燐羽「遅かったじゃない、」

  • 1二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:00:53
  • 2二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:02:16

    うれしい☺️

  • 3二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:02:24

    うおおおおおおおお

  • 4二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:04:48

    燐羽と恋愛小説

    待ち合わせから30分遅刻。
    彼は額に汗をかいて現れた。
    燐羽「遅かったじゃない、全く。
    久しぶりに二人で会える日だっていうのに、
    私を待たせるなんて、良い度胸ね。」
    P「す、すみません、」

    燐羽「まぁ、過ぎた事はいいわ。
    ほら、手を出して。私の手を繋ぎなさい」

    久しぶりにゆっくり二人で過ごす時間が出来た。
    彼のプロデュースによって、
    私の知名度は全国的になり、
    主要都市でのツアーもさせて貰える様になった。
    それと、
    私とPとの仲は既にファンも公認の間柄となっていて、公式まで二人揃っての推しとして売り出している始末だった。

  • 5二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:07:32

    彼との待ち合わせ時間まで、
    私は駅前のカフェで時間を過ごしていた。

    この春に学園を卒業した私は、
    彼と付き合い始めてもう二年が経つ。
    私達が煮え切らない、
    "恋愛ごっこ"をしていたあの頃からよ。
    でも、不思議な物で、付き合ってからも二人の距離は余り変わりは無い。

    夢みがちな乙女の描く、
    物語の様に付き合ってから
    ずっと甘い生活のまま幸せにゴールインへ。
    とはならなそうだった。
    燐羽「まぁ、そんな上手くは行かないわよね、」嘆息をつく。
    私は片手でコーヒーを啜り、
    一方の手で小説を眺める。

    年頃の男女が好む甘くて苦い恋愛小説。
    ここに出てくる男も誰かみたく、
    ハッキリしない奴でイライラした

    燐羽「久しぶりのデートだっていうのに、
    一帯どういうつもりなのかしら、」

    理由は知っている、手毬も忙しくなっているから。Pは私だけでなく、手毬のプロデューサーでもある。二人をトップアイドルへ導いているからだ。

  • 6二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:11:11

    良い加減集中出来なくなり、スマートフォンを取り出して彼からの連絡を待つ、苛立ちで裏面を人差し指でコツコツと軽く叩く。

    ようやく彼からの着信が鳴った。
    私は直ぐに応える。

    燐羽「もう約束の時間は過ぎているんだけど、ねぇ、聞かせて?
    私は後、どれくらい待てばいいかしら?」

    P「すみません、燐羽、今さっき用が済み、今向かっています、、
    あと、10分ほどでつきますので、
    もう少しだけお待ち下さい!」

    電話越しの彼は息が切れてる。
    かなり急いでいる様子だった。
    もっと嫌味を言ってやりたかったけど、
    その気は失せてしまった。

    燐羽「そう。わかったわ。駅前のカフェでお茶しているから落ち着いて。
    慌てないでいいから、ゆっくり来なさい。気をつけてね。」

  • 7二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:13:19

    >>2

    >>3

    反応ありがとうございます、、

  • 8二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:17:30

    燐羽成分たすかる

  • 9二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:24:28

    彼は今や敏腕プロデューサーとして、
    世間的に有名になっている。
    私にとって誇らしい反面、彼はこのまま、
    私の手の届かない所まで行ってしまうのではないか、と言う不安も、内心ある。

    彼は現れた、30分遅れて。
    見るからに汗が流れている。
    不快感はまるでなく、
    スポーツで汗を流す少年のように様に、
    さらさらしていて寧ろ清らかだった。
    (触ったらすべすべで気持ちよさそうね、)

    私達は天川駅前で合流すると、
    これから電車に乗り街まで買い物に行く。
    私の新生活にまだ足りてない簡単な物を揃える為に、
    燐羽「遅かったじゃない、全く。
    久しぶりに二人で会える日だっていうのに、
    私を待たせるなんて、良い度胸ね。まぁ、過ぎた事はいいわ。ほら、手を出して。私の手を繋ぎなさい」
    P「しかし、今は汗だくなので、
    余り近くによっては…」

    燐羽「そうね、その汗だと、風邪をひいてしまうわ。あなた私の足引っ張る気かしら?
    近くに来なさい、汗を拭ってあげる。」
    私はハンカチで彼の汗を拭ってあげた。
    改めて近くで彼を見ると、見惚れてしまう。
    私はこの人のことが好き。

    彼は申し訳なさそうにしていけど、
    私は興味無さげに話を進める
    燐羽「さぁ、手を出して。早く、行きましょう」

  • 10二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:27:13

    車内には空調が効いて寒く感じた。
    もう、"そう言う季節"になっていた。
    燐羽「少し前はまだ寒かったのにね、」

    空いてる席があったので、隣に並んで座る。
    見られて困る事なんかないと言わないばかりに、堂々と手を繋ぎ、彼の肩に寄りかかる。
    燐羽「久しぶりに落ち着くわね、あなたの隣。」
    私は顔が綻ぶのを誤魔化したくて、
    少し目を閉じると、いつのまにか眠むっていた。

    街に近くなり賑やかになってきた。
    車内が混み合う前に
    その前に、乗り入口付近に移動しておく。

    目的地に着くとすぐに沢山の人達で混雑した。彼は私が逸れない様に、そっと腰に手を回して身体を寄せて、ぶつからない様に人の波に乗る。

    地上に出る
    P「何が必要なんですか?」
    燐羽「生活に必要なものは足りてるわ、
    衣装棚とか調理器具とか、服とか、そんな物よ」
    引越ししたから必要な物の買い出しに付き合ってと連れ出したが、そんなものは正直ただ会いたかっただけの口実に過ぎない。

    Pは何故と言う顔をしていた
    燐羽「あなたと一緒にいたかっただけよ。」
    と言ってPの腕に腕を絡める。
    燐羽「ほら、行くわよ」

    私は強引に彼の腕を引く。

  • 11二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:32:07

    目的のものはすぐに買い揃えたのだけど、
    私はまたやってしまった自分に涙が出そうだった。
    ー買い物中ー
    燐羽「ねぇ、この際私の家に引っ越さない?
    それなりに広いし、十王さんにも理解してもらって、」
    P「燐羽、さすがに同棲はまずいですよ、」
    燐羽「は?何言ってるの、昔は散々入り浸っててもなんにも言わなかったじゃない、毎晩私に抱きついて眠ってた、くせに、いまさら何言ってるのあなた、」
    P「昔と今じゃ意味がまるで違いますよ、燐羽。わかってください。」
    燐羽「あ、そ。もう、いいわ。私は買い物済ませて先に帰らせてもらうわね。」
    原因はほんの些細な事で拗ねてしまった。

    私は彼を置いて先に駅まで来てしまった。
    燐羽「ほんとおバカね、私って」

    二人で買い物をして、その後お食事して、気になる映画を観て、帰りに彼の家で久しぶりにお夕飯を作ってあげようって思っていたのに、
    鳴りっぱなしだった着信が止まってしまっている。
    出るに出れないところ、自分は何も変わってないみたいね。急に寂しくなる。
    燐羽「どうして、急に着信止めるのよ、私が出るまで、掛け続けなさいよ」全く理不尽に怒る。
    また、着信が鳴り渡しはようやく電話に出る。ふん、ちょっとは懲りたかしらと内心勝ち誇る
    燐羽「…な、に、かしら?」
    でもどんな気持ちで話せば良いかわからず、
    口篭ってしまう、
    P「大丈夫ですか!?燐羽!」
    珍しく大きな彼の声に脳が響いた、
    私は驚きで頭が働かなかった。
    P「心配したんですよ、電話がつながらなくて、事故や、事件に巻き込まれたんじゃないかって、
    もしかしたら、拐われたんじゃないかって!」

    私はようやく、一時の考えに身を委ねてしまった愚かさを反省した。
    燐羽「本当にごめん、なさい、今、駅の中にいるわ、お願い、迎えに来て頂戴。」

  • 12二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:35:18

    心配そうに迎えに来た彼の顔を見て、
    私は目を合わせられなかった。
    端から見れば、叱られた犬みたいだったと思う。
    近寄って私の頭を撫でると、
    それ以上彼は何も言わなかった。
    燐羽「心配かけて、ほんとにごめんなさい、」

    久しぶりのデートはなんだか色んな意味で
    昔を思い出した。

  • 13二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:36:51

    一旦、描き出した分です。

    これ以降、また一話完結の短編で動きます。

  • 14二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 21:43:31

    あなた様の書くP燐羽をもう一度見れるなんて😭
    過去作含めて素晴らしいssをpixivにも投稿することはできますか?

  • 15二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 22:04:53

    >>14

    恐れ入ります、めちゃくちゃ嬉しいです、

    Pixivにアカウントが無いので、また載せたいってなったら載せようかと思います、ありがとうございます、

  • 16二次元好きの匿名さん25/03/28(金) 22:41:16

    彼は私の耳たぶが好きみたい。

    今日は私の新居に彼がやってきた。
    P「お邪魔します。」
    燐羽「あら、いらっしゃい。
    さぁ、入って頂戴。適当に寛いどいて頂戴」
    リビングを見渡せるキッチンでもてなす用意をしながら彼を眺める。

    最近買ったリビングの薄紫のソファー。
    彼とあのソファーで座りたかくて買ったの。
    燐羽「あなた、コーヒーブラックでいいわよね」
    P「ええ、それで結構ですよ、ありがとうございます」
    燐羽「あなたの部屋も、着替えも用意してるから、いつでも、泊まりにいらっしゃい」

    P「ありがとうございます、って燐羽ちょっと重く無いですか、」
    私は注いだ物を、薄い柄が刻まれたの小振りのトレイに黒と菫色のマグカップとコースターを用意して運ぶ。

    燐羽「は?誰が重いですって?信じられない。あなたが、すぐにフラフラして、他所の女と親しくするからでしょ、あなたが気をつけなさい。」
    私は溢れない程度にわざと音が鳴るようにトレイを置いた。

    燐羽「あなたはもう、有名なプロデューサーよ。沢山の実力のあるアイドルとも仲良いじゃない」
    私は彼の隣に座って、一息つくように彼の肩に寄りかかった
    彼は腕を背中から私の腕の間に回す。
    手を頬に添えると、耳を触り始めた。
    燐羽「ちょ、ちょっと、やめて、頂戴。耳たぶは本当に、弱いのよ、」
    私は悶える
    P「燐羽が聞き分けないこと言うからですよ」
    燐羽「ごめんなさい、私が悪かったわ。許して頂戴、」

  • 17二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 01:11:58

    このレスは削除されています

  • 18二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 01:13:03

    燐羽とその3 巡る
    俺は仕事から帰宅すると、自分の手がける
    燐羽、手毬さん、星南さんのスケジュールで埋まったメモ帳を開いた。
    デスクの上に置いたカレンダーに特に重要な日をマーカーと付箋で目でわかるようにする
    P「一日間違えると大変な事だ」

    今仕事以外で燐羽と会えるのは二、三ヶ月のどこか一日あれば良いくらい
    彼女自身の休息も考えると更に頻度は減る、
    P「正直寂しい」
    彼女から余り連絡はなかった。
    それは、連絡すればもっと会いたくなるからと言っていた。

    ある日、俺は燐羽を車で送迎中、
    雑談に燐羽も一人で出かけてみてはと薦めてみた。
    P「お互い時間がない時、燐羽一人で旅行に行ってみてはどうです?パンフレットなら沢山ありますよ?」

    燐羽は窓の外に顔を向けたまま、応える
    燐羽「あなたと一緒じゃないのに行く意味なんてある?」
    P「まぁ、気分転換になるかもしれませんよ?なんなら、今度二人で行く時のロケハン。って感じで行ってみてはいかがです?」

    その瞬間、燐羽はこちらに睨み告げる
    燐羽「いい?私はサプライズは楽しみたいの。あなたと、一緒に行く場所を私が先に知ってるなんて、
    考えたくもないわ。わかったなら、仕事モードの私を素に戻さないで、」

  • 19二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 02:08:06

    このレスは削除されています

  • 20二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 02:19:28

    燐羽とその4 そよ風が優しく吹けば

    ある日、
    俺は燐羽と車から降りて、ラジオの仕事の打ち合わせに向かうところだった。
    燐羽は不意に、神秘的で透き通る風の音の様なゆらゆら漂う美しいメロディを鼻歌で奏でた。
    燐羽「ねぇ、あなた。そよ風が優しく吹けばって歌を知ってるかしら?」
    P「いや、俺は音楽に疎いんで…勉強不足ですみません、」

    燐羽は最近社会の風を浴び大人びていたが、
    少女の様な、
    ビー玉みたいに瞳を輝かせて俺に話す姿を、
    久しぶりに見た気がして懐かしくなった。
    燐羽「この前、ボーカルトレーナーさんに教えて貰ったんだけど、
    どこかの国のとても古い歌何ですって、
    それで、こんな感じのお話だそうよ。
    "美しい男性に愛を囁かれた年頃の娘は、
    自分の魅力に気付き、そして、その情熱は、ますます美しくさせる。だから、男はそんな恋する女の子を守りなさい。"

    とても、ロマンチックじゃない?
    その話を聞いて私は、この歌の事が大好きになっちゃった。ねぇ、プロデューサー、、
    私のことも守ってね、」
    私はPの瞳を覗き込む。
    P「え、ええ、もちろんです、」
    燐羽「プロデューサーの照れた顔久しぶりに見たわ。今日はいい一日になりそうね。」

    P「待ってください、燐羽さん、」
    俺が追いかけるのも素知らぬ顔で
    先に進む。彼女はまた、鼻歌を歌っていた

  • 21二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 02:29:20

    タイトル表記をまだ考え中なので安定しないかもです

  • 22二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 03:47:09

    このレスは削除されています

  • 23二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 03:49:35

    その5 燐羽とラジオ
    朝目覚め、私は壁掛けカレンダーを確認した。
    付き合った日はHIF終わった後だけど、ずっとバタバタしてたタイミングで正直、何日が記念日か忘れちゃったのよね。だけど、月だけは覚えてる。
    燐羽「もうすぐ、ね。どのみち、お互い今の忙しさでプライベート合わせるのは無理だけど。」

    身支度を終え仕事に向かう。今日は公開ラジオの企画で燐羽様に聞く生惚気配信と言うたいていなら間違いなく、炎上するタイトルだったけど、私は引き受けた。ファンもそれを望む声が大きかったしね

    関係者に挨拶を済ませ、リハ、そして、本番。
    DJ「今日は!今全国に、稲妻の如き衝撃で名を轟かせているトップアイドルの一角!賀陽燐羽様に、これまた今アイドル業界に旋風を巻き起こそうという逸材であり、公式公認の恋人、敏腕プロデューサーとの色んなラブラブエピソードを伺いたいと思います!皆さん、ドシドシ質問お待ちしていまぁす!」
    ……
    「彼の良いところ?
    そうねぇ、確かに仕事は確かに有能なんだけど、プライベートではハッキリしないことが多くて、本当にイライラさせられるわ。
    でも、いつもよく考えてみると、いつも彼が正しくて、私のことをよく考えてくれてるんだなって思うわね。歳上らしく引っ張ってくれたり、いつまでも、子供っぽい私を必要な時に叱ってくれるお兄ち…さんでもあるわね。」

    DJ「今、お兄ちゃんって言いました?」
    燐羽「うっさいわね!黙りなさい、」
    「お兄ちゃん助かるコメントで溢れていますよ〜」
    燐羽「う゛ぅ゛」
    本番が終わり。関係者に挨拶を済ませた。
    P「お疲れ様です、燐羽様。」
    燐羽「あなたに言われるのは嫌だから、
    やめてくれないかしら、」
    P「まぁまぁ、俺の方が地獄でしたよ」
    燐羽「そりゃそうよ。そうなるよう答えたんだから」
    P「でも、嬉しかったです。ありがとうございます。あと、お兄ちゃん呼びでも良いですよ」
    燐羽「もう、、おばか、」

  • 24二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 04:38:57

    その6 燐羽と訪問
    私がお風呂から出ると、
    家のベルが鳴った。
    燐羽「こんな時間に誰かしら」
    深夜ではないけれど常識で考えると、
    人が尋ねて来る時間ではない。
    私はすこし身の危険を感じる。
    私はスマートフォンを手にすると、
    プロデューサーに連絡しようと画面を見た。
    燐羽「あら?プロデューサーから」

    燐羽「もう、来るなら先に連絡しといてくれないと困るわ。こんな時間にベル鳴るなんて怖いじゃない。」
    P「そうですね、急ですみません。急用があったので直接来ました。
    来週のこの日に、TVや舞台の関係者が集まるレセプションがあり、もし燐羽がよければそこに紹介出来れば良いかなと思いまして、午前中には終わるんでそのまま燐羽は先にタクシーで帰って貰えます。」
    燐羽「あなたはどうするの?」
    P「その後、懇親会があるので」
    彼は酌する合図をした。
    燐羽「そう、わかった。良いわよ、午前中に行けば良いのね」(その日はオフと思っていたから、記念日を祝えたらと思ってたんだけど、仕方ないわね)

    P「で、本題はここからでして、今月のその日が恐らく俺達が会えて、記念日を祝える最後のタイミングだと思うので、懇親会が終わり次第
    一緒に会いませんか?」
    私は彼に抱きつく
    燐羽「覚えていてくれたのね!嬉しいわ。本当に好きよ」チュッ
    燐羽「なんなら、今日泊まっていかない?」
    P「いえ、明日も朝から準備があるので」
    燐羽「こんな時間から帰るの?連れないわね、わかったわ。気をつけて帰ってね。
    じゃあまた。」
    私は彼の背中が通路から見えなくなるまで見送った。
    燐羽「ふふ、会える日が今から楽しみになったわ、何を準備しておきましょう」

  • 25二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 12:19:31

    このレスは削除されています

  • 26二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 12:20:38

    その7 燐羽と記念日
    午前中は彼と有名なTVのプロデューサーさんや舞台監督さん、見た事のあるTVタレントさんや役者さんが揃って色んなお話をされていたわ。
    100プロからも、私だけでなく、手毬や十王星南さん、他にも顔見知りもいる。私達は挨拶が済むと、
    プロデューサーによって早いうちに帰された。
    せっかくだからと、久しぶりに初星学園組で食事に行って、帰ってもまだ日が傾いたくらい。
    燐羽「ただいま、」
    帰宅するとシャワーを浴び、キッチンに立つ。
    燐羽「さぁ、何を作りましょうか」
    お出かけしたいな。とも思ったのだけど、遅くなるのは目に見えているし、お家でゆっくりしよう。となった。
    夕方までまだまだ時間はあったが、彼からの連絡はない。
    燐羽「いつ帰るのかしら、夕方?夜?」
    彼のあの感じだと、遅くても夜くらいかしら、
    私はご飯の準備をして、時間を潰して彼を待つ。でも一向に帰っては来ないし、連絡すらなかった。
    燐羽「もう、せめて連絡くらいしなさいよ、あなたが、いつも私に言ってることでしょうに、」
    私は怒りや不安が溢れてくる。
    深い夜の一歩手前まで来ていた。
    燐羽「彼、本当に大丈夫なのよね?」
    色んな憶測が脳内を過り、涙が溢れる、
    今は心配でしかなった。気持ちの疲れが溜まっている。

    日が変わろうと言う時だった。
    家のベルが鳴った。私はすぐに玄関に駆け寄り様子を見る。彼だ。とドアを開けた。
    燐羽「もう…心配したんだから…」
    私は安心でまた泣きそうになり、言葉に詰まる。彼は帰るなり私に向かって倒れた。
    燐羽「あなた?」
    お酒の匂いが強い。酔っているらしい。
    私は悲しくなる。涙が止まらない。
    燐羽「ありがとう、お疲れ様。」

    キッチンには二人分の手付かずの、とっくに冷めてしまった料理が寂しそうに並んでいた。

  • 27二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 15:20:06

    俺は目覚ましの音で目を覚ます。
    耳障りなそれを止めようと手を伸ばすが、
    いつもの位置にそれは無い。
    よく考えると音も違う。
    ようやく脳が働き出すが、いつもの冴えは無く、頭がなんだか重くガンガンした。周りを見渡すと知らない家にいることに気づく。
    P「ここは?」
    寝室のドアが開いた。
    「おはよう、目覚めたのね」
    燐羽「目覚ましの音がしたから、もし、まだあなたが寝てるようなら、起こしてあげようと思ったの。」
    燐羽が水を持ってきてくれた。
    彼女は既に身支度が済んでいる。
    「どうぞ、気分はどうかしら?」
    燐羽はカーテンを開く。窓から差し込む陽の光の眩しさで、咄嗟に手で顔を隠す。
    P「俺はいったい?頭が重い」
    燐羽はベッドに座り、俺の額に手を当てた
    何も言わず、彼女が俺の瞳をただ見つめる。
    その瞳には、悲しみと安堵が混ざった様な複雑な目だった。
    俺は昨日の記憶を必死に辿る。
    昨日は何をした?俺はなぜ燐羽の家にいる?今日は何日だ?ようやく、結論が出る。が、俺が何か口にする前に遮り
    燐羽「何も言わなくてもいいわ。」
    とだけ言った。
    燐羽「あなたのスーツは壁に掛けてあるわ。シャツもアイロンを当てて一緒に吊るしてる、悪いけど、肌着はそのままだからシャワーを浴びて、脱衣所にある、あなたが泊まりに来た時用に用意したモノを使って頂戴。脱いだのはカゴに入れといてくれて結構よ、」
    燐羽は最後に添える
    「あなたが、私の為に尽くしてくれてる様に、私もあなたの為に尽くしたい。だから、何も言わないで頂戴。お願いだから。
    私は先に出るわ。鍵はリビングのテーブルにある。最後はポストに入れといて、いつも、ありがとう。」
    燐羽は背中を向けて告げると、ドアを閉めた。

  • 28二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 15:26:18

    >>27

    その8 燐羽と記念日2

  • 29二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 18:53:01

    俺は燐羽と約束した記念日の予定を
    飛ばしてしまった以来、その事を引きずっていた。どのように埋め合わせするかに意識を捉われ、集中力が欠けていた。
    簡単なミスを重ねてしまい、状況はよくない
    プロデューサーとアイドルの恋愛はどちらも役割を果たしてこそ許される関係だ。
    仮に恋愛の、痴情のもつれ、など端からは知った事ではない厄介ごとに過ぎない。
    あれから、燐羽はその日の事を、一切話題にも出さなかった。燐羽はもうとっくにプロだ。公私混同は一切せず。立場を弁えている。
    俺は自分にもこの様な一面があるのだな、と認識する。だが、そんな事は世間には関係なかった。冷静になり、一つずつ問題を解決出来る方法を考え、それを手帳に視覚化する。
    P「とにかく細かく、関係者との連絡を取り合うこと。逐一、状況と情報を共有し、可否の相談をする事。基本ばかりだが、ケアレスミスが増えている今の自分にとって、
    一番必要なことだ」
    次にその上で、先の道筋を考える。
    それぞれの能力に当てはまる内容と、次に開花させたい能力を考えて仕事を選び提案する

    一度、PCに書き込み、それをプリントアウトしてデスクや自宅に見えるようにする。
    少しずつ、不安を解消して行く。

    やはり、俺にとって燐羽は大切な存在だ。
    愛している。だけど、依存するわけにはいかない。それが、俺からの彼女へ想いだと、自分自身を奮い立たせる。

  • 30二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 20:43:50

    時間に余裕を持って早めに出たのだが、
    雨が降っているのもあり、
    運悪く、車は渋滞巻き込まれてしまった。
    まぁ、それでも到着時間には問題無かった。
    燐羽は窓の外を眺めている。
    燐羽「あなた、最近、肩に力が入り過ぎよ」
    不意に話し出す。
    燐羽「遅くなるのでしょ、暇だし何か話して頂戴。」
    P「…」浮かばなかった
    燐羽「ふぅ、全く、仕方ないわね。ねぇ、今夜、仕事が終わったら、私の家に来なさい。命令よ」
    燐羽はそれだけ言うと黙って窓の外を向いた

    燐羽の家
    P「燐羽、来ましたよ。」
    燐羽「おかえりなさい。スーツを掛けて着替えて来なさい。」
    燐羽は食事の用意をしていた。
    P「しかし、俺は帰らな…」
    燐羽は足早に近づくと、
    腕を頭に巻きつけて俺の口を唇で塞ぐ
    燐羽「いいから、早く着替えなさい。」
    俺は燐羽に従った。部屋で着替えると燐羽が入って来た。ベッドの横に壁に掛けるタイプハンガーラックがありそこにスーツを掛けた。
    燐羽は入るなり、ぐいぐいと近づく
    俺をベッドまで追い詰めると、身体を両手でベッドに押し倒され、
    そのまま俺の上に四つん這いに跨る
    燐羽「あなた、本っ当に、世話が焼けるわ、全く。私が、どれほどの想いで、普段生活しているのかわかっているの?それでも、頑張っているのはね、あなたが私の為に頑張ってくれているからなのよ。そんなあなたの、みっともない姿を、黙って見てられるわけ無いじゃない。」
    俺の身体に燐羽の身体が被さる。震えている
    燐羽「だから、いつも言ってるでしょ、一緒に暮らしましょうって、別に、意固地にならなくたっていいわよ、それで勝手に、私の気も知らないで、押し潰されるなんて迷惑よ、私だって、寂しくて仕方ないに決まってるでしょ、おばか」
    燐羽は身体を起こす。
    燐羽「ほら、せっかくのお料理が冷めちゃうわ、早く食べてしまいましょう?ほら、手を出しなさい、行くわよ」

  • 31二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 20:51:23

    >>29 その9 燐羽と記念日3

    >>30 その10 燐羽と距離感


    タイトル忘れがちですみません、

  • 32二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:31:31

    その10.5 燐羽と距離感2
    その夜
    二人は燐羽のベッドで眠る
    燐羽「ふふ、久しぶりね、
    こうして二人並んでベッドで眠るのも。」
    いつもの様に燐羽は背を向ける
    P「すみません、燐羽」
    燐羽「やめて、ベッドの中まで仕事の話は
    しないでよ、」
    こちらに振り向く。
    P「ええ、あの、記念日の件。食事まで用意してくれていたのに、」
    燐羽「ええ、そうね」
    燐羽はじっと見つめている。
    P「その埋め合わせを、ずっと考えてしまっていました、」
    燐羽「なにそれ、私のせいって言いたいの?」
    睨み、頬をつままれた
    燐羽「まぁ、いいわ。どうせそんな事だろうと思っていたし。」
    燐羽は俺の頭を胸に抱き寄せ、頭を優しく撫でる。
    俺も燐羽を抱きしめる。
    甘く脳を刺激する懐かしい香り
    燐羽「埋め合わせすると言うのなら、また、こうしてあなたと一緒に眠りたいわ」

  • 33二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:46:03

    ありがとう、あなたのおかげで今日も生きていられる

  • 34二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 01:42:37

    楽しみです

  • 35二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 09:48:15

    保守

  • 36二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 12:49:58

    このレスは削除されています

  • 37二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 12:51:13

    その11 燐羽と麻央
    最近の日差しはギラギラと灼熱みたいに照り輝いていて酷い暑さだった。
    私はお風呂上がり、下着姿のまま、エアコンをつけ、リビングのカーテンを開ける。周りに同じ高さのマンションはなく、天川の景色が見える。私は十王さんが経営するマンションの上階に住んでいる。
    理由は、管理人の融通がきいて、入居してる人も安全そうだったから。
    寝室の彼を起こして、寝ぼけながら彼はリビングに座った。
    私はキッチンで朝の用意と先にコーヒーの準備をしながら話す。

    燐羽「この前仕事でね、麻央先輩と、莉波先輩、私と清夏で海辺の街の観光モデルのPRとして、みんなで海に行った時。
    清夏「久っしぶりに会ったしさぁ〜、みんなで、ちょっとだけ海で遊ばない?」って清夏が言ったの
    それで、オフの時間に一応用意してた水着に着替え砂浜にでたの。私と清夏がビーチバレーをしていて、莉波先輩は席を外していた時、海で泳いでいた麻央先輩が突然、慌てて私に叫んだの。
    麻央「二人とも!ちょっと来てくれないかい!」
    私達は、溺れたんじゃないかって、すぐに二人で麻央先輩の元に泳いで行く。麻央先輩は涙目で、片手で豊かな胸を押さえ、片手で私の肩を掴んだ。
    麻央「燐羽、清夏、すまない。僕の水着が流されてしまって。その、」
    恥ずかしそうに言う。
    見渡すと今からなら、まだ間に合う距離に水着は浮かんでいた。
    燐羽「清夏、私は麻央先輩を支えているわ、あの距離ならあなたなら間に合うかしら?」
    無理を承知で、清夏に頼もうとした時、清夏も同じ考えだったみたいで、既に泳いで向かっていた。
    問題なく回収すると無事麻央先輩は水着を着けた。麻央先輩は顔を真っ赤にして私に言う。
    麻央「二人とも、助かったよ、ありがとう、」

    P「一つ間違えれば、事故になりそうな話で心配ですが、何事もなくて良かったです、」
    燐羽「それはそう。だけど、そんな、真面目な反応を私は求めていないわ、」
    P「なら、どんな反応をすれば?」
    燐羽「麻央先輩って、すっごくかわいいねって」

  • 38二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 12:52:35

    保守コメ感謝です!

  • 39二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:00:38

    このレスは削除されています

  • 40二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:01:54

    その12 燐羽と図書
    都心部の大きな代表的な駅前。目の前の大きなスクランブル交差点を渡り、ランドマークである、若者向けの商業ビルから、長い坂道に向かう。
    ごちゃごちゃと建物が並び、路地裏には、昼間でもチカチカと目立つ、大きな電光掲示板が、
    いかがわしく建物へ誘っている。私達はさらに坂の道を進む。
    燐羽「ねぇ、ここ、すごくいかがわしい建物ばかりじゃない、いったいどこに向かっているの?」
    私は慣れない都会の人混みと、人の生々しい部分が強調された世界に、不安を感じ、無意識に手を繋ぐPの身体に少しでも身を寄せる。
    P「もうすぐです、はぐれないように」
    その場所は、坂の上の少し手前にあった。
    ごちゃごちゃした、ビルが並ぶ同じ様な雑居ビル。
    P「ここです、入りましょう」
    燐羽「ちょ、ちょっと、変なとこじゃ、ないでしょうね、」
    私は無意識に手を引く彼に抗うよう力が入る。
    P「大丈夫ですよ。さぁ、行きましょう。」
    燐羽「わかったわよ、」
    彼がそう言うならと。私は従った。
    フロアはどこにでもある、普通のビルの通路。細い通路がL路になり、道なりに進むと非常口を思わせる、クリーム色の鉄製の重たい扉があり、看板がある。外にインターホンがついていて、彼はそれを鳴らす。声が聞こえて彼が遣り取りすると扉が開いた。私はますます、ここに何があるのか不安になる。
    P「さぁ、どうぞ入って下さい。」
    彼は促すが
    燐羽「こ、怖いから、先に入って、」
    彼はわかりましたと先に入る、私は続く。
    入って少し通路を進みその先の世界に目を疑った。
    燐羽「なんなのよ、ここ、」
    広く薄暗い部屋には、橙色の照明が天井から吊らされている、部屋一面に大きな本棚と本で埋め尽くされていた。
    入るとすぐに洒落た注文バーカウンター、部屋の中心に木製の幅の大きな長テーブル、端にもテーブル席が並んでいる。
    P「外からじゃ、想像もつかないでしょ?、
    都会の中、静かに読書したい時、この場所を知っていたらどうかなと思いまして。まぁ事前に確認は必要そうですが、」
    私はまだ驚いていたが、気を取り直す
    燐羽「そう、ありがとう。でも、ここに来る途中は一人じゃ怖いわ。あなたと一緒じゃなきゃ、嫌よ」
    私たちは空いている席に着く

  • 41二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:18:21

    このレスは削除されています

  • 42二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:21:43

    このレスは削除されています

  • 43二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:24:40

    スレ主です。本編と関係なくなって申し訳ないのですが、どこをイメージした場所なのか気になる。
    って方を、どこかで目にしましたので、
    一応、書いて置こうと思います。

    一部は、基本サポカの背景から妄想で作りました。
    アーケードは大阪や京都の有名な商店街を混ぜました。喫茶店は色んなお店の内装合わせてます。

    二部も、サポカコミュをベースに、信州、北陸の山間をイメージして作りました。
    コテージとキャンプ地は鳥取辺りです。
    川は奈良と京都の間辺りです。

    三部は、小豆島と直島、坂の街は尾道をイメージしてます。離島(某有名建築家)の美術館(洞窟みたいなカフェ)
    や海の見える古民家のカフェ、凸凹で奇抜な建物銭湯と、坂の街で出て来る、
    商店街の端にある喫茶店は、実際にあります。
    興味ございましたら、参考になればと思います。

    次からまた本編に戻ります

  • 44二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:49:43

    >>43

    >>1

    前作の話です、

  • 45二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 16:04:06

    その13 燐羽と燐羽様
    「ねぇ、車同士お話し出来て、運転手に指示出来れば便利なのかしら?」
    P「それは、カーナビになるんじゃないですか?」
    車は渋滞に当たってしばらく動かなそうだ。
    私は適当に話出す。
    燐羽「例えばの話よ。車が近くの車同士で、いまどこが渋滞してたり、事故や工事だとか、リアルタイムに情報交換して、それを、伝えてくれたら早いんじゃないかしら?」
    P「確かに、それが可能なら、そうかもしれませんね、」
    燐羽「そうやって、起きた事件を解決するって、お話しを読んだのよ」

    今日は音声コンテンツの収録。
    私はいつしか、ラジオだとか、朗読だとか、ナレーションだとか。声のお仕事が増えた。
    その分、前まで以上に声への感情の機微を、色んな物から取り入れようとしている。

    今日はダメな相手を罵りながら、慰めて私に依存させてあげる場面の演技だった。
    「なに?また失敗したの?ほんっと、あなたって使えないグズね!役立たずなゴミは、ゴミ箱で、
    黙って大人しくしていれば?
    あなたは、無駄なことをせずに、じっとしていれいいの。そしたら、私が拾って上げる。なんにも心配しないで。私が大切に、ふふ、管理して、ア・ゲ・ル。」

    P「素晴らしい演技でしたよ、燐羽様」
    私は役から抜け切れずに彼を睨む
    燐羽「は?なにそれ?皮肉かしら。あなたも、私なしじゃ生きられなくしてあげても、いいのよ?」
    P「い、いや、それは」
    燐羽「だったら、黙ってなさい。ほら、さっさ行くわよ、エスコートして頂戴」

  • 46二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 16:56:39

    このレスは削除されています

  • 47二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 17:03:54

    その14 燐羽と店長
    私がとあるカフェの一日店長になった日。
    簡単な飲食店業務のオペレーションを学び、
    今回のメイン企画"燐羽様のカウンセリング"
    の打ち合わせをする
    既に満員御礼のイベントだったが、

    先に抽選チケットを手に入れた人は、
    私に、悩みを相談出来る機会が与えられていた。

    燐羽「あなた、何そのだらしないかっこう。
    はぁ…この私に会えるのよ、もっと、ちゃんとして来てくれないかしら、本っ当がっかり。
    それでも、勇気出して会いに来てくれたのよね、その気持ちすごく嬉しいわ、それだけであなたのこと大好きよ。…人はね磨けば輝くの、怠るのはもったいないと私は思うわ。でもね、無理はだめ。そんな事、私が絶対に許さないわ。次、私と会うまでに少しずつ励みなさい。楽しみにしているわよ、」

    「なに、あなた、仕事で失敗して落ち込んでる。
    ですって?なに、なっさけないこと言ってるのよ、しっかりしなさい。落ち込むって事はちゃんと、
    あなたとして頑張ったからでしょ?それなら次にいくらでも繋がるわ。でも、わかるわ、引きずっちゃうわよね。大丈夫よ、今の評価なんて所詮、今までの結果よ。これから覆してみせなさい。めげずに頑張れるような、私はそんな人が好き、頑張ってね」

    「あら?かわいい娘ね、緊張してるの?大丈夫、深呼吸しましょ?一緒にしてあげる、いい?せーの、…どう?落ち着いたかしら?…あら、私のことそんな風に思ってくれてたのね、嬉しいわ、ありがとう。…なにを言ってるのよ、あなたは、十分美しいわ。自分を卑下しては駄目。そんなに自信がないなら私が言ってあげる。あなた、かわいいわよ。叶うなら、その頬にキスして上げたいくらいに、ね。
    あなた、手を出しなさい。ほら、私も手を重ねて上げる。どう?落ち着いた?ふふ、また会う時を楽しみにしてるわ、気をつけて帰りなさい」

    店長業務を終え
    P「どうでしたか?一日店長は」

    燐羽「そうね、飲食店って初めてだったし、すごく大変ね。けど、沢山勉強になった。
    あと、普段あの子達にしている、ファンサと接客が違うのにも戸惑いはあった。けど、楽しかったわ。
    叶うならまた、やってみたいわね。
    あと、そうね。あの子達の普段の悩みを聞けて私は嬉しかったわ

  • 48二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 19:07:34

    このレスは削除されています

  • 49二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 19:11:21

    その15 燐羽と朝食
    今日は真夏日らしい。
    リビングで適当に流してるTVから、
    気象情報が流れて来た。
    既にエアコンが効いている部屋で、
    外に出る気が滅入る。
    私は二人分の朝食を作る。
    彼は言った
    「毎日泊まるのは、出来ませんが、会いたくなった時に行ってもいいですか?と」
    手前勝手な理由ね。
    既にお互いの嫌な部分は散々見て来たし、
    もう、一緒にいれば良いのでは?
    と私は思っているけど、彼の理性的な部分が拒んでいるのだろうな。と思うことにした。
    そんな彼の分の朝食も、
    今まさに作っているわけだけど。
    今日は"パン・ペルデュ"と言うのを作ってみる。
    先日のカフェで、レシピを教えて貰った。
    言い方が悪いけど、簡単に言えば、日にちが経ったパンで作る、フレンチトーストらしい。
    焼き上がった一枚に、ハムと熱したチーズを乗せてもう一枚で閉じる。半分に切ったものを取り分ける。
    別のもう一枚を半分に切って、粉砂糖をかけ、ハチミツを用意する。
    出来たパンを、木製のプレートに乗せて、サラダ添え、パンくずをサラダにまぶす。
    出来上がる前に彼を起こす。
    燐羽「P、良い加減自分で起きなさい」
    と大人の男性に母親みたいに叱る
    彼は舌の回らない口ぶりで返事して、
    あくびしながら起きる。
    燐羽「ほら、朝よ。さっさと起きて支度なさい。
    今日はこの前カフェで教えてもらったフレンチトーストよ。楽しみに顔洗って来なさい。」
    それを聞いて彼は足早に顔を洗いに行った。
    仕事中の彼からは、想像出来ないだらしなささが、私は可愛くて仕方ないのよ。

  • 50二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 22:30:31

    その16 燐羽と安心

    夜。私はシャワーを浴び、ノースリーブとハーフパンツ姿。タオルで髪を乾かす。
    リビングのテーブルにPが簡単な作業をしている。
    燐羽「シャワー空いたわよ、入ってきなさい。」
    P「ええ、すぐに」と気のない返事をした
    私は苛立った。
    燐羽「あんまり来ないとか言って、また来てるんじゃない。ちょっと、意志弱いんじゃない?私の家に来てる以上、私に従って貰うわ。もう、仕事は終わりよ。早くお風呂に入って来なさい。」
    Pは渋々片付け浴室に行った。
    その間に私は夜のケアとストレッチをする。
    終わった頃に彼が出て来た。
    P「上がりましたよ、燐羽」
    燐羽「えらいわね、さぁ、早く寝ましょう。先に寝室に入ってるわ。」
    しばらくして彼が入って来た。
    私は本当は嬉しいが、意地悪したくなる
    燐羽「あなた、全然言ってた事と違うんじゃない?本当に、会いたくなった時に来るとか言って、結局ほぼ毎日来てるじゃない」
    何も言えない彼の頭を撫でて
    燐羽「はい、はい、もういいわ。早く寝ましょう。」
    なんだか、彼の事を、理解してきて安心する自分がいる。それが嬉しかった。

  • 51二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 00:03:13

    このレスは削除されています

  • 52二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 00:05:40

    その17 燐羽とお茶会
    少し戻って、記念日にPと会うはずだった日
    私達は元初星学園組でお茶をした。
    星南さん、手毬、ことね、私で行った。
    ことね「ねぇ、燐羽、最近どうなん?」
    星南「あら、それは私も興味あるわね!」
    手毬「もぐもぐ」
    燐羽「どう?ってなにかしら、」
    ことね「またまたぁ〜わかってるんでしょ?もう、顔がニヤけてるって!」
    星南「答えなさい!燐羽」
    手毬「ふん、」
    燐羽「もう、からかわないでよ、」
    ことね「それでぇ〜答えはぁ〜?」
    星南「黙っていても、必ず、吐かせるわよ!」
    燐羽「…今日、この後、彼と会うわ。記念日を祝うのよ、」
    ことね「いいなぁ〜めっちゃラブラブじゃん!?」
    星南「ことね!私にその感情を向けてくれていいのよ!!」
    ことね「あははは、ちょっと、それは、やめときまぁす、、」
    手毬「りんはのえっち!!」
    燐羽「お、おばか、手毬、声が大きわよ、」
    星南「まぁまぁ、それはそうと、おめでたいわね!!これからもお義兄さまと仲良くね!!」
    ことね「星南プロデューサーと手毬や燐羽のプロデューサーが兄弟になるって、改めて星南プロデューサーもすごいこと、しでかしましたよね、ほんと、」
    星南「当たり前よ!彼は私が先に目をつけていたんだもの、手放したりたりなんか絶対にしないわ!」
    ことね「おぉ、強者の風格…」
    星南「まぁ、燐羽、仲良くね」
    燐羽「ありがとう。えぇ…言われなくても、ね、」
    手毬「りんは!わたしにもかまってよ!」
    燐羽「はいはい、ごめんね。また、うちに遊びに来なさい」
    手毬「いいの!?うん!行きたい!!」
    その後、私達は解散して、私は帰宅した。

  • 53二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 03:33:39

  • 54二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 10:47:03

    保守

  • 55二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 14:00:37

    その18 燐羽と平穏
    何気無い時を一緒に過ごせる。なんて贅沢なんだろう。
    彼は最近よく私の家に来る。口ではきつく言ってるけど、本当はすごく嬉しい。
    燐羽(前は逆だったのね。)
    と考えると、日々忙しいけど、緩やかに進む時間の中に、私は明らかな変化を感じた。

    食事を済ませて、お風呂も済み、寝るまでの時間。リビングで私達は並んでソファーに座り、配信ドラマを観ていた。

    彼は私の腰に手を回し、私は彼の肩に頭を傾け、二人は前で手を繋ぐ。

    ドラマはサバイバル物。たまたま、場面に出て来た缶詰から、思い出したように私は、缶詰の話を勝手に始める。
    燐羽「そう言えば、この前ね、現場で缶詰が美味しいって話題が盛り上がったの。私の中で、缶詰ってただの保存としてしか思ってなかったから、そんなに興味なかったんだけど、せっかくだから食べてみたの。それが、思った以上に美味しくてね、」
    P「…」
    燐羽「って聞いてる?」
    気付けば彼は眠っていた。
    私は彼を起こさない様に、寝かせ私の太ももに彼の頭を乗せた。髪を梳かし頭を撫でる。

    こんなゆったりと二人で過ごしたのは、
    いったい、どれくらいぶりだろうか?と思い出そうとしたけど、すぐには思い出せなかった。
    ハーフパンツの為、無防備な太ももに彼の息が肌をかすめる。
    燐羽「もう、くすぐったいわね。…ふふ、今日も、おつかれさま」

  • 56二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 17:22:39

    このレスは削除されています

  • 57二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 17:31:36

    その19 燐羽と寝相
    布団の中。彼は眠っている。私は背を向け、
    彼の腕を身体に巻く。それがいつもの二人の体勢。

    だけど、今日は彼の身体が、
    いつもよりくっついている。
    タイマーで止まってしまったエアコンの涼しさはまだ残っているけど、流石に寝苦しい。
    燐羽「ちょっと、近付き過ぎよ。暑いわ、」
    右腕でしっかり抱きつかれていて振り解けない。片方の手が私の耳たぶを触る
    燐羽「きゃっ、や、やめなさい、、」
    起きているのか、眠っているのかわからないけど、執拗に耳周りを触られて私は悶える。
    足をバタバタさせるけど力が入らない。
    変な気分になって来る。
    燐羽「あっ、だ、だめ、ねぇ、やめて、お願い、」
    何も返事はない。他にも何をされるわけでもなくただ、耳を触られる。
    暑さのせいなのか、徐々に体温が上がり、身体が汗ばんで来る。喉が渇き、芯からじんじんと疼く。
    彼のそれが止むまで、私は寝れなかった。
    燐羽「どうしてくれるのよ、おばか、」
    彼は私の耳たぶが好きらしい。

  • 58二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:21:14

    このレスは削除されています

  • 59二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:22:08

    その20 燐羽と蝶 1

    彼はボートを漕いでいる。
    私は日傘を刺して、さっき貸しボート屋さんで買った瓶ラムネを飲んでいる。
    透明な瓶の中にビー玉が入っていて、飲む度にカランと音を立てた。

    「空の色と同化するのかしら?」
    私は興味本位で、瓶を真夏の高く青い空に掲げてみた。キラリと光が反射するだけで、瓶は瓶だった。透けた先にボートを漕ぐ彼が映る。

    遠征ツアー最終日。
    ステージを終え、もう一泊して明日の朝に帰る。
    その前に、
    燐羽「せっかくだからと観光をしましょう?」
    と私は言った。
    私達は自然豊かな公園を歩く。
    歴史あるお寺や神社が建ち並び、
    参道には、見たことのない大きな幹の木々が、
    至る所にある。
    燐羽「すごいわね。こんな大きな木が沢山。初めて見たわ。」
    P「ええ、今までも自然豊かな土地は訪れましたが、こんな大きな木は目にしたことがないですね。」

  • 60二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:45:37

    その21 燐羽と蝶2
    私達は公園内の舗装された道を歩く。
    私は日傘を片手に持ち、彼の肘に手をかける。
    真夏だと言うのに心なしか涼しく感じる。
    木々に囲まれたかと思えば、不意に広がる、
    一面の草原。湿原みたいな、ぬかるみ。
    森とは言わないまでも、似た様な自然の景色と広さに迷子になるのではと思えた。
    有名な神社の参道は、高々とそびえる樹木に囲まれている為か、真昼の太陽ですら、
    木漏れ日の様な微かな光となっている。

    燐羽「ねぇ、ここ、とっても空気が澄んでいるわ、美味しい空気ってこう言うことなのかしら」
    P「ええ、そうですね。それに、ここは特に涼しいですね、」
    燐羽「確かにそうね。肌寒いくらいに。」
    風に吹かれ、揺れた葉がパタパタ、ザワザワと音を立てる。鳴り止むと途端に、
    無音に思える程の静寂に包まれる。
    燐羽「まるで、私達以外だれもいないみたいね」
    私は彼にすり寄る。
    燐羽「夢の中の世界にいるみたい。」

  • 61二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:06:58

    その22 燐羽と蝶 3
    夏の緑豊かな、
    大きな樹木に囲まれた道を進み、
    石灯籠が並ぶ参道を抜けた先には、
    朱色の大きな鳥居の神社があった。
    門を潜る。昔ながらの建築技術を用いられた建物には命が宿っているかのような、何か強い力が感じられた。
    燐羽「なにかしら、なんだか、鳥肌が立つわ」
    P「不思議な場所ですね、」
    私達は中に入る、階段上に並ぶ棟に立ち入り、
    順路案内に従いながら進み、出口に出た。

    燐羽「言葉に出来ない空気って本当にあるのね」
    私は彼の手に力を込める。
    燐羽「素敵な場所だったわ。」

    私は来た道を戻る。少し高台になった場所から、
    水の上に立つお堂の様な建物があった。
    燐羽「ねぇ、あれは何かしら?」
    P「とても絵になりますね」
    水の上のお堂は、周りの木々が水面に映り、
    そこだけ、別の何か神秘的な世界に思えた。

    燐羽「ねぇ、ボートがあるわ、私乗ってみたい」
    私はいつになく無邪気に彼の腕を引き、ボート乗り場へ向かう。

  • 62二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:20:23

    あなた様のような素晴らしい作者がいるからほんとssあさりはやめらんない。ここにおすそ分けしてくれた事に心からの感謝を。

  • 63二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:51:53

    その24 燐羽と蝶 4
    貸しボート屋さんで、Pが受付を済ませている間、
    私は人生初の、瓶ラムネを手にした。
    お店前の木陰の下のベンチで彼を待つ。
    燐羽「きれい、」
    私が青く、透明で、キラキラ輝く瓶に見惚れていると、彼がやってきた。
    P「すみません、お待たせしました、説明を受けて来ましたよ。おや、瓶ラムネですか?」
    燐羽「ええ、美しくてつい、買ってしまったわ。
    でも、開け方がわからなくって、」
    P「貸して下さい。少しコツがいるんです、」
    彼はついていた白いピンの様な栓を少し力を込めて押すと、音を立てて、蓋になっていたビー玉が転がり落ちた。
    中からシュワシュワと泡が登った。
    P「失敗すると溢れるんですよ」
    Pは笑う
    手渡された瓶を大切に抱えて、私は一口つける。
    甘い炭酸水がシュワシュワと体内に流れていく。
    燐羽「気持ちいい味ね」
    P「さぁ、ボートに乗りましょう?」
    燐羽「ええ、」
    私は彼に続く。

  • 64二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:52:21

    >>62

    ありがとうございます!

  • 65二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:55:43

    その25 燐羽と蝶 5
    ボートからは周りの緑豊かな自然と、
    水面に映るそれらが視界に入る。
    燐羽「3Dの様な世界ね。なんて表現は野暮かしら」
    一人ごちる。
    池には周りに陽から守るものはない為、
    直射日光に晒される。
    私は日傘をさしていたが、さすがにボートを漕ぐ彼は暑そうだった。

    私は空に掲げた瓶をそのまま彼の目線に置く。
    燐羽「飲みなさい。」
    P「しかし、それは燐羽の…」
    燐羽「いいから、暑さで倒れられたら迷惑よ、
    あるだけマシでしょ、」
    P「いや、水持ってるんですが、」
    燐羽「いいから、飲みなさい」
    無理矢理押し付け、
    彼はそれを受け取ると瓶を口につけた。
    私はその姿を見てなんだかドキドキする。
    ゴクゴクと飲む度に動く喉仏と、
    流れ落ちる汗に見惚れ時間が止まる。
    瓶の雫が底から落ち、床にパチャッ弾け、再び現実に帰る
    P「ありがとう、ございました。久しぶりに飲むと美味しいですね、」
    私はなんて、愛おしいのだろうと噛み締める

  • 66二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:08:53

    その26 燐羽と蝶 6
    知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを。

    それはまるで夢の様に。
    例え自分が観る夢だとしても、誰かが観てる夢だとしても私がPを好きな事に変わりはない。そんなひと時を今送れていることが幸せよ。
    "めんどくさい問答は終わりよ"
    自分の中の自分が言う。
    私は彼がボートを漕ぐ方に詰め寄った。
    燐羽「あなたのこと、大好き、」
    P「ちょっ、ちょっといきなり動いたら危ないですよ!燐羽、、わぁ!」

  • 67二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:16:24


    今回の連話は
    燐羽と蝶でずっと前から考えていましたが、
    内容考えたり、まとめたり難易度高いお題でした、
    本筋と少し繋がらないかと思います、
    話数振ってますが、
    外伝みたいな感じで楽しんでいただけると幸いです

  • 68二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:32:36

    このレスは削除されています

  • 69二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 01:24:50

    ↑がカロリー高めだったので優しいやつ置いて
    今日は終わりにします

    その27 燐羽と休日
    久しぶりの休日。天気は良かった。
    今日は気分を変えて髪をおろしてみた。
    私は二人でお料理をして、緑地公園の広場へピクニックに行き。
    木陰にシートをひいて、ランチをした。
    私は彼に膝枕をしてあげる。片手で頭を撫で、もう一方で手を握る。
    うるさかった蝉の声も、どこか遠く感じて、暑さも気にならなかった。
    私は二人だけで繋がってる気になれた、
    私は彼にすこし身を置く
    燐羽「気持ちいい天気ね」

  • 70二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 09:46:05

  • 71二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 18:02:41

    しゅ

  • 72二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:41:02

    その28 燐羽と甘えたい時
    今日は私が甘えたい日。
    少し忙しくて、しばらく彼は家に来なかった。
    久しぶりに今日は彼がやってきた夜。
    ベッドの上、今日は私が甘えたかった。
    お互いに向き合い、見つめ合う。
    それだけで安心出来る。
    燐羽「ねぇ、」
    と彼の手を、私のおろした髪に触れさせる。
    彼は髪を梳かす。胸に顔を寄せたいけど、しばらく、彼の瞳を眺めたかった。身体が熱くなる。
    お互いの温もりを確かめ合うように、空いた手を絡ませる。そうしたかったから。
    髪を梳かす彼の手が、私の額に、頬に、唇に移動する。その度に喜びを感じる。
    燐羽「にゃあぁん」猫みたいな鳴き声で、私は顔で、彼の胸を撫でる。
    また、瞳を見つめる。
    P「燐羽…」
    燐羽「なに?」
    P「可愛いですよ、」
    燐羽「お願い。もっと言って、」

  • 73二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:41:30

    保守感謝です

  • 74二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 22:07:01

    その29 燐羽とクレープ
    燐羽「ねぇ、クレープが食べたい、」
    ある日。珍しくも、午後から二人揃ってオフだった。燐羽はずっと行きたかった、と言う場所に俺を誘う。クレープ屋さんのクレープ。
    燐羽「キッチンカーのクレープも好きだけど、お店のクレープって素敵じゃないかしら?」
    P「燐羽あんまり食べ過ぎると太…」パシッ
    燐羽は睨らまれ、黙って頬を叩たかれた。
    ガラス張りの店内。マーカーでペイントされた絵がガラスに描かれている。ウッドデッキの階段を上り店に入る。植物園を思わせる店内には、
    サンルーフがあり陽の光が店内に降り注ぐ。
    天井にはドライフラワーが飾られている。
    カウンターの上に、黒板のメニュー表があり、上手なチョークアートでクレープのメニューが描かれている。燐羽は気分が高鳴り、繋いだ手を振る。
    燐羽はミックスベリーのクレープとコーヒーを頼んだ。俺はクレープは頼まず、コーヒーを頼む。
    注文が届く
    燐羽「ねぇ、見て、とても、美味しそう。」
    P「ええ、そうですね、」
    明らかに社交辞令だったが、燐羽は気にしない。
    シンプルで少し大きい陶器の皿の上に、ふんわりとした生地は四つ折りにされ、横にはデッシャーで掬われたジェラートが添えられている。その上に赤と青のベリーが散りばめれ、ストロベリーソースが編み目上に描かれている。
    燐羽「美味しそう、あなたにもあげるわ」
    P「ええ、ありがとうございます。」
    燐羽「ほら、口を開けなさい」
    P「し、しかし、店内ですよ、」
    燐羽「私が言ったら、あなたはそうするのよ」
    P「わかりましたよ、」俺は従う。
    P「じゃあ、燐羽にも、」
    と俺は掬ったジェラートを、燐羽の口元に持っていく。
    燐羽「うん、美味しい」恍惚そうに笑う
    P「口元にイチゴのソースがついてますよ、」
    とふきんで拭いてあげる。
    なぜか、頬に触りたくなってふきんを置いて、頬をつまんだ。燐羽は
    燐羽「もう、」
    と言って頬を膨らませた。

  • 75二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:16:27

    その30 燐羽と嘘
    最近Pとキスをしていない。
    私から、積極的にしなくなったからだけど。
    最近は、Pから求めて欲しいと思うことが多かった。私はあることを考えた。
    燐羽「お芝居の練習に付き合いなさい。」
    Pは驚いた。
    P「そんな話は、今ないのですが、」
    燐羽「仕事で共演した先輩から台本を譲っていただいたのよ。もし、いつ来ても良いように、練習しておきたいわ、あなたなら適役よ付き合って。」
    困りながらも、彼は付き合ってくれた。
    もちろん、そんなのは嘘。全て私が考えたストーリーだった。
    抱き合い、見つめ合って、キスをするシーン。
    彼は私の腰に手を回して、もう一方の手を絡める。
    彼は役に入り切っていて真剣な眼差しで私に訴えかける。私は既にドキドキとときめく。
    「ずっと、言えなかったんだ。でも、俺も覚悟を決めた。」
    私はいつでも言ってと目で訴え、黙って見つめる。身体が熱くなる。
    P「お前の事が好きだ!」
    Pは私に口づけしようと迫る。
    でもその一瞬、私は臆してしまった、
    燐羽「きゃっ、」と頭を後ろに少し下げてしまう。
    Pは困っている。
    少し間を置いて弁明する。
    燐羽「ごめんなさい、さっきのお芝居の話は嘘なの。私はあなたと、こういう事をしてみたかっただけ。だけど、いざって時に、お芝居でするのは違うって思ってしまったの」
    Pは笑った
    P「実は俺も仕事とは言え、出来れば見たく無いかもしれないって思っていました。でも、」
    私は心臓を射抜かれる。甘く瑞々しい音と共に、彼に唇を奪われた。顔が真っ赤になる。
    燐羽「不意打ちなんて、ズルいわよ…」
    Pはすかさず答えた。
    P「燐羽だって嘘ついたのでおあいこですよ」
    また顔が熱くなる
    燐羽「もう、、」

  • 76二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:35:17

    その31 燐羽と家
    燐羽の家のリビングで、出来る作業をしてしまい集中していた。
    風呂から上がった燐羽が近づいてくるのが、彼女の甘い香りでわかった。
    女性らしい胸の柔らかさと、少し湿った彼女の温もりが、俺の頭に当たる。その瞬間
    燐羽「まぁ、あなた、また仕事なんかしてるの?言ったでしょ、ここでは、仕事禁止よ。」
    と言うと俺の頭をかき乱した。
    振り向くとノースリーブとハーフパンツの燐羽は魅力的だった。
    歯を磨きながら、俺を睨む。椅子に座ったまま、手をあげ彼女の二の腕を触る。
    ほんのり冷たくて、すべすべもちもちの肌が気持ちいい。
    燐羽「なにが言いたいの?」
    と肘で頭を叩かれた。
    P「もう、やめますよ」
    燐羽「そ、お利口さんね。撫でてあげるわ」
    そう言って燐羽が優しく撫でてくれると、俺は安心できた

  • 77二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 00:44:41

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  • 78二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 00:45:59

    その32 燐羽と燐羽吸い
    燐羽「お帰りなさい、あなた。」
    燐羽の家に帰ると、食事の支度をしてくれていた。
    P「俺も何か手伝いますよ」
    と言うと
    燐羽「食器だけ用意して置いて頂戴、あとは、あなたがいると邪魔だから、お風呂にでも入って来なさい。もう、お湯は入れてるわ」
    と言われたので湯に入る。

    出て来ると支度は終わっていた。
    とりあえず、燐羽に抱きついて、
    燐羽吸いをして補給する。
    燐羽「もう、私は猫じゃないわよ、」
    と愚痴るが満更でもなくじっとしている。
    燐羽「さ、もういいでしょ、冷めないうちにいただきましょう」

    食事を終え、洗い物は俺がしたいと言うが、配置を変えられるのは嫌だと断られた。
    燐羽「あなたは、ここにいて、私の隣にいてくれるだけでいいのよ。」
    P「それ、男をダメにするんですよ、」
    燐羽「いいのよ、ダメになってくれて。その方が嬉しいわ」

  • 79二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 01:06:06

    今日も無事燐羽ニウムを摂取っと…

  • 80二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 01:20:24

    このレスは削除されています

  • 81二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 01:27:19

    その33 燐羽と大判カメラ
    燐羽「ほら、言ったじゃない?私の勝ちよ、なんでも言う事聞くのよね、」
    P「知りませんでした、」
    ラジオで世界遺産についてのクイズが出されて俺達はどちらが正解するかを掛けた。
    白神山地の問題で世界最大規模の面積を持つブナの林と言う回答だった。

    次の休みに宿を取り出かけることになった。
    観光名所の城下町を見回り、車で少し離れた場所にある。一棟貸しの古民家を改装した民宿に泊まる。
    夕方に到着し、チェックインと鍵の受け渡しをする。
    民家の広い庭には使われていない焼き物用の窯がある。その横に薪を置く棚。玄関を入ると床がギシギシ鳴る。左手に家族用の部屋が二部屋。向かいに現代的なキッチン、奥に居間があり、冬に使う囲炉裏が中心にあった。更に奥には、昔ながらの調理場があり大きな釜があり、今より奥に綺麗な浴室が備わっていた。
    内装は剥き出しの漆喰壁と、上等な木の骨組みで囲まれている。
    宿に付き居間でくつろぐ。
    夜には雑音はなく、少し開けた窓から風が吹くと、風鈴がキラキラと鳴り、どこから聴こえるすず虫のリンリンと歌う様な鳴き声とアンサンブルしていた。
    燐羽「ゆっくり出来そうね。」
    P「ええ、静かな場所なのでくつろげますよ。
    そういえば、店主の趣味で、大判カメラの記念撮影も可能だそうですよ、」
    燐羽「いいわね、それは。」
    夜。普段とは違う環境が解放感を与え、気分が昂まる。二人は口づけをして、とりあえずくっつく。
    夏から秋に変わろうかと時期、少しばかり涼しくなっていた。布団も最初こそひんやりとしていたが、それでも薄着の二人は汗をかいていた。
    燐羽「ねぇ、明日は記念写真を撮りましょう。」
    P「ええ、楽しみですね」
    二人の夜は過ぎる

  • 82二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 01:30:20

    このレスは削除されています

  • 83二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 10:56:11

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:37:08

    その34 燐羽と癖。
    見つめあうと四回瞬きする。
    一回目と二回目の間は「何よ」と照れながら、
    じっとりした目を、細めて言う。
    二回目と三回目は少し間があき、何も言わずに思考する様に、瞬きをする。
    三回目と四回目の間は長い。その間に手を繋ぐか、腕を組む。その後は、甘く潤んだ瞳になる。

    何か言い出す時。
    「ねぇ、」と声を掛ける時、
    左手で髪を耳にかける仕草をする。

    何かお願いをする時。妙にソワソワし出し、
    目がキョロキョロと焦点が合わなくなる。

    何かに喜んだり感動した時。手を繋ぎを大きく振る。
    興味の無い話は目線を合わせない。

    燐羽が甘やかしたい時は、俺の髪を触る。

    苛立つと何かに指を、トントンと叩く。

    頬を撫でると、頬擦りする。

    歩いている時に歩幅が遅くなると、
    寂しがっている時

    耳たぶを触るとアホ毛が揺れる

  • 85二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 19:11:13

    その35 Pと燐羽吸い
    帰ると、後ろから抱きついて燐羽の髪に顔を埋めて、肺いっぱい息をすると幸せに包まれるる。
    燐羽「もう、」と恥ずかしがりながら、
    手を添える。
    俺は言葉を加える。
    P「良い香りです、燐羽さん」
    燐羽の手に力が入り、
    燐羽「ちょっと、いい加減にしないと怒るわよ、」と言う。
    俺は、お腹と肩を抱きしめて耳たぶを触る。
    燐羽「それは、だ、めよ」と
    立っていられなくなり震えながら、燐羽に抵抗する力はなくなった。

  • 86二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 22:41:07

    その36 燐羽とソファーで
    ソファーの上、俺は燐羽の右隣に座っている。
    燐羽の服の中に手を入れる。
    ひんやりした、彼女の背中と下着が、手に触れる。そのまま肩甲骨を撫でる。
    少しずつ、体温が上がってくるのが感じた。

    燐羽は俺の頬を撫でる。
    しばらくすると、燐羽も俺の服の中に手を入れ背中を撫でる。
    燐羽「あなたの背中、あったかいわ」
    P「燐羽の背中は、ひんやりして気持ちいいですね」
    燐羽「うっさいわね、」
    燐羽に背中を摘まれる
    P「痛いですよ、」
    燐羽「ざまぁみなさい、」
    燐羽の腰に手を回し、こちらに倒れさせる。
    燐羽「きゃっ、いきなりやめてよ、」
    P「仕返しですよ、」
    燐羽「もう、」
    燐羽も自分の服の中に手を入れて、俺の手に重ねる、そのまま、しばらく、お互い寄り添い合っていた。

  • 87二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:30:23

    このレスは削除されています

  • 88二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:37:15

    その37 燐羽と四音
    俺と燐羽は二人で街を歩いていた。
    信号待ちで止まっていると、通りの向かいに
    一際オーラのある女性が見えた。
    燐羽は何か話していたが、そちらが気になって話が入って来なかった。
    信号が青になり、その彼女とすれ違う、俺はその彼女を視線が追う。
    人混みの中、彼女はこちらには気づかず進む

    横断歩道を渡り終えるとき、燐羽に顔を強引に燐羽の方に向けられた。
    燐羽は怒っている
    燐羽「他の女に目を取られないで、」

    P「いえ、すれ違った女性にすごくオーラがあったもので、」
    燐羽は黙ってじっとりと睨む
    P「いえ、なんでも…燐羽「白草四音…」
    P「はい?」
    燐羽は一呼吸置いて話始める。
    燐羽「彼女は白草四音。元極月学園出身で、姉は有名なトップアイドル。白草月花の妹よ。」
    P「あぁ、あの白草さんの、そういえば、燐羽も最初出会った時は、極月学園の生徒でしたね、」
    燐羽「少しの間だけど、彼女のレッスンも何度か、見てあげていたわ。ふふ、でも、今思うと、あなたのこと何にも知らなかった時期だったなんて、考えられないわね、懐かしいわ。」
    P「そうですね、自分でもそう思います。」
    燐羽「ところで、どうして白草四音を眺めていたのかしら、」
    P「いえ、すごくスタイルが良かったので、つい」
    燐羽「悪かったわね、出るとこ出てなくて!」
    バシッ

  • 89二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:49:06

    このレスは削除されています

  • 90二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:50:54

    その38 燐羽と四音2

    燐羽「彼女が今もアイドルをやっているのかはわからないわ。少なくとも、周りで名前は聞かないわね。私より、あなたの方が詳しんじゃないの?」

    さっきまで、ソファーで肩を並べて、話していたが、いつのまにか眠っていた。

    燐羽を抱えてベッドに運ぶ。
    燐羽の胸元に目が行く。
    P「燐羽はこれが可愛いんですよ」
    燐羽を寝かせると、俺は少し白草四音の情報を調べることにした。

    燐羽の言う通り、最近の活動は見当たらない。だが、意外な点での繋がりを見つける。
    P「白草四音さんは、有村麻央さんとの接点があった?」

  • 91二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 00:55:07

    また、明日から中編か長編くらいのを始めたいと思います、

  • 92二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 01:19:20

    毎度毎度、長い文を続けていますが、
    未だに前作含めて、沢山の方に読んでいただけて感謝です!
    日常に寄り添う燐羽様の風景を想像して楽しんで貰えたら嬉しいです。

  • 93二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 08:04:34

  • 94二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 18:03:23

  • 95二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 20:04:02

    その39 ある場所

    夜の街並みが輝き出す頃にその場所は開く。
    天川駅東口前にロータリー広場があり、その上が歩道橋が掛かり、下の隔たれた道に枝分かれして伸びている。
    その反対の西口には、赤煉瓦の道の商店街が直線上にあり、しばらく進むと閑静な住宅街が立ち並ぶ。
    商店街裏には、ある雑居ビルがあり、
    中には個人店のテナントがはいっている。
    その地下に貸しガレージ兼倉庫があり、そこは輸入家具店として使われている店がある。

    俺は雑居ビルの階段を地下に進む。
    カツンという自分の革靴で踏む足音が階段の上まで反響している。
    階段から、家具店に繋がる重い鉄の扉を開いて、ガレージに出る。
    地上に繋がるガレージがあり、その奥の倉庫には、多種多様な家具が並ぶ。
    扉はなく、開放されたその入り口を越える。
    気難しそうな老人の店主に、俺は声をかける。
    P「使い古されたモノほど、味のあるものはないな」
    店主は老眼鏡をくいっと持ち上げる
    店主「わかった風な口をききやがって。」
    と言うと、カーテンで遮られた店の裏口を開ける。入れと促された。
    その奥にはコンクリートの階段があり、そこを登る。鉄製の扉を開けるとビルの通路にでる。空きテナントの中に一つ、001という数字だけ書かれた扉があり、そこを開ける。
    中は細長いスペース。コンクリートの床と木製のバーカウンターテーブルとスタンド式の椅子。棚には厳選された種類の酒瓶が並ぶ。それ以外の無駄な装飾や正面は一切ない。光は席の上に、ほのかに橙色に輝くランプが、吊り下げられているのみ。看板のないbar「001」
    薄暗い店内に、影の中から声がした。
    「こんにちわ、プロデューサー君。君ならきっと来ると思っていましよ。」
    P「あさ…「もう…だめですよ、ここではその名前で呼ぶのは禁止ですからね」

  • 96二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 20:05:41

    少し仮眠取ってまた再開します

  • 97二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 22:58:07

    その40 ある場所2
    奥の席に着くと、俺はまず
    「シードルを下さい」
    と言った。
    「そんなお子様な飲みモノは、うちにはありませんよ、そうですねー、今日は白ビールがおすすめです」
    高く澄んだ声で歌うように言う
    P「残念ながら、今は気分ではないんですよ、カクテルはありますか?」
    「ええ、ベースは何がお好みですか?」
    ヒットした。
    P「果実酒にリキュールの女王とバイオレットを加えたものはありますか?」
    人影に少し沈黙があり、間を置くと答えた。「パッセンジャーリストならありますよ。」
    ここは、俺にプロデューサーのいろはを叩き込んでくれた恩師が密かに開いている情報屋だ。
    P「白草四音さんの今を知りたいのですが、」
    「彼女は今は地下アイドルをしています。彼女の噂はあまり、良いものではありませんが、どうして、彼女の事を?」
    ボトルを取り出し、メジャーカップに注ぎ、それらを手際よく混ぜ合わす。丁寧に破られた氷を、シェーカーに詰め込み、蓋をすると華麗な手捌きで振る。一定感覚に氷が擦れる音がする。
    ショート用のカクテルグラスが目の前に添えられ、注がれる。
    これを飲み切るまでに、聞きたい話を聞く必要がある。
    P「白草四音さんとはこの前たまたま、街ですれ違いました。俺は、彼女に目を引かれました。あなたのおかげで今や、数多くのトップアイドル達と日々出会って来ましたが、それでも尚、彼女は魅力的だと、俺の直感は感じたんです。」
    「悪い子ですね、あなたにはすでに、学園時代から手掛ける月村手毬さんと、それにあなたの恋人の賀陽燐羽さんがいるというのに」
    P「悪いことだとはわかっています。しかし、プロデューサーとしての、性なのかもしれません。魅力的な存在がいればやはり、俺は手掛けてみたい。」
    納得した様にふふっと笑った。
    「そうですね、彼女は普段はメイドカフェにいます、このお店にレギュラー勤務してるみたいなので、一度会いに行ってみてはいかがでしょうか?」

  • 98二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 23:28:26

    その41 帰宅
    Pから今日は帰りが遅くなりそうだから、先に食事をすませて下さいと来ていた。

    私は先に食事を済ませて、お風呂も全て終わらせた。
    燐羽「今日は会えないのね。」
    私はベッドに入り、休む事にする。
    彼が来るのはいつもではない。忙しくなるとお互い別々に過ごすことは今までもあったし、会えなくても我慢は出来た。
    だけど、なんだか今日はソワソワした。
    私が寝付けなくていると、日が変わる頃に玄関の開く音がした。
    私の胸は高鳴った。彼を出迎えに行く。
    燐羽「あら、おかえりなさい。遅かったわね。今何時だと思ってるのよ。」
    私は少し拗ねたように言う。
    P「燐羽、ただいま」
    言うなり、抱きついてきた彼は酔っていた。
    ああそう、と心の中で少し冷める。
    燐羽「ほら、しっかりして?スーツとシャツ脱がせて上げるから、じっとしていなさい。
    下は自分で脱いで。シワできないように掛けて上げるから早くなさい。」
    私はグラスに水を入れて差し出した。
    彼は感謝して飲み干すと下着のままで、眠ってしまう。さすがに私の力で彼を運ぶことは出来ず。彼をソファーに寝かし毛布を掛けてあげる。
    私も一緒に眠りたくて、客用の布団を出して来ると、リビングのテーブルを避け布団を引き彼をソファーから引きずり下ろして入れた。私も布団に入る。私はずっと彼に触っていたくて、頭をなでたり、ほほに触れたり、身体に触れたりした。
    燐羽「可愛い寝顔」
    私は安心した

  • 99二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 00:54:37

    その42 包容
    酔い潰れた姿の彼もまた私を惑わせる。
    誘惑されているかの様に、私の心の糸が緩む。
    燐羽「にぁあん」
    猫になって眠る彼に戯れる。
    頬を舐めたり、彼の手を頬に、首に、胸元に腹に、太ももに触らせたりする。
    頭を抱えてさせて、その中に収まる。
    明日も朝は早いけど、寂しい気持ちを満たしたいから、存分に味わう。
    燐羽「あなたが悪いのよ、私を寂しくさせるのが」
    手を絡めて体温を感じる。
    耳たぶを触らせて焦らされる気持ちを味わう。
    次第に私は彼の頭を自分の胸に寄せる。
    今度は私が彼の頭を抱えて撫でる。
    頭を寄せてみる。衝動に駆られ、
    彼の耳たぶに甘噛みする。
    しかし、反応の無さに虚しくなる。
    また、彼の頭を包容する。
    燐羽「はぁ…起きていて欲しかったわ」

  • 100二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 02:03:29

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  • 101二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 02:08:10

    幕間劇 人斬り燐羽
    月に一度の満月が真っ赤に染まる日、彼女は現れる。今日はその日。
    浪人「最近この辺りに"人斬り燐羽"って物騒な輩が出るらしいぞ」
    燕「ふん、眉唾物だな。噂なんぞ、所詮、噂に過ぎん。おい、貴様、少しここで待っていろ。私は倉本屋に用がある、すぐ戻る。」
    燕が商店に入ると遠くから叫び声が上がった。
    燕「おい、貴様何があったのだ!」
    だが、そこに浪人の姿はなかった。
    燕「おい!どこに行った!」
    月影に照らされる人影が道を繋ぐ橋の上に見える
    菫色の髪に両側に編み込み束た髪と白い蝶の髪留め同じ菫色に白い蝶の羽織りと、黒の小袖、白の袴
    燕「貴様か、最近巷で噂の人斬りとは」
    燐羽「えぇ、そうよ。あなたにも見られてしまったわけだから、仕方ないわよね、」私は鞘を向ける。
    燕「ふん、みくびられたものだな。」燕は鞘を握り、柄に手を添える。
    燐羽の元へ一足跳びで間合いの一歩手前に止まる。
    素早く鞘から刀を抜くと両手で上段に構える。
    一見無防備に見えるその型からは、一撃必殺の気迫が感じられる。一瞬でも臆すれば死がチラつく。
    死の境界線の間合いすぐ手前で相手の様子を伺おうとした刹那に覇気のある怒号と共に燕は踏み込む
    燕「チェストォ!!」
    彼女の勢いは予想より早く、その勢いのまま加速した刀身が私の頭上を捉える。
    ほんの僅かな瞬間で私は半身を逸らすと同時に相手に仕掛ける。燕は全く無駄なく空振った刃を切り返し、ニノ太刀を振り上げる。
    私はそれを狙っていた。燕の首筋に刃を捉えた時、私は感じた事の無い寒気を感じた。
    振り向くと、綺麗な黒髪の全身黒い装束、黒い布を首に巻いた中性的な男がいた。私はすぐにそちらに身体を向けた。燕は既に戦意は無かった。
    燐羽「あなたは、何者かしら?」
    相手は答えない。いくらか挑発してもまるで反応はない。私は少し間合いを詰める。
    一太刀で終わらせる。と決め、呼吸と動作のタイミングを相手に覚えさせた辺りでずらして斬りかかった。私は肩から斬り下ろしたが、重心を引いたことで、微妙に届かなかった。それに合わされ私は斬られた。
    燐羽「ここまで、ね」
    自らの最後を覚悟した。が生きていた。が
    燐羽「きゃっ、なによ!これ」
    私の装束はサラシ事斬られて胸がはだけている。あわてて必死に隠す。顔が赤くなる
    燐羽「もう、お嫁にいけないじゃない、誰かしらないけど、あなた、責任とってよね」

  • 102二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 10:48:22

    しゅ

  • 103二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 18:14:17

    ほしゅ感謝です、眠過ぎるので仮眠してから描き始めます、

  • 104二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 18:53:29

    こちらの2スレ目になりますが、今回も100番まで繋いで下さいまして、皆様ありがとうございます!
    前作から少し時間が経ち、初々しさから二人は少しずつ落ち着き、今回は長く知る中での可愛いさと、燐羽と同棲してる妄想を描いています。あと、個人的に描きたいシチュを描き出しています。

    それと今回、閲覧注意を忘れてしまいましたが、
    今描いてるストーリーは一応、後半重たくなるので予めご了承下さい、

  • 105二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 21:35:34

    楽しみ😊

  • 106二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 22:51:27

    その43 白草四音を尋ねて
    白草四音はすぐに見つかった。
    目当てのメイドカフェは、巷で有名スポットで、コスプレカフェ激戦区の通り沿いから裏手に入ったすぐにあるビルの二階にあった。
    通りでビラを配っていた子に話を聞いて連れて貰う。
    中はパステルカラーに配色された広い空間。奥にL字のカウンター席、と横にイベント仕様のお立ち台。とモニター。
    正面から右手前には団体用のソファー席。
    左手前には、四人掛け席が通路左右に二組ずつあった。
    カウンター席に通され、最初にシステム説明を受ける。俺は白草四音を指名した。
    すぐに彼女は俺の元に来た。
    白草四音「おかえりなさいませ。ご主人様。」
    上品に着こなされたメイド服に、上品な口調と立ち振る舞いは素晴らしかった
    俺は、その柔らかな物腰とは別に、彼女の瞳はの奥に、獲物を狩る様な、どこか値踏みするような感情を伺う。
    四音「まぁ、あなたは"あの有名"なプロデューサー様ではありませんか?どうして、この様な場末のメイドカフェ等にいらしたのですか?」
    芝居がかった言いようだ。
    P「あなたを探していました。白草四音さん」
    四音「この私をですか、ふふ、それは嬉しいですね。理由を教えていただけると嬉しいのですが」
    P「今からでも、あなたをプロデュースさせては、貰えませんか?」
    四音は店内に響く声で高らかに笑う。
    四音「これは、これは、あなたは、面白い事を言うんですね?でも、既にあなたは、あの有名な賀陽燐羽さんや、月村手毬さんを導いているではありませんか?今更、私など最早あなたには必要ないのでは?」
    真意を定める目で俺を探っている
    P「先日たまたまあなたを目撃しました。その時に、俺の直感があなたを求めました。その時は見失ってしまったので、改めてあなたを探してここに来ました。
    四音は少し軽蔑したように言う
    四音「あなた、意外と気持ち悪いですね。ストーカーですよそれ、あと店内でスカウトは迷惑なのでやめてもらえませんか?どうせなら、せめて、アイドルの時にでも、ライブに来てください。」
    俺は気付かぬうちに熱くなり、礼節を欠いている自分を省みる。
    P「確かに申し訳ありませんでした、今日は帰りたいと思います。また、改めて伺います。」
    俺は大人しく店を後にした

  • 107二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 00:09:56

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  • 108二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 00:12:21

    その44 ただいま
    俺の足は今日もBar"001"に向かう。
    俺はあの後、四音さんからライブのスケジュールだけは聞いてすぐにその時間のスケジュールを調整した。
    看板のないBar"001"。外から聞こえるくらいに、店内は騒がしかった。
    「だから、私は言ってやったんだよ、お前みたいな甲斐性なしに付き合ってやれる女なんか、他にいねぇからな!別れてから後悔しやがれ!」ってさ
    俺が扉を開けると、先日から馴染みになった面々が並ぶ。
    「おい、プロデューサー来るの遅ぇよ!、さっさと、座りやがれ!」
    「先日ぶりですね、」
    薄暗い店内に、店主の困った笑みが見えた
    「またフラれたみたいなんですよ、少し騒がしですがお掛けになって下さいね、」
    俺は誰もいない端の席に座ろうとすると
    「フラれたんじゃない!フッてやったんだよ!おい!プロデューサー!何しけた場所いてやがんだ!お前はこっちで私の話相手になるんだよ!」
    と言われ肩を組まれると強引に連れて行かれる。

    俺は今日も燐羽の家に泊めて貰う予定だった。
    しかし、今日もまた日が変わりそうだ。
    心苦しい。夕方まで燐羽の付き添いで、別れてから白草四音さんに会いに行き、そして、今まで。
    P「昨日の今日でまた酔っ払いか、燐羽になんて言われることか、」
    とぼとぼと歩く。燐羽のマンションのエントランスをくぐり燐羽の家に着く。
    静かに鍵を開けて、恐る恐るドアを開けた。
    リビングが明るい。
    P「まだ、起きているのか、」
    ゆっくり、リビングのドアを開ける。
    寝る用意をした状態で、ソファーで眠る燐羽がいる。
    俺は居た堪れなくなる。そっと、燐羽を抱き抱え、ベッドに向かおうと、すると寝ぼけた燐羽が目覚める
    燐羽「おかえりなさい、あなた、遅かったわね。」
    P「遅くなって申し訳ありません、寝ていて下さい。」とベッドに寝かせた。
    少し落ち着き、シャワーを浴びてベッドに向かうと布団の中で燐羽はまだ起きていた。どうやら目覚めて怒っている様だ。俺が隣りに入ると、
    燐羽「あなたから、他の女の匂いがするんだけど。どうしてかしら?」

  • 109二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 00:52:43

    もうこのスレないと生きていけない

  • 110二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 09:30:20

  • 111二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 11:27:27

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  • 112二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 11:28:25

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  • 113二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 11:33:21

    俺は白草四音さんのアイドルグループのライブを観に行った。動員は満員ではないものの、それなりには埋まっている。センターは四音さん。
    栗色の髪に赤いメッシュと、同じく赤のインナーカラー。サイドを三つ編みにして、赤いリボンを結んだ姫カットが特徴的だ。
    衣装のテーマカラーは赤と黒。
    黒いタイトなスカート。ロングブーツ。胸元はレースの赤のキャミソールのインナー。黒をベースに腕に赤のラインが入った、オーバーサイズ気味のダブルのライダースジャケットのようなデザイン。

    "彼女の"ステージパフォーマンスは圧巻だった。何も言う事はないだが、他の子達に個性がなく感じた。まるで、引き立て役かのように。
    ライブが終わり。物販を眺める。物販は大盛況でほとんど売り切れていた。
    彼女はお姫様の様にファンから扱いを受けている。だが、微かだが俺には、見えにくい部分でスキンシップをしているように見えた。
    グループだが、その全ては四音のファンで、他のメンバーは席におらず傍で立ち話をする具合だった。
    P「これが、アイドルグループ、といえるのか?」
    他の子達の動きはとても、バックのサポートと言えるレベルではない。明らかに実力不足だ。だが、なぜそんなグループを組んでいるのか?
    それが全くわからない。
    本来、あるはずの険悪なムードさえ感じず、単なる操り人形の様なメンバーに、俺は違和感を感じずには入れなかった。

    一度俺は外に出て、四音さんの帰りを待つことにする。

  • 114二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 12:46:29

    ↑その45 地下アイドル四音
    その46 ボトルネック
    ライブハウスの入口前。近くへ繁華街のネオン、雑音、客引きで溢れていた。物販は長かったが、ようやく裏口から四音さんが現れた。
    P「お疲れ様でした、四音さん。」
    四音「あら、あなたは…?あぁ、プロデューサーさんですね。まぁ、本当に観に来ていただけるなんて、思いもしませんでしたわ。
    どうでしたでしょうか?」
    四音は微笑む
    P「あなたはアイドルグループをしたいのですか?それとも、ワンマンショーをする為の引き立て役が欲しいのですか?」
    四音は嘲笑う
    四音「まさか。あの子達に、私を引き立てる能力なんてあるはずないじゃないですか?所詮、元極月の二流三流溢れでなんの結果も出せなかったあの子達に、私自らステージに上がれるチャンスを与えてあげているだけです。」
    彼女には傲慢や尊大と言う言葉がよく似合った。
    P「なら、あなたはなぜグループとして、アイドル活動をしているのです?一人でも良いではありませんか?言い方が悪いかもしれないですが、足手纏いを背負って出来る程楽なものではありませんよ。」
    彼女は少し苛立つように反論する
    四音「そんな事は分かりきっていますよ、ただ、あの子達に実力の違いを見せつけて差し上げているんですよ、ここまでくれば、これくらい稼げるようになると、」
    結局自分の力を格下相手に誇示しているだけにしか聞こえなかった。
    俺は考えた。彼女のオーラと相反する歪んだ性格について。何かが彼女を抑制させている気がした。そのボトルネックを解消必要がある。俺は彼女をさらに深く理解したくなった。

  • 115二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 14:13:44

    その47 ブルームーン
    今日も四音さんと別れ、その足でBar"001"へ
    廊下は静かで、今日はあの人は多分いない。
    俺は、店の扉を開ける。先客はいた。
    「あら、プロデューサーちゃんじゃない?」
    カクテルについているマラスキーノチェリーを色っぽく舌先に乗せている。
    「いらっしゃいませ、プロデューサー君」
    本来、酒はあまり飲めなかったはずなのに、豪快に飲むあの人と一緒に飲み始めてから、どうにもお酒の場の雰囲気というものの楽しさが自分の中に燻り始めている。
    P「おすすめでお願いします。」
    「ふふ、かしこまりました、」
    と言うと店主は青い月がデザインされたラベルのボトルビールを出す。
    「ブルームーンって言うんですよ、オレンジ風味で甘くほろ苦いビールです。一度瓶を転がして飲んで下さいね、」と手で瓶を転がす仕草をした。
    俺は瓶を一度転がし、グラスにビールを注いだ。
    「はぁい、プロデューサーちゃん。今日もお疲れ様。」と先客の彼女は、俺の隣に来てグラスを合わせ、お互い一口つける。
    「あなた、飲むようになったのね、」
    P「ええ、あなたの友人のおかげで、」
    なるほどと彼女は目を閉じて首を振る。
    会話がひと段落して、店主は俺に問いかける
    「それで今日は用があったんじゃないんですか?」
    そうだったと思い出す。白草四音の出来事について話す。店主は言う。
    「彼女は不憫ですよね。あの性格は仕方ないとも言えますし、仕方なくないとも言えます。君がもし本当に彼女をスカウトしたいのであれば彼女のその一面とまず向き合う必要がありますね。」
    P「随分と抽象的ですね。」
    「君ならきっと彼女の内面に辿り着けますよ。これは信頼の証です。」
    俺は四音さんについて、外面の情報からしか見れていない。もっと彼女の立場になり、考えねば彼女は見えてこないのだろうと推測した。
    隣りでグラスを傾けて話を聞いていた彼女が俺に話す。

  • 116二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 14:19:36

    その48 過保護
    隣りで話を聞いていた彼女は話す
    「無垢な子は可愛いわ。清く正しく、美しく。それは確かにそうよ。私だってそんな可愛い女の子食べちゃいたいくらいよ。でも、世の中そんな子達ばかりじゃない。初星の子達は清らか過ぎるとも言える、だから、歪な面のある子を見てあげるのも良い事だと思うわ。人生経験としてね。」
    俺の目を覗き込みそして、付け加える。
    「まぁ、わたしはあなたも食べてしまいたいわぁ。あ、そういえば、プロデューサーちゃん、あの子とはどうなの?当然、もう済ませてるんでしょ?」
    俺は苦い顔をする。彼女は驚く。
    「まさか、まだ何もしてあげていないの?
    あなた、馬鹿真面目過ぎるわよ、それ。」
    P「何もやってないわけでわ…それに、二人で話し合ってそこまでは、まだ、と決めたんです」
    彼女は呆れたと両手を挙げる。
    「あのね、プロデューサーちゃん、そんなわけ絶対ないわ。二人で一緒にいて、中途半端に昂らせられる程耐えられない事はないわ、あの子はとても素直で良い子よ、だから、あなたがそう言うならと"我慢"してるのよ。それって地獄よ。大事にしてあげるの良いけど、過保護過ぎるのは女性として見てあげてないって事だから、気をつけてね。」

  • 117二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 15:44:44

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  • 118二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 15:47:22

    その49 燐羽の妄想
    私は新しいダンスステップを習っていた。
    アルゼンチンタンゴ
    私は動画を観ながら、相手男性役をPに想い浮かべる。
    黒のスーツに胸ポケットには真っ赤なハンカチーフ
    私は背中がくっきり広がった黒の生地に太ももまで入ったスリット。紫色の刺繍糸で描かれた蝶鱗粉の様に散りばめられたビーズが輝くドレスを身に纏い、彼を見つめる。
    チェロの一音目が始まると同時に私たちは見つめ合いながら、距離を縮め、互いの背に、首に片手を添えもう一方は指を絡ませる。
    哀愁漂うバンドネオンの音色と共に、歩幅を合わせ滑らかにステップをとる。一方が外に広がると、一方は支え、また抱き合う。情熱的なターンと共に足を素早く上げ、軽やかに次のステップに合わせる。思いやりの中に二人の歩幅はあり。距離は心を通わせ合う。劇の中の二人の世界にあるのは、
    哀愁と情熱の間にある音楽だけ。
    私は彼を見つめる、彼は私を見つめる。
    自分の中の情熱を彼に捧げて舞い踊る。
    彼は優しく、力強く私を包む、彼が私に愛を注ぐ時、私はそれを真っ直ぐに受け止め彼を支える。
    物語はクライマックスに入る。チェロが哀しみを、ピアノが情熱を、バンドネオンが愛を歌う時、私達の感情はイデアの中にあるのを感じた。円を描き、二人は次の振りに移り易いポジションに手を足を移動する。
    この時だけは、普段奥手な彼は私に情熱的な視線を、愛を注いでくれた。私は恍惚に浸っている。もう数小節で曲は終わる。最後の最後のステップまで動き続ける。曲が終わるタイミングぴったりに足を止める。

    燐羽「いいわね。」

  • 119二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 20:48:24

  • 120二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 21:13:17

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  • 121二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 21:32:45

    その50 画策
    私は白草四音
    元961プロを始めとする幾つかのプロダクションが共同運営するアイドル養成学校。
    極月学園出身で今は地下アイドルグループと961系列のメイドカフェのNo.1を務めている。
    今や、トップアイドル等とは程遠い道を歩んでいた私だったが、それでもカモを掴まえて、私に貢がせるくらいは困る事はなかった。
    しかし、最近よくわからない奴に捕まった。
    それは、他でもない、一時的とは言え、同門で今やトップアイドルとなった賀陽燐羽を導いたプロデューサーだった。
    あいつは、私に昔恥をかかせた。その恨みが今になって返せるかもしれない。灰色に埋められた私の心に喜びの炎を灯してくれた。

    961プロ経営メイドカフェ"喫茶黒猫"
    控え室
    私は鏡に映る自分の髪を手入れしていた。
    四音「賀陽燐羽。まさか、今になってあなたに報復出来るかもしれないチャンスが訪れるとは…ふふ、生きていると想像もつかない事が起きるものですね。ねぇ、撫子。あなたにお願いがあります。」
    撫子はすぐに現れる
    撫子「はい、お姉様、何なりと申しつけ下さいませ!」
    私は撫子にメモを渡した。
    四音「さすがですよ。それでこそですね」
    撫子がメモに目を通す
    撫子「お姉様、さすがですわー!!あの賀陽燐羽もこれなら、顔がまっっさおに青ざめるでしょうね!!いまからぁ、その反応を拝めると考えると、たっのしみで仕方ありませんわぁ!!」

  • 122二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:04:43

    その51 すれ違い
    今日も燐羽の家に着くのは、日を跨ぐ時間に近かった。
    さっき受けた言葉が浮かぶ。
    大切にするのと過保護にするのは別だと。
    P「やはり、俺は燐羽に手を出すのが怖くて言い訳してるだけなのかもしれないな。」

    いつものコースで燐羽のマンションに向かう。通りにどこかで見た気がする人物がいた気がしたが、酔っているためどうでも良かった。
    家につくと、そっと鍵を開けて家に入る。
    今日は灯りは消えていた。
    寂しくはあったが、毎日付き合わせるわけにもいかないと納得する。
    シャワーを浴びて、ベッドに入る。燐羽の手が俺の腕を掴む。
    燐羽「また、遅かったのね。」
    燐羽の目が煌めく
    P「心配かけてすみません。」
    俺も燐羽の手を握る。
    燐羽と向き合い隣りに横になる。
    手を握る。
    P「今少し、必要な事があり、その為の情報集めをしています。毎晩帰りが遅くなりすみません。少しでも、燐羽の隣にいれたらと、いえ、唯の言い訳ですね。」
    燐羽は手に口づけをする。
    燐羽「そうね…でも、来てくれて嬉しいわ。ありがとう。」
    瞳を閉じると黙った。
    俺は、彼女の頭を少し強引に胸に寄せて、髪に頭を埋めた。
    額に口づけをする
    燐羽「そ。今日も、酔っているのね、」
    寂しそうな口調で短く切ると、
    俺の腕を払い除け背中を向ける。
    燐羽「今日はもう寝るわ。おやすみなさい。」
    P「え、ええ。おやすみ」
    少し歯車がずれた空気感のまま、二人はそのまま眠りについた。

  • 123二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:49:20

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  • 124二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:54:07

    その52 過去
    俺は四音さんの昔からの資料を集められるだけ集めに回った。そこで、彼女の姉白草月花さんとの確執や子役時代の内容が彼女の性格面の問題と結びついた。
    恩師が言っていた。彼女は不憫だったと、性格が歪んでしまうのも仕方がないと言えると
    P「彼女は能力に対して評価されにくい環境だった。姉の存在は大きく。比較されると霞んでしまっていた」
    だが、あの黒井さんは評価していた。だから、能力は確かなんだ。それでもひねくれた彼女は、もはや正攻法として、挑むのをどこか諦めてしまっている様な気がして来た。
    P「彼女は然るべき場所で、然る評価をうけずに成長してしまったんだ。だから、相手を蹴落とし、見下し、蔑み、自身の優越性を確保するしか無かった。だが、だからと言ってそれらは決して許されるわけではない。他人の努力を蔑ろにしていい理由にはならない。」
    俺は彼女にもう一度会い。説得出来ないか考えてみる。
    一度事務所に戻り情報を纏める。過去の記録、映像を漁る。その中で、有村麻央さんとの子役時代の接点も伺えた。しかし。やはり、彼女はそこまでの結果には至っていなかった。
    P「もったいないな。」
    俺は思ったことを口にしていた。
    きっと彼女は姉の月花さんや、星南さん、燐羽や手毬さんにも並ぶ能力はあるはずだと俺の直感が告げる。
    P「やはり、もう一度彼女と会いたい」
    時計は日を跨ぎそうだった。そろそろ帰ろう。
    P「今日は飲んでいないし、燐羽は許してくれるだろうか?」
    と帰りの支度をして、燐羽のマンションのコースを辿る。もう100メートル程先にマンションが見えた。
    不意に後ろから何者かにハンカチで鼻と口を抑えられた、咄嗟に振り払おうと、俺は姿勢を落とし勢いよく肘を後ろに振った。恐らく溝落ち辺りに当たり、呻めきながら相手は崩れた。
    しめたと抜け出し逃げようと試みたが薬品を嗅がされていたのか、視界がぼやけ眠気が襲ってきた。俺はそのまま意識を失う

  • 125二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:28:24

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  • 126二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:30:29

    その53 いつものように
    いつもの決まった時間のアラームと共に私は目覚めた。いつもと同じようにベッドから手を伸ばし横着にカーテンを開く。
    あくびと共に大きく伸びをして起きる。
    燐羽「はぁ…誰かのせいで、最近夜更かし気味だったから眠いわよ。ほら、起きなさい。あなた、朝よ」
    私はいつものように、隣で寝るPの身体に手を伸ばした。だけどその姿は無かった。
    燐羽「P?」
    私の頭は一気に目覚めてフル回転する。
    燐羽「昨日彼は帰ってきたかしら?」
    そういえば、物音で目覚めた記憶はない。
    寝入ってしまったからと思ったが、そもそも帰って来ていなかった?私は急に不安になる。
    どうして?なぜ?どこに行ったの?
    スマートフォンを手に取る。Pからの連絡は無かった。
    私は目眩がして気分が悪なった。胃の中のものが溢れてきて、トイレに駆け込む。
    血圧が下がり貧血の様な症状に見舞われる。
    燐羽「どうして?どうして?どうして?」
    私は涙が溢れてくる。不安で身体がブルブルと震え出す。何も考えられなくなる。
    燐羽「まず何をすれば良いの?」
    彼に頼ってばかりだったんだと気づいた。
    目眩が酷くて立ち上がれなくて、しばらく伏せていると、スマートフォンが鳴った。
    私は全身に力を入れて、電話を取る。
    慌てたような声で呼びかけられたのは十王星南だった。
    星南「燐羽。今、大丈夫かしら?」
    私は彼でないことに更に落胆した
    燐羽「なに?」
    あからさまに不機嫌に答える。
    星南「お義兄さま、Pと連絡がつかないわ。そっちにいるかと思ったのだけど?どうなの?」
    燐羽「あなたが、どうして、こんな朝早くから、Pの連絡を気にしてるの!しらないわよ!目覚めたけど、、目覚めた、けど、Pは…Pは…いない、の…」
    私はまた涙が溢れてきた。
    燐羽「どうして?、ねぇ、どうしてよ!!どうしていないの!?」
    星南「ねぇ、ちょっと、落ちつきなさい!燐羽、今そっちに行くから、少し待っててちょうだい?わかった?すぐ向かうわ!いい?待ってなさい!」

  • 127二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 01:56:15

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  • 128二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 02:02:51

    その54 ゲーム
    十王星南との連絡が切れた後、すぐまた電話が鳴る。それは非通知の番号。普段は取らないが今は取る必要があると思い、私電話に出た。
    女の冷ややかな声が聞こえた。
    「ご機嫌よう。賀陽燐羽さん。」
    どこかで聞いた声。だがすぐに出てこない。私はか細い声で答える
    燐羽「だれ?」
    舌打ちが聞こえた。
    「残念。私をお忘れですか?まぁ、仕方ないですね、あなたはもうトップアイドルとして私等とはもう住む世界の違う方なってしまったのですから、」
    柔らかく嫌味のある言い方で思い出した。
    燐羽「あなた、白草四音ね」
    声が明るくなったが芝居じみて答える
    四音「まぁ、憶えていただけていて光栄です!燐羽様!」
    燐羽「ふざけないで、なぜ今更私の…四音「あなたのプロデューサーさんですが…」
    身体が緊張する。
    四音「一体どこに行かれたのでしょうか?」
    また胃の中のものが込み上げてくる。怒りが滲み出る。
    燐羽「あなたが、どうして、そのことを?」
    四音「おぉ、怖いですね。あなたには昔。忘れられない思い出をいただきました。なので、それをあなたにも、味わっていただきたいと思いましてね。」
    声が鋭くなる
    四音「今あなたのプロデューサーさんは、ある場所に大切に預からせていただいています。身の安全は保証いたしますので、ご安心ください。ただし…」
    四音は一度区切る
    「今から、あなたにゲームをしていただきます。これは私から与えるチャンスなので、断っても良いですが、あなたにとってメリットはないでしょう。この通話後、三日以内にあなたにはプロデューサーさんの居場所を、あなた自身で見つけて貰います。その際、警察などに口外された場合、あなたにとって最悪の事が待ち受けているとお思い下さい。この電話は使い捨ての為逆探知等は不可です。この通話の後、あなた宛にメールをお送りします。そのメールには改めてルールと、あなたのプロデューサーさんの現在地から見える写真を送りますので、そこから場所を見つけて下さい。制限時間は72時間。見つけられない場合も同様に、あなたに不運が訪れるでしょう。それと、ゲームをもっと楽しめる様に24時間置きに私の連絡と素敵なプレゼントがあなたのお家に届きますので楽しみにしていて下さいね。
    もう一度、申し上げますが、あなたが下手な事をしない限りプロデューサーさんの身の安全は保証いたしますので。それではまた」

  • 129二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 02:16:42

    描き進めたかったですが、眠いので今日はここまでにします!

  • 130二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 02:19:18

    いつも濃厚な燐羽スレをありがとう
    おやすみなさい

  • 131二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 09:29:40

    その55 拉致
    すぐにスマートフォンにメールが送られて来た。私は開く。
    【ルール】
    ・公にしてはいけない。
    ・公的機関に告げてはいけない。
    ・72時間以内に居場所を見つけなくてはいけない。
    注意
    尚、もし、どれかを違反した場合、プロデューサーの安否は保証できません。
    ただ、今はまだ大丈夫らしいと言うことで、
    少し安心した。そして、添付されたファイルを開く。写真だと言ってたけど映像だった。
    どこか高い場所。山が見える。周りに商業ビルやビルが密集しているが都会には見えない。太陽の向きはわからない。他に特徴的な何かは…?
    と考えていると、場面が変わった。
    どこかの部屋。床や壁に白いシーツが貼られていて内装がわからない。
    彼は車椅子に項垂れて点滴を打たれ座っている。
    その後ろに、女がいる。白草四音は不敵な笑みを浮かべてプロデューサーの背後から腕を伸ばし抱きついている。少し屈んで彼の頬に口づけをした。
    私は息が苦しくなる、過呼吸気味に息を小刻みにする。身体が震えてくる。多分、彼女の狙いは、私からPを奪うこと。そんな気がした。私は意識が遠くなった。

    「起き…!燐羽!しっかり…!」
    誰かの声が私の名前を呼ぶ。私はPを想った。なんだ、やっぱりいるんじゃない。あなた。
    私は大きく揺さぶれる、また名前を呼ばれる。今度はしっかり聞き取れた。
    「しっかりしなさい!燐羽!起きて!大丈夫なの!?」
    燐羽「十王さん?」
    私は自宅のリビングの床に倒れていた。
    十王星南さんが家に来ていて心配そうに私を支えている。
    星南「何があったの?燐羽、大丈夫?」
    私は十王さんの手を掴むと再び涙が溢れる。
    う゛ぅ゛と声にならない声をあげて彼女に抱きつく。
    悪い事ばかりが頭に過り、もう会えないんじゃないかと不安になる。彼と会った最後の日、酔っていたのに拗ねて、彼を拒んでしまった事を、私は今酷く後悔した。
    星南「一度、深呼吸をして、少しずつでいいから、何があったか教えて頂戴。」
    十王さんは背中を優しく摩ってくれている。

  • 132二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 11:19:25

    コミュ見返してみたら四音のプロデューサー呼びが「さん」づけじゃないのを見落としていました。ので以降修正します。失礼しました、

  • 133二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 12:56:39

    幕間劇 山中遭難
    燐羽
    私がまだ初星学園高等部に入る前の話。

    男はコンパスを片手に、山中の道のない道を先を通れるようにし、枝に辺りの落ち葉を目印として巻きつけている。
    燐羽「ねぇ、私達はどこに向かっているの?」
    ハイキングコースを一人歩いていた私は、
    道を間違えて、迷ってしまった。電波は圏外。その上、足元の段差に気付かず足を挫いてしまい、身動きが取れずに、助けを呼んでいた。それを聞きつけてか、山中の茂った草や木の枝を掻き分けて男は現れた。
    男は私の足首に触れると、リュックにあった包帯で足首を固定して、丈夫な木の棒を組み合わせ、サバイバルナイフと布で加工して簡易的な松葉杖を作ってくれた。
    男は登山用のレイヤーを着込み、マウンテンパーカーに、カーキ色のカーゴパンツと山岳用のブーツを履いている。一見兵士の人かと思う体格だが、髪や整った顔立ちは中性的で美しく、黒縁のメガネは理知的だった。
    陽が傾き、辺りは暗くなって来た。気温も随分冷えて来た。私は寒さを感じる。
    P「そろそろ野営の準備をしましょう」
    初めて声を聞いた。落ち着く声色だった。
    男はリュックにコンパクトに折り畳んでいたテントを広げ、隙間にラップを結ぶ
    水分確保の装置を作り、リュックに詰めた食料と水を私に分けてくれた。
    テントの中で見知らぬ男と二人きり。普通なら怖いと思うけど、森の中で一人寂しいるよりはずっと心強くて安心した。
    燐羽「ねぇ、あなたは何者なの?」
    男は必要な事以外何も話さなかった。
    彼が持つ寝袋を私に与えてくれた。
    彼はそのまま横になる。ランタンの光が消え、夜の闇と獣や鳥達の鳴き声がどこからか響く。経験したことのない環境に怖くなる。
    真っ暗な闇の中、私は彼の気配に声を掛ける。
    燐羽「ねぇ、怖いわ」
    彼は手を出す。私はそれを握る。それだけで緊張がほぐれ、いつしか周りの音にも気にならず眠りについた。
    テントからもわかるくらいに明るくなり、鳥の声が聞こえ私は目覚めた。
    彼はいない。
    私は一応自分の荷物を背負ってテントを開けて外に出る。
    道標の様に黄色いリボンが枝に巻かれていた。
    私はそれを辿って行く。しばらく歩くと私の知るハイキングコースに戻っていた。
    結局、そのあと彼の姿を見ることはなかった。
    あの男は何者だったのだろう

  • 134二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 16:15:58

    このレスは削除されています

  • 135二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 16:17:40

    このレスは削除されています

  • 136二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 16:20:13

    その56 励まし
    私は十王星南に起こった事を説明した。
    彼女は私の気持ちが落ち着くまで、身体を支えてくれていた。ずっと涙が頬を流れる。十王さんが情報を整理する。
    星南「午前8時。それが24時間の周期ね。
    彼が手掛けるあなた達の数日間のスケジュールはこちらで一度、再調整させて貰うから、安心して。ただ、私はどうしても動かなければならない。手を貸せる範囲では、当然、協力するけれど、私までスケジュールをキャンセルするとなると、さすがに世間は何かあったんじゃないかと思われるかもしれないわ。」
    彼女は私を抱きしめ、頬の涙を拭ってくれた。見つめると、優しく厳しく私を励ます。
    星南「悲しいのはわかるわ。私も同じ気持ち。でもね、燐羽。Pはあなたを選んだわ。そして、白草四音もあなたを指名してる。だから、あなたが気持ちで負けてしまったら、間に合うことも間に合わなくなるかもしれない。だから、落ち着いて。大丈夫、あなたなら出来るわ。さぁ、一度考えてみましょう?今何が出来るのか」
    私は気持ちを取り直して、ネットで地図を開く。情報に一致する場所を探す。都心ではないとするならば、沿線沿いのどこかのはず。山が見える位置ならば、さほどここから遠くはないだろうと絞る。
    私はふと口にする
    燐羽「四音の居所から探すのはどうかしら?」
    十王さんは一度考える
    星南「そうね。映像にPと共に映る彼女の姿があったわけだし、恐らく二人は近くにはいるのでしょうね。でも、わざわざ部屋を加工しているのなら、別の協力者がいる可能性が高いんじゃないかしら?そうなれば、白草四音よりやはりその場所を見つける方が確実と思う。一応私は白草四音、彼女の動向をチェックしておくわ。」
    十王さんは腕時計を見る
    星南「悪いけど、私はそろそろ事務所に行かなくちゃ行けないわ。事務所でも、Pの事を調べて何かわかればあなたに連絡するわ。」
    彼女はまた私を抱きしめる。顔を向き合うと彼女の頬には涙が流れている
    星南「悲しいけど、私は選ばれなかったわ。
    だから、燐羽。頑張って。私も出来る事は手伝うから。さっきも言ったように、白草四音の動きについては私にまかせてね」
    と告げると十王さんは去って行く。
    彼女の哀しみと気丈さを併せた背中を見て私も気持ちを立て直した

  • 137二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:30:20

    頭がくらくらする。
    目を覚ますと真っ白なシーツが貼られた部屋に居た。蛍光灯に反射した光が俺の目を刺す。
    俺はベッドに寝かせられ、点滴を打たれている。
    「お目覚めですか、プロデューサー。」
    頭が働かず声の主を探す。
    顔を起こすと、足元に上等な木製の椅子と肘掛けテーブルがあり脚を組む白草四音がいた。
    P「四音さん…」
    白草四音は微笑みを浮かべながら、席を立ちこちらに近づく。俺の頬を撫でる。
    四音「あなたには申し訳ないのですが、今、ある大切なゲームの賞品になっていただいています。あなたが今いる場所を、時間以内に見つけ出せるかと言うものです。」
    P「監禁ですか?犯罪ですよ、」
    白草四音は笑う。
    四音「まぁ、心外ですねぇ、あなたは道の途中に倒れていて、私はあなたを病院に運びました。今はあなたの体調が落ち着くまで、一旦私の家に泊まっていただいているだけ。一応、あなたの無事は伝えていますよ、賀陽燐羽"様"にね、」
    俺は白草四音を睨む
    P「燐羽は関係ないでしょう」
    彼女は冷たい視線を向ける、
    四音「いいえ、違いますよプロデューサー。
    あなたが関係ないんですよ。あなたはただ私達の問題に巻き込まれただけ」
    四音は続ける
    「極月時代に彼女にはお世話になりましてね。そのお礼を今お返ししている最中なんですよ。」
    P「つまり、俺を人質として燐羽を脅迫していると?」
    彼女は答えない。
    四音「あなたは…私をプロデュースしたい。と言って下さいました。」
    俺の顎を持ち上げ見つめ、微笑む
    四音「その気持ちが本心か、確かめさせていただこうかと思いましてね。」
    四音「今、賀陽燐羽には制限時間を設けて、あなたを探して貰っています。時間は72時間。
    今は12時間程過ぎましたので、後60時間になりますか。それが過ぎると、あなたを私のモノにしてあげますよ。途中で彼女が諦めたり、世間に公表しても同じこと。それまでに見つける事が出来れば、無事にあなたを解放すると約束しましょう。それと、24時間毎の経過であなたの身につけている物を、彼女にプレゼントとして贈らせていただきますのでご理解ねがいますね。
    その間あなたには、ここにいて貰います。お手洗いはこの部屋の左手の扉にあるのでご自由にお使い下さい。では、お食事をお持ちしますので少し待っていて下さいね。」
    と言うと彼女は部屋を出て鍵をかけられた。

  • 138二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 18:47:56

    ↑その57 因縁
    その58 みんな
    リビングで呆然とする。何の成果も得られないまま一日が過ぎた。涙が枯れ尽きて目は腫れ、クマが酷い。十王さんからの連絡では、四音が働くカフェから四音は帰宅したらしい。家のベルが鳴る。
    エントランスのモニターを見るとことね、清夏と手毬、それと麻央先輩がいた。
    私はロックを開け、彼女達は家にやってきた。
    清夏「やっほ〜燐羽っち!遊びに来たよ〜」
    麻央「一人で大丈夫かい?何か不自由じゃないかと思ってね。」
    手毬「りんはの落ち込んだ姿なんて、私は見たくない!」
    ことね「燐羽元気かぁ〜?来てやったぞ〜、今の燐羽じゃ、手毬の保護者は荷が重いだろうしねぇ〜」
    みんなが気遣って私を一人にしないように来てくれたらしい。
    私は力なく清夏に寄りかかる。
    清夏「燐羽頑張ったね〜よしよぉ〜し」
    清夏は肩を抱き頭をポンポンと叩く。

    麻央「ちゃんと食べているかい?今から食事を作ってあげるからね。休めていないなら、今のうちに眠るといいよ。」
    ことね「あたしも手伝いまぁす!」
    清夏「あたしは燐羽を落ち着かせてあげるね」
    手毬「私もりんはと一緒にいる!」
    燐羽「ありがとう。みんな」
    暗い絶望感にあった気持ちが、少しだけだけど楽になった。私は張り詰めていた疲れが押し寄せて来て、少し休ませてもらう事にした。
    燐羽「ありがとうみんな。お言葉に甘えて休ませて貰うわね、」
    清夏は手を握っていてくれた。手毬は私の隣で一緒に眠る。

    食事が出来たとことねが知らせに来てくれる
    ことね「手毬はなんで燐羽と一緒に寝てるんだよ!」
    みんなで食事を済ませると、ことねと麻央先輩は先に帰る。
    ことね「星南プロデューサーからの言伝なんだけどさ、燐羽もし明日事務所に来れそうなら、来てくれないかな?勿論、無理はしなくていいしさ、星南先輩もずっと燐羽の事気にしてて色々考えてくれたみたいだよ!じゃあまったなぁ!」
    麻央「僕も色々と思う事があるんだ。君の助けになれる事はしてあげたい。だから、決して一人で抱え込んで悩まないでくれたまえ。じゃあ、またね」
    と二人は去っていく。
    手毬は私と同じく数日の休暇に入り、清夏は休みだからと、一晩一緒に居てくれることになった。私は今日はリビングのテーブルを避けて三人川の字で眠る事にした。

  • 139二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:11:05

    その59 プレゼント
    朝になった。
    四音からの連絡があると言う、時間までに準備を済ませる。
    手毬と、清夏は横で様子を伺う。
    時間通りに彼女から連絡が来た。
    四音「おはようございます、賀陽燐羽さん。昨日はよく眠れましたか?」
    嫌味にわざと煽る様な言い回しだった、
    燐羽「ええ、おかげさまでね。そんな事よりなんの連絡かしら?」
    四音「ええ、あと48時間になりました。もうそろそろ、約束の品がそちらに届くと思います。」
    と言い終わる前にベルが鳴る。
    四音「おや?そちらに届きましたかね?一度、受け取っていただいてよろしいですか?」
    私は保留にしてその通り荷物を受け取る。
    綺麗にラッピングされた箱を破り開ける。
    燐羽「いったい何がはいっ…」
    それはPがいつも身につけている腕時計だった。
    私はトイレに駆け込む。
    清夏「大丈夫!?」
    清夏は背中を摩ってくれる。
    手毬が水を持って来てくれた。
    手毬「なにこいつ!絶対許せない!」
    清夏「ヤバすぎ、めちゃサイコじゃん」
    私は落ち着かせて、気を強く持ち再び電話に出る
    四音「如何でしたでしょうか?喜んでいただけました?」
    燐羽「なんのつもりかしら?」
    四音「もうすぐ過去の人になる、あなたの大切な方の思い出の品です。せめて、あなたに贈って差し上げようかと思いましてね。ふふ。今のは半分冗談ですが、半分は本当です。どちらにせよ、後、48時間。早く見つけて下さいね。また、そちらに画像をお送りいたします。では、また明日」
    切れると、メールが入る。通りの道の様だ。時期ではないが、桜の木らしかった。燐羽「桜の木…」
    清夏「あたしと手毬っちも今日は探すの手伝うよ!」
    手毬「昨日ことねが事務所に来てって言ってたんでしょ?今からなら行こうよ」私は確かにと思った。
    燐羽「ええ、そうね。行きましょ、」

  • 140二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 20:13:21

    その60 捜索
    事務所は慌ただしかった。
    Pがいない事で私達のスケジュール調整や諸々の手間をかけていたのが目に見えた。
    星南「おはよう、燐羽。大丈夫かしら?」
    肩を抱くと、私の様子を伺う。
    燐羽「ええ、心配をかけたわ。ことねから聞いて来たのよ」
    星南「そう。それは良かったわ。すこしこちらに来て頂戴。」
    会議室について行くと、
    そこには咲季お姉ちゃん、佑芽、広がいた。
    咲季「来たわね!燐羽!私がついてるんだもの!安心なさい!!」
    燐羽「咲季…お姉ちゃん、」
    佑芽「匂いを辿ったり、見回りするならまかせて!!」
    広「分析するのは、得意。だから、心配しないで、ね」
    燐羽「佑芽、広…」
    後ろから、十王さんが私の肩に手を置く
    星南「美鈴と千奈、リーリヤにも別に動いて貰っているわ。だから、必ず見つけ出せるわよ」
    清夏「燐羽っちモテモテじゃん」
    手毬「これだけいれば大丈夫だよ!!、りんは!!」
    燐羽「ありがとう。みんな、」

  • 141二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 21:13:20

    その61 妄言
    真っ白な部屋の中では時計も、
    スマートフォンも何もなかった。
    時間になるとやってくる医師の検診と、四音さんが食事を運びに来る時に受ける報告以外に俺はやることはなく。気付けばほとんどを眠っていた。
    目覚めると四音さんが俺を覗きこんでいた。
    四音「おはようございます。もうすぐで残り24時間になります。プロデューサー、今回、無関係なあなたを巻き込んでしまった事お詫びします。あなたがここにいるのも、どちらにせよ今日が最後です。なのであなたに聞いておこうと思いました。何故私をスカウトしたいとお考えになったのですか?」
    四音さんは先日までの邪悪さや刺々しさが少し和らぎ、真っ直ぐな目になっていた。
    俺は最初のきっかけを思い出す。
    P「最初はたまたま、あなたを道で見かけただけでした。通りすがった時、あなたのオーラは遠目からでもわかりました。だから、きっとあなたは磨けば必ず輝ける存在だと、その時思いました。」
    P「それから、俺はあなたを調べました。恥ずかしながら、初星学園在籍時N.I.Aで俺はあなたを詳しく調べていませんでした。最近になり、様々な場所からあなたを調べて行くうちに。一つの疑問に結びつきました…」
    四音「それは?」
    P「あなたの姉"白草月花"さんの存在ばかりが注目され、あなたの評価は著しく低かった。結果が良くても、悪くても評価されていなかった様に。俺は思いました。どれだけ努力しようと、一心に能力を磨こうとも評価を得られないあなたを。次第にあなたは、自らの価値を他責する様になり卑屈になっていった。他人の評価を下げて自らの支配出来るグループを構築して、自分を守る世界を作ろうとしていた。そんなふうに感じましました。」
    そこで俺は一度区切る。もっと否定や逆上するかと思っていたからだ。
    だが、白草四音は静かに俺の妄言を聞いていた。思った事を口にしてみる。
    P「意外ですね、俺の想像では、もっと感情を露わにされるかと思ったのですが」
    四音さんは自嘲気味に鼻で笑った。
    四音「たしかに、あなたの言う通り昔のボクならそうだっただろうね。姉の存在によって劣等感の塊だったから。」
    四音さんの口調が変わる

  • 142二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 21:50:16

    その62 001
    麻央「付き合わせてすまないね、莉波。」
    莉波「いったいどこにいくの?」
    ボクと莉波は星南から聞いた場所に向かう。
    それは天川駅西口に伸びる商店街の一つ向こうの筋にあるビルだった。

    100プロ事務所
    麻央「ねえ、星南、少しいいかい?」
    星南「あら?麻央、どうかしたの?」
    麻央「あぁ、白草四音のことなんだけど、」
    星南は思案する
    星南「わかったわ。場所を変えましょう。」
    会議室
    星南「それで、話って何かしら?」
    麻央「君は燐羽や手毬のプロデューサーをよく知っているんだろう?そして、今回その彼が四音を調べていたって話も聞いたよ。」
    星南はボクが言おうとする事を察したのかいつになく険しい表情になる
    麻央「彼はもしかして…」
    星南「ええ、そうらしいわ。だけど、今それは難しい決断になってしまうわね。」
    麻央「どうにかならないかな?仮に、例えば、彼女がフリーになったとしたらどうだい?」
    星南は眉間に指を当てて考える。
    星南「私は、そこまでは彼の情報を掴めなかった。だけど、彼が情報を集めていた場所ならわかるわ。一度そこで尋ねてみてはどうかしら?」

    ビルの地下にある輸入家具店。
    店主に通して貰い、階段を登った先の通路にある一軒の店に辿り着く
    "Bar001"
    麻央「ここらしいよ。莉波。」
    莉波「こんな場所があったのね、」

  • 143二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 21:53:06

    今回も本当に考えてた以上に
    文章長くなって申し訳ないです!
    長編"白草四音編"ももうすぐ終わりますので、
    無理なくゆっくり読んで貰えたらと思います!

  • 144二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 22:28:23

    その63 四音の独白
    四音「はい、水さ。水分を何もとって無かっただろ?」
    四音「そうそう、続きだったね。」
    四音「燻る程度の足掻きなら今のボクでも出来る。だけど、今更、大きな舞台で夢を描くなんて大それた事を望むには、あまりにも人の夢を潰し過ぎた。そのくらいの事は流石にわかるよ。でもあなたがボクをスカウトしてくれた時、ボクは嬉しかった。初めて人に認められた気がしたんだ。961プロの黒井社長はなんだかんだ良い人さ。でも、同じ所属の姉がいるとみんなの目は当然そちらに映る。卒業して尚、結果を出せないボクにあてがわれたのはメイドカフェのメイド長。
    このボクがだよ。笑っちゃうよ。まぁ、それなりに役割をこなして成果は出した。でも、このまま芽が出ずにグループにしても、あなたが言ったとおり、独りよがりな物をこさえて中途半端な人気でチヤホヤを演じて引退するくらいなら、この辺りで自分の幕を閉じるのも悪くないかなって。実際燐羽への復讐は本当だし。
    まぁ、正直今となってはその気持ちすら、どうでも良くなってしまったんだけどさ
    君が本当にボクを認めてくれるならさ、一緒に落ちてよ?賀陽燐羽みたいに、今から陽の下なんかに立てやしないボクと一緒に。さ。これがボクの最後だよ。じゃあね」
    四音「あなたと話せて良かったよ、ただの独白だけどね。ありがとう。」
    そう言うと鍵を掛けて部屋を出て行く
    P
    "俺は彼女を止めようとしたが、睡眠薬をいれられていたらしく意識が朦朧とし、そのまま落ちてしまった"

  • 145二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 23:19:55

    その64 終幕1
    最後の朝の連絡から広が逆探知してくれたおかげで場所を特定出来た。
    リーリヤと美鈴は二人でメイドカフェに行き四音の同行を探ってくれていた。
    どうやら、退勤の時だけ、スタッフが四音に変装していたらしい。
    千奈は点滴から医療関係を洗ってくれていた。最近、定期的に点滴を変えに行く訪問医は絞りやすかったみたい。
    それらの裏付けから一致した場所に私は赴いた。
    四音のマンションエントランス
    燐羽「白草四音いるのでしょ?開けなさい。」
    私は彼女の家の前にいく。鍵は開いていた。通路を抜けリビングに出る。四音は待ち構える様にソファーに脚を組んでいた。
    四音「さすがですね、賀陽燐羽。待っていましたよ。」
    燐羽「あなたの工作は全て見破ったわ。もう、何もないんでしょ?さっさとプロデューサーを解放しなさい。」
    四音「あなたのプロデューサーなら、寝室で眠って貰っていますよ」私は睨む
    四音「ふふ、勘違いしないで下さい。ただ、眠っているだけです。元々、彼に危害を加える気はありませんでしたし、」私は、鍵を開けて中に入る。

  • 146二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 23:21:37

    その65 終幕2
    燐羽「外にみんないるわ。変な事しないでね」
    寝室でPは眠っていた。点滴はもう無かった。私は安心して彼の元に駆け寄る。
    燐羽「起きなさい、ほら、早く帰るわよ?」
    私がなんど呼びかけても彼は目覚めない。
    燐羽「ねぇ、どうして?ほら、早く目覚めなさい!」
    身体をゆすったり叩いたりしても目覚めない。四音の元に駆け寄る
    燐羽「ちょっと!どういうわけ?どうして起きないの?」
    四音は表情をぴくりとも動かさず、私を眺めて言う。
    四音「先程睡眠薬を飲んだばかりです。しばらくは眠っていますよ。それに、彼にはちゃんとしたお医者様に診ていただいていました。健康の心配にはおよびませんよ」
    「ゲームはあなたの勝ちです。さあ、早くプロデューサーを連れて行ってあげて下さい。」
    燐羽「ちょっと、なにその無責任な言い草は?あなたのせいでどれだけの人に迷惑がかかったかわかっているの?」
    四音「ええ、ですから私はクビになりました。」
    燐羽「は?」
    四音「私は961プロから解雇されました。」
    私は怒りの矛先がわからなくなる
    燐羽「なんて、勝手なのよ、あなた。」
    私は彼女の頬を打ちたくなったが堪える
    四音「どうぞ打ちたければ、お好きなように。私は特に訴えも脅したりもしませんし」
    四音「さぁ、早くおかえり願えませんか?」
    燐羽「あなたね、」
    麻央「燐羽、少し待ってくれないかな、」
    玄関から麻央先輩、莉波先輩と、十王星南が現れた

  • 147二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 23:29:45

    明日で長編終わります。おやすみなさい

  • 148二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 06:42:20

  • 149二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 15:06:24

    保守

  • 150二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 17:47:01

    ホスト規制かかってたので試して投稿です

  • 151二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 19:38:40

    その66 これからの話
    麻央「燐羽少しだけ、時間をくれないかな?」
    私は怒りで我を忘れそうになっていたけど、麻央先輩が言うならと自分を少し落ち着かせる。
    十王さんが私の元に来る
    星南「燐羽、こっちに来て」
    十王さんに呼ばれてPの部屋に向かう。
    星南「あのね、燐羽…」

    麻央「こんにちは、白草四音、だね。面と向かって挨拶するのははじめてだよね?」
    四音「有村…あきらですか…」
    麻央「ふふ、そうだね。昔はそう呼ばれていたよ。」
    四音「あなたが私に何の用でしょう?」
    麻央「少し失礼するよ」
    ボクは四音と対面してリビングの椅子に座る。莉波はその様子を見守る。
    麻央「君と話がしたかったのさ。」

    燐羽「白草四音を100プロに入れる、ですって!?ちょっと、ふざけないでくれないかしら?」
    私はリビングに戻ろうとするが、十王星南に止められる
    星南「待ちなさい。あなたの気持ちはわかるわ。正直私も本音を言えば反対よ。だけど、Pとあなた達が動けなかった時期。四音さんのあなた達への行った行為と被った不利益。961プロを抜けた彼女が支払うには、他に選択肢は無いはずよ。恐らく、もう彼女は抗う事は出来ないわ。それに、この件に関して、黒井社長から承諾済み。」
    私は確かにそうかもしれないが、やはり心は素直に認められない。
    星南「そしてなにより、これはPが望んだ事よ。」
    私は信じられなかった。
    燐羽「な、なによ?それ、」
    星南「あのね?これは一種の職業病みたいなもの、だから、理屈では説明出来ないわ。いえ、そうね…あなたも思い当たるのではないかしら?彼があなたに何故プロデュースを提案したかを」
    私は鮮明に対岸の遊園地の照明が照らす橋の下でプロデュースを持ちかけられた日を思い出した。その瞬間、怒りから諦めに変わる
    燐羽「はぁ…そう言うこと…」
    星南「理解して貰えて嬉しいわ。素直に喜べないけれどね。まぁ、そう言う話だから、私は白草四音さんとこれからの事で話があるから、彼女の元へ行くわ。あなたはPの側にいてあげて頂戴。」
    と十王さんが去る。
    私はPの眠るベッドの横に腰掛け、Pを見下ろし。数日なのに遠い昔の様に感じた。彼の額を触ると私は安心した。
    燐羽「Pが戻って来てくれて、よかった、」

  • 152二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 19:44:57

    長編は以上です!
    この話は前作中に考えていました、重い話を望んで無い方、四音の解釈が違うという方、他にも何か思われた方にはお詫び申し上げます、
    次回から日常短編に戻ります!

  • 153二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 20:14:02

    その67 燐羽が離してくれない
    P「あの、ちょっと、燐羽?」
    燐羽「なに?」
    P「くっつき過ぎじゃありませんか?」
    燐羽「そんな事はないでしょ?」
    P「腕に胸が当たっているんですが、」
    燐羽「私は気にしないわ」
    P「人通りが多いのですが、」
    燐羽「なら、私がはぐれないように、しっかり掴んでいた頂戴」
    燐羽は"あの日"以来少しでも離れる事を嫌う。


    P「きっぷを買って来ます、ここで待っていてください。」
    燐羽「いいえ、一緒にいきましょ、」ダキ
    家のソファー
    P「あの、足が痺れて来たのですが、」
    太ももに座る燐羽
    燐羽「なら突いてあげる」
    P「あ、痛いです、やめて下さい。」
    シャワーを浴びる時
    P「わざわざ脱衣所の前に来る必要ありますか?」
    燐羽「あなたがシャワー浴びてるの聞いててあげるわ」
    車内
    隣の席
    P「服掴まないでくれませんか?」
    燐羽「良いでしょ、べつに」
    寝るとき
    P「ちょっと暑いんですが、」
    燐羽「私の手、ひんやりするわよ?」
    燐羽が離してくれない

  • 154二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 20:59:18

    その68 日常会話
    朝。燐羽が目覚め、俺を起こす、
    燐羽「ほら、朝よ起きなさい。」抱きつき
    俺は洗濯物を回して、顔を洗い、その間、朝食の支度をしてくれる。朝食は前まで対面だったのが横並びになった
    燐羽「はい、あーんして上げる。どれが良いかしら?」
    燐羽「ねぇ、私にも食べさせて頂戴?」
    燐羽「あら?あなたの頬にケチャップがついてるわ。とってあげる。ちゅっ」
    燐羽「玄関から車に乗るまで何かあると怖いわ。手を繋いでくれないかしら?」
    買い物
    燐羽「私がカートを押すからあなたは私の後ろから手を回して。」
    仕事終わり
    燐羽「今日は何時に仕事が終わるの?あなたが終わるまで近くで待っているわ。」
    夕食の支度中
    俺は夕食を作る燐羽の後ろから腕を回す。
    P「燐羽、」
    燐羽「なぁに?」燐羽は少しだけ、振り向く。
    P「また、どこかに行きましょうか?」
    燐羽「それは、嬉しいわ。どこに連れて行ってくれるのかしら?」
    P「また。コテージはどうです?」
    燐羽「いいわね。今から楽しみよ。」
    食事が済みソファーで燐羽の膝枕を堪能する。前回は冬に星を観に行った。今度は二人で何がしたいか話合う。
    燐羽「ねぇ、花火がしてみたいわ。」
    まだギリギリ許されるだろうか、
    燐羽「二人でお料理をして、花火をして、また星がみたいわ。」
    俺の髪を撫でながら話す。
    燐羽「もし泳げそうな川があるなら、今年最後の夏に水着になりたいわ。」
    P「それはいい考えですね、」
    燐羽のお腹に顔を当てる
    P「燐羽の水着を堪能出来るなんて、今から幸せだ」頭を軽く叩かれる
    燐羽「もう、おばか、」

  • 155二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 21:39:47

    このレスは削除されています

  • 156二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 21:41:47

    その69 夏のコテージ
    燐羽「絶対、のぞいちゃダメよ」
    燐羽の要望に近い浅い川が近くに流れる。コテージに宿泊した。昼までの仕事を終え、コテージに向かう。山中は少し涼しいがまだ、川の水は気持ち良さそうだ。コテージの脱衣所で燐羽は水着に着替える。
    燐羽「ど、どうかしら、?」
    と少しずっと扉を開けながら、頬を赤く染めながらしおらしく聞いてくる
    P「抱きしめたくなるくらい、可愛いです」
    燐羽「おばか、」
    扉を閉めて頭以外を隠す。
    改めて燐羽の透き通る様な白い肌に、細く引き締まった身体。長い脚。彼女のイメージにピッタリな水着姿に目眩にも似た感動を覚えた。
    P「燐羽のこんな可愛い姿を拝めて幸せです。もう、死んでも良いくらいに、」
    燐羽は不機嫌そうに俺の胸に掌を当てる。
    燐羽「は?あなた何言ってるの?私より絶対先に死んだらダメよ。そんな事絶対許さないから。約束ね」と無理やり指切りをさせられる。
    雫を弾く肌がキラキラと輝いている。見惚れていると、水鉄砲で不意打ちをくらう。あっかんべーの仕草で煽っていた。日が沈み、外にランタンを灯す。
    火の用心に水を貼り、花火の用意をする。
    燐羽はシャワーを浴びて持ってきた浴衣に着替えた。その姿は可憐だった。
    鼻を摘まれ、
    燐羽「ほら早くしましょう」
    と急かされる。子供っぽく二つ持ちで花火に浮かれていた。締めの線香花火。
    燐羽「この日々をまた、あなたと過ごせて私は幸せよ。」
    P「ええ、俺も幸せです。」
    燐羽「そう思うなら、もう、私を人にしないで頂戴。」
    燐羽が立ち上がり、その揺れで線香花火の先が落ちて行く。仄かな灯りがゆらゆら地面に落ちる。
    燐羽は俺を見下ろす。後ろに周り腕を回して胸の鼓動が背中に感じる。
    燐羽「あなたを失うあの悲しみなんて、二度とごめんだわ。」
    P「すみません、」
    燐羽「いいえ、謝らなくてもいいわ。ただ、ずっと私の側にいなさい。」
    俺の肩に掛かる燐羽の腕を掴む。
    P「ええ、勿論」
    いつのまにか空には満天の星空が輝いている。燐羽を背中に越しに感じながら、手を繋ぐ。
    燐羽「空がこれだけ明るければ夜も怖くないわね」

  • 157二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 22:09:00

    このレスは削除されています

  • 158二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 22:45:43

    その70 戯れる二人
    ソファーに座る俺の膝の上に燐羽が座る。
    燐羽のお腹を抱えて片手で頬をつんつんする
    ぷにぷにもちもちの肌が気持ちいい。
    ずっと突いていると頬を膨らませる。そのまま勢いよく燐羽に指を咥えられた。
    その拍子に二人はソファーに横に倒れる。
    燐羽に咥えられた指を俺も咥える。
    燐羽がこちらに向き直すと、今度は燐羽が俺の頬をつねり出したりベタベタと触りだす。
    燐羽「お返しよ、」
    燐羽の耳を触る
    燐羽「きゃっ、耳はダメだって、言ってるでしょ…」
    その後、燐羽は身を屈め、それを包み込む。
    二分ほどそのままでいた。
    燐羽の髪に頭を埋め、甘く落ち着く匂いに浸る。
    燐羽「あなたばかりズルいわ…」
    と言って入れ替わる。燐羽が俺の髪に顔を埋める。
    燐羽「落ち着くわ」
    俺の手を取り、頬に触れさせる。
    燐羽は熱い視線を俺に向ける
    燐羽「ねぇ、もっと触って、」
    俺は燐羽の薄い唇にをつまむ。
    唇を尖らせた燐羽は
    燐羽「いじわる、」
    と言って少し爪を立てて顔を引っ掻いた。
    P「ほんと猫みたいですね」
    と言うと
    燐羽「にぁあん、」
    と頬擦りをする。その頭を撫でる。
    燐羽の頬と俺の頬を合わせた。
    ヒンヤリして気持ちいい

  • 159二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 01:44:25

    その71 スカート
    俺は蛍光灯を替える為に、脚立に乗って作業していた。
    付け替えて、階段を降りる
    燐羽「どう?もう終わった?」
    と様子を伺いに来た燐羽に意識が行き、俺は足を滑らす。
    それをとっさに支えようとした、燐羽も足を躓いてバランスを崩す。俺達はそのままぶつかって燐羽は尻餅をついた。
    P「いたた」
    と目をあけると、目の前に薄い紫の布がある。頭上は何かで覆われていた。
    手で頭上の布を捲る。
    燐羽「ちょ、ちょっと、やめて」
    慌てる燐羽
    霞んだ視界が広がり俺はようやく目の前のそれが何かを理解した。
    燐羽「ねぇ、恥ずかしいから、早く捲ってるスカートを閉じてくれないかしら、」

  • 160二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 08:44:38

    にこにこ☺️

  • 161二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 16:36:08

  • 162二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 17:49:48

    保守感謝です!

  • 163二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 18:38:54

    このレスは削除されています

  • 164二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 18:45:53

    その72 飴玉
    どこまでも続く海岸線の道を車で走る。道はグネグネとうねっていたが、直線の道になると左手に海が広がる。今回は車の遠征。
    燐羽は外の景色を眺めながら、カーラジオから流れる音楽に合わせ、ご機嫌に頬杖をついた指でリズムを取る。
    燐羽「ねぇ?あなたは桃と葡萄と林檎ならどれが好き?」
    P「う〜ん、葡萄ですかね、どうしてです?」
    燐羽は喜ぶ。
    燐羽「ふふ、はい、葡萄の味の飴玉よ。私も好きなの、」
    俺は手を出すと、燐羽は飴玉の袋を手に置いた。
    P「な、なんです?このカラフルなデザインのパッケージは、」
    燐羽「輸入品店で見つけて買ってみたのよ、海外のお菓子の見た目ってかわいいじゃない?」
    俺の知る葡萄の飴と違ってけばけばしい紫だった。
    燐羽は睨む
    燐羽「なに?私の飴玉は要らないって言うのかしら?」
    俺は仕方がないと、包み紙を破って口に入れた。なんとも言えない甘さが口に広がる。
    燐羽も同じタイミングで口に入れていた。
    燐羽「絶妙な味ね」
    と言っていた。
    サービスエリアで休憩する。
    海の見える展望デッキで海を眺める燐羽。
    秋に近づく海は、藍色に染まり、風は少し涼しく、夏の終わりを告げるかの様な寂しい気持ちにさせた。
    燐羽は振り返る
    燐羽「私は嬉しいわ。」
    俺の方に歩み寄る
    燐羽「いつかの海は私にあなたとの別れを与えた。今の海はあなたと共にあるから。ずっとあなたと共にこの景色を眺めていたいわ。」
    燐羽は俺の腕を組む。それは喜びの仕草

  • 165二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 20:50:29

    その73 いばら姫
    誰もいない無人駅。
    私とPはただぼんやり、駅の外の彩り始めた紅葉の木々を眺めている。
    今は昼過ぎくらい。
    この日に下ろしたばかりの、首元の緩い秋物のワンピースを着ていた私は
    ヒールを脱いで、膝を抱えてベンチの上に座る。
    燐羽「ねぇ。次の電車はいつかしら、」
    抱えた膝に頭を置き隣に座るPを眺める。
    汗ばんだPは答える。
    P「すみません、燐羽。俺としたらことが時間調整を間違えてしまい、燐羽に怪我までさせてしまって、」
    目的地に向かう時間まで随分余裕があったから、
    途中の田舎の無人駅で気まぐれに降りてみた私達は周辺を散策した。歩いて少しのところにカフェがあったから私達は少しお茶をしていた。
    途中でPが慌てだす。
    P「すみません、燐羽、上りと下りの時間を間違えていました、すぐに向かいましょう、」
    と私達は慌てお店を出た。
    ギリギリまでは間に合うかと思ったんだけど、私が足を捻ってしまって断念した。
    Pはなんども謝った。私を抱えて駅まで運んでくれた。
    燐羽「仕事には差し支えないから、気にしないで」
    と言ったが一度、医者に行くことになる。
    だが、まずは次に来る電車を待つ今が長かった。
    暇つぶしに二人で私が昔話の主人公になるなら何が良いかとかそんな話をした。
    私はかぐや姫やイバラ姫を想像した。
    彼は鶴の恩返しの鶴や白雪姫の魔女はどうかとか言い出したから叩いた。
    いつのまにか私は彼にもたれかかって眠ってしまっていた。
    私がいばら姫になった自分。長い間眠っていた私をPの口づけとともに呪いと共に解き放ってくれたような、そんな夢を見た。
    遠くからPの声が聞こえる。夢の続きの中、私は幸せを感じる。
    P「起きてください、燐羽。もうすぐ、電車が来ますよ、」
    無理やり現実に引き戻せしれた、私は寝ぼけて返事をする
    燐羽「えぇ、わかった、わ」
    P「燐羽、よだれ、垂れてますよ、」

  • 166二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 21:25:53

    その74 薔薇園
    天川の街外れ。大きな川に面した通りには一面の薔薇園が広がる。石畳の歩道が直線と円が交わる様に伸び、その両側に薔薇が咲き誇っている。
    所々にアーチが掛かりそこにも薔薇が伸びている。
    私とPは腕を組み歩く。
    燐羽「良い天気で良かったわ。」
    私はPの腕に力を入れた。
    片方に腕にランチバスケットをぶら下げて、今日は薔薇園で秋のピクニックデート。
    赤、桃色、黄色、橙色の温かい色で包まれている。
    川を背にした白いベンチに私達は腰掛けた。
    朝作ったサンドイッチと、タンブラーに淹れてきた紅茶を注ぐ。
    燐羽「今日の気分はお紅茶だったの」
    Pに手渡す。
    P「サンドイッチと紅茶で薔薇園ですか。贅沢な時間ですね」
    彼が言葉にすることで余計に喜びが溢れた。
    燐羽「たまにはコーヒーじゃなくても、いいでしょ?」
    彼の方に身を傾ける。Pは私の腰に手を回す。
    P「ええ、勿論。それに、燐羽の淹れた紅茶は美味しいですね」
    と彼は微笑んだ。
    私は膝に抱えたサンドイッチを掴んで彼の口に運ぶ。
    燐羽「はい、あーんして?」
    彼は口を開けてもぐもぐと食べる。
    P「ん!?とっても美味しいですね?なんです?これは」
    燐羽「ミックスハーブとスパイスを組み合わせたハンバーグのホットサンドよ」
    P「美味し過ぎました!」
    私は彼の口元についたソースをハンカチで拭ってあげる。
    燐羽「そう?うれしいわ」
    無邪気な笑顔で美味しそうに食べてくれる彼の横顔に嬉しくなる。
    Pに身体を寄せ、視界に広がる温かい薔薇を感じて、私は秋を堪能する

  • 167二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 21:29:15

    最初の話を描いていた気持ちに戻り。
    景観を楽しんでいただける様な文章を表現出来る様に、改めて、今後も励みたいと思います。

  • 168二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 22:21:28

    その75 一日
    朝。カーテンを開けて窓を開ける。
    眩ゆい光が差し込み、顔に手を当てる。
    外は雲が透き通り、秋空が広がっている。
    ノースリーブで寝ていた私は、少し肌寒かった。
    燐羽「気持ちいい朝ね、でも少し寒いわ、」
    Pに覆い被さって、起こしてあげる
    燐羽「起きなさい、朝よ。」
    Pが顔を洗いに行き、洗濯機を回す。
    私は夜干していた分を取り込み、布団を干して、私も顔を洗いに行く。二人で並んで歯を磨いて、顔を洗う。私は食事の用意に入って、彼に食器を準備してもらう。
    食事を済ませて。洗い物を湯に溜める乾いた食器を収納すると洗濯物を干してから、朝の身支度の準備が出来ると、ゴミ袋を持っている彼と共に事務所へ行く。

    夜。
    私が先に帰宅する。洗濯物を取り込んで、お夕飯の準備をする。お風呂の用意をして、また夕食の準備に戻るとPが帰宅した。
    燐羽「おかえりなさい、」と私は出迎え抱きつく。彼はお風呂に入る。出てくると食事をした。食器を洗って乾かし、私はお風呂に入る。出て来ると、リビングで仕事しているPを叱る。
    燐羽「全く、あなたは、なんども、なんども、何回言わせたら気が済むのかしら?」
    諦めたPとソファーで二人の時間を過ごす。ベッドに入ると、干したお布団は太陽の香りがして、気持ちいいフカフカのお布団で横になる。」
    二人眠るまでの間に今日の出来事を話たり、次はこんな事がしたいなんて話をする。
    私が彼に背を向けて、彼の腕を私の身体に回して眠る。やはりこれが一番落ち着くなと思いながら眠りに落ちる。

  • 169二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 23:05:22

    その76 吊り橋
    燐羽「無理よ、絶対、無理」
    P「大丈夫ですよ、ほらここはバイクも通れる、ちゃんとした道なんですから。それに、俺の手を掴んでいれば高い場所も大丈夫なんじゃ、ないんですか?」
    木製の高い吊り橋の上、真下には川の流れが細く見える程の高さ。吊り橋を橋を歩く毎、ギシギシと音を立てて揺れる。その度に燐羽は橋の縁にしゃがみ込み必死にしがみついている。

    燐羽が恥ずかしそうに俺に言った、
    燐羽「高いところが苦手なのをね、治したいの。あなたと一緒なら、きっと、今度は大丈夫だと思うの、だから、ね、お願い」

    青ざめた顔で怖がる燐羽は可愛かった。
    P「ほら、燐羽立って下さい。俺が支えていますから、後ろの人が通れないですよ。」
    それでも、燐羽は腰を抜かしたみたいにへたり込んでいる。俺は強引に燐羽を立たせると、聞いたことのない悲鳴を上げた。
    燐羽「だ、だめ!ほんと、お願い、お手洗いに行きたくなってきたわ、一度戻りたい、」
    やむなく一度、引き返し、燐羽は用を足しにいく。次、言い訳は聞くつもりはない。
    P「さぁ、行きますよ。燐羽が言い出した事ですよ、破るんですか?約束を」
    その瞬間燐羽はしまったと言う顔をした。
    燐羽は足をガクガク振るわせながら俺にしがみつく。
    燐羽「い、いいわ、やってやるわよ。約束通り」半ば逆ギレ口調に言う。
    燐羽「絶対に、絶対に私の手を離しちゃダメよ、そんなことしたら、許さないわ、」
    手も足もブルブル震わせているので、全くいつもみたいな言葉に力が無かった。

    一歩、歩く度に悲鳴と泣きそうになりながらも、燐羽はなんとか橋を渡り切る。
    燐羽「言ったでしょ、私の約束は絶対。見たかしら?」
    P「ええ、可愛かったですよ」
    頭を撫でる
    燐羽「私の矜持を褒めて欲しかったのだけど、」
    P「すごく可愛かったです、また来ましょうね?」
    燐羽「嫌、よ。絶対。もう二度とごめんよ。」

  • 170二次元好きの匿名さん25/04/08(火) 23:50:19

    その77 風呂上がり
    燐羽の家で少しでも出来る仕事の整理をしようとする。
    しかし、いつも作業に集中してしまい、
    燐羽が風呂から上がってくる。
    濡れた髪をタオルで乾かし、背後から抱きつく。
    湿った身体と甘い匂いが毎回、理性を壊しにくる。
    燐羽「もう、何度言ったらわかるのかしら。ほんと、仕方ない子」
    燐羽が隣に来て、俺の膝に寝転がる。
    湿った髪がズボン越しに伝わらる。
    P「早く乾かさないと、風邪をひきますよ、髪にもよくないですし。」
    燐羽の胸元から下着が見える。良くない気持ちになり、目線を逸らす。
    燐羽「別に、好きなだけ見てもいいのに、」
    と身体を起こしてドライヤーで髪を乾かしに行く。
    ふわふわの髪を櫛で梳かしながら、再び隣に座る。俺は燐羽の髪に触りたくなり、指で髪を梳かす。
    燐羽は俺の身体に腕を巻きつけて、体重全てを委ねてくる。押し倒された形になっていた。燐羽が寝転がっている俺の目の前に両手で立ち、今湿度と甘い香りが強い。燐羽はそのまま手を伸ばして、支えを失った身体に押し潰される。柔らかい胸の感触が近い。燐羽はそのまま眠ってしまう。
    俺の胸で眠る燐羽の髪を梳かし、二人はソファーの上でしばらく過ごした。

  • 171二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 05:54:47

  • 172二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 13:16:57

    しゅ

  • 173二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 17:45:59

    保守感謝です!

  • 174二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 19:15:06

    このレスは削除されています

  • 175二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 20:37:26

    仮眠とってから描こうと思いますが、眠くてもしかしたら、更新出来ないかもしれません、

  • 176二次元好きの匿名さん25/04/09(水) 22:23:13

    あまい😊

  • 177二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 06:44:48

    ほほ

  • 178二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 14:15:22

  • 179二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 19:09:01

    保守、コメントありがとうございます。
    長く続けさせていただき感謝しかありません。
    自分自身続けながら、疑問や不安を抱いていた為、一応改めて明言させていただきます。
    最初は細々と始めようと、他作者、他担当者様のSSに感動して自分も描きたかった妄想でSSを描き始めました。これは独自解釈と妄想なのでそれは違うって方がいてもそれは仕方ないと承知で描かせていただいてます。
    文章や表現等の好みも当然あるかと思います。
    ここではあくまで自分の力の範囲で提供出来る内容に全力を注いでいます。若輩者の為、至らない部分多々あるかもしれませんが、自分の描きたい物語が誰かの癒しのお役に立てるなら幸いです。改めてよろしく願いします。
    長文失礼しました。

  • 180二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 21:22:43

    その78 最終電車
    日帰りで地方に行った帰り。終電に間に合うかドタバタだったけど、どうにか、私達は最終の新幹線に乗れ、こちらに戻って来ることが出来た。
    燐羽「向こうで一泊しても良かったんだけど、」
    と私はわざと彼を困らせた事を口にする
    P「それは難しいですね。明日、朝一の新幹線に乗ったとしても明日の仕事には間に合わないですから」
    燐羽「わかっているわ、言ってみただけよ」
    天川駅へ向かう最終電車、この車両の乗客は既に降りてしまって今は二人だけ。私は後ろの窓に顔を向ける。街の灯りも乏しく、疎らに灯る民家の光を私は眺めた。家庭の光を見つめ私はシートに置いていた手を、隣に座る彼の手に絡める。
    燐羽「ねぇ、いつか私をあなたのお嫁さんにしてね?」
    視線は窓の外に向けたまま彼に言う。
    P「ええ、」
    彼は短く切ると、手に力を込めた。
    今のこの時間がずっと続いて欲しいなと私は思った。"駅に着かなければいいのに。"
    駅に着くとタイミング悪く雨が降り出した。
    彼は常備している折り畳み傘を私に渡す。
    燐羽「だめよ、あなたが濡れてしまうでしょ、」
    私は断る。
    P「しかし、二人で入るには小さ過ぎます、」
    駅前ロータリーにはタクシーが、終電後の客を待ち侘びる様に止まっていた。
    P「なら、タクシーを拾ってきます」
    と走り出す彼の手を私は掴む。
    燐羽「もう少しだけ、外の風を浴びたいわ、」
    と駅前のベンチに促した。屋根に雨が弾ける音に耳を澄ませ、目の前に降り注ぐ雨粒を眺める。
    燐羽「どうせ、明日は来るし、早く帰ってしまえばいいのにね、」
    私は雨露によって、身体が冷えてきた
    肌寒さを温める様にPに身を寄せる
    彼は肩に手を回す。Pの体温を感じられた。
    誰もいない駅前、点々と灯る街灯の灯りと、
    少し離れたタクシーがあるだけの広場。ロマンも何もなかったけど、
    燐羽「私は今、あなたと一緒にいたいのよ」
    P「それは、仕方ないですね、」

  • 181二次元好きの匿名さん25/04/10(木) 21:52:15

    その79 水浸し
    薄着のままお風呂掃除をしていた私は洗剤を長そうとバケツに水をいれる為に蛇口を捻る。
    燐羽「きゃっ!つめた、」
    レバーがシャワーになっていたのを忘れていて私は水浸しになった。
    寒くなりすぐに着替えるようと脱衣所に出ると、私の声を聞いてかけつけたPが現れた
    P「大丈夫ですか!?燐羽」
    シャツを脱ぎ、ちょうどブラを外した場面に彼と出会わした。胸を晒したまま固まる
    私は恥ずかしさで顔が熱くってきた。慌てて
    燐羽「ちょ、ちょっと、もう、早くしめなさい、」
    Pはしばらく呆然と私の胸を眺めていた
    私は濡れて重たくなったシャツを彼に投げつける
    燐羽「いつまでじろじろ見てんのよ、おばか!」
    P「つ、つめたい!」

  • 182二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 02:42:35

    このレスは削除されています

  • 183二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 03:11:14

    遅くなりましたが、

    今後も物語を続けていけたらなと思い、

    アカウントを作りました。

    明日以降どんどん更新して参りますので、

    よろしければご覧くださいませ。

    誤字脱字の修正や、文章の表現の訂正をして見やすくいたします。その他にも、変更させていただくかと思います、

    基本星南Pwww.pixiv.net
  • 184二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 08:31:28

    >>183

    ありがたいです

  • 185二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 17:43:34

    >>184

    気にかけて下さりありがとうございます!

  • 186二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 20:51:51

    ショートフィルム
    燐羽
    日を跨ぐと私は歳を重ねる。
    私はスノードーム作家として忙しかった。
    転勤で遠くに行ってしてしまったPと離れ、狭いアパートで二人、共に暮らして居たのが夢幻みたく遠く感じられた。
    それでも、それからもいつも仕事終わりになると、彼は私に電話をくれた。今日も"普段通り"の通話をする。
    燐羽「はぁ…また、懲りずに電話かしら?暇なの?」
    私は本当は嬉しいのに、素直になれない自分に苦悩しながら、彼に毒づく
    燐羽「ほんと、仕方ないわね。すこしだけ、お話してあげるわ。私だってこれでも、忙しいのよ?」
    私はベッドに寝転がり足をばたつかせながら、彼には見えない喜びを身体で表していた。時間が過ぎて今日の通話の時間が終わる。
    急に心に冬が訪れる。
    私は溜息をつく。
    今年も二人で過ごせなかった。
    棚に並ぶ自分の作品達。
    Pと共に過ごした思い出の場所や共有した沢山の記憶をスノードームに込めて残した。
    それを眺めると過去の幸せがすぐに蘇る。
    燐羽「次はどこに行けるかしら、楽しみね、」
    私はガラスで出来た作品を撫でる。
    急に、呼び鈴が鳴る。
    こんな夜遅く尋ねてくる知り合いはいない。
    私は恐る恐る、玄関のドアを覗く。
    心臓が止まりそうになる。
    私は急いで扉を開ける。
    Pがいた。
    燐羽「どうして、」私は喜びと驚きが一緒にやってきてどう反応して良いかわからない。
    P「燐羽、お誕生日おめでとうございます。」
    彼の胸に身体を倒す。

  • 187二次元好きの匿名さん25/04/11(金) 21:37:38

    ↑その80
    その81
    手押し相撲

    燐羽「ねぇ、あなた。そこに立ちなさい。」
    リビングで俺は燐羽に立たされる。
    燐羽「手を合わせて、先に押し出されて足を動かしたり、倒れたら負けよ。いいわね?」
    唐突に手押し相撲を挑まれた。
    P「怪我したら危ないですよ?」
    燐羽「あら、随分と余裕ね?そのセリフは一勝でもしてから言いなさい」
    睨みながら告げると、間髪入れずに勝負を始めた。
    燐羽「せーの、」
    燐羽は様子を見ながら俺の掌にタイミングを合わせて来る。
    反応は早いが、明らかにリーチも体重も軽いため殆ど衝撃は無かった。
    燐羽「もう、ずるいわ、あなたの体格、」
    と一方的に仕掛けてきたのに理不尽に怒っていた。
    燐羽「そこ!」
    と怒ったふりで不意打ちのつもりだったのだろうが、俺にタイミングを合わされる。
    動揺して照準がズレる。

    燐羽が前のめりに倒れそうな時に、
    突き出した俺の手が燐羽の胸を掴んだ。
    燐羽「きゃっ、えっち!」
    と胸を支えた手を瞬発的に叩く。
    柔らかな彼女の胸に意識を取られて、体重と怒りを乗せた掌を受けて俺は負けていた。
    P「負けました。でも、胸の感触は気持ちよかったです。」
    冷たい視線のまま俺は燐羽からの平手打ちを食らった

  • 188二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 02:50:33

    ほほほ

  • 189二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 04:33:54

    その82 昔の自分
    朝。
    鏡に映る自分。
    メイクをしながら、昔の自分を思い出した。
    私は昔の素直だった時の私に戻って、
    勇気を出してPに言ってみた。
    燐羽「ねぇ!P!私、あなたのことがだぁいすき!!だからね!ずぅっと一緒に居ようね!!」
    P「燐羽どうしたんです?急に。調子でも悪いんですか?」
    彼のデリカシーの無い言葉で一瞬にして過去の私は砕かれてしまった。気持ちが冷めて不機嫌になる。
    燐羽「そ。もういい、」
    P「一体、どうしたんです?さっきから」
    燐羽「なんでもないわ。ほら、早く朝ごはん食べて頂戴。」
    燐羽"私はただ、かわいいって言って欲しかっただけなのに"
    P「でも、さっきの燐羽はやっぱり可愛かったですね、もう一度お願いできますか?」
    なによ、今更と私は思った。
    燐羽「だめ、言うのが遅過ぎよ。もう、やってあげなぁい。ほら、さっさと準備しなさい。先に行くわよ、」
    私は彼を置いて家を出る。
    だけど、かわいいと言われて嬉しくて、"やった"と小さくピースをする。

  • 190二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 06:59:55

    スレ主です!
    シブ様に編集する為、前作の文章読み直していて、本編だけでも気が狂ってる文章量が、三部まであり、内容少ないにしても今回も200まで行く狂気に慄いています。
    この後は多分、続きの文章で終わるので、先にご挨拶させていただきます!
    今回もほんとに沢山、継続して読み続けて下さいまして皆様ありがとうございました!
    続けるのに心やられそうな時もありましたが、保守、コメ、ハートに助けていただきました!
    次のスレを立てるかは流石に正直分かりませんが、シブでは新作続編は続けますので、(話のストックがまとまって出来たらスレで上げるかもしれません)興味あればまた観てやって下さいませ!
    それではまた!

  • 191二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 12:50:25

    ほし

  • 192二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 15:00:02

    その83 太もも
    燐羽のふとももが気持ち良すぎで抱きついていた。
    特にやることがなく、ベッドの背にもたれた燐羽は今日は膝より上のスカートを履いていて俺は燐羽の太ももに抱きつく。
    細く長い脚は引き締まってはいるがすべすべもちもちで柔らかい。
    燐羽は特に気にする事もなく、
    家具雑誌を眺めている。
    スカートの中から脚の付け根からふとももまで撫でる、
    燐羽「もう、くすぐったいわよ。退屈だからって、私の太ももで遊ばないでくれるかしら?」
    時々くすぐったい反応を示す
    P「柔らかくてすべすべで、ひんやりして気持ちいいです。」
    燐羽「変態、」
    と言うが別に本心と言う感じでは無い。
    雑誌を置いて、頭を撫でる。俺の頬にそっと手を乗せる。
    燐羽「ねぇ、せっかくの休日なんだし、どこかへお出かけしましょ?」

  • 193二次元好きの匿名さん25/04/12(土) 22:39:20

  • 194二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 02:49:08

    その84 雪遊び
    休日の朝。日課のランニング。寒くなり、身体が温まるまで震えた。
    燐羽「はぁ…今日も寒いわね。まぁ、走っていれば熱くなるのだけど」
    コースを走っていると、雪が降って来た。
    燐羽「雪が降るのね、通りで寒いわけよ、」
    だいぶ温まってきて、コースも終盤。近所の公園で雪に子供達は浮かれて走り回っていた。
    燐羽「まだ、大した程じゃないけど、積もるのかしら?」ランニングを終え、帰宅して、水を飲みにダイニング行く。Pと話す。
    P「もしかしたら、この辺りは積もるかもしれませんね」と窓の外を眺める。
    燐羽「外で子供達は元気だったわ、寒さなんて関係ないみたいにね、見習わなくっちゃね」
    Pは後ろから私を身体に押し付け、髪に顔を埋めて息を吸い込む。今は汗をかいていて恥ずかしいからやめて欲しい。
    P「子供達は基礎体温が違いますからね」
    燐羽「そんな、理屈っぽい話は求めていないわ、」
    彼を頭から引き剥がす。
    燐羽「それと、せめて、シャワーに入ってからにして、恥ずかしいから、」
    と言って浴室に向かう。着替えて準備を済ませる。窓から見るにそれなりにもう雪は積もっているようだった。
    燐羽「ねぇ、少し公園に行ってみない?」
    P「えぇ、寒いですよ、」
    嫌がるPを無理やり連れ出して、外の様子を見に行く。大きな雪達はゆっくり降り注ぎ、塀や生垣には雪の層が重なり花壇は見えなくなっている。
    燐羽「この調子だと、もう少し積もるのかしら?」振り向くと、Pは寒そうに手を擦りながら身を震わせている
    燐羽「ふふ、あなたのそんな姿あまり見れないからおかしいわ、」
    P「燐羽が連れ出すからですよ、」不服そうに言い返す。
    燐羽「それは、悪かったわね、ならこれは私からのお詫びよ」と積もった雪を丸めて彼にぶつけた。彼は冷たさに悶絶している。
    燐羽「ふふふ、愉快ね、今のうちにあなたへの日頃の不満でも返しておこうかしら?」
    そう言うと急に彼の顔が曇った。私は少し言い過ぎたかと悪い気になる。彼に寄る。
    燐羽「うそよ、不満なんて、ないわよ、あんまり」私が謝りに近づくと、彼は私の背中の中に雪を滑り込ませた、燐羽「つめたい、ズルいわ、騙したのね、」
    P「なにを言うんです、先に仕掛けたのは燐羽じゃないですか」
    燐羽「やったわね、憶えてなさい、絶対許せないんだから、」私は必死に雪を服から払い出す
    私達は夢中になり疲れるまで雪で遊んだ

  • 195二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 09:38:51

    その85 おしるこ作り
    燐羽から珍しく呼び出された。ご機嫌そうだったからきっと何かあるのだろう。
    燐羽宅
    燐羽「いらっしゃい、来たわね、さぁ入って」
    リビングに行くとこたつがあった。
    燐羽「どう?見たかしら?そう。こたつよ」
    目を閉じ胸を張る。なぜか誇らしげに自慢した。
    P「はぁ…」
    俺の反応が思ったのと違っていたらしく、燐羽はむっとした。
    燐羽「あなた、こたつよ、今まで買うか迷っていたけど、買ってみると素晴らしかったわ、さぁ、こちらに来なさい。」
    そう言って俺は燐羽にこたつへと誘れる。リビングのテーブルが畳まれて収納されていた。そこにこたつが置かれている。ソファーは背をもたれかかれる様に配置されていた。
    燐羽「これで選択肢が増えたわね、」
    P「というと?」
    燐羽「わかるでしょ?こたつと言えば、鍋、みかん、おしるこ、お昼寝…」
    燐羽は指を折って数える
    P「なるほど、そう言う話ですか、ただ、最後のこたつで寝るのは、風邪を引くのでやめて下さいね、」
    燐羽「まぁ、とにかく、まずおしるこ作りをしてみたいわ、当然、手伝ってくれるわよね?」
    と強引におしるこ作りに協力させられる。あんこで汁の下拵えが終わり煮詰める、その間に白玉団子を二人で作る
    燐羽「ようやく、馴染んできたわ。こねるの楽しいわね」
    丸めた団子を並べていく。燐羽の鼻に団子のかけらがついていた。それを取ってあげる。
    燐羽「あら?いつのまに、ついたのかしら」
    P「無意識のうちにかいたのでしょう、」
    だんごを茹でて、冷水で冷やす。
    丁度よく煮詰まってきたおしるこに白玉を入れる。
    燐羽「お団子作り楽しいわね、ねぇ、春になってお花見の季節になったらまた一緒にお団子を作りましょうよ、」
    P「ええ、楽しそうでいいですね、是非しましょう」
    おしるこが出来上がり、こたつで二人並んで食べた。
    燐羽「んん、とってもおいしい、」

  • 196二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 10:41:25

    その86 初詣1
    年末のカウントダウンイベントが終わり私達はタクシーでホテルに向かう。
    Pは今日の私の記録をチェックしていた。
    燐羽「ねぇ、せっかくだから、お詣りしていかない?」
    Pは作業していた手を止めてまた、近くの神社を探す。
    P「ここだと、宿泊先近くなので行けそうですね、ですが、一度着替えに戻りましょう?」
    と、数時間前までステージで歌っていた私を思い遣ってくれた。
    燐羽「ありがとう。」
    本当なら振袖で行きたかったけど、仕方ない。
    私はシャワーを浴びて着替えてロビーで落ち合った。
    燐羽「さぁ、行きましょ」
    並び歩く。
    参道には出店が並び、参拝客で溢れていた。
    私が逸れない様に身体を支えてくれて、人波に沿って歩く。
    燐羽「色んな場所でも、初詣って人が多いのかしら?」
    P「ここは、街が近いですからね、行くとなると、ここに人が集まるのでしょう」
    なるほどと感心する。
    燐羽「まだ、沢山人が並んでいるわね、初日の出までにお詣り出来るかしら?」
    P「なんなら、一度列から出ますか?」
    燐羽「いいえ、せっかくここまで来たのだから、このままお詣りしましょ、」
    気温は寒いはずだけど、Pや、周りの人達や屋台の熱気で割と暖かい。
    少し、人の動きが早くなって来た。
    参拝が終わった側の道から、声をかけられる。

  • 197二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 10:47:49

    その87 初詣2
    「おぉ〜い!燐羽じゃん!」
    燐羽「ことね、それに十王さん、」
    ことねと十王星南さんだった。
    燐羽「あなた達も来ていたのね」
    お互いにきちんと新年の挨拶を済ませる。
    星南「当然よ!私がお願いするものは一つだけどね!」
    と十王さんはことねに視線を送る。
    ことねは一瞬青ざめたが、すぐに二人は帰りの人波に流れていく。
    ことね「燐羽はいいなぁ〜初詣デートとか!、ん〜あたしもいつかやってやるぞぉ〜!じゃあ、そろそろ行くわ、お二人さん仲っか良くねぇ〜こっとよろ〜!!」
    星南「ふふ、ことねは可愛いわね。お義兄さまも、燐羽も改めて今年もよろしくね。それじゃ、私も行くわ。ではまた、ね」
    二人はすぐに人波に消えた。
    燐羽「お願い事ねぇ」
    と私はPを眺める。
    Pに願い事を聞いてみようかと思ったが、どうせ私をトップアイドルにしてみせる。とか、そんな堅苦しいのだろうなと聞くのをやめた。
    よくやく、私達の番になり慣わしの挨拶をして鈴を鳴らす。感謝とお祈りを捧げて再び挨拶を済ませて、私達は参拝を終える。振り返りってみると、
    その頃には東の空の果てに明るさが見えた。
    私はPにさっき聞けなかった願い事を聞いてみた。
    燐羽「ねぇ?あなたは何を祈ったのかしら?」
    Pは躊躇いがちに、鼻を掻きながら話した
    P「恥ずかしい話なんですが、」
    と前置く。私は焦ったいのは嫌だと急かす
    燐羽「何よ?早くいいなさい、」
    P「早く燐羽と一緒になりたいな。と」
    私は思って無かったから顔が熱くなった。
    燐羽「そう。同じ願いだったのね、」
    そんなやり取りをしている内に、
    もうすぐ、日が上りそうだった。
    燐羽「このまま初日の出が観たいわ、どこか見れそうな場所、探しましょ、あ、あそこがよさそうよ、ほら、人が集まる前に早くわよ!」
    今年もいい一年が始まりそうね。

  • 198二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 14:13:48

    その88 着物と美観
    昔ながらの立派なお家が立ち並ぶ街並み。中央に石で出来た水路があり、流れる川に向かい柳の枝が垂れている。アーチ状に橋が掛かかる橋の上から私は
    渡し船の船頭さんの姿を眺めている。
    「ここにいたんですね、燐羽」
    燐羽「あら、ごめんなさい。探させてしまったかしら?」振り向くと、着物姿のPが立っている。
    燐羽「あなた、和服も似合うわね。とっても素敵、」
    P「燐羽も着物姿よく似合ってますよ。可愛いです。」
    燐羽「あら、嬉しい。ありがとう。どこに行きましょう?」
    私はモダンレトロが合わさる美しい街並みで着物のモデルをしていた。街並みに合わせて何度かお着替えさせて貰い、沢山の着物を着せて貰えた。
    P「燐羽の髪を上げた姿とても可愛かったですよ」
    燐羽「あら?それは、いつもの髪型は可愛くないっていいたいのかしら?」
    P「まさか、燐羽はいつだって可愛いですよ」
    燐羽「よろしい、まぁ許してあげるわ。」
    P「この近くに伝統工芸品から近代美術まで展示されている美術館があるんですが、行ってみますか?」
    燐羽「ええ、是非案内してほしいわね。」
    白い立派な門を潜り、石畳の歩道を歩く。受付でチケットを買い最初の棟に入る。
    P「スタンプラリーがあるそうですよ。
    陶芸品から現代アートまで様々な時代の作家や作品が展示されているそうです。それらを巡るツアーみたいなものですね」
    燐羽「それは、楽しみね。」私はPに指を絡める。
    シンプルな美術館の様な建物の中には刺繍作品が並ぶ、
    燐羽「手縫いや生地や刺繍糸を使って、絵って描けるのね。考えた事もなかった。」
    P「今ある当たり前の作品もどこかの誰かが悩んで生み出したモノ達と考えると感慨深いですね、」
    燐羽「ふふ、私からすれば、あなたのその知識の幅にも感動するけれどね」館内を順路に進む。
    燐羽「絵もそうだけど、色や、模様や、文字。果ては、木材や鉄。日常にありふれたモノ達が創作家にかかれば芸術作品になってしまうって、すごいことね。」
    陶器の館だけは、古い木造建築だった。歩くとギシギシと床が鳴る。
    燐羽「古い小学校みたいな、床ね。」
    私達は再びに外の古い街並みに出てくる。
    燐羽「なんだか、色んな時代に時間遡行してるみたい。」
    P「ええ、少し疲れたので、隣の喫茶店で休憩しましょうか」
    燐羽「そうしましょ、わたしも、少し疲れたわ、」

  • 199二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 14:35:26

    その89 酔
    隣にある。誰か知らないけど有名な画家の名前のお店らしい喫茶店に私達入る。
    高い天井に天井扇がゆっくり回っている。
    暖房は昔ながらのアラジンストーブが、
    昔の小学校とかでありそうな木の床の店内に配置されて焚かれていた。
    Pはパンフレットを見ながら、どこに行こうか考えていた。
    燐羽「私にも見せなさい」
    前のめりに地図を眺めて二人は考える。
    昔ながらの建物に私達は宿を取っている。
    湯治も出来るらしくて、近くにはお茶やプリンが有名なお店もあるらしい。
    燐羽「お夕食の後で夜の街を、少し歩くのも楽しそうね。」
    P「一度宿にいきましょうか」
    私達は一度着物を返して、お宿で着替えをしてまた街を巡る。私は持ち帰りにプリンを買った。この辺りはお酒も有名らしくて、私がPに少しなら飲んでも良いと許可をした。
    建物は時代劇とかに出て来そうな建物で、お土産のコーナーに可愛い物が沢山あり、私は目を輝かせていた。
    燐羽「あら?P?」
    気がつくと、Pがいつのまにか、店内からいなくなっていた。私は一度外に出る。見渡しても、彼は見当たらない。お店の人に連れを探してると尋ねると、別のお酒屋さんに行ったらしい。
    燐羽「ちょっと、私をほったらかして一人で行くってどういうつもりよ、」
    私は怒った。話で聞いた場所に行くとPがいて、若い女の人達と店内の長椅子に座って一緒に談笑しながら飲んでいた。
    燐羽「ちょっと、あなた。また、こんなところで一人で飲んだりして、ほら、シャキッとなさい。行くわよ。」
    とPの背中を叩いて立ち上がらせると、宿に連れ帰る。後ろで女の人達が笑っていたけど、気にしない。
    宿の布団に彼を寝かせる。
    いつぞの離島を思い出す。あの時は、まだ学生で、彼に支えてもらうばかりだったけど、今はもう自分で暮らしていて、彼が私の元に転がり込んでいる。それがおかしかった。

  • 200二次元好きの匿名さん25/04/13(日) 15:08:50

    その90 回想
    酔い潰れて眠るPを奥の間の椅子に座って私は眺めている。
    燐羽「全く、私と言うものがありながら、目の前で他の女と浮気するなんて、許されないわね。」
    燐羽「これから、彼と共に暮らしていくのなら、まず最初にそこは躾ないといけないわ。」
    宿の二階の窓から街並みを見下ろす。
    街灯が道を隔てる水路を照らしている。
    まだ、時間は早いのでお店の灯りは至る所から漏れている。人通りも多い。
    燐羽「いろんな思い出が出来たけど、
    これからもあなたと、沢山の思い出を作りたいわ。
    初めて会った時、私、賀陽燐羽はアイドルではなかった。アイドルを辞める為の活動をしていたと言うのに、全くあなたと来たら、」
    私はPに歩み寄る。彼の前に膝を抱えて座る。
    ぎゅっと鼻を摘んでやった。
    燐羽「たまたま、よく行く喫茶店であなたと出会い。それが初星のプロデューサーで、しかも、まさか手毬の担当だなんて思わないじゃない。しまいに私をプロデュースしたいだなんて言い出して、私をトップアイドルにしたいなんて言い出して、私の抱えている問題を次々に解決してしまって。ほんと、こんなことされたら、あなたのこと、好きにならないわけにいかないじゃない、どうしてくれるのよ、責任取りなさいよ、おばか、」

    燐羽「私に自信と勇気と未来を見せてくれたあなた。大好きよ。これからもお願いね」ちゅっ

    朝。
    俺は昨日宿から出て以降の事を憶えていない。
    目覚めた時には燐羽は既に身支度を終えていたが、何も話さないのが恐ろしい。
    P「あの、昨日の事を憶えていないのですが、」
    なんとか、返事はしてくれた。
    燐羽「あら、よくそんな事が言えるわね、それで許されるとでも思っているのかしら?」
    P「何があったんです?って聞くのも怖いんですが、」
    燐羽「あなたの世話が焼けるから、これからは私があなたをちゃんとみててあげるって話になったから、あなたも私との約束通り、責任取りなさいよ、私との約束破るなんて、絶対許さないから、」

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