- 1二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:14:31
- 2二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:16:15
期待してるぞ>>1
- 3二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:16:50
楽しみだな~
- 4二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:17:52
アマさん監修なら茶色一色ではないと信じたい
- 5二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:22:15
さて期待しておくか
- 6二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:23:13
ご飯の代わりにそぼろから始まる肉肉弁当と聞いて
- 7二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:28:45
慣れない包丁で指に絆創膏巻いてるブライアン
- 8二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:33:00
「おい」
「ん?あぁ…」
これが私たちの日常会話の基本文。たまに軽い会話もするが大概はこれで済む
そしてこの会話で私はミカンをとってもらったり時期が来ればこたつを出してもらう
時には
「ブライアン」
「ん…」
とこのようになにか要求しなくてもなぜかあいつは私が欲するものやら今あると便利だと思われるものを
私自身すら気づいてもいないのに持ってきたりする。 - 9二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:37:45
…
私は考えていた。あいつはなぜあんなに「わかる」のか。不思議でしょうがなかった
いったいなぜ
ライアン ブライアン!
「なんだアマさん」
「まったく…はたから見て調子悪そうだったからね。大丈夫かい?」
「なに…なんでも…いや…」
「なんだい?煮え切らないね?あたしに言えることなら何でも言ってごらん!助けになるよ!」
…アマさんなら何かわかるだろうか - 10二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:43:47
「実は不思議なことがあってな」
「不思議なこと?珍しいねあんたが何かに疑問をもってさっと答えを出せないなんて」
「あぁ…実はトレーナーのことなんだが…」
「あんたのトレーナー?どうしたんだい?けんがでもしたかい?」
「いや…あいつはあたしが考えてることをよくわかっているんだ…」
「いいことじゃないか」
「いや…そうなんだが…なんだ…自分でもわからないんだ…」
「う~ん…不満があるわけではないんだね?」
「あぁ…むしろ逆だ」
「…世話になりすぎてる…とかどうだい?」
「…!」 - 11二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:51:01
「おや、当たりみたいだね」
「みたいだ…」
「で、あんたはどうしたいんだい?その心を」
「私は…まあ…その…たまにはなにかしてやりたい…のだろうか…」
「だろうよ。でだよ。どうしてやりたい?トレーナーは何か困っていることはありそうかい?」
「…最近よくあいつはカップ麺を食べている…」
「よくはないがいいじゃないか!あんたが飯を作ってやればいいんだよ!」
「私がか…」 - 12二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 20:54:56
「あぁ!喜んでくれるよ!」
「…そうだろうか」
「…なに笑ってんだい」
「…!笑ってない」
「笑ってたよ」
「…ない」
「……そういうことにしとくよ」
「しかし…料理なんて普段しない…」
「あんたの目の前には誰がいるんだい?」
「いいのか?アマさん」 - 13二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:01:15
もうブラトレの新妻だろこれ
- 14二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:01:59
「あぁ!ただその代わりと言っちゃなんだが今度
あたしと走ってもらうよ」
一瞬空気が変わる。強張る。冷たくなる。重くなる。あぁ…また走りたくなってしまう…!
「あぁ…」
「ふっ!そうじゃなくっちゃね!」
空気が戻る。 - 15二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:09:44
そして二人で日程を合わせ調理場を抑えた。
「さて…いったいメニューはどうすんだい?」
「肉」
「それだけじゃトレーナーのためにならないじゃないか!野菜も入れてやらないと!」
「野菜か…」
小さいころからの記憶。姉貴が作ってくれるカレー。野菜が解けるまで煮込んだ私専用と言って差し支えない料理。
今もたまに作ってくれる。
今はトレーナーが試行錯誤してなんとか私に野菜を食べられるようにしているようだ。
ここでも世話になっていることに気付き、なんだか笑えてきた。私は怪物なんかではないな。
ただの甘えん坊の妹のままなのかもしれない - 16二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:21:47
「そうだな…わかった…」
「早速取り掛かるとするよ!」
アマさんはもたつく私にゆっくり教えながら見ていてくれた。
曰く
「あんたが作りたいってのにあたしが手出しちまったらダメじゃないか!」
だそうだ。真面目な
ッ!
「おぉ!切っちまったかい!?急いで傷口洗いな!…ほら、ばんそうこう!」
「助かる…」
なんだ…アマさんや食堂のおばちゃんは毎日こんな危険と戦っているのか…?急にアマさんが一回り大きく見えてきた
思えばアマさんにも世話になっている。走りたいと言わなくてもあっちから誘ってくれるから好きなだけ走れる。
こんなに付き合いヤツはそういないだろう
「アマさん…なあ…いつも…感謝している…」
「…?あぁ!アタシもいつもありがたいと思ってるよ!なんだい?急におかしなやつだね」
「なんでもない」 - 17二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:32:35
「さて…一段落したね?」
「あぁ…」
「さてあとは渡すだけだよ!行っといで!」
「…」
「はぁ…あんたまさか今更…」
「してない」
「いいや緊張しているね」
「…」
「…じゃあその恥ずかしさと今までの感謝とかとどっちが上なんだい?」
「…行く」
「なあ…アマさん…あいつは…喜んでくれるだろうか…」
「当たり前じゃないか!あんたに料理もらって喜ばないやつはいないさ!」
「そう…だな…そうだな」
「うん、頑張りな!」
「あぁ、ありがとう」 - 18二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:41:20
廊下を弁当の箱を持って歩く。普段徹未知なのに妙に緊張する。足取りが安定しない。
あんたのことを思い返す。
走りたいと言えば私のその一言に応じて練習メニューを考え直す
寒くなればこたつをさっと出す
もっと上を目指したいと言えばローテーションすら調整して方々に掛け合ってくれる
新人で立場が強くないけど先輩のウマ娘と併走してくれるよう頼む
休日すら付き合ってくれる
料理すら作る
ああ…あんたはいったいどれだけ…
こんなもので返した気になっていいんだろうか - 19二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:42:59
扉の前、開く。背中が見える。
「おい」
いつものように声をかける基本文通り。
ただ
その日の会話は二人の基本文から少しずれていた
終わり - 20二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:44:55
ウワーッ!!凄く好き!!
- 21二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:48:40
俺は>>1が出来る子だって信じてたよ
- 22二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:49:23
- 23二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:51:38
- 24二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:53:52
さいこう
- 25二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 21:56:20
- 26二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:01:09
最初と最後の「基本文」の伏線すごくない?
- 27二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:14:00
これは…いいものだ!
- 28二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:17:12
続きはまだか?
- 29二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:18:03
続きが見たいわ!ブラトレがブライアンのお弁当を食べて感想を言う所までみせてちょうだい!
- 30二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:27:33
では…書きます…
- 31二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:33:17
「うん、おいしかった。ほんとうに。ごちそうさま」
「あぁ…」
「しかし…どうしたの?急に弁当なんて」
「気分だ」
「…ふふっ」
「なにがおかしい」
「ごめん、絶対違うなって思ったから」
「ッち」
「教えてくれないの?」 - 32二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:40:30
このレスは削除されています
- 33二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:41:18
「………いつも、世話に、なってる、から」
「うん」
「…その礼だ」
「そうか。…うん、すごくうれしいよ。ありがとう。お礼を言いたいのはこっちなのにね」
「…?なぜあんたが礼を言う」
「いつも真面目にトレーニングはするし、やる気もある。それだけで十分ありがたいよ。なのに加えて
ブライアンは素直で自分をまっすぐ伝えてくれるからわかりやすくて感謝しているよ。
それに、とても優しいよ、ブライアンは。なんだかんだ言って生徒会の仕事もするし
困ってる人がいたら声かけるでしょ。今日もほら、手にけがをしてまで料理をしてくれた」
「…」
「まあ、あとは野菜を素直に食べてくれればいうことないんだけどね」
「…」 - 34二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:41:32
最高やったぞ
- 35二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:46:49
「そうだね、いい機会だからこっちも言わせてもらうね。いつもありがとう、ブライアン。これからもよろしくお願いね」
「…あぁ」
「…?」
「最近ドライアイ気味で目が乾燥するだけだ。気にするな」
「…うん」 - 36二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:48:51
振り返る。扉。一言
「おい」
「…」
「いつもありがとう、トレーナー」
やっぱりその日は少し基本からずれていた - 37二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:52:16
もう…結婚しろ!
- 38二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:52:34
終わりです。ssなんて初めてだからどうすればいいかわかんないんだほんと
- 39二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:56:36
とても好き
ブライアンはこれからもたまにブラトレにお弁当作ってあげるんだよね… - 40二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 22:58:21
まじで初めて?大型新人やんけ
- 41二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 23:00:34
- 42二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 23:07:54
おめぇはすげぇよ
本当に良いもの読ませてもらった - 43二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 23:25:39
- 44二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 23:35:09
ブライアンの不器用な優しさが胸にスーッと染みて健康にいい
- 45二次元好きの匿名さん22/03/22(火) 23:41:32
トレーナーの一人称ないのと口調が中性的なの
男性トレーナーにも女性トレーナーにも解釈できていい - 46二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 03:29:42
えぇ…めっちゃいいSSやん…天才か?
ブライアンが皆に愛されているってことをブライアン自身が気付いて、それに対してお礼をしたいと思うに至る過程が実に素晴らしい。
わがままだけど、読み返したりしたいからできればピクシブに投稿して欲しいくらいだわ…素敵すぎんかこのSS。 - 47二次元好きの匿名さん22/03/23(水) 08:50:11