【SEED子世代SS閲覧注意】人口問題を解決しちまったぜ

  • 1二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:06:53

    ディアミリ息子「……と思ったら実はまったく解決してなかったんだけどな!」

    ノイミリ息子「同じお腹で育っても、ナチュラルがコーディネイターになるなんてこと一切なかったんだよなぁ」

    イザシホ娘(うーん、いきなり反応しずらい話題をかましてくるわねこの双子……)


    ※種シリーズ子世代コラ画像を使用したifSSスレです。
    ※他子世代スレの設定は一切踏襲していません。このスレのみで閲覧いただけます。
    ※本編カプは固定ですが、その他本編では結ばれなかった組み合わせの子世代キャラが出てきます。
    必ず次レスの注意事項をお読みの上、地雷かどうか判断してからの閲覧推奨です。
    ※話の都合上、オーブの警備はザルです。
    ※ダイスはほぼありません。

  • 2二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:07:25

    ※※注意事項※※
    全体的にゆるいノリですが、話のメインとして
    『異父過妊娠』『人種の異なる二卵性双生児』
    という概念が扱われています。
    今回は親世代(つまり種本編のキャラクター)のうち3人が『それぞれ納得した上で円満グループ交際した末に』異父二卵性双生児が産まれたという経緯にしているためNTR展開は一切発生いたしません。
    また、異父二卵性双生児の両親にあたるその3人の出番はほぼありません。
    しかしハーレムものが地雷、種キャラがそういう交際をするのは受け入れられない、という方は自衛のためにブラウザバック推奨です。

    上記プラス、話の都合上何度か『子世代キャラ同士が喧嘩するシーン』が出てきます。
    喧嘩後わりとすぐフォローが入るし最終的にほぼ仲直りしますが、喧嘩シーンが地雷な方はブラウザバック推奨です。

  • 3二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:08:16

    ※子世代スレって何だよ

    種シリーズのキャラの子どもを想像したコラ画像やSSから始まったロボカテ概念。

    くどいようですか、今回のSSは他の子世代スレの設定を一切踏襲していません。

    子世代総合現スレは↓


    【集団幻覚・一応閲注】SEED子世代画像・雑談スレ Part3|あにまん掲示板地味に需要がありそうだったので画像貼り付け、雑談等にどうぞスレ画はトンチキメカを作ってくれそうなハインライン娘さんbbs.animanch.com
  • 4二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:09:07

    今回のSSとはまったく関係ない前に書いたSSスレ↓


    【子世代ss閲覧注意】そうよ、私はラウ・ル・クルーゼの娘|あにまん掲示板クルーゼ娘「あなたからもそう言われるなんて……やっぱり私は、本当にクルーゼの娘なんだわ!」デュランダル息子「いや、そんな仮面着けておいてツッコまれないほうが不自然だと思うけど……」※種シリーズ子世代i…bbs.animanch.com

    前回は年末ギリギリだったため勇み足で詰め込み過ぎたので、

    今回はなるべくゆっくり、あんまり1レスが長くならないよう小分けに出していきたいです。

    なので全体的な長さは前と同じくらいですが、何スレかに分かれると思います。


    今回もキャラ紹介から始めていくので、それを投下したら10いくかな?

    いきなり規制でもされなければ、とりあえず今日はキャラ紹介だけ全部出してしまいます。

  • 5二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:10:35

    前のSS、いつの間にか画像出なくなってらぁ!


    【このSSに登場する主な子世代キャラ 1/6】

    dice1d3=2 (2)

    (1.ディミトリ 2.ディアリオ 3.バスター)・エルスマン


    生物学上ディアッカ・エルスマンとミリアリア・ハウの息子。

    ハーフコーディネイター。

    ザフト軍人MSパイロット。16歳(成人)。


    後述の、アーノルド・ノイマンの息子とは正真正銘同じ母親から産まれた『異父二卵性双生児』。

    父親の爽やかな男らしさと母親の愛嬌を受け継いだ、フェブラリウス市きっての快男児。

    同時に、遠くに居る相手を一途に想い続ける心と、大切なもののために爆発する行動力を両親から強く受け継いだ結果、離れ離れに育った双子に対し周りがドン引きするほど重度のブラコンとなっている。

    父親同士が仲の良いジュール家の娘とは幼馴染。

    ※このスレではハーフコーディネイターの成人年齢はプラント国民は15歳、オーブ国民は18歳としています。

  • 6二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:12:08

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 2/6】

    dice1d3=2 (2)

    (1.アーク 2.アルミリオ 3.ミリアルド)・ノイマン

    ※名前2か3が当たったら通称「ミリィ」


    生物学上アーノルド・ノイマンとミリアリア・ハウの息子。

    ナチュラル。

    来月からオーブ軍人。16歳(未成年)。


    ディアッカ・エルスマンの息子であるディアリオとは正真正銘同じ母親から産まれた『異父二卵性双生児』。

    父親の操舵能力と母親の現場判断能力を受け継いだ、オーブ軍期待のルーキー。

    同時に、周りに流されやすい部分とたまに発揮してしまうド天然っぷりを両親から強く受け継いだ結果、誰よりも突拍子のない行動をする性格でもある。

    ちなみに本筋とはあまり関係ないが、今のところオーブと大西洋連邦の重国籍者。

    母親同士が仲の良いアスハ家の娘とは幼馴染。

  • 7二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:13:49

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 3/6】

    dice1d3=3 (3)

    (1.イザリア 2.イザリス 3.イザホ)・ジュール


    イザーク・ジュールとシホ・ハーネンフースの娘。

    第三世代コーディネイター。

    ザフト軍人MSパイロット。17歳(成人)。


    ディアリオとは幼馴染で、ザフトの同じ隊に所属している。

    父親譲りの苛烈な性格をしている自分を相棒として認めてくれているディアリオに、恋心を抱いている。

    ディアリオがゆくゆくはコンパスへの出向を希望していることを知っているが、

    自分はザフトを離れるつもりはないため、どのように引き留めようか日々悩み中。

  • 8二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:15:30

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 4/6】

    dice1d3=3 (3)

    (1.カガラ 2.カーラ 3.カズラ)・ザラ・アスハ 

    アスラン・ザラとカガリ・ユラ・アスハの娘。


    ハーフコーディネイター。民間人。

    15歳(コーディネイターの遺伝子を持っているがオーブ国民のため未成年)。


    アルミリオとは幼馴染で、母親同士がよく交流するため自然と一緒に遊ぶようになった。

    幼い頃から母親の『花嫁拉致事件』に憧れており、なんども花嫁ごっこを繰り返した結果、

    いつもごっこの誘拐犯役に指名していたアルミリオに淡い恋心を抱いている。

  • 9二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:19:20

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 5/6】
    レミー

    ハーフコーディネイター。
    民間人。20歳(成人)。

    一応秘密裏に大戦を生き延びたレイ・ザ・バレルとミーア・キャンベルの息子だが、
    出生については今回の本筋と全く関係ない。
    本名・出自・その他あらゆる情報が一切不明の新人男性アイドルとしてSNS上で活動している。
    レイは自分が生き残ったことを誰にも知らせず、ミーアもラクスから離れた後に行方をくらませたため、
    レミーの正体を知る者は母親以外に存在しない。

    (すみません、なんか急にこの子の画像無くした……orz 明日探しときます)

  • 10二次元好きの匿名さん25/03/26(水) 23:20:40

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 6/6】

    dice1d3=1 (1)

    (1.アズリナ 2.アズール 3.エンジュ)・アズラエル


    ナチュラル。

    民間人。29歳(成人)。


    今回の悪役。

    元ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルの娘。

    ロゴス後継団体・企業グループの経営者。

    もはや環境保護団体として認証されなくなったブルーコスモスのメンバーを会社役員として数多く採用していることもあり、要注意人物として各国政府から注目されている。

    しかし本人は父親と違い、コーディネイターに対しての憎悪はそれほど持っていない。

    むしろ、父親からビジネスマンとしての一面を強く受け継いでおり、コーディネイターさえも金儲けに利用する強かな性格を持つ。

  • 11125/03/26(水) 23:21:43

    そんなこんなで明日からSSを投下していきます。
    謎規制されなければ朝に保守→夜にゆるゆる投下のスパンで進められそうです。
    いやほんとに、レイミア子の画像さっきまでは確かに持っていたはずなのにどこいった……?

  • 12125/03/26(水) 23:25:03

    >>9

    あったー!

    うっかりこの画像だけ移動させていたみたいで……。

    明日は多分19時頃から投下開始できそうです。

  • 13二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 06:10:01

    ちと人間関係が複雑そうな感じかな?

  • 14二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 07:15:18

    …ナチュラルと結婚したら遺伝子的にナチュラルに回帰していったんかな

  • 15125/03/27(木) 07:55:40

    人間関係は複雑なようで、実はなーんも複雑じゃありませんw
    色々ごちゃごちゃ書いてるのも全て「この2人が双子! 以上!」と言いたいがための言い訳みたいなものなので、
    とりあえずこの2人が双子なのか~とさえ分かっていただければオールオッケーです
    スレ落ち間隔が10時間になったから、また昼休憩の時に様子を見にこなければ……

  • 16125/03/27(木) 12:21:17

    キャラ紹介で書いてることをまとめるとこんな感じです!(SS読む上で覚える必要全く無しです)
    スマホから指で書いたので字が滅茶苦茶になってて申し訳ない

  • 17二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 13:01:49

    両親らは出ないと明言されてはいるが、普通に成立の経緯が気になるディアミリノイ…

  • 18125/03/27(木) 18:52:18

    それでは19時過ぎから、キリのいいところまで投下していきます。
    最序盤だけ地の文多めとなっていますが、
    それさえ終われば後はゆるゆる日常パートになります。
    わりと修正しながら投下するので、ゆっくりめになるかも。

    主役であるディアリオ君(ディアミリ)の身の上説明のためにどうしても、
    軽~くだけですが親(ミリアリア)達について触れますので、
    なんか地雷っぽいと感じた方は地の文多めのところだけ読み飛ばし推奨です。

  • 19125/03/27(木) 18:54:18

    【補足】
    ほんとはキャラ紹介にもあるように、アルミリオ(ノイミリ)のあだ名をミリィにして進めて行こうと思っていたのですが……
    いざ書いてみたらなんかミリアリアと混同しそうだったのでやっぱアルミリオのままでいきます。
    ちょっとボードウィン家みのあるの名ですが、まあディアリオと双子っぽくていいんじゃないかな。
    それかバージョン違いで出る伝説ポケっぽいね。

  • 20125/03/27(木) 19:00:57

    1の続きです

    --

    【オーブ オノゴロ島】

    ディアリオ「って、俺達の鉄板ネタなんだから笑ってくれよー」

    アルミリオ「だから言っただろディアリオ、ドン引きされるんじゃないかって」

    イザホ「い、いえその……出会って最初の自己紹介でいきなり人口問題がなんとかと言われたから驚いただけで、
    別に引いている訳じゃ」アセアセ

    ディアリオ、アルミリオ、イザホの3人は、オノゴロ島の軍港に集まっていた。
    オーブ・ザフト間で結ばれた交流出向により、ディアリオとイザホのザフト軍人2人がオーブに来たところを、
    アルミリオが出迎えたからだ。

  • 21125/03/27(木) 19:02:41

    ディアリオ「おいおい、思いっきりドン引いてる顔じゃねーか……」ハァ

    アルミリオ「ははは、やるんじゃなかったな。
    悪いな、俺達2人に揃って会った人はみんな『例のこと』が気になるだろう?
    イザホさんからそのことを聞かれるより先に言ってしまおうって、ずっと前から2人で決めていたんだ」

    イザホ「そ、そう。
    例のことって、やっぱり貴方達が産まれた時の?」

    うん、と双子が揃って頷く。

  • 22125/03/27(木) 19:04:39



    ディアリオとアルミリオは、正真正銘の二卵性双生児だ。

    ただしディアリオはディアッカ・エルスマンとミリアリア・ハウの息子、

    アルミリオはアーノルド・ノイマンとミリアリア・ハウの息子である。

  • 23125/03/27(木) 19:07:35

    かつて、ミリアリア・ハウがまだオーブ軍に所属していた頃。
    ミリアリアはディアッカ・エルスマンとアーノルド・ノイマン、2人の男から言い寄られてた。

    いずれ自分はディアッカの強い想いを受け入れプラントへ行くのだろう、
    とミリアリアは確信していた。
    そしてそうなった場合、ノイマンは寂しさと共に身を引くだろうこともミリアリアには分かっていた。

  • 24125/03/27(木) 19:11:01

    しかし、ミリアリアは非常にバイタリティ溢れる女性だった。

    ゆえに、ミリアリアは2人とも見捨てず、
    双方納得の上、3人で交際を始めることにした。

    ディアッカとノイマン、男2人の仲が良かったのも幸いして、
    交際は至って平和に、円満に続いた。

  • 25125/03/27(木) 19:12:56

    問題は、ミリアリアが妊娠した後に起こった。

    双子を妊娠した当初は、お腹の中の兄弟はそろってエルスマン家の息子として迎えられるはずだったが、
    ミリアリアがどうしても気になると言い出生前のDNA鑑定が執り行われた。

    結果、胎児の片方がディアッカの子、もう片方がノイマンの子だと判明した。
    双子を宇宙と地球で引き離して育てることになったとはいえ、
    正直、この結果に当人達は喜びしばしお祝いムードとなった。

  • 26125/03/27(木) 19:15:29

    親の話はここで終わりです!
    --

    しかし、いくら当人たちが納得していたとしても、
    『同じ胎内にハーフコーディネイターとナチュラルがいる』
    という点で全世界の話題となってしまった。

    イザホ「そうね、その頃のニュースは私も読んだことがあるわ。
    人口と確立から考えて、おそらく未申請の親子がいるとしても……少なくとも公表されたうちでは、
    人工子宮等を使わず同じ胎内から出産された『ハーフコーディネイターとナチュラルの双子』はディアリオ達が初だって」

  • 27125/03/27(木) 19:19:09


    ディアリオ「当時はかーなーり世間を騒がせたらしいぜ?

    そんな訳ねえのに、胎児の俺が胎児のアルミリオに影響するとか、

    『ナチュラルの子にコーディネイターの遺伝子が混ざっちゃうんじゃないの~』ってニュースやら学会やらで喧々諤々」


    アルミリオ「まあ、結局は知っての通り、俺は遺伝子的にも身体的にも100%ナチュラル。

    そもそもディアリオとは胎盤が違うんだから胎内でも血液は混じってないし、

    胎児からの影響も何も無かったんだけどな」

  • 28125/03/27(木) 19:22:23

    しかしディアリオとアルミリオをきっかけにして一般人にも知れ渡った
    『コーディネイターの遺伝子を持つ胎児はナチュラルの胎児に影響を与えるのか?』
    という疑問は今でも、遺伝子研究の場で議論されている。

    もし母体がコーディネイターだったら?

    もし片方の胎児がハーフコーディネイターではなく、コーディネイターだったら?

  • 29125/03/27(木) 19:24:59

    もし成功率の安定した人工子宮が開発され、そこにコーディネイターとナチュラルの受精卵を一緒に容れたら?

    もし、もしも。
    法規制により地球上では第一世代を合法的に生み出せなくなった上、
    アコード事変以来ナチュラルのプラント移住者はほとんどいなくなってしまった今。
    ナチュラルの胎児をハーフコーディネイター、さらには純粋なコーディネイターにすることができたら……

  • 30125/03/27(木) 19:28:21


    ディアリオ「ただでさえ生まれにくい第三世代以降のコーディネイターを、双子にすれば2倍、三つ子にすれば3倍に増やせます!!

    なんて、今んとこ全部机上の空論らしいけどな」


    イザホ「そもそも生命倫理の問題があり過ぎて実験自体できていないから、

    オーブ風に言えば『捕らぬ狸の皮算用』かしら」


    ちなみに声の大きさの違いからか、

    逆にナチュラルがコーディネイターへ影響するのではという議論は活発には起こらなかった。

  • 31125/03/27(木) 19:33:19


    イザホ「常識で考えればあり得ないと分かる話でも、

    誰にでも関係あるような内容だと煽られて大論争となってしまうのは、ままあることね」


    アルミリオ「それに、俺は遺伝子の研究なんてものはさっぱり分からないけど……」

  • 32125/03/27(木) 19:55:11

    サーバー! 頑張ってくれ!!

    --

    アルミリオ「もしディアリオの言うように、ナチュラルをコーディネイターにできる魔法みたいな方法が生み出されるのならともかく、

    ハーフコーディネイターが沢山生み出されるだけ、

    だったらプラントの人口減少問題の解決には繋がらないし、研究しても意味がないんだろうな」


    ディアリオ「!!」


    イザホ「!!」

  • 33125/03/27(木) 20:03:18

    アルミリオ「……あ、あれ? どうして固まってるんだ2人とも?
    俺、何かまずいこと言ったかな」オロオロ

    ディアリオ「い、いや、っていうか、えっと、
    こんなつまんねー話はそろそろ止めて、別の話でもしようぜ!!」アセアセ

    イザホ「そっ、そそ、そうね! 私達、別に初対面じゃないんだし!」アセアセ

    アルミリオ「……?
    でも、俺がプラント育ちのイザホさんと会うのは子どもの時以来で大人になってからは初だし、
    ディアリオもその辺りを詳しく話したことが無いって言うから、改めて説明をしようと」

  • 34125/03/27(木) 20:52:38

    ちなみにイザーク・ジュールとシホ・ハーネンフースの娘であるイザホは、

    同じプラント育ちのディアリオとは幼馴染だが、オーブ育ちのアルミリオとは幼い頃に数回会ったきりだった。


    ディアリオ「っあー!! そうだ、今日はアルミリオの軍服おひろめの日じゃないか!

    超似合ってるぜ、アルミリオ!」


    アルミリオ「そ、そうかな」


    ※アストレイ3人娘が17歳だったから、このスレではオーブ軍は16歳から入れるという設定にしています

  • 35125/03/27(木) 20:56:09

    アルミリオ「目の前で褒められると、なんだか恥ずかしいな……
    ディアリオに早く見せたかったから、今日これを着る許可を貰えてよかったよ」

    イザホ「確か来月から、オーブ軍に入るんだったわよね。
    おめでとう、私も軍服姿を見れて嬉しいわ」

    上手く話題を逸らせたな、とディアリオがほっと胸をなでおろす。

  • 36125/03/27(木) 21:02:57

    ディアリオ「たまに連絡してるって言っても、生のアルミリオを見るのは久しぶりだからさ。
    軍服姿のアルミリオを見れて俺、すっげー満足。
    サイコーに幸せもんだぜ!」

    アルミリオ「いつも大げさだなぁ、ディアリオは。
    去年の誕生日にも会ったじゃないか」

    イザホ「ディアリオは一か月前くらいから『もうすぐアルミリオに会える、あと〇日でアルミリオに会える』ってそればかり言っていたのよ。
    ずっと前から分かっていたことだけど……ディアリオは本当に、アルミリオ君のことが大好きなのね」

  • 37125/03/27(木) 21:10:36

    ディアリオ「ああ、やっぱ俺、父さん似だからかな。

    離れ離れで育てられても、遠くにいる相手を一途に想い続ける……なんつーの?

    真心? みたいなのを受け継いだ的な」


    ディアリオ「なんて、改めて口にすると照れくさいぜ!」

  • 38125/03/27(木) 21:16:40

    イザホ(とにかく、プラントとオーブで別々に育てられたせいで、

    ディは重度のブラコンになったってことね)


    アルミリオ「俺も、照れくさいけどディアリオ達に大人になった姿を見せられて、嬉しいよ」

  • 39125/03/27(木) 21:19:40

    ディて何や……ディアリオの名前が切れてしまった
    --
    ディアリオ「何言ってんだよ。
    アルミリオはまだまだ大人の一員とは言えないよなぁ?」ハハ

    ディアリオの言葉に、アルミリオが頬を膨らます。

    アルミリオ「なんで、これで俺もお前と同じ軍人に」

    ディアリオ「だってお前はまだ未成年、
    コーヒーも飲めないお・こ・ちゃまだってーの」

  • 40125/03/27(木) 21:25:51

    アルミリオ「なんだよ、お前だって本当はまだ子どもなのに、
    プラントの制度のおこぼれで成人って言われているようなもんじゃないか」

    ディアリオがアルミリオへ肩を組み、顔を寄せる。

    ディアリオ「心配すんなよ、もし戦場で会ってもお子ちゃまは俺が絶対に守ってやるから。
    だから今はオーブ軍でしっかり経験を積むにしても、いつか一緒に……コンパスで肩を並べようぜ」

  • 41125/03/27(木) 21:28:53

    ディアリオ「俺、ちゃんと待ってるからさ」


    ディアリオが額を、アルミリオの頭にごつんとぶつける。


    ディアリオ「もうすぐ、やっと、コンパスで一緒に居られるんだ。

    離れ離れにならなくて済むんだぜ」


    アルミリオ「ディアリオ……気が早いよ」

  • 42125/03/27(木) 21:32:04


    イザホ「…………」


    ディアリオ「ん?

    どうしたんだよイザホ、急に変な顔して」


    イザホ「べ、別に。

    その、ディアリオがいつも言っているコンパス出向志願っていうの、アルミリオ君もなんだと思って」

  • 43125/03/27(木) 21:37:10

    ディアリオ「そりゃそうだろ。
    だってアルミリオがオーブ軍に入ったのも、そのためだもんな。
    アルミリオがど~してもまずはオーブで経験を積みたいって言うから、あと少しは待つけどよ」

    イザホ「ふぅん。あと、少しね」

    ディアリオ「だからなんだよ、そのジトっとした目つきは」

    イザホ「太陽がまぶしかっただけよ。
    暑くなってきたし、そろそろ移動しましょう」

  • 44125/03/27(木) 21:39:17

    とまあもう少しキリのいいところまで進めたかったのですが、本日はここまで
    次回もまだゆる~い日常パートが続きます。

  • 45二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:23:52

    言われてみれば、だんだんディアミリ君とノイミリ君が似ているように見えてきた

  • 46二次元好きの匿名さん25/03/27(木) 22:32:36

    >>44

    乙です!

  • 47二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 07:27:45

    ディアミリ君思ってたよりストレートにブラコンで笑う
    ノイミリ君が特に反発ないのは天然がゆえかな?

  • 48125/03/28(金) 08:00:20

    コメントとハートありがとうございます!
    こんなん読んでくれる人おるんかなと思っていたので本当に嬉しい

    今日も19時か20時には投下できるはず……サーバーが落ちていなければ

  • 49125/03/28(金) 12:06:54

    スレ落ち10時間間隔なのでお昼あげ

    ちなみにディアリオ(ディアミリ)→アルミリオ(ノイミリ)の接し方は、
    ディアッカがミリアリアと付き合ってる時はこんな風にデレデレしてたのかな~と想像した感じを反映しています
    とはいえ一応ブラコンの域を超えないレベルにはしていますのでご安心を……

  • 50二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 17:54:58

    今夜は投下中に鯖落ちしないといいが…

  • 51125/03/28(金) 18:55:28

    19時過ぎから、43の続きを投下していきます

    まだしばらくは本筋の前振りとなる、ゆる~い恋バナが続きます


    >>49

    付き合ってる時はって書いたら何となく語弊が生じるかな

    本筋とは関係ありませんが、親3人はこの時代でもはちゃめちゃに仲良いイメージです

  • 52125/03/28(金) 19:00:54

    43の続きです


    --

    ディアリオ「そうだな、……あれっ?

    そういや、カズラは?

    あいつも迎えに来てくれるって聞いてたけど」


    アルミリオ「ああ、今日オロファトで行われるイベントに、

    急遽カガリさんの代打でカズラが登壇することになったとかでオノゴロには来れなかったんだ。

    今はまだイベントの時間じゃないし、オロファトのアスハ邸に居るんじゃないかな」

  • 53125/03/28(金) 19:02:29

    アルミリオ「俺はもともと、この後アスハ邸に行く予定だったけど」


    ディアリオ「俺とイザホも、オロファトの内閣府に行かなくちゃならないんだよな。

    それじゃ3人で、ヤラファス島に向かおうぜ」


    軍用の移動船の待合場所へと歩きながら、

    3人は話題に上がったアスラン・ザラとカガリ・ユラ・アスハの娘、カズラの顔を思い浮かべる。

  • 54125/03/28(金) 19:04:12

    母親同士の仲が良いということもあり、カズラとアルミリオは幼い頃からよく一緒にいる、

    幼馴染ともいえる間柄だった。


    ディアリオ「あのカズラが、イベントに登壇とはな。

    彼女が忙しそうで残念だな、アルミリオ」

  • 55125/03/28(金) 19:07:02

    アルミリオ「だから彼女じゃないっていつも言ってるじゃないか。
    俺はカズラのこと、妹みたいにしか思ってないしさ」

    ディアリオ「ははっ、からかっただけだって。
    お前が誰かと付き合い始めたら、俺に言わない訳ないもんな。
    でもカズラもかわいそうだな、好きな相手になかなか思いが通じなくて。
    チャンドラ家のあの子とか、フラガ家のあの子とか、ライバル多いし」

    イザホ「もう、ディアリオったらあんまりそんな言い方しちゃ駄目よ」フフ

  • 56125/03/28(金) 19:08:58

    アルミリオ「好きな相手って……勝手なこと言うなよ。

    っていうかカズラは昔っから、

    俺よりディアリオのことが好きなんじゃないのか?」


    イザホ「!!」

  • 57125/03/28(金) 19:12:06

    イザホ「ほ、本当? カズラちゃんって、ディアリオのことを?」ズイッ

    アルミリオ「えっ。そんな真面目な顔で聞かれると……困ったな。
    えっと、なんとなくでそう思っていただけだから」

    イザホ「そう。……良かった……」ボソッ

    アルミリオ「?」

    ディアリオ「カズラが、俺のことが好きだって?
    そっちのほうがあり得ないだろ、だってあいつ、運転上手そうなやつがタイプって言ってたし」

  • 58125/03/28(金) 19:15:09

    アルミリオ「なんだよ、その妙にピンポイントな情報は」ハハ

    ディアリオ「それに、アルミリオはモテそうな顔してるしな!」

    アルミリオ「そうか? 俺よりディアリオのほうが、
    日頃からモテて困ってるって言っていただろ?」

    イザホ(2人とも、同じような顔してると思うけど……)

    見た目と言えば、とディアリオが行き交う人々を見渡す。

  • 59125/03/28(金) 19:18:15

    ディアリオ「やっぱりオーブって、ナチュラルが多いよなぁ」キョロキョロ


    アルミリオ「分かるものなのか? 見ただけで」


    イザホ「まさか。

    私は、見た目だけじゃ人種なんて分からないわよ」

  • 60125/03/28(金) 19:21:35

    ディアリオ「でも俺は分かるの。

    俺、いつか父さんみたいにナチュラルと付き合って結婚したいからさ。

    ナチュラルを見る目には自信あるぜ!」


    ディアリオのその言葉を聞き、

    またイザホの表情がはっきりと曇った。

  • 61125/03/28(金) 19:25:19

    アルミリオ(……? イザホさん、腹でも痛いのか?
    でもコーディネイターって、腹痛になるんだろうか)

    ディアリオ「んだよ、イザホ。さっきからむくれてばっかだな。
    アレか? 女の子の日とかいう……痛っ!?
    ばっ、止めろ思いっきり脇腹を殴るなよ!?」ヒィ

    アルミリオ(いやでも、ディアッカ父さんは母さんの料理を食べたらよく腹を壊すな。
    母さんの料理といえば、うちの父さんもディアリオもあんまり食べたがらないんだよな。
    俺は母さんの料理、普通においしいと思うけど……)ポヤポヤ

  • 62125/03/28(金) 19:28:24

    アルミリオ「わっ」ドサッ

    ディアリオ「おっと」

    考え事をしていたせいか、ふとアルミリオの肩に通行人の女性がぶつかった。
    思わずよろけたアルミリオの背中を、ディアリオが支える。

    アルミリオ「すみません、失礼いたしました」

    女性「いえ、わたくしも不注意でしたから。
    お気になさらず……ところで軍人さん、道をお聞きしても?」

  • 63125/03/28(金) 19:33:10

    女性「オロファト行きの便の乗り場を探しているのですけれど」


    アルミリオ「ああ、一般用の乗り場はそこの道をまっすぐ行ったところですよ」


    女性「ありがとう。ぶつかってごめんなさいね?

    親切な軍人さん」ニコッ

  • 64125/03/28(金) 19:37:12

    女性「またどこかで、お会いできるといいですね」


    アルミリオ「え?」


    女性「では、わたくしはこれで」スタスタ


    イザホ(……?

    あの女性、民間人みたいだけどどうやって軍港に迷い込んだのかしら)

  • 65125/03/28(金) 19:42:20

    数人のボディガードを連れ、道の向こうへと去っていくいかにもお金持ちといった女性を見つめながら、
    ディアリオは頬を赤らめていた。

    ディアリオ「すっげー、さっきの人、かなり美人だったな!
    いい匂いもしたし!」

    イザホ「貴方はまたすぐそういう……ナチュラルだったら誰でもいい訳?」ハァ

  • 66125/03/28(金) 19:47:41

    ディアリオ「……よし、決めた!

    やっぱり俺、この交流出向の間にナチュラルの彼女を作る!」


    アルミリオ「は?」


    イザホ「なっ!?」ギロリ


    ディアリオ「イザホ、そんな顔で睨むなよ……。

    別にあの人と付き合いたいって言ってるんじゃないって。

    ただ、俺は絶対に、あんな美人と結婚して見せるぜ!」

  • 67125/03/28(金) 19:49:47

    ディアリオ「って、痛いって!!

    さっきからイザホはなんで脇腹を殴ってくるんだよ!?」ヒィ


    イザホ(私の気も知らないで……!)ドスドス


    アルミリオ「ははは、ディアリオのナチュラル好きは筋金入りだな。

    ……いつもコンパスに行きたいって言ってるのも、ナチュラルと一緒に働きたかったからだったりして」

  • 68125/03/28(金) 19:52:40

    ディアリオ「いいや!
    コンパスに入りたいのは、もちろん、アルミリオと一緒に居たいからに決まってるだろ?」

    また、ディアリオがアルミリオの肩に腕を回す。

    ディアリオ「ラクス・クラインだって言ってるじゃないか。
    どんな奴にも自分の運命を決める自由がある、って。
    だから俺の夢は、コンパスに入って、ナチュラルの彼女も作って、一生アルミリオや大切な皆と一緒に楽しく生きていく! 
    っつーことにもう決めたんだ!」

  • 69125/03/28(金) 19:58:49

    アルミリオ「ははは、一生一緒に、か」


    ディアリオ「もう、周りの都合で離れ離れにされるなんてゴメンだな。

    アルミリオだって、俺と同じ気持ちだろ?」


    アルミリオ「ああ、うん、えっと……」

  • 70125/03/28(金) 20:02:45

    アルミリオ「あっ、やっと船が来たみたいだ。

    早く乗ろう。

    これを逃したらまた暑い中待たされる」スタスタ


    ディアリオ「おっと、そうだな。って、そんなに急がなくてもいいだろ?

    おーいアルミリオ、待ってくれよー!」スタスタ


    イザホ(ディアリオと恋人になるためのライバルは、何よりもまずアルミリオ君ね)ハァ

  • 71125/03/28(金) 20:07:42

    【一方、別の移動船にて】


    女性「……あれが例の双子。

    暇つぶしのひと稼ぎ程度には、遊べそうですね……」

  • 72125/03/28(金) 20:08:45

    お風呂に入ってくるので小休憩
    9時手前~10時ちょっと前辺りでまた投下できると思います

  • 73二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 20:53:22

    ははーん、さてはアルミリオ君もブラコンだな
    俺にはそれが分かる

  • 74125/03/28(金) 21:02:15

    71の続きから投下していきます
    この後ちょっとだけ双子の仲よしエピを挟んで、ようやく本筋に入れるかな~というところまで進みたいです

  • 75125/03/28(金) 21:03:42

    71の続きです
    --
    【ヤラファス島(オロファト)への移動船の中】

    イザホ「それにしても、2人は本当に仲がいいわね。
    男兄弟にしては珍しいくらいよ」

    アルミリオ「そうかな?」

    イザホ「だって、ディアリオは貴方の前以外ではこんなにはしゃいだりしないわ。
    私は家族とよく喧嘩してしまうから……羨ましい」

  • 76125/03/28(金) 21:05:39

    ディアリオ「そういや俺達、喧嘩なんてしたことないよな?」


    アルミリオ「それは……まあ、そうかな。

    お互いが怒るような喧嘩はしたことがなかったかもしれない」


    アルミリオ「俺が、我慢強い性格だから」

  • 77125/03/28(金) 21:09:44

    ディアリオ「そうかぁ?

    喧嘩じゃないけど、俺はアルミリオが泣いているところ何回も見たことあるぜ」ハハ


    ディアリオ「覚えているか?

    俺達が毎年、誕生日だけは絶対に2人同じ場所で揃って祝うようになったきっかけ」


    アルミリオ「ああ、それは覚えているよ。

    すごく小さい頃に、オーブとプラント、それぞれに別れて誕生日を祝おうとして……」

  • 78125/03/28(金) 21:12:51

    ディアリオ「ビデオ通話は繋いでたんだけどな。

    俺もアルミリオもお互いが隣に居ないってのが嫌で、大泣きして親を困らせちまったんだよなぁ。

    うちの親父もアーノルド父さんも、両耳を塞ぎながら泣き止んでくれ~ってずっと困ってたっけ」


    イザホ「ご両親は大変だったろうけど、今はもう微笑ましい思い出ね」クスクス


    アルミリオ「俺が覚えているうちでは、人生の中で一番最初の記憶かもしれないな……」


    そう話している間に、3人は内閣府やアスハ邸のあるオーブ首都・オロファトに着いた。

  • 79125/03/28(金) 21:17:28

    【オロファト アスハ邸】
    イザホ「私達の次の予定まで、まだ少し時間があるわね」

    アルミリオ「内閣府はすぐそこだし、2人もカズラに挨拶して行かないか?
    カズラもイザホさんとはずいぶん会っていないし、きっと喜ぶと思う」

    昔からアスハ邸で働いている顔見知りの侍女に声をかけて、
    3人はカズラの私室へと向かった。

  • 80125/03/28(金) 21:19:33

    豪奢な装飾の部屋を覗くが、そこにカズラの姿は無い。


    ディアリオ「あれ、いないじゃんか」


    アルミリオ「もうイベントへ向かったのかもな。

    入れ違いになったのか……電話してみるか?」

  • 81125/03/28(金) 21:22:37

    イザホ「待って。
    見て、2人とも。机の上に書置きがあるわ」

    イザホが指さす先には、確かに書置きらしきメモがあった。
    机の上に積み重ねられたノートのページに挟まるようにして、紙の端が見えている
    それを取り出し、3人で覗きこむ。

  • 82125/03/28(金) 21:23:43

    メモの上には、

    『誘拐された
    助けて欲しい
    アルミリオに』

    とだけ書かれていた。
    明らかに、これはカズラの筆跡だった。

  • 83125/03/28(金) 21:25:10

    アルミリオ「ゆっ」


    ディアリオ「誘拐!?」


    イザホ「なっ!? ……いえ、でも」

  • 84125/03/28(金) 21:28:48

    メモを見て一時は驚いた3人だったが、すぐにイザホが冷静になって内容を分析し始める。


    イザホ「本当に誘拐されたのなら、こんな落ち着いた筆跡のメモを置けないんじゃないかしら。

    仮に誘拐間際にメモを残せたとしても、きっと彼女なら『助けて』よりも犯人の特徴を書くわ。

    それに、アスハ邸にいる人達は皆落ち着いているし。

    だからこのメモは小説のアイデアとか、昨日見た夢の内容とか、……自作ポエムとか……なのよきっと」

  • 85125/03/28(金) 21:32:56

    アルミリオ「言われてみれば」

    ディアリオ「確かに」

    なあんだただの恥ずかしい自作ポエムか~、と3人の間に和やかなムードが漂う。

    イザホ「書置きかと思って、見てしまったのは悪かったわね。
    元のところに戻しておきましょう……あら?」

  • 86125/03/28(金) 21:33:37

    イザホ「艦から通信が入ったわ。
    2人とも、少し待っていて」ピピピ

    イザホが部屋の隅に移動し、通信端末での通話を始めてしまったので、
    残された双子2人がいそいそとメモをノートに挟み直す。

    アルミリオ「本当に誘拐されたのかと思って、びっくりしたな……」

  • 87125/03/28(金) 21:35:07

    ディアリオ「気にはなるから、一応後でカズラに連絡入れるか」

    誘拐と言えば……と、ディアリオがアルミリオに笑みを向ける。

    ディアリオ「ずっと昔に一度、カズラが本当に誘拐された事件があったよな?」

    アルミリオ「?」

  • 88125/03/28(金) 21:39:09

    アルミリオ「本当に誘拐された事件? カズラが?」


    ディアリオ「いつの話だったかちゃんとは覚えてないけど、まだ俺らが4、5歳くらいだったと思うぜ。

    丁度その時俺もオーブに来ていて、それで俺達2人で別の島に連れていかれていたカズラを見つけた……って事件。

    アルミリオは忘れたのか?」

  • 89125/03/28(金) 21:43:04

    アルミリオ「ごめん、覚えていない」

    あまりにも即答するものだから、ディアリオは肩をすくめた。

    ディアリオ「多分同じ頃の、
    誕生日に大泣きしたことは覚えていたのに?」

    アルミリオ「それは、その。
    印象の度合いの違いだろう」

  • 90125/03/28(金) 21:46:56

    ディアリオ「ふーん? まっ、そっか。

    俺もアルミリオとの思い出はよく覚えているしな!」ヘヘ


    アルミリオ「うん……特に強い気持ちがあったことは、よく覚えているもんだよ」

  • 91125/03/28(金) 21:48:34

    ああそうだ、今思い出したとディアリオが話を付け加える。

    ディアリオ「確かその時、俺かアルミリオかどっちかが先に1人でカズラを見つけて、
    その後合流してから3人で大人達のところに帰ったんだよ」

    アルミリオ「……?」

    ディアリオ「どっちかがカズラ助けた、ってことまでは何となく覚えているんだけど。
    実際どうだったか細かいところまでは流石の俺でも幼すぎて覚えていないんだよなぁ」ウーン

  • 92125/03/28(金) 21:49:13

    ディアリオ「俺とアルミリオ、どっちがカズラを見つけたんだろうな?
    にしてもそんなに小さな頃から色んな思い出があるって、へへ、やっぱ双子って得だよな」デヘヘ

    アルミリオ「…………」

    アルミリオはニヤついているディアリオを無視して、眉間にしわを寄せながら首を傾げた。
    やがて、一人で何かを納得したかのようにうんうんと頷く。

  • 93125/03/28(金) 21:51:39

    アルミリオ「俺、かな」


    ディアリオ「え? 何が?」


    アルミリオ「だから、小さい頃に誘拐されたカズラを見つけたのが誰か」

  • 94125/03/28(金) 21:52:22

    ディアリオ「なんだ、覚えていないんじゃなかったのかよ?」

    アルミリオ「でっ……でも俺は、昔っからカズラの『さらわれる花嫁ごっこ』に散々付き合わされてきたし」

    ディアリオ「『さらわれる花嫁ごっこ』ってオイ。
    ああ、カガリさんの若い頃の花嫁拉致事件に憧れてたんだっけ、あいつ」

  • 95125/03/28(金) 21:53:37

    アルミリオ「俺は毎度毎度、ごっこ遊びで花嫁をさらう側の役をやらされてきた。
    だから」

    ディアリオ「って、犯人役かよ」

    アルミリオ「小さい頃の俺は、誘拐犯の気持ちが分かったに違いない。
    だから誘拐犯に隠されたカズラの場所も、きっと見つけられたんだ」ハハハ

  • 96125/03/28(金) 21:54:26

    ディアリオ「ふ~ん、俺はどっちかっていうとカズラを見つけたのはアルミリオじゃなくて俺だと思うけどな。
    ほら昔から、アルミリオより俺の方が積極的に動くタイプだし」

    アルミリオ「…………そうだな。
    お前は、そういうタイプだよ」ウンウン

    なんて思い出話を続ける双子の側に、イザホが慌てた様子で戻ってくる。

  • 97125/03/28(金) 21:55:51

    イザホ「ディアリオ、すぐに内閣府官邸前の広場で行われているイベントの会場に向かいましょう」


    ディアリオ「どうしたんだよ、そんなに慌てて。

    緊急事態か?」


    イザホ「ええ。

    イベント会場に、ブルーコスモスの要人と思わしき人物を複数確認したとか」

  • 98125/03/28(金) 21:58:46

    とまあ丁度話の切り替わるところなので本日はここまで
    明日は多分昼過ぎには投下できるはず……

  • 99二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 22:25:35


    じわじわ不穏になってる感

  • 100二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 22:46:50

    お疲れ様です
    図解?も丁寧で助かる…

  • 101二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 07:49:49

    保守

  • 102125/03/29(土) 09:00:54

    コメント&保守ありがとうございます!
    今朝は何故かさっきまで規制されていたので書き込めず、助かりました
    現IPではこのスレしか書き込みしていないので一時的なものだとは思いますが……

    今日は午後から出かけることになってしまっため、朝10時くらいから12時手前くらいまで少し投下して、
    後はまた夜に投下できるかなというところです。

  • 103125/03/29(土) 09:58:31

    ぼちぼち、97の続きから投下していきます
    ようやく本筋に入っていけるかなというところまで進めたいです

  • 104125/03/29(土) 10:00:46

    97の続きです
    --

    慌てているせいか、隠す必要もないからか、
    イザホはアルミリオにも聞こえる声で知らされた内容を話し始めた。

    イザホ「私達含め近くにいる者は予定を変更して、
    オーブ警察と共にイベント会場の警備強化の協力に向かえとの命令よ」

    アルミリオ「内閣府官邸前の広場のイベント?」

  • 105125/03/29(土) 10:03:08

    アルミリオ「それって確か、
    カズラが登壇する予定の……」

    イザホ「ええっ?
    アルミリオ君、それは本当?」

    まさか、とイザホが先ほどの恥ずかしいポエムを手に取り厳しい目を向ける。

  • 106125/03/29(土) 10:05:53

    イザホ「もしかしてブルーコスモスは、彼女を狙って?
    彼女は本当に略取された?
    ううん、今考えても詮無きことね。
    早く彼女の無事を確認しないと」

    ディアリオ「んん?
    ブルーコスモスがカズラを狙ってるかも……って?」キョトン

    アルミリオ「わざわざあの、コーディネイターを憎むブルーコスモスがカズラを狙う理由なんてあるかな?」キョトン

    イザホ「ああもう、お馬鹿者っ! 2人とも、彼女がどんな立場だか忘れたの!?」

  • 107125/03/29(土) 10:08:25

    双子2人は、そろって首を傾げた。

    だが間もなくディアリオがあっと手を打ち、続けてアルミリオもようやく、

    ブルーコスモスがカズラを狙うための理由を思い出す。


    ディ・アル「「……パトリック・ザラの孫!!」」

  • 108125/03/29(土) 10:12:31

    アルミリオ「そう思うと、急にカズラのことが心配になってきたな」

    イザホ「こんな所で話してる場合じゃないわ。
    このメモのことを端末から通信で伝えても、伝言ゲームになってタイムラグが発生するだけね……
    すぐ目の前だもの、急いでイベント会場に向かって、メモについて警備指示を出している人に知らせないと!」

    ディアリオ「あ、ああそうだな。
    たとえ勘違いでも、情報を共有して対策するに越したことはないぜ!」

  • 109125/03/29(土) 10:18:29

    ディアリオ「アルミリオ、お前はまだ正式には入隊していないから、ここで待機しておけよ」

    アルミリオ「けど……すぐそこだし。
    アスハ邸の人に伝えるにしても、俺だけじゃ上手く説明できず余計混乱させそうだ。
    それなら付いて行くよ」

    ディアリオ「しょうがないな、じゃあお前は近くに行くだけだからな。
    危なくなったらすぐに帰れよ」ダッ


    【オロファト イベント会場】
    イザホ「……着いたわ、イベント会場……って、こ、これは」

  • 110125/03/29(土) 10:24:09

    イベント会場のある広場は階段に囲まれ周囲より一段低くなっており、
    イザホは会場へ降りる前に、会場を見下ろせる位置で柵から身を乗り出して辺りを見渡した。

    イザホ「ひ、人が多すぎるわ!」

    キャー キャー
    レミーチャーン
    ハヤクハジマラナイカナー

    イベントブースの真ん中には堂々と大きな文字で『オロファト アイドルフェスティバル』と書かれている。

  • 111125/03/29(土) 10:30:45

    ディアリオ「アイドルフェスティバルぅ? なんだそりゃ!」


    イザホ「カズラちゃんはこのイベントに登壇……アイドルのイベントに登壇?

    何を語るつもりなの?」


    アルミリオ「結構大きいイベントだし内閣府の目の前だし、多分共催者ご挨拶的な感じじゃないかな」

  • 112125/03/29(土) 10:35:12

    ディアリオ「見たところ、まだイベントは始まっちゃいないようだな。
    けど屋外とはいえ収容人数に対し、明らかに過密になってる」

    ワー キャー
    モウマチキレナイワー

    ディアリオ「これじゃやみくもに降りても、群衆に巻き込まれてはぐれちまうだろうな」ウーン

  • 113125/03/29(土) 10:40:37

    イザホ「なるべく早く他の警備係と合流しないと……。
    警備を監督している人がどこにいるか、それと怪しい人物がいないかも、
    こうして見下ろしながら確認しましょう」

    ディアリオ「一応端末に、要注意のブルーコスモスメンバーの情報は送られてきているが……
    ウォーリーを探せより難しすぎるだろ、こんなの」

    アルミリオ「カズラの無事も確認したいが、会場に居る人が多すぎて何がなんだか全く分からないな」ムムム

    イザホ「あっ! あそこに居るの、カズラちゃんじゃないかしら!?」ビシッ

  • 114125/03/29(土) 10:42:21

    ディアリオ「どこだよ? ……あっ、俺も見つけた!」


    アルミリオ「2人ともすごいな、俺は全然見つけられない」


    イザホが指さす先では、確かにイベント用の衣装に身を包んだカズラが会場を歩いていた。

    特に誘拐されているような様子はなく、いたって落ち着いた様子で客席の横を通り抜け、

    舞台袖へと向かっている。

  • 115125/03/29(土) 10:48:26

    アルミリオ「普通に歩いているって?
    良かった、カズラは無事だったんだ」ホッ

    誘拐については勘違いだったのか、と双子はホッと息をついた。

    ディアリオ「あそこに関係者用の通路があるんだな。
    まあ、通路っつってもポールで仕切られてるだけの屋外だけど。
    ……ん? カズラが誰かに声をかけられてるみたいだ」

  • 116125/03/29(土) 10:52:52

    アルミリオ「イベントスタッフじゃないのか?」

    イザホ「カズラさんと話している人、
    どこかで見たことがあるような……ああ、そうだわ。
    少し前に、オノゴロ島でアルミリオ君とぶつかった、あの人よ」

  • 117125/03/29(土) 10:57:21

    ディアリオ「ああ、そうだ。
    あの人も、このイベントに来ていたんだな」

    女性は、どうやらタブレットPCの画面をカズラに見せているようだ。
    やがてカズラが慌てたように女性の手を掴み、2人揃って舞台袖へと走っていく。

    ディアリオ「何かあったのかな?
    カズラが、あの女の人を引っ張って行っちまった」

  • 118125/03/29(土) 11:05:06

    ディアリオ「こっからじゃ分からないな。

    そうだ、舞台袖に行けばイベント関係者に、警備について話を聞けるんじゃないか」


    イザホ「そうね。

    もしかしたらそこに、他にもザフトがいるかもしれないし。

    カズラちゃんの安全を確認するためにも、舞台袖に降りてみましょう……アルミリオ君はどうする?」


    アルミリオ「……俺もついて行ったら、邪魔になるかな。

    さっきから俺、居るだけで何も見つけられなかったし」

  • 119125/03/29(土) 11:10:07

    ディアリオ「んー、こんな人の多いところにアルミリオを置いていく方が心配だな」

    ディアリオが、アルミリオの腕をつかむ。

    ディアリオ「それにお前が側に居た方が、カズラも安心するだろ。
    別に軍施設の中に行くわけじゃあるまいし、
    舞台袖までは一緒に行こう」

  • 120125/03/29(土) 11:11:55

    ディアリオ「それで会場の安全が確認できるまでは、お前とカズラは一緒に避難したらいいさ」

    アルミリオ「そうだな、そうするよ」ニコッ

    イザホ「それにしても、関係者通路と客席の距離が近いわ。
    うっかり人込みに巻き込まれないよう、2人とも注意するのよ」ダッ

  • 121125/03/29(土) 11:16:26

    【イベント会場 舞台袖】

    イベントの開始直前ということもあり、舞台袖にも大勢のスタッフがせわしなく動き回っている。
    3人は軍服を着ていたため、すぐに舞台の近くまで進むことができた。

    イザホ「ああ、ザフトがいるわ。
    ディアリオ、私達は他のザフトと合流しないと」

  • 122125/03/29(土) 11:20:51

    ディアリオ「そうだな。
    アルミリオ、話を聞いてすぐ戻ってくるからそこで待っていてくれ」

    アルミリオ「なら俺はその間に、カズラを見つけたいな……。
    さっきはまったく見つけられなかったし」キョロキョロ

    ディアリオとイザホが警備関係者と話すために離れていったので、
    残されたアルミリオは辺りにカズラがいないか辺りを見渡した。

  • 123125/03/29(土) 11:26:05

    アルミリオ「ここも人が多くて、一人探すのも難しいな」キョロキョロ

    ふと、誰かの手がアルミリオの肩を叩いた。

    アルミリオ「うん?」

    青年「あのー、もしかしてアナタ……」

  • 124125/03/29(土) 11:27:21

    振り向くと、そこにはザフトレッドに似た赤い舞台衣装を身にまとった、細身の青年が立っていた。


    青年「アナタもこのイベントに、出るの?」


    アルミリオ「へ? い、いや私はイベントの関係者ではありませんが」


    青年「あらそうなの? ざ~んねん」

  • 125125/03/29(土) 11:34:50

    青年「アナタのこと、有名人だと思ったのに」フフッ

    アルミリオ「えっ……」

    そう言いながら、青年がアルミリオの口元を細い指先で軽くつつく。

    青年「あはっ、目を丸くしちゃって面白い顔!
    やっぱり双子のカレと、よく似た顔してるのね~。
    でもアナタのほうが、かなり童顔?」ジロジロ

  • 126125/03/29(土) 11:41:10

    アルミリオ「あ、あの、ゆっ、有名人? 私が、ですか?」


    青年「そう。だってアナタ、こんな動画に出てるじゃない」サッ


    アルミリオ「……動画?」


    青年が、動画の再生画面を映したタブレットをアルミリオに手渡す。

  • 127125/03/29(土) 11:45:08

    青年「あっ、いっけな~い! もうイベント開始の時間だわ!

    アタシ、レミー。

    このイベントのオープニングで歌わせてもらうのっ。

    良かったらアタシの歌、聞いてね。

    見終わったらタブレットはその辺に置いてていいから!」ダッ

  • 128125/03/29(土) 11:48:18

    レミーと名乗った青年が、舞台へと駆けていく。


    アルミリオ「動画ってなんだろう……?

    俺が動画に出てる、ってあの人は言っていたけど」キョトン


    間もなくイベントが開始するというアナウンスが、会場に響き渡る。

  • 129125/03/29(土) 11:54:25

    アルミリオ「こんなにスピーカーの近くじゃ、動画を視聴できないな」

    アルミリオは自然と、タブレットを持ったまま舞台袖から出て、
    客席側へと足を運んだ。

    ディアリオ「ん?
    アルミリオのやつ、どこに行くんだ」

  • 130125/03/29(土) 11:57:44

    ディアリオ「アルミリオ? どうかしたのか?」

    慌てて、話を終えたディアリオとイザホがアルミリオを追いかけた。

    ディアリオがアルミリオの背中を叩く。
    だが、タブレットを持ったアルミリオからは反応が無い。

    ディアリオ「……アルミリオ?」

  • 131125/03/29(土) 12:02:50

    アルミリオは、タブレットに再生された動画を見て呆然としていた。

    背中越しに、ディアリオとイザホもタブレットの画面を覗く。


    ディアリオ「なっ……!?」


    イザホ「な、なんなのこれは!?」



    そこには、確かにアルミリオの登場する動画が再生されていた。

    有名な動画視聴サイトに投稿されたもののようだ。

  • 132125/03/29(土) 12:03:59

    だがそれは明らかに低品質の、静止画像と文字テロップを組み合わせた、
    いかにもうさんくさい動画だった。

    問題は、タイトルが
    『【本人写真アリ】ヤバ過ぎてプラントが隠す秘密研究!?胎児の状態でコーディネイターの遺伝子を埋め込まれたナチュラル少年』
    であったことと、
    隠し撮りのようなアルミリオの写真が何枚も映されていたことだ。

  • 133125/03/29(土) 12:04:50

    アルミリオ「……!」


    ディアリオ「おい、アルミリオ!

    この動画は何だよ、一体誰がこれを作ったんだよ!?」


    アルミリオの写真の下に、文字テロップが次々と表示されていく。

  • 134125/03/29(土) 12:06:39

    『胎児へコーディネイターの遺伝子を移植するための、プラントの秘密実験の被検体となった少年』

    『同じ胎内に存在するコーディネイターの遺伝子が、ナチュラルの胎児に影響している!?』

    『ナチュラルの母体を利用した、生命倫理に反する実験』

    『プラントは実験を隠ぺいするために、少年のデータを純粋なナチュラルと改ざんか』


    ディアリオ「って、全部デタラメじゃねえか!

    プラントの実験になんか参加してねえし、俺の遺伝子はまったくアルミリオに影響してねえっつーの!!」プンプン

  • 135125/03/29(土) 12:09:11

    この辺、『遺伝子ってそういうもんじゃなくね?』とお思いの方もいるでしょうが、
    あくまで種世界の遺伝子の話であって現実世界の法則とは違うということでご勘弁を……
    --

    そして、動画の最後には見覚えのある組織名が表示される。

    アルミリオ「ブルー、コスモス……!」

    イザホ「そんな、それじゃこの動画は!」

    その時、急に軽快な音楽が舞台から大音量で流れ始めた。
    イザホとディアリオは思わず自身の耳を手で塞ぐ。

  • 136125/03/29(土) 12:11:34

    EMOTION

    ディアリオ「しまった、イベントが始まっ……!」


    だが、アルミリオはショックのあまりタブレットを凝視したまま固まっている。


    レミー「オーブ国民のみなさ~ん!

    今日はオロファトアイドルフェスに集まってくれて、ありがとー!!」

  • 137125/03/29(土) 12:13:32

    曲のイントロと共に舞台上のレミーが踊り始め、観客席から大歓声が沸く。

    レミー「オープニングを飾るのは、寡作の歌姫ミーア・キャンベルの名曲『EMOTION』!
    アタシも頑張ってカバーするから前列のみなさんもぜひ立ち上がって、盛り上がってねー!」

    ウォー
    レミーチャーン ステキー

    ディアリオ「うわっ、立ち見客以外も皆立ち上がって……!」

  • 138125/03/29(土) 12:17:03

    元々、用意されていた席の周りに立ち見客が多くいるイベントだった上、
    座っていた客も立ち上がり、さらには曲を聞いた飛び入り参加客までもが増えた。
    関係者通路と客席側を仕切っていたベルトパーテーションが倒れる。
    その結果、観客達がディ達の周りにまでなだれ込んでしまった。

    イザホ「しまった、群衆に巻き込まれてしまう!」

    ディアリオ「アルミリオ! はぐれる、こっちに来い!」

    --
    ※分かりにくいイメージですみません。とにかく人いっぱいってことです。

  • 139125/03/29(土) 12:20:30

    次々と観客が立ちふさがり、3人の距離が徐々に引き離されていく。
    ディアリオとイザホは腕をつかみ何とか合流できたが、アルミリオはとっさに動けず出遅れてしまった。

    ディアリオ「ほら、アルミリオも俺の手を掴め!」

    観客の背中越しに、ディアリオがアルミリオに向かって手を伸ばす。
    ディアリオの言葉でハッと我に返ったアルミリオは、青ざめたまま辺りを見渡した。

  • 140125/03/29(土) 12:23:35

    さっきの動画は何だったんだ。


    いつ公開されたんだ、ここにいる観客にも見た人はいるのか?


    もしかして、この群衆の中にも自分を見ている目が、いくつも。

    アルミリオの頭の中に、ぐるぐると嫌な考えが回る。

  • 141125/03/29(土) 12:25:08

    ディアリオ「くそっ、すっかり怯えちまってる!」

    一応軍隊の入隊試験に合格しただけのポテンシャルがあるためか、
    アルミリオは大きく取り乱しはしなかった。
    しかし16歳の心では周り全てが敵のように感じ、足がすくんで動けない。

    アルミリオ(一体どうすれば、誰に助けを求めればいい?
    もし、俺の後ろに居る人でさえこの動画を見ていたら……)

  • 142125/03/29(土) 12:28:17

    ディアリオ「大丈夫だ、アルミリオ!

    俺はすぐ側にいる、俺の手を取れ!」


    ディアリオは手を差し出したまま、アルミリオに向かって大きく叫んだ。

    一瞬表情を和らげ、アルミリオはその手を取ろうとしたが……。

  • 143125/03/29(土) 12:30:58

    女性「本当に、いいんですか?」



    アルミリオの両肩に、後ろから誰かが手を置いた。

    驚いて、アルミリオはディアリオの手を取ることなく振り向く。


    そこにいたのは、先ほどオノゴロ島で会った女性だった。

  • 144125/03/29(土) 12:32:37

    とまあようやく本筋に入れそうなところで、一旦ここまで
    今日はまた夜の21時頃には少しだけ投下できそうです。
    先に言っておくと、この後喧嘩シーンあります!
    でもわりとすぐ後にフォロー入ります。

  • 145二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 18:08:11

    このためだけにCG作ったのか…?(困惑)

  • 146二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 19:17:40

    シリアスな話に挟まるシュールCGくん好き

  • 147125/03/29(土) 20:37:34

    CGはblenderのチュートリアルを見ながらチョコチョコと作ってみました
    分かりにくい説明で申し訳ない……

    ちょっと時間が無くて少ししか投下できないかもしれませんが、
    進めていきます。
    この後喧嘩シーン入りま……そこまではギリ進まないかも。
    喧嘩するかしないかくらいのところまでになりそうです。

  • 148125/03/29(土) 20:38:20

    143の続きです。
    --

    アルミリオ「貴方は……!」

    女性「彼の手を取れば、貴方が変われるチャンスが無くなりますよ」

    興奮した群衆に囲まれているというのに、
    女性は優雅な面持ちで、いたって冷静にアルミリオへと笑いかけている。

  • 149125/03/29(土) 20:41:44

    アルミリオにはアイドルの曲が半分、

    耳元のすぐ近くにある女性の声が半分ずつ聞こえていた。


    女性「わたくしのもとへ来れば、貴方は特別な存在になれるというのに」


    アルミリオ「いったい、何を言って……?」

  • 150125/03/29(土) 20:46:03

    女性「ほら、見てごらんなさい」

    女性は両手でアルミリオの顎を掴み、無理やり顔をディアリオのほうへと向けさせる。

    女性「あんなに必死に貴方へ手を伸ばして……
    彼はよっぽど貴方のことが必要なんですね。
    でも、それは本当に兄弟愛によるものでしょうか?」

  • 151125/03/29(土) 20:49:16

    女性「自分より劣っている相手を側に置くことで満足する人、
    っていますよね」

    アルミリオ「え?」

    女性「こう考えたことはありません?
    『ナチュラルだから』
    ただそれだけで、双子の片割れより低く見られている」

  • 152125/03/29(土) 20:52:33

    女性「いやむしろ、その双子の片割れこそが、
    あらゆる場面で貴方を当て馬とするために、不当に劣等種扱いしてくると」

    アルミリオ「…………」

    女性「しかし本当は貴方にも、
    コーディネイターの遺伝子が入っているとしたら?」

  • 153125/03/29(土) 20:54:51

    その時、群衆をかき分けてようやくディアリオとイザホがアルミリオ達の前へとたどり着いた。

    ディアリオがひどく慌てた様子で、アルミリオの後ろにいる女性を指さす。


    ディアリオ「てめえ、アルミリオから離れろ!

    さっき警備係からてめえの正体は聞いてるんだぜ、

    ブルーコスモスの関連グループ【ダイス】の社長、アズリナ・アズラエルさんよ!」


    dice4d4=1 2 1 2 (6)

    ダイス1個目(1.ブルー 2.青き 3.ファン 4.ロ)

    ダイス2個目(1.コス 2.清浄なる 3.トム 4.ゴ)

    ダイス3個目(1.モ 2.世界の 3.ペ 4.ス)

    ダイス4個目(1.ス 2.ために 3.イン 4.グローバル)

  • 154125/03/29(土) 20:57:53

    アルミリオ「ブルー清浄なるモために……!?」


    ディアリオ「なんだよそのふざけた社名はよぉ!」


    イザホ「厳密に言えば、あのロゴスの後継団体や、資本等を受け継いだ企業グループを統べる経営者だそうね。

    取りも直さず、ブルー清浄なるモためには危険組織ブルーコスモスと繋がっている『疑惑』があるとも」

  • 155125/03/29(土) 20:59:39

    ちょっと短いですけど一旦ここまで、
    23時くらいに投下できるかできないかは分かりませんが、規制されていなければまた書き込んどきます
    ブルー清浄なるモために……一体何者なんだ……

  • 156二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:49:51

    そんな文字化けみたいな…!

  • 157二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:54:44

    めちゃ惜しい感じw
    グループ名をブルコスっぽくしたいけどまんま過ぎたら叱られるだろうしどうしようかなって熟考した結果謎のモが入ったんだろうか

  • 158二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 23:01:07

    アズラエル娘は英語喋ってるイメージなので、
    めっちゃネイティブ発音でブルー清浄なるモためにって言ってそうですね
    ちなみに本筋とは関係ないですがアルミリオ(ノイミリ)はザフトsと喋っている時は英語、独り言の時は日本語のイメージです
    後ほんのちょっとだけ投下していきます

  • 159125/03/29(土) 23:02:22

    名前に1って入れ忘れちゃった
    154の続きです
    --

    イザホ「……その疑惑は、ほとんど確信レベルに近いらしいけど」

    アズリナ「おやおや、もうバレてしまいましたか。
    まあいいでしょう、想定範囲内です」

    イザホ(だから私とディアリオは任務として、ブルー清浄なるモためにの経営者が何故ここに居て、
    カズラちゃんやアルミリオ君へ何を話していたのか聞き出さなくてはならない)

  • 160125/03/29(土) 23:03:48

    イザホ(だけどブルー清浄なるモためにとブルーコスモスの繋がりはあくまで疑惑。

    アズリナ・アズラエルは犯罪者ではない。

    強引な手は取れないわ、まずは職務質問ね)


    イザホ「不審事由があるため、貴方にはいくつか質問をs」

    ディアリオ「さっきの動画もお前達が作ったのか!?

    イベントを邪魔した上にアルミリオにちょっかい出しやがって、その手を離せ!」

  • 161125/03/29(土) 23:05:20

    ほんとにブルー清浄なるモためにって書けば書くほど文字化け感があるw

    --


    イザホ「ちょっとディアリオ、私の言葉を遮らないでよ!」プンプン


    アズリナ「おお怖い、あんなに顔を真っ赤にして。

    嫌ですねぇ短気はビジネスの場では厳禁ですよ」

  • 162125/03/29(土) 23:06:21

    アルミリオ「び、ビジネス?」

    アズリナ「そう。
    単刀直入に言えば、わたくしは貴方をスカウトしに来たんですよ。
    ブルー清浄なるモためにのビジネスの協力者になっていただこうかと」

    貴方は価値があるんですよ、
    とアズリナがアルミリオの耳元で囁く。

  • 163125/03/29(土) 23:08:10

    アズリナ「想像してごらんなさい。

    先ほどご覧になった動画の内容を、今度は貴方の口から発信すれば……さあ、どんな風に世界は変わるでしょうね?

    まあ、順当に考えれば悲劇の少年に同情が集まり世界中で反プラント感情、反コーディネイター感情が高まるでしょう」

  • 164125/03/29(土) 23:11:01

    アズリナ「わたくしの持つ企業は、そういった過程で動くマネーを扱っているのです。

    どうです? 先ほど見た動画の続きを、今度は貴方の出演で撮ってみませんか?

    一生遊んで暮らせるだけの報酬を差し上げますよ」


    イザホ(何を言っているのかしら?

    アルミリオ君を連れていくつもり?)

    「その話、聞き逃せないわね。場所を変えて私にも詳しk」

    ディアリオ「やるわきゃねえだろこの馬鹿!

    つかアルミリオはナチュラルなんだから、あの動画の内容は全部デタラメなんだよ!」キーッ

  • 165125/03/29(土) 23:12:59

    イザホ「もう、お馬鹿者っ! また私の話を遮って!」プンプン


    アルミリオ「そ、そうだ。

    俺はハーフコーディネイターじゃないのに……」


    アズリナ「真実なんて、ビジネスの場ではどうでもいいんです」

  • 166125/03/29(土) 23:14:21

    アズリナ「重要なのは、人が何を信じたいかですから」

    アルミリオ「何を、信じたいか?」

    アズリナ「貴方の口から主張すれば。
    貴方にはコーディネイターの遺伝子が入っている『ということにすれば』。
    必ず『本当かもしれない』と思う人が現れます」

  • 167125/03/29(土) 23:15:30

    アズリナ「そして疑問、議論、論争が起こります。
    そうなった頃合いにはもはや、捏造だって可能な遺伝子情報や身体能力データなど無意味じゃありませんか」

    アルミリオ「それは……そうかもしれないが……」

    アルミリオの表情から、だんだん戸惑いの色が消えていく。

  • 168125/03/29(土) 23:19:45

    とまあ口八丁なアラサーお姉様が未成年をかどわかそうとしているところで本日はここまで
    明日は午前中に投下できるだろうか 10時頃には投下したいです

    ※補足
    160でディアリオ(ディアミリ)が「イベントを邪魔した上に」って言ってますが、
    よく考えたら別にこの時点ではイベントは止まってないのでアズリナがイベントを邪魔してるわけじゃなかったです
    ディアリオ目線では、ブルーコスモス関係者が居て警備上迷惑なのでこういう発言をしたって感じですね

  • 169二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 08:16:05

    このレスは削除されています

  • 170二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 08:27:36

    >口八丁なアラサーお姉様が未成年をかどわかそうとしているところ

    字面悪すぎて草

  • 171二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 10:11:44

    ブラコン双子好き概念過ぎて書いてしまった

  • 172125/03/30(日) 10:19:32

    >>171

    やったーイラストだ!!ありがとうございます!!!!みんな見て!!

    身長差イメージ丁度これくらいです!!!!


    ちょっと10時過ぎたけどまた投下していこうと思います

    この後喧嘩シーン入るけど仲良しエピの布石なのでご安心ください!!

  • 173二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 10:21:24

    そうか双子でも人種が違うから身長差あるよな

  • 174125/03/30(日) 10:23:58

    167の続きです
    --

    落ち着いて考えれば穴のある話を、不思議とアルミリオは信じ始めているようだ。
    それが目の前のディアリオにも分かった。

    ディアリオ「んなビジネスあるもんか、アルミリオを利用する気かよ!
    くそっ、こうなりゃ人混みを押してでも無理やり引き剥がして……!」

    イザホ「駄目よディアリオ、彼女はアルミリオ君に対して暴力的な行為は何もしていない。
    だから私達も彼女に手を出すことはできない。
    それにいくら要注意人物とはいえ、彼女には犯罪歴も無いのよ」

  • 175125/03/30(日) 10:28:37

    ディアリオ(ディアミリ)はすでにハーフコーディネイターとはいえ父親からの遺伝ですでに長身で、

    アルミリオ(ノイミリ)はまだまだ伸び盛りなイメージです

    --


    アズリナ「わたくしはブルーコスモス盟主であった父とは違い、生粋の経営者ですよ。

    ゆえにハーフコーディネイターでも、コーディネイターでさえもビジネスに利用します」


    アズリナ「ねえ、アルミリオさん。

    今まで辛かったでしょう?

    本当は貴方にも能力があるのに、コーディネイターの遺伝子を持つ家族に蔑まれ続けて」

  • 176125/03/30(日) 10:36:40

    アズリナ「ほら、今も離れろ離れろって繰り返しているあの男は、
    決して貴方から離れようとしないんですよ?
    だってそうですよね、自分を良く見せるための当て馬が居なくなったら困るんですから」

    アルミリオ「…………」

    アズリナ「言ってやりなさい、自分はもう貴方から離れると。
    そしてわたくしと共に世界を動かそうじゃありませんか」

  • 177125/03/30(日) 10:38:39

    アズリナ「いやぁ何だかワクワクしますね、
    人口問題で頭を抱えているプラントの要人達が、慌てふためく姿を想像すると」

    イザホ(まずいわ。
    アルミリオ君、まさか了承しないわよね。
    貴方に了承されたら、私達は手を出せない)

    ディアリオ「まてよ、この女に手を出せないっつーことなら……!」

  • 178125/03/30(日) 10:43:09

    ディアリオ「おらァ!」バチーン

    アルミリオ「!?」
    アズリナ「!?」

    ディアリオの手が思いっきりアルミリオの頬をひっぱたく。
    これにはさしものアズリナも目を見開き、反射的にアルミリオから手を離した。

  • 179125/03/30(日) 10:47:14

    ディアリオ「何にもしてねえ民間人に手は出せなくとも、家族をぶん殴るのは無罪だぜーっ!」

    ※有罪です


    イザホ「こ、このお馬鹿者ーっ!」プンプン


    その隙に、さっとディアリオがアルミリオの手を掴み引っ張る。

  • 180125/03/30(日) 10:51:24


    ディアリオ「ちぃっ、ようやく曲が終わったってのにアイドルのMCが始まっただと!?

    全然客が落ち着かねえし、これじゃ移動もできねえ!」


    イザホ「本来の予定ではこの後カズラちゃんのスピーチだったから、

    あと数分もすれば落ち着くと思うけど……」

  • 181125/03/30(日) 10:54:39

    ディアリオ「ああそうか、でもカズラは」


    アルミリオ「……!

    そうだ、カズラ……!」ハッ

  • 182125/03/30(日) 11:06:13

    その時、えっ、とディアリオが驚いて自分の手を見た。
    繋いでいたはずのアルミリオの手が振りほどかれたからだ。

    ディアリオ「おいアルミリオ、何を」

    ディアリオが顔を覗き込むと、アルミリオはパチパチと目を閉じていた。
    ウィンクのつもりらしい。

    ディアリオ(……?
    なんだ、急にアイドルに憧れでも抱いたのか?)

  • 183125/03/30(日) 11:07:52

    ディアリオ(ウィンク下手だな、お前!
    ウィンクはこうやるんだぜ!)バチーン

    アルミリオ「…………」ハァ

    ディアリオにウィンクを返され、
    意図が伝わらないと察したアルミリオは小さく息を吐いた後、
    眉間にしわを寄せサッと目を逸らした。

  • 184125/03/30(日) 11:08:48

    アルミリオ「……俺は、この人について行く」


    アズリナ「おや」


    そう言いながら、アルミリオがアズリナの側へと一歩下がる。

  • 185125/03/30(日) 11:11:20

    ディアリオ「え!?」

    アルミリオ「えっ」

    ただ一言だけで、ディアリオがあまりにも悲痛な顔を浮かべたものだからアルミリオも思わずうろたえた。
    だがすぐ再び眉をひそめて、今度ははっきりと宣言する。

    アルミリオ「俺は、1人でこの人のビジネスを手伝いに行く。
    この人の邪魔はさせない。だからここでお別れだ」

  • 186125/03/30(日) 11:13:19

    イザホ「アルミリオ君……?」


    ディアリオ「なっ、何をふざけてるんだよ。

    お前自分の言ってること、分かってんのか?

    あんなデタラメ動画に、わざわざ自分から利用されに行く理由なんてないだろ」


    イザホ「待って、アルミリオ君。

    私達はただその女性から話を聞きたいだけなの、だからアルミリオ君こそ邪魔をしないで」

  • 187125/03/30(日) 11:16:09

    ディアリオ「そ、そうだ。

    アルミリオ、ブルーコスモスは俺達の目指すコンパスの敵なんだ。

    だから、そんな奴について行くことなんか……!」


    アズリナ「わたくしはブルーコスモスではなくブルー清浄なるモためになんですけどねぇ」


    イザホ(……何かがおかしいわ。

    いくらなんでも唐突過ぎる、あんな動画を見た後だというのに何故彼女について行くと?

    どうせ職務質問は断られるし、アルミリオ君の意思でついて行かれたらこっちは止められないし)ウーン

  • 188125/03/30(日) 11:20:15

    アルミリオ「な……なにが、俺達の目指すコンパスだ」


    アルミリオは両手をぎゅっと握りしめながら、自分より背の高いディアリオを睨んだ。


    アルミリオ「俺が、どんな気持ちでこの制服を着たかも知らないで」

  • 189125/03/30(日) 11:23:02

    ディアリオ「あぁ?」


    アルミリオ「俺は、……俺はオーブを守りたくてこの国の軍に入ったんだ。

    なのにお前はいつも、勝手に俺の行動を決めつけて!」


    そんな、とディアリオの表情が固まる。

  • 190125/03/30(日) 11:24:29

    もーちょっとでキリがいいから、その後2スレ目建てます

    --

    アルミリオ「お前は、自分を良く見せるための引き立て役が必要だから俺を側に置きたかったんだろ。

    そんな理由で俺の行動をあれこれ決めつけられたくはないんだ。

    俺は、お前を見返すためにこの人について行く。

    お前のことが嫌いだから、この人の言う通りにしてお前より大きな存在になる!」


    ディアリオ「!!!!」ガーン

  • 191125/03/30(日) 11:27:04

    ディアリオ「ち、違う。
    俺はただ、いや、そんな、俺は……」アワワ

    『嫌い』に余程ショックを受けたのか、ディアリオは急にふにゃふにゃとしか喋れなくなった。
    力の抜けた震える足で、よろよろとアルミリオに近づく。

    だが、アルミリオはアズリナと共に背中を向けてしまう。

    アズリナ「さあ、そろそろ行きましょうか」

  • 192125/03/30(日) 11:33:14

    アズリナ「ああそうそう、どうしてもわたくしへ職務質問なさりたいのなら大使館までどうぞ。
    ザフトが大西洋連邦大使館に入れるかは分かりませんがねぇ」フフ

    アルミリオの背に手を添えたアズリナが、群衆の向こうへ消えようとしている。

    ディアリオ「ま、待ってくれ!」

    ※実を言うとアズラエル家がどこ出身か調べてもよく分からなかったので、とりあえずこのスレでは大西洋連邦人ということにしています

  • 193125/03/30(日) 11:35:05

    ディアリオ「アルミリオをどこかに連れていくというのなら、せめて俺も連れてけ!」


    イザホ「は、はぁ? ディアリオ、何を言って」


    だが、アズリナは背を向けたまま首を横に振る。


    アズリナ「駄目ですよ。貴方はリストにはありませんし、使えませんので」

  • 194125/03/30(日) 11:38:47

    ディアリオ「な……なんだぁ?
    リストだぁ……いったいなんのリストだよてめ―――っ!!」

    さらに追いかけようとしたディアリオへとどめを刺すように、
    顔だけ振り返ったアルミリオが言葉を重ねる。

    アルミリオ「ディアリオ」

    ディアリオ「な、なあアルミリオ。
    いい加減にしろよ、訳の分からないことを言ってないでこっちに」

  • 195125/03/30(日) 11:41:14

    アルミリオ「今日話した、すごく小さい頃の……俺達が大泣きした誕生日、あっただろ」

    ディアリオ「え? あ、ああ」

    アルミリオ「あの時、お前は俺と離れ離れで悲しいから泣いたんだろうけど」

    はぁ、とアルミリオはため息をついた。

    アルミリオ「俺は、母さんがお前のほうに居るのが悲しくて、泣いたんだ」

  • 196125/03/30(日) 11:43:43

    ディアリオ「…………!!」



    その言葉を受け、ディアリオはその場に立ちすくんでしまった。

    イザホもアズリナ達を追いかけることなく、去っていく背中を見つめるだけだ。


    やがて観客達も落ち着いた頃には、会場からアルミリオとアズリナの姿はなくなっていた。

  • 197125/03/30(日) 11:46:37

    ディアリオ「いくら、誰にでも自分の運命を決める自由があるっつったって」

    急いで周囲を捜索したり、監視カメラの映像を確認してみたが、
    依然としてアルミリオ達の行方は分からなくなってしまった。
    例の動画も、イザホが手元の端末から検索しても見つからない。

  • 198125/03/30(日) 11:48:18

    ディアリオ「家族がブルーコスモスについて行っちまった時は、どうしたらいいんだよーっ!」

    イザホ「だから、ブルー清浄なるモためにはブルーコスモスと繋がっている疑いが濃厚なだけで……」ハァ



    2人は再び広場の近くに戻り、これからどうするかを話し合うことにした。

  • 199125/03/30(日) 11:48:51

    とまあようやく本筋に入れたところで一旦ここまで、次スレの準備をしてきます

  • 200125/03/30(日) 11:49:46

オススメ

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