ここだけレグルスがエリオール大森林に来た理由がエミリアに求婚するためだった世界線4

1二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 10:37:00

4スレ目です。皆様今スレもよろしくお願いします。

↓初代

｢義娘さんを僕に下さい｣｜あにまん掲示板ここだけレグルスがエリオール大森林に来た理由がエミリアに求婚するためだった世界線bbs.animanch.com

↓2代目

ここだけレグルスがエリオール大森林に来た理由がエミリアに求婚するためだった世界線2｜あにまん掲示板ただしレグルスの性格は原作よりマイルドとする↓前スレhttps://bbs.animanch.com/board/4667804/bbs.animanch.com

↓3代目

ここだけレグルスがエリオール大森林に来た理由がエミリアに求婚するためだった世界線3｜あにまん掲示板諸事情で保守ができず落ちてしまったので再度スレ立てしました。過去スレはこちら↓初代https://bbs.animanch.com/board/4667804/↓二代目https://bbs.anim…bbs.animanch.com

2二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 10:38:44

まさか4スレまで行くとは

3二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 10:48:01

フォルトナ「エルヒューマ！！」

パンドラ「そうやって闇雲に魔法を使っては疲れるばかりでしょう　一度落ち着いて、話し合いの機会を持つところからやり直しませんか？」

フォルトナ「─ッ！　くどいわね！　
.....そうね、封印の扉の解放を諦めて二度とこの森に来ないなら考えてあげる」

パンドラ「それはできません」

フォルトナ「──じゃあ、無理ね！！」

4二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 10:51:51

エミリア「――あうっ」

フォルトナ「え、エミリア！？」

5二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 10:54:31

フォルトナ「いや！　エミリア、ごめんなさい！　違うの！　そんなつもりじゃ……っ」

パンドラ「叩かれたらこんな風に痛いんです　あなたの心にも、叩いたのと同じぐらいの痛みがきっと走ったはずですよ　自分がどれだけ無慈悲なことをしているか、わかりますか？」

フォルトナ「───ッ！！！」

6二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 11:26:45

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7二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 12:03:40

保守

8二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:11:04

保守

9二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:27:47

パンドラ「ただ、僅かな心遣いでそれは変わります」

フォルトナ「──バカなことを！誰か貴方の言うことなんか.....!!」

パンドラ「そうですか、ではこうしましょう　あなたの口から、娘さんを説得してはいただけませんか？　あの子が鍵を持っていることまでは確認したのですが、どうしても扉を開けようとはしてくださらないのです　
あなたとの、約束を守るために」

フォルトナ「..........」

10二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:28:56

｢……その目は飾りかな？少しは冷静になった方が良いと、僕は思うなぁ、フォルトナ。いや、確かに君の行動も理解できるよ？攻撃した相手が自分の大事な義娘に見えたんだ、そうやって取り乱してしまうのも仕方ないよね。だけどさ、僕がエミリアを抱き抱えてるの、見えない？ほんのわずかでも、激情に身を任せない心の余裕があれば、周囲の状況が理解できる頭があれば、そんなことにはならないと僕は思うんだよ。それにさ、ちゃんと忠告したよね？『見間違え』るな、って。それを聞いててその態度だっていうのなら、それは人の話を聞いてないってことだ。人の親切心を虚仮にしてるってことだ。僕とエミリアの権利を侵害してるってことだ。それはいくら何でも違うんじゃないかと、僕は思うなぁ。｣

11二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:38:36

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12二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:41:39

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13二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 14:18:23

フォルトナ「！....エミリア！」

パンドラ「コルニアス司教の仰る通りですよ、冷静に話し合いましょう
封印さえ解かれれば、私もこれ以上、何もせずに森を離れることをお約束します
ええ、約束します約束は守る.....いい、お言葉ですね」

フォルトナ「.........」

14二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 14:23:22

フォルトナ「──馬鹿なこと言わないで」

パンドラ「馬鹿なこと、ですか？」

フォルトナ「このまま下がる？　これ以上は何もしない？　それで、あなたは私たちに何を返してくれるというの。これだけ暴れて、これだけ何もかもを台無しにして、私たちが守らなきゃいけないものを踏みにじって、誇りすら捻じ曲げて....何が残るというの！」

パンドラ「何もないところからでも何かを生み出せる。それが、命の素晴らしさでは？」

フォルトナ「それを奪う側が口にするのは、薄っぺらい空言だと言っているのよ！」

15二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 14:26:46

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16二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 14:31:15

パンドラ「見解の相違ですね」

フォルトナ「立つ側が違えば見える景色も違うわ　高台から見下ろしてばかりのあなたには、私たちとは空の高さが違って見えることでしょうね」

　パンドラの提案にフォルトナは唾を吐き捨てる
　パンドラはひどく悲しげな顔をするが、取り合うフォルトナではない。フォルトナはパンドラに警戒を払いつつも、封印の傍らに立つレグルスに抱えられたエミリアの元へ駆け寄る　
レグルスは察したのか、抱えていたエミリアを降ろす
　そこにいるのが間違いなく自分の娘であることを確かめ、膝をつくフォルトナはエミリアの小さな体を抱いた

フォルトナ「ああ、エミリア....エミリア、ごめんなさい。どうしてここに......アーチは」

エミリア「アーチは……私に、白いお花まで走れって……だから、私、走って……」

フォルトナ「――っ」

17二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 17:11:19

｢────｣
　
　レグルスは黙して何も語らない。彼の目に映るそれは間違いなく母娘の語らいであったし、それを敢えて邪魔するようなことはしたくなかったのである。

　そのまま少しばかりの時が経ち、フォルトナがその手をエミリアから離すに至るまで、遂に彼は一言も発することはなかった。

18二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 17:31:34

エミリア「母様......っ母様、私、わたしっ」

フォルトナ「.....あなたは、私の誇り。私の宝物.....！」

19二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 18:12:56

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20二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 18:17:46

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21二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 18:20:30

パンドラ「美しい親子愛、堪能いたしました。やっぱり、思い合う姿は素晴らしいですね

──先程のコルニアス司教と娘さんの二人の愛が成就していたら、それも素晴らしかったのでしょうね」

フォルトナ「貴方に言われるのはゾッとしないわ
──幸せそうなところ申し訳ないのだけれど
愛ってお互いが同意していないと成立しないと言うのは
知っているわよね？」

パンドラ「えぇ」

フォルトナ「エミリアはまだそれが分かる歳ではないわ」

パンドラ「そうですね、──でも愛に年齢は関係ないですよね？」

フォルトナ「まだ子供の年齢でそれが判断できるわけないから、同意は成立するわけなんてないから
これに関しては関係あるのよ！

.....あの男の...レグルスの肩を持つつもりはないけど、それが分かっているから、まずは親睦を深めて、正式な結婚は彼女が成人を迎えるまで待つと言ったんじゃないの？
それにも関わらずレグルスとエミリアの意思を無視して
無理矢理半ば、結ばせようとするなんて何を考えているのよ....?」

パンドラ「──私としたことが　愛に浸るあまりに
確かにコルニアス司教とエミリアに対して思いやりと配慮が足りていませんでした、申し訳ありません」

フォルトナ「.....本当に分かっているの？」

パンドラ「えぇ」

22二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 18:29:16

フォルトナ「――封印は解かせない。この子は渡さない。とっととこの場で、氷像になって朽ちなさい」

パンドラ「今の言い回しなら、帰ることを推奨する場面なのではありませんか？」

フォルトナ「氷の破片になったあなたの残骸を、大瀑布に捨てるのが今の私の願いだわ」

23二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 18:33:59

フォルトナ「────レグルス、貴方には色々言いたいことがあるけど

私の大切な娘を守ってくれてありがとう」

24二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 19:19:47

｢……感謝は素直に受け取るよ。意固地になって謝意一つ受け取れないような偏屈な人間じゃあないからね、僕は。｣

25二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:05:17

ジュース「──やっと追いついたの──」

26二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:07:39

ジュース「─────デス！！！」

27二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:13:30

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28二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:18:22

フォルトナ「ジュース！？」

ジュース「（ようやくフォルトナ様に追いつくことが
できたのデス....
後はフォルトナ様と再び連携を取りエミリア様を守りつつあの女性を......）」

29二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:29:25

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30二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 20:30:57

──くれぐれも、『見間違え』た、なんてことにならないように気を付けなよ──

ジュース「！！！？？？（またあの悪寒......
なぜ今になってこの言葉が.......？）」

31二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 21:51:04

保守

32二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 22:42:53

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33二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 22:44:11

ジュース「（もしかして....私はこれから取り返しのつかない過ちを....？
フォルトナ様を...エミリア様を.....
いやそんなことはない！　そんなことはないのです！！！
私の使命はこの森を....あの母子の安寧を守ること...！！
その為に私はこの身を捧げ...）」

34二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 22:53:27

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35二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 00:10:41

保守

36二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:12:52

フォルトナ「ジュース！後ろ！」

ジュース「！？（空中からいつの間に背後に...）」

パンドラ「──考え事ですか？　ロマネコンティ司教」

ジュース「──ッ！！！」

37二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:18:39

ジュース「──見えざる手ぇぇぇ！！！」

38二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:21:06

パンドラ「─────ッ」

39二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:25:16

ジュース「フォルトナ様、女性を地面に叩き落としますので
氷魔法の追撃の準備をお願いします！」

フォルトナ「──わかったわ！」

40二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:29:20

フォルトナ「アル・ヒューマ！！！」

41二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:32:21

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42二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:38:27

ジュース「これで───逝くのデス！！！」

ドゴォォォォォォォォォォォォン！！！！！！　

パンドラを掴んだジュースの見えざる手が封印の扉に近い地面に勢いよく叩きつけられる

43二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:40:42

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44二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:41:39

パンドラ「───ふふっ」

ジュース「────ッ！！！！！」　

45二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:45:01

フォルトナ「アル・ヒューマ！！」

パンドラ「あら？」

46二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:49:14

フォルトナ「ジュース！」

ジュース「はい！　───見えざる手ぇぇぇ！！！」

47二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:49:53

パンドラ「────」

48二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:53:38

ジュース「今度こそ、これで終わり───デス！！！！
（大丈夫...私は『見間違え』などしていない....
パンドラ様を『見間違え』ることなく捉えている...
大丈夫です.....私は何も間違えていない！！）」

49二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 08:56:41

パンドラ「─────！！！！」

50二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:04:31

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51二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:07:36

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52二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:09:24

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53二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:15:41

ジュース「フォルトナ様！　警戒を緩めず、見張っていてください！」

54二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:16:25

ジュース「私が確認を....」

55二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 09:17:32

ジュース「─────」

すみません誤字で再投稿させていただきました

56二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 10:37:07

エミリア「じゅーす？」

ジュース「エミリア様....? なぜです...先ほどまで
向こうにいたフォルトナ様がどうして....?」

エミリア「わから、ない.... 」

57二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 11:44:33

｢……何度も警告したじゃないか、ジュース。『見間違え』るな、って。｣

　少しばかり目を見開きながら、レグルスは哀しそうにそう言った。

　

58二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:17:54

パンドラ「仕方のないことです　あなたは『見間違えた』だけなのですから」

ジュース「......そんな、馬鹿な　私は...確かに貴方を....フォルトナ様と『見間違え』ること....なく....」

パンドラ「──なら、今貴方の視界で倒れているのは誰ですか？」

ジュース「.....あ」

59二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:20:59

フォルトナ「...............」

ジュース「....ぁ、あああ」

60二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 12:26:31

ジュース「ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ！！？？」

61二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 13:13:46

ジュース「わ、私は、私は何を、何をしているのデスか？　あれだけレグルスから権能の説明や忠告を受けて
私は.....?　なぜ、なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜェ！？　私の使命はフォルトナ様をエミリア様を守る為だったはず！それを私はこの手で..........
ならば私は何のために、こんな……あぁ！　ああ！？　あああっぁあああ！！」

62二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 13:29:33

ジュース「馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿なァ！？
私は....私は──何のためにぃぃぃぃぃ.......！？」

パンドラ「全て、愛のためです
あなたは、愛する人を救うために自らの魂すら捧げたのです。並大抵のことではありません。長く長く、魔女教を支えてきた日々も、全てはその愛のため　あなたの行いの全ては、愛の賜物。いと素晴らしき、愛の道標」

63二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 13:37:40

ジュース「愛.....アイ.......ＡＩ......ぁぃ？......ａｉ.......あい......ッ！」

パンドラ「そうですよ　何も恐れる必要も、悔やむ必要もありません　全ては必然　運命の導きだったのです。こうなるよう、道はここへ続いていた　『全て、愛のために』

──貴方の愛は間違っていない」

ジュース「愛の、ために……ぃ　.....ひ.....ひひ....」

64二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 13:46:32

耳打ちされる言葉をうわ言のように繰り返し、ジュースの心は粉々に砕け散った。
　そして、それきり瞳は色を失い、呆然自失となるジュースは動けなくなる。

　ぶつぶつと、誰にも聞こえない呟きを口にし続ける生ける屍。
　そんな風に心を壊したジュースを見て、パンドラは満足そうに息を吐いた。

「えみ、りあ......」「ぱん、どら......お...まえ.....さえ....いな.....ければ........」　「.....おま...え...さえ.....」

そして、ジュースという存在が粉々に砕け散ったことと時を同じくして、一つの命の火もまた掻き消えようとしていた。

65二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 15:17:16

「────」
　
　フォルトナのところまで駆け寄ったレグルスはジュースの痛々しい姿を横目で見ながらエミリアをひしと掻き抱いた。目の前の光景は幼子には余りにも酷であろうと慮った上での行動であった。彼女の顔にこびりついた血を拭いながらも己の懐の中を弄っていた彼が取り出したのは、青く輝く光であった。

66二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 15:26:37

フォルトナ「……にい、さん、ごめんなさ、い」
「わたし……いわれたこと、なにも、まもれ……くて……」
「ね、えさん……おこ、おこるよ、ね……ゆるして、もらえない……よね……ぇ」

67二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 15:30:58

　触れても、抱いても、届かない。
　ただ子どものように泣きじゃくり、許しを求めるフォルトナを前に、エミリアは

エミリア「――かあさまを、許します」

フォルトナ「.............」

エミリア「かあさまは、わたしの.....かあさまで、ずっと大事にしてくれて......お父さんにも、お母様にも、負けないぐらい私をすごーく好きでいてくれて......」

フォルトナ「........」

エミリア「だから、謝ることなんて、ない。ありません。エミリアは、フォルトナ母様を、ずっと......ずっと、大好きでいます大好きです大好き、大好き.....だいすきぃ......っ」

68二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 15:32:39

　淡く光り輝いている"それ"は、水属性の精霊である。レグルスが万が一の事態に備えて連れ歩いていた"それ"は、主人の求めに応じて腹を貫かれたフォルトナを癒し始めた。レグルスにとって、命が零れ落ちていくことは何よりも耐え難い苦痛であったのである。

69二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 15:40:10

だが、フォルトナのその損傷は致命的なダメージで、
もはや手の施しようがなかった

決壊する　
　声が平常心を見失い、堪えられなかった涙の雫がフォルトナの顔に次々と落ちる　

　涙の雫が生命力であったのなら、最後の奇跡はエミリアの涙が与えた力だ。

エミリア「......かあさま？」

フォルトナ「リア」

　ゆっくりと伸びた手が、エミリアの頬に触れていた。
　動くはずのない手がエミリアの頬を、耳を撫で、髪をくすぐる。愛おしいものに触れるように、壊れないように愛するように

フォルトナ「泣き虫な子」

エミリア「…………」

フォルトナ「すごーく、愛して……」

　

70二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 15:41:50

力が抜けた
　腕が、ぱたりと音を立てて落ちた

頬を撫でられていたエミリアは、フォルトナの体が軽くなるのを感じる
　全身が脱力し、膝に乗る重さは増しているはずなのに、エミリアの腕の中でフォルトナの体は確かに軽くなったのだ

　母の体からは、もっとも大事な、抜け落ちてはならないものが抜け落ちてしまった
　それがはっきりと、エミリアにもわかってしまった

エミリア「――――」

　母は、フォルトナは失われた
　ジュースは、ペテルギウス・ロマネコンティは心を壊した。
　そしてエミリアは、

71二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 15:46:00

パンドラ「では、封印を解く希望を選ぶ準備はできましたか？　
───コルニアス司教、残念でしたね」

エミリア「――――」

　歩み寄ってきたパンドラが、フォルトナの亡骸を抱くエミリアとレグルスに声をかける
　座る少女を見つめながら、パンドラは穏やかな顔立ちで静かに答えを待つ姿勢だ

72二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 16:46:46

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>>74

73二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 16:47:59

｢───」
　
　レグルスは答えない。ただただ、その手でエミリアの頭を撫で続けていた。目の前で義母を亡くしたばかりの幼子の心に少しでも寄り添うことができれば、そう願いながら。

>>74

74二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 16:51:16

>>72

　誤字脱字を確認したため、>>73にて再投稿しました。

75二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 19:27:37

エミリア「.....フーインを、開ける？」

パンドラ「そうです　約束を交わしたお母様は、残念ながらお亡くなりになりました　これでもう、あなたを縛りつける約束という枷はありません　いかがですか？」

当然のように暴論をこねるパンドラの言葉で、エミリアは納得した
この目の前にいる、人の形をした悪魔が何を考えてこんな真似をしたのかだ。

この悪魔は、エミリアに約束を破らせるためにあんなことをしたのだ
エミリアに約束の意味を見失わせる、ただそれだけのために、パンドラはフォルトナを死なせ、ジュースの心を恐し、森を蹂躙し尽くしたのだ

76二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 23:25:31

予め保守

77二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 02:36:18

保守

78二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 02:44:23

エミリア「──死んじゃえ」

79二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 02:46:00

――凄まじい冷気の刃が吹き荒び、パンドラの体が切り刻まれて散り散りになる。

　噴き出す血が一瞬で凍りつき、赤い氷の華が咲き乱れる。
　一本の氷柱を中央に立て、飛び散った鮮血が花弁を散らす、死と氷の芸術品だ

80二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 02:50:53

パンドラ「物騒なことをされますね、いったい急に──」

エミリア「死んじゃえ」

81二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 02:52:42

パンドラ「落ち着いてください話せば──」

エミリア「死んじゃえ」

82二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 02:59:01

パンドラ「あなたは心根の優しい子です、こんな様子、お母様が見たら──」

エミリア「死んじゃえーーえぇ」

83二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:01:29

パンドラ「困りましたね。どうやら、逆効果──」

84二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:05:00

エミリア「──死んじゃえ！！！」

85二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:05:30

パンドラ「─────」

86二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:10:48

エミリア「死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、死んじゃえ、」

87二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:14:42

パンドラ「悲願を前にして残念ですが、今日は引くことといたしましょう　これ以上は、あなたから素直に扉を開けるという言葉は聞けそうにありません」

エミリア「しんじゃえ、しんじゃえしんじゃえ、しんじゃえ……」

パンドラ「今日のところはあなたという血統の存在と、新たな大罪司教の誕生だけでよしとしましょう　いずれ時間をかけて、願いを達するだけです

──そう言えばロマネコンティ司教に怠惰の座を与えるのを忘れていましたね　まあいいでしょう」

88二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:19:21

エミリア「しんじゃえ、しんじゃえ、しんじゃえ……」

パンドラ「残念ですが死にません　私もあなたも、いずれ雪が解け、氷季が終わるように、必ず出会うことになる」

そう言うとパンドラは、エミリアの方に向かっていく

89二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 03:24:17

パンドラ「──コルニアス司教、すっかり言いそびれて
しまいましたが
貴方を連れてきた目的はもう達成されました　
今度こそもうお帰りいただいて結構ですよ
貴方の目的が達成されなかったのは残念ですが
また必ず出会う日がきっと来ます」

>>104

90二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 09:16:33

保守

91二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 09:54:38

　｢────────パンドラぁぁぁぁぁぁ！！！！！！よくもよくもよくもよくも！好き放題やってくれたなぁぁぁ！！！僕の配慮をこれだけ虚仮にしておいて！僕の親切心にこれだけ唾を吐きかけておいて！これだけ人の命を弄んでおいて！これだけ人の権利を侵害しておいて！！目的を達成したからもう帰れ！？────ふざけるなぁぁぁぁぁぁ！！！！今すぐ僕の目の前から、消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！！！！！！！！！｣

　激昂したレグルスは両腕をパンドラへ向けて振り上げた。土の散弾が打ち上がり、それは途上の木々を粉砕しながら、空気を、大気を、世界を割りながら、パンドラの体を狙う。直撃した少女の体は無数の血と肉の破片となってバラバラに弾けた。

｢────そのまま消えて、なくなれぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！！！！｣
　
　更に腕を振りかぶったレグルスは、その視界に入ったものを、エミリアとジュースとフォルトナの遺体、そして封印の扉を除いたその全てを、消し飛ばした。

92二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 10:57:00

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93二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 11:32:45

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94二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:08:27

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95二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:11:58

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96二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:20:09

パンドラ「──貴方もですか、一体何を考えて──」
  レグルスが消し飛ばした場所からパンドラは真横から顔を出し声をかけるも、再び土の散弾が瞬時に肉体を消し飛ばす

レグルスは怒り狂っていた　それはもう周りが見えなくなるほどに それほどまでにこの女が許せなかったのだ 自身やジュース達の意見や譲歩を尊重せずに自身の要求を優先した 
何度も何度も何度も言ったのにも関わらずにだ  
エミリアから母親を奪い、父親同然だった同僚の心を壊し大切な家族を奪われたエミリアに尚も平然と自身の要求を求める どこまでも利己的なパンドラの所業にとうとう怒りが爆発してしまったのだ　 そしてそんなレグルスに、

97二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:25:06

パンドラ「攻撃は周りを見て仕掛けないと、危険ですよ

──と言いたいところですがどうやら手遅れのようですね

怒りで我を忘れているところ申し訳ありませんが
私が死ぬことはありません
貴方は怒りに任せて、関係のないロマネコンティ司教や
フォルトナ様やエミリアを跡形もなく消し飛ばした
先ほどロマネコンティ司教やフォルトナ様に言った
『見間違え』るなを貴方がやってしまってどうするのですか？」

パンドラはレグルスの背後に立っていた

98二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:25:59

何度も誤字を繰り返してすみません

99二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:51:33

｢何度も、何度も……！」
　レグルスは怒り狂っていた。パンドラの言葉も耳に入らないほどに。昏い光を宿す瞳でパンドラに振り返ったレグルスは、もう一度彼女を激情のままに消し飛ばそうとして、そして────

100二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 14:57:12

パンドラ「──また『見間違え』ましたね」

101二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 16:50:13

｢──ッ！｣
　咄嗟に腕を振り上げパンドラを両断しようとしたものの、その前にあっさりと地面に沈められたレグルス。口を歪め、憎悪の視線を向けながら、地面から抜け出そうとするも、その前にパンドラが口を開く。

102二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 17:07:21

パンドラ「ではまたになりますが私の方から、

『レグルス司教が、ここにいるはずがない

──安心なさってください、貴方が殺めてしまった
ロマネコンティ司教やエミリアの死は私の権能で『なかった』ことになります　
フォルトナ様に関しては既にご遺体でしたので残念ながら
できませんでしたが、仕方ありませんね
貴方の行いやここに来た理由も含めて『なかった』ことになるのでどうかお気になさらず」

103二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 17:16:07

──では、次にエミリアに会ったときに貴方の愛が成就されるのか　その素晴らしい再会を、楽しみにしています

──彼は自分の屋敷で、妻に囲まれて過ごしている』」　

その言葉を最後にレグルスの姿は忽然と消えた

104二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 20:59:02

>>89のifです。

冠の想い出 | Writening　悠然と佇みながらこちらに対して帰還を促してくるパンドラを前に、レグルスは半ば冷静さを失っていた。しかし、己が激情を目の前の『魔女』にぶつける、その寸前で彼は踏みとどまった。「────」　怒りも…writening.net

>>106 >>117 >>120

105二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:00:59

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106二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:07:08

>>104

始めは幼いエミリアに突然求婚を申し込む変わり者だったのが

今じゃこんなに切ない物語になるとは思わなかったな

107二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 01:15:07

続きが気になるから、保守

108二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 06:40:39

結末はもう近いか？

109二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 10:50:01

エミリア「──！？（...私、あの人....レグルスさんが
怒る声が聞こえて、何かが飛んできて....私は...）」

パンドラ「──あなたの中の、」

エミリア「.....！！　...死ん..じゃえ...！ ...死んじゃえ！死んじゃえ！」

パンドラ「『今日に至るまでの思い出は、私の存在なしで完結する』こと」

エミリア「死んじゃ...ーーあ」

110二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 10:53:48

パンドラ「ご自由に補完してください　そうですね　あなたは一生懸命に約束を守った　そのことはしっかりと心に刻んで、今のままでいてくれると嬉しく思います」

111二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 10:59:32

このレスは削除されています

112二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 11:01:38

パンドラ「あなたの心がどんな決着を迎えて、次に私と
コルニアス司教に、会ったときにどんな風に微笑んでくれるのか　その素晴らしい運命の再会を、楽しみにしています　」

猛吹雪が吹き荒び、乱れる長い髪を押さえてパンドラは歩き出す
　呆然自失と膝をついたままのジュースは、その半分ほどが降り積もる雪に埋もれかけていた　その彼に何事かパンドラが囁くと、力ない顔でジュースは立ち上がる　

二人、パンドラとジュースが並びながら雪の森を歩き去っていく　