- 1125/03/24(月) 17:33:01
「っ……!」
自分から売った喧嘩でありながら、私の握り拳は震えている。その私よりも一回り以上も小さいセイアさんは、何故か覚悟の決まった表情で、真っ直ぐに此方を見据えているというのに。
拳を交えての喧嘩など、生まれてこの方した事が無い。トリニティの生徒たるもの、上品たれ────17年と少し。そんな物とは全く無縁の人生を貫いてきた私の背を、言葉に替え難い恐怖が這い上がる。
「……どうした。君と私の考えを折衷しても、納得の行く答えが出なかったんだろう。ならば、私の頬に一撃喰らわせてでも、君の信念を貫き通す必要があるのではないかね」
そうやって、滲む汗の不快感を感じながら、必死に悩んでいる私にぶつけられた言葉を聞いて。…かちん、と来た。自分は二度目だからと言って、簡単に物を言う。
そうだ。私はミカさんじゃない。力の制御が必要な程、自身の天賦の才に困らされてもいない。そんなもの、ひと欠片も持ち合わせていない。
「…覚悟は、宜しいですね…!!」
「何度言わせる気なんだい…。…ああ。いつでも来たまえ」
その言葉を皮切りに。握り直した、細身の拳を。踏み込んだ足の、勢いのままに。
大きく、横薙ぎに────。 - 2125/03/24(月) 17:37:05
前スレ
セイア「殴り合いだ。歯を食いしばりたまえ、ミカ」|あにまん掲示板「…は?」 ミカの表情が、疑問に曇る。当然だ。私だって、今しがたその言葉を発した自分自身がなんとも滑稽でならない。少なくとも、年ごろベッドの上で咳き込んでいるだけの虚弱な女が放つ言葉にしては、あまりに…bbs.animanch.comミレニアムEXPOを挟んでの続きを書きたかったけど、内容が全く思い浮かばなかった奴です。今も思い浮かんでないです。
色々語ろうと思ってたのに不覚にも落としてしまったので、大分空きましたが周年イベ関連とてーぱーてー語りを兼ねてのんびり書けたらいいな、ぐらいの感覚で建てました。こうでもしないと絶対に着手しない気がした。
- 3二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 17:42:27
お、期待
- 4125/03/24(月) 18:41:43
普通に落としそうで大焦り
2、3レス分くらい書き溜めてから立てるべきでしたごめん
落ちたら何事も無かったかのように建て直しますね... - 5二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:42:15
とりあえず10か
- 6二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:43:54
くそっ覚悟~のせいでロールケーキをうちこまれるセイアちゃんが連想されてこまる
- 7二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:44:58
期待上げ
- 8二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:47:34
- 9二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:48:43
期待
前スレマジで激熱すぎてすき - 10二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 18:49:39
後生だからネルセイについてイッチはどう思ったか聞かせてほしい
- 11125/03/24(月) 19:21:56
たすかった。ありがとうございます...
短編以上長編以下を書くならモチベ維持的な意味合いでも、突発スレ立て勢い執筆は結構悪くないのでは、と思ってます。二作目書こうとして途中で筆折った身なので説得力無いんですけどネ...。
言語化難しいけど「良き」の一言に尽きます。ちびっこコンビ。問題解決を通して気心知れた仲になってからの軽口合戦が大好きすぎる。
ミカとセイアの相性が「悪い」とは言いませんが、切れ味高めのセイアちゃんとカラッとしてるネル先輩は話してて気楽そうだな、という印象。関係性の違いとかもあるのでこうだ、と言い切る事は出来ないですが。
難しい言葉でズバズバ物を言うセイアちゃんの言葉を額面通り真っ直ぐに、全部そのまま受け止めちゃうミカはむっとしがちで、ネル先輩は言葉遣いとか気にせず、セイアが「何を言いたいのか」だけを抽出して受け止めてるイメージ。
まぁ、ネル先輩の内面が大人びすぎてる所がデカいとも思います。リオレベルのバッドコミュニケーションかまさなければ、結構誰とでも仲良くなれるのが想像に易い。
ただ、「コイツめんどくさそ、リオと同じタイプか?」→「『頼る』が出来る行動派。いいねぇ!」って評価の遷移は、エデン条約を経てセイアちゃんが「頼る」を出来なかった友人の失敗から学び、成長した行動の結果、みたいな捉え方が出来るかな、と。「頼る」に関しては前スレでもフォーカスした内容です。
早口出ちゃう!
- 12二次元好きの匿名さん25/03/24(月) 19:26:36
- 13二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 01:52:22
ティーパーティーはもっとドラマみたいな青春見せてくれ
- 14二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 11:11:33
前回の観たけど面白かったので期待
- 15二次元好きの匿名さん25/03/25(火) 20:02:01
ほす
- 16二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 05:54:24
保守
- 17二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 14:22:33
ほ
- 18二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 18:45:39
ほしゅ
- 19二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 22:30:31
ほしゅ
- 20二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 22:36:50
先生に力負けしかけるナギサと、病弱が治ったおかげで固定されてる数百kgの自販機を揺らせる程パワーが回復したセイアの殴り合いか…
- 21二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 07:41:44
ほす
- 22二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 14:24:04
ほしゅ
- 23二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 14:55:15
ほい
- 24二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 14:56:38
セイアちゃんが殴り合うスレって結構多いんだな
- 25二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 00:09:33
セイアがかなりやんちゃお嬢様だったから想像付きやすいんよな
- 26125/03/28(金) 01:14:01
「はぁ………」
一秒前に流し込んだ紅茶の香りを纏う溜息は熱を帯び、蒸気の様に微かに白く色づいて空に溶けていく。
物憂げな表情は、そのまま彼女の抱える内心の憂いそのものの色を映していた。
既にトリニティを離れ、遠くミレニアムサイエンススクールへと旅立った友人。彼女の望みをただの「我儘」だと断じてしまえば、きっとそれまでだったのだろう。
ナギサがそう出来なかったのは、薔薇の茎の様な棘だらけの言葉の根っこに見えた、ナギサを慮る純粋な気持ちから目を逸らせなかったからだ。
セイアのそれを否定して、ナギサが自分の意見を押し通そうとすれば、今度残るのはナギサの「我儘」だけになってしまう。
その理屈は奇しくも、あの古聖堂で「赦し」を選んだ幼馴染のそれと似通った物だ。もっとも、ミカの選択を知らないナギサと、今ここにあるナギサの葛藤と選択の理由を知らないミカの間で共有されない限りは、日の目を浴びる事の無い偶然だが。
「……あっさり先生の言う事聞いた割に、不服そうじゃん。ナギちゃん?」
机に肘をつき腕に顔を預け、両手に預けたスマホから目線だけをナギサに寄越すミカが口を開く。カップを口元から離し手元のソーサーに戻すナギサは、後味を噛みしめるのも程々に口を開く。
「私だって、私自身の仕事量に多少の無理がある事くらい分かっています」
「多少どころじゃないと思うけどなぁ。ほぼ三人分でしょ、三倍だよ?」
どの口が。腸がぐつりと立てた音を、聞かなかった振りで誤魔化し、みたび紅茶を口に含む。 - 27125/03/28(金) 01:16:04
「その上で、秤に掛けたまでです。過労の私と病み上がりのセイアさんの、どちらに適した仕事であるかを」
先の会議でもナギサが例示した、ミレニアムに関する芳しくない噂も大いに彼女の心労の一因ではある。ただ、外的要因だけが心配の種ではない。
「今は安定しているかもしれませんが、出先で突然体調を崩したら…?」
今回のミレニアムEXPOに際した学園交流に、救護騎士団は同行しない。シスターフッドと併せて、それぞれ異なる理由で外交向きでない事もあっての判断だ。故に、当然ながらかかりつけ医である彼女たちの協力は見込めない。
果たして向こうに、緊急事態に対して適切な処置を出来るだけの設備や知識、それを活かせるだけの技術を持った人手があるのだろうか。
「…設備はともかくとして、セイアさんの容態に関する知識が無いのは事実ですから」
「それを言い出したら、ナギちゃんだっていつ倒れるか分かんないし一緒じゃない…?」
む、っと顔をしかめるナギサ。「私は良いんです。本当に限界になったら分かりますから」。わざわざ口には出さず、態度でそう語りながら追いカフェインを決める姿から、ミカはやれやれと目を逸らす。 - 28125/03/28(金) 01:17:32
「……」
そのまま暫しの沈黙が流れ、ナギサの心中が波打ち始める。
「私は、どうするべきなのでしょう……」
目を閉じ、先の会議で彼女が言った言葉を諳んじた。
『────君たちが私の心配をしてくれるというならば────』
『────その権利は同様に、私にも有って然るべきじゃないのかい────?』
心配。そう、ナギサとセイアは、互いの事を同様の理由で心配している。
未だ安定したとは言えない具合のセイアと、いつ過労が限度を超えるかわからないナギサ。客観視してみれば、不安材料としては確かにどっこいどっこいではあるだろう。
「ナギちゃんも殴り合ってみたら?結構スカっとするよ☆」
「本末転倒どころの騒ぎでは無いでしょう……」
おちゃらけた調子の提案に、深いため息を吐くナギサ。セイアの事を守りたいが為の喧嘩なのだから、そのセイアをぶん殴って何になる、という話だ。
あの喧嘩から半年弱。三人の間では未だ記憶に新しい。
『悩んだり、不安がある時は誰かにちゃんと相談する』。先生を呼び、仲裁を頼んだのも、その反省の目に見える一歩だと言えるだろう。
ただ、この件はミカの時とは話が違う。あれは、か弱いセイアが裡に閉じこもったミカを助けたがったから、成立した物のはずだ。
「ナギちゃんとセイアちゃんでも、ナギちゃんの方がギリ強そうだもんね。ナギちゃんから殴っちゃったらちゃんといじめかぁ」
「そういう話ではなく……」 - 29125/03/28(金) 01:19:53
大変お待たせしました。ありえないくらい間空ける事もあると思いますが、前と同じように最初の1レスに合流させられるようにゆるゆる書いていくので、付き合っていただけると幸いです...。
- 30二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 07:48:08
ゆっくりと楽しませていただきます
- 31二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 14:33:54
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
- 32二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 18:37:03
ほしゅ
- 33二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 22:47:50
ゅしほ
- 34二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 08:21:17
おっとっと
- 35二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 13:32:26
ほーす