- 1二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 20:13:22
- 2二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 20:31:39
仁菜と祥子は対極の同類だからあんまり相性良くないだろうなって思う
ルパさん辺りが仁菜に祥子に踏み込もうとするなと止めてくれれば普通の友達になれるだろうけど - 3二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:15:28
合同ライブでは喧嘩売ってたけど世話を焼く必要のある天才って何気にりっきーの好みのタイプなんだよなニーナ
(ニーナの方が年上だけど) - 4二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:20:26
芸能界組とすばるは現場で顔合わせたことありそう
むしろ安和天童とみなみちゃんが孫や娘についてどんな会話するか気になる - 5二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:24:10
ムジカのライブの寸劇見たらブチギレそう
- 6二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:29:41
同居生活の先輩であるルパさんから熱心に注意点やアドバイスを聞く初音
- 7二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:33:06
音楽一本でやってないところとか豊川パワー使いまくってるところとか
各々の思惑があってバンドやってるだけで、全員に音楽に対する信念があるわけじゃないところとか
ニーナの地雷だらけじゃね? - 8二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:34:28
ニーナの地雷ではないだろうけど、ルパさんと智ちゃんはあんまりいい顔しないだろうなって
- 9二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 21:38:07
仁菜は桃香の音楽への執着はあるけど他のバンドのスタンスは特に気にしなそう
気にするなら>>8の通りベニショウガ組
- 10二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:47:17
智は初音の生い立ち聞いたら
ジジイを同じ生き物として見れなさそう - 11二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 22:56:15
ニーナが地雷なのは桃香の音楽を否定されることであって(しかもよりにもよってダイダスに)、いちいち他バンドのスタンスに文句つけたりはしない。
仮に地雷になるのはムジカ駄目になった直後に一人売れようとしたにゃむか睦知らないって言ってた祥子 - 12二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:02:43
にゃむちと方言全開のラップバトルが見たいんだろ?知ってるよ
- 13二次元好きの匿名さん25/03/31(月) 23:12:34
それでいいと思ってるんですか!
え?全然いいでしょ? - 14二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 07:40:12
桃香は祥子にある種のシンパシー感じるかな
自分の居場所を失って、慰めの為のバンド組んだのは同じだし - 15二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 15:35:27
- 16二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 16:35:20
食べなよ…私の牛丼を…(後方吉野家先輩顔)
- 17二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 16:40:44
- 18二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 16:56:53
にゃむち仁菜の高校の後輩概念はあると思います
なんなら放送室騒動と中退がにゃむ上京のきっかけだったでもいいぐらい - 19二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 17:21:30
- 20二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 17:27:50
ムジカは徹底した商業主義で爆売れしててトゲトゲは反商業主義のライブハウス密着みたいな対極的バンドなんで
マイゴみたいにお互いの場所でやれることやりましょみたいになる - 21二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 17:46:41
仮に人気云々抜きの音楽に関する総合能力をマーベルに例えるなら、mujicaは絶大な戦闘力と同時に危険をはらむハルク枠なら、トゲトゲはマーベルヒーローの中でも最もスタンダードな1人であろうスパイダーマン枠って感じかな。
- 22二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 18:15:33
・実家が金持ちのお嬢様だが家を出て知人女性と同居している
・物理的もしくは精神的に母親を失っている
・キーボード担当であり幼い頃からピアノを習っていて作曲もできる
・バンドの解散経験がある - 23二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 18:31:28
(グビグビプハー)「だよな」
- 24二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:02:12
トゲトゲの場合は反商業主義というか自分たちの「間違ってない」を証明し続ける為には商業が枷になってしまうからその舞台から降りて
ムジカの場合は祥子が自分の人生の手綱を握り続ける為になんでも使ってその地位を築くみたいな所あるから
やっぱこの二つって手段や人間関係において真逆なんだけど、やってること自体は同質だと思う
- 25二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 21:25:50
でもニーナなら偽りの永遠には中指立てて真っ向から破滅に向き合いそう
- 26二次元好きの匿名さん25/04/01(火) 22:05:00
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 01:22:01
すばるちゃんとみなみちゃんでギスギスしてるの一つ書いたけど需要ある?
あったら夕方以降に投下する - 28二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 03:56:46
お願いします
- 29二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 12:44:28
みなみちゃんも安和天童もお互い顔見知りだろうな
- 30二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:06:41
じゃあ、投下します
- 31二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:08:17
芸能界はよく魔境だと言われる。栄光と称賛と羨望を集め、それらが生み出す膨大な金と欲望そして野心が蠢く世界だと。
それは多分、間違ってないのだろう。
曖昧な認識なのは、安和すばるにとって芸能界というのは実の所よくわかってない場所だからだ。
祖母・安和天童が大御所女優として今もなお一線で活躍していて、自分も将来有望な女優の卵として期待されているが言ってしまえばその程度の存在だ。卵の中の雛が殻を破るまで外の世界を知らないように、祖母の庇護の下にいるすばるも芸能界の事を良く知っているわけではないのだ。
とは言え、まったく知らないというわけでもない。アクターズスクールという狭い世界の中で鎬を削り涙を呑んで栄光を掴まんとする者達に囲まれれば、その一端を垣間見ることぐらいはある。
「はぁ……」
息苦しい時間がようやく終わり、自販機の前ですばるは溜息を吐く。
手にしたペットボトルの紅茶はもう残り少なく、残していても仕方が無いと言わんばかりに一気に呷って空の容器を乱暴にゴミ箱に放り込む。
大御所女優の孫としてはガラの悪い所業であるが、誰も見ていないのだから気にすることも無い。どうせ他の子達は今日の特別講師に首ったけですばるに目もくれないだろう。
「森みなみ、か」
ちらと教室に目をやって、すばるはその名を呟く。
日本でその名を知らぬ者はないと言っていい程の大女優だ。すばるも彼女が出演した作品をいくつか見た事があるし祖母からも何度か名前を聞いたことがある。昔は解らなかったが、演技を学び始めてから森みなみの凄まじさも少しではあるが理解できるようになってきた。
その名声と人脈は誰もが羨望を抱くのもので彼女の目に留まる事が出来れば女優としての栄達も夢では無かろう。
だからこそ、他の生徒たちは必死になって森みなみの講義に耳を傾け一挙手一投足に目を配り、そして自らを売り込むことに必死なのだ。 - 32二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:09:21
すばるは森みなみを巡る競争には参加していない。
繰り返すがすばるは大御所女優の孫なのだ。そんな彼女が森みなみと接触すればどうなるか? すばるは森みなみを無視する訳にはいかないし、森みなみもすばるを適当にあしらうと言う訳にもいかない。安和天童の名はそこまで大きいのだ。
そうなると必然的に他の生徒たちを押しのけて、すばると森みなみの会談になるわけで……まぁ、周囲は面白くはあるまい。ただでさえ祖母の七光りを背負うすばるである、これ以上の妬みやっかみの種などごめん被りたかった。
それに、すばるは森みなみが苦手だ。何と言えばいいのか、森みなみのあの……
「あら? すばるちゃんじゃない」
するり、と他人の隙を狙う蛇の様な声にすばるは思わず身をすくませる。
振り返れば、そこにいたのは森みなみその人であった。
即座にすばるは御令嬢の仮面を被り、その恐るべき蛇と相対する。
「森さん」
「みなみちゃんでいいわよぉ」
「いえ、そんな」
たおやかな仕草と言葉遣い、安和すばるの本性からはまるでかけ離れたその姿。嘘で塗り固めた、偽りの安和すばるだ。
嘘とはすばるにとって武器であり鎧である。周囲に愛想よくして人に合わせていけば問題や面倒事を避けて先送りにしてしまえる、故にすばるは嘘を吐くことそのものに罪悪感を抱かない。
……あくまで嘘を吐くことそのものにはだが。
「どうしたの、こっそり教室抜け出しちゃって」
「……お気づきでしたか」
「そりゃあねぇ、一人で違う行動してたら目立つわよ」
「すみません、森さんのレッスンに熱中しすぎて少し疲れてしまって」
「ふぅん?」
じぃっと観察してこちらの裏を見透かすような嫌な目だ。
こういう目を向けられて好意を覚える人間はまずいないだろうが、すばるのような人間には殊更に不快感が強い。折角波風立たないようにしているのに、わざわざ裏側を覗き込もうというのだ。
嘘が通じぬというならばまだいい、しかし嘘の意味を理解できる癖にこのような事をされては溜まったものではない。やるのだったら正面から嘘を否定し全部ぶち壊しにするぐらいのがまだ気持ちがよいというモノだった。
そんなすばるを余所に、森みなみは自販機で緑茶を買いながら思いもよらぬことを問いかける。 - 33二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:10:18
「すばるちゃんは、どうしてここにいるのかしら?」
「どういう意味です?」
「ん~?そのまんまの意味」
「勿論、御婆様のような素晴らしい女優になるためですわ」
……これもまた嘘だすばるに女優になる意志など無い。
すばるがアクターズスクールにいるのは、祖母に吐いた嘘のせいだ。大好きな祖母の為に、家族に疎まれた安和天童が唯一拠り所とするすばるに自分と同じ女優になってほしいという願いに対して吐いた嘘。
延々とつき続ける嘘が、今となってはすばるをここに追いやり逃げ場を奪おうとしている。
自業自得と言えばそこまでだが、すばるにとってはどうしようもない事だった。
「天童さんのような、ね」
森みなみは、なにかを含むような笑みを見せてペットボトルの緑茶を呷る。
何が言いたいのだろうか?
「才能って厄介よね」
「え?」
「だってそうじゃない? 欲しいと思ってももらえるものじゃないし、いらないと思っても手放せるもじゃないし」
「まぁ、そうかもしれません」
これは絶対分かって言ってる。森みなみは、安和すばるの心の内を何気なしに察して、そこをいちいち突っついているのだ。
それに何の意味があるのか、本当にイライラする。他にやる気があって将来有望な子なんて他に沢山いるだろう、その子達が待ってるのだろうからさっさとそっちに戻ってくれないか。
「睦ちゃんがね……あ、睦ちゃんって言うのは私の娘なんだけどギターをやってるの」
「ミュージシャン志望なんですか?」
「うぅん、ただ単純にやりたいからやってるんでしょうねアレは」
「あの、それが……?」
「演奏はすっごく巧いんだけどね。巧いだけねアレは」 - 34二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:13:00
冷たい物言いに、すばるは思わず眉根をひそめる。
正直、睦とやらが何をしていてもすばるには関係ないし興味もないが、それでも親として娘に対してあまりにも他人事やすぎないか。
それに、巧いだけとはどういう意味で……
「才能が有っても、そこに自分が宿らなければただ苦しいだけよ」
森みなみは酷薄な笑みを浮かべながら、すばるの肩に手を置いてそっと囁くのだ。
「貴女には無理よ、すばるちゃん。手遅れになる前に引き返しなさいな」
安和すばるは一瞬だけ鋭い目を、仮面の下の本性を顕してしまう。
怒りが揺れるその眼差しを意にも返さず受け流して、森みなみはその場を立ち去る。
その背を見送りながら、すばるは大きく息を吸った。
あああああなんなんなよもうううううううううう!!!
そんなの私が一番わかってる! 引き返せるならとっくに引き返してるわ!
えぇそうです!全部私の嘘のせいです!!
なによ全部解ってますみたいな上から目線でさ!! 何様のつもりよ!! あぁ、大女優様ですか!!
ふざけんな馬鹿野郎!!
と、叫びたい気持ちを思いっきり我慢して呑み込む。
「~~~~~~~~~~~~~~~っ」
キツい、胃がムカムカする。
嘘を吐く代償だ、嘘を吐くことに罪悪感は無いが嘘を吐く代わりに内側に自分を押し込めるのは良い気分ではない。
あぁいやだいやだ、この道行きの先にはああいうのが他にもいるのだろう。海千山千の曲者揃いの芸能界に流されてゆく自分を思うだけで憂鬱で息が詰まりそうになる。 - 35二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:14:18
そういう所も見抜いての親切心の忠告のつもりなのだろうが、もっと言い方というのがあるだろう。あんなのを親に持つ子の気持ちとはどれほどのものなのか。
「そりゃあ、グレて音楽に走るわけだわ」
いや、グレたのかどうかは知らないが、とにかく悪態はどうしても漏れる。
そうしてふと音楽という単語からある事を思い出す。たしかネットでバンドメンバーの募集をかけていなかったか。ドラマーを求めているとかで、ドラムの経験があるすばるは少し気に掛けていたのだ。
スマホを取りだして、記憶を頼りに目的のものを探し出す。
「お、まだあった」
誰も申し込んでいないのだろう、未だに募集中のポストを見てすばるは迷わず申し込む事にした。
どういうバンドなのか知らない、どんな奴がいるのかも知らない。
けど今は、自分の全部をぶち込んで思いっきり奏でて叫べる場所が欲しい。
面倒な奴が居たらその時はその時だ、いつも通り適当に合わせて受け流して、ただ演奏が出来ればいい。
そんな、ただ激情のままに送ったリプライ。
それが大きな転機になる事を、すばるはまだ知らなかった。 - 36二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 18:15:01
以上です
- 37二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 19:00:14
安和天童を安和天皇に見間違えた
- 38二次元好きの匿名さん25/04/02(水) 20:21:55
乙乙
すばるちゃん加入にもつながる良エピソードやね - 39二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 05:59:52
- 40二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 11:55:29
保守
- 41二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 17:25:35
こうした意見を見ると、トゲトゲにとってダイダスより遥かにライバルに相応しい感じだなムジカ。
人気を取られただけで、ぶっちゃけ総合的な音楽の技術だけなら桃香さん曰く下手な演奏らしいダイダスなんて相手にならないし。 - 42二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 17:40:30
ダイダスは11話で腕上げてたでしょうが
- 43二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 17:53:07
モモカンは自分を奮起させる為に「フェスで下手な演奏したら客かっさらうぞ!」言ったのであってダイダスの技量が下手って言ったわけじゃないよ
- 44二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 17:55:44
インタビューで言われてた「誰も悪役にはしたくない」に関してはガルクラの方がうまくやれてたと思うわ
- 45二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 21:16:06
そもそもダイダスはプロ級にうまいんじゃ…
- 46二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 01:44:04
なんとなく、みなみちゃんをただの嫌な人と書いて終わるのもどうかなと思って一つ投下
天童さんとの絡みの話もあったし、天童さんとみなみちゃんの話 - 47二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 01:44:53
じっと瞳を閉じて心を一つに絞る。
大女優・安和天童のその姿を見ればこれより始まる撮影前の精神統一の作法に見えるであろう。もう少し目ざとければ両の耳に付けられたイヤホンに気が付くかもしれない。
何を聴いているのかと問う者はいない。撮影準備に大わらわだし、作品の目玉になる天童の邪魔をするわけにもいかないからだ。
尤も、何事にも例外や仕方ない事というのはあるもので……そうしたものが、天童の時間に踏み込んできた。
「天道さん」
イヤホンを越えて聞こえた声に、天童はゆっくりと目を開く。
老いたりと言えど己を呼ぶ声を聞き逃す事はしない。温和な瞳の中に一本筋の通った強い光が彼女の気力の充実ぶりを証明しているかのようだ。
イヤホンを外して、声の主の方を向く。
「あら、みなみさん」
「お久しぶりです」
天童に声をかけた人物、森みなみは深々と頭を下げる。
俳優の先達と後輩として知り合って数十年に及ぶ。共演した事も多く互いによく知った仲ではあった。
「ロック……ですか?」
イヤホンから漏れた音に、みなみは珍しいものを観たような顔をする。
無理もない、安和天童がロックを聴くというのはあまりイメージできないだろうし、天童自身もそこまでロックを聴くわけでは無いのだから。
「えぇ、孫のバンドが新曲をだして」
「トゲナシトゲアリ、でしたか」
「あら、御存知で?」
「ゴールデンアローから天童さんのお孫さんがデビューするとは聞いておりました」
まぁそうか、と天童は苦笑する。業界としては自分の孫のメジャーデビューともなれば無視できまい、話が早く伝わるのも無理らしからぬ事であった。
逆を言えば、その後の顛末の話も当然広がり切っているという事でもある。 - 48二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 01:45:46
「そういえば、睦さんもバンドを再結成されたとか」
若葉睦。不思議な子である。
何度かあった事があるがその度に違う顔をする。ある時には甘えん坊で、ある時には利発な子で、ある時には少し我儘で、まるで何人もの若葉睦という人間がいるようだ。
森みなみはそれを演技の才と捉えているらしい。脚本も無いのに自分で役を読み取って演じる事に長けた子だと零し、そして陰で悩み苦しんで一時役者を止めようとしていた事を天童は知っている。
みなみをそこまで追い詰めた子が、何があったのか最近は様子が違ってきてた。
なんというか、より役者らしい顔をするようになったというか、掴みどころがないのは事実であるが、何処か土台がしっかりしてきたように見える。
「はい、さっそく大舞台で演じてます」
「ふふっ、家とは真逆ね」
言いにくいことを本人が口にする。他のものであれば反応に困るであろうが、みなみはどこ吹く風であった。
「ご不安ではありませんか?」
たった一曲でメジャーの舞台から落ちた木っ端バンド。それが世間におけるトゲナシトゲアリの評価だ。
復活から瞬く間に栄光を駆けのぼるAvemujicaとは全くの真逆で、中にはその事で陰口を叩く者もいる。
それを気にする天童でもなかろうが、さて孫の行く末ともなれば一抹の不安はあるのではなかろうか。
祖母と孫という関係ならば常識的にそうなるだろうという考え故の一言であったが……
「いいえ」
バッサリといっそ清々しいほどにみなみの懸念を切り捨てる。
「すばるさんが選んだ道ですもの」
「信じておられると?」
「それもあるけど……あの子にはもう何年も演じ続けてきてもらったから」 - 49二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 01:47:04
演技の道に全てを投げうって、家族すらないがしろにしてきた安和天童。その報いとして娘には疎まれ、孤独な時を過ごしてきた。
それも仕方のない事と諦め独りの人生を覚悟して来たのを救ってくれたのが孫のすばるだ。
自分の人生をただ唯一認めて優しい言葉をかけてくれたすばるの笑顔、それに魅せられこの子と共に同じ道を歩めたらと身勝手な願いを抱いてしまった自分の過ち。
その願いを応えるために、すばるはずっと自分を偽って生きてきた。安和天童の理想の孫・安和すばるという役を演じ続けてきたのだ。
気が付かぬ内に磨かれる女優の才と業を見て、天童はますます己の願いを捨てる事が出来なくなった。
本当はすばるが女優になどなりたくないのを知っていたはずなのに。
「あの子は私の望みを叶えてくれたわ。これ以上はいくら何でも欲張りというモノよ」
たった一度、数分だけの共演だけれど、ずっと夢見てきた事が現実になったのだ。
「それにね、すばるさんは人にも恵まれたの」
フェスで観た本当に生き生きとドラムを叩くすばるの姿。
怒りも喜びも悲しみも、全てを解き放って叫ぶ様を天童は知らない。
天童にすら見せなかった自分を曝け出せる人々と出会ったのだ、それを恵まれたと言わずになんという。
「だから、大丈夫よ」
いずれ子も孫も独り立ちをする時がくる。それがあの時であったそういう話。
後は安和すばる自身の人生だ、それを信じてやるのが天童の務めであろう。
「……少し、羨ましいです。私は親にはなれませんでしたから」
「まだ、間に合うのでは?」
「いいえ、私はもう、睦ちゃんを才能の怪物としてしか見る事が出来ません」
咎める事はしない。
森みなみという女性は出会った時から野心と自信に満ち溢れた人物であった。それを圧し折ってしまうとは尋常な事ではない。
ましてや、それを成したのが自分の娘となれば絶望と苦悩の深さはいかほどのものか。
決して逃げなかった事が、森みなみの女優として人としての意地と愛の最後の一線であろう。 - 50二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 01:47:39
「安和天童さーん! 森みなみさーん! 準備の方おねがいしまーす」
自分達を呼ぶ声に、二人は振り向く。
「それじゃあ、行きましょうかみなみさん」
「はい、天童さん。よろしくお願いします」
互いに真逆の血縁をもった女が二人。
二人とも血を分けた者達に対して過ちを犯した。
だからこそ、その過ちをそれぞれの形で抱いたままに胸を張って歩むのだ。
それこそが、唯一出来る贖罪であるのだから。 - 51二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 01:47:55
以上です
- 52二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 05:47:25
乙乙
役に絡めた素晴らしい話 - 53二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 13:01:06
- 54二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 18:20:20
にゃむ「先輩肌荒れ気味じゃない?」
仁菜「え、そうかな」
にゃむ「ちゃんとケアしてる?」
仁菜「してるよ、すばるちゃんから教わったやつ」
にゃむ「……どうせ先輩の事だから雑なやり方してるでしょ?」
仁菜「そんな事はないよ! ただ……今までケアとかあんまりした事無かったからよくわかんなくて」
にゃむ「やっぱり出来て無いんじゃん」
仁菜「仕方ないじゃん、家だとメイクとかした事無かったし。保湿クリームだけで済ませてたんだから」
にゃむ「あー……先輩の家ってそういうの厳しそうだもんね」
仁菜「……やめてよ、そういう言い方」
にゃむ「ごめんんごめん、ほらお詫びに私が先輩のケアやってあげますから」
仁菜「え、いいよ。だいたい、にゃむちゃん私の事を先輩先輩って言うけど、学校……」
にゃむ「はーい、はじめますよー」
仁菜「ちょ、まっ」
すばる「ありゃどっちが年上だかわかんないわ」
桃香「っていうか、あいつホントに高1か? アタシと同じぐらいじゃないか?」
智「本人が言うんだからまぁ、そうなでしょ」
ルパ「私としては、仁菜さんが18というのが未だに信じられないのですが」
トゲトゲ一同「「「あ~~~~~~」」」
仁菜「ちょっと!聞こえてるからね!」
にゃむ「ほら、先輩動かない!」
こんな感じどうだろう - 55二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 19:09:44
- 56二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 20:55:24
ミネさんと森みなみってCV同じなんだよな
- 57二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 00:34:30
声優さんは同じなのに中身は全然違うよな
ミネさん、みなみちゃん - 58二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 06:48:17こんな世界線もありえたかもしれん
— 2025年04月05日
- 59二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 08:16:00
- 60二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 10:00:58
ミネさんは睦ちゃんの事をメッチャ可愛がりそうな気がする
- 61二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 10:49:26
河原木さんは、幸せにするとノロケ全開の浮かれポンチ歌詞を書いてきて、世界観を壊してしまいますわ。
限界メンタルになるほど良い歌詞を書いてきてくれますが、あまりに限界になると脱退してしまいますわ。
適度にニーナを与えるのがコツですわね。
- 62二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 17:15:08
ニナ吸いさせなきゃ…
- 63二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 19:51:26
桃香「ワタシハヨロコビノキシガウディ アマタノヨロコビヲウチステテアルモノー」
海鈴「……堅いですね」
にゃむち「まぁ、素人さんならこんなものでしょ」
初華「でもほら、私も最初はあんな感じだったし」
睦「へたっぴ」
祥子「河原木さん、そう緊張なさらず。自然にやっていただいて大丈夫ですわ」
桃香「だぁ~~~! 好き勝手言いやがって! 大体なんでアタシがこんなこと!仁菜がやってみたいって言い出したんだろ!?」
仁菜「だって桃香さん、私がやったの笑うじゃないですか。なら桃香さんちゃんできるんだって証明してもらわないと」
桃香「くそっ……そうだすばる、お前なら出来るだろ」
すばる「え?私? まぁ、出来なくはないけどさ」
睦「私もすばるの演技見たい」
すばる「睦ちゃんまで……しょうがない」
すばる「私は喜びの騎士ガウディ 数多の喜びを打ち捨ててある者」
初華「すごい……格好いい」
祥子「これは……経験があるとは聞いておりましたが」
海鈴「見事、としか言いようがありませんね」
睦「うん、そっか。そういう風に演るんだ」
にゃむち「さすが、大女優の孫って感じ?」
すばる「なんかトゲがある言い方だな」
仁菜「ふふん、どうです私のすばるちゃんは」
すばる「なんでアンタが自慢気なのよ、っていうかどさくさに紛れて私のとか言うな」
仁菜「いいじゃん別にそれより私もあんな風にやってみたいなぁ。ねぇ今度教えてよ、ステージのMCに役立つかもしれないし!」
祥子「いえ、井芹さんはそのままでよいと思いますわ」
仁菜「さきちゃん?」
祥子「井芹さんのMCの魅力はありのままの自分を臆することなく曝け出す事ですもの。演技などする必要はありませんし、そうすると逆に井芹さんらしさを損ねてしまいかねません」
仁菜「そ、そうかな?」
祥子「えぇ、だから……井芹さんは、ただ井芹さんのままで」
仁菜「うん!」
モモカンの演技からめてだとこんなやりとりになるかな