- 1マキシム(故)◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 21:34:02
- 2マキシム(故)◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 21:34:57
【前スレ】
【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界part2【のんびり進行】|あにまん掲示板襲来した異星人!侵略されるエネルギー資源!存亡の危機に晒されてなお人類は……未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(…bbs.animanch.com【禁止事項】
・無敵ムーブ(戦闘でダメージを受けない、回避し続ける、など)
・必要性の認められない確定ロール
・相手PLが嫌がっていることを強要する行為(特にR-18関連はデリケートなところなので扱いには気を付けて、事前相談忘れずに)
【世界観やパワーバランスを保つ上での禁止事項】
・版権設定の利用
・「地形を変えられる火力」を個人で設定し所有すること
・3勢力(K.I社、人自連、デスペラード)+インベイドよりも立場や規模が大きい勢力を設定すること
・なんでも高い水準で出来るキャラ、なんでも高い水準で出来る機体禁止(他の人の活躍機会を奪いかねないため)
・メタネタ禁止(「この世界は作り物だ~」や背後さんへの言及をキャラの目線で発言させるなど)
- 3マキシム(故)◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 21:35:34
Q1:参加してぇ!けど事前のキャラ登録って必須なの?テンプレはある?
A1:キャラシはあった方が色々スムーズだとは思うけど、無くても規約的なNGムーブさえしなけりゃ参加はOKだぜ!
テンプレらしいテンプレは特に無い(めんどうくさかった)からテレグラフなりで各自好きな様に書きたいこと書いてくれ!
↑の初期設定集から飛んだ先にあるスレ主のキャラシからテンプレとして項目を引用しても大丈夫だぜ!
Q2:キャラは1参加者につき何人まで?
A2:何人でもOKだぜ!複数陣営あるし下手に制限設けたらスカスカになるのが目に見えてるから……好きな様に作ってくれ!
Q3:コテハン(トリップ)は必須なの?
A3:必須じゃないぜ!でもトリップが無いってことはなりすましや乗っ取りが出ても判別方法が無いってことでもあるから、自衛手段としてコテハンを持っておくのは無難だぜ!
Q4:スレタイにR-18表記があるけどエロスレなの?
A4:一般誌のエロ描写とか元ネタ一般作品のエロ同人好き? 俺は好きなの……
エロメインじゃないけど「エロいことも割と自由に描写して良い」スレだから苦手な人がミスッて踏まない様に一応表記しているぜ!
「猥談耐性はあるけど自キャラにエロルさすのはなぁ……」って人でもOK、「自分は露骨なエロやりたくないです」って言っておけば良いぜ!
Q5:設定集に目通したけどなんか既視感ある設定ばっかりだな?
A5:へへっ - 4マキシム(故)◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 21:38:14
【テレグラフ(設定やキャラシート、R-18な文章を書いたりにどうぞ)】
h ttps://x.gd/mv4zw
【URL短縮用サイト(テレグラフのデフォルトURLだとあにまんのNGワードに引っ掛かってしまうのでこちらでURL短縮してから投稿してください)】
h ttps://x.gd/#google_vignette - 5二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 22:11:09
たて乙
- 6レイナード◆PPyRfvMZl625/04/03(木) 22:15:16
(※>>10まで保守しましょう!)
- 7ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/03(木) 22:16:45
※たて乙
- 8二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 22:17:38
:あっはははははははははははははっはははははっは
:導きのままにィあははははははあははは!!!
NEXTは左腕陽電子砲を撃つ。デスペラードの機体がバターのように解ける
乱雑に右腕のバイオブレードを振る。逃げようとしたスパイスに刺さる
左腕が光り、スパイスの足を消し飛ばす。
NEXTの頭が開き、かぶりつく
「い、いやだ…かあ」
コックピットにかじりつき顎をとじる。咀嚼をし、飲み込む
化物が、そこにいた。 - 9ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/03(木) 22:18:42
(※立て乙です!)
(どうなっている…奪還作戦は…?)
【事前情報と違う依頼など腐るほど経験はした。だが…今機体を通して広がるこの景色はそれらとは全くの別。大穴から化け物が顔を覗かせ、無数のインベイドが這い出てきている】
【だが…】
(自陣営はおそらく崩壊していない。敵こそ増えたがまだ戦える。そして何よりも─)
「ミッションは消えていない!!少しでも命を!」
【混乱を極めるその戦場に速度を増した一つの影が駆け抜ける。手遅れと呼ぶにはまだ早い、そう信じ─否、手遅れになどさせてなるものか】
『こちら人自連、NA所属ランセルです!今より本作戦へ参加します!足が欲しい人は呼んでください!』
【BFというにはあまりにも"車両"過ぎる機体から、若い男の声が響く】 - 10ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 22:18:50
メビ......
「ターゲット、ロック」
【BBBBBBBBOOOOOOOOMMMMMMMM】
【ミサイルをありったけ撃ち込み、挟まれている味方を救う】
お前ら......背中はきっちり守ってやる......
前の敵に集中しろ - 11ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/03(木) 22:20:18
立て乙です
「俺は……!!」
選択をしようとした瞬間、前からインベイド達が押し寄せてくる。
突撃兵級。最も小型で、同時に危険なインベイドだ。
「!!!」
蒼風のコア粒子推進機関のギアを急速に上げ、上に飛び刃の届かない位置へ行く。
左手に武装選択――――38mmガトリング。
本来ならやる予定のなかった武装変更をコンマ数秒のマニュアルでこなし、左手に銃身の連立した武器を握る。
同時、機体が大きく左に流れ始める。
ダブルトリガー
当然のことだ――――蒼風は本来、 両 手 持 ち を想定して戦う機体ではない。
「くそ!!」
左ブースターのみ出力を上昇、強引に流れかける機体を止め、安定させながらガトリングの銃弾をばらまく。
獲物にできないと見るや蒼風を無視した突撃兵級に対して叩き込まれる弾丸が彼らを血肉に変えていく。
乱戦に突入した後方に敵がなだれ込むのを、蒼風はほんの点だが食い止めた。
《G-3コロニーからインベイド接近、数さらに増大》
「分かってる!!!」
レーダーを見つめ、ケイは龍影を探した。 - 12ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 22:25:20
メビ、敵数は
「まだ大分残っています」
弾薬は?
「効率的に使えば充分かと」
了解...... - 13ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 22:33:33
- 14オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 22:37:16
【インベイドが次々と倒されて、しかし倒された数よりも更に多く地下回廊から補充されて地上へと殺到する】
【本当の意味での最前線に突然立たされた者は、既に殆どが奈落の淵でプチプチと羽虫の如く潰されて赤色の染みになっている。マキシム准将を始末してから数分も経たない内に、奈落から顔を出した異形の竜は再び顎門に紅色の閃光を溜め始めている】
「先ずはコイツを、」
【“ゴモラ“の背中に乗った騎兵級共を高い機動力で回り込んで斬殺し、オルフェリアは振り回された翼脚から瞬間加速で離脱して魔の手の逃れながら広域回線に繋いだ】
「叩き落とすぞ。先程の規模のプラズマ砲を地表で連発されたら此方の戦力が消耗し切ってしまう」
「オルフェリアより応答。〈熱線砲〉の奪還に行きたいが、先ずはデカブツを叩き落とさなければ進まない。他のインベイドと同様に撃ち切り型じゃなさそうだ」
- 15龍影25/04/03(木) 22:39:03
- 16エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/03(木) 22:44:45
- 17ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/03(木) 22:47:10
- 18二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 22:47:55
- 19ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/03(木) 22:48:46
- 20ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 22:49:32
- 21龍影25/04/03(木) 22:51:28
「手一杯だ。すまん」
- 22オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 22:57:27
- 23ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/03(木) 23:00:59
- 24エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/03(木) 23:03:25
《DANGER》
「チッ、脳を蟲に食い荒らされたイカれ野郎め」
【機体に搭載された高精度センサーが迫り来る電子弾を捉えた。危なげない動きでそれを回避し、下他人であるグロテスクな二足歩行の獣を睨みつける】
「そも、今の兵装状態の原因はアレか。よーし、蜂の巣にしてやる」
【背後に収納していたリニアライフルを構え、狂った泡を吹いているに違いない獣へ、鋭い死の音を立てながら迫った】
《すまないが、乱入者だ。あっちを始末するまでは無理だね。物理主体のBFがいれば支援を頼む!》
【広域回線に乗せて返事をしつつ、引き金を引く】
【ダダダ!と重々しい銃弾が肉肉しい装甲を貫かんと連続して発射される】
- 25ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 23:04:28
- 26ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/03(木) 23:08:25
「こっちは無事です!!」
《あの大佐、一番前に出るのは良いですが、死んだ時の混乱を考えていないのでしょうか?》
――――知るか!!と『スイ』に対してケイは怒鳴り返した。自分とて『死神を踊り落とす』つもりの馬鹿だが、偉くなってなおあそこまで馬鹿をやれるほどではない。
「けど前と後ろで挟まれてる!! 上手く動こうにも動けない!!」
今度は射撃兵級の集団に絡まれた。右腕に固定装備している無反動滑空砲を構える。
装填弾頭――――コア粒子榴弾頭。 マニュアル照準……オート照準?月風系BFにんなもんない……で撃ち放ち、爆発で数体の集団を始末した。
地上にいる龍影のチャオレンを見つけ、そのままの速度で滑走し、背中合わせになる。
「ソロネのパイロットから二択です! G-3ベースの砲台を奪還するか、乱戦中の後方援護です!」
叫ぶように伝え、38mmガトリングを回りながら撃つ。普通のBFパイロットが操る月風系ならば、既に反動で機体が乱回転しているはずだが、その気配が一切ない。
- 27オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 23:08:50
- 28レイナード◆PPyRfvMZl625/04/03(木) 23:09:06
「撃(て)ェ!!」
【砲火が弾ける】
【乱戦の最中で統率されたスカッド・ソルジャー、ローン・ソルジャーの張るライフルによる弾幕と、リニアカノンの回転弾頭が本陣へと迫りくるインベイドの群れを押し返す】
【小型を相手取っている内はまだマシだ、だが、あの超大型インベイドが仮に地中からこの本陣を直接喰らい尽くせる場合……】
(陣形など無意味だ!とにかくあの大型をどうにかせんことには……!)
【────────────ブーッ、ブーッ】
【コックピット内に通信が入る、それは遠距離回線による文章だ、差出人はクロノス・インダストリー上層部────────────】
「……クソ頭でっかち共め、この期に及んで“言葉遊び”など……ッ!」
【苛立ちながら通信に向けて叫ぶ、戦場に響く怒声は一層神経質な音色を湛えて】
「クロノス・インダストリーは現時点を以て、彼の超大型インベイドを『特定危険指定外星体“虐殺(ジェノサイド)級”インベイド』の一種と定義した!!外殻には粒子系武装による攻撃が有効!!しかし生半可な火力では通らん、ローン・ソルジャー隊援護射撃!!」 - 29二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 23:09:37
- 30ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/03(木) 23:11:08
- 31ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/03(木) 23:12:04
- 32ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 23:17:12
- 33ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 23:20:05
『大佐も移動する間、敵を減らしてください』
分かってるよ、メビちゃん
ここで最適解の武器は?
『クラスターミサイルです。今からマウントチェンジします』
了解 - 34オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 23:21:57
「ほう、『特定危険指定外星体“虐殺(ジェノサイド)級”インベイド』の一種。長ったらしい名称だが、要は殺せという事で正解かな?」
【瞬時に最高速まで加速して、奈落の底から浮かび上がろうとしていた重装甲級を規格外大型実体剣で重装甲諸共に両断して捨てる】
【射撃兵級による弾幕を重装甲級の亡骸を盾にして凌ぎ、突撃級兵に貪られる寸前の人自連の機体を超音速で蹴り飛ばして前線から離脱させておく】
『あ、ありがとうござっ』
「御礼の前に弾幕を張ると良い。近寄られればまた同じ目に遭うぞ」
【その程度ではこの地獄から抜け出せない。だが今は一人でも多くの戦力が必要な局面だ】
【超音速で戦場全域を一気に駆け抜けられる“ソロネ”は遊撃向きだ。機体とインベイドが接触してから殺されるまでの間に間に合うくらいは造作もない】
「了解した。カルトを始末しろという事だな?」
- 35ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/03(木) 23:22:07
- 36ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/03(木) 23:23:52
>>28 ジェノサイド
《了解。以降当個体を 虐 殺 級と呼称します。データリンク上にネームを表示》
蒼風の近くにいる機体達のモニターにある【UNKWON】という文字が【GENOSIDE CLASS】に一斉変更される。
だがケイにそれを気にする暇はない。
「『スイ』!! 味方の動きは!?」
《当機のレーダー範囲内では砲台に向かうか、虐殺級周辺に向かうかで決めあぐねているBFが多数》
ネームド
《周辺にいる特記戦力は王龍影、そしてケイ、貴方です。》
「後はだいたいあのデカブツの近くかよ……!!」
つまり最前線と最前線でサンドイッチ状態だ。パンはインベイド、具は自分たち。
全く笑えない。笑えなさすぎる――――。
モタモタしていれば自分もチャオレンも敵の波に飲まれる。
いや、それとも蒼風のコア粒子が尽きるほうが先だろうか?稼働時間という点で圧倒的に短いのは自分のほうだ。
「――――っ」
笑えなさすぎて逆に笑えてくる。口の端が吊り上がりすぎて唇が痛い。笑い息は漏れていないが鉄の味がする。
……龍影に通信を開いた。
「一緒にファーストペンギンをやる覚悟、ありますか?」
- 37二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 23:24:47
んなもんねえぇよその辺に置け!!
- 38ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 23:27:17
- 39龍影25/04/03(木) 23:28:22
- 40エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/03(木) 23:29:24
《了解!それと連中、電子防護膜を張ってる!かなり打ち込まないと剥がれないぞ!》
【ナビが示すルートを参考に絶え間なく放たれる電子弾の隙間を縫いながら、機体のスピードを一段階引き上げ、迫る顎に狙いを定める】
【つかず離れずの距離を保ちながら、画面端に提示された目的地まで下がりつつ、引きつける】
【古今東西、宇宙まで探しても、内臓の防御が薄いのは生物共通だ。電子膜は厄介だが、幸い此方にはカードがある】
「たっぷりご馳走してあげよう。ついでに科学嫌いも治していくんだね!」
【取っていた多弾道ミサイルのポッドをパージ。全弾を叩き込みつつ、チャージを終えたリニアライフルの強弾を獣の口内へ見舞った】
- 41ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/03(木) 23:30:23
「了解!爆弾に砲弾に銃弾、その他選り取り見取りだ!」
- 42ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/03(木) 23:30:32
- 43二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 23:32:54
- 44ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 23:37:31
(昔から、最強の槍が誕生したら、それを防ぐ最強の盾が生まれた……それは逆も然り。史上最強の盾が誕生したら、それを貫く槍が生まれた……ならばこの武器は、史上最強の盾を貫く槍だ)
『大佐、所定位置に到達しました』
了解した。チャージ開始だ
【脚からアンカーを、X-666の銃身からバイポットを展開し、ゴモラに狙いを定める】
『了解、チャージ開始。チャージ完了まで残り91%』 - 45ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/03(木) 23:40:00
- 46二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 23:41:16
- 47ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/03(木) 23:43:15
「ありがとうございます!!」
そういえば創作上では、一夫多妻、ハーレムという概念があると言う言葉が一瞬頭を過った。
地下で常識を学ぶことなどないので、地上の制度は一夫一妻なのか?どっちなんだ?
後者なら……うん、悪くないかもしれない。
全くもって男の子な思考が、刹那より短い間に通り過ぎて。
操縦桿を細かく動かしながら合間を縫ってコックピット内部のボタンを操作。
――――『スイ』にオープン回線を最大出力で開け、と命令した。
「――――全機に告げる!!」
叫んで、口の中の血が飛び散った。
「俺は蒼風のパイロット、ケイ・サヤギリ!! これよりG-3ベースの砲台"ソドム"確保のため、血路を開きます!!」
わずかに高機動をしたものだから、少し声が裏返った。
「これはクロノス最強のパイロット、オルフェリアからの作戦です!!」
続けようとして突撃兵級が来た。邪魔だったのでビームサーベルで斬り殺した。
「世界で一番インベイドをぶっ◯したいパイロットは、俺の後に続いてください!!」
無反動滑空砲をぶっ放した。APFSDSが横腹を晒す騎兵級の腹をぶち抜いた――――過貫通だ。次は気をつけよう。
「死神と踊って、ヤツを棺桶に叩き込みたい馬鹿は一緒に来い!!」
同じ言葉じゃないか。俺は馬鹿だな。
「――――生き残りますよ!!」
そうだ。この言葉が結局、一番いい。/笑って言った。
ケイの黒混じりの青目から、黒は全て消えていた。
- 48オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 23:44:08
- 49ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 23:44:39
- 50ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/03(木) 23:47:44
- 51龍影25/04/03(木) 23:48:51
- 52ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/03(木) 23:49:29
- 53エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/03(木) 23:51:46
- 54二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 23:53:44
- 55ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/03(木) 23:54:07
- 56ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/03(木) 23:55:28
- 57オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/03(木) 23:58:26
【クロノス最強、というのは買い被りかもしれないなと薄く思う。別に自分の立ち位置には関心がないからだ。そういうのは命令する側が知ってれば良いんじゃないかと思っている】
【─────だが、まァ。折角士気を上げてくれるのだから、乗った方が命令遂行に近付くかな、とも思ったから】
【オープン回線を開く】
「オルフェリア・ソローネだ。突撃するなら前だけを見ていろ。私が殿を務めてやる。追撃部隊は全て始末してやろう」
「僥倖だ。選ぶ権利を呉れてやろう、サイファーカルトの尖兵」
【僅かに加速を緩ませ、迎撃を困難にすると共に重ショットガンの弾速に合わせる。銃弾と規格外大型実体剣が同時に全く異なる方位から迫る速度。即席の連携を暴力的な速度で実現する】
【強襲級の裂断機構を流用した大剣は量産機程度は容易く切り裂けるだけの鋭さを有している】
- 58エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/03(木) 23:59:44
《了解。と言っても、僕は遠距離スナイプが適正だからね。他の二人に仕留めてもらう形になるかな》
【そう告げながら、移動中にチャージを終えた強弾を迫り来るカルトの頭に叩き込む。
威力こそ電子膜に阻まれるが当たりはするし、その隙に圧縮したビーム弾を掠れさせれば、光に群がる羽虫の如く獣はこちらに一直線だ】
「そら、おいで。鬼ごっこなら負ける気しないよ」
【ブラスターを点火させ、虫網を構えた子どもを躍起にさせる蝶の如く Syringe's は舞う】
- 59ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 00:03:46
「逆巻重工に連絡したら一発で買えますよ!!」
ケイの蒼風は過積載だ。僅かに機体がブレればその分流れる。だから流れた分を利用してジグザグに行く。
ブースターを降ろして地上を動くことに特化しているチャオレンでも余裕で追いつき、追い越せる。
新型コア粒子推進機関を積んでいるにもかかわらず、通常の月風と同等の速度なのだから。
「でも俺、龍影さんにはチャオレンが一番似合うと思うんで! そのままでいてください!!」
まぁ、本当に買いたいなら無理強いはしないけど。ということを言おうとしてやめた。
言いたくなかった。 彼女はチャオレンが一番いい。
俺がそう決めたんだからそうなんだ。
「『スイ』ぃぃぃ!! 俺の機体信号を増幅させろォ!!」
この戦場で、どんなに遠くで戦っていても。誰もが分かるようにする。救難信号めいた程に。
――――――――
● ● ●●
● ● ●●
◯『Cv-k7改 AOKAZE』
◯『チャオレン』
――――――――
マキシム准将の戦団がもう全滅しているなんて。誰にも言わせない程に主張する。
「――――提案社の貴方が俺より遅く砲台についたら、俺が大陸一の月風乗りってことで!!」
大陸一番のパイロットなんて決められない。だからそういった。挑発に聞こえたなら後で他の月風乗りには謝ろう。
『蒼風』は文字通り、チャオレンを伴って蒼い風になってG-3コロニーの入口に突っ込んだ。
- 60ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 00:04:07
『残りチャージ13%、もう間も無くです』
- 61ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 00:04:25
- 62二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 00:05:39
- 63ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/04(金) 00:07:25
「あのゴツいのが信号を出した機体か、ってことはあっちのよく分からないのが敵だな
」
【サンダータイガーとNEXTを分断するようにスモークを発生させながら機体を走らせる】
「どの程度効果あるか分からないが無いよりはマシだろう、お次はあいつらだ」
【ビームカービンを構えると周囲のインベイド達の脚を撃ち抜いていく】
- 64ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 00:09:11
- 65龍影25/04/04(金) 00:10:40
- 66ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 00:12:00
『7,6,5……』
【臨界点に達した銃口のエネルギーから、今にも全てを燃やし尽くさんとする熱が溢れる】 - 67二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 00:12:54
オクトカムで消えていたインベイドが砲身を殴りずらす
- 68エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 00:14:10
- 69ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 00:14:24
- 70オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 00:15:00
- 71ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 00:15:57
- 72ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/04(金) 00:19:18
- 73二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 00:19:30
- 74ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 00:21:12
- 75ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 00:22:41
- 76二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 00:24:31
:が?
- 77ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 00:25:44
- 78ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 00:29:20
「『スイ』! 弾装交換!!」
C p H E
《一発目はコア粒子榴弾頭》
無反動滑空砲の弾を一発だけ抜き取る信号、スイに交換を要請する。次の弾頭が装填される。
飛んだ弾は右手で掴む――――ああ、これが面倒だから皆マニュアルじゃなくてオートが好きなんだな。
でもこれ、便利なんだよな。
「ぶっ散れ!!!」
G-3コロニーの門番気取りでビームを撃とうとしている重装兵(ジャガーノート)級の正面に立って操縦桿の引き金を引く。
弾丸が射出口に入って爆発した。
《反応消失》
中に蒼風が入った。
「待ってますよ!!」
そのまま突っ込んでいく。人自連もK.H社も。デスペラードのBFも傭兵も区別なくごちゃまぜにした集団が。
右手の弾を装填機構の一番上に戻しながら。ケイを先頭に――――時折、蒼風を抜く機体もいた。
- 79ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 00:30:35
- 80エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 00:35:34
- 81ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/04(金) 00:44:10
「あのデカイの相手じゃあまり火力の足しにはならないな、コロニーの方に向かうとするか」
【周囲の敵性反応を探りつつ移動を始める】 - 82ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 00:47:57
《バディフレーム:Syringe's 、本機の前に付きます》
「速い……良いなぁ、そのスピード!!」
モニター上、Syringe'sの真上に警告が表示される/【高密度コア粒子反応】【高密度コア粒子反応】【高密度コア粒子反応】
速い機体は良いものだ。ちょっとだけ嫉妬しながら、肩側面のウイングバインダーを器用に振って機体をふらふら左右に流す。
射撃兵級の結晶弾幕を左腕のシールドで防ぎながら、最小限の被弾で抑えるテクニックだ。
当然減速も兼ねているが、こんなのオートでやったら機体がロールして地面に紅葉おろしだ。
『――――こいつ馬鹿なんじゃないかな?!』
スレイガンがシールドを構え、蒼風を庇う。
《全機、Syringe'sの後方に退避してください》
『まじかよ!?! あのエイダン・リーがもう俺達に追いついた!?』
『巻き込まれるぞ! 蒼風機の補助ユニットの言葉に従え!』
腕自慢のBF乗り達が一斉にSyringe'sの後ろへ下がる。
- 83オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 00:49:54
【─────────ズッ、という鈍い音がして。右前脚と胴体を繋ぐ関節部が蒼色の光によって融解して四肢の一つが“ゴモラ”から失われる】
【バランスが崩れる。動けない。動けば深い奈落の底に墜落すると知っているからだ。約数百mはあるであろう縦穴は飛行機能のないBFが突っ込めば落下死は免れない】
「違う。待て、コイツは」
【─────────ドドドドドドドドドッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!と二つの轟音が重なって響いた】
【一つは自らバランスを手放した“ゴモラ”が奈落の底へと墜落する音。もう一つは“ゴモラ”のプラズマ砲が奈落の外壁の岩を沸騰させて溶岩となる音だ】
【成程。脚部は確かに破壊したのであろう。しかし背中から生える一対の翼脚は残ったままだ────胴体を貫通しなければ、内側から外側の翼脚を攻撃出来ないのだから】
【インベイド達は〈熱線砲“ソドム”〉を機能停止に追い込む必要があった。何の為か?旧西方列強連合領と東方大陸、植民大陸を繋ぐ交通の要衝を確実に陥落させる為だ】
【奈落の上空で、底を覗いたオルフェリアは確かにその姿を見た】
・・・・・・
「逃げる個体だ!」
【翼脚とプラズマ砲。それさえあれば地下回廊開通には十分だ。無数の突撃兵級、騎兵級が力尽くで地の底の虐殺級を運搬している。目指す先は人類圏を繋ぐ一大交易拠点】
【奈落の中にはギッシリと突撃兵級に騎兵級、重装甲級に投射機級に装填手級が詰まっている。侵入は無謀だろう】
【速やかに排除しなければ、やがてK.I社の死守拠点にまで辿り着く】
- 84ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 01:03:05
- 85二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 01:15:11
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- 86エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 01:19:35
「素早く、的確な判断、まことに結構」
《CHARGING COMPLETED》
【真下で行われた名も知らぬ精鋭達の一糸乱れぬ退避行動に感心したような声色で呟くと同時に、操縦桿の上についたスイッチを押し込む】
《FIRE》
【二つの光線が合わさり、巨大な光の柱となって行手を遮る射撃兵級その他のインベイドを焼き焦がし、溶かし、爆散させていく】
【そして柱が姿を消した頃には、広大なレッドカーペットが勇敢なBF達を歓迎するように敷かれていた】
《目的地から振動を感知》
「……逃げる気か」
【搭載された高精度レーダーから知らされた虐殺級の移動に、一瞬眉を動かしたあと、エイダンは広域回線を使ってBF達にメッセージを送る】
《諸君、僕は先に行く。君たちもブラスターに火を灯して、全速力で追いかけて来てくれ。蟲どもが逃げる前に焼き尽くさなければ、人類の寿命は風前の灯だ》
【的確に今の前に進むしかない状況を伝え終えると白銀のBFはキィィンという高音を後に引いて、一直線に砲台へと向かっていった」
【───遠くで光の柱が瞬いている】
- 87ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 01:37:05
《ケイ、悪いニュースです。虐殺級が逃げの手を打ちました》
「逃げたらどうなる!!」
《人類の勝率は大幅に低下するでしょう。砲台までの到達を急いでください》
「駄目だ、味方が死ぬ!!」
・・・・・
これ以上のペースアップは現時点では無理だ、とケイが叫んだ瞬間。
中央から横合い、左側に警告が動いて、視線が反れた。接近警報が鳴り響く。
ビルを粉々にしながら、騎兵級が己に向かって突っ込んでくるのを見た
――――Syringe'sの砲撃に合わせて全体の速度を下げたからか!!
「クソっッ!!!」
蒼風得意の上昇機動で上に飛び躱す、テールスタビライザで角度を調整しながら、38mmガトリングをばらまいた。
正面ではないので、このまま殺せる。殺した。
『しま、グアアアアッ!!』『ビルをぎっ』
しかし僅かに稼いだ高度で、状況が理解できた。
左右のビルを突き破って出てきた騎兵級。計4体の突撃が、この地形なら前だけを見ればいいと僅かに油断したARATAMEを。
『Syringe's』を援護せんと眼の前のインベイドに狙いを定めていたローン・ソルジャー2機を轢き潰したのだ。
甘かった。
そう恥じるケイの判断への後悔を拭うかのように『Syringe's』のビーム砲が赤い絨毯を作った。
騎兵級4体は旋回に手間取り、ケイと同じく奇襲を回避したSHINSEIとスレイガンに、そして龍影のチャオレンによって3体が肉に変わる。
- 88ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 01:39:31
「――――全機速度を上げるぞ!!」
無反動滑空砲で残り1体となった騎兵級の横腹をふっ飛ばし、増速の判断を下す。
スカッズ・ソルジャーの改造機が蒼風を見ているのを。ケイは察する。
見れば脚がやられていた。あの機体は置いていくしかない。
『止まらないで!! いってェ!!!』
女性の高い声に押され、『Syringe's』を追いかけるべくBF達の速度が一斉に上がる。
スカッド・ソルジャー1機のみが残った。
背後で破砕音が聞こえ、光点が消える。
《人類の勝率が、0.02%低下。勝率変動プラス0.4》
「それは彼女の値段じゃない」
《……人的被害を最小限にするプランを提示します》
蒼風のレーダーに、BF達が通れる最短ルートが現れる。
ケイはそれを全員に共有した。
砲台は近いようで遠いと、レーダーが示すのだから。止まるわけにはいかなかった。
- 89二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 06:33:40
吹き飛んだNEXTの残骸にインベイドたちが群がる。これといって敵意を持って襲ってはこない
- 90龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 06:51:54
- 91ヴァンガード◆YMCgTirJag25/04/04(金) 07:47:02
- 92ヴァンガード◆YMCgTirJag25/04/04(金) 08:02:09
「次弾装填!強制冷却!」
砲身に窒素系冷却剤を吹き付ける。
最大望遠で目標を捉える。大きく蠢く山のようなバケモノだ。
「撃ぇ!」
240mmの弾帯は極超音速で吸い込まれる様に飛翔する。
「2射!撃ぇ!」
冷却を行わずに装填した物を撃つ。
モニターには砲身が過加熱を起こしているとメッセージが出る。
「3射装填!排熱!」
灼熱の排気が機体にかかる。装甲の塗料は浮き上がり、黒く焦げるが気にしない。
「強制冷却!撃ぇ!」
弾帯が飛び出した途端、240mmレールキャノンは爆ぜた。行き場を失った粒子によって加速された破片がサンライズに降り注ぐ。
容易に装甲を貫きコックピットへ到達する。モニターが割れ、破片が飛び出る。
臆することは無い。射程はややおちる150mmナパームが健在だ。それを構えて前進する。増槽の残粒子をバーニアにまわす。ろくに点火すらした事の無かったバーニアは初動が不発する。
「クソ!」
操縦桿横のモニタを叩く。
サンライズは意を汲み取ったのかバーニアから青白い噴炎を吐き出し、加速した。
- 93ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 08:05:34
《龍影機の前方に未確認インベイド、撃破されています》
「!?」
見たことがないインベイドが、チャオレンに叩き潰されている。
ビル群の中を飛び回る今のケイに割り振られた役割はペースメーカー、そして斥候だ。
高く飛んで地形を見て、インベイドが少ない位置にBF達を誘導する役割。蒼風がスキャンした地形と、インベイドが比較的少ないデータはすぐさま突入部隊全機に共有される。
『行け、行け!!』
『もっとブースター吹かすぞ!援護する!』
ぐん、と速度を上げた一団を蒼風は先導しつつ、ハンドサインで少しだけ後ろに下がることを伝達。
高度を下げ、地上部隊の要になり始めているチャオレンの周囲に群がり始めた突撃兵級に38mm弾を浴びせて安全なゾーンを作り、そこに滑り込んでチャオレンに接触回線を開いた。
他のBF達もチャオレンと蒼風の周りを固めて、見たこともないインベイド種への困惑を隠せていなかったが。
それでも併走をやめないから、二足のインベイドの死体は遠くに過ぎ去っていく。
「そのインベイドはなん……っ、砲台に続く最短を見つけた!龍影さんは一緒に来てくれ!」
《蒼風の滑空砲残弾三割、ガトリング残弾四割です。ペースに注意》
《貴方がケイには必要です。王龍衛》
味方のフォローに徹することに集中し始めた蒼風の残弾は急速に減り始めている。
だから、これからは龍影のフォローが蒼風にとって必要なのは明白だった。
- 94龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 08:11:55
- 95龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 08:29:28
「後方?!避けれる訳ないでしょ?無茶言わないで!」
そう言いながらも敵を殴り付ける時に減速する。
馬鹿みたいな慣性がかかりつんのめる。
直後、重装種の甲殻を盾のように構えていた二足歩行種が吹き飛ぶ。ちゃんと2発、きっちり8秒で。
「流石よ!ヴァンガード!」
相手の通信にノイズが入る。弾帯が電磁化していたのだろ中距離通信が届かない。
「馬鹿に絆されたのね…アンタも…」
- 96ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 08:30:50
「わかった!」
《人型インベイドと仮称。……BF戦闘集団の前方に四機》
6秒、という弾切れまでの時間を記憶。それを小刻みに使い切って、最大限のインベイドを殺し。
人型に向けて2秒の弾幕牽制を使い切る。
左腕のガトリングを捨てる。
『全機聞いたな!!人型は対BF戦術で行くぞ!』
『スレイガンを、クロノス社のBFを舐めるなよ!化け物の猿真似とは格が違う!』
蒼風とチャオレンの目の前で、スレイガンとSHINSEIの二機連携が弾幕に速度を鈍らせた人型インベイド四機を潰していた。
『蒼風とチャオレンは集団中央で休ませろ!彼らが俺たちの要だ!』
他のBFとは明らかに格が違う火力がBF集団の周囲の安全を確保してくれた。
「今のは!?」
《サンライズ、戦車型BFの援護砲撃です》
凄い、という声が漏れた。
前、側方、後方……全てが的確に、一時的な安全地帯と化すほどの砲撃だったのだ。
- 97ヴァンガード◆YMCgTirJag25/04/04(金) 08:47:39
240mmレールキャノンだったガラクタをいつまでもつけなくていいか。
パージした途端に機体の速度は上がる。
臨界式発動機で生成されるエネルギーがレールキャノンに食われなくなっからなのか、粒子の予定消費時間が大幅に延びる。
「大食らいはサンライズじゃなくてレールキャノンだったのか…初めて知ったよ…」
速度の上がった戦車は戦友の元へ向かう。
- 98龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 09:02:52
- 99ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 09:30:11
「最高です!!」
《ケイは高機動戦型ですが、大火力も好みです。 ストラクチャーに載せるべき砲兵器をBFに載せるとは……》
やはり人類の思考回路はユニークですね、と感心する『スイ』の言葉。
それを聞きながらケイは現地補給を行うチャオレンのそばで無反動滑空砲を構え警戒は解かない。
ケイは"何故か"人型インベイドが持っているそれについて、深く聞くことはしなかった。
使えるのなら使うべきだからだ。
『蒼風、そっちのコア粒子残量はどうだ?ほれ、これ使え』
「残り五割です。帰りもなんとか保ちますよ!」
そうか良かった。月風は大喰らいだもんな!と、四十代に差し掛かる名も知らぬ傭兵が笑っていた。ARATAMEのカスタムを乗機にする機体が、実弾のマシンガンを蒼風に差し出す。
蒼風の左手でそれを受け取った。
『これくらいの軽さなら月風系でも問題ないはずだ。ガトリングより良いものじゃあないがな』
「ありがとうございます!」
激しい戦闘になれば弾切れで即投棄すべき武装だが、今この瞬間では最も欲しいものである。
「全機はこの機会に弾倉交換、コア粒子残量を確認してください! 砲台はもうすぐです!」
《報告はこちらで処理、データリンクで共有します》
手に入った余裕は、今のBF集団に最も必要なもの。 最前線を進む全機がそれを享受した。
- 100シャロン?◆8meUu6AaJY25/04/04(金) 09:45:11
近くに転がっている大型インベイドの腹を割いて濃い緑色の装甲色となったスマトロンリップは現れる。先の砲撃をやり過ごすためにインベイドに自機をわざと飲み込ませたがまさか吐き出す前に死ぬとは思っていなかった。
普段のようにジュリエットを構えて補給をしているBFを狙う。
〔キラキラ…〕
"何か"を見たシャロンは引き金を引く。
86×700mmライフル弾は音速の3倍で放たれ、ARATAMEの側面に当たりコックピットを食い破る。 - 101ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 09:57:42
《警告、不明反応》
「!! 全機機動準備!!」
シャロンの射撃直前に『スイ』が警告したが、遅かった。
BFが保有できる実弾の中でも最も高初速なものがARATAMEの側面から反対側までを貫通。
機体の上半身と下半身を分かち、地に落とした。
3秒が引き伸ばされる。
《弾丸は9時の方向から飛来》
モニターインターフェースが予測位置を全機に共有する。
『あれは……まさかキルケー部隊の!?』
『全機盾持ちの背後に隠れろ!』
盾持ちのスレイガン数機がBF戦闘集団の周囲に壁を作り、防護姿勢を取る。
二発目が飛来し、蒼風はそれを予測して腕部シールドで弾いた。
(盾の間を抜くか!!)
ガギ、という金属音が鳴る。 蒼風が近くに放置されている盾を足でチャオレンのそばに突き立たせた。
- 102シャロン?◆8meUu6AaJY25/04/04(金) 10:04:37
- 103龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 10:07:14
- 104エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 10:24:47
《行軍スピードが遅れたと察して見に来たら……何てことだ、ワルキューレ》
【オクトカムによる不可視は脅威。これは間違いない。しかし、それは肉眼で見た場合だ】
【行軍の遅延を訝しみ、音を置き去りにする勢いで飛来した白銀のBFは搭載した高精度レーダーが示す逸れ者に向けて、掌部から圧縮したレーザー弾を撃ち込んだ】
《僕のナビを共有しよう。砲台の蟲どもはあらかた片してある。また群がられる前にケリをつけなくちゃならないよ》
【広域回線に乗せて、特製のナビが示すスマトロン・キスの位置情報を集うBF全機に共有する。
その間もレーザー弾とリニアライフルの狙撃で牽制を行い、容易な発砲を妨害しつつ、貫通を狙う】
- 105シャロン?◆8meUu6AaJY25/04/04(金) 10:32:15
- 106シャロン?◆8meUu6AaJY25/04/04(金) 10:40:34
- 107エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 10:50:04
(ジャミング……。素体が優秀だと蟲も賢くなるのかな。全く厄介な)
《近くにジャミングを行ったインベイドがいる筈だ!狙撃に注意して探してくれ!》
【複数に分かれる前に表示されていた機影にマークをつけつつ、アイカメラと繋げたサイバーゴーグルの視界を拡張しながら、妨害を行ったであろうインベイドを探す】
《残念ながら脳をヤられてるよ。遠からず全身が虫喰いになって使えなくなる。ここで処分してしまうのが最善だろうね。……幸い、僕のレーザーは焼却に最適だ》
【本社には義体の予備も、脳データのバックアップもある。ならば致命的なバグを患った彼女はここで処理するのが良いだろうと、淡々と伝えた】
- 108二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 11:01:59
【─────────奈落の構造は極めて簡易だ。約数百mの巨大な縦穴が広大な地下回廊と地表とを繋いでいる。超大型インベイド“ゴモラ”の存在なしには開けない地獄の門】
【だが"虐殺"とは一個人によるものではない。組織的行動によってこそ実現されるものであり────それはインベイドも同様である】
【約数百mの縦穴をナパームが落下し切る前に奈落の底から現れた重装甲級が自らナパームの前に立ち塞がって盾となり、奈落の外壁に触手で張り付いた投射機がピンポイントにプラズマ弾でナパーム弾を補足して迎撃する】
【巨大な個ではなく、統率された群。彼らに地の利と兵站を与える事こそが“ゴモラ”の使命であった】
【奈落の底に墜落する前の“ゴモラ”に叩き込まれた砲撃は巨体を仰け反らせ、最後に放たれようとしていたプラズマ砲を確かに食い止めた】
【弾幕を形成すべく密集陣形を取って抵抗していたBFに叩き込まれていれば被害は更に拡大しただろうが、奈落の外壁が溶岩になる程度で済んだのだ】
- 109シャロン?◆8meUu6AaJY25/04/04(金) 11:04:27
- 110エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 11:24:01
- 111オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 11:30:08
『秘匿回線を用いて連絡している』
【その通信先は、約束をした逆巻重工のパイロットだ】
【だがオルフェリアに約束を破る事への後ろめたさはない。命令の為に必要ならば何であろうとも実行し、その過程には然したる興味もない】
【奈落への壁として立ち塞がる重装甲級を切り捨て飛び越える。ビームよりもプラズマ弾よりも鋼鉄の天使の方がずっと疾い】
【数秒もせずに奈落の底、地下回廊へと辿り着く。地下回廊は大動脈を思わせる様子であった。赤血球が押し寄せるインベイドの津波である】
【縦穴から地下回廊の入り口に蜘蛛の形をした罠師級の張り巡らせた硬質の糸刃を規格外実体剣で切断する。その一瞬の隙にファランクスを組んで突撃を敢行する騎兵級と背後からビームを殺到させる重装甲級に挟まれる】
『大陸一の月風使いは君になるだろう』
【わざと紙一重でビームを躱して騎兵級を爆散へと落ち込んで、一点の穴から突破する。上からの糸の射撃を規格外大型実体剣で切り払わずに避けて突き進む。粘着質に切り替わった糸を喰らえば斬れ味が落ちるからだ】
【突撃兵級が津波の如く殺到する。射撃兵装を持たない“ソロネ”が剣を振るい、弾き飛ばした突撃兵級がドミノ倒しのように機能停止する。全てを斬ろうと思えば全方位からの攻撃に対応出来ない】
・・・・・・・・・・・・・・・・・
【砲撃座標を確定させなければならない】
【“ゴモラ”が深手を負って逃げ出した以上、誰かが地獄の如きインベイドの巣窟に潜り込んで砲撃するべき座標を砲手に報告しなければならないのだ】
【“ソロネ”の助けがなくとも〈熱線砲“ソドム”〉を奪還してくれるだろうと彼らはを評価して、鋼鉄の天使は地獄へと飛び込んだ】
- 112シャロン?◆8meUu6AaJY25/04/04(金) 11:35:41
- 113ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 11:49:02
息を吸って、吐く。
大量の情報と、クロノス製BF同士……そこにインベイドが混ざり合う混戦模様。
シミュレータでは経験できないほどハードなシナリオだ。だがこの状況ほど頼もしい味方BF達もまた、シミュレータの中には存在しなかった。
「ソロネは来ない」
口に出して、反芻した。
秘匿回線ゆえ誰にも言えない。言えば士気に関わる。
「今1番厄介なのはキルケー部隊のBF」
やつのせいで味方全体の足が止まっている。洗脳か、裏切りか。どちらでも敵。
エイダン・リーならやれるだろうが、突破口が必要だ。推進機関をやられたスレイガンのパイロットが叫んだ。 蒼風ならやれるだろ、と。
「1番脆いのも俺だ」
蒼風は対インベイド用のビームコーディングに特化している。被弾は基本両腕の小型盾で受ける前提だ。
つまり、俺ならキルケー部隊に狙われる。
大量に増えたスマトロン・リップの反応から座標を割るのは困難だ。
だから『一発は撃たせなければならない』
「よし、やるか」
ケイの黒青の両目が青く輝く。
蒼風が、わずかに屈んだ直後。一直線に真上の空に飛んだ。シールドも構えず、両手を広げ。ウイングバインダー全てを稼働させる。
……撃てば、当たれば。殺せる。
最高の獲物が空にいた。
- 114龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 12:02:46
- 115ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 12:06:57
- 116ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 12:09:07
- 117エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 12:31:21
《了解した。……今の君のこれまでの働きに敬意を表する、Ms.ローズ》
【格好の的となった『蒼風』目掛けて、実包を放つ為に、動きを止めたマーク付きの機影へ照準を合わせる。突き出された掌の中央で黄金が鮮烈に輝き、高まる熱が周囲の気温を上げていく】
《CHARGING COMPLETED》
「《FIRE》」
【不要な苦しみなく、一瞬で存在をこの世から消失させる光の柱が放たれる】
【スマトロン・リップ、シャロン、脳に巣食うインベイド、それら全てを一まとめに天へ昇らせる】
《キルケーは消失した。残りの蟲を殲滅しつつ、砲台へ向かおう。よくやってくれた、蒼風。空はこちらに任せて、君は地上へ戻ってくれ》
【蒼風に向かった86×700mm実体弾を、片手に構えていたライフルの強弾で空中分解させながら、エイダンは勇敢な踊り手に今求められている舞台へと降りるよう促した】
- 118龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 12:32:35
- 119オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 12:43:02
「言ってくれるな。だが残念ながら燃え上がるような闘志もなくてね」
【“ゴモラ”がプラズマ砲で岩盤を融解させる轟音も擦れ合う突撃兵級の怪音に遮られ、振動だけを頼りに進まなければならない】
【封鎖を破って地下回廊に潜り込めば何処もかしこもインベイドの洪水だ。“ゴモラ”の体躯に合わせた約20m直径の地下回廊に濁流の如く異星体が雪崩れ込んだ止まらない】
【────その只中で剣を振るい、突撃兵級共を重装甲級の放つビームへの即席の盾として突っ込む。硬質な音を響かせて重装甲級が切り裂かれ、背後の投射機級のプラズマ弾が重装甲級を斬殺すべく肉薄していた“ソロネ”を狙う】
「この産地直送の蟲共を始末しながら虐殺級を追わねばならない。この短時間で既に数百mは移動している。背中の腕は飾りではないようだ」
・・・・・・
【───────────予測している。前と左右から殺到するプラズマ弾を上に避け、その上で待ち構えていた罠師級の粘着糸の速射を切り捨てた重装甲級の装甲を使い捨てて防ぐ】
【止まらない。射撃兵級が飽和攻撃を浴びせかけ、その隙に突撃兵級が地下回廊の上下左右を這いずり回って接近しようとする】
【射撃兵級が放った結晶体の内、命中するであろうものだけを規格外大型実体剣で突撃兵級と共に弾き返す。投射機級の砲身の中へと吸い込まれるようにして弾かれたインベイドによってプラズマ弾が暴発し、洪水の中に僅かな綻びが空く】
【その僅かな綻びに速やかに鋼鉄の天使が潜り込んで、しかし次はコレにも対策するだろうという確信がある】
「広域回線を使って通信している。オルフェリア・ソローネだ。あのデカブツは“統率個体”の役割をも担っているらしい。インベイドの組織的且つ戦術的な行動に注意されたし」
- 120ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 12:47:16
- 121ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 13:00:31
蒼風の胴体の真横を、空中分解した86×700mm実体弾が通り過ぎていく。
「……ふぅぅ……」
ケイはエイダンの通信を確認して、大きく息を吐いた。
冷や汗が背中を流れて、少し震える。
完全に賭けだった。
賭けだったが、エイダン・リーは予想以上だった。
「まさか、相手が撃ってきた弾も迎撃してくれるなんてな……クロノスのエースって凄い」
《保険が無駄になりましたね》
ケイの予定では、キルケー部隊のBFが狙撃のため引き金を引く瞬間に左手のマシンガンを投げ捨て。その反動と空力だけを利用して回避。
その後、無反動滑空砲のコア粒子榴弾頭を敵BFの付近で空中炸裂させ、オクトカムをしている敵機の輪郭を露わにさせる……というものだったのだ。
結果的に自分が成した役割は、キルケー部隊のBFに射撃姿勢を取らせたことだけ。
「俺、いらなかったんじゃないか?」
《私達の視点ではそうでしょう……ですが、他の人の視点でどうなのかは、わかりませんね》
スイと自分が立てたプランが徒労に終わったことを残念に思いながら、蒼風を地面に向けて加速させていく。
《人型インベイドはどうやら四肢切断が効果的なようです》
人型インベイドの背後に着地し、左右シールドの内側にある高出力サーベルをどちらも起動。
スイの言葉に応じ、腕と足、胴体から頭を含めてバラバラと切り裂いた。
「ただいま、龍影」
すれ違いざまにもう一体をダルマにしながら胴を突き刺し、笑顔を向ける。
チャオレンと蒼風が隣り合った。
- 122ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 13:05:12
- 123龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 13:13:56
- 124ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 13:29:41
- 125二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 13:40:19
- 126二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 13:40:41
- 127レイナード◆PPyRfvMZl625/04/04(金) 13:47:26
【光線が迸る、サーベルの剣跡が抉じ開けたインベイドの金属皮に、突き立てられたサブマシンガンの銃口がバチバチと朱く弾けた】
【濃紺色のスレイガンは夥しい返り血を浴びて、崩れ落ちるインベイドを蹴り跳ぶと、空中で交錯したもう一体を斬り落とす】
【奔る機影に傷は無い、接近する怪物をリニアキャノンの砲弾が貫通する】
・・・・・・・・
「損耗のある者は退がれ!虐殺級が退いた、後退を躊躇するな、戦線は引き直せる!
パーツは無事なものと換装、必ず2機編成以上で行動!死角を作るな!相互にカバー!
機体の補充は利くが、この場で人員の補充は不可能だ!命を無駄にする行為は全体の損亡に関わるものと思え!」
【怒声は変わらない、傭兵達を引き連れ前線を穿つのがゴルドラ大佐であるならば、前線のみならぬ戦場全域に気を張るのはレイナードの役割だ、補給部隊の防衛、味方が後退出来るルートの確保、中型以上を相手取っている間に前線を抜けて来た小型インベイドの掃討】
【────────────前線のみが戦場に非ず、兵士には指揮が必要だ】
(人類は緒戦で人命を犠牲にし過ぎたのだ、子供を産んで増やせても、それが大人になるまでは時間がかかる!
今ある命だ!今ある命の損耗を抑えなければ未来は無いのだ!!)
【……頭が痛い、さっき薬を飲み過ぎたせいか】
・・・・・・ ・・ ・・ ・・
(華々しい戦果、昇進、出世、報酬!くれてやる、傭兵共!精々働け、俺の寿命と、平和な未来の退役生活の為に!!)
【機影が回転する、円を引いた粒子の輝きは纏わりつく小型インベイドの群れを引き裂いた】 - 128龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 13:54:51
- 129レイナード◆PPyRfvMZl625/04/04(金) 14:04:59
- 130ヴァンガード◆YMCgTirJag25/04/04(金) 14:05:20
「大丈夫だ!ナパームであらかた焼いてある!バイパスは出来てるから安心して下がれ!」
バーニアを吹かして軽快に動けるようになったタンク脚は小型種を轢き潰し、ガトリングを撃ち、入口を維持する。そのある程度小綺麗になっているバイパスはタンク脚が踏み固めたことで道としてできており、その奥にしっかりと後方補給拠点が見える。迂回もせずに前に来たインベイドを蹴散らして最短で結んだのだ。
- 131エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 14:13:45
《プラズマがくる!!全機回避準備!》
【オープン回線を開いて真下のBFたちに危険を呼びかけながら、ビーム砲を横薙ぎする形で放ち、発射されたプラズマ弾を相殺の形に持っていく】
【それでも数が減っただけで、全てを殺せたわけではない。放たれたプラズマ弾は地面を穿ち、焦土に変え、その後に多数のインベイドが降りていく】
《少佐、一部の群れが離脱していく様子がレーダーに映った。陽動目的だろうが、後を考えると殲滅したほうがいい。座標を送るから、援護を頼む》
【レイナードのコックピット画面端に置かれたマップ。その中央に集う無数の赤い粒から逸れるようにして散っていく粒の塊が、リアルタイムで表示される】
【必要なことだけを伝えて通信を切る。操縦桿を握り締め、ビーム砲の再チャージを急がせながら、エイダンは猛スピードであちこちに散らばった蟲たちの焼却に取り掛かった】
- 132ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/04(金) 14:15:51
- 133龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 14:25:04
- 134ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 14:27:20
もう全部あの人たちで良いんじゃないか?
『ふざけた事言ってないでゴモラを追いかけますよ』
メビちゃんスパルタ〜
まぁでもゴモラ守ってる虫共も一掃しないとだよな〜
【グレネードランチャーとガトリング、ミサイルポッドをマウントしてから走り出す】 - 135ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 14:29:16
「あの数は……!!!」
《我々だけでは圧倒的に火力不足です。再報告しますが、無反動滑空砲の残弾は3割》
「機動力で突破可能なルートは!!」
《存在しますが、ケイの"人的被害を最小限に"というオーダーに抵触します》
ならば。蒼風が膝立ちになり、膝と足裏のロックネイルを作動させる。
無反動滑空砲を構えた。
・・・・
残りの残弾を計画的に使うならばこれしかない。
「全体停止!! 遠距離砲撃火力を持っている突撃部隊は撃ちまくれ!! 一体でも多く仕留めて圧を減らす!」
「龍影は増加装甲の付け直しに一度下がれ!!」
本来の有効射程の外側から、蒼風が砲撃を開始する。
・・
人の極限に近い操縦精密性を利用した超遠距離狙撃の連射であった。3発、7発、10発……まだ増える。
スレイガンやローン・ソルジャー、SHINSEIも続く。遠距離から打てる火力を外壁、そして地上に降りたインベイドに向けて撃ち始めた。
「あと少しで砲台だってのに……!!」
「なら今すぐ逆巻重工の無反動滑空砲の砲弾とかガトリングとかそういうの足の早いBFに運ばせてください!
砲火力の援護でも、増援でも良い!!あの数のインベイドを機動力で突破したら死人が出る!けどこれ以上ぐだついたら砲台が破壊されて虐殺級が逃げ切る!」
「こっちはもう次善策を使ってるんです!! 数も時間もない!」
怒鳴るような声を放ちながらの連射だった。
- 136ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 14:30:11
「くそっっ!!」
不意のプラズマが蒼風の直ぐ側を焼く。ロックネイルを強引に推力で引っこ抜かなかったらやられていた。
他のBFたちは皆巧みに回避し、様々にインベイドへ備え始めている。ケイも即座に機体姿勢を立て直し、空中へ飛ぶ。
《エイダン機が空中で外壁のインベイドを駆除中。さすがの速度です》
「38mmガトリング本体と無反動滑空砲、高速速射砲の弾装を!! 置いた場所にマーカーして!! ください!!」
蒼風が右腕シールドの内側から有針徹甲弾を一発放ち、脅威度の高いインベイド一体を側面から弾き飛ばす。
小物には高速速射砲をばらまいてひき肉にしていくが、手数が足りない。
《コア粒子残量、残り3割2分》
蒼風の機動力にも限界はある。むしろ範囲に向ける火力で言えば標準に近い。
「くそっ、ここに来て最初の頃の機体負荷が!!!」
本来の蒼風であれば、まだ粒子残量は5割だろう。重量過多が響いた結果だった。
「……分かった。退くぞ!!」
行き掛けの駄賃に残りの有針徹甲弾二発をインベイドの集団に叩き込んで、チャオレンの手を掴んで持ち上げる。
そのまま、稼働時間に不安を抱えた突入部隊の一部は後退を余儀なくされた。
- 137ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/04(金) 14:41:35
- 138モア◆T8hADm6O9k25/04/04(金) 14:48:24
ラジオでカビの生えたような欧米POPに似たものが流れている。そんな時、アンドモアの机にある電話が鳴る。
「はいこちらドーザー……はい……なるほど。わかりました。はい。失礼します。」
皆が電話を切ったアンドモアを待つめる。
「………はぁい!みんな注目ぅ!なんとG-3のお隣にあるG-4のスカベンジャー依頼だ!どうもそこで見たことないBFもあるとの事!ほうら!黒字確定だ!輸送機を出せ!一番でかいヤツ!」
ウォォォォ!!
ドーザー達は湧き上がり、すぐさま準備をする。スカベンジャー用のBFの他に"自衛装備"搭載のアーヴィングも動かす。
「稼働経費なんか考えるな!人が要る!そうら乗れ!じゃんじゃん拾ってじゃんじゃん直すぞ!乗り遅れは?!無いな!!いくぞ!」
ドーザー保有の大型飛行廃品回収機ゴリアテはキルケーが戦闘していたG-4へ飛び立つ。 - 139ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 14:53:50
- 140エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 14:54:10
- 141モア◆T8hADm6O9k25/04/04(金) 14:55:09
- 142ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 14:59:09
『大佐、しばしお待ちを。一部主力メンバーのバイタルに変化あり』
あークソッタレ……
これから意気揚々としてた所にそれはマジで言ってる?
『大マジです。ただ、ケイさんのバイタルは徐々に安定しています。補給は済ませていますし、まずはエイダンさんの要求をこなしましょう』
了〜解!
【体の関節という関節を鳴らし、背筋をうんと伸ばせば、ホバー出力を全開にまで上げる】 - 143ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 15:07:27
イーピーカイエー!!!!!
ウーヤバダバドゥバドゥー!!!!!
【建物から建物へと移り飛び、その時の振動もリズムの1つへと変える】
フリーバードイェッへー!!!!!
(大佐がまた感化されてる……)
【曲のテンポもアガるにつれ、金龍の操縦テクも洗練されていく】
Lynyrd Skynyrd - Free Bird (Official Audio)
- 144二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 15:10:52
- 145龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 15:13:23
「お疲れ様。レーションは蒼風の中にある?」
蒼風に向かい合うようにチャオレンを駐機させた龍影はコックピットハッチを開けて降り、蒼風の中にいるケイに話す。
「こんなガタガタにしやがって…急げ!整備なんかすんな!ブロックトレードだ!」
整備長は怒鳴り、指示を飛ばす。
ボロボロになりながらも主をここまで連れてきたチャオレンを見て整備長は少し考え、口を開く。
「おい、王。チャオレンだが、この戦いが終わる頃にはもう乗れなくなっちまうぞ。機関炉の劣化が酷い。」
「やっぱりか…整備長はどんな機体が欲しい?」
愛機の限界を何となく感じていた龍影は乗り換える機体をどうするか聞いた。
「ならもうスパイスはやめてくれ」
笑いながら整備長が言う。
- 146ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 15:15:53
全てを燃やし、全てを粉砕し、俺の行く先を立ちはだかる有象無象を圧倒的火力による弾幕雨で蹴散らしてやるんだよ!!!!
イヤッハー!!!!
【BLATATATATATATATATATATATATATATATATA】
【KABOOOOOOOOOOOMMMMMMMMMM】
【重度の火薬中毒(トリガーハッピー)でもあった金龍は、指定された座標につくなり持ってきた武器を出し惜しみせずにぶち込む】
【インベイドの血肉が派手に吹っ飛び、あたり一体は硝煙の匂いと如何ともし難い腥さに包まれる】
【側から見れば、今その場で高笑いしている金龍の姿に、悍ましくて引くのが普通であろう】 - 147ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 15:20:42
- 148二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 15:31:22
- 149龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 15:37:09
- 150エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 15:39:23
- 151ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 15:40:21
- 152ミハエル◆j28rRKKOSY25/04/04(金) 15:44:35
- 153ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 15:47:26
- 154ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 15:48:09
「ぁ……まって……」
言いかけ、そのまま額のキスでがくんと眠りに落ちる。というよりもはや気絶だ。
《了解しました。ブドウ糖の注射器はありませんが、タブレットならありますので摂取するよう勧めます》
スイは龍影にそう伝えながら、戦況分析を再開する。
……あまりにもインベイドの動きが流動的すぎる。虐殺級が統率個体であることを鑑みても異常だ。
初期インベイド戦争時代と比べても有機的、かつ精密な連携精度。
《インベイド側に変数が存在する可能性あり》
スイはそう結論づけた。
「?やぁ、君は確か……王龍影さんだったね。サヤギリ君が世話になっているみたいで」
蒼風をどう整備したものかと悩んでいるカンナの元は、龍影が歩いてくるのを見つけた。
「すまないね。彼とスイは最前線に配置しないよう言いふくめておくべきだった……18の子供がこの機動はあまりにも不味い」
龍影に対しての第一声は、謝罪であった。
戦闘機動データとログを見て、カンナは僅かに顔を青くしていたのだ。
- 155二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 15:52:41
- 156オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 16:01:01
「BESTIAか─────忠告してやろう。死にたくなくば来た道を引き返せ。今ならば、まだ後戻りも出来る範疇だ」
【平時と変わらぬ無機質な物言いで、また一体を剣の錆にしながらオルフェリアは個別回線を繋いだ】
【確かに“ゴモラ”が開通したばかりの地下回廊は敵の数が少ないし限られている。だが極東方面からの回廊からは絶えず敵が押し寄せ続けているのだ────広大な地下回廊がインベイドだけで埋め尽くされる程の物量が】
【補給は不可能。撤退も不可能。入るには易く、しかし出るのは困難。“ゴモラ”を追えば追う程に撤退に必要な距離と火力は跳ね上がる────にも関わらず、”ゴモラ”を追い続けなければ砲撃を命中させるのも不可能】
【そして、砲撃の命中はビーコン役の死も同時に意味している】
「確実に死んでも構わないのなら同行しろ。どんな作戦でも“予備”は重要だ」
【優に“数万”を超えるインベイドの後続部隊が背後の地下回廊から通路を埋め尽くして突入者達に殺到しつつあった】
- 157龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 16:03:23
「ちょうど良かった。チャオレンから更新したく、その時に月風系列を一機、納入しようと思ってまして。」
CEOを見つけた為、今のうちに納入契約をしときたいと思い、開口一番でそんな事を言えたのだ。
「…それとパイロットの負担に関しては細かい補助をBF補助ユニットが十全に行えていないからと思います。いくら軽量機と言っても38mmのガトリングのダブルホールド程度で機体が滑る程度には姿勢制御に介入出来てない状態でした。」
そのベースとなる機体に少なからず触れている龍影は尖りすぎた手を加えて居ることを加味しても尚異常な点をあげる。
「でも今から制御系の調整は間に合わないのでパイロット側にスラスターのリミッターを伝えるのが最適かと。そうしないと彼は本当に壊れるまで乗るつもりです。」
彼を心配している1人の女としての意見も混じった事を龍影は気づかなかった。
- 158ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 16:06:55
この数……かつてのヴァッキンロードを思い出すなぁメビ!
『えぇそうですね。あの時は通常装甲も電磁バリアーも何もかもが無くなって、最後の1匹を手元の瓦礫で突き刺してましたね』
もしかしたらまたそうなっちゃうかなぁ!?
【BLATATATATATATATATATATATATATATATATATA
】
『いえ、今回は味方も居るので大丈夫かと。それよりも会話はここで一度止めて、目の前の敵に集中しましょう』
了解よっと! - 159レイナード◆PPyRfvMZl625/04/04(金) 16:13:46
「……6番機、付いて来い!」
【戦場に分散したスカッド・ソルジャー、クロノスの同社機体間にて共有される通信システムによって即座にマップ上に反映される戦場の最新図には、エイダンより送信されて来た新しいデータが映写される】
【数瞬の沈黙の後、補給を終え再び前線へと上がって来たスカッド・ソルジャー、右肩に6という数字がペイントされたその機体に随伴を命じて、座標へと走る】
「追討だ、銃火器の射程に入り次第射撃、反転してくる可能性もある、深入りはし過ぎるな」
『イエッサー!』
【リニアキャノンの射程は長い、集団の最後方を示すアイコンがマップ上にて変色したのは、射程圏へと入ったということ】
【自動照準は頼りない、微かに目視可能な小さな敵影へ、指先は繊細に狙いを定め】
【発砲、発砲、発砲────────────着弾、3発中2発】
「チッ、やはりこの距離だと精度が落ちる、フィードバックが必要だ」
- 160二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 16:21:11
- 161エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 16:22:46
- 162ミハエル◆Ja4KRR/zQ225/04/04(金) 16:23:12
「あいよ、遠いのは任せた!」
- 163ガストン◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 16:24:22
『ガストン少尉!敵の増援が止まりません!』
「分かり切った事を報告する必要はないぞ、ラペラ二等兵」
【“ローン・ソルジャー”のビームライフルを此方に接近しつつある突撃兵級の群れに撃ち込む。爆炎を上げて刃殻が弾け飛び、数体を巻き込んで骸の山を作る】
【だがその間にも奈落から絶えずインベイドの群勢が“数万”単位で湧き上がり続けている。総体としては“数千万”単位にも達するであろう物量の津波だ。マキシム准将配下として戦ってきたガストンですら見た事のない密度である】
(…………キルゾーンを理解し始めているな)
【敵の動きが変わりつつある。無闇に突撃しては砲によって蹴散らされていた突撃兵級が、同胞の骸でキルゾーンからの射線を遮るようにしてバリケードを作り始めている】
【そもそも、突撃兵級の刃ですらBFの装甲を傷付けられるのだ。それが数を重ねて数m、数十mという厚い壁を築き上げれば生半可な火力は通さない防壁になる】
【───────────北方戦線帰りのガストンには、その戦術に見覚えがあった】
『故、マキシム准将配下のガストン少尉だ!カス蟲共のバリケードは早期に壊した方が良い!形成され次第、バリケードの向こう側から投射機級が砲撃を雨のように降らせて来るぞ!』
【或いは、それすらも“統率個体”の罠であるのかもしれない。壊すのと消滅させるのとでは必要になるエネルギーは桁違いだ。同胞の骸すら資源として、混合軍の弾薬消費量を加速させようとしている】
「クソッ!罠だとしても蹴散らさなきゃ絨毯爆撃が来るだけだろうが…………!」
【──────────直後、頭上から降り注いだ粒子ビームによってガストン少尉は“ローン・ソルジャー”諸共に殉職を遂げた】 - 164ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 16:24:59
《忠告どうも、ソロネ。…クロノスの最強様の予備とは至極光栄だね》
【まさしく死地、死への行軍。それを知って尚、ウルヴィは命を『捨てる』事を選んだ。そこに恐怖の感情は無い】
【自らの命を『捨てる』とは、諦める事ではない。『捨てる』事によってのみ切り開かれる道がある。死線を超えられればそれで良し。死なばそれまで。故に、それを人は『命を捨てる』と呼ぶのだろう】
《でも、私は死のうとは思ってないよ》
【或いは筋金入りの阿呆なのか。ブレードの二刀流に切り替えたウルヴィは、先頭の騎兵級を貫くとそれを蹴って後続へ当てる。ドミノ倒しのようにインベイド群が巻き込まれるが、それもすぐに波が覆ってくる。全くキリが無い】
- 165モア◆T8hADm6O9k25/04/04(金) 16:27:51
うへぇ…空が黒い…星が見えねぇ…
「そりゃG-3でドンパチしてんだからあの方面はそうだろ」
しかしですね…
「今行くのはG-4。あっちじゃない」
いやー案外変わんないっすよ?
「んなわけねぇだろ。目測機体数的にそんな酷くはねぇよ…嘘だろ…あそこでもインベイド共とドンパチしたのか?」
アンドモアの目にはオレンジ色に火かり輝くG-4があった。
- 166逆巻カンナ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 16:29:29
「おや、月風で良いのかい? 君ほどのパイロットならSHINSEIか……いや、いっそまだ試作だが……」
驚いた、というかのような表情で逆巻カンナは龍影を見た。
月風には明らかな欠陥が多数含まれているし、それゆえに『壁』が存在している。
普段ならば納入契約を断る理由もなかったが、今は時期が悪かった。いや、良いとも言えた。
「そろそろ人自連全体に伝える予定だったし、言ってしまおうか。現在私たちは、操縦系の一部をオートメーション化した月風の廉価版『廉月』を開発している。操縦が僅かにオート化される以外は殆ど月風と同等の機体に仕上げる予定だ」
君さえ良ければその試作機を納入しよう。という交渉だった。
「データ上では左に38mmガトリング、右手に固定式無反動滑空砲……これ、今回の戦闘のために左側にもハンガー1つ無理やり増設してるよね?」
蒼風の機体制御が流れていく原因をカンナは的確に見抜いていた。
月風系列は右ハンガー1つのみが基本。
つまり、左に一つ増設されたハンガーとそこに積み込んだ武装がバランスを致命的に狂わせていたのだ。
ガトリングは使う時にのみ取り出すという形でケイは対処していたが、それでどうにかなるものではなかった。という所見。
そして龍衛が切り込んだ部分に対する答えは、予想外のもの。
「BF補助ユニットは、私たち以外の誰かが蒼風に埋め込んでいたんだ。私達は関知できていなかった」
表情は暗い。
コンストラクターも兼ねているカンナですら、『ケイ君は若いし、補助ユニットがある程度サポートしているだろう』と踏んでいたはずの部分を、スイは全て切り捨てて情報支援に特化させていたのだ。
あまりにも異常なコンビであると、彼女らも今認知した状態だった。
「けど現時点ですら増設状態の蒼風は機動力が落ちているから……問題なのはやはり制御系だよね。スラスターのリミッターをかけたら、それこそ機体の流れや重心の調節が不可能になって事故を起こすから……まさか」
そう言って、カンナは頭を抱えた。
「この増設調整、ケイ君の要望?それともスイが提案したの?」
一番の問題がどちらなのか、カンナですら把握できていなかったのだ。
- 167二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 16:32:35
- 168ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 16:33:20
- 169“ゴモラ”より戦術変更◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 16:39:18
【─────────────曰く、投射機級とはインベイド達の宇宙空間への打ち上げ用プラットフォームである。最近になって兵器転用が始められた代物だが、ノウハウとしては其方の方が多い】
【積載量を増やして高度を落とすなどは余裕だ】
「空だ!空から重装甲級が撃って来てるぞ!」
「クソがッ!弾幕が届かない、対空砲はないのかよ!?」
「無茶言うな!届いたトコで貫通出来るかよ!?」
【上空15,000mの空を覆い始めた立方体の形をした外星体が、一方的に粒子ビームを地表へと叩き付け始める。防衛陣地も弾幕も関係ない。空を縄張りとしての虐殺】
【──────────────だが、突如として重装甲級が空中で爆散した。銀色の閃光が戦場の空を駆け抜ける】
『マキシム准将配下、戦闘機部隊だ。暫くは俺達が抑えられる。何とか対策をしてくれ』
【ビーム射出孔に機関銃をブチ込みながら、今年で還暦を迎えるイゴール軍曹は援軍を引き連れて広域回線に通信した】 - 170龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 16:42:59
- 171オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 16:50:19
- 172逆巻カンナ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 16:54:24
「最初は月風の延命用だったんだけどね。開発してるうちに需要に……っと。勿論。君が望むカスタムを施そう」
契約成立に関しては上機嫌になったカンナだったが、龍影の『彼は独自のルートでここに来た』という言葉に目を剥いた。
そんな高度な提案が、依頼を発行される前にできるBF補助ユニット?
……それは、初期型の、さらに上の……。
「……まさか、スイって。独立型戦闘支援コンピュータ?」
だとしたら。という言葉とともに、カンナは龍影に言葉を続けた。
「もしこの言葉に聞き覚えがあるなら今すぐ言って欲しい。もし本当なら……」
「この無理な増設カスタマイズは。ケイの要望を叶えようとしたスイが、この駐屯地の整備班にやらせたんだ」
パイロットの要望だから。という理由で。
月風系のもう一つの欠陥……エース用に調整した月風は、それ以上のカスタマイズなど無謀を通り越して不可能だということを知らない班に。
- 173ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 16:54:52
- 174エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 17:04:20
《DANGER》《DANGER》
「見ればわかるさ。久しぶりだなぁ、こういうの」
【訓練を終えてBFに乗り始めた頃、好奇心の加減を忘れて突っ込んでしまった時を思い出しながら、エイダンは至極冷静に生への活路を開きにかかる】
《SHIELD DEPLOYMENT》
【極限まで強度を引き上げたシールドに騎兵級の刃を防がせ、影から飛び出してきた突撃兵級をライフルでいなして背後の射撃兵級にぶつける】
《BOOSTER UP》
【ブースターの出力を上げ、作られた隙間が塞がれる前に突き進みきり、強烈なGを覚悟して方向転換。重装兵のレーザーをギリギリでかわし、お返し兼目眩しとして光の柱をぶち当てながら急上昇】
「……ちょっと酔ったかな」
【搭載AIに算出させた安全圏まで退避したところで、席近くに置いてあった酔い止めの錠剤を飲み干しながら、AIに近くの補給所までの最短ルートを算出させた】
【── エイダン・リー 生存/Syringe's 損害軽微】
【── 兵装 掌部ビーム砲のみ】
- 175龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 17:08:51
- 176ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 17:12:42
『大佐、最後の予備バレルです』
OK、本体がぶっ壊れたって良い
ここで出し渋るより、コロニーを取り返した方が利益があるからな
X-666のリミットを外してくれ
『良いのですか? バリアで熱を軽減したとして、それでも余波に充分のリスクがありますが』
良いんだ
ここでごちゃごちゃ考えるより実行に移すぞ
『……了解』 - 177二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 17:14:39
- 178イゴール◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 17:16:25
『良いって事よ!儂ら十七機、鈍間を抑えるくらいの仕事はしてやるとも』
【重装甲級が互いのビーム射出孔を向き合って弱点を隠してゆく。的確に射出孔に機関銃を叩き込んで撃破してくる戦闘機部隊への対策だが、守るだけでは地上への支援も出来まい】
【───────────だが、“統率個体”はそんなに甘くはないとイゴール軍曹も長年のインベイド戦で理解している。何か仕掛けてくるだろうと敵群を睥睨し、】
『二機撃墜!地上支援よりも俺達の排除を最優先にしているぞ、イゴール!』
『分かっている!つまり儂らが囮として機能する間は地上への攻撃を抑えられるという事だろう!』
【互いのビーム射出孔にビームを照射して自爆し、爆散した装甲の破片で戦闘機を撃墜した。空中に浮かぶ二連結の重装甲級は全て地雷にも等しい】
【だが距離を離せば地上への砲撃を再開する。戦闘機部隊は地雷原の上でのタップダンスを強いられている】
(…………同じ“捨て駒”であってもこうも違うか。忌々しい外星体共めッ!)
【片や超音速で飛行しながら僅かな一点へと的確に機関銃を叩き込めるパイロット、片や幾ら倒しても倒しても量産されるコストの軽い大型種】
【パイロットの育成に必要な費用と時間を考えれば目眩がする程の費用対効果だ。しかしそれでも使わざるを得ない──────そうしなければ地上へと氾濫する群体を抑え切れない】
『どうにか“ソドム”を奪還してくれよ………!』
【絶望的な戦いに、イゴール軍曹は身を投じた】
- 179ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 17:18:33
《ふ…剣はいい、鋭ければとっても》
【僅かに柔らかな雰囲気を感じさせるウルヴィの返答は、オルフェリアへ親しみを滲ませたものだ。挟みうちを狙う突撃兵級を跳躍して回避し、落下と共に突き刺す。その着地を狙って突進してきた騎兵級のブレードの軌道を逸らすように横から叩いて、勢いのままに回転斬りで胴を薙ぐ】
《傭兵は節約が大事だから。“保たせる”よ》
【ブーストは最小限かつ効率的に。補給が無い?撤退ができない?傭兵ならそんなのは当たり前だ。企業の正規パイロット様とは違って、後ろ盾や仲間なんて期待できないオンリーロンリーが傭兵たちの戦場なのだから】
《いざとなれば…とっておきもあるけどね》
【BESTIAの背にある巨大な鎖鋸。外せばより身軽になれるはずのそれはウルヴィのジョーカーだ。独立した制御系統のため、中にはこいつのためだけのジェネレーターがあり、一時的だがエネルギーを回復させることができる。最も長続きはしないし、機体側に燃料が残っているなら寧ろマイナスになりかねない燃費の悪さをしているのはご愛嬌というものだ】
- 180逆巻カンナ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 17:31:18
「独立型戦闘支援コンピュータ。通称、S.C.S.S.C(Stand alone.Combat Support. System.Computer.)」
「……対インベイド戦争初期に作られているから、基本は桜空のものと変わらないね」
それは大前提だった。
その次が、問題だった。
・・・
「けど、アレは本来戦略級の判断と情報支援をBFパイロットと行うために作られていたんだ。人の心がない怪物に勝つために」
「とある企業がそれを開発しようとして……たった数基の試作を終えた時点で破産。技術もロストした」
だからそのあまりにも割に合わなさで、後継でも再度開発計画は凍結。
何よりその演算能力は、大多数の人間が集まる知恵と比べれば、未来予測の精度も低すぎた。
「その結果、アレは機体制御というより戦局分析や、情報支援、自己学習に特化している」
「インベイド殲滅と、パイロットの生存。 どちらも達成するためなら」
「自分で学習し、演算した結果をパイロットや周囲に提案する」
「そしてあらゆる収集した情報で、行動結果から予測できる人類の勝率とその変動を、パイロットに伝えるシステムなんだ」
龍影からの、『蒼風の増設を外すべきだ』という提案に、カンナは頷いた。
- 181龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 17:44:49
「パイロットへの情報支援特化…前線で戦う機体に入れるもんじゃないわね…でもケイはあれに依存した戦況判断をしてる…離すべきか?」
そう思案を巡らせていると龍影の持っている携帯が鳴る。
整備長からのメッセージだった。
「チャオレン、スタンディング。」
化粧直しが終わったという内容だった。
「すいません、CEO。チャオレンの補給が終わったので戻りますね。」
一礼してから、龍影はチャオレンへ走る。
- 182ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 17:49:22
- 183逆巻カンナ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 17:50:52
「正解はちょっとわからないね……たぶんだけど、アレに救われている場面はケイも相当あるはずだから」
同じく思案しているカンナだったが、チャオレンの補給が終わったという言葉に頷く。
「分かった。できればだけど、ケイと一緒にいてやってほしい。私も、あの子のことは弟みたいに思っているからね」
走っていく龍影にそれだけ告げて。カンナも蒼風のもとへ戻った。
「◯班長、蒼風の左ハンガーを撤去して。ガトリングも」
表情が冷たいものに変わる。 整備をほぼ終わらせた段階での命令に困惑する◯班長。
「やるんだ。やらないと蒼風はこの戦闘すら保たない」
コンストラクターとしての、有無を言わさない声だった。 - 184ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 17:51:52
- 185オルフェリア◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 17:52:44
- 186ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 18:00:38
「ぅ……ぅ……」
《おはようございます、ケイ。予測睡眠時間は45分です》
全く寝れてないな。とぼやきながら。ケイは全身の体をほぐし始める。
頭が霞がかっていた。
《ブドウ糖補充タブレットの接種を推奨》
「……ああ、そうする」
ふらつく手を伸ばして、タブレットを3錠口の中に飲み込む。 疲労で噛む力もないので、水で強引に流し込んだ。
少しだけ霞が取れたような気がする。
「ケイ、蒼風の整備率はどうだ?」
《現在95%まで進捗が進んでいます。それと、王龍影と逆巻カンナが会話をしていました》
「龍影さんとカンナさんが? なんで??」
蒼風についての話をしているようです。というスイの言葉に。ケイは疑問しかなかった。
この機体は既にカスタムし尽くされている。 問題があっても自分の腕でねじ伏せてきた。
《それと、逆巻カンナの命令で左ハンガーとガトリングが撤去されました。右ハンガーの高周波刀は無事です》
「は!?!?」
驚く間もなく。スイはなにか信号を受信したようで。
《回光通信を受信……返答。現在ゴモラは合同部隊呼称 ”奈落” へと落下。
クロノス社BFソロネとデスペラード保有BFベスティアが二機での追撃を行いました》
《ソドム奪還作戦は膠着状態。奈落からのインベイド出現速度も上昇中》
《ナギエ・ランセルのBF アリオールと判断。 貴方には、奈落からのインベイド迎撃、またはソドム奪還作戦への参加を提案します》
《返答は不要です。 貴方にとって、悔いのない選択を》
電子音声はそれだけを言い残し、通信を切った。
- 187イゴール◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 18:06:54
『───────良いだろう!』
【既に十六機が墜落している。共に地獄の如き戦場を駆け抜けた長い付き合いの戦友だ。だがイゴール軍曹には自らの手で敵討ちを果たそうと逸る気持ちはなかった】
『任せたぞ、若いの!行くぞ相棒!』
【銀色の閃光が空を駆ける。一分一秒でも時間を稼ぐ為に、たった一人の戦いが始まった】
- 188ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/04/04(金) 18:12:45
『これよりX-666を再度放ちます。作戦概要はただ一つ、それまでに生き延びてください。以上』
メビ、チャージはどんぐらいだ?
『残り50%です』
電磁バリアは?
『残り3秒、先の包囲網でだいぶ消耗しましたからね』
良いね……成功しようが失敗しようが俺はここで撤退か
単純明快で分かりやすいね - 189龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 18:18:19
「遅いぞ、王。男を気にかけるのも良いが自分の体も心配しろ。」
整備長に文句を言われる。
「ごめんて。あ、整備長。納入機決まったよ。」
謝罪と次の相棒についての話題を同時に行う。
「ほう、何に乗るんだ?」
整備長は劣悪な整備性であるスパイスフレームからおさらば出来ると期待した。
「逆巻の廉月。それのハイエンドモデルを私用にチューンしてもらう。」
そう言って龍影は座席に座り、ハッチを閉める。
「あっおい!バカヤロっ!なんでそんなもんに!」
整備長は嘆き、怒鳴った。逆巻の月風を整備した事があるからだ。あの時にいた連中はその独特な構造に頭を抱えたものである。
「システム…オールグリーン。」
整備長の嘆きを無視し、チャオレンのチェックを終わらせた龍影は目の前で起動し、辺りを見る蒼風を見た。
「おはよう、少年。」
カラッとした声色で挨拶をする。
「前線張ってる連中と交代したら本格的な侵攻になる。密接戦闘になるだろうから戦闘の阻害をしない為に左ハンガーを外して貰うように逆巻に頼んだの。ごめんなさいね。」
ケイには申し訳ないが少し嘘を含んだ説明をした。
- 190ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:21:25
「届いたのか…目の良い人がいるなぁ。それで返答不要、ね。…理屈だな」
『情報感謝、返答不要を承知の上で返答する。ありがとう』
【見てはいないだろうが関係ない。助けてもらったらありがとう。理屈ではなく絶対だ】
【コックピットを比較的安全帯で降ろしたのち、左右のホイールが互いに回転。視線の先には敵の湧く大穴、奈落】
「インベイドの連中も地下暮らしか……。仲良くなれる気がするな!!」
【脚部を大きく開き、片手を降ろす。前傾姿勢となったアリオールに前進を目一杯のアクセルで伝える】
「アリオール、発進!!」
【誰も聞いちゃいない発進報告。だがアリオールは聞いている。そして何より自分も聞いている。男はいつだって男の子】
【跳躍するかの如く加速した機体が奈落へと飛び出す。次の瞬間には機体を揺らす重力の音。】
【ソロネとベスティア。所謂"エース"と呼べるBF乗り。しかし無補給の筈、だから万が一の可能性を潰しに行く】
「……着いた時には終わってるかもだけど!」
- 191ランセル◆hFOUpFQqt.25/04/04(金) 18:25:26
- 192ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 18:33:26
「あ、そういうことなんですね」
ケイの理解は早かった。
近接戦闘がメインになるなら、ガトリングと左ハンガーが増設されている状態での蒼風は流され放題で操縦しにくいったらありゃしない。
「ありがとうございます。本来なら俺から言うべきなのに……」
《さすが、王龍影と逆巻重工CEOです。的確な判断に感謝します。》
ケイもスイも、戦場を知る経験者の判断というものには常に信頼を置くことにしていた。
(やはり人類は素晴らしい。私の提案など軽く上回る事が起きる)と、スイは電子上で興奮を抑えられていない。
《返答を確認……律儀な方ですね》
《では、こちらからも……私はスイ。独立型戦闘支援コンピュータ……貴方の生存を、心より望みます》
- 193ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/04/04(金) 18:41:33
《了解。ならそれまで生きてないとね》
アドバイス
【好機が来る。鋼鉄の天使の啓示を素直に受け取って、漆黒の獣はそれに続く。一閃、回避、弾いて反撃、ステップを踏むようなブースト、勢いをつけた突き。鬼神の如く前を切り開くオルフェリアとはやや対照的に、ウルヴィは静と動を織り交ぜて彼女に邪魔が入らないことを優先する】
【節約したところでBESTIAはどう足掻いても有限。しかしソロネは“回収”により、倒せば倒した分だけ進む力を得られる。ならば自らがすべきは、道を作れるオルフェリアを最大限に活かすことだ】
【それでも持つかは怪しい。であればより効率化する他に無い】
【当然だが、人間の脳は人間の肉体を動かす為にある。どんな強化施術をしたってそれは変わらず、人間の身体に似せただけの鉄の塊と脳みそはどう足掻いてもミスマッチしてしまう。故にBFの神経制御と言えど、システム側で補正がかけられている。むしろ補正に適合してより滑らかに動かすのが、最新の神経制御システムが目指す道だ】
【だが補正はその挙動を最適化するアシストをしてくれても、直接動かしているわけではない。最小限で良い動作すら安定するためにスラスターを吹かして姿勢を保ってしまうこともある】
《『機体OSへの侵入、成功。姿勢制御補正、出力制御補正、火器管制システム、駆動トルク制御補正、0%まで低下」》
《エルガレイオン・システム、機体掌握》
【機体の一挙一動を完全制御化に置く代わりに、全ての負荷を負う。旧世代の強化施術が廃れたその理由は、パイロットが機体に殺されるためだが───限りなく純化したそれを、迷いなくウルヴィは使うことにした。COMボイスと自身の声が重なっていることにすら、気が付かないままに】
- 194龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 18:46:09
- 195ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 18:51:53
- 196イゴール◆OXAm1h6odk25/04/04(金) 18:56:10
【連続して響いた爆音の後、銀色の閃光が紅く燃え上がりながら墜落する──────イゴール軍曹の死によって、マキシム准将率いる精鋭戦闘機部隊は全滅を果たした】
- 197龍影◆9BZ6kXGcio25/04/04(金) 19:00:06
- 198ケイ◆ECPjTIh3Iw25/04/04(金) 19:04:14
「そうなんですね……じゃあいい機体を作ってもらわなきゃな。 ケイ・サヤギリ!蒼風、出ます!!」
《Cv-k7改『蒼風』 出撃します。 本機の作戦目標は……砲台ソドム奪還作戦の前衛です》
高音を響かせながら蒼風は宙に浮き、重低音を放った瞬間に加速して前線へ向かう。
その速度はチャオレンの少し前方。これが蒼風本来の速度だった。
- 199エイダン◆Fd5AlHEdkk25/04/04(金) 19:26:06
《やあ、Mr. 勞。先ほどの通信では世話になったね。礼として護衛に志願させてもらいたいんだが、構わないかな?》
【熱冷ましを終え、兵装を更新したことで元の冴え冴えとした迫力を取り戻した白銀のBFが、サンダータイガーの上部後方に着く】
【個人通信から、いつも通りの軽薄な調子をわずかに取り戻した声が入る。『構わないか』と聞いているが、実際は構うと言われてもするつもりだ】
【長年にわたって培ってきたBFパイロットとしての経験が、インベイド達がこの強撃を順調に発射させてくれるわけがないと訴えていた】
- 200二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 19:53:30
蒼色と赤胴色の2機は外壁の部隊との合流を目指す。作戦開始から5時間。参加したBFの4割以上が既にロストしているが、人類の合同軍はまだG-3コロニーに入れていない。