- 1二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:06:02
これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。
※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。
元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだったものがあにまん民達の神の一手で生存ルートを切り開き奇跡的に生き延び、本編後世界でニャアンとジャンク屋をやったりデートしたり事件に巻き込まれたり戦ったり、共に苦難を乗り越えて成長していく結構ハッピー寄りな物語空想まとめとなってこのスレに至ります。
本編前に(本編でどうなってるかもよく分かってない)地球に行ったりしてますが一緒に物語を空想して楽しんで頂けたら幸いです。
初代スレ
(完全妄想)ニャアンの傷になりたい|あにまん掲示板普段はスラム街のジャンク屋の兄ちゃんとしてニャアンに合法的な商品運んできて貰ってお得意さんとして顔馴染みでありたい「今度デートしようぜ!!」ってヘラヘラ笑いながら手を振って見送って、困った顔になって欲…bbs.animanch.com前スレ
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)6|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレ…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:06:43
登場人物
ジュン・ファンボイ
サイド6コロニーの繁華街でジャンク屋をしている青年。陽気かつ気さくな性格をしており、合法の機械整備部材を配達してくれるニャアンに対して何度もアプローチしている。軟派に見えがちだがニャアンに対する想いは真剣で、何かと彼女に接し、悩みを聞いているうちに信じて貰えるようになる。
しかしその正体は地球連邦軍MS特務隊に務めるコロニー6潜伏隊員。上層部からの指示を受けて戦争犯罪者や敗残兵崩れのテロリストなどの抹サツを務める、いわば軍人にとってのコロし屋。後述のブルキャノンを駆り、既に相当の数の危険因子の始末を遂行している実力者。任務時は上記の性格が嘘のようにどこまでも冷酷に任務を遂行する活躍から、内部の人間に『公爵家の蒼い騎士(ノーブルブラウリッター)』の名で恐れられている。
かつてのコロニー落としで両親と妹を失いスペースノイドへの怒りから連邦軍へ入隊、MS操縦の才能を認められ特務隊に配属され、そのままサイド6のスパイとしてコロニーを訪れる。しかし実際にコロニーで生活をしていくうちに生きていれば妹と同い年のニャアンに出会い、宇宙でも一生懸命に生きている命がある事を痛感。ニャアンへの想いが強くなっていき今の自分が本当に正しい事をしているのか悩むようになる。
紆余曲折あってニャアンとの初めてのデートを約束した直後に上層部からの命令でジークアクス及び赤いガンダムの破壊命令を受け、クランバトルを装った作戦行動を開始、特務隊の仲間達と彼の上官である指揮官と共にジークアクス達に挑むが、コロニーを巻き込む指揮官のやり方を目の当たりにして反旗を翻し、緊急発進した エグザベ君も味方に加えて連邦軍を迎撃。
激戦の末コロニーに突っ込み見せしめにニャアンをコロそうとした指揮官の猛攻を身を挺して防ぎ戦タヒ…したかに見えたがブルキャノンの重装甲と咄嗟の判断が相まって奇跡的に生存。
コロニーの被害を最小限に留めた功績で恩赦を受けて釈放され、現在はニャアンと一緒にジャンク屋をしつつ、刑務作業として愛機のブルキャノンと共にサイド6の治安維持活動に努めている。
日系とベトナム系のハーフであり、名前のジュンは漢字の『盾』、ファンボイはベトナム語で『反逆者』を意味している。 - 3二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:09:43
ブルキャノン・ブラウリッター
ブルキャノンⅡα及びβとの戦いで損傷したブルキャノンをサイド6市長の指示によりジュン・ファンボイ専用の最適化改造を施して強化した高速機動戦対応型重武装MS。
機体本体の形状は殆ど従来のブルキャノンと変わり無く青と白がベースのヒロイックな配色だが、高速機動に適応する為に装甲の一部分が流線的になっており、パワードブースターの代わりにエル・サルバトーレのメインブースターのデータを流用して作られたハイパワーブースターを装備する事によって基礎機動力が上昇。駆動系にもジュンの白兵戦技術に適応しうる最適化が施された。
武装面ではライフルブレードとビームサーベルが出力を強化したライフルブレード改とビームサーベル改へ、ヘヴィシールドは小型ブースターと伸縮ウイングを内蔵され手動遠隔操作が可能となり二連装バズーカを外して弾速を強化された二連装カノン砲を搭載したエアロシールドへと改修され、ジュンが得意とする白兵戦武装の強化に加えて盾投げから遠隔操作でより三次元的な派生攻撃や連携補助が出来るようになった。
また、キャノン系最大の特徴である両肩部キャノン砲はハイパワーブースターと連結する事によって起動する後述の『リッターモード』によりエネルギーをブースターの加速燃料にする事によって既存のフルアーマータイプを遥かに上回る圧倒的な機動力を会得する事に成功した。
怒りの為に敵を撃つのではなく、コロニーに浮かぶ造られた青空の輝きを守れるように、そこで暮らす最愛の人を守れるようにという願いを込め、そしてかつての忌み名である『青の騎士』を背負う覚悟を込めてジュン自身がブラウリッターという名を与えた。 - 4二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:10:29
武装一覧
・ライフルブレード改
近接戦闘能力を強化されたブルパップ式ライフルブレード。
内蔵された高出力ビームサーベルの出力を更に強化し、最大出力でMAの大型ビーム兵器をも真正面から受け止めて焼き切る事も可能な程の出力を発揮する。
・ビームサーベル改
既存の武装を強化改修したビームサーベル。出力調整の幅が既存のサーベルより広く、最大出力で高出力ビームサーベル並の火力を発揮する事が出来る。
・エアロシールド
ヘヴィシールドの改良型装備。投擲の瞬間に取り付けられた小型ブースターと伸縮ウイングを起動させ、投擲後リモート操作で突進や二連装カノン砲の高速射撃を活かしたビットのようなより三次元的な立体攻撃を仕掛ける事が出来る。また、元々ジュンが得意とする剣と盾の二刀流に用いる際にも相手の防御の瞬間にブースターをふかせて速度と威力で相手のガードを打ち抜くなどの使い方も出来るようになった。
・両肩部キャノン砲
伸縮式両肩部キャノン砲。ハイパワーブースターに連結する事でビームエネルギーをブースターに回す事で更に加速する事が出来、その際にはブースターの炎と特殊なビームエネルギーが混ざる事で放出される青い炎がマントのように広がる。この状態は『リッターモード』と呼ばれ、機動の軌跡に残像を作り出す程の速力を発揮する。また、青い炎を操り後方からの攻撃を迎撃、或いは白兵戦中に急旋回する事で炎の軌跡で相手を焼き切る事も出来る。因みにリッターモードを起動しない通常の状態はキャノンモードと称されている。
・多連装ミサイルポッド
胸部両脇に搭載された多連装ミサイル。オールレンジ攻撃対策で射出速度とホーミング性能が強化されている。 - 5二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:11:22
この時空における本編キャラ達
ニャアン
(本編では扱わないのかもしれないが)合法的な機械パーツの配送を通じてジュンに出会う。
初めは難民の自分にやたら接してくる兄ちゃんを不思議に思う程度であったが、合法の販売ルートの提供や困った時に相談に乗ってくれるジュンに次第に心を開いていき、本編後半では兄ちゃんのジャンク屋でのお手伝いを始め、違法パーツの販売などからは足を洗った。
本編後は改札の前で車椅子に乗ったジュンと再会して笑い泣き、エル・サルバトーレ襲撃で半壊したジャンク屋の立て直しを手伝いつつ、本格的にジャンク屋のお手伝いに転職する事になった。
尚、クラバなんてまともな奴がやることじゃないという考えは一貫しており、お金が必要でこっそり修繕したブルキャノンでジュンがクラバに参加した時は夫のキャバクラ通いを知った妻レベルでジュンを締め上げており、この時ばかりはジュンも頭が上がらなかった。
前スレの地獄を乗り越えてジュンに想いを伝え、2度目の連邦軍戦に伴い連邦軍とのクランバトルに挑む事になったジュンと共に戦う為、イズマ・コロニーの新型MSガンダム・オイランゼンに乗り込む事を決意する。
マチュ&シュウジ
連邦軍の任務で破壊対象だった赤いガンダムと最新型のガンダムのパイロットだったが、終盤までそんな事を知らずに仲良くなってしまった二人組。
本編後は2人にブルキャノン修繕の為のパーツ集めを手伝って貰っており、後々それがニャアンにバレて3人+修繕案通した演歌のおっちゃん+設計図を流した看守のおっちゃん共々仲良く怒られた。
本編での試練を乗り越えて現在はサイド6名物の恋仲になっており、ジオン公認でジークアクスと赤いガンダムの試験パイロットになった。
エグザベ
本編中1番スパイのジュンと交戦している、ある意味兄ちゃんのライバル。
機動力と反応速度に特化したXカスタムを操り、火力と馬力を極めたブルキャノンを相手にさながらサイコザクVSフルアーマーガンダムのようなタヒ闘を何度も繰り返した。
お互い互角の実力でタヒ闘を繰り返した結果それぞれの技量が飛躍的に上がり、この経験値のおかげでジュンはエル・サルバトーレ戦での戦タヒを免れているため、ある意味命の恩人である。
本編後はコロニー6で互いに正体を知らぬまま生身で出会い、なんやかんや仲良くなる。 - 6二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:11:57
ガンダム・オイランゼン
サイド6にて独自開発されたガンダムタイプ。
形状はジークアクスに極めて近いものの外装フレームが軽量化に伴い一際細く、カラーリングは黒紫が基調となっている。
『MAV戦術におけるブルキャノンとの連携』に特化して作られており、ブルキャノンが苦手とするオールレンジ攻撃や特殊弾及びジャミングの無効化、力押しの白兵戦で生じる僅かな隙を埋めるピンポイント攻防を得意とする。
しかしこの機体の最大の特徴は武装よりもエル・サルバトーレの擬似サイコミュを基礎として作られた全く独自の制御補助システムにある。ブルキャノン試作1号機のパイロットであるジュン・ファンボイの戦闘データを組み込んだ戦闘補助機能は乗り手によって性能が大きく変化してしまい、優れたパイロットやニュータイプでも特定の適性が欠けている場合独自の兵装が全く使い物にならないという乗り手を選ぶ仕組みになっている。サイド6MSパイロットに対して行われた適正試験によって判別した平均適性率が25%を下回る程に低い中、ジュンと共に苦難を乗り越えて来たニャアンは適性率98.9%という驚異的な数値を叩き出しており、ジュンとの連携によって数字以上の機体性能を引き出す事に成功した。
機体名のオイランゼンはベトナム語のオイ・ラン・ゼン(隣人)から来ており、ジュンの隣で戦う事を決めたニャアンが名付けた。 - 7二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:12:36
武装一覧
・ヒートシミター
歪曲した細身のヒートソード。
細身ながらもかなりの強度を誇り、刺突によるピンポイント攻撃や相手の防御をすり抜けるスナップを効かせた斬撃など、テクニカルな白兵戦を行う事が可能。
・リトルシールド
ジークアクスの盾を一際小さくしたような小型の盾。
ヒートシミターとの併用を前提に極限まで軽量化されており、更には後述のペタルビットを連結して実体剣として扱う事によってブルキャノンのような剣と盾の二刀流を可能にする。
・ペタルビット
腰回り後ろに4機、背部スラスターに4機搭載された合計8機の小型シールドビット。腰に搭載されている時には追加ブースターとして使用可能。いずれもやや縦に長い紫色の水晶のような六角形の形状をしており、中央のブースター付きの黒いフレームに内蔵された擬似サイコミュとマニュアル操作の併用で一枚一枚が自在に宙を舞う。
紫色の水晶を思わせる特殊金属は純粋な物理強度が極めて高く単体でも自在に操れる盾となり、場合に応じては遠距離の対象を切り裂く剣にもなり得る。
更にはビットそのものがビーム、電撃、ジャミング機能などのあらゆる障害に対して高い耐性を誇り、複数のビットでフォーメーションを組む事で攻撃を受け止めるバリアフィールド、ビームを反射するリフレクトフィールド、ホーミング機能を無力化する電磁波を生成するジャミングフィールドなどを展開出来、ブルキャノンが不得手とする広範囲からの波状攻撃や特殊兵器の影響を防ぐ事を可能にしている。
また、ニュータイプのオールレンジ攻撃に対してもブルキャノンと連携する事によって放ったビームをリフレクトフィールドで反射、拡散して攻撃の1発1発を撃ち落とすような超波状迎撃ビームを放ち圧倒的な制圧力を誇る。
武装名のペタルは「花びら」を意味している。 - 8二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:13:05
リーラ・ゴーセブルーム
ブルキャノン・ブラウリッターとガンダム・オイランゼンの連携によって発動する対ゼクノヴァ兵器。
『紫の大輪』を意味する通りにオイランゼンが操るペタルビットが高速回転する事で作り出される紫の光の輪から発生される強力な電磁力を輪の中央にいるリッターモードのブルキャノンに纏わせ超磁力の反発によってブルキャノンを射出し、ゼクノヴァに激突した際の衝撃波で対象のエネルギー膨張を消滅される事が出来る。
速い話がブルキャノンそのものを弾にしたレールガンのようなものであり、頑強なブルキャノンによる高速戦闘を得意としたジュンが弾役を、そのジュンを上手く補助出来るように軌道補正を出来るニャアンが射撃役をしないと姿勢制御が上手くいかず大惨事は免れない。
基本的な役目はゼクノヴァの消滅だが単純な突進技としても強力であり、弾役のジュンの負荷を無視すれば理論上はムサイ10艦を縦に貫通出来る。 - 9二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:13:33
このスレのオリキャラ
演歌の軍警
サイド6軍警の繁華街派出所部長。
巡査長時代に不審な難民の情報を聞いてニャアンを追跡していた際にジュンに遭遇。
最初はニャアンが違法デバイスのやり取りをしていると疑い逮捕しようとするがジュンに依頼してたのは合法の作業用デバイスであり、更にはニャアンが持ってきたのは北島○郎演歌集のCDだった為、結局2人が逮捕される事はなく、なんならジュンと2人で兄弟船をデュエットして仲良くなった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の際に瀕タヒになったジュンを救護施設まで届けてくれた張本人であり、ジュンが服役中も何かとニャアンに気をかけている。
普段はMS部隊の欠員補充で指揮官仕様の軍警ザクで交通治安維持に努めている。
看守
ジュンがいる刑務所を管理する看守。
元々は機動隊隊員だったが過去に負傷をして現在の勤務地に転属となった。
後述のエル・サルバトーレ襲撃の緊急事態に避難誘導員が足りず現場に駆り出されており、目の前でジュンのブルキャノンが身を挺してニャアンを守るのを見ていた事や演歌の軍警から事情を聞いた事によって刑務所内のジュンに何かと気を使ってくれており、出所後も度々演歌の軍警と共にジャンク屋に顔を出している。 - 10二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:14:08
ベイン
難民居住区に住む初老の男性。
幼い頃に漂着したニャアンの面倒を見ており、彼女が1人で生きられるように面倒を見てくれていた育ての親。仕事柄どうしてもコロニーから離れる事が多い為ニャアンが早く独り立ち出来るように育て上げたものの彼女のどんくささや生きる為とはいえ違法な稼ぎ方に手を染めざるを得ない状況をずっと不安に思う中ジュンの元で真っ当に生きているニャアンと再会して心底安心していた。
しかしその正体はジュンと同じく連邦軍のスパイ。処刑人であるジュンとは異なり隠密活動から暗サツまでこなす、スパイとしてはジュンよりも上澄みの実力者である。
今回サイド6に戻って来たのはブルキャノンの戦闘データを回収する為であり、その為にニャアンを利用しようとしてスパイとしての責務と育ての親としての罪悪感に苛まれていた。
愛機である独自のMA、カボ・マンダラットは鉄錆色のヤドカリのような独特の形状をしており、その機体の特徴からベイン自身も鉄錆の爪の異名を持ち恐れられている。
ブルキャノンとの決闘の後、尚もスパイとして情報収集に徹するも土壇場でジュンとニャアンが危機に陥った際に身を挺して庇って致命傷を負うもののソドンでの治療が間に合って一命をとりとめ、今は軍警内病院でお世話になり、ジュンとニャアンの弁明により罪は比較的軽微なものとなって気軽に面会も可能な状態になっている。 - 11二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:21:16
前スレのあらすじ
マチュからの頼みで学園祭の出し物である演劇に参加したジュンとニャアン。若干人の心が欠如した配役をこなす羽目になったり相変わらずエグザベ君の正体がいつバレるのかわからない綱渡りだったりしたものの結果的になんやかんや2人は演劇と学園祭を楽しみまた1つ思い出を重ねるのであった。
そんな学園祭から数日後、2人は市長に呼び出されてジオン、連邦、イズマ・コロニーの三国によるMS隊合同試験への参加を要請される。
軍事的な事案にニャアンを巻き込みたくないジュンは反発するものの以前の統一機構のスパイのような事態にはしたくないというニャアンの説得を受けてやむを得ず承諾、参加する事を決めた2人に市長からその試験会場は地球の中将の治めるドイツ領であると告げられる… - 12二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 17:56:42
新スレ乙です。
年度末繁忙で帰宅即タヒ状態&新年度修羅場確定なので土日くらいしか動けませんが、先代スレにゴップさん劇場撃ちこんどきましたw - 13二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 18:57:15
新スレ乙です
3国合同実験、新たな火種にならないと良いが…… - 14二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 19:14:10
- 15二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 20:38:46
河川敷
マチュ「地球行くの!!!?」
シュウジが壁にキラキラのアートを描く隣で、マチュは物凄い勢いと驚いた様子でニャアンに詰め寄り、予想していたとはいえその余りの勢いにニャアンは若干後退りながら頷く。
ニャアン「う、うん…でも殆どオイランゼンの試験運転をやるってだけだからマチュが思ってるような感じじゃ…」
マチュ「ズルいズルいズルい!!私もシュウジと一緒に地球旅行したいのにーっ!!」ニャアンの胸元掴んでぶんぶん振り回してる
ニャアン「ゆ、揺れる揺れる止めてってば」困りながらされるがまま
シュウジ「地球は羨ましいけど…大変な仕事だね。ファン兄ちゃんはニャアンが来るの反対したんじゃない?」
ニャアン「うん。最初は軍の仕事に私を連れて行きたくないって言ってたけど…イズマ・コロニーが変に疑われたら困るからって説得して、ついてく事にした」
マチュ「う〜…意外と強かだねニャアン…」
シュウジ「夫婦喧嘩したらファン兄ちゃん勝てそうにないよね」
ニャアン「わ、私が2人に話したいのはそういう事じゃなくて!!その、暫くジャンク屋を開けるから、たまに留守番してるハロ達の様子を見て欲しいんだ。あの子達寂しがり屋だから…」
シュウジ「そういう事か、分かったよ」
マチュ「じゃあじゃあせめて地球のお土産沢山買ってきてね!?美味しいものか国限定の面白いものとかそれからそれから!!」
ニャアン「だ、だから観光じゃないんだってば…」 - 16二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 20:52:45
同刻、軍警詰め所
アラガ「ほーん、夫婦揃って地球へ出張かぁ」
ラゴウチ「ガンダム乗りも楽じゃないっすねぇ」
演歌「んで、ファン坊はさっきから何を頭悩ませてるんだ?」
ジュン「いや…やっぱニャアンを地球に連れてくのはどうなんだって思ってさ…観光なら全然いいんだけど軍事試験だぜ?しかもジオンと連邦の目に晒されるってのも…」頭抱えながら悩んでる
演歌「決まった事ウジウジ考えこんでもしょーがねーだろ?今更やっぱ連れていきませんって言って市長を納得させられるのかよ?」
ジュン「暴力に躊躇しなくていいなら半々ぐらいの確率で説得させられるとは思うけど…」
アラガ「今さらっと恐ろしい事言ったなオメー」
ラゴウチ「そういやニャアンちゃんが闇バイトをすっぱり辞められたのってあの子の情報とか色々抑えてたバックの組をオメーが締め上げたからだったっけか…」
演歌「悪党ならともかく恩のある市長だぜ?そんな不義理はしねぇだろ?それに、ついていきたいって願ったニャアンちゃんの意思まで無下にしようって事になっちまってもいいのかよ?」
ジュン「ぐ………」
アラガ「おお、揺れてる」
ラゴウチ「やっぱニャアンちゃんに嫌われんのが1番効くみたいっすね」
演歌「それによ、連邦側は中将閣下、ジオン側はシャリアブル中佐が取り持った理解ある方の派閥が来るって話だろ?そんなトラブルになるような話はねぇさ」
ジュン「…そう…だなぁ…」
演歌「おらシャンとしろって!!午後の見回り行くぞ!!」
- 17二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:12:29
繁華街帰り道
午後の見回りを終え、平和公園にブルキャノンを置いてからジュンはいつもの帰り道で、今となってはすっかり見慣れた人工の夕日をぼんやりと眺めてながら歩いていた。
子供「あっ、ファン兄ちゃん!!見て見て!!」
ジュン「ん…?お、それブルキャノンのプラモか?」
子供「うんっ!!パパと一緒に並んで買えたんだよ!!」
父「あはは…今の模型争奪戦は凄いですね…」
母「もー、2人してロボット大好きなのは困りものねぇ…」
ジュン「たはは、なんかすんません…」
子供「これからパパと一緒にブルキャノン作るんだ!!」
ジュン「そっか、カッコよく作ってくれよな?」
わしゃわしゃと子供の頭を撫でてから手を繋いで帰る3人を見送り、再び自分も帰路に着こうと踵を返すと、目の前にニャアンがいた。
ジュン「うおっ、いつの間に」
ニャアン「丁度今ジュンを見つけて、声かけようと思った」
ジュン「そっか。マチュ達には頼み事出来たのか?」
ニャアン「うん、お土産沢山買ってきてって頼まれて、ついでに明日旅先に持ってくものの準備で2人で買い物行く事になった」
ジュン「たはは、あいつらしいや」
ニャアン「…ところで、さっきの子供ブルキャノンのプラモの箱持ってたね」
ジュン「…?おう」
ニャアン「……ジュンもあーゆーのにお金注ぎ込もうかなー、なんて考えてたりする?」疑いのジト目
ジュン「いえニャアン大明神様に誓って決してそのような事はございません」目逸らし
ニャアン「……怪しい…ので、はい」つ手を差し出す
ジュン「…?」
ニャアン「手を繋いで帰るなら、信じてあげる」
ジュン「…ははっ、それぐらいならお安い御用で」
2人は優しい夕日に照らされた帰り道を手を繋いで歩く…
- 18二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 21:45:07
日常回とかだとシンプルに星野源さんの恋とかがエンディングとして秀逸だなぁ、と思う今日この頃
人工の夕焼けに照らされて帰る2人が好き - 19二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:06:00
このレスは削除されています
- 20二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:08:27
市長「いやあイズマでの先行販売でも十万箱がほぼ即日完売とは…」
広報「言い出しっぺのメーカーが緊急増産すると報告してきました。一箱三十ハイトで十万箱は来月のサイド6全域での販売分含めてのものだったとか」
市長「そりゃあそうだろう。つい先日まで連邦の破壊工作機だったのにここまで売れるとは誰も思わなかったとし仕方が無い。ところで…」
広報「一部で転売の動きがありましたが、転売禁止条例に基づき警察が動いております。特定と没収は時間の問題かと」
市長「そうかそうか。これで面目は立つ。さて、千箱分三万ハイトの”運上金”はどうしたものかね」
広報「それなんですが…」
市長「今回に限り、あの二人に持たせて公爵家まで届けなさい…か。まあ五千ハイト硬貨なら六枚だ。重みはともかくポケットにでも突っ込んでいって貰うか。そして…」
広報「これ、本当に届けて良いんですかね? と言うかあちらで需要あるんですか」
市長「特別パッケージ豪華版、あの二人の立体アクリルスタンド付一箱九十九ハイト。これも送れとは…」
広報「まさか大行列で瞬サツ即日再販発表とは…」
市長「あの二人に”ちゃんとマージン渡すから”って約束で少数出したけど、少数生産を反故にしちゃったから今度こそブルキャノンとオイランゼンで追い回されるかもしれないね」
- 21二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:33:15
- 22二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:46:11
前スレの200はサイド6の桜の名所か
そういや花見の季節だもんな - 23二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 22:53:26
- 24二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 23:34:06
おまけ、コロニー出発前買い物する女子組
ニャアン「別に向こうで着る用の服の準備ぐらい1人で出来るのに…」
マチュ「まぁまぁそう言わずにさ!!ほら、軍の偉い人とかに会うんだからコモリさんからフォーマルな服とか見て貰った方がいいかもだし!!」
コモリ「あ、あはは…なんかごめんねニャアンちゃん。代わりにちゃんとお手伝いするから」
ニャアン「そりゃあ現役軍人さんが選んでくれたら間違いないとは思うけど…」
マチュ「…!!ねぇねぇニャアン、これどう!?」
ニャアン「ん…?」
ニャアンが振り返ると、マチュがにやにやしながら黒のレースのだいぶ際どい下着を持っていた。
マチュ「やっぱさー?仕事とは言え旅行先だし?もしもの時の為に準備は必要だと思うんだよねー」にまにま
コモリ「も、もう!!アマテさん真面目に服選びするんでしょ!?」
ニャアン「ええと…黒はいいや。この前黒だった時もレースなら白の方が似合ってるってジュンも言ってたし」
マチュ「ちぇっ、なーんだ。黒より白かー」
コモリ「成る程、白の方が好み…」
マチュ「………ん?????」首傾げ
コモリ「………んんん?????」首傾げ
ニャアン「…?」きょとんとしてる - 25二次元好きの匿名さん25/03/29(土) 23:34:24
- 26二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 00:42:33
なおニャアンには契約更改に伴う割り増しマージンで手を打って貰った模様
ニャアン「これで晩ご飯のおかずをもう一品増やせる…!」
タマキおかん「そんなささやかな額で良いのかしら…もっかい監察(物理)しないとダメかしら…」
マチュ「フーフ揃ってオッケーならいいんじゃない?」
- 27二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 01:00:00
………んんんんんん??????????
- 28二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 01:32:08
- 29二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 03:48:36
嘘だろファンボイ…
- 30二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 05:49:41
- 31二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 06:44:56
ベイン「とうとう一線越えおったなこのけだものが!!」
ジュン「ちげーよ聞けって!?うっかり居ないと思ってニャアンの部屋に入ったら中で着替えてる最中でいでででで?!折れる折れる首折れる!!」
ベイン「へし折ってそのままラーメンにして食ってやるわァ!」
マチュ「と、被告人は釈明していますが?ニャアン弁護士」
ニャアン「………………あのあとジュンの鼻血がしばらく止まらなくて大変だった……///」
マチュ「うん、ファン兄ちゃんは無実だね。反応見れば分かる」
コモリ「あの、そろそろファンボイ君解放してあげません?キャメルクラッチで体がとんでもない角度になりつつあるし……」
- 32二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 06:52:31
良かった…本当に良かった…
いくらジュンでも許せる事と許せねぇ事があるからな… - 33二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 07:00:07
ニャアンが成人するまでは清いお付き合いを!?
出来るのかジュン!やれんのかジュン! - 34二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 07:37:26
- 35二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 10:28:00
- 36二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 11:14:58
ぶっちゃけファン兄はブチ切れて指揮官ぶん殴ったりニャアンに嫌われたらと想像してエレン泣きしたりする程度には感情に正直なので我慢出来るかっていうとまぁまぁ怪しいところはある
- 37二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 11:21:26
- 38二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 11:36:01
???:ねーおっちゃんおっちゃん。
ペイン:なんじゃあ…あ。
???:おかーさんから、スットコドッコイぶっ飛ばしたら「いつものように」帰って来なよ、だって。
ペイン:お、おう。いつものマンホールからモールス3連、じゃな。
???:ん。あと、あんまり繰り返すんなら塞いでバラすから、ってさ。
ペイン:ぐっ…わ、わかった。
一同:誰!?
ペイン:厨房班長殿の娘さんじゃ…
- 39二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 12:07:26
「あれ、アマテ珍しいね。スパッツ履いてるなんて」
「う、うん。ちょっとね」
「もしかしてさ、彼氏に何か言われた?」
「え゛!?あ、えっと」
「いいじゃん今更隠さなくたって」ニヤニヤ
「~~~っ、しゅ、シュウジが」
「が?」
「『他の人に見られるのは嫌だから隠して』って……///」
(あ、恋人の独占欲感じて嬉しくなってるやつだコレ)
- 40二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 12:18:28
17歳女子達(時系列的に18とかかもだけど)の色恋の進み具合が強過ぎる
聞いているのかエグコモよ - 41二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 12:46:43
もう気軽に制服で逆立ち飛び込みできないねぇ⋯
- 42二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:24:59
ま、まだゼクノヴァ(意味深)には至ってないはずだから……
- 43二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 14:45:31
絶賛取っ組み合い中の蒼い騎士&鉄錆の爪
ベイン「よーし分かった!!正直にどこまでの事をやったか白状したら許したる!!清い付き合いをしとるなら問題あるまい!?」
ジュン「ホントか!?中将閣下に誓うか!?」
ベイン「男に二言は無い!!!!」
ジュン「よし!!……えーとな…ゴニョゴニョ…」組み付き解除してベインの耳元でゴニョゴニョ
ベイン「………成る程……ワシは許そう…だがワシの技が許すかな!!!!」
ジュン「ぐわあああああ騙しやがったなジジイイイイイイイイ!!!!」
演歌「で、出たああああ!!ベイン爺さんの必殺技、閻魔固めだああああ!!」
看守「獄中であの技を破った格闘家は1人もいないからかなりキレてますねぇ(解説者風)」
マチュ「ね、ね、結局ファン兄とはどこまで進んでるの!?」
ニャアン「………内緒」少し照れながらしーっのジェスチャー
コモリ(なんでだろう、私だけ物凄く遅れてる感じがするのは)謎の焦燥感
因みに閻魔固めは背筋によるジャンプでどうにか逃れた - 44二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 15:10:37
- 45二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 18:24:17
膝枕とかならジャンク屋で2人きりの時とかにリビングのソファでしょっちゅうやってそう。
なんらかの弾みで寝ぼけたジュンが人前で膝枕してニャアンもほぼ無意識で受け入れるの見て(こいつらしょっちゅう膝枕してるな…)と面々にバレてたらおいしい
- 46二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 19:36:02
イズマ・コロニー商業港
市長から合同試験の話を受けた日から数週間後、荷物の準備やら機体試験にあたってのブリーフィングなどを受けたジュンとニャアンは遂にイズマ・コロニーを旅立つ日を迎え、今まさにブルキャノンとオイランゼンを搬入中の大型船に乗り込もうとしており、その前に見送りに来た一同と談話していた。
演歌「そんじゃファン坊、久々の地球楽しんでこいよ!!」
看守「ただし、ニャアンちゃんとの付き合いは今後とも適度に清い感じでな。何かある度にベインさんが脱獄するんだから程々にしてくれよ」
ジュン「わかってるって。そっちこそ奥さんと喧嘩して泣きつく相手がいねぇからってヤケになったりすんなよ?」
演歌「このクソガキがよぉ」ぐりぐり
看守「こっちにいねぇ分しっかりシメてやるぜ」ぐりぐり
ジュン「いででで」
マチュ「あ、そうだニャアン!!これ!!」
ニャアンはマチュから少し古いタイプの小さなデジタルカメラを渡される。
ニャアン「…?これ、デジカメ?」
シュウジ「それで地球の写真、たくさん撮ってきて欲しいんだ。忙しくてお土産は買えないかもしれないけど、僕もマチュも地球の景色が見たくてさ」
ジュン「おー、懐かしいなそのタイプのデジカメ。最近は皆スマホで写真撮るから見なくなったよなぁ…俺もそれ使って写真撮ってもいいか?」
マチュ「いいけど…兄ちゃんMSとか鉄道とか船とかそーゆーのしか撮らないんじゃない?」ジト目
シュウジ「そうなりそうだからニャアンにカメラマンお願いしたいんだよね」
ニャアン「ふふっ…分かった、それなら任せて」
ニャアンがデジカメを受け取るのを見ながら笑いつつも、ジュンは乗り込む予定の大型船の隣にあるもう一隻をちらりと見て、複雑そうな顔をする。
ジュン「…しかしなぁ…まさかこいつと一緒に地球へ行く事になるとはなぁ…」
そう言って見つめる先に鎮座するのは、ミリタリーグリーンのペガサス級…つまりは、ソドンであった… - 47二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 19:51:19
同刻、ソドンメインブリッジ
ラシット「…しかしまさか我々が地球に…しかもよりによって公爵家の蒼い騎士と共に公爵家中将の領土に降りる事になるとは…イズマ・コロニーの船の護衛兼ジオン側の代表との取次役とは言え…くそっまた頭が痛くなってきた…」
シャリア「おや、大丈夫ですか艦長?顔色が優れないようですが…」
ラシット「そりゃあこんな顔色にもなるでしょう…連邦の所属だった頃に一度、このソドンは危うく奴に沈めかけられたんですから」
シャリア「ああ、エグザベ少尉と彼の4度目の戦いの時にそんな事もありましたね。懐かしいものです」
ラシット「中佐が出撃して迎撃に出るのが少しでも遅れてたらと思うと…いや、正直考えたくもありません。ソドンクルーとしては皆同じ気持ちだと思いますよ」
シャリア「しかし今彼はイズマ・コロニー所属の軍警察です。同じような事は多分ないでしょう」
ラシット「あったら困るどころの話じゃないですよ!!…エグザベ少尉もコモリ少尉もよく奴と仲良くなれたな…しかも正体を明かさずに…」
シャリア「蒼い騎士は2人と歳が近いようですし、案外楽に打ち解けられたのかもしれませんね…そこのところどうなんでしょうか、コモリ少尉」
コモリ「そう…ですねぇ…初めは互いに正体を知らなかったのが大きとは思いますが…話せば話すほどフツーの青年で…正体を知った時も流石に冗談だと思ったぐらいです。それぐらいに、親しみやすい人ですよ」
ラシット「ふーん……ところでさっきからエグザベはなんでブリッジの隅っこにいるんだ?」
エグザベ「いやその、まだ彼に顔が割れていないものでして…」
ラシット「もうとっとと正体明かしたらどうだ…?」
- 48二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 19:56:27
- 49二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 20:03:05
元々試作1号機の段階で単騎で戦局を変え得る一騎当千の力を目指した中将の思想とそれを形に出来た指揮官の技術力が合間って完成したこの世界におけるフルアーマーの最新鋭機みたいなものなので連邦軍の機体でも群を抜いて高性能かつフルアーマーでの近接格闘能力が連邦トップクラスのジュンが乗っていた為ブルキャノン試作1号機は群を抜いて強かったです、多分キルスコア的にも絶好調のイオの乗ってたフルアーマーガンダム並みに大暴れしてました
ただやはりニュータイプの感に対抗するにはスペックを活かし切る必要があり、尚且つシャリアのような技術も能力も高い相手だと後手に回って撤退を余儀なくされたりと相性はあった模様(それを補う為に市長はオイランゼンを作った)
- 50二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 20:15:31
同刻、商業港
ジュン「んー…?」ソドンブリッジを覗き込み
ニャアン「…?どうしたのジュン?」
ジュン「いや、ソドンのブリッジにさ、Xカスタムのパイロットとかいねーかなーって…あっ、端っこの方に若い男っぽいのいるな…あいつか…?」
ニャアン「じゅ、ジュン私達も早く船に乗ろう!!遅れたら大変だし!!」
ジュン「えっ、お、おい押すなって!!分かった分かったすぐ行くから、じゃ、じゃあな皆!!また暫く!!」
マチュ「いってらっしゃーい!!」
シュウジ「ん、楽しんできてね」
演歌「土産に地球のレアな演歌のCDとか買ってきてくれよー!!」
看守「囚人ども用にも日本の和菓子の土産も忘れずになー」
ジュン「今から行くのドイツなんだけど!?」
やいのやいのと騒ぎながらもジュンはニャアンに押し込まれて大型船に乗り込み、入り口にいた市長と鉢合わせる。
市長「やあ、盛大な見送りだったね」
ジュン「向こうは旅行の見送り気分で気楽でしたけどね…」
ニャアン「やっぱり、市長さんも行くんですね」
市長「これでもあの2機の開発責任者だからね。各種装備の詳細な説明となると研究チームのみでは話しにくい事もあるだろうから、私が行くべきだろう。丁度私と大統領が入れ違いになるからイズマ・コロニーの治安も大丈夫だろう…お、そろそろ出発だ」
3人は旅客機で言うファーストクラスのような席に座り、あまりに豪華で慣れずにそわそわするニャアンをにやにやしながらジュンが眺めていると、程なくして出航の合図と共に大型船はイズマ・コロニーから地球を目指して進み始めた…
- 51二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 21:08:27
そういやサイド6から地球までって結構距離あるんだろうか?
マチュの憧れてる感じ的にはそう簡単にいける距離じゃないのかなぁ、と思ってたけど実際の距離はどんぐらいかよく分からないな… - 52二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 21:32:52
大型船客室
研究員A「失礼します市長。連邦及びジオンへのリーラ・ゴーセブルームの原理説明の為の資料の最終確認をして頂きたいのですが…」
市長「ああ、すぐ行くよ…それじゃあファンボイ君、ニャアンちゃん。地球到着まではゆっくりしてね。船内の設備説明はそこのタブレットにあるから」
ジュン「あっ、はい」
市長はひらひらと手を振って席を立ってこの場を離れ、残されたジュンはタブレットに手を伸ばして設備説明を見る。
ジュン「ええと何々…レストランにシアター…スポーツジムにサウナ付きの大浴場…?なんか豪華客席みてぇだな…流石に地球までの旅となると飽きないように色々準備されてんだなぁ…にしたって俺がスパイで潜り込む為に乗った貨物船とはえらい違いの……ニャアン?」
ふと、ジュンは隣に座るニャアンが窓から宇宙をじっと見つめている事に気付く。地球に向けての高速飛行状態故に星の輝きが長い線のように伸びる不思議な光景をきらきらした目で見続けるニャアンを見て、綺麗なもの見つけた猫みたいだなぁ、などと思いながらジュンはくすりと笑う。
ジュン「気に入ったか?外の景色」
ニャアン「…うん。話には聞いてたけど、凄く不思議で…なんだか、綺麗」
ジュン「そんならよ、早速貰ったカメラ使って写真撮ってみたらどうよ?」
ニャアン「えっ…でも、マチュ達が見たいのは地球の景色でしょ?まだコロニー出て30分も立ってないんじゃ…」
ジュン「地球に行くまでの道のりの記録って事にしときゃ大丈夫だって。それに、折角なんだからニャアンが撮りたいものを撮らなきゃ楽しくないだろ?」
ニャアン「それなら…」
ニャアンは少し嬉しそうにしながらカメラを取り出してシャッターを切るが、少し困った顔をジュンに向ける。
ジュン「どした?」
ニャアン「…なんか…光の線が多過ぎるせいで画面がボケちゃった…」
ジュン「あー…太陽光とか月の光ってカメラで撮ると変になるよな…記念すべき一枚目がこれだとちょっとアレだな…よし作戦変更、一枚目は俺らの自撮りにしとこう」
ニャアン「いよいよ景色関係なくない…?」
困ったようにしながらも、結局ニャアンはジュンと肩を組んで笑い、申し分程度に後ろの景色も入れた写真を一枚目とする事にしたのであった…
- 53二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 22:04:42
今の技術でも地球から月へが4日ぐらい(マッハレベルの速さで)らしいので、宇宙世紀の技術でもやっぱ2.3日ぐらいはかかるんかな…
- 54二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 22:36:07
ガチ豪華客船じゃねえか……サウナ付き大浴場って水一体何L積んでるんだコレ
宇宙世紀の軍艦の風呂事情|あにまん掲示板例えばスレ画のスパルタンなんかはシャワーが男女共用だけど宇宙世紀じゃあれが普通なのか、それともサンボルだけなのか、はたまたサンボルでもスパルタンが異例な方なのかbbs.animanch.com - 55二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 22:55:38
- 56二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 23:12:29
- 57二次元好きの匿名さん25/03/30(日) 23:28:13
顔の言い男共で「バーニャ!」状態…?
- 58二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 07:03:04
朝保守
昼夜はだれかよろしく - 59二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 07:36:07
保守感謝andやはり月末故ゆっくり執筆予定
- 60二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 08:01:59
まぁ艦内に大浴場はどっかの大天使もやってるしヘーキヘーキ
- 61二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 10:55:11
- 62二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 14:53:12
普通新婚旅行に市長はセットで来ないのよ…?
- 63二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 19:11:57
この後すぐ地球付近イベント予定だったけど思いの外船のイメージが楽しくてまた寄り道しそう(寄り道が楽しい)
- 64二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 20:15:58
ソドンメインブリッジ
大型船が地球へ出発するのと同時に、護衛艦であるソドンもまた地球に向けてソドンに随伴して移動を開始していた。
コモリ「はぁ…いいなぁファンボイ君とニャアンちゃん…イズマ・コロニー最新の大型移動船で2泊3日なんて…羨ましいなぁ…」ため息
エグザベ「…?何が羨ましいんだい?」
コモリ「だって向こうの船は外交目的で交渉相手の重役を迎える為にも使われる超VIP様大型客船だよ!?レストランは勿論レジャー設備まで充実してるんだよ!?」
エグザベ「へ、へー…(いつになく熱量が凄い…)」
シャリア「実際彼らの役割を考えれば相応の待遇でしょう。軍属の蒼い騎士はともかく、ニャアンちゃんに関しては本来あの緊急時のクランバトルの為にあの機体を託された所を三国が関わる軍事試験に引っ張り出されたのですから、あれぐらいはもてなしてあげないと」
コモリ「あー…いいなぁ…レストラン…映画館…」
エグザベ(そんなにお腹空いてるのかな…)
ラシット(また見当違いな事考えてるなこの馬鹿は…)
羨ましそうにブリッジから大型船を眺めるコモリだったが、その船にいる当人達…つまりはジュンとニャアンはどうにも落ち着かない様子で席に座っていた。と言うのも…
ジュンニャアン((ご…豪華過ぎて落ち着かない…))
…ジャンク屋で共働きしてる2人、しかもお互い出会うまでは片方は青春を軍属に費やしたような青年、もう片方は幼少期から難民として生き延びてきた少女という組み合わせであり、豪華過ぎる大型船の雰囲気はどうにも落ち着かないのであった。
ジュン「ま、マズいなこれ。なんか落ち着かな過ぎてソワソワしてきた」
ニャアン「どうしよう…と、とりあえず船の中散策する…?」
ジュン「お、おう。なんかずっとこの部屋にいるのも落ち着かないな…」
ニャアン「うん…部屋ですらホテルの部屋みたいに至れり尽くせりで落ち着かないよね…」
かくして庶民的?な2人は船内を散策する事になった… - 65二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 20:36:10
大型船ホール
とりあえずこの船の雰囲気に慣れねばとホールに出た2人だが、まずホールの豪華さと広さにも圧倒され、思わず立ち尽くしてしまう。
下手をしたら以前演劇をした体育館とステージよりも一回り大きい3階立ての螺旋階段構造が取り入れられたホールは絵に描いたような豪華客船という雰囲気であり、いつかマチュが本で見ていた地球一周クルーズの豪華客船の実物を目にしたような雰囲気は、2人が普段住む世界とはまさに別世界といった様子であった。
ニャアン「…じゅ…ジュンは騎士なんて言われるぐらいだからこーゆーの慣れてたりしない…?」
ジュン「いやぁ俺のあだ名はどっちかと言うと処刑人的な意味合いで呼ばれる事の方が多いし…何度か閣下に謁見する為に城に行った事はあるけど、向こうのは厳かって感じで、こっちのはまた毛色が違う豪華さだしなぁ…」
ロボット「ようこそお越しくださいました」
ジュン「うおっ!?」
いきなり声をかけられて慌てて背後に隠れるニャアンを庇うようにジュンが振り向くと、背後にはウェイター服を着たペッパー君風のロボットがおり、2人に話しかけてきた。
ロボット「ワタクシは当船内の案内役でございます。市長様からお二人の案内をしてあげるようにと申しつかっております」ぺこり
ニャアン「きゃ、客船ってこーゆーものなの…?」ヒソヒソ
ジュン「お、俺もよく分からないって…」ヒソヒソ
ロボット「ファンボイ様、ニャアン様、何かございましたら是非ワタクシにお声掛けをお願い致します」
ニャアン「あ、ええと…それじゃあ、ご飯の時間まで時間を潰せる所とかないかなぁ、なんて」
ロボット「畏まりました、どうぞこちらへ」
2人は戸惑いながらもローラー脚部を動かして音もなく滑るロボットについていく…
- 66二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:07:11
大型船映画館
ロボット「こちらは当船内の映画館になります。現在時刻は9時30分、12時からレストランが開店するまでに丁度映画1つ見れるよい時間かと思われます」
ジュン「おー…すげぇ…ちゃんと券売機と販売窓口がある…」
ニャアン「ポップコーンとか飲み物も売ってるんだ…」
ロボット「こちらが本日の上映内容になってます。如何でしょうか?」モニターに映画のタイトルを表示
ジュン「どれどれ……いや多いな!?」
ニャアン「ぜ、全部でどれぐらいあるの…?」
ロボット「現在各映画館で上映中のタイトルが30件以外にも過去上映された作品が270件です。項目を絞りますか?」
ジュン「…ニャアンなんかみたいもんとかあるか?」
ニャアン「動物もの…にしようと思ったけど、ここにある動物ものはもう見たやつばっかり…ジュンは?」
ジュン「俺はロボットもの…あ、でも俺もここに表示されてるのはあらかた見たな…」
ロボット「それでしたら、こちらの映画は如何でしょうか?上映時間は少し短めですが、ある程度お二人の要望を満たしています」
ジュン「おっ、旧世紀の映画か」
ニャアン「ええと…
『映画すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』…?
…なんか、絵柄が可愛い」
ジュン「ロボット出るのか、コレ…?」
ロボット「一応出ます、後、コレは市長オススメの泣ける映画です」
ジュン「えー?俺そーゆーハードル上げされてもそんな泣かんぞー?」
…約1時間後、映画を見終えた2人はボロ泣きしながら映画館を後にするのであった…
※多様な意見もあるかもですが何故かスレ主にぶっ刺さりボロボロ泣いた映画です、日々頑張って働く人々に見てほしい
- 67二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:29:19
この船市かサイドの保有なんかな?
或いは自治体が出資する船会社が保有して平時は客船運用(金持ちの多いイズマならではのクルーズor贅沢めのサイド間移動)して、有事や公用時に市が優先して借り受けるとかなっとんのかな?
いずれにしても大気圏突入能力は流石にコムサイ的な突入艇依存って気もするけど。
船長「まさかこの船に本当にMSを搭載する日が来るとは…」
市長「建造する時”宇宙世紀の橿原丸でも作る気か”って議会で呆れられたけど、結果オーライだったねぇ」
船長「普段は大型貨物で活用できますからまあいいですが…この船が本当に”橿原丸=高速MS母艦に改造可能”なんて当時のサイド議会の秘密会合でよく通ったものですよ」
市長「あの頃は皆不安だったからね。とはいえ表だってサイド外作戦能力なんて持ったら17バンチ事件どころじゃなかっただろうから」
船長「お陰で船内に広大なスペースをいくつも確保できて、強力なパワープラント共々船内の福利厚生に余す事無く活用できております」
市長「大容量水再生プラントを活かして大浴場まで完備したのは、イズマが主管になった賜物だよねぇ」 - 68二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:07:14
大型船レストラン
映画鑑賞を終えた2人はそのままロボットに案内されてレストランの席に向かい合って座っていた。現在市長含む研究員達は仕事の為映画館同様完全に貸切である。
ニャアン「…結局ジュン凄い泣いてたね」くすっ
ジュン「お、思ったより刺さる作品だったんだよ…ニャアンだってめっちゃ泣いてたじゃねーか」
ニャアン「わ、私は元々動物系弱いもん…」
ジュン「動物系…まぁねことかぺんぎん?出てきてるし動物系か…?」
シェフ「いらっしゃいませ。本日はお越し頂きありがとうございます」
ジュン「うおっ!?あっ、料理人さん!?」
ニャアン「料理人さんは人なんだ…」
シェフ「はい。長い宇宙の旅での要は食事ですから、そこはまだロボットではなく、人の手で」
ジュン「あー…宇宙での手料理はありがたいよなぁ…それは連邦で身に染みたからな…」
ニャアン「連邦って大きい組織でも、食べ物に困るの?」
ジュン「いやモノはあるんだけど、緊急出動とかもあってとにかく早く食えるインスタントが主流でさ。一週間ぶっ通しで冷凍ハンバーガーなんて時もあったなぁ…」
シェフ「それなら今日は手作りのハンバーガーなどはどうですか?冷凍とは違う本格的なものをご用意出来ますよ」
ジュン「おっ、いいねぇ。ニャアンはどうする?」
ニャアン「えーとえーと…ら、ラーメンありますか…?」
ジュン「へ?ラーメンでいいのか?他にも色々あるっぽいぞ?」
ニャアン「私もジュンと同じで食べ慣れてるやつがいい」
シェフ「畏まりました。では、少々お待ちください」
普段よく食べるものなら気後れしないだろうと踏んだ2人だったが、ジュンはトリュフ香る多段ビーフバーガー、ニャアンは透明スープの濃厚ラーメンという予想の斜め上をいく高級料理を出され、後々調べてとんでもない値段のものだった事が判明した後は暫く2人揃って宇宙猫になるのであった…
- 69二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:13:30
たまーにバラエティ番組なんかで見る一流シェフがガチの高級食材で作るジャンクフードをお出しされてしまったか⋯
- 70二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:30:50
- 71二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:41:22
危機管理監時代の遺産なのでしょう。自分が市長になったイズマが母港になったのはもしかしたら想定外かも。
で、ラシット艦長あたりが「あの客船、ハッチや舷窓から見て妙にフレーム多く入れてないか…?」とか違和感(軍艦構造に近いので強度材の数が多い)は感じてそう。
まあ「ちょっとあちらに表敬訪問がてら大浴場とやらに入ってみたいものですね」とか緑のおじさんの戯れ言に頭抱えてそれ以上思考してる暇も無くなるのだろうがw
- 72二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:54:41
数時間後、大型船MSガレージ
市長「……それで?食事をとったはいいものの結局船の雰囲気に慣れないままで緊張が取れないからどうしたものかと船内を右往左往していた結果…」
ニャアン「ジュン、こういう風に敵に挟まれたらどうすればいいの?」
ジュン「そういう時はな、思い切って前方の敵に突っ込むんだ。勿論相手の武装にもよるけれど、中途半端に速度を落とす方が的にされてあぶねーからな」
市長「…MSガレージを見つけてオイランゼンのシュミレーターでかれこれ3時間は操縦訓練をしてる…と…」呆れ顔
研究員A「い、いやぁ…我々も船内回ってきていいよとは言ったんですが…」
研究員B「ただ、2人の操縦データが取れるのは我々としても非常にありがたいんですよね…あはは…」
市長「いやそれはそうなんだがねぇ…君らもうちょい遊んできたらどうだい?豪華客船乗ってわざわざ自機のシュミレートしてるカップルなんて悲しいと思わんのかね?」
ニャアン「で、でも機体試験の時にちゃんとオイランゼン動かせないと困るし…」
ジュン「俺も改修後のブルキャノンで本気でやり合ったのはリリー相手以来は警備任務とかちょっとした小競り合いの押さえ付けとかそんなもんだし、もっと相棒に慣れておきたいんですよ」
市長「はぁ…アマテ君達なら大喜びで一日中船内遊び回るだろうに…なんとも豪華客船への誘いがいのない2人だ…」
女性研究員「いいじゃないですか。こういう価値観を共有出来るって、素敵な事ですよ」
市長は呆れながらも、客船エリアにいるよりもリラックスした様子で操縦方法の談話や機械弄りの手伝いをする2人を微笑みながら見守っている…
- 73二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:22:15
大型船大浴場
ジュン「あ゛〜働いた働いた…」
結局2人は夕飯時までMS操縦のシュミレートをしており、ジュンはジャンク屋での一仕事を終えた時のような達成感を感じながら湯船に浸かっていた。大浴場とは言うもののいるのはジュン1人であり、完全に貸切である。
ジュン「いやぁ…親父譲りのニッポンの血なのかねぇ…?こーゆーデカい風呂なんて1人で入るにゃ無駄な筈なのにどうにも独り占めしてる満足感があるよなぁー…」
ジュンは目を細めながらのびのびと体を伸ばして天井を眺める。
ジュン「しかしまぁ…人生は分かんねぇよなぁ…家族とニッポンからシドニーに引っ越して…コロニーが落とされてジオン憎しで連邦に所属したと思ったら、コロニーで好きな人が出来てなんやかんやで今は軍警察になって豪華客船で里帰りか…はは、字面にしたら意味不明だな」
けらけらと笑いながらこれまでの自分の歩んできた道を思い返し…
その途中で、憎しみに任せて自分が幾つもの命を奪って来た事も、思い返す。
ジュン「………あー…そう…だな…それも俺だよな…何笑ってんだ俺…」
殆ど不意打ちのように浮かんだ戦場の記憶に顔を顰め、俯く。
ニャアン「…?ジュン、大丈夫?凄い辛そうな顔してるけど…」
ジュン「ん?あー、悪い悪い…ちょっと昔の事思い出してな…」
ニャアン「昔…この前話してくれた初陣の事とか…?」
ジュン「そうだなぁ、やっぱりそれが………
………ん?????」
ニャアン「…………へ?????」
…一応、誤解のないように説明しよう。
ここの浴場は、隣り合う男性用の更衣室と女性用の更衣室からまっすぐ同じ浴場に向かう仕組みとなっており、時間によって片方の更衣室を閉じて男性時間女性時間を分けるタイプ…なのだが、今回は搭乗者があまりにも少ない上に機体管理などで忙しかった為その辺の管理が必要なことが市長及び船長達の頭から完全に抜けていたのだ。なので、今回の件に関して言えばどちらに非があるという訳ではない。
が、結果として2人は大浴場で出会う事になった。
それはもう、ありのままの姿で。
- 74二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:34:18
- 75二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:38:26
- 76二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:41:58
- 77二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 05:35:33
衛生兵!輸血の準備をしろ!!
- 78二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 06:27:27
朝保守&ジュンは生き延びる事が出来るのか
- 79二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 08:01:06
- 80二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 12:58:05
BDでは潔く退場することにも定評のある謎の光兄貴
- 81二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 15:49:10
ジュン「お前(シュウジ)はキラキラで相方のありのままの姿を見て!!俺は実際に相方のありのままの姿を見た!!そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!!」
シュウジ「違うよ?」
エグザベ「バッサリ斬り伏せてる…」
コモリ(エグザベ君は直感でそういう時鉢合わせそうになると事前に避けるからなぁ…)ジト目 - 82二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 17:09:40
あぁ『キラキラ』ってそういう⋯
- 83二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 20:17:32
(鼻血出し過ぎて貧血で)蒼い騎士……ってコト!?
- 84二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 20:29:34
大型船大浴場
ジュンもニャアンも、まさか大浴場内で再会するとは思っておらず互いに一瞬思考がフリーズするが、徐々に意識が戻り、湯船に浸かるために髪を結いてるのも可愛いなぁ、こうして改めて見るとやっぱスタイルいいよなぁ、などとジュンの脳裏に過った辺りでようやく2人ともこの非常事態に対する措置が取れるようになり、ジュンは大慌てで後ろを向き、ジュンに声をかけて近付いていたニャアンは顔を真っ赤にして大慌てで湯船に浸かって体を隠す。
ニャアン「な、な、なんでこっちにいるの!?」
ジュン「そりゃこっちのセリフだ!!俺ぁちゃんと男湯の入り口から入ったぞ!?ニャアンだって見たろ!?」
ニャアン「み、見たけど………ジュン、振り向く前に暫く固まってたけど……み……見た…?」
ジュン「ッスー……いや、その、ちょっっっと記憶にござません…」
ニャアン「…曖昧な答えだったらベインおじさんに言いつけるよ?」
ジュン「すいません凄い綺麗だと思いました!!!!」
ニャアン「………ジュンのエッチ」
ジュン「どう答えりゃええねん!!と、とにかく俺上がるからな!?だからそっちも後ろ向いて…」
ニャアン「あ、ま、待ってジュン!!」
ジュン「えっ今!?今待たないとダメか!?」
ニャアン「だ、だって…ジュンってすぐ辛い事溜め込むから…少し、話してこ?研究員さん達はこの時間はお風呂来ないって言ってたし、後ろ向いてれば問題ないから」
先程まで狼狽えていたジュンだったが、ニャアンの言葉に思わずその狼狽も止まり、少し悩むような、寂しそうな様子でゆっくりと湯船に浸かって座り込む。
ジュン「……ちょっと長くなるけど、いいか?」
ニャアン「…うん、時間は沢山あるから」 - 85二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 20:43:26
湯船に浸かるジュンは、ニャアンに背中を負けたままぽつぽつと語り始める。
ジュン「…俺さ。今すっげー幸せなんだよ。大好きな人が隣にいて。気のいい同僚もいて。イズマ・コロニーも気がついたら故郷みたいになって。それで、リリーにも言ったように連邦で戦って来た俺も俺自身として受け止めて、ニャアンと一緒にこれからも前に進めるって思ってるんだ。その気持ちに嘘はねぇ」
ニャアン「…うん。私はジュンと一緒にいるよ」
ジュン「…でもさ…俺、たまにこうなるんだ。本当にこんな幸せでいいのかなって。俺は…俺はここに来るまでに大勢の命を奪って来た。戦争だから、敵だったから、生かしておいたら平和を乱すから…そうやって斬り伏せてるきた奴らだって、ただただ幸せになりたかったんじゃないかって思ったら…本当にいいのかなって…」
呟きながら呟くジュンの背中は、ニャアンがこれまで見て来た彼の背中の中でも一際小さく見えた。そして、これまでジュンの背中を見続けて来たニャアンはなんとなく理解していた。きっと元々の彼はこうなのだ。命のやり取りで心が揺らぐような、どこにでもいるお兄ちゃん気質の青年。それが家族を失い、怒りという鎧を纏ってずっと戦い続けていたのだ。怒りや憎しみは誰でも持てる、だが彼はそれらを力に変える事が出来る程の武の才に恵まれてしまい、歯止めが効かない程の怒りをぶつけ続け、気がつけば蒼い騎士と呼ばれて恐れられる処刑人になっていたのだ。それが今、ようやく怒り以外の為に戦うようになって、少しずつ自分自身とその過去と向き合い始めているのだと、ニャアンは察していた。
ジュン「…ははっ、ダメだ、口にしたらますますみじめになってきた…悪いニャアン、今のは忘れ…」
ジュンが言い切る前に、ニャアンは背中からそっとジュンを抱きしめる…
- 86二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 20:46:28
ジュン「…ニャアン?」
ニャアン「…私だって、昔を思い返して自分がみじめになる時ぐらいあるよ。闇バイトしてた時とかそう。違法パーツ運んで、生活費稼いで、軍警から逃げて…今思えば、馬鹿みたいな事してたなぁって思う」
ジュン「それはっ…ニャアンのは違うだろ…生きる為に必死で…」
ニャアン「ううん、同じ。なんならジュンと違って戦争とか所属とか関係なくフツーに悪い事だから、下手したらジュンよりタチ悪い事してた自覚はある。結果的にバイトしてたからジュンに会えたんだけれど、それでも悪い事してたなぁって、反省してる」
ジュン「…反省出来るだけ立派なもんだよ。俺ぁ…昔ほどじゃないけど…それでもやっぱりコロニーを落とす事を決めたジオンの奴らが憎い…そいつらが真正面から戦いに来るって言ったら…多分俺は戦いに行くと思う…多分、色々言ったって根っこの部分は変わってねぇんだ…」
ニャアン「…変わってないって思う時、心は痛い?」
ジュン「……いてぇよ…2回くたばりかけたけど、その時よりも痛みは酷いぐらいだ…」
ニャアン「…私も、後悔した時に心が痛いよ。だから、ジュンの痛みも同じ。変わろうとしてる、一生懸命な痛みだと思う」
ジュン「………」
ニャアン「…きっと、生きてるうちにこの痛みはずっと続くと思う。今みたいに忘れた時に急に思い出したりして、辛くなると思う…でも…その痛みに負けないで。それでも幸せでいられるんだって、私と一緒に証明して…ジュンがずっとそんな顔だと、私まで幸せなのが悪いような気分になるから…ね?」
ジュン「…ははっ、俺の辛気臭さにニャアンまで巻き込んじまうのはよくねぇよなぁ…」
弱音のように呟きながらも、ジュンはどこか穏やかな顔つきで後ろから抱きつくニャアンの手を取って静かに目を伏せる。
ニャアンの掌と、背中から伝わる温かさを感じるジュンの胸の内からは、不思議と痛みは消えていた…
- 87二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:03:46
ニャアン「…辛いの、治った?」
ジュン「おう、ありがとな……で、それはいいんだけどまた一つ問題があってさ…」
ニャアン「…?」
ジュン「いやその、今俺らありのままの姿じゃん…?温もりで心の痛みが治ったのはいいんだけど…ちょっっっとこの状況は諸々によくないといいますか…」
ニャアン「………あ」
弱り切った小さな背中を見てついつい本能的にジュンを背中から抱きしめたニャアンは、今になって自分がとんでもない事をしてる事に気付く。
まぁ元々弱ってる時にハグをするのが習慣になっている2人ではあったのだが、今回は事態が事態の為、互いの体温は湯船が沸騰するじゃないかというぐらいに跳ね上がっていく。
ニャアン「〜っ//!!!!」
ジュン「あーっ待て待て待てあんま動かないでくれ動かれるとマズい!!どこがとは言わんけど今これ以上刺激されるとマジでマズい!!」
ニャアン「こ、このままひっついてないとダメ!?」
ジュン「いやそれはそれでマズいな!?よ、よしニャアンゆっくり離れてくれ!!そーっと、そーっとだぞ!!爆発するとヤバいから!!」
ニャアン「わ、分かっry」
???「わーっ更衣室も綺麗!!ソドンとは大違いですね!!」
???「あんまりはしゃぐなよ少尉。全く風呂なんてどこでも同じだろうに…」
ジュンニャアン「「!!!?」」
女子更衣室から響く声に、思わず飛び跳ねた2人の間にはブルキャノンⅡ戦以来の緊張感が走る…
- 88二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:06:14
くっそwww声出して笑ったわwww
- 89二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:32:03
同刻、ソドンメインブリッジ
シャリア「すいませんね市長殿。女性船員達の要望があまりにも強くて…」
無線越し市長『いえいえ、元々我々だけでは持て余すような湯船でしたから。今の時間は女性時間ですので、男性船員の皆さんは後2時間後にきて下さ………あっ』
シャリア「…?どうかしましたか?」
市長『そういえばファンボイ君達に大浴場の時間割に関して説明してなかったような…』
トラブルにならなければいいなぁ、などと市長が呑気な事を考えているまさにその頃、大浴場の2人は絶体絶命の危機に晒されていた。
ジュン「ヤバいヤバいマジでヤバい!!俺もう出るぞ!!」
ニャアン(……あ、あれ?今の声…)
ラシット「うん?今男の声がしなかったか?」
コモリ「まっさかぁ。今は女湯の時間で間違いないですよ」
ニャアン「(コモリさん!?)ちょ、ちょっと待ってジュン!!」
ジュン「へ!?」
一刻も早く逃げ出したいジュンなのだが、一方ニャアンとしては別の危機が迫っていた。
ニャアン(や、やっぱりコモリさんの声だ…もしジュンがコモリさんの声に気付いたら…芋蔓式でエグザベさんの事にも気付いて正体がバレる…!!!!)
ジュン「な、なぁニャアン俺もう行くぞ!?」
ニャアン「だ、ダメ!!今出てくのはマズい!!」
ジュン「いやどう考えても今風呂場で鉢合わせる方が不味ry」
コモリ「えへへっ、1番乗り!!」ガラッ
ニャアン「っ、ジュン隠れて!!!!」
ジュン「ゴボッ!!!?」
次の瞬間、ニャアンは凄まじい速度でジュンの頭を掴んで湯船に沈め、ジュンは何が何だか分からないまま潜水を強いられるのであった…
- 90二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:33:50
コモリ「…ん?あれ、もしかしてニャアンちゃん?」
ニャアン「あ、ど、どうも…」ジュンの顔面を押さえつけながら会釈中
ジュン「ゴボボボボボ!?」訳も分からず潜水中、というか沈められてる
コモリ「あはは、大浴場の独り占め邪魔しちゃったかな?実はソドンメンバーでお風呂借りる事になって…」
ジュン「グボバッ!!!!」変なとこにお湯が入った
コモリ「へ?今なんか変な音が…」
ニャアン「こ、コモリさんあっちにシャワーがあります!!トリートメントも高価なやつが!!」
コモリ「あ、う、うん?…うわすごっ、これ高級ブランドのやつじゃん…」背中向ける
ジュン「ブハッ…し、タヒぬかと思っ…っておい既に人入ってるじゃねぇか!?」ヒソヒソ
ニャアン「じゅ、ジュン見たらダメ!!とにかく潜ってやり過ごして!!」ヒソヒソ
ジュン「いや無理無理無理!!なんとか隙をついて更衣室に…」
ラシット「おおいコモリちゃんとロッカーに服入れろよなぁ?」ガラッ
セファ「わぁっ、本当に大浴場ですね」
ニャアン「っ!!!!」再びジュンの顔面押さえつけ
ジュン「ボボボボボボ!?」またしても沈められるジュン・ファンボイ
ラシット「ん?なんだ先客がいたのか」
セファ「わ、ニャアンちゃんですよね?会うのは始めてですね」
ニャアン「は、初めまして…」
果たしてジュンの息は持つのか。命懸けの戦いが始まろうとしていた…
- 91二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:39:53
親の顔よりお色気ラブコメで見た展開だ!!!
- 92二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:44:59
間接的にエグザベ君の正体がバレてはいけないというネックな部分がジュン兄をコロしにかかっている…
- 93二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:55:23
ラシット「直に話すのは初めてだな。私はラシット。一応ソドンの艦長だ…あのヒゲのせいで役目が薄れがちだがな…」
セファ「あ、あはは…私はセファです。ソドンではオペレーターなどに勤めています。一方的にですが連邦とのクランバトルでの活躍も見てました、凄かったですね!!」
ニャアン「あ、ありがとうございます…」冷や汗だらだら
ジュン(い、息が…マジで息が出来ない…)ゴボボボボボ
コモリ「…?ニャアンちゃん、なんかさっきからそっちの方で変な音が…」ジュンのいる方を覗き込み
ニャアン「っ!!!!な、何もないですよ!?」慌ててジュンの頭を抱き抱え呼吸をさせつつてコモリからジュンを上手い事隠す。
ジュン(っ!?〜⭐︎△○〜!!!?)ありのままのニャアンに頭抱えられて最早呼吸とか関係無しに脳内大爆発
コモリ「いや、でも確かに今何か…」
ラシット「……あー…金具が外れてるんじゃないか?コモリ、セファ。女子更衣室に工具があった筈だから直してやろうじゃないか。私も手伝ってやるからさ」
セファ「は、はい」
コモリ「えー…折角の大浴場なのにぃ…」
2人は更衣室に戻って行き、それを見たラシットは、にやにやと笑いながらニャアンにヒソヒソと声をかける。
ラシット「……相方とイチャつくときはもーちょい場所を選んでな」
ニャアン「〜っ//」
ジュン「………」絶命寸前
この後ニャアンに引っ叩かれてジュンは辛うじて意識を取り戻して無事に男子更衣室へと逃れ、コモリと鉢合わせる事態も避けたのであった。
- 94二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 22:27:56
もっと親のお色気ラブコメ見ろ
- 95二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 22:43:00
危機を脱した後はフツーに大浴場で女子トーク楽しんでそう
尚ジュン兄はのぼせ上がって大の字になりながらペッパー君ロボットにうちわで仰いでもらってる
ジュン「も…もう当分でけぇ風呂はいいや…」
ロボット「それでしたらお客様のお部屋にもシャワーがございます」
コモリ「よくよく考えたらファンボイ君も乗ってるんだから鉢合わせるしたら危なかったよねー、あはは」
ニャアン「あ、あはは…」目逸らし
セファ「…?」
ラシット(蒼い騎士のツレも中々に綱渡りしてるなぁ、ベクトルは違うがうちのヒゲといい勝負だよ) - 96二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:10:04
- 97二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:18:18
その頃レストラン
ジュン(意識朦朧としてたけど…あの艦長多分俺に気付いてたよなぁ…あの人はこの船にも色々目ぇ光らせてたっぽいし、勘も観察眼も良さそうだ…つーかまた変な形でジオンの奴に貸しが出来ちまった…)
シェフ「いらっしゃいませ。お夜食をご希望ですか?」
ジュン「あー…鉄分とか血が補えそうなものが貰えたら嬉しいです」
結局ニャアンが風呂上がるまでレバーとほうれん草の炒め物を食べつつ酒を飲むジュン兄であった。
- 98二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:44:20
- 99二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:51:17
ジャンク屋店頭に軽キャノンで大原部長するしかなくなっちゃったよ…
- 100二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 23:57:24
- 101二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 06:35:55
- 102二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 07:36:17
朝保守and間も無く地球前予定
- 103二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 11:34:22
そりゃ高級過ぎて2人も落ち着かんわな…
- 104二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 15:03:52
プラモ欲しくて腕組みジト目のニャアンに小遣いの前借りめっちゃ頼み込んでるジュン兄はだいぶ想像出来るw
- 105二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 19:25:27
…それから2日後、2人は結局大型船の豪華さには慣れないながらも船内設備を楽しんだり、合間合間にガレージのシュミレーターで機体制御の訓練をしたりしつつ、2泊3日の船内生活をなんやかんやで楽しんでいた。そして、3日目にニャアンがオイランゼンのコクピットでシュミレートをするのをジュンが見守っていると、市長が声を掛けてきた。
市長「やぁ2人とも、シュミレートもいいけれど流石に今は外の景色を見たらどうだい?」
ジュン「へ?外?」
ニャアン「っ…もしかして…」
ニャアンがコクピットから飛び降りてガレージ端の窓から外を見ると、無数の星が輝く宇宙の中でも一際生命を感じさせる青い輝きを放つ星がもうすぐそこまで見えてきていた。
ニャアン「地球…!!」
ジュン「おー、懐かしの我が故郷だ。まさかこんな早く帰って来る事になるとはなぁ」
懐かしむようにジュンが笑う隣で、ニャアンは初めて見る青い星に目を輝かせてじっと見つめている。暫くこのままにしてあげようかな、と思ったジュンだったが、危うく大事な事を忘れそうになったのを思い出してニャアンの肩をちょんちょんと叩く。
ジュン「ほらニャアン、カメラカメラ」
ニャアン「あっ、そ、そうだ。流石にこれを取らないとマチュ達に怒られる」
慌ててニャアンがカメラを取り出して構える隣で地球を眺めていたジュンはふと怪訝そうな顔をして市長に問いかける。
ジュン「…あれ、あそこに見えるのってオーストラリアですか?試験会場は閣下のドイツ領なのでは?」
市長「今の時間に到着するとどうしてもこうなってしまってね。これから地球の自転に合わせて位置調整を…」
市長がジュンの質問に答えていた、その時。
突然、船内が急旋回をしたように大きく揺れる。
ジュン「うおっ!?」
ニャアン「わっ…!?」
転びかけたニャアンをジュンが抱き抱えていると、その直後ブリッジに警報の音が響き渡る。
市長「っ、何事だ!?」
警報『緊急警報!!繰り返す、緊急警報!!
現在当艦は所属不明機による襲撃を受けています!!操縦関係者以外は直ちに避難区域に移動して下さい!!』
響く警報の内容と激しく光る赤いランプの輝きに、ニャアンは思わず青ざめる… - 106二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 19:39:34
警報が響き渡る数分前、ソドンメインブリッジ
セファ「……え?」
ラシット「ん?どうした?」
セファ「か、艦長!!こちらに接近する機影が2つ!!距離約500m!!」
ラシット「何…!?何故今まで気付かなかった!!」
セファ「それが、急にレーダーに現れて…」
ベノワ「…こちらの停止信号に反応を見せません。現在更に距離を詰めて…」
ブリッジの中に緊張が走る中、
シャリアの脳裏にこれまでに感じたことの無い得体の知れない気配が走り、彼は殆ど本能で無線を取って大型船とタンギに指示を出す。
シャリア「聞こえますかイズマ・コロニー船長!!直ちに回避行動を!!我々と同じ進路ですぐに!!」
タンギ「…!!」
タンギは何も言わずシャリアの指示に従って舵を取り、何が何だか分からない様子の大型船もそれに続いた、その直後、
2隻が避けた軌跡を、戦艦主砲並みのビームが通り抜け、それぞれのブリッジを掠めかける。
コモリ「っ…!?嘘でしょ…!?」
ラシット「総員迎撃用意!!ここまで明確な攻撃行動を取られた以上は迎え撃つしかない!!」
シャリア(…三国での試験の為に地球に降りるイズマ・コロニーへの船への攻撃…?一体どこの所属が…いや…そもそもこの気配は…?)
- 107二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 19:54:58
大型船ガレージ
ニャアン「しゅ…襲撃って…この船が襲われてるの…!?」
ジュン「っ…市長、ニャアンを避難エリアまで連れてって下さい!!俺はブルキャノンで出ます!!」
市長「…分かった。ブルキャノンはすぐにカタパルトへ移動させる」
ニャアン「っ、ま、待って!!私も…」
ジュン「悪いニャアン。今からやらなきゃいけねぇのはクラバ程度じゃすまねぇ感じのやり合いになりそうなんだ。マジに、命の取り合いになりかねない」
抱き止めていたニャアンをそっと市長の方に押しやるジュンの目は、ニャアンがこれまで見たジュンの目の中でも特に冷たく、それでいて力強い目をしていた。きっと、これまで戦場を駆ける時の彼の目はこうだったのだろうと分かり、ニャアンは思わず何も言えなくなってしまった。
ジュン「…んな心配そうな顔すんなって!!俺が戻ってきた時にほっぺにキスする準備だけしといてくれりゃ意地でも戻ってくるからよ!!」
不安がるニャアンの答えを聞く前に軽く額を合わせてからジュンはニッと笑ってブルキャノンのコクピットに飛び乗り、青いガンダムは凶悪な赤い眼光を煌めかせる。
ジュン「ジュン・ファンボイ。ブルキャノン・ブラウリッター、出るぜ!!!!」
同刻、ソドンガレージ
シャリア『敵影は今も尚見えません。ですが、少なくともブリッジに当たれば1発で船を落とせるほどの火力を有している事に間違いはありません。油断のないように』
コモリ『っ…気をつけてね、エグザベ君!!』
エグザベ「了解!!
エグザベ少尉。Xカスタム、行きます!!」
奇しくも殆ど同じタイミングで、2隻のカタパルトからそれぞれ青と緑のガンダムが、宇宙の闇へと飛び出していく…
- 108二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 20:24:11
地球圏前宙域
突如2隻を襲った襲撃者を迎え撃つ為、青と緑のガンダムはカタパルトから飛び出し、自然と互いを援護し合える間合いに入ってそれぞれの火器を構えて周囲の索敵を開始する。
エグザベ「ブルキャノン…!!君も来てくれたのか、ファンボイく…あ、いや、ジュン・ファンボイ!!」
ジュン「流石にこの状況でのんびりクルーズしてる訳にもいかねぇからな!!そんで、この船に喧嘩ふっかけて来た馬鹿ってのはどこのどいつだ!?」
エグザベ「現在索敵中だが見当たらない!!ミノフスキー粒子は撒かれていない筈なのに…!!」
2人が警戒していると、突然宇宙の闇から先程よりも更に強力なビーム砲が2体のガンダム目掛けて迫り来る。
エグザベ「くっ!?」
ジュン「うおっ!!」
エグザベはニュータイプの感で、ジュンは優れた反射神経でこれを回避するが、掠めてすらいない筈のビームですら威力が伝わってくる程の熱量に2人は思わず冷や汗をかく。
エグザベ「ビーム…いや、まさかメガ粒子砲か!?いや、それよりもなんであんな遠くから…?反応はもっと近くにあった筈じゃ…」
ジュン「くそっ、こんなもん掠っただけでも大惨事は免れねぇぞ!!」
エグザベ「っ、ジュン・ファンボイ!!敵が見えた!!」
ジュン「俺も目視出来た!!…だがこいつは…」
2人が捉えたソレは、三角形の巨大なスラスターを背後に取り付け、そこから生み出される尋常ではない推力でこちらに迫っていた。スラスターから先端に行くに連れて細くなり、先端には大口径のメガ粒子砲が搭載され、ブースターと砲門の間ぐらいの左右にはミサイルポッドが搭載されている。
まるで破壊力に推力だけを取り付けたような得体の知れない兵器は、MS程の巨体で、左右から1機ずつ、合計2機迫って来ている。
エグザベ「なんだこれっ!?」
ジュン「妙な形したファイターだなおい!!」
2体のガンダムは迫り来る機体に向けてそれぞれの火器の銃口を向ける…
- 109二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 20:50:31
正体不明の高速機動兵器目掛けて2体のガンダムはそれぞれのライフルの引き金を引くが、引き金を引くのとほぼ同時に2機の兵器はその場で大きく旋回し、ビームは空を切る。
エグザベ「速いっ…!!」
ジュン「逃すかよてめぇ!!」
2人が追撃をかけようとすると、2機は背中を向けたままミサイルポッドを起動し、そこから放たれる無数のミサイルが2機のガンダムへ迫り来る。
エグザベ「ジュン・ファンボイ!!」
ジュン「分かってるよ!!」
Xカスタムはライフルを背中にマウントしてから2丁のビームピストルを引き抜き、ブルキャノンは右手のライフルブレード、左手のエアロシールドのカノン砲を構え、2体のガンダムは両手の火器から放つ一斉射撃でミサイルを撃ち落としていく。
凄まじい爆炎が2機の前方を遮った直後、2本のメガ粒子砲が爆炎を切り裂きながら再び2人に迫るものの、2人は先程よりも慣れた様子でこの奇襲を避ける。
ジュン「武装自体はシンプルだな!!攻撃がビーム砲とミサイルだけだと分かってりゃ楽なもんだぜ!!」
エグザベ「だがあの機動力は驚異だ!!どうする!?」
ジュン「主力武器はビームの方だ!!あの構造ならアレを撃つ瞬間は相手の機体と直線上にいなけりゃいけねぇから隙が出来る!!」
エグザベ「成る程…!!なら僕が隙を作る!!」
Xカスタムは迫る2機に向かって飛び出してビームピストルの連射を放ち陽動、それに釣られた2機は標的をXカスタムに絞り、立体的な角度で互いを巻き込まないような形での挟み撃ちのメガ粒子砲攻撃を放つ。
エグザベ「今だ!!」
ジュン「おう!!」
その隙をついて、ブルキャノンはライフルとカノン砲でそれぞれ左右の兵器を狙い撃つ…
- 110二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:06:23
Xカスタムの陽動によって起動を読んだブルキャノンの放った射撃は、左右いずれも的確に正体不明の2機を撃ち抜ける一撃であった。少なくとも、既存の高速機動のファイターでは決して避けれないようなタイミングで放った一撃の筈だった。
だがこの2機は、攻撃を放たれた瞬間にその場でぴたりと止まったかと思うといきなり真上に飛んでこれを避けた。
エグザベ「なっ!?」
ジュン「なんっだそのふざけた動き!?」
動揺しながらもXカスタムはは2丁拳銃で自身を取り囲む2機を迎撃、狙撃を失敗したブルキャノンも高速機動でXカスタムの背後に回って援護に回る。
ジュン「なんだよ今の動きは!?人間の乗ってるファイターがあんな動き出来んのかよ!!」
エグザベ「……ジュン・ファンボイ。僕達は大きな勘違いをしていたのかもしれない」
ジュン「ああ!?」
エグザベ「…今の動き…覚えがあるんだ。初陣で赤いガンダムと戦った時。オメガサイコミュを起動出来なかった僕は、赤いガンダムに追い込まれた。特に、サイコミュ搭載型のガンダム特有のあの装備が1番厄介だった…アレの動きに、今のあの兵器の動きは類似している…!!」
ジュン「…おいおいおいおい冗談キツいぜジオンのガンダム…
あのデカブツがビット兵器だってのか!?」
最早取り繕う様子もなくなった2機の兵器は、ビット特有の直線的かつ不規則な高速軌道で2体のガンダムを翻弄しつつ、
いつの間にか現れたその本体たる機体の元へと帰る…
- 111二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:33:43
…その機体は、かつて連邦軍に勤め、今は軍警察での刑務に従事するジュンから見ても、現役のジオン公国軍軍人のエグザベから見ても、全く異質の存在感を放っていた。
白く塗装された装甲はどこをとっても既存のMSと呼ばれるものよりも大型かつ重厚であり、モノアイ式の頭部だけは縦に細長く、それがより一層この機体の独特さを醸し出していた。
武装は一見すると右手の大型ライフルと左手の円形シールドのみに見えるが、盾には可動式のカノン砲のようなものが十字形に内装され、更にはそれを囲むような小型の丸い砲門も無数に見受けられる。
一見すると鈍重そうな重装甲型のMSだが、その全く異質なシルエットと背後に佇む大型ビットの存在感故に、この謎の機体は尋常ではない威圧感を放っている。
ジュン「……モノアイだからジオン製…って雰囲気でもねぇな、コイツは…」
エグザベ「ああ…だとしても、とても連邦のMSには見えない…見た事のない機体だ…!!」
その異質な形状に2人が気圧されていると、謎の機体は突然ビットと共に後方へ…つまりは地球の方へと、その鈍重そうな見た目からは想像もつかない速度で飛んでいく。
エグザベ「逃げた!?」
ジュン「待ちやがれてめぇ!!」
2人はフルスロットルで謎の機体を追いかけるが、その距離は徐々に開いていく。
エグザベ「なっ…あの装甲でなんて速さだ!!」
ジュン「ブルキャノンだって改修して基礎速度は上がってんだぞ…!?アイツも新型のフルアーマータイプなのか!?」
…フルアーマーに見間違うような、異形の重装甲MSは、確かに『彼ら』にとっては全くの未知の存在であった。
しかし、『我々』はこの異形のMSに類似するものの名前を知っている。
こことは別の宇宙世紀…そのもう少し未来にて、
『ジ・O』と呼ばれる機体の形と、この機体の形は、とてもよく似ていた…
- 112二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 21:46:50
ジ・Oだと!?
まさか……アイツが!! - 113二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 22:16:15
地球の眼前まで迫った2体のガンダムと、謎の白いMS。振り切られそうになりながらも辛うじて標的を射程圏内に捉えたブルキャノンとXカスタムはそれぞれの火器を駆使して追撃を放つが、白いMSはその鈍重そうな見た目とは裏腹に縦横無尽な身のこなしで全ての攻撃を紙一重で避けていく。
エグザベ「くっ…あと少しのところで当たらないっ…!!」
ジュン「いや違う…野郎わざとギリギリのところで攻撃を避けて遊んでやがる…!!」
ブルキャノンはライフルに加えてキャノン砲での狙撃をも計ろうとするが、その瞬間白いMSに追従していた大型ビットが急に180度旋回して2体のガンダムに砲身を向ける。
ジュン「うおっ!!!?」
エグザベ「ちいっ!!!!」
2人は咄嗟に身を翻してビームを避けるが、避けられたビームは地球上を旋回する無人衛星に直撃して大爆発を引き起こす。
エグザベ「し、しまった!!」
ジュン「くそっ、ここで飛び道具を使うのはマズいか!!おいジオンのガンダム!!俺は接近戦メインで行くから援護しろ!!運が良ければ接触回線も狙えるしな!!」
エグザベ「接近戦って…機動力は奴が上だぞ!?どうするつもりだ!?」
ジュン「こうすんだよ…!!」
ジュンは引き金の二重ロックを解除してブルキャノンに炎のマントを纏わせた状態…リッターモードへとモード変更し、先程の速度を遥かに上回る加速で一気に白いMSとの間合いを詰め、Xカスタムはそれを阻もうとする大型ビットをビームピストルで牽制する。
白いMSは接近するブルキャノンに向けて大型ライフルを構えて引き金を引くが、ジュンはフル出力のライフルブレードの斬撃でそれを斬り落として突き進み、遂に間合いに飛び込んでエアロシールドで殴りかかり、白いMSの構える丸盾との鍔迫り合いに持ち込むに至る…
- 114二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 22:27:54
地球を背景に互いの盾で鍔迫り合いブルキャノンと白いMS。エアロシールドのヒートエッジによって火花を散らしながらぶつかり合う2機は、殆ど互角の馬力で押し合う。
ジュン「ようやく捉えたぜこの野郎…!!おい聞こえるか白いMSのパイロット!!テメェどういう了見で三国共同試験に向かう船に喧嘩ふっかけやがった!!何企んでやが…」
突然、ブルキャノンの無線から凄まじい不協和音のように幾つもの音波が重なったような不気味なノイズが響く。
ジュン「なっ…!?」
そのノイズに気を取られ、ジュンは一瞬白いMSの盾に仕込まれたカノン砲がこちらに向いている事に気付きそびれるが、すんでのところで気付いて素早く鍔迫り合いを斬り払い、青い炎のマントを靡かせながら再び間合いを取り出した白いMSへの追撃を開始する。
ジュン「なんだ今のノイズ…!?」
エグザベ「ジュン・ファンボイ!!聞こえたか!?」
ジュン「聞こえたよ!!通信妨害用のジャミングみてぇだ、話し合うのは諦めるしか…」
エグザベ「ま、待て!!…なんだって?ジャミング?
今の信号音が聞こえなかったのか?」
ジュン「…あ?信号音?」
無線から聞こえた音の相違に、2機のガンダムは思わず立ち止まり、パイロット達は困惑する…
- 115二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 22:28:20
- 116二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 22:48:19
同刻、大型艦ガレージ
2体のガンダムが白いMSと戦い、それぞれの回線から聞こえた異なる音に戸惑っていたその頃、今この宙域にいるもう一体のガンダムの無線からも、前述の2機とは異なる、しかし他と比べて極めて小さな音が響き、避難準備の喧騒の中でニャアンはそれに気付いた。
ニャアン「…?オイランゼン…?」
研究員A「市長、オイランゼンの保護は我々で行いますのでニャアンちゃんを連れて避難を!!」
市長「ああ、分かっ……ニャアンちゃん?何をしているんだ!?」
市長が止める間もなく、ニャアンはオイランゼンのコクピットに近付き、ほんの小さな音に耳を澄ませようとしてハンドルに触れた。
その瞬間、ニャアンの脳裏に最悪の光景が過ぎる。
コクピットを撃ち抜かれ、宇宙の闇に消えていくブルキャノンという、最悪の光景が。
ニャアン「っ…!!!?」
ニャアンは思わず青ざめ、怯え、後退って戸惑い、しかしやがて意を決したようにオイランゼンのコクピットに飛び乗って機体を機動させる。
市長「なっ…何をしているんだ!?」
ニャアン「私も出ます!!ハッチを開けて下さい!!」
市長「ダメだ!!以前とは事情が違い過ぎる!!ハッチをロックしろ!!」
研究員B「は、はい!!」
ニャアン「っ……オイランゼン!!!!」
ニャアンの叫びに答えるように、オイランゼンの瞳が青く輝き、背中のペタルビットの一枚が淡い紫色の雷光を放つ。
すると、ハッチのロックが研究員の操作を離れて勝手に開き出した。
市長「なっ…」
ニャアン「っ…ガンダム・オイランゼン、行きます!!」
そして同じように勝手に外れていく機体ロックを振り払い、黒紫のガンダムは宇宙の闇へ吸い込まれていくように飛び出していく…
- 117二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 23:03:57
- 118二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 23:10:57
- 119二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 23:12:59
- 120二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 06:31:06
一応訓練は続けていたとは言え初陣の次が次世代機体?の中でもずば抜けて最新鋭と思われるものに類似した機体相手なの中々にニャアンも過酷な戦い続きだ…
- 121二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 07:08:32
- 122二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 10:46:46
- 123二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 11:45:42
低かったで過去形になってるの好き
ジュン「なんやかんやで俺の方が刑務作業してるから地位低いんだよなぁ、あっはっは」
ニャアン「…別に、そういうの気にしてないから。ジュンはジュンだから」隣にもたれかかり
ジュン「ん…そっか」にこっ
マチュ「ベインおじさーん!!隙あらば2人がいちゃつきまーす!!不健全でーす!!!!」
シュウジ「困った二人組だよ」
他面々((特大ブーメラン投げてる…))
- 124二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 12:26:30
地球圏前宙域
接触回線を試みるも異常なノイズしか聞き取れなかったジュン。しかしその一方で エグザベは接触せずに信号音を拾ったと言い、2人のガンダムパイロットは互いの情報の差違に戸惑う。
ジュン「信号音…?モールス信号みたいなもんが聞こえたってのか!?」
エグザベ「ああ!!内容までは分からないが、規則性があるようにも聞こえる!!」
ジュン「暗号回線って奴か…!?」
ジュンは接触しないままで白いMSへ対してオープンチャンネルを繋ぐ事を試みるが…
ジュン「っ…ああクソッ!!またこのノイズか!!ダメだ全然聞こえねぇぞ!!」
エグザベ「無線機能の故障じゃないのか!?」
ジュン「だとしたら今オメーと話せてる訳ねぇだろ!!」
エグザベ「それじゃあ一体どうして…ソドン、白いMSからの信号は聞こえますか!?」
コモリ『そ、それが…さっきから呼びかけを続けているんだけれど、ファンボイさんと同じでノイズだけが響いて…ただ…シャリアブル中佐もエグザベ君と同じように妙な信号音が聞こえるって言ってます!!』
エグザベ「…まさか…ニュータイプにしか聞こえない信号音なのか…?」
ジュン「面倒くせぇシステム使ってるなオイ!!もうコクピット引き剥がして話した方がいいんじゃねぇのか!?」
無線の差違の原因がニュータイプが否かが関係しているのかと探りつつも2人は白いMSへの警戒を怠らずにいたが、ふと2人は白いMSが急に攻撃を止めた事に気付く。
ジュン「…あ?何だ…?」
エグザベ「攻撃を止めた…?」
警戒する2体のガンダムを気に止めることもなく、白いMSは急に踵を返してとある一点…地球の方へとモノアイを向ける。
ジュン「……地球を見てる…のか…?」
エグザベ「…いや…あれは…」
2人はカメラのズーム機能を使って白いMSが見つめる先に、今まさに大気圏に突入を始めているシャトルの姿がある事に気付く。
ジュン「…民間のシャトル…?」
エグザベ「そう言えば僕達の船と同時間に民間シャトルの着陸も受け入れていると聞いていたけれど………まさか…!?」
エグザベが嫌な予感を覚えた次の瞬間、白いMSは大型ライフルの銃口をシャトルへと向ける… - 125二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 12:29:26
攻撃を止め、突然民間のシャトルへと大型ライフルを向けた白いMS。その行動が意味する事を理解出来ず2人は一瞬フリーズするが、白いMSの指がライフルにかかった瞬間、Xカスタムは殆ど本能で2丁拳銃の早撃ちを放ち白いMSを狙い撃つ。
引き金を引く直前で白いMSは回避行動しつつ間合いを取りながら再びシャトルに向かってライフルを構えて再び引き金を引くが、放たれたビームはXカスタムの牽制によって生じた隙にシャトル前に回り込んだブルキャノンの構えた盾によってギリギリのところで受け止められる。
エグザベ「っ…正気かコイツ!?民間機に向かって…!!」
ジュン「ふっ……ざけてんじゃねぇぞテメェ!!!!」
激昂するジュンの操るブルキャノンは青い炎のマントを全力放出し、これまでにない速度で白いMSに迫る。
エグザベ「ジュ…ジュン・ファンボイ!!」
ジュン「テメェはシャトルを守っておけ!!コイツは俺が仕留める!!!!」
白いMSとそれが操る大型ビットはビームの連射で迫り来るブルキャノンを迎撃するが、凶悪な赤い眼光を放つ青いガンダムは軌跡に残像が残る程の凄まじい速度で全て避ける。
ジュン「足掻いてんじゃねぇぞダルマ野郎が!!!!」
一気に懐に飛び込んだブルキャノンはライフルブレードで斬りかかり、ライフルを腰にマウントした白いMSは丸盾の後ろから大型のビームサーベルを引き抜いてこれを受け止め鍔迫り合いに持ち込む。鍔迫り合いからのエアロシールドの追撃の突きも丸盾で防ごうとするが…
ジュン「そう来ると思ったぜボケが!!!!」
丸盾がエアロシールドの切先を受け止めた次の瞬間、盾後方のブースターを吹かせて盾による突きを加速させ、丸盾のガードを真正面から打ち破って白いMSの姿勢を大きく崩す。
ジュン「くたばりやがれ白ダルマ!!!!」
リッターモードを解除して両肩のキャノンでトドメを刺そうとしたその時、突然エグザベが叫ぶ。
エグザベ「っ!!ジュン・ファンボイ!!左右から来てる!!」
ジュン「何っ!?」
声の指示に従って咄嗟にライフルブレードと盾を構えたジュンは、すんでのところでいきなり迫った『ソレ』を受け止める事に成功するが…
ジュン「っ…嘘だろオイ…!!
コイツのビット兵器ってあのでけぇのだけじゃねぇのか!?」
左右からブルキャノンを挟む新たなビット兵器の存在に2人は思わず焦りを見せる…
- 126二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 12:30:24
左右からブルキャノンに迫りブレードと盾を押さえ込んだビット兵器は、これまた類を見ない異質な形状をしていた。本体はビットというよりもMSの盾のような形状をしており、見方によってはエアロシールドのようなものとも言えなくはない。しかしその先端部分、エアロシールドで言うなればヒートエッジの切先にあたる部分に取り付けられているのはMSの胴体を挟んで切り刻めそうな巨大なクローであった。それが今ブルキャノンのブレードと盾を押さえ込み、更にはクローの付け根の真ん中にある銃口からは今まさにビームが放たれそうになっていた。
ジュン「冗談だろ!!!?」
ジュンは咄嗟にブレードのビームを落として鍔迫り合いを中断し、支えを失って突っ込んできたビットを屈みながら避けつつ盾に張り付いた方のビットをライフルで撃ち抜こうとするが、盾側のビットはジュンが引き金を引くのと同時に離れ、結果異形のクロー型ビットは2機とも無事でブルキャノンから離れる。
エグザベ「あのビット…攻撃の為にそっちに迫るまでレーダーに反応しなかった!!コイツがソドンと大型船に攻撃を仕掛けたのか!!」
いくらなんでも大型ビット四機を従えた未知のMSをジュン1人に相手取らせるのは危険過ぎると判断したエグザベは助太刀に向かおうとするが、その直後シャトル目掛けて白いMS達のいる逆方向から大量のミサイルが降り注ぐ。
エグザベ「なっ…!?」
Xカスタムは慌てて2丁拳銃の連射でミサイルを撃ち落としてこれを放った標的を視認するが…視認出来てしまったが故にエグザベは顔を引き攣らせる事になる。
エグザベ「…嘘だろ…まだ別のビットがあるのか!?」
エグザベが視認した大型ビッドもまた盾のような本体が2機いるのだが、先端についているのは二連装の大型ビームキャノン、更には長めのビットよりもより多種多様なミサイルポッドを本体に取り付けており、再びミサイルポッドからシャトル目掛けて大量のミサイルが放たれる。
エグザベ「くそっ…!!コイツ執拗に民間機を…!!」
ジュン「ここまで外道に突き抜けてるってんなら加減の必要もねぇな…!!」
吐き捨てるような軽口を叩きながらも、ブルキャノンは異形の大型ビットを携えて不気味に佇む白いMSに対峙して油断なくブレードと盾を構え直す…
- 127二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 12:40:01
プチ設定 白いMSのビット(名前は未定、仮名)
・高機動型ビット
MSほどの長さがある一際大きなビット。
三角形の大型スラスターによる凄まじい速力を誇り、機体先端のメガ粒子砲は戦艦主砲並の威力を誇る。また、機体中心部には迎撃用ミサイルポットも内蔵されている。
その形状はメッサーラの大型スラスターに類似している。
・隠密型ビット
近接戦、射撃戦、隠密活動に秀でた特殊ビット。
大型の盾にクローアームを内蔵したような形状をしており、クローの付け根の真ん中にはビーム砲も内蔵されている。
また、内部に搭載されたセンサーや情報収集機器は一際高性能であり、攻撃行動を行わない限り機影を完全に遮断出来るジャミング機能も搭載している。
その形状はボリノークサマーンの腕部シールドに類似している。
・高火力ビット
射撃による後方支援に特化したビット。
大型二連装ビームライフルと多種多様なミサイルポッドが内蔵されており、ビット2機を合わせた総合的な火力は戦艦に匹敵する程。
その形状はパラス・アテネの二連装ライフルに類似している。 - 128二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 13:27:35
オメガサイコミュ搭載してるからジ·Ωとかかな(搭載してるかは不明ですが)
- 129二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 15:53:49
合計4機の大型ビットを携えた白いMSと対峙するブルキャノンと、一際重武装の2機のビットからの集中砲火を受けるシャトルを守るXカスタム。2体のガンダムはそれぞれの装備と機体性能を極限まで駆使して目前の相手と戦い続けているが、次第に劣勢に追い込まれ、更に不味い事に戦いが長引いているせいで徐々に地球の引力圏へと引き込まれていく。
ビットが増えて更に多角的に攻撃を仕掛ける白いMSを相手にする為に再びリッターモードで接近戦を挑むブルキャノンは4機のビット攻撃を避けるので手一杯であり、Xカスタムも多数の多いビームピストルの2丁連射でミサイルを落としながら小型シールドでどうにかビームを弾き落とすという荒技を強いられ、いずれも防戦一方だ。
エグザベ(ビット1機ごとの反応速度が普通じゃない!!このままじゃ…!!)
元々機動力特化のXカスタムで重武装のビット2機を押さえ込みつつ民間のシャトルを守るという無茶な防衛戦を持ち前の技量でどうにかこなしていたエグザベだったが、縦横無尽に翻弄してくるビットを相手に遂に致命的な隙を見せてしまい、それを逃さずビッドは死角に回ってシャトルを狙い撃とうとする。
エグザベ「しまっ…」
反応が間に合わない、身を挺して庇おうとするものの直感でそれを悟りエグザベが目を見開いたその時、突然ビッドは攻撃をやめて真上から迫るビームを…そのビームを放った有線式メガ粒子砲からの追撃を避ける。
エグザベ「っ!!この有線式武装は…!!」
Xカスタムが見上げた先には、シャリア・ブルの操る流線的な形状が特徴的な灰色のMA…キケロガの姿があった。
エグザベ「中佐!!」
シャリア「なんとか間に合いましたね。少尉、シャトルの護衛は我々で努めましょう。大気圏内に入って貰いさえすれば向こうも追うような真似はしないでしょうから」
エグザベ「は、はい!!…あっ、でもファンボイ君の方も苦戦を強いられていて…!!」
シャリア「彼もガンダムのパイロットです、なんとかするでしょう…それに今、彼にとっては何よりも頼もしい隣人が向かっているようですからね」
シャリアが見守る先には、今も尚戦うブルキャノン目掛けて進む黒紫の光の軌跡が描かれていた…
- 130二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 15:55:12
ジュンは青い炎のマントをはためかせるブルキャノンを操り4機の大型ビットの集中砲火を避けながらもシャリアの操るキケロガがXカスタムの加勢に加わった事に気付いて不敵な笑みを浮かべる。
ジュン「へっ…一度危うく沈められかけた身としてはもう会うのは御免だと思ってたが灰色の幽霊も味方となれば頼もしいもんだな!!」
4本のビームを器用に避けた先で待ち構える白いMSの攻撃の振り下ろしたビームサーベルとそれを受け止める為に振り抜いたライフルブレードがぶつかり合い激しく火花を散らす。
ジュン「シャトルの方は問題ねぇ…後はテメェをぶちのめすだけだ!!」
最早無線から響くノイズなど気にも止めず追撃を放とうとブルキャノンは盾を構えるが、ジュンは白いMSの脚部から伸びたサイドアームの握るビームサーベルが下から迫っている事に気付く。
ジュン「うおっ!!!?」
慌ててブルキャノンは飛び退くが、飛び退いた先は四方からビットが狙いを定めている場所であり、そこに入った瞬間ビームの一斉放射がブルキャノンに襲いかかる。
ジュン「ちぃっ!!」
全てを避ける事は不可能、致命傷以外の被弾を覚悟してジュンは盾を構えようとするが、
それよりも早く4枚の紫水晶の盾が間に入ってビームを全て弾く。
ジュン「ペタルビット!?…まさか!!」
ニャアン「ジュン!!!!」
ジュンが驚く間にニャアンの操るガンダム・オイランゼンはブルキャノンの隣に立ち、飛ばしたペタルビット4枚も2機を守るように周囲を旋回する。
ジュン「ばっ…馬鹿野郎なんで来た!?今やってるのはマジの命の取り合いだ!!クラバなんかとは訳が違うんだぞ!?」
ニャアン「そんな事分かってる!!でも、こうなった以上船にいたってMSに乗ってたって危ないのは一緒でしょ!?」
ジュン「っ…ああクソッ、違いねぇよ!!正論だ!!オメーがオイランゼン動かせちまうのが尚の事言い返せる言葉が出なくなる原因だよ全く!!…いいかニャアン!!絶対俺がフォロー出来る間合いにいろよな!?」
ニャアン「うんっ!!!!」
青と黒紫のガンダムは肩を並べ、それぞれブレードと盾、ヒートシミターを構えながら佇む白いMSへと突き進んでいく…
- 131二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 15:59:13
それぞれの剣を構えて白いMSに向けて飛び出すブルキャノンとオイランゼン。間合いを取ろうとする白いMSと追従する4機の大型ビットによる迎撃はより一層尚激しくなるが、隣人と共に宇宙の闇を飛ぶ蒼い騎士は先程までの防戦一方が嘘のように着実に白いMSへの間合いを詰めていく。
ジュン「引力圏でこれ以上勝負を長引かせる訳にはいかねぇ!!速攻でカタをつける為に接近戦で押し切るぞ!!本体の攻撃は俺が全部叩き落とすからニャアンはビットからの攻撃を防ぐ事に専念しながら俺について来い!!」
ニャアン「分かった!!」
ジュンの言葉に従うニャアンの操るオイランゼンはビットの半数を増加スラスター代わりに加速する事でリッターモードのブルキャノンの高速機動に追従し、四方から迫るミサイルを分離したペタルビットから放つ淡い紫の電磁波で無力化し、迫るビームやクロー攻撃は各々俊敏な身のこなしで速度を落とさぬまま回避する。
それを見た白いMSはライフルと盾の四連装カノン砲を構えてオイランゼンを狙い撃つが、それらの攻撃は目の前に割って入ったブルキャノンの構える盾に阻まれ、更には盾を構えたままブルキャノンはキャノンモードへ変形し、両肩部キャノン砲によるカウンターを白いMSの盾に直撃させてその姿勢を大きく崩させる。
ジュン「へっ!!ようやく当てたぜこの野郎!!このまま一気に畳み掛けるぞ!!」
ニャアン「うんっ!!」
力強く頷くニャアンに答えるようにオイランゼンは青い瞳を輝かせてヒートシミターを構え、それと同時にブルキャノンもまたライフルブレードを構え、2体のガンダムは左右から同時に白いMSの首目掛けてトドメの一撃を放とうとする…
- 132二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 16:21:38
左右から挟み込むようにブルキャノンとオイランゼンが放ったブレードとシミターの一撃を、白いMSはそれぞれ右手のビームサーベルの左手の丸盾で受け止め、2対1の鍔迫り合いに持ち込む。
ジュン「こいつっ…!!なんて馬力してやがる…!!」
ニャアン「っ…白いMSのパイロット!!聞こえますか!?どうしてこんな…!!」
ヒートエッジと盾が激突して発生して火花が飛び散る様子に怯えながらもニャアンは無線で必死に呼びかける。それは、単純に戦いを止めたい気持ちが半分と、ジュンにこれ以上命のやりとりをして欲しくないという気持ちが混じった必死の叫びだった。
…まるでその叫びに対しての答えのように、突然、オイランゼンの無線機から子供の笑い声が響く。
ニャアン「………え?」
1人の声ではない。何人もの異なる少年少女の笑い声が、コクピットの無線機から不規則に流れてくる。悪戯をしたのが見つかって大人から逃げるような無邪気な声が、不気味な不協和音を奏でている。
ニャアン「な…何…この声…?子供の…声…?」
コクピットに響き渡る声に戸惑っていると、突然白いMSのモノアイがぐりんと動いてオイランゼンと…そのコクピットにいるニャアンと目を合わせ…
『「([《見 つ け た》])」』
不協和音だった子供達の声が一斉に揃い、白いMSのモノアイの色が濁った空色に輝き、その光が切り結ぶ2体のガンダムを包み込む。
ジュン「なんだこいつっ!!!?」
ジュンはその眩しさに慌てて盾を構えながら光を遮るが、ニャアンは光を見た途端、動けなくなってしまう。
ニャアン「な…何…?この……ひか…り……」
頭の中に靄がかかっていくような感覚の共に、ニャアンの瞼は次第に落ちていき、遂にはその意識を完全に手放してしまう…
- 133二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 16:23:11
ジュン「ぐっ!!またこのノイズか!!ニャアン平気か!?………?おい、ニャアン!?」
再び耳をつんざくようなノイズにジュンは顔を顰めているが、突然ニャアンの声が聞こえなくなり、更には隣のオイランゼンが急に動きを止めてしまった事に気付き、慌ててニャアンへ必死で呼びかける。
ジュン「どうしたニャアン!?何があった!?返事しろってうおっ!?」
白いMSに鍔迫り合いを力押しで弾かれたブルキャノンはどうにか姿勢を立て直して再び構え直すが、白いMSは最早ブルキャノンを見ておらず、脱力したオイランゼンに向かってゆっくりと手を伸ばして、ゆっくりと地球の引力圏へと落ちていくオイランゼンの手を取ろうとする。
ジュン「っ…!!!!!!」
ジュンにはニュータイプとしての素養は微塵もない。だがこの時ばかりは白いMSから感じるオイランゼンへと…その中にいるニャアンに向けられている得体の知れない悍ましい何かを本能で感じ取り、有無を言わさずリッターモードをフルブーストで起動し、妨害を仕掛ける大型ビットの攻撃を速力だけで振り切って一気に白いMSへと間合いを詰め、ブレードと盾の同時攻撃で斬りかかり、再びサーベルと丸盾を構える白いMSと単騎で鍔迫り合いへと持ち込む。
ジュン「テメェ白ダルマ!!!!汚ねぇ手で俺のマヴに触れようとしてんじゃねぇよ!!!!」
白いMSは再び隠し腕で斬りかかろうとするが、それを見切ったジュンは一瞬後退した直後に高速旋回する事で炎のマントを翻してサブアームを焼き切り、更にはその回転を活かして放つ回し蹴りで白いMSを腹から蹴り上げて吹き飛ばし、回転しながらライフルを腰にマウントして空いた右手で地球の引力に引かれつつあるオイランゼンの腕をとる…
- 134二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 16:25:31
すんでのところでオイランゼンの手を取り抱き寄せたブルキャノンを操るジュンは、引力圏からの脱出を計りつつ接触回線でニャアンに必死で呼びかける。
ジュン「おい!!しっかりしろニャアン!!聞こえてるのか!!なぁ!?」
ニャアン「…ん…」
ジュン「っ…!!生きてはいるんだな!?良かっ…」
突然、ブルキャノンの無線機からこれまでとは比較にならないほどの凄まじいノイズが響き渡り、それと同時に頭上から全てのビットとライフルによる一斉射撃を放ちながら白いMSが迫って来る。
ジュン「くっそまたノイズか!!いい加減にしやがれよこの騒音野郎が!!!!」
悪態を吐きながらジュンはリッターモードの高速軌道を駆使してオイランゼンを抱き寄せたまま引力圏ギリギリを飛行しつつ頭上から迫る一斉攻撃を避ける。辛うじて攻撃を避けられてはいるものの、避ければ避ける程、まるで何かを喚き散らすようにノイズはより酷くなっていく。
ジュン「くそっ…本当になんなんだよこのノイズは!?」
しかし、とある一点を超えた辺りで突然ノイズは途切れ、攻撃も止まる。不思議に思ってジュンが上を見上げると、白いMSが忌々しげにブルキャノンを睨むように見下ろした後、ビットを背中に取り付けて頭上へ上がり、凄まじい速度で宇宙の闇に消えていった。
ジュン「逃げた…?…いや…」
逃げた、というのは違う事にジュンはすぐ気付いた。白いMSは追えなくなったのだ。滅茶苦茶な一斉射撃のせいで、ジュン達を追えない位置まで追い込んでしまったのだ。
ジュン「っ…!!」
それに気付いたジュンは慌てて上昇レバーを上げるが、遅かった。
2人の機体は地球の引力に引かれて上昇出来なくなっていた。
ジュン「……ヤバい…落ちるぞ!!!!」
大気圏に近付く2体のガンダムの周囲は、次第に赤い熱を帯びていく…
- 135二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 18:12:14
シャリア「…?」
高火力型ビットと交戦していたシャリアは、突然踵を返して離脱する白いMSとそれに追従する高火力型ビットの様子を見て眉を顰める。
エグザベ「に、逃げた…!?追いますか!?」
シャリア「いえ、今は民間機の安全を最優先にしなければなりません。向こうがこちらを襲う気がないのであれば、刺激しない方がいい」
エグザベ「了解!!……あっそうだ、ファンボイ君達は!?」
シャリア「撃墜されたような反応はありませんから無事だとは思………いや……これはちょっと無事とは言い難いかもしれませんね…」
エグザベ「そ、それはどういう………!?まさか、大気圏に!?」
Xカスタムのカメラが捉えた通り、ブルキャノンとオイランゼンはまさに大気圏突入真っ只中であった。もしもこれがブルキャノン単騎であればリッターモードによる爆発的な加速で大気圏を突き抜ける事も出来なくはないのだが、現在はオイランゼンも、更にはそのパイロットであるニャアンまでもが気絶して機体の中にいる為単独脱出の選択肢は潰されており、ジュンはこの非常事態を単騎でなんとかしなければならなかった。
ジュン「だーっくそっ!!里帰りなんてするもんじゃねぇな全くよぉ!!このまま落下して家族の墓の上に追突したら地獄で一生笑いもんだぜ!!」
悪態を吐きながらもジュンはブルキャノンを操り、オイランゼンを庇うように自身の背中を地球に向けつつ、エアロシールドをブースターによる遠隔操作で自身の背中に取り付けて簡易的なバリュートのようにして大気圏突入に備える。
ジュン「ブルキャノン単騎なら盾構えときゃ大気圏はいけるって話だったが…2機同時はいけんのか…!?」
- 136二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 18:13:12
ニャアン「……ん…あれ…私…」
ニャアンは寝起きのようにぼんやりとしながら目を覚まし…オイランゼンのコクピット中から警告音が鳴り響いている事に気付いてがばっと跳ね起きる。
ニャアン「な、な、何これ!!!?」
ジュン「おう起きたかニャアン!!寝起き早々に悪いけど今からちょっと大気圏突入する事になったから腹括ってくれよな!!」
ニャアン「寝起きに叩き込んでいい情報量じゃない!!!!さっきの白いMSは!?」
ジュン「帰ったよ!!そんな事より今は俺が里帰りして家族の故郷巡れるかそれをすっ飛ばして家族の墓に入るかの瀬戸際だからちょっとじっとしててくれるか!?今の大気圏突破方法がちょっと定員オーバーしててさ!!」
ここでようやくニャアンはブルキャノンがオイランゼンを庇いながら大気圏を突破してる事に気付き、それが負担になっているのだと悟る。
ニャアン(いくらブルキャノンが重装甲でも無茶過ぎる!!何か負担を和らげる方法は……そうだ!!)
ニャアン「ペタルビット!!」
ニャアンが叫びペタルビットに指示を出すと、8枚のビットがエアロシールドを囲むように連結し、バリアフィールドを展開する事によってブルキャノンとオイランゼンへの負荷を軽減させていく。
ジュン「おっ…!!機体の数値がかなり安定して来た!!これなら安全に降りられるぜ!!」
ニャアン「よ、良かった……ところでこれ、どこに降りてるの?」
ジュン「いやぁそれがさーっぱり分かんねぇのよ、あっはっは」
ニャアン「本当に何があったの…???」
ニャアンの困惑とは裏腹に2体のガンダムは淡い紫の光を纏いながら安定した速度で大気圏を突き抜けていく…
- 137二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 18:15:12
大気圏突入はMSの嗜み(ぇ
- 138二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 18:33:30
初代から続く伝統…!!
- 139二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 18:34:32
大気圏を突き抜けた2体のガンダムの眼科に広がったのは、どこまでも広がる青だった。雲よりも上の澄み切った青空の美しさに、ニャアンは思わず息を呑む。
ニャアン「…綺麗…」
ジュン「お、そういやこんな形だけどニャアンは初の地球だもんな。ようこそ、俺の故郷へ」
ニャアン「故郷紹介早くない…?…でも、確かにジュンの故郷かも。すっごく青いから」
ジュン「ははっ、確かに……あー、いやちょっと待った、悪い青空はもう終わりかもしれん」
ニャアン「へ?…わっ!?」
ニャアンが小首を傾げている間に2体のガンダムは雲へ突っ込み、暫くして雲を突き抜けたと思ったら今度は星の光一つない真っ暗闇の中に飛び出す事になった。
ニャアン「も…もしかして…本物の夜!?」
ジュン「どうもそうっぼいな!!ニャアン、一旦ペタルビットを戻してくれるか!?」
ニャアン「わ、分かった!!」
ジュンの指示通りにペタルビットはエアロシールドを離れてオイランゼンへと戻り、簡易バリュートの基部となっていたエアロシールドもジュンのリモート操作でブルキャノンの左腕へと戻る。互いの盾を戻している2機は背中からの落下をやめて足を地球の方へと向けて落下し始める。
ジュン「しっかり掴まってろよ!!」
ニャアン「ん…!!」
ブルキャノンはオイランゼンが離れないように右腕で抱き止めながら、リッターモードの高出力の炎のマントでブレーキをかけて減速を開始し、そのままゆっくりと降下を始める。
…本人達の知らぬ話ではあるが、その日地球の2人が降りた地域では不思議な流れ星の噂が広まっていた。雲を突き抜けた淡い紫色の流れ星は途中で青く輝く流れ星へと変わり、ゆっくりと地球に落ちていき、それを見ながら告白した地球のとある青年は後に告白したその少女と添い遂げる事になったという…
- 140二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 18:54:45
同刻、大型船メインブリッジ
市長「……そうですか。分かりました」
市長はシャリアからの無線を受けて頷き、幾つかの情報交換を終えて受話器を置く。
研究員A「ふぁ、ファンボイ君とニャアンちゃんはどうなりましたか!?」
市長「ペタルビットを展開して大気圏を突破したようだ。大気圏突入後までは見えないけれど、着地の方はブルキャノンがいれば大丈夫だろう」
研究員B「よ、良かった…」
女性研究員「しかし市長、あの白いMSは一体…?」
市長「全くの未知だよ。ソドンの一同も面食らっていたが、今は全員無事である事を祝おう」
女性研究員「無事…と言えますかね…?急いで地球に降りて2人を回収しないと…」
市長「そうだね、降下地点を変更してすぐに……いや待て、彼らが落ちたのはどこだ!?」
女性研究員「シャリアブル中佐から頂いたデータによると……っ…こ、ここって…」
市長「……地球の引力とは不思議なものだね…よりによってここか…」
顔を見合わせて困り果てる研究員達の横で、市長もまた眉間に皺を寄せて2人が降り立ったであろう地球のとある一点を見ながら頭を抱えていた…
- 141二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 19:19:22
同刻、地球上空
その頃2体のガンダムは青い光を纏いながら現在進行形で地球を降下しつつ、着地出来る場所を探していた。
ジュン「とりあえず着陸出来る場所を探さないとな…ニャアン、オイランゼンのカメラからはどこか開けた陸地とか見つけられないか?出来るだけ居住区や都市部から離れてる場所がいい。緊急事態とはいえ今からやる着陸って結構グレーゾーンだからあんま揉め事起こしたくねぇからさ」
ニャアン「…それなんだけど…ジュン、地球の夜って、陸もこんなに暗いものなの?」
ジュン「へ?」
ニャアンに言われて見ると、確かに2人が見下ろす先には光一つない。夜であれば辺境の地でも人の営みによってある程度の灯りがあるものだが、それが全く見受けられない。
ジュン「あれっ、ホントだ、灯りひとつねぇや…もしかしてだいぶ海寄りのとこに降りちまったか…?」
ニャアン「っ、ジュン!!あそこに小さな陸地がある!!」
ジュン「小さな陸地?…もしかして島か?」
キャノン用の狙撃モニターでオイランゼンが指差した方をジュンが見ると、確かに緑が生い茂る小さな島がある。
ジュン「おお、あった…うん、ありゃ島だ」
ニャアン「…なんか…逆に人がいな過ぎてダメかな…?」
ジュン「なぁに、ブルキャノンの燃料はまだ充分にある。いざとなったらある程度の距離なら救助要請出来る陸地まで飛べるだろうさ。他に着陸出来そうな場所も近くにないし、一旦あそこに降りようぜ」
かくして、2体のガンダムは緑の生い茂る小さな島へと降り立つ事になったのであった…
- 142二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 20:00:05
…そして、現在。イズマ・コロニーから地球に降り立つまでの道のりを思い返しながらジュンは登る朝日を眺めていた。
ジュン「ふーっ…やっぱ里帰りって大変なもんだよなぁ…つーか本当にどこだここ…」
ニャアン「…ジュン…」
ジュン「ん?…ど、どうしたよそんな暗い顔して?あ、見知らぬ島だから不安な感じか!?いやヘーキヘーキ、さっきも言ったろ!?ブルキャノンもオイランゼンも無傷なんだから何かあってもすぐに飛んで…」
ニャアン「違うの。その…ごめんなさい。ジュンが止めたのに私が無理して戦いに出たりしたから、こんな事に…」
ジュン「…んー…そうだなぁ。流石にオイランゼンが急に動き止めて大気圏に落ちてった時はヒヤヒヤしたよ…すげー怖かった。出来る事ならもう、ニャアンにはMSに乗って欲しくねぇなぁってのが、俺の本音なんだよな」
ニャアン「……うん」
ジュン「…でもそのおかげで少しだけニャアンの気持ちが分かった気がするよ。ちょっと自惚れ入ってるかもだけどさ、きっとこの気持ちはニャアンも同じなんだよな」
ニャアン「…うん、普段ジュンがブルキャノンに乗って飛んでいく時の気持ちと、同じだと思う…私もちょっと、自惚れ入ってる、かも」
ジュン「…そっか」
ニャアン「…うん」
問題は解決していないが2人はまた少しだけ互いの気持ちを共有し、それがお互いに少し嬉しくて、そっと肩を寄せ合う…
が、それと同時に2人揃って腹の虫を鳴らす。
ニャアン「……あ」
ジュン「…とりあえず目前の飯の問題からなんとかするかぁ…」
笑い合う2人を、片膝をつく2体のガンダムは優しく見守っている…
- 143二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 20:53:36
ブルキャノンに乗ってる時のジュン兄の声は自然とイオっぽくなるしリッターモードの戦い方がシュラっぽいしCV中村悠一さんっぽいかなぁなんて思ったりもするけど戦闘以外だと雰囲気がちょい違うような気もして何気にcv空想が難しい。他にいいイメージの声の方っているのだろうか…
- 144二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 21:01:38
個人的には梅原裕一郎さんのイメージ
NTのゾルタンとかやってた人
低いイケボだけどテンション高いのもいける - 145二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 21:13:56
調べてみたら鉄血でもユージン役やってたらしく、若い寄りの時のこの方の声も結構アリ…?(まだまだ思案中&候補考え中)
- 146二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 21:19:18
シャディクやってた古川慎もいいぞ
シリアスもギャグも悪役も器用にこなすイケボだ
かぐや様での快演でファンになったわ - 147二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 21:30:31
色んな声音の幅があるのも中々ポイント高い…
- 148二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 22:24:21
ブルキャノン「『俺のマヴに触れようとしてんじゃねぇよ』ねぇ…ストレートに俺の女に手を出すなって言やいいのによぉ、相棒はちょーっとうぶなとこあるよなぁ」げらげら
オイランゼン「ファンボイ君は先輩と違って繊細なんですよ。寧ろ先輩はレディの扱いに関しては彼を見習うべきです」
ブルキャノン「なんでぇ、ちゃーんと大気圏突入のエスコートしてやったじゃねぇかよ、な、レディ」
オイランゼン「…そーゆー軽薄な所がよくないって言ってるんですよっ」そっぽ向き
Xカスタム「…なんでだろう…同じガンダムなのに…このマヴの違いの差は…」遠い目
キケロガ「まぁまぁ、そう悲しい事を仰らずに」
ジークアクス「かーっ!!連邦のガンダムはキザったらしくてあかんわ!!!!なぁ赤いの!!!!」
赤いガンダム「それは連邦製ベースの私へのあてつけか???」
- 149二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 23:10:27
ジュン兄はともかくブルキャノン自身に声があるとしたら中村悠一さん(イオ風)は何故だか凄くしっくり来るw
- 150二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 00:42:17
- 151二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 07:25:14
朝保守&無人島生活開始
- 152二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 12:04:03
実際に見るのは初めてかもだけどマチュ辺りに地球について熱弁されまくってて雰囲気はある程度予習してたのかもしれない
行く前
マチュ「海の写真!!本物の海の写真はぜっっったい撮ってきてね!?約束だよ!?」
ニャアン「わ、分かったってば…」
- 153二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 16:32:57
何気にこの状況三国試験前に肝心の試験機とパイロットが所属不明機との戦闘の果てに大気圏突入して不在というどの国からしても結構大変な状態だ…
- 154二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 18:14:36
誰か今すぐによゐこ濱□かナλDを連れてくるんだ……!!
- 155二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 19:45:22
ドイツ領古城
中将「……そうか。分かった。我々の方でも現地の者達とコンタクトが取れるかを確認してみると市長殿に伝えてくれ。正直言って望みは薄いが、やれるだけの事はしよう」
中将は自室にあるアンティーク調の受話器を置いてからソファに腰掛けて天井を仰ぎ、そんな様子を見ながら指揮官は苦々しい顔をしながらぼやく。
指揮官「ただでさえジオンが絡み面倒ごとの予感しかしない三国試験だというのに…蒼い騎士が更に余計な面倒ごとを増やしてくれましたな」
中将「彼を責めないでやってくれ。正体不明の…それも恐らく最新鋭機の相手を大気圏目前で凌ぎ切り、それでいて危機に瀕した隣人を命懸けで助けたんだ。彼は騎士としての役目を全うした、立派なものだよ」
指揮官「今の奴は伯父上が与えた名を勝手に使っているだけの名ばかりの騎士です。庇ったのも都合の良い難民の女が乗った…」
中将「あまり女性の立場をどうこう言うものじゃない…全く逆の事例ではあるが、君の母君もそれで苦労したのだから。それに、私は今でも彼が蒼い騎士を名乗る事は快く思っている」
指揮官「……だとしても、結果的に奴が厄介な場所に落ちた事に変わりはないでしょう。あの地は我々よりも奴らの影響力があり、伯父上の指示も通りにくいでしょう…どうされるおつもりで?」
中将「うーん…せめて彼女が今もあの地にいてくれれば助かるんだが…」
指揮官「それは…そうなれば1番信頼出来ますが、望みは薄いでしょう。奴は既に連邦を見限った身です」
中将「だが、彼女は義理堅い…なんとか連絡を撮ってみよう」 - 156二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:03:50
同刻、小島の浜辺
大型船、ソドン、そして古城での面々が2機のガンダムが落ちた場所に関して頭を抱えているその頃、当の本人達はそれぞれ目前の問題の為に活動していた。ジュンの方はブルキャノンのコクピットから救援要請を発信、ニャアンは食糧確保の為にブルキャノンの足甲を椅子にして即席で作った釣竿で釣りをしていた。
ジュン「こちらブルキャノン。救援要請求む。繰り返す、こちらブルキャノン……ダメだな、少なくともこの周りに連邦軍の基地はねぇ。どこの領土かわからねぇ以上大型船とソドンにここに来て貰うのはマズいから一旦近くの基地にと思ったんだけど…ニャアンそっちはどうだ?」
ニャアン「…釣れない…エサが悪いのかな…」
そういってニャアンが引き上げて睨めっこする釣り針の先にはよくわからないミミズ状の虫が突き刺さっており、ジュンはそれを見て若干顔を引き攣らせる。
ジュン「お…おう…ニャアンその虫捕まえるの結構躊躇なくいったよな…」
ニャアン「ジュン、もしかして虫ダメ?」
ジュン「いや、カブトムシとかいっそゴキブリみてぇな虫って感じの奴なら平気なんだけどよ…そんな感じのうねうねした奴はちょっと…」
ニャアン「そんなんじゃ難民になった時やっていけないよ?いざって時に栄養があるものを見分ける時には虫が…」
ジュン「あーっあーっ聞きたくない!!リアルな残飯事情の話は聞きたくない!!ニャアン早いとこ魚釣り上げてくれ!!」
思い切り目を逸らしながら無線を操作するジュンを見て、ニャアンはくすくすと笑いながら釣竿を振りかぶる。
- 157二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:21:23
ジュン「子供の声?」
ニャアンが釣り上げた魚を焚き火で焼いた魚の串焼きに齧り付きながら問いかけるジュンに、ニャアンは小さく頷いて答える。
ニャアン「うん。オープンチャンネルで白いMSに戦いを止めるように呼びかけたら急に聞こえて。それも1人の声じゃなくて、何十人もの笑い声がバラバラに聞こえて…最後に『見つけた』って言ってオイランゼンの方を見たの…その後、頭にモヤがかかったみたいになって、気がついたら大気圏に…」
ジュン「随分また…おっかないもんが聞こえたんだな…俺はノイズしか聞こえなくて、Xカスタムのパイロットは信号音、ニャアンは子供の声か…つーか何を見つけたんだ?」
ニャアン「分からないけど…こっちを見てたから…もしかしてオイランゼンの事…?」
ジュン「おいおい…じゃあアイツイズマ・コロニーの最新型ガンダムをパクるつもりでいたのか?マジで何考えてやがんだ…?」
怪訝そうにしながらもう一度ジュンは魚に齧り付く。
ジュン「……んー、海の塩味で多少は味になってるが…もーちょい塩欲しいな…」
ニャアン「塩分は控えめに。ジュンはただでさえ屋台とか飲み屋さんで塩辛いもの沢山食べるんだから」
ジュン「い、いやぁ…仕事終わりにそれを肴に一杯ひっかけるのが好きで…」
ニャアン「ふーん…それでお腹いっぱいになって私のご飯食べれなくなっても良いんだ」
ジュン「良くない良くない!!つーかいつもちゃんと全部食べてるだろ!?」
ニャアン「無理して食べるぐらいなら、お腹空かせて食べて欲しいの」
ジュン「うっ…わーったよ…地球帰ったらちょっと外食減らすよぉ…」
ニャアン「ん、えらいえらい」
困り顔のジュンに、ニャアンはイタズラっぽく微笑みながら彼の頭を撫でる…
- 158二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:26:30
意外とニャアンのサバイバルスキルが高い…
状況は割とシビアなのに相変わらずイチャつきやがってよぉ - 159二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:49:21
朝食を終えたジュンは再びブルキャノンの無線やレーダーを操作して外部とのコンタクトを図るがどの計器にも反応はなく、そうこうしてるうちに1時間が過ぎようとしていた。
ジュン「ダーメだこりゃ…マジで前人未到の無人島にでも着陸したか…?市長達が船で迎えに来てくれるなら逆に周りを気にしなくていいけれど、どこかの基地に連絡しないといけないとなると移動した方がいいかもな…ニャアン、悪いけどオイランゼンのレーダーても一度調べ…ニャアン?」
ふとジュンが外に目をやると、ニャアンが波打ち際に立って海を眺めていた。
ジュン「…海、気に入ったか?」
休憩も兼ねてコクピットを降りたジュンはニャアンの元まで歩み寄って声をかける。
ニャアン「…うん。マチュが本物の海を見たいって騒いでた理由が、ちょっとだけ分かった…少し変わった匂いだけど、これも嫌いじゃない」
ジュン「潮の香りかぁ。腹が減ってくるよなぁ」
ニャアン「またご飯の話…?…でも、ちょっと分かる。お刺身とか食べたくなるかも」
ジュン「ははっ、順応早いなぁ」
ニャアン「…不思議なんだよね。生まれも育ちも宇宙なのに、なんかこの場所が凄く懐かしく感じるんだ」
ジュン「へ?ニャアンもか?」
ニャアン「…ジュンも?」
ジュン「おう。日本らしさもオーストラリアらしさもねぇのに、不思議だよなぁ」
ニャアン「…そうだね、不思議。なんかいい事ある前触れだったりし」
???「動くな」
ニャアン「………へ?」
…2人は、いつのまにか近付いていた何者かに後ろから頭部に銃口を突きつけられていた…
- 160二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:56:37
南洋同盟かな?
- 161二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 21:13:34
一瞬、後ろを向いているニャアンは自分に突きつけられているものが何か分からず呆然とするが、頭に伝わる感触からそれが銃口だと気付くとみるみるうちに脳内を恐怖と混乱が支配していく。
ニャアン「えっ…なっ…」
ジュン「ニャアン、大丈夫だ。指示に従おう」
同じく銃口を突きつけられているジュンは落ち着いた様子でニャアンに声をかけ、それと同時に後ろの人物達にも声をかける。
ジュン「会話がしたい。前を向かせてくれないか?」
???「勝手に喋んじゃねぇ!!こっちはいつでもテメェの脳天に風穴開けられんだぞ!!」
ジュン「そっちも話がしたいからわざわざ後ろから脅して来たんだろ?マジにやるつもりなら後ろから撃てばいいもんな」
???「だから勝手に喋ってんじゃ…」
???「よせ、ガレス。無駄な事をするな…会話に応じよう。ゆっくりとこちらを向け」
喧嘩っ早そうな声を落ち着いた声が抑え、2人が指示に従って振り返ると、そこには同じ半袖の迷彩服とカーキ色の防弾チョッキを着て拳銃で武装する3人の男の姿があった。小柄で目つきの悪い男(A)、縦と横に長いが大人しそうな男(B)、そして中肉中背でがっちりとした男(C)の3人組の、小柄の男がジュンに、中肉中背の男がニャアンに銃口を突きつけている。
ニャアン(ぐ…軍人…って感じじゃない…?)
ジュン「指示通り向いたぜ。出来るだけ穏便に会話をしよう」
男A「てめぇスカしてんじゃねぇぞスペースノイドが!!何企んでやがる!!」
ニャアン(…ジュンの事スペースノイドって言ってる…少なくとも連邦軍の人じゃない…?)
男B「よ、よそうよガレス。向こうも争うつもりなさそうだし、アグラだって会話を…」
男A「うるせぇぞヘリス!!スペースノイドのクズどもなんぞがMS乗って土足で踏み込んできてんだ!!会話の必要なんぞあるかよ!!」
ジュン「オーケィ、そっちの名前はデカいのがヘリス、小さいのがガレス、リーダーさんがアグラね、覚えた」
3人組の名前を把握したジュンは、銃口を突きつけられながら会話を開始する…
- 162二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 21:32:42
ジュン「とりあえずアグラさん。こっちの女の子の方に突きつけてる銃口下ろしてやってくれないかな?この距離じゃ逃げようもないし、いいだろ?」
アグラ「悪いがその要求は飲めない。お前達の所属が分からない事には…」
ジュン「俺達はサイド6、イズマ・コロニー所属のMSパイロットだ。連邦、ジオンとの三国試験に赴く途中で未確認のMSとの交戦になってこの島に不時着した…所属は話したぜ、事情もな。これなら銃口降ろしてもいいだろ?」
アグラ「…それが出まかせでない証拠は…」
ジュン「降ろせよ」
ぞっとするほど冷たいジュンの声音に恐怖を覚えたアグラは咄嗟に銃口をジュンの方に向けるが、暫くジュンと睨み合ったのちに彼はゆっくりと銃口を降ろす。
アグラ「……信じよう。少なくとも意図的にこの島に来た訳ではないのは本当のようだな」
ジュン「ん、そう認識してくれりゃ充分だ、ありがとな」
先程の声音が嘘のように朗らかに笑うジュンを見て、ガレスは舌打ちして怒鳴りつける。
ガレス「おいアグラ!!スペースノイドの誤魔化しを真に受けてんじゃねーよ!!」
ジュン「えーとな、それも誤解がある。俺一応地球出身だぜ。ジュン・ファンボイってご存知ない?」
ガレス「知らねぇよ!!」
ヘリス「…?イズマ・コロニーのジュン・ファンボイ…?どっかで聞いたような…というか…このガンダムもどこかで…」
ガレス「おいテメェら!!なんの目的でここに来やがった!?態々ガンダムなんぞでよぉ!!」
ガレスの怒鳴り声にニャアンは怯えて思わずジュンの後ろに隠れ、ジュンは困ったようにガレスに答えを返す。
ジュン「だからマジにこの島に来たのは事故なんだって。どこかの領土なら謝るけど…」
ガレス「とぼけてんじゃねぇ!!」
ガレスはジュンの胸ぐらを掴み、拳銃のグリップでジュンの額を殴りつける…
- 163二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 21:50:58
ジュン「いって…」
ガンッ、と鈍い音が響いた後にジュンはよろめき、額から血を流す。血を流したジュン自身は困ったような顔をしたままだが、それを見たニャアンは酷く青ざめ、そんな様子を気にも止めずガレスは怒鳴りながらジュンの胸ぐらを掴みながら銃口を額に突きつける。
ガレス「いい加減にとぼけんのをやめろよスペースノイド…!!テメェらが宇宙から飛び降りてこの島に着陸したのは知ってんだよ!!」
ジュン「だから事故で不時着したって言ったろ?信じてくれって」
ガレス「おういいぜ…テメェの両耳に銃痕のピアス穴が空いて同じ事が言えるならな!!」
ヘリス「ちょ、が、ガレスまずいって!!」
脅しだな、とジュンはすぐに分かった。ヘリスは本気で慌てているが、アグラと呼ばれる男は止める様子もなく静観している。ガレスがカマをかけてこちらがどういう反応をするかを見定めているのだろう。そう察知出来た為、ジュンは銃口を突きつけられてながらも割と冷静でいられた…のだが…
ジュンに銃口を突きつけて物騒な事を言うガレスの存在は、ニャアンにとって恐怖以外のなにものでもなかった。
ニャアン「……や…」
ガレス「よぉしいい度胸だ!!まずはその右耳!!それから左だ!!!!」
ニャアン「……やめっ……」
ガレス「それでも同じ事泣きながらほざいてたら認めてやる!!テメェがとんだおおほら吹きで、それに免じて眉間1発で終わらせてやるよ!!」
ニャアン「っ…!!!!やめて!!!!!!」
…ニャアンの絶叫が響いた次の瞬間、
片膝をついていたオイランゼンの瞳が、
ひとりでに青い輝きを放つ…
- 164二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 22:08:42
ニャアンの悲鳴が浅瀬に響いた次の瞬間、突然オイランゼンから駆動音が響き、青い瞳が輝き出す。
ジュン「いっ!?」
アグラ「何っ…!?」
ヘリス「う、動いた!?」
ガレス「て、てめぇ他に仲間がいやがったのか!?この野郎やっぱり騙…!!」
ガレスが自分達同様に急に動き出したオイランゼンに戸惑うジュンの額に銃口を突きつけた途端、
オイランゼンはガレスを睨むように首を動かし、その直後ペタルビットの1枚から淡い紫の電磁波が放たれ、それが波打ち際中に伝播する。
ジュン「うおっ!!!?」
慌ててジュンはニャアンを庇いつつ身を屈めるが、電磁波が直撃しても痛みや痺れは全くない。
ジュン「……?な、なんともな…」
ガレス「ぎぃやああああああ!!!!!?」
アグラ「がっ…!!!!!!!!?」
ヘリス「ひいいいいいいい!!!!!?」
…が、ガレス、ヘリス、アグラの3人は無事とは真逆の状態に陥っていた。3人はそれぞれ尋常ではない悲鳴をあげ、まるで避雷針に磔にされて電撃を受け続けているような挙動でのたうち回り、やがて全員白目をむいて痙攣して声を発さなくなってしまった。
ニャアン「えっ、な、なに…これ…?ま、まさかしんで………」
ニャアンが怯える中、ジュンは3人の脈を測り、呼吸の確認もする。
ジュン「……いや、大丈夫。生きてるわ。ちょっと気絶してるだけっぽいな」
ニャアン「よ…良かった…でも…」
ニャアンが恐る恐るオイランゼンを見るが、今はもうオイランゼンは動く気配を見せない。
ジュン「…対人兵器があるなんて市長言ってなかったよなぁ…?ま、とりあえず今はこいつら縛り上げるか。俺らもこいつらから色々聞きたいし」
予想外の形で安全を確保出来たジュンはこの好機を逃さず3人をテキパキと縛り上げ始める…
- 165二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 22:16:27
プチ余談、対人電磁波
擬似サイコミュ兵装の精神バイタル機能とオイランゼンのジャミングフィールドを応用したオイランゼンの対人兵器。
ニャアンの精神バイタルに反応して危険と判断した対象に精神干渉する微弱な電磁波を放ち、『その対象が最も恐怖する苦痛の感覚』を再現させて相手を失神させる。
因みにガレスは幼少期にヤカンをこぼしておった火傷の激痛を身体中に受け、アグラは学生時代にスクーターに轢かれた衝撃を連続的にくらい、ヘリスは小学生時代に森で遊んでいた時に首元に落ちてきた巨大な蛇の触覚が身体中を締め付けるような感覚を受けて失神した。 - 166二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 22:37:11
- 167二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 22:56:11
このレスは削除されています
- 168二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 22:58:38
このレスは削除されています
- 169二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 23:00:15
- 170二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 23:22:01
- 171二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 23:33:38
アグラ「……む…」
目眩を覚えながらもアグラが目を覚ますと、自分を含む3人は波打ち際から離れた太めの木に縛り付けられており、3人の前の小さな岩に腰掛けるジュンがニャアンから消毒液の染みたガーゼを額に当てられて手当の真っ最中であった。
ジュン「いちちっ、な、なぁ別に消毒とかいいって。ちょっと擦りむいた程度だし、これぐらいの傷ほっときゃ治るからさ」
ニャアン「駄目、地球はコロニーよりも菌が多いってマチュも言ってたから」
ジュン「そんな大袈裟な……あっ、アグラさん起きたかい?その、悪いね。でも俺も事情話したからさ。今度はこっちの質問に答えてくれよ」
ヘリス「う、うーん…あ、あれ…?」
ガレス「…ハッ!?な、なんだこりゃ!?このっ!!本性表しやがったなスペースノイドが!!ほどきやがれクソッ!!テメェら2人まとめて海の藻屑に…!!!!」
ニャアン「…オイランゼン」
喚くガレスを睨みつけながらニャアン呟くと、黒紫のガンダムが再び青い目を輝かせて3人を睨みつけるように首を動かす。
ガレス「ヒィッ!?」
ニャアン「……もし今度ジュンに同じ事したら…私もさっきと同じ事するかもしれないから…貴方は黙って」
怒気を孕んだニャアンの声を聞いて、ガレスは思わず震えながら押し黙り、ヘリスもそれに連動するように震える。
アグラ「…サイコミュ兵装…なのか?」
ジュン「ちょっと違う。擬似サイコミュって言うらしいぜ。俺の前の上司が開発したのを市長さんが改造したのが…」
???「アンタ達、いつまで油売ってるのさ」
突然波打ち際の反対側から女性の声が響き、2人は慌ててそちらの方を見る。そこにいたのは短髪ながらもボリュームのある金髪に3人の軍服と少し形が似ている赤のノースリーブの軍服、そして、首元に巻いた黄色のマフラーが特徴的な軍人的ながらも洒落た大人の雰囲気かある女性であった。
アグラ「っ、あねさん!!」
ニャアン「あねさん…?」
???「……大の大人が3人揃って何やってんだい。こんな女の子と青年相手…に………っ!?アンタ…ジュン・ファンボイかい!?」
ジュン「へ?………あっ…
ライラ姉さん…!?」
ニャアンは、驚く2人の顔を戸惑いながら見比べている…
- 172二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 23:47:57
そ、それはもしやエヴァ的な意味で…?
- 173二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 00:22:12
- 174二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 07:22:21
朝保守and進み具合によっては今日の遅くか明日の遅くに次スレ予定(まだ未定)
- 175二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 11:11:52
- 176二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 14:44:28
- 177二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 18:58:01
補助AIの適合率が高過ぎてそろそろ市長も「何それ知らん…怖…」となる事態が起きても全然おかしくはない…
- 178二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 19:04:42
ユニコーン君と似たようなことしてるねオイランゼン君?
- 179二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 19:32:27
無人島
ライラ姉さん、とジュンが呼んだ女性が2人の前に現れてから数分後、ニャアンには何が何だか分からぬうちに2人は短く話し合った後木に縛られた3人を解放する。解放された直後ガレスは怒気を撒き散らしてジュンに掴み掛かろうとするが、ライラが間に入ってそれを牽制した。
ライラ「よしなガレス。こいつは私の昔馴染みだ」
ガレス「あねさんの昔馴染みって…連邦軍か!?尚のこと信用出来ねぇじゃねぇか!!」
ニャアン(…?スペースノイドはともかく、連邦軍の肩書きもダメなの?…この人達はどういう人達なんだろう…?)
アグラ「…あねさん、コイツらは一体?」
ライラ「女の子の方は分からないけど、そっちの男は有名人さ。ジュン・ファンボイ…あー、名前で言ってもピンとこないか。ほら、公爵家の蒼い騎士だよ」
公爵家の蒼い騎士、その通り名を聞いた3人はそれぞれの反応に差違はあれど総じて恐ろしいものを見る様子でジュンを見る。
ヘリス「ぶ、ぶ、ブラウリッターってあの…ジャブローから宇宙へ逃亡しようとしたジオン軍の機密部隊をシャトルまで追いかけ回して全滅させたあの蒼い騎士ですか…!?」
アグラ「…実体刃付きの盾を携えたフルアーマーの青いガンダム…確かに特徴は一致している…」
ガレス「嘘だろ本物かよ…!?いや本物ならマジでなんでこんなとこいるんだ!?」
ジュン「だーからマジで事故ってこの島に落ちて来たんだって…どっちかと言うと俺はライラ姉さんと鉢合わせた事が驚きです」
ニャアン「…ジュン、この人、知り合い?」
指でジュンの肩をちょんちょんとつつきながら問いかけるニャアンに向かってジュンは相方を置いてけぼりにしてた事に気付いて慌てて補足する。
ジュン「ああ、うん。この人はライラ姉さん。中将閣下とは別派の連邦軍の所属なんだけれど戦争末期に同じ指揮下で一緒に戦った事が何度かあってさ。俺よりも階級が上でMS部隊の指揮で随分世話になったんだ。あ、そうだ姉さん。こっちはニャアンです。俺のマヴ」
ニャアン「ど、どうも…」
ライラ「………なんでMS乗りのマヴが学生服なんて着てんだい?」
他3人(((あっそれ聞くんだ))) - 180二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 19:34:51
ライラが間に入った事で臨戦体制だった3人…主に好戦的だったガレスも喧嘩腰ながらも一旦話を聞く事になり、一同は焚き火を囲んで話し合いをする事になる。
ライラ「…で、所属不明機の攻撃を受けて2人は大気圏突入してこの島に不時着、救援を待っているところで3人と鉢合わせして今に至る…と…すまなかったねファンボイ、3人が随分迷惑をかけたようだ」
ヘリス「ご、ごめんなさい…不審な上陸の情報があったからてっきり敵対勢力か何かかと…」
ジュン「いやあれは仕方ないって。寧ろいらん心配とか緊張させてこっちが悪かったっていうかさ」
ガレス「…俺は謝る気はねーぞ。テメーらが不法入国してる事に変わりはないんだからな」
ニャアン「…」むっとしている
ライラ「ガレスアンタねぇ…」
ガレス「そりゃ疑うに決まってるでしょこんな嘘くせー話聞かされたら!!しかもジオンでも連邦でもない所属だのなんだの都合のいい事を抜かしやがって!!」
アグラ「結果的に嘘は全く言ってなかったがな」
ガレス「ぐっ…大体オメーらMSのパイロットのくせにパイロットスーツでもない変な格好してんのがスパイみたいで紛らわしいんだよ!!女のガキの方はなんだそのあからさまに安っぽい偽装制服!!」
ジュン「は?安っぽくねぇだろテメェブルキャノンのブースターにくくりつけて引き摺り回すぞ」
ガレス「えっ急にめっちゃストレートに怖い事事言うじゃん…怖…」
ニャアン「制服はその…ジュンの趣味…」頬染めながら俯き
ガレス「あねさんコイツら別方向にダメっすよ!!!!信用したくないんですが!!!!」
ライラ「うーん……連邦時代の頃の荒んだ頃より丸くなったと思ったがその代わりに変な捻じ曲がり方したね…」
- 181二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 19:45:32
やいのやいのとガレスが騒ぐ中、2人を見ていたヘリスは何かを思い出したようにあっと声をあげる。
ヘリス「ね、ねぇ、ニャアンちゃんの乗ってるあの黒紫のガンダムってガンダム・オイランゼンだよね!?」
ニャアン「…?は、はい…」
ヘリス「やっぱり!!思い出したよ!!
この2人宇宙中継で愛の告白した2人だ!!」
ジュンニャアン「「」」フリーズしてる
ガレス「へ?あ、愛の…あんだって?」
ヘリス「この前たまたま宇宙中継でやってるの見てさ…多分今も切り抜き動画が…」つスマホ
アグラ「……確かに、この2人だな…うむ、だいぶ情熱的な告白をしてるな…」
ライラ「っ…あっはっは!!ファンボイ、アンタ見ない間にいい男になったじゃないか!!」
動画に映る例の全宇宙公開告白を見ながらアグラは困惑し、ライラはこれまでにないぐらい大笑いをしており、それを見られた2人はこれまでにない程に絶望的な様子で膝をつく。
ジュン「お…終わった…よりによって連邦時代の上官に見られた…おしめぇだ…」
ニャアン「…身を投げるなら…こういう海がいいかな…」遠い目
アグラ「歪んだ癖がバレるのはいいのに愛の告白がバレるのは恥ずかしいのか…(困惑)」
ジュン「本気で告白したから恥ずかしいんだよおおおおおお!!!!」
ニャアン「だって撮ってるとは思わなかったんだもん!!!!」
アグラ「す、すまん」
ガレス「…癖はともかく…うん、本気で愛の告白出来るのはすげーな、立派なもんだよ、マジにご尊敬申し上げる…その、さっきは殴ってごめんな?」
ヘリス(すごい、ガレスが素直に謝ってる)
2人の羞恥心を犠牲にはしたものの、結果的に一同の空気感は少しだけ良くなった…
- 182二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 20:27:36
アグラ「おっ、関連動画にまた2人が映っているな」
ヘリス「ホントだ。ええと…『宇宙一有名なマヴの恋愛演劇』?」
ガレス「ほーん、軍警のパイロットってのはこんな仕事もすんのか…」
ジュン「そんなことよりも!!!!俺達はさっき話した通り不時着したんです!!!!」
ニャアン「そう!!!!そんな動画見てる暇はない!!!!」
ヘリス「ご、ごめんって」
ライラ「まぁ事情は概ね理解したよ。領土関係のトラブルを避ける為にあえてこの無人島で待機してるってのも分かった…ただ…悪いけれど多分スペースノイドの船は…いや、下手したら連邦の船すら来るのは困難だよ?」
ニャアン「え…?な、なんでですか?」
ガレス「そりゃお前、場所が場所だからよ」
ジュン「…?ライラ姉さん、今更なんですがここはどこなんです?」
ライラ「この島自体は名前もないような無人島さ。コンソン諸島最東のカウ島…そこから少し離れた所にある知る人ぞ知るような小さな島だよ」
ニャアン「コンソン諸島…?」
ライラ「つまりだね。
ここはベトナム領だよ。
旧時代ならともかく、連邦敗北後のここはちょっとややこしい事になってるのさ」
- 183二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 21:06:52
二人のルーツに関わる場所か…!
- 184二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 21:33:07
ジュン「ベトナムかぁ…確かに船から見た地球はオーストラリアの側だったし、上からなら確かに近い位置だな…」
ニャアン「べ…ベトナム…?」
ライラ「…そりゃあまぁ、ニャアンちゃんの方はコロニー暮らしならピンとこないよね」
ニャアン「ええと、その、ベトナムだと何かマズい事があるんですか…?」
ライラ「本来ベトナム領は連邦に加盟していなくてね。コロニーで言うなら中立コロニーみたいなもんだと言えば分かりやすいかな?」
ジュン「要するに、宇宙圏におけるイズマ・コロニーみたいなもんだな」
ニャアン「成る程…?」
ライラ「まぁ非加盟国とは言え地球全体に喧嘩をふっかけて来たジオンを相手取る一年戦争の時にはある程度の支援をしたり兵士招集もしたりで完全に中立って訳じゃないんだが…とにかく今はジオンとの戦いも終わり、再び自治国家として国防に勤めている…ところが、だ。連邦軍の派閥の一派の中でも特に大きい統一機構ってところがこれをよしとしなくてね」
統一機構、かつてベインのスパイ活動に横槍を入れて彼に重傷を合わせ、更にはジュンの肩を銃で撃ち抜いた輩もいる組織の名前を書いてニャアンは思わず震え、ジュンはそんなニャアンの手をそっと抑えながらライラに問いかける。
ジュン「…今でも続いてるんですか、統一機構による非加盟国への侵攻は」
ライラ「『ジオン再来に備えて地球圏の勢力を一丸とする為の正しき戦い』なんだとよ…私はそれについていけなくなって軍を辞め、非加盟国側についたのさ」
ジュン「あー成る程…統一機構と非加盟国が小競り合いしてる所にスペースノイドの船が降りてきたら益々ややこしい事になる、と」
ニャアン「……同じ地球の人なのに…戦ってるんですか…?」
ライラ「…耳の痛い話だよ。聞けばジオンも派閥争いでやり合ってるっていうし…なんで私らはもうちょっと互いに優しく出来ないのかねぇ…」
- 185二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:03:18
ジュン「…となると…今このベトナム領に何の了承も無しに2体のガンダムがいるこの状況も非常にマズいですよね」
ライラ「御名答。私達はベトナムの反連邦勢力としてコンソン諸島の監視をしてたんだが、そこでこの無人島に落ちたって情報を確認して調査に来たって訳。落下物がMSだってのも分かってたから運搬船にこっちのMSまで積んでね。で、偵察隊としてその3人がアンタらを確認して尋問しようとしたが…さっきの有様って訳。アンタら3人がかりで情けないよ?」
ガレス「いや違うんすよあねさん!!あの黒紫のガンダムがマジでバケモン過ぎて!!」
ライラ「…?」
ガレスが慌ててオイランゼンを指差すが、当の本人はすんとしたまま佇んでいる。
ジュン「しかしそうなると姉さんはこの偵察の結果報告をしないといけない。当然俺達も事情を説明する必要がある」
ライラ「…そうだね。立場的に私達はアンタを連行しなきゃならない」
ニャアン「つ、捕まるんですか私達…?」
ライラ「そんな怖がる事はないよ。こっちの頭領に会って、話をして、アンタらを迎えてくれる港のある都市部へ移送する。よくある国際間のやりとりさ」
ジュン「そちらの組織の頭領は、今どこに?」
ライラ「コンソン島さ。コンソン諸島で最も大きい、唯一の有人島。あの人は今、そこで私ら偵察隊の帰りを待ってる…アンタ達、船の準備をしな」
ガレス「へい!!」
ジュン「待った、その前にやる事が一つ」
ニャアン「…?」
ジュンは徐ろにニャアンに近付き、
制服のポケットに入っていた小さなデジカメを取り出してから距離をとって、カメラをニャアンの方に向ける。
ニャアン「……何してるの、ジュン?」
ジュン「何ってオメー折角の無人島だったんだから写真撮っとかないと。さっきまですっかり忘れてたけどさ、やっぱ制服女子に海って雰囲気あるじゃん?」
ニャアン「もう…写真ぐらい趣味抑えなよ…」
困ったように笑い少し緊張のほぐれたニャアンを激写するジュンを見て、ライラは呆れたような感心したような複雑な顔をする。
ライラ「…公爵家の蒼い騎士と呼ばれた男がここまで変わるとはねぇ…ふふっ、アイツが見たらたまげそうだ」
- 186二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:22:21
- 187二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:36:40
連邦の敗北で宇宙にいた人達も地球に戻ってたりするかなぁ、などと考えてるうちに元々ティターンズに不信感を持ってたライラさんなんかも陸に降りてそれでもやはりどこかの組織であねさんしてたりしたらいいなぁ、などと思い登場して貰いました
波打ち際
ジュン「いいよいいよ!!もっと笑って!!波打ち際だし靴脱いでみようか!!」パシャパシャ
ニャアン「…」照れながらも指示に従ってる
アグラ「なんかアレなカメラマンとアレな被写体みたいな事になってる…」
ライラ「随分また元気になったもんだねぇ…私達と作戦に参加してた頃の怒りに歪んだ目とは大違いだ…」
キリもいいのでそろそろ次スレ作成予定です…!!
- 188二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:57:40
次スレ出来ました、でも多分物語進むのは明日の夜からとか予定
ニャアンの盾になりたい(なった)(完全妄想)8|あにまん掲示板これは、1人の少女の傷から盾になった若きMS乗りのお話。※このスレは『(完全妄想)ニャアンの傷になりたい』の続きです。元々はニャアンに恋した1人の連邦軍スパイのMS部隊特務隊員による傷になりたいスレだ…bbs.animanch.comこっちのスレには地球に降りた2人にありがちなことでも空想出来たら幸い
- 189二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:01:47
- 190二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:15:10
南の島。二人きりだったらマチュならチャンスを逃さなかったろう(何を?
エグコモコンビの場合訓練思い出して野営の準備を万端整えて交代で警戒でそれどころじゃなかったろうけど奇襲は避けられた筈(なおジオン - 191二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 23:21:55
- 192二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 02:58:57
- 193二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 05:36:07
やっぱりニャアンに一番似合う水着はスク水だよな…
- 194二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 07:15:48
- 195二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 09:31:54
エマさん辺りもティターンズ入らず別のどこかに居そうですね
- 196二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 11:43:13
ライラ姐さん、頼むからこの時空では生き残ってくれ…!
- 197二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 14:27:52
- 198二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 17:17:31
- 199二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 19:10:40
- 200二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 19:19:14