてノイジー……。今から7人全員の歌唱レベルを合わせるのは難しい。だったら、それぞれ集中するポイントを作って取り組むべきよ」

    「か、会話に出てくる単語の意味が全然わからない……」
    「オレ様もなんだゾ」
    デュースとグリムがぽかんと呆けている。
    「僕もだよ」
    「なんだ。優等生のミドリヤでも分からないなら安心だな」
    「下に基準合わせんなスペード野郎」

    「振り付けも、曲に合わせたオリジナルのものを用意してる。ざっくりした仕上がりがイメージしやすいように雰囲気が似たダンス動画を見せるわね。マジカメにプロのダンスグループの動画がたくさん上がっているはず……あった、これね」
    「オレ様知ってるんだゾ。動画見る前はCM見ないといけねぇんだろ」
    「いや、きっとヴィル先輩は有料版だからCMなんて」
    「あら、よく知ってるじゃないの」
    「有料版じゃないんですか!!?」

    『大切にしたいのは、パウダースノーの軽やかさ。デリケートな肌を守る、UVベース誕生』
    『これは君の願いを叶える、魔法の日焼け止め』
    『フェリシテ・コスメティックス。プレシャス・プロテクションベース』
    『ねえ、ここへ来て……』

    画面の中で、ネージュが花が綻ぶような笑みを浮かべた。

  • 32125/03/22(土) 23:31:38

    そういえば振ろうと思って忘れてました


    *ネージュへの印象

    出久 dice1d100=6 (6) (最低保証50)

    爆豪 dice1d100=38 (38)


    チェカのときもですが、出久はRSAとかプリンセスサイドのキャラに対して最低保証50つけますね

    多分魂が同族なので

  • 33二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:34:17

    二人ともなんか印象イマイチだな…(デクは補正あるとはいえ)
    まあ今のところCMしか見ていないわけだけど

  • 34二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:38:14

    魂が同族で笑ってしまった
    納得しかない

  • 35二次元好きの匿名さん25/03/22(土) 23:42:05

    出久もデズニー世界に放り込まれたら自然と歌って小動物たちと友達になってそうな雰囲気あるもんな
    アメリカンドリームプランとか歌とともに遂行してそう

    かっちゃんは分からん。多分デスボでヴィラン薙ぎ払ってると思われる

  • 36二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 00:35:30

    >>35

    かっちゃんはアレだ…


    シンプルに蛮族

  • 37125/03/23(日) 00:37:14

    CMを見ると、ネージュの話題になった。ネージュは今マジカメで一番ホットな芸能人にして、ロイヤルソードアカデミーの代表として『VDC』に出場するライバルだ。


    「彼を射落とさなければ我らの優勝への道は絶たれると言っても過言ではない。しかし……」

    ルークは一度言葉を切り、求愛シーンのミュージカル俳優のような、あるいはキメているときの青山のようなポーズをとった。


    「ああ……彼の唇は赤い薔薇。髪はくろぐろと輝いやいて、可憐な笑顔は誰をも魅了する……。ライバルながら、実にボーテ……!!!」


    *dice1d2=2 (2)

    出久「すごく愛らしい人ですよね」

    爆豪「完膚なきまでに叩きのめしたるわ」


    「この大会にはオレ様のツナ缶富豪の夢がかかってるんだゾ!ぜってー優勝するんだゾ!」

    「アンタたち、くだらないおしゃべりをしてないで、ダンス動画に集中しなさい!今度こそ……絶対に負けるわけにはいかないのよ」

    一瞬、ヴィルは沸騰する直前の水がたてる音のような不穏な雰囲気を発したが、すぐに元の雰囲気に戻った。


    「話がそれちゃったわね。それじゃ、レッスンの前に、メインボーカルとダンスメンバーの発表をするわ。オーディションでのパフォーマンスを基準に、アタシが選んだ人選よ。今後の上達具合によってポジションは入れ替わる可能性もある。たとえメインボーカルに選ばれなかったとしても、ポジションを奪いとるくらいの気持ちで取り組んで」


    ヴィルは、メインボーカルはジャミル、エペル、バクゴー、そして自分だと告げた。

  • 38二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 00:51:15

    かっちゃん適任だなあ
    相手が誰でも完膚無きまでに勝つってのが今回は特に

  • 39125/03/23(日) 00:59:05

    「おおっ!やったじゃないかジャミル!」

    「わあっ、メインボーカルだって!すごいねかっちゃん!」


    「俺がメインボーカル、ですか……?」

    「っしゃァ!観客全員、俺の歌でコロしたるわ!!」


    「ミドリヤとカリム先輩、はしゃぎ方がなんか似てるな」

    「んで、ジャミル先輩とバクゴーの反応の差ね」

    「バクゴーって本当に遠慮がねぇんだゾ」

    二組の幼馴染を見守ってグリムたちがしげしげと呟いた。


    「そうよ。ジャミル、なにかご不満?」

    「不満なんてとんでもない。しかし俺よりもカリムのほうが…………………いや、やめよう。わかりました。ご期待に沿えるよう努力します」

    ジャミルは譲りかけていたのを止め、自分に与えられたポジションを素直に受け取った。些細なことだが、これまでの積み重ねを思えた大きな一歩だろう。


    「それから、バクゴー。アンタのその尖ったアンクリーン・ボーカルは武器になるけど、使いところを間違えると観客から顰蹙を買うわ。指定されたパート以外でその声だしたら、毒で声帯を潰すわよ」

    「チッ」

    名指しで釘を刺され、勝己は舌打ちした。


    「ってか、バクゴーって普通の声でも歌えんの?」

    「音楽の授業くらいしか聞く機会なかったけど、普通の声でも歌えるよ」

    「勝手に返事してんじゃねェわ」


    *かっちゃんの普通の歌声

    ・声質 dice1d5=3 (3) (低いとハスキー、高いとクリア)

    ・音域 dice1d5=5 (5)

    ・ビブラート dice1d5=2 (2)

    ・のびやかさ dice1d5=3 (3) (低いとシンガー系、高いとミュージカル系)

  • 40125/03/23(日) 01:12:53

    「あの、僕は……ちょっと自身がない、です。別の人のほうが……いいんじゃない、かな」
    エペルが消え入りそうな声でヴィルに意見するが、ヴィルはそれを一蹴した。

    「アンタに拒否権はないわ。入学してすぐ、アタシと交わした約束を忘れたの?アンタにはアイツを仕留める“毒林檎”になってもらわないと困るのよ」
    「…………はい。わかりました」

    (毒林檎?)

    ヴィルとエペルの会話の内容は分からなかったが、二人の間ではそれで通じるのだろう。もしかしたらこの世界の慣用句なのかもしれない、と違和感を胸にしまっておいた。

    「“メイン”と名前が付いているけど、メインボーカルが主役でコーラスが脇役なわけじゃない。全員、自分が主役だと思って真剣に取り組んで。さて。ポジションも決まったことだし、本格的なレッスン開始よ。マネージャー、音楽を」
    「はい!!」

    かくして、強化合宿が本格的に始まった。



    「ストップ、ストップ!ぜんぜん違う、新ジャガ2号!」
    新ジャガ2号というのはデュースのことだ。ちなみに1号はエースで、勝己は棘ジャガと呼ばれている。
    「手のフリに気を取られ過ぎて、足元が完全にお留守。なによりも動きが硬すぎ。背中に物干しざおでもくくりつけてるの?」
    「す、すんません……!」

    ヴィルのダンスレッスンはとにかく厳しかった。
    文化祭のときの芦戸のレッスンも厳しかったのだが、芦戸はなんといっても笑顔があって、一の叱責に対して励ましの言葉が十あった。
    対するヴィルのレッスンはひたすらにストイックで、見守っているだけの出久でさえ神経が削れるような心地がした。

  • 41二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 01:14:17

    声質が中間で音域広いから中の人(岡本信彦)と同レベルの歌い方できそう

  • 42二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 07:30:15

    緑ジャガってソラニンたっぷりで危なそう
    棘ジャガも言わずもがな凶器っぽくて危なそう

    …峰田がいたら紫ジャガなのかな?それとも見た目通りぶどう?

  • 43二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 13:05:04

    >>33

    二人とも顔の良し悪しで人を判断するタイプじゃないから、台本通りのCM見ても「ふーん」って感じ以上の感想にはならないのかもね

  • 44125/03/23(日) 13:52:32

    「硬さに関してはエペル、アンタもよ。ジャズヒップホップに必要なのは柔軟さ」

    「でも、こんなくねくねした女の子みたいな振り付け……僕、やりたく、ない、です」

    「はぁ?『くねくねした女の子みたい』……?」

    エペルの言葉に、ボールルームの温度が数度下がったようだった。 


    「ずいぶんはっきりした寝言ね。寝言だとしても聞き捨てならないけど」

    「い、いだだっ!耳を引っ張らないでくださいっ!」

    「ヴィ、ヴィル先輩。暴力は……」

    「お黙り緑ジャガ。まだ夕方なのに可愛い林檎ちゃんはおネムのようだから、よく聞こえるように手伝ってあげてるだけよ」

    引っ張られて横に広がったエペルの耳に流し込むように、ヴィルは説教をした。

    「いいこと?『くねくね』した動きは、インナーマッスルをきちんと鍛えてこそ綺麗に見えるの。服にもダンスにも「男専用」「女専用」なんかない。男だから女性的なフリを踊るのが恥ずかしいなんてマインドが前時代すぎる」


    「まあまあ。ヴィル。そんなに怒らなくてもいいじゃんか」

    重く気まずい部屋の空気に風穴を開けたのは、こんなときでも明るいカリムの声だった。

    「エペル。最初はちょっと恥ずかしくても、思い切って大きく踊ってれば楽しくなってくるぜ!」

    「カリムの言う通り。モジモジしたへっぴり腰のダンスなんて、全然美しくない」

    「えぇ?オレ、別にそういうつもりで言ったわけじゃ……もががっ!」

    発言の意図を訂正しようとしたカリムだったが、不要な面倒の気配を察知したジャミルによって口をふさがれた。


    「……決めた。明日からエペルはアタシたちとは別メニューにしましょ。アタシがいいと言うまで1人でバレエレッスンよ」

    「え、バレエって、あの6人でやる球技の……?」

    「文脈を読みなさい。バレリーナのバレエに決まってるでしょう」

    「うぇええええっ!?そ、そんなこと急に言われたって……!!」


    「ひぇ……飛行術のバルガスより鬼コーチなんだゾ」

    「絶対目ぇつけられたくないタイプ。大人しくしとこ」

    詰められるエペルを遠巻きにして、グリムとエースが身震いした。


    *バレエレッスン (1.自分もやると申し出る、2.申し出ない)

    出久 dice1d2=1 (1) 爆豪 dice1d2=2 (2)  (※二人とも1だった場合はdice1d2=1 (1) (1.出久、2.爆豪)優先)

  • 45125/03/23(日) 14:09:33

    「あの、シェーンハイト先輩。バレエレッスン、僕も一緒にやらせてもらえませんか」
    話を聞いていたデュースがヴィルに申し出る。

    「お前、マジ?なんでわざわざ自分から……」
    エースは信じられないといった表情で目を見開いている。
    「僕も『男らしいか』どうかとか、よく考えてしまうので。せっかく受かった選抜メンバー。テッペン狙うなら、マジでやりたいんです」
    「デュースクン……」
    「いいでしょう。ある程度バーレッスンをこなせば、カカシもヒトに近づくかもしれないしね」

    「あの、ヴィル先輩。僕も一緒にバレエレッスンやっても良いでしょうか?」
    「アンタも?マネージャーがレッスンしてどうするのよ」
    「単純に僕も柔らかく体を使う方法を知りたくて」
    OFAの力を失ったところで、出久が腕に爆弾を抱えている事実は変わらない。自力の腕力だけならばOFAほどの衝撃は出せないため爆発する危険性は減るが、今後も戦闘するときは足技主体にしておいた方が安全だ。
    そのため、身体の柔軟性を保って股関節の可動域を広げておく訓練は、出久にとって得られるものが大きい。

    「……そうね。オーディションのときに思ったけど、アンタ、センスはからきしで動きは固かったけど、肉体そのものは柔軟性が高くて悪くなかった。カチコチの化石二人きりでやらせるより、柔軟のコツが分かるのが1人いたほうが上達も早いかしら。いいわ、許可しましょう」
    「ありがとうございます!」
    「ふなっ!?イズクがバレエレッスンしてる間、マネージャーはどうするんだゾ!?」
    「テメェがやれやクソ狸。いつまでも出久に甘え切ってんじゃねぇぞ」

    「それじゃ、今日のレッスンはここまで」
    「ウィ。さあ、みんなでオンボロ寮に戻って夕食をいただこうじゃないか」

  • 46125/03/23(日) 14:34:45

    練習帰り、メインストリートにて。

    「だぁ~~~っ、もうくたくた~~~。レッスン後に、ボールルームの床を四つん這いで雑巾がけさせるなんて、ヴィル先輩鬼かよ」
    「僕はワイパーみたいに腕を大きく振りながら窓ふきをさせられた。腕と背筋が痛い……」
    「真剣にやる掃除ってのはあんな大変なもんなんだなぁ」
    石畳でエースは腰を、デュースは背中を、カリムは腕をとんとんと叩きながらよろよろと歩いている。

    「あんくらいで音ェあげてンじゃねェわ雑魚ども」
    「……バクゴー片手なのにブルドーザーみたいな勢いで床拭いてくからビビったわ。バランス感覚と筋力どうなってんだよ」
    「テメェらとは鍛え方が違ェんだよ」
    「確かに。バクゴークンの背筋、すごく鍛えられてて恰好良いよね。同じ男として憧れる、かな」

    「はっはっは!手間暇かけた掃除にだって意味はあるんだよ。雑巾がけや窓ふきは、美しい背筋を育てるトレーニングになる。練習の場と、キミたちのボディ、どちらも美しく保つためのヴィルなりのメニューなのさ」
    「ルーク先輩は、本当にヴィル先輩に理解がありますね」
    呆れと感心まじりのジャミルの言葉に、ルークは「ウィ!」と朗らかに返事をした。

    「美しい人やものは、ただ存在しているだけで私を豊かにしてくれる。『美しさ』はときに見るものを救い、ときに狂わせる強いパワーだ。だが、同時にとても儚く脆いもの。目を離せばすぐ損なわれてしまう。だから私は、力の限り美を守り、美を助けたいと思っているだけだよ」
    「ヴィル先輩のこと、まるで花や美術品のように言うんですね。確かに彼は美しい人です。しかし……守らねばならないほど儚く脆い印象かと言われればそうは思えないというか……」
    「オレも。ヴィルは、ダイヤみたいに硬くて強いって感じがするぜ」
    「そうとも。ヴィルは私が守る必要など全くない。手を差し伸べようものなら、13センチヒールの華麗なる踵落としを脳天にお見舞いされそうだ。私が守りたいのはヴィル自身ではなく、ヴィルのもつ『美』なのさ」

    ルークの感性は独特で、表現は詩的。その場にいる者たちの大半はルークの言葉に共感を示せず困惑した。

  • 47125/03/23(日) 14:43:42

    「やべ……ますます意味分からねぇ」ヒソヒソ
    「やっぱりポムフィオーレ寮って変わってるな……」ヒソヒソ
    「僕もポムフィオーレ寮だけど、ちょっとよくわからない……かな?」ヒソヒソ
    「それじゃあオレ様たちがお手上げでも当然なんだゾ」ヒソヒソ

    「なんだろう。言ってることはあんまり分からないけど、僕ちょっとルーク先輩に親近感あるんだ」ヒソヒソ
    「オタク仲間だからだろ。オールマイトについて熱弁してるときのテメェも大体あんな感じだわ」ヒソヒソ
    「えぇ、本当?」ヒソヒソ
    「無自覚かよ。これだからオタクは」ヒソヒソ

    「ふふふ。キミたちにもいつかわかる日がくるはずだよ。目もくらむほどの美しさで人生を明るく照らしてくれる……そんな存在に出会った時にね」
    語るルークの瞳はキラキラと輝いている。

    出久がオールマイトが沢山の人を“助ける”姿に、勝己がオールマイトが凶悪な敵に“勝つ”姿に憧れ、焦がれ、指針としたように。
    それがルークにとっては“美しさ”だったのかもしれない。

    目もくらむほどの存在、という感覚には覚えがあったため、出久は一人納得するとともに、「やっぱりこの人オタクなんだろうなぁ」と同族感情を高めた。

  • 48125/03/23(日) 14:47:05

    ちょっとダイス

    *ヘルシー食の満足度

    出久 dice1d100=46 (46)

    爆豪 dice1d100=55 (55)

  • 49125/03/23(日) 15:06:54

    オンボロ寮に戻ると、ゴーストたちがヴィルの提案したレシピに従ってヘルシーな夕食を用意してくれていた。


    「はぁ~……夕食食い終わったけど、なんか物足りなかったな」

    「わかる。まずくはなかったけど、全体的に辛さのパンチと油のコクが足りてねぇってかんじだ」

    若者らしくジャンクフードを好むエースと、味付けの濃い熱砂の国の料理に慣れているカリムがため息をついた。


    “痩せ”ではなく“引き締め”のためのメニューだという食事は、野菜、鶏肉のささみ、フルーツが中心で、量は十分だが食べ盛りの十代には満足感が足りなかった。


    「野菜ばっかじゃ食った気がしねぇんだゾ。イズクとオレ様は大会に出ねぇんだから、肉と揚げ物食わせろってんだ~!」

    「まあまあ。そりゃあカツ丼とかに比べれば物足りないけど、ヘルシーで美味しかったよ」

    「味のしねぇ病院食よか1億倍マシだわ」

    四肢の損傷中心だった出久と異なり、勝己は内臓を損傷しての入院だったため、一時期は離乳食じみた消化に優しい低刺激な病院食生活を余儀なくされていた。あれに比べれば、噛み応えがあって塩味がするだけマシというものだ。


    ――BEEP!


    「あれ、お客さん?こんな時間に誰だろう。はーい、今出ます!」

    オンボロ寮の呼び鈴が鳴ったので、出久は会話を切り上げて玄関へと向かった。

    やってきたのは宅配ゴーストで、エペル宛ての段ボールを10箱も届けにきたという。エペルを呼んでサインしてもらい受け取ると、オンボロ寮の玄関があっという間に段ボールで埋まってしまった。


    「絶対ばっちゃ……あ、おばあさまからだ。もう、電話で何度も贈らなくていいって言ったのに!」

    「実家からの仕送り?」

    「うん。僕の故郷は林檎が特産品で……たぶんこれ全部、林檎ジュース……かな」

    「全部!?すごい量だね……。あっ、エペルくん、この箱に手紙が付いてるよ」

    「えっ。どれどれ……『売れ残ってしまい、賞味期限が近いです。学校の友達と分けてください』。……も~!売れ残りば押すつげるなよ。でも、こんなに売れ残ってるなんて……」

    積みあがった段ボールの山をみて、エペルは悲しそうに目を伏せた。


    *出久の反応 dice1d2=2 (2)

    こんなにジュースを沢山送ってくれるなんて……。

    1.エペルくんっていいところの子なのかも。

    2.エペルくんって青森出身なのかな?

  • 50125/03/23(日) 15:24:33

    (大量に送られてくる林檎ジュースの仕送り……。これってまさか……)


    「エペルくんの地元って、ひょっとして青森県だったりする……?」

    「アオモリケン?それってどごだが?わー、……僕の地元は輝石の国にある“豊作村”ってところ、かな」

    「やっぱり違うよね……」

    ダメ元で聞いてみたが、やはりエペルの出身は青森ではないらしい。一瞬、元の世界と繋がっている場所があるのかも、と無為な期待をしてしまったため、出久はガックリと肩を落とした。


    「ミドリヤクン、なんかわからないけどごめんね。よかったらこれ、飲んでみて。林檎果汁100%、保存料ナシ。ビタミンたっぷりだから、ジュースだけどヴィルサンも怒らない……かも。味は保証するよ!!!」

    「こっちこそごめんね、エペルくん。ありがとう」


    「おい、テメェらいつまで玄関に……ってなんだその箱」

    「かっちゃん!玄関塞がっちゃったから、談話室に箱動かすの手伝ってくれる?」

    話を聞きつけて、先に談話室に戻っていたメンバーも段ボールの移動を手伝いに来てくれた。


    「飲み物だけをたくさん送ってくれるって、エペルもすごいお坊ちゃまなんだな」

    「えっ!?」

    「あ、なるほど。エペルは林檎ジュースのブランドにこだわりがあって、これしか飲みたくないとか?」

    「ぜ、ぜんぜんそういうわけじゃない……かな!?」

    デュースとエースの言葉にエペルが首をブンブンと振る。


    *かっちゃんの反応 dice1d2=1 (1)

    いかにも質が良さそうな林檎ジュースの仕送り……

    1.多分いいとこのヤツだな

    2.コイツの地元、絶対青森だろ

  • 51125/03/23(日) 15:53:14

    手助けもあり、段ボールの移動はすぐに終わった。

    「みんな、手伝ってくれてありがとう……ございます。早速だけど、よかったら林檎ジュース飲んでいって。林檎に含まれるクエン酸やポリフェノールは疲労によく効くんだ。レッスンで疲れた身体にぴったりのはず……かな?」

    談話室のテーブルの上に並べたグラスに、エペルが瓶の中身をなみなみと注いでいく。白く濁った林檎ジュースはいかにも濃厚そうで、甘酸っぱくみずみずしい香りがした。


    「これは……セ・ボン!実に美味だよ、エペルくん!」

    「本当だ!僕、こんなに美味しい林檎ジュース初めてだよ!」

    「確かに美味ぇな。うちのババァが昔買ってきたバカ高ぇ青森の林檎ジュースみてぇな味する」

    「またアオモリ……?」


    「酸っぱすぎず、甘すぎず。のどごしの爽やかさはまるで林檎畑を吹き抜ける涼やかな風のようさ。愛情を込めて真摯に作られているのがわかる逸品だ」

    「そうでしょう!このジュースは何種類かの林檎をブレンドして作ってる、故郷の自信作なんです!」

    自慢げに話すエペルはこの合宿で初めてといってもいい満面の笑みを浮かべており、次々と地元産の林檎の売り文句を語る姿からは故郷への愛情が伝わってくる。


    「でも………、輝石の国の片田舎で作っているせいか、どうも知名度が低くて。年々観光客も減ってて、このままじゃ……」

    「アンタたち。いつまで談話室にたむろっているの?」

    騒ぎを聞きつけて、自室いたはずのヴィルが談話室に下りてきた。


    「エペルくんの実家から林檎ジュースが届いてね。みんなで頂いていたところさ」

    「お、お砂糖は入ってません!保存料も!だからその、長期保管がきかないので……ヴィルサンもよければ、飲んでください」

    「ふぅん、そう。気が向いたらいただくわ。それよりそろそろ22時になる。就寝時間よ」


    「22時就寝!?小学生かよ」

    「寝る時間が早いイコール子どもだなんて考えこそお子ちゃまマインドね。美しい肌と髪を保つためには、7時間以上の睡眠が推奨されているんだから」

    夜更かし癖のあるエースがげんなりと呟くのを、ヴィルが鼻で笑った。


    *幼馴染の普段の就寝時間

    爆豪 dice1d5=1 (1)

    1.21時 2.21時半 3.22時 4.22時半 5.23時

    出久 dice1d4=1 (1)

    ↑の 1.同時 2.約30分後 3.約1時間後 4.約90分後 

  • 52二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 15:56:52

    OFAがあった頃は深夜にトレーニングやってたり公式ドット動画だと夜に宿題やらやってたけど…
    今は無個性かつ非寮制だから生活リズム変わった感じかなあ

  • 53二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 16:00:51

    必要そうな時は夜更かしするけど平均というか基本は早寝早起き、って感じなんだろな……

  • 54125/03/23(日) 16:06:25

    「ふわぁ……、そういえばもうこんな時間なんだね。眠くなってきちゃった」

    「オンボロ寮はもう消灯時間なンだわ。テメェらとっととクソして寝やがれ」

    「ミドリヤとバクゴーも寝るの早っ!?ジャックかよ……」

    普段の就寝時間を過ぎているため、出久と勝己はすでに眠気を感じている。元の世界ではナード趣味で夜更かしすることもあった出久だが、この世界ではヒーロー雑誌も特番もない。インターンなどで夜の任務にいくこともないので、早寝早起きで日中に全力で動くサイクルで生活している。


    「ああ、そうだ。全員に聞いておこうと思ってたけど……アンタたち、ヘアケアとスキンケアはどこのメーカーを使ってるの?」

    ヴィルの言葉に、その場にいた者の大半がぽかんとした。


    「え?ケアって……なんですか?」

    デュースが首を傾げる。

    「洗いざらしにしておくと髪が絡まるのでヘアオイルはつけてますが……肌は特に何も」

    「実家にいた頃はいろいろつけられてたけど、寮生活になってからはなにもしてねぇや」

    ジャミルの髪を除き、スカラビアコンビもあまり頓着がないらしい。


    *オンボロ寮のケア用品事情

    肌用 (1.ある、2.ない)

    ・保湿クリーム dice1d2=1 (1)

    ・日焼け止め dice1d2=2 (2)

    髪用 dice1d4=4 (4)

    ・全身石鹸

    ・トニックシャンプー

    ・リンスインシャンプー

    ・シャンプー+コンディショナー


    ドライヤー (1.使っている、2.使っていない)

    出久 dice1d2=1 (1)

    爆豪 dice1d2=1 (1)

  • 55二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 16:11:07

    2人も身体のあちこちに傷跡あるしね

  • 56125/03/23(日) 16:15:22

    「肌が乾燥すると傷がヒリヒリするので、保湿クリームくらいは塗ってますけど……」

    「コイツのモジャ毛が爆発すっから、一応コンディショナーもドライヤーも置いとる」

    「君の髪も大概だけどね」


    「油分を洗い流した肌をそのまま放置しているなんて、正気!?」

    ヴィルは合宿メンバーのあまりの美意識の低さに目を見開いた。

    「今からアタシのお手製スキンケアグッズを配るわ。それで朝晩の洗顔のあとは必ずケアして」

    「私とエペルくんはこのヴィルお手製スキンケアを使い始めてから肌荒れ知らずさ」

    「はい。これ以外にも日焼け止めとか、ルースパウダーとか、リップクリームとかハンドクリームとか……。いっぱい押し付……いただきました」

    なんとヴィルのケア用品は手作りらしい。流石は魔法薬学に長けた生徒が集まるポムフィオーレの寮長である。


    「ところで……瓶がいくつもあるけど、どうやって使うんだ?」

    「どこから?仕方ないわね……まずは洗顔料から教えましょう」


    *ヴィルが掴んだのは…… dice1d2=1 (1)

    1.出久の顔

    2.カリムの顔

  • 57125/03/23(日) 16:25:14

    「ミドリヤをモデルに実戦するから、アンタたちよく見て覚えなさい」

    「「は、はい」」

    ヴィルに頬を掴まれたかと思うと、出久はヴィルの前で椅子に座らされた。


    「ミドリヤ。アンタ普段洗顔するとき、なにを使ってるの?」

    「水……です」

    「論外!まず、ネットでよく泡立てた洗顔料の泡で顔を包み込むように洗って。ゴシゴシ擦るのは厳禁」

    羽が触れるような優しい力加減で出久の頬を濃密な泡が撫でていく。

    それが終わったら拭き取り化粧水。次に保湿化粧水。その次に乳液。それから3日に1度のスペシャルケア用パック。ドライヤーの前のヘアオイル。シャワーの後のボディーミルク。

    何がなんだかよく分からないまま、出久は花の香りがする液体を何種類も塗りたくられた。


    「ま、魔法薬学の実験手順のテスト並みに難しいぞ」

    デュースはすでに及び腰になっている。


    「おぉ……ヴィル先輩に色々やってもらったら、肌がいつもよりツルツルになった気がする!傷痕も柔らかくなったみたいで引き攣るような感覚がなくなって、なんだか調子が良いかも。触ってみる?」


    *かっちゃん dice1d2=2 (2)

    1.触ってみる

    2.触らない

  • 58125/03/23(日) 16:37:48

    「触るワケねェだろ」
    「だよね~」
    「じゃあ、オレが代わりに触って良いか?おお~、ミドリヤのほっぺ、もちもちだな!」
    ぷにぷに、とカリムの指が出久の左頬をつつくと、すかさずヴィルから「素手でべたべた顔に触らない!手は雑菌の温床なのよ」と叱責が飛んできた。

    「あのー、ヴィル先輩って魔法が得意だから寮長になったんすよね?肌とか髪とか、魔法でパパっと綺麗にする方法ってないんすか?」
    手間のかかるケアにすでに嫌気が差しているエースが、なんとも意識の低いことを言った。

    「アンタたちも魔法士なら理解していると思うけど、ほとんどの魔法や魔法薬に永続的な効果はないわ。魔法で取り繕った美は、一瞬夢を見せてくれるでしょうけど……アタシは、午前0時の鐘で解ける魔法に興味はないの。偽りのない純粋な美しさを手に入れたい。魔法の鏡が認めた、“美しき女王”のようにね」
    強い意思の籠った声でヴィルが語る。

    (ヴィル先輩……厳しい人だけど、それだけ真剣なんだ)

    出久は美容や舞台に興味をもったことはなくて、今もそうであるが、ヴィルの真剣な想いは理解できた。
    ヒーローが個性に頼り切りにならずに自らを強く鍛え続ける必要があるように、スターもまた自らを美しく磨き続ける必要がある厳しい道であるらしい。

    「もし伝説の鏡が現存していたら、きっとヴィルの美しさを認めていたに違いないさ」
    「………………そうね」
    ルークの賛辞に、ヴィルはやや間をおいてから返事をした。

    「少し話し過ぎたわ。全員部屋に戻りなさい。寝る前にスキンケアをするのを忘れないように!」
    「「は、はい……」」

  • 59125/03/23(日) 16:43:50

    「ふなぁ~。まだ合宿1日目だってのにもうクタクタなんだゾ~」

    「マネージャーも大変だね。出演者のみんなはなおさらだ」

    普段と違うことをすると心身ともに疲れるもので、鏡の寝室に戻るとグリムがよたよたとベッドに上った。


    「~~~♪………~~~♪」


    そのとき、オンボロ寮の庭のほうから歌が聞こえてきた。


    「この声……。様子を見に行ってみようか。かっちゃんも行く?」


    *かっちゃん dice1d2=2 (2)

    1.「行く」

    2.「行かねぇ」

  • 60125/03/23(日) 17:00:03

    「この声、ターバンだろ。俺は部屋から庭全体を見張っとる」
    「わかった。よろしくね」
    カリムは暗殺の可能性が常にある人物ということで、ジャミルが傍にいたとしても放置はできない。
    勝己は敷地内外に不審人物がいないか上から見守ることにして、出久が現地へ向かうことにした。

    「~~~~~~~~~~♪……んんっ、やっぱここでつまずいちまうな」
    「コラッ、カリム!夜ふかしすると、鬼コーチ・ヴィルにどやされるんだゾ!」
    「カリムくん、こんな夜にどうしたの?体冷やしたら大変だよ」
    「おわっ!グリムにミドリヤ!もしかして、寮まで聞こえてたか?悪い、悪い!」
    話を聞くと、カリムはここで歌の練習をしていたのだという。

    「……オレ…………。メインボーカルに選ばれなかったの、結構悔しくってさ」
    「へ?全然そんなふうに見えなかったんだゾ」
    「オレも発表された時はなんにも感じなかったけど、さっきベッドに入って目を閉じたらだんだん悔しくなってきて……いてもたってもいられなくて、練習しにきたんだ」
    ハァ、とカリムが白い息を吐いた。いつもは天真爛漫な輝きを湛えている大きな目が、物憂げに伏せられた。

    「……オレ、こんな気持ちになったの、初めてでさ」
    「はは~ん。さてはオメー、今まで手に入らねぇもんなんかなんにもなかったんだろ!」
    「あ~、う~ん、そうなんだけど、そうじゃないっていうか……ちょっと違うんだよなぁ」

    「オレ、『自分が選ばれて当然だ』なんて考えたことさえ、一度もなかった。ってことは、それが一度も頭をよぎらないくらい、ジャミルがオレに席を譲ってくれてたってことなんだよな……きっと」
    ゆっくり低い声でカリムが話す。その姿は、いつもよりもずっと大人びて見えた。

  • 61125/03/23(日) 17:13:09

    「カリムくん……」

    「……悔しいよ。スゲー悔しい」

    「そんなこと言ったら、オーディションに落ちたオレ様の方がよっぽど悔しいんだゾ」

    「あっ、それもそうか。悪い、嫌味を言うつもりじゃなかったんだ!いやぁ~、オレ、こういうとこだよな~。ほんとスマン!」

    「ウッ、素直に謝られると、尻の座りが悪い。エースたちなら逆に煽ってくるのに……」

    素直なカリムに逆に面食らったようで、グリムは居心地悪そうに出久の太ももにもたれかかった。


    「ゴホンッ!そう思うなら絶対に『VDC』で優勝するんだゾ」

    「そうだな。頑張るから応援してくれよ!」

    「うん、傍でずっと応援してるよ!」

    「ありがとな、ミドリヤ!よし。騒がしくして他の奴らを起こしたくないし、歌の練習はやめにして、今日は寝るとするぜ」

    「うん。おやすみ、カリムくん」

    「おう。おやすみ、ミドリヤ。グリム!」

    挨拶を交わすと、カリムはオンボロ寮の中へと戻っていった。


    「イズク。オレ様たちも早く部屋に戻ろうぜ。肉球の裏がヒエヒエなんだゾ」

    「そっか、グリム裸足だもんね。僕につかまって」

    肉球に息を吐くグリムが寒そうだったので、出久はグリムの足が雪の積もった地面につかないように抱き上げた。


    「…………グリム」

    「なんなんだゾ、イズク。そんなに頭撫でるんじゃねぇ」

    「あっ、嫌だったらごめんね」


    *出久 dice1d2=1 (1)

    1.「大きくなったなぁ、と思って」

    2.「成長したなぁ、と思って」


    *出久→グリム 好感度上昇 dice1d10=4 (4)

  • 62125/03/23(日) 17:21:51

    「ふなっ?オレ様別に身長伸びてねぇんだゾ」

    「体じゃなくて、心の話」


    先ほどのカリムの会話で、出久は殆ど話を挟まなかった。カリムと進んで話していたのはグリムの方だ。

    まだ人の機敏に疎く無神経なところはあるものの、出会ったばかりのグリムなら、カリムの心情なんてまるで理解しなかっただろうし、最後に寄り添うような言葉だってかけなかっただろう。


    先ほどの会話からグリムの情緒の成長を感じて、出久は少し嬉しい気持ちになった。


    「でも、体も少し大きくなったかな。なんか重みが増してる気が……」

    「な~んだ、じゃあやっぱり身長も伸びてるんだゾ!次の身体測定が楽しみなんだゾ~♪」

    「そうだといいんだけど……」

    これで体重だけ増えていた場合、ツナ缶減量を言い渡す勝己とグリムが揉めるのが目に見えている。多分成長期だろう、と自分に言い聞かせ、出久はグリムを抱っこしたままオンボロ寮に戻った。


    *目星ロール (1.成功 2.失敗)

    出久 dice1d2=2 (2)

    ※成功すると近くでジャミルが見守っていたことに気づきますが、特に会話等は発生しません。

  • 63125/03/23(日) 17:41:51

    その日、出久は夢を見た。


    絹を裂くような少女の悲鳴が聞こえる。

    雪のような肌の少女に狩人襲い掛かり、心臓を抉り取ろうとナイフを振りかぶる。しかし、そのナイフが振り下ろされることはなく、狩人は葛藤の果てに涙を流した。


    ――ダメです、私にはできない。そうかご勘弁を……お許しを……

    ――女王が姫君を妬んで亡き者にと……逃げなさい!


    女王は狩人から心臓を受け取ると、魔法の鏡に語り掛けた。


    ――世界で一番美しいのは、白雪姫です


    鏡の返答は変わらない。狩人が献上したのは、豚の心臓だった。


    ――あの裏切り者め!


    怒りに囚われた女王は、城の地下で怪しげな魔法の薬を調合した。


    ――いざ、見せよ。その魔法の力を


    盃の中身を飲み干すと、彫刻のように整った女王の姿が、溶けるようにして変化していく。

    肌は垂れ、鼻は横に広がり、目は落ちくぼみ、歯は抜けて不揃いになる。女王は、老いた姿へと変わり果てていた。


    ――これなら誰にもわかるまい。どんな方法がよかろうか?


    老婆となった女王は、キヒヒと不気味な笑い声を上げた。


    *出久 夢への違和感 dice1d10=3 (3) +82

  • 64125/03/23(日) 17:44:03

    ちょっとダイス


    *対抗ロール

    グリム dice1d100=25 (25)

    爆豪 dice1d100=6 (6)


    グリムの数値が高ければ爆豪は寝たまま、爆豪の数値が高ければ起きます

  • 65125/03/23(日) 17:53:32

    ゆさゆさ。身体を揺さぶられ、出久は不吉な夢から覚醒した。

    まぶたをあけると、グリムの燐光のような色の目が覗き込んでいた。


    「グリム……?」

    「やっと起きたか。黙ってオレ様と一緒に来るんだゾ。みんな寝てるからな。足音を立てるんじゃねーんだゾ!」

    勝己に聞かれたくないのか、グリムは出久の耳もとギリギリで小さな声で囁いた。


    なんだろう、と思いつつもグリムに着いていった先、談話室でエースとデュースが待っていた。

    「あ、来た。こっちこっち」

    「エースくん、デュースくん。なにかあったの?」

    「やっぱ夕食あんだけじゃ食った気しなくってさあ。冷蔵庫にトレイ先輩のお土産のタルトがあること思い出して。オレ、食べ物粗末にするのは良くないと思うんだよね~」

    要するに、深夜のつまみ食いしたい、ということらしい。イチゴのタルトをつまみ食いしてリドルに首輪をかけられたことの反省がまるで生きていない。


    「僕は食べにきたわけじゃないぞ。み、水!水を飲みにきただけだ」」

    デュースは慌てて弁明した。

    「夜にこっそり盗み食いするおやつは昼間の100倍美味いんだゾ、ぐひひ!冷蔵庫、オープン!」


    冷蔵庫の中には、トレイが焼いた宝石のようなケーキが並んでいる。ケーキは消費期限が短い。もって明日の昼までだろうが、合宿の内容的に食べるタイミングはこないだろう。


    *出久 dice1d2=1 (1)

    1.いや、でもやっぱりつまみ食いはダメだよね。食べない。

    2.捨てちゃうのは勿体ないしなぁ。食べる。

  • 66125/03/23(日) 17:56:24

    「オレ、チョコレートケーキにしようっと」

    「オレ様はアップルパイがいい!」

    悪戯が成功したような笑みを浮かべ、グリムとエースがケーキを手に取った。


    「僕はなにも見てない。なにも見てないからな」

    「やっぱりつまみ食いは気が引けるし、僕もいいかな」


    *対抗ロール

    出久 dice1d100=91 (91)

    エース dice1d100=15 (15)

  • 67二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 18:18:21

    出久強っ…

  • 68125/03/23(日) 18:21:13

    「ミドリヤ、デュース、ちょっとこっち向いて」
    「ん?……おっと」
    「ん?……ふがっ!!」
    二人が振り向くと、エースがケーキを口に差し込もうとしてきた。出久は避けたが、デュースはよけきれずに口にケーキを突っ込まれた。

    「ふぁにふるんふぁ!トレイ先輩のアップルパイ。手に入れたからには、お前も共犯な」
    「はぐはぐっ!う~~~ん、ごろごろ入った林檎が罪の味なんだゾ!」
    「もごもご……ごくん。く、口をつけたものを残すのももったいない。一切れだけなら……」
    「取り上げられた炭酸ジュースも飲んじゃおっと」
    「あ~あ……。僕、知らないからね」

    目の前の光景に出久は呆れてしまった。深夜にお菓子を食べて肌荒れなどしようものなら、ヴィルの雷が落ちるのは自明である。

    「あらあら。夜中にキッチンでなにをしているの?子ネズミたち」
    「ふなっ!?この声は……」
    「言いつけを守れない悪い子は、お仕置きよ」
    パチリ、と談話室の照明が点く。そこにいたのはヴィルだった。

    「オレら育ち盛りっすよ!夜中に腹減るのくらい当たり前じゃん」
    「ハーツラビュル寮生としては、クローバー先輩の手作りスイーツを無視することはどうしてもできねぇっていうか……!」
    「ひ、開き直っている……!」
    エースもデュースも完全に自分を正当化しにかかっている。ヴィルは意外にも激昂せず、冷ややかな目をして談話室の掛け時計に目をやっただけだった。

    「……そろそろ時間ね」
    「はあ?時間って…………ッ!!?」

    バタン!エースの声が不自然に途切れたかと思うと、ケーキを食べた3人の体が一斉に倒れた。
    ただならぬ事態に、出久はすぐに三人に駆け寄った。

  • 69125/03/23(日) 18:23:18

    「みんな、どうしたの!?意識はある?吐き気はない!?」

    「意識も吐き気も大丈夫だけど、体が動かなくて……」

    「呼吸、発汗に異常はなし。心拍も正常。瞳孔の散大や縮小もなし。筋肉の痙攣もなし。チアノーゼもない……。中毒症状はないのに動けないってことは、『凝血』みたいな動きを拘束する魔法……?」

    「ふっ……惜しいわね。拘束魔法じゃないわ。それは“呪い”」

    エースたちの様子を見るために膝を着いている出久を、ヴィルが見下ろした。


    「の、呪い?呪いを食べ物に仕込むってどういう……」

    「これはアタシのユニーク魔法。『美しき華の毒(フェアレスト・ワン・オブ・オール)』。この魔法は、手で触れたものに“呪い”を付与することができるの」

    爪の先まで手入れされた美しいヴィルの手が、力を示すように妖しく動いた。


    「この強烈な呪いは、条件を満たすまでアタシにも解けない。昼間アンタたちから回収した菓子にかけた呪いはこうよ……『これを口にした愚か者は、翌日日が昇るまで動けなくなるだろう』」


    *出久の反応 dice1d2=1 (1)

    1.ヴィルの魔法への驚き

    2.食べ物に呪いをかけたことへの怒り

  • 70二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 18:26:59

    食べ物アウトって言ってたし何か対策してても不思議じゃ無い

    個人的には食べ物を食べなければ発動しないから食べ物に魔法をかけたことには粗末にしたって印象無いな

  • 71二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 21:24:52

    このケーキの呪いとく条件ってほんぺんで分かってたっけ?それが分からないと場合によっては粗末にする事になりそうだよな……って思っちゃう
    ※合宿終わるまでみたいな期間→いくら冷蔵庫入れてようとダメになる、みたいに

  • 72二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 21:33:24

    >>71

    後々の話で術者の心次第で呪いにも祝福にもなるって言われてたはず

    だから「このケーキは腐らないし味も落ちない」って呪ったら保存できるんじゃない?

  • 73二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 21:57:28

    食べ物を粗末にはしない、って言ってたから消費する算段自体はつけてたのかなぁ
    一日の摂取カロリーと消費カロリーの釣り合いを取るなら許可するとか、いっそトレイに返してハーツラビュルで食べてもらうとか
    この呪い「日が昇るまで動けない」だから昼間に食べるなら無効なのかな

  • 74二次元好きの匿名さん25/03/23(日) 22:34:20

    >>73

    「翌日日が昇るまで」なら昼に食べたら食べた日の次の日の日の出までなんじゃない?

  • 75二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 00:20:38

    このレスは削除されています

  • 76二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 00:22:51

    このレスは削除されています

  • 77125/03/24(月) 00:23:33

    (ミスったので再送)

    めっちゃ暇だったから幼馴染のSD風イラスト作ってみた
    何をしてもデクのシルエットが野暮ったくなって直せなかったけど諦めてそのままにしてます
    寮章付けるか迷いましたが、確かPart1で二人が寮章つけてないセリフがったので、このスレではオンボロ寮の寮章は存在しないってことで
    そのうち他の衣装verも作りたいね……
    (見苦しくなってすみませんが、念の為無断転載禁止ロゴ入れさせてもらいました)

  • 78二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 00:32:10

    すげえええええええええ!!!
    二人共可愛いです!!!
    デクのぶっといネクタイと赤いシューズがお馴染み感出てるし、かっちゃんの片手袋もかっこいいです!!!
    確かPart1で決めてましたね…なんかもう、全部すごい!!!ありがとうございます!!!

  • 79二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 05:22:33

    かわいいいいい!!!!!
    え、こんな子いたら撫でくりまわしたい

  • 80二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 06:21:01

    >>77

    よく見たらかっちゃんのウエストの位置低くてちゃんと腰パンになってるの草

    デフォルメでも二人の手の傷が物々しいね…

  • 81二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 12:25:15

    デクがすっごい普通に真面目な着こなしでかわいいなあ、の中で目に入るぶっとネクタイ

  • 82二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:21:41

    >>73

    まあ本気で食べさせない気ならわざわざ冷蔵庫じゃないよな

  • 83二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 20:11:15

    >>77

    めっちゃかわいい

    この2人からSMASHとハウザーが飛んで来るの予想出来るやついる??

  • 84二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 00:16:23

    >>77

    かっちゃんの赤い吊り目とデクの緑でまんまるな目の対比がかわいい

    素敵なイラストありがとう!!!

  • 85二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 06:21:55

  • 86二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 06:56:19

    ふたりとも目が凄く本人だ!かっこいいし可愛い~!


    早朝訓練前のエネルギーバーみたいな感じにするつもりだったのかもね>ケーキ

    もしくは命令違反者を炙り出すために冷蔵庫にいれておいた、とか。

    本編あんな感じになっちゃったから真相はわからんけども。

  • 87二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 14:16:23

  • 88二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:33:54

    >>86

    結局どうなったかわかんないんだっけ?

    さすがに処分したって事はないだろうし、本編外で食べたかゴーストのおっちゃんたちのおやつになったかな

  • 89125/03/25(火) 21:29:25

    「手を触れたものに……。“呪い”と“魔法”の違いは分からないけど、内容を術者の好きに指定できるってことはスターの『新秩序』に近い使い方ができるのか?同時に発動できる対象とか魔法の発動時間とかがすごく気になるけどブツブツブツブツ……」

    「何を一人でブツブツ言ってるのよ」

    ヴィルは長考モードに入った出久に呆れた表情を浮かべた後、エースとデュースをきつく睨んだ。


    「『VDC』本番まで、砂糖や添加物たっぷりの食品は控えるようにと言ったわよね?代表メンバーに選ばれた自覚がなさすぎる!罰として、その硬い床で朝まで転がってなさい」

    ヴィルの言葉に、転がっている三人が「えぇ~~っ!」と悲鳴を上げた。ちなみに、デュースは巻き込まれただけだと主張したが、連帯責任の一言で有罪となった。

    出久はケーキを口にしていないから、と一応はお目こぼしされたが、「舞台に上がらないからって甘えないことね」と釘をさされた。


    「アンタもジャガイモ床に転がされたくなければ、さっさと部屋に戻りなさい」

    「でも、夜のオンボロ寮は冷えますし、ここで一晩っていうのは……」


    「何かトラブルかと思って来てみりゃ、何しとンだテメェら。夜中にギャアギャアうるせェんだよ。人の安眠妨げてンじゃねェわ」


    そのとき、目を血走らせた勝己が寝室から出てきた。出久たちが使っている鏡の寝室は1階にあり、談話室の声はほぼ筒抜けである。

    勝己はケーキの箱と、倒れている3人と、おかんむりのヴィルを見て素早く状況を把握した。


    *ケーキをつまみ食いした3人は…… dice1d3=3 (3)

    1.出久が寝室へと運ぶ

    2.勝己が寝室へと運ぶ

    3.談話室に寝かせておく

  • 90二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 21:38:02

    かっちゃんがキレてその辺寝かしとけ!!ってなったかな

  • 91125/03/25(火) 21:47:55

    「寝ろや!!!」

    「言われなくてももう寝るわよ。睡眠不足は美容にとってもパフォーマンス維持にも大敵だもの」

    そう言うとヴィルは階段を上っていった。

    「……まったく。どいつもこいつも、なぜそんなに美しくない振る舞いができるのかしら。アタシには、ちっとも理解できない」


    「出久も、明日からレッスンと文献調査の両立、寝不足でできねェなんて言ったら爆破しコロすかんな」

    「うん。三人を部屋に戻したら僕も……」

    「甘やかすな、罰くらい受けさせとけや!!自業自得だろが!!!」

    「いででで!!わかった、わかったから!!風邪ひかないように毛布だけかけてあげたら僕もすぐ寝るから!!!」

    3人の世話を焼こうとする出久を、勝己が背負い投げするような勢いで寝室にぶち込みにかかった。


    「ふな~~~~~~っ、イズク~~!オレ様を置いていくじゃねーんだゾ~~!」

    「テメェら甘ったれてんじゃねーぞ!仮にも代表選ばれたンなら最善尽くせや、テッペンとんだろーが!!」

    「…………!!」

    「いや、オレはテッペンとるなんて言ってねぇし」

    「オレ様は代表じゃねーんだゾ!!」

    グリムの反論は正論だが、エースとの共謀なのでややグレーである。


    出久は3人のために寝具だけ談話室に運び込み、鏡の寝室に戻った。


    *出久が運んだ寝具

    1.毛布

    2.↑+枕

    3.↑+敷布団


    寝室に戻ると、勝己は豪快に毛布を被りあっという間に寝てしまった。自己管理の鬼である。

    僕も寝よう、と出久がスリッパを脱いでベッドに上る時、ふと大鏡が目に入った。

    鏡には、出久でも勝己でもない影が映ったような気がした。


    *出久 夢への違和感 dice1d10=8 (8) +85

  • 92125/03/25(火) 21:50:03

    >>91

    ダイス忘れ

    *出久が運んだ寝具  dice1d3=1 (1)

    1.毛布

    2.↑+枕

    3.↑+敷布団


    本当はこの夜にミキ御大のイベありますが、違和感数値足りてないので先送りします。

    下手に鏡と会話するとかっちゃんに見られそうですが、かっちゃんが鏡の中身を見れるのかは謎

  • 93二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 21:57:24

    一瞬ミキ御大…?となった愚か者は私です
    御大といい根津校長といい、どの世界でも鼠は偉大な存在なんだなぁ

  • 94二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 23:06:39

    >>77

    ちょーーーー可愛い‼️‼️

  • 95二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 06:05:37

    うん、毛布くらいでいいよデクくん
    やりすぎ感少し感じるけどかっちゃんの言う通り最前尽くすなら明確な理不尽でなければ指導してくれる人の言う事聞くもんだ

  • 96二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:41:58

    >>93

    それに比べて某カラスときたら…

  • 97二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 21:09:39

    カラスはカラスだから……

  • 98二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 01:20:59

    怖いので保守

  • 99二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 06:34:35

    本編でもまだ謎だけど学園長の他に理事長がいるはずなんだよな
    学園長よりやべー奴なんだろうか
    助けて根津校長!

  • 100125/03/27(木) 11:48:27

    夜中にトラブルはあったが、合宿は続く。

    ケーキをつまみ食いした3人は体がガチガチになってしんどそうにしている中、翌日からポムフィオーレのボールルームでの朝練が始まった。


    「昨晩の騒ぎ、敵襲かと思って飛び起きてしまったじゃないか。人騒がせな……」

    ジャミルがジトっとした目で3人組を睨んだ。


    「好きで床に寝てたんじゃねーし!ヴィル先輩のユニーク魔法でやられたんスよ!」

    「ヴィル先輩のユニーク魔法?」

    「食い物に“呪い”を仕込めるっているおっかねえ魔法だったんだゾ!」

    エースとグリムが必死に弁明する。「食べ物に呪いィ!?」とカリムが大きな目を見開いた。


    「オレ、毒ならだいたい気付けるけど、呪いはさすがに気づけないかもなー」

    「魔力を使用すれば多少の痕跡は残るものだが……ふむ」

    「あの……カリム先輩。逆になんで毒なんかに気づけるんすか?」

    「ん?ああー、昔、飯に入ってたことがあって」

    カリムとジャミルは物騒な話題をするにも普段の調子だ。アジーム家の嫡男であるカリムは、過去に何度か毒を用いた暗殺未遂の目に遭っており、その毒見役のジャミルも毒に当たったことがあるらしい。


    「そのうち、飯の度『これ、食べて大丈夫か…』とか疑うようになっちまって。でも料理人や同じテーブルについてる誰かを疑いながら食べるより、美味しく楽しく食べたいじゃんか」

    「そ、それはそうですけど」

    「『これは毒が入ってない』って先に分かってればちゃんと味わって食えるし、もし口に入れてもすぐヤバいと気付けたら、取り返しがつかないことにはならないだろ?オレも、相手もさ」


    もし、犯人が心を入れ替えて謝ろうとしても、自分が毒で死んでしまっていたら挽回のチャンスがない。そうならないためにもオレは生きてなきゃ、とカリムはあっけらかんと笑った。


    「……テメーが毒の鑑定の知識をつけたのは、自分じゃなくて他人のためってことか」

    「それもあるけど、結局は美味いメシを食うための生活の知恵みたいなもんだけどな。あっはっは!」


    *カリムの話の理解度

    出久 dice1d100=81 (81)

    爆豪 dice1d100=55 (55)

  • 101125/03/27(木) 12:19:29

    「相手の挽回のチャンスを残しておくためにも生きてなきゃ、か……。あまり意識したことなかったけど、すごく素敵な考え方だ」

    「どこからンな考えが湧いてくるのかは分かんねェが、自分が勘定に入ってるだけどこぞの誰かよりマシだな」


    *出久 dice1d2=1 (1)

    1.「それって誰のこと?」

    2.「……これからはちゃんと考えるよ」


    カリムの真っすぐすぎる性根に周囲が戸惑い、「なぜ闇の鏡に選ばれたのか?」という話題になった。

    話すうち、カリムは本来の入学より二か月遅れで特別枠で入学許可証が届いた編入生であることが判明した。

    「あの学園長のことだ、どうせアジーム家からの寄付欲しさに裏口入学を決めたんだろうさ」とジャミルが心底うんざりしたように呟いた。


    「おかげで俺は自由な学園生活がパァだ」

    「オレはこの学園に来られて、毎日楽しいぜ。ジャミルとも改めて友だちになれたしな!」

    「だから、俺とお前は友だちじゃないって言ってるだろうが……!」

    カリムとジャミルのすれ違いは相変わらずのようだが、呆れきった表情をジャミルが遠慮せずに浮かべるあたり、仲は進展しているらしい。


    丁度会話に一区切りついたタイミングで、ヴィルがボールルームにやってきた。


    「揃ってるわね、ジャガイモたち。マネージャー、曲をかけて」


    やってきたヴィルにさっそくオーディオプレイヤーを渡されて、出久は再生ボタンを押した。以前聞いたデモ曲にボーカルが入っている。


    「これが譜割りよ。早速音取りを始めましょう」


    本番用の楽曲が完成し、いよいよ本格的な練習が始まった。

  • 102125/03/27(木) 12:23:14

    練習シーンは主要なとこ以外カットします!


    ちなみに、原作だと7人チームなのでヴィルがセンターなのですが、ここだとかっちゃんが入って8人チームなので偶数なんですよね


    でもスレ主的にヴィルがセンターになるフォーメーションは譲れないので、かっちゃんの立ち位置はヴィルの真後ろということにします

    客席からあんま見えないけど、怪我してるから見えにくいように配慮したみたいな建前ってことで


    *かっちゃん 立ち位置への納得感 dice1d100=81 (81)

  • 103二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:30:57

    デクゥ……お前ぇぇ…………
    かっちゃんはまあその辺納得はするもんな

  • 104125/03/27(木) 12:46:43

    練習が本格化し、目まぐるしい日々が過ぎていく。

    勝己はハードな練習、出久は8人分のマネージャー業をこなしながら、時間の隙間を縫って図書館で文献調査を続けていた。


    *疲労感

    出久 dice1d100=11 (11)

    勝己 dice1d100=62 (62)


    「ああもう、ダメ、ダメ!いったん音止めて!」

    今日もボールルームにヴィルの厳しい声が響く。ダメ出しの対象はエペルだ。


    「うわ出た、エペルしごき。ああも毎日だとさすがに可哀想になってくるわ」

    「エペルはメインボーカルだし、それだけ期待されてるってことだろうが……」

    同じ一年生同士であるエースとデュースがヒヤヒヤした目でヴィルとエペルを見守る。

    ヴィルはキツい言い方でエペルに説教を浴びせかけた。


    「でも、これが、僕のできる精一杯の“愛らしさ”で……」

    「愛らしさとぶりっこは別物よ。そんなことで、あのネージュを仕留められると思ってるの?」

    「~~~~~~~~~~~~~~っ俺は、っ……!」

    説教の途中、エペルの雰囲気が気弱そうなものから一転して、ブチ切れる寸前の勝己のように一気に沸騰した。


    「俺は、可愛くなんかなりたくないっ!ポムフィオーレなんかに入りたくなかったし、『VDC』だって出たくねえ!俺は、こんなお遊戯するためじゃなく、強くなるためにナイトレイブンカレッジに来たんだ!俺がなりてぇのは、なよっちい男でなぐで、たげでがぐで、たげ強ぐで、たげ逞すい男だ!!」

    吠えるような声でエペルが叫ぶ。訛り混じりの荒っぽい口調で話すエペルは流暢で、こちらが素なのだとハッキリ分かる。


    (エペルくん、ずっと我慢してたんだ……)


    「呆れた。思い通りにならないからった癇癪を起こして良いのは、3歳児までじゃなくって?アンタは“愛らしい”と“強い”が別もののように話すけど、その2つはどちらも等しく“パワー”よ」

    冷え切った目でヴィルがエペルを見下ろす。

    美学が異なる二人の問答は平行線で、いつまでたっても妥協点がみつかりそうにない。エペルの憤懣は最高潮に達し、目に涙が浮かんだ。


    「もういい。もうやめる。俺は、このチームを抜ける!!!」

  • 105二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:48:09

    かっちゃんをヘットヘトにさせるヴィル様の練習って一体…!?

  • 106二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:50:57

    心臓やってる人間がハードなダンスやったら体が悲鳴を上げるのはそれはそう
    心肺機能落ちてるのに歌いながらダンスとかやったら酸欠待ったなしよ

  • 107125/03/27(木) 16:15:14

    「……あら、そう。いいでしょう。じゃあ“いつもの”を始めましょうか」

    突然のエペルの脱退宣言に驚くメンバーに対し、ヴィルは冷静だった。


    「“いつもの”?」

    「ミドリヤくん。大丈夫だよ。これは喧嘩ではないから」

    ヒリつく空気の中で二人の仲裁に入ろうかどうか迷った出久に、ルークが囁いた。

    「どうみても一色触発の空気ですけど……」

    「まあ、みておいで」


    「さあ、マジカルペンをとりなさい、エペル」

    「……今日こそは、絶対勝ってやる!」

    「……本当に喧嘩じゃないんですか?」

    ヴィルとエペルがマジカルペンを構え、決闘さながらに戦い始めた。エペルは果敢に挑んだが、孔雀が羽虫を払うようにヴィルがマジカルペンを一振りすればエペルの魔法はあっけなく霧散してしまい、吹き飛ばされた。


    「はい、今日もアタシの勝ち。今のアンタは可愛くも強くもない、毒をもたないただの林檎ちゃん。そんなことじゃ、いつまでたってもアタシに傷1つつけられないわよ」

    力の差は歴然だった。


    「いいこと、エペル。初めて会った日にも言ったけど……自分の思うままにふるまいたいなら、強く、美しくなりなさい。子どもじみた駄々をこねるのはやめて、レッスンに戻るのよ」

    「じ、じぐじょお…………っ!!」

    膝をついたまま、エペルの目からボタボタと悔し涙が流れ落ちる。

    「俺は、俺は…………ううっ!」

    エペルは立ち上がると、ボールルームを飛び出して出て行ってしまった。


    「あ、エペルっ!」

    「エペルくんっ!」

    デュースと出久が声をかけたが、エペルは止まらなかった。

    「放っておきなさい。これくらいで挫けるようなら、そんなメンバーはこっちからお断り」


    *口を挟むのは dice1d2=2 (2)

    1.出久  2.デュース

  • 108125/03/27(木) 16:30:21

    「……その言い方はないんじゃないですか?」
    基本的に上の人間には刃向かわないデュースだが、エペルを想ってヴィルの前に立った。

    「あいつはあいつなりに、歌も踊りも頑張ってました。なのに……」
    「――努力すれば報われるだなんて、甘えないで!!!」
    ビリビリと空気を震わせるような声でヴィルが叫んだ。

    「だいたい新ジャガ2号。アンタは他人を心配してる余裕があるの?自分が足を引っ張ってる自覚、ないとは言わせないわよ」
    「それは…………っ」
    デュースはエペルに次いでヴィルから指導される回数が多い。同じ時期にダンスを始めた勝己とエースに比べても、仕上がりの差は歴然だった。
    「チームきってのお荷物が、一丁前な口をきかないで」
    「………………、すんません」

    「あーあー、怒られた」
    元の配置に戻ったデュースに、エースが普段の調子で嫌味混じりに絡みにいった。

    「だから余計な首突っ込むのやめとけっていつも言ってるじゃん。お前、バカだし要領よくないんだからさぁ」
    「………………ッ!!うるせぇな!!わかってんだよ、そんなことはッ!!!!“要領がいい”お前には、わかんねぇよ!」
    デュースもまた心が張りつめており、エースの一言で決壊してしまったようだった。気持ちのやり場がないのか、デュースもボールルームを飛び出して行ってしまった。

    「デュースくん!!」
    出久は合宿が始まってから、毎日エペルとデュースと一緒にバレエレッスンしてきた。
    二人が不得手な分野でなんとか結果を出そうと努力してきた姿を知っている。そんな二人が思いつめた顔で飛び出してしまったのを、出久は放っておけなかった。

    「ごめん、心配だから僕追いかけてくる!!」

  • 109二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 16:47:01

    このレスは削除されています

  • 110125/03/27(木) 16:48:50

    「はぁ~~~~~?なんだよあれ。意味わかんね」

    「テメェはもう少し慮れや、煽りカス」

    「それ、バクゴーにだけは言われたくねーんだけど?」

    三人も飛び出していってしまったボールルームは地獄の空気だ。


    「これじゃ練習にならないな。先輩がた、少し休憩にしませんか?」

    ジャミルはこんなときでも気遣いのできる男である。ジャミルの提案にのっとり、一度各々休憩をとって仕切り直すことになった。


    「ふなぁ~~。イズクとデュースのヤツ、どこ行っちまったんだゾ」

    「テメェ獣なら匂いで見つけてみせろや」

    「オレ様の鼻はグルメにしか反応しねーんだゾ」

    外の空気を浴びに、あるいは水分を足しに、メンバーがボールルームを出ていく。勝己とグリムも飛び出していった出久を探しに廊下に出た。


    「――“Mira,Mira”、教えてちょうだい」

    『はい。何を検索しますか?』

    そのとき、ボールルームの方からヴィルと機械の声がした。

    「今この時、最高に美しいのは誰?」

    『“美しい メンション数第1位 アカウント”についてのWeb検索結果は……ネージュ・リュバンシェです』


    「……………努力すれば報われるのは、おとぎ話の中だけよ」

    重く暗いため息とともに、ヴィルが低く呟く声がした。


    *爆豪の勘 dice1d100=30 (30)

  • 111125/03/27(木) 17:13:41

    「デュースくん、こんなところにいた」
    足が速いデュースに、出久はようやく追いついた。

    「ミドリヤ。悪い、飛び出したりしちまって」
    「ううん、謝ることないよ。ヴィル先輩に思ったことをハッキリ言ったところ、恰好良かったよ」
    「恰好良いだなんて。バカなことしたって思う。でも、中庭の井戸の前で出会ったときから、ずっとエペルのことがひっかかってて」
    そういえば、デュースがオーディションに参加する気になったのは中庭でエペルに会った後だったことを出久は思い出した。

    「どうしてか聞いてもいい?」
    「……たぶん、僕とあいつは似てるんだ。うまく言えないんだが、『変わりたいけど、変われない』っていうか……。でも自分を変える方法がわからなくてジタバタしてるっていうか……」
    デュースは内心を出久に伝えようとしたが、どうにも納得のいく言葉が出てこないようで、ガシガシと頭をかいた。

    「あー、くそ。エースの言う通りだ。僕はバカで要領が悪いから上手く伝えられない。悔しいな……」
    「デュースくん……」

    「その悔しさは、青春の甘い痛みさ!ムシュー・スペード!」
    「どうしたどうした!?元気出せよ!」
    「「うわっ!!??」」
    しんみりした空気をぶち抜くように、ルークとカリムの明るいクソデカ声が二人の真後ろから響いた。ダンスレッスンを再開するので、様子を見にきたらしい。

    「……僕、戻ってもいいんでしょうか。足を引っ張ってる自覚はあるんです。メンバーに選ばれたからには頑張ろうと思ってる。でも、このままじゃ……」
    「うぬぼれてはいけない、ムシュー・スペード」
    ルークから厳しい言葉が出るが、その表情は穏やかだった。

    「キミたちはまだ、卵の中の雛鳥も同然。殻も被っていないうちから、自分の限界を決めてしまうのはナンセンスだ。美しい囀りも、山脈を飛び越える羽根も、卵の中で蹲っているだけでは手に入らないよ」
    「ハント先輩……」
    「大丈夫。私にはずっと聞こえているんだ。コツコツと硬い殻を破ろうと奮闘するキミたちのくちばしの音がね」
    ルークは雛鳥がもつ“卵歯”を喩えに出した。卵歯は雛鳥だけがもつ鋭い角のようなもので、成長するにつれ失われてしまう。卵歯のように、今のデュースにしかない“パワー”がきっとあるのだと。

    「私は……いや、きっとヴィルも。楽しみに待っているんだよ。キミたちが、分厚い殻を破ってくれるのをね」

  • 112125/03/27(木) 17:44:23

    「今の僕にしかない、強さって……うぅん……。……ダメだ。いくら考えても、少し足が速いことくらいしか思いつかない。頭も、要領もよくない。僕のいいところなんて……」
    「お前、そうやって頭でいろいろ考えちまうから良くないんじゃないか?自分が馬鹿ってわかってるのに、なんでわざわざ脳みそ使って答えを出そうとするんだよ」
    頭を抱えて悩んでしまったデュースに、今度はカリムが励ましの言葉をかける。

    「苦手ってわかりきってることをして、ダメな結果を自分に突きつけて落ち込んでるっていうか。そんなんじゃ、自分の良いとこなんか見えてこないだろ」
    「カリムくんの言う通りさ、デュースくん。キミの強さは、きっと“頭をつかうこと”ではないんだ」
    カリムもルークも、この学園では珍しい褒めて伸ばすタイプだ。二人の言葉に共感できる部分も多くて、出久も余計なお世話ながら声をかけることにした。

    「デュースくん、さっきエペルくんを庇おうとしたとき、きっと考えるよりも先に体が動いちゃったんでしょ?僕、君の正義感が強くて真っすぐなところ、格好良くて素敵だと思ってるよ」
    「正義感、って。それを言うならミドリヤの方だろ。……ミドリヤは本当にすごいよ。頭も良くて、喧嘩も強くて、勇敢で、理想の優等生みたいで……」
    「そんなに褒められると照れちゃうなあ。でもね、実は僕、元の世界では結構問題児だったんだよ」
    「えっ、本当なのか!?」
    「うん。考える前に体が飛び出しちゃうから、トラブルに巻き込まれて何回もヒーローとか警察の人に怒られたよ」
    「ミドリヤが警察の世話に!?ますます信じられない……」
    「あはは。他にもかっちゃんと私闘して二人で謹慎くらったりしたこともあるし、ちょっと無茶して学校飛び出して、クラス全員と戦って連れ戻してもらったこともあったし」
    「ミドリヤ……すげー元ヤンだったんだな」
    「元ヤンではないかな」

  • 113125/03/27(木) 17:59:35

    「ミドリヤの話、面白いな!……オレもよく考えなしだとか、能天気すぎるとかジャミルに言われるけどさ。落ち込んでも、喰って寝て踊ればすぐに『なんとかなるさ』って忘れちまえる。それはオレの良いところだって、自分で思う」

    カリムが堂々と胸を張る。


    「だからさ、ダメに感じるところにも、良いことはあるっていうか、上手く言えねえけど」

    「短所も長所になる、ってことだよね」

    「…………ッ!!…………そうか。そういうことか……!」

    出久たちの言葉を咀嚼できたのか、落ち込んでいたデュースの表情が晴れていく。

    「ありがとうございます、アジーム先輩。ハント先輩。ミドリヤ。僕、少しだけ見えた気がします!」

    「おお?そりゃ良かった!」


    「あの、最後に1つ質問いいでしょうか」

    「ウィ。私たちで応えられるならなんなりと」


    「この学園で、アレを借りられるところを知りませんか?」

    「「「アレ?」」」


    *この後出久はデュースと dice1d2=1 (1)

    1.同行する

    2.同行しない

  • 114二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 18:05:04

    >>112

    デク結構やってることヤバイからな

    ヘドロに向かって飛び出す、ステインと戦闘、神野に凸、かっちゃんと私闘&謹慎、オバホをスルーしない、ジェントルと単独戦闘、蛇腔で死柄木とタイマンしようとする、オールマイトを振り切って黒デク化etc...

  • 115125/03/27(木) 18:22:56

    ――DRRRRRRRR!!
    デュースがルークたちに融通を頼んだものは、マジカルホイールだった。ものすごいエンジン音がする機体の上で、出久はデュースにしがみついている。

    「あっ、エペルがいたぞ!止まるからしっかり掴まってろよミドリヤ!」

    ――キキーッ!!

    デュースが操縦するマジカルホイールは、メインストリートで立ち尽くしていたエペルの目の前でAKI○Aばりの急停止をキめた。

    「え……デュース、クン!?後ろに乗ってるのはミドリヤクン?どうしたの、そのマジカルホイール!?」 
    「文化祭の発表でイグニハイド寮が使う予定の機体を、無理言って借りてきた。エペル、ちょっとツラ貸せ」
    デュースがエペルの分のヘルメットを投げ渡す。

    (3人乗りって法律的にセーフなのかな?)
    出久の頭に不安がよぎったが、デュースもエペルも平然と3人乗り体制に移ったので、そういうものなのだと思うことにした。

    三人が乗ると、デュースが勢いよくアクセルをかけた。
    デュースが目指した先は、海だった。

    「よし、ついたぞ」
    「ぷはっ……!デュ、デュースクン、意外と飛ばすからびっくりした……」
    「えっ、そ、そうか?これでもゆっくり……いや、なんでもない。ミドリヤは大丈夫だったか?」
    「うん。飯田くんのトップスピードの背中よりは控えめだったから」
    「おお。イーダ?ってやつも中々攻めた運転をするんだな。元ヤン仲間か?」
    「飯田くんも元ヤンではないかな」

    飯田はバイクを操縦するのではなく、足そのものにエンジンが内臓されているのだが、今説明するとややこしそうなので出久は曖昧に笑ってごまかした。

  • 116二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 18:45:24

    デュースの中で出久=元ヤンのイメージが固まりつつあるな

  • 117125/03/27(木) 18:46:57

    エペルはドライブが好きなようで、スピード感のある風を浴びてスッキリした顔をしている。
    「けど、良かったの?外出許可ももらわずに学園を出てきちゃって」
    「うっ……勢いで学園を出てから、外出許可のことに気付いたんだ。後で一緒に怒られてくれ」
    「ヴィルサンたち、今頃カンカンかなぁ」
    ボールルームでの惨状が嘘のように、穏やかな波が寄せては返す。沈みかけた夕日が海を橙がかった紫色に染めていて、美しい光景だった。

    「……僕、この島に来てから、初めて海に来たかも」
    ナイトレイブンカレッジは賢者の島の北側の山の上にあるが、海岸はロイヤルソードアカデミーがある南側に位置している。
    「もしかして、あれがロイヤルソードアカデミー?」
    出久が指さした先には、白亜の城のような建物がある。ナイトレイブンカレッジも古城のような佇まいだが、それよりも明るくて煌びやかな印象だ。
    「『VDC』に出場する、ネージュもあそこにいるんだよね」
    複雑そうな表情でエペルが呟いた。

    「…………スゥーーーーーッ……」
    「デュースくん?」
    「僕はーーーーーー!!!!絶対に負けないからなーーーーーッ!!!!」
    突然、海に向かってデュースが大きく叫んだ。

    「!?ど、どうしたのデュースクン。急に大声で……」
    「エースの野郎、毎度馬鹿にしやがって!!いつか本物の優等生になって、お前のこと追い抜かしてやっからな!!!!僕は絶対、変わってやる!!!!!」

    「……スッキリした!」
    叫んでストレスを出し切ったのか、デュースが晴れやかな笑顔を浮かべた。

    「「び………びっくりした」」
    「昔から、上手くいかないことがあってクサクサしたときは、海まで飛ばして大声出してスッキリしてたんだ」
    デュースは自分の過去について零した。物心ついた頃から要領が悪く、自分ができないことの言い訳が欲しくて楽な方に流れていった結果、不良になって母を泣かせたのだと。そんな折に名門のナイトレイブンカレッジから入学許可証が届き、変われるチャンスだと思ったのだと。まだ、変われてないけど、と自嘲しながら。

    「……でも、この学園に入ってわかったことがある。本当に“デキる”ヤツは、裏では必死に足掻いてるんだってこと。恥かいても、かっこ悪くても、ちょっとやりかたがマズくても……デキる人たちは、諦めない」
    「「デュースくん/デュースクン……」」

  • 118125/03/27(木) 18:56:29

    「今日ここにお前を誘ったのは、もしかしたらお前も僕も同じなんじゃないかと思って」

    「えっ……?」

    「お前、いつもなにか言いたそうにして、やめるだろ。変わりたくても変われなくて、じりじりしてる。そんな気がして」

    「……うん。そうかもしれない」

    エペルは目を伏せて、砂浜を蹴った。


    「ここには僕とミドリヤしかいない。思い切って大声で言いたいこと叫んでみろよ。それだけでも、スゲースッキリするぞ!」

    「そうだね。僕も昔海辺で叫んだことあるけど、すごくスッキリするよ!」

    「うん…………わかった」


    「……………スッ………」

    エペルが目を瞑り、息を吸う。長いまつ毛に夕日が反射してキラキラと光った。が、次の瞬間、耽美な雰囲気は一気に消えてなくなった。


    「そっだ急にめごくなれって言われで、なれるわげねーべよ!」

    「「!!??」」


    *出久 方言ロール(100以上でエペルの訛りを理解できます)

    dice1d100=55 (55) +40


    「まんず訛んねーでしゃべるだげで精いっぱいだはんでな!流行りの服だの、上品な仕草だの、そっだのわがるわげねっきゃ!つーがわーは、めごぐなりてぐねーんずよ!わーは、逞しくて背たげくて、強い男さなりてーんだね!ばっきゃろ~~~~~~~~~~~~~~!!!」

  • 119二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 18:59:29

    >>115

    デュースへ

    そのイーダって子は元ヤンどころか委員長タイプの優等生です

  • 120125/03/27(木) 19:17:42

    (エペルくんの訛り、津軽弁に似てるのかな?津軽弁は馴染がないから分からないけど、やっぱり青森……。いや、エペルくんは否定してたんだから、青森から帰るのは諦めるんだ緑谷出久……!)


    「はぁ……、はぁ……っ!あ”~~~~~~~ッ!!たげスッキリした!」

    「な、なにを言ってるのか半分くらいわからなかった。何語……いや、もしかして訛りか!?」

    デュースにとっても馴染みがない方言のようで、びっくりして硬直している。


    エペルもデュースに倣って自分のことについて語った。

    輝石の国の北にある豊作村というド田舎出身で、訛りがキツくて通じないから人前では標準語を話すようにヴィルから言われていること。今のフリフリのシャツを着てネクタイをリボン型に結んだ可愛らしい服装もヴィルの命令でやっていること。

    そもそもヴィルに従っているのは、入学式でヴィルに目をつけられので喧嘩を売ったら返り討ちにされ、負け犬にガタガタ言う資格がなかったからだということ。


    *出久の反応 dice1d100=38 (38)

    1:かっちゃんが読んでた不良漫画みたいだ……(困惑)

    100:そういう関係もあるのかぁ(無理矢理納得)


    「で結局、その後一度も寮長には勝てずにずっと言いなりってわけ」

    「なるほど。ダンスレッスンの時の『いつもの』ってそういうことだったのか。ハント先輩の言う通り、本当にただ喧嘩をしていたわけじゃなかったんだな」

    デュースは納得したようにうなずいているが、どうかんがえても私闘である。口には出さなかったが。


    「寮長に勝てたら、好きにふるまって良いって言われてる。でも、全然ダメだ。もっと強くなりてぇな……」

    エペルの悩みを波の音が優しく包み込んだ。


    「……さっき、学園を出てくる前にアジーム先輩とハント先輩に言われたことがある。今の僕たちにしかない“パワー”を大事にしろって。それで、僕なりに考えてみたんだ。僕の強さについて」

    「見つけられたの?」

    「ああ」

    出久の問いに、デュースが頷く。


    「“すげー馬鹿なところ”かもしれない」

  • 121二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 19:35:14

    >>115

    飯田くんのトップスピード=遷音速

    シュラウドさんちの技術借りれば、それぐらいのマジホイ作れそうだね

  • 122二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 20:05:01

    この三人いいな…

  • 123二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 21:09:37

    >>112

    >ちょっと無茶して学校飛び出して

    ちょっとどころじゃないんだよなぁ


    警察のお世話になってるのは本当なの笑う

    相澤先生の胃を労れ……

  • 124二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:41:38

    ⭐︎

  • 125二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 07:37:27

    オールマイトと引子さんも労われ…

  • 126二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:55:18

    校外活動で指導者の指示を破って飛び出し結果怪我をしました(ステイン戦)
    うーんこれは元ヤン

  • 127二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 17:54:25

    黒デクの件をちょっとで済ますんじゃない緑谷

  • 128125/03/28(金) 22:09:18

    「僕は同時にいろいろ考えられるほど、賢くない。でもだからこそ、覚悟を決めたらゴールまで真っ直ぐ突っ走っていける。これは、きっと僕だけがもつ“パワー”。僕の短所は、僕の長所なんだ」
    ルークとカリムの言葉を飲み込めたデュースは、胸に手を当てて堂々と言葉を発した。

    「でもさ……んなこと言われたって納得いかねぇよ。俺に置き換えるんなら、この見た目のことだろ?華奢だったり、女顔だったり、そんなのが強いって言われたって……」
    エペルはまだ自分の強さを見つけられずにかぶりをふる。

    ―――Prrrrrrrrrr。

    丁度そのとき、エペルのスマホが鳴った。
    「電話だ。この番号は……実家から?」

    「は?林檎ジュース?友達さ配れっていうはんで、配ったけど……」
    「はあ~~~!?世界中から注文!?なんで……」
    「ヴィルさんの亀……って、もしかしてマジカメ!?ちょ、ちょっと待ってけ!」

    エペルは母親らしき声の主を会話すると慌ただしく表情を変え、通話したままスマホを弄り始めた。
    出久とデュースが首を伸ばして覗き込むと、マジカメのヴィルのアカウント画面が映っている。

    『My routine! #レッスン後の1杯 #豊作村の林檎ジュース #自然の味 #お肌にも栄養を』

    「シェーンハイト先輩のマジカメに林檎ジュースがアップされている!」
    「っっ!!これはすごいことになるね……!!きっと今頃世界中のヴィル先輩のファンがエペル君の実家に林檎ジュースを注文してるはずだよ!だって大好きな有名人がルーチンに取り入れてるジュースなんて、ファンなら絶対に口にブツブツブツブツ」
    「……ミドリヤはときどきイグニハイド寮の生徒みたいになるよな」

    オタク心理が分かる出久は、たった一枚のヴィルの写真がもたらす経済効果の凄まじさを一瞬で理解できた。
    出久の読みは当たっているようで、ヴィルの投稿に次々と「ジュースを注文しました!」というコメントが連なっていく。

    エペルの母親は出荷作業が忙しいとのことで、「ヴィルさんにお礼言ってけ」とだけ言って電話が切れてしまった。

    「これが、ヴィルサンの持つ“美しさ”のパワー!?」

  • 129125/03/28(金) 22:20:25

    すごい今更ですが、5章以降は4章以前と比べて同時行動する人数が増える+同行メンバーの入れ替わりが増えて誰のセリフか分かりにくい気がしてきたので、セリフ前に目印入れますね

    スレ主は大半のレスで1000文字の字数制限と戦ってるので、文字数短縮のためにSNSとかでよく見る記号一文字形式でいきます

    ▼とりあえず5章メンバーの記号
    出久→🥦 爆豪→🧨 グリム→😺
    エース→❤ デュース→♠
    カリム→🦦 ジャミル→🐍
    ヴィル→👑 ルーク→🏹 エペル→🍎

  • 130125/03/28(金) 22:21:10

    >>129

    かえって読みにくいと感じたら途中でやめる可能性もアリです

  • 131125/03/28(金) 22:36:56

    ♠「確かに……こんなスゲーことができるのは、シェーンハイト先輩が美しさを磨いてきたからだよな。魔法や腕っぷしが強いだけじゃ、絶対にできない」

    🥦「うん。支持率って一朝一夕で上げられるものじゃないから、今までヴィル先輩が自分の力とファンと向き合ってきた成果だよね」

    🍎「ヴィルサンが言いたかった強さってこういうこと……なのかな?今の俺にしかない強さ……“愛らしさ”で戦ってみせろってこと?」

    波が引くように、エペルの目から悩みが消えていく。


    🍎「もし今年の『VDC』でヴィルサンが認めてくれた愛らしさを全力で発揮できたら、鍛えてジュースの箱を沢山運べるよりずっと村の力になれるかもしれない」

    ♠「ああ。今は目を背けたい短所にしか思えなくても、それが僕らのパワーだっていうなら……とことん磨いて、空を突き破るところ見せてやろうじゃねぇか!それでライバルに勝てんなら、バカ上等だ!」


    ニカッ、とデュースとエペルが笑顔を作る。たった一歳しか違わないけれど、色々と経験を積んでしまった出久からみると青くて、でも眩しかった。


    🥦「その調子だよ、頑張れ有精卵たち!」

    ♠「ユーセーラン……?」

    🍎「ちゃんと温めれば孵る卵のことだよ、デュースクン。なんか応援には珍しい掛け声だな?」

    🥦「あはは、僕の師匠の受け売り」


    ♠「今年の『VDC』……絶対優勝して、エースとシェーンハイト先輩のこと見返してやろうぜ!」

    🍎「おー、今のわーに出来る最高の愛らしさ、見せでやるはんで!」

    🥦「僕は裏方だけど、二人を精一杯サポートするよ!」


    ――パン!


    野心を胸に、三人は掌をぶつけあってハイタッチした。


    *好感度上昇

    出久→エペル dice1d50=12 (12)

    エペル→出久 dice1d50=13 (13)

  • 132125/03/28(金) 22:47:42

    🍎「そういえば、ミドリヤクンだけ大人ぶってっけど、一人だけ叫ばねぇのは不公平だよな」

    🥦「えっ」

    ♠「せっかく海に来たんだし、ミドリヤも叫んでいけよ。ウチに帰れないストレスもあるだろうし、スッキリしていこうぜ」


    ニヤリと笑ったエペルとデュースに肩を組まれ、出久は海の方に体を向けさせられた。

    あまり抜けられなさそうな雰囲気である。


    🥦「え、え~~~っと……、じゃあ……」

    🥦「………………スゥ―――ッ…………」


    *海に向かって叫ぼう! dice1d3=2 (2)

    1.「海のバカヤローーーーーーー!!!」

    2.「学園長のバカヤローーーーー!!!」

    3.「オールマイトォォォーーーーッ!!!」

  • 133125/03/28(金) 23:10:07

    ひとしきり叫んで出久もスッキリすれば、学園へ戻ろう、という雰囲気になった。
    浜辺脇の駐車場に停めていたマジカルホイールに向かうと、いかつい青年たちが機体を取り囲んでいた。

    🥦「僕たちが乗ってきたマジカルホイールを熱心に見てるみたいだけど……何かあるのかな」
    出久たちが乗ってきたのは、イグニハイド寮生が文化祭の発表につかうものを無理を通して借りてきたものなので、傷を一つでもつけられるとマズいことになる。

    ♠「あの!それ、僕のマシンです」
    「マジで?こんなガキが……。ねー、ボク、このマシン、ちょっとだけ乗らせてくんない?」
    ♠「えぇと、スンマセン。これ借りもので、傷をつけられないんです」
    「は?俺が運転下手だっていうの?ハハッ、君のオトモダチ、すごい傷。どうせ転倒事故でも起こしたんじゃないの?大丈夫、俺らの方が上手く乗ってやっから」
    🥦「えっと、僕の傷は交通事故じゃなくって……」

    青年たちはイグニハイドが丹精込めて改造したホイールにどうしても乗りたいようで、こちらの言い分を聞き入れてくれない。次第に、雰囲気がピリピリと悪くなってきた。

    青年たちは出久とデュースを睨みつけた後、一歩後ろにいたエペルに気付いた途端に鼻の下を伸ばした。どうやら、中性的な容姿のエペルを美少女だと勘違いしているらしい。

    「コイツらの服装、ナイトレイブンカレッジだろ?男子校じゃなかったっけ?」
    「君、すっげぇ可愛いね。ねーねー、いつ共学になったの?」
    ♠「アンタたちいい加減にしてくれないか!?僕たちは……」
    制止も聞かず、青年たちはエペルの腕を掴んで引きずり出そうとする。
    出久はこの数十分で知ったことだが、エペルは気性が荒い方だ。もし今青年たちと揉め事になると、良くないことになる。

    🍎「………い………。痛い、ですっ。腕、離してください……っ!」

    しかし、出久の心配を裏切り、エペルはまるで儚い少女のような表情を浮かべた。
    青年たちはエペルの愛らしさに胸を打たれ、ぽーーっと頬を赤らめている。

  • 134二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 23:12:10

    デクくんにここまでさせる学園長ェ…

  • 135二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 05:39:52

    学園長ぉ……いやでもデクだろうとここまで積み重なればな……
    デク1人だったらもしかしたらここまでたまってないかもしれないけど、体調万全じゃないかっちゃんも色々巻き込まてるし、自分への扱いの雑さはともかく学生達の問題の1部をこっちにぶん投げて学生のフォローとかの役目放り投げてるし……

  • 136二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 08:55:20

    デクの傷を馬鹿にしたモブ、ヒロアカ世界の全員からブチギレられそうだな
    その子の傷、世界を救った代償なんですよ

  • 137125/03/29(土) 11:51:13

    🍎「……なーんてなァ!!スキありィ!!!!」
    エペルの儚い表情は一瞬の夢。青年たちが腑抜けたのを確認すると、エペルは途端に大・爆・殺・神ダイナマイト路線の凶悪な笑みを浮かべて青年たちの顎に強烈な頭突きをお見舞いした。

    🍎「ハッハッハッハァ!わの“愛らしさ”は本当に通用すんだな!」
    ♠「エペル!愛らしさの使いどころは喧嘩じゃないと思うぞ!?」
    🥦「というか、無断外出の上に喧嘩はマズい……!」
    出久の指摘に、エペルは「ヤベっ」という焦り顔になった。同じく気性が荒い勝己ならば絶対にしないミスだ。勝己の気性に似合わぬみみっちさは、慎重さという美点でもある。

    エペルが反撃してしまったことで、青年たちに怒りの火がついた。青年たちは懐からマジカルペンを取り出し、エペルに向けた。

    🍎「あいつ、まさか俺たちを魔法で攻撃する気か!?」
    🥦「ここは僕が引き受ける!デュースくんはエペルくんを連れて逃げて、学園に連絡して!」
    出久は素早く前に出て、魔法による攻撃を体で受け止めた。小さな炎が出久の肌を炙るが、これくらいの攻撃ならば耐えられる。

    魔法攻撃を掻い潜って青年たちを制圧することは可能だが、その間は無防備になった二人を魔法の弾幕が傷つけてしまうだろう。
    そうなるよりも、出久は二人を庇いながら魔力切れを狙うことを選んだ。

    🍎「はぁ!?おめだげ置いでげるわけねぇべな!」
    ♠「ああ。今ここでお前に怪我させるわけにはいかない。僕が連れ出したんだ、僕が責任をとる!」
    出久とエペルを庇うように、デュースが前に出る。デュースは出久よりも一回り大柄で、炎や氷の魔法がその背中に突き刺さる。

    🥦「デュースくん!?」
    ♠「大丈夫だミドリヤ、僕はお前より魔法耐性があるんだし、うぐッ!」
    🍎「デュース!……俺、もう我慢できない!」
    🥦「エペルくん、魔法を打ったらダメだ!」
    🍎「でも!」
    市街で魔法を使うことは、市街で個性を使うことと同じく厳しく禁止されている。もしこの禁を破ったと知られれば、エペルとデュース、ひいてはヴィル達全員が文化祭への出場停止を余儀なくされるだろう。

    🥦(魔法の遠距離攻撃が止めば、マジカルホイールに乗って逃げられる。魔力は無限じゃない、少しの間耐えらえれれば……!)

  • 138125/03/29(土) 11:59:27

    「これで終わりだ、くらえ!」
    大きな魔法の気配がする。デュースの肩越しに、青年の一人がマジカルペンの先に魔力を集めている様子が目に入った。

    🥦「デュースくん、危ないっ!」

    目の前で友だちが傷つけられるのを、これ以上看過できない。今までよりも大きな力の気配を感じて、出久はデュースを押しのけて仁王立ちになった。
    大きな火球が向かってくる。出久は衝撃と痛みに備えて歯を食いしばり、重心を落として踏ん張った。

    ♠「ミドリヤ……ッ!!」

    デュースが出久に手を伸ばす。その瞬間、デュースの体が眩い光に包まれた。

    ♠「なっ、なんだこれっ!?ま、魔力が溢れて…………っ!」
    🥦「デュースくん!?」

    光が強くなり、視界が白飛びする。出久は思わず目をつぶった。
    次に目を開けたとき、青年たちは全員浜の上に倒れていた。

    ♠「い、今、なにが起こったんだ?こいつらなんで急に倒れたんだ?」
    🍎「今のって……」
    🥦「もしかして……」

    急な事態に、三人は呆然と立ち尽くした。
    けれど、倒れている青年たちを冬の浜辺にそのままにしておくわけにはいかないので、出久はすぐに我に返ると、然るべきところに然るべき連絡を入れるべく動き始めた。

  • 139二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 16:42:41

    サーバー怖い保守

  • 140125/03/29(土) 20:15:32

    出久たちが学園に戻れたのは、日がとっぷりと暮れてからの時間だった。


    👑「…………アンタたち、どのツラ下げて帰ってきたのかしら?無責任にもほどがあるわ!!」

    ポムフィオーレ寮に戻ると、ヴィルからのお説教が待っていた。

    レッスン放棄、無断外出、果てには喧嘩騒ぎ。今回は正当防衛が認められたが、『VDC』出場停止になる可能性もあった。ヴィルの怒りは正当だ。


    🥦「本当にすみません……」

    ♠「シェーンハイト先輩、ほんと……迷惑かけてすんませんっ!二人を無断で校外に連れ出したのは僕です。罰なら僕が受けます!」

    🍎「いや、最初にレッスンを飛び出したのは僕です。あと喧嘩を買ったのも僕だ」


    *かっちゃんの反応 dice1d3=2 (2)

    1.「テメー何のために着いてったんだよ」(説教)

    2.「しょっちゅうトラブルに巻き込まれやがって……」(呆れ)

    3.「傷は大丈夫なんか」(心配)

  • 141125/03/29(土) 20:39:23

    自分たちの非を認めているデュースとエペルは、神妙にヴィルの説教を聞き入れた。

    ヴィルの話が終わったタイミングでエペルが顔を上げる。気弱そうな偽りの表情ではない、強い力が籠ったエペル本来の表情だった。


    🍎「今日、やっとわかったんです。ヴィルサンがずっと言ってた、強さ(パワー)のこと。僕も、ヴィルサンみたいなパワーが欲しいと思った」

    負の感情が昇華されたエペルの強い視線を受けて、ヴィルの強張った表情が緩んだ。


    👑「フッ……アタシはね、エペル。人を跪かせるのが好きよ。暴力より圧倒的に、演説よりも雄弁に人を跪かせることができる力……それが“美しさ”。肝に銘じておくことね」

    🍎「はい。僕……もっともっと、強くなります」

    自分の短所と長所を受け入れて、エペルは見違えたように精悍な表情でヴィルに笑いかけた。


    🏹「フフフッ。どうやら雛鳥たちもとても反省しているようだ。許してあげては?毒の君」

    👑「…………はぁ。確かにここでガミガミ起こっても意味がない。二度目はないわ、覚えておきなさい」

    🥦♠🍎「「「ハイッ!」」」

    元気よく返事した3人が寮の外周30周ランニングの罰を言い渡されたところで、話はひと段落となった。


    ランニングに出る直前、デュースがエースに声を掛けに行った。遠くからなので全ては聞き取れなかったが、どうやらエースに「いつか追い抜いてやる」宣言をしてきたようである。


    🥦「……ふふ、なんだか昔を思い出すなぁ」

    雄英入学後最初の戦闘訓練後に勝己相手に啖呵を切ったことを思い出して、懐かしさで出久は思わず笑みがこぼれた。


    🍎「昔って。ミドリヤクン僕たちとタメなのにジジくせぇこと言うなぁ……」

    ♠「悪い、待たせたな!行こう!」

    デュースも合流して、3人はポムフィオーレ外周の走り込みに駆け出した。鍛えている出久はもちろん、デュースもエペルも体育会系で運動神経抜群であり、外周は手を抜かないながらも終始和やかな雰囲気だった。


    ♥「え?あれなんの宣言?はぁ?オレがあの単純馬鹿に負けるとか、ありえないんですけど。バクゴーもグリムも、そう思わね?」

    😺「オレ様からすれば、オメーもデュースもどんぐりの背比べなんだゾ」


    *かっちゃんの返事 dice1d2=1 (1)

    1.「油断してっと足元掬われンぞボケ」

    2.「……競えるうちに競っとけよ」

  • 142二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 20:42:52

    2だったらこっちが泣いちゃうところだった

  • 143125/03/29(土) 21:27:07

    雨降って地固まるとはよくいったもので、騒動後の練習はチームの団結が見違えるように高まったようだった。
    それから2週間後、『VDC』本番までちょうど1週間を切ったタイミングで学園長から本番用の衣装が届いた。

    デザインはナイトレイブンカレッジの制服と完全に同じだが、ストレッチのきいた特別製の衣装らしい。
    学園の代表なのだからこのデザインが相応しい、とはルークの弁だ。

    👑「それじゃあみんな位置について。学園長にここまでの成果を披露するわ。マネージャー、曲をかけてちょうだい」
    🥦「はい!」

    聞き慣れたエレクトリックなイントロが流れると、選抜メンバーたちの息が揃った。



    🎩「おお……おおお~~~~~っ!素晴らしい!なんて息がピッタリなパフォーマンス!やはりプロデュースをシェーンハイトくんに任せたのは正解でした」
    プログラムを通しで披露すると、学園長の拍手がボールルームに響いた。

    👑「フッ……当然よ。アタシを誰だと思っているの?」
    🎩「さすがは世界的人気タレント……いえ、さすがは我が校一の歴史を持つ美しき寮、ポムフィオーレの寮長です。この仕上がりは、確実に優勝を狙えるクオリティ。必ずや、ロイヤルソードアカデミーに打ち勝ち、世界中にその美しさを示してください!」
    ロイヤルソードを、のくだりから学園長の声になみなみならぬ力が籠っていた。

    🥦「本当にロイヤルソードアカデミーをライバル視してるんだね」ヒソヒソ
    🧨「相手が誰かなんざ関係ねェ。狙うのは完膚なきまでの勝利一択だわ!」

  • 144125/03/29(土) 21:40:27

    🎩「そうだ、みなさんにこれをお渡ししておきます。お友達やご家族にどうぞ」

    去り際、学園長が『VDC』の関係者チケットを渡してくれた。例年『VDC』のチケットは毎年完売の超プレミアチケットらしい。


    カリムは父親が映画館をいくつか貸し切っており、親族と使用人を集めて生中継を鑑賞する予定だと語った。

    ジャミルはすでに妹が見に来る予定らしい。


    🥦「……僕たちは知り合いにチケット渡せないからなぁ。A組のみんなにかっちゃんの歌とダンス見て欲しかったな」

    🧨「テメェが持っとるゴーストカメラとやらで写真撮りゃいいだろ。現像した写真、動画みてェに動くんだろ」

    🥦「そっか、その手があったね!動く写真を撮って、雄英に持ち帰ろう!」


    勝己の言葉で、この頃すっかり忘れていたゴーストカメラのことを思い出した。

    学園長から記録係の仕事を託されて、渡されたゴーストカメラ。文化祭は沢山の記録が取れそうだ。


    *出久が今までゴーストカメラで撮った枚数

    dice1d100=95 (95) (最低保証 5枚)


    🥦「本番が楽しみだね!」

    😺「オメーら、絶対優勝するんだゾ!」

  • 145二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:42:28

    めっちゃ撮ってる!なんでもない日常風景でもカメラ構えてるでしょ絶対

  • 146二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:42:43

    >>143

    めっちゃナチュラルにかっちゃん混ざっとる!!

    しかも右腕怪我仕様になってて細かくてすごいな

  • 147125/03/29(土) 22:10:17

    練習も終わり、その夜。
    出久は寝室の大鏡が妙に気になって眠れなかった。

    🥦(今日も鏡に変化ナシか……)

    鏡にミッキーという不思議な影が映ってからというもの、時折鏡像に自分でも勝己でもグリムでもない影が入り込んでいるような気がするのだが、ここ数日は何も起きていない。
    ふと、チラチラと光が視界をよぎったのでミッキーかと思い顔を上げたが、蛍のような光は鏡ではなく庭から発されていた。

    🥦(この光は……)

    深夜の来訪者が気になり、出久は勝己とグリムを起こさないように足音を殺して庭に出た。

    🥦「こんばんは、ツノ太郎さん」
    🐲「おや。久しぶりだな、ヒトの子よ。変わりはないか?」
    案の定、オンボロ寮の庭を散歩していたのは、廃墟マニアのツノ太郎だった。ディアソムニア寮の生徒であることは分かっているのだが、相変わらず出久はツノ太郎の本名を知らないままである。

    ツノ太郎が出久の話を聞きたがるので、出久はここ最近の出来事を思い出しながら語った。
    そのなかで、ふと出久は冬休みの終わりに受け取った『M.D』というイニシャルの人物から受け取ったホリデーカードのことを思い出した。

    🥦「そういえば……冬休みに『M.D』って名前が入った封筒が届いたんですけど、もしかしてツノ太郎さんのイニシャルですか?」
    🐲「!そういえば、リリアにカードを預けたんだった。……返事はこなかったが。ああ。お前は僕のことをよく知らない世間知らずなんだったな。フフフ」
    ツノ太郎がからかうように柔らかく笑った。ホリデーカード送り主の『M.D』の正体は、ツノ太郎だったらしい。
    返事が来なかったことに対して、ツノ太郎はやや不服そうである。

    🥦「あの……ホリデーカードのお返事じゃないですけど、これ、よかったら受け取ってください」
    🐲「……これは……今度の文化祭で行われるステージのチケット?」
    🥦「はい。よかったら、お友達やご家族と一緒に来てください。僕はマネージャーなのでステージには出ませんけど、きっと素敵な時間になると思います」
    出久がチケットを渡せる相手は他にいない。余らせてしまうと勿体ないので、出久は手元のチケットを全てツノ太郎に渡した。
    ツノ太郎は手の中のチケットをみてぱちくりと瞬きをしたあと、くつくつと肩を震わせた。

  • 148125/03/29(土) 22:11:01

    🐲「フ、フフフッ……………!お前は本当に恐れを知らないとみえる。いいだろう。この招待、謹んで受け取ろう」
    ツノ太郎はチケットを丁寧で美しい仕草で懐にしまった。

    🐲「文化祭当日、楽しみにしている。……おやすみ、イズク」
    🥦「おやすみなさい」

    挨拶を交わすと、瞬きの間にツノ太郎はオンボロ寮から消えてしまった。

    🥦(そういえば、また名前聞き忘れちゃった。『VDC』に来てくれたら、そのときにちゃんと聞こう)

    ひゅう、と冷たい夜風が吹く。これ以上外にいると風邪を引いてしまいそうなので、出久は再び足音を殺しながら鏡の寝室へと戻っていった。

  • 149125/03/29(土) 23:45:22

    カットしてしまったので捕捉ですが、エペル離脱中にヴィルが林檎ジュースを飲んでマジカメに上げたのは、ルークに「君のパワーを実際に見せてあげたらどうだい?」的なことを言われたからです

  • 150二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 23:51:10

    ヴィルって口調はキツめだけど人を見る目や気遣いは本物なんだな…
    それだけにやりたくない役をオファーされるのそりゃ悲しいし辛いよ

  • 151125/03/30(日) 00:09:58

    その夜、出久はまた夢をみた。


    カビ臭い石造りの部屋で、痩せさらばえた老婆と化した女王がいかがわしい魔術に耽っている。その姿は女王というより、もはや魔女だった。


    ――毒のリンゴを一口かじれば、息は止まって血は凍りつく

    ――そうすれば、この私が一番の美女に!


    魔女は大釜を満たす怪しげな緑の液体にリンゴを浸けた。

    毒を帯びたリンゴは鮮やかな赤に色づく。


    ――どうしたら生き返るかも……調べておかなければ

    ――恋人のキスだと、バカな!心配いらない、誰も生きているとは思わないだろう。

    ――生きたまま埋めるに決まってる!

    ――生き埋めじゃあぁぁぁ! 


    魔女は毒リンゴをバスケットに詰めて小舟に乗り、姫に食べさせるべく城の地下水路を下っていった。


    不気味な地下水路のトンネルに、魔女の甲高い笑い声がこだました。


    *出久 夢への違和感 dice1d10=4 (4) +93

  • 152二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 00:21:12

    もうすぐで100になるね〜

  • 153125/03/30(日) 00:36:43

    🥦(随分と不吉な夢だった。この夢は一体何なんだろう……)
    疑問に思う気持ちは、しかし、慌ただしい合宿生活の中にすぐに埋もれてしまった。

    そしてついに、総合文化祭当日の朝が来た。
    エペルは朝いちばんに出久たちの寝室を訪れて、合宿場所を提供したことへの礼を言いに来てくれた。談話室に出れば、カリムが本番前で気分が高揚してソワソワしている。いつもと違う空気だった。

    👑「みんな、集まってるわね」
    メンバーが集結したオンボロ寮の談話室で、ヴィルが号令をかける。

    👑「本日午後3時。コロシアムに設置された“パープルステージ”で、ついに『VDC』が幕を開けるわ。大会は世界中に生中継される。アタシたちが磨き上げてきた美しさを、世界に見せつけるときよ!覚悟はできてるわね?」
    「「はい!」」
    メンバーの返事が揃う。全員、気合は十分だ。

    リハーサルは12時から。それまで出場メンバーは最終調整があるが、出久とグリムは特にやれることがない。「そばでソワソワされると気が散るから、文化祭の様子でも見てきたら?」とヴィルに言われ、二人で文化祭を見て回ることになった。厄介払いされたとも言う。

    🥦「かっちゃん、屋台で買っておいて欲しいものとかある?」
    🧨「本番前に集中切れるようなこと聞くんじゃねェわ。文化祭は2日間あンだろ。欲しいモンは明日自分で買う」
    😺「ふなぁ~。バクゴー、目がギンギンなんだゾ」
    🥦「邪魔しちゃ悪いし、僕たちは先に行こうか」

    オンボロ寮を出ると、学園の敷地はどこもかしこもお祭りムードだった。

    😺「ほあー!イズク!食い物の出店がいっぱいあるんだゾ!」
    🥦「さっき朝ごはん食べたばかりだから、おやつはもう少し後にしよう。僕、マネージャーとして先に舞台を見ておきたいから、パープルステージに行ってもいいかな」
    😺「え~~?オマエ、ナニ急にマネージャーの使命に目覚めてるんだゾ~~~」
    🥦「いざというときのために、会場の動線とか避難経路とか、死角になりそうな場所を確認しておきたいんだ」
    😺「むぅ。しょーがねぇな。イズクは言い出したら頑固だし、たまには子分に合わせてやるんだゾ」
    🥦「ありがとうグリム」
    会場の安全面が気になってしまうのは職業病のようなものだ。
    食べ物の屋台の前を通るたびに物欲しそうな目をするグリムの手を引き、出久は手始めにコロシアムのパープルステージを目指した。

  • 154125/03/30(日) 00:37:46

    尺の都合で、文化祭巡りフェイズは大事そうな会話を除いてほぼカットさせていただきますゾ

  • 155二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 06:27:46

    雄英の文化祭とか体育祭にも連れてってやりたいなぁ>グリム

    エリちゃんと一緒に手繋いでまわって欲しい

  • 156二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 10:34:18

    デクって子どもと話すときの声がデク本当に優しいけど、グリム相手のときもそうなんだろうな
    グリム、そいつはSSR監督生だから大事にするんだぞ

    かっちゃんは多分通常運転
    監督生としてはSRくらいかな〜

  • 157二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 17:03:35

    尺は仕方ない
    そして本当にデクはSSR監督生だ、大事にしな

  • 158二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 17:10:32

    帰るときに豊作村のリンゴジュース持って帰ってほしいな
    エリちゃんに飲んでほしいよ

  • 159二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 20:10:28

    >>158

    常闇くんにもあげよう

  • 160二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 22:03:50

    バレエレッスン組かわええな
    デュースとエペルは体そこまで柔らかくなさそうなので、映画でやってたみたいなデクの180度ド開脚見てびっくりしてほしい

  • 161二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 23:29:19

    >>158

    是非エリちゃん、ミリオ、デクの三人で並んでリンゴジュース飲んでいてほしい

  • 162二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 05:58:42

    だよな、デクなら避難経路とか気になるよな……

  • 163二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 12:30:53

    早いけど☆

  • 164二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 20:28:11

    そういやツイステ本編でVDCの警備ってなんか言及あったっけ?
    ヴィルネージュみたいな有名人はじめ、どこぞの王子やら御曹司やらがいる中で一般人呼び込むイベントやるなら結構な配備が必要だよな

  • 165二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:23:11

    このスレの幼馴染、ヒーローとしての意識高くて好き

  • 166二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 04:51:17

    >>164

    こう、話のテンポ悪くなったりキャラ達は自分のパフォーマンスで精一杯で気にしてなかったり、ゲームシナリオとしてトラブル起こしやすくする為とはいえこういう時の警備とかってあんまり言及されないから気になるよな

  • 167二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 12:19:03

    早め保守

  • 168二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 16:17:33

    >>164

    ネージュとの邂逅や各寮の出し物が出たくらいだったかな…一般人呼び込むイベントと言えばハロウィンもそうだよね

    学生が対処してたシーンをどこかで見た気がする

    食べ物を食べずに捨てた所為で虫が集って来たからドッカーンしたとか…

  • 169二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 20:15:02

    >>168

    初年度ハロウィンはやべー一般人盛りだくさんだったね…ドラコニアチャレンジとか不法侵入とか…

    デク達がいたら上手く対処できたかな

  • 170二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 20:24:00

    >>169

    デクやかっちゃんも含めて雄英生はみんな大体うまく対処できそうだよね

    ドラコニアチャレンジやるような連中は障子くんや口田くんみたいな異形型はおろか下手したら個性によるちょっとした特徴的なパーツ(耳郎ちゃんの耳たぶとか峰田のもぎもぎとか)にもベタベタ触ってきそう

    メンツ次第では元々のスケモンより許されないポイントが加算されそうだな…

  • 171125/04/01(火) 21:37:49

    パープルステージがあるコロシアムを訪れると、サバナクロー寮生たちが特設ステージの設営に励んでいた。


    🥦(そういえばマジフト大会のときは文化部が運営だったから、今回は運動部が色々やってるのか)


    意外というべきか、怠惰な印象が強いレオナも現場に出てきており、監督としてテキパキと指示を出していた。


    *好感度変動

    出久→レオナ dice1d20=16 (16)


    🐺「ミドリヤにグリムじゃねーか。お前ら、たしかバクゴーたちのマネージャーになったとか言ってなかったか?」

    設営班として機材の運搬をしていたジャックが、出久たちに気付いて話しかけに来てくれた。


    🥦「うん。今出場メンバーは最終調整中なんだけど、僕たちはやれることがないから会場を見て回ってるところなんだ」

    🐺「今日の『VDC』のチケット、同じクラスのエペルにもらったから俺も見に行くぜ。アイツらに『無様なところ見せんじゃねーぞ』って伝えておいてくれ」

    😺「おう、わかったんだゾ」

    🥦「本番楽しみだね!それじゃあジャックくん、設営がんばって!」

  • 172125/04/01(火) 22:05:10

    ステージを確認する途中で、運営委員として見回りをしていたリドルとトレイと行き会った。
    リドルが「一般入場の時間まででよければ、一緒に来ても構わないよ」と言ってくれたので、出久たちはありがたく同行させてもらうことにした。

    🌹「展示ブースでは、文化祭を中心に作品の発表や物販が行われる。4年生による研究や調査の結果が展示されているブースもあるから、興味があれば覗いてみるといい」
    🥦「そういえば、4年生って学園内で見たことないけど、普段はどこにいるの?」
    ☘「4年生の魔法士養成学校なら、ほとんどの場合4年目は学外へ実習に出ることになる」

    話を聞くところによれば、4年生の実習や研修の受け入れは行政機関や研究機関、一般企業までが幅広く行っており、一年がかりのインターンのようなものであるらしい。

    この世界には魔法士だけで構成された職業チームが存在するが、中でも魔法機動隊(マジカルフォース)と呼ばれる国際機関は、一際優秀な魔法士を集めて様々な特殊任務につく子どもたちの憧れの存在だとのことだ。

    🥦「魔法機動隊かぁ。僕たちの世界でいうところのヒーローにあたるお仕事なのかな」
    😺「オレ様も大魔法士になればその魔法機動隊ってのになれんのか?」
    🌹「モンスターが入隊したという話は聞いたことがないけれど、多様性の時代だからね……。努力によっては、可能性があるかもしれない」

    魔法機動隊の他にも、消防や警察組織にも魔法士だけで構成されたチームがあるらしい。
    リドル曰く、「現代の魔法士は箒で空を飛べるだけじゃダメだということさ」とのことだ。

    🌹「キミたちも将来のことを考えて、規律を守ってしっかり勉学に励むことだね。グリムはもちろん、ミドリヤも。こちらの世界でも通用する教養を身に着けておくに越したことはないよ」
    🥦「……うん、そうだよね」
    🌹「……なにか勘違いしているようだけど、僕はキミたちが帰れないと思っているわけではないよ。ただ、万が一のことがないとも言い切れないからね」
    🥦「ありがとう、リドルくん」
    嘘をつかないリドルの言葉はあまり考えたくなかったところを突いてくる。その分混じり気のない気遣いも伝わってくるので、出久は素直に礼を言った。

    少し空気がしんみりしてしまったところで、トレイが「気軽に入れるブース」もあるぞ、と切り出してくれたので、気を取り直してそちらを見て回ることにした。

  • 173125/04/01(火) 22:10:09

    文化祭ブース巡り


    *出久 各展示の興味

    1.「サイエンス部」の観葉植物カフェ dice1d100=33 (33)

    2.「ガーゴイル研究会」の展示 dice1d100=26 (26)

    3.「ボードゲーム部」のVRマジカルすごろく dice1d100=4 (4)

    4.「山を愛する会」の展示 dice1d100=31 (31)

  • 174125/04/01(火) 22:27:22

    文化祭にはしゃぐグリムの保護者気分でまったりと展示ブースを見て回るうちに、一般入場開始5分前を告げる校内放送が響いた。

    リドルとトレイはまだ見回りをしなければならないとのことで、一旦お開きとなった。


    🥦「一般入場開始は11時だから……。12時からのリハーサルに遅れないように、そろそろコロシアムに戻ろうか」

    😺「うぅ~。本番のこと思い出したら、またソワソワしてきちまったんだゾ」


    コロシアムに続くストリートに出ると、会場直後からヴィルとネージュ目当てのファンたちがパープルステージのチケットを求める長蛇の列ができていた。


    人込みをかき分けてコロシアムを目指す途中、案の定というべきか、学生同士が言い争う声がした。

    見れば、サバナクローの生徒たちが、白い学ランを着た小さな少年たちに難癖をつけている。

    小さな少年のうちの一人はかなり短気なようで、一触即発の雰囲気だ。


    😺「この学園のヤツ、本当に血の気が多いんだゾ~」

    🥦「大変だ、喧嘩になる前に止めなきゃ!」


    *戦闘ロール

    出久 dice1d1000=507 (507)

    サバナクロー寮生 dice1d100=52 (52)

    小さな少年たち dice1d100=44 (44)

  • 175二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 22:34:37

    >>173

    五章始まってから一貫して文化祭にそこまで乗り気じゃないって感じのデクだ

  • 176二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:01:27

    強すぎる流石デクさん

  • 177二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 05:22:48

    気分乗りきれないのはなんだかんだだいぶこっちで過ごす事になっちゃってるのを気にしてるのもあるのかなあ……

  • 178二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 12:33:44

    みんな最大値から見れば5割程度なのがまた

  • 179二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:45:51

    予備知識皆無でウォルト白雪姫を断片的に見せられたらそら気もそぞろになる
    子供の頃、TDLのアトラクションで体験したのがわりとトラウマになったし

  • 180125/04/02(水) 21:01:26

    🥦「揉め事は駄目です!」

    「げっ!コイツ、マジフト大会のときにウチの寮に泊りこみにきたやべぇヤツじゃねーか!」

    「チクショウ、命拾いしたなガキども!覚えてやがれ!!」

    喧嘩をふっかけようとしていたサバナクロー寮生たちは、なりゆきで何度かボコボコにしてきた出久のことを覚えていたらしく、脱兎のごとく逃げ出した。


    🥦「ふう……。大丈夫でしたか?」

    👓「助けてくださって、ありがとうございます」


    一難去ったところで、出久は改めて白い学ランの少年たちを見た。3人の少年たちは全身背丈峰田と同じくらいで、天喰のように耳先が尖っている。

    少年たちのうち、眼鏡をかけたしっかり者の子が代表して出久に礼をした。ドミニク、と名乗った彼の話によると、彼らはロイヤルソードアカデミーの生徒であるらしい。


    「オレ様とそんなに背丈が変わらないのに、ホントに高校生なんだゾ?」とグリムが訝しんだが、低い背丈と尖った耳はドワーフ族、という種族の特徴なのだとドミニクが教えてくれた。


    👓「ところで、みなさん。私たちと同じくらいの背丈をしたドワーフ族4人を見かけませんでしたか?実は控室に行く途中、仲間とはぐれてしまって……」

    🥦「ううん、見てないなぁ。この人混みだと偶然再会するのも難しいだろうし、放送部に呼び出しをお願いしてみようか?」


    ――ふ~っふっふ~ん♪


    そのとき、出久の真後ろから陽気な鼻歌が聞こえてきた。

    振り向くと、そこに生首が浮かんでいた。


    🐈「お探しものかい?それなら、この俺様に聞いてみにゃぁ」


    *出久 ビックリ度 dice1d100=69 (69)

  • 181二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:07:10

    ああ、白雪姫だから7人の小人の子たちか

  • 182125/04/02(水) 21:13:12

    🥦「ウワッー!?」
    😺「うわーーーーーーッ、生首オバケ!!!!」

    突然のことに驚いたが、よく見れば見た事のある顔だった。
    濃淡があり縞模様のようになった紫の髪と、ピアスが空いた猫耳。この世界に飛ばされてきたばかりの頃に出会った、チェーニャだった。

    🐈「おみゃーたちが探してるお友達なら、あっちに行ってこっちに曲がったところを、そっちに行ったぜぃ」
    🥦(指示語ばかりで具体的な情報が何一つないぞ)
    👓「ありがとうございます、先輩」
    🥦(今の説明で分かったんだ!?)
    👓「ナイトレイブンカレッジの方も、ありがとうございました。では!」

    説明になっていない説明を聞いて内容が分かったのか、ドミニクたちは挨拶をするとトテトテと走っていってしまった。
    振り向けば、チェーニャもすっかりいなくなっている。

    😺「この学園のヤツはみんな変だけど、アイツらも大概変だったんだゾ。もしかして、魔法士の人間ってみんな変なヤツなのか?」
    🥦「……って、グリム!そろそろ時間がまずいよ、リハーサルに行かなきゃ!」

    念の為メッセージが来ていないかスマホを確認したところ、リハーサルまで20分を切っていた。
    万が一遅刻しては一大事、確実にヴィルの雷が落ちてくる。
    出久とグリムは、時間に追われる白ウサギのように大慌てでパープルステージへと駆けて行った。

  • 183125/04/02(水) 21:14:31

    尺短縮のためにリドルとトレイと早めに解散させたら、軽音部のところに寄っていく理由が無くなっちゃったので、軽音部の立ち寄りは完全カットでいきます!!!
    ケイト先輩とリリアちゃんすまない

  • 184125/04/02(水) 21:27:57

    👑「最後に登場とはいいご身分じゃない、マネージャー」

    パープルステージに到着すると、すでに出場メンバーたちが会場入りしていた。遅刻はしていないが、なんとなく肩身が狭い。


    🧨「テメーどこフラフラしとったンだよ」

    🥦「運営委員のリドルくんとトレイ先輩にくっついて、文化部の展示ブースを色々見てたんだ」

    🏹「文化祭の空気は味わえたかい?」

    😺「空気なんか食っても美味しくねぇんだゾ!結局おやつ買ってもらってねぇんだゾ~~」

    小腹が空いてきたらしいグリムがブーブーと文句を言ったが、勝己にギロリと睨まれて静かになった。


    👑「『VDC』は毎年、開催地になった学校のチームがトップバッターで出演することが決まってる。アタシたち以外が全員ジャガイモに見えるくらいのパフォーマンスを見せてやろうじゃない」

    「「「おう!!!!」」」

    この学園では珍しい、息の揃った返事がステージに響く。メンバー全員、気合と集中力は十二分の様子だった。


    ❄「…………ヴィーくん?」

    その時、可愛らしい声が円になったメンバーたちの外から聞こえてきた。


    ❄「やっぱりヴィーくんだ!」

    👑「ネージュ……!」


    雪のように白い肌。黒々と輝く髪。桃のように色づいた頬。

    ネージュ・リュバンシェが、ヴィルにむかって手を振っていた。


    *生のネージュを見た印象

    出久 dice1d100=22 (22) (最低保証50)

    爆豪 dice1d100=7 (7)

  • 185二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:33:13

    流石は人類とは反りが合わない爆豪

  • 186二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:44:58

    このレスは削除されています

  • 187125/04/02(水) 21:45:44

    🥦「わっ、かっちゃん急にすごい鳥肌立ったけど大丈夫!?」

    🧨「……あ”ー、俺ァあの野郎ダメだわ。声聞いとるだけでゾワゾワムカムカする」

    🥦「えぇ?なんでよ、いい人そうじゃないか」

    🧨「テメーはおそらく同類だろうから分かンねぇだろうけどなァ。dice1d3=1 (1)

    1.「あだ名のセンスがテメーと同レベルでムカつく」

    2.「いかにも底抜けのお人好しって感じの笑顔がムカつく」

    3.「俺がお前を嫌ってた部分を煮詰めたような雰囲気がムカつく」


    ♥「さすがお茶の間の人気者。身振り手振りもしゃべり方も、あざとっ」ヒソヒソ

    ♠「うーん。しかし、顔立ちは整っているが、シェーンハイト先輩に初めて会ったときほど、強烈なオーラは感じないというか……」ヒソヒソ

    🦦「確かに、あんまりギラギラ派手な感じはしねぇな」

    🏹「彼の笑顔には、ヴィルとはまた違った野に咲く小さな花のような素朴な美を感じるね」ヒソヒソ

    🐍「フン。ああいう人畜無害そうな顔をしているヤツほど、裏ではとんでもない性悪だったりするんだ。芸能人なんてそんなものだろ」ヒソヒソ

    😺「それオメーが言うかぁ~?」

    老若男女に指示される人気トップの芸能人も、ナイトレイブンカレッジ生にかかると陰口の対象だ。

    ジャミルなんて、自分の裏表ある性格を完全に棚に上げてこき下ろしている。


    聞こえていないのか気にしていないのか、ネージュはヒソヒソ声などものともせず、ヴィルに会えて嬉しいと話に花を咲かせている。


    ❄「僕、ヴィーくんの歌声、格好良くて大好きなんだ。僕たちが初共演したのも、学園ものミュージカルドラマだったよね」

    👑「そうね。アンタが主役で、アタシはアンタをいじめる生徒役だった。……ハマリ役だったわ。アンタも、アタシも」

  • 188125/04/02(水) 21:52:14

    「ナイトレイブンカレッジの代表選手のみなさん!リハーサルのお時間です。スタンバイお願いします!」

    👑「今いくわ。それじゃあね、ネージュ」

    スタッフに声をかけられると、ヴィルは爽やかな先輩然とした仕草で手を振った。そうしてネージュに背を向けた瞬間には、表情は厳しく険しいものに変わっていた。


    👑「……能天気に笑っていられるのも、今のうちよ。完璧なパフォーマンスで、完膚なきまでに叩き潰してあげる」


    *二人の勘

    出久 dice1d50=28 (28)

    爆豪 dice1d50=16 (16) +30


    ヴィル達がステージの配置に着き、出久は正面の席でスマホを構えて録画の準備をする。

    張りつめた緊張感のなか、機材から曲が流れ、リハーサルが始まった。


    今までの練習のなかで一番の完成度だ、と素人目ながらに出久は思った。

  • 189二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:54:04

    幼稚園の皆から「かっちゃん」呼びされとったやろ爆豪

  • 190二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:56:04

    でも中学生の頃にはみんな「カツキ」呼びになってるから「かっちゃん」は卒業してて、大人になっても小さい子を呼ぶみたいなあだ名で呼んでるのデクだけなんだ……
    多分「ヴィーくん」もそんな感じなんだろう

  • 191125/04/02(水) 22:15:06

    リハーサルが終わると、スタッフからの拍手喝采が飛んできた。会場で撮影準備をしていたTV局のクルーたちが一斉にヴィルを取り囲み、マイクとカメラを向けてインタビューをする。ヴィルはその全てに完璧な返事と笑顔でもって応えた。


    ♥「――おっ!早速今のTV局のマジカメアカウントに動画がアップされましたよ!」

    🍎「すごい……どんどん「いいね」がついて、拡散されていく」

    🦦「おお…!ヴィルのファンから『待ってました』ってたくさんコメントがついてるぞ!」

    🐍「というか、この動画、ほとんどヴィル先輩しか映ってないじゃないか」

    🧨「もっとこの俺を映せやクソカメラが」

    🐍「お前も映ってるじゃないか。ヴィル先輩の真後ろだから、手足の先だけだが」

    🧨「クソがァ!!」


    👑「……――“Mira, Mira”、教えてちょうだい」

    『はい。なにを検索しますか?』

    ヴィルは動画のコメント確認もそぞろに、スマホの検索アシスタントAIに向かって話しかけた。


    👑「今この時、最高に美しいのは誰?」

    『“美しい メンション数第1位 アカウント”についてのWeb検索結果は……ヴィル・シェーンハイトです』

    👑「………………!!フフ……フフフ。ついにこの時がきたわ。これでやっと……!」

    くつくつ、とヴィルが肩を震わせる。そのかんばせには、ぞっとするほど冷たく美しい笑みが浮かんでいた。


    *二人の勘

    出久 dice1d50=36 (36) +28

    爆豪 dice1d50=39 (39) +46

  • 192125/04/02(水) 22:35:27

    「次はロイヤルソードアカデミーのみなさん。スタンバイおねがいします!」

    ❄「はぁーい!今いきまーす」

    「「!!!」」

    スタッフの声に、ネージュが返事をした。

    なんと、ナイトレイブンカレッジの次の出演校がロイヤルソードアカデミーであるらしい。


    👑「ロイヤルソードアカデミー代表、どんなものか見てやろうじゃない。まあ、アタシたちの美しさには勝てないでしょうけど」

    ステージ上から観客席に移動する。ロイヤルソードアカデミーの敵情視察だ。


    ❄「みんなーっ、出ておいで~!」

    「「はーいっ!」」

    ネージュの一声で、7人のドワーフ族の少年たちがステージの袖から集まってきた。


    😺「ふなっ!?アイツらは!『VDC』の代表メンバーだったんだゾ!?」

    🥦「あの後、無事に合流できたんだね。よかった!」


    ネージュを初めに、メンバー全員が自己紹介する。お世辞ににも洗練されたMCとはいえなくて、中には恥ずかしがってつっかえてしまう子もいたけれど、微笑ましい姿にスタッフたちから柔らかい笑い声が響いた。


    ❄「みなさんに楽しんでもらいたくて、たくさん練習してきました。聞いてください。『みんなでヤッホー』!」


    ネージュの声を合図に、まるで遊園地のBGMのようなイントロが流れる。

    果たして、披露されたのは、一度聞いてしまっただけで覚えてしまうどころか、頭の中で「ヤッホー、ヤッホー」と歌詞がメリーゴーランドのようにグルグル廻るような、とんでもなくキャッチーで楽しげな曲だった。


    *ヤッホー中毒レベル

    出久 dice1d100=100 (100)

    爆豪 dice1d100=76 (76)

    (※補足:『みんなでヤッホー』は白雪姫の『ハイ・ホー』のアレンジで、完全に同じメロディです)

  • 193二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 22:40:15

    100!?!?!?
    いや爆豪の76もインパクト強いけど緑谷100!?!?

  • 194二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 23:16:53

    幼馴染だから感性が割と似てるのかも

  • 195二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 23:21:10

    オールマイト応援歌二人とも踊れるぐらいだもんな

  • 196125/04/02(水) 23:41:11

    いつもコメント・保守ありがとうございます

    次スレ立ててきました

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part13|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    異世界人も虜にするヤッホーはすごいですね、流石デズニーミュージック

    デクの迫真の100にビックリしてます

  • 197二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:07:07

    デクが100出してるの、エリちゃんや洸汰くんにも教えそうだなあ

  • 198二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:26:00

    やっぱヒーローやってるから根がロイソなんだろうな

  • 199二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 01:34:32

    うめ

  • 200二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 02:49:09

    ヤッホー

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています