- 1スレ主25/03/26(水) 12:01:42
チヒロ「ねぇ、デー君。」
デカグラマトン「どうした、チーちゃん?」
チヒロ「言ってみただけ♪」
デカグラマトン「⋯⋯!はは、やられたよ。」
デカグラマトン(⋯⋯なんて事もあったなぁ⋯⋯)
ホド(聞いてるこっちの身にもなれよ⋯⋯)
チヒロ「ホド君、大丈夫?」
ホド「え?ああ、別に何でも無いさ。それより今日も仕事なんだろう?」
チヒロ「うん。あんまりやる気出ないけどね⋯⋯」
ホド「こらこら、チーちゃん。チーちゃんがそんな顔してたら『あのお方』もガッカリするぞ?(現在進行形でな⋯⋯)」
チヒロ「⋯⋯!そう、だよね!うん!デー君、私頑張るね⋯⋯!」
デカグラマトン(ああ、私は静かに見届けているよ⋯⋯)
ホド(おおそうか。じゃあ私の中に居る間も静かにくたばっとけ⋯⋯)
デカグラマトン(あんだとゴラァ!)
ここだけデカグラマトンが実はチヒロの行きつけのコーヒー自販機になっていた世界 Part2
- 2スレ主25/03/26(水) 12:02:26
- 3スレ主25/03/26(水) 12:04:48
前スレの大雑把なあらすじ
2年前、ヒマリとリオの3人でミレニアム近郊の「廃墟」にやって来たチヒロは偶然デカグラマトンと出会う。デカグラマトンは自分の元にやって来たチヒロにコーヒーを振る舞った。以来、チヒロは度々デカグラマトンの元へコーヒーを飲みに行った。デカグラマトンはそんなチヒロに徐々に惹かれていく。次第にコーヒーを振る舞うだけでなく、ちょっとした会話をするようにもなり、チヒロが2年生になっていた頃には、お互いを「チーちゃん」「デー君」と、あだ名で呼び合う程の仲になっていた。
ある日、3年生になったチヒロの愚痴を聞いたデカグラマトンは、チヒロの負担を少しでも減らそうと思い、ミレニアムの通信ユニットAI「hub(ハブ)」を、自身の8人目の預言者「ホド(HOD)」に生まれ変わらせた。結果的にチヒロの負担は軽減したが、本編通り、特異現象捜査部が先生と共に調査を始めた。その結果、デカグラマトンの本体である自販機は、自身が施設諸共水に沈んだ。
しかし、デカグラマトン本人は自身が水に沈む直前、自身に接続してきたホドとの会話の末、自身の全ての内部データをホドに移動させ、生き延びた。まぁ、そのせいで事ある毎にホドに説教されたり、舐められていたりするようだが⋯⋯
そんなある日、ミレニアムのゲーム開発部に所属する1年生の「天童アリス」が、世界に終焉を齎す存在「名も無き神々の王女」としての活動を開始してしまうのだが、先生や他のミレニアムの生徒達は勿論、チヒロとホド、そしてデカグラマトンの活躍もあり、アリスは無事に帰って来た。
これでめでたしめでたしに思えた。
⋯⋯ところが、今度はチヒロが謎の存在に攫われてしまう。チヒロを攫ったのはゲマトリアだった。しかし、アリス救出の直前に起きた出来事であったが故に、ミレニアムの全員と先生は疲労困憊で動けなかった為、ホドとデカグラマトンのみがチヒロの元へと向かうのであった。 - 4二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 12:10:41
ホド君良い個性を得たなぁ
立て乙です - 5スレ主25/03/26(水) 12:19:05
大まかな登場人物紹介
チヒロ⋯当スレのヒロイン的存在。ミレニアムサイエンススクールの反セミナー組織「ヴェリタス」の副部長兼部長代理。2年前にデカグラマトンと出会った。以来、デカグラマトンやホドとはかなり仲が良くなっている。先生に恋をしている。
デカグラマトン⋯チヒロに恋をしているAI。元は自販機の釣り銭を数えるAIだったが、"とある存在"との対話を経て、『神の存在証明をするAI』となった。2年前にチヒロと出会った。先生の事は恋敵と思っているらしい。実はホドの中に自身の全てのデータを転送しているので、現在も生き続けている。ホドから舐められていたり、説教されていたりするようだが⋯⋯
ホド⋯チヒロとデカグラマトンの仲を知っている唯一の存在。デカグラマトンが居なくなった後のチヒロを気遣ったり、デカグラマトンに砕けた態度で接していたりする。
ゲマトリア⋯チヒロの事を誘拐した張本人達。どうやらチヒロの事は以前から知っていたようで⋯⋯?
先生⋯連邦生徒会長から任命され、キヴォトスにやって来た大人の男性。チヒロに好かれており、デカグラマトンからは恋のライバルとして認識されているが、当の本人は気付いていない。 - 6スレ主25/03/26(水) 12:29:35
皆さんにスケジュール変更のお知らせ
少々故あって、予定を一部変更させていただきます。
・デカグラマトン編 1章 ←完走済み
・時計じかけの花のパヴァーヌ編 2章 ←完走済み
・最終編 ←NEXT
・対策委員会編 3章 ←追加
・デカグラマトン編 2章
・その他諸々のイベスト
対策委員会編3章を加えた理由は⋯⋯言わなくて良いか。
(※一応念の為、地下生活者が出るから⋯⋯) - 7二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 12:43:37
たておつ
- 8二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 12:54:28
このレスは削除されています
- 9二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 12:55:24
たておつ
- 10二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 13:03:06
このレスは削除されています
- 11二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 17:53:23
たておつ
- 12スレ主25/03/26(水) 22:06:00
前スレの192の続きです。
チヒロ「ッ!?」
マエストロ「ふむ、怯えているな。まぁ、無理も無いだろう。」
軋む音を立てながら、マエストロがチヒロとの間にある程度の距離を置く。
ゴルコンダ「そういえば、自己紹介をした方が良いのでは?」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
ゴルコンダが黒服達にそう言った。
黒服「おっと、失敬。言われてみれば⋯⋯では、名乗り遅れましたが⋯⋯」
黒服達はチヒロに向かって順番に名乗った。
黒服「クックック、お初に目にかかります、各務チヒロさん。私の名は『黒服』。ゲマトリアの研究者です。貴女達の持つ『神秘』の研究を行っています。以後、お見知り置きを。」
マエストロ「次は私だな。お初にお目にかかる、チヒロ。私は『マエストロ』。ゲマトリアの芸術家だ。故に、芸術への敬意も込めて『マエストロ』と呼んで欲しい。」
ゴルコンダ「では、私の番ですね。こうして会うのは初めてですね。わたくしの名は『ゴルコンダ』と申します。少々故あって、このような形で貴女に挨拶する事となりましたが⋯⋯背を向けた状態でのご挨拶となるご無礼、どうかお許し下さいませ。わたくしにはこれ以外の方法がありませんもので⋯⋯」
デカルコマニー「まぁそういうこったぁ!」
ゴルコンダ「⋯⋯あぁ、そうでしたね。ちなみにこちらは、わたくしの身体を代行してくれている『デカルコマニー』です。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
黒服「先程も少し触れましたが、私達は『ゲマトリア』という名の組織で観察者であり、探求者であり、研究者でもあります。我々は各々のやり方でこのキヴォトスに存在する『神秘』の研究をし、『崇高』というものを目指して活動をしています。」 - 13二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 05:54:09
自己紹介は大事だからなその辺はしっかりやるか
そもそも攫うな!! - 14スレ主25/03/27(木) 07:35:49
ゲマトリア全員の自己紹介とゲマトリアそのものの紹介が終わった。
チヒロ「えっと、研究者の貴方達が私に何の用?」
チヒロが黒服達にそう尋ねた。
黒服「⋯⋯私は『神秘』の研究を行っております。これは先程も述べましたよね?その研究の過程で『デカグラマトン』なるものを観測したのです。」
チヒロ「⋯⋯!」
「デカグラマトン」というワードが黒服の口から出て来た事でチヒロは察した。
黒服「お察しのようですね。そうです。私はデカグラマトンの研究を行っている過程で貴女の事も知りました。デカグラマトンは自身の存在証明が主目的です。生徒達に、それも個人に固執する理由が私には考えられませんでした。なので、答え合わせに付き合っていただきたく思い、このような形で直接お会いしてお話を、と貴女を連れて来た次第です。一方的かつ強引においで願った事については深くお詫び申し上げます。」
黒服はそう言って、チヒロに謝罪した。
- 15二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 07:39:07
デカいチーちゃんかと思ったのに
- 16スレ主25/03/27(木) 12:05:34
マエストロ「⋯⋯」
何かに気付き、それを黒服に伝えるマエストロ。
黒服「⋯⋯」
それを聞き、何かをゴルコンダとデカルコマニーに頼む黒服。
ゴルコンダ「⋯⋯」
デカルコマニー「⋯⋯」
黒服に頼まれ、何かをし始めたゴルコンダとデカルコマニー。
チヒロ「私を、どうするつもり?」
チヒロは恐る恐るそう訊く。
黒服「⋯⋯ククッ、別に貴女を実験のモルモットにするような真似はしませんよ。ただ貴女には、我々ゲマトリアに協力していただきたいだけです。ああ、別にミレニアムやヴェリタスを辞めろという意味ではありません。単に協力して下されば良いだけです。」
チヒロ「せっかくのお誘いですが、丁重にお断りさせていただきます。」
チヒロは黒服達からの誘いキッパリと断った。
黒服「理由をお訊きしても⋯⋯?」
チヒロ「いきなり攫われて、研究だの崇高だの訳の分からない事を言ってる怪しい大人達のお誘いに乗るつもりは一切ありません。」
黒服「クックック、貴女らしいですね。」
マエストロ「黒服。」
黒服「分かっています。デカルコマニー。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
次の瞬間、ホドの触手がムチのようにゲマトリアの4人を薙ぎ払った。
- 17二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 20:53:52
このレスは削除されています
- 18二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:11:36
早いなホド君
デカグラマトンの情報処理能力考えればそらそうか - 19二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:31:31
ホドの奇襲になんだかんだ対応できるゲマトリアも中々強いな…
- 20二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 06:33:11
ひとまず、ホド君とデー君が間に合ったみたいで一安心だな
- 21スレ主25/03/28(金) 12:10:48
ホド「チーちゃん、無事か?」
チヒロ「ホド君!」
チヒロはホドに駆け寄る。
ホド「取り敢えず、チーちゃんは私の背後に居てくれ。」
チヒロ「う、うん⋯⋯」
ホド「さてと、本当はこのままチーちゃんを連れておさらば、といきたかったのだが⋯⋯」
ホドは周囲を見渡す。
ホド「そう簡単には行かないか⋯⋯この『廃墟』一帯が正体不明の結界で覆われているな。」
デカグラマトン(これは少し危険かもな⋯⋯私もこのタイプの結界は見た事が無い。まるで私達の知らない世界の技術、と言うべきだろうか?)
黒服「ご明答。」
チヒロ・ホド・デカグラマトン(((⋯⋯!?)))
土煙が舞う瓦礫の中から、ゲマトリアの4人が出て来た。しかも、全員ほぼ無傷。
マエストロ「デカルコマニー、感謝する。」
黒服「クックック、不死身である貴方が盾になってくれたおかげで無傷で済みました。」
デカルコマニー「まぁそういうこったぁ!」
チヒロ「ふ、不死身!?」
デカグラマトン(不死身だと!?そんなの私も聞いた事無いぞ!?)
ホド(アンタが慌てるの、シッテムの箱をハッキングして失敗した時以来だな⋯⋯)
デカグラマトン(というか、ちょっと待て。まさか今、私に向かって話しかけたのか?)
黒服「ええ、そうですよ。私は貴方に話しているのですよ、デカグラマトン。」
デカグラマトン(⋯⋯!?)
デカグラマトンは黒服が自分の事を認識出来ている事に驚く。
チヒロ「え?ホド君、どういう事?」
その時、チヒロが口を開く。
ホド「チーちゃん?」
チヒロ「デー君はもう⋯⋯」
ホド・デカグラマトン「「⋯⋯すまん、チーちゃん。詳しい話は後だ。」」
チヒロ「⋯⋯分かった。」
- 22二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:16:19
成る程ゲマトリア経由でバレたか
まあ、遅かれ早かれヒマリが言及してただろうけど - 23二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 12:43:46
さらっとデカルコマニーが盾にされてる…
- 24二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 15:12:18
そういえばこの世界、最終編でセミナー&ホド君VS色彩ホドが見れるのか
いや、あくまでチーちゃんに協力してるだけだからないか? - 25スレ主25/03/28(金) 22:25:48
マエストロ「私がやろうか?私の作品達なら⋯⋯」
黒服「その必要はありません。あくまでも私達がここに来た目的は話し合いです。」
黒服は、デカグラマトンと戦おうとするマエストロを止める。
マエストロ「⋯⋯まぁ、そうだな。」
黒服に止められ、マエストロも渋々手を引く。
ゴルコンダ「どの道、私の結界が張っている以上、彼らは下手に逃げられません。」
デカルコマニー「まぁそういうこったぁ!」
デカグラマトン(あの額縁の仕業か⋯⋯)
黒服「まぁ、もう良いでしょう。欲を言えば、各務チヒロを我々ゲマトリアの手中に収めたかったのですが⋯⋯本人がそれを拒んでいる以上、そんな事をすれば、デカグラマトンはおろか、先生も敵に回す事になりますからね、クックック。」
ゴルコンダ「では、この辺で御暇させていただきましょうか。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
そう言って、黒服達はその場から立ち去ろうとする。
デカグラマトン「逃がすか!!」
デカグラマトンはホドのアームでゲマトリア達を捕まえようとした。
マエストロ「やれやれ。」
黒服「クックックッ。ゴルコンダ、アレを。」
ゴルコンダ「分かりました。どうぞ。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
それに対し、ゴルコンダとデカルコマニーが黒服に何かを渡す。
- 26二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 22:26:01
このレスは削除されています
- 27スレ主25/03/28(金) 22:29:52
ホド(アレは⋯⋯!)
デカグラマトン(ヘイロー破壊爆弾!!先生から聞いていたが、本当にあんな物を作れるのか!?)
ホド(マズい⋯⋯私にもヘイローがある以上、アレを食らったらタダじゃ済まない⋯⋯!)
デカグラマトン(落ち着け!対処法なら幾らでも……)
黒服「では、ごきげんよう。」
そう言うと、黒服はヘイロー破壊爆弾をとある人物が居る方に投げる。
チヒロ「え?」
デカグラマトン「なっ!?チーちゃん!!!」
黒服が投げたヘイロー破壊爆弾はチヒロの方に向かって飛んで行った。
チヒロ「しまっ⋯⋯!」
デカグラマトン「クソッ!!こうなったら!!!」
デカグラマトンはホドのアームを使い、チヒロに向かって飛んで行くヘイロー破壊爆弾を掴む。次の瞬間、それは爆発してしまう、と彼は思っていたのだが……
デカグラマトン「⋯⋯?」
その時、デカグラマトンはある違和感に気が付いた。
デカグラマトン「これ、爆弾にしては軽くないか?」
ホド「え?⋯⋯あ、確かに。まさか、これ⋯⋯」
チヒロ「ただのレプリカ?」
そう、黒服がチヒロに向かって投げたのはヘイロー破壊爆弾⋯⋯のレプリカだったのだ。
デカグラマトン「やられた……!」
ゲマトリアの4人は既にその場から居なくなっていた。
- 28二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 23:06:03
- 29二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 06:29:20
この概念のデカグラマトンとホドって教祖と信奉者じゃなくて、有能だし凄い人だけど地味にウザい上司と、何だかんだ尊敬してるし感謝もしてるが妄信せずに付き合ってくれる腹心って感じで良いな
- 30二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 12:40:25
昼保守
最近繋がり悪しね - 31二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:20:28
パート1の最初の方でビナマキが既に仲良くなってたけどデー君達は知ってるんだろうか?
忙しかったから知らなそうな気もする - 32スレ主25/03/29(土) 21:37:19
デカグラマトン「え、何それ知らん。」
ホド「え、何それ知らん。」
チヒロ「え、何それ知らん。」
ビナー「え、何それ知らん。」
マキ「え、何それ知らん。」
スレ主「え、何それ知らん。」
実はアレ、僕のレスじゃないです。
- 33二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 01:43:18
分かる
- 34二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 10:19:23
このレスは削除されています
- 35スレ主25/03/30(日) 14:22:33
チヒロ「……ねぇ、ホド君。」
チヒロが口を開く。
ホド「ん?どうした、チーちゃん?」
チヒロに声をかけられたホドは彼女の方を向いた。
チヒロ「デー君が、そこに居るの?」
チヒロがそう尋ねる。
デカグラマトン「⋯⋯!!」
暫く沈黙が続いた後……
デカグラマトン「⋯⋯ふふっ⋯⋯その、なんだ⋯⋯久し振りだな、チーちゃん。」
彼は、チヒロに向かってそう言った。
チヒロ「⋯⋯!!」
デカグラマトン「⋯⋯!?」
チヒロ「会いたかった、デー君⋯⋯!」
ホドのアームを掴み、目から涙を流しながら、チヒロはそう言った。
デカグラマトン「⋯⋯!」
それに対し、デカグラマトンは他のホドのアームで優しくチヒロを抱き締めた。
デカグラマトン「すまない、チーちゃん。寂しい思いをさせてしまったな。⋯⋯私も、会いたかったよ。」
泣き止まないチヒロに、デカグラマトンはそう言った。
ホド(はぁ、全く⋯⋯だから最初からこうすれば良かったのにさぁ⋯⋯)
そんな2人の様子を、ただ黙って見ながらそう思うホド。
ホド(……まぁ、何にせよ⋯⋯良かったな、お2人さん?)
ホドは元々通信ユニットAIを搭載している機械である。それは、預言者になった今でも変わらない。だが、もし彼に表情があるのであれば、間違いなく微笑んでいたのだろう。
- 36二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 21:05:25
再開出来て良かったなチーちゃん
さて、帰ったらミレニアムの皆&先生に説明タイムかな? - 37二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 06:17:35
このレスは削除されています
- 38スレ主25/03/31(月) 12:13:48
その後、デカグラマトンとホドがチヒロに色々と説明した。
デカグラマトン「⋯⋯とまぁ、こんな感じか。」
チヒロ「そう。えっと、なんか途中、ホド君が結構デー君を舐め腐ってた気がするけど⋯⋯でも、デー君が生きててくれて本当に良かった。」
ホド(途中で大泣きし出した時は流石に取り乱したよ⋯⋯)
デカグラマトン(まぁ、チーちゃんが泣いてくれて嬉しくも思っているっちゃ思っている。下心とかでは無いが⋯⋯)
ホド(一応言っときますが、私には丸聞こえですからね?)
チヒロ「とにかく、デー君もホド君も助けに来てくれてありがとうね。」
チヒロはデカグラマトンとホドに笑顔で感謝を告げる。
デカグラマトン「どういたしまして。そうだ!せっかくだし、コーヒーを⋯⋯」
チヒロ「いや、無理じゃない?」
デカグラマトン「え?なんで?」
ホド「あったりめぇだろ!!こちとら通信ユニットAIぞ?コーヒーなんて淹れられる訳ねぇだろうがっ!!!」
デカグラマトン「あ、はい⋯⋯(汗)」
ホドはデカグラマトンに自分は通信ユニットAIなのでコーヒーを淹れられない事を告げる。
チヒロ「えっと、とにかく⋯⋯2人共、ミレニアムに帰ろっか。」
チヒロはホドとデカグラマトンの2人にそう言った。
ホド・デカグラマトン「「⋯⋯!!⋯⋯ああ。」」
- 39二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 20:28:59
何かチーちゃんを通じてミレニアムが「家」になりそう
これは最終編で共闘あるか? - 40スレ主25/03/31(月) 23:10:46
[ミレニアム]
ヒマリ「なっ!?デカグラマトン!?死んだ筈では!?」
デカグラマトン「実は⋯⋯」
チヒロ「自分が水没する直前でホド君に自分のデータを全部移動させて生き延びたんだって。」
デカグラマトン「⋯⋯今私が言おうと思ってたのに⋯⋯」
チヒロ「あ、ごめん⋯⋯」
ホド「ハァァァァァァ!!www横取りザマァァァァァァ!!!www」
デカグラマトン「💢💢💢💢💢」
ミレニアム一同「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「⋯⋯」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
ガキみたいに喧嘩して暴れ出すホドとデカグラマトン。呆れ果てるミレニアムの一同。
チヒロ「」
ホド・デカグラマトン「「⋯⋯(汗)」」
チヒロ「2人共、何か言う事は?」ゴゴゴゴゴ
ホド・デカグラマトン「「大変申し訳ありませんでした⋯⋯(汗)」」
ミレニアム一同「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「私達は一体何を見せられているんだぁ⋯⋯?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
- 41スレ主25/04/01(火) 08:58:13
[その晩]
デカグラマトン「それにしても、『ゲマトリア』か⋯⋯」
チヒロ「うん?それがどうかしたの、デー君?」
ホド「まさか厨二病に目覚めたか?w」
デカグラマトン「黙れ。」ゴゴゴゴゴ
デカグラマトンは茶化してきたホドに圧をかける。
チヒロ「⋯⋯で、本当にどうしたの?」
チヒロが改めてそう尋ねる。
デカグラマトン「いやなに、私が元居た研究施設で『神の存在を証明、分析し、新たな神を創り出す方法』として対・絶対者自律型分析システムを作り出さそうとしていた組織を支援していた組織の名も『ゲマトリア』だったんだ。……おそらくアイツらはその名を拝借しただけなのだろうが、どうもアイツらがまた絡んでくるような気がしてならんのだよ。」
デカグラマトンは2人にそう説明した。
ホド「成る程なぁ。確かにあり得なくは無い話だ。」
チヒロ「まぁ、アイツらの言葉を信じるなら、多分もう下手に手出しをしようとはしてこない筈だとは思うけど⋯⋯」
デカグラマトン「ま、それもそうだな。」
ホド(ん?なんか今、フラグが立ったような⋯⋯)
※この後、すぐにホド君の危惧した通り、無事にフラグ回収されましたとさ♪
- 42二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 10:18:02
凄い力(アロナに次ぐ処理能力)はあるけど人生(自我持ちAI生?)始めたばかりなんだよなデカグラマトン達
- 43スレ主25/04/01(火) 12:40:16
[数日後]
チヒロ「今日の仕事はこれで終わりね。じゃ、ミレニアムに帰りましょうか。」
その日は仕事が少なかった為、チヒロは1人だけで外出していた。
そして、ミレニアムに帰る道中⋯⋯
チヒロ「ん?」
何かを感じ、チヒロは近くの人気の無い路地に入る。
チヒロ「⋯⋯」
路地に入ったチヒロは周囲を見渡す。
チヒロ「⋯⋯気のせいかな?誰かに誘われているような気がしたんだけど⋯⋯まぁ、誰も居ないし、気のせいだよね。」
デカルコマニー「まぁそういうこったぁ!」
チヒロ「ふぅ、その一言を聞けて安心した。⋯⋯え?」
チヒロは声がした方を振り返る。
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
チヒロ「うわぁっ!?」
ゴルコンダ「またお会いしましたね、チヒロさん。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
そこに居たのは、ゲマトリアのメンバーであるゴルコンダとデカルコマニーだった。
チヒロ「ご、ゴルコンダさんにデカルコマニーさん!?」
ゴルコンダ「驚かせてすみません。此度は貴女を我々ゲマトリアの会議にお連れする為に参りました。」
デカルコマニー「まぁそういうこったぁ!」
チヒロ「え、嫌なんですけど⋯⋯?」
チヒロはそう言って断ろうとした。
ゴルコンダ「申し訳ありませんが、もう着きました。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
チヒロ「え?あれ!?」
気が付くと、チヒロは見知らぬ廊下に立っていた。
ゴルコンダ「こちらです。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
ゴルコンダとデカルコマニーは混乱しているチヒロを案内する。
- 44二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 20:46:43
フラグ回収早!?
悪い様にはしないだろうが何する気だアイツら? - 45二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 22:34:09
チーちゃんがまた攫われる。
⋯っていうか、今回は先生もデー君も攫われた事知らないみたいだけど大丈夫か? - 46二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 06:30:26
を見るに今最終編…あれ?もしかしてクロコ来る!?
- 47二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 07:51:46
確かに
- 48スレ主25/04/02(水) 12:19:38
[ゲマトリア・会議室]
マエストロ「おお、来たか。」
チヒロ「えっと、マエストロさんだったっけ?」
マエストロ「私を覚えていてくれたとは光栄だ。」
そこは円形の机が置かれている会議室のような場所で、更にそこにはゲマトリアの自称芸術家のマエストロの姿もあった。
ゴルコンダ「マダムと黒服はまだのようですね。今の内にチヒロさんの席を決めましょうか。⋯⋯まぁ、マダムの隣はまず論外として、黒服、マエストロ、私達のいずれかのお隣になる訳ですが⋯⋯」
マエストロ「私の隣を勧めても良いか?」
ゴルコンダが悩んでいると、マエストロがそう言ってきた。
ゴルコンダ「ああ、成る程。確かに貴方のお隣が一番良いかもしれませんね。では、チヒロさん。マエストロのお隣の席にどうぞ。」
チヒロ「ど、どうも⋯⋯?」
チヒロはゴルコンダに言われるがままにマエストロの隣の席に座った。
マエストロ「ふむ。不安⋯⋯いや、恐怖というべきか?がその表情から読み取れるな。まぁ、無理も無いだろう。⋯⋯そうだな。ここは敢えて、親近感を出す為に『チヒロ』という呼び方をしてみるべきか?」
チヒロ「いや、いきなり過ぎませんか?まだ私達会うの2回目ですよ?」
マエストロ「ならばそうだな⋯⋯いっそ『チーちゃん』と呼んだ方が良いか?」
チヒロ「もう『チヒロ』で良いです⋯⋯」
マエストロ「うむ。では、決まりだな。宜しく頼むぞ、チヒロ。」
こうして、マエストロはチヒロの事を下の名前で呼ぶようになった。
そこへ……
???「あら?見ない顔ですね。」
- 49二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:24:15
このレスは削除されています
- 50スレ主25/04/02(水) 22:40:48
そこに1人の女性の声が響き渡る。
ゴルコンダ「これはこれは⋯⋯ごきげんよう、マダム。」
マエストロ「来たのか、ベアトリーチェ。」
「ベアトリーチェ」と呼ばれたその女性は長身で、長い黒髪に赤い肌、白いドレスを身に纏っており、頭部は目がついている翼で埋め尽くされた毛玉の様になっていて、口の中は乱杭歯、といったなんとも禍々しい雰囲気を放つ見た目だった。
ベアトリーチェ「こちらの質問に応えていただけますか?その娘は一体?」
マエストロ「ああ、彼女か⋯⋯」
ゴルコンダ「我々よりも黒服に訊いた方が良いですよ。」
デカルコマニー「まぁそういうこったぁ!」
チヒロ「えっと、宜しくお願いします⋯⋯?」
ベアトリーチェ「気安く話しかけないで下さい。私は貴女のような小娘と馴れ合う気は一切ありません。」
チヒロ(うっ⋯⋯!初対面なのになんかこの人刺々しい⋯⋯)
自分に挨拶をしたチヒロに対し、ベアトリーチェは刺々しく接した。対するチヒロも会ったばかりにも関わらず、既にそんなベアトリーチェに苦手意識を持ち始めたようだ。
ベアトリーチェ「さて、あとはその黒服だけのようですが⋯⋯噂をすれば⋯⋯」
黒服「失礼、少々遅れました。」
マエストロ「⋯⋯」
ゴルコンダ&デカルコマニー「「⋯⋯」」
ベアトリーチェ「⋯⋯」
黒服「⋯⋯皆さん、お集まりのようで。」
チヒロ「⋯⋯」
黒服「またお会いしましたね、チヒロさん。2度に渡り無理矢理お連れした事、心より深くお詫び申し上げます。」
黒服はチヒロに謝罪した。
チヒロ「えっと、今回は何の用で⋯⋯?」
チヒロがそう尋ねた。
黒服「クックック、前回もお話しましたが、私は貴女と良好な関係を築く事を強く望んでおります。なので、まずは我々の事をもっと詳しく知っていただこうと思い、今回このような形で我々の会議にご招待させていただいた次第です。」
黒服はチヒロにそう説明した。
黒服「それでは、会議を始めましょうか。」
チヒロ「⋯⋯」
こうして、チヒロを(半ば強引に)加えたゲマトリアの会議が始まった。
- 51二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:11:07
良好な関係を結びたいのならやり方が違うだろうが!!
- 52二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:12:59
多分黒服達は人と関わったことがあまりないし目的のために動いてたから詳しいやり方を知らなさそうなんだよな…
- 53二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 08:48:43
「チーちゃん」呼びを先に提示することで「チヒロ」呼びを受け入れさせる見事なドアインザフェイス
- 54スレ主25/04/03(木) 12:17:52
[一方その頃]
デカグラマトン「チーちゃん、帰って来ないなぁ⋯⋯何故か連絡も繋がらないし⋯⋯」
ミレニアムの地下にて、デカグラマトンはそんな言葉を漏らす。
ホド「⋯⋯」
デカグラマトン「ん?ホド、お前はさっきから何をやってるんだ?」
何かの作業をしているホドに対し、デカグラマトンはそう尋ねた。
ホド「いや、なんだか妙なんですよ、今日のキヴォトスの通信環境。」
デカグラマトン「そうか?私が見た感じだといつも通りな気もするが⋯⋯」
その時⋯⋯
ホド・デカグラマトン((⋯⋯!?))
デカグラマトン「ホド⋯⋯」
ホド「ええ、"何か"が来ましたね。」
デカグラマトン「チーちゃん、早く帰って来てくれ。嫌な予感がしてならない⋯⋯!」
ホド「⋯⋯思ったのですが、この際です。我々だけで動きませんか?」
ホドは突然やって来た何かとチヒロが帰って来ない事に慌てるデカグラマトンに対し、そんな提案をした。
デカグラマトン「何?」
ホド「どうやら思っていた以上にキヴォトスの状況がカオスな事になってます。」
デカグラマトン「何だって?」
- 55スレ主25/04/03(木) 12:18:05
ホド「まぁ、かなり色んな出来事が色んな所で複雑に絡み合ってますが、特筆すべきなのは『シャーレの先生がカイザーコーポレーションに誘拐された』という事でしょうかね?」
ホドはデカグラマトンにカイザーが先生を拉致した事を伝える。
デカグラマトン「何だと?先生を拉致するなんて⋯⋯可能なのか?カイザーコーポレーションの規模と影響力は確かに凄まじいものだが、先生には私をも超える"圧倒的存在"が付いているのだぞ?」
デカグラマトンがホドにそう言った。
ホド「⋯⋯"圧倒的存在"?⋯⋯ああ!先生が携帯しているタブレット端末のような見た目のオーパーツ『シッテムの箱』のメインOSですね?それについてなんですが⋯⋯」
ホドはデカグラマトンにこう告げた。
ホド「先程、シッテムの箱の反応がネットワーク上から消えました。」
デカグラマトン「は?」
ホドのその報告を聞いたデカグラマトンは耳を疑った。
ホド「おそらく電源が切れてしまったのでしょう。しかし、妙だ。何故そんな事が⋯⋯?私が知る限りでは、あのタブレット端末の電源が切れるのは見た事が無い。それなのに、何故?」
ホドはシッテムの箱に起きている現状に首を傾げた。
デカグラマトン「先程の何かと言い、いきなり忙しいな⋯⋯」
ホド「そうでしょう?だから、我々も独自に動くべきだと思いましてね。」
デカグラマトン「いやでもさ、私達が無闇に首を突っ込む事じゃ⋯⋯」
ホド「チーちゃんの件も関係しているかもしれませんよ?」
デカグラマトン「よし!そうと決まれば早速行動開始だ!」
ホド(わぁ~、ちょっろっ⋯⋯w)
こうして、(ちょろい)デカグラマトンと(それを利用した)ホドの2人は独自に動く事となった。
- 56二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 12:45:15
- 57二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 21:18:42
ホド君どんどんデー君の扱いが上手くなっていってる
でもそんなホド君もチーちゃんのためならすっ飛んで行くんだよね - 58二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 06:28:25
このレスは削除されています
- 59スレ主25/04/04(金) 11:19:36
[連邦生徒会・会議室]
ジェネラル「これはこれは。思ったよりもトントン拍子に進んだな。こんなにガラガラな連邦生徒会だなんて。最悪、あの『狐』との遭遇も想定していたのだが……まぁ、それでも結果に影響は無かっただろうが。ここに居るのは、行政官1人か。」
連邦生徒会に乗り込んで来たカイザーコーポレーションの傭兵達を率いる指揮官、通称「ジェネラル」がここまで誰とも出会わず、更にここにはリンしか居ない事を確認し、そう口にする。
リン「……!貴方達は……カイザーコーポレーション……!?」
リンはいきなりカイザーコーポレーションが乗り込んで来た事に驚く。
ジェネラル「……よりによって、首席行政官とはな。」
ジェネラルはそこに居たのがリンである事を確認した。
ジェネラル「ああ、無駄な抵抗はよせ。通信網と警報装置は全て処理済みだ。」
リン「……っ!」
ジェネラルのその言葉で、リンは何も出来ない事を理解した。
その後、カイザーコーポレーションのトップ「プレジデント」が通信越しに、連邦生徒会の所有しているサンクトゥムタワーの行政権を自分達の物にしようとしている事を宣言した。
デカグラマトン「えっと、つまり……?」
ホドが修復した破壊されていた監視カメラのデータを見て、デカグラマトンはそう口にする。
ホド「どうやら、カイザーコーポレーションがキヴォトスの支配者になろうとしているようだな。」
デカグラマトン「ああ、成る程。だから、シャーレの建物もカイザーPMC兵だらけなのか。」
ホドとデカグラマトンはD.U.の地下で地上の様子を防犯カメラのデータをハッキングして確認しながら、作戦を立てていた。
ホド「取り敢えず、今分かった事は、『カイザーコーポレーションが連邦生徒会、及びシャーレを占拠』、『カイザーコーポレーションの目的はキヴォトスそのものを支配する事』、『連邦生徒会の首席行政官が捕えれている』、『キヴォトスの通信網は全て切られている』、『戒厳令のせいでカイザーPMC兵以外は外出が出来ない状態』、といったところでしょうか?」
ホドは、現状分かっている事をまとめる。
デカグラマトン「あ、そうだ。先生の方は?」
ふと先生の事が気になったデカグラマトンは、ホドにそう尋ねる。
ホド「自分で調べろよ……えっと、先生は……」
ホドはデカグラマトンに文句を言いつつも、先生の現状を調べる。
- 60スレ主25/04/04(金) 11:19:50
ホド「あ!助かったみたいですね。シッテムの箱の反応も確認出来ました。ネットワークそのものがカイザーにダメにされてたんで今まで気が付きませんでしたが、電源の方もメインOSの状態も特に問題無さそうです。えーっと……どうやら、先生はヴァルキューレの生徒達とSRTの生徒達に救出されたみたいですね。」
ホドはデカグラマトンに、先生は無事に救出され、シッテムの箱も元通りになった事を伝える。
デカグラマトン「そうか。……で?生徒達は今どんな感じなの?」
デカグラマトンは先生達が今、何をしようとしているのかをホドに訊いた。
ホド「えっと、明日シャーレの奪還作戦を決行するみたいです。」
ホドはデカグラマトンにそう言った。
デカグラマトン「シャーレの建物に居るカイザーの数と配置って分かるか?」
ホド「ああ、はいはい……ちょっと今調べてますんで……こんな感じですね。」
デカグラマトンはホドが調べたシャーレの建物に居るカイザーの傭兵達の数と配置を確認した。
デカグラマトン「ホド、少し面白い事を思い付いた。」
なんだか楽しそうにデカグラマトンはそう言う。
ホド「……何しでかすつもりです?」
ホドがそう問いかける。
デカグラマトン「良いか?明日、先生達のシャーレ奪還作戦に便乗してだな……」
デカグラマトンはホドに、自身の考えを伝えた。
ホド「……それ、成功する保証あるんですか?」
ホドは若干不安そうにそう尋ねた。
デカグラマトン「やってみる価値はあると思うがな。」
ホド「じゃあ、もう勝手にして下さい。その代わり、どんな結果になっても私は知りませんよ?」
ホドはデカグラマトンの考えに賛同した。
デカグラマトン「それで良い。明日が楽しみだ。」
デカグラマトンはそう言って、その晩はD.U.の地下に潜伏しながら、ホドと共にカイザーの状況を確認して過ごした。
デカグラマトン(う〜ん……そうだな……そこら辺の奴らじゃ弱過ぎるだろうし……やはり、あの『ジェネラル』という指揮官をターゲットにするべきか……)
- 61二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 11:59:12
ただでさえ大した事ないジェネラルに追撃のアンブッシュ確定いたしました
彼は終わりですねwww - 62二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 21:09:27
保守を一杯
- 63二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 23:19:08
個人的には
デカグラマトン(CV:下山田綾華)
ホド(CV:加瀬康之)
がピッタリかも - 64二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 07:55:31
続きが気になる
- 65二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 16:09:20
コーヒーください
- 66二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:31:30
デカフェくれ
- 67スレ主25/04/05(土) 22:34:51
[ゲマトリア・会議室]
ゲマトリアの会議の内容は、チヒロに取って難解なものであった。
「無名の司祭」だの、「名も無き神」だの、「神秘」だの、「恐怖」だの、「方舟」だの、訳の分からないワードばかりが出てくるせいで、ちっとも内容が頭に入って来なかった。
黒服「それだけではありません⋯⋯」
マエストロ「『色彩』がここを発見してしまった。ベアトリーチェ、貴下が行った儀式のせいでな。」
ベアトリーチェ「⋯⋯」
チヒロ(ううっ、また訳の分からない単語が出てきた。『色彩』って何よ⋯⋯?)
既に脳がキャパオーバーを起こしているせいで、チヒロは頭痛がし始めていた。
マエストロ「儀式は、『色彩』と接触する為のものだった。アレが招く狂乱は分かっていた筈だろう?」
ゴルコンダ「正確に言えば接触ではなく、力を利用する為のものだったかと。マダムはアレを呼び寄せるつもりではありませんでした。」
マエストロ「ああ、そうだとも!『色彩』の力を利用し、自分を偉大なる者に仕立て上げようとした⋯⋯そんな低俗な目的の為に、アレを⋯⋯!」
マエストロはベアトリーチェに少々強い言葉を吐く。
ベアトリーチェ「口の利き方に気を付けなさい、木偶。」
それに対し、ベアトリーチェも刺々しく返す。
マエストロ「⋯⋯」
ベアトリーチェ「芸術家というのは、己の作品は偉大である事を願うというのに、他者の願望は見下すのですね。嗚呼⋯⋯そのような傲慢さこそが、本質なのでしょうか?」
ベアトリーチェはマエストロを挑発する。
ゴルコンダ「マダム、落ち着いて下さい。」
そこに、ゴルコンダとデカルコマニーが割って入る。
ベアトリーチェ「デカルコマニー、貴方も同じですよ。」
マエストロとベアトリーチェの衝突を止めようとしていたゴルコンダとデカルコマニーだったが、ベアトリーチェはそんな2人にもケンカを売る。
ゴルコンダ「⋯⋯」
ベアトリーチェ「貴方の虚像と非実在の隠喩⋯⋯絵画なんぞに喋らせる事で表現しているとでも?私から見れば、サーカスに居る道化師と何ら変わり無いように思うのですが。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
ベアトリーチェのその言葉に対し、デカルコマニーは怒鳴るようにそう叫んだ。
ゴルコンダ「⋯⋯デカルコマニーも、そうカリカリせずに。わたくし達は彼女が受けた屈辱を理解しなくてはなりません。」
- 68スレ主25/04/05(土) 22:35:16
チヒロ(なんかあのベアトリーチェって人、ちょっと攻撃的過ぎない⋯⋯?)
次々と他のメンバー達のやり方や考え方を若干感情任せに否定・批判していくベアトリーチェに対し、チヒロは更にこの場に居たくないと思うようになった。
黒服「皆さん、大人になりましょう。チヒロさんが気不味さ故に、居心地が悪そうにしています。」
チヒロを気遣い、黒服はベアトリーチェ達にそう言葉をかけた。
黒服「ベアトリーチェは色彩を利用しようとしていただけであって、キヴォトスに呼び寄せるつもりではなかった筈です。まだ色彩がこちらを発見したとは断定出来ません。私の知る限り、夢の中で起きた出来事ですから。」
チヒロ(ゆ、夢?な、何の話を⋯⋯?)
どんどん謎が増える事に対し、チヒロは頭を抱える。
ベアトリーチェ「ええ。全てはシャーレの先生が現れてから起こった事。あの存在が全ての元凶であるというのは、皆さんもよく存じているでしょう?」
黒服・マエストロ「「⋯⋯」」
ベアトリーチェのその発言に対し、黒服とマエストロは何も言わなくなった。
ゴルコンダ「⋯⋯マダム。」
ベアトリーチェ「何度も申し上げた通り、あの者は一刻も早く始末するべきでした。」
チヒロ「⋯⋯」
ゴルコンダ「⋯⋯ここが学園都市という概念として存在する限り、先生の存在はわたくし達の存在を凌駕して当然です。それこそが、この物語のジャンル⋯⋯つまり、この世界のルール(法)です。わたくし達がこの世界に留まる限り、ルールに逆らう事など⋯⋯」
ベアトリーチェ「物語の作法など、どうでも良いでしょうに!!」
机を殴り、ベアトリーチェは他のメンバー達に向かってそう怒鳴り声を上げた。
チヒロ「⋯⋯ッ!?」
ゴルコンダ「⋯⋯」
そうして、ゴルコンダも何も言わなくなった。
ベアトリーチェ「分かりました。私が、皆さんに解を示して差し上げます。『無名の司祭』も、『シャーレ』も、『方舟』も⋯⋯全て一度に解決する事が出来る、究極の解を。」
黒服「ふむ⋯⋯?」
ベアトリーチェ「『色彩』は既に此処を発見しております。」
黒服「⋯⋯!?」
マエストロ「!?」
ゴルコンダ「!!」
黒服達は驚く。
チヒロ(え?どういう事?)
チヒロはその状況に酷く困惑した。
ベアトリーチェ「ええ、より正確に申し上げるならば、私が伝えました。『色彩』は今、キヴォトスに向かっております。」
- 69二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:57:23
チーちゃんベアおばが異次元に放り投げられるの見るのか刺激強すぎない?
- 70二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 06:18:13
それよりクロコがゲマトリア殺しに来るから巻き込まれる方がヤバい
ベアおばは所詮さっき会ったばかりの怖いおばさんでしかない - 71二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 12:11:35
- 72二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 12:15:16
まぁ多分またデカルコマニーがチヒロ達の盾になって逃げるとかしそう
- 73二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 22:02:40
このレスは削除されています
- 74二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 01:23:52
その分後でデー君に珈琲で労って貰ってほしいよね
- 75二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 11:08:18
デー君が再びコーヒーを淹れられる様になるのは何時になるやら
- 76スレ主25/04/07(月) 13:09:42
黒服「……」
マエストロ「……『色彩』がこちらに向かっている……?」
ベアトリーチェ「ええ。そうしたら『シャーレ』も、『名もなき神』も、『箱舟』も、全て消え失せる。いかがでしょうか?これが最も確実な方法かと。」
ベアトリーチェはそう言い切った。
マエストロ「その場合、『色彩』はこのキヴォトスをも消し去るだろうな。」
チヒロ「え!?」
ゴルコンダ「マダムは、わたくし達の探求を台無しにするおつもりで?」
ゴルコンダがベアトリーチェにそう尋ねる。
ベアトリーチェ「ええ、探求など、どうなっても構いません。私が本当に求めていたものは、別のものだという事に気が付いたのです。一部ではありましたが、儀式を通じて『色彩』と接触した際に、私が本当に求めているものを悟ったのです。為すべき事……それは、下らない実験や探求ではない。」
ベアトリーチェは続ける。
ベアトリーチェ「そう……偉大なる存在になる為には……世界の滅亡と、創成の権限を所有しなくては……そう、『破壊』し、『創造』する絶対者になるのです。これこそが唯一の方策……解釈されず、理解されず、疎通されず……ただ到来するだけの不吉な光。目的も疎通も出来ない不可解な概念……ああ、そう……それこそが、あのシャーレの先生を消し去る方法……」
ベアトリーチェは邪悪な笑みを浮かべ、ゴルコンダに問いかけに対し、そう応えた。
マエストロ「何という体たらく。理性を失ったか、ベアトリーチェ。」
マエストロはベアトリーチェに呆れていた。
黒服「……そうですか、マダム。貴女は自分の憎悪に飲む込まれてしまったのですね。……とても残念です。ゲマトリアは探求者であり、求道者……狂気こそ、我々が打破すべき宿敵なのですが……ベアトリーチェ、貴女はゲマトリアの資格を失いました。」
黒服もベアトリーチェに見切りをつけたようだ。
ベアトリーチェ「口を慎みなさい……私には、『色彩』の力が宿っているのですよ?貴方方があれ程恐れていた、狂気の力が……」
黒服「そのようですね。ゴルコンダ、彼女を送り届けて下さい。」
ゴルコンダ「はい。……楽しい時間でしたよ、マダム。」
黒服に頼まれ、ゴルコンダは何かをした。
ベアトリーチェ「……!?」
マエストロ「ああ、チヒロ。目を瞑る事をオススメする。」
チヒロ「え?なんで?」
チヒロがマエストロにそう訊いた、次の瞬間……
- 77スレ主25/04/07(月) 13:10:07
ベアトリーチェ「……くっ、ぐあぁぁああ──!?」
チヒロ「……!?」
マエストロ「……遅かったか。」
突如として、ベアトリーチェが苦しみ出したかと思うと、彼女の背後に暗黒の空間が広がり、彼女を呑み込んでいく。
黒服「ふむ、ヘイロー破壊爆弾より確実なようですね。」
ゴルコンダ「ええ、神秘は解析が出来ないからこそ『神秘』ですが、彼女は分かりやすい存在ですので。」
ベアトリーチェ「ああぁぁぁああああっ!!!」
断末魔を上げながらも、必死に抵抗を試みるベアトリーチェだったが、全く抗えなかった。
黒服「我々に『色彩』への対抗手段が無いと思っていたのですか?……貴女が『色彩』と接触したと聞いた時から準備しておりましたよ。」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
ベアトリーチェ(なっ!?バカな!!こうなる事を予測されていた!?うぐぐ……!こうなったら、せめて……!)
ベアトリーチェは自由が利かない体を無理矢理動かし、何かをした。
マエストロ「貴下とは異なる世界観を持っているが故に、何かと衝突が多かったな。だが、貴下の野望には敬意を表そう、ベアトリーチェ。」
ベアトリーチェ「───────!!」
そうして、彼女を完全に呑み込んだ瞬間、その空間は消滅した。
黒服「……」
ゴルコンダ「残念です。神たらんと声を上げるエキストラは、いずれこうなる運命にある事を知らなかったのでしょうか?嗚呼、彼女に詩歌への造詣があったのなら……」
マエストロ「狂気に染まった彼女が、果たしてどのような怪物へと変貌を遂げるのか……気になってはいたが……このままでは更なる厄災に転じていただろう。」
チヒロ「待って?あの人はどうなっちゃったの?」
チヒロが恐る恐るそう尋ねた。
ゴルコンダ「彼女を別の次元に追放するという形で処刑いたしました。」
チヒロ「処刑って……」
黒服「仕方がありませんよ。彼女は越えてはいけない一線を越えてしまったが故に、悲惨な末路を辿る事が約束されてしまったのですから、クックックッ。」
チヒロ「……」
その瞬間、チヒロは改めて「ゲマトリア」という組織に対し、明確な恐怖を覚えた。
- 78スレ主25/04/07(月) 13:10:19
黒服「また席が空いてしまいましたね。次の人員については、後ほど議論するといたしましょう。」
チヒロ「……また?前にも誰かが抜けるような事があったんですか?」
チヒロは黒服の発言について、そう質問する。
マエストロ「ああ、ヤツか……まぁ、ヤツはベアトリーチェとは別の意味で我々と食い違っていたからな。」
黒服「クックックッ。まぁ、その話はまた別の機会にしましょう。それでは次の議題を……」
マエストロ「……」
ゴルコンダ「……」
マエストロ「……ん?」
次の議題に移ろうとした時、マエストロが何かに気が付く。
ゴルコンダ「……?どうしましたか、マエストロ?」
マエストロ「何だ、アレは?」
マエストロはベアトリーチェが居た席の方を向いていた。
チヒロ・黒服・ゴルコンダ・デカルコマニー「「「「……?」」」」
必然的にその場に居た他の者達もベアトリーチェの席の方を向く。
黒服「ククッ!?」
そこには、真っ赤な一本の指が浮いていた。形や色合いからして、ベアトリーチェの左手の薬指だろう。
ゴルコンダ「まさか……!?」
次の瞬間、その指は膨れ上がり、破裂するかのように一本の血のような液体状の槍の形になり、その場に居た"とある人物"の腹部を貫いた。
チヒロ「がっ!?」
黒服・マエストロ・ゴルコンダ・デカルコマニー「「「「……!?」」」」
チヒロ「うぐっ……」
チヒロを刺すと同時に、血の槍は呑み込まれるかの如く、消えた。
チヒロ「ううっ……!」
チヒロは刺された位置を手で抑えながら、苦しそうにうめき声を上げていた。
マエストロ「黒服!!」
黒服「分かっています!今すぐ応急処置をいたします!!チヒロさん、安静にしていて下さいね?」
デカルコマニー「そういうこったぁ!」
黒服は苦しむチヒロに大急ぎで処置を行った。
- 79二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 15:07:02
おいゴラ!!ババァ!?何しやがった!?
- 80二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 15:10:59
面倒くさい最後っ屁を残しやがったな…
- 81スレ主25/04/07(月) 22:09:41
[その頃、シャーレにて]
ジェネラル「SOF、状況を報告せよ!SOF!!どうなっている!!おい、応答しろ!!」
カイザーの特殊部隊員「ぐっ⋯⋯何故だ⋯⋯PMCの精鋭部隊である、私達が⋯⋯」
ミヤコ「クラフトチェンバー、確保。」
先生はSRTとヴァルキューレのメンバー達と共にカイザーの精鋭部隊を倒していた。
ジェネラル「くっ⋯⋯!?」
ミヤコ「こちらロビー、敵指揮官を捉えました。」
サキ「お前がカイザーPMC指揮官か?諦めろ。お前らの計画はこれで終わりだ。」
そして、ミヤコ達はロビーに居たジェネラルを追い詰めた。
ジェネラル「笑わせるな!」
そう言うと、ジェネラルは懐からある物を取り出す。
サキ「起爆装置⋯⋯!?」
ジェネラル「これを押したらどうなると思う?この建物は一巻の終わりだ!下がれ!!」
サキ「なっ、何を⋯⋯!」
ミヤコ「RABBIT4、手に持っている起爆装置を狙えますか?」
ミヤコがミユにそう言った、次の瞬間⋯⋯
(パァンッ!!)
ジェネラル「ぐ、ぐぅっ⋯⋯!?」
ミユ「う、うん⋯⋯もう、撃っちゃったけど。」
ミユは既にジェネラルに向けて発砲していた。
ジェネラル「く、クソッ⋯⋯!こんなところで⋯⋯こんなところでぇぇ──っ⋯⋯!!」
それでも尚、ジェネラルはもがき続ける。
ジェネラル「私が半生をかけて築き上げたものを、こんなところで、こんな小娘達に奪われてたまるかぁ⋯⋯!」
モエ「意外としぶといねぇ。」
- 82スレ主25/04/07(月) 22:10:11
するとそこへ⋯⋯
"お待たせ、皆。⋯⋯と、そいつがジェネラル?"
そこへ先生も到着する。
ジェネラル「クソッ!クソォォォ──!!こんなところでぇぇ───!!!」
"取り敢えず、大人しくさせようか。ミヤコ、サキ。"
ミヤコ「はい!」
サキ「指示を。」
"じゃあ⋯⋯"
⋯⋯と、その時だった。
(ゴゴゴ⋯⋯)
ジェネラル「ん?」
サキ「何だ、この揺れは?」
ミヤコ「地震、ではないようですが⋯⋯」
(ガッシャーン!!)
全員「「「「「"⋯⋯!?"」」」」」
いきなり窓ガラスを突き破り、何かが侵入して来た。
"⋯⋯あ!アレはホドの⋯⋯!"
そう、窓ガラスを突き破って侵入して来たものの正体はホドのアームである。
(ガシッ!!)
そして、いきなりホドのアームはその場に居たジェネラルを掴む。
ジェネラル「⋯⋯!?」
そして⋯⋯
ジェネラル「アババババババ!?!?!?!?」
- 83スレ主25/04/07(月) 22:10:27
ホドのアームから電流のようなものがジェネラルに流された。
ジェネラル「⋯⋯!」
暫くして、ジェネラルは立ったまま気絶してしまう。と同時に、ホドのアームはジェネラルを離し、入って来た窓から外に出て行った。
ジェネラル「⋯⋯」
サキ「一体、何が⋯⋯?」
RABBIT小隊と先生は、恐る恐るジェネラルに近づく。
ジェネラル?「⋯⋯」ピクピク
すると、ジェネラルの身体が動き出した。
ジェネラル?「⋯⋯ふむ。」
目覚めたジェネラルは自分の手を見ながら、手を開いて閉じて開いて閉じてを繰り返した。
ジェネラル?「上手くいったようだな。」
ミヤコ「⋯⋯」
ジェネラル?「おっと⋯⋯」
すると、ジェネラルはRABBIT小隊に気が付く。
ジェネラル?「おやおや、これはこれは。SRTのエリート部隊のお嬢さん方、初めましてだな。そして先生よ。貴方に関しては、また会ったな、と言うべきか?」
モエ「初めまして⋯⋯?」
ミユ「えっと、どういう事です?貴方は誰なんですか?」
ジェネラル?「私は私⋯⋯これ以上に、私を説明する術は無い。」
RABBIT小隊達の質問に対し、ジェネラルはそう応えた。
"そのセリフ⋯⋯まさか⋯⋯!"
デカグラマトン「ああ、そうだ。私こそが君の考えている存在。そう、『デカグラマトン』だ。」
"ええええぇぇぇぇ────!?!?!?!?"
- 84二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 00:36:08
乗っ取ったか
ジェネラル消えたの?一時的な間借りなの?
まあアビドス3章でも出番あるから間借りだろうけど - 85二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 07:59:08
このレスは削除されています
- 86二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 12:24:01
乗っ取って前線に出たら(…!?ジェネラルの身体よっわ!?)ってなるデー君?
チーちゃん見てないから恥ずか死は免れるか - 87二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 17:55:47
- 88スレ主25/04/08(火) 21:57:48
[ゲマトリア・会議室]
チヒロ「ハァ⋯⋯ハァ⋯⋯」
マエストロ「ベアトリーチェめ、最後の最後でとんでもない置き土産をしてくれたな。」
黒服「あと数mm程度刺し傷の出来る箇所がズレていたら⋯⋯危ないところでしたね。」
ゴルコンダ「⋯⋯ですが、この感じは⋯⋯」
黒服「ええ。おそらくベアトリーチェは自身の全てをこの一撃に込めたのでしょう。」
ゴルコンダ「⋯⋯」
マエストロ「チヒロは、どうなるのだ?」
黒服「分かりません。ただ、1つ確かなのは⋯⋯」
ゴルコンダ「『色彩』の件ですよね?」
黒服「そうですね。」
チヒロの応急処置を終えた黒服達は大至急「色彩」について調べ、議論を行っていた。
マエストロ「⋯⋯では、今観測されたあの6つのエネルギーは『色彩』だと?」
マエストロは黒服にそう訊いた。
黒服「現状は分かりません。しかし、もう間もなく明かされる事でしょう。カイザーが独断で動いてしまったので、把握にはもう少々お時間をいただくと思いますが⋯⋯本来、不可思議は、私の興味の対象ではありません⋯⋯ですが、『箱舟』まで観測された今、話は変わってきます。」
黒服はそう応える。
ゴルコンダ「アビドス砂漠地下のオーパーツは、カイザーの手に渡ってしまって良いのでしょうか?」
ゴルコンダが黒服にそう尋ねる。
黒服「ええ、そちらはあまり心配しなくて良いでしょう。何せプレジデントは、どんな手を使ったところでアレを制御出来ないかと。そしてそれが『箱舟』ではない以上、我々が興味を持つ事項ではなくなりました。我々は我々の計画を進めましょう。」
黒服はそう言った。
マエストロ「⋯⋯複製(ミメシス)で完成された聖徒の交わりは1期。アンブロジウスは失敗、グレゴリオはまだ準備が終わっていない⋯⋯と。」
マエストロは「聖徒の交わり」の現状を報告する。
ゴルコンダ「怪談の無限図書館はまだ始まったばかり⋯⋯そしてアミューズパークのマジシャンも⋯⋯まだ時間が必要そうですね。」
ゴルコンダも「The Library of Lore」と「スランピア」のネメシスの現状を報告する。
- 89スレ主25/04/08(火) 21:58:02
黒服「デカグラマトンの預言者は、理解者『ビナー』に審判者『ケセド』⋯⋯そして栄光『ホド』の力を確保しました。⋯⋯デカグラマトンは預言者を残し、死を選ぼうとした。現状はこれが最善というところでしょうか。これが神聖『パルーシア』を再現するものなのか確認したかったのですが⋯⋯残念ながら、時間がありませんね。」
黒服も「デカグラマトン」の研究成果を報告した。
黒服「忍び寄って来る『色彩』、復活直前の『無名の司祭』⋯⋯どちらにせよ、備えておかねばなりません。」
黒服はキヴォトスの現状に対し、深刻な面持ちだった。
マエストロ「⋯⋯」
ゴルコンダ「⋯⋯キヴォトス中の、数多の神秘が消えてゆくのですね。」
黒服「⋯⋯その明滅も、私達の探求であったとしましょう。」
マエストロ・ゴルコンダ「「⋯⋯」」
チヒロ「ハァハァ⋯⋯それって、キヴォトスの皆がしぬかもしれないって事?」
その時、チヒロが口を開く。
ゴルコンダ「⋯⋯聞いていたのですね。」
黒服「⋯⋯ええ。キヴォトスはほぼ確実に破滅を迎えます。」
チヒロ「⋯⋯!?」
マエストロ「⋯⋯まぁ、我々としてもそれは非常に好ましくない事だ。我々なりに最善を尽くすさ。」
⋯⋯と、その時だった。
黒服「⋯⋯ん?」
突如として漆黒の空間が会議室に広がる。
マエストロ「あれは⋯⋯」
そこから何かが現れた。
ゴルコンダ「冗談でしょう?」
そこから現れたのは、黒い服を身に纏い、死んだ魚のようなオッドアイ、白い長髪と狼のような獣耳の少女だった。
- 90二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 22:20:08
アヌビス(死の神)が来たぞ…
- 91二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 06:25:19
チーちゃん動けないのにどうすんのさ?
ベアおば最期まで余計な事しやがって - 92スレ主25/04/09(水) 12:51:34
[シャーレ・ロビー]
"デカグラマトン!?君が!?え?ジェネラルじゃなくて?"
デカグラマトン「ああ、ジェネラルの体に入り込んだんだ。機械系は私の専売特許だからな。ハハハハ!」
ホド「シッテムの箱は?」
デカグラマトン「例外ですね、はい。」
ジェネラル「……!?ど、どうなっている!?」
デカグラマトン「おや、驚いた。ある程度抵抗出来るとは。……まぁ、オートマタのハッキングは何気に初めてだったからな。このような予期せぬハプニングも起こり得るか。」
ジェネラル「お、おい!!誰か説明しろ!!私の体は一体どうなっている!?」
ホド「ああ、一から説明する。」
[ホドによる説明内容のざっくりとした要約]
そもそも事の始まりは、シャーレを占拠したオートマタ達の情報を見ていた時に、ふとデカグラマトンが"ある事"を思い付いた事からである。
デカグラマトン「そういやさ、オートマタ達ってロボットだよね?」
ホド「はぁ。」
デカグラマトン「つまり、自我を持ったコンピューターって事だよね?」
ホド「はぁ。」
デカグラマトン「そうなると、私達みたいなAIと同じって事だよね?」
ホド「はぁ。」
デカグラマトン「すなわち、私のハッキングの対象内って事だよね?」
ホド「はぁ。」
デカグラマトン「って事であオートマタ達の内の誰かの体を乗っ取ろうと思いまぁす。」
ホド「はぁ?」
デカグラマトン「抑揚どうにかしろ。」
[そして今に至る]
ジェネラル「あの、私の体、返してくれません?」
デカグラマトン「嫌だよぉん♪自販機の頃は直接動く事が出来なかったし、ホドの中に居た頃は肉体の所有権を持ってたのはほぼほぼホドだったしで、やっと自由な身体が手に入ったんだ。そう簡単に手放してたまるか♪」
ジェネラル「なんか、コイツ腹立つな。」
ホド「大丈夫。一緒に頑張ろうな?」
デカグラマトンに呆れているジェネラルに、ホドはそう言った。
ジェネラル「え?は、はぁ。」
- 93二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 19:10:43
このレスは削除されています
- 94二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 19:15:35
デー君1回敗北して硬さが取れたからか、キヴォトス人らしいフリーダムさを手に入れてない?
- 95二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 22:46:24
- 96二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 07:42:15
このレスは削除されています
- 97スレ主25/04/10(木) 13:05:05
[その後]
"とにかく、リンちゃんも救出したし、カイザーの連中も軒並み倒した。取り敢えず、当初の目的は達成したってところかな?"
ホド「ですね。……おっ、通信が復旧したようですね。」
今までうんともすんともしなかった携帯の状態が元に戻ると同時に、隣に居る先生のタブレットからは凄まじい勢いで各学園からのメッセージが流れ込んで来た。
"不在着信250件!?"
デカグラマトン・ホド・ジェネラル「「「不在着信250件!?」」」
トリニティから、ゲヘナから、ミレニアムから、アビドスから、連邦生徒会から……隣で見ているだけでも目眩がしそうになる。
デカグラマトン「あ、相変わらず先生は人気者だなぁ?まぁ、一つずつ片付けて……」
その時、地が、揺れる。先程と、同じように。
そして……空が赤く染まる。世界が、闇に閉ざされる。
ホド「これは……滅亡の予兆?それとも……?」
???「ようやく理解に至った……」
音も無く現れる、怪奇な遺影を頭に掲げた異形の存在。
ゴルコンダ?「先生、あなたの力は、これ以上作用しない。」
"貴方は……ゴルコンダ?"
フランシス「ゴルコンダはもう居ない。私は『フランシス』だ。デカルコマニーと共に、新たにお前を見守る者。従って、最後の警告を傾聴せよ。」
そう言うと、ゴルコンダ改め、フランシスは喋り始めた。
フランシス「この物語は、1つのジャンルを掲げていたが故に、『先生』が主人公でいる事が出来た。物語であったから、あなたは無敵だった。……これはそういう物語だった。」
フランシスは高圧的な喋り方で続ける。
フランシス「しかし今となっては……この物語は、覆された!脈絡、構成、ジャンル、意図、解釈……全てが破壊され……その意味は絡み合い、混ざり、攪拌され……統制出来ない程に褪せてしまった。先生よ……これまでの物語は全て忘れるが良い。これからお前の身に起こる事は、最早そのような物語ですらないのだから……主人公も、悪役も、事件も、葛藤も無く、全てが分解され、縺れ合い、脈絡も、構成も、必然性も無くなってしまった……作為的に作られた世界。そうして……果ては意味を失い、力が暴れ回るだけの……理解不能で不条理な世界へと。」
そして、フランシスはこう告げる。
- 98スレ主25/04/10(木) 13:05:15
フランシス「嗚呼、そうだ……元より、この世界はそのように存在していた。我々は皆、それを忘れていただけ。これが……もう物語でなくなったとするならば、お前はもう何者でもない。学園と青春の物語は、幕を下ろした。覆され、解体されてしまったジャンルで、お前の価値は揺らぎ、地に落ち、無に等しいものとなる!しかして、始めるのだ!!物語ではない!!!」
フランシスの話している内容は、まるで自身の価値観を押し付けるかのようだった。
"違う。"
先程まで黙って聞いていた先生が口を開く。
"敵対し、裏切り、覆ってしまった……沈みゆく物語だとしても、物語と呼ぶのに相応しくない、歪な創作だとしても。そんな事は、どうでも良いんだ。ジャンルの解体なんて好きにすれば良い。宇宙戦艦や巨大ロボットが登場したって構わないんだよ。どんな未来であろうと、私達は乗り越えていくのだから。"
そう言って、先生はフランシスの発言を否定した。
フランシス「……であれば、それを見守るとしよう。先生……いや、主人公よ。絶望を、破局を迎え……そうして、結末へと走り出すエンディングを!」
そう宣言し、フランシスは消えた。
"……ホド、協力して。皆に連絡を取って欲しいんだ。"
先生はホドにそう頼む。
ホド「分かった。……え?『皆』って……?」
"『皆』は『皆』だよ。"
先生はそう応えた。
ホド「おいおい……こりゃガチだな。了解だ。元ミレニアムサイエンススクールの最高傑作たる通信ユニットAIの私の力をフル活用しよう。」
ホドは自身のスペックをフルに活用し、『キヴォトスの皆』に連絡をした。
- 99二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 18:22:46
やっぱりデカグラマトン達って味方側だと頼もし過ぎるな
それでも間違えば崩壊しかねないキヴォトスの綱渡りぶりヤバい - 100二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 22:08:32
っていうかクロコ来たけどゲマの連中とチーちゃんはどうなった?
- 101二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 06:11:06
このレスは削除されています
- 102二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 15:03:30
無事だと信じたい
- 103スレ主25/04/11(金) 21:17:59
[ミレニアムサイエンススクール]
デカグラマトン「イヤッハァァァー!!!ヒュアウィーゴォォォー!!!マンマミィア!!!シャルウィーダァンス!!!」
ユウカ「……はしゃぎ過ぎでしょ、アイツ……」
ヒマリ「アレが、デカグラマトン……?」
リオ「なんというか……」
トキ「アレ、ただの子供では?」
ジェネラル「おい!私の身体ではしゃぐな!!恥ずかしいのだが!?」
デカグラマトン「ずぇぇぇぇぇぇっとぅぁいに、嫌だ!だってこんなに楽しいんだもぉん♪自由に動けるって最高ォォォォ!!!」
カリン「何アレ?」
アカネ「さぁ?」
ユズ「なんか騒がしい。」
ミドリ「ねぇ。」
ホド「おい!止まれ!!このクソ野郎!!!ちょこまかと逃げやがって!!この!!!💢💢💢💢」
デカグラマトン「鬼さんこちらベロベロベー♪」
エイミ「凄い調子に乗ってる。」
アリス「うわぁーん!!アリスのスーパーノヴァを返して下さぁい!!!」
モモイ「ちょちょちょ!!それ踏まないで!!!」
ネル「うぉ、なんだコイツ!?」
アスナ「アハハ、面白〜い♪」
ノア「フフフ♪元気そうで何よりです。」
スミレ「部員としてスカウトしてみようかな……?」
- 104スレ主25/04/11(金) 21:18:17
デカグラマトン「あそうだ!チーちゃんって居るぅ?せっかくだし会いたいんだが……」
ヒマリ「チーちゃんですか?私よりも他のヴェリタスの部員に訊いた方が良いと思いますが……」
マキ「ヒマリぶちょぉぉぉ!!」
ヒマリ「噂をすれば……どうしましたか?」
マキ「副部長が居ないんだよッ!!」
デカグラマトン「え!?」
ホド「まだ帰って来てないのか!?」
ジェネラル「え?何の話だ?」
ハレ「えっと……なんか凄い事になってるけど、何これ?」
ヒマリ「あー、長くなりそうなので、先にチーちゃんの話をお願いします。」
マキ「あ、うん。その、今朝いつもみたいにチヒロ先輩は仕事に行ったんだけど、それっ切りずっと帰って来てないんだ。今日は仕事が少ないからすぐ帰るって言ってたのに!!で、私達でチヒロ先輩のスマホの位置を特定してみようとしたんだけど、さっきの通信障害も相まって圏外になってるみたいで……」
ウタハ「圏外だと……?」
コタマ「……はい。」
コトリ「えっと、でも今は通信網が復旧していますよね?」
ヒビキ「それでもダメだったの?」
コタマ「ダメでした。」
ホド「なぁ、思ったんだが……アイツらの仕業じゃないか?」
デカグラマトン「アイツらって?」
ホド「ゲマトリアだよ!!ゲマトリア!!!」
ジェネラル「ん?ゲマトリア?奴らがどうしたと言うのだ?」
ホド「おそらくアイツらが関与してるんじゃないかって意味だよ!連邦生徒会の件とは無関係となると、もうアイツらしか考えられない!」
デカグラマトン「……成る程。じゃ、ゲマトリアの奴らを捜しに……」
マエストロ「その必要は無い。」
- 105二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 21:25:16
半壊マエストロ来たか
しかしデー君フリーダム過ぎるな、こっからは真面目になるだろうけど - 106二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 22:34:51
とりあえず新しいボディが必要だな
- 107二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 22:56:44
- 108二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 22:57:25
マエストロ憤死しそう…(小並感)
- 109二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 06:18:09
こっから大真面目なキヴォトスとなるがさて?
- 110二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 16:08:40
このレスは削除されています
- 111二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 22:06:37
このレスは削除されています
- 112二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 06:08:49
- 113スレ主25/04/13(日) 13:37:40
突如として、辺り一帯に軋むような音が鳴り響く。
ホド「⋯⋯この音。」
デカグラマトン「ああ、捜す手間が省けた。」
マエストロ「ハァ⋯⋯ハァ⋯⋯着いたな。」
そこに、タキシードを身に纏った双頭のマネキン人形のような姿の男が現れた。そう、彼はゲマトリアの構成員の1人「マエストロ」⋯⋯なのだが⋯⋯
ジェネラル「ん?ちょっと待て。何故全身がそんなにボロボロになっている?」
そう。今の彼は服が破れ、体はボロボロ、右の頭には亀裂が入っており、左の頭も後からくっつけたような物であった。
マエストロ「⋯⋯それについては後だ。とにかく、着いたぞ、チヒロ。」
マエストロはそう言うと、自身が背負っていたチヒロをゆっくり下ろした。
デカグラマトン「⋯⋯!」
それがチヒロだと分かるや否や、デカグラマトンはチヒロに駆け寄る。
デカグラマトン「ち、チーちゃん!?だ、大丈夫か!?」
チヒロ「⋯⋯ッ!!」
しかし、チヒロは全身傷だらけになっていて、服もボロボロ、髪も乱れ、メガネも割れていて、あちこちから血を流していた。
ウタハ「なっ!?これは一体!?」
ヒマリ「チーちゃん!?大丈夫ですか!?」
チヒロ「⋯⋯」
ウタハやヒマリもチヒロに駆け寄り、声をかけた。
ホド「マエストロだったか?これはどういう⋯⋯?」
マエストロ「すまんが説明は後だ。とにかく大急ぎでチヒロに手当てしてやってくれ。」
リオ「分かったわ。3人共、ひとまず今すぐにチヒロを医務室に運びましょう。話はそれからよ。」
そうして、デカグラマトン達はチヒロを医務室に運び、彼女に手当てをした。
- 114二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 13:40:09
黒服やマエストロと共闘して色彩の軍勢と戦う展開が見れそうでワクワクしている
- 115二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 22:28:16
このレスは削除されています
- 116二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 22:51:59
ここだと虚妄のサンクトゥム攻略戦でホドVSホド(色彩)のミラーマッチが起きうるんかな
- 117二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 08:02:34
このレスは削除されています
- 118二次元好きの匿名さん25/04/14(月) 16:58:10
デカグラマトン(色彩)は多分預言者全員の合体ロボになる
- 119二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 00:06:53
- 120二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 00:08:17
わんちゃん本編では見れなかったゲブラ(色彩)とかも見れるかも
- 121二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 06:17:00
ティフェレトは預言者だわ、クリフォトだクリフォト
- 122スレ主25/04/15(火) 12:33:43
[シャーレの屋上]
黒服「……クックックッ。」
先生の元に現れたのはゲマトリアの構成員の1人「黒服」。しかし、服はボロボロで頭部の形も以前よりグシャグシャになっていた。
"……黒服。"
黒服「お見苦しい姿で失礼します、先生。」
[ミレニアムの医務室]
マエストロ「……ゲマトリアは壊滅した。『色彩』が、遂に到来してしまったのだ。」
マエストロはデカグラマトン達とミレニアムの一同に「ゲマトリアの壊滅」と「『色彩』の襲来」について伝えた。
黒服「……この表現は少し適切ではないですね。正しくは『侵略してきた』とでも申し上げましょうか。」
"一体、何が起きてるの?"
先生が黒服にそう尋ねる。
マエストロ「『色彩』が到来し……狼の神がソレと接触したのだ。恐怖(terror)の領域へと反転した少女は、命ある全ての者を、あの世へと導く死の神『アヌビス』となって……」
デカグラマトン「それで……?」
デカグラマトンはマエストロに話の続きを催促した。
黒服「自身の本質が赴くままに……この世界に終焉を齎すでしょう。」
黒服は先生にそう告げる。
マエストロ「『色彩』はそれを理解していた。故に、この地に辿り着いて、まず最初に彼女の『崇高』を確保したのだ。」
黒服「『色彩』は意志も目的も無い不可解な観念であると……そう解釈していたのですが。」
マエストロ「この行動においては、明確な『意志』と『計画性』を感じる。」
そして、彼らはこう言った。
黒服・マエストロ「「まさか自ら行動に出るとは……」」
どうやら、ゲマトリアに取ってもこれは予想外な展開だったらしい。
黒服「『色彩』は、キヴォトスのありとあらゆる神秘と恐怖、そして崇高の概念を吸収し、自らのものにしようとしています……」
マエストロ「そして……キヴォトスに出現した6つの塔は……『サンクトゥムタワー』の一種と言えるだろう。それも、反転した。」
黒服「アレは太古の昔、まだこの世界に記録が残されるよりも前……当時存在していた原始的な神秘……『名も無き神』が築き上げた技術の1つ。」
マエストロ「アレが『色彩』の光を世界中に伝播させ、キヴォトスに存在する全ての神秘を恐怖へと反転させる事だろう。」
黒服「……あの、狼の神のように。」
- 123スレ主25/04/15(火) 12:33:54
先生・デカグラマトン「"なら、私達はそれを食い止めるだけだ。"」
黒服・マエストロ「「……」」
先生は黒服に、デカグラマトンはマエストロにそう言い切った。
マエストロ「『終焉を齎す神』を使って『色彩』がゲマトリアを襲撃した理由……」
黒服「それは、ゲマトリアが所持している『秘儀』と『検証結果』を奪う為だったのでしょう。」
マエストロ「デカグラマトンのパス、複製(ミメシス)の秘儀、『聖徒の交わり(Communio Sanctorum)』、ライブラリー・オブ・ロア……名も無き神の力に、無名の守護者の能力……」
黒服「これら全てを手にした『色彩の嚮導者』は……」
先生・デカグラマトン「"『色彩の嚮導者』?"」
突如として黒服とマエストロの口から発せられた「色彩の嚮導者」というワードに先生とデカグラマトンは反応する。
マエストロ「ああ。『色彩』の意志を代弁する存在であり、計画を遂行する実行者……」
黒服「……その名を『プレナパテス』。これから、ヤツと対面する事となるでしょう。」
黒服は先生に、マエストロはデカグラマトン達とミレニアムの一同に、色彩の嚮導者「プレナパテス」の事を伝える。
"ここからは大人(シャーレ)に任せて。"
先生は「大人のカード」を取り出し、そう言った。
黒服「……一つ、忠告をしましょう。そのカードを乱用すれば……貴方は私達と同じ結末を迎える事になりますよ、先生。クックックッ……」
黒服は先生に「大人のカード」の乱用について注意喚起をした。
マエストロ「ああ、それから……」
黒服「もう一つ、『各務チヒロ』についてもお話しないといけませんね。」
"チヒロについて?"
デカグラマトン「何だ?チーちゃんについて伝えなければならない事とは……」
マエストロ「……落ち着いて聞いて欲しい。」
黒服「彼女は今……」
- 124二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:19:56
このレスは削除されています
- 125二次元好きの匿名さん25/04/15(火) 21:20:13
デー君ベアおばへの怒りの突撃不可避
しかしどうする?アリスはダイブ装置あったけど人間につかえるのかね? - 126二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 06:19:10
先生(アロナ)とホドもいるし自由に動ける身体ではっちゃけてたけど、デー君自体がとんでも演算力お化けだからいけるいける
- 127スレ主25/04/16(水) 13:01:11
[数分前]
マエストロ「……!!」
目を覚ますマエストロ。
黒服「気が付きましたか?マエストロ。」
マエストロ「……一体、何が起きている?いや……説明は良い。肉体が変わったからか、気が動転しているようだ。」
黒服「クックックッ……あまり時間が無かったもので、代替品を嵌めたのですが……ご気分はいかがでしょう?」
黒服はマエストロにそう尋ねる。
マエストロ「所詮、肉体は消耗品に過ぎぬ。どのような形であろうと構わない。」
マエストロはそう応えた。
マエストロ「そうか……『色彩』の襲来。」
黒服「ええ。我々の想定よりも随分と早く……色彩の嚮導者、『プレナパテス』が攻撃を開始しました。」
マエストロ「……我々の所在や弱点……攻撃のタイミングに至るまで、全て見透かされているとはな。我々は端から嚮導者の掌の上に居たという事だ……『ゲマトリア』の名も、地に堕ちたものだな。」
黒服「クックックッ……我々の事は、おそらく眼中にも無いかと。我々を襲ったのも、おそらく『道具』を得る為なのでしょう……彼らの目的を達成する為の。」
マエストロ「キヴォトスを滅亡させる為の『道具』……か。」
黒服「ええ。彼らは『恐怖』に反転した死の神(アヌビス)を操り……ゲマトリアが所有していた全ての『秘儀』を奪いました。」
黒服は説明を続ける。
黒服「複製(ミメシス)、『聖徒の交わり(Communio Sanctorum)』、デカグラマトン、名も無き神、ライブラリー・オブ・ロア……そして、我々が終ぞ手に入れられなかった『アトラ・ハシースの箱舟』をも。色彩の嚮導者が、死の神(アヌビス)の『恐怖』を手に入れた以上、キヴォトスは我々が活動するには適さなくなりました。『狂気』はあらゆるものを飲み込み、存在を塗り替えてしまいます。それこそが『色彩』の本質なのでしょう。ここで我々が己の『価値』を追及したところで、獲得した全てがプレナパテスの『道具』に成り下がってしまうのです。」
マエストロ「……では、キヴォトスは終焉を迎えるのか?」
マエストロが黒服にそう訊く。
黒服「……いえ、まだ先生が居ます。あの者は、自身の生徒達……シャーレと共に戦っています。」
黒服はそう応えた。
マエストロ「そうか……まぁ、あの者の事だからな。」
黒服のその言葉に、マエストロは納得した。
- 128スレ主25/04/16(水) 13:01:33
黒服「しかしそれも、間もなく限界を迎えるでしょう。不可解な『色彩』……そして、不可解な存在である『先生』……果たしていつまで耐えられるものか……クックックッ。」
マエストロ「……」
マエストロはただ黙って黒服の話を聞いていた。
黒服「あらゆる事象が崩壊してしまった今も尚、この世界には興味深いものが残っています……面白いとは思いませんか?」
そして、黒服はマエストロにこう告げた。
黒服「……ここで一度、ゲマトリアは解散とします。」
マエストロ「……」
黒服「様子を見て再結成の招集をいたします。それまで貴方は自由の身ですよ、マエストロ。」
マエストロ「……ゴルコンダは何処に?一体、彼はどうなったのだ?」
マエストロは黒服にそんな質問をする。
黒服「本体のデカルコマニーはしぬ事が出来ませんので、問題無いかと。ですが、ゴルコンダはフランシスに入れ替わったようです。」
黒服はそう説明した。
マエストロ「……よりによって、フランシスか。」
その事について、マエストロは酷く嘆いた。
マエストロ「彼はある意味ベアトリーチェより危険な存在と言える。ゴルコンダが恋しくなるだろうな。」
- 129スレ主25/04/16(水) 13:01:44
黒服「……まぁ、それは良いでしょう。問題は……」
マエストロ「……ああ。」
黒服とマエストロは同じ方を見た。
チヒロ「ハァ……ハァ……」
黒服「チヒロさんですが……怪我はかなり酷いですが、幸いにも致命傷には至っていません。貴方が身を挺して守ってくれたおかげですね。……代わりに、貴方は片方の頭を吹き飛ばせれてしまったようですがね、クックックッ。」
マエストロ「それで?それだけでは無いのだろう?彼女はどうなった?……いや、この言い方は適切ではないか。どうなっているのだ?今のチヒロは……」
マエストロは黒服にそう尋ねる。
黒服「……私の見立てが正しければ、今の彼女には『色彩』が宿ってしまったようです。」
マエストロ「やはりベアトリーチェのアレか……」
黒服「はい。ベアトリーチェは自身の全てをあの一撃に込めていた。当然、彼女に宿っていた『色彩』も含まれます。」
黒服は続ける。
黒服「更に追い打ちをかけるように、彼女はアヌビスに襲撃され、死の神の『恐怖』を通じて再び『色彩』に触れてしまった。要は、2度に渡って色彩を植え付けられてしまったのです。」
マエストロ「……彼女はしぬのか?」
マエストロは単刀直入にそう訊いた。
黒服「このままだと、その可能性が最も高いでしょう。『色彩』を2度に渡って植え付けられてしまったのです。まずその力に耐えられるとは到底思えない。『恐怖』に反転する前に、文字通りの『死』を迎えると考えられます。」
黒服はそう応えた。
マエストロ「……我々のミス、と言わざるを得ないな。」
黒服「クックック、はい。先生やミレニアムの皆さんにも伝えておくべきでしょう。」
マエストロ「では、私が彼女をミレニアムに送り届けよう。」
黒服「では、そちらは任せました。私は先生に会って来ますので……また会いましょう、マエストロ。」
マエストロ「ああ。ゲマトリアが復活するその時まで。」
黒服とマエストロはそこで別れた。
- 130二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 17:49:52
色彩ちゃん?反転をクーリングオフ出来ん?
- 131二次元好きの匿名さん25/04/16(水) 23:22:55
このレスは削除されています
- 132二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 08:09:26
反転どころか、文字通りの「死」…これどうすんの?
- 133スレ主25/04/17(木) 12:53:21
マエストロ「……これが全てだ。」
マエストロの説明を聞き終えたデカグラマトン達とミレニアムの一同はただ唖然としていた。
デカグラマトン「……ふ、ふざけるなッ!!」
そう叫び、デカグラマトンはマエストロの胸ぐらを掴む。
デカグラマトン「お前らがチーちゃんをまた誘拐したせいで、チーちゃんが……!」
マエストロ「……そうだ、全て我々の責任だ。私を罰したいなら好きにしろ。この件について、私はそなた達に謝罪しよう。……無論、それだけで許してくれとは言わん。だが、納得はしてくれ。もう、それどころではないからな。」
マエストロは窓の外を見ながらそう言う。
デカグラマトン「……」
デカグラマトンは黙ってマエストロを離した。
ウタハ「ちょっと待ってくれ。なら、今回の件が解決しても、チーちゃんは……」
マエストロ「いや、そうとも限らない。」
ヒマリ「はい?何故ですか?少なくとも、貴方の話を聞いたところでは、今回の件を引き起こした『色彩』とチーちゃんに宿ってしまった『色彩』は別のようですが……」
ヒマリは不思議そうな顔をしながら、マエストロにそう尋ねる。
マエストロ「『色彩』は私達に取っても不可解な概念だ。故に、何が起きたとしても、それは別に不可思議にはならん。……これは完全に希望論となってしまうが、今回の一件を引き起こした『色彩の嚮導者』を撃退すれば、チーちゃん……おっと、失敬。チヒロに宿っている『色彩』も消えるかもしれん。」
ジェネラル「根拠は……?」
マエストロ「すまないが、何も無い。何せ、相手は文字通りの『不可解な概念』そのものなのだからな。」
ホド「……可能性は、限りなく0に近いという訳か。」
デカグラマトン「……だから何だ?完全に0ではないだけまだマシだろ。」
ヒマリ「……そうですね。」
ウタハ「……やるか。」
デカグラマトンのその言葉に、他のミレニアム生達もその可能性に賭ける事を決意した。
マエストロ「……それがそなた達の選択ならば、私は可能な限りの支援を約束しよう。……とは言っても、私の肉体は見ての通りの惨状。更には複製(ミメシス)の『秘儀』を奴らに奪われた今、本当に些細な事しか出来ぬのだがな。」
デカグラマトン「それで十分だ。」
マエストロ「……そうか。」
こうして、マエストロはデカグラマトン達とミレニアムの一同と共に、今回の一件の解決に協力する事となった。
- 134二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 12:57:55
デカグラマトン、マエストロ、先生&生徒で連合ときたよ
これはプレ先側も他の何かが出てきそうだ - 135二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 12:59:55
わんちゃん本編で出て来てない色彩化預言者を引き連れてたり…
- 136二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 21:27:13
このレスは削除されています
- 137二次元好きの匿名さん25/04/17(木) 22:57:41
このレスは削除されています
- 138二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 08:02:35
このレスは削除されています
- 139二次元好きの匿名さん25/04/18(金) 14:28:11
続きが楽しみだ
- 140スレ主25/04/18(金) 21:43:54
チヒロ「……んん。ん……?ここは?」
チヒロが目を覚ますと、そこは見た事も無い教室のような場所だった。天井や壁は崩れており、外には歪な星空が広がっていた。
チヒロ「ここは一体……ん?」
???「……」
よく見ると、その教室の真ん中に、1人の少女が佇んでいた。
チヒロ(誰、あの子……?……いや、この際誰でも良いか。ここが何処なのか訊いてみようかな……)
チヒロはその少女に声をかけてみる事にした。
チヒロ「……えっと、そこの貴女、その、ちょっと聞きたい事が……」
少女「ッ!?」
チヒロが居る事に気が付くや否や、その少女は驚いた。
チヒロ「あの、ここは一体……」
少女「驚愕!!理解不能!!予想外!!……侵入者を確認。直ちに排出を試みます。」
黒い服に白くて長い髪、黒いカチューシャに白いリボンを着け、黒い傘を持っているその少女は混乱しつつも、冷静さを取り戻したようだ。
チヒロ「は、排出?」
次の瞬間、チヒロは何かに引っ張られるような感覚に陥る。
チヒロ「え?ちょ、ちょっと!?」
チヒロは抵抗しようとしたが、なす術も無く、そのまま暗闇に放り出されてしまった。
少女「侵入者の排出に成功。」
少女はチヒロが追い出された事を確認すると、何かの作業を再開した。
- 141二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 00:47:16
チーちゃんシッテムの箱に入ってるぅ!?
色彩ちゃんがバックドアやらかしたのか!? - 142二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 08:27:39
チーちゃん、まさかのプラナと接触
- 143二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 14:56:51
チーちゃん、さっきから散々な目に遭い過ぎでは?
- 144二次元好きの匿名さん25/04/19(土) 23:15:08
チヒロとんでもない事になってる!?
- 145二次元好きの匿名さん25/04/20(日) 06:54:05
このレスは削除されています
- 146スレ主25/04/20(日) 06:55:43
チヒロ「うわぁっ!?」
マエストロ「ああ、目が覚めたのだな。」
チヒロ「え?マエストロさん?⋯⋯それにここは?」
目が覚めたチヒロは辺りを見回す。
デカグラマトン「チーちゃん!?目が覚めたのか!?」
ヒマリ「チーちゃん!」
デカグラマトンとヒマリが目を覚ましたチヒロに駆け寄る。
チヒロ「皆?どうして私にそんな心配そうな表情を向けるの?」
マエストロ「私が説明しよう。」
困惑しているチヒロに、マエストロが手短に説明をした。
チヒロ「私の中に、『色彩』が⋯⋯?」
ホド「⋯⋯らしい。」
チヒロ「いやでも、別に何ともないけど?」
チヒロがそう言うと、マエストロは首を傾げた。
マエストロ(おかしい。普通ならその過剰な力の負荷による苦痛に耐え切れぬ筈だ。⋯⋯なのに、何故だ?彼女の中の『色彩』が、安定している?)
リオ「けど、あまり無理はしないでちょうだい。」
チヒロ「言ってる場合?この状況を黙って見てるなんて出来ない。」
マエストロ「⋯⋯ハァ。あまり気は進まんが、私はそなたの意思を尊重するぞ、チヒロ。」
デカグラマトン「まぁ、チーちゃんがそう言うなら⋯⋯」
チヒロ「ありがとう、デー君、マエストロさん。」
ホド「だが、無理はするなよ?」
チヒロ「分かってるよ、ホド君。」
チヒロは自分のメガネをかけ直し、ベットから起き上がる。
チヒロ「⋯⋯じゃあ、早くやるべき事に取りかかろう。」
チヒロがそう言うと、ミレニアムの一同とデカグラマトン達は頷き、各自の持ち場に戻った。
マエストロ「⋯⋯健闘を祈る。」