【SEED子世代SS閲覧注意】人口問題を解決しちまったぜ3

  • 1125/04/03(木) 22:01:04

    ディアミリ息子「……と思ったら実はまったく解決してなかったんだけどな!!
    でもそれってもしかして、人口問題を利用しようとする奴らがいるからじゃないのか?」


    ※種シリーズ子世代コラ画像を使用したifSSスレです。
    ※他子世代スレの設定は一切踏襲していません。このスレのみで閲覧いただけます。
    ※本編カプは固定ですが、その他本編では結ばれなかった組み合わせの子世代キャラが出てきます。
    必ず1スレ目の注意事項をお読みの上、地雷かどうか判断してからの閲覧推奨です。
    ※話の都合上、オーブの警備はザルです。
    ※ダイスはほぼありません。

  • 2125/04/03(木) 22:02:03
  • 3125/04/03(木) 22:03:22

    ※子世代スレって何だよ


    種シリーズのキャラの子どもを想像したコラ画像やSSから始まったロボカテ概念。

    くどいようですか、今回のSSは他の子世代スレの設定を一切踏襲していません。


    子世代総合現スレは↓

    【集団幻覚・一応閲注】SEED子世代画像・雑談スレ Part3|あにまん掲示板地味に需要がありそうだったので画像貼り付け、雑談等にどうぞスレ画はトンチキメカを作ってくれそうなハインライン娘さんbbs.animanch.com
  • 4125/04/03(木) 22:04:29

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 1/6】

    ディアリオ・エルスマン


    生物学上ディアッカ・エルスマンとミリアリア・ハウの息子。

    ハーフコーディネイター。

    ザフト軍人MSパイロット。16歳(成人)。


    後述の、アルミリオ・ノイマン(ノイミリ)とは正真正銘同じ母親から産まれた『異父二卵性双生児』。

    父親の爽やかな男らしさと母親の愛嬌を受け継いだ、フェブラリウス市きっての快男児兼重度のブラコン。

    音楽は流行りのアゲアゲ曲しか聞かない。

    イザホ・ジュール(イザシホ)とは幼馴染。


  • 5125/04/03(木) 22:05:25

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 2/6】

    アルミリオ・ノイマン


    生物学上アーノルド・ノイマンとミリアリア・ハウの息子。

    ナチュラル。

    来月からオーブ軍人。16歳(未成年)。


    ディアッカ・エルスマンの息子であるディアリオ(ディアミリ)とは正真正銘同じ母親から産まれた『異父二卵性双生児』。

    父親の操舵能力と母親の現場判断能力を受け継いだ、オーブ軍期待のルーキー兼ド天然。

    母親譲りの料理の逆才能に加え、母親の料理を食べ続けた結果味覚も特殊になった。

    アスハ家のカズラ(アスカガ)とは幼馴染。


  • 6125/04/03(木) 22:06:49

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 3/6】

    イザホ・ジュール


    イザーク・ジュールとシホ・ハーネンフースの娘。

    第三世代コーディネイター。

    ザフト軍人MSパイロット。17歳(成人)。


    ディアリオ(ディアミリ)とは幼馴染で、ザフトの同じ隊に所属している。

    ディアリオに恋心を抱いているが、上手く成就できるか不安でお悩み中。

    今回の頭脳担当なので、居なくなった途端にディアリオが途方に暮れる。


  • 7125/04/03(木) 22:08:05

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 4/6】


    カズラ・ザラ・アスハ 


    アスラン・ザラとカガリ・ユラ・アスハの娘。

    ハーフコーディネイター。民間人。

    15歳(コーディネイターの遺伝子を持っているがオーブ国民のため未成年)。


    アルミリオ(ノイミリ)とは幼馴染で、母親同士がよく交流するため自然と一緒に遊ぶようになった。

    アルミリオに淡い恋心を抱いている。

    好きなモビルスーツはバクゥ。


  • 8125/04/03(木) 22:10:54

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 5/6】

    レミー


    ハーフコーディネイター。

    民間人。20歳(成人)。


    一応秘密裏に大戦を生き延びたレイ・ザ・バレルとミーア・キャンベルの息子。

    本名・出自・その他あらゆる情報が一切不明の新人男性アイドルとしてSNS上で活動している。

    まだオリジナル曲を発表したことはなく、いつもミーアやラクスのカバー曲をライブ配信していた。

    ちなみにチャンネル登録者数はdice1d4=2 (2)

    (1.千人 2.5千人 3.1万人 4.100万人)


  • 9125/04/03(木) 22:12:49

    【このSSに登場する主な子世代キャラ 6/6】

    アズリナ・アズラエル


    ナチュラル。

    民間人。29歳(成人)。


    今回の悪役。

    元ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルの娘。

    ロゴス後継団体・企業グループ『ブルー清浄なるモために』の経営者。

    父親からビジネスマンとしての一面を強く受け継いでおり、コーディネイターさえも金儲けに利用する強かな性格を持つ。

    本筋とは関係ないが、オーブ製品の密輸とかやってる。


  • 10125/04/03(木) 22:13:22

    3スレ目の準備もできたので、本日はここまで
    明日はまた19時過ぎには投下できそうです

  • 11二次元好きの匿名さん25/04/03(木) 22:20:15

    たて乙
    紹介文が徐々にアップデートされてる

  • 12125/04/04(金) 07:49:41

    朝あげ
    もう半分は過ぎたので、上手くいけば4スレで終わりそうです

  • 13二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 09:59:40

    前スレの双子のおじいちゃんてタッドさんのことか

  • 14二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 11:42:34

    SS本編が終わったら親世代を含めた双子の日常編も見てみたい気はする

  • 15125/04/04(金) 12:26:04

    お昼あげ
    完結まで進んだ後、残り書き込み数が余ってたら完全アドリブで日常編もちょろっとやろうかなと思います
    元々子世代ネタは皆で作っていくものなので、別に同設定でスレ主以外のどなたかが書いてもいいのよ

  • 16二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 15:35:44

    アルミリオ君は多分ノイマン家の祖父母には会えないのかな
    でもハウ家とエルスマン家の祖父母からは可愛がられてそう

  • 17二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 17:07:12

    自由の時点では大西洋連邦とも敵対していないし、ノイマンはオーブ在住だろうけどたまに里帰りしてるんじゃない?
    まだ家族が生き残っていれば

  • 18125/04/04(金) 19:18:12

    またちょっと仕事が長引いてしまったので、今夜の投下は20時前くらいになりそうです
    新社会人の方はぜひ、料理や掃除等家のことをやると同時にあにまんにSS投下している狂人が居るという事実に安堵しながら読んでね

  • 19125/04/04(金) 19:58:26

    なんとかそろそろ投下していけそうです
    双子の祖父母事情については、最初はアルミリオ(ノイミリ)の存在をタッド氏は受け入れなかったけど、
    いざ産まれたら可愛くてころっと良いお爺ちゃんになった……というくだりを入れていたのですが本筋と何も関係なかったのでカットしていました
    このSSの時点では両家の祖父母含めてみんな仲いいイメージです

  • 20125/04/04(金) 20:01:53

    前スレ198の続きです
    --
    ディアリオ「許せねぇぜ!
    アズリナ・アズラエル!!」ダッ

    カズラ「っ!?」

    カズラを押しのけ、ディアリオは怒りに任せ力の限り扉をぶん殴った。

    レミー「えっ、ちょっ」

    すると、先ほどのカズラからのパンチと合わせて効いたのか、ゆっくりと扉が向こうへ倒れていき……

  • 21125/04/04(金) 20:05:30

    レミー「うわっ、わわっ、ほにゃあああああああ!?」ガシッ

    体に扉が覆いかぶさってきたので、レミーはとっさに両手を上げて扉を支えた。
    が、扉が重すぎるのか、
    扉と地面に挟まれたサザエさんのエンディング状態のまま動けなくなる。

    ディアリオ「しめたっ!
    これで隙間から、この部屋を脱出できるぜっ!」グゥレイトォ

  • 22125/04/04(金) 20:09:00

    レミー「た、助けてー!
    これ重すぎて下ろせないし上げれないんですけど!?!?」ヒィィ

    ディアリオ「うるせぇ!!」ゴソゴソ

    ディアリオが身をよじりながら、空いた隙間から部屋を出る。
    ついでに、扉を支えるはずみでレミーが落とした携帯端末を拾い画面を見る。

    レミー「う、腕が」プルプル

    ディアリオ「こっちはそれどころじゃねえんだよ!!
    やいコラアズラエル! 今すぐそっちに……!」

  • 23125/04/04(金) 20:15:50

    画面を覗き込んだディアリオの目が見開かれる。

    ビデオ通話になっていたようで、揺れる画面の向こうにアズリナ以外の姿が見えたからだ。


    ディアリオ「アルミリオ!」


    アルミリオ「ディアリオ!」

  • 24125/04/04(金) 20:20:37

    しかし顔を合わせたのもつかの間、アルミリオの顔が複数人の手に覆われ、やがて画面も真っ暗になった。

    通話が切れたらしい。


    ディアリオ「アルミリオ……」


    どうせ通話記録は残っていないに違いない、とディアリオは端末を床に叩きつけ、

    通路の向こうへ顔を向けた。


    ディアリオ「ちっ、騒ぎを聞きつけた奴らがこっちに向かってきそうだ。

    ここにアズラエルがいねえならもう用は無い、行くぞカズラ!」

  • 25125/04/04(金) 20:27:34

    ディアリオの言う通り、通路の向こうから作業員の話し声が聞こえてくる。

    ディアリオ「幸い、この建物に居る人数は少なかった。
    反対側へ走って外に出れば、ぐるっと回ってなんとかボートまで戻れそうだ」

    駆けだそうとしたディアリオが、ぎょっとして足に急ブレーキをかける。
    カズラが、レミーの側から離れようとしない。

  • 26125/04/04(金) 20:31:13

    ディアリオ「カズラ!」


    カズラ「けど、レミーをこのまま放ってはおけない……!」


    カズラは、いまだ扉の下で踏ん張っているレミーへと手を伸ばした。

  • 27125/04/04(金) 20:37:48

    カズラ「君も来い、レミー!」

    レミー「はぁ!? どうして……」プルプル

    カズラ「君がこの手を取れば、私が扉の下から引っ張り出す!
    だから!」

    レミー「けど、アタシはアナタ達を騙して」ガクガク

  • 28125/04/04(金) 20:43:14

    カズラ「さっきの、アズリナ・アズラエルの話を君も聞いていただろう?

    あの女は君のことも、利益のための駒程度にしか思っていない。

    奴はそういう人間なんだ!」


    レミー「わ、私はアズリナさんからお金を……」


    カズラ「言うことを聞けばお金がもらえるって?

    そうして君がオリジナル曲を作っても、きっとアズリナ・アズラエルにとって都合のいい歌詞になるだろうな。

    それは本当に、君の歌と言えるのか!?」


    レミー「…………」

  • 29125/04/04(金) 20:50:29

    カズラ「だから、一緒に!」

    ディアリオ「駄目だカズラ、もう立ち止まってる暇はねえ!」ガシッ

    ディアリオはカズラの腕をつかみ、無理やり引っ張るようにして走り出した。

    レミー「……アタシは……」

    通路には、重い扉を支えたままのレミーだけが1人残される。

  • 30125/04/04(金) 20:51:51

    ・ ・ ・


    ディアリオ「あった、俺達のボートだ!」


    カズラ「よかった、流されたりせず残っていて」ホッ


    追い付かれる前にさっさと島から離れよう、と2人揃ってボートに飛び乗る。

    だが。

  • 31125/04/04(金) 20:55:55

    ボートのエンジンが、つかない。


    ディアリオ「……エンジンがウンともスンとも言わねえ……」


    カズラ「なにっ!?」

  • 32125/04/04(金) 21:00:02

    カズラ「お、おい私に貸してみろ! ええい動け!」バンバン

    ディアリオ「わっ馬鹿、乱暴するなって!」

    ボートのエンジンがなかなかかからない。
    壁を蹴りだしてなんとか島から2メートル程度は離れられたが、これ以上は波のせいで進みそうもない。

    ディアリオ「ったく、アルミリオあるならこういうの得意なのによ……!」

    そうこうしている内に、作業員の走る姿が迫ってくる。

  • 33125/04/04(金) 21:16:08

    何故かさっき数分だけ規制された……急に途絶えたらすみません
    --
    ディアリオ「くそっ、奴らなんか棒を持ってやがる!
    ボートを引き寄せて、俺達を捕まえる気だな」

    いくら武器を持っていようとナチュラルの民間人相手なら、
    ハーフコーディネイターの軍人であるディアリオには脅威ではない。
    しかし、ここにいる作業員達も犯罪者かどうかは分からない。

    ディアリオ「むしろ不法侵入したのは俺達のほうだし、暴力で解決するのは……チクショウ」

  • 34125/04/04(金) 21:19:41

    それでも、ディアリオはカズラを守らなくてはならない。

    ディアリオ(エンジンがかかるまで、追手を殴って時間を稼ぐしかないのか……?)

    ディアリオは覚悟を決めるように、ぎゅっと唇を噛んだ。

    ディアリオ「……っ!」

    だが、唐突に目の前で大きな波音が立ち、思わずディアリオがのけ反る。

  • 35125/04/04(金) 21:25:48

    目の前に、あまりにも大きな青黒い手が降ってきていた。

    カズラ「きゃあっ!」

    波音と共に水しぶきが弾け、尻もちをついたカズラをかばう様にディアリオが背中で水を受ける。
    一体なんだ、と見上げると、やはり巨大な顔と目が合う。

    ディアリオ「モビルスーツ……!?」

  • 36125/04/04(金) 21:28:18

    ディアリオは波に揺られながら、なんとか状況を確認するため辺りを見回した。

    ディアリオ「ボートと建物の間に、このモビルスーツが……手刀を入れたのか?」

    黒いモビルスーツが、上半身を水面から出しながらこちらを見ている。

    カズラ「そ、そのおかげで、追っ手が私達を見失ったようだが、誰が?」アセアセ

  • 37125/04/04(金) 21:34:16

    レミー「いやーん、本当はボートを持ち上げるつもりだったのにーっ!」

    ディアリオ「は?」

    モビルスーツから、知った声が聞こえる。
    すると錆びた赤い腹部分の装甲が剥がれ、操縦席があらわになった。

  • 38125/04/04(金) 21:38:20

    カズラ「レミー!」

    レミー「ふふ、助けに来ちゃった……」

    モビルスーツの操縦席の中には、レミーがいた。
    だが操作レバーをてんでめちゃくちゃに動かし、あら?と首をかしげている。

    レミー「動かなくなっちゃった。
    たまたま目についたモビルスーツに乗ってみたら、たまたま動いて助けに来られたけど、
    海水に浸けちゃダメだったみたい!」テヘッ

  • 39125/04/04(金) 21:42:23

    ディアリオ「いやそもそも、何でエネルギーが残ってたんだよ」

    カズラ「どうして、ここに」

    モビルスーツからボートに飛び降りたレミーが、カズラにウィンクを向ける。

    レミー「アタシを大切に想ってくれるファンは裏切れないもの。
    けどこれでアズリナさんの敵になっちゃった、アタシも連れてって!」

  • 40125/04/04(金) 21:44:32

    レミー「さっきの建物を出る時に、別の島の座標が書かれた資料も見つけてきたし。
    ほら、きっとアズリナさんはここよ!」バサッ

    レミーがカズラに、別の島の住所が書かれた資料を渡す。
    そう話している間に、ようやくボートのエンジンがかかった。

    ディアリオ「ああもう、降ろしてる暇はなさそうだな」

  • 41125/04/04(金) 21:47:30

    ディアリオ「言っておくが俺達はアルミリオを探すのが優先で、途中安全な場所へ寄るなんてできないからな!」

    レミー「分かってるわよ、こうなったら最後まで協力するわ。
    アルミリオ君を取り戻すついでにアズリナさんと顔合わせて、しっかりお別れ言わないと、
    アタシだって身の危険を感じるし!」ブルブル

    カズラ「この期に及んでまだアズリナと話す気なのか?
    君も大概大物だな……」クスクス

  • 42125/04/04(金) 21:51:56

    レミー「あっ、そうだ」

    ボートが再び進みだし、小島が遠ざかっていく。
    小島の傍らにある先ほどのモビルスーツへ、レミーはボートの上から大きく手を振った。

    レミー「モビルスーツさん、ありがとーう!
    いきなり海に浸けちゃってごめんねーっ!」

    ディアリオ「……ってかアンタ、モビルスーツの操縦できたのか?」

    レミー「えっ? ううん、乗ったら勝手に動いたの。
    電源も入ってなかったのに、不思議よねー?
    でもあの背中にいっぱい角がついてるモビルスーツ、アタシ気に行っちゃった」ルンルン

  • 43125/04/04(金) 21:54:02

    【オノゴロ島 ザフト戦艦内】


    オイキイタカ ディアリオノヤツ ショクアタリダッテ

    ヘー ヤッパハーフハイチョウガヨワインダナー


    イザホ(ふう、ディアリオの不在についてはなんとか誤魔化せたわ。

    でも、早く帰ってきてくれないと困るのよ)


    イザホは戦艦の自室内で、ベッドに腰かけ携帯端末の画面を見つめていた。

  • 44125/04/04(金) 21:57:08

    イザホ(まだ連絡は来ていない。
    もう、今どこで何をしているのよ)ムカムカ

    ため息をつきながら、目を閉じ双子とカズラの顔を思い浮かべる。

    イザホ(……父上、母上。
    私にできることは、ないのでしょうか……)

  • 45125/04/04(金) 21:58:48

    ピピピ


    イザホ「ひゃあっ!?」アワワ


    両手で握りしめていた端末、ではなく机にしまっていた私用の携帯端末から音が鳴ったので、

    イザホはびっくりして持っていたものを放り投げそうになった。

  • 46125/04/04(金) 22:01:35

    イザホ「な、何急に?
    ……ディアリオ!?」ピッ

    私用の携帯端末画面に表示されている発信名を確認し、すぐに通話ボタンを押す。

    イザホ「ディアリオ? ディアリオなのね? 無事なの、アルミリオ君は? カズラちゃんは?」

    ディアリオ「おいおい、矢継ぎ早に聞くなよ。
    事態はまだ何も好転してないって」

    イザホ「今、どこに?」

    ディアリオ「海の上だよ。
    最初行きあたった場所がハズレで、そんじゃ次試してみっかてところだ」

  • 47125/04/04(金) 22:14:26

    もうちょっと投下できるかなと思ったけど別の用事がばたばたしてきたので本日はここまで
    イザホ(イザシホ)パートが終わったら終盤戦です

  • 48二次元好きの匿名さん25/04/04(金) 23:22:44


    レジェンド・・・

  • 49二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 08:06:50

    レイが見守ってくれてたのかな

  • 50125/04/05(土) 09:51:04

    はっきり書いてなかったけどレジェンドだと伝わったようでよかった
    今日は10時過ぎから昼前までまた投下していきます
    イザホ(イザシホ)パートの続きです

  • 51125/04/05(土) 10:01:25

    46の続きです

    --


    ディアリオ「カズラも無事だ、ボートの上で落ち着いてるよ」


    イザホ「そう……2人とも無事なら、ひとまず安心したわ」ホッ


    ディアリオ「ん。

    まだすぐには、戻れそうにもねえけど」


    イザホ「ならどうして電話してきたの?

    ……ああ」

  • 52125/04/05(土) 10:05:11

    私がディアリオの不在について上手く誤魔化せたかを気になっているのね、

    とイザホは自分の想像に眉尻を下げた。

    だが、次のディアリオの言葉を聞いて自然と背筋が伸びる。


    ディアリオ「お前に嘘つかせたこと、謝りたくってさ」

  • 53125/04/05(土) 10:10:34

    イザホ「……嘘?」

    ディアリオ「だってほら、俺が艦にいない理由をでっちあげてくれたんだろ」

    イザホ「あ、ええ、そう。
    腹痛でトイレから出られないってことにしているから。
    どれだけ責めても誰も他人の排便は止められないという原理を利用したトリックよ」
    ※お食事中の方スミマセン

    ディアリオ「そ、そっか。
    お前、いつもそういう、ルール違反を誤魔化すような嘘つくの嫌いだよな。
    ゴメン」

  • 54125/04/05(土) 10:16:30

    ディアリオ「もし今から行く島にもアルミリオがいなかったら、明日までに戻れないかもしれないしさ。
    今更だけど、それ込みで謝っとく」

    イザホの脳裏に、別れ際にディアリオから言われた言葉がよぎった。
    頬が赤くなるが、ディアリオは発言のことなど意に介していないようだ。

    イザホ「…………ふん」

    ディアリオ「あ、怒ってら」

  • 55125/04/05(土) 10:19:53

    イザホ「怒るに決まっているじゃない。
    私1人に謝ったって、貴方の行動は許されるべきではないわ。
    ザフトとして、誉れあるプラントの教育を受けた者として、勝手な単独行動は論外」

    ディアリオ「うん」

    イザホ「いざとなれば、父上や議長にかけあって貴方の問題行動をもみ消すこともできる。
    でも、それは軍人の魂を汚す……えこひいきというものよ」

    ディアリオ「おぉ」

  • 56125/04/05(土) 10:24:22

    イザホ「貴方、私の話ちゃんと聞いてるの?」


    ディアリオ「聞いてるよ、えーっと」


    スピーカーの向こうでディアリオがニヤニヤと笑っている気がして、イザホは眉をひそめた。


    ディアリオ「いつも俺の事心配してくれて、ありがとな」

  • 57125/04/05(土) 10:29:26

    イザホ(私の気も知ら……じゃなくて、私の気持ちを知ってたくせに!!)


    ディアリオ「で、ものは相談なんだけど」


    急に相手の声のトーンが変わり、イザホが首をかしげる。

  • 58125/04/05(土) 10:36:47

    ディアリオ「別に協力しろとは言わねえからさ、アドバイスくらいはくれねえかなー……って」

    イザホ「ア、アドバイス?」キョトン

    ディアリオ「いや、やっぱ頭脳担当のお前がいないとテンポ悪いっつか。
    もし次の場所にアルミリオがいたとしても、
    また行き当たりばったりなアクションしかできないだろうなってさっき話しててさ」

  • 59125/04/05(土) 10:41:42

    ディアリオ「相手にゃ仲間もいるみたいだし。

    次の場所に着いたら建物の様子や人の動きを伝えるから、

    どう攻略したらいいかアドバイスを貰えると、かなり助かる」


    イザホ「…………それも、私が貴方を好きだから手伝ってもらえると予想しての台詞?」


    ディアリオ「え? いやだってそれは事実じゃん」サラッ

  • 60125/04/05(土) 10:46:54

    イザホはキーッ!と金切り声を上げて端末を壁に叩きつけようと思ったが、

    スピーカーの向こうから

    『この馬鹿野郎! 乙女心の分からないやつ!』

    『サイッテー! 恋愛マンガを500冊読みなさいっ!!』

    という声と、ディアリオがポコスカ殴られる音が聞こえた。


    イザホ「…………」ポカーン


    そして、そのまま通話が切れる。

  • 61125/04/05(土) 10:52:24

    イザホ「本当に大丈夫かしら、ディアリオ達」

    正直電話を貰っても特に何かが解決した訳ではない上、不安が募っただけだったが、
    それでも声を聞けて良かった。
    と思うことにして、イザホはベッドに倒れこんだ。

    イザホ「……私だって、正しいと思うことを手伝いたいわよ……」

  • 62125/04/05(土) 11:00:38

    【6年前 オーブ】

    双子がまだ、今よりもずっと背が低かった頃。
    ディアリオがオーブの家に泊まりに来た時は、
    いつもアルミリオのベッドで2人一緒くたに寝かされていた。

    ディアリオ「わっ!」ガバッ

    真夜中、怖い夢を見たディアリオが汗をかきながら飛び起きる。

  • 63125/04/05(土) 11:05:35

    ディアリオ「こ、怖い夢だった……」ドキドキ

    アルミリオ「ディアリオも?」

    ふとディアリオが横を見ると、アルミリオも同じ顔をして飛び起きていた。

    アルミリオ「僕も、す、すごい怖い夢を見たから」ドキドキ

  • 64125/04/05(土) 11:13:14

    ディアリオ「く、首のないお化けが」ペタペタ

    アルミリオ「僕達のすぐ後ろに、立っていて」ペタペタ

    恐怖を誤魔化すようにうっすらと笑みを浮かべながら、存在を確かめるようお互いの顔を遠慮もなく触る。

    アルミリオ「へ」

    ディアリオ「へへ」

    ディ・アル「「へへへへへへ……」」ペタペタ

  • 65125/04/05(土) 11:16:57

    ディ・アル「「……すっげー!! 俺達、テレパシーが使えたんだ!!」」

    早く寝ろ!と、父親のどちらかの声が階下から聞こえ、
    とっさにそれぞれ相手の口を塞ぐ。

    だが、同じ夢を見たことへの興味が恐怖よりも勝ってしまった子ども達は、
    すぐにまた布団にもぐり小声で話し始める。

    アルミリオ「こ、これって、やっぱりテレビとかで見るような」

    ディアリオ「双子の以心伝心ってやつ? 信じてなかったけど、本当にあったのか……」ゴクリ

  • 66125/04/05(土) 11:23:00

    ディアリオ「でも、そういえば、確かに。
    もっと前にも一度、テレパシーみたいなことしたよな? 俺達」

    アルミリオ「え? いつ?」キョトン

    ディアリオ「ほらえーっと、カズラがさ、なんかいなくなった時。
    俺達で探しに行こうぜみたいな話になった後」

  • 67125/04/05(土) 11:29:02

    アルミリオ「……?
    そんなことあったっけ?」

    ディアリオ「あん時カズラんちにあるボートに試しに乗ってみたら、思ったよりアルミリオが運転できちゃって。
    で、カズラを探しに無人島へたどり着いたら、俺達も迷子になっちゃって」

    アルミリオ「小さい頃の僕達、やりたい放題だな。
    でもそれが、何でテレパシーの話につながるの?」

  • 68125/04/05(土) 11:33:11

    ディアリオ「俺達も、たどり着いた先でバラバラになったんだよ、たしか。
    けど……ちゃんとお互いを見つけられたんだ」

    アルミリオ「テレパシーがあったから?」

    ディアリオ「うん、はっきりとは覚えていないけど。
    そういえばあの時、俺、誰でもいいから助けて~! って祈ってた気がする。
    そしたら誰かの声が聞こえて、それからアルミリオを見つけたんだ。
    今思えば、もしかしたら、それって」

  • 69125/04/05(土) 11:37:08

    【現在 アズリナの所有する建物の小部屋】


    アルミリオ「ディアリオ……」


    一方その頃、アルミリオは先ほどアズリナの携帯端末を通してちらりと見えた、ディアリオの顔を思い出していた。


    アルミリオ(そんな、ディアリオは俺を助けに?

    なんて無茶を、仕事を放って来たというのか)

  • 70125/04/05(土) 11:39:01

    朝の投下は一旦ここまで
    また夕方、多分16時頃に少しだけ投下できそうです

  • 71二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 13:57:10

    子世代スレはだいたい家族仲が良いけど、男兄弟でここまで仲良いのは珍しいかも

  • 72125/04/05(土) 16:36:04

    ぼちぼち、少しですが投下していこうと思います
    この後、『そうはならんやろ』の連続になっていきます

  • 73125/04/05(土) 16:39:53

    69の続きです
    --

    アルミリオ(それに、さっきの通話内容は隣で聞いていたが)

    カズラはディアリオと一緒にいるようだ、ということにアルミリオもようやく気づき、
    頭を抱えたくなるがそれもできない。

    アルミリオ(まさかカズラがアズリナ・アズラエルのもとには居なかったとはな。
    これじゃ俺は勝手に危ない奴について行き、勝手に捕まった男じゃないか)

  • 74125/04/05(土) 16:44:13

    アルミリオは、あたらめて自分の状況を頭の中で整理し、

    不思議と笑みがこぼれた。


    アルミリオ(って、なんで笑ってるんだ俺は。

    ディアリオが来てくれたことを喜んじゃいけないだろ)


    アルミリオ(俺は、もう大人になったと自分では思っていたけど。

    ディアリオの言う通り、まだまだ子どもなのかもな。

    ……それでも手足を縛られている場合じゃあない、自分で逃げ出さないと)

  • 75125/04/05(土) 16:48:58

    アルミリオは建物の一室にて、椅子に縛られ動けなくなっていた。

    目の前では、アズリナが苛立ちを隠さず同じ場所を歩き回っている。


    アズリナ「ああもう、ったく。

    一体どんな手を使ったんです?

    用意された材料で、次々人を倒れさせる料理を作るだなんて!」

  • 76125/04/05(土) 16:54:15

    アルミリオ(さっき通話していた時は、余裕たっぷりといった表情をしていたのに。
    切り替えの早さは流石経営者、なんて考えてる場合じゃないな)フッ

    まったく、と言いたいのはこっちのほうだとアルミリオが苦笑する。

    アルミリオ(不運にも俺の料理を食べた人が次々食あたりを起こして、それを俺が仕掛けた攻撃だと勘違いされて。
    カズラを助けたかったという俺の真意は遅かれ早かれ露見していただろうが、
    もっと上手く事を進めたかったな)

  • 77125/04/05(土) 17:01:51

    アルミリオ「俺は何もしちゃいない、と言っても、信じてはくれないんだろう?」


    アズリナ「ほう、態度が変わりましたね」


    アルミリオ「こんな待遇を受けもすれば、もはや友好的なフリをする必要はないからな」


    蔑む目線で見下ろしてくるアズリナのプレッシャーに、アルミリオは思わず冷や汗をかいた。

  • 78125/04/05(土) 17:06:42

    アルミリオ(この女は、人をビジネスの駒としか思っていない。
    ……だからこそ俺とは修羅場に対する力、言わば格が違う。
    そんな相手に、俺は口先だけで戦って身体の自由を取り戻せるのか?)

    怖い。
    しかし、ディアリオ達がたどり着く前に、事を解決できるのが望ましい。

    アルミリオ(このまま黙って変な動画作りに加担させられるつもりもない。
    試せることは、やるだけやってみるか)

  • 79125/04/05(土) 17:14:31

    アルミリオ(……動画といえば……)

    ここに来る前アズリナから見せられた動画を思い出し、アルミリオの身の毛がよだつ。

    アルミリオ「さっきタブレットに映っていた動画は、その、もうかなり多くの人が見たのか?」

    すると、アズリナは今度はにやりと笑い、アルミリオの頬を扇子でぺちぺちと叩いた。

  • 80125/04/05(土) 17:19:32

    アズリナ「気になりますか?

    自分がどれほど有名人になったか」


    アルミリオ「う……」


    アズリナ「ご安心なさいな、実を言うとあの動画はまだごく限られた取引先にしか見せていませんよ。

    でも貴方の出生はいわゆる公然の秘密なんですから、何人に見られたところでノーダメージでしょう?」

  • 81125/04/05(土) 17:26:20

    アルミリオ「舐めたことを……!」

    精一杯凄んでみせるが、動画がそれほど広まっていないと知り、
    アルミリオは内心ホッとしていた。

    アズリナ「すでにあの低予算動画でかなりの額が動いているので、こちらとしては嬉しい限りですが」

    アズリナが、何やら考え込む素振りで部屋の扉を見つめる。

  • 82125/04/05(土) 17:31:23

    アズリナ「……ふむ、どうせ長期的な利を見込んではいなかったし、
    どうせならもっと派手なショーを見せた方がローコストハイリターンとなるか……?」ブツブツ

    アルミリオ「何がハイリターンだ。
    ……前々から、疑問には思っていたんだが」

    アルミリオは、椅子に縛られたまま無理やり身体を動かして、
    アズリナへ視線を向けた。

  • 83125/04/05(土) 17:37:30

    アズリナ「なんです?」

    アズリナが優雅に首をかしげる。

    アルミリオ「そもそも、どうして俺のような存在が話題になる?
    確かお前は俺を利用して、反コーディネイター感情を高めたり、人口問題で頭を抱えているプラントの人達を慌てふためかせたいと言っていたな。
    そうして議論や疑念を沸き上げて金を動かしビジネスをとするとも」

  • 84125/04/05(土) 17:43:44

    アルミリオ「仮に……俺のどこかしらに、本当にコーディネイターの遺伝子が入っていたとしたら。
    というか、嘘でもそういうことにしたら。
    それはまあ、驚くべきことではあるんだろう。
    なんせ人として産まれる前の胎児が胎盤の違う双子に影響を与えるなんて、聞いたこともない。
    医者ならそういったケースを他に知っているのかもしれないが、少なくとも一般常識としてはあり得ない事象だ。
    けど、それを信じる人がいたとしても」

    しかし産まれるのはせいぜいハーフコーディネイターだろう、
    それがどうして話題を呼ぶ? とアルミリオは続けた。

  • 85125/04/05(土) 17:51:55

    アルミリオ「そりゃ、いずれ噂に聞く人工子宮や、いろんな研究が進み……胎児を並べるだけでナチュラルを純粋なコーディネイターにすることができるようになったら。
    それはナチュラルの遺伝子を組み替えるよりは低コストなのかもしれないし、
    あの手この手でコーディネイター第一世代を地球で生み出せまいとする法規制の目を潜ってコーディネイター人口を増やせるのかもしれない。
    なにより第三世代以降も遺伝子を繋いでいける、かもしれない。
    かもしれない、ばかりだ」

  • 86125/04/05(土) 17:53:10


    アルミリオ「人工子宮の研究がストップしている今あまりにも不確定で、

    ともすればハーフコーディネイターしか生み出せない可能性のある事象が、

    どうしてそんなに話題になると思うんだ?

    ……いや、まあ。

    俺はナチュラルだから、俺達の出生を再現してもハーフコーディネイターすら生み出せない訳だが」

  • 87125/04/05(土) 17:56:36

    アルミリオ「いくら人口問題があるからって……」

    アズリナ「おやおや、貴方の双子、ハーフコーディネイターのほうから聞いていないんですか?」

    アルミリオ「な、何をだ?」

    アズリナ「ハーフコーディネイターは今、すごく、いやとてつもなく、
    プラントひいてはコーディネイター共からの需要があるという話を」

  • 88125/04/05(土) 17:58:38

    一旦ここまで
    また19時過ぎか20時頃に投下していきます

  • 89二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 18:51:48

    乙です

  • 90二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 19:22:21

    このレスは削除されています

  • 91二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 19:22:44

    マメに投下できてるスレ主すごいな

  • 92125/04/05(土) 20:03:34

    コメントとハートありがとうございます!
    20時ちょっと過ぎちゃったけどまた投下していきます

  • 93125/04/05(土) 20:06:42

    87の続きです

    こっからかなり意味の分からない話が続きますが、言いたいことは要するに87で書いた「今ハーフコーディネイターはプラントですごく需要がある」ってだけなので、

    ちょっと何言ってるか分からないってなったらこの後のアズラエル娘パートはささーっと読み飛ばして大丈夫です!

    --

    需要、という単語を聞き、物じゃないんだからとアルミリオが首をかしげる。


    アズリナ「ハーフコーディネイターを生み出せる、かもしれない。

    そのかもしれないだけで、昨今は財を生むのですよ。

    何故だか気になります? ふふ、利益のお礼に教えて差し上げましょうか」

  • 94125/04/05(土) 20:10:15

    アズリナ「とはいえ、今からするお話はわたくしも『そんなのおかしいでしょ』と思うような、
    あくまで一部の人達だけが大騒ぎしているような内容ですよ。
    ……ですが、その一部の人達はプラントに多く集まっているようで」

    アルミリオ「……?」

    アズリナ「貴方の世代の教育では、ハーフコーディネイターの歴史を明るい部分しか教わらないんですかね?」

    一昔前のハーフコーディネイターは禁忌の存在、プラントでもそれはそれは悪い扱いを受けていたんですよ、
    とアズリナはまるで語尾に音符マークが付いているように話を続ける。

    アルミリオ「だけどそれは過去の話だ。ハーフコーディネイターは今はもう、ザフトにだって沢山いる」

  • 95125/04/05(土) 20:14:01

    アズリナ「そう、ザフトにさえ沢山いる。
    ……ハーフコーディネイターの増加を受け入れざるを得ませんでしたからね、プラントは」

    プラントの人口減少を食い止めるためには、ハーフコーディネイターだからと差別をしている場合ではない。

    アズリナ「そうしてプラントの人口を確保したって、当たり前ですけどコーディネイターの人口問題解決にはなりませんよね。
    かつてアコードとかいう連中が起こした騒動以来、我が子をコーディネイターにとプラントへ移住するナチュラルもほぼ消えましたし、第三世代以降も生まれない。
    と・こ・ろ・で~……」

  • 96125/04/05(土) 20:15:43

    アズリナ「コーディネイターって、プライドの高い人種だと思いません?」

    アルミリオ「は?」

    ところで、の前と後で話が変わり過ぎだ。
    アルミリオはそれをそのまま表情に出した。

    アルミリオ「コーディネイターの人口問題と、プライドの高さに何の関係が?」

    アズリナ「関係、大アリ。
    コーディネーター共はそのプライドの高さから、決して種を絶やしたくはないんですよ。
    決して、なにがなんでも、ね」

  • 97125/04/05(土) 20:22:46

    アズリナ「種を絶やしたくないがために、種の定義を変化させていくのはプライドの守り方として正しいのか、

    わたくしには分かりませんがねぇ。

    まあ、コーディネイターといえど絶滅の危機に瀕すればそうせざるを得ないということでしょうが」


    アルミリオ「種の、定義?

    何を言っているのかますます分からないな」


    まあまあお聞きなさい、とアズリナがまたアルミリオの頬を扇子でぺちぺちと叩く。

  • 98125/04/05(土) 20:24:25

    ふっ、とアズリナが目を細める。

    アズリナ「ハーフコーディネイターは、ナチュラルとコーディネイター、それぞれの特性を半分ずつ受け継ぐ」

    アルミリオ「…………」

    アズリナ「優性遺伝子、劣性遺伝子、綯い交ぜにして。
    さらにナチュラルと交わり続ければ、世代を増すごとにコーディネイターの特性は薄れていく。
    遺伝の法則から踏み外れているのにメンデルなんて名前のコロニーで研究された、ああなんて奇妙な存在……」

  • 99125/04/05(土) 20:29:19

    アズリナ「そのハーフコーディネイターと、コーディネイターが子を成したらどうなると思います?」

    アルミリオ「…………んん?」

    アルミリオが、生物の授業で習った内容を頭の中に並べる。

    アルミリオ「ハーフコーディネイターとコーディネイター、それぞれの特性を……半分ずつ、受け継ぐ?
    それでも行政のシステムなんかではハーフコーディネイターと呼ばれるのは変わりないが、
    言うなればクォーター(4分の1)ナチュラル、とも呼べるのか?」ウーン

  • 100125/04/05(土) 20:33:37

    この辺の計算間違ってたらすみません……。
    --

    アズリナ「ええ。
    長らくコーディネイターの間で禁忌とされていたため、
    コーディネイターとハーフコーディネイターの混血例はまだ少ない、が、増えてはきている」

    では、クォーターナチュラルとクォーターナチュラルを掛け合わせれば?
    とアズリナが両手の人差し指を立てる。

    アルミリオ「えっ、え?
    ええと、つまり4分の3がコーディネイターの遺伝子を持つ両親から半分ずつ受け継ぐのだから、
    ……クォーターのまま?」ムムムム

  • 101125/04/05(土) 20:39:51

    前スレでも同じこと書いた気がするけど、この辺はあくまで種世界の遺伝子の話であって現実世界の法則とは違うということでなにとぞ……
    --

    アルミリオ「遺伝子をこんな割合で単純に表していいのかは疑問だが……いや、だから遺伝の法則から踏み外れた存在と前置きしたのか。
    ともかく、クォーター同士の子はクォーターのまま……」ハッ

    ここでようやく、アズリナの言わんとしていることを察しアルミリオの顔が青くなる。

    アズリナ「そう。
    コーディネイターの遺伝子が入っている以上、遺伝子同士の相性に気を遣う必要はあるでしょうが。
    それでもクォーターナチュラルは、第三世代以降のコーディネーターよりはまだ同種と子を成せる可能性が高い。
    ……ナチュラルよりも、コーディネイターの遺伝子が『数字上は』多い存在が子孫を残し続けられる。
    さらに計算してみましょう、クォーターナチュラルとコーディネイターの子は?」

  • 102125/04/05(土) 20:46:03

    アルミリオ「……さらにコーディネイターの遺伝子の割合が増えて……」

    アズリナ「そこまで行けば、流石に次もコーディネイターと掛け合わせるというのは難しいでしょう。
    けど限りなくコーディネイターに近い存在は作れましたね」

    そうしてまた僅かに残ったコーディネイターや、ハーフコーディネイター、そしてクォーターナチュラルと掛け合わせていけば。
    細々と、それでも高い確率で、その『限りなくコーディネイターに近い存在』を残していける。

  • 103125/04/05(土) 20:54:04

    アズリナ「限りなくコーディネイターに近い存在、を後世『コーディネイター』として受け入れざるを得ない。

    それくらい、コーディネイターという種は行き詰っている。

    くくく、妙な話だ。

    プライドの高さゆえに種の絶滅は受け入れられないのに、ナチュラルより血の割合が多ければ渋々受け入れる。

    それだって永遠には続かないのに……」


    アズリナ「なあんて、最初にお伝えした通り、わたくしだって突拍子もない話だと分かっていますよ。

    ですが、よく考えればあり得ないと分かる事でも、人は動く。

    それは貴方自身が、産まれた時に証明したことでしょう?」

  • 104125/04/05(土) 21:00:32

    アズリナ「と、まあ理解できましたよね?
    コーディネイターの未来の礎となるハーフコーディネイターは、大いに需要があるのです!
    そのハーフコーディネイターが生み出せるかもしれない、そのかもしれないはコーディネイターを狂わせる。
    ……おっと」

    アズリナが、アルミリオの顔を覗き込む。

    アズリナ「随分と顔色が悪いですよ。
    体調でも崩しましたか?」

  • 105125/04/05(土) 21:04:01

    アルミリオ「……そんなのまるで、品種改良じゃないか……!」

    アズリナ「品種改良ですよ。
    これはね、肌の色や言語の違いとは全く別の話。
    コーディネイターの始まりから今日まで続く、人工的に生み出された種の在り方なんです」

    アルミリオ「コーディネイターだって、俺達と変わらない人間なんだ。
    そんなグロテスクな話を受け入れるはずがない」

  • 106125/04/05(土) 21:08:44

    アズリナ「そう思いたい気持ちは分かりますよ。
    けど、現実は厳しいものです」

    わたくしは先ほど言いましたよね、とアズリナが微笑んだ。

    アズリナ「貴方の双子から、話を聞いていなかったのかと。
    プラントではすでにこういった話、いや未来への展望が一般市民にも広まっているというのに」

  • 107125/04/05(土) 21:11:57

    アルミリオ「えっ……」

    アルミリオの頭の中で、夢を語るディアリオの声が再生される。
    いつかナチュラルと付き合って結婚したい。
    いつも、ディアリオはそう繰り返し言っていた。

    アルミリオ(今のプラントにはまだ、ハーフコーディネイターよりコーディネイターが多い。
    そんな中でディアリオは、周りから、どんな目で見られていたんだろう)

  • 108125/04/05(土) 21:18:16

    アルミリオ(コーディネイターと……を、期待されて。
    いやすでに、周りの大人からほとんど将来を決めつけられているのかも。
    もしかしてあいつは、そんなプレッシャーに嫌気がさして……)

    アズリナ「今言ったことはほんの一例で、
    その他にもハーフコーディネイターを種の存続のため利用する様々な方法が研究されているそうですよ。
    と、もって回った話になりましたが。
    そういう訳で、ハーフコーディネイターが増えるのはプラントのコーディネーター共にとっては喜ばしいこと、
    反コーディネイターのナチュラル達には非常に嘆かわしいことなのです。
    その反応を引き出せる動画は、お金になるんですよねぇこれが」

  • 109125/04/05(土) 21:23:39

    アズリナ「ああ、勘違いしないでくださいよ。

    確かにわたくしは同胞であるナチュラル寄りのスタンスに立つことが多いですが、別にコーディネイターに絶滅して欲しいとは思っていません。

    わたくしが主にお金を動かすのは反コーディネイターの方達相手ですが、たまにはコーディネイター共とも取引をするんです。

    動画やら何やらで人口問題を煽れば煽るほど、方々から財を成せる。

    素晴らしいことだと思いませんか?」フフン


    アルミリオ(……この女は……)

  • 110125/04/05(土) 21:30:07

    アズリナ「軍人を志す貴方だって、マネーの大切さが分かるでしょう?
    軍を動かす力も、人も、戦争も平和も、全ては財から生まれるんです」

    アズリナがくるりと回り、その動きに合わせてスカートがふわりと広がる。

    アズリナ「財は何よりも優先される。
    圧倒的な金さえあれば、わたくしの父だって、ははは、貴方の両親に殺されずに済んだ……!」

  • 111125/04/05(土) 21:35:13

    アルミリオ「俺の、両親……」

    アルミリオは、両親がアズリナ・アズラエルの親と関わっていたのかを聞いたことは無かった。
    だが、ムルタ・アズラエルというブルーコスモス元盟主の名は知っている。
    戦争で対立するうちに、戦場で出会い命のやり取りをしてしまったのは想像に易い。

    アズリナ「さぁて、楽しい楽しいお喋りはこの辺りにしておきましょうかね」

  • 112125/04/05(土) 21:38:22

    すっと、アズリナの表情が消える。

    アズリナ「わたくしと舌戦してどうにか脱出したいとでも考えているのでしょうが、
    こちらも忙しいのでね。
    貴方のこの後の使い方は、歩きながらでも考えておきますよ」クルッ

    アズリナはアルミリオへ背を向けて、部屋の扉へと近づいて行った。

  • 113125/04/05(土) 21:43:48

    アルミリオは、その背中から目を逸らさず、ある考えをずっと頭の中で繰り返していた。


    殺さなければ。


    アルミリオ(……この女は、本当に人間を、ただの駒や数字としか見ていない)

  • 114125/04/05(土) 21:45:19

    アルミリオ(この女が人口問題を利用し続ける限り、ディアリオの置かれた環境が悪くなっていく。
    ……ディアリオの未来が、崩れてしまう)

    だからこの女を、生かしておく訳にはいかない。

    殺し、殺されるを繰り返しても、何もいいことはない。
    それを頭では分かっているのに、アルミリオの中でアズリナに対する衝動が収まらない。

  • 115125/04/05(土) 21:48:24

    この手で殺さなくては、

    とアルミリオは一人残された部屋で、小さくつぶやいた。



    【近くの海上】

    ディアリオ「俺もアルミリオも昔は、よくカッとなって、ムチャな行動をすることが多かったんだ」

  • 116125/04/05(土) 21:51:26

    一方その頃ディアリオ達ズッコケ3人組は、小島のすぐ近くまでボートでたどり着いていた。
    とりあえず上陸するまで世間話をしている。

    ディアリオ「母さん譲りの性格らしいんだが、アルミリオがもし今もムチャなことをしていたら……
    はぁ、心配だぜ」

    カズラ「アズリナについて行った時点で、すでにムチャクチャしてるだろ」

    レミー「っていうかそんなことより、島に着いたらどうするの?
    さっきの頭良いヒト、怒らせちゃったから作戦とか無いし~」

  • 117125/04/05(土) 21:52:37

    とまあ何の話やねんというところで本日はここまで
    小難しい話は今回のアズラエル娘パートで終わりで、あとはわりとゆるゆるとした会話が続きます

  • 118二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:19:29


    すごい話だ

  • 119二次元好きの匿名さん25/04/05(土) 22:51:33

    気づいてなかったけど言われてみれば、元AAクルーの両親はアズラエルの仇か…

  • 120125/04/06(日) 08:16:53

    朝あげ
    今日は午前には投下できずに、午後の投下になりそうです

  • 121二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 10:26:35

    アズリナお姉さま強キャラ感ある

  • 122125/04/06(日) 17:26:13

    今日はもう少し後、18時半か19時頃にはまた投下していけそうです
    このペースでいけば、火曜日か水曜日には終われるか……?
    とか言ったら長引きそうな気もしますが

  • 123125/04/06(日) 18:57:27

    そろそろまた投下していきます
    3人組のゆるゆる会話の続きからです

  • 124125/04/06(日) 19:02:03

    116の続きです

    --


    ディアリオ「目の前にある島にアルミリオがいるかを、どうにかこうにか確かめたいけどな。

    ここからじゃ調べる方法もねえし、どうしたもんか」ウーン


    カズラ「さっき、双子のテレパシーを試みた時に、アルミリオの気持ちを察することができたんだろ。

    もう一度同じようなことをして、あいつが居るのか分かったりできないのか」


    ディアリオ「そう都合よくいくかなぁ」


    それが出来たら俺はもっと有名人になれるぜ、とディアリオが冗談めいた口ぶりで苦笑する。

  • 125125/04/06(日) 19:08:03

    レミー「双子のテレパシー? そんなの、本当にあるの?」


    カズラ「レミーはそういうの、信じていないのか?」


    レミー「うん、あったらロマンチックだなーとは思うけど、

    でもやっぱりフィクションの存在って感じ!

    アタシ、もうそーゆーの素直に信じられるトシでもないし……」ハァ

  • 126125/04/06(日) 19:15:57

    ディアリオ「や、実際俺もそう思うよ」


    レミー「?」


    ディアリオ「テレパシーとか、お化けとか、そういう超常現象ってさ。

    物事に対して色々考えこむようになった大人よりも、

    真っ向から信じられる子ども時代のほうが出会いやすいんだろうなって」

  • 127125/04/06(日) 19:19:07

    ディアリオ「俺もお化けなんて今更信じちゃいないけどよ、でもほらオーブの言葉で『幽霊の正体見たり枯れ尾花』ってあるだろ?
    それと同じで、信じている人にはちょっとした物の影なんかでも脳みそが勝手に恐怖フィルター通しちゃって、実際にお化けに見えたりするもんだろ」

    レミー「あー、言うわよね。
    錯覚って脳みそが勝手に処理しちゃって起こるって」

    ディアリオ「だからテレパシーも、それが出来ると心から信じられている間は脳の普段使っていない部分が、
    常識で縛られた大人には信じられないような現象を起こすのかもな」

  • 128125/04/06(日) 19:23:09

    ディアリオ「なんて、カッコイイ言い方し過ぎか!」ヘヘッ


    カズラ「けどその考え方で言えば、お前はもうテレパシーを信じていない側なんじゃないのか?」


    ディアリオ「そうだな、俺も、もう自分は大人になったと思っていたけど」

  • 129125/04/06(日) 19:27:58

    ディアリオ「まだ俺にも、テレパシーを信じる幼心が心の底に残っていたのかもなぁ……。
    心霊番組を見た後とか、やっぱお化けいるかもって思う時あるしよ」シミジミ

    レミー「あーっ、それは分かるかも。
    アタシもさっきモビルスーツ乗ってた時、昔パイロットだったパパに『動かし方教えて~!』って祈ってたもん。
    いつもは幽霊とか信じてないって思ってても、時と場合によっては信じちゃうってやつよね~」

    カズラ「アルミリオもこんな緊急事態だから、
    双子のテレパシーを信じて試みてくれていれば、通じるのかもしれないな」

    ディアリオ「だと良いな。
    ……あいつは自分の事、大人になったって思ってるんだろうけどさ」

  • 130125/04/06(日) 19:34:04

    近づく小島を眺めながら、ディアリオは心の中でアルミリオに語りかけた。


    ディアリオ(アルミリオ、もし聞こえているなら……俺はもう、お前のやる事をアレコレ決めつけたりしねえよ。

    でも、今回はお前も色々やからしたよな。

    だからお互いさまってことで、コンパスとか、これからの事はちゃんと一から話し合おうぜ)

  • 131125/04/06(日) 19:38:58

    ディアリオ(……けど、俺はお前の顔を見たら、また子ども扱いしてしまいそうだ。
    そしたら心配になって、俺の言う通りにして欲しいって思っちゃうこともあるんだよ。
    今でも、お前がオーブ軍に入って上手くやれんのとか、すっげー心配だし)

    はぁ、とディアリオが心の中で肩を落とす。

    ディアリオ(あーあー、俺は大切な相手をドーンと突き放せるほど度胸のある男じゃねえんだよ。
    どうやったらこの性格を変えられる?
    とにかく俺、これからもずっとアルミリオと仲良くやっていきたいんだよ)ウーン

    そうこうしている内に、ボートは目の前の島の岸へとたどり着いた。

  • 132125/04/06(日) 19:43:10

    【アズリナの所有する建物の付近】

    ディアリオとカズラ、それにレミーはボートを小島に着け、島に唯一あるらしい建物へと近づいた。
    だが今度は人が多く、安易に侵入できそうにない。
    茂みに隠れながら、3人が顔を合わせる。

    カズラ「ここにいる連中は、さっきの島にいた奴らと同じロゴが入った服を着ている。
    アズリナの仲間に違いなさそうだ」

    ディアリオ「それに、やけに警備も強固だ。
    あの女の、オーブでのメイン拠点なのかもしれないな」

    レミー「つまりアズリナさんや、あの子もここにいるかもしれないってことね」ビシッ

  • 133125/04/06(日) 19:48:41

    カズラ「ディアリオは、アルミリオがいるかどうかテレパシーで感じられないのか?」

    ディアリオ「それが、さっぱりなんだよ」トホホ

    レミー「相手が眠らされているのかもしれないわね。
    で、どうやって建物の中に入るの? どうやってあの子を助けるつもりなの?」

    ディアリオ「…………」

    レミー「ふふ、ノープランってわけね」

  • 134125/04/06(日) 19:53:23

    ディアリオ「こういう時、イザホがいてくれればなぁ。
    さっとアイデア出してくれるんだけどな」

    カズラ「もう一回電話して、謝ってみたらどうだ?」

    ディアリオ「ってよー、あいつ、一回怒ると長いぜ。
    さっきだって俺なりに謝ったのに、またキレだすし」

    レミー「そんなの、アナタが変なコト言うからじゃない!
    ……あら、どうしたの? カズラ。
    渋い顔でキョロキョロしたりして」

  • 135125/04/06(日) 19:58:27

    カズラ「いや……ここの島、見覚えがあるような気がして……」

    レミー「ふーん?
    まっ、とにかく。
    アテも無いし、またアドバイスしてくれそうなイザホって子に電話するだけしてみたら?」

    ディアリオ「へいへい。
    電話しても出てくれるかなぁ、あいつ」ピッ

  • 136125/04/06(日) 20:03:57

    プルルルルル…


    ディアリオ「おっ、繋がった」


    イザホ「ディアリオ!?

    何、アルミリオ君は見つかったの!?」


    ディアリオ「うおっ、いきなり怒鳴るなよ。

    ものの数十分で状況変わるかよ、まだ次の島に着いたところだって」

  • 137125/04/06(日) 20:09:37

    ディアリオ「目の前に建物があるんだけど、侵入する方法が全然分からなくってさ。
    天才イザホ様のアドバイスをいただけませんでしょうかと……」デヘ

    イザホ「なんで私が!!
    不法侵入の手助けをしなくちゃならないの!?」

    ディアリオ「や、ほら、えっと、な?
    なんだかんだでいつも俺のこと助けてくれるじゃんかよ~」

  • 138125/04/06(日) 20:15:38

    イザホ「ぶん殴るわよ……」プルプル


    ディアリオ「あ、や、今のやっぱナシ。

    じゃなくてえーっと、その」


    カズラ「何だか会話の雲行きが怪しいが、大丈夫か?」


    通話音量を最大にしているため、隣にいるカズラとレミーにもイザホの声が聞こえている。

  • 139125/04/06(日) 20:18:33

    イザホ「そうやって、人の気持ちを利用して」

    ディアリオ「んん、だってよ、ほら」

    イザホ「自分だけはのらりくらりとかわし続け」

    ディアリオ「そ、そんな低い声で唸るなよ。
    さっきから全部の語尾に、怒りマークが付いてるって」ヒィ

  • 140125/04/06(日) 20:22:23

    イザホ「またどうせ、『お前は俺のこと好きなんだから協力しろよ』なんて言うんでしょ!?

    私の気持ちに応える気なんてさらさら無い癖に、どうしてそんな事が言えるの!?」


    ディアリオ「こっ……答える気が無い訳じゃ、ねえよ!」

  • 141125/04/06(日) 20:27:09

    レミー「おっ」

    カズラ「えっ」

    こんな話をしている場合じゃないんだけどな、と思いつつも、
    イザホの気持ちにけりを付けない限り話が進まないと見て、ディアリオは話題に乗ることにした。

    ディアリオ(けど、いつもの調子で喋ってちゃ喧嘩は終わらねえ。
    ここは俺も気を引き締めて、本気でイザホに向き合わねえとな)

  • 142125/04/06(日) 20:29:45

    ディアリオ「あ、あの、さ」

    いい機会だ、こうなったら覚悟を決めて伝えるべきことを言おうとディアリオは背筋を伸ばした。

    ディアリオ「まず、俺は別にお前の好意を利用しようとするつもりは……あー……あった気がする。
    つか、あったわ。
    それはホントに俺が悪い、心から謝る」

  • 143125/04/06(日) 20:35:59

    イザホ「…………」


    ディアリオ「アルミリオがいなくなって、かなりパニックになってて、ついお前に甘えてしまってた。

    それにお前と変な……気まずい関係になりたくなくて、誤魔化したくて、ふざけてた。

    なんて、言い訳がましいか。

    でも、俺の本意じゃねえっつーか。

    俺はお前を無下にしたくないし」

  • 144125/04/06(日) 20:44:12

    ディアリオ「イザホは、俺の大切な相棒だからな。

    だから俺は……その、お前のこと……」


    イザホ「……言わないで」


    ディアリオ「んだよ、言えとか言うなとかどっちかにしろよ~」ハァ


    スパァン!といい音を出しながら、ディアリオの頭がカズラにしばかれる。

  • 145125/04/06(日) 20:46:54

    イザホ「フラれるの、分かっているから……」


    ディアリオ「け、けど」


    イザホ「言われたらもう、友達としても会えなくなるわ……」



    ディアリオ「俺だって、お前のこと好きだよ!!」

  • 146125/04/06(日) 20:51:00

    イザホ「!!」


    カズラ「!!」


    レミー「!!」キャーッ

  • 147125/04/06(日) 20:53:46

    レミー「いやーん、アタシ、こーゆー展開超好きーっ!」キャッ

    ディアリオ「……だけど」

    一度は勢いを取り戻したディアリオの語気が、また弱まる。

    ディアリオ「好きだけど、俺、お前とは付き合えないんだよ。
    ……ナチュラルと、付き合いたいんだよ……」

  • 148125/04/06(日) 20:57:31

    イザホ「……どうして?

    私が、コンパスに行く気が無いから?」


    ディアリオ「いや、それは関係ない。

    詳しい理由は、お前には、お前にだけは言えない。

    俺は、どうしてもナチュラルと付き合いたいんだ」


    イザホ「お願い、理由を聞かせて。

    じゃないと私、納得できない」


    ディアリオ「駄目だ。

    言わない方が、お前のためになるんだよ」

  • 149125/04/06(日) 21:02:52

    しまった、また決めつけてしまったとディアリオが心の中で慌てる。


    ディアリオ(けど、こんなの上手く言えねえよ。

    一体どうしたらいいんだ?)


    ディアリオ「俺はすでに一度、お前の好意を利用しようとして傷つけた。

    これ以上は辛い思いをさせたくない」


    イザホ「そんなの……!」

  • 150125/04/06(日) 21:07:12

    カズラ「ディアリオ、お前、頭ハツカネズミになってないか?」


    カズラが、イザホの声を遮り会話に割って入る。


    ディアリオ「はぁ?」


    カズラ「お母様が言ってた。

    一人でグルグル考えてる奴は、頭がハツカネズミになってるんだって」

  • 151125/04/06(日) 21:11:55

    カズラ「そういう時は大抵、自分が本当にしたい事とか、どうするべきかを見失ってるんだ」

    ディアリオ「一体、何の話だ」

    カズラ「私もつい最近、同じようなことがあった。
    ああ、そうだ、今ようやく思い出した」

    カズラが、辺りをゆっくりと見まわす。

    カズラ「この島は……」

  • 152125/04/06(日) 21:17:12

    その時、ふいにカズラが立ち上がった。

    ディアリオ「って、おい!?」ガシッ

    いきなり、カズラが走り出そうとしたので慌ててディアリオが足を掴む。

    カズラ「きゃんっ」ドサッ

    そのせいで、つんのめったカズラが勢いよく倒れそうになるのをとっさにレミーが抱き留める。

  • 153125/04/06(日) 21:19:13

    レミー「あらっ、お姫サマをつかまえちゃった」

    ディアリオ「こらカズラ、急にどこ行くつもりだよ!?
    誰かに見つからったらどうする!」

    と叱られても、カズラは真剣な顔で少し先にある小さな崖面の横穴を指さしていた。

    カズラ「この島はずっと昔……私が、誘拐された場所なんだ」

  • 154125/04/06(日) 21:22:00

    イザホ「カズラちゃん?」


    急に話題転換したカズラの言葉に、イザホも端末の向こうで困惑している。


    カズラ「もうすっかり風景も変わってしまっているから、すぐには気が付かなかった。

    そうだ、丁度あんなくぼみの中で、私は助けを待っていた」

  • 155125/04/06(日) 21:26:11

    先ほどまでの話などお構いなし、といった風にカズラが前へ進もうとするので、
    仕方がなくディアリオがカズラの足を離す。
    こうなればもう、イザホとの会話は一時中断するしかない。

    カズラ「こんな風に、座って」

    横穴と言っても、深さは1mほどしかない。
    カズラがその中で座り込んでしまったので、
    ディアリオは誰かに見つからないよう周囲を警戒しつつ、その横穴の前にしゃがんだ。

  • 156125/04/06(日) 21:29:02

    カズラは穴の中からディアリオの顔を、驚いたような悲しいような表情で見上げた。
    ひょこっと、レミーもディアリオの背後から覗き込む。

    カズラ「……ディアリオだったんだな」

    ディアリオ「あぁ?」

    カズラ「ずっと、思い出そうとしていた。
    昔、私が誘拐された時に、アルミリオとディアリオのどちらが私を見つけたのか。
    ずっと気になってしかたがなかったんだ」

  • 157125/04/06(日) 21:32:16

    お前も覚えていないだろ、と言われディアリオはうんうんと頷く。

    カズラ「一時はいっそのこと、もう一度誘拐されてみようかとも思った。
    もちろん狂言でな」

    そういえば、とディアリオはカズラの部屋で見た恥ずかしいポエムを思い出した。

    カズラ「それくらい気になって仕方がなかったから……ある時、お父様に相談したんだ」

    そうしたらすぐに、自分の本当の気持ちに気づけたとカズラは語る。

  • 158125/04/06(日) 21:36:45

    カズラ「自分一人で考えていた時はずっと、私は『誰が私を見つけたのか』を知りたいんだと思っていた。

    けど、本当は違ったんだ」


    カズラ「本当は、私を見つけた相手を知りたかったんじゃあない、

    アルミリオに私を見つけて欲しかった、いや、

    ……今でもアルミリオに私を見つけて欲しいんだ」

  • 159125/04/06(日) 21:40:21

    ディアリオ「…………」キョトン

    カズラ「それは本当だったよ。
    だって今、幼い時に私を見つけてくれたのはディアリオだったって思い出した。
    けどもう、そんなことはいいんだ」

    カズラが、かわいらしく目を細める。

    カズラ「真実がどうであれ、アルミリオに私を見て欲しいと思う気持ちは今も消えていないからな!
    だから私は、アルミリオを見つけに行くんだ。
    ディアリオ、お前も、自分一人で決めつけてないでちゃんと話せよ。
    じゃないと自分の本当の気持ちも見失うぞ」

  • 160125/04/06(日) 21:43:09

    ディアリオ「…………」

    イザホ「…………」ポカーン

    ディアリオ「……分かったよ」

    ディアリオが、小さくため息をついた。
    またイザホに向き合う時だと、心の中で覚悟を決める。

    ディアリオ「何で俺がどうしてもナチュラルと付き合いたいのか、理由を話すよ。
    けど、分かってくれよな。
    俺は本当に、イザホに傷ついて欲しくなかったんだって」

  • 161125/04/06(日) 21:45:04

    ディアリオ「コーディネイターと子孫残せって周りのプレッシャーが嫌いで、

    ナチュラルと付き合いたいだなんて。

    んなこと言ったら、イザホは絶対傷つくだろ」


    イザホ「あ……」


    ディアリオ「ここ数年、ずっとだ。

    特にザフトに入隊してからは酷え、上の世代のコーディネイターは俺のようなハーフコーディネイターを、

    種の存続のためのシステムのように思ってるのが多いんだよ」

  • 162125/04/06(日) 21:47:20

    ディアリオ「もちろん俺の親や、イザークさんのように、俺の将来を案じてくれている人達もいる。
    だからこそ俺は、今後生まれてくるハーフコーディネイターのためにも……プラントの風潮に反発し自由を選んだ男として、名を残してえ。
    親達の背中を見て、そう思いながら育ってきたんだ」

    イザホ「そんな……」


    ディアリオ「……って、正直、ついさっきまで思っていたんだけどよ」

  • 163125/04/06(日) 21:49:40

    ディアリオ「さっきのカズラの話を聞いて、ちょっと考え変わったわ。

    ははっ、俺ってホント単純な奴」


    カズラ「えっ?」


    ディアリオ「一人でグルグル考えてると、自分の気持ちを見失うってマジなんだな。

    俺、考えを口に出してようやく、気づいたんだ」

  • 164125/04/06(日) 21:52:30

    ディアリオ「俺は、自分のために周りのプレッシャーに反発して、
    ナチュラルと付き合いたかったんじゃあない。
    俺の家族や、俺を心配してくれる人を、安心させたくてそう言ってたんだって」

    ディアリオは目を閉じて、アルミリオの顔を思い浮かべた。
    その隣に、笑顔のイザホも並べる。

    ディアリオ「俺がナチュラルと付き合いたいって言っとけば、
    ハーフコーディネイターのダチも気分が明るくなるって言うし、親だってニコニコするんだ。
    でも、俺、すぐ近くにいる奴の気持ちを見落としてた」

  • 165125/04/06(日) 21:54:10

    それからディアリオははっきり目を開けて、イザホへ答えた。


    ディアリオ「俺の大切な相棒、イザホを傷つけてまで俺はナチュラルと付き合いたくねえ。

    イザホの気持ちを蔑ろにするくらいなら、俺はプライドだって捨ててやるさ」


    ディアリオ「イザホ、俺達付き合おうぜ!

    俺の恋人になってくれ!」


    イザホ「……!!」

  • 166125/04/06(日) 21:56:32

    イザホ「……遅過ぎるわよ、お馬鹿者……」グスッ

    ディアリオ「え、じゃ、じゃあ」アワワ



    イザホ「返事は『YES』に決まっているでしょう?
    もう、そんなに怯えきった声出さないでよ。
    たとえディアリオがコンパスに行ったって、絶対に別れないんだからね!」

  • 167125/04/06(日) 21:58:23

    ディアリオ「イザホ……!」

    イザホ「ディアリオ……」フフッ

    ディアリオと端末の間に、にゅーっと白い手が挟まる。

    レミー「あ、あのー。
    お2人の世界に浸っているところ悪いんですケド、
    そろそろ次の話に行かないと日が暮れちゃうかも……?」

  • 168125/04/06(日) 21:59:02

    とまあ長丁場になってしまいましたが、本日はここまで
    明日はまた20時頃に投下できそうです、いよいよ終わりが近いです

  • 169二次元好きの匿名さん25/04/06(日) 22:26:19


    ラブコメ濃度が高い

  • 170二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 07:52:47

    保守

  • 171125/04/07(月) 08:45:14

    コメント&保守ありがとうございます!
    今夜投下分から一気にクライマックスです
    多分今夜あたりにまた新スレを建てることになるかな

  • 172二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 11:51:35

    日常ssスレもいいけど、こういうシリアスなssスレの恋愛話もいいものだ

  • 173125/04/07(月) 12:46:19

    お昼あげ
    今夜はまた20時頃には投下できそうです、
    スレまたいでの更新になっちゃうかも

  • 174二次元好きの匿名さん25/04/07(月) 18:04:00

    こうなるとディアリオ君がちゃんと周りを見始めてるのに対して、アルミリオ君がディアリオ君のことばかり考えてるブラコンぷりが際立ってくる…

  • 175125/04/07(月) 20:12:33

    ちょっと20時過ぎちゃったけど、また投下していきます
    頭脳担当のイザホ(イザシホ)が戻ってきたので、こっから話はかなりサクサク進みます

  • 176125/04/07(月) 20:16:29

    167の続きです

    --


    イザホ「あっ、そっ、そうね。

    私ったらうっかり」アセアセ


    えへん、とイザホがわざとらしく咳払いをする。


    イザホ「他ならぬ恋人の頼みだもの、こうなったら無事に帰れるようちゃんとサポートするわ。

    ところで、今までききそびれていたのだけれど」

  • 177125/04/07(月) 20:18:39

    イザホ「……ディアリオの横に居る人、誰かしら?」キョトン


    レミー「はぁい、アタシはレミー!

    さあ、早く双子ちゃんを助けに行きましょう。

    ついでにー、アタシはアズリナさんとお話したいなぁーって」

  • 178125/04/07(月) 20:23:01

    ・ ・ ・

    カクカクシカジカ

    ディアリオ「って感じだな、今の時点で分かる情報は」

    イザホ「……なるほど、状況と、外から予測した建物の構造は分かったわ」

    うーん、とイザホが端末の向こうで唸る。

    イザホ「考えるに、東側にかなり大きな部屋がありそうね。
    ひとつ前の島のように、兵器を隠しているのかも」

  • 179125/04/07(月) 20:29:06

    カズラ「確かに、気になるな」

    イザホ「細々とした部屋は中庭を挟んで、その大きな部屋のある棟の逆にありそうね。
    要するに、中庭を中心に東西に2棟あるってこと。
    中庭は目立つからできるだけ避けて、東西の棟を両方探しましょう。
    その後はやっぱり、中に入らないとどうすべきかが分からないわね」

    そう言いつつも、イザホからディアリオの端末へ監視カメラや警備位置の予測データが送られてくる。

  • 180125/04/07(月) 20:34:43

    レミー「すごっ」

    イザホ「いい? とにかく見つからないこと。
    もしどうしても誰かと格闘しなければならない時は、必ず各個撃破。
    それと、……そうね。
    とても大切なことを、一つ言い忘れていたわ」

    ディアリオ「ん?
    ああ、そうだな」

  • 181125/04/07(月) 20:38:41

    ディアリオ「好きだぜ、イザホ!」ニコーッ


    イザホ「ばっ……もう、それは後でしょ!

    今は恋人より、目の前の事態に集中しなさい!」フフ


    レミー「ああもう、ラブコメ空間がとまんなーい」キャッ


    カズラ「で、言い忘れていたことって?」


    イザホが、真っ赤な顔をふるふると横に振る。

  • 182125/04/07(月) 20:41:33

    イザホ「カズラちゃんを中へ連れて行くのは駄目。

    ボートの近くで、待たせてあげて」


    カズラ「何っ!?」


    カズラが、驚きのあまり両こぶしを握って立ち上がる。


    カズラ「ど、どうして!?

    ここまで来たんだ、私も一緒に行く!」

  • 183125/04/07(月) 20:46:28

    イザホ「建物の警備はかなり固いし、相手はあのブルー清浄なるモためによ。
    これ以上、民間人のカズラちゃんを危険にさらせない」

    ディアリオ「それは、確かにそうだな」

    カズラ「けど……!
    それを言うなら、レミーだって民間人だろ?」

    レミー「だって、アタシはアズリナさんに用事があるし」

  • 184125/04/07(月) 20:51:47

    レミー「それにアタシは、大人だもの」ウフフ


    カズラ「わ、私だって」


    イザホ「お願い、これ以上私を心配させないで」


    ディアリオ「ああ、イザホの言う通りだ。

    カズラはここで待っていてくれ、もし……日が沈みかけても俺達が戻らなかったら、

    アスランさんに連絡するか、ボートに乗って逃げてもいい」

  • 185125/04/07(月) 20:59:34

    カズラ「嫌だ! 私も行く!」


    ディアリオ「分かってくれよ、お前を守るためなんだ」


    カズラ「……ちくしょう」グスッ


    カズラが、その場にしゃがみ込む。

  • 186125/04/07(月) 21:03:00

    カズラ「こんな時に限って、私ばかりが子ども扱いだ。
    ディアリオと歳はほとんど変わらないのに」

    お母様なら何が何でもついて行くだろうに、とカズラが悔しさを口にする。

    ディアリオ「子ども扱い、つか単純にお前を危険な目に遭わせたくねえんだよ」

    カズラ「ラクス・クラインだっていつも言っているじゃあないか。
    誰にでも自分のやりたい事を決める自由があるって。
    私は、アルミリオを助けたい」

  • 187125/04/07(月) 21:06:34

    ディアリオ「それなんだけどよ。
    俺、今回気づいたんだ」

    カズラ「……?」

    ディアリオ「ラクス・クラインの言ってる内容ってさ。
    誰でも自分のやりたいことをやってもいいってのは、それはそうなんだけど」

    ディアリオとレミーが、カズラの頭をぽんぽんと撫でる。

  • 188125/04/07(月) 21:09:55

    ディアリオ「皆やりたいことをやってもいいけど、他人に迷惑と心配をかけるな。

    そういうことなんだよな」ハハ


    カズラ「…………」グゥ


    渋々、カズラもディアリオの言葉に頷く。

  • 189125/04/07(月) 21:14:11

    ディアリオ「なるべく、すぐ戻ってくるから……もし誰かに見つかりそうになったら、隠れるか逃げるかしろよ。
    じゃあな」

    レミー「後でね!
    帰り道にまた話そうねーっ!」キャッ

    ディアリオとレミーはカズラを置き、足早に建物へと歩みだした。

  • 190125/04/07(月) 21:21:15

    【建物内 大きな倉庫部屋】


    ディアリオ「まずは大きい部屋の方から確認するか、小さい部屋は一つ一つ開ける必要があるしな」ガサゴソ


    レミー「アタシも、オーブでアズリナさんが何しているか細かいことは知らないのよね」ガサゴソ


    茂みを乗り越えながら、大きな窓越しに東棟の内部の様子を探る。

    なるべくすぐ情報を伝えられるように、イザホとは通話が繋がったままだ。

  • 191125/04/07(月) 21:25:24

    ディアリオ「おいおい嘘だろ、建物の中にモビルスーツが見えるぜ」


    イザホ「なんですって? カメラで映像を共有できる?

    ……これは……何てこと、すぐにでも動かせそうなほど整備されたモビルスーツがあるだなんて」


    部屋の中には、一見して綺麗な状態のモビルスーツや戦闘機が並んでいる。

  • 192125/04/07(月) 21:27:42

    レミー「あれ、新しいモビルスーツなの?
    オーブの?」

    ディアリオ「いや……大西洋連邦のものだろうな。
    けど連合軍の兵器にだってモルゲンレーテが絡んでるんだ、オーブにあったっておかしくないと言えば……ないのか?」

    イザホ「これらの兵器がどのような許可を経てここにあるのか分からないから、何とも言えないわね。
    ただ……」

  • 193125/04/07(月) 21:29:12

    レミー「ただ?」

    イザホ「状態は良いようだけど、あのモビルスーツ、何故だか違和感を覚えるわ」ウーン

    ディアリオとレミーは見つからないように部屋の中へ潜入し、さらにモビルスーツへと近づく。

    ディアリオ「これは……!」

  • 194125/04/07(月) 21:32:15

    ディアリオ「窓越しだとはっきり分からなかったが、ここまで近づいたら流石に俺でも気づくぜ。
    これは20年以上前の、ナチュラルとコーディネイターが初めて戦争した頃に運用されたモビルスーツにそっくりだ」

    ディアリオは、白を基調に暗いグリーンとオレンジが生えるモビルスーツを見上げた。

    レミー「なにそれ? 骨董品ってこと?」

    ディアリオ「当時のモビルスーツがそのまま残っているはずはないさ、
    これはその骨董品のレプリカってところだろうな」

  • 195125/04/07(月) 21:35:48

    生えるってなんや……映えるの誤字です
    --

    イザホ「だけどハリボテじゃあないみたいね、
    流石に武装は付いていないようだけれど、乗って歩くくらいはできそう。
    これはただの想像だけど、連合加盟国の富裕層向けとして観賞用か、それとも自宅の警備用に作られたのかも?」

    ディアリオ「俺の憧れるバスターカラーにするとは、ふてぇ野郎だぜ!
    それで……見渡す限りでは、アルミリオはここにいないみたいだな。
    やっぱり細々とした部屋のある西棟の方かな、中庭の真ん中を突っ切る訳にはいかねえから、
    なんとか横の通路をすり抜けねえと」

    レミー「アズリナさんもいなーい……」ハァ

  • 196125/04/07(月) 21:39:18

    【建物内 小部屋】


    アルミリオ(なんだ? 足音が近づいてくる)


    アルミリオが扉に目を向けると、優雅な足取りでアズリナが部屋へと入ってきた。


    アルミリオ「また……」チッ


    アズリナ「おおっと、そんな顔をしていいんですか?

    せっかく鼠が入り込んだことを、貴方にもお伝えしようと思って来たのに」フフン

  • 197125/04/07(月) 21:42:45

    アルミリオ「ネズミって、俺の家族のことか?」

    アズリナ「それでですね、わたくし非常に面白いことを思いついたんです」スタスタ

    アルミリオの言葉を軽くスルーしながら、
    アズリナはアルミリオの身体を縛っている縄にトントンと何か細工のようなものを付けた。

    アズリナ「面白くて、何より大きな金額を動かせるアイデアをね。
    そのためには、この後貴方を……」

  • 198125/04/07(月) 21:43:15

    とまあスレもいっぱいだし時間もまあまあ経ったので本日はここまで、
    次スレの用意をしてきます

  • 199125/04/07(月) 21:44:38

    しまった200ぴったりにしようと思ったのに1つズレてしまった……
    次スレでラストになると思います

  • 200125/04/07(月) 21:45:55

オススメ

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